(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004757
(43)【公開日】2025-01-15
(54)【発明の名称】負電位発生装置
(51)【国際特許分類】
A61N 1/40 20060101AFI20250107BHJP
【FI】
A61N1/40
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024097094
(22)【出願日】2024-06-17
(31)【優先権主張番号】63/523,130
(32)【優先日】2023-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】321014528
【氏名又は名称】李洲科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】李明順
(72)【発明者】
【氏名】林明徳
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053LL20
(57)【要約】
【課題】負電位発生装置を提供する。
【解決手段】側壁を有し、側壁の内面にブラインドビアを有している絶縁ボックスと、前記絶縁ボックスに内設され、且つ第1導線を介してプラグに電気的に接続されているAC/DCコンバータと、前記絶縁ボックスに内設され、且つ前記AC/DCコンバータに電気的に接続されているブースターと、その一端は前記ブースターに電気的に接続され、他端は前記ブラインドビアに挿入されると共に前記ブラインドビアの内壁面に接触している第2導線と、前記絶縁ボックスに蓋をする絶縁カバーと、を含んで構成されている。こうすることにより、携帯に便利になり、いつでもどこでも電源に接続して負電位を発生させることができ、使用する際の操作が更に簡易で便利になっている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁(11)を有し、前記側壁(11)の内面(12)にブラインドビア(13)を有している絶縁ボックス(10)と、
前記絶縁ボックス(10)に内設され、第1導線(21)を介してプラグ(22)に電気的に接続されているAC/DCコンバータ(20)と、
前記絶縁ボックス(10)に内設され、前記AC/DCコンバータ(20)に電気的に接続されているブースター(30)と、
その一端は前記ブースター(30)に電気的に接続され、他端の金属線(41)は外に露出すると共に前記ブラインドビア(13)に挿入され、前記ブラインドビア(13)の内壁面(131)に接触する第2導線(40)と、
前記絶縁ボックス(10)に蓋をする絶縁カバー(50)と、を備えていることを特徴とする負電位発生装置。
【請求項2】
前記絶縁ボックス(10)及び前記絶縁カバー(50)は木製であることを特徴とする請求項1に記載の負電位発生装置。
【請求項3】
前記絶縁カバー(50)は前記絶縁ボックス(10)に蓋をして密封すると共に前記絶縁ボックス(10)内部を前記絶縁ボックス(10)外部の空気から隔絶することを特徴とする請求項2に記載の負電位発生装置。
【請求項4】
前記絶縁ボックス(10)と前記AC/DCコンバータ(20)及び前記ブースター(30)との間にある空間には複数の綿糸(60)が塞ぐように設けられていることを特徴とする請求項3に記載の負電位発生装置。
【請求項5】
前記AC/DCコンバータ(20)及び前記ブースター(30)は粘着テープ(32)により前記絶縁ボックス(10)内に固定されていることを特徴とする請求項4に記載の負電位発生装置。
【請求項6】
前記第2導線(40)と前記ブラインドビア(13)との間には閉塞部材(70)が覆設されていることを特徴とする請求項5に記載の負電位発生装置。
【請求項7】
前記絶縁ボックス(10)と前記AC/DCコンバータ(20)、前記ブースター(30)、及び前記等綿糸(60)との間にある他の空間にはグラフェン(80)が覆設されていることを特徴とする請求項6に記載の負電位発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負電位装置に関し、詳しくは、負電位発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、科学技術の発展と工業化が加速し、電子、電器製品の普及が進み、居住空間が密閉されている影響も受けて、環境中の正電位が増加して環境中の電位のバランスが大きく崩れている。
【0003】
しかしながら、現在普遍的に認知されているのは、マイナスイオンにより電位のバランス崩壊問題を解決する方法である。このため、従来はマイナスイオンを人工的に補充するマイナスイオン発生器が徐々に大衆に受け入れられてきており、様々な関連製品が競うように世に登場している。マイナスイオン発生器はコロナ放電式及び電子放射式等の2種類の方式がある。コロナ放電式は直流自由コロナ放電式とも呼び、直流回路中の負電極と誘電電極との間に高電圧を印加し、強い電界を形成し、一部の空気の絶縁性を破壊してコロナ放電を発生させ、追随して負電極がマイナスイオンを放出する。電子放射式は圧電変圧器を使用して回路を駆動し、負極性の高電圧を発生させ、負電極に印加し、電子を放出させてマイナスイオンを発生させる。しかしながら、上述のコロナ放電式では、空気中にマイナスイオンを発生させると同時に過剰なオゾン及び一酸化窒素等の汚染物質も発生させてしまい、人体にとって害があった。
【0004】
また、オゾン及び一酸化窒素が人体に吸入されるのを防ぐため、従来の特許文献では、例えば、下記特許文献1には、マイナスイオン、オゾン及び一酸化窒素等を木製の箱体内に密封してから、人体を箱体に接触させるマイナスイオン発生器が開示されている。特許文献1の技術は、マイナスイオンが木製の箱体を透過して人体に輸送されるが、マイナスイオンは空気によって伝播されるため、木製の箱体と外界との間の空気の流通量が少なければ、マイナスイオンの多くが箱体内に密封されることになり、僅かなマイナスイオンしか外界に輸送されず、よって、特許文献1のマイナスイオンの放出効果は低かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】台湾登録実用新案第M367722号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このため、環境の正電位の増加が環境中の電位のバランスを崩壊させる状況をマイナスイオンにより解決する方式は、実際には汚染物質を発生させる疑いがあり、且つマイナスイオン及び汚染物質が空間内に密封されてマイナスイオンの放出効果が低下するという技術的問題があった。
【0007】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0008】
上述の認知に基づいて、且つ本発明者は負電位が人体に対して下記利点を有していることを認知している。
1.血液の浄化作用:体内の負電位が増加した場合、血液中のカルシウム及びナトリウムがイオン化を加速し、血液を弱アルカリ性(pH値は7.4±0.05)に変え、血液が浄化作用を得る。
2.細胞の復元作用:負電位が増加した場合、新陳代謝も徐々に正常に戻って復活し、同時に細胞の機能も明らかに好転し、栄養を吸収しやすくなり、老廃物を排出しやすくなる。
3.抵抗力及び自己治癒力の強化:負電位が増加した場合、血液中のグロブリンも増加し、グロブリンの増加が疾病に対する抵抗力及び人体の自己治癒能力を高め、細胞の炎症を抑制し、創傷の復元の同様に加速する。
4.自律神経の調整作用:ほぼ全ての器官は交感神経及び副交感神経により制御されている。心臓の機能から、血管の収縮、瞳孔の拡張、胃腸の機能は全て交感神経により制御される。交感神経が緊張すると、これらの機能が強化され、副交感神経が緊張すると、逆の効果が発生する。この2種類の相反する作用がある神経系統は、共に自律神経によりそのバランスを保つことで、身体内部の環境を意志の影響を受けずに、自律的に機能することができる。負電位は自律神経の調整を助けるため、自律神経を正常に調整すれば、いくつかの身体の慢性病も自然と遠ざかる。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、携帯に便利であり、いつでもどこでも電源に接続した後にすぐに負電位を発生させ、使用時の操作を更に簡易で便利にする負電位発生装置を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、負電位を発生させると同時に、電磁波を遮断し、人体や他の物体、電器製品等に影響を与えないようにする負電位導出装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の一態様である負電位発生装置は、側壁を有し、前記側壁の内面にはブラインドビアを有している絶縁ボックスと、前記絶縁ボックスに内設され、第1導線を介してプラグに電気的に接続されているAC/DCコンバータ(AC DC Converter、交流/直流変換器)と、前記絶縁ボックスに内設され、且つ前記AC/DCコンバータに電気的に接続されているブースターと、その一端は前記ブースターに電気的に接続され、他端の金属線は外に露出すると共に前記ブラインドビアに挿入され、且つ前記ブラインドビアの内壁面に接触する第2導線と、前記絶縁ボックスに蓋をする絶縁カバーと、を含んで構成されている。
【0012】
本発明の好適例において、前記絶縁ボックスと前記AC/DCコンバータ及び前記ブースターとの間にある空間には複数の綿糸が覆設されている。
【0013】
本発明の好適例において、前記絶縁ボックス及び前記絶縁カバーは木製である。
【0014】
本発明の好適例において、前記絶縁カバーは前記絶縁ボックスに蓋をして密封すると共に前記絶縁ボックス内部を前記絶縁ボックス外部の空気から隔絶する。
【0015】
本発明の好適例において、前記AC/DCコンバータ及び前記ブースターは粘着テープにより前記絶縁ボックス内に固定されている。
【0016】
本発明の好適例において、前記第2導線と前記ブラインドビアとの間には閉塞部材が覆設されている。
【0017】
本発明の好適例において、前記絶縁ボックスと前記AC/DCコンバータ、前記ブースター、及びこれら前記綿糸との間にある空間にはグラフェンが覆設されている。
【0018】
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施例に係る負電位発生装置を示す概略斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る負電位発生装置を示す概略分解図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る負電位発生装置の一部を示す概略断面図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る負電位発生装置を示す概略断面図である。
【
図5】本発明の他の実施例に係る負電位発生装置を示す概略断面図である。
【
図6】本発明の一実施例に係る負電位発生装置の使用状態を示す概略図である。
【
図7】本発明の一実施例に係る負電位発生装置の絶縁ボックスに内設されたグラフェンを示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
【0021】
図1は本発明の一実施例に係る負電位発生装置を示す概略斜視図である。
図2は本発明の一実施例に係る負電位発生装置を示す概略分解図である。
図3は本発明の一実施例に係る負電位発生装置の一部を示す概略断面図である。
図4は本発明の一実施例に係る負電位発生装置を示す概略断面図である。
【0022】
以下に
図1乃至
図4を参照しながら、本発明に係る負電位発生装置100について説明する。
【0023】
本発明に係る負電位発生装置100は、絶縁ボックス10と、AC/DCコンバータ20と、ブースター30と、第2導線40(その中心層は金属線であり、且つ金属線は絶縁材質に被覆されている)と、絶縁カバー50と、を備えている。以下、それぞれについて説明する。
【0024】
絶縁ボックス10は側壁11を有している。側壁11の内面12にはブラインドビア13を有し、ブラインドビア13の開口端は絶縁ボックス10の内部に向けられている。絶縁カバー50は絶縁ボックス10に蓋をすることができ、選択的に密封し、絶縁ボックス10内部を絶縁ボックス10外部の空気から隔絶してもよい。いくつかの実施形態では、絶縁ボックス10及び絶縁カバー50は木製である。
【0025】
AC/DCコンバータ20は絶縁ボックス10に内設可能であり、且つ第1導線21(その中心層は金属線であり、且つ金属線は絶縁材質に被覆されている)を介してプラグ22に電気的に接続されている。
【0026】
ブースター30は絶縁ボックス10に内設可能であり、且つ第3導線31(その中心層は金属線であり、且つ金属線は絶縁材質に被覆されている)を介してAC/DCコンバータ20に電気的に接続可能である。いくつかの実施形態では、AC/DCコンバータ20及びブースター30は粘着テープ32により絶縁ボックス10内に固定されている。好ましくは、粘着テープ32は3Mの両面テープである。
【0027】
第2導線40の一端はブースター30に電気的に接続され、他端はブラインドビア13に挿入されると共にブラインドビア13の内壁面131に接触する。即ち、第2導線40のブラインドビア13の一端に挿入される金属線41は外に露出されてブラインドビア13の内壁面131に直接接触する。
【0028】
いくつかの実施形態では、絶縁ボックス10とAC/DCコンバータ20及びブースター30との間にある空間には複数の綿糸60が覆設され、AC/DCコンバータ20及びブースター30が振動するのを防止している。
【0029】
図5は本発明の他の実施例に係る負電位発生装置を示す概略断面図である。いくつかの実施形態では、
図5に示す如く、第2導線40とブラインドビア13との間には閉塞部材70が覆設され、第2導線40がブラインドビア13内に安定的に固定され、第2導線40がブラインドビア13から滑り出すまたはブラインドビア13内で振動するのを防止している。
【0030】
図7は本発明の一実施例に係る負電位発生装置の絶縁ボックスに内設されたグラフェンを示す概略構成図である。いくつかの実施形態では、
図7に示す如く、絶縁ボックス10とAC/DCコンバータ20、ブースター30、及び綿糸60との間にある他の空間にはグラフェン80が覆設され、AC/DCコンバータ20及びブースター30の電磁波を遮断し、人体に影響が及ばないようにしている。
【0031】
図6は本発明の一実施例に係る負電位発生装置の使用状態を示す概略図である。プラグ22が電源に挿入または接続されると、例えば、商用電源等の交流電源に接続されると、交流電流が第1導線21を介してAC/DCコンバータ20に流れ、交流電流が直流電流に変換され、直流電流が第3導線31を介してブースター30に流れて電圧を例えば8000Vまで上昇させ、高圧の直流電流が第2導線40を再び経由する。絶縁ボックス10は導電しないため、直流電流がブラインドビア13の一端に挿入される第2導線40の金属線41まで流れるとコロナ放電され、正電荷がブラインドビア13内に集中する。次に、ブラインドビア13内の正電荷が絶縁ボックス10の負電荷を吸引し、絶縁ボックス10の外部に近い周囲の電荷が全て正電荷になり、絶縁ボックス10が電極化される。こうすることで、絶縁ボックス10の外部の負電荷が絶縁ボックス10に吸引され、負電位を発生させる。
【0032】
本発明に係る負電位発生装置100がテーブルの天板300や人体(不図示)に接触するか近接すると、テーブルの天板300または人体に負電位200が発生する。第2導線40の金属線41がブラインドビア13の内壁面131に接触するため、特許文献1の金属線のように絶縁ボックス内の空気に曝すことでマイナスイオンを発生させるのではなく、本発明が主に発生させるのは負電位であり、マイナスイオンではない。また、絶縁カバー50は絶縁ボックス10に蓋をすることができ、選択的に密封して絶縁ボックス10内部を絶縁ボックス10外部の空気から隔絶可能である。よって、オゾンまたは一酸化窒素等の汚染物質が発生しても、絶縁ボックス10外部に輸送されて環境汚染を引き起こして人体を傷付けるようなことはない。また、閉塞部材70がブラインドビア13中の空気量を減らすため、マイナスイオン及びオゾンまたは一酸化窒素等の汚染物質が発生する可能性も低下する。
【0033】
上述の構造により、本発明に係る負電位発生装置100は携帯に便利であり、いつでもどこでも電源に接続した後にすぐに負電位200を発生させ、使用時の操作が更に簡易で便利になっている。また、グラフェン80を設けることで、負電位発生装置100を運用すると同時に、電磁波を遮断して、人体や他の物体、電器製品に影響が及ぶのを防止することができる。
【0034】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
100 負電位発生装置
10 絶縁ボックス
11 側壁
12 内面
13 ブラインドビア
131 内壁面
20 AC/DCコンバータ
21 第1導線
22 プラグ
30 ブースター
31 第3導線
32 粘着テープ
40 第2導線
41 金属線
50 絶縁カバー
60 綿糸
70 閉塞部材
80 グラフェン
200 負電位
300 テーブルの天板