(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004764
(43)【公開日】2025-01-15
(54)【発明の名称】車両事故損失評価リスク制御方法、装置、電子機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/08 20120101AFI20250107BHJP
【FI】
G06Q40/08
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024101160
(22)【出願日】2024-06-24
(31)【優先権主張番号】202310757101.2
(32)【優先日】2023-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】323013309
【氏名又は名称】データ エンライテン テクノロジー (ベイジン) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,カイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ロンビン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ミンハオ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ウェイ
【テーマコード(参考)】
5L040
【Fターム(参考)】
5L040BB61
(57)【要約】
【課題】車両事故損失評価リスク制御方法及び装置を提供する。
【解決手段】当該方法は、車両の今回の事故の、前記車両の車両情報及び車両の今回の事故に関する車両損失項目が含まれる車両事故損失評価レポートを取得することと、予め構築されたリスクアルゴリズムモデルに基づいて前記車両情報を組み合わせて前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して計算し、前記車両損失項目にリスクが存在するリスク項目を識別することと、前記リスク項目を遮断又はユーザに提示することと、を含む。当該実施形態は、人工知能、業界ビッグデータ標準化及びビッグデータマイニング分析などに基づいて、車両事故損失評価において発生し得る漏れに対して自動的に警報を行い、リスク制御を実現し、車両事故損失評価の正確性を保証することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサにより行う方法であって、
車両の今回の事故の、前記車両の車両情報及び前記車両の今回の事故に関する車両損失項目が含まれる車両事故損失評価レポートを取得することと、
予め構築されたリスクアルゴリズムモデルに基づいて前記車両情報を組み合わせて前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して計算し、前記車両損失項目にリスクが存在するリスク項目を識別することと、
前記リスク項目を遮断又はユーザに提示することと、を含み、
予め構築された前記リスクアルゴリズムモデルは、
様々なタイプの車両の過去の車両事故損失評価レポートに基づいて、過去の車両事故損失評価の損失写真とを組み合わせて、過去の車両事故ケースに対して衝突部位と損傷程度を手動でマーキングするステップと、
前記過去の車両事故ケースに対して手動でマーキングされた衝突部位及び損傷程度に基づいて、コンピュータにより様々なタイプの車両の過去の車両事故損失評価レポート及び衝突部位と損傷程度の画像を機械学習することにより、衝突部位及び損傷程度と車両損失項目との対応関係を取得するステップと、で構築される車両衝突部位損傷程度アルゴリズムモデルを含み、
前記車両衝突部位損傷程度アルゴリズムモデルに基づいて、前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して行う計算は、
取得された車両の今回の車両事故損失評価レポートにおける前記車両損失項目と、前記リスクアルゴリズムモデルに含まれる車両衝突部位アルゴリズムモデルにより算出された衝突部位とに基づいて、今回の事故の衝突部位の損傷程度を算出することにより、前記衝突部位と前記損傷程度の場合の部品損失境界を特定し、損傷部品に前記部品損失境界外にある損傷部品が含まれるか否かを判断し、含まれたと判断した場合、部品損失境界外にある当該損傷部品をリスク項目として識別することを含む、
ことを特徴する車両事故損失評価リスク制御方法。
【請求項2】
予め構築された前記リスクアルゴリズムモデルに含まれる前記車両衝突部位アルゴリズムモデルは、
車両の車両情報に基づいて前記車両を三次元座標系における対応図形として仮想するとともに、車両部品の車両における実際の取り付け位置に基づいて車両部品に三次元座標を付与するステップと、
車両を異なる衝突部位に区分するとともに、車両情報に基づいて前記衝突部位ごとに三次元座標データを作成することにより、衝突部位と車両部品との対応関係を確立するステップと、で構築された、
ことを特徴する請求項1に記載の車両事故損失評価リスク制御方法。
【請求項3】
前記車両衝突部位アルゴリズムモデルに基づいて前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して行う計算は、
取得された車両の今回の車両事故損失評価レポートにおける前記車両損失項目に基づいて、今回の事故の衝突部位を算出し、車両の今回の車両事故損失評価レポートと自車両の過去の車両事故損失評価レポートとを比較し、同一の衝突部位又は同一の損傷部品が存在するか否かを算出し、存在したと算出する場合、同一の該衝突部位又は損傷部品をリスク項目として識別する計算と、
車両の今回の事故の衝突部位が複数あると算出された場合に、複数の前記衝突部位のうち衝突ロジックに適合しない衝突部位が存在するか否かを判断し、存在したと算出する場合には、衝突ロジックに適合しない当該衝突部位をリスク項目として識別する計算と、の少なくとも1つを含む、
ことを特徴する請求項2に記載の車両事故損失評価リスク制御方法。
【請求項4】
予め構築された前記リスクアルゴリズムモデルは、
様々なタイプの車両の過去の車両事故損失評価レポートをサンプルデータとして、ビッグデータマイニング分析を行い、車両の事故損傷時における各車両部品間の損傷関連密度を算出して記憶するステップで構築される車両部品損傷関連密度モデルを含み、
前記損傷関連密度は、一方の車両部品が損傷して損傷部品になると、他方の車両部品もそれに応じて損傷部品になる確率と、一方の車両部品が損傷して損傷部品になると、他方の車両部品が損傷部品にならない確率との少なくとも一方を含む、
ことを特徴する請求項1に記載の車両事故損失評価リスク制御方法。
【請求項5】
前記車両部品損傷関連密度モデルに基づいて前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して行う計算は、
取得された車両の今回の車両事故損失評価レポートにおける前記車両損失項目に基づいて、前記損傷関連密度と合わせて、車両損失項目に含まれる一方の損傷部品と強い関連を持つ他方の部品も損傷部品として前記車両損失項目に記録されているか否かを識別し、未記録と識別された場合、前記一方の損傷部品をリスク項目として識別する計算を含み、
前記強い関連を持つこととは、一方の車両部品が損傷して損傷部品となった場合、他方の車両部品もそれに応じて損傷部品となる確率が所定の閾値よりも高いことである、
ことを特徴する請求項1に記載の車両事故損失評価リスク制御方法。
【請求項6】
予め構築された前記リスクアルゴリズムモデルは、車両原メーカー装備情報に対してビッグデータ標準化を行うことによって構築された車両原メーカー標準装備情報モデルを含み、
前記車両原メーカー装備情報は、車両原メーカーの装備データ、部品コード、部品の単一車両使用量、部品アセンブリと部品との関係、部品の指導価格及び補助材料の使用量のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴する請求項1に記載の車両事故損失評価リスク制御方法。
【請求項7】
前記車両原メーカー標準装備情報モデルに基づいて、前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して行う計算は、
前記車両情報に基づいて、前記車両原メーカー標準装備情報モデルにより前記車両に対応する車両原メーカー装備情報を識別し、前記車両損失項目における損傷部品の情報を前記車両原メーカー装備情報と照合し、両者の照合結果が一致しない場合、一致しない前記損傷部品をリスク項目として識別する計算を含む、
ことを特徴する請求項6に記載の車両事故損失評価リスク制御方法。
【請求項8】
予め構築された前記リスクアルゴリズムモデルは、
車両部品の修理技術データ、修理プロセス標準をビッグデータ標準化することにより構築された車両部品標準修理プロセスモデルを含む、
ことを特徴する請求項1に記載の車両事故損失評価リスク制御方法。
【請求項9】
前記車両部品標準修理プロセスモデルに基づいて前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して行う計算は、
前記車両情報に基づいて、前記車両部品標準修理プロセスモデルを利用して前記車両損失項目における損傷部品の修理情報を前記修理技術データ、修理プロセス標準と照合し、両者の照合結果が一致しない場合、一致しない前記損傷部品をリスク項目として識別する計算を含む、
ことを特徴する請求項8に記載の車両事故損失評価リスク制御方法。
【請求項10】
ユーザにリスクを提示した後、ユーザが提示された各リスク項目の説明に基づいてリスク修正を行うか否かを選択し、リスク修正を行うことが選択されると、再度、前記リスクアルゴリズムモデルに基づいてリスク認識判断を行う、
ことを特徴する請求項1~9のいずれか一項に記載の車両事故損失評価リスク制御方法。。
【請求項11】
車両の今回の事故の、前記車両の車両情報及び車両の今回の事故に関する車両損失項目が含まれる車両事故損失評価レポートを取得するための取得ユニットと、
予め構築されたリスクアルゴリズムモデルに基づいて前記車両情報を組み合わせて前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して計算し、前記車両損失項目にリスクが存在する、今回の車両事故損失に該当しないと判断された項目又は評価が妥当でないと判断された項目であるリスク項目を識別するためのリスク識別判断ユニットと、
前記リスク項目を遮断又はユーザに提示するリスク処理ユニットと、を含み、
予め構築された前記リスクアルゴリズムモデルは、
様々なタイプの車両の過去の車両事故損失評価レポートに基づいて、過去の車両事故損失評価の損失写真と組み合わせて、過去の車両事故ケースに対して衝突部位と損傷程度を手動でマーキングするステップと、
前記過去の車両事故ケースに対して手動でマーキングされた衝突部位及び損傷程度に基づいて、コンピュータにより様々なタイプの車両の過去の車両事故損失評価レポート及び衝突部位及び損傷程度の画像を機械学習することにより、衝突部位及び損傷程度と車両損失項目との対応関係を取得するステップと、で構築される車両衝突部位損傷程度アルゴリズムモデルを含み、
前記車両衝突部位損傷程度アルゴリズムモデルに基づいて、前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して行う計算は、
取得された車両の今回の車両事故損失評価レポートにおける前記車両損失項目と、前記リスクアルゴリズムモデルに含まれる車両衝突部位アルゴリズムモデルにより算出された衝突部位とに基づいて、今回の事故の衝突部位の損傷程度を算出することにより、前記衝突部位と前記損傷程度の場合の部品損失境界を特定し、損傷部品に前記部品損失境界外にある損傷部品が含まれるか否かを判断し、含まれたと判断した場合、部品損失境界外にある当該損傷部品をリスク項目として識別するステップを含む、
ことを特徴する車両事故損失評価リスク制御装置。
【請求項12】
1つ以上のプロセッサと、
1つまたは複数のプログラムを記憶した記憶装置とを含み、
1つまたは複数の前記プログラムが1つまたは複数の前記プロセッサによって実行されることより、1つまたは前記複数のプロセッサが請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実現させる
ことを特徴する電子機器。
【請求項13】
コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されることより、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法が実現される、ことを特徴するコンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両情報技術及び車両損失査定分野に関し、特に、車両事故損失評価リスク制御方法、装置、電子機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
中国経済の長足の発展に伴い、人々の消費レベルが徐々に向上され、車両は徐々に前の高級消費財から家庭の日常の交通手段になる。車両保険サービスは付加価値サービスとして急速に発展し、車両保険は60%の市場シェアによって保険業の最大の種類になる。車両保険は、国に要求される強制的な保険業務であり、自動車全体が購入しなければならない保険業務であり、当該保険は、主に走行中に遭遇する可能性がある交通事故による財産又は人身の損失を保障するためのものである。
【0003】
車両保険金請求及び損傷評価等のプロセスにおいて、車両事故損失の評価を正確かつ合理的に行うことは保険会社が保険義務を果たす重要なことであり、保険金請求プロセスの最も前置きのキーポイントでもあるが、車両損失の評価プロセスにおいては、保険会社における車両事故損傷の査定を担当する従業員が、従業員自身の技能、素質要素、及び車両事故損失の複雑さ、専門性要素により、評価内容が真実ではなく、合理的ではない場合が往々にしてあるので、保険会社の保険金請求漏れを引き起こし、保険会社の補償コストを高くしてしまう。どのように車両事故損失の評価の元から保険金請求のリスクを制御し、補償コストを低減することが特に重要になってくる。
【0004】
保険会社の車両事故損失評価プロセスにおいて、保険金請求の時効性を向上させ、顧客満足度を向上させるために、昔の保険会社の損傷評価人員によって評価されるのも、車両を修理した修理企業によって評価されることになりつつ、損失が小さい事故については、さらに車両の所有者によって評価を自主に行うことになる。しかしながら、利益に駆られて、評価プロセスにおいて修理企業の評価がずれることが避けられなく、車両所有者の自主損害査定評価は、専門的能力欠如のせいで必ず評価がずれる可能性がある。顧客の需要が絶えず変化し、業務形式は顧客の需要変化を満たす過程において移転する必要があり、従来の経験主義評価審査の方式は業界の発展に適応しなくなり、且つ効率的かつインテリジェントリスク制御方法を欠いているほか、人工経験審査から機器審査に移行することは免れない傾向にある。
【0005】
車両保険の事故損失の評価漏れは、現在の業界では数百億中国元以上に達すると想定され、保険会社の補償コストに深刻な影響を与え、保険会社の補償能力に影響を与え、社会的財富の巨大な浪費を招くとともに、保険業界では従来解決困難であった障害である。
【0006】
従って、車両事故損失評価のプロセスにおいて、保険会社が如何に効率的かつ正確に評価するとともにリスク識別能力を向上させ、車両事故損失評価におけるリスク損失漏れを防止するかは、早急に考慮すべき問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これに鑑みて、本発明の実施例は、AI人工知能、業界ビッグデータ標準化及びビッグデータマイニング分析などに基づいて、車両事故損失評価において発生し得る漏れに対して自動的に警報を行い、リスク制御を実現し、車両事故損失評価の正確性を保証することができる車両事故損失評価リスク制御方法及び装置を提供する。
【0008】
上記目的を実現するために、本発明の第1態様によれば、車両の今回の事故の、前記車両の車両情報及び前記車両の今回の事故に関する車両損失項目が含まれる車両事故損失評価レポートを取得することと、
予め構築されたリスクアルゴリズムモデルに基づいて前記車両情報を組み合わせて前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して計算し、前記車両損失項目にリスクが存在するリスク項目を識別することと、
前記リスク項目を遮断又はユーザに提示することと、を含む車両事故損失評価リスク制御方法を提供する。
【0009】
本発明の第1態様に係る車両事故損失評価リスク制御方法によれば、予め構築されたリスクアルゴリズムモデルを用いて、保険請求車両の初期確定された車両事故損失評価情報において入力又は上申しようとする車両事故損失項目に対してインテリジェントな判断を行うことにより、リスクを有するリスク項目を算出し、強制的な遮断を直接行うことができ、又は生成されたリスク制御レポートにおいてユーザに表示してこれらのリスク項目(今回の車両事故損失に該当しない又は評価が妥当でないと判断された項目)を提示することができるため、ユーザは、システムにより提示されたリスク項目に基づいて対応する操作を行い、車両事故損失評価リスクを低減し、車両事故損失評価結果をより正確で合理的にし、効率的でインテリジェントな車両事故損失評価リスク制御を実現し、保険漏れを大幅に低減することができる。
【0010】
本発明の第1態様に係る車両事故損失評価リスク制御方法は、予め構築されたリスクアルゴリズムモデルにより各種の計算及び判断を行い、即ち、人工知能方法を用いてコンピュータによりリスク評価を行い、車両事故損失評価に対する機械審査を実現する。従業員の専門技術レベルに依存する従来の手動審査に比べて、人件費を大幅に低減し、時間を節約し、正確性及び客観性を向上させている。
【0011】
好ましくは、上記車両事故損失評価リスク制御方法において、前記車両情報は、車両フレーム番号VIN、車両特性(自車両/衝突の対象となる車両)、事故原因(衝突など)、損失査定方式(修復損失査定など)を含むことができる。
【0012】
上記車両事故損失評価リスク制御方法によれば、車両情報に基づいて適切なリスク制御を行うことができ、信頼性が向上する。
【0013】
好ましくは、上記車両事故損失評価リスク制御方法において、予め構築された前記リスクアルゴリズムモデルは、
車両の車両情報に基づいて前記車両を三次元座標系における対応図形として仮想するとともに、車両部品の車両における実際の取り付け位置に基づいて車両部品に三次元座標を付与するステップと、
車両を異なる衝突部位に区分するとともに、車両情報に基づいて前記衝突部位ごとに三次元座標データを作成することにより、衝突部位と車両部品との対応関係を確立するステップと、で構築された車両衝突部位アルゴリズムモデルを含む。
【0014】
好ましくは、上記車両事故損失評価リスク制御方法において、前記車両衝突部位アルゴリズムモデルに基づいて前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して行う計算は、
取得された車両の今回の車両事故損失評価レポートにおける前記車両損失項目に基づいて、今回の事故の衝突部位を算出し、車両の今回の車両事故損失評価レポートと自車両の過去の車両事故損失評価レポートとを比較し、同一の衝突部位又は同一の損傷部品が存在するか否かを算出し、存在すると算出した場合、同一の該衝突部位又は損傷部品をリスク項目として識別する計算と、
車両の今回の事故の衝突部位が複数あると算出した場合に、複数の前記衝突部位のうち衝突ロジックに適合しない衝突部位が存在するか否かを判断し、存在すると算出した場合には、衝突ロジックに適合しない当該衝突部位をリスク項目として識別する計算と、の少なくとも1つを含む。
【0015】
好ましくは、上記車両事故損失評価リスク制御方法において、予め構築された前記リスクアルゴリズムモデルは、
様々なタイプの車両の過去の車両事故損失評価レポートに基づいて、過去の車両事故損失評価の損失写真と組み合わせて、過去の車両事故ケースに対して衝突部位と損傷程度を手動でマーキングするステップと、
前記過去の車両事故ケースに対して手動でマーキングされた衝突部位及び損傷程度に基づいて、コンピュータにより様々なタイプの車両の過去の車両事故損失評価レポート及び衝突部位と損傷程度の画像を機械学習することにより、衝突部位及び損傷程度と車両損失項目との対応関係を取得するステップと、で構築される車両衝突部位損傷程度アルゴリズムモデルを含む。
【0016】
好ましくは、上記車両事故損失評価リスク制御方法において、前記車両衝突部位損傷程度アルゴリズムモデルに基づいて、前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して行う計算は、
取得された車両の今回の車両事故損失評価レポートにおける前記車両損失項目と、前記リスクアルゴリズムモデルに含まれる前記車両衝突部位アルゴリズムモデルにより算出された衝突部位とに基づいて、今回の事故の衝突部位の損傷程度を算出することにより、前記衝突部位と前記損傷程度の場合の部品損失境界を特定し、前記損傷部品に前記部品損失境界外にある損傷部品が含まれるか否かを判断し、含まれると判断した場合、部品損失境界外にある当該損傷部品をリスク項目として識別することを含む。
【0017】
好ましくは、上記車両事故損失評価リスク制御方法において、予め構築された前記リスクアルゴリズムモデルは、
様々なタイプの車両の過去の車両事故損失評価レポートにおけるレコードをサンプルデータとして、ビッグデータマイニング分析を行い、車両の事故損傷時における各車両部品間の損傷関連密度を算出して記憶するステップで構築される車両部品損傷関連密度モデルを含み、
前記損傷関連密度は、一方の車両部品が損傷して損傷部品になると、他方の車両部品もそれに応じて損傷部品になる確率と、一方の車両部品が損傷して損傷部品になると、他方の車両部品が損傷部品にならない確率との少なくとも一方を含む 。
【0018】
好ましくは、上記車両事故損失評価リスク制御方法において、前記車両部品損傷関連密度モデルに基づいて前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して行う計算は、
取得された車両の今回の車両事故損失評価レポートにおける前記車両損失項目に基づいて、前記損傷関連密度と合わせて、車両損失項目に含まれる一方の損傷部品と強い関連性を持つ他方の部品も損傷部品として前記車両損失項目に記録されているか否かを識別し、未記録と識別された場合、前記一方の損傷部品をリスク項目として識別する計算を少なくとも含み 、
前記強い関連性を持つこととは、一方の車両部品が損傷して損傷部品となった場合、他方の車両部品もそれに応じて損傷部品となる確率が所定の閾値よりも高いことである。
【0019】
好ましくは、上記車両事故損失評価リスク制御方法において、
予め構築された前記リスクアルゴリズムモデルは、車両原メーカー装備情報に対してビッグデータ標準化を行うことによって構築された車両原メーカー標準装備情報モデルを含み、
前記車両原メーカー装備情報は、車両原メーカーの装備データ、部品コード、部品の単一車両使用量、部品アセンブリと部品との関係、部品の指導価格及び補助材料の使用量のうちの少なくとも1つを含む。
【0020】
好ましくは、上記車両事故損失評価リスク制御方法において、前記車両原メーカー標準装備情報モデルに基づいて、前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して行う計算は、
前記車両情報に基づいて、前記車両原メーカー標準装備情報モデルにより前記車両に対応する車両原メーカー装備情報を識別し、前記車両損失項目における前記損傷部品の情報を前記車両原メーカー装備情報と照合し、両者の照合結果が一致しない場合、一致しない前記損傷部品をリスク項目として識別する計算を含む。
【0021】
好ましくは、上記車両事故損失評価リスク制御方法において、予め構築された前記リスクアルゴリズムモデルは、
車両部品の修理技術データ、修理プロセス標準をビッグデータ標準化することにより構築された車両部品標準修理プロセスモデルを含む。
【0022】
好ましくは、上記車両事故損失評価リスク制御方法において、前記車両部品標準修理プロセスモデルに基づいて前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して行う計算は、
前記車両情報に基づいて、前記車両部品標準修理プロセスモデルにより前記車両損失項目における前記損傷部品の修理情報を前記修理技術データ、修理プロセス標準と照合し、両者の照合結果が一致しない場合、一致しない前記損傷部品をリスク項目として識別する計算を含む。
【0023】
本発明の第1態様の上記車両事故損失評価リスク制御方法によれば、リスク制御計算の基礎となる、予め構築された前記リスクアルゴリズムモデルには、少なくとも5つのモデル、即ち、車両衝突部位アルゴリズムモデル、車両衝突部位損傷程度アルゴリズムモデル、車両部品損傷関連密度モデル、車両原メーカー標準装備情報モデル、車両部品標準修理プロセスモデルが存在し、車両事故の衝突部位と損傷程度、部品間の事故損傷関連密度及び原メーカー標準配置と修理プロセスの4つの側面を総合的に考慮し、過去の真実ケースのデータを根拠として、車両損失評価レポートの内容に基づいて機械学習を行うことにより、車両衝突部位と損傷程度を識別することができ、データマイニングアルゴリズムにより、異なるブランドの車種、異なる衝突部位、異なる衝突損傷程度、部品損傷が発生しないイベントに対して確率計算を行うことができ、車両原メーカー装備データ、部品データ、修理技術データ、修理プロセス標準などに対してビッグデータ標準化を行うことにより、セットになった損失評価リスク識別判断のビッグデータルールを形成することができるため、全面的かつ信頼性があり、正確でインテリジェントなリスク制御を行い、リスク制御能力を向上させることができる。
【0024】
また、本発明の第1態様の上記車両事故損失評価リスク制御方法を利用して、効率的かつインテリジェントで便利な車両事故損失リスク制御ツールを提供する。従来の車両事故損失リスク制御のモデルと理念を突破し、技術を革新し、従来の経験則からビッグデータマイニング分析に革新し、人工経験審査から機器審査に転換し、審査効率を大幅に向上させ、保険業界の補償コストを節約し、社会的財富の浪費を回避できる。AAI人工知能、業界ビッグデータ標準化及びビッグデータマイニング分析を基礎とし、完全なるリスク制御システムを形成し、業界の痛点を解決した。
【0025】
好ましくは、上記車両事故損失評価リスク制御方法において、ユーザにリスクを提示した後、ユーザが提示された各リスク項目の説明に基づいてリスク修正を行うか否かを選択し、リスク修正を行うことが選択されると、再度、前記リスクアルゴリズムモデルに基づいてリスク認識判断を行う。
【0026】
実施された上記車両事故損失評価リスク制御方法によれば、ユーザの選択に基づいてリスク項目に対して校正及び循環制御を実現し、操作性及び正確性を向上させることができる。
【0027】
本発明の第2態様は、車両の今回の事故の、前記車両の車両情報及び車両の今回の事故に関する車両損失項目が含まれる車両事故損失評価レポートを取得するための取得ユニットと、
予め構築されたリスクアルゴリズムモデルに基づいて前記車両情報を組み合わせて前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して計算し、前記車両損失項目にリスクが存在する、今回の車両事故損失に該当しないと判断された項目又は評価が妥当でないと判断された項目であるリスク項目を識別するためのリスク識別判断ユニットと、
前記リスク項目を遮断又はユーザに提示するリスク処理ユニットと、を含む車両事故損失評価リスク制御装置を提供する。
【0028】
本発明の第2態様に係る車両事故損傷評価リスク制御装置によれば、第1態様と類似した種々の技術的効果を奏することができる。
【0029】
本発明の第3態様は、1つ以上のプロセッサと、
1つまたは複数のプログラムを記憶した記憶装置とを含み、
1つまたは複数の前記プログラムが1つまたは複数の前記プロセッサによって実行されると、1つまたは複数の前記プロセッサによる第1態様に記載の方法を実現させる電子機器を提供する。
【0030】
本発明の第4態様は、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、第1態様に記載の方法が実現されるコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。
【0031】
本発明の第2-4の態様に係る発明は、第1の態様と同様の技術効果を奏する。
【0032】
上述した非慣用の選択可能な形態が有する更なる効果について、以下、具体的な実施形態を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図面は、本発明をよりよく理解するためのものであり、本発明を不当に限定するものではない。
【
図1】本発明の実施例に係る車両事故損失評価リスク制御方法の主なフローの模式図である。
【
図2】車両衝突部位アルゴリズムモデルの構築ステップの模式図である。
【
図3】車両衝突部位損傷程度アルゴリズムモデルの構築ステップの模式図である。
【
図4】リスクレベルに応じてリスク項目を区分するルールの模式図。
【
図5】本発明の実施例に係る車両事故損失評価リスク制御方法の別の好ましいフローの模式図である。
【
図6】本発明の実施例に係る車両事故損失評価リスク制御方法の実施例におけるリスクレポートの例示図である。
【
図7】本発明の実施例に係る車両事故損失評価リスク制御方法の実施例におけるフローの模式図である。
【
図8】本発明の実施例に係る車両事故損失評価リスク制御装置の主な構成の模式図である。
【
図9】本発明の実施例を適用できる例示的なシステムアーキテクチャ図である。
【
図10】本発明の実施例を実現するための端末デバイス又はサーバに適するコンピュータシステムの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しながら理解を容易にするための各種の詳細が含まれる本発明の例示的な実施例を説明するが、それらは例示的なものに過ぎない。したがって、当業者は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、ここで記載された実施例に対して様々な変更及び修正を行うことができることを認識すべきである。同様に、明確かつ簡潔にするために、以下の説明において公知の機能及び構造に対する説明を省略する。
【0035】
本出願における車両事故損失評価リスク制御方法に係る車両は、特に四輪乗用自動車に適用されるが、これに限定されない。
【0036】
図1は、本発明の実施例に係る車両事故損失評価リスク制御方法の主なフローの模式図である。
図1に示すように、本発明の実施例に係る車両事故損失評価リスク制御方法は、主にステップS101-S103を含む。
【0037】
ステップS101において、システムは、車両の今回の事故の、前記車両の車両情報及び車両の今回の事故に関する車両損失項目を含む車両事故損失評価レポートを取得することができる。ここで言及される車両情報は、車両ブランド及び車種、車両フレーム番号VIN、例えば自車両/衝突の対象となる車両等の車両特性、例えば衝突等の事故原因、例えば修復損傷評価方式等の損傷評価方式、を含んでもよく、車両損失項目は、損傷部品に関連する損傷部品情報及び前記損傷部品の修理プロセス情報等を含んでもよい。
【0038】
また、システムが車両の今回の事故の車両事故損失評価レポートを取得することは、少なくとも2つのシーンを含み、シーン1は、ユーザがシステムに必要な情報を手動で入力又はキーボードでタイプインすることにより車両事故損失評価情報を取得してもよく、シーン2は、第三者(例えば修理工場)が車両事故損失評価レポートを既に完成し、該車両事故損失評価レポートをシステムにアクセスすることにより該車両事故損失評価レポートを取得してもよい。したがって、本実施例の車両事故損失リスク制御方法は、汎用性が高く、直接的に本システムにより車両事故損失評価情報を取得するシーンだけでなく、第三者から提供された既に確立された車両事故損失情報を取得してリスク評価計算を行うシーンにも適用できる。
【0039】
ステップS102において、システムは、予め構築されたリスクアルゴリズムモデルに基づいて、前記車両情報と組み合わせて前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目を計算し、前記車両損失項目にリスクが存在するリスク項目を識別することができる。ここでいうリスク項目とは、今回の車両事故損失に該当しない又は評価が妥当でないと判断された項目である。
【0040】
ステップS103において、システムは、前記リスク項目を遮断し、又はユーザに提示することができる。より具体的には、システムは、リスク制御レポートを生成してユーザにプレビューすることができ、リスク制御レポートには、提示クラスのリスク項目名、ルール名(リスク原因など)、ルール分類(詐欺防止事件、損失ロジックなど)、操作提案、減算可能金額、備考などが挙げられる。
【0041】
ステップS101-S103の本実施例の車両事故損失評価リスク制御方法によれば、予め構築されたリスクアルゴリズムモデルを用いて、保険請求車両の初期確定された事故損失評価情報における入力又は上申しようとする車両事故損失項目に対してインテリジェント判断を行うことにより、リスクを有するリスク項目を算出し、例えば直接遮断を行うことができ、又は、例えばリスク制御レポートを生成してユーザにこれらのリスク項目を表示することによりリスク提示を行うことができ、ユーザは、システムに提示されたリスク項目に基づいて対応する操作を行うことができ、車両事故損失評価リスクを低減し、車両事故損失評価結果をより正確で合理的にし、効率的でインテリジェントな車両事故損失評価リスク制御を実現し、保険漏れを大幅に低減する。そして、予め構築されたリスクアルゴリズムモデルによって様々な計算及び判断を行い、即ち、人工知能方法を採用して機械でリスク評価を行い、車両事故損失評価に対する機械審査を実現する。従業員の専門技術レベルに依存する従来の手動審査に比べて、人件費を大幅に低減し、時間を節約し、正確性及び客観性を向上させている。
【0042】
本発明の実施例によれば、ステップS102において予め構築されたリスクアルゴリズムモデルは、車両の今回の事故に係る車両衝突部位を計算し、計算結果に基づいて前記リスク項目を識別するための車両衝突部位アルゴリズムモデルと、車両衝突部位の損傷程度を計算し、計算結果に基づいて前記リスク項目を識別するための車両衝突部位損傷程度アルゴリズムモデルと、各車両部品間の損傷関連密度に基づいて、前記車両損失項目におけるリスクが存在する前記リスク項目を識別するための車両部品損傷関連密度モデルと、損傷された部品の損傷部品情報が車両部品の原メーカーの装備情報及び車両部品の原メーカー標準情報とマッチングするか否かを識別して、リスク項目を識別するための車両原メーカー標準装備情報モデルと、損傷部品の修理情報が前記修理技術データ、修理プロセス標準とマッチングするか否かを計算して、リスク項目を識別するための車両部品標準修理プロセスモデルと、を含むことができる。
【0043】
なお、リスクアルゴリズムモデルが、車両衝突部位アルゴリズムモデル、車両部品損傷関連密度モデル、車両原メーカー標準装備情報モデル、車両部品標準修理プロセスモデルの4つのモデルを含むことが上記で例示されたが、これに限定されない。例えば、リスクアルゴリズムモデルは、以上の少なくとも1つを含んでいればよい。
【0044】
本実施例の車両衝突部位アルゴリズムモデルは、車両の車両情報に基づいて、前記車両を三次元座標系における対応図形として仮想するとともに、車両における車両部品の実際の取り付け位置に基づいて車両部品に三次元座標を付与するステップ(
図3のS2011に対応)と、車両を異なる衝突部位に区分するとともに、車両情報に基づいて前記衝突部位ごとに三次元座標データを作成することにより、衝突部位と車両部品との対応関係を確立するステップ(
図3のS2012に対応)と、によって予め確立することができる。
【0045】
より具体的には、車両部品取り付け位置の三次元座標ジャイロデータを作成する。車両の異なる(3ボックス4ドア、3ボックス2ドア、2ボックス5ドア、SUV、MPV、及びワゴンなど合計6種類の)車体形式に応じて、車両を長方形などの対応する三次元図形として仮想して、部品取り付け位置の三次元座標系を確立する。例えば、乗用車が3ボックス4ドアの車体に属すると、X軸(車両の左側から右側)座標=(1、2、3、4、5、6、7、8、9)、Y軸(車両の前方から後方)座標=(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12)、Z軸(車両の下部から上部)座標=(1、2、3)のようにした三次元座標系を確立しても良い。車両内の部品の実際の取り付け位置に応じて、部品の取り付け位置の三次元座標を確定する。例えば、乗用車の「ヘッドライトアセンブリ(左)」についての三次元座標は(1、1、2)、(2、1、2)とすることができる。
【0046】
また、車両衝突部位を作成し、部位三次元座標エリアを定義する。車両車体外観を、「正前方衝突、前方左側衝突、前方右側衝突、中間左側衝突、中間右側衝突、正後方衝突、後方左側衝突、後方右側衝突、ルーフ部衝突、フロア部衝突」の10個の衝突部位に区分した。車体形式に従って衝突部位エリア毎に三次元座標データを作成する。これにより、異なる車両フレーム番号で解析された車体形式、部品の実際の取り付け位置座標に基づいて、各衝突部位に含まれる部品名を算出することができる。
【0047】
車両衝突損傷程度アルゴリズムモデルは、様々なタイプの車両の過去の車両事故損失評価レポートをサンプルデータとして、コンピュータ機械学習を行うことにより、衝突部位の損傷程度と事故損失項目との間の対応関係を確立することによって得られてもよい。より具体的には、例えば、
図3に示すステップで確立する。
図3を参照すると、ステップS3011において、過去の車両事故損失評価レポートに基づいて、過去の車両事故損失評価レポートの損失写真と組み合わせて、過去の車両事故ケースに対して衝突部位と損傷程度を手動でマーキングする。ステップS3012において、過去の前記車両事故ケースに対して手動でマーキングされた衝突部位と損傷程度に基づいて、コンピュータが様々なタイプの車両の過去の車両事故損失評価レポートと衝突部位と損傷程度の画像を機械学習することにより、衝突部位及び損傷程度と車両損失項目との対応関係を取得する。
【0048】
本実施例では、車両衝突損傷程度を、軽微衝突損傷、軽度衝突損傷、中度衝突損傷、重度衝突損傷、極重度衝突損傷の5種類に分けることができる。例えば、上記のように、過去の車両事故損失評価の損失写真に基づいて、過去の車両事故損失評価レポートに対して、衝突部位と衝突損傷程度を手動でマーキングし、コンピュータは、様々なタイプの車両の損失評価レポート、様々な衝突部位と衝突損傷程度の画像を機械学習することにより、衝突部位及び損傷程度と事故損傷項目との対応関係を学習して得て、車両衝突部損傷程度アルゴリズムモデルを構築することができる。例えば、以下の
図4に示す1つのケースにおいて、車両衝突部位アルゴリズムモデルに基づいて、損失評価レポートにおいて、ヘッドライトアセンブリ(右)、フロントバンパーの皮、フロントフェンダパネル(右)等の損傷部品が含まれた場合、コンピュータは、対応関係テーブルに基づいて、これらの損傷部品により、その事故が「前方右側衝突、軽度衝突損傷」の形態に属することを正確に識別することができる。また、異なる車種(例えば、一汽アウディの2022型A6L)、異なる車体(例えば、3ボックス4ドア)、異なる衝突部位、異なる衝突損傷程度によって、損失項目が発生しない確率を同時に算出することもできる。
【0049】
また、前記車両衝突部位損傷程度アルゴリズムモデルを用いて、今回の事故の衝突部位の損傷程度を算出した後、前記衝突部位と前記損傷程度の場合の部品損失境界を特定することもできる。例えば、正前方衝突、軽微衝突損傷の状態と確定された場合に、過去のケースのビッグデータマイニングに基づいて確定できるように、この場合の損失境界は外部部品であるべきであり、内部部品を含むべきではなく、車両事故損失評価レポートにエンジンアセンブリの損傷があると確定された場合、損失の境界に適合しない。正前方の軽微な衝突には、エンジンアセンブリの損傷は含まれるべきではないからである。
【0050】
以上、車両衝突部位アルゴリズムモデルを利用して、車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して、
取得された車両の今回の車両事故損失評価レポートにおける前記車両損失項目に基づいて、今回の事故の衝突部位を算出し、車両の今回の車両事故損失評価レポートと自車両の過去の車両事故損失評価レポートとを比較して、同一の衝突部位又は同一の損傷部品が存在するか否かを算出し、存在すると算出された場合、同一の当該衝突部位又は損傷部品をリスク項目として識別する計算と、
車両の今回の事故の衝突部位が複数あると算出された場合、複数の前記衝突部位のうち衝突ロジックに適合しない衝突部位が存在するか否かを判断し、存在すると算出された場合、衝突ロジックに適合しない当該衝突部位をリスク項目として識別する計算と、の少なくとも1つの計算を行うことができる。
【0051】
そして、前記車両衝突部位損傷程度アルゴリズムモデルを利用して、取得された車両の今回の車両事故損失評価レポートにおける前記車両損失項目及び算出した衝突部位に基づいて、今回の事故の衝突部位の損傷程度を算出することにより、前記衝突部位と前記損傷程度の場合での部品損失境界を特定し、前記損傷部品に前記部品損失境界以外にある損傷部品が含まれるか否かを判断し、含まれると判断された場合、部品損失境界以外にある当該損傷部品をリスク項目として識別することができる。
【0052】
なお、上述した複数の前記衝突部位のうち衝突ロジックに適合しない衝突部位は、例えば、衝突部位が隣接していない部位や、離れ離れになる衝突部位などである。例えば、車両衝突部位アルゴリズムモデルを用いて車両事故を算出した衝突部位は、正前方衝突、左前方衝突、正後方衝突であり、この場合、隣接しない又は離れ離れになる後方衝突は、衝突ロジックに適合しない衝突部位である。
【0053】
図2に示す車両部品損傷関連密度モデルについて、様々なタイプの車両の過去の車両事故損失評価レポートにおける記録をサンプルデータとして、ビッグデータマイニング分析を行い、車両の事故損傷時の各車両部品間の損傷関連密度を算出して記憶することにより、前記車両部品損傷関連密度モデルを構築することができる。ここで、前記損傷関連密度は、一方の車両部品が損傷して損傷部品となった場合に、他方の車両部品もそれに応じて損傷部品となる確率含む。
【0054】
これにより、過去の車両事故損失評価レポートに基づいて、部品の事故損傷における関連密度に対してビッグデータマイニング計算を行い、同じブランド車種のAB2部品に事故損傷が発生する関連性を取得する。かかる関連性は、A部品に事故損傷が発生する時にB部品に事故損傷が同時に発生する確率を示すConfidence(信頼度)と、AB2部品の間に発生する損傷の独立性を示すLift(向上度)、予測ミスの確率を示し、AB2部品の間に発生する損傷の独立性も示すConviction(確信度)、とを含む。したがって、この車両部品損傷関連密度モデルに基づいて、車両事故損失評価レポートにおける損失項目に対してリスク識別を行うことができる。例えば、AB2部品間に強い関連性があると算出された場合に、レポートにA部品損傷が含まれ、B部品損傷が含まれないと認識されると、A部品をリスク項目として判断する。
【0055】
車両部品間の強い関連性とは、一方の車両部品が損傷して損傷部品となった場合に、他方の車両部品もそれに応じて損傷部品となる確率が所定の閾値(例えば90%)よりも高いことをいう。
【0056】
本実施例の上記車両事故損失評価リスク制御方法によれば、過去の真実のデータに基づいて、車両衝突部位損傷程度アルゴリズムモデル及び車両部品損傷関連密度モデルを正確で確実に且つインテリジェントに構築して改善し、リスク識別判断を行うことができる。
【0057】
なお、
図2に示す車両原メーカー標準装備情報モデル及び車両部品標準修理プロセスモデルについての説明は以下の通りである。
【0058】
車両原メーカー標準装備情報モデルは、例えば、車両原メーカー装備情報をビッグデータ標準化することにより構築され、車両部品原メーカー装備情報及び車両部品原メーカー標準情報に関連する。車両部品原メーカー装備情報及び車両部品原メーカー標準情報は、例えば、車両原メーカー装備データ、部品コード、部品単一車使用量、部品アセンブリと部品との関係、部品指導価格、エンジンオイルなどの補助材料使用量などのビッグデータを含む。
【0059】
車両の出荷時に、各車両はいずれも唯一の車両フレーム番号のアイデンティティを有する。各車両は車両フレーム番号に基づいていずれも原メーカー装備標準を有し、例えば、ヘッドライトはハロゲン、キセノン、自主適応調整機能を有するものなどの異なる機能装備標準を有する。車種装備が異なると、部品価格が大きく相違してくる。システムは、車両フレーム番号を正確に解析し、車両の機能装備標準を識別することができるとともに、評価損失レポートにおける部品に対して対応する装備標準を識別することができ、両者に対してリスク識別判断を行い、原メーカーの装備標準に適合しないリスクに対して識別判断を行うことで、リスク遮断を行う。
【0060】
車両は、車両フレーム番号のアイデンティティに基づいて、車両における部品の単一車両使用量、アセンブリと部品との関係などに対して標準がある。車両事故損失評価レポートの損傷部品を比較して識別し、部品の単一車両使用量が標準を超え、アセンブリと部品とが同時に損失する状況が存在するか否かを判断するにより、リスク遮断を行う。例えば、「ヘッドライトアセンブリ(左)」について、部品の原メーカーの単一車両使用量が「1」であり、評価レポートにおいては「2」であれば、標準を超えることになる。「ヘッドライトアセンブリ(左)」の部品がアセンブリであり、既に部品「ヘッドライトハウジング(左)」を含み、評価レポートにおいて「ヘッドライトアセンブリ(左)」と「ヘッドライトハウジング(左)」の損失が同時に発生すると、リスク遮断を行う。
【0061】
車両部品標準修理プロセスモデルは、例えば、車両部品の修理技術データや修理プロセス標準をビッグデータ標準化することで構築される。車両部品には標準修理プロセスがあり、例えば、「フロントバンパーの皮」について同時に「交換」方式と「修復」方式で修理することができず、交換と修復は2種の互いに排他的な修理プロセスである。したがって、当該車両部品標準修理プロセスモデルに基づいて、レポートに修理プロセスが互いに排他的である状況が存在するか否かなどを評価し、存在する場合にはリスク遮断を行う。
【0062】
図4は、対応する車両衝突部位アルゴリズムモデル、車両衝突部位損傷程度アルゴリズムモデル、車両部品損傷関連密度モデル、車両原メーカー標準装備情報モデル、車両部品標準修理プロセスモデルによって算出されるリスク項目の操作ルールを示す例示図である。図示するように、本実施形態では、リスク項目は、遮断リスクルールタイプと、リスクレベルが前記遮断リスクルールタイプよりも低い提示リスクルールタイプとに分類される。一般的(非限定的)に、前記車両部品標準修理プロセスモデルと前記車両原メーカー標準装備情報モデルによって算出されたリスク項目は、遮断リスクルールタイプに分類され、且つ強制的に遮断され、前記遮断リスクルールタイプに対応するリスク項目が車両事故損失評価情報から削除又は修正され、車両衝突部位アルゴリズムモデル、車両衝突部位損傷程度アルゴリズムモデル及び前記車両部品損傷関連密度モデルによって算出されたリスク項目は、提示リスクルールタイプに分類され、且つユーザの後続操作に基づいて遮断又は通過される。
【0063】
図4に示すように、遮断リスクルールタイプは、主に1-9の項目にあり、リスクレベルが特に高く、評価リスクとして認定するのに十分であり、提示リスクルールタイプは、主に10-14の項目にあり、リスクレベルが遮断リスクルールタイプより小さく、高度疑似リスクに属し、評価者が損失の真実性、正確性を再度検証する必要があり、評価の十分な理由を説明する必要がある。また、
図5における最右欄には、該当するリスクルールの基礎も対応付けて解釈されている。
図4におけるこれらの説明は、例えば、いずれも対応付けてリスク制御レポートに表示されてもよい。
【0064】
実施する上記車両事故損傷評価リスク制御方法によれば、リスク項目は、リスクレベルが付与され、異なる態様で制御される。全てのリスク項目について一括してユーザが後処理を行うよりも、ユーザの操作負担を軽減できるとともに、高リスク項目を効率的に直接的にフィルタリングできる。
【0065】
本発明の第1態様の上記車両事故損失評価リスク制御方法によれば、リスク制御計算の基礎となる、予め構築された前記リスクアルゴリズムモデルは、少なくとも5つのモデル、即ち、車両衝突部位アルゴリズムモデル、車両衝突部位損傷程度アルゴリズムモデル、車両部品損傷関連密度モデル、車両原メーカー標準装備情報モデル、車両部品標準修理プロセスモデルが存在する。車両事故の衝突部位と損傷程度、部品間の事故損傷関連密度及び原メーカー標準配置と修理プロセスの4つの側面を総合的に考慮し、過去の真実ケースのデータを根拠として、車両損失評価レポートの内容に基づいて機械学習を行い、車両衝突部位と損傷程度を識別することができる。データマイニングアルゴリズムにより、異なるブランドの車種、異なる衝突部位、異なる衝突損傷程度について、部品損傷が発生しないイベントの確率を計算することができる。車両原メーカー装備データ、部品データ、修理技術データ、修理プロセス標準などに対してビッグデータ標準化を行い、1セットの損失評価リスク識別判断のビッグデータルールを形成することができるので、全面的に確実で正確でインテリジェントなリスク制御を行い、リスク制御能力を向上させることができる。
【0066】
また、本発明の第1態様の上記車両事故損失評価リスク制御方法を利用して、業界に効率的かつインテリジェントで便利な車両事故損失リスク制御ツールを提供する。従来の車両事故損失リスク制御のモードと理念を突破し、技術を革新し、従来の経験則からビッグデータマイニング分析に革新し、人工経験審査から機器審査に転換し、審査効率を大幅に向上させ、保険業界クレームコストを節約し、社会的財富の浪費を回避できる。AIA人工知能、業界ビッグデータ標準化及びビッグデータマイニング分析を基礎とし、完全なるリスク制御システムを形成し、業界の痛点を解決した。
【0067】
また、
図5に示すように、本実施例の車両事故損失評価リスク制御方法において、ステップS103の後、ユーザは、リスク制御レポートにおける各リスク項目の説明に基づいて、リスク修正を行うか否かを選択し、リスク修正を行うことが選択された場合、再び前記リスクアルゴリズムモデルに基づいてリスク識別判断を行い、リスク項目に対して校正及び循環制御を実現でき、操作性及び正確性を向上させる。
【0068】
以上、本発明の実施例の車両事故損失評価リスク制御方法の基本的な構想を説明した。以下、理解を容易にするために、
図6-
図7を参照しながら例を挙げてより明瞭に説明する。しかしながら、当業者であれば、この例は限定的なものではなく、単なる例であることを理解すべきである。
【0069】
まず、ユーザは、システム内で車両事故損失評価レポートの作成を要求することができる。車両事故損失評価レポートを作成することは、例えば、車両基本情報を入力し、損失評価タスクを生成するプロセスである。本実施例において、ユーザ(評価者)は、携帯電話などのモバイルデバイスを使用してAPPトップページにアクセスし、又はデスクトップコンピュータがウェブページトップページにアクセスし、OCR(光学文字認識)又は手動でナンバープレート番号、車両フレーム番号を入力することにより、システムによりフレーム番号に対して車種解析を行い、車両アイデンティティを認識して車両情報を取得し、その後、ユーザは、修理企業(4S店、修理工場など)を選択し、評価価格基準情報を選択して充実させ、初期の車両事故損失評価レポートを作成する(S1)。
【0070】
システムが車両事故損失評価レポートを作成する要求を受信した後、ユーザに入力ページをポップアップし、当該ページにおいて、ユーザは、車両損失項目(S2)、例えば、損傷部品の名称、使用量、修理プロセス(交換、着脱、塗装、修理、低炭素など)などを入力することができる。例えば、本実施例において、入力ボックスに右ヘッドランプエアクリーナ、フロントバー交換、右フロントフェンダー塗装が入力されると、システムの知能語義解析識別によりヘッドランプアセンブリ(右)[部品][交換]、エアクリーナアセンブリ[部品][交換]、フロントバンパー皮[部品][交換]、フロントフェンダー(右)[塗装]を自動的にクリックすることにより、車両損失項目を確定するとともに、システムは、部品原メーカーコード、単一車両使用量、備考、メーカー指導価格、システム参照価格を自動的に持ち出す。
【0071】
その後、評価者は、システムから提示された損失項目参考価格を参照して、損失金額を逐一再確定し、最終的に車両損失項目及び損失合計金額を確定し、完全なる車両事故損失評価レポートを生成する(S3)。
【0072】
この時、システムは車両事故損失評価レポートを取得し、その中の車両情報と損傷部品情報などに基づいて、車両衝突部位アルゴリズムモデル、車両衝突部位損傷程度アルゴリズムモデル、車両部品損傷関連密度モデル、車両原メーカー標準装備情報モデル、車両部品標準修理プロセスモデルを利用して対応する損失評価リスク識別計算を行い、これらのリスクアルゴリズムモデルに基づいて車両事故損失評価レポートの内容に対してリスク識別判断を行い、リスク項目及び操作提案と損失削減金額を算出する(S4)。
【0073】
システムは、計算した後にリスクレポートを自動生成する(S5)。レポートには、リスク項目名、リスク説明、ルールタイプ、操作提案、削減可能額、備考がある(
図6参照)。遮断リスクルールタイプのリスクについては、損失項目の入力段階でシステムが強制遮断を行うことができる。提示リスクルールタイプのリスクについては、評価者は、リスク評価レポートの説明に基づいて、再度審査し確認したり、誤った評価を修正したり、評価の十分な理由を説明したりするべきである(S6)。
【0074】
本発明の技術案において、人工知能を利用してリスク制御を自動的に行うことができる。人工知能の核心機能の一つは、車両衝突の損傷形式をモデリングし、大量の履歴データで機械学習を行い、ビッグデータマイニング分析を行い、車両衝突損傷モデルと損失明細との間の関連アルゴリズムを実現する。具体的には、車両事故損失評価レポートの内容に基づいて機械学習を行い、車両衝突部位と損傷程度を識別し、データマイニングアルゴリズムにより、異なるブランド車種、異なる衝突部位、異なる衝突損傷程度に対して、部品損傷が発生しない事件の確率を計算し、また、車両原メーカー装備データ、部品データ、修理技術データ、修理プロセス標準などに対してビッグデータ標準化を行い、損失評価リスク識別判断のビッグデータルールを形成する。
【0075】
本発明の車両事故損失評価リスク制御方法を利用して、効率的かつインテリジェントで便利な車両事故損失リスク制御ツールを提供する。従来の車両事故損失リスク制御のモードと理念を突破し、従来の経験則からビッグデータマイニング分析に革新し、人工経験審査から機器審査に転換し、審査効率を大幅に向上させ、保険業界クレームコストを節約し、社会的財富の浪費を回避できる。AIA人工知能、業界ビッグデータ標準化及びビッグデータマイニング分析を基礎とし、1セットの完全なるリスク制御システムを形成し、業界の痛点を解決した。
【0076】
本発明の実施例は、車両事故損失評価リスク制御装置をさらに提供する。具体的には
図8に示すように、本実施例の車両事故損失評価リスク制御装置200は、車両の今回の事故の、前記車両の車両情報及び車両の今回の事故に関する車両損失項目が含まれる車両事故損失評価レポートを取得するための取得ユニット201と、予め構築されたリスクアルゴリズムモデルに基づいて前記車両情報を組み合わせて前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して計算し、前記車両損失項目にリスクが存在する、今回の車両事故損失に該当しないと判断された項目又は評価が妥当でないと判断された項目であるリスク項目を識別するためのリスク識別判断ユニット202と、前記リスク項目を遮断又はユーザに提示するためのリスク処理ユニット203と、を含む。
【0077】
本発明の実施例の車両事故損失評価リスク制御装置200は、第1態様の車両事故損失評価リスク制御方法と同様の技術的効果を実現することができる。ここでは説明しないが、車両事故損傷評価リスク制御装置200は、第1態様の車両事故損傷評価リスク制御方法の各種処理を実行することもできる。
【0078】
図9は、本発明の実施例を適用できる車両事故損失評価リスク制御方法又は車両事故損失評価リスク制御装置の例示的なシステムアーキテクチャ300を示す。
【0079】
図9に示すように、システムアーキテクチャ300は、端末デバイス301、302、303、ネット304、およびサーバ305を含んでもよい。ネット304は、端末デバイス301、302、303とサーバ305との間に通信リンクの媒体を提供するために使用される。ネット304は、有線、無線通信リンク又は光ファイバケーブルなどの様々な接続タイプを含んでもよい。
【0080】
ユーザは、端末デバイス301、302、303を使用して、ネット304を介してサーバ305にアクセスし、メッセージなどを受信または送信することができる。端末デバイス301、302、303には、例えば、車両損失評価アプリケーション、ウェブブラウザアプリケーション、検索アプリケーション、インスタントメッセージングツールなど(例示にすぎない)の様々な通信クライアントアプリケーションがインストールされてもよい。
【0081】
端末機器301、302、303は、ディスプレイを有し、ウェブページ閲覧ができる様々な電子デバイスであってもよく、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータなどを含むが、これらに限定されない。
【0082】
サーバ305は、様々なサービスを提供するサーバ、例えば、ユーザが端末デバイス301、302、303を利用して入力したフレーム番号に対してデータサポートを提供するバックグラウンド管理サーバ(単なる例示である)であってもよい。バックグラウンド管理サーバは、受信した製品情報クエリ要求などのデータに対して分析などの処理を行い、処理結果(例えば、車両ブランド、モデル情報――単なる例示である)を端末デバイスにフィードバックすることができる。
【0083】
なお、本発明の実施例に係る車両事故損失評価リスク制御方法は、一般的にサーバ305によって実行され、それに応じて、車両事故損失評価リスク制御装置は、一般的にサーバ305に設けられる。
【0084】
図9の端末デバイス、ネット、およびサーバの数は、単なる例示であることを理解されたい。必要に応じて、任意の数の端末デバイス、ネット及びサーバを有してもよい。
【0085】
以下、
図10を参照して、本発明の実施例を実現するための端末デバイスに適するコンピュータシステム400の構造模式図を説明する。
図10に示される端末デバイスは一例に過ぎず、本発明の実施例の機能及び使用範囲に何ら制限を与えない。
【0086】
図10に示すように、コンピュータシステム400は、ROM (Read Only Memory)402に記憶されたプログラム又は記憶部408からRAM(Random Access Memory)403にロードされたプログラムに従って、各種の適切な動作及び処理を実行することができる中央処理装置(CPU)401を含む。RAM403には、システム400の動作に必要な各種のプログラムやデータも記憶されている。CPU401、ROM402及びRAM403は、バス404を介して互いに接続されている。バス404には、入力・出力(I/O)インタフェース405も接続されている。
【0087】
I/Oインターフェース405には、キーボード、マウスなどを含む入力部406、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)など及びスピーカーなどを含む出力部407、ハードディスクなどを含む記憶部408、及びLANカード、モデムなどのネットインターフェースカードを含む通信部409が接続される。通信部409は、インターネットなどのネットを介しての通信処理を行う。ドライブ410も必要に応じてI/Oインターフェース405に接続される。磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどの取り外し可能な媒体411は、必要に応じてドライブ410に装着され、それから読み出したコンピュータプログラムが必要に応じて記憶部408にインストールされる。
【0088】
特に、本発明の開示の実施例によれば、フローチャートを参照して上述したプロセスは、コンピュータソフトウェアプログラムとして実現されてもよい。例えば、本発明の開示の実施例は、コンピュータ可読媒体に担持されたコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品を含み、該コンピュータプログラム製品は、フローチャートに示す方法を実行するためのプログラムコードを含む。このような実施例において、該コンピュータプログラムは、通信部409を介してネットからダウンロードされてインストールされ、及び/又は取り外し可能な媒体411からインストールされる。このコンピュータプログラムが中央処理装置(CPU)401によって実行されると、本発明のシステムに規定された上記機能が実行される。
【0089】
なお、本発明に示されるコンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータ読み取り可能信号媒体又はコンピュータ読み取り可能記憶媒体又はそれらの任意の組み合わせであってよい。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、例えば、電気、磁気、光、電磁、赤外線、又は半導体のシステム、装置又はデバイス、又は任意の以上の組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ読み取り可能記憶媒体のより具体的な例は、1つまたは複数の導線を有する電気接続 、ポータブルコンピュータ磁気ディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または上記の任意の適切な組合せを含んでもよいが、これらに限定されない。本発明において、コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、プログラムを含むまたは記録する任意の有形の媒体であってもよく、当該プログラムは、指令実行システム、装置又はデバイスに使用されてもよく、それと組み合わせて使用されてもよい。本発明において、コンピュータ読み取り可能信号媒体は、ベースバンド中又は搬送波の一部として伝播するデータ信号を含んでもよく、その中にコンピュータ読み取り可能プログラムコードが担持されている。このような伝播するデータ信号は、電磁信号、光信号又は上記の任意の適切な組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない様々な形態を採用することができる。コンピュータ読み取り可能信号媒体は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体以外の任意のコンピュータ読み取り可能媒体であってよく、当該コンピュータ読み取り可能媒体は、命令実行システム、装置又はデバイス、又はそれと組み合わせて使用されるプログラムを送信、伝播又は伝送することができる。コンピュータ読み取り可能媒体に含まれるプログラムコードは、無線、有線、光ファイバーケーブル、RFなど、または上記の任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない、任意の適切な媒体によって伝送され得る。
【0090】
図面におけるフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施例に係るシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の実現可能なシステムアーキテクチャ、機能及び操作を示す。この点から、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、所定のロジック機能を実現するための1つまたは複数の実行可能命令を含むモジュール、ブロック、またはコードの一部を表すことができる。なお、代替として、ブロックに記載された機能は、図面に記載された順序とは異なる順序で発生してもよい。例えば、2つの連続して示されるブロックは、実際には基本的に並行して実行されてもよく、これらは時に逆の順序で実行されてもよく、係る機能によって定められる。なお、ブロック図又はフローチャートにおける各ブロック、及びブロック図又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、所定の機能又は操作を実行する専用のハードウェアによるシステムで実現されてもよく、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせで実現されてもよい。
【0091】
本発明の実施形態で説明されるユニットは、ソフトウェアによって実装されてもよく、またはハードウェアによって実装されてもよい。説明されたユニットは、プロセッサに設置されてもよく、例えば、取得ユニット、リスク識別判断ユニット及びリスク処理ユニットを含むプロセッサとして説明されてもよい。ここで、これらのユニットの名称は、場合によっては当該ユニット自体を限定するものではなく、例えば、リスク識別判断ユニットは、「接続されたサーバに車両事故損失評価情報に対してリスク識別判断を行うように要求するユニット」と説明されてもよい。
【0092】
別の態様として、本発明は、コンピュータ可読媒体をさらに提供し、当該コンピュータ可読媒体は、上記実施例に記載のデバイスに含まれてもよく、当該デバイスに装着されずに単独で存在してもよい。上記コンピュータ可読媒体は、1つ又は複数のプログラムを担持し、上記1つ又は複数のプログラムが1つの該デバイスによって実行されると、該デバイスは、前記車両の車両情報及び前記車両の今回の事故に関する車両損失項目情報が含まれる車両事故損失評価レポートを取得することと、予め構築されたリスクアルゴリズムモデルに基づいて前記車両情報を組み合わせて前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目情報に対して計算し、前記車両事故損失評価レポートの車両損失項目にリスクが存在する、今回の車両事故損失に該当しないと判断された項目又は評価が妥当でないと判断された項目であるリスク項目を識別することと、前記リスク項目を遮断し又はリスク制御レポートを生成してユーザにプレビューすることとを含む。
【0093】
本発明は、従来の車両事故損失リスク制御のモードと理念を突破し、従来の経験則によってビッグデータマイニング分析を革新し、効率的かつインテリジェントで便利な車両事故損失リスク制御技術を提供し、保険業界クレームコストを節約し、社会的な財産浪費を回避する。
【0094】
上記の具体的な実施形態は、本発明の保護範囲を限定するものではない。当業者であれば、設計要件やその他の要因に応じて、多種多様な変更、組み合わせ、サブコンビネーション、代替が可能であることを理解できるはずである。本発明の趣旨及び原則内で行われるいかなる修正、同等置換及び改良等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-12-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサにより行う方法であって、
車両の今回の事故の、前記車両の車両情報及び前記車両の今回の事故に関する車両損失項目が含まれる車両事故損失評価レポートを取得することと、
予め構築されたリスクアルゴリズムモデルに基づいて前記車両情報を組み合わせて前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して計算し、前記車両損失項目にリスクが存在するリスク項目を識別することと、
前記リスク項目を遮断又はユーザに提示することと、を含み、
予め構築された前記リスクアルゴリズムモデルは、
様々なタイプの車両の過去の車両事故損失評価レポートに基づいて、過去の車両事故損失評価の損失写真とを組み合わせて、過去の車両事故ケースに対して衝突部位と損傷程度を手動でマーキングするステップと、
前記過去の車両事故ケースに対して手動でマーキングされた衝突部位及び損傷程度に基づいて、コンピュータにより様々なタイプの車両の過去の車両事故損失評価レポート及び衝突部位と損傷程度の画像を機械学習することにより、衝突部位及び損傷程度と車両損失項目との対応関係を取得するステップと、で構築される車両衝突部位損傷程度アルゴリズムモデルを含み、
前記車両衝突部位損傷程度アルゴリズムモデルに基づいて、前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して行う計算は、
取得された車両の今回の車両事故損失評価レポートにおける前記車両損失項目と、前記リスクアルゴリズムモデルに含まれる車両衝突部位アルゴリズムモデルにより算出された衝突部位とに基づいて、今回の事故の衝突部位の損傷程度を算出することにより、前記衝突部位と前記損傷程度の場合の部品損失境界を特定し、損傷部品に前記部品損失境界外にある損傷部品が含まれるか否かを判断し、含まれたと判断した場合、部品損失境界外にある当該損傷部品をリスク項目として識別することを含む、
ことを特徴する車両事故損失評価リスク制御方法。
【請求項2】
予め構築された前記リスクアルゴリズムモデルに含まれる前記車両衝突部位アルゴリズムモデルは、
車両の車両情報に基づいて前記車両を三次元座標系における対応図形として仮想するとともに、車両部品の車両における実際の取り付け位置に基づいて車両部品に三次元座標を付与するステップと、
車両を異なる衝突部位に区分するとともに、車両情報に基づいて前記衝突部位ごとに三次元座標データを作成することにより、衝突部位と車両部品との対応関係を確立するステップと、で構築された、
ことを特徴する請求項1に記載の車両事故損失評価リスク制御方法。
【請求項3】
前記車両衝突部位アルゴリズムモデルに基づいて前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して行う計算は、
取得された車両の今回の車両事故損失評価レポートにおける前記車両損失項目に基づいて、今回の事故の衝突部位を算出し、車両の今回の車両事故損失評価レポートと自車両の過去の車両事故損失評価レポートとを比較し、同一の衝突部位又は同一の損傷部品が存在するか否かを算出し、存在したと算出する場合、同一の該衝突部位又は損傷部品をリスク項目として識別する計算と、
車両の今回の事故の衝突部位が複数あると算出された場合に、複数の前記衝突部位のうち衝突ロジックに適合しない衝突部位が存在するか否かを判断し、存在したと算出する場合には、衝突ロジックに適合しない当該衝突部位をリスク項目として識別する計算と、の少なくとも1つを含む、
ことを特徴する請求項2に記載の車両事故損失評価リスク制御方法。
【請求項4】
予め構築された前記リスクアルゴリズムモデルは、
様々なタイプの車両の過去の車両事故損失評価レポートをサンプルデータとして、ビッグデータマイニング分析を行い、車両の事故損傷時における各車両部品間の損傷関連密度を算出して記憶するステップで構築される車両部品損傷関連密度モデルを含み、
前記損傷関連密度は、一方の車両部品が損傷して損傷部品になると、他方の車両部品もそれに応じて損傷部品になる確率と、一方の車両部品が損傷して損傷部品になると、他方の車両部品が損傷部品にならない確率との少なくとも一方を含む、
ことを特徴する請求項1に記載の車両事故損失評価リスク制御方法。
【請求項5】
前記車両部品損傷関連密度モデルに基づいて前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して行う計算は、
取得された車両の今回の車両事故損失評価レポートにおける前記車両損失項目に基づいて、前記損傷関連密度と合わせて、車両損失項目に含まれる一方の損傷部品と強い関連を持つ他方の部品も損傷部品として前記車両損失項目に記録されているか否かを識別し、未記録と識別された場合、前記一方の損傷部品をリスク項目として識別する計算を含み、
前記強い関連を持つこととは、一方の車両部品が損傷して損傷部品となった場合、他方の車両部品もそれに応じて損傷部品となる確率が所定の閾値よりも高いことである、
ことを特徴する請求項4に記載の車両事故損失評価リスク制御方法。
【請求項6】
予め構築された前記リスクアルゴリズムモデルは、車両原メーカー装備情報に対してビッグデータ標準化を行うことによって構築された車両原メーカー標準装備情報モデルを含み、
前記車両原メーカー装備情報は、車両原メーカーの装備データ、部品コード、部品の単一車両使用量、部品アセンブリと部品との関係、部品の指導価格及び補助材料の使用量のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴する請求項1に記載の車両事故損失評価リスク制御方法。
【請求項7】
前記車両原メーカー標準装備情報モデルに基づいて、前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して行う計算は、
前記車両情報に基づいて、前記車両原メーカー標準装備情報モデルにより前記車両に対応する車両原メーカー装備情報を識別し、前記車両損失項目における損傷部品の情報を前記車両原メーカー装備情報と照合し、両者の照合結果が一致しない場合、一致しない前記損傷部品をリスク項目として識別する計算を含む、
ことを特徴する請求項6に記載の車両事故損失評価リスク制御方法。
【請求項8】
予め構築された前記リスクアルゴリズムモデルは、
車両部品の修理技術データ、修理プロセス標準をビッグデータ標準化することにより構築された車両部品標準修理プロセスモデルを含む、
ことを特徴する請求項1に記載の車両事故損失評価リスク制御方法。
【請求項9】
前記車両部品標準修理プロセスモデルに基づいて前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して行う計算は、
前記車両情報に基づいて、前記車両部品標準修理プロセスモデルを利用して前記車両損失項目における損傷部品の修理情報を前記修理技術データ、修理プロセス標準と照合し、両者の照合結果が一致しない場合、一致しない前記損傷部品をリスク項目として識別する計算を含む、
ことを特徴する請求項8に記載の車両事故損失評価リスク制御方法。
【請求項10】
ユーザにリスクを提示した後、ユーザが提示された各リスク項目の説明に基づいてリスク修正を行うか否かを選択し、リスク修正を行うことが選択されると、再度、前記リスクアルゴリズムモデルに基づいてリスク認識判断を行う、
ことを特徴する請求項1に記載の車両事故損失評価リスク制御方法。
【請求項11】
車両の今回の事故の、前記車両の車両情報及び車両の今回の事故に関する車両損失項目が含まれる車両事故損失評価レポートを取得するための取得ユニットと、
予め構築されたリスクアルゴリズムモデルに基づいて前記車両情報を組み合わせて前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して計算し、前記車両損失項目にリスクが存在する、今回の車両事故損失に該当しないと判断された項目又は評価が妥当でないと判断された項目であるリスク項目を識別するためのリスク識別判断ユニットと、
前記リスク項目を遮断又はユーザに提示するリスク処理ユニットと、を含み、
予め構築された前記リスクアルゴリズムモデルは、
様々なタイプの車両の過去の車両事故損失評価レポートに基づいて、過去の車両事故損失評価の損失写真と組み合わせて、過去の車両事故ケースに対して衝突部位と損傷程度を手動でマーキングするステップと、
前記過去の車両事故ケースに対して手動でマーキングされた衝突部位及び損傷程度に基づいて、コンピュータにより様々なタイプの車両の過去の車両事故損失評価レポート及び衝突部位及び損傷程度の画像を機械学習することにより、衝突部位及び損傷程度と車両損失項目との対応関係を取得するステップと、で構築される車両衝突部位損傷程度アルゴリズムモデルを含み、
前記車両衝突部位損傷程度アルゴリズムモデルに基づいて、前記車両事故損失評価レポートにおける車両損失項目に対して行う計算は、
取得された車両の今回の車両事故損失評価レポートにおける前記車両損失項目と、前記リスクアルゴリズムモデルに含まれる車両衝突部位アルゴリズムモデルにより算出された衝突部位とに基づいて、今回の事故の衝突部位の損傷程度を算出することにより、前記衝突部位と前記損傷程度の場合の部品損失境界を特定し、損傷部品に前記部品損失境界外にある損傷部品が含まれるか否かを判断し、含まれたと判断した場合、部品損失境界外にある当該損傷部品をリスク項目として識別するステップを含む、
ことを特徴する車両事故損失評価リスク制御装置。
【請求項12】
1つ以上のプロセッサと、
1つまたは複数のプログラムを記憶した記憶装置とを含み、
1つまたは複数の前記プログラムが1つまたは複数の前記プロセッサによって実行されることより、1つまたは前記複数のプロセッサが請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実現させる
ことを特徴する電子機器。
【請求項13】
コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されることより、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法が実現される、ことを特徴するコンピュータ読み取り可能な媒体。