(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004771
(43)【公開日】2025-01-15
(54)【発明の名称】物体に作用する力を少なくとも3つの空間方向において決定するための装置
(51)【国際特許分類】
G01L 5/16 20200101AFI20250107BHJP
B25J 19/02 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
G01L5/16
B25J19/02
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024102026
(22)【出願日】2024-06-25
(31)【優先権主張番号】20 2023 103 525.6
(32)【優先日】2023-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】522224955
【氏名又は名称】ニューラ ロボティクス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】NEURA ROBOTICS GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】イータオ ディン
(72)【発明者】
【氏名】イーモン バレット
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マニピュレータに作用する力を少なくとも3つの空間方向(Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mz)において決定する。
【解決手段】2つの作動要素(20a、20b)であって、作動要素の各々が長手軸(L1、L2)を含む操作要素(22a、22b)を有し、作動要素がベース要素(24a、24b)に対して可動、特に傾動可能であり、操作要素とベース要素との間の相対的な動きから、個々の力(F1、F2)が少なくとも3つの空間方向において決定可能であり、2つの操作要素がベース要素の互いに反対を向く面(25a、25b)に配置されるように互いに相対的に配置されている、2つの作動要素と、各操作要素によって決定された個々の力(F1、F2)を検出する、及び2つの個々の力から、特に個々の力の合計から、物体に作用する力を少なくとも3つの空間方向において計算するように設計されている評価/制御ユニット(30)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体、特にマニピュレータに作用する力を少なくとも3つの空間方向(Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mz)において決定するための装置(10)であって、
2つの作動要素(20a、20b)であって、前記作動要素(20a、20b)の各々が長手軸(L1、L2)を含む操作要素(22a、22b)を有し、前記操作要素がベース要素(24a、24b)に対して可動、特に傾動可能であり、前記操作要素(22a、22b)と前記ベース要素(24a、24b)との間の相対的な動きから個々の力(F1、F2)が少なくとも3つの空間方向において決定可能であり、前記2つの操作要素(22a、22b)が前記ベース要素(24a、24b)の互いに反対を向く面(25a、25b)に配置されるように互いに相対的に配置されている、2つの作動要素(20a、20b)と、
各作動要素(20a、20b)によって決定された前記個々の力(F1、F2)を検出する、及び前記2つの個々の力(F1、F2)から、特に前記個々の力の合計から、前記物体に作用する力を少なくとも3つの空間方向(Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mz)において計算するように設計されている評価/制御ユニット(30)と、を備えた、
装置(10)。
【請求項2】
前記操作要素(22a、22b)と前記ベース要素(24a、24b)との間の相対的な動きから、個々の力(F1、F2)を少なくとも4つの空間方向(Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mz)において、特に3つの直線空間方向と、前記操作要素(22a、22b)の前記長手軸(L1、L2)を中心とした回転の方向とで決定可能であることを特徴とする、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記評価/制御ユニット(30)は、前記2つの個々の力(F1、F2)から、特に前記個々の力の前記合計から、前記物体に作用する力を6つの空間方向(Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mz)において計算するように設計されていることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記2つのベース要素(24a、24b)は、互いに距離(A)を隔てて配置されていることを特徴とする、
請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記作動要素(20a、20b)は、ジョイスティック又はトラックポイントのように設計されていることを特徴とする、
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記評価/制御ユニット(30)は、前記個々の力(F1、F2)に基づいて、特に前記個々の力の差から、前記2つの作動要素(20a、20b)の間で作用する力を少なくとも3つの空間方向(Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mz)において計算するように設計されていることを特徴とする、
請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記装置(10)は、前記2つの作動要素(20a、20b)の間で作用する力に応じて切り替えるデッドマンスイッチ(40)を有することを特徴とする、
請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記操作要素(20a、20b)、特に前記作動要素(22a、22b)は、アクチュエータ、特に振動モータに結合されていることを特徴とする、
請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の装置(10)を備えた物体、特にマニピュレータ、好ましくは産業用ロボット又はコボット。
【請求項10】
前記2つの作動要素(20a、20b)は、前記作動要素の長手軸(L1、L2)が互いに平行に配置されるように前記物体の表面において互いに相対的に配置されていることを特徴とする、
請求項9に記載の物体。
【請求項11】
前記装置(10)は、前記物体に取り外し可能に配置されていることを特徴とする、
請求項9又は10に記載の物体。
【請求項12】
前記2つの作動要素(20a、20b)は、前記物体の表面の互いに反対を向く2つの面に配置されていることを特徴とする、
請求項9~11のいずれか一項に記載の物体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体に作用する力を少なくとも3つの空間方向において決定するための装置、及びそのような装置を備えた物体に関する。
【背景技術】
【0002】
物体、特に、例えば産業用ロボット又はコボットなどのマニピュレータのプログラミング及び設定動作のために、物体自体に、又は物体における対応する入力デバイスに力を加えることによって、これらの物体を手動で動かす必要がある。その場合、多くの用途では、運動を実行するためのそれぞれの入力デバイスの感度又は敏感性が制限要因になる。更に、現在の解決策は、力を検出する測定原理により物体の位置に依存する感度を有する。
【0003】
マニピュレータには様々な自由度があることが多く、6自由度(X、Y、Z、Ry、Ry、Rz)のすべてで、これらすべての軸を補間されたデカルト運動で同時に制御することが、プログラミングプロセスを迅速かつ直感的に実現するために非常に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、物体、特にマニピュレータの個々の軸の運動に必要なモータ電流を測定し、そこから、それぞれ軸におけるトルクを計算することが知られている。必要な保持トルクを差し引くことによって、軸に加えられる力によって生じる変化を算出して後続運動に変換することができる。しかしその場合、物体に導入される力が間接的にしか測定されないことが不利である。物体、特にマニピュレータの位置に応じて、ソリューションの感度を作業空間全体にわたって不均一に分散させる様々な大きさのてこ効果が発生する可能性がある。
【0005】
代替的に、それぞれの軸のトルクを軸に組み付けられたトルクセンサによって直接測定すること、及び軸に加えられた力によって生じるトルクの変化を後続運動に変換することも知られている。しかし、この方法でも、物体に導入される力が間接的にしか測定されず、物体、特にマニピュレータの位置に応じて様々な大きさのてこ効果が発生する可能性があることが不利である。更に、各軸にトルクセンサを取り付ける必要があり、そのことが高コストにつながる可能性がある。
【0006】
本発明の課題は、物体に作用する力を少なくとも3つの空間方向において決定するための装置を提供することであり、この装置によって、物体に導入される力を検出することができ、それにより物体の学習又はプログラミングプロセスが簡単に可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題は、請求項1の特徴を有する、物体に作用する力を少なくとも3つの空間方向において決定するための装置によって達成される。
本発明の有利な実施形態及び発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0008】
物体、特にマニピュレータに作用する力を少なくとも3つの空間方向において決定するための本発明による装置は、2つの作動要素を備え、作動要素の各々が長手軸を含む操作要素を有し、操作要素がベース要素に対して可動、特に傾動可能であり、操作要素とベース要素との間の相対的な動きから個々の力が少なくとも3つの空間方向において決定可能であり、2つの作動要素は、2つの操作要素がベース要素の互いに反対を向く面(Seiten)に配置されるように、互いに相対的に配置されており、装置は、各作動要素によって決定された個々の力を検出する、及び2つの個々の力から、特に個々の力の合計から、少なくとも3つの空間方向において、物体に作用する力を計算するように設計されている評価/制御ユニットを更に備えている。このような作動要素の作動は直観的に行うことができる。操作要素がベース要素の互いに反対を向く面に配置されていることによって、ユーザは親指を操作要素のうちの一方に置き、例えば人差し指をもう一方に置くなどして操作要素を把持することができる。このように、ユーザは装置をつかむだけでこれを空間内で移動させ、物体にティーチングプロセス又はプログラミングプロセスを実行することができる。
【0009】
物体に作用する力は、特に少なくとも3つの直線空間方向X、Y、Zにおいて計算することができる。
有利には、操作要素とベース要素との間の相対的な動きから、個々の力を少なくとも4つの空間方向において、特に3つの直線空間方向と、操作要素の長手軸を中心に作用するトルクに対応する、操作要素の長手軸を中心とした回転の方向とで決定可能であり、それによって物体に作用する力を決定する精度を高めることができる。
【0010】
有利には、物体に作用する力を決定する精度を更に高めるために、評価/制御ユニットは、2つの個々の力から、特に個々の力の合計から、物体に作用する力を6つの空間方向において計算するように設計されている。
【0011】
好ましくは、2つのベース要素が互いに距離A隔てて配置されており、これにより、2つの個々の力がより少ない空間方向において決定される場合でも、物体に作用する力を6つの空間方向において決定することができる。
【0012】
本発明の好ましい発展形態によれば、作動要素の各々は、ベース要素に対して傾動可能である長手軸を含む操作要素を有する。傾動運動は、簡単に、かつ高精度で検出できる一方で、ユーザにとって傾動運動は直感的に実行できるため、全体として簡単な操作とすることができる。
【0013】
好ましくは、作動要素は、ジョイスティック又はトラックポイントのように設計されており、これらは簡単かつ直観的な取り扱いを可能にすることができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、評価/制御ユニットは、個々の力に基づいて、特に個々の力の差から、2つの作動要素の間で作用する力を少なくとも3つの空間方向において計算することが企図されている。2つの作動要素の間で作用する力を更に決定することで、更なる応用が可能になる。
【0014】
特に、好ましい発展形態では、装置は、2つの作動要素の間で作用する力に応じて切り替えるデッドマンスイッチを有することができる。例えば、2つの作動要素の間で作用する力を目標値と比較することができ、それを上回るか、又は下回る場合に、例えば物体の動きを阻止するか、或いは学習プロセス又はプログラミングプロセスをアクティブにするなど、特定のイベントをトリガすることができる。
【0015】
それにより、1つの装置で、物体に作用する力の決定に基づいた物体の動きの制御と、同時に2つの作動要素の間で作用する力の決定に基づいたデッドマンスイッチの両方を実現することができ、これらの両方をユーザの片手で作動させることができる。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によれば、作動要素、特に操作要素は、アクチュエータ、特に振動モータに結合されている。このようなアクチュエータは、例えば、行われた作動、物体の運動制限、或いは力又は入力の制限に関するユーザへの触覚的フィードバック、すなわち、例えば、ユーザが過剰な力やトルクを加えていること、又は、物体をより速く動かすことができないという注意喚起を可能にする。その場合、原理的には、様々な情報をユーザにフィードバックするために、様々な触覚フィードバックパターンを提供することも可能である。
【0017】
本発明による物体、特にマニピュレータ、好ましくは産業用ロボット又はコボットは、上述したような本発明による装置を装備している。人間と一緒に作業し、生産プロセスにおいて保護装置によって人間から分離されていない産業用ロボットがコボット又は協働ロボットと称される。したがって、特にコボットには、コボットとユーザとのインタラクションを安全に実現する相応の安全機能が設けられている。
【0018】
好ましくは、2つの作動要素は、これらの作動要素の長手軸が互いに平行に配置されるように物体の表面において互いに相対的に配置されている。これにより、個々の力の評価を簡素化できる。
【0019】
本発明の有利な発展形態は、装置が、物体に、特にモジュールの形態で取り外し可能に配置されていることを企図する。これにより、容易に後付けできる。
好ましくは、2つの作動要素は、ユーザによる人間工学に基づいた把持を可能にできるようにするため、物体の表面の互いに反対に向いた2つの面に配置されている。
【0020】
以下の図に基づいて本発明の実施例を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】物体に作用する力を少なくとも3つの空間方向において決定するための本発明による装置の例示的実施形態の斜視図である。
【
図3】ロボット用のツール収容部に配置されたときの
図1による装置の斜視図である。
【
図5】
図1による装置が配置されたロボットアームの一部の斜視図である。
【
図6】
図5によるロボットアームの一部の別の斜視図である。
【
図7】物体に作用する力を少なくとも3つの空間方向において決定するための装置が組み込まれたロボットアームの一部の斜視図である。
【
図8】
図7によるロボットアームの一部の別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
すべての図において、同じ参照符号は同じ又は機能的に同じ部分を示すが、明確にするために、すべての参照符号がすべての図に示されているわけではない。
図1及び
図2は、物体に作用する力を少なくとも3つの空間方向Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mzにおいて決定するための装置10の例示的実施形態を示す。空間方向は、X、Y、Zの3つの直線方向と、これら3つの直線方向を中心とした回転である。物体に作用する力が3つの空間方向において決定される場合、それは特に3つの直線方向X、Y、Zである。好ましくは、物体に作用する力は6つの空間方向Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mzのすべてにおいて、すなわちX、Y、Zの3つの方向の直線力Fx、Fy、Fzと、これら3つの軸を中心としたトルクMy、My、Mzとが決定される。
【0023】
装置は2つの作動要素20a、20bを備え、作動要素20a、20bの各々は、長手軸L1、L2を含む操作要素22a、22bを有し、操作要素はベース要素24a、24bに対して可動、特に傾動可能である。例えば、作動要素20a、20bの各々を、ジョイスティック又はトラックポイントのように設計することができる。各ベース要素24a、24bは、第1の面25a、25bと、これ対して実質的に平行に配置された第2の面26aとを有し、第2のベース要素20bの第2の面は図では隠れている。操作要素22a、22bは、特に第1の面25a、25bに配置されている。2つの作動要素20a、20bは、特に、同じ構造に設計されている。
【0024】
本発明によれば、2つの作動要素20a、20bは、2つの操作要素24a、24bがベース要素24a、24bの互いに反対を向く面25a、25bに配置されるように互いに相対的に配置されている。ベース要素24a、24bの他の2つの面26aは、特に、互いに向き合うように配置される。2つの作動要素20a、20bは、特に、互いに距離A隔てて配置される。
【0025】
作動要素20a、20bは、特に、2つの操作要素24a、24bの長手軸L1、L2が互いに平行に配置され、特に一致するように、互いに相対的に配置されている(
図2を参照)。
【0026】
作動要素20a、20b、特に操作要素24a、24bは、ユーザによって作動される場合に、操作要素24a、24bに触覚フィードバックを与えることができるようにするために、アクチュエータ(図示せず)、特に振動モータに結合することができる。
【0027】
作動要素20a、20bのそれぞれについて、操作要素22a、22bとベース要素24a、24nとの間の相対的な動きから、個々の力F1、F2を少なくとも3つの空間方向において、特に少なくとも3つの直線空間方向X、Y、Zと、好ましくは更に操作要素24a、24bの長手軸L1、L2を中心とした回転Mzの方向とで決定することができる。
【0028】
装置10は更に、各作動要素20a、20bによって決定された個々の力F1、F2を検出する、及び2つの個々の力F1、F2から、少なくとも3つの空間方向、その場合、特に3つの直線空間方向Fx、Fy、Fz、しかし好ましくは6つの空間方向Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mzのすべてにおいて、物体に作用する力を計算するように設計された評価/制御ユニット30を更に備えている。この計算は、例えば、個々の力F1、F2の合計から、特に2つの作動要素20a、20bの距離Aを考慮して行うことができる。個々の作動要素20a、20bが6つ未満の空間方向において個々の力F1、F2を決定する場合でも、2つの作動要素20a、20bが使用され、これらが互いに距離を隔てて配置されているという事実により、全体として、物体に作用する力Fの計算を6つの空間方向Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mzのすべてにおいて行うことができる。
【0029】
評価/制御ユニットを更に、個々の力F1、F2に基づいて、特に個々の力F1、F2の差から、2つの作動要素20a、20bの間で作用する力を、少なくとも3つの空間方向、好ましくは6つの空間方向Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mのすべてにおいて、その場合、同様に、特に作動要素20a、20bの距離Aも考慮して計算するように設計することができる。その場合、2つの作動要素20a、20bの間で作用する力を、例えばデッドマンスイッチ40の切り替えのために使用することができる。その場合、デッドマンスイッチ40は、例えば、ユーザが作動要素20a、20bに触れているかどうかを検出し、その場合にのみ学習プロセス又はプログラミングプロセスを起動するために使用することができる。圧力が低すぎるか高すぎる場合、デッドマンスイッチ40は物体の動きを停止又は阻止することができる。
【0030】
作動要素20a、20b及び評価/制御ユニット30を、物体に取り外し可能に配置できるハウジング50内に配置することができる。その場合、操作を可能にするためにハウジング50の外側から操作要素22a、22bにアクセス可能である。その場合、操作要素22a、22bは、特に、ハウジング50の表面の互いに反対を向いた2つの面51、52に配置されている。ハウジング50は、ネジ、磁石、スナップ接続などの締結装置を使用して取り付けることができる。
【0031】
図3及び
図4は、ツール収容部60における装置10の配置を示し、これは、例えば、
図5及び
図6に示すように、ロボットアーム70のロボットヘッド72に配置することができる。ロボットアーム70は、産業用ロボット又は協働ロボット、いわゆるコボットのロボットアーム70であることができる。
【0032】
装置10は、ユーザによって加えられたロボットアーム70に作用する力を決定し、ティーチングプロセスの後、運動を自動的に追従できるようにするために、制御信号に変換できるため、このような装置10を用いることにより、ユーザは、ロボットアーム70の自由端の領域、特にロボットヘッド72、特にそこのツール収容部60を把持すること、及びロボットアーム70を所望の方向に導くことによって、簡単にロボットアーム70の運動をティーチングできるようになる。
【0033】
図7及び
図8に示される実施形態は、装置10がツール収容部60に取り外し可能に配置されるのではなく、ツールホルダ60に一体化されている、すなわち同じハウジング内に配置されているという点でのみ前述の実施形態と異なる。代替的に、装置10をロボットヘッド72又はロボットアーム70の他の箇所に一体化することも可能であり、その場合、より長いレバーによりロボットアーム70の運動のために必要な力を少なくできるようにするために、装置10をロボットアーム70の回転軸又は旋回軸から可能な限り遠ざけて配置することが好ましい。
【符号の説明】
【0034】
10…装置
20a…作動要素
20b…作動要素
22a…操作要素
22b…操作要素
24a…ベース要素
24b…ベース要素
25a…面
25b…面
26a…面
30…評価/制御ユニット
40…デッドマンスイッチ
50…ハウジング
60…ツール収容部
70…ロボットアーム
72…ロボットヘッド
A…距離
L1…長手軸
L2…長手軸
【手続補正書】
【提出日】2024-10-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体、特にマニピュレータに作用する力を少なくとも3つの空間方向(Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mz)において決定するための装置(10)であって、
2つの作動要素(20a、20b)であって、前記作動要素(20a、20b)の各々が長手軸(L1、L2)を含む操作要素(22a、22b)を有し、前記操作要素がベース要素(24a、24b)に対して可動、特に傾動可能であり、前記操作要素(22a、22b)と前記ベース要素(24a、24b)との間の相対的な動きから個々の力(F1、F2)が少なくとも3つの空間方向において決定可能であり、前記2つの操作要素(22a、22b)が前記ベース要素(24a、24b)の互いに反対を向く面(25a、25b)に配置されるように互いに相対的に配置されている、2つの作動要素(20a、20b)と、
各作動要素(20a、20b)によって決定された前記個々の力(F1、F2)を検出する、及び前記2つの個々の力(F1、F2)から、特に前記個々の力の合計から、前記物体に作用する力を少なくとも3つの空間方向(Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mz)において計算するように設計されている評価/制御ユニット(30)と、を備えた、
装置(10)。
【請求項2】
前記操作要素(22a、22b)と前記ベース要素(24a、24b)との間の相対的な動きから、個々の力(F1、F2)を少なくとも4つの空間方向(Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mz)において、特に3つの直線空間方向と、前記操作要素(22a、22b)の前記長手軸(L1、L2)を中心とした回転の方向とで決定可能であることを特徴とする、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記評価/制御ユニット(30)は、前記2つの個々の力(F1、F2)から、特に前記個々の力の前記合計から、前記物体に作用する力を6つの空間方向(Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mz)において計算するように設計されていることを特徴とする、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記2つのベース要素(24a、24b)は、互いに距離(A)を隔てて配置されていることを特徴とする、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記作動要素(20a、20b)は、ジョイスティック又はトラックポイントのように設計されていることを特徴とする、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記評価/制御ユニット(30)は、前記個々の力(F1、F2)に基づいて、特に前記個々の力の差から、前記2つの作動要素(20a、20b)の間で作用する力を少なくとも3つの空間方向(Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mz)において計算するように設計されていることを特徴とする、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記装置(10)は、前記2つの作動要素(20a、20b)の間で作用する力に応じて切り替えるデッドマンスイッチ(40)を有することを特徴とする、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記作動要素(20a、20b)、特に前記操作要素(22a、22b)は、アクチュエータ、特に振動モータに結合されていることを特徴とする、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の装置(10)を備えた物体、特にマニピュレータ、好ましくは産業用ロボット又はコボット。
【請求項10】
前記2つの作動要素(20a、20b)は、前記作動要素の長手軸(L1、L2)が互いに平行に配置されるように前記物体の表面において互いに相対的に配置されていることを特徴とする、
請求項9に記載の物体。
【請求項11】
前記装置(10)は、前記物体に取り外し可能に配置されていることを特徴とする、
請求項9に記載の物体。
【請求項12】
前記2つの作動要素(20a、20b)は、前記物体の表面の互いに反対を向く2つの面に配置されていることを特徴とする、
請求項9に記載の物体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
本発明によれば、2つの作動要素20a、20bは、2つの操作要素22a、22bがベース要素24a、24bの互いに反対を向く面25a、25bに配置されるように互いに相対的に配置されている。ベース要素24a、24bの他の2つの面26aは、特に、互いに向き合うように配置される。2つの作動要素20a、20bは、特に、互いに距離A隔てて配置される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
作動要素20a、20bは、特に、2つの操作要素2
2a、2
2bの長手軸L1、L2が互いに平行に配置され、特に一致するように、互いに相対的に配置されている(
図2を参照)。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
作動要素20a、20b、特に操作要素22a、22bは、ユーザによって作動される場合に、操作要素22a、22bに触覚フィードバックを与えることができるようにするために、アクチュエータ(図示せず)、特に振動モータに結合することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
作動要素20a、20bのそれぞれについて、操作要素22a、22bとベース要素24a、24bとの間の相対的な動きから、個々の力F1、F2を少なくとも3つの空間方向において、特に少なくとも3つの直線空間方向X、Y、Zと、好ましくは更に操作要素22a、22bの長手軸L1、L2を中心とした回転Mzの方向とで決定することができる。
【外国語明細書】