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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004808
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/96 20060101AFI20250108BHJP
   E06B 1/32 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
E06B3/96 B
E06B1/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104644
(22)【出願日】2023-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】油谷 祥太
(72)【発明者】
【氏名】谷口 雅洋
(72)【発明者】
【氏名】柚木 一弥
【テーマコード(参考)】
2E011
2E035
【Fターム(参考)】
2E011CA01
2E011CB01
2E011CC01
2E011CC05
2E035AA02
2E035BA01
2E035CA02
2E035CB08
2E035DB08
(57)【要約】
【課題】横枠の樹脂枠部を交換する際の作業を容易化する。
【解決手段】下枠12の金属枠部42には、見付け方向に沿って内周側に延在する下枠見付け壁部42bが設けられ、縦枠13の金属枠部44には、見込み方向に沿った取付面P1が端部に設けられているとともに、取付面P1を除く部分に見付け方向に沿って内周側に延在する先縦枠見付け壁部44bが設けられ、シール部材B1を介して縦枠13の取付面P1に下枠12が接合する状態で縦枠13及び下枠12が互いに連結され、かつ下枠見付け壁部42bよりも室外側となる部分及び先縦枠見付け壁部44bよりも室外側となる部分にそれぞれシール部材2を介して障子20が配設される建具であって、先縦枠見付け壁部44bの端面が下枠見付け壁部42bの内周側に位置する面に対向し、下枠12の金属枠部42が端面をシール部材B1に当接した状態で縦枠13及び下枠12が互いに連結されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体を構成する横枠及び縦枠は、それぞれ金属によって成形した金属枠部と、樹脂によって成形した樹脂枠部とを有し、
前記横枠の金属枠部には、見付け方向に沿って内周側に延在する横枠見付け壁部が設けられ、
前記縦枠の金属枠部には、見込み方向に沿った取付面が端部に設けられているとともに、前記取付面を除く部分に見付け方向に沿って内周側に延在する縦枠見付け壁部が設けられ、
シール材を介して前記縦枠の取付面に前記横枠が接合する状態で前記縦枠及び前記横枠が互いに連結され、かつ前記横枠見付け壁部よりも室外側となる部分及び前記縦枠見付け壁部よりも室外側となる部分にそれぞれタイト材を介して面材が配設される建具であって、
前記縦枠見付け壁部の端面が前記横枠見付け壁部の内周側に位置する面に対向し、かつ前記横枠の金属枠部が端面を前記シール材に当接した状態で前記縦枠及び前記横枠が互いに連結されていることを特徴とする建具。
【請求項2】
前記横枠の樹脂枠部は、端面が前記取付面から離隔されていることを特徴とする請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記横枠の樹脂枠部は、前記横枠見付け壁部の内周側に位置する面に対向するカバー部を有し、
前記カバー部は、端面が前記縦枠見付け壁部の内周側に位置する面に対向されていることを特徴とする請求項1に記載の建具。
【請求項4】
前記縦枠見付け壁部の室外に臨む縁部及び前記横枠見付け壁部の室外に臨む縁部のそれぞれには、前記タイト材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の建具。
【請求項5】
前記縦枠の内周側となる部分に溝形成部が全長にわたって設けられ、
溝形成部には、内周側に開口する嵌合溝が設けられ、
前記縦枠の樹脂枠部には、嵌合溝に嵌合する嵌合ヒレ部が設けられ、
前記横枠の樹脂枠部において嵌合溝に対向する部分は、溝形成部の内周側となる見込み面に当接、もしくは溝形成部の内周側となる見込み面よりも内周側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
縦枠と横枠とを四周組みする場合には、縦枠の見込み面と横枠の端面との間にシール材を介在させた状態で相互に接合するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭57-174681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、建具には、断熱性を向上させる等の目的から縦枠及び横枠として、金属によって成形された金属枠部と、樹脂によって成形された樹脂枠部とを有した構成したものを適用する場合がある。この種の建具では、施工中に横枠の樹脂枠部に汚れや傷等の損傷が発生した場合、樹脂枠部のみを交換する事態が生じ得る。
【0005】
上記のように、縦枠と横枠との間にシール材が設けられている場合には、樹脂枠部をシール材から引き剥がす必要があり、作業が煩雑となる。また、交換後の新たな樹脂枠部と縦枠との間には、改めてシール材を設ける必要があり、作業が一層煩雑化する。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、横枠の樹脂枠部を交換する際の作業を容易化することのできる建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る建具は、枠体を構成する横枠及び縦枠は、それぞれ金属によって成形した金属枠部と、樹脂によって成形した樹脂枠部とを有し、前記横枠の金属枠部には、見付け方向に沿って内周側に延在する横枠見付け壁部が設けられ、前記縦枠の金属枠部には、見込み方向に沿った取付面が端部に設けられているとともに、前記取付面を除く部分に見付け方向に沿って内周側に延在する縦枠見付け壁部が設けられ、シール材を介して前記縦枠の取付面に前記横枠が接合する状態で前記縦枠及び前記横枠が互いに連結され、かつ前記横枠見付け壁部よりも室外側となる部分及び前記縦枠見付け壁部よりも室外側となる部分にそれぞれタイト材を介して面材が配設される建具であって、前記縦枠見付け壁部の端面が前記横枠見付け壁部の内周側に位置する面に対向し、かつ前記横枠の金属枠部が端面を前記シール材に当接した状態で前記縦枠及び前記横枠が互いに連結されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、横枠の金属枠部のみをシール材に当接させるようにしているため、横枠の樹脂枠部を交換する場合にシール材から引き剥がす作業が生じない。しかも、縦枠見付け壁部の端面を横枠見付け壁部の内周側に位置する面に対向させるようにしているため、横枠の樹脂枠部と縦枠との接合部が、横枠見付け壁部及び縦枠見付け壁部と面材との間のタイト材によって構成されるタイトラインに対して内周側、もしくは室内側となるため、横枠の樹脂枠部と縦枠との接合部にシール材を設けることなく水密性を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1である建具を室内側から見た姿図である。
図2図1に示した建具の縦断面図である。
図3図1に示した建具の横断面図である。
図4図1に示した建具の横枠と縦枠との連結部分を室外側上方から見た要部斜視図である。
図5図1に示した建具の横枠と縦枠との連結部分を室内側下方から見た要部斜視図である。
図6図1に示した建具の横枠と縦枠の樹脂枠部との連結部分を室内側下方から見た要部斜視図である。
図7図1に示した建具の要部を示すもので、(a)は縦枠を室内側下方から見た斜視図、(b)は(a)において横枠の樹脂枠部を追加して室内側下方から見た要部斜視図である。
図8図1に示した建具に適用する横枠を示すもので、(a)は内周側上方から見た斜視図、(b)は外周側上方から見た斜視図である。
図9図1に示した建具の要部を示すもので、(a)は横枠の端部を示す平面図、(b)は(a)の側面図、(c)は(a)において縦枠の金属枠部を追加して示す平面図、(d)は(c)において縦枠の樹脂枠部を追加して示す平面図である。
図10図1に示した建具の横枠と縦枠との連結部分を示すもので、(a)は室内側から見た図、(b)は(a)から縦枠の金属枠部を取り外した状態の図である。
図11】本発明の実施の形態2である建具を室内側から見た姿図である。
図12図11に示した建具の縦断面図である。
図13図11に示した建具の横断面図である。
図14図11に示した建具の横枠と縦枠との連結部分を室外側上方から見た要部斜視図である。
図15図14において横枠の金属枠部を一部破断し、かつ縦枠の樹脂枠部を省略した斜視図である。
図16図11に示した建具の横枠と縦枠との連結部分を室内側下方から見た要部斜視図である。
図17図1に示した建具の横枠と縦枠の樹脂枠部との連結部分を室内側下方から見た要部斜視図である。
図18図11に示した建具の要部を示すもので、(a)は縦枠を室内側下方から見た斜視図、(b)は(a)において横枠の樹脂枠部を追加して室内側下方から見た要部斜視図である。
図19図11に示した建具に適用する横枠を示すもので、(a)は内周側上方から見た斜視図、(b)は外周側上方から見た斜視図である。
図20図11に示した建具の要部を示すもので、(a)は横枠の端部を示す平面図、(b)は(a)の側面図、(c)は(a)において縦枠の金属枠部を構成する縦金属枠本体を追加して示す平面図、(d)は(c)において押縁を追加して示す平面図、(e)は(d)において縦枠の樹脂枠部を追加して示す平面図である。
図21図11に示した建具の横枠と縦枠との連結部分を示すもので、(a)は室内側から見た図、(b)は(a)から縦枠の金属枠部を取り外した状態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る建具の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下においては便宜上、見込み方向及び見付け方向という用語を用いる場合がある。見込み方向とは、図中の矢印Aで示すように、建具の奥行きに沿った方向である。見込み方向に沿った面については見込み面と称する場合がある。見付け方向とは、下枠等のように水平方向に沿って延在するものの場合、見込み方向に直交した上下に沿う方向である。縦枠等のように上下方向に沿って延在するものの場合には、見込み方向に直交した水平に沿う方向を見付け方向という。見付け方向に沿った面については、見付け面と称する場合がある。
【0011】
(実施の形態1)
図1図6は、本発明の実施の形態1である建具を示したものである。ここで例示する建具は、枠体10と障子20とを備え、枠体10に対して障子(面材)20を室外側に向けて面外方向に押し開くように構成した縦すべり出し窓と称されるものである。枠体10は、上枠(横枠)11、下枠(横枠)12、左右の縦枠13,14を四周組することによって構成したものである。上枠11、下枠12、縦枠13,14は、それぞれアルミニウム合金等の金属によって成形した金属枠部と、樹脂によって成形した樹脂枠部とを備えて構成したものである。障子20は、上框21、下框22、左右の縦框23,24を四周組することによって構成した框体の内部に複層ガラス等のパネル25を支持させたものである。上框21、下框22、縦框23,24についても、それぞれアルミニウム合金等の金属によって成形した金属框部と、樹脂によって樹脂框部とを備えて構成してある。以下、障子及び枠体10の構成について詳述し、併せて本願発明の特徴部分について説明する。
【0012】
(障子20の構成)
上框21の金属框部である金属上框部31は、上内方中空部31a、上外方中空部31b、上パネル支持壁部31cを一体に成形した上金属框本体31Aと、上金属框本体31Aに装着した押縁30とを備えて構成してある。上内方中空部31a及び上外方中空部31bは、それぞれ断面が略長方形の中空状を成すもので、上内方中空部31aの室外側に上外方中空部31bが連設するように構成してある。上内方中空部31a及び上外方中空部31bは、外周側となる見込み面が同一の平面上に位置する一方、内周側となる部分は上内方中空部31aが上外方中空部31bよりも内周側に突出している。さらに上外方中空部31bは、室外側に位置する半部が室内側に位置する半部よりも内周側に突出することによって中間部に上方段部31dを構成している。上内方中空部31aの内周側、かつ室外側となる縁部には、上押縁内係合突部31eが設けてあり、上外方中空部31bの上方段部31dには、上押縁外係合突部31fが設けてある。上押縁内係合突部31e及び上押縁外係合突部31fは、押縁30を上金属框本体31Aに装着させるためのものである。上押縁内係合突部31eは、室外に向けて突出し、上押縁外係合突部31fは上方段部31dの内周側となる縁部から室内に向けて突出している。押縁30は、四周で共通となるもので、上押縁内係合突部31e及び上押縁外係合突部31fに係合することにより上金属框本体31Aに装着した状態に維持され、上内方中空部31aの内周側、かつ室外側となる縁部から内周に向けてほぼ見付け方向に沿って延在している。押縁30の室内に臨む見付け面には、後述する樹脂上框部32を支持するための嵌合支持部30aが設けてある。上パネル支持壁部31cは、上外方中空部31bの内周側、かつ室外側となる縁部から内周側に向けて見付け方向に延在したものである。上パネル支持壁部31cの内周側縁部において室内に臨む部分には、室内に向けて開口するように上シール材装着部31gが設けてある。
【0013】
上框21の樹脂框部である樹脂上框部32は、押縁30の室内に臨む見付け面に取り付けるもので、上樹脂框部本体32a、上嵌合受部32b、上外周側突出片32cを一体に成形してある。上樹脂框部本体32aは、断面が略長方形の中空状を成すものである。上嵌合受部32bは、上樹脂框部本体32aの室外に臨む見付け面に設けたもので、押縁30の嵌合支持部30aに嵌合することが可能である。上外周側突出片32cは、上樹脂框部本体32aの室内側、かつ外周側となる縁部から外周に向けて見付け方向に延在したものである。この樹脂上框部32は、上嵌合受部32bを嵌合支持部30aに嵌合させることによって押縁30の室内に臨む見付け面から室内に突出する状態で押縁30に取り付けてある。図からも明らかなように、樹脂上框部32を装着した金属上框部31では、押縁30の室内に臨む見付け面及び内周側となる見込み面から上内方中空部31aの内周側となる見込み面までの間が樹脂上框部32によって覆われた状態となる。また、樹脂上框部32は、金属上框部31のもっとも室内側に位置する上内方中空部31aの見付け面に対して上外周側突出片32cが内周側において同一平面上に位置した状態となる。
【0014】
下框22の金属框部である金属下框部33は、下内方中空部33a、下外方中空部33b、下パネル支持壁部33cを一体に成形した下金属框本体33Aと、下金属框本体33Aに装着した押縁30とを備えて構成してある。この金属下框部33は、下方段部33d、下押縁内係合突部33e、下押縁外係合突部33f、下シール材装着部33g、押縁30を含めて上框21の金属上框部31と対称となる形状を有するように構成してある。
【0015】
同様に、下框22の樹脂框部である樹脂下框部34は、下樹脂框部本体34a、下嵌合受部34b、下外周側突出片34cを含めて上框21の樹脂上框部32と対称となる形状を有するように構成してある。この樹脂下框部34は、下嵌合受部34bを嵌合支持部30aに嵌合させることによって押縁30の室内に臨む見付け面から室内に突出する状態で押縁30に取り付けてある。図からも明らかなように、樹脂下框部34を装着した金属下框部33では、押縁30の室内に臨む見付け面及び内周側となる見込み面から下内方中空部33aの内周側となる見込み面までの間が樹脂下框部34によって覆われた状態となる。また、樹脂下框部34は、金属下框部33のもっとも室内側に位置する下内方中空部33aの見付け面に対して下外周側突出片34cが内周側において同一平面上に位置した状態となる。
【0016】
戸先となる縦框(以下、区別する場合に戸先框23という)の金属框部である金属戸先框部35は、先金属框基板部35a、先パネル支持壁部35b、先シールヒレ部35cを一体に成形した戸先金属框本体35Aと、戸先金属框本体35Aに装着した押縁30とを備えて構成したものである。先金属框基板部35aは、見込み方向に沿って鉛直に延在した略平板状を成すものである。先金属框基板部35aの室内側に位置する縁部には、見付け方向に沿った先見付けヒレ部35dが設けてある。先金属框基板部35aの内周側となる見込み面には、押縁30を装着するための先押縁内係合突部35e及び先押縁外係合突部35fが設けてある。先押縁内係合突部35eは、内周側に向けて突出した後に室外に向けて屈曲したものである。先押縁外係合突部35fは、先押縁内係合突部35eよりも室外側において内周側に向けて突出した後に室内に向けて屈曲したものである。先パネル支持壁部35bは、先金属框基板部35aの室外側となる縁部から内周側に向けて見付け方向に延在したものである。先パネル支持壁部35bの内周側縁部において室内に臨む部分には、室内に向けて開口するように先シール材装着部35gが設けてある。先シールヒレ部35cは、先金属框基板部35aの室外側となる縁部から外周側に向けて見付け方向に延在したものである。先シールヒレ部35cの延在縁部には、戸先となる縦枠(以下、区別する場合に戸先枠13という)との間に介在するシール部材35hが装着してある。
【0017】
戸先框23の樹脂框部である樹脂戸先框部36は、先樹脂框部本体36a、先嵌合受部36b、先外周側突出片36cを含めて上框21のものと同様の形状を有したものである。図からも明らかなように、樹脂戸先框部36を装着した金属戸先框部35では、押縁30の室内に臨む見付け面及び内周側となる見込み面から先金属框基板部35aの内周側となる見込み面までの間が樹脂戸先框部36によって覆われた状態となる。戸先框23の樹脂戸先框部36には、内周側となる見込み面に操作ハンドル26が取り付けられる。図には明示していないが、操作ハンドル26は、適宜操作することにより、戸先枠13と戸先框23との間の錠装置を施解錠動作させるものである。また、樹脂戸先框部36は、金属戸先框部35のもっとも室内側に位置する先見付けヒレ部35dの見付け面に対して先外周側突出片36cが内周側において同一平面上に位置した状態となる。
【0018】
吊元となる縦框(以下、区別する場合に吊元框24という)の金属框部である金属吊元框部37は、元金属框基板部37a、元パネル支持壁部37b、元シールヒレ部37c、元見付けヒレ部37d、元押縁内係合突部37e、元押縁外係合突部37f、元シール材装着部37gを一体に成形した吊元金属框本体37Aと、吊元金属框本体37Aに装着した押縁30とを備えて構成したものである。元金属框基板部37a、元パネル支持壁部37b、元シールヒレ部37c、元見付けヒレ部37d、元押縁内係合突部37e、元押縁外係合突部37f、元シール材装着部37g、押縁30は、戸先框23の金属戸先框部35と対称となる形状を有するように構成してある。元シールヒレ部37cの延在縁部には、吊元となる縦枠(以下、区別する場合に吊元枠14という)との間に介在するシール部材37hが装着してある。
【0019】
吊元框24の樹脂框部である樹脂吊元框部38は、元樹脂框部本体38a、元嵌合受部38b、元外周側突出片38cを含めて戸先框23の樹脂戸先框部36と対称の形状を有するように構成してある。図からも明らかなように、樹脂吊元框部38を装着した金属吊元框部37では、押縁30の室内に臨む見付け面及び内周側となる見込み面から元金属框基板部37aの内周側となる見込み面までの間が樹脂吊元框部38によって覆われた状態となる。また、樹脂吊元框部38は、金属吊元框部37のもっとも室内側に位置する元見付けヒレ部37dの見付け面に対して元外周側突出片38cが内周側において同一平面上に位置した状態となる。
【0020】
上記のように構成した上框21、下框22、左右の縦框23,24は、四周組するとともに、それぞれのパネル支持壁部31c,33c,35b,37bと四周の押縁30との間にシール部材25a,25bを介してパネル25の縁部表面を支持することによって障子20を構成している。
【0021】
(枠体10の構成)
上枠11の金属枠部である金属上枠部40は、上金属枠本体40a、上枠見付け壁部(横枠見付け壁部)40b、上溝形成部40cを一体に成形したものである。上金属枠本体40aは、断面が横長となる略長方形の中空状を成すものである。上金属枠本体40aには、室外側、かつ内周側となる縁部に上シール部材40dが装着してある。上枠見付け壁部40bは、上金属枠本体40aの内周側、かつ室内側となる縁部から内周側に向けて見付け方向に延在したものである。上枠見付け壁部40bの内周側縁部において室外に臨む部分には、障子20の上框21との間をシールするシール部材(タイト材)2が装着してある。上枠見付け壁部40bの内周側縁部において室内に臨む部分には、内周側に開口した上カバー溝部40eが設けてある。上溝形成部40cは、上金属枠本体40aの外周側、かつ室内側となる縁部から室内側に向けて見込み方向に延在した後、内周側に向けて見付け方向に延在したもので、内周側となる縁部に内周側に開口した上嵌合溝40fを有している。
【0022】
上枠11の樹脂枠部である樹脂上枠部41は、上樹脂枠本体41a、上枠カバー部41b、上嵌合板部41c、上取付板部41dを一体に成形したものである。上樹脂枠本体41aは、断面が縦長となる略長方形の中空状を成すものである。上枠カバー部41bは、上樹脂枠本体41aの内周側、かつ室外側となる縁部から室外に向けて見込み方向に延在した後、延在縁部が外周側に屈曲したものである。上枠カバー部41bには、上カバー突部41eが設けてある。上カバー突部41eは、上枠カバー部41bの外周側となる見込み面から外周側に向けて見付け方向に延在したものである。上嵌合板部41cは、上樹脂枠本体41aの外周側、かつ室内側となる縁部から外周に向けて見付け方向に延在したものである。上取付板部41dは、上樹脂枠本体41aの室内に臨む見付け面の外周側となる部分から室内に向けて見込み方向に延在したものである。この樹脂上枠部41は、上カバー突部41eを上カバー溝部40eに嵌合するとともに、上嵌合板部41cを上溝形成部40cの上嵌合溝40fに嵌合させることによって金属上枠部40に装着してある。図からも明らかなように、樹脂上枠部41を装着した金属上枠部40では、上枠見付け壁部40bの内周側となる見込み面及びこれよりも室内に位置する部分の見込み面と、上枠見付け壁部40bの室内に臨む見付け面とが樹脂上枠部41によって覆われた状態となる。
【0023】
下枠12の金属枠部である金属下枠部42は、下金属枠本体42a、下枠見付け壁部(横枠見付け壁部)42b、下溝形成部42c、水切り板部42dを一体に成形したものである。下金属枠本体42aは、断面が横長となる略長方形の中空状を成すものである。下枠見付け壁部42bは、上見付け壁部40bに対応して設けたもので、下金属枠本体42aの内周側、かつ室内側となる縁部から室内に向けて延在した後に内周側に向けて見付け方向に延在したものである。下枠見付け壁部42bの内周側縁部において室外に臨む部分には、障子20の下框22との間をシールするシール部材(タイト材)2が装着してある。下枠見付け壁部42bの内周側縁部において室内に臨む部分には、内周側に開口した下カバー溝部42eが設けてある。下溝形成部42cは、下枠見付け壁部42bの室内に臨む見付け面の中間部分から室内に向けて延在した後、内周側に向けて屈曲したもので、内周側となる縁部に内周側に開口した下嵌合溝42fを有している。水切り板部42dは、下金属枠本体42aの外周側、かつ室外側となる縁部から室外に向けて見込み方向に延在した後、外周に向けて屈曲した部分を有したものである。
【0024】
下枠12の樹脂枠部である樹脂下枠部43は、下樹脂枠本体43a、下枠カバー部(カバー部)43b、下取付板部43c、下嵌合板部43dを一体に成形したものである。下樹脂枠本体43aは、見込み方向に沿ってほぼ水平に延在したもので、室外側に位置する縁部及び室内側に位置する縁部がそれぞれ内周側に向けて湾曲している。下枠カバー部43bは、下樹脂枠本体43aの室外側となる縁部から室外に向けて見込み方向に延在した後、延在縁部が外周側に屈曲したものである。下枠カバー部43bには、下カバー突部43eが設けてある。下カバー突部43eは、下樹脂枠本体43aの室外側に位置する縁部から外周側に向けて見付け方向に延在したものである。下取付板部43cは、下樹脂枠本体43aの室内側となる縁部から室内に向けて見込み方向に延在したものである。下嵌合板部43dは、下取付板部43cの外周側となる見込み面において室外側となる部分から外周に向けて見付け方向に延在したものである。この樹脂下枠部43は、下カバー突部43eを下カバー溝部42eに嵌合するとともに、下嵌合板部43dを下溝形成部42cの下嵌合溝42fに嵌合させることによって金属下枠部42に装着してある。図からも明らかなように、樹脂下枠部43を装着した金属下枠部42では、下枠見付け壁部42bの内周側となる見込み面及びこれよりも室内に位置する部分の見込み面が樹脂下枠部43によって覆われた状態となる。
【0025】
戸先枠13の金属枠部である先金属縦枠部44は、先金属枠本体44a、先縦枠見付け壁部(縦枠見付け壁部)44b、先外方見付け壁部44c、先溝形成部(溝形成部)44dを一体に成形したものである。先金属枠本体44aは、見込み方向に沿ってほぼ鉛直に延在する平板状を成すものである。先縦枠見付け壁部44bは、上見付け壁部40bに対応して設けたもので、先金属枠本体44aの内周側となる見込み面から内周側に向けて見付け方向に延在している。先縦枠見付け壁部44bの内周側縁部において室外に臨む部分には、障子20の戸先框23との間をシールするシール部材(タイト材)2が装着してある。先縦枠見付け壁部44bの内周側縁部において室内に臨む部分には、内周側に開口した先カバー溝部44eが設けてある。先外方見付け壁部44cは、先金属枠本体44aの室外側となる縁部から見付け方向に延在したものである。先溝形成部44dは、先金属枠本体44aの室内側となる縁部から内周側に向けて延在したもので、内周側となる縁部に内周側に開口した先嵌合溝(嵌合溝)44fを有している。また、先金属枠本体44aの内周側となる見込み面には、先縦枠見付け壁部44bの室外側となる部分に長方形状の先中空部44gが設けてある。
【0026】
戸先枠13の樹脂枠部である先樹脂縦枠部45は、先樹脂枠本体45a、先枠カバー部45b、先嵌合ヒレ部(嵌合ヒレ)45c、先取付板部45dを一体に成形したものである。先樹脂枠本体45aは、断面が見付け方向に長手となる略長方形の中空状を成すものである。先枠カバー部45bは、先樹脂枠本体45aの内周側、かつ室外側となる縁部から室外に向けて見込み方向に延在した後、延在縁部が外周側に向けて屈曲したものである。先枠カバー部45bには、先カバー突部45eが設けてある。先カバー突部45eは、外周側となる見込み面から外周側に向けて見付け方向に延在したものである。先嵌合ヒレ部45cは、先樹脂枠本体45aの外周側、かつ室内側となる縁部から外周に向けて見付け方向に延在したものである。先取付板部45dは、先樹脂枠本体45aの室内に臨む見付け面の外周側となる部分から室内に向けて見込み方向に延在したものである。この先樹脂縦枠部45は、先カバー突部45eを先カバー溝部44eに嵌合するとともに、先嵌合ヒレ部45cを先溝形成部44dの先嵌合溝44fに嵌合させることによって先金属縦枠部44に装着してある。図からも明らかなように、先樹脂縦枠部45を装着した先金属縦枠部44では、先縦枠見付け壁部44bの内周側となる見込み面及び室内に臨む見付け面が先樹脂縦枠部45によって覆われた状態となる。
【0027】
吊元枠14の金属枠部である元金属縦枠部46は、元金属枠本体46a、元縦枠見付け壁部(縦枠見付け壁部)46b、元外方見付け壁部46c、元溝形成部(溝形成部)46d、元カバー溝部46e、元嵌合溝(嵌合溝)46f、元中空部46gを一体に成形したものである。元金属枠本体46a、元縦枠見付け壁部46b、元外方見付け壁部46c、元溝形成部46d、元カバー溝部46e、元嵌合溝46f、元中空部46gは、それぞれ戸先枠13の先金属縦枠部44と対称となる形状を有するように構成してある。元縦枠見付け壁部46bの内周側縁部において室外に臨む部分には、障子20の吊元框24との間をシールするシール部材(タイト材)2が装着してある。
【0028】
吊元枠14の樹脂枠部である元樹脂縦枠部47は、元樹脂枠本体47a、元枠カバー部47b、元嵌合ヒレ部(嵌合ヒレ部)47c、元取付板部47d、元カバー突部47eを一体に成形したものである。元樹脂枠本体47a、元枠カバー部47b、元嵌合ヒレ部47c、元取付板部47d、元カバー突部47eは、戸先枠13の先樹脂縦枠部45と対称となる形状を有するように構成してある。吊元枠14の元樹脂縦枠部47についても、元カバー突部47eを元カバー溝部46eに嵌合するとともに、元嵌合ヒレ部47cを元溝形成部46dの元嵌合溝46fに嵌合させることによって元金属縦枠部46に装着してある。元樹脂縦枠部47を装着した元金属縦枠部46では、元縦枠見付け壁部46bの内周側となる見込み面及び室内に臨む見付け面が元樹脂縦枠部47によって覆われた状態となる。
【0029】
図1図3に示すように、上記のように構成した上枠11、下枠12(以下、上枠11及び下枠12を横枠11,12と称する場合がある)、左右の縦枠13,14は、四周組することによって枠体10を構成する。枠体10に対しては、上枠11の金属上枠部40と上框21の金属上框部31との間及び下枠12の金属下枠部42と下框22の金属下框部33との間にそれぞれフリクションステーと称されるリンク機構1を設けることより、リンク機構1によって障子20が枠体10に対して開閉可能に支持してある。枠体10に対して障子20を閉じ位置に配置した場合には、上述した図示せぬ錠装置が噛み合った状態となることで障子20が閉じ位置に保持される。
【0030】
(縦枠と横枠との連結構造について)
本実施の形態1では、図7図10に示すように、縦枠13,14の上下端部に取付面P1を形成し、この取付面P1に横枠11,12の小口端面を接合することによって両者を連結するようにしている。なお、上枠11と左右の縦枠13,14との間の連結構造は互いにほぼ対称であり、下枠12と左右の縦枠13,14との間の連結構造も互いにほぼ対称である。また、縦枠13,14と上枠11との連結構造は縦枠13,14と下枠12との連結構造とほぼ対称である。従って、以下においては、戸先枠13と下枠12との連結構造を代表して説明することとする。
【0031】
戸先枠13の取付面P1は、押し出し成形された後に所望の寸法に切断された状態の先金属縦枠部44に対して先縦枠見付け壁部44b、先外方見付け壁部44c、先溝形成部44d、先中空部44gを適宜切除することにより、先金属枠本体44aの内周側となる見込み面に設けるようにしている。具体的には、先溝形成部44dについては金属下枠部42において下溝形成部42cの内周側となる見込み面に合致する位置よりも端部側を切除している。先縦枠見付け壁部44bについては下枠見付け壁部42bの内周側となる見込み面に合致する位置よりも端部側を切除している。先中空部44gについては下金属枠本体42aの内周側となる見込み面に合致する位置よりも端部側を切除している。但し、先中空部44gにおいて下枠見付け壁部42bに隣接する一部については、先縦枠見付け壁部44bと同じ位置で切除している。先外方見付け壁部44cは、水切り板部42dの内周側となる見込み面に合致する位置よりも端部側を切除している。
【0032】
上記のように構成した取付面P1には、金属下枠部42の小口端面を含む外形形状を有したシート状のシール部材(シール材)B1を配設しておく。すなわち、シール部材B1の外形形状は、外周側端面b1、室内側に位置する端面b2、室外側に位置する端面b3がそれぞれ先金属枠本体44aの端縁にほぼ合致するように直線状に延在する一方、内周側端面が先縦枠見付け壁部44b、先外方見付け壁部44c、先溝形成部44d、先中空部44gの各外周側端縁位置に対応した端面b4,b5,b6,b7を有する階段状となっている。戸先枠13の先樹脂縦枠部45については、樹脂下枠部43において下枠カバー部43b及び下取付板部43cの内周側となる見込み面の位置でほぼ水平に延在するように構成している。
【0033】
戸先枠13に連結する下枠12については、金属下枠部42の小口端面全面がシール部材B1に当接するように鉛直面に沿って切断している。これに対して樹脂下枠部43については、金属下枠部42の端面よりも内周側となる位置で切断することにより、縦見付け当接面43A、溝形成部当接面43B、取付板部当接面43Cを形成するようにしている。これら縦見付け当接面43A、溝形成部当接面43B、取付板部当接面43Cは、樹脂下枠部43を金属下枠部42に装着した状態でそれぞれの位置を特定している。すなわち、縦見付け当接面43Aは、金属下枠部42の小口端面をシール部材B1を介して先金属縦枠部44の取付面P1に当接させた場合に先縦枠見付け壁部44bの内周側となる見込み面にほぼ合致するように形成している。溝形成部当接面43Bは、金属下枠部42の小口端面をシール部材B1を介して先金属縦枠部44の取付面P1に当接させた場合に先溝形成部44dの内周側となる見込み面にほぼ合致するように形成している。取付板部当接面43Cは、金属下枠部42の小口端面をシール部材B1を介して先金属縦枠部44の取付面P1に当接させた場合に先樹脂縦枠部45において先取付板部45dの外周側となる見込み面にほぼ合致するように形成してある。
【0034】
上記のように構成した戸先枠13の取付面P1に対して下枠12の小口端面を接合させると、金属下枠部42の小口端面がシール部材B1に接合するとともに、先金属縦枠部44において先縦枠見付け壁部44bの外周側となる端面が下枠見付け壁部42bの内周側となる見込み面に当接した状態となる。従って、戸先枠13と金属下枠部42との間においては、シール部材B1によって水密性が確保されることになり、室内外方向に水が流通される懸念がない。
【0035】
一方、樹脂下枠部43は、縦見付け当接面43A、溝形成部当接面43B、取付板部当接面43Cのいずれもがシール部材B1から離隔した状態となる。すなわち、樹脂下枠部43の縦見付け当接面43Aが先縦枠見付け壁部44bの内周側となる見込み面に当接もしくは近接し、溝形成部当接面43Bが先溝形成部44dの内周側となる見込み面に当接もしくは近接した状態となる。また、取付板部当接面43Cは溝形成部当接面43Bよりも内周側に位置しており、樹脂下枠部43はいずれにおいてもシール部材B1及び取付面P1から離隔した状態となる。しかしながら、室外側に位置する縦見付け当接面43Aと先縦枠見付け壁部44bとの相互対向部分は、下枠見付け壁部42bに装着したシール部材2及び先縦枠見付け壁部44bに装着したシール部材2が連続することによって構成される障子20とのタイトラインの内周側に位置している。従って、障子20が閉じ位置に配置された状態においては、樹脂下枠部43と先金属縦枠部44との間の接合部から室内外に水が流通するおそれもない。
【0036】
しかも、樹脂下枠部43がシール部材B1に接触していないため、一旦、戸先枠13と下枠12とを連結させた後において樹脂下枠部43の交換が必要となった場合にも樹脂下枠部43のみを容易に取り外すことができ、その作業を容易に実施することが可能となる。また、樹脂下枠部43が先溝形成部44dの先嵌合溝44fに対して嵌合する構成でないため、先溝形成部44dに図10中の破線領域Cで示す部分に切り欠きを設けておく必要がなく、外観品質が損なわれる事態が招来されることがなく、また防火性の点でも有利となる。
【0037】
(実施の形態2)
図11図17は、本発明の実施の形態2である建具を示したものである。ここで例示する建具は、上枠51、下枠52及び左右の縦枠(形材)53を四周組することによって構成した枠体50と、枠体50の内部に配設した複層ガラス等のパネル(面材)54とを備えたFIX窓と称されるものである。枠体50を構成する上枠51、下枠52及び左右の縦枠53は、いずれも金属枠部及び樹脂枠部を有して構成したものである。金属枠部は、アルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材であり、それぞれ長手に沿った全長にわたってほぼ一様の断面形状を有するように構成してある。樹脂枠部は、樹脂によって成形した押し出し形材であり、それぞれ長手に沿った全長にわたってほぼ一様の断面形状を有するように構成してある。以下、上枠51、下枠52、縦枠53の構成について詳述する。なお、縦枠53については、左右で対称形状となるものを適用しているため、一方の縦枠53についてのみ説明する。また、上枠51及び下枠52を横枠51,52と称する場合がある。
【0038】
上枠51の金属枠部である金属上枠部61は、上金属基部61a、上パネルカバー部61b、上外方見付け壁部61c、上枠内方見付け壁部(横枠見付け壁部)61d、上溝形成部61eを一体に成形したものである。上金属基部61aは、見込み方向に沿ってほぼ水平に延在するものである。上パネルカバー部61bは、上金属基部61aの室外側となる縁部から上方に突出した後、室外に向けて見込み方向に延在したものである。上外方見付け壁部61cは、上パネルカバー部61bの室外側となる縁部から内周側に向けて見付け方向に延在したものである。上枠内方見付け壁部61dは、上金属基部61aの内周側となる見込み面において室外側となる部分から内周側に向けて見付け方向に延在した後、室外側に向けて屈曲し、さらに内周側に向けて屈曲したものである。これら上外方見付け壁部61c及び上枠内方見付け壁部61dは、互いの間にパネル54の板厚よりも大きな間隔を確保した状態で相互に対向するように設けてある。上外方見付け壁部61cの延在縁部には、室内に臨む部分に上外方ポケット部61fが突出するように設けてある。上枠内方見付け壁部61dの延在縁部には、室外に臨む部分に上内方ポケット部61gが設けてあるとともに、室内に臨む部分に内周側に開口した上カバー溝部61hが設けてある。上溝形成部61eは、上金属基部61aの室内側となる縁部から内周側に向けて延在したもので、内周側となる縁部に内周側に開口した上嵌合溝61iを有している。
【0039】
上枠51の樹脂枠部である樹脂上枠部62は、金属上枠部61において上枠内方見付け壁部61dの内周側縁部61jよりも室内側となる部分を覆うもので、外方中空部62a、内方中空部62b、上外方カバー片部62c、上内方嵌合ヒレ部62d、上取付板部62eを有している。外方中空部62a及び内方中空部62bは、それぞれ断面が長方形の中空状を成すものである。図示の例では、外方中空部62aの外周側となる部分から内方中空部62bが室内に向けて突出するように設けてある。上外方カバー片部62cは、外方中空部62aの室外側、かつ内周側となる隅部から室外に向けて見込み方向に延在したものである。この上外方カバー片部62cの外周側となる見込み面には、外方嵌合片部62fが設けてある。外方嵌合片部62fは、金属上枠部61の上カバー溝部61hに嵌合するもので、外周側に向けて見付け方向に延在している。上内方嵌合ヒレ部62dは、金属上枠部61の上溝形成部61eに嵌合するもので、内方中空部62bの室内側、かつ外周側となる隅部から外周側に向けて延在している。上取付板部62eは、内方中空部62bの室内側、かつ内周側となる隅部から室内に設けて見込み方向に延在している。
【0040】
上記の構成を有した上枠51では、外方嵌合片部62fを上カバー溝部61hに嵌合させるとともに、上内方嵌合ヒレ部62dを上溝形成部61eに嵌合させることにより、樹脂上枠部62が金属上枠部61に装着された状態となる。この状態においては、上外方カバー片部62cよりも室外側となる部分に上枠内方見付け壁部61dの内周側縁部61jが一部露出した状態で、金属上枠部61の上枠内方見付け壁部61dよりも室内側となる部分の内周側となる見込み面が樹脂上枠部62によって覆われる。金属上枠部61に設けた上外方見付け壁部61c及び上枠内方見付け壁部61dの間には、それぞれシール材54a及びシール材(タイト材)54bを介してパネル54の上縁部が支持してある。
【0041】
下枠52の金属枠部である金属下枠部63は、下金属基部63a、下方パネルカバー部63b、下外方見付け壁部63c、下枠内方見付け壁部(横枠見付け壁部)63d、下溝形成部63e、水切り部63kを一体に成形したものである。下金属基部63aは、室外側に向けて漸次外周側となるように傾斜するように見込み方向に延在するものである。下方パネルカバー部63bは、下金属基部63aの室外側に位置する縁部から室外に向けてほぼ水平に延在するものである。下外方見付け壁部63cは、下方パネルカバー部63bの室外側となる縁部から内周側に向けて見付け方向に延在したものである。下枠内方見付け壁部63dは、下金属基部63aの室外側となる縁部から内周側に向けて見付け方向に延在した後、室外側に向けて屈曲し、さらに内周側に向けて屈曲したものである。これら下外方見付け壁部63c及び下枠内方見付け壁部63dは、上枠51の上外方見付け壁部61c及び上枠内方見付け壁部61dに対応した位置に設けてある。下外方見付け壁部63cの延在縁部には、室内に臨む部分に外方ポケット部63fが突出するように設けてある。下枠内方見付け壁部63dの延在縁部には、室外に臨む部分に内方ポケット部63gが設けてあるとともに、室内に臨む部分に内周側に開口した下カバー溝部63hが設けてある。下溝形成部63eは、下金属基部63aの室内側となる縁部から内周側に向けて延在したもので、内周側となる縁部に内周側に開口した下嵌合溝63iを有している。水切り部63kは、下方パネルカバー部63bの外周側となる見込み面から室外に向けて漸次外周側となるように延在した後、外周側に向けて見付け方向に延在し、さらに室内に向けて見込み方向に延在したものである。水切り部63kの見付け方向に延在する部分は、下外方見付け壁部63cよりも室外側に位置している。
【0042】
下枠52の樹脂枠部である樹脂下枠部64は、金属下枠部63において下枠内方見付け壁部63dの内周側縁部63jよりも室内側となる部分を覆うもので、下見込み板部64a、下外方嵌合部64b、下内方嵌合ヒレ部64cを有している。下見込み板部64aは、見込み方向に沿った寸法が上枠51の樹脂上枠部62とほぼ同じ長さの板状を成すものである。下外方嵌合部64bは、金属下枠部63の下カバー溝部63hに嵌合するもので、下見込み板部64aの下面において室外側となる部分から外周側に向けて延在している。下内方嵌合ヒレ部64cは、金属下枠部63の下溝形成部63eに嵌合するもので、下見込み板部64aの下面において室内側となる部分から外周側に向けて見付け方向に延在している。この樹脂下枠部64は、下外方嵌合部64bを下カバー溝部63hに嵌合するとともに、下内方嵌合ヒレ部64cを下溝形成部63eに嵌合させることにより、下枠52の下枠内方見付け壁部63dよりも室内側となる部分の内周側となる見込み面を覆った状態となる。
【0043】
上記の構成を有した下枠52では、下外方嵌合部64b及び下内方嵌合ヒレ部64cを介して樹脂下枠部64が金属下枠部63に装着された状態となる。この状態においては、下見込み板部64aよりも室外側となる部分に下枠内方見付け壁部63dの内周側縁部63jが一部露出した状態で、金属下枠部63の下枠内方見付け壁部63dよりも室内側となる部分の内周側となる見込み面が樹脂下枠部64によって覆われる。金属下枠部63に設けた下外方見付け壁部63c及び下枠内方見付け壁部63dの間には、それぞれシール材54a及びシール材(タイト材)54bを介してパネル54の下縁部が支持してある。
【0044】
縦枠53の金属枠部である金属縦枠部65は、縦枠基部65a、縦外方見付け壁部65b、縦溝形成部(溝形成部)65c、樹脂枠係止部65d、縦押縁内係合突部65e、縦押縁外係合突部65fを一体に成形した縦金属枠本体65Aと、縦金属枠本体65Aに装着した押縁66とを備えて構成したものである。縦枠基部65aは、見込み方向に沿ってほぼ鉛直に延在するものである。縦外方見付け壁部65bは、縦枠基部65aの室外側となる縁部から内周側に向けて見付け方向に延在した後、室内側に向けて屈曲し、さらに内周側に向けて見付け方向に延在している。縦外方見付け壁部65bの延在縁部には、室内に臨む部分に外方ポケット部65iが突出するように設けてある。縦溝形成部65cは、縦枠基部65aの室内側となる縁部から内周側に向けて延在したもので、内周側となる縁部に内周側に開口した縦嵌合溝(嵌合溝)65hを有している。樹脂枠係止部65dは、縦枠基部65aの内周側となる見込み面において縦溝形成部65cよりも室外側となる部分から内周に向けて突出した後、室内に向けて屈曲したものである。縦押縁内係合突部65eは、縦枠基部65aにおいて縦外方見付け壁部65bよりも室内側、かつ樹脂枠係止部65dよりも室外側となる位置から内周側に向けて見付け方向に延在した後、室外に向けて屈曲している。縦押縁内係合突部65eの延在寸法は、縦外方見付け壁部65bの延在寸法よりも短く構成してある。縦押縁外係合突部65fは、縦枠基部65aの内周側となる見込み面において縦外方見付け壁部65bと縦押縁内係合突部65eとの間となる位置から内周に向けて突出した後、室内に向けて屈曲したものである。縦押縁外係合突部65fと縦枠基部65aとの間には、縦枠基部65aの板厚寸法に対してほぼ2倍となる隙間が確保してある。押縁66は、アルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材であり、縦押縁内係合突部65e及び縦押縁外係合突部65fを介して縦枠基部65aに装着することにより、縦外方見付け壁部65bに対向した縦枠内方見付け壁部(縦枠見付け壁部)65gを構成するものである。本実施の形態2では、パネル支持片66a、内周係合部66b、外周係合片66cを有して押縁66が構成してある。パネル支持片66aは、見付け方向に沿って延在するものである。パネル支持片66aには、室内に臨む見付け面に樹脂装着部66dが設けてある。内周係合部66bは、パネル支持片66aの外周側となる縁部から室外に向けて延在した後、外周側に向けて湾曲したものである。外周係合片66cは、内周係合部66bの外周側となる縁部から室外に向けて漸次外周側となるように傾斜延在した後に屈曲し、室外に向けて見込み方向に延在したものである。
【0045】
縦枠53の樹脂枠部である樹脂縦枠部67は、金属縦枠部65において樹脂枠係止部65dよりも室内側となる部分を覆う内方側樹脂枠部68と、押縁66の室内側となる部分を覆う樹脂押縁部69とを備えて構成してある。内方側樹脂枠部68は、縦枠中空部68a、外方係合ヒレ部68b、内方嵌合ヒレ部(嵌合ヒレ部)68c、取付板部68dを有している。縦枠中空部68aは、断面が長方形の中空状を成すものである。外方係合ヒレ部68bは、樹脂枠係止部65dに係合するもので、縦枠中空部68aの室外側、かつ外周側となる隅部から外周側に向けて見付け方向に延在している。内方嵌合ヒレ部68cは、金属縦枠部65の縦嵌合溝65hに挿入して嵌合するもので、縦枠中空部68aの室内側、かつ外周側となる隅部から外周に向けて延在している。取付板部68dは、縦枠中空部68aの室内側、かつ内周側となる隅部から室内に設けて見込み方向に延在している。この内方側樹脂枠部68は、外方係合ヒレ部68bを樹脂枠係止部65dに係合させるとともに、内方嵌合ヒレ部68cを縦嵌合溝65hに嵌合することによって金属縦枠部65に装着され、金属縦枠部65において樹脂枠係止部65dよりも室内側となる内周側の見込み面を覆った状態となる。樹脂押縁部69は、押縁中空部69a、金属装着部69b、樹脂枠対向片部69cを有して構成してある。押縁中空部69aは、断面が長方形の中空状を成すものである。金属装着部69bは、上述の樹脂装着部66dとの協働によりパネル支持片66aの室内に臨む部分に樹脂押縁部69を装着するものである。樹脂枠対向片部69cは、押縁中空部69aの外周側、かつ室内側の縁部から外周側に延在したものである。この樹脂押縁部69は、金属装着部69bを介して樹脂装着部66dに装着することにより押縁66に支持され、パネル支持片66aから室外に向けて突出し、金属縦枠部65において樹脂枠係止部65dと縦押縁内係合突部65eとの間に位置する内周側の見込み面を覆った状態となる。金属縦枠部65に設けた縦外方見付け壁部65bと縦枠内方見付け壁部65gの押縁66との間には、それぞれシール材54a及びシール材(タイト材)54bを介してパネル54の側縁部が支持してある。
【0046】
(縦枠と横枠との連結構造について)
本実施の形態2では、図17図21に示すように、縦枠53の上下端部に取付面P2を形成し、この取付面P2に横枠51,52の小口端面を接合することによって両者を連結するようにしている。なお、上枠51と左右の縦枠53との間の連結構造は互いにほぼ対称であり、下枠52と左右の縦枠53との間の連結構造も互いにほぼ対称である。また、縦枠53と上枠51との連結構造は縦枠53と下枠52との連結構造とほぼ対称である。従って、以下においては、一方の縦枠53と下枠52との連結構造を代表して説明することとする。
【0047】
縦枠53の取付面P2は、押し出し成形された後に所望の寸法に切断された状態の金属縦枠部65に対して縦外方見付け壁部65b、縦押縁内係合突部65e、樹脂枠係止部65d、縦溝形成部65c、押縁66を適宜切除することにより、金属縦枠部65の内周側となる見込み面に設けるようにしている。具体的には、押縁66、縦押縁内係合突部65e、樹脂枠係止部65dについては金属下枠部63において下枠内方見付け壁部63dの内周側縁部63jに合致する位置よりも端部側を切除している。縦外方見付け壁部65bについては、内周側に位置する部分を縦押縁内係合突部65eと同じ位置で切除し、外周側に位置する部分を水切り部63kの内周側となる見込み面に合致する位置よりも端部側で切除している。縦溝形成部65cについては、下溝形成部63eの内周側となる見込み面に合致する位置よりも端部側を切除している。
【0048】
上記のように構成した取付面P2には、金属下枠部63の小口端面を含む外形形状を有したシート状のシール部材(シール材)B2を配設しておく。すなわち、シール部材B2の外形形状は、外周側端面b11、室内側に位置する端面b12、室外側に位置する端面b13がそれぞれ金属縦枠部65の端縁にほぼ合致するように直線状に延在する一方、内周側端面が縦押縁内係合突部65e、縦溝形成部65cの各外周側端縁位置に対応した端面b14,b15を有する階段状となっている。縦枠53の樹脂縦枠部67については、内方側樹脂枠部68及び樹脂押縁部69のそれぞれが縦押縁内係合突部65eと同じ位置でほぼ水平に延在するように構成している。
【0049】
縦枠53に連結する下枠52については、金属下枠部63の小口端面全面がシール部材B2に当接するように鉛直面に沿って切断している。これに対して樹脂下枠部64については、金属下枠部63の端面よりも内周側となる位置で切断することにより、溝形成部当接面64A、取付板部当接面64Bを形成するようにしている。これら溝形成部当接面64A、取付板部当接面64Bは、樹脂下枠部64を金属下枠部63に装着した状態でそれぞれの位置を特定している。すなわち、溝形成部当接面64Aは、金属下枠部63の小口端面をシール部材B2を介して金属縦枠部65の取付面P2に当接させた場合に縦溝形成部65cの内周側となる見込み面にほぼ合致するように形成している。取付板部当接面64Bは、金属下枠部63の小口端面をシール部材B2を介して金属縦枠部65の取付面P2に当接させた場合に内方側樹脂枠部68において取付板部68dの外周側となる見込み面にほぼ合致するように形成してある。
【0050】
上記のように構成した縦枠53の取付面P2に対して下枠52の小口端面を接合させると、金属下枠部63の小口端面がシール部材B2に接合するとともに、金属縦枠部65において縦押縁内係合突部65e及び押縁66の各外周側となる端面が金属下枠部63における下枠内方見付け壁部63dの内周側縁部63jに当接した状態となる。従って、縦枠53と金属下枠部63との間においては、シール部材B2によって水密性が確保されることになり、室内外方向に水が流通される懸念がない。
【0051】
一方、樹脂下枠部64は、溝形成部当接面64A、取付板部当接面64Bのいずれもがシール部材B2から離隔した状態となる。すなわち、樹脂下枠部64の溝形成部当接面64Aが縦溝形成部65cの内周側となる見込み面に当接もしくは近接した状態となる。また、取付板部当接面64Bは溝形成部当接面64Aよりも内周側に位置しており、樹脂下枠部64はいずれにおいてもシール部材B2及び取付面P2から離隔した状態となる。しかしながら、これら溝形成部当接面64A、取付板部当接面64Bは、内周側縁部63jと縦押縁内係合突部65e及び押縁66との接合部よりも室内側、かつ下枠内方見付け壁部63dのシール材54b及び縦枠内方見付け壁部65gのシール材54bが連続することによって構成されるパネル54とのタイトラインよりも室内側に配置されたものである。従って、樹脂下枠部64と金属縦枠部65との間の間に確保した隙間を介して室内外に水が流通するおそれもない。
【0052】
しかも、樹脂下枠部64がシール部材B2に接触していないため、一旦、縦枠53と下枠52とを連結させた後において樹脂下枠部64の交換が必要となった場合にも樹脂下枠部64のみを容易に取り外すことができ、その作業を容易に実施することが可能となる。また、樹脂下枠部64が縦溝形成部65cの縦嵌合溝65hに対して嵌合する構成でないため、縦溝形成部65cに図21中の破線領域Dで示す部分に切り欠きを設けておく必要がなく、外観品質が損なわれる事態が招来されることがなく、また防火性の点でも有利となる。
【0053】
なお、上述した実施の形態では、縦すべり出し窓及びFIX窓を例示しているが、必ずしもこれらに限定されない。また、枠体の内部に障子を備える建具の場合に、必ずしも障子を構成する框材が金属框部と樹脂框部とを備えている必要はない。さらに、FIX窓の縦枠見付け壁部として押縁を備えているものを例示しているが、必ずしも押縁を備えている必要はない。
【0054】
また、上述した実施の形態では、シール材としてシート状を成すものを例示しているが、必ずしもこれに限定されず、例えば流体状を成すシール材を適用しても構わない。
【0055】
以上のように、本発明に係る建具は、枠体を構成する横枠及び縦枠は、それぞれ金属によって成形した金属枠部と、樹脂によって成形した樹脂枠部とを有し、前記横枠の金属枠部には、見付け方向に沿って内周側に延在する横枠見付け壁部が設けられ、前記縦枠の金属枠部には、見込み方向に沿った取付面が端部に設けられているとともに、前記取付面を除く部分に見付け方向に沿って内周側に延在する縦枠見付け壁部が設けられ、シール材を介して前記縦枠の取付面に前記横枠が接合する状態で前記縦枠及び前記横枠が互いに連結され、かつ前記横枠見付け壁部よりも室外側となる部分及び前記縦枠見付け壁部よりも室外側となる部分にそれぞれタイト材を介して面材が配設される建具であって、前記縦枠見付け壁部の端面が前記横枠見付け壁部の内周側に位置する面に対向し、かつ前記横枠の金属枠部が端面を前記シール材に当接した状態で前記縦枠及び前記横枠が互いに連結されていることを特徴としている。
この発明によれば、横枠の金属枠部のみをシール材に当接させるようにしているため、横枠の樹脂枠部を交換する場合にシール材から引き剥がす作業が生じない。しかも、縦枠見付け壁部の端面を横枠見付け壁部の内周側に位置する面に対向させるようにしているため、横枠の樹脂枠部と縦枠との接合部が、横枠見付け壁部及び縦枠見付け壁部と面材との間のタイト材によって構成されるタイトラインに対して内周側、もしくは室内側となるため、横枠の樹脂枠部と縦枠との接合部にシール材を設けることなく水密性を確保することが可能となる。シール材としては、必ずしも予めシート状に構成されたものを適用する必要はなく、塗布するタイプのシール材を適用しても良い。
【0056】
また本発明は、上述した建具において、前記横枠の樹脂枠部は、端面が前記取付面から離隔されていることを特徴としている。
この発明によれば、横枠の樹脂枠部を交換する際の作業をより容易化することができる。
【0057】
また本発明は、上述した建具において、前記横枠の樹脂枠部は、前記横枠見付け壁部の内周側に位置する面に対向するカバー部を有し、前記カバー部は、端面が前記縦枠見付け壁部の内周側に位置する面に対向されていることを特徴としている。
この発明によれば、横枠見付け壁部の内周側に位置する面が樹脂枠部のカバー部によって隠されることになるため、室内側から横枠の金属枠部を視認することが困難となり、外観品質の点で有利となる。
【0058】
また本発明は、上述した建具において、前記縦枠見付け壁部の室外に臨む縁部及び前記横枠見付け壁部の室外に臨む縁部のそれぞれには、前記タイト材が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、縦枠及び横枠に設けられたタイト材によって面材との間のタイトラインを構成することができる。
【0059】
また本発明は、上述した建具において、前記縦枠の内周側となる部分に溝形成部が全長にわたって設けられ、溝形成部には、内周側に開口する嵌合溝が設けられ、前記縦枠の樹脂枠部には、嵌合溝に嵌合する嵌合ヒレ部が設けられ、前記横枠の樹脂枠部において嵌合溝に対向する部分は、溝形成部の内周側となる見込み面に当接、もしくは溝形成部の内周側となる見込み面よりも内周側に位置していることを特徴としている。
この発明によれば、横枠の樹脂枠部が縦枠の嵌合溝に嵌合されていないため、縦枠金属部の溝形成部を途中で切り欠くことなく横枠の樹脂枠部を取り外すことができる。これにより、外観品質が損なわれるおそれがなく、また防火性の点でも有利となる。
【符号の説明】
【0060】
2 シール部材、10,50 枠体、11,12,51,52 横枠、13,14,53 縦枠、20 障子、40,61 金属上枠部、40b 上枠見付け壁部、41,62 樹脂上枠部、41b 上枠カバー部、42,63 金属下枠部、42b 下枠見付け壁部、43,64 樹脂下枠部、43A 縦見付け当接面、43B 溝形成部当接面、43C 取付板部当接面、43b 下枠カバー部、44 先金属縦枠部、44a 先金属枠本体、44b 先縦枠見付け壁部、44d 先溝形成部、44f 先嵌合溝、45 先樹脂縦枠部、46 元金属縦枠部、46a 元金属枠本体、46b 元縦枠見付け壁部、46d 元溝形成部、46f 元嵌合溝、47 元樹脂縦枠部、54 パネル、54b シール材、61d 上枠内方見付け壁部、63d 下枠内方見付け壁部、64A 溝形成部当接面、64B 取付板部当接面、65 金属縦枠部、65c 縦溝形成部、65e 縦押縁内係合突部、65f 縦押縁外係合突部、65g 縦枠内方見付け壁部、65h 縦嵌合溝、66 押縁、67 樹脂縦枠部、68 内方側樹脂枠部、68c 内方嵌合ヒレ部、B1,B2 シール部材、P1,P2 取付面
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