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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004821
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】自動車用ドアラッチ装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 77/06 20140101AFI20250108BHJP
   E05B 79/08 20140101ALI20250108BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
E05B77/06 Z
E05B79/08
B60J5/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104664
(22)【出願日】2023-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000148896
【氏名又は名称】三井金属アクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003292
【氏名又は名称】弁理士法人三栄国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】多賀 隆雄
(72)【発明者】
【氏名】宮永 凌
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH01
2E250JJ32
2E250JJ47
2E250KK01
2E250KK02
2E250LL01
2E250MM00
2E250PP09
2E250QQ03
2E250RR13
(57)【要約】
【課題】比較的簡単な構造を有し、軽量で、衝突時に慣性レバーに作用する慣性方向が反転した場合であっても、ドアの閉状態を確実に維持する自動車用ドアラッチ装置を提供する。
【解決手段】アウトサイドレバー(12)に枢軸(27)により支持された慣性レバー(13)を付勢する部材として、コイル部(26a)と、その両端から各々延びるアーム部(26b,26c)を有するスプリング(26)であって、慣性レバーを、噛合機構(3)の噛合の解除を可能にする初期位置に保持する方向に付勢するとともに、一方のアーム部(26b)により慣性レバーを上記枢軸に沿ってアウトサイドレバー側に押圧する方向への付勢力を付与するように設けられたスプリングを用い、慣性レバーが、噛合の解除を不可能にする阻止位置に回動したとき、上記一方のアーム部を、慣性レバーに設けた凹部(13e)に係合させる構成とする。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアを閉位置に保持する噛合機構と、
前記ドアに配置される操作ハンドルの開操作に連動して開放方向へ移動するアウトサイドレバーと、
前記アウトサイドレバーの開放方向への移動に基づいて前記噛合機構の噛合を解除可能なアンロック位置および解除不可能なロック位置に移動するオープンリンクと、
重心が回転軸から偏心しており、設定値を超える慣性力が作用したとき、付勢部材の付勢力に抗して移動する慣性レバーと、を備えた自動車用ドアラッチ装置において、
前記慣性レバーは、前記アウトサイドレバーに枢軸により回動可能に支持されており、
前記アウトサイドレバーは、前記操作ハンドルとして前記ドアの車外側に設けられたアウトサイドハンドルに連結された第1のアウトサイドレバーと、前記オープンリンクに連結された第2のアウトサイドレバーとを有しており、前記第1及び第2のアウトサイドレバーは連結軸により互いに回動可能に連結されており、
前記慣性レバーは、前記第1及び第2のアウトサイドレバー間の作動を伝達する伝達位置と、前記作動の伝達を阻止する非伝達位置との間で回動し、
前記付勢部材は、前記第1及び第2のアウトサイドレバーの連結軸を支軸とするコイル部と、その両端から各々延びるアーム部を有するスプリングであり、前記慣性レバーを前記伝達位置に保持する方向に付勢するとともに、一方のアーム部により前記慣性レバーを前記枢軸に沿って前記アウトサイドレバー側に押圧する方向への付勢力を付与するように設けられており、
前記慣性レバーは、前記伝達位置にあるときに、前記一方のアーム部を支持する支持面と、前記支持面から陥凹しており、前記非伝達位置にあるときに、前記一方のアーム部を支持する凹部を有しており、
前記設定値を超える慣性力が作用したとき、前記慣性レバーは前記伝達位置から前記非伝達位置に回動し、前記一方のアーム部が、前記慣性レバーの凹部に係合することにより、前記非伝達位置に仮保持され、以って前記第1及び第2のアウトサイドレバー間の作動の伝達を阻止することにより、前記オープンリンクによる前記噛合機構の噛合の解除を不可能にすることを特徴とする自動車用ドアラッチ装置。
【請求項2】
前記慣性レバーの重心の位置は、前記慣性レバーの回転中心の水平方向軸線を基準として、前記伝達位置では上に、前記非伝達位置では下となるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用ドアラッチ装置。
【請求項3】
前記慣性レバーは、前記第1及び第2のアウトサイドレバーの連結軸の近傍に配置され、前記慣性レバーの凹部は、前記第1及び第2のアウトサイドレバーを互いに回動可能に連結する軸の水平方向軸線と、前記慣性レバーの回転中心の水平方向軸線との間の領域内で移動することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用ドアラッチ装置。
【請求項4】
前記慣性レバーを前記枢軸に沿って前記アウトサイドレバー側に押圧する前記スプリングのアーム部は、前記慣性レバーが前記伝達位置にあるとき、前記スプリングの支軸の中心と前記慣性レバーの回転中心を結んだ線上または前記結線より前記伝達位置側に位置し、前記慣性レバーが前記非伝達位置にあるとき、前記結線より前記非伝達位置側に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用ドアラッチ装置。
【請求項5】
前記慣性レバーは、前記第2のアウトサイドレバーに回動可能に支持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用ドアラッチ装置。
【請求項6】
前記慣性レバーは、前記伝達位置にあるときに前記第1及び第2のアウトサイドレバーの両方に当接し、前記非伝達位置にあるときに前記第1及び第2のアウトサイドレバーの少なくとも一方から離隔される伝達部を有しており、前記慣性レバーが前記伝達位置にあるとき、前記伝達部が前記第1及び第2のアウトサイドレバーの両方に当接することにより、前記第1及び第2のアウトサイドレバー間の作動は前記伝達部を介して伝達され、前記慣性レバーが前記非伝達位置にあるとき、前記伝達部が前記第1及び第2のアウトサイドレバーの少なくとも一方から離隔されることにより、前記第1及び第2のアウトサイドレバー間の作動は阻止されることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用ドアラッチ装置。
【請求項7】
前記慣性レバーは、重心を回転軸から偏心させるウェイト部を有しており、その質量及び/又は形状の設定を変更することにより、前記慣性レバーの質量及び/又は重心の位置を変更可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用ドアラッチ装置。
【請求項8】
前記慣性レバーが前記非伝達位置に仮保持された状態で、前記アウトサイドハンドルを開操作し、前記第1のアウトサイドレバーを回動させると、前記慣性レバーを前記枢軸に沿って前記アウトサイドレバー側に押圧する前記スプリングのアーム部が、前記第1のアウトサイドレバーで押されて前記慣性レバーの凹部から脱係合し、前記慣性レバーは前記スプリングにより前記伝達位置方向に付勢されるようになっており、以って前記慣性レバーを、前記非伝達位置から前記伝達位置に復帰させることができ、前記アウトサイドハンドルの開操作に基づいて前記噛合機構の噛合を解除することができる状態とすることができることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用ドアラッチ装置。
【請求項9】
前記自動車用ドアラッチ装置は、前記操作ハンドルとして前記ドアの車内側に設けられたインサイドハンドルと、前記インサイドハンドルの開操作に連動して開放方向へ回動するインサイドレバーとをさらに備えており、前記慣性レバーが前記非伝達位置に仮保持された状態で、前記インサイドハンドルを開操作し、前記インサイドレバーを回動させると、その回動は、前記第2のアウトサイドレバーを介して前記オープンリンクに伝達されるようになっており、以って前記インサイドハンドルの開操作に基づいて前記噛合機構の噛合を解除することができることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用ドアラッチ装置。
【請求項10】
前記自動車用ドアラッチ装置は、前記噛合機構,前記慣性レバーを備えたアウトサイドレバー,および前記オープンリンクを収容するケーシングを備えており、前記第2のアウトサイドレバーは前記ケーシングに回動可能に支持されており、前記アウトサイドレバーは、前記第1のアウトサイドレバーを付勢するスプリングを有しており、前記スプリングは、コイル部とその両端から各々延びるアーム部を有しており、前記コイル部は前記ケーシングに支持されており、一方のアーム部は前記ケーシングに支持されており、もう一方のアーム部は前記第1のアウトサイドレバーに支持されており、前記慣性レバーが前記伝達位置にあるとき、前記アウトサイドレバーの開放方向への移動に基づいて、前記アウトサイドレバーは、前記第1及び第2のアウトサイドレバーが一体的に移動することにより、前記スプリングの付勢力に抗して初期位置から開放方向に回動することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用ドアラッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ドアラッチ装置に関し、詳しくは、比較的簡単な構造を有し、軽量で、衝突事故等が発生した場合であっても、ドアの閉状態を確実に維持する自動車用ドアラッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のドアハンドルにロッドおよびアウトサイドレバーを介してオープンリンクが連結され、ドアハンドルの操作によりオープンリンクを介して噛合機構によるストライカの係合を解除するようにしたドアラッチ装置が知られている。そのようなドアラッチ装置では、ドアに大きな衝撃が加わり、ドアパネルが変形してロッドが下降すると、オープンリンクが開作動する。このとき、ドアラッチ装置がアンロック状態である場合、ドアが開放される虞がある。
【0003】
これに対して、慣性により回転する慣性部材を設け、衝突時に慣性部材を所定方向に回転させることにより、オープンリンク等の所定のレバーの動作をブロックするように作用させ、噛合機構の係合状態を保持することが提案されている。
【0004】
ところで、自動車には、側面衝突等で車体に衝撃が作用した場合に、乗員を保護するためのエアバッグが車室内に設置されている。そのため、側面衝突等で車体に衝撃が作用した場合には、衝撃を受けた側のドアに対して、先ず内向き方向(車外側から車内側へ向く方向)への衝撃が作用した後、エアバッグが作動することで外向き方向(車内側から車外側へ向く方向)への衝撃が作用する。その結果、ドア内に設けられた自動車用ドアラッチ装置のオープンリンク等の所定のレバーには、最初に外向き方向へ慣性力が作用したあとに内向き方向へ慣性力が作用する。
【0005】
オープンリンク等の所定のレバーに作用する慣性方向が外向き方向から内向き方向に反転すると、側面衝突時に慣性部材が所定のレバーの動作をブロックするように回転したにも係わらず、直ぐに初期位置に復帰してしまい、所定のレバーを確実に拘束できないという問題がある。
【0006】
そこで、特開2018-3305号(特許文献1)は、ストライカの係合を解除するための操作受部を有するラッチ機構と、アウトサイドハンドルの操作に連動して回転するオープンレバーと、オープンレバーの回転力を操作受部に伝達可能なアンロック位置及び伝達不可能なロック位置に揺動可能な伝達部材(リンク)と、伝達部材をロック位置からアンロック位置に向けて付勢する一方、伝達部材に設定値以上の慣性力が作用した場合に、アンロック位置からロック位置へ向かう伝達部材の移動を許容するバネ部材とを備えて、伝達部材が設定値以上の慣性力の作用によりバネ部材の付勢力に抗してロック位置に向けて移動した場合、バネ部材が規制部に係止することで、バネ部材によるアンロック位置へ向かう伝達部材の付勢を規制して、意に反するドアの開放を防止するようにしたドアロック装置を記載している。
【0007】
また特開2020-153191号(特許文献2)は、ラッチを保持するラチェットと、アウターハンドルに連係されたアウターレバーと、アンロック位置、ロック位置およびこれらの間の慣性係合位置に変位可能なオープンリンクと、待機位置およびブロック位置に変位可能な慣性レバーと、慣性レバーから突出する作用片に形成された嵌合穴と、オープンリンクに設けられた突起であって、オープンリンクがアンロック位置にあるとき、慣性レバーの嵌合穴の動作軌跡範囲内に突出する突起とを備え、慣性力が作用すると、慣性レバーは慣性回転し、その作用片はオープンリンクの突起を押圧し、それによってオープンリンクは搖動し、オープンリンクの突起が慣性レバーの嵌合穴に嵌合することにより慣性係合状態となるドアロック装置を記載している。
【0008】
しかし、特許文献1に記載のドアロック装置では、伝達部材に設定値以上の慣性力が作用した場合に、伝達部材をアンロック位置からロック位置に移動させるために、樹脂より比重が大きい金属材料等の質量体で、オープンリンクとして機能する伝達部材を構成する必要があるため、装置の重量が大きくなるという問題がある。また上記バネ部材を配置するロックレバーにおいて、上記規制部に係止不可能な位置に上記バネ部材のアーム部を保持する第1保持部と、上記規制部に係止可能な位置に上記バネ部材のアーム部を保持する第2保持部とを設ける必要があるため、構造が複雑化するという問題もある。
【0009】
特許文献2では、慣性レバーは、その作用片が嵌合穴の周辺に設けられた第1係合面を備え、オープンリンクは、突起に隣接して設けられた第2係合面を備えており、オープンリンクの突起が慣性レバーの嵌合穴に嵌合して慣性係合状態となるときに、第1及び第2の係合面が互いに押圧し合う必要があり、係合状態とするための構造が複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2018-3305号公報
【特許文献2】特開2020-153191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的は、比較的簡単な構造を有し、軽量で、衝突時に慣性レバーに作用する慣性方向が反転した場合であっても、ドアの閉状態を確実に維持する自動車用ドアラッチ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者等は、アウトサイドレバーに枢軸により回動可能に支持された慣性レバーに付勢力を付与する付勢部材として、コイル部と、その両端から各々延びるアーム部を有するスプリングであって、慣性レバーを、噛合機構の噛合の解除を可能にする初期位置に保持する方向に付勢するとともに、一方のアーム部により慣性レバーを上記枢軸に沿って上記アウトサイドレバー側に押圧する方向への付勢力を付与するように設けられたスプリングを用い、慣性レバーが、噛合の解除を不可能にする阻止位置に回動したとき、上記一方のアーム部を、慣性レバーに設けた凹部に係合させる構成とすることにより、比較的簡単な構造を有し、軽量で、衝突時に慣性レバーに作用する慣性方向が反転した場合であっても、ドアの閉状態を確実に維持する自動車用ドアラッチ装置が得られることを見出し、本発明に想到した。
【0013】
すなわち、本発明の自動車用ドアラッチ装置は、
ドアを閉位置に保持する噛合機構と、
上記ドアに配置される操作ハンドルの開操作に連動して開放方向へ移動するアウトサイドレバーと、
上記アウトサイドレバーの開放方向への移動に基づいて上記噛合機構の噛合を解除可能なアンロック位置および解除不可能なロック位置に移動するオープンリンクと、
重心が回転軸から偏心しており、設定値を超える慣性力が作用したとき、付勢部材の付勢力に抗して移動する慣性レバーと、を備えた自動車用ドアラッチ装置において、
上記慣性レバーは、上記アウトサイドレバーに枢軸により回動可能に支持されており、
上記アウトサイドレバーは、上記操作ハンドルとして上記ドアの車外側に設けられたアウトサイドハンドルに連結された第1のアウトサイドレバーと、上記オープンリンクに連結された第2のアウトサイドレバーとを有しており、上記第1及び第2のアウトサイドレバーは連結軸により互いに回動可能に連結されており、
上記慣性レバーは、上記第1及び第2のアウトサイドレバー間の作動を伝達する伝達位置と、上記作動の伝達を阻止する非伝達位置との間で回動し、
上記付勢部材は、上記第1及び第2のアウトサイドレバーの連結軸を支軸とするコイル部と、その両端から各々延びるアーム部を有するスプリングであり、上記慣性レバーを上記伝達位置に保持する方向に付勢するとともに、一方のアーム部により上記慣性レバーを上記枢軸に沿って上記アウトサイドレバー側に押圧する方向への付勢力を付与するように設けられており、
上記慣性レバーは、上記伝達位置にあるときに、上記一方のアーム部を支持する支持面と、上記支持面から陥凹しており、上記非伝達位置にあるときに、上記一方のアーム部を支持する凹部を有しており、
上記設定値を超える慣性力が作用したとき、上記慣性レバーは上記伝達位置から上記非伝達位置に回動し、上記一方のアーム部が、上記慣性レバーの凹部に係合することにより、上記非伝達位置に仮保持され、以って上記第1及び第2のアウトサイドレバー間の作動の伝達を阻止することにより、上記オープンリンクによる上記噛合機構の噛合の解除を不可能にすることを特徴とする。
【0014】
本発明の好ましい例では、上記慣性レバーの重心の位置は、上記慣性レバーの回転中心の水平方向軸線を基準として、上記伝達位置では上に、上記非伝達位置では下となるように設定されている。そのため、慣性力の方向が反転しても伝達位置方向への回転力は発生せず、慣性レバーを非伝達位置に保持することができ、慣性レバーは伝達位置に戻ることはない。
【0015】
本発明の別の好ましい例では、上記慣性レバーは、上記第1及び第2のアウトサイドレバーの連結軸の近傍に配置され、上記慣性レバーの凹部は、上記第1及び第2のアウトサイドレバーを互いに回動可能に連結する軸の水平方向軸線と、上記慣性レバーの回転中心の水平方向軸線との間の領域内で移動する。そのため、装置の大型化を防ぐことができる。
【0016】
本発明のさらに別の好ましい例では、上記慣性レバーを上記枢軸に沿って上記アウトサイドレバー側に押圧する上記スプリングのアーム部は、上記慣性レバーが上記伝達位置にあるとき、上記スプリングの支軸の中心と上記慣性レバーの回転中心を結んだ線上または上記結線より上記伝達位置側に位置し、上記慣性レバーが上記非伝達位置にあるとき、上記結線より上記非伝達位置側に位置する。そのため、装置の大型化を防ぐことができる。
【0017】
本発明のさらに別の好ましい例では、上記慣性レバーは、上記第2のアウトサイドレバーに回動可能に支持されている。
【0018】
本発明のさらに別の好ましい例では、上記慣性レバーは、上記伝達位置にあるときに上記第1及び第2のアウトサイドレバーの両方に当接し、上記非伝達位置にあるときに上記第1及び第2のアウトサイドレバーの少なくとも一方から離隔される伝達部を有しており、上記慣性レバーが上記伝達位置にあるとき、上記伝達部が上記第1及び第2のアウトサイドレバーの両方に当接することにより、上記第1及び第2のアウトサイドレバー間の作動は上記伝達部を介して伝達され、上記慣性レバーが上記非伝達位置にあるとき、上記伝達部が上記第1及び第2のアウトサイドレバーの少なくとも一方から離隔されることにより、上記第1及び第2のアウトサイドレバー間の作動は阻止される。
【0019】
本発明のさらに別の好ましい例では、上記慣性レバーは、重心を回転軸から偏心させるウェイト部を有しており、その質量及び/又は形状の設定を変更することにより、上記慣性レバーの質量及び/又は重心の位置を変更可能である。
【0020】
本発明のさらに別の好ましい例では、上記慣性レバーが上記非伝達位置に仮保持された状態で、上記アウトサイドハンドルを開操作し、上記第1のアウトサイドレバーを回動させると、上記慣性レバーを上記枢軸に沿って上記アウトサイドレバー側に押圧する上記スプリングのアーム部が、上記第1のアウトサイドレバーで押されて上記慣性レバーの凹部から脱係合し、上記慣性レバーは上記スプリングにより上記伝達位置方向に付勢されるようになっており、以って上記慣性レバーを、上記非伝達位置から上記伝達位置に復帰させることができ、上記アウトサイドハンドルの開操作に基づいて上記噛合機構の噛合を解除することができる状態とすることができる。このように、アウトサイドハンドルを一回操作するのみで、慣性レバーを伝達位置へ復帰させることができるので、従来のような複雑な復帰操作は不要である。
【0021】
本発明のさらに別の好ましい例では、上記自動車用ドアラッチ装置は、上記操作ハンドルとして上記ドアの車内側に設けられたインサイドハンドルと、上記インサイドハンドルの開操作に連動して開放方向へ回動するインサイドレバーとをさらに備えており、上記慣性レバーが上記非伝達位置に仮保持された状態で、上記インサイドハンドルを開操作し、上記インサイドレバーを回動させると、その回動は、上記第2のアウトサイドレバーを介して上記オープンリンクに伝達されるようになっており、以って上記インサイドハンドルの開操作に基づいて上記噛合機構の噛合を解除することができる。インサイドハンドルの入力伝達は、慣性レバーの回動により切断されない構造であるので、車内側からは常にインサイドハンドルで開操作可能であり、仮に衝突後に破損等によりアウトサイドハンドルを操作できない状態となった場合でも、乗員は車内からのインサイドハンドルの一回の操作で脱出することができる。
【0022】
本発明のさらに別の好ましい例では、上記自動車用ドアラッチ装置は、上記噛合機構,上記慣性レバーを備えたアウトサイドレバー,および上記オープンリンクを収容するケーシングを備えており、上記第2のアウトサイドレバーは上記ケーシングに回動可能に支持されており、上記アウトサイドレバーは、上記第1のアウトサイドレバーを付勢するスプリングを有しており、上記スプリングは、コイル部とその両端から各々延びるアーム部を有しており、上記コイル部は上記ケーシングに支持されており、一方のアーム部は上記ケーシングに支持されており、もう一方のアーム部は上記第1のアウトサイドレバーに支持されており、上記慣性レバーが上記伝達位置にあるとき、上記アウトサイドレバーの開放方向への移動に基づいて、上記アウトサイドレバーは、上記第1及び第2のアウトサイドレバーが一体的に移動することにより、上記スプリングの付勢力に抗して初期位置から開放方向に回動する。本発明の自動車用ドアラッチ装置は、アウトサイドレバー以外の部品を共用として、従来のアウトサイドレバー、すなわち、一部品からなるアウトサイドレバーであって、慣性レバーが設けられておらず、車内側端部がオープンリンクに連結され、車外側端部がアウトサイドハンドルに連結されるアウトサイドレバーを、上述の慣性レバー付きアウトサイドレバーに交換するだけで、その耐慣性構造が得られる。そのため、各自動車メーカーの要求に応じて、アウトサイドレバー以外の部品を共用として、通常仕様のアウトサイドレバーと、本発明の耐慣性仕様のアウトサイドレバーを選択可能であるので、仕様変更によるコスト増加を抑えることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、アウトサイドレバーに枢軸により回動可能に支持された慣性レバーに付勢力を付与する付勢部材として、コイル部と、その両端から各々延びるアーム部を有するスプリングであって、慣性レバーを、噛合機構の噛合の解除を可能にする初期位置に保持する方向に付勢するとともに、一方のアーム部により慣性レバーを上記枢軸に沿って上記アウトサイドレバー側に押圧する方向への付勢力を付与するように設けられたスプリングを用い、慣性レバーが、噛合の解除を不可能にする阻止位置に回動したとき、上記一方のアーム部を、慣性レバーに設けた凹部に係合させる構成とすることにより、比較的簡単な構造を有し、軽量で、衝突時に慣性レバーに作用する慣性方向が反転した場合であっても、ドアの閉状態を確実に維持する自動車用ドアラッチ装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態による自動車用ドアラッチ装置を示す斜視図である。
図2図1に示す自動車用ドアラッチ装置の要部を示す斜視図である。
図3図1に示す自動車用ドアラッチ装置の慣性レバー付きアウトサイドレバーを示す斜視図である。
図4図3に示す慣性レバー付きアウトサイドレバーを示す分解斜視図である。
図5】(a)は、図3に示す慣性レバー付きアウトサイドレバーの慣性レバーを後方側から示す斜視図であり、(b)は、慣性レバーを前方側から示す斜視図である。
図6】慣性レバーが伝達位置にある場合の後方側から見た慣性レバー付きアウトサイドレバーを示す正面図である。
図7図6に示す慣性レバー付きアウトサイドレバーを示す背面図である。
図8】慣性レバーが非伝達位置にある場合の後方側から見た慣性レバー付きアウトサイドレバーを示す正面図である。
図9図8に示す慣性レバー付きアウトサイドレバーを示す背面図である。
図10図6に示す慣性レバー付きアウトサイドレバーの慣性レバーとスプリングのアーム部との係合状態を示す部分斜視図である。
図11図8に示す慣性レバー付きアウトサイドレバーの慣性レバーとスプリングのアーム部との係合状態を示す部分斜視図である。
図12図8に示す慣性レバー付きアウトサイドレバーの慣性レバーとスプリングのアーム部との係合状態を示す部分正面図である。
図13】慣性レバーが伝達位置および非伝達位置の各々にある場合の重心の位置を模式的に示す説明図である。
図14】(a)は、慣性レバーが伝達位置にある場合の、スプリングの支軸の中心および慣性レバーの回転中心を結んだ線と、スプリングのアーム部との位置関係を示す説明図であり、(b)は、慣性レバーが非伝達位置にある場合の、スプリングの支軸の中心および慣性レバーの回転中心を結んだ線と、スプリングのアーム部との位置関係を示す説明図である。
図15】アウトサイドハンドルの操作により、慣性レバーが非伝達位置から伝達位置に復帰する途中で、第1のアウトサイドレバーの第2の突起部により、スプリングのアーム部が押される状態の慣性レバー付きアウトサイドレバーを示す部分斜視図である。
図16】アウトサイドハンドルの操作により、慣性レバーが非伝達位置から伝達位置に復帰する途中で、第1のアウトサイドレバーの下側縁部により回動が阻止された状態の慣性レバー付きアウトサイドレバーを示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の一実施形態を添付図面を参照して詳細に説明するが、下記説明は限定的ではなく、本発明の技術的思想の範囲内で種々の変更をしても良い。
【0026】
図1は自動車用ドアラッチ装置1の斜視図であり、図2は自動車用ドアラッチ装置1のアンロック状態の内部構造の要部を示す斜視図である。
【0027】
自動車用ドアラッチ装置1は、車体側面に開閉自在に支持されるドア内に取り付けられるベース部材2と、ベース部材2に組み付けられ、車体に固着される図示略のストライカと噛合することによりドアを閉状態に保持可能な噛合機構3と、ベース部材2に組み付けられた後述の各種可動要素とを備える。
【0028】
ベース部材2は、図示略のボルトによりドア内に固定され、後面が開口した箱状の合成樹脂製のボディ4と、ボディ4の開口を閉塞してボディ4と共にドア内に固定される金属製のカバープレート5と、ボディ4の前面側に固定される金属製のバックプレート6と、平面視L字型の合成樹脂製のケーシング7と、ケーシング7の車内側を向く側面を閉塞するサイドカバー71とを含む。ケーシング7及びサイドカバー71の上部は、ケーシング7内への雨水浸入を阻止するためトップカバー72により被われる。
【0029】
噛合機構3は、ボディ4とカバープレート5間に形成される収容空間に前後方向のラッチ軸8により枢支され、ドア閉鎖時に車体側の図示略のストライカに噛合するラッチ9と、ボディ4とカバープレート5間の収容空間に前後方向のラチェット軸10により枢支され、ドア閉鎖時にラッチ9の外周縁に係合することによりラッチ9のオープン方向への回転を阻止可能なラチェット11とを含む。ラッチ9は、図示略のスプリングによりオープン方向へ付勢され、またラチェット11は、スプリング22によりラッチ9の外周縁に係合する係合方向へ付勢される。
【0030】
ドアが閉じられるとき、ラッチ9は、ボディ4のストライカ進入溝4aに車内側から進入するストライカに係合し、オープン位置からクローズ位置に向けて回動する。ラチェット11は、クローズ位置に回動したラッチ9の外周縁に係合してラッチ9のオープン方向への回動を阻止することによりドアを閉状態に維持する。なお噛合機構3の構成及び作用は、従来技術と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0031】
ベース部材2に組み付けられる各種可動要素は、ケーシング7に設けられた後方を向く第1枢軸7aによりケーシング7とバックプレート6との間に枢支され、かつ慣性レバー13が設けられた慣性レバー付きアウトサイドレバー12(以下単に「アウトサイドレバー12」とよぶことがある)と、ケーシング7とサイドカバー71との間の収容空間に配置され、アウトサイドレバー12が連結されたオープンリンク14と、オープンリンク14と一体的に回動するサブレバー140と、ケーシング7に設けられた車内側に突出する第2枢軸(図示せず)により枢支されたロックレバー15と、ケーシング7に設けられた第3枢軸(図示せず)により枢支されるインサイドレバー17と、ラチェット軸10により枢支された解除レバー16と、サイドカバー71に保持される軸により枢支されたセルフキャンセルレバー32とを含む。
【0032】
図3,4に示すように、慣性レバー付きアウトサイドレバー12は、アウトサイドハンドルOHに連結された第1のアウトサイドレバー12aと、第1枢軸7aにより枢支され、かつオープンリンク14に連結された第2のアウトサイドレバー12bと、第1のアウトサイドレバー12aを第2のアウトサイドレバー12bの車外側端部に枢支する連結軸24と、第1のアウトサイドレバー12aを付勢するスプリング25と、第2のアウトサイドレバー12bの下方に延びる舌状支持部120bに枢支された慣性レバー13と、慣性レバー13を付勢するスプリング26と、慣性レバー13を舌状支持部120bに枢支する連結軸(枢軸)27を含む。慣性レバー13は、第1及び第2のアウトサイドレバーを互いに回動可能に連結する連結軸24の近傍に配置されている。
【0033】
スプリング25のコイル部はケーシング7に支持されており、スプリング25の一方のアーム部25aはケーシング7に支持され、もう一方のアーム部25bは、第1のアウトサイドレバー12aの車内側上部に設けられた舌状支持部120aの上方において前方に延びる第1の突起部121aに支持されている。連結軸24は、第1のアウトサイドレバー12aを枢支する小径部24aと、第2のアウトサイドレバー12bを枢支する中径部24bと、スプリング26を支持する大径部24cを有している。連結軸24は、第2のアウトサイドレバー12bの車外側端部に設けられた孔121bと、第1のアウトサイドレバー12aの車内側上部に設けられた舌状支持部120aの孔122aとを貫通している。スプリング26のコイル部26aは、第2のアウトサイドレバー12bの後面側に配置される連結軸24の大径部24cに支持され、一方のアーム部26bは慣性レバー13に支持され、もう一方のアーム部26cは第2のアウトサイドレバー12bの車外側端部の上方において後方に延びる第1の突起部122bに支持されている。
【0034】
スプリング26は、慣性レバー13を、図6,7に示す伝達位置(初期位置)に保持する方向(図6において反時計方向)への付勢力を付与し、かつ慣性レバー13を、その枢軸(連結軸)27に沿って第2のアウトサイドレバー12b側に押圧する方向(前方、すなわち連結軸27の挿入方向(図6における奥行方向))への付勢力を付与するようになっている。
【0035】
図5(a),(b)に示すように、慣性レバー13は、下部に設けられ、連結軸27が貫通する孔13aと、回転中心から離れた上部の車外側に設けられたウェイト部13bと、上部の車内側に設けられ、スプリング26のアーム部26bを支持する支持突起部13cと、ウェイト部13bおよび支持突起部13cの間に設けられ、後述する伝達位置においてスプリング26のアーム部26bを支持する支持面13dと、支持面13dの上部において陥凹しており、後述する非伝達位置(阻止位置)においてスプリング26のアーム部26bと係合する凹部13eと、上部の前面側かつ車外側に設けられ、第1のアウトサイドレバー12aの作動を第2のアウトサイドレバー12bに伝達し、かつ逆方向の作動を伝達する伝達部13fを有している。
【0036】
ウェイト部13bの形状は限定されるものではなく、その質量及び/又は形状を適宜設定することにより、慣性レバー13の質量及び/又は重心の位置を変更可能である。
【0037】
上述のような構成により、慣性レバー13は、第2のアウトサイドレバー12bの孔123b回りに所定角度回動可能であり、スプリング26の付勢力により図6における反時計方向へ付勢されて、第1及び第2のアウトサイドレバー12a,12b間において互いの作動を伝達する伝達位置に保持され、設定値を超える慣性力が外向き方向(図6において右方向で、車内側から車外側へ向く方向)へ作用した場合には、ウェイト部13bの作用により、スプリング26の付勢力に抗して、伝達位置から阻止方向(図6において時計方向)へ回転し、非伝達位置に仮保持される。
【0038】
慣性レバー13の伝達部13fは、慣性レバー13が、図7に示す伝達位置に保持されているときには、第1のアウトサイドレバー12aの車内側端部と、第2のアウトサイドレバー12bの舌状支持部120bの車外側端部との間に挟持されて、第1及び第2のアウトサイドレバー12a,12b間における互いの作動を伝達し、慣性レバー13が、図9に示す非伝達位置に仮保持されているときには、第1及び第2のアウトサイドレバー12a,12bの少なくとも一方、好ましくは両方から離隔されることで、第1のアウトサイドレバー12aから第2のアウトサイドレバー12bへの作動伝達を阻止する。
【0039】
図2に示すように、さらにケーシング7には、ケーシング7の上部に枢支され、車外側に設けられる図示略のキーシリンダに図示略の連結ロッドを介して連結される第1キーレバー18と、第1キーレバー18に連結される第2キーレバー19と、携帯用スイッチまたは車内に設けた操作スイッチの操作により正逆回転可能なモータ20と、ケーシング7に設けられた車内方向へ突出する第4枢軸7bに枢支され、モータ20の駆動により正逆回転可能な駆動ギヤ21が設けられている。
【0040】
オープンリンク14及びロックレバー15は、アンロック状態及びロック状態に切り替え可能なロック機構を構成する。ロック機構のアンロック状態とは、オープンリンク14及びロックレバー15の両者が後述のアンロック位置にあって、ドアの車外側に設けられる操作ハンドルをなすアウトサイドハンドルOHまたはドアの車内側に設けられるインサイドハンドルIHの開操作に基づくアウトサイドレバー12の開放作動によりドアの開きを可能にする状態を指し、ロック状態とは、オープンリンク14及びロックレバー15の両者が後述のロック位置にあって、アウトサイドレバー12が開放作動しても、ドアの開きを不能にする状態を指す。
【0041】
アウトサイドレバー12は、第2のアウトサイドレバー12bが第1枢軸7aにより枢支されると共に、第1のアウトサイドレバー12aがスプリング25の付勢力により初期位置方向へ付勢されてケーシング7に設けられたストッパ部(図示せず)に当接した図6,7に示す初期位置に保持される。
【0042】
第1のアウトサイドレバー12aの車外側の端部に設けられた車外側連結部123aは、上下方向の連結ロッド28(図6参照)を介してアウトサイドハンドルOHに連結される。これにより、アウトサイドハンドルOHの開操作は、連結ロッド28を介して第1のアウトサイドレバー12aの車外側連結部123aに伝達され、その入力は慣性レバー13の伝達部13fを介して第2のアウトサイドレバー12bに伝達され、アウトサイドレバー12は、スプリング25の付勢力に抗して図6に示す初期位置から開放方向(時計方向)へ所定角度回動する。
【0043】
図2に示すように、第2のアウトサイドレバー12bの車内側の端部に設けられた車内側連結部124bは、オープンリンク14の下部に設けられた連結孔14aに挿入される。これにより、アウトサイドレバー12の開放方向の回転は、上下方向への直線運動に変換されてオープンリンク14に伝達される。
【0044】
図2に示すように、インサイドレバー17は、ケーシング7の第3枢軸により枢支されると共に、下端部に設けた連結部17aがボーデンケーブル29によりドアの車内側に設けられる操作ハンドルであるインサイドハンドルIHに連結されることにより、インサイドハンドルIHの開操作に基づいて第3枢軸回りに図2に示す初期位置から時計方向へ回動する。インサイドレバー17の時計方向への回動は、インサイドレバー17に設けた折曲部17bが第2のアウトサイドレバー12bに設けた被当接部125bに下方から当接することにより第2のアウトサイドレバー12bに伝達され、第2のアウトサイドレバー12bの車内側連結部124bを介してオープンリンク14に伝達される。
【0045】
ロックレバー15は、ケーシング7の第2枢軸によりケーシング7の内側面に枢支されると共に、下端部に設けた連結部15aがボーデンケーブル30を介してドアの車内側に設けられる図示略のロックノブに連結され、後側上部が連結レバー23の下端部を枢支している。連結レバー23の上部の車外側には、アンロック状態及びロック状態に応じて、第2キーレバー19の下端部と係合して、第2キーレバー19を回動させるための係合部が設けられている(図示せず)。
【0046】
さらに、ロックレバー15の前部に設けた円弧部(図示せず)の外周には、駆動ギヤ21がモータ20の駆動により回転した際、駆動ギヤ21の車外側に設けた複数の突起部(図示せず)のうちのいずれか一つがロックレバー15の回転方向に係合可能な係合凹部(図示せず)が設けられる。これにより、ロックノブ及びキーシリンダの手動による施解錠操作、並びにモータ20の駆動による駆動ギヤ21の回転によって、ロックレバー15は、図2に示すアンロック位置から反時計方向へ所定角度回動したロック位置、及びその逆へ移動する。ロックレバー15のアンロック位置及びロック位置は、ケーシング7の第5枢軸(図示せず)に支持された保持スプリング31の付勢力により弾性保持される。保持スプリング31は、コイル部がケーシング7の第5枢軸に支持され、両アーム部間にロックレバー15に設けられた円柱状の突部15bを挟み込むことによって、ロックレバー15がアンロック位置にあるときにはロックレバー15に対してアンロック位置に保持する時計方向への付勢力を付与し、ロックレバー15がロック位置にあるときにはロックレバー15に対してロック位置に保持する反時計方向への付勢力を付与するオーバーセンタースプリングを用いる。なお、ロックレバー15は、アンロック位置にある場合には、ケーシング7に設けた図示略のストッパ部に時計方向側から当接し、また、ロック位置にある場合には、ケーシング7に設けた図示略の他のストッパ部に反時計方向側から当接することで、それぞれの位置に保持される。
【0047】
ロックレバー15の後側上部は、当該上部に設けた連結突部15cがオープンリンク14の車外側に設けた上下方向の溝(図示せず)に相対的に上下方向に摺動可能に係合することで、オープンリンク14が上下方向に移動可能に連結される。オープンリンク14は、下部に設けた連結孔14aに第2のアウトサイドレバー12bの車内側連結部124bが挿入されることで第2のアウトサイドレバー12bに連結されている。これにより、オープンリンク14は、図2に示すように、ロックレバー15がアンロック位置にある場合には、長手方向が上方へ略真直ぐ向く姿勢のアンロック位置に保持され、ロックレバー15がロック位置にある場合には、上部が前斜め上方を向く姿勢のロック位置(図示せず)に保持される。
【0048】
オープンリンク14には、オープンリンク14と一体的に回動するサブレバー140であって、アンロック位置にあるとき、解除レバー16に設けた被解除アーム部16aに対して下方から当接可能で、かつロック位置にあるとき被解除アーム部16aに当接不能な位置に変位するサブレバー140が設けられている。
【0049】
ロックレバー15がアンロック位置からロック位置に向けて回動する場合には、ロックレバー15の連結突部15cがオープンリンク14の車外側に設けた上下方向の溝の前縁に当接することにより、オープンリンク14もアウトサイドレバー12の車内側連結部124bを中心(アウトサイドレバー12及び慣性レバー13の回転軸線方向に対して直交する回転軸線回り)として回動して、アンロック位置からロック位置に移動する。また、ロックレバー15がロック位置からアンロック位置に回動する場合には、ロックレバー15の連結突部15cがオープンリンク14の車外側に設けた上下方向の溝の後縁に当接することにより、オープンリンク14もアウトサイドレバー12の車内側連結部124bを中心に回動してロック位置からアンロック位置に移動する。
【0050】
上述構成により、図2に示すように、ロック機構がアンロック状態のとき、アウトサイドハンドルOHまたはインサイドハンドルIHの開操作により、アウトサイドレバー12が初期位置から開放方向へ回動すると、オープンリンク14は、アンロック位置から上方へ直進して、オープンリンク14のサブレバー140が、解除レバー16の被解除アーム部16aに下方から当接することで、ラチェット11を開放方向へ回動させる。これにより、ラチェット11とラッチ9との係合関係が解除されて、ドアの開きを可能にする。
【0051】
ロック機構がロック状態のとき、アウトサイドハンドルOHまたはインサイドハンドルIHの開操作に基づいて、アウトサイドレバー12が開放方向へ回動した場合には、オープンリンク14は、ロック位置から前斜め上方へ向けて移動するが、サブレバー140が解除レバー16の被解除アーム部16aに対して当接しないため、ラチェット11を開放方向へ回転させることはできない。したがって、ロック機構がロック状態においては、ラチェット11とラッチ9との係合関係は保持され、ドアを開くことができない。
【0052】
セルフキャンセルレバー32は、サイドカバー71に保持される軸によって枢支されており、下方に延在するアームに設けられたガイド突起32aと、上部に設けられたタブ32bとを備える。ガイド突起32aは、オープンリンク14の車内側に設けられた凹部14bであって、略三角形状の部分と該三角の一辺が一方に延長された変則形状を有する凹部14bに挿入されており、凹部14bをガイドする。タブ32bはサイドカバー71の内面に設けられた凸部に当接することによりセルフキャンセルレバー32の反時計方向への回転を所定角度で規制する。
【0053】
セルフキャンセルレバー32は、ロック状態でドアを閉めた場合にラチェット11および解除レバー16の動作によりガイド突起32aおよびタブ32bとの作用で、オープンリンク14の凹部14bをガイドしてオープンリンク14をロック状態からアンロック状態へ強制的に動かす。これはセルフキャンセル機能であり、携帯器(キー)を車内へ置いた状態で、ロック状態のままマニュアル操作でドアを閉扉した場合、キーを車内へ閉じ込めてドアが開けられなくならないように強制的にロック状態からアンロック状態にすることができる。また、通常の施解錠動作(ロック/アンロック動作)及び解除動作にてオープンリンク14が作動してもセルフキャンセルレバー32が機能しないようにオープンリンク14の凹部14bは変則的な形状となっている。
【0054】
次に、図6~16に基づいて、本実施形態に係る自動車用ドアラッチ装置1の作用、特に側面衝突等により自動車用ドアラッチ装置1に衝撃が作用した場合について説明する。
【0055】
通常状態においては、図6,7に示すように、慣性レバー13は、スプリング26の付勢力により伝達位置に保持されている。慣性レバー13が伝達位置にある場合には、図7に示すように、慣性レバー13の伝達部13fは、第1及び第2のアウトサイドレバー12a,12b間に挟持されて、第1及び第2のアウトサイドレバー12a,12b間における互いの作動を伝達する位置にある。
【0056】
例えば、図2に示すように、ロック機構がアンロック状態にあるとき、車両走行中又は車両停止中に、側面衝突事故等が発生したと仮定する。この場合には、衝突を受けた側のドアに対して車外側から車内側へ向けて衝撃が作用するため、自動車用ドアラッチ装置1に対しては、その反作用として外向き方向(図6において右方向)への慣性力が作用する。
【0057】
自動車用ドアラッチ装置1に外向き方向への慣性力が作用すると、慣性レバー13は、上部の車外側に設けたウェイト部13bにより、スプリング26の付勢力に抗して、下部の枢軸(連結軸)27を中心にして伝達位置から阻止方向(図6における時計方向)へ回動し、図8,9に示す非伝達位置に移動する。図8,9に示すように、慣性レバー13の伝達部13fから回転中心方向に設けられた当接突起部13f’が、第2のアウトサイドレバー12bの舌状支持部120bの下部車外側に設けられた第2の突起部126bに当接することにより、非伝達位置において慣性レバー13の回動は停止される。
【0058】
スプリング26は、慣性レバー13を伝達位置に保持する方向(図6において反時計方向)への付勢力を付与し、かつ慣性レバー13を、その枢軸(連結軸)27に沿って第2のアウトサイドレバー12b側に押圧する方向(前方、すなわち連結軸27の挿入方向(図6における奥行方向))への付勢力を付与するようになっている。詳しくは、スプリング26のコイル部26aは、第2のアウトサイドレバー12bの後面側に配置される連結軸24の大径部24cに遊挿され、すなわち、遊びがある状態で挿入され、前方側のアーム部26bは慣性レバー13に支持され、後方側のアーム部26cは第2のアウトサイドレバー12bの車外側端部の上方において後方に延びる第1の突起部122bに支持されている。
【0059】
初期位置において、前方側のアーム部26bは、第2のアウトサイドレバー12bの後面の近接部位から下方に延びて、所定の厚さを有するために第2のアウトサイドレバー12bの後面より後方に位置する慣性レバー13の支持面13dで支持されており(図3,4参照)、すなわち、前方側のアーム部26bは、第2のアウトサイドレバー12bの後面の近接部位から、後方(アウトサイドレバー12bから離れる方向)に応力が付与された状態で下方に延びて、慣性レバー13の支持面13dで支持されているので、アウトサイドレバー12b側に戻る応力を有しており、慣性レバー13を、その枢軸27に沿って第2のアウトサイドレバー12b側に押圧する方向への付勢力を付与することができる。
【0060】
そのため、慣性レバー13が伝達位置にあるとき、スプリング26の前方側のアーム部26bは、図6,10に示すように、慣性レバー13の支持面13dにおいて支持突起部13cにより支持されているが、慣性レバー13が非伝達位置に回動すると、図8,11に示すように、慣性レバー13の凹部13eに落下し、支持突起部13cにより支持される。スプリング26のアーム部26bは、慣性レバー13の凹部13eに落下すると、図12に示すように、凹部13eの段差部に当接することにより、凹部13eと係合するので、慣性レバー13は伝達位置方向に回動することができない。よって、慣性レバー13は、非伝達位置まで回動すると、その伝達位置への復帰は阻止される。
【0061】
上述のようにして、慣性レバー13は、阻止方向へ回動すると、図8,9に示す非伝達位置に仮保持される。慣性レバー13が非伝達位置に仮保持されているとき、伝達部13fは、第1及び第2のアウトサイドレバー12a,12bの少なくとも一方、好ましくは両方から離隔されることで、第1のアウトサイドレバー12aから第2のアウトサイドレバー12bへの作動伝達を阻止する。そのため、衝突の衝撃で、アウトサイドハンドルOHに連結された連結ロッド28が下降して第1のアウトサイドレバー12aが回動しても、第2のアウトサイドレバー12bは回動しない。よって、衝突の衝撃を受けても、オープンリンク14はアンロック位置から移動せず、ラチェット11とラッチ9との係合関係が解除されないので、ドアは開放されない。
【0062】
その後、慣性力が無くなっても、慣性レバー13は非伝達位置に仮保持されるので、オープンリンク14のアンロック位置からの移動は阻止される。
【0063】
またその後、側面衝突の衝撃により、車室内に設置された図示略のエアバッグが作動した場合には、衝突された側のドアに対しては車外方向への衝撃が作用することから、今度は、慣性レバー13に対しては車内方向への慣性力、すなわち伝達位置へ戻そうとする力が作用する。
【0064】
しかし、本発明では、スプリング26のアーム部26bが、慣性レバー13の凹部13eと係合することにより、慣性レバー13は非伝達位置に仮保持される上、図13に示すように、慣性レバー13の重心Gの位置が、慣性レバー13の回転中心の水平方向軸線L1を基準として、伝達位置では上に、非伝達位置では下となるように設定されている。非伝達位置において、慣性レバー13の重心Gの位置が、慣性レバー13の回転中心の水平方向軸線L1より下になることで、慣性力Fの方向が反転しても伝達位置方向への回転力は発生せず、慣性レバー13の非伝達位置を保持することができ、慣性レバー13は、伝達位置に戻ることはない。したがって、非伝達位置に移動した慣性レバー13に対して如何なる方向への力が作用しても、オープンリンク14のアンロック位置からの移動は阻止されるため、ドアの閉状態を確実に維持できる。このように、スプリング26のアーム部26bを、慣性レバー13の凹部13eに落下させる(慣性方向と垂直な車両前後方向への落下)のみで、慣性レバー13を仮保持することができるので、従来のような複雑な仮保持構造は不要である。アウトサイドレバーの部分のみで慣性対策構造を完結でき、自動車用ドアラッチ装置の構造を簡素化することができる。
【0065】
非伝達位置に向けた慣性レバー13の移動を許容する設定値は、ドアに加えられる衝撃力、慣性レバー13の質量および重心位置、並びにスプリング26の付勢力によって定められる。この設定値が大きすぎる場合、衝撃が加わった際に非伝達位置方向への慣性レバー13の移動が困難になる。設定値が小さすぎる場合、ドアの開閉時の衝撃でも非伝達位置方向に慣性レバー13が移動する。即ち、この設定値は大きすぎても小さすぎても好ましくない。好ましくは、ドアのアウターパネルが変形するような衝撃力がドアに加わったときに、慣性レバー13が非伝達位置に向けて移動するように、慣性レバー13の質量および重心位置、並びにスプリング26の付勢力を設定する。
【0066】
また図13に示すように、慣性レバー13は、連結軸24の近傍に配置され、慣性レバー13の回転中心の水平方向軸線L1と連結軸24の水平方向軸線L2の間に、慣性レバー13の復帰を阻止する凹部13eが配置され、かつ図14(a),(b)に示すように、仮保持するスプリング26のアーム部26bは、伝達位置では、スプリング26の支軸(連結軸24)の中心と慣性レバー13の回転中心を結んだ線L3上もしくは一方側に位置し、非伝達位置では線L3の他方側に位置する。このような構成とすることにより、装置の大型化を防ぐことができる。
【0067】
その後、ドアを開ける必要が生じた場合には、アウトサイドハンドルOHの一回の開操作により、慣性レバー13を非伝達位置から伝達位置に復帰させて、ドアを開くことができる状態とすることができ、またインサイドハンドルIHの一回の開操作により、ドアを開けることができる。
【0068】
アウトサイドハンドルOHの操作による場合、慣性レバー13が、図8,9に示す非伝達位置に保持された状態で、アウトサイドハンドルOHを開操作すると、第1のアウトサイドレバー12aが車内側に回動し、図15に示すように、スプリング26のアーム部26bは、第1のアウトサイドレバー12aの車内側に設けられて後方に突出する板状の第2の突起部124a(図4参照)に当接する。図4,15に示すように、第2の突起部124aは、車外方向に向かって第2の突起部124aの後方突出長が増加するように傾斜したテーパ部124a’を車内側に有しているので、第1のアウトサイドレバー12aの車内側への回動に伴って、スプリング26のアーム部26bは後方(第2のアウトサイドレバー12bから離隔する方向)に押され、慣性レバー13の凹部13eから脱係合して慣性レバー13の支持面13dに戻り、慣性レバー13はスプリング26により伝達位置方向に付勢されて伝達位置方向に回動する。
【0069】
図16に示すように、慣性レバー13の伝達部13fが第1のアウトサイドレバー12aの円弧状の下側縁部125aに当接すると、慣性レバー13の回動は阻止される。第1のアウトサイドレバー12aの下側縁部125aには、下方に突出する第3の突起部126aが設けられているので、慣性レバー13の伝達部13fが第3の突起部126aに当接すると、第1のアウトサイドレバー12aの回動は停止される。そして、アウトサイドハンドルOHの操作を終了すると、第1のアウトサイドレバー12aがスプリング25の付勢力により、初期位置に復帰するので、第1のアウトサイドレバー12aによる阻止が解除され、慣性レバー13は、図7に示す伝達位置に復帰する。このように、アウトサイドハンドルOHを一回操作するのみで、慣性レバー13を伝達位置へ復帰させることができるので、従来のような複雑な復帰操作は不要である。
【0070】
インサイドハンドルIHの開操作による場合、慣性レバー13が、図8,9に示す非伝達位置に保持された状態で、インサイドハンドルIHを開操作すると、インサイドレバー17(図2参照)の折曲部17bが第2のアウトサイドレバー12bの被当接部125bに下方から当接することにより第2のアウトサイドレバー12bに伝達され、第2のアウトサイドレバー12bの車内側連結部124bを介してオープンリンク14に伝達される。そして、オープンリンク14のサブレバー140が、解除レバー16の被解除アーム部16aに下方から当接することで、ラチェット11を開放方向へ回動させる。これにより、ラチェット11とラッチ9との係合関係が解除されて、ドアの開きを可能にする。インサイドハンドルIHの入力伝達は、慣性レバー13の回動により切断されない構造であるので、車内側からは常にインサイドハンドルIHで開操作可能であり、仮に衝突後に破損等によりアウトサイドハンドルOHを操作できない状態となった場合でも、乗員は車内からのインサイドハンドルIHの操作で脱出することができる。
【0071】
本発明の自動車用ドアラッチ装置は、アウトサイドレバー以外の部品を共用として、従来のアウトサイドレバー、すなわち、一部品からなるアウトサイドレバーであって、慣性レバーが設けられておらず、車内側端部がオープンリンク14に連結され、車外側端部がアウトサイドハンドルOHに連結され、第1枢軸7aにより枢支されるアウトサイドレバーを、上述の慣性レバー付きアウトサイドレバー12に交換するだけで、その耐慣性構造が得られる。そのため、各自動車メーカーの要求に応じて、アウトサイドレバー以外の部品を共用として、通常仕様のアウトサイドレバーと、本発明の耐慣性仕様のアウトサイドレバーを選択可能であるので、仕様変更によるコスト増加を抑えることができる。
【符号の説明】
【0072】
1・・・自動車用ドアラッチ装置
2・・・ベース部材
3・・・噛合機構
4・・・ボディ
4a・・・ストライカ進入溝
5・・・カバープレート
6・・・バックプレート
7・・・ケーシング
7a・・・第1枢軸
7b・・・第4枢軸
71・・・サイドカバー
72・・・トップカバー
8・・・ラッチ軸
9・・・ラッチ
10・・・ラチェット軸
11・・・ラチェット
12・・・アウトサイドレバー
12a・・・第1のアウトサイドレバー
120a・・・舌状支持部
121a・・・第1の突起部
122a・・・孔
123a・・・車外側連結部
124a・・・第2の突起部
124a’・・・テーパ部
125a・・・下側縁部
126a・・・第3の突起部
12b・・・第2のアウトサイドレバー
120b・・・舌状支持部
121b・・・孔
122b・・・第1の突起部
123b・・・孔
124b・・・車内側連結部
125b・・・被当接部
126b・・・第2の突起部
13・・・慣性レバー
13a・・・孔
13b・・・ウェイト部
13c・・・支持突起部
13d・・・支持面
13e・・・凹部
13f・・・伝達部
13f’・・・当接突起部
14・・・オープンリンク
14a・・・連結孔
14b・・・凹部
140・・・サブレバー
15・・・ロックレバー
15a・・・連結部
15b・・・突部
15c・・・連結突部
16・・・解除レバー
16a・・・被解除アーム部
17・・・インサイドレバー
17a・・・連結部
17b・・・折曲部
18・・・第1キーレバー
19・・・第2キーレバー
20・・・モータ
21・・・駆動ギヤ
22・・・スプリング
23・・・連結レバー
24・・・連結軸
24a・・・小径部
24b・・・中径部
24c・・・大径部
25・・・スプリング
25a・・・アーム部
25b・・・アーム部
26・・・スプリング(付勢部材)
26a・・・コイル部
26b,26c・・・アーム部
27・・・連結軸(枢軸)
28・・・連結ロッド
29,30・・・ボーデンケーブル
31・・・保持スプリング
32・・・セルフキャンセルレバー
32a・・・ガイド突起
32b・・・タブ
OH・・・アウトサイドハンドル(操作ハンドル)
IH・・・インサイドハンドル(操作ハンドル)
図1
図2
図3
図4
図5
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図16