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特開2025-4841支援装置、支援方法および支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004841
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】支援装置、支援方法および支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20250108BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20250108BHJP
   A61B 5/374 20210101ALI20250108BHJP
【FI】
G06F3/01 515
A61B5/16 100
A61B5/374
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104701
(22)【出願日】2023-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村岡 喜代美
(72)【発明者】
【氏名】山下 弘高
(72)【発明者】
【氏名】坪田 孝志
(72)【発明者】
【氏名】石田 元彦
【テーマコード(参考)】
4C038
4C127
5E555
【Fターム(参考)】
4C038PP01
4C038PP03
4C038PP05
4C038PS03
4C127AA03
4C127GG03
4C127GG09
4C127GG10
4C127GG11
4C127GG15
5E555AA25
5E555AA48
5E555BA01
5E555BB01
5E555BC04
5E555BE17
5E555CA41
5E555CA42
5E555CB65
5E555CB70
5E555DB53
5E555DC13
5E555EA04
5E555EA19
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】評価者の潜在的な評価を反映する支援装置、支援方法および支援プログラムを提供する。
【解決手段】支援装置100は、被評価対象を観察している状態における評価者の第1脳波情報を取得し、被評価対象の複数の要素のそれぞれを観察している状態における評価者の第2脳波情報を複数の要素のそれぞれごとに取得する情報取得部10と、第1脳波情報に基づいて被評価対象に対する第1評価情報を生成し、第2脳波情報に基づいて複数の要素のそれぞれに対する第2評価情報を生成する評価生成部20と、第1評価情報と第2評価情報とに基づいて、被評価対象と複数の要素の少なくとも一つとを組み合わせた仮想対象を生成する仮想対象生成部30と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被評価対象を観察している状態における評価者の第1脳波情報を取得し、前記被評価対象の複数の要素のそれぞれを観察している状態における前記評価者の第2脳波情報を前記複数の要素のそれぞれごとに取得する情報取得部と、
前記第1脳波情報に基づいて前記被評価対象に対する第1評価情報を生成し、前記第2脳波情報に基づいて前記複数の要素のそれぞれに対する第2評価情報を生成する評価生成部と、
前記第1評価情報と前記第2評価情報とに基づいて、前記被評価対象と前記複数の要素の少なくとも一つとを組み合わせた仮想対象を生成する仮想対象生成部と、
を備える支援装置。
【請求項2】
前記被評価対象は、被服であり、
前記情報取得部は、前記評価者が前記被服を装着中の第3脳波情報を取得し、
前記評価生成部は、前記第3脳波情報に基づいて、前記被服に対する前記評価者の第3評価情報を生成する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記情報取得部は、前記評価者の生体情報をさらに取得し、
前記評価生成部は、前記生体情報および前記第3脳波情報に基づいて、前記第3評価情報を生成する、
請求項2に記載の支援装置。
【請求項4】
前記情報取得部は、前記評価者が前記被服を装着前の前記第1脳波情報、および、前記評価者が前記被服を装着中且つ前記被服を観察する前における前記第3脳波情報を取得し、
前記評価生成部は、前記第1脳波情報から、前記被服を観察する前における前記第3脳波情報への変化に基づいて、前記第3評価情報を補正する、
請求項2または3に記載の支援装置。
【請求項5】
前記情報取得部は、前記評価者が前記被服を装着前の前記第1脳波情報、および、前記評価者が前記被服を装着中且つ前記被服を観察している状態における前記第3脳波情報を取得し、
前記評価生成部は、前記第1脳波情報から、前記被服を観察している状態における前記第3脳波情報への変化に基づいて、前記第1評価情報を補正する、
請求項2または3に記載の支援装置。
【請求項6】
前記評価生成部は、前記第1脳波情報から前記第3脳波情報への変化と、前記生体情報とに基づいて、前記評価者の状態を示す状態情報を生成し、生成した前記状態情報に基づいて、前記第3評価情報を生成する、請求項3に記載の支援装置。
【請求項7】
前記情報取得部は、前記評価者が前記被服を装着前の前記生体情報を取得し、
前記評価生成部は、前記第1脳波情報における、予め定められた周波数帯における脳波の振幅の全体振幅に占める割合から、前記第3脳波情報における、前記周波数帯における脳波の振幅の前記全体振幅に占める割合への変化と、前記評価者の心拍における第1パワースペクトルの大きさの第2パワースペクトルの大きさに対する割合とに基づいて、前記状態情報を生成し、
前記全体振幅は、アルファ波、ベータ波、シータ波、ガンマ波およびデルタ波の振幅の和であり、
前記第2パワースペクトルの周波数帯域は、前記第1パワースペクトルの周波数帯域よりも高周波数の帯域である、
請求項6に記載の支援装置。
【請求項8】
前記評価生成部は、前記被評価対象を装着中における前記第1パワースペクトルの大きさの前記第2パワースペクトルの大きさに対する割合と、前記第1パワースペクトルの大きさの前記第2パワースペクトルの大きさに対する割合の予め定められた閾値との大小関係と、前記変化とに基づいて、前記状態情報を生成する、請求項7に記載の支援装置。
【請求項9】
前記状態情報は、前記評価者の複数の状態に係る情報を含み、
前記評価生成部は、前記変化と、前記第1パワースペクトルの大きさの前記第2パワースペクトルの大きさに対する割合とに基づいて、前記複数の状態のうちの一の状態に係る前記状態情報を生成する、
請求項7に記載の支援装置。
【請求項10】
前記周波数帯の脳波は、デルタ波、シータ波、低アルファ波および中アルファ波の少なくとも一つである、請求項9に記載の支援装置。
【請求項11】
前記周波数帯の脳波は、高アルファ波、低ベータ波、高ベータ波およびガンマ波の少なくとも一つである、請求項9に記載の支援装置。
【請求項12】
前記評価生成部は、前記第1評価情報と前記第3評価情報とに基づいて、前記被服に対する総合評価情報を生成する、請求項2または3に記載の支援装置。
【請求項13】
前記情報取得部は、複数の前記被評価対象のそれぞれを観察している状態における前記評価者の前記第1脳波情報を取得し、
前記評価生成部は、前記第1脳波情報に基づいて前記被評価対象のそれぞれに対する前記第1評価情報を生成し、生成した前記第1評価情報に基づいて、一の前記第2評価情報と他の前記第2評価情報とを序列化する、請求項1または2に記載の支援装置。
【請求項14】
序列化された複数の前記第2評価情報に基づいて、前記被評価対象を選択する選択部をさらに備える、請求項13に記載の支援装置。
【請求項15】
前記第1評価情報と前記第2評価情報との関係を機械学習することにより、前記第2評価情報に基づいて前記被評価対象を推論する被評価対象推論モデルを生成する評価学習部をさらに備える、請求項13に記載の支援装置。
【請求項16】
情報取得部が、被評価対象を観察している状態における評価者の第1脳波情報を取得し、前記被評価対象の複数の要素のそれぞれを観察している状態における前記評価者の第2脳波情報を前記複数の要素のそれぞれごとに取得する情報取得ステップと、
評価生成部が、前記第1脳波情報に基づいて前記被評価対象に対する第1評価情報を生成し、前記第2脳波情報に基づいて前記複数の要素のそれぞれに対する第2評価情報を生成する評価生成ステップと、
仮想対象生成部が、前記第1評価情報と前記第2評価情報とに基づいて、前記被評価対象と前記複数の要素の少なくとも一つとを組み合わせた仮想対象を生成する仮想対象生成ステップと、
を備える支援方法。
【請求項17】
コンピュータに、
被評価対象を観察している状態における評価者の第1脳波情報を取得し、前記被評価対象の複数の要素のそれぞれを観察している状態における前記評価者の第2脳波情報を前記複数の要素のそれぞれごとに取得する情報取得ステップと、
前記第1脳波情報に基づいて前記被評価対象に対する第1評価情報を生成し、前記第2脳波情報に基づいて前記複数の要素のそれぞれに対する第2評価情報を生成する評価生成ステップと、
前記第1評価情報と前記第2評価情報とに基づいて、前記被評価対象と前記複数の要素とを組み合わせた仮想対象を生成する仮想対象生成ステップと、
を実行させる支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支援装置、支援方法および支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「第1の飲食品を飲食した後、引き続き被験飲食品を飲食した被験者の脳波を測定する」と記載されている(要約書)。
特許文献2、3には、「被験者の対象物への印象を評価することができる印象評価システムを提供する。」と記載されている(要約書)。
特許文献4には、「ユーザの深層心理における複数の感情の変化の評価を支援する」と記載されている(要約書)。
特許文献5には、「高精度に、利用者の潜在的な嗜好を判断する」と記載されている(段落0005)。
特許文献6には、「脳波によって対象物の味またはにおいの嗜好性を評価する。」と記載されている(要約書)。
特許文献7には、「日用品の使用前に精神負荷課題を与えて被験者をストレス状態にそろえる」と記載されている(要約書)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2021-108045号公報
[特許文献2] 特開2020-116173号公報
[特許文献3] 特開2020-049005号公報
[特許文献4] 特開2019-208885号公報
[特許文献5] 特許第6455809号
[特許文献6] 特開2015-029609号公報
[特許文献7] 特開2014-140398号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、支援装置を提供する。支援装置は、被評価対象を観察している状態における評価者の第1脳波情報を取得し、被評価対象の複数の要素のそれぞれを観察している状態における評価者の第2脳波情報を複数の要素のそれぞれごとに取得する情報取得部と、第1脳波情報に基づいて被評価対象に対する第1評価情報を生成し、第2脳波情報に基づいて複数の要素のそれぞれに対する第2評価情報を生成する評価生成部と、第1評価情報と第2評価情報とに基づいて、被評価対象と複数の要素の少なくとも一つとを組み合わせた仮想対象を生成する仮想対象生成部とを備える。
【0004】
被評価対象は、被服であってよい。情報取得部は、評価者が被服を装着中の第3脳波情報を取得してよい。評価生成部は、第3脳波情報に基づいて、被服に対する評価者の第3評価情報を生成してよい。
【0005】
上記いずれかの支援装置において、情報取得部は、評価者の生体情報をさらに取得してよい。評価生成部は、生体情報および第3脳波情報に基づいて、第3評価情報を生成してよい。
【0006】
上記いずれかの支援装置において、情報取得部は、評価者が被服を装着前の第1脳波情報、および、評価者が被服を装着中且つ被服を観察する前における第3脳波情報を取得してよい。評価生成部は、第1脳波情報から、被服を観察する前における第3脳波情報への変化に基づいて、第3評価情報を補正してよい。
【0007】
上記いずれかの支援装置において、情報取得部は、評価者が被服を装着前の第1脳波情報、および、評価者が被服を装着中且つ被服を観察している状態における第3脳波情報を取得してよい。評価生成部は、第1脳波情報から、被服を観察している状態における第3脳波情報への変化に基づいて、第1評価情報を補正してよい。
【0008】
上記いずれかの支援装置において、評価生成部は、第1脳波情報から第3脳波情報への変化と、生体情報とに基づいて、評価者の状態を示す状態情報を生成し、生成した状態情報に基づいて第3評価情報を生成してよい。
【0009】
上記いずれかの支援装置において、情報取得部は、評価者が被服を装着前の生体情報を取得してよい。評価生成部は、第1脳波情報における、予め定められた周波数帯における脳波の振幅の全体振幅に占める割合から、第3脳波情報における、当該周波数帯における脳波の振幅の全体振幅に占める割合への変化と、評価者の心拍における第1パワースペクトルの大きさの第2パワースペクトルの大きさに対する割合とに基づいて、状態情報を生成してよい。全体振幅は、アルファ波、ベータ波、シータ波、ガンマ波およびデルタ波の振幅の和である。第2パワースペクトルの周波数帯域は、第1パワースペクトルの周波数帯域よりも高周波数の帯域である。
【0010】
上記いずれかの支援装置において、評価生成部は、被評価対象を装着中における第1パワースペクトルの大きさの第2パワースペクトルの大きさに対する割合と、第1パワースペクトルの大きさの第2パワースペクトルの大きさに対する割合の予め定められた閾値との大小関係と、第1脳波情報における、予め定められた周波数帯における脳波の振幅の全体振幅に占める割合から、第3脳波情報における、当該周波数帯における脳波の振幅の全体振幅に占める割合への変化とに基づいて、状態情報を生成してよい。
【0011】
上記いずれかの支援装置において、状態情報は、評価者の複数の状態に係る情報を含んでよい。評価生成部は、第1脳波情報における、予め定められた周波数帯における脳波の振幅の全体振幅に占める割合から、第3脳波情報における、当該周波数帯における脳波の振幅の全体振幅に占める割合への変化と、第1パワースペクトルの大きさの第2パワースペクトルの大きさに対する割合とに基づいて、複数の状態のうちの一の状態に係る状態情報を生成してよい。
【0012】
予め定められた周波数帯の脳波は、デルタ波、シータ波、低アルファ波および中アルファ波の少なくとも一つであってよい。
【0013】
予め定められた周波数帯の脳波は、高アルファ波、低ベータ波、高ベータ波およびガンマ波の少なくとも一つであってよい。
【0014】
上記いずれかの支援装置において、評価生成部は、第1評価情報と第3評価情報とに基づいて、被服に対する総合評価情報を生成してよい。
【0015】
上記いずれかの支援装置において、情報取得部は、複数の被評価対象のそれぞれを観察している状態における評価者の第1脳波情報を取得してよい。評価生成部は、第1脳波情報に基づいて被評価対象のそれぞれに対する第1評価情報を生成し、生成した第1評価情報に基づいて、一の第2評価情報と他の第2評価情報とを序列化してよい。
【0016】
支援装置は、序列化された複数の第2評価情報に基づいて、被評価対象を選択する選択部をさらに備えてよい。
【0017】
上記いずれかの支援装置は、第1評価情報と第2評価情報との関係を機械学習することにより、第2評価情報に基づいて被評価対象を推論する被評価対象推論モデルを生成する評価学習部をさらに備えてよい。
【0018】
本発明の第2の態様においては、支援方法を提供する。支援方法は、情報取得部が、被評価対象を観察している状態における評価者の第1脳波情報を取得し、被評価対象の複数の要素のそれぞれを観察している状態における評価者の第2脳波情報を複数の要素のそれぞれごとに取得する情報取得ステップと、評価生成部が、第1脳波情報に基づいて被評価対象に対する第1評価情報を生成し、第2脳波情報に基づいて複数の要素のそれぞれに対する第2評価情報を生成する評価生成ステップと、仮想対象生成部が、第1評価情報と第2評価情報とに基づいて、被評価対象と複数の要素の少なくとも一つとを組み合わせた仮想対象を生成する仮想対象生成ステップとを備える。
【0019】
本発明の第3の態様においては、支援プログラムを提供する。支援プログラムは、コンピュータに、被評価対象を観察している状態における評価者の第1脳波情報を取得し、被評価対象の複数の要素のそれぞれを観察している状態における評価者の第2脳波情報を複数の要素のそれぞれごとに取得する情報取得ステップと、第1脳波情報に基づいて被評価対象に対する第1評価情報を生成し、第2脳波情報に基づいて複数の要素のそれぞれに対する第2評価情報を生成する評価生成ステップと、第1評価情報と第2評価情報とに基づいて、被評価対象と複数の要素とを組み合わせた仮想対象を生成する仮想対象生成ステップとを実行させる。
【0020】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】評価者110が被評価対象120を観察している 状況の一例を示す図である。
図2】評価者110が、被評価対象120における複数の要素122のそれぞれを観察している 状況の一例を示す図である。
図3】本発明の一つの実施形態に係る支援装置100の一例を示すブロック図である。
図4】仮想対象150の一例を示す図である。
図5】情報取得部10の一例を示す図である。
図6】評価者110が被服121を装着中の一例を示す図である。
図7】評価者110が被服121を装着中の他の一例を示す図である。
図8】状態情報Isの一例を示す図である。
図9】被評価対象推論モデル52の一例を示す図である。
図10】本発明の一つの実施形態に係る支援方法の一例を示すフローチャートである。
図11】本発明の一つの実施形態に係る支援装置100が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0023】
図1は、評価者110が被評価対象120を観察している状況の一例を示す図である。被評価対象120は、評価者110が購入、貸与等を検討している物品である。被評価対象120は、評価者110が評価者110の身体に身に着ける装着物であってよい。当該装着物は、評価者110自身の身体の少なくとも一部を覆う被服であってよい。当該被服には、衣服、履物、マフラー、ストール、付け襟等が含まれてよい。本例においては、被評価対象120は被服121である。図1は、評価者110が、被服121を装着前に被服121を観察している状況の一例である。
【0024】
評価者110は、複数の被評価対象120を観察してよい。本例においては、評価者110は二つの被評価対象120(被評価対象120-1(被服121-1)および被評価対象120-2(被服121-2))を観察している。
【0025】
第1評価情報130は、被評価対象120に対する、評価者110による評価情報である。第1評価情報130は、被評価対象120に対する評価者110の潜在的な評価を表す複数の項目を含んでよい。本例においては、第1評価情報130はときめき感、安心感および違和感の三つの項目を少なくとも含む。第1評価情報130は、第1評価値132を含んでよい。第1評価値132は、被評価対象120に対する評価者110の評価が定量化された値である。図1では、評価者110の評価が星印の数で定量化されている。第1評価値132は、第1評価情報130に含まれる項目ごとに定量化されてよい。
【0026】
評価者110が被評価対象120を観察している状況における評価者110の視線情報を、視線情報Ieとする。視線情報Ieとは、評価者110が被評価対象120を観察している状況において、評価者110が視認している位置を示す情報である。視線情報Ieは、評価者110の目の画像から取得してよい。目の画像は、評価者110が装着したウェアラブル器具に設けられた撮像素子により取得されてよく、他の器具に設けられた撮像素子により取得されてもよい。評価者110が被評価対象120-1および被評価対象120-2を観察している状況における評価者110の視線情報を、それぞれ視線情報Ie1および視線情報Ie2とする。
【0027】
図2は、評価者110が、被評価対象120における複数の要素122のそれぞれを観察している状況の一例を示す図である。本例においては、評価者110は八つの要素(要素122-1~要素122-8)を観察する。要素122は、被評価対象120の形態であってよく、被評価対象120に装着された部品であってもよい。被評価対象120が衣服である場合、当該部品は、例えばボタン、ジッパー等である。被評価対象120が履物である場合、当該部品は、例えば靴紐、鳩目等である。本例においては、要素122-1~要素122-3はそれぞれ被評価対象120-1の形状、模様および色彩であり、要素122-4は被評価対象120-1に装着されたボタンである。本例においては、要素122-5~要素122-7はそれぞれ被評価対象120-2の形状、模様および色彩であり、要素122-8は被評価対象120-2に装着されたボタンである。
【0028】
第2評価情報140は、要素122に対する、評価者110による評価情報である。第2評価情報140は、要素122に対する評価者110の潜在的な評価を表す複数の項目を含んでよい。本例においては、第2評価情報140は安心感、違和感およびときめき感の三つの項目を少なくとも含む。第2評価情報140は、第2評価値142を含んでよい。第2評価値142は、要素122に対する評価者110の評価が定量化された値である。図1では、評価者110の評価が星印の数で定量化されている。第2評価値142は、第2評価情報140に含まれる項目ごとに定量化されてよい。
【0029】
評価者110が要素122を観察している状況における評価者110の視線情報を、視線情報Ifとする。視線情報Ifとは、評価者110が要素122を観察している状況において、評価者110が視認している位置を示す情報である。視線情報Ifは、評価者110の目の画像から取得してよい。評価者110が要素122-1~要素122-8を観察している状況における評価者110の視線情報を、それぞれ視線情報If1~視線情報If8とする。
【0030】
図3は、本発明の一つの実施形態に係る支援装置100の一例を示すブロック図である。支援装置100は、情報取得部10、評価生成部20および仮想対象生成部30を備える。支援装置100は、仮想対象提示部40、評価学習部50、記憶部60、選択部70および制御部90を備えてよい。
【0031】
支援装置100の一部または全体は、コンピュータにより実現されてよい。制御部90は、当該コンピュータのCPU(Central Processing Unit)であってよい。支援装置100がコンピュータにより実現される場合、当該コンピュータには、当該コンピュータを支援装置100として機能させるための支援プログラムがインストールされていてよく、後述する支援方法を実行させるため支援プログラムがインストールされていてもよい。
【0032】
評価者110の脳波情報を、脳波情報Ibとする。情報取得部10は、被評価対象120(図1参照)を観察している状態における評価者110の第1脳波情報を取得する。当該第1脳波情報を、第1脳波情報Ib1とする。第1脳波情報Ib1は、被評価対象120の外観に基づく脳波情報Ibであってよい。
【0033】
情報取得部10は、複数の被評価対象120のそれぞれを観察している状態における評価者110の第1脳波情報Ib1を取得してよい。図1の例では、情報取得部10は、被評価対象120-1を観察している状態における評価者110の脳波情報Ib1-1を取得し、被評価対象120-2を観察している状態における評価者110の脳波情報Ib1-2を取得する。
【0034】
情報取得部10は、被評価対象120の複数の要素122(図2参照)のそれぞれを観察している状態における評価者110の第2脳波情報を、複数の要素122のそれぞれごとに取得する。当該第2脳波情報を、第2脳波情報Ib2とする。図2の例では、情報取得部10は、要素122-1(図2参照)を観察している状態における評価者110の第2脳波情報Ib2-1を取得し、要素122-2(図2参照)を観察している状態における評価者110の第2脳波情報Ib2-2を取得する。同様に、情報取得部10は第2脳波情報Ib2-3~第2脳波情報Ib2-8を取得する。
【0035】
被評価対象120が被服121である場合、評価者110が被評価対象120を観察している状態には、装着前の被服121を評価者110が観察している状態(図1参照)、および、評価者110が被服121を自身の身体に重ねるまたは当てた状態を鏡で観察している状態が含まれてよい。評価者110が要素122を観察している状態には、被評価対象120が被服121である場合、装着前の被服121の要素122を評価者110が観察している状態(図2参照)、および、評価者110が被服121を自身の身体に重ねるまたは当てた状態で要素122を鏡で見ている状態が含まれてよい。
【0036】
脳波情報Ibは、評価者110の脳波の時間波形の少なくとも一部を再現する情報であってよい。脳波情報Ibは、脳波の時間波形をサンプリングしたデータを含んでよく、一つまたは複数の周波数における脳波の周波数成分の大きさを示すデータを含んでよく、他のデータを含んでもよい。例えば脳波情報Ibは、アルファ波、ベータ波、シータ波、デルタ波、および、ガンマ波の少なくとも一つの成分の大きさを示すデータを含む。
【0037】
アルファ波はさらに、周波数帯域により高アルファ波、中アルファ波および低アルファ波に分類される場合がある。ベータ波も、同様に分類される場合がある。脳波情報Ibは、高アルファ波、中アルファ波および低アルファ波の少なくとも一つの大きさを示すデータを含んでもよい。ベータ波も同様である。
【0038】
脳波情報Ibは、評価者110の頭および顔を含む頭部における一つまたは複数の位置で測定された、一つまたは複数の脳波の時間波形の情報を含んでよい。例えば脳波情報Ibは、国際10-20法のように、評価者110の頭皮近傍に等間隔で配置された電極の電位の時間波形を測定することで取得されてよく、他の方法で取得されてもよい。頭皮に配置される複数の電極は、等間隔でなくてもよい。当該電極は、ヘッドギア、ヘッドホン、イヤホン、眼鏡等、評価者110の頭部に装着するウェアラブル器具に設けられてもよい。脳波情報Ibは、評価者110の体内に埋め込まれた電極における電気信号が、無線通信で取得された情報であってもよい。
【0039】
評価生成部20は、第1脳波情報Ib1に基づいて、被評価対象120に対する第1評価情報130(図1参照)を生成する。評価生成部20は、第1脳波情報Ib1に基づいて第1評価値132(図1参照)を生成してよい。評価生成部20は、被評価対象120に対する評価者110の潜在的な評価を表す複数の項目ごとに、第1評価値132を生成してよい。例えば、評価生成部20は、評価者110の脳波の特定の周波数成分の大きさに基づいて、第1評価値132を生成する。評価生成部20は、アルファ波、ベータ波、シータ波、デルタ波およびガンマ波のうちの一つまたは複数の成分の大きさを示す第1評価値132を生成してよい。評価生成部20は、アルファ波、ベータ波、シータ波、デルタ波およびガンマ波のうちの一つまたは複数の成分の大きさから、図1に示される第1評価情報130に含まれる一つまたは複数の項目(例えば図1に示される安心感、違和感およびときめき感)の第1評価値132を生成してよい。
【0040】
被評価対象120に対する評価者110の顕在的な評価と潜在的な評価とは、異なり得る。第1評価情報130は第1脳波情報Ib1に基づいて生成される。このため、第1評価情報130には、被評価対象120に対する評価者110の潜在的な評価が反映され得る。評価者110が被評価対象120に対し顕在的にときめきを感じている場合に、第1評価情報130におけるときめき感の第1評価値132が高い場合、評価者110は被評価対象120に対するときめき感に確信を持ち得る。被評価対象120の販売者が評価者110に一の被評価対象120を勧めた場合に、評価者110が被評価対象120を購入するか否かに迷いを生じている場合であっても、評価者110は第1評価値132により被評価対象120に対する自身の潜在的な評価を認知できる。これにより、評価者110は、被評価対象120を購入するか否かを決断しやすくなる。
【0041】
評価生成部20は、第1脳波情報Ib1に基づいて、複数の被評価対象120(図1参照)のそれぞれに対する第1評価情報130(図1参照)を生成してよい。図1の例では、評価生成部20は、第1脳波情報Ib1-1に基づいて被評価対象120-1に対する第1評価情報130-1を生成し、第1脳波情報Ib1-2に基づいて被評価対象120-2に対する第1評価情報130-2を生成する。
【0042】
評価生成部20は、第2脳波情報Ib2に基づいて、複数の要素122(図2参照)のそれぞれに対する第2評価情報140(図2参照)を生成する。図2の例では、評価生成部20は、第2脳波情報Ib2-1に基づいて要素122-1に対する第2評価情報140-1を生成し、第2脳波情報Ib2-2に基づいて要素122-2に対する第2評価情報140-2を生成する。同様に、評価生成部20は、第2脳波情報Ib2-3~第2脳波情報Ib2-8のそれぞれに基づいて、要素122-3~要素122-8のそれぞれに対する第2評価情報140-3~第2評価情報140-8をそれぞれ生成する。
【0043】
評価生成部20は、第2脳波情報Ib2に基づいて第2評価値142(図2参照)を生成してよい。図2の例では、評価生成部20は、第2脳波情報Ib2-1に基づいて要素122-1に対する第2評価値142-1を生成し、第2脳波情報Ib2-2に基づいて要素122-2に対する第2評価値142-2を生成する。同様に、評価生成部20は、第2脳波情報Ib2-3~第2脳波情報Ib2-8のそれぞれに基づいて、要素122-3~要素122-8のそれぞれに対する第2評価値142-3~第2評価値142-8をそれぞれ生成する。
【0044】
評価生成部20は、要素122(図2参照)に対する評価者110の潜在的な評価を表す複数の項目ごとに、第2評価値142(図2参照)を生成してよい。例えば、評価生成部20は、評価者110の脳波の特定の周波数成分の大きさに基づいて、第2評価値142を生成する。評価生成部20は、アルファ波、ベータ波、シータ波、デルタ波およびガンマ波のうちの一つまたは複数の成分の大きさを示す第2評価値142を生成してよい。評価生成部20は、アルファ波、ベータ波、シータ波、デルタ波およびガンマ波のうちの一つまたは複数の成分の大きさから、図2に示される第2評価情報140に含まれる一つまたは複数の項目(例えば図2に示される安心感、違和感およびときめき感)の第2評価値142を生成してよい。
【0045】
あるタイミングにおけるアルファ波(8Hz以上14Hz未満)、ベータ波(14Hz以上26Hz未満)、シータ波(4Hz以上8Hz未満)、ガンマ波(26Hz以上40Hz未満)およびデルタ波(4Hz未満)の振幅の和を、全体振幅Asとする。一例として、評価者110のデルタ波の振幅の全体振幅Asに占める割合が、アルファ波の振幅の全体振幅Asに占める割合、ベータ波の振幅の全体振幅Asに占める割合、シータ波の振幅の全体振幅Asに占める割合、および、ガンマ波の振幅の全体振幅Asに占める割合のいずれよりも大きい場合、評価者110が睡眠状態と推測され得る。
【0046】
一例として、被評価対象120を装着中における評価者110のシータ波の振幅の全体振幅Asに占める割合が、被評価対象120を装着前における評価者110のシータ波の振幅の全体振幅Asに占める割合よりも大きい場合、評価者110の疲労、眠気が増加していると推測され得る。
【0047】
一例として、被評価対象120を装着中における評価者110の低アルファ波(8Hz以上10Hz未満)の振幅と中アルファ波(10Hz以上12Hz未満)の振幅との和の全体振幅Asに占める割合が、被評価対象120を装着前における全体振幅Asに占める割合よりも大きい場合、評価者110のリラックス度が増加していると推測され得る。
【0048】
一例として、被評価対象120を装着中における評価者110の高アルファ波(12Hz以上14Hz未満)の振幅と低ベータ波(14Hz以上18Hz未満)の振幅との和の全体振幅Asに占める割合が、被評価対象120を装着前における全体振幅Asに占める割合よりも大きい場合、評価者110のリラックスと集中とのバランスが良い状態が増加していると推測され得る。リラックスと集中とのバランスが良い状態とは、所謂没頭状態である。
【0049】
評価生成部20は、被評価対象120を装着中の評価者110(図1参照)の低アルファ波の振幅と中アルファ波の振幅との和の全体振幅Asに占める割合の、被評価対象120を装着前における全体振幅Asからの増加率が大きいほど、被評価対象120(図1参照)に対する安心感を高く評価してよい。評価生成部20は、被評価対象120を装着中の評価者110の高アルファ波の振幅と低ベータ波の振幅との和の全体振幅Asに占める割合の、被評価対象120を装着前における全体振幅Asからの増加率が大きいほど、被評価対象120に対する没頭感を高く評価してよい。被評価対象120に対する没頭感とは、被評価対象120に対する関心度の高さを指してよい。
【0050】
評価生成部20は、評価者110のアルファ波、ベータ波、シータ波、デルタ波、および、ガンマ波のうちの複数の成分を組み合わせて、一つの項目の第1評価値132または第2評価値142を生成してもよい。例えばアルファ波の大きさを、ベータ波の大きさで除算した値が大きいほど、被評価対象120または要素122の安心感を高く評価してよい。例えばベータ波の大きさを、アルファ波の大きさで除算した値が大きいほど、被評価対象120または要素122に対するときめき感を高く評価してよい。
【0051】
第1脳波情報Ib1には、評価者110の被評価対象120に対する潜在的な評価が反映され得る。第1評価情報130は、第1脳波情報Ib1に基づいて生成される。このため、第1評価情報130には、評価者110の被評価対象120に対する潜在的な評価が反映され得る。図1の例では、評価者110の被評価対象120-1に対するときめき感は、被評価対象120-2に対するときめき感よりも高い。
【0052】
第2脳波情報Ib2には、評価者110の要素122に対する潜在的な評価が反映され得る。第2評価情報140は、第2脳波情報Ib2に基づいて生成される。このため、第2評価情報140には、評価者110の要素122に対する潜在的な評価が反映され得る。図2の例では、評価者110の要素122-5に対するときめき感が要素122-1に対するときめき感よりも高く、要素122-6に対するときめき感が要素122-2に対するときめき感よりも高く、要素122-3に対するときめき感が要素122-7に対するときめき感よりも高く、要素122-4に対するときめき感が要素122-8に対するときめき感よりも高い。
【0053】
図4は、仮想対象150の一例を示す図である。仮想対象生成部30(図3参照)は、第1評価情報130と第2評価情報140とに基づいて、被評価対象120と複数の要素122の少なくとも一つとを組み合わせた仮想対象150を生成する。図4の例では、仮想対象生成部30は、第1評価情報130-1および第1評価情報130-2と、第2評価情報140-1~第2評価情報140-8とに基づいて、被評価対象120-1と、要素122-5、要素122-6、要素122-3および要素122-4とを組み合わせた仮想対象150を生成する。
【0054】
一の被評価対象120に対する第1評価情報130が肯定的な評価(例えばときめき感)を含む場合であっても、当該一の被評価対象120の要素122に対する第2評価情報140が肯定的な評価(例えばときめき感)を含まない場合がある。図1の例では、被評価対象120-1に対する評価者110のときめき感が強く、被評価対象120-1の要素122-1(例えば形状)および要素122-2(例えば模様)に対する評価者110のときめき感が弱い。図2の例では、被評価対象120-2の要素122-5(例えば形状)および要素122-6(例えば模様)に対する評価者110のときめき感が強い。このため、図4の例では、仮想対象生成部30は、被評価対象120-1と、要素122-5(例えば形状)、要素122-6(例えば模様)、要素122-3(例えば色彩)および要素122-4(例えばボタン)とを組み合わせた仮想対象150を生成している。
【0055】
仮想対象提示部40(図3参照)は、仮想対象150を提示する。仮想対象提示部40は、第1評価情報130および第2評価情報140を提示してよい。これにより、評価者110は、被評価対象120と複数の要素122とを組み合わせた仮想対象150を認知できる。仮想対象提示部40は、例えばディスプレイ、モニタ等である。
【0056】
情報取得部10(図3参照)は、被評価対象120(図1参照)を観察している状態における評価者110の視線情報Ie(図1参照)をさらに取得してよい。評価生成部20(図3参照)は、視線情報Ieに基づく第1脳波情報Ib1に基づいて、第1評価情報130(図1参照)を生成してよい。視線情報Ieに基づく第1脳波情報Ib1とは、視線情報Ieが反映された第1脳波情報Ib1を指す。
【0057】
評価生成部20は、各タイミングにおける評価者110の視線位置に応じて、各タイミングにおける第1評価値132の重み付けを調整してよい。例えば評価生成部20は、評価者110の視線が被評価対象120に向いている場合の、各項目の第1評価値132の重み付けを高くし、評価者110の視線が被評価対象120に向いていない場合の、各項目の第1評価値132の重み付けを低くしてよい。評価生成部20は、予め定められた期間内における各項目の第1評価値132の加重平均を、各項目の第1評価値132としてよい。これにより、評価生成部20は、被評価対象120以外の要因による評価者110の心理状態の影響を低減できる。このため、評価生成部20は、被評価対象120を精度よく評価できる。
【0058】
情報取得部10(図3参照)は、複数の要素122(図2参照)のそれぞれを観察している状態における評価者110の視線情報If(図2参照)をさらに取得してよい。評価生成部20(図3参照)は、視線情報Ifに基づく第2脳波情報Ib2に基づいて、第2評価情報140を生成してよい。視線情報Ifに基づく第2脳波情報Ib2とは、視線情報Ifが反映された第2脳波情報Ib2を指す。
【0059】
評価生成部20は、各タイミングにおける評価者110の視線位置に応じて、各タイミングにおける第2評価値142の重み付けを調整してよい。例えば評価生成部20は、評価者110の視線が要素122に向いている場合の、各項目の第2評価値142の重み付けを高くし、評価者110の視線が要素122に向いていない場合の、各項目の第2評価値142の重み付けを低くしてよい。評価生成部20は、予め定められた期間内における各項目の第2評価値142の加重平均を、各項目の第2評価値142としてよい。これにより、評価生成部20は、要素122以外の要因による評価者110の心理状態の影響を低減できる。このため、評価生成部20は、要素122を精度よく評価できる。
【0060】
図5は、情報取得部10の一例を示す図である。情報取得部10は、第1脳波情報Ib1および第2脳波情報Ib2を測定可能な脳波計を有してよく、外部の脳波計が測定した第1脳波情報Ib1および第2脳波情報Ib2を取得する通信機を有してもよい。本例の情報取得部10は、ヘッドギア式の脳波計である。情報取得部10は、イヤホン式の脳波計であってもよい。
【0061】
評価者110は、ヘッドギア式またはイヤホン式の脳波計を装着した状態で、被評価対象120および要素122を観察してよい。これにより、情報取得部10は、被評価対象120および要素122を観察している状況における評価者110の第1脳波情報Ib1および第2脳波情報Ib2を、それぞれ取得する。評価生成部20、仮想対象生成部30および制御部90(図3参照)は、当該ヘッドギアの筐体に収容されていてよく、されていなくてもよい。評価生成部20、仮想対象生成部30および制御部90が当該ヘッドギアの筐体に収容されていない場合、情報取得部10により取得された第1脳波情報Ib1および第2脳波情報Ib2は、無線により制御部90に送信されてよい。
【0062】
仮想対象提示部40は、図5に示されるヘッドギアの筐体に収容されていなくてよい。仮想対象提示部40は、当該ヘッドギアの筐体とは別途、設置されたディスプレイ、モニタ等であってよい。評価生成部20により生成された第1評価情報130および第2評価情報140は、無線により仮想対象提示部40に送信されてよい。
【0063】
図6は、評価者110が被服121を装着中の一例を示す図である。本例において、評価者110は、被服121を装着中の評価者110を鏡で観察する前の状態である。
【0064】
情報取得部10(図3参照)は、評価者110の第3脳波情報をさらに取得してよい。当該第3脳波情報を、第3脳波情報Ib3とする。第3脳波情報Ib3は、評価者110が被服121を装着中の、評価者110の脳波情報Ibである。第3脳波情報Ib3は、被服121の装着感に係る、評価者110の脳波情報Ibである。装着感とは、例えば、評価者110が被服121を装着した状態において、評価者110が被服121に対して感じる着心地、評価者110の身体と被服121とのフィット感、等である。
【0065】
本例においては、情報取得部10(図3参照)は、評価者110が被服121を装着中且つ被服121を観察する前における第3脳波情報Ib3を取得する。被服121を観察する前とは、評価者110が被服121を装着中の自身の姿を鏡で観察する前の状態であってよい。図6の例では、情報取得部10は被服121-1を装着中且つ被服121-1を観察する前の第3脳波情報Ib3-1を取得し、被服121-2を装着中且つ被服121-1を観察する前の第3脳波情報Ib3-2を取得する。
【0066】
評価生成部20(図3参照)は、第3脳波情報Ib3に基づいて、被服121に対する第3評価情報160をさらに生成してよい。図6の例では、評価生成部20は、第3脳波情報Ib3-1に基づいて被服121-1に対する第3評価情報160-1を生成し、第3脳波情報Ib3-2に基づいて被服121-2に対する第3評価情報160-2を生成する。
【0067】
本例において、第3評価情報160は心地良さ、および、フィット感の二つの項目を少なくとも含む。第3評価情報160は、第3評価値162を含んでよい。第3評価値162は、被服121の装着感に係る評価者110の評価が定量化された値である。図6では、評価者110の評価が星印の数で定量化されている。第3評価値162は、第3評価情報160に含まれる項目ごとに定量化されてよい。仮想対象提示部40は、第3評価情報160を提示してよい。
【0068】
評価生成部20(図3参照)は、第1脳波情報Ib1から、被服121を観察する前における第3脳波情報Ib3への変化に基づいて、第3評価情報160を補正してよい。例えば、第1評価情報130におけるときめき感の第1評価値132が高い場合において、第3評価情報160における心地よさの第3評価値162が低い場合、被服121の着心地が期待したほどではなかった蓋然性が高い。この場合、評価生成部20は第3評価値162を、より低い値に補正してよい。例えば、第1評価情報130におけるときめき感の第1評価値132が低い場合において、第3評価情報160における心地よさの第3評価値162が高い場合、被服121の着心地が期待を上回った蓋然性が高い。この場合、評価生成部20は第3評価値162を、より高い値に補正してよい。
【0069】
図7は、評価者110が被服121を装着中の他の一例を示す図である。本例においては、評価者110は被服121を装着中の評価者110を鏡で観察している状態である。本例においては、情報取得部10(図3参照)は、評価者110が被服121を装着中且つ被服121を観察している状態の第3脳波情報Ib3を取得する。被服121を観察している状態とは、評価者110が被服121を装着中の自身の姿を鏡で観察している状態であってよい。
【0070】
被服121を観察している状態の第3脳波情報Ib3には、被服121の装着感に係る脳波情報Ibと、被服121の外観に基づく脳波情報Ibとが含まれてよい。図7の例では、情報取得部10は被服121-1を装着中且つ被服121-1を観察している状態の第3脳波情報Ib3-1を取得し、被服121-2を装着中且つ被服121-2を観察している状態の第3脳波情報Ib3-2を取得する。本例において、第3評価情報160は、図6の例と同様に、心地良さおよびフィット感の二つの項目を少なくとも含む。
【0071】
評価生成部20(図3参照)は、第1脳波情報Ib1から、被服121を観察している状態における第3脳波情報Ib3への変化に基づいて、第1評価情報130を補正してよい。例えば、第1評価情報130におけるときめき感の第1評価値132が高い場合において、第3評価情報160における心地よさの第3評価値162が高い場合、被服121が評価者110に期待どおりに似合っている蓋然性が高い。この場合、評価生成部20は第1評価値132を、より高い値に補正してよい。例えば、第1評価情報130におけるときめき感の第1評価値132が高い場合において、第3評価情報160における心地よさの第3評価値162が低い場合、被服121が評価者110に期待ほど似合っていない蓋然性が高い。この場合、評価生成部20は第1評価値132を、より低い値に補正してよい。
【0072】
情報取得部10(図3参照)は、評価者110が被服121を装着中において、当該被服121を観察している状態における評価者110の視線情報Ieをさらに取得してよい。情報取得部10は、評価者110が被服121を装着中において、当該被服121の要素122を観察している状態における評価者110の視線情報Ifをさらに取得してよい。
【0073】
仮想対象生成部30(図3参照)は、評価者110が被服121を装着中の第1評価情報130と第2評価情報140とに基づいて、被評価対象120と複数の要素122とを組み合わせた仮想対象150を生成してよい。仮想対象提示部40(図3参照)は、当該仮想対象150を提示してよい。仮想対象提示部40は、評価者110が被服121を装着中の第1評価情報130および第2評価情報140を提示してよい。
【0074】
情報取得部10(図3参照)は、評価者110の生体情報をさらに取得してよい。当該生体情報を、生体情報Igとする。生体情報Igは、装着前の被服121を観察している状態における評価者110の生体情報であってよく、装着中の被服121を観察している状態における評価者110の生体情報であってよく、被服121を装着中における被服121の装着感に係る生体情報であってもよい。
【0075】
評価生成部20(図3参照)は、第3脳波情報Ib3および生体情報Igに基づいて、第3評価情報160を生成してよい。生体情報Igには、被評価対象120と接した評価者110の潜在的な評価が反映されやすい。例えば、評価者110が被評価対象120に対し違和感を感じている場合、評価者110は、副交感神経よりも交感神経が優位な状態になりやすい。副交感神経よりも交感神経が優位な場合、評価者110の心拍変動は小さくなりやすく、ストレス状態は大きくなりやすい。このため、第3評価情報160が第3脳波情報Ib3および生体情報Igに基づいて生成されることにより、評価者110の被評価対象120に対する潜在的な評価が、より正確に第3評価情報160に反映され得る。
【0076】
評価生成部20(図3参照)は、第1脳波情報Ib1から第3脳波情報Ib3への変化と、生体情報Igとに基づいて、状態情報Isを生成してよい。状態情報Isとは、被評価対象120に対する評価者110の潜在的な評価に基づく、評価者110の状態を指す。評価生成部20は、被服121を装着前の脳波情報Ibから、被服121を装着中の脳波情報Ibへの変化と、生体情報Igとに基づいて、状態情報Isを生成してよい。評価生成部20は、状態情報Isに基づいて第3評価情報160を生成してよい。
【0077】
評価者110の心拍における第1パワースペクトルの大きさをLFとし、第2パワースペクトルの大きさをHFとする。第2パワースペクトルの周波数帯域は、第1パワースペクトルの周波数帯域よりも高周波数の帯域である。第1パワースペクトルの周波数帯域と第2パワースペクトルの周波数帯域とは、重ならなくてよい。第1パワースペクトルの周波数帯域は、例えば0.04-0.15Hzである。第2パワースペクトルの周波数帯域は、例えば0.15-0.4Hzである。
【0078】
第1脳波情報Ib1における高ベータ波(18以上26Hz未満)およびガンマ波の振幅の全体振幅Asに占める割合から、第3脳波情報Ib3における高ベータ波およびガンマ波の振幅の全体振幅Asに占める割合への変化を、変化C1とする。評価生成部20は、変化C1と、HFに対するLFの割合(LF/HF)とに基づいて、状態情報Isを生成してよい。
【0079】
一例として、第3脳波情報Ib3における高ベータ波の振幅とガンマ波の振幅との和の全体振幅Asに占める割合が、第1脳波情報における全体振幅Asに占める割合よりも大きく、且つ、被服121を装着中におけるHFに対するLFの割合(LF/HF)が閾値以上である場合、評価者110のイライラ状態、神経過敏状態またはストレス状態が増加していると推測され得る。HFに対するLFの割合(LF/HF)が当該閾値以上である場合、評価者110は副交感神経よりも交感神経が優位の状態と判断されてよい。HFに対するLFの割合(LF/HF)が当該閾値未満である場合、評価者110は交感神経よりも副交感神経が優位の状態と判断されてよい。当該閾値は、2であってよく、3であってもよく、4であってもよく、5であってもよい。
【0080】
一例として、第3脳波情報Ib3における評価者110の高ベータ波の振幅とガンマ波の振幅との和の全体振幅Asに占める割合が、第1脳波情報Ib1における全体振幅Asに占める割合よりも大きく、且つ、被服121を装着中におけるHFに対するLFの割合(LF/HF)が閾値未満である場合、評価者110の興奮状態が増加していると推測され得る。
【0081】
評価生成部20(図3参照)は、被服121を装着中におけるHFに対するLFの割合(LF/HF)と、HFに対するLFの割合の閾値との大小関係と、変化C1とに基づいて、状態情報Isを生成してよい。当該閾値は、予め定められてよい。評価生成部20は、第3脳波情報Ib3における高ベータ波の振幅とガンマ波の振幅との和の全体振幅Asに占める割合が、第1脳波情報Ib1における全体振幅Asに占める割合よりも大きく、且つ、被服121を装着中におけるHFに対するLFの割合(LF/HF)が閾値以上である場合、被服121に対するストレス感が増加しているとの状態情報Isを生成してよい。評価生成部20は、第3脳波情報Ib3における評価者110の高ベータ波の振幅とガンマ波の振幅との和の全体振幅Asに占める割合が、第1脳波情報Ib1における全体振幅Asに占める割合よりも大きく、且つ、被服121を装着中におけるHFに対するLFの割合(LF/HF)が閾値未満である場合、被服121に対する興奮度が増加しているとの状態情報Isを生成してよい。
【0082】
図8は、状態情報Isの一例を示す図である。状態情報Isは、評価者110の複数の状態(第1状態Is-1~第n状態Is-n)に係る情報を含んでよい。本例においては、状態情報Isは、評価者110の四つの状態(第1状態Is-1~第4状態Is-4)に係る情報を含む。図8において、低周波数f1の脳波とは、デルタ波、シータ波、低アルファ波および中アルファ波の少なくとも一つを指し、高周波数f2の脳波とは、高アルファ波、低ベータ波、高ベータ波およびガンマ波の少なくとも一つを指す。
【0083】
評価者110の脳波の振幅であって、予め定められた周波数帯における脳波の振幅を、振幅Afとする。第1脳波情報Ib1における脳波の振幅Afを、振幅Af1とする。第3脳波情報Ib3における脳波の振幅Afを、振幅Af2とする。予め定められた周波数帯における脳波とは、低アルファ波、中アルファ波、高アルファ波、低ベータ波、高ベータ波、ガンマ波およびシータ波の少なくとも一つであってよい。
【0084】
評価生成部20は、振幅Af1の全体振幅Asに占める割合から、振幅Af2の全体振幅Asに占める割合への変化と、HFに対するLFの割合(LF/HF)とに基づいて、状態情報Isを生成してよい。当該状態情報Isは、評価者110の複数の状態のうちの一の状態に係る状態情報Is(第1状態Is-1~第n状態Is-nのいずれか)であってよい。
【0085】
本例において、第1状態Is-1は、低周波数f1の脳波において、振幅Af2の全体振幅Asに占める割合が、振幅Af1の全体振幅Asに占める割合よりも大きく、且つ、被服121を装着中におけるHFに対するLFの割合(LF/HF)が閾値以上である場合の評価者110の状態である。評価者110が第1状態Is-1である場合、評価者110の疲労状態、眠気状態が増加していると推測され得る。評価者110が第1状態Is-1である場合、評価生成部20は、被服121に対する評価者110の関心度が低下していると評価してよい。
【0086】
本例において、第2状態Is-2は、低周波数f1の脳波において、振幅Af2の全体振幅Asに占める割合が、振幅Af1の全体振幅Asに占める割合よりも大きく、且つ、被服121を装着中におけるHFに対するLFの割合(LF/HF)が閾値未満である場合の評価者110の状態である。評価者110が第2状態Is-2である場合、評価者110のリラックス状態が増加していると推測され得る。評価者110が第2状態Is-2である場合、評価生成部20は、被服121に対する評価者110の安心度が増加していると評価してよい。
【0087】
本例において、第3状態Is-3は、高周波数f2の脳波において、振幅Af2の全体振幅Asに占める割合が、脳波Af1の全体振幅Asに占める割合よりも大きく、且つ、被服121を装着中におけるHFに対するLFの割合(LF/HF)が閾値以上である場合の評価者110の状態である。評価者110が第3状態Is-3である場合、評価者110のイライラ状態、神経過敏状態またはストレス状態が増加していると推測され得る。評価者110が第3状態Is-3である場合、評価生成部20は、被服121に対する評価者110のストレス度が増加していると評価してよい。
【0088】
本例において、第4状態Is-4は、高周波数f2の脳波において、振幅Af2の全体振幅Asに占める割合が、脳波Af1の全体振幅Asに占める割合よりも大きく、且つ、被服121を装着中におけるHFに対するLFの割合(LF/HF)が閾値未満である場合の評価者110の状態である。評価者110が第4状態Is-4である場合、評価者110の没頭状態が増加していると推測され得る。評価者110が第4状態Is-4である場合、評価生成部20は、被服121に対する評価者110の関心度が増加していると評価してよい。
【0089】
評価生成部20(図3参照)は、第1評価情報130と第3評価情報160とに基づいて、被服121に対する総合評価情報170(図7参照)を生成してよい。図7の例では、評価生成部20は、第1評価情報130-1と第3評価情報160-1とに基づいて、被服121-1に対する総合評価情報170-1を生成し、第1評価情報130-2と第3評価情報160-2とに基づいて、被服121-2に対する総合評価情報170-2を生成する。仮想対象提示部40は、総合評価情報170をさらに提示してよい。評価生成部20は、評価者110が被服121を装着中且つ被服121を観察している状態における第3評価情報160と、第1評価情報130とに基づいて、総合評価情報170を生成してよい。評価生成部20は、評価者110が被服121を装着中且つ観察する前における第3評価情報160と、第1評価情報130とに基づいて、総合評価情報170を生成してもよい。
【0090】
第1評価情報130は、被評価対象120を観察している状態における評価者110の第1脳波情報Ib1に基づく。第3評価情報160は、被服121の装着中の評価者110の第3脳波情報Ib3に基づく。総合評価情報170は、第1評価情報130および第3評価情報160に基づくので、評価者110の被評価対象120に対する潜在的な評価が総合的に反映され得る。
【0091】
評価生成部20(図3参照)は、第1評価情報130に基づいて、一の第2評価情報140と他の第2評価情報140とを序列化してよい。図1および図2の例では、評価生成部20は、第1評価情報130-1および第1評価情報130-2に基づいて、第2評価情報140-1~第2評価情報140-8のうちの一つと、他の一つとを序列化する。
【0092】
例えば、要素122-1~要素122-4がそれぞれ被評価対象120-1の形状、模様、色彩およびボタンであり、要素122-5~要素122-8がそれぞれ被評価対象120-2の形状、模様、色彩およびボタンであるとする。被評価対象120-1の複数の要素122のうち、要素122-3(本例では色彩)および要素122-4(本例ではボタン)に対応する第2評価情報140-3および第2評価情報140-4のときめき感が高い(図2参照)。当該被評価対象120-1は、ときめき感について肯定的な第1評価値132を含む(図1参照)。被評価対象120-2の複数の要素122のうち、要素122-5(本例では形状)および要素122-6(本例では模様)に対応する第2評価情報140-5および第2評価情報140-6のときめき感が高い(図2参照)。しかしながら、当該被評価対象120-2は、ときめき感について肯定的な第1評価値132を含まない(図1参照)。このような場合、当該評価者110においては、被評価対象120の形状および模様が第1評価情報130に与える影響よりも、色彩およびボタンが第1評価情報130に与える影響の方が大きい蓋然性が高い。このような場合、評価生成部20(図3参照)は、第2評価情報140-3、第2評価情報140-4、第2評価情報140-7および第2評価情報140-8を優位に、第2評価情報140-1、第2評価情報140-2、第2評価情報140-5および第2評価情報140-6を劣位に序列化してよい。
【0093】
選択部70(図3参照)は、評価生成部20(図3参照)により序列化された第2評価情報140に基づいて、被評価対象120を選択する。上述したとおり、本例においては、評価者110は、被評価対象120の形状および模様よりも、色彩およびボタンを優先的に評価する蓋然性が高い。このため、本例においては、選択部70は被評価対象120の色彩およびボタンの少なくとも一方が、被評価対象120-1(図1図2参照)の色彩およびボタンの少なくとも一方と類似する他の被評価対象120を選択する。
【0094】
選択部70により選択された被評価対象120は、仮想対象提示部40に提示されてよい。これにより、評価者110は、自身の好みの被評価対象120を効率的に選択しやすくなる。被評価対象120の画像は、予め記憶部60(図3参照)に記憶されてよい。
【0095】
記憶部60には、被評価対象120を販売する店舗と、当該店舗において販売される被評価対象120の種類とが、予め対応付けられて記憶されていてもよい。被評価対象120の種類とは、例えば被評価対象120の製作者(例えばブランド)、材料(例えば生地)、大きさ(サイズ)、色等である。記憶部60に店舗と被評価対象120の種類とが対応付けられて記憶されている場合において、選択部70は、評価生成部20(図3参照)により序列化された第2評価情報140に基づいて被評価対象120の種類を選択し、選択した種類の被評価対象120を販売する店舗をさらに選択してよい。
【0096】
図9は、被評価対象推論モデル52の一例を示す図である。評価学習部50(図3参照)は、第1評価情報130と第2評価情報140との関係を機械学習する。評価学習部50は、第1評価情報130と第2評価情報140との関係を機械学習することにより、被評価対象推論モデル52を生成する。被評価対象推論モデル52は、第2評価情報140に基づいて被評価対象120を推論する。被評価対象推論モデル52は、第1評価情報130と第2評価情報140との関係を機械学習しているので、被評価対象120が第2評価情報140に基づいて推論され得る。推論された被評価対象120は、仮想対象提示部40に提示されてよい。被評価対象推論モデル52は、記憶部60に記憶されてよい。
【0097】
評価学習部50(図3参照)は、一の被評価対象120に対する一の第1評価情報130-Aと、他の被評価対象120に対する他の第1評価情報130-Bとの関係を機械学習してもよい。この場合において、一の第1評価情報130-Aと他の第1評価情報130-Bとは、同じ評価者110-Aによる第1評価情報130である。評価学習部50は、一の第1評価情報130-Aと他の第1評価情報130-Bとの関係を機械学習することにより、被評価対象推論モデル52を生成してもよい。被評価対象推論モデル52は、さらに他の第1評価情報130-Cに基づいて、被評価対象120を推論する。この場合において、さらに他の第1評価情報130-Cは、評価者110-Bによる第1評価情報130である。評価者110-Aと評価者110-Bとは、異なる評価者110である。被評価対象推論モデル52は、一の第1評価情報130-Aと他の第1評価情報130-Bとの関係を機械学習しているので、評価者110-Aの嗜好が反映されやすい。このため、第1評価情報130-Cが評価者110-Bの第1脳波情報Ib1に基づいて生成され、第1評価情報130-Cにおける項目ごとの第1評価値132が、第1評価情報130-Aまたは第1評価情報130-Bにおける項目ごとの第1評価値132と等しいかまたは近しい場合、第1評価情報130-Cに基づいて推論された被評価対象120は、評価者110-Bの嗜好が反映された被評価対象120であり得る。
【0098】
図10は、本発明の一つの実施形態に係る支援方法の一例を示すフローチャートである。本発明の一つの実施形態に係る支援方法を、図3に示される支援装置100を例に説明する。支援方法は、情報取得ステップS100、評価生成ステップS102および仮想対象生成ステップS104を備える。支援方法は、評価学習ステップS106、選択ステップS108および仮想対象提示ステップS110を備えてよい。
【0099】
情報取得ステップS100は、情報取得部10が、被評価対象120を観察している状態における評価者110の第1脳波情報Ib1を取得し、被評価対象120の複数の要素122のそれぞれを観察している状態における評価者110の第2脳波情報Ib2を複数の要素122のそれぞれごとに取得するステップである。評価生成ステップS102は、評価生成部20が、第1脳波情報Ib1に基づいて被評価対象120に対する第1評価情報130を生成し、第2脳波情報Ib2に基づいて複数の要素122のそれぞれに対する第2評価情報140を生成するステップである。
【0100】
仮想対象生成ステップS104は、仮想対象生成部30が、第1評価情報130と第2評価情報140とに基づいて、被評価対象120と複数の要素122の少なくとも一つとを組み合わせた仮想対象150を生成するステップである。仮想対象提示ステップS110は、仮想対象提示部40が、仮想対象生成ステップS104において生成された仮想対象150を提示するステップであってよい。
【0101】
情報取得ステップS100は、情報取得部10が、評価者110が被服121を装着中の第3脳波情報Ib3を取得するステップであってよい。評価生成ステップS102は、評価生成部20が、第3脳波情報Ib3に基づいて、被服121に対する第3評価情報160を生成するステップであってよい。
【0102】
情報取得ステップS100は、情報取得部10が、評価者110の生体情報Igをさらに取得するステップであってよい。評価生成ステップS102は、評価生成部20が、生体情報Igおよび第3脳波情報Ib3に基づいて、第3評価情報160を生成するステップであってよい。
【0103】
情報取得ステップS100は、情報取得部10が、評価者110が被服121を装着前の第1脳波情報Ib1、および、評価者110が被服121を装着中且つ被服121を観察する前における第3脳波情報Ib3を取得するステップであってよい。評価生成ステップS102は、評価生成部20が、第1脳波情報Ib1から、被服121を観察する前における第3脳波情報Ib3への変化に基づいて、第3評価情報160を補正するステップであってよい。
【0104】
情報取得ステップS100は、情報取得部10が、評価者110が被服121を装着前の第1脳波情報Ib1、および、評価者110が被服121を装着中且つ被服121を観察している状態における第3脳波情報Ib3を取得するステップであってよい。評価生成ステップS102は、評価生成部20が、第1脳波情報Ib1から、被服121を観察している状態における第3脳波情報Ib3への変化に基づいて、第1評価情報130を補正するステップであってよい。
【0105】
評価生成ステップS102は、評価生成部20が、第1脳波情報Ib1から第3脳波情報Ib3への変化と生体情報Igとに基づいて、状態情報Isを生成し、生成した状態情報Isに基づいて第3評価情報160を生成するステップであってよい。
【0106】
情報取得ステップS100は、情報取得部10が、評価者110が被服121を装着前の生体情報Igを取得するステップであってよい。評価生成ステップS102は、評価生成部20が、第1脳波情報Ib1における振幅Af1の全体振幅Asに占める割合から、第3脳波情報Ib3における振幅Af2の全体振幅Asに占める割合への変化と、評価者110の心拍におけるHFに対するLFの割合(LF/HF)とに基づいて、状態情報Isを生成するステップであってよい。
【0107】
評価生成ステップS102は、評価生成部20が、第1脳波情報Ib1における振幅Af1の全体振幅Asに占める割合から、第3脳波情報Ib3における振幅Af2の全体振幅Asに占める割合への変化と、被評価対象120を装着中におけるHFに対するLFの割合(LF/HF)と、HFに対するLFの割合(LF/HF)の予め定められた閾値との大小関係とに基づいて、状態情報Isを生成するステップであってよい。
【0108】
状態情報Isは、評価者110の複数の状態に係る情報を含んでよい。評価生成ステップS102は、評価生成部20が、第1脳波情報Ib1における振幅Af1の全体振幅Asに占める割合から、第3脳波情報Ib3における振幅Af2の全体振幅Asに占める割合への変化と、評価者110の心拍におけるHFに対するLFの割合(LF/HF)とに基づいて、複数の状態のうちの一の状態に係る状態情報Isを生成するステップであってよい。
【0109】
評価生成ステップS102は、評価生成部20が、被服121を装着前から装着中の第1脳波情報Ib1の変化に基づく第1評価情報130と、第3評価情報160とに基づいて、被服121に対する総合評価情報170を生成するステップであってよい。
【0110】
情報取得ステップS100は、情報取得部10が、複数の被評価対象120のそれぞれを観察している状態における評価者110の第1脳波情報Ib1を取得するステップであってよい。評価生成ステップS102は、評価生成部20が、第1脳波情報Ib1に基づいて被評価対象120のそれぞれに対する第1評価情報130を生成し、生成した第1評価情報130に基づいて、一の第2評価情報140と他の第2評価情報140とを序列化するステップであってよい。
【0111】
選択ステップS108は、選択部70が、評価生成ステップS102において序列化された複数の第2評価情報140に基づいて、被評価対象120を選択するステップである。仮想対象提示ステップS110は、仮想対象提示部40が、選択ステップS108において選択された被評価対象120を提示するステップであってよい。
【0112】
評価学習ステップS106は、評価学習部50が、第1評価情報130と第2評価情報140との関係を機械学習することにより、第2評価情報140に基づいて被評価対象120を推論する被評価対象推論モデル52を生成するステップである。仮想対象提示ステップS110は、仮想対象提示部40が、評価学習ステップS106において推論された被評価対象120を提示するステップであってよい。
【0113】
図11は、本発明の一つの実施形態に係る支援装置100が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の一例を示す図である。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る支援装置100に関連付けられる操作、または、支援装置100の一または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該一または複数のセクションを実行させることができ、またはコンピュータ2200に、本発明の方法に係る各段階(図10参照)を実行させることができる。当該プログラムは、コンピュータ2200に本明細書に記載されたフローチャート(図10)およびブロック図(図2)におけるブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0114】
本発明の一つの実施形態に係るコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216およびディスプレイデバイス2218を含む。CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216およびディスプレイデバイス2218は、ホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200は、通信インターフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226およびICカードドライブ等の入出力ユニットをさらに含む。通信インターフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226およびICカードドライブ等は、入出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータは、ROM2230およびキーボード2242等のレガシの入出力ユニットをさらに含む。ROM2230およびキーボード2242等は、入出力チップ2240を介して入出力コントローラ2220に接続されている。
【0115】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作することにより、各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはRAM2214の中に、CPU2212によって生成されたイメージデータを取得することにより、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0116】
通信インターフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、読み取ったプログラムまたはデータを、RAM2214を介してハードディスクドライブ2224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取るか、または、プログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0117】
ROM2230は、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、または、コンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ2240は、様々な入出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ2220に接続してよい。
【0118】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い、情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0119】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0120】
CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにしてよい。CPU2212は、RAM2214上のデータに対し、様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は、次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0121】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理されてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示に記載された、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索または置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は、結果をRAM2214に対しライトバックしてよい。
【0122】
CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、第2の属性値を読み取ることにより、予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0123】
上述したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能である。プログラムは、当該記録媒体によりコンピュータ2200に提供されてよい。
【0124】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0125】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0126】
10・・・情報取得部、20・・・評価生成部、30・・・仮想対象生成部、40・・・仮想対象提示部、50・・・評価学習部、52・・・被評価対象推論モデル、60・・・記憶部、70・・・選択部、90・・・制御部、100・・・支援装置、110・・・評価者、120・・・被評価対象、121・・・被服、122・・・要素、130・・・第1評価情報、132・・・第1評価値、140・・・第2評価情報、142・・・第2評価値、150・・・仮想対象、160・・・第3評価情報、162・・・第3評価値、170・・・総合評価情報、2200・・・コンピュータ、2201・・・DVD-ROM、2210・・・ホストコントローラ、2212・・・CPU、2214・・・RAM、2216・・・グラフィックコントローラ、2218・・・ディスプレイデバイス、2220・・・入出力コントローラ、2222・・・通信インターフェース、2224・・・ハードディスクドライブ、2226・・・DVD-ROMドライブ、2230・・・ROM、2240・・・入出力チップ、2242・・・キーボード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11