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特開2025-4845入金予定日別請求額算出装置、入金予定日別請求額算出方法および入金予定日別請求額算出プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004845
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】入金予定日別請求額算出装置、入金予定日別請求額算出方法および入金予定日別請求額算出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/14 20120101AFI20250108BHJP
【FI】
G06Q20/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104705
(22)【出願日】2023-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】波多野 一樹
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA32
5L055AA32
(57)【要約】
【課題】入金予定日別の請求額を算出することができる入金予定日別請求額算出装置、入金予定日別請求額算出方法および入金予定日別請求額算出プログラムの提供を課題とする。
【解決手段】本実施形態では、(1)債権番号と回収予定日と回収予定額とを含む回収予定データから、指定された債権番号と紐付く回収予定日および回収予定額を取得し、(2)債権番号と遅延損害金利率とを含む契約データから、前記指定された債権番号と紐付く遅延損害金利率を取得し、(3)指定された基準日を基準として、入金予定日を複数取得し、(4)前記取得した回収予定額と、前記取得した遅延損害金利率と、前記取得した回収予定日から前記取得した入金予定日までの日数である延滞日数と、を用いて、入金予定日別の請求額を算出する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入金予定日別の請求額を算出することができる、制御部および記憶部を備える入金予定日別請求額算出装置であって、
前記記憶部には、
債権を識別するための債権識別データと、債権を回収する予定日である回収予定日と、回収する予定の債権の金額である回収予定額と、を含む回収予定データと、
債権識別データと、遅延損害金利率と、を含む契約データと、
が格納されており、
前記制御部は、
前記回収予定データから、指定された債権識別データと紐付く回収予定日および回収予定額を取得する回収情報取得手段と、
前記契約データから、前記指定された債権識別データと紐付く遅延損害金利率を取得する遅延損害金利率取得手段と、
指定された基準日を基準として、入金予定日を複数取得する入金予定日取得手段と、
前記取得した回収予定額と、前記取得した遅延損害金利率と、前記取得した回収予定日から前記取得した入金予定日までの日数である延滞日数と、を用いて、入金予定日別の請求額を算出する請求額算出手段と、
を備えること、
を特徴とする入金予定日別請求額算出装置。
【請求項2】
前記指定された債権識別データおよび前記指定された基準日が、入金予定日別の請求額を含む督促データの作成を指示するための画面である督促指示画面において指定されたものであり、
前記入金予定日取得手段は、前記指定された基準日から所定の日数分を入金予定日として取得し、
前記制御部は、
前記請求額算出手段で算出した入金予定日別の請求額を含む前記督促データを生成する督促データ生成手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項1に記載の入金予定日別請求額算出装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記督促データの内容が印字された督促状を出力する督促状出力手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項2に記載の入金予定日別請求額算出装置。
【請求項4】
前記記憶部には、
入金予定日別の請求額を照会可能な照会画面における入金予定日の表示方法を識別するための表示方法識別データと、前記照会画面における入金予定日の表示件数と、が設定された請求額照会コントロールマスタが更に格納されており、
前記指定された債権識別データおよび前記指定された基準日が、前記照会画面において指定されたものであり、
前記入金予定日取得手段は、前記請求額照会コントロールマスタにおける前記表示方法識別データが、前記指定された基準日以降の入金予定日を表示することを意味するものである場合、前記指定された基準日から、前記請求額照会コントロールマスタにおける前記表示件数と同じ日数分を入金予定日として取得し、これに対して、前記請求額照会コントロールマスタにおける前記表示方法識別データが、前記指定された基準日前後の入金予定日を表示することを意味するものである場合、前記指定された基準日と、前記指定された基準日直前の、前記請求額照会コントロールマスタにおける前記表示件数と同じ日数分と、前記指定された基準日直後の、前記請求額照会コントロールマスタにおける前記表示件数と同じ日数分と、を入金予定日として取得し、
前記制御部は、
前記請求額算出手段で算出した入金予定日別の請求額を含む前記照会画面を表示する照会画面表示手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項1に記載の入金予定日別請求額算出装置。
【請求項5】
前記照会画面を操作する者が、債務者からの問合せを受けた、金融事業者における担当者であること、
を特徴とする請求項4に記載の入金予定日別請求額算出装置。
【請求項6】
制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される、入金予定日別の請求額を算出することができる入金予定日別請求額算出方法であって、
前記記憶部には、
債権を識別するための債権識別データと、債権を回収する予定日である回収予定日と、回収する予定の債権の金額である回収予定額と、を含む回収予定データと、
債権識別データと、遅延損害金利率と、を含む契約データと、
が格納されており、
前記制御部で実行される、
前記回収予定データから、指定された債権識別データと紐付く回収予定日および回収予定額を取得する回収情報取得ステップと、
前記契約データから、前記指定された債権識別データと紐付く遅延損害金利率を取得する遅延損害金利率取得ステップと、
指定された基準日を基準として、入金予定日を複数取得する入金予定日取得ステップと、
前記取得した回収予定額と、前記取得した遅延損害金利率と、前記取得した回収予定日から前記取得した入金予定日までの日数である延滞日数と、を用いて、入金予定日別の請求額を算出する請求額算出ステップと、
を含むこと、
を特徴とする入金予定日別請求額算出方法。
【請求項7】
制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための、入金予定日別の請求額を算出することができる入金予定日別請求額算出プログラムであって、
前記記憶部には、
債権を識別するための債権識別データと、債権を回収する予定日である回収予定日と、回収する予定の債権の金額である回収予定額と、を含む回収予定データと、
債権識別データと、遅延損害金利率と、を含む契約データと、
が格納されており、
前記制御部に実行させるための、
前記回収予定データから、指定された債権識別データと紐付く回収予定日および回収予定額を取得する回収情報取得ステップと、
前記契約データから、前記指定された債権識別データと紐付く遅延損害金利率を取得する遅延損害金利率取得ステップと、
指定された基準日を基準として、入金予定日を複数取得する入金予定日取得ステップと、
前記取得した回収予定額と、前記取得した遅延損害金利率と、前記取得した回収予定日から前記取得した入金予定日までの日数である延滞日数と、を用いて、入金予定日別の請求額を算出する請求額算出ステップと、
を含むこと、
を特徴とする入金予定日別請求額算出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入金予定日別請求額算出装置、入金予定日別請求額算出方法および入金予定日別請求額算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、納税者による自己の納税情報の閲覧や充当による未済納付税の決済をネットワーク上で可能とする技術が開示されている(特許文献1の0006段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-282435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、未納分の金額を債務者に対して請求する業界(例えば、銀行業界、クレジット業界および貸金業界等の金融事業業界)においては、債務者が入金を行う日付によって、遅延損害金の金額が変わる。遅延損害金は、延滞日数により変わるためである。
【0005】
債務者に対して督促状で請求額の案内をする場合、従来においては、督促状到着後の特定の日付(例えば、督促状の郵送後2~3日)を入金予定日として想定して、督促状を債務者に送付していた。
【0006】
しかしながら、この方法だと、入金額が不足している場合は不足分を請求放棄するため利益を放棄することになるという問題があり、逆に、入金額が過剰である場合は過剰分を債務者に返却するため事務負担が生じるという問題があった。
【0007】
また、債務者からの問い合わせ時に請求額の案内をする場合、従来においては、金融事業者における担当者が、入金予定日別の請求額を算出していたため、事務負担が大きいという問題があった。
【0008】
以上の問題を解決するために、入金予定日別の請求額を一度に算出できる方法が求められている。複数の入金予定日における請求額を一度に算出できれば、督促状については、複数の入金予定日における請求額を一覧で記載することができ、また、債務者からの問い合わせについては、複数の入金予定日における請求額を一覧で照会することができるためである。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、入金予定日別の請求額を算出することができる入金予定日別請求額算出装置、入金予定日別請求額算出方法および入金予定日別請求額算出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る入金予定日別請求額算出装置は、入金予定日別の請求額を算出することができる、制御部および記憶部を備える入金予定日別請求額算出装置であって、前記記憶部には、債権を識別するための債権識別データと、債権を回収する予定日である回収予定日と、回収する予定の債権の金額である回収予定額と、を含む回収予定データと、債権識別データと、遅延損害金利率と、を含む契約データと、が格納されており、前記制御部が、前記回収予定データから、指定された債権識別データと紐付く回収予定日および回収予定額を取得する回収情報取得手段と、前記契約データから、前記指定された債権識別データと紐付く遅延損害金利率を取得する遅延損害金利率取得手段と、指定された基準日を基準として、入金予定日を複数取得する入金予定日取得手段と、前記取得した回収予定額と、前記取得した遅延損害金利率と、前記取得した回収予定日から前記取得した入金予定日までの日数である延滞日数と、を用いて、入金予定日別の請求額を算出する請求額算出手段と、を備えること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る入金予定日別請求額算出装置は、前記指定された債権識別データおよび前記指定された基準日が、入金予定日別の請求額を含む督促データの作成を指示するための画面である督促指示画面において指定されたものであり、前記入金予定日取得手段は、前記指定された基準日から所定の日数分を入金予定日として取得し、前記制御部が、前記請求額算出手段で算出した入金予定日別の請求額を含む前記督促データを生成する督促データ生成手段を更に備えること、を特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る入金予定日別請求額算出装置は、前記制御部が、前記督促データの内容が印字された督促状を出力する督促状出力手段を更に備えること、を特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る入金予定日別請求額算出装置は、前記記憶部には、入金予定日別の請求額を照会可能な照会画面における入金予定日の表示方法を識別するための表示方法識別データと、前記照会画面における入金予定日の表示件数と、が設定された請求額照会コントロールマスタが更に格納されており、前記指定された債権識別データおよび前記指定された基準日が、前記照会画面において指定されたものであり、前記入金予定日取得手段は、前記請求額照会コントロールマスタにおける前記表示方法識別データが、前記指定された基準日以降の入金予定日を表示することを意味するものである場合、前記指定された基準日から、前記請求額照会コントロールマスタにおける前記表示件数と同じ日数分を入金予定日として取得し、これに対して、前記請求額照会コントロールマスタにおける前記表示方法識別データが、前記指定された基準日前後の入金予定日を表示することを意味するものである場合、前記指定された基準日と、前記指定された基準日直前の、前記請求額照会コントロールマスタにおける前記表示件数と同じ日数分と、前記指定された基準日直後の、前記請求額照会コントロールマスタにおける前記表示件数と同じ日数分と、を入金予定日として取得し、前記制御部が、前記請求額算出手段で算出した入金予定日別の請求額を含む前記照会画面を表示する照会画面表示手段を更に備えること、を特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る入金予定日別請求額算出装置は、前記照会画面を操作する者が、債務者からの問合せを受けた、金融事業者における担当者であること、を特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る入金予定日別請求額算出方法は、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される、入金予定日別の請求額を算出することができる入金予定日別請求額算出方法であって、前記記憶部には、債権を識別するための債権識別データと、債権を回収する予定日である回収予定日と、回収する予定の債権の金額である回収予定額と、を含む回収予定データと、債権識別データと、遅延損害金利率と、を含む契約データと、が格納されており、前記制御部で実行される、前記回収予定データから、指定された債権識別データと紐付く回収予定日および回収予定額を取得する回収情報取得ステップと、前記契約データから、前記指定された債権識別データと紐付く遅延損害金利率を取得する遅延損害金利率取得ステップと、指定された基準日を基準として、入金予定日を複数取得する入金予定日取得ステップと、前記取得した回収予定額と、前記取得した遅延損害金利率と、前記取得した回収予定日から前記取得した入金予定日までの日数である延滞日数と、を用いて、入金予定日別の請求額を算出する請求額算出ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る入金予定日別請求額算出プログラムは、制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための、入金予定日別の請求額を算出することができる入金予定日別請求額算出プログラムであって、前記記憶部には、債権を識別するための債権識別データと、債権を回収する予定日である回収予定日と、回収する予定の債権の金額である回収予定額と、を含む回収予定データと、債権識別データと、遅延損害金利率と、を含む契約データと、が格納されており、前記制御部に実行させるための、前記回収予定データから、指定された債権識別データと紐付く回収予定日および回収予定額を取得する回収情報取得ステップと、前記契約データから、前記指定された債権識別データと紐付く遅延損害金利率を取得する遅延損害金利率取得ステップと、指定された基準日を基準として、入金予定日を複数取得する入金予定日取得ステップと、前記取得した回収予定額と、前記取得した遅延損害金利率と、前記取得した回収予定日から前記取得した入金予定日までの日数である延滞日数と、を用いて、入金予定日別の請求額を算出する請求額算出ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、入金予定日別の請求額を算出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、入金予定日別請求額算出装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、回収予定データおよび回収実績データの一例を示す図である。
図3図3は、契約データおよび請求額照会コントロールマスタの一例を示す図である。
図4図4は、各データ間の相関の一例を示す図である。
図5図5は、督促状の出力を指示するための出力指示画面の一例を示す図である。
図6図6は、出力される督促状の一例を示す図である。
図7図7は、表示方法として「指定日以降表示」が選択された場合の問合せ画面の一例を示す図である。
図8図8は、表示方法として「指定日前後表示」が選択された場合の問合せ画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係る入金予定日別請求額算出装置、入金予定日別請求額算出方法および入金予定日別請求額算出プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0020】
[1.概要]
金融事業業界(銀行業界、クレジット業界および貸金業界等)においては、債務者への請求額の案内について、以下の2つの課題があった。
【0021】
一つ目の課題として、督促状での請求額の案内に関する課題があった。延滞日数は入金日により変わるため、請求する遅延損害金の金額も入金日により変わる。このため、従来においては、督促状到着後の特定の日付(例えば、督促状の郵送後2~3日)を入金日として想定し、遅延損害金の金額を仮で確定し、督促状で案内を行っていた。
【0022】
そして、入金額が不足した場合は不足分を請求放棄し、逆に入金額が過剰である場合は過剰分を返却していた。しかしながら、前者の場合、不足分の遅延損害金の利益を放棄してしまうことになるという課題があり、後者の場合、過剰分の返却に伴う事務負担が生じるという課題があった。
【0023】
言い換えると、従来においては、督促業務において、請求額を1つの日付時点のみで案内していたため、想定していた入金日でない日付で入金された場合に過不足金が発生し、事務負荷がかかっていた。
【0024】
二つ目の課題として、債務者からの問い合わせ時の請求額の案内に関する課題があった。前述のとおり、延滞日数は入金日により変わるため、請求する遅延損害金の金額も入金日により変わる。このため、従来においては、債務者の入金予定日ごとに請求額の照会を行っていたが、問い合わせに対して照会をスムーズにできないことがあり、また、照会に伴う事務負担が生じるという課題があった。
【0025】
言い換えると、従来においては、問合せ業務において、請求額を1つの日付時点のみで都度照会していたため、債務者に対して複数の入金予定日で請求額の案内をする場合に、オペレーションの手数が多くなってしまい、非効率が発生していた。
【0026】
そこで、本実施形態においては、延滞債権を取り扱う場合に、複数の入金日における請求額を一度に出力できるようにした。これにより、事務負荷や損失の問題を解消することができるという効果を奏する。具体的には、以下の2つの効果を奏する。
【0027】
一つ目の効果として、債務者が、入金日に応じた適切な請求額を把握した上で入金することで、入金額の過不足を解消することができ、この結果、不足分の遅延損害金の利益の放棄および過剰分の返却に伴う事務負担をなくすことができる。
【0028】
二つ目の効果として、入金予定日が複数あった場合でも、効率的に請求額を案内することができる。
【0029】
ここで、本実施形態においては、入金予定日別の請求額を案内する方法として、例えば、以下の4つの方法が想定される。
【0030】
一つ目は、督促状による案内である。本案内では、口座振替が不可であった債権に対して、督促状を出力する。督促状のレイアウト内に、指定した請求日以降の10日分の請求額を出力する。
【0031】
二つ目は、請求額照会による案内である。本案内では、債務者から電話での問い合わせを受けた、金融事業者における担当者が、請求額照会を実施する。請求額照会の照会結果の一覧に、指定した入金日以降の10日分の請求額を表示する(初期表示は当日指定)。
【0032】
三つ目は、会員サイト(WEBサイト)での照会による案内である。本案内では、債権Noを埋め込んだURLを督促メール等で債務者に配信し、債務者自身が会員サイト(WEBサイト)のマイページで即時照会する。指定した入金日以降の10日分の請求額を表示する(初期表示は当日指定)。
【0033】
四つ目は、メールを用いた督促連絡による案内である。本案内では、督促状の内容をメールで送信する。指定した請求日以降の10日分の請求額を表示する。
【0034】
以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0035】
[2.構成]
本実施形態に係る入金予定日別請求額算出装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、入金予定日別請求額算出装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0036】
入金予定日別請求額算出装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、入金予定日別請求額算出装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0037】
入金予定日別請求額算出装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。入金予定日別請求額算出装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0038】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、入金予定日別請求額算出装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、入金予定日別請求額算出装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0039】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0040】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0041】
記憶部106は、例えば、回収予定データ106aと、回収実績データ106bと、契約データ106cと、請求額照会コントロールマスタ106dと、督促データ106eと、を備えている。なお、各データ間の相関は、図4に示すとおりである。
【0042】
回収予定データ106aは、債務者からの回収予定を管理するデータである。回収予定データ106aは、図2に示すように、例えば、債権を識別するための債権識別データ(債権番号)と、回収予定を識別するための回収予定識別データ(回収SEQ)と、債権を回収する予定年月である回収予定年月と、債権を回収する予定日である回収予定日と、回収する予定の債権の金額である回収予定額と、当該回収予定額における元金と、当該回収予定額における利息と、当該回収予定額における手数料と、債権の回収が完了したか否かを識別するためのフラグである完了フラグと、等を含む。
【0043】
前記完了フラグは、債権の回収が完了したことを示すフラグ(「1」のフラグ)または債権の回収が完了していないことを示すフラグ(「0」のフラグ)である。図2の回収予定データ106aの例では、回収SEQ=1~3のレコードについては前記完了フラグが「1」であるため、回収SEQ=1~3のレコード中の回収予定額はすべて回収済である。
【0044】
回収実績データ106bは、回収予定に対して実際に回収した実績を管理するデータである。回収実績データ106bは、図2に示すように、例えば、前記債権識別データ(債権番号)と、前記回収予定識別データ(回収SEQ)と、債権を回収した日である回収日と、回収した債権の金額である回収額と、当該回収額における元金と、当該回収額における利息と、当該回収額における手数料と、等を含む。
【0045】
契約データ106cは、契約内容を管理するデータである。契約データ106cは、図3に示すように、例えば、前記債権識別データ(債権番号)と、融資利率と、遅延損害金利率と、等を含む。
【0046】
請求額照会コントロールマスタ106dは、処理毎に請求額照会の表示の設定を管理するマスタである。請求額照会コントロールマスタ106dは、図3に示すように、例えば、請求額を照会するための処理を識別するための処理識別データ(処理ID)と、入金予定日別の請求額を照会可能な照会画面における入金予定日の表示方法を識別するための表示方法識別データ(表示方法コード)と、前記照会画面における入金予定日の表示件数と、前記照会画面を操作するオペレータが前記表示方法を変更できる設定とできない設定のどちらにするかを識別するためのフラグである表示方法変更可能フラグと、前記照会画面を操作するオペレータが前記表示件数を変更できる設定とできない設定のどちらにするかを識別するためのフラグである表示件数変更可能フラグと、等を含む。請求額照会コントロールマスタ106dは、例えば、金融事業者における管理者や役職者が設定することができる。
【0047】
前記処理識別データ(処理ID)としては、図3に示すように、例えば、債務者からの問合せを受けた、金融事業者における担当者が行う債務照会を意味するもの(「1:債権照会」のID)、または、債務者自らが会員サイト等で行う債務照会を意味するもの(「2:WEB会員照会」のID)等が挙げられる。
【0048】
前記表示方法識別データ(表示方法コード)は、図3に示すように、指定された基準日以降の入金予定日を表示することを意味するもの(「1:指定日以降に表示件数分を表示」のコード)、または、指定された基準日前後の入金予定日を表示することを意味するもの(「2:指定日前後に表示件数分をそれぞれ表示」のコード)である。
【0049】
前記表示方法変更可能フラグは、図3に示すように、前記照会画面を操作するオペレータが前記表示方法を変更できる設定を意味するフラグ(「true」のフラグ)、または、前記照会画面を操作するオペレータが前記表示方法を変更できない設定を意味するフラグ(「false」のフラグ)である。
【0050】
前記表示件数変更可能フラグは、図3に示すように、前記照会画面を操作するオペレータが前記表示件数を変更できる設定を意味するフラグ(「true」のフラグ)、または、前記照会画面を操作するオペレータが前記表示件数を変更できない設定を意味するフラグ(「false」のフラグ)である。
【0051】
督促データ106eは、算出された入金予定日別の請求額を含むデータである。
【0052】
制御部102は、入金予定日別請求額算出装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0053】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)前記回収予定データから、指定された債権識別データと紐付く回収予定日および回収予定額を取得する回収情報取得手段としての回収情報取得部102aと、(2)前記契約データから、前記指定された債権識別データと紐付く遅延損害金利率を取得する遅延損害金利率取得手段としての遅延損害金利率取得部102bと、(3)指定された基準日を基準として、入金予定日を複数取得する入金予定日取得手段としての入金予定日取得部102cと、(4)前記取得した回収予定額と、前記取得した遅延損害金利率と、前記取得した回収予定日から前記取得した入金予定日までの日数である延滞日数と、を用いて、入金予定日別の請求額を算出する請求額算出手段としての請求額算出部102dと、(5)前記請求額算出手段で算出した入金予定日別の請求額を含む前記督促データを生成する督促データ生成手段としての督促データ生成部102eと、(6)前記督促データの内容が印字された督促状を出力する督促状出力手段としての督促状出力部102fと、(7)前記請求額算出手段で算出した入金予定日別の請求額を含む前記照会画面を表示する照会画面表示手段としての照会画面表示部102gと、を備えている。
【0054】
回収情報取得部102aは、回収予定データ106a(図2参照)から、指定された債権番号と紐付く回収予定日および回収予定額を取得する。
【0055】
遅延損害金利率取得部102bは、契約データ106c(図3参照)から、前記指定された債権番号と紐付く遅延損害金利率を取得する。
【0056】
入金予定日取得部102cは、指定された基準日を基準として、入金予定日を複数取得する。
【0057】
前記指定された債権番号および前記指定された基準日が、入金予定日別の請求額を含む督促データ106eの作成を指示するための画面である督促指示画面(図5に示す出力指示画面参照)において指定されたものである場合、入金予定日取得部102cは、前記指定された基準日から所定の日数分を入金予定日として取得する。例えば、前記指定された基準日が「2023/5/30」であり、前記所定の日数が「10」であるとすると、入金予定日取得部102cは、「2023/5/30~2023/6/8」を入金予定日として取得する。
【0058】
前記指定された債権番号および前記指定された基準日が、入金予定日別の請求額を照会可能な照会画面(図7図8の問合せ画面参照)において指定されたものである場合、入金予定日取得部102cは、以下のようにして入金予定日を取得する。なお、前記照会画面を操作する者は、例えば、債務者からの問合せを受けた、金融事業者における担当者である。
【0059】
すなわち、請求額照会コントロールマスタ106dにおける前記表示方法コード(初期値)が「1:指定日以降に表示件数分を表示」である場合、入金予定日取得部102cは、前記指定された基準日から、請求額照会コントロールマスタ106dにおける前記表示件数と同じ日数分を入金予定日として取得する。例えば、前記指定された基準日が「2023/5/30」であり、前記表示件数が「10」であるとすると、入金予定日取得部102cは、「2023/5/30~2023/6/8」を入金予定日として取得する。
【0060】
これに対して、請求額照会コントロールマスタ106dにおける前記表示方法コード(初期値)が「2:指定日前後に表示件数分をそれぞれ表示」である場合、入金予定日取得部102cは、前記指定された基準日と、前記指定された基準日直前の、請求額照会コントロールマスタ106dにおける前記表示件数と同じ日数分と、前記指定された基準日直後の、請求額照会コントロールマスタ106dにおける前記表示件数と同じ日数分と、を入金予定日として取得する。例えば、前記指定された基準日が「2023/6/2」であり、前記表示件数が「3」であるとすると、入金予定日取得部102cは、「2023/6/2」と、「2023/5/30~2023/6/1」と、「2023/6/3~2023/6/5」と、を入金予定日として取得する。
【0061】
請求額算出部102dは、前記取得した回収予定額と、前記取得した遅延損害金利率と、前記取得した回収予定日から前記取得した入金予定日までの日数である延滞日数と、を用いて、入金予定日別の請求額を算出する。
【0062】
具体的には、請求額算出部102dは、回収予定額に遅延損害金を加算することにより入金予定日別の請求額を算出することができ、遅延損害金は、例えば、「回収予定額×遅延損害金利率×延滞日数÷年間日数」という計算式により算出可能である。ただし、この計算式には限定されない。
【0063】
督促データ生成部102eは、請求額算出部102dで算出した入金予定日別の請求額を含む督促データ106eを生成する。
【0064】
督促状出力部102fは、督促データ106eの内容が印字された督促状(図6参照)を出力する。
【0065】
照会画面表示部102gは、請求額算出部102dで算出した入金予定日別の請求額を含む照会画面(図7図8の問合せ画面参照)を表示する。
【0066】
[3.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例について説明する。[3-1]では、督促状の生成について説明し、[3-2]では、請求額の照会について説明する。督促状の生成および請求額の照会は、金融事業者における担当者(以下、単に「担当者」ということがある。)により行われるものとする。
【0067】
なお、本項目[3.処理の具体例]においては、回収予定データ106aは図2に示す内容で、契約データ106cおよび請求額照会コントロールマスタ106dは図3に示す内容で、予め設定されているという前提で説明を進める。
【0068】
[3-1.督促状の生成]
まず、図5に示す出力指示画面から、督促状を生成するために必要な情報が担当者により入力される。具体的には、請求日として、督促状が債務者に到着すると思われる日(=通知日)が入力される。図5の例では、請求日として「2023/5/30」が入力されている。また、<範囲指定>の箇所において、督促担当者、債権Noおよび延滞月数等が入力される。図5の例では、債権Noとして「1000~1001」が入力されている。<範囲指定>からの情報入力が終了すると、図5の下段に示すように、出力対象となる債権の一覧が、債権Noと顧客名の組合せにより表示される。
【0069】
図5に示す出力指示画面において必要な情報が入力された上で、出力ボタンが押下されると、以下のようにして督促状が生成される。
【0070】
まず、回収情報取得部102aは、図2の回収予定データ106aから、指定された債権No「1000」を有し、指定された請求日「2023/5/30」以前の回収予定日を有し、かつ、完了フラグとして「0(回収未完了)」を有するレコードとして、回収SEQ=4のレコードを取得する。そして、回収情報取得部102aは、当該取得した回収SEQ=4のレコード中の回収予定日「2023/5/26」および回収予定額「10,000円」を取得する。
【0071】
より詳細には、回収情報取得部102aは、回収予定データ106aにおいて以下の(i)~(iii)のすべての条件を満たすレコード中の各金額から当該レコード中の債権番号および回収SEQを有する回収実績データ106bにおけるレコード中の各金額を差し引くことにより、回収予定額、元金、利息および手数料を算出して取得してもよい。前段落で説明した条件が指定されたとすると、回収情報取得部102aは、回収予定額10,000円、元金7,000円、利息3,000円および手数料0円を取得することとなる。
(条件)
(i)指定された債権番号を有する。
(ii)回収予定データ106a中の回収予定日≦指定された請求日(入金日)である。
(iii)回収予定データ106a中の完了フラグ=0(回収未完了)である。
【0072】
次に、遅延損害金利率取得部102bは、図3の契約データ106cから、指定された債権No「1000」と紐付く遅延損害金利率として、「0.14600」を取得する。
【0073】
次に、入金予定日取得部102cは、指定された請求日「2023/5/30」から10日分(2023/5/30~2023/6/8)を入金予定日として取得する。
【0074】
次に、請求額算出部102dは、前記取得した回収予定額「10,000円」に、遅延損害金を加算することにより、入金予定日別の請求額を算出する。なお、請求額算出部102dは、「(前記取得した回収予定額10,000円)×(前記取得した遅延損害金利率0.14600)×(前記取得した回収予定日2023/5/26から前記取得した入金予定日2023/5/30~2023/6/8までの日数である延滞日数)÷(年間日数365日)」という計算式により、入金予定日別の遅延損害金を算出する。当該計算式は、具体的には以下のとおりである。
・5/30:10,000×0.14600×4÷365=16円
・5/31:10,000×0.14600×5÷365=20円
・6/1:10,000×0.14600×6÷365=24円
・6/2:10,000×0.14600×7÷365=28円
・6/3:10,000×0.14600×8÷365=32円
・6/4:10,000×0.14600×9÷365=36円
・6/5:10,000×0.14600×10÷365=40円
・6/6:10,000×0.14600×11÷365=44円
・6/7:10,000×0.14600×12÷365=48円
・6/8:10,000×0.14600×13÷365=52円
【0075】
次に、督促データ生成部102eは、請求額算出部102dで算出した入金予定日別の請求額を含む督促データ106eを生成する。
【0076】
最後に、督促状出力部102fは、督促データ106eの内容(=入金予定日別の請求額)が印字された、図6に示す督促状を出力する。図6に示す督促状において、右上の「2023年5月29日」は、出力日(処理日)を示す。
【0077】
以上、本項目[3-1]で説明してきたように、本実施形態に係る入金予定日別請求額算出装置100によれば、債務者は、入金予定日別の請求額が印字された督促状を参照することで、入金予定日別の請求額を一覧で確認し、適切な額を入金することが可能となる。これにより、入金の不足がなくなるため金融事業者の利益放棄を防ぐことができ、また、過剰な入金もなくなるため過剰入金の返却作業に伴う金融事業者の事務負担も軽減させることができる。
【0078】
[3-2.請求額の照会]
まず、債権照会を行うための問合せ画面から、必要な情報が担当者により入力される。図7には、表示方法として「指定日以降表示」が選択された場合の問合せ画面の例を示している。図8には、表示方法として「指定日前後表示」が選択された場合の問合せ画面の例を示している。
【0079】
図7の例では、債権Noとして「1000」が入力されており、また、<請求額照会>の箇所において、表示方法として「指定日以降表示」が指定され、表示件数として「10」が指定され、入金日として「2023/5/30」が入力されている。
【0080】
図8の例では、債権Noとして「1000」が入力されており、また、<請求額照会>の箇所において、表示方法として「指定日前後表示」が指定され、表示件数として「3」が指定され、入金日として「2023/6/2」が入力されている。
【0081】
これらの情報の入力が完了すると、図7および図8の下段に示すように、照会結果の一覧が、入金日、曜日、延滞日数、請求額、元金、利息および遅延損害金の組合せにより表示される。
【0082】
ここで、図3の請求額照会コントロールマスタ106dの設定に基づく、問合せ画面の表示制御について説明する。
【0083】
請求額照会コントロールマスタ106dにおける表示方法コード(初期値)の設定により、表示方法の初期値が表示される。具体的には、表示方法コード(初期値)が「1:指定日以降に表示件数分を表示」に設定されている場合、図7の問合せ画面に示すように、「指定日以降表示」の項目=ON(チェックされた状態)が、初期値として表示される。これに対して、表示方法コード(初期値)が「2:指定日前後に表示件数分をそれぞれ表示」に設定されている場合、図8の問合せ画面に示すように、「指定日前後表示」の項目=ON(チェックされた状態)が、初期値として表示される。
【0084】
なお、請求額照会コントロールマスタ106dにおける表示方法変更可能フラグの設定により、「指定日以降表示」または「指定日前後表示」の入力制御を行うこともできる。具体的には、表示方法変更可能フラグが「true」に設定されている場合、「指定日以降表示」または「指定日前後表示」を初期値から変更することができる。これに対して、表示方法変更可能フラグが「false」に設定されている場合、「指定日以降表示」または「指定日前後表示」を初期値から変更することはできない(「指定日以降表示」または「指定日前後表示」の項目自体を非表示としてもよい)。
【0085】
請求額照会コントロールマスタ106dにおける表示件数(初期値)の設定により、表示件数の初期値が表示される。なお、請求額照会コントロールマスタ106dにおける表示件数変更可能フラグの設定により、表示件数の入力制御を行うこともできる。具体的には、表示件数変更可能フラグが「true」に設定されている場合、表示件数を初期値から変更することができる。これに対して、表示件数変更可能フラグが「false」に設定されている場合、表示件数を初期値から変更することはできない(表示件数の項目自体を非表示としてもよい)。
【0086】
図7および図8に示す問合せ画面において必要な情報の入力が完了すると、以下のようにして、債権照会の結果が表示される。
【0087】
まず、回収情報取得部102aは、[3-1]と同様の方法で、図2の回収予定データ106aから、回収SEQ=4のレコードを取得し、当該取得した回収SEQ=4のレコード中の回収予定日「2023/5/26」および回収予定額「10,000円」を取得する。
【0088】
次に、遅延損害金利率取得部102bは、[3-1]と同様の方法で、図3の契約データ106cから、指定された債権No「1000」と紐付く遅延損害金利率として、「0.14600」を取得する。
【0089】
次に、入金予定日取得部102cは、指定された入金日を基準として、入金予定日を複数取得するが、取得の方法は、指定された表示方法(「指定日以降表示」または「指定日前後表示」)により異なるため、以下場合分けして説明する。
【0090】
指定された表示方法が「指定日以降表示」である場合(すなわち、図7の例の場合)、入金予定日取得部102cは、指定された入金日「2023/5/30」から、指定された表示件数である「10」と同じ日数である10日分(2023/5/30~2023/6/8)を入金予定日として取得する。
【0091】
これに対して、指定された表示方法が「指定日前後表示」である場合(すなわち、図8の例の場合)、入金予定日取得部102cは、指定された入金日「2023/6/2」と、指定された入金日直前の、指定された表示件数である「3」と同じ日数である3日分(2023/5/30~2023/6/1)と、指定された入金日直後の、指定された表示件数である「3」と同じ日数である3日分(2023/6/3~2023/6/5)と、を入金予定日として取得する。
【0092】
次に、請求額算出部102dは、[3-1]と同様の方法で、前記取得した回収予定額「10,000円」に、遅延損害金を加算することにより、入金予定日別の請求額を算出する。請求額の算出の方法は、[3-1]の方法と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0093】
最後に、照会画面表示部102gは、請求額算出部102dで算出した入金予定日別の請求額を含む、図7および図8の照会画面を表示する。
【0094】
以上、本項目[3-2]で説明してきたように、本実施形態に係る入金予定日別請求額算出装置100によれば、担当者は、入金予定日別の請求額が表示された照会画面を照会することで、債務者から複数の入金予定日についての請求額を問合せされた場合でも、効率良く回答することができる。
【0095】
また、本実施形態に係る入金予定日別請求額算出装置100によれば、ユーザの運用(問合せ業務)や商品性による債務者の要求等に合わせて表示方法を設定することができる。これにより、担当者は、例えば、債務者の返済資金が準備可能な日付を想定し、その前後の請求額を確認することができる。
【0096】
なお、本項目[3-2]では、金融事業者における担当者が債権照会を行う場合の問合せ画面について説明したが、債務者自身が会員サイト(WEBサイト)で債務照会を行う場合の照会画面も、同様の画面構成としてもよい。
【0097】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0098】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0099】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0100】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0101】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0102】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0103】
また、入金予定日別請求額算出装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0104】
例えば、入金予定日別請求額算出装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて入金予定日別請求額算出装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0105】
また、このコンピュータプログラムは、入金予定日別請求額算出装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0106】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0107】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0108】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0109】
また、入金予定日別請求額算出装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、入金予定日別請求額算出装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0110】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、金融債権を取り扱う業界において有用であり、特に、金融機関、ノンバンク、銀行、クレジット業者および貸金業者等においては極めて有用である。
【符号の説明】
【0112】
100 入金予定日別請求額算出装置
102 制御部
102a 回収情報取得部
102b 遅延損害金利率取得部
102c 入金予定日取得部
102d 請求額算出部
102e 督促データ生成部
102f 督促状出力部
102g 照会画面表示部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 回収予定データ
106b 回収実績データ
106c 契約データ
106d 請求額照会コントロールマスタ
106e 督促データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8