(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004846
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】自動バレー駐車場管理システム及び自動バレー駐車場管理方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20250108BHJP
B60W 30/06 20060101ALI20250108BHJP
E04H 6/10 20060101ALI20250108BHJP
E04H 6/00 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
G08G1/14 A
B60W30/06
E04H6/10 A
E04H6/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104706
(22)【出願日】2023-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000101617
【氏名又は名称】アマノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 浩二
(72)【発明者】
【氏名】手塚 忠臣
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241CC01
3D241CC08
3D241CE02
3D241CE04
3D241CE05
5H181AA01
5H181AA27
5H181BB04
5H181BB15
5H181CC04
5H181KK01
5H181KK10
(57)【要約】
【課題】自動バレー駐車場の乗降スペースで利用者が自動運転車両に乗車するときの利便性を向上する。
【解決手段】自動バレー駐車場管理システムは、利用者が乗車するために自動運転車両を自動バレー駐車場の乗降スペースに停車するときの停車方法を、前記自動運転車両毎に決定する駐車場管理装置と、前記自動運転車両を前記乗降スペースに前記決定した停車方法で停車するための指令を、前記自動運転車両に出力する自動バレー管制装置と、を具備する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が乗車するために自動運転車両を自動バレー駐車場の乗降スペースに停車するときの停車方法を、前記自動運転車両毎に決定する駐車場管理装置と、
前記自動運転車両を前記乗降スペースに前記決定した停車方法で停車するための指令を、前記自動運転車両に出力する自動バレー管制装置と、
を具備する自動バレー駐車場管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の自動バレー駐車場管理システムであって、
前記駐車場管理装置は、前記自動バレー駐車場に設置されたカメラにより撮影された、前記利用者が降車するために前記乗降スペースに停車された前記自動運転車両の撮影画像に基づき、前記自動運転車両の停車方法を決定する
自動バレー駐車場管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の自動バレー駐車場管理システムであって、
前記自動運転車両の前記撮影画像は、前記自動運転車両から降車する前記利用者の画像であり、
前記駐車場管理装置は、前記利用者が前記自動運転車両から降車するときの降車方法に基づき、前記自動運転車両の停車方法を決定する
自動バレー駐車場管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の自動バレー駐車場管理システムであって、
前記駐車場管理装置は、前記自動運転車両内を撮影可能なカメラにより撮影された前記自動運転車両内の画像に基づき判断される、前記自動運転車両内の前記利用者の乗車状況及び/又は前記自動運転車両内ハンドルの左右位置に基づき、前記自動運転車両の停車方法を決定する
自動バレー駐車場管理システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の自動バレー駐車場管理システムであって、
前記駐車場管理装置は、前記自動運転車両が前記乗降スペースから出庫するときの走行経路に基づき、前記自動バレー駐車場の構内通路内に、他車両進入禁止エリアを設定する
自動バレー駐車場管理システム。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載の自動バレー駐車場管理システムであって、
前記駐車場管理装置は、前記利用者が前記自動運転車両に乗車するときの乗車方法に基づき、前記自動バレー駐車場の構内通路及び/又は前記乗降スペースに隣接する乗降スペース内に、他車両進入禁止エリアを設定する
自動バレー駐車場管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の自動バレー駐車場管理システムであって、
前記駐車場管理装置は、前記乗車方法がリアハッチの開放を伴う場合、前記リアハッチに面する前記隣接する乗降スペース内に、前記他車両進入禁止エリアを設定する
自動バレー駐車場管理システム。
【請求項8】
請求項6に記載の自動バレー駐車場管理システムであって、
前記駐車場管理装置は、前記乗車方法が前記構内通路に面するドアの開放を伴う場合、前記自動バレー駐車場の構内通路内に、前記他車両進入禁止エリアを設定する
自動バレー駐車場管理システム。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか1項に記載の自動バレー駐車場管理システムであって、
前記停車方法は、前記乗降スペースに対する前記自動運転車両の向きを含む
自動バレー駐車場管理システム。
【請求項10】
請求項1~4のいずれか1項に記載の自動バレー駐車場管理システムであって、
前記駐車場管理装置は、前記利用者が前記自動運転車両に乗車するときの乗車方法に基づき、運転席のドアが前記自動バレー駐車場の構内通路に面しない停車方法を決定する
自動バレー駐車場管理システム。
【請求項11】
請求項1~4のいずれか1項に記載の自動バレー駐車場管理システムであって、
前記駐車場管理装置は、前記利用者が前記自動運転車両に乗車するときの乗車方法に基づき、前記自動運転車両の正面が前記自動バレー駐車場の構内通路に面する停車方法を決定する
自動バレー駐車場管理システム。
【請求項12】
請求項1~4のいずれか1項に記載の自動バレー駐車場管理システムであって、
前記駐車場管理装置は、車両DBに自動運転車両毎に記憶された、前記利用者が前記自動運転車両に乗車するときの乗車方法に基づき、前記停車方法を決定する
自動バレー駐車場管理システム。
【請求項13】
利用者が乗車するために自動運転車両を自動バレー駐車場の乗降スペースに停車するときの停車方法を、前記自動運転車両毎に決定し、
前記自動運転車両を前記乗降スペースに前記決定した停車方法で停車するための指令を、前記自動運転車両に出力する
自動バレー駐車場管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動バレー駐車サービス対応の駐車場における、駐車場管理システム及び駐車場管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今では、駐車場内で駐車スペースに自動で車両が駐車される所謂自動バレー駐車サービスが実現されている。
【0003】
管理装置が、利用者の出庫指示により、乗降エリアに車両を誘導して停車させる際、利用者の所望する通りに車両を乗降エリアに停車させないと、特に、車椅子の利用者は、乗車する際に手間がかかる。また、乗車する際に利用者が車路に出てしまい、他の車両と接触する危険性がある。
【0004】
そのため、管理装置は、利用者との間で対話を行って、利用者が所望する停車位置を確認し、乗降エリアの利用者が所望する停車位置までの走行経路等を確定して、車両を誘導するのがよいが、対話において利用者が要望を提示するのみでは、利用者にとっては対話に手間がかかってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の自動バレーパーキング管理システムには、駐車スペース内に駐車中の自動運転車の移動を受信した場合に、自動運転車を駐車スペースと乗降場の間に位置する待機スペースに移動させ、待機スペースが満車であるか否かを示す満空情報が満車を示している場合に、待機スペースに駐車中の自動運転車のうち、待機開始時刻が最も古い自動運転車を待機スペースから駐車スペースに帰還させる、とされている。
【0007】
しかしながら、特許文献1の自動バレーパーキング管理システムでは、乗降場において、特に、車椅子の利用者が乗車しやすいよう車両の向きを含めた停車位置への誘導に対しては、適切に対応できていない。利用者の要望に応じて、迎車時の乗降エリアでの車寄せの向きや、前後車両との車間を適切に調整することが課題となる。
【0008】
以上のような事情に鑑み、本開示の目的は、自動バレー駐車場の乗降スペースで利用者が自動運転車両に乗車するときの利便性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一形態に係る自動バレー駐車場管理システムは、
利用者が乗車するために自動運転車両を自動バレー駐車場の乗降スペースに停車するときの停車方法を、前記自動運転車両毎に決定する駐車場管理装置と、
前記自動運転車両を前記乗降スペースに前記決定した停車方法で停車するための指令を、前記自動運転車両に出力する自動バレー管制装置と、
を具備する。
【0010】
本実施形態によれば、停車方法を自動運転車両毎に決定するので、利用者の乗車時の利便性に寄与する。
【0011】
前記駐車場管理装置は、前記自動バレー駐車場に設置されたカメラにより撮影された、前記利用者が降車するために前記乗降スペースに停車された前記自動運転車両の撮影画像に基づき、前記自動運転車両の停車方法を決定してもよい。
【0012】
本実施形態によれば、駐車場を利用する毎に停車方法を決定するので、常に利用者のニーズに合った停車方法とすることができ、利用者の乗車時の利便性に寄与する。
【0013】
前記自動運転車両の前記撮影画像は、前記自動運転車両から降車する前記利用者の画像であり、
前記駐車場管理装置は、前記利用者が前記自動運転車両から降車するときの降車方法に基づき、前記自動運転車両の停車方法を決定してもよい。
【0014】
本実施形態によれば、利用者が自動運転車両から降車するときの降車方法に基づき停車方法を決定するので、利用者のニーズに合った停車方法とすることができ、利用者の乗車時の利便性に寄与する。
【0015】
前記駐車場管理装置は、前記自動運転車両内を撮影可能なカメラにより撮影された前記自動運転車両内の画像に基づき判断される、前記自動運転車両内の前記利用者の乗車状況及び/又は前記自動運転車両内ハンドルの左右位置に基づき、前記自動運転車両の停車方法を決定してもよい。
【0016】
本実施形態によれば、利用者の乗車状況等の車両内の状況に基づき停車方法を決定するので、利用者のニーズに合った停車方法とすることができ、利用者の乗車時の利便性に寄与する。
【0017】
前記駐車場管理装置は、前記自動運転車両が前記乗降スペースから出庫するときの走行経路に基づき、前記自動バレー駐車場の構内通路内に、他車両進入禁止エリアを設定してもよい。
【0018】
本実施形態によれば、利用者や車両が他の車両と接触することを防止し、利用者の安全性や車両の安全管理に寄与する。
【0019】
前記駐車場管理装置は、前記利用者が前記自動運転車両に乗車するときの乗車方法に基づき、前記自動バレー駐車場の構内通路及び/又は前記乗降スペースに隣接する乗降スペース内に、他車両進入禁止エリアを設定してもよい。
【0020】
本実施形態によれば、利用者や車両が他の車両と接触することを防止し、利用者の安全性や車両の安全管理に寄与する。また、利用者の乗車時の利便性に寄与する。
【0021】
前記駐車場管理装置は、前記乗車方法がリアハッチの開放を伴う場合、前記リアハッチに面する前記隣接する乗降スペース内に、前記他車両進入禁止エリアを設定してもよい。
【0022】
本実施形態によれば、利用者が乗車時に広い空間でリアハッチを安全に開放でき、利用者の乗車時の利便性に寄与する。また、利用者や車両が他の車両と接触することを防止し、利用者の安全性や車両の安全管理に寄与する。
【0023】
前記駐車場管理装置は、前記乗車方法が前記構内通路に面するドアの開放を伴う場合、前記自動バレー駐車場の構内通路内に、前記他車両進入禁止エリアを設定してもよい。
【0024】
本実施形態によれば、利用者が乗車時に広い空間でドアを安全に開放でき、利用者の乗車時の利便性に寄与する。また、利用者や車両が他の車両と接触することを防止し、利用者の安全性や車両の安全管理に寄与する。
【0025】
前記停車方法は、前記乗降スペースに対する前記自動運転車両の向きを含んでもよい。
【0026】
本実施形態によれば、利用者が安全に乗車しやすい向きに自動運転車両を駐車することで、利用者の安全性、利用者の乗車時の利便性に寄与する。
【0027】
前記駐車場管理装置は、前記利用者が前記自動運転車両に乗車するときの乗車方法に基づき、運転席のドアが前記自動バレー駐車場の構内通路に面しない停車方法を決定してもよい。
【0028】
本実施形態によれば、利用者が運転席から乗車するときに構内通路を歩行する必要が無いため、利用者の安全性、利用者の乗車時の利便性に寄与する。
【0029】
前記駐車場管理装置は、前記利用者が前記自動運転車両に乗車するときの乗車方法に基づき、前記自動運転車両の正面が前記自動バレー駐車場の構内通路に面する停車方法を決定してもよい。
【0030】
本実施形態によれば、利用者がリアハッチを開放するときに構内通路から離れた位置で行えるため、利用者の安全性、利用者の乗車時の利便性に寄与する。
【0031】
前記駐車場管理装置は、車両DBに自動運転車両毎に記憶された、前記利用者が前記自動運転車両に乗車するときの乗車方法に基づき、前記停車方法を決定してもよい。
【0032】
本実施形態によれば、車両の特性により、停車方法を決定できる。
【0033】
本開示の一形態に係る自動バレー駐車場管理方法は、
利用者が乗車するために自動運転車両を自動バレー駐車場の乗降スペースに停車するときの停車方法を、前記自動運転車両毎に決定し、
前記自動運転車両を前記乗降スペースに前記決定した停車方法で停車するための指令を、前記自動運転車両に出力する。
【発明の効果】
【0034】
本開示によれば、自動バレー駐車場の乗降スペースで利用者が自動運転車両に乗車するときの利便性を向上することができる。
【0035】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の一実施形態に係る自動バレー駐車場管理システムの構成例を示す概略図である。
【
図3】自動バレー駐車サービス対応の駐車場11の構成例を示す模式図である。
【
図4】車両平面形状測定カメラによる車両平面形状の測定を模式的に示す。
【
図5】自動運転機能を有する車両の構成例を示す模式図である。
【
図6】駐車場管理装置の機能の概要を示すブロック図である。
【
図7】自動バレー駐車動作(入庫時)の基本的な動作フローである。
【
図11】入場時の車両誘導処理の動作フローである。
【
図13】平面形状測定カメラにより撮影された車両平面形状の例である。
【
図14】場内カメラにより撮影された車両及び利用者の例である。
【
図18】入庫時の車両誘導処理の動作フローである。
【
図20】自動バレー駐車動作(出庫時)の基本的な動作フローである。
【
図23】乗車方法問い合わせ処理の動作フローである。
【
図25】確定乗車方法が、右ハンドル車両の乗車方法であるときの車両の迎車及び出場の経路の例を示す。
【
図26】確定乗車方法が、左ハンドル車両の乗車方法であるときの車両の迎車の経路の例を示す。
【
図27】確定乗車方法が、左ハンドル車両の乗車方法であるときの車両の出場の経路の例を示す。
【
図28】確定乗車方法が、右ハンドル車両でありリアハッチ及びスロープを使用する乗車方法であるときの車両の迎車及び出場の経路の例を示す。
【
図29】変形例に係る自動バレー駐車サービス対応の駐車場の構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
【0038】
1.自動バレー駐車場管理システムの構成
【0039】
図1は、本発明の一実施形態に係る自動バレー駐車場管理システムの構成例を示す概略図である。
【0040】
自動バレー駐車場管理システム500は、駐車場11を利用する利用者から申請される予約の管理、駐車状況の監視、及び駐車場の利用に関する種々の料金の算出等、駐車場11に関する種々の処理を実行可能である。
【0041】
自動バレー駐車場管理システム500は、駐車場サーバ7と、駐車場管理装置5と、自動バレー管制装置37と、決済機関9が有する決済サーバ装置(図示せず)と、ETC(Electronic Toll Collection System)管理機関10が有するETC管理サーバ装置(図示せず)とを有する。
これらの端末及び装置は、ネットワーク1を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク1は、例えばインターネットや広域通信回線網等により構築される。
その他、任意のWAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)等が用いられてよく、ネットワーク1を構築するためのプロトコルは限定されない。
【0042】
駐車場管理装置5及び自動バレー管制装置37は、駐車場11に設置される。後に説明するように、本実施形態では、駐車場管理装置5及び自動バレー管制装置37を中心として、本発明に係る自動バレー駐車場管理システム500が構築される。
駐車場管理装置5は、駐車場11内に設置される各装置の動作を包括的に制御することが可能である。
また、駐車場管理装置5は、駐車場11内に設置される各装置から種々の情報を集約し、駐車場サーバ7及び自動バレー管制装置37等に送信することが可能である。駐車場管理装置5は、駐車場サーバ7等から種々の情報を受信し、種々の動作を実行することが可能である。
【0043】
駐車場管理装置5は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等のコンピュータの構成に必要なハードウェアを有する。
また駐車場管理装置5は、ネットワーク1を介して他の装置と通信するための通信部を有する。通信部としては、例えばWiFi(登録商標)等の無線LANモジュールや、モデムやルータ等の通信機器が用いられる。
駐車場管理装置5として、例えばPC(Personal Computer)等の任意のコンピュータが用いられる。
【0044】
駐車場管理装置5は、ビッグデータとしてのデータベースを管理する外部装置と通信可能でもよい。ビッグデータは、例えば、多数の車両データが記憶されている都市国家、実験的自治体、コミュニティのビッグデータでよい。駐車場管理装置5は、利用者やメーカ等がアクセス可能な外部装置と通信可能でもよい。
【0045】
図1に示す例では、駐車場11にゲート装置28(入口ゲート装置28a及び出口ゲート装置28b)が設置されている。ゲート装置28は、車両の入場/出場を規制することが可能である。また、駐車場11は全体を監視システム24(
図3)によって監視されている。
なお、ゲート装置が設置されない所謂ゲートレス駐車場に対しても、本発明を適用することが可能である。
【0046】
利用者端末装置6は、駐車場11を利用する利用者により使用される端末である。利用者端末装置6として、スマートフォン、タブレット端末、種々のPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末や、ノートPC(Personal Computer)等の、任意のコンピュータが用いられてよい。
【0047】
駐車場サーバ7は、本実施形態に係る自動バレー駐車サービスをWebサービスとして提供可能である。本実施形態では、複数のサーバ装置(図示しない)と、データベース(DB)とにより駐車場サーバ7が構成される。
【0048】
駐車場サーバ7の各サーバ装置は、CPU、ROM、RAM、HDD等のコンピュータの構成に必要なハードウェアを有する。また各サーバ装置は、ネットワーク1を介して他の装置と通信するための通信部を有する。通信部としては、例えばWiFi等の無線LANモジュールや、モデムやルータ等の通信機器が用いられる。サーバ装置として、例えばPC等の任意のコンピュータが用いられる。
【0049】
駐車場サーバ7のDBは記憶部として機能し、本自動バレー駐車サービスに関する種々の情報を記憶する。例えば駐車場サーバ7のDB内には、例えば、車両DB101(
図2)、予約情報DB、在車DB、駐車場DB、提携店舗DB、割引DB、出庫情報DB、オーナ情報DB、種々の履歴DB、管理情報DB、降車パターンDB(後述)、乗車方法DB(後述)等の、種々のDB及びテーブルが構築されてもよい。各種のDB及びテーブルは、駐車場サーバ7内のDBサーバにより包括的に管理され、例えば自動バレー駐車サービスを利用する利用者の会員登録及び退会、各利用者から受付けた予約情報の登録、変更及び削除、駐車場11のオーナ情報の登録及び保管、運営収支情報の記録及び保管等が実行される。
【0050】
【0051】
車両DB101は、駐車場11を利用する車両の車両ID(ナンバー、WCN(Wireless Call Number)等)毎に、会員番号、会員種別、車両情報、乗車人数、車椅子の有無、降車方法、1以上の乗車方法案、確定乗車方法等を関連付けて記憶する。
【0052】
また駐車場サーバ7により、例えばWWW(World Wide Web)システムを用いて、本実施形態に係る自動バレー駐車サービスが提供される。例えばWebサーバは、HTML文書でなる種々のWebページを作成する。Webページには、他のWebページへのハイパーリンクや、種々の処理を実行するためのリンク情報(例えば実行ファイル名、URL等)が埋め込まれる。
また駐車場サーバ7内のWeb/APIサーバにより、種々のリクエストに応じた種々の処理が実行される。例えばWeb/APIサーバにより、駐車場11の満空車情報の収集及び出力等が実行される。
駐車場サーバ7内により生成されたWebページは、
図1に示す各装置に備えられるWebブラウザにより画面上に表示される。例えば駐車場11を利用する利用者は、利用者端末装置6を操作することで、種々のWebページを閲覧したり、種々のWebアプリケーションを利用したりすることが可能である。
【0053】
決済機関9は、例えば銀行や信販会社等であり、銀行振り込みやクレジットカード決済(交通系カード決済や二次元コード決済を含む)等により駐車料金の決済(精算)を実行する。駐車場サーバ7は、決済機関9の決済サーバ装置に対して、駐車料金の精算の指示や、精算が済んでいるか否か等の精算情報の問い合わせ等を実行する。
【0054】
ETC管理機関10は、ETCシステムを実現するための機関であり、ETCシステムを利用する利用者の情報、ETCカード情報、決済情報、及び車両情報等を管理する。例えば、車両に搭載されたETC車載器にETCカードを挿入する。これにより、ETCアンテナが設置されたETC対応(具体的にはETC2.0対応)の駐車場11に対して、ETC決済による駐車場11の利用が可能となる。
【0055】
車両メーカ12は複数あり、夫々の純正の車両やパーツ等における自動運転に関連する機能のソフトウェアの更新情報を提供する。また、純正でないパーツやユニットの制御プログラムを提供するサードパーティも車両メーカ12の範疇とする。
【0056】
2.自動バレー駐車システム
【0057】
本発明は、自動バレー駐車サービスを提供する駐車場11に対して適用可能である。自動バレー駐車システムは、自動運転機能(自律走行機能)を有する車両による自動バレー運転(自動バレー駐車すなわち自動バレー入庫運転と、自動バレー出庫運転)が実行可能なシステムである。自動バレー駐車システムが構築された駐車場11は、自動バレー駐車サービス対応の駐車場11とも言える。
【0058】
例えば利用者は、利用者端末装置6を操作して、自動バレー駐車サービスを提供するアプリケーションにアクセスする。そして必要な情報を入力して会員登録等を行うことで、自動バレー駐車サービスを利用することが可能となる。
本実施形態では、
図1に示す自動バレー駐車場管理システム500に含まれるシステムとして、自動バレー駐車システムが構築される。すなわち駐車場サーバ7により提供される駐車場管理サービスに含まれるサービスとして、自動バレー駐車サービスが提供される。駐車場サーバ7のDBには、自動バレー駐車システムに関する種々のDBが構築される。
これに限定されず、自動バレー駐車場管理システム500とは別のシステムとして、自動バレー駐車システムが構築されてもよい。例えば、
図1には図示していない別の管理装置等により自動バレー駐車システムが構築され、駐車場11と個別に契約等が行われてもよい。
その他、自動バレー駐車システムを構築するための構成や方法等は限定されない。
【0059】
例えば利用者は、利用者端末装置6を操作して、自動バレー駐車の予約を行う。そして予約時間に合わせて、自動運転機能を有する車両を手動で運転(手動運転モード)して、駐車場11内に入場する。もちろん自動運転でも構わない。
利用者は、駐車場11内の所定の位置に設けられた自動バレー駐車サービス対応の駐車スペース(以下、自動バレー乗降スペースと記載する)に車両を駐車する。そして、車両から降りた利用者により、自動バレー駐車の実行が指示される。自動バレー駐車の実行の指示は、例えば利用者端末装置6を介して実行される。あるいは、駐車場11内に設定された専用の端末等(事前精算機22、キオスク端末等)が操作されてもよい。
当該指示に応じて、車両は無人による自動運転により、駐車場11内の所定の駐車スペースに移動し、車両を駐車させる(自動バレー入庫運転)。なお予約をすることなく、好きな時間に駐車場11内に入場して、自動バレー駐車を実行させることも可能である。
利用者が駐車場に戻ってくる際には、例えば何分後に駐車場内の自動バレー乗降スペースに、自動運転機能を有する車両を移動させる旨等の指示が入力される。当該指示に応じて、車両は無人による自動運転により、駐車スペースから自動バレー乗降スペースに車両を移動させ駐車させる(自動バレー出庫運転)。
以下、自動バレー駐車サービス対応の駐車場11を例に挙げて、本実施形態を説明する。
【0060】
3.駐車場の構成例
【0061】
図3は、自動バレー駐車サービス対応の駐車場11の構成例を示す模式図である。
【0062】
駐車場11は、入場口15、出場口16、構内通路17、複数の駐車エリア18、自動バレー乗降スペース19(乗車場)、乗降エリア23、階段20、エレベータ21(エレベータホール)、事前精算機22及び案内装置(図示しない)を有する。
【0063】
入場口15から駐車場11の内部に向かって入場レーンが構成される。入場レーン27には、入口ゲート装置28a及び入口カメラ29aが設けられる。
入口ゲート装置28aにより、入場レーン27から駐車場11内部への自動運転車両3の入場が適宜規制される。
入口カメラ29aにより、入場レーン27に進入した車両3を撮影することが可能であり、入場レーン27への自動運転車両3の進入が検出される。入場レーン27に設けられた入口ループコイル(不図示)から出力される信号に基づいて、入場レーン27への自動運転車両3の進入が検出されてもよい。
【0064】
駐車場11内部から出場口16に向かって出場レーン29が構成される。出場レーン29には、出口ゲート装置28b、及び出口カメラ29bが設けられる。
出口ゲート装置28bにより、出場レーン29から駐車場11外部への車両3の出場が適宜規制される。
出口カメラ29bにより、出場レーン29に進入した自動運転車両3を撮影することが可能であり、出場レーン29への自動運転車両3の進入が検出される。出場レーン29に設けられた出口ループコイル(不図示)から出力される信号に基づいて、出場レーン29への自動運転車両3の進入が検出されてもよい。
各デバイスの具体的な構成は限定されず、任意の構成が採用されてよい。
【0065】
また
図3の図示は省略しているが、入場レーン27及び出場レーン29には、ETC車載器を搭載した自動運転車両3を検出する、入口ETCアンテナ30a及び出口ETCアンテナ30b(
図1)がそれぞれ設置されている。入口ETCアンテナ30a及び出口ETCアンテナ30bは路側器34(
図1)に接続される。
【0066】
構内通路17は、駐車場11に入場した自動運転車両3が走行する通路である。
図3では、二重の略長方形状により、自動運転車両3が図示されている。
図3に示すように、構内通路17に対して、自動運転車両3の走行方向を規定する標識(矢印等)が設けられてもよい。
図3では構内通路17では車両は左回りの一方通行であるが、左側通行の相互対面通行でもよい。また、歩行者等が歩くための通路が規定されてもよい。
【0067】
複数の駐車エリア18は、駐車場11内に設けられる。
図3に示す例では、スペースナンバーがA1、B1、C1、D1、E1、F1、G1となる、複数の駐車エリア18が配置される。
駐車エリア18は、自動バレー駐車を実行する複数の自動運転車両3が横列駐車可能なスペースである。
駐車スペースは、構内通路17である車路と駐車エリア18とを区画し車両幅方向に延在する区画線を有する。一方、駐車エリア18は、フリースペースであってもよく、横列駐車する複数の自動運転車両3の駐車位置が区切られていなくてもよい。
【0068】
自動バレー乗降スペース19は、自動バレー駐車サービス対応の駐車スペースである。すなわち自動バレー乗降スペース19は、ドライバや同乗者等の利用者が自動バレー駐車場を実行する自動運転車両3から降りたり、乗ったりするためのスペースである。
図3に示す例では、入場口15に近い位置に、スペースナンバーがV1~V5となる5つの自動バレー乗降スペース19が設けられる。例えば、自動バレー駐車サービスを利用する利用者は、入場口15から駐車場11に入場した後、自動運転又は手動運転にて、右折して自動バレー乗降スペース19に自動運転車両3を駐車させる。そして自動バレー乗降スペース19にて、自動運転車両3から降り、自動バレー駐車の実行を指示する。そして、自動運転車両3が、自動バレー乗降スペース19から、いずれかの駐車エリア18に移動する。
自動バレー駐車サービスを利用する利用者が駐車場11に戻ってきた場合には、そのタイミングに合わせて、駐車エリア18から自動バレー乗降スペース19に、自動運転車両3が移動する。自動運転車両3に自動バレー駐車動作(出庫時)を指示する手段は後述する。利用者は、自動運転車両3に乗り込み、自動運転又は手動運転にて、出場口16から外部に自動運転車両3を出場させる。
【0069】
自動バレー乗降スペース19の隣であって、車両3が通行する構内通路17と反対側には、乗降エリア23がある。乗降エリア23は、車両3から乗降する利用者が歩行したり、車椅子に乗り降りしたり、荷物を出し入れする歩行者向けのエリアである。
【0070】
図4は、車両平面形状測定カメラによる車両平面形状の測定を模式的に示す。(A)は平面図、(B)は矢視図、(C)は車両平面形状測定カメラにより測定された平面形状である。
【0071】
車両平面形状測定カメラ33は、スペースナンバーがV1~V5となる5つの自動バレー乗降スペース19の天井にそれぞれ設置された監視カメラでよい。車両平面形状測定カメラ33は、利用者(ドライバ、同乗者を含む)が降車するために自動バレー乗降スペース19に停車された車両3と、車両3から降車する利用者とを撮影する。
各デバイスの具体的な構成は限定されず、任意の構成が採用されてよい。
【0072】
事前精算機22は、駐車場11の利用者が駐車場11から自動運転車両3を出場させる前に事前精算を実行することが可能な装置である。例えば、タッチパネル等を有する装置が、事前精算機22として設置される。
案内装置(図示しない)は、駐車場11及び本自動バレー駐車場管理システム500(自動バレー駐車システムを含む)に関する種々の情報を案内するための装置である。例えばディスプレイ装置等を有し案内情報を表示可能な装置等が、案内装置として用いられる。
【0073】
駐車場を監視して自動バレーサービスをサポートするシステムとして、
図3に示すように、以下のデバイスが、駐車場内に設置される。
【0074】
主に構内通路17を撮影する場内カメラ32(図中の白丸)、入口カメラ29a、出口カメラ29b、車両平面形状測定カメラ33はそれぞれ、自動バレー駐車場管理システム500における複数の監視カメラ(以下、個別に説明する場合を除き、これらを総称してカメラともいう)として機能する。本開示にて説明する上述の各種カメラとして、例えばCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサやCCD(Charge Coupled Device)センサ等のイメージセンサを備える単眼デジタルカメラが用いられる。その他、赤外線カメラ等が用いられてもよい。
【0075】
自動バレー駐車場管理システム500は、駐車場11の監視結果として、監視情報を出力することが可能である。本実施形態では、各種カメラにより撮影された撮影画像や、各種マイクにより取得された音声が監視情報として出力される。
なお本開示において、画像は、静止画像及び動画像(映像)の両方を含む。
場内カメラ32は、駐車場11の全体を極力カバーできるように配置される。すなわち可能な限り死角が存在しないように、複数の場内カメラ32が適宜配置される。
【0076】
4.自動バレー駐車場管制システム
【0077】
図1を参照して、自動バレー駐車場管理システム500の構成例を説明する。
自動バレー駐車場管理システム500は、駐車場11に対して構築されるシステムである。
図1に例示する自動バレー駐車場管理システム500は、駐車場管理装置5、事前精算機22、自動バレー管制装置37、入口ゲート装置28a、出口ゲート装置28b、路側器34、入口ETCアンテナ30a、出口ETCアンテナ30b、入口カメラ29a、出口カメラ29b、場内カメラ32、車両平面形状測定カメラ33を含む。
図1に示す各ブロックは、例えば駐車場11の構内に設置された図示しない構内LANを介して、互いに通信可能に接続されている。その他、無線/有線を介した任意の通信技術が用いられてもよい。
【0078】
自動バレー管制装置37は、自動バレー駐車システム500を構築するための装置である。本実施形態では、自動バレー管制装置37が、駐車場サーバ7や駐車場管理装置5と協働することで、自動運転車両3による自動バレー運転が管理される。
例えば、自動バレー管制装置37により、自動運転車両3による自動運転動作が制御される。例えば、自動バレー乗降スペース19から所定の駐車エリア18への自動運転が指示される。あるいは、所定の駐車エリア18から自動バレー乗降スペース19への自動運転が指示される。
その他、自動バレー駐車場の予約管理等、種々の処理が実行される。
自動バレー管制装置37は、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD等のコンピュータの構成に必要なハードウェアを有する。また自動バレー管制装置37に、ネットワーク1を介して他の装置と通信するための通信部が備えられる。通信部としては、例えばWiFi等の無線LANモジュールや、モデムやルータ等の通信機器が用いられる。
自動バレー管制装置37として、例えばPC等の任意のコンピュータが用いられる。
【0079】
駐車場管理装置5のDBには、駐車場11に関する種々のデータが格納され、例えば在車DBや履歴DB等の任意のDBが構築される。もちろん駐車場サーバ7のDBに格納されたデータが共有される場合もあり得る。
また自動バレー駐車に関する種々の情報が駐車場管理装置5のDBに記憶される。なお、上述の車両情報等は、駐車場管理装置5のDBではなく、駐車場サーバ7のDBに格納されてもよい。
【0080】
5.自動運転車両
【0081】
図5は、自動運転機能を有する車両の構成例を示す模式図である。
【0082】
自動運転車両3は、通信部41と、車載カメラ類42と、画像処理装置43と、ETCアンテナ44と、ETC車載器45と、制御部46と、車内及び車外センサ類59と、カーナビゲーション装置60と、GPS受信機/ビーコン受信機61とを有する。
通信部41は、他の装置と通信するためのデバイスである。本実施形態では、通信部41を介して、自動バレー管制装置37からの指示等を含む種々の情報が取得される。
通信部41としては、例えばDSRC(dedicated short range communication)等の通信機器が用いられる。その他昨今のコネクテッドカー規格に準じた任意の通信デバイスが用いられてよい。
【0083】
車載カメラ類42は、自動運転車両3の周囲、及び自動運転車両3の車内の乗員を撮影可能である。車載カメラ類42は、ドライブレコーダのカメラを含んでもよい。
車載カメラ類42としては、CCDカメラ等のデジタルカメラが用いられる。その他、ToF(Time of Flight)カメラやステレオカメラ等の測距デバイスが用いられてもよい。また赤外線カメラ等が用いられてもよい。
画像処理装置43は、車載カメラ類42により撮影された画像に基づいて、自動運転車両3の周囲の状況を認識する。状況認識のためのアルゴリズムは限定されない。
ETCアンテナ44、及びETC車載器45により、ETC決済による駐車場11の利用が可能である。
【0084】
制御部46は、CPU、ROM、RAM、HDD等のコンピュータの構成に必要なハードウェアを有する。
図5に示す例では、制御部46により、ソフトウェアブロックとして、走行ルート生成部47、走行制御部48、車両・人認識部57、電装制御部58及び更新管理部62が実現される。
走行ルート生成部47は、自動バレー管制装置37からの指示、画像処理装置43による認識結果、駐車場11の地図情報等に基づいて、自動運転を行う走行ルートを決定する。
走行制御部48は、決定された走行ルートに沿った自動運転を実現するために、自動運転車両3が備える駆動系(図示は省略)等を適宜制御する。
例えば
図5に例示するように、走行制御部48により、エンジン・モータ制御装置49、ブレーキ制御装置50、ヘッドライト制御装置51、ハザードランプ(ウィンカー)制御装置52、及びクラクション制御装置53等に制御信号が出力される。これにより走行ルートに沿った自動運転や、危機回避運動等が実現される。
その他、自動運転を実現するための周知の技術が適宜されてよい。
【0085】
本自動バレー駐車場管理システム500では、後述するように、駐車場11内を通行する個々の車両を識別、捕捉、追尾することで、各車両の走行位置や駐車位置などを監視することが可能に構成される。
【0086】
車両・人認識部57は、車載カメラ類42が撮影した、自動運転車両3の車内外の乗員の画像から、乗員の顔や歩行者等を認識し、また、自動運転車両3の周囲の駐車中や走行中の車両を認識する。
【0087】
電装制御部58は、ドアロック制御装置54、窓動作制御装置55、及び空調制御装置56に制御信号を出力する。
【0088】
6.駐車場管理装置の機能の概要
【0089】
図6は、駐車場管理装置の機能の概要を示すブロック図である。
【0090】
駐車場管理装置5は、駐車スペース管理機能77、駐車場管制機能78、駐車料金管理機能79、駐車場管理装置通信機能76、自動バレー駐車受付機能70、車両情報収集機能71、乗降スペース状況収集機能72、乗車イメージ決定機能73、乗車方法問い合わせ機能75、走行ルート設定機能74を有する。
これらのブロックは、駐車場管理装置5のCPUが所定のプログラムを実行し、装置内のハードウェア資源と協働することで構成され、本実施形態に係る駐車場管制方法が実現される。
駐車場管理装置5にプログラムをインストールする方法は限定されない。
【0091】
駐車場管制機能78は、駐車場11の管制に関する種々の処理を実行する。
例えば、車両の検知、ゲート装置28の制御、監視システム24に含まれる各デバイスの制御、事前精算機22の制御、案内装置(図示しない)の制御、事前精算の確認、
図1に示すネットワーク1上の他の装置との通信、駐車場DBへの情報の書き込みや読出し、その他、駐車場11の管制に関する種々の処理を実行する。これらの機能のうち、自動バレー管制装置37においては、自動運転車両3の動作を管制制御するが、簡単のため駐車場管理装置5および自動バレー管制装置37は一体的に動作するものとする。
【0092】
なお、
図1に例示する自動バレー駐車場管理システム500において、駐車場サーバ7を除いた構成で、本発明に係る自動バレー駐車場管理システム500が実現されてもよい。例えば、駐車場管理装置5のみにより、本発明に係る自動バレー駐車場管理システム500が実現されてもよい。
【0093】
7.自動バレー駐車動作(入庫時)
【0094】
図7は、自動バレー駐車動作(入庫時)の基本的な動作フローである。
【0095】
自動運転機能を有する自動運転車両3が駐車場11に手動運転により入場する(ステップS1)。駐車場管理装置5は、入口ゲート付近で又は自動バレー乗降スペース19に誘導する前に、入口カメラ29a、入口ETCアンテナ30a、場内カメラ32等の認識結果より、入場する自動運転車両3の情報を収集する(ステップS2)。
【0096】
【0097】
例えば、駐車場管理装置5は、入口カメラ29a、入口ETCアンテナ30a、場内カメラ32のデータから、車両ID(ナンバー、WCN等)を読み取る(ステップS11)。
【0098】
駐車場管理装置5は、駐車場サーバ7の車両DB101(
図2)を照会し、該当する自動運転車両3の車両IDを検索する(ステップS12)。車両DB101に該当する車両IDが登録されている場合(ステップS13、YES)、駐車場管理装置5は、車両DB101を読み込み、該当する車両IDの情報(会員番号、会員種別、車両情報、乗車人数、車椅子の有無、降車方法、1以上の乗車方法案等)を取得する(ステップS14)。
【0099】
一方、車両DB101に該当する車両IDが登録されていない場合(ステップS13、NO)、駐車場管理装置5は、入口カメラ29a、入口ETCアンテナ30a、場内カメラ32のデータから、車両の情報を収集する(ステップS15)。車両の情報は、例えば、ナンバー(軽自動車、小型・普通自動車、等)、形(セダン、ワゴン、ワンボックス、SUV、等)、福祉車両、身障者が利用する車両、等である。駐車場管理装置5は、収集した車両情報を、車両IDと紐づけ、車両DB101に保存する(ステップS16)。
【0100】
図7で、駐車場管理装置5は、乗車状況(利用者の車両3内での乗車中の状況)を収集する(ステップS3)。
【0101】
【0102】
入口カメラ29a、場内カメラ32、車載カメラ類42は、車両3内を撮影する(ステップS21)。駐車場管理装置5は、入口カメラ29a、場内カメラ32、車載カメラ類42のデータから、車両3内の乗車状況(乗車人数、高齢者や幼児等の年齢層、車椅子の有無等)やハンドルの左右位置を確認する(ステップS22)。駐車場管理装置5は、収集した乗車状況(乗車人数、高齢者や幼児等の年齢層、車椅子の有無等)を、車両IDと紐づけ、車両DB101に保存する(ステップS23)。
【0103】
図10は、車両内の撮影画像の例である。なお、車両内の撮影画像は、場内カメラ32か車載カメラ類42のいずれによる撮影でもよい。
【0104】
例えば、駐車場管理装置5は、(A)の画像から、乗員人数4人、高齢者1人、児童1人、右ハンドル、車椅子利用無し、と判断する。駐車場管理装置5は、(B)の画像から、乗員人数1人、左ハンドル、車椅子利用無し、と判断する。
【0105】
図7で、駐車場管理装置5は、自動バレー乗降スペース19に車両3を誘導する(ステップS4)。
【0106】
【0107】
駐車場管理装置5は、入口カメラ29a、場内カメラ32、車載カメラ類42の撮影した画像から、自動バレー乗降スペース19を決定する(ステップS41)。なお、撮影した画像からは、自動バレー乗降スペース19にて、他車両とのすれ違い走行が可能かどうか(構内通路17側のドアが開いたときに他車両が安全に走行できるか、利用者が安全に降車できるかどうか)も把握できる。例えば大人数の乗車の場合、通路側のドアが開く可能性があるから、複数の乗降スペースの中から奥側の自動バレー乗降スペースV1に決定して誘導することで、他車両との接触などを抑制することができる。駐車場管理装置5は、入口ゲート前にて、車両3を自動運転モードに切り替え、入口ゲートを開けて、決定した自動バレー乗降スペース19に車両3を誘導し停車させる(ステップS42)。なお、自動運転モードに切り替えない場合は、自動バレー管制装置37は、車両3に対して、決定した乗降スペースを通知して、利用者が通知に従って運転することもあり得る。
【0108】
図7で、駐車場管理装置5は、自動バレー乗降スペース19に停車された車両3の利用者の乗車状況を確認する(ステップS5)(
図6の乗降スペース状況収集機能72)。
【0109】
【0110】
自動バレー乗降スペース19には、場内カメラ32の他に、平面形状測定カメラ33がある。これらの場内カメラ32、平面形状測定カメラ33は、車両3及び降車の際の利用者の状況を撮影する(ステップS51)。駐車場管理装置5は、撮影された画像により、乗降スペース19に駐車された車両3から降車する利用者の状況や降車方法の情報を収集する(ステップS52)。降車方法の情報は、例えば、利用者の降車人数や、ドアの位置、ドア開閉の有無、リアハッチ利用の有無、スロープ利用の有無、車椅子利用の有無等である。
【0111】
図13は、平面形状測定カメラにより撮影された車両平面形状の例である。
【0112】
利用者の降車方法は、車両ドアを開けて利用者が降車するだけではない。例えば、平面形状測定カメラ33により測定された(A)の画像の様に車両運転席ドアから利用者が車椅子81を出して利用者が車椅子81に乗車する場合がある。あるいは、平面形状測定カメラ33により測定された(B)の画像の様に車両後部のリアハッチ83からスロープ82を出して、介助者が車椅子81を下して利用者が降車する場合等が考えられる。これらの例の場合、車両データの全幅の寸法より大きな形状で、形状の中に車椅子81が認識される。
【0113】
図14は、場内カメラにより撮影された車両及び利用者の例である。
【0114】
自動バレー乗降スペース19に、前の車両3a、後ろの車両3bが縦列して停車している。(A)の画像は、車両3a側から、車両3a、3bを場内カメラ32が撮影した画像である。(B)の画像は、車両3b側から、車両3a、3bを場内カメラ32が撮影した画像である。(A)の画像は、右ハンドルの車両3a、右前のドアから降車したドライバU1、左後のドアから降車した同乗者U2、車両3aの後ろに停車した車両3bを含む。(B)の画像は、車両3bの運転席から降車したドライバU3、ドライバU3の補助により車両3bのリアハッチから降車した車椅子の同乗者U4を含む。
【0115】
駐車場管理装置5は、利用者が降車している状況の撮影画像から、利用者の降車方法を確定する。駐車場管理装置5は、撮影した画像から得られた情報(車椅子の有無等)は、車両IDとともに車両DB101に保存する(ステップS53)。駐車場管理装置5は、予め、想定される降車方法をパターン化して降車パターンを降車パターンDB102に登録しておき、利用者の降車方法から、降車がどのパターンに該当するかを判断してもよい。
【0116】
【0117】
降車パターンDB102には、降車パターン1,2,3…毎に、運転席左右、降車位置(左前、右前、左後、右後)、スロープ有無、乗車方法等を関連付けて記憶する。運転席左右は、ハンドル位置(左ハンドル、右ハンドル)を意味する。降車位置は、降車時に開放するドアであり、運転席左右位置及び同乗者の有無に依存する。スロープ有無は、リアハッチを開放して使用する車椅子用スロープの有無である。
【0118】
図7で、駐車場管理装置5は、自動バレー乗降スペース19に停車された車両3や利用者の降車方法(又は降車パターン)、入口ゲートで撮影画像等に基づき確認した乗車状況やハンドルの左右の状態から、乗車方法を決定する(ステップS6)(
図6の乗車イメージ決定機能73)。乗車方法とは、自動バレー乗降スペース19に停車された車両3から降車した利用者が、後に、自動バレー乗降スペース19に停車された車両3に乗車するときの乗車方法を意味する。
【0119】
【0120】
駐車場管理装置5は、撮影された車両平面形状及び車いすの位置(
図13)、車両情報(左ハンドル等)、乗車状況(乗車人数、高齢者や幼児等の年齢層、車椅子の有無等)、入力情報等から、降車パターンを決定する(ステップS61)。駐車場管理装置5は、降車パターンDB102から、決定した降車パターンに関連付けられた乗車方法を決定する(ステップS62)。駐車場管理装置5は、決定した乗車方法(決定乗車方法)と、この決定乗車方法に類似する1以上の他の乗車方法(乗車方法案1,2…)を、車両IDに関連付けて車両DB101に保存する(ステップS63)。
【0121】
例えば、左ハンドル車の運転席側から利用者が車椅子に移動して降車した場合は、乗車する際は乗降エリア23側から車両3に乗車するために、駐車場管理装置5は、車両3を構内通路17で転回して乗降スペースに駐車する、という乗車方法に決定する。例えば、ワンボックス車のリアハッチからスロープを出して介護者が利用者の乗った車椅子を下ろした場合は、乗車する際は乗降スペースより広いスペースを必要とするため、駐車場管理装置5は、隣同士の乗降スペースを2つ確保して、乗降スペースに駐車する、という乗車方法に決定する。
【0122】
この様に、駐車場管理装置5は、乗降エリア23において、利用者の降車状況等をカメラで確認し、確認した利用者の降車状況等から、乗車時の乗車方法を決定する。
【0123】
駐車場管理装置5は、予め、複数の降車方法のそれぞれに適切な複数の乗車方法をパターン化して乗車パターンを乗車方法DB103に登録しておき、降車方法に適切な乗車方法を選択して決定してもよい。また、特定した乗車方法に類似する、他の乗車方法(乗車方法案)も併せて、決定しておいてもよい。
【0124】
【0125】
乗車方法DB103には、乗車方法1,2,3…毎に、進行方向の左右、構内通路の規制有無(他車両進入禁止有無)、車両後方の規制有無(他車両進入禁止有無)等を関連付けて記憶する。進行方向の左右は、ハンドル位置(左ハンドル、右ハンドル)に依存する。構内通路の規制有り(他車両進入禁止有り)は、車両3を自動バレー乗降スペースに停車したときに構内通路17側のドアを大きく開放する必要があり(例えば、構内通路17側のドアから車椅子に乗り降りする)、その付近を他車両進入禁止エリアとする必要があることを意味する。車両後方の規制有り(他車両進入禁止有り)は、車両3を自動バレー乗降スペースに停車したときにリアハッチを開放する必要があり(例えば、リアハッチから車椅子に乗り降りする)、その付近を他車両進入禁止エリアとする必要があることを意味する。
【0126】
図7で、駐車場11内の自動バレー乗降スペース19に駐車した自動運転車両3から降りた利用者により、自動バレー駐車の実行が指示される。自動バレー駐車の実行の指示は、例えば利用者端末装置6(スマートフォン等)を介して実行される。なお、利用者端末装置6は利用登録され、車両IDとペアリングされているため、車両を指定する必要はない。あるいは、駐車場11内に設定された専用の端末等が操作されてもよい。駐車場管理装置5は、自動バレー駐車の実行の指示を受け付けると(ステップS7、YES)、駐車スペースに自動運転車両3を誘導する(ステップS8)。
【0127】
図18は、入庫時の車両誘導処理の動作フローである。
図19は、車両の入場及び駐車の経路の例を示す。図中の白矢印は、バック走行を示す(以下同じ)。
【0128】
駐車場管理装置5は、利用者から指定された自動運転車両3の入庫通知を受け取ると、指定された自動運転車両3に対して、運転モードを手動運転モードから自動運転モードに変更する処理を行う。駐車場管理装置5は、収集した車両情報等から、空いている駐車スペース26を最終駐車スペースとして選定し(ステップS71)、選定した駐車スペース26に自動運転モードになった自動運転車両3を誘導する(ステップS72)。
【0129】
8.自動バレー駐車動作(出庫時)
【0130】
図20は、自動バレー駐車動作(出庫時)の基本的な動作フローである。
図21及び
図22は、利用者端末装置の表示例である。
【0131】
利用者は、利用者端末装置6を使用して、利用者の車両3を自動バレー乗降スペース19まで出庫(迎車)するよう、駐車場管理装置5に出庫指示を送り、問合せを開始する(ステップS81)。なお、利用者端末装置6は利用登録され、車両IDとペアリングされているため、車両を指定する必要はない。
図21の(1)は、出庫の問合せを開始する画面の一例である。
【0132】
駐車場管理装置5は、利用者からの出庫指示を受け取ると、乗車方法の問い合わせを開始する(ステップS82)(
図6の乗車方法問い合わせ機能75)。
【0133】
図23は、乗車方法問い合わせ処理の動作フローである。
【0134】
駐車場管理装置5は、利用者端末装置6から出庫指示を受信し、受信した出庫指示から車両IDを取得する(ステップS91)。駐車場管理装置5は、受信した車両IDで車両DB101を検索し(ステップS92)、車両IDに関連付けられた1以上の乗車方法案を車両DB101から検索する。駐車場管理装置5は、車両IDに関連付けられた確定乗車方法(前に使用された乗車方法)がある場合には確定乗車方法も車両DB101から検索する(ステップS93)。
【0135】
図21の(2)に示す様に、駐車場管理装置5は、1つの乗車方法案又は確定乗車方法を利用者端末装置6に送信し(ステップS94)、利用者がこの乗車方法で車両3に乗車するための車両3の停車方法を示すイメージ201を、車両3や自動バレー乗降スペースV1のイメージ等を用いて利用者端末装置6に表示させる。なお、利用者が視覚的に理解しやすいように、入庫時に撮影した車両3の画像を基に、車両3のイメージを作成してもよい。具体的には、駐車場管理装置5は、車両3と、車両3が停車された自動バレー乗降スペース19と、自動バレー乗降スペース19に停車された車両3に乗車するときに利用者が歩行可能なエリアである乗降エリア23とを含むイメージ201を、停車方法を示すイメージ201として、利用者端末装置6に表示する。「停車方法」は、自動バレー乗降スペースV1、V2…に対する車両3の向きを含む。
【0136】
図21の(2)に示す画面において、利用者は、利用者端末装置6に表示された停車方法を示すイメージ201を選択する場合には、決定ボタン202を選択する。一方、利用者は、利用者端末装置6に表示された停車方法を変更する場合には、変更ボタン203を選択する。
【0137】
変更ボタン203が選択されると、駐車場管理装置5は、複数の乗車方法案の中から所望する乗車方法を横スクロールして選択するためのGUI207を、利用者端末装置6に表示させる。ここでは、利用者がそれぞれの乗車方法で車両3に乗車するための車両3の停車方法を示すイメージ208を表示する。さらに、駐車場管理装置5は、利用者が車両3に乗車するときの追加情報「車椅子」、「スロープ」及び「大荷物あり」を選択するためのGUI204,205,206を、利用者端末装置6に表示させる。利用者は、「車椅子」、「スロープ」及び「大荷物あり」の有無の状況を選択する。追加情報である「車椅子」、「スロープ」及び「大荷物あり」は、いずれも、車両3のリアハッチの開放を伴う。追加情報である「スロープ」は、乗車補助具である車椅子用スロープの使用を伴う。
【0138】
図21の(3)に示す様に、利用者が「車椅子あり」204や「大荷物あり」206を選択する(ステップS95、YES)。例えば、「車椅子なし」ボタンを押下すると、「車椅子あり」に黒反転する。また、「大荷物なし」ボタンを押下すると、「大荷物あり」に黒反転して、リアハッチ等が開けられた際に、周囲の車両に接触しないよう配慮される。駐車場管理装置5は、利用者端末装置6を介して利用者より選択された追加情報204、206を受け付ける。駐車場管理装置5は、利用者が入力した追加情報により乗車方法を再決定し、利用者がこの乗車方法で車両3に乗車するための車両3の停車方法を再び決定し、この停車方法を示すイメージ208を更新して、利用者端末装置6に表示させる(ステップS96)。言い換えれば、駐車場管理装置5は、これらのボタンの押下状況により、乗車方法を再決定し、再決定した乗車方法に従って、表示するイメージの図を変更する。利用者が所望する乗車方法を再度決定して利用者端末装置6に表示することで、利用者の利便性に寄与する。
【0139】
図21の(3)に示す様に、選択された追加情報「車椅子あり」や「大荷物あり」は、リアハッチの開放を伴う。駐車場管理装置5は、リアハッチに面する、乗降スペースV2に隣接する乗降V1スペース内に、他車両進入禁止エリア25を設定する。他車両進入禁止エリア25は、大荷物を積む際のスペースとして使用される。停車方法を示すイメージは、他車両進入禁止エリア25をさらに含む。他車両進入禁止エリア25は、利用者が乗車時に他車両進入禁止エリア25を使用可能であることを示す態様(ハッチング)で表示される。
【0140】
利用者は、GUI207で所望する乗車方法を横スクロールして選択する(ステップS97、YES)。利用者は、選択した乗車方法で車両3に乗車するための車両3の停車方法を示すイメージ208を選択する場合には、決定ボタン209を選択する。利用者は、所望する乗車方法を選択することができ、利用者の利便性に寄与する。駐車場管理装置5は、選択された乗車方法を確定乗車方法として車両DB101に保存する(ステップS98)。
【0141】
この様に、駐車場管理装置5は、利用者が乗車するために車両3を自動バレー乗降スペース19に停車するときの停車方法を、車両3毎に決定する。また、駐車場管理装置5は、駐車場11に設置されたカメラ32,33により撮影された、利用者が降車するために自動バレー乗降スペース19に停車された車両3や車両3から降車する利用者の撮影画像(具体的には、利用者の乗車状況、ハンドルの左右位置、利用者の降車方法等)に基づき乗車方法を決定し、さらに、車両3の停車方法を決定する。これにより、利用者や利用者の車両3が他の車両3と接触することを防止し、利用者の安全性や、駐車場管理装置5が車両3を安全に管理することに寄与する。
【0142】
図21の(4)に示す様に、駐車場管理装置5は、決定ボタン209が選択されると、確定した乗車方法(確定乗車方法)で車両3に乗車するための車両3の停車方法を示すイメージ210を、利用者端末装置6に表示させる。利用者は表示されたイメージ210に示される停車方法で良いと判断すれば、出庫依頼ボタン211を選択する。
【0143】
図22の(5)に示す様に、駐車場管理装置5は、出庫依頼ボタン211が選択されると、確定乗車方法で車両3に乗車するための車両3の停車方法を示すイメージ212を、利用者端末装置6に表示させる。また、駐車場管理装置5は、車両3を自動バレー乗降スペース19に配車し、確定乗車方法で車両3に乗車するための停車方法で車両を停車させるメッセージ213を、利用者端末装置6に表示させる。また、駐車場管理装置5は、隣接する乗降スペースV1を乗車時に使用可能であることを示す情報を示すメッセージ214を、さらに、利用者端末装置6に表示する。
【0144】
図22の(6)は、
図21の(3)に相当する、追加情報及び乗車方法を選択する画面の別の例である。利用者が「車椅子あり」204や「スロープ」206を選択する(ステップS95、YES)。例えば、「車椅子なし」ボタンを押下すると、「車椅子あり」に黒反転する。「スロープなし」ボタンを押下すると、「スロープ使用」に黒反転する。駐車場管理装置5は、利用者が入力した追加情報により乗車方法を再決定し、利用者がこの乗車方法で車両3に乗車するための車両3の停車方法を再び決定し、この停車方法を示すイメージ215を更新して、利用者端末装置6に表示させる(ステップS96)。
【0145】
図22の(6)に示す様に、選択された追加情報「車椅子あり」や「スロープ」は、リアハッチの開放を伴う。追加情報である「スロープ」は、乗車補助具である車椅子用スロープの使用を伴う。駐車場管理装置5は、リアハッチに面する、乗降スペースV1に隣接する乗降V2スペース内に、他車両進入禁止エリア25を設定する。停車方法を示すイメージは、他車両進入禁止エリア25をさらに含む。他車両進入禁止エリア25は、利用者が乗車時に他車両進入禁止エリア25を使用可能であることを示す態様(ハッチング)で表示される。停車方法を示すイメージは、スロープ(乗車補助具)216をさらに含み、スロープ216を使用した想定で乗降エリアのイメージを表示する。スロープ(乗車補助具)216は、車両3に付随して使用されたときに他車両進入禁止エリア25内で使用可能であることを示す態様で(ハッチング内に)表示される。
【0146】
図22の(7)は、
図22の(6)の停車方法のイメージ215の別の例である。駐車場管理装置5は、利用者が車両3に乗車するときの乗車方法に基づき、運転席のドアが自動バレー駐車場11の構内通路17に面しない停車方法を決定してもよい。具体的には、駐車場管理装置5は、利用者が車両3に乗車するときの乗車方法に基づき、車両3の正面が自動バレー駐車場11の構内通路17に面し、且つ、リアハッチが乗降エリア23に面する停車方法を決定してもよい。言い換えれば、駐車場管理装置5は、構内通路17の進行方向に直交する向きで自動バレー乗降スペースV1に停車する停車方法を決定してもよい。この場合、乗降エリア23のみが、利用者が乗車時に使用可能であることを示す態様(ハッチング)で表示される。
【0147】
図22の例の様に、駐車場管理装置5は、乗車方法がリアハッチの開放を伴う場合、リアハッチに面する隣接する自動バレー乗降スペースV1内に、他車両進入禁止エリア25を設定する。これにより、利用者や利用者の車両3が他の車両3と接触することを防止し、利用者の安全性や、駐車場管理装置5が車両3を安全に管理することに寄与する。
【0148】
利用者は、利用者端末装置6に表示された出庫の問合せを開始する画面(
図21の(1))を用いて、出庫依頼を開始する。利用者は、停車方法を選択し、乗車条件を入力する。(
図21の(2)~(4))。利用者は、出庫方法を選択し、出庫を依頼する。(
図22の(5))
【0149】
図20で、駐車場管理装置5は、利用者からの乗車方法の返答を受け取ると、車両DB101に保存し、利用者の乗車方法の返答に従って、車両3の誘導を開始する(ステップS83)。
【0150】
この様に、利用者が、駐車場管理装置5に対して、車両3の出庫指示を行ったとき、駐車場管理装置5は、決定した乗車方法を利用者に提示して、利用者が所望する乗車方法を確定し、その乗車方法を実現するための車両3の停車方法を決定し、車両3を誘導して走行させる。
【0151】
【0152】
駐車場管理装置5は、車両DB101に登録された確定乗車方法により、誘導する経路を決定する(ステップS101)。
【0153】
図25は、確定乗車方法が、右ハンドル車両の乗車方法であるときの車両3の迎車及び出場の経路の例を示す。
図26は、確定乗車方法が、左ハンドル車両の乗車方法であるときの車両3の迎車の経路の例を示す。
図27は、
図26の続きであり、確定乗車方法が、左ハンドル車両の乗車方法であるときの車両3の出場の経路の例を示す。
図28は、確定乗車方法が、右ハンドル車両でありリアハッチ及びスロープを使用する乗車方法であるときの車両3の迎車及び出場の経路の例を示す。
【0154】
図24で、駐車場管理装置5は、車両3が経路を走行するとき、車両3周囲や車両3の後方に規制があるかどうかを判断する(ステップS102)。「規制がある」とは、例えば、車両3を構内通路17内で転回(切り返し)する場合(
図26、
図27)、乗車時にスロープやリアハッチを使用するため、乗降スペースV1に隣接する乗降V2スペースを使用する場合(
図28)等である(ステップS102、YES)。この場合、構内通路17や乗降V2スペース内に、他車両進入禁止エリア25を設定する(ステップS103)。これにより、利用者や利用者の車両3が他の車両3と接触することを防止し、利用者の安全性や、駐車場管理装置5が車両3を安全に管理することに寄与する。
【0155】
駐車場管理装置5は、利用者から受け取った乗車方法の返答に従って、自動バレー管制装置37に、車両3を自動バレー乗降スペース19に決定した停車方法で停車するための指令を、車両3に出力させ、車両3を誘導させる(ステップS104)。駐車場管理装置5は、車両3を自動バレー乗降スペース19で停車させると、車両3に対して、運転モードを自動運転モードから手動運転モードに変更する処理を行ってもよい。利用者は、自動バレー乗降スペース19に到着した車両への乗車を開始する。利用者の乗車が完了すると、車両3は自動運転モード又は手動運転モードで、自動バレー乗降スペース19から駐車場11の出場口16に走行し、駐車場11から出場する(ステップS105)。
【0156】
図25で、利用者が、乗降エリア23において、右ハンドル車両3の右(運転席側)から乗車する場合を説明する。車両3は、自動運転により、最終駐車スペース26から、駐車場11の進行方向に進み、そのまま乗降スペースV1に進入して停車する。車両3の右ドアは乗降エリア23に面し、リアハッチは乗降スペースV2に面する。利用者は、乗降エリア23に面した右ドアを開放し、乗車する。その後、車両3は、乗降スペースV1から出場口16に走行する。
【0157】
図26及び
図27で、利用者が、乗降エリア23において、左ハンドル車両3の左側(運転席側)から乗車する場合を説明する。車両3は、自動運転により、最終駐車スペース26から、駐車場11の進行方向に進む。乗降スペースV2付近の構内通路17の他車両進入禁止エリア25にて、車両を転回(切り返し)させる。他車両進入禁止エリア25は、車両3を転回させる際、周囲を他の車両3が近づかないよう通行を規制するためのエリアである。車両3の左側に乗降エリア23が位置するようにして、車両3を乗降スペースに後退で誘導し、停車させる。車両3の左ドアは乗降エリア23に面し、前側は乗降スペースV3に面し、リアハッチはV1に面する。利用者は、乗降エリア23に面した左ドアを開放し、乗車する。
【0158】
自動バレー乗降スペース19から駐車場11の出場口16への経路について、構内通路17内で転回して自動バレー乗降スペース19に駐車した場合(
図26)、駐車場11の出場口16に向かうためには、再度、車両3を構内通路内で転回させて、構内通路17の走行方向に合わせて走行する必要がある。転回にあたっては、構内通路17内で車両3が走行可能な範囲として、他車侵入禁止エリア25(
図26)と同様の範囲の、自車走行可能エリア25(
図27)を設定し、車両3に通知して、転回する際の走行可能範囲を限定する(バックする際の限界を定める)。もしくは、自動バレー乗降スペース19に車両3を誘導した後も、手動運転モードに切り替えず、自動運転として、駐車場11の出場口16まで走行する際は、自車走行可能エリア25(
図27)内で、自動運転で転回し、駐車場11の出場口16まで自動運転で誘導を行い、駐車場11の出場口16付近で手動運転に切り替えてもよい。これにより、手動運転により他の車両との接触等を防止できる。
【0159】
図28で、利用者が、乗降エリア23において、右ハンドル車両3の右側(運転席側)から乗車し、リアハッチ及びスロープを使用する場合を説明する。車両3は、自動運転により、最終駐車スペース26から、駐車場11の進行方向に進み、そのまま乗降スペースV1に進入して停車する。車両3の右ドアは乗降エリア23に面し、リアハッチは乗降スペースV2に面する。車両3のリアハッチからスロープを引き出した際に乗降スペースV1の後方からはみ出ることを想定して、後方の隣の乗降スペースV2は、他の車両の進入を規制するため、他車両進入禁止エリア25に設定されている。利用者は、リアハッチを開放し、乗降スペースV2を使用して車椅子を乗車させる。利用者は、乗降エリア23に面した右ドアを開放し、乗車する。その後、車両3は、乗降スペースV1から出場口16に走行する。
【0160】
図22の(7)に示したように、リアハッチ及びスロープを使用して乗降する場合は、車両を、乗降エリア23に対して直交する向きで停車するよう、乗車イメージを決定し、車両3を誘導してもよい。
【0161】
駐車場管理装置5は、構内通路17に面するドアの開放を伴う場合、構内通路17内に、他車両進入禁止エリア25を設定してもよい。例えば、乗車時、利用者が構内通路17側から乗車する際、車両3のドア開の状態で、他車両3がすれ違いできない場合は、駐車場管理装置5は、車両3のドア閉まで(利用者の乗車が完了するまで)、この車両3付近を他車両進入禁止エリア25として、他車両3の通行(誘導)を停止してもよい。また、車両3内の乗車状態やハンドルの左右の状態から、利用者が構内通路17側から降車すると予測したとき、車両3のドア開の状態で、他車両3がすれ違いできない場合は、駐車場管理装置5は、車両3のドア閉まで(利用者の降車が完了するまで)、車両3付近を他車両進入禁止エリア25として、他車両3の通行(誘導)を停止してもよい。
【0162】
9.変形例
【0163】
図29は、変形例に係る自動バレー駐車サービス対応の駐車場の構成例を示す模式図である。
【0164】
上記実施形態では、車両平面形状測定カメラ33は、スペースナンバーがV1~V5となる5つの自動バレー乗降スペース19の天井にそれぞれ設置される。これに対して、車両平面形状測定カメラ33を設けずに、乗降スペースを撮影する場内カメラ32a、32aのみで、利用者の降車状況を撮影し(
図14)、画像を基に、利用者が車両3から降車するときの降車方法に基づき、車両3の停車方法を決定してもよい。
【0165】
駐車場11内は、自動運転と手動運転の混在よりも、自動運転のみとするほうが、安全性が高いため、入口ゲート装置28aで一旦停車した際に、駐車場管理装置5は、車両3を自動運転に切り替え、駐車場11内は自動運転のみとしてよい。ただし、入口ゲート装置28aで自動運転に切り替えない場合は、自動バレー管制装置37は、車両3に対して、自動バレー乗降スペース19までの走行経路を通信等で伝え、利用者が走行経路に従って、手動運転することでもよい。
【0166】
出場口16では、出口ゲート装置28bまでを自動運転として誘導し、出口ゲート装置28b前で一旦停車した際に、手動運転に切り替えることでもよい。
【0167】
利用者端末装置6の画面には、例えば、車椅子有無やスロープ有無等、決定時に使用した情報や、車両DB101に登録されている情報を出力してもよい。また、利用者端末装置6の画面上で、車椅子有無やスロープ有無の変更があった際は、乗車イメージの決定を変更内容に従って再度行い、利用者端末装置6の画面に表示してもよい。
【0168】
10.結語
【0169】
本実施形態の駐車場管理システム及び駐車場管理方法によれば、駐車場管理装置5は、利用者と対話を行い、利用者の所望する乗車位置を特定し、車両3を特定した乗車位置まで誘導することで、利用者は適切に乗車することができる。以上のことから、利用者の利便性が大幅に向上する。
【0170】
本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0171】
本発明は、自動バレー駐車サービス対応の駐車場において好適に実施され、駐車場が安全で効率的に利用出来るように配慮したものである。
【符号の説明】
【0172】
自動運転車両3
駐車場サーバ7
駐車場管理装置5
自動バレー管制装置37
自動バレー駐車場管理システム500