(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004861
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】整線部材、灯具及び照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 23/00 20150101AFI20250108BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20250108BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20250108BHJP
F21V 29/15 20150101ALI20250108BHJP
H05K 7/00 20060101ALI20250108BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20250108BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20250108BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20250108BHJP
F21Y 115/20 20160101ALN20250108BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20250108BHJP
【FI】
F21V23/00 160
F21S2/00 230
F21V19/00 510
F21V29/15 100
H05K7/00 T
H05K7/00 P
F21Y103:10
F21Y115:10
F21Y115:10 100
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
F21Y115:15
F21Y115:20
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104724
(22)【出願日】2023-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】相田 和樹
(72)【発明者】
【氏名】小津 祥平
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康弘
【テーマコード(参考)】
3K013
3K014
4E352
【Fターム(参考)】
3K013AA03
3K013BA01
3K013EA10
3K014AA01
3K014BA03
3K014BA04
4E352AA02
4E352DD06
4E352DR02
4E352DR19
4E352GG12
(57)【要約】
【課題】作業の手間を減少しつつコストを削減する整線部材、灯具及び照明装置を提供する。
【解決手段】整線部材は、被取付部に取り付けられる器具に着脱自在に装着される灯具において、器具と灯具とで形成される内部空間に設けられ、灯具から立設する保持部と、保持部の上端部に設けられ、灯具との間に形成される整線空間に電線が挿入される基部と、基部に接続され、灯具との間に、電線が整線空間に挿入される挿入口を形成し、電線の可動範囲を規制する挿入部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付部に取り付けられる器具に着脱自在に装着される灯具において、前記器具と前記灯具とで形成される内部空間に設けられ、前記灯具から立設する保持部と、
前記保持部の上端部に設けられ、前記灯具との間に形成される整線空間に電線が挿入される基部と、
前記基部に接続され、前記灯具との間に、前記電線が前記整線空間に挿入される挿入口を形成し、前記電線の可動範囲を規制する挿入部と、
を備える整線部材。
【請求項2】
前記挿入部は、
カール形状をなしている
請求項1記載の整線部材。
【請求項3】
前記挿入部と前記電線とは離間している
請求項1又は2記載の整線部材。
【請求項4】
前記挿入部と前記電線とは接触している
請求項1又は2記載の整線部材。
【請求項5】
被取付部に取り付けられる器具に着脱自在に装着される灯具において、前記器具と前記灯具とで形成される内部空間に設けられ、前記灯具から立設する保持部と、
前記保持部の上端部に設けられ、上面に電線が載置される基部と、
前記基部に設けられ、前記電線の移動を規制する規制部と、
を備える整線部材。
【請求項6】
前記保持部に設けられた弾性を有する係合部を更に備え、
前記係合部が前記灯具に設けられた被係合部と係合することによって、前記保持部は前記灯具に保持される
請求項1又は2記載の整線部材。
【請求項7】
前記係合部の長さは、前記保持部の長さよりも長い
請求項6記載の整線部材。
【請求項8】
前記係合部は、前記保持部から水平方向に延びている
請求項6記載の整線部材。
【請求項9】
前記基部から外側に延び、前記灯具に設けられた規制突起に挿入される規制孔が形成された規制片を更に備える
請求項1又は2記載の整線部材。
【請求項10】
前記基部には、熱を遮断する断熱孔が形成されている
請求項1又は2記載の整線部材。
【請求項11】
台座と、
前記台座に設けられる請求項1又は2記載の整線部材と、
を備える灯具。
【請求項12】
前記整線部材は、金属材料、樹脂材料又はセラミック材料から構成されている
請求項11記載の灯具。
【請求項13】
前記台座の一面に設けられ、光を照射する光源部と、
前記台座の他面に設けられる被係合部と、を更に備え、
前記整線部材は、
前記保持部に設けられた弾性を有する係合部を更に有し、
前記係合部が前記被係合部と係合することによって、前記保持部は前記灯具に保持される
請求項11記載の灯具。
【請求項14】
前記被取付部に取り付けられる前記器具と、
請求項11記載の灯具と、
を備える照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電線をまとめる整線部材、灯具及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、器具と灯具とを備える照明装置が知られている。特許文献1には、吊ボルトを用いて天井材に取り付けられる器具本体と、器具本体に対して着脱自在に取り付けられる光源ユニットである灯具とを備える照明装置が開示されている。器具本体の底面部には、外部電線が挿入される孔が形成されており、天井材を通して室内側に露出する外部電線は、底面部に形成された孔から器具本体の内部に引き込まれ、灯具が有する端子台ユニットに接続されている。
【0003】
また、特許文献2には、スポンジ等の弾性を有する部材が、外部電線と接触する部位に保護部材として貼付される照明装置が開示されている。このように、灯具における外部電線が接触する部位に、弾性部材が貼付されることによって電源を保護することは有効である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5971591号公報
【特許文献2】特許第5763240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示された照明装置は、電線をまとめることについて考慮されていない。ここで、従来、調光線といった電線を、インシュロックを用いて灯具上に整線する技術も知られている。この場合、灯具にインシュロックが取り付けられ、インシュロックによって電線が固定される。しかし、この場合、インシュロックに電線を固定するといった作業の手間が発生し、また、インシュロックを取り付けるためのコストが生じる。
【0006】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、作業の手間を減少しつつコストを削減する整線部材、灯具及び照明装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る整線部材は、被取付部に取り付けられる器具に着脱自在に装着される灯具において、器具と灯具とで形成される内部空間に設けられ、灯具から立設する保持部と、保持部の上端部に設けられ、灯具との間に形成される整線空間に電線が挿入される基部と、基部に接続され、灯具との間に、電線が整線空間に挿入される挿入口を形成し、電線の可動範囲を規制する挿入部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、挿入部が、灯具と基部との間に形成された整線空間に挿入される電線の可動範囲を規制している。このため、電線をまとめる際に、別途インシュロックといった部材が不要である。従って、作業の手間を減少しつつコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る照明装置を示す組立斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明装置を示す分解斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る灯具を示す斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る整線部材を示す斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る整線部材を示す上面図である。
【
図6】実施の形態1に係る整線部材を示す側面図である。
【
図7】実施の形態1に係る整線部材を示す正面図である。
【
図8】実施の形態1に係る灯具を示す斜視図である。
【
図9】実施の形態1に係る整線部材の作用を示す斜視図である。
【
図10】実施の形態1に係る整線部材の作用を示す側面図である。
【
図11】実施の形態1に係る整線部材の作用を示す拡大図である。
【
図12】比較例に係る照明装置を示す上面図である。
【
図13】実施の形態2に係る整線部材の作用を示す斜視図である。
【
図14】実施の形態2に係る整線部材の作用を示す側面図である。
【
図15】実施の形態2に係る整線部材の作用を示す拡大図である。
【
図16】実施の形態3に係る整線部材の作用を示す上面図である。
【
図17】実施の形態4に係る整線部材を示す斜視図である。
【
図18】実施の形態5に係る整線部材を示す斜視図である。
【
図19】実施の形態6に係る整線部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る整線部材、灯具及び照明装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本開示が限定されるものではない。また、
図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本開示を限定するものではない。方向を表す用語としては、例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」又は「後」等が挙げられる。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置1を示す組立斜視図であり、
図2は、実施の形態1に係る照明装置1を示す分解斜視図である。照明装置1は、施設照明として用いられるもの、一般家庭照明として用いられるもの及び量販店で購入可能なもの等があげられる。照明装置1の用途(設置環境)として、屋内用、屋外用又は特殊用途用等が含まれる。特殊用途とは、例えば耐塩タイプ、高温タイプ又は低温タイプである。
図1及び
図2に示すように、照明装置1は、器具2と灯具3とを備えている。なお、照明装置1は、器具2と灯具3とが一体化したものであったり、器具2と灯具3とが別売されるものであったりしてもよい。器具2と灯具3とは、使用者の要求によって組み合わせの変更が可能なものでもよい。ここで、灯具3は、光源ユニット又はライトユニットとも呼称される。
【0012】
器具2と灯具3とが一体化された光源一体型の照明装置1は、概して、器具2が天井等の被取付部4に取り付けられる。そして、器具側装着部22と灯具側装着部34とからなる装着具によって灯具3が器具2に着脱自在に装着される。灯具3は、照明装置1の外部である天井面の裏側の天井裏空間から引き出された外部電線24、及び、器具2の内部に配置された中継部23を介して電力系に接続されており、電力が供給されることによって点灯する。
【0013】
照明装置1は、天井直付け型の長尺状をなしている。前述の如く、照明装置1は、吊ボルト5を用いて天井等の被取付部4に取り付けられる器具2と、器具2に対して着脱自在に装着される灯具3とを備えている。ここで、吊ボルト5は、例えば天井裏等に配置された建物の構造材に取り付けられている。
【0014】
(器具2)
器具2は、器具本体部20と、器具端部21と、器具側装着部22と、中継部23と、外部電線24とを有している。器具本体部20は、長尺状の箱状の部材であり、内部に灯具3の一部が収容される収容部20aが形成されている。器具端部21は、器具本体部20の長手方向の両端部を塞ぐ一対の板状の部材である。器具側装着部22は、器具本体部20に取り付けられており、灯具3を器具2に着脱自在に装着するバネである。中継部23は、器具本体部20に取り付けられており、照明装置1の外部から引き込まれる外部電線24を中継する端子台である。外部電線24は、中継部23に接続されるものであり、Fケーブルと呼称される。Fケーブルは、VVF(ビニル絶縁ビニルシースケーブル平型)の略称である。
【0015】
(灯具3)
図3は、実施の形態1に係る灯具3を示す斜視図である。灯具3は、長手方向に沿って延びる長尺形状をなしており、器具2の器具本体部20の収容部20aに収容されている。灯具3は、外部電源(図示せず)から供給された電力によって、照射対象領域に光を照射する光源ユニットである。
図2及び
図3に示すように、灯具3は、台座30と、光源部31と、外郭32と、電源部33と、灯具側装着部34と、電線35と、整線部材40とを有している。
【0016】
台座30は、長手方向に沿って延びる長尺状且つ矩形状の金属製の部材である。台座30は、支持部材又はフレームとも呼称される。台座30は、例えば一般汎用の鋼板を用いて形成されており、光源部31から発生する熱を効率よく放散する材料からなることが好ましい。台座30が鋼板である場合、折曲げ加工又は抜き型後ロールフォーマ加工によって形成される。台座30には、光源部31からの反射率改善又は錆対策として、塗装される場合がある。また、台座30は、アルミ材又はマグネシウム材等が用いられることもあり、この場合、押出加工によって形成される。台座30の幅方向の両端部には、整線部材40に係合する被係合部30aが設けられている(
図8参照)。被係合部30aは、例えば先端が折り返されるカール加工によって形成されている。
【0017】
光源部31は、例えば光を出射する光源である汎用の発光素子31a(LED)が長手方向に並んで基板31bに実装されたものであり、台座30の一面に取り付けられている。なお、光源は、LEDに限らず、半導体レーザ、有機EL又は無機EL等としてもよい。光源は、砲弾型、表面実装型(SMDタイプ)又はCOBタイプ等といった複数の種類があり、いずれもが採用されてもよい。基板31bには、発光素子31aに点灯電力を供給する経路となる導電性の回路パターンが形成されている。発光素子31aが表面実装型の場合、リフローはんだ工程によって、基板31b上に固定されることによって光源回路が構成される。外郭32は、台座30に取り付けられており、光源部31を覆うものである。外郭32は、例えば、光源部31から照射された光を拡散する樹脂製の透光性部材である。
【0018】
電源部33は、台座30の他面に取り付けられており、外部電源から供給された電力を点灯電力に変換して、光源部31を点灯させる制御部である。灯具側装着部34は、台座30の他面に取り付けられており、器具2の器具側装着部22が引っ掛けられるばね受け金具である。電線35は、例えば調光線である。前述の如く、器具2は天井等の被取付部4に配置されているが、天井裏空間から電源部33に外部電力を供給する経路となる外部電線24が、器具2に形成された電線挿通用の孔20bを通って器具2の内部に配置される。器具2の内部に配置された外部電線24は、中継部23を介して灯具3の電源部33に接続される。Fケーブルは、概して、天井裏空間又は壁面の裏側の空間における電気配線として使用されている。Fケーブルは、外皮がポリエチレン材によって保護されているが、耐熱温度が60℃以下であることが多い。一部ではあるが、60℃以上の耐熱性を保持したFケーブルも存在するものの、高価であり汎用的ではない。
【0019】
灯具3は、灯具側装着部34に器具側装着部22が引っ掛けられることによって、器具2に取り付けられる。なお、灯具3は、灯具側装着部34と器具側装着部22との係合状態が解除されることによって、器具2から取り外される。
【0020】
(整線部材40)
図4は、実施の形態1に係る整線部材40を示す斜視図であり、
図5は、実施の形態1に係る整線部材40を示す上面図である。
図6は、実施の形態1に係る整線部材40を示す側面図であり、
図7は、実施の形態1に係る整線部材40を示す正面図である。整線部材40は、灯具3の台座30の形状に対応して形成される。
図4~
図7に示すように、整線部材40の外観は、例えば四角形状であるが、電線35をまとめる効果が得られれば、円形状又は三角形状といった別の形状でもよい。
【0021】
整線部材40の材質は、灯具3の台座30と同じ鋼板である。なお、整線部材40の材質は、電線35をまとめる効果が得られれば、耐熱性を有する樹脂材料又はセラミック材料を利用した成型品でもよい。即ち、整線部材40は、金属材料、樹脂材料又はセラミック材料から構成されている。成型品としては、押出成形又は3Dプリンティングによるものも含まれる。また、成型品としては、多様な加工方法によって抜き型により定められた形状に抜き取られ、折り曲げ加工によって希望の形状に加工される。整線部材40は、基部41と、保持部42と、係合部43と、規制片44と、挿入部45とを備えている。
【0022】
(基部41)
基部41は、器具2と灯具3とで形成される内部空間に設けられた長方形状をなす部材である。基部41の4隅には、空気が通過する通気孔41aが形成されており、通気孔41aを形成するために切り起こされた部分が係合部43の一部となっている。
【0023】
(保持部42)
保持部42は、基部41に接続され、灯具3から立設するものである。保持部42は、基部41の対向する2辺から下方に延びる一対の板状の部材であり、保持部42の下端部は灯具3の台座30に載置される。即ち、保持部42の高さ寸法の分だけ、基部41と灯具3との間に整線空間50が形成されている(
図9参照)。整線空間50には、電線35が挿入されている。保持部42は、足部とも呼称される。一対の保持部42の一部がそれぞれ切り起こされて、係合部43の一部となっている。即ち、係合部43は、基部41及び保持部42が切り起こされることによって、形成されている。
【0024】
(係合部43)
係合部43は、保持部42に設けられた弾性を有する部材である。係合部43は、基部41の4隅に対応する位置に4つそれぞれ設けられている。係合部43は、灯具3の台座30が有する被係合部30aと係合することによって、保持部42が灯具3に保持される。係合部43は、台座30の被係合部30aと係合する。係合部43が弾性変形を伴って、係合部43と被係合部30aとが互いに押し合う状態で、保持部42は灯具3に保持される。
【0025】
(規制片44)
図8は、実施の形態1に係る灯具3を示す斜視図である。規制片44は、基部41から外側に延びるものであり、規制孔44aが形成されている。
図8に示すように、規制孔44aには、台座30に設けられた規制突起30bが挿入される。規制孔44a及び規制突起30bは、整線部材40が台座30に装着される際のガイドとして機能する。また、規制突起30bが規制孔44aに挿入されているとき、整線部材40は、灯具3の長手方向に沿った移動が規制され、施工時及び使用時に外部電線24から長手方向に移動させようとする応力を受けても、装着位置が維持される。なお、本実施の形態1では、電源部33が台座30に固定される際に使用されるネジが規制突起30bとして機能しているが、規制突起30bは、他の構成であってもよい。
【0026】
(挿入部45)
挿入部45は、基部41に接続され、灯具3との間に、電線35が整線空間50に挿入される挿入口45aを形成するものである。挿入部45は、基部41における保持部42が設けられている2辺を除く対向する2辺のうち、一方から下方に延びる部材である。なお、挿入部45の高さは、保持部42の高さよりも低い。このため、挿入部45の下端部は、台座30に届かず、挿入部45の下端部と台座30との間に挿入口45aが形成される。挿入部45は、台座30上における電線35の可動範囲を規制するものである。挿入部45は、カール加工がなされてカール形状をなしており、仮に電線35に接触しても、電線35を損傷することを抑制することができる。
【0027】
図9は、実施の形態1に係る整線部材40の作用を示す斜視図であり、
図10は、実施の形態1に係る整線部材40の作用を示す側面図である。
図11は、実施の形態1に係る整線部材40の作用を示す拡大図であり、
図10の破線円で囲まれた部分の拡大図である。先ず、台座30上に電線35が配置され、その後、整線部材40が台座30に取り付けられる。このとき、電線35は、基部41と台座30との間の整線空間50に配置される。本実施の形態1では、
図9~
図11に示すように、電線35と整線部材40とは離間しており、接触していない。このように、電線35は、基部41と台座30との間の整線空間50に収まっているため、不用意に移動することが抑制される。なお、整線部材40は、整線部材40の上方に位置する外部電線24が、台座30に直接接触することを抑制して、遮熱を行う機能も有している。
【0028】
本実施の形態1によれば、挿入部45が、灯具3と基部41との間に形成された整線空間50に挿入される電線35の可動範囲を規制している。このため、電線35をまとめる際に、別途インシュロック146(
図12参照)といった部材が不要である。従って、作業の手間を減少しつつコストを削減することができる。
【0029】
図12は、比較例に係る照明装置100を示す上面図である。次に、比較例に係る照明装置100について説明する。比較例に係る照明装置100において、
図12に示すように、調光線といった電線35は、インシュロック146を用いて台座130上に整線されている。しかし、この場合、インシュロック146に電線35を固定するといった作業の手間が発生し、また、インシュロック146を取り付けるコストが生じる。インシュロック146を用いた整線は、ワンアクションで作業を完了することができない。具体的な作業としては、インシュロック146をフレームに取り付ける作業、インシュロック146を用いて電線35を固定する作業、インシュロック146の余長部分を切断して廃却する削除の作業が挙げられる。
【0030】
これに対し、本実施の形態1は、挿入部45が、灯具3と基部41との間に形成された整線空間50に挿入される電線35の可動範囲を規制している。このため、電線35をまとめる際に、別途インシュロック146といった部材が不要である。従って、整線部材40をワンアクションで台座30に取り付けることができ、取り付けと同時に、整線が完了するため、作業の手間を減少しつつコストを削減することができる。また、灯具3の組立工程において廃却物が発生しないため、異物の混入リスクが減少し、製造品質の向上に寄与する。更に、電線35は、灯具3の台座30と整線部材40とで閉じた整線空間50に挿入されるため、灯具3の外側にはみ出さないように可動範囲が管理される。
【0031】
実施の形態2.
図13は、実施の形態2に係る整線部材40の作用を示す斜視図であり、
図14は、実施の形態2に係る整線部材40の作用を示す側面図である。
図15は、実施の形態2に係る整線部材40の作用を示す拡大図であり、
図14の破線円で囲まれた部分の拡大図である。本実施の形態2は、整線部材40と電線35とが接触している点で、実施の形態1と相違する。本実施の形態2では、実施の形態1と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0032】
先ず、台座30上に電線35が配置され、その後、整線部材40が台座30に取り付けられる。このとき、電線35は、基部41と台座30との間の整線空間50に配置される。ここまでは、実施の形態1と同様である。本実施の形態2では、
図13~
図15に示すように、電線35は整線部材40と接触している。このように、電線35は、実施の形態1と同様に、基部41と台座30との間の整線空間50に収まっているため、不用意に移動することが抑制される。なお、整線部材40は、整線部材40の上方に位置する外部電線24が、台座30に直接接触することを抑制して、遮熱を行う機能も有している。
【0033】
このように、本実施の形態2によれば、電線35は整線部材40と接触している。即ち、電線35は、整線部材40の挿入部45と灯具3の台座30とで挟み込まれて、損傷しない程度で固定される。なお、電線35が損傷しない程度とは、電線35の絶縁被覆が弾性変形する程度をいう。これにより、電線35の可動範囲を狭めることができる。また、電線35が整線部材40の挿入部45と灯具3の台座30とで挟み込まれているため、電線35が引き抜かれる方向に引っ張られても、抜け難い。即ち、本実施の形態2は、抜け防止の効果も有する。
【0034】
実施の形態3.
図16は、実施の形態3に係る整線部材40の作用を示す上面図である。本実施の形態3は、整線部材40が規制部46を備えている点で、実施の形態1及び2と相違する。本実施の形態3では、実施の形態1及び2と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1及び2との相違点を中心に説明する。
【0035】
図16に示すように、基部41は、保持部42の上端部に設けられ、上面に電線35が載置される。規制部46は、基部41の上面に設けられ、電線35が引っ掛けられることによって電線35の移動を規制するものである。本実施の形態3では、先ず、台座30上に整線部材40が取り付けられ、その後、整線部材40上に電線35が配置される。このように、本実施の形態3は、電線35が基部41上に配置されていても、電線35の移動を規制することができる。なお、本実施の形態3の整線部材40は、樹脂材料又はセラミック材料からなることが好ましい。この場合、成形の自由度及び軽量化によって、保持部42を製造する上で有効である。
【0036】
整線部材40は、器具2と灯具3とで形成される内部空間に設けられ、灯具3から立設する保持部42と、保持部42の上端部に設けられ、上面に電線35が載置される基部41と、基部41に設けられ、電線35の移動を規制する規制部46と、を備える。これにより、電線35が基部41上に配置されていても、電線35の移動を規制することができる。
【0037】
実施の形態4.
図17は、実施の形態4に係る整線部材40を示す斜視図である。本実施の形態4は、整線部材40に断熱孔41bが形成されている点で、実施の形態1と相違する。本実施の形態4では、実施の形態1~3と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1~3との相違点を中心に説明する。
【0038】
図17に示すように、基部41における規制片44に隣接する位置に断熱孔41bが形成されている。断熱孔41bは、規制片44と基部41との中央部との熱抵抗を大きくする機能を有し、これにより、電源部33から発生して規制片44を介して基部41に伝達される動作熱が減少する。従って、基部41の温度上昇を抑えることができる。なお、断熱孔41bの大きさ及び位置は、基部41の温度が、基部41に接触する外部電線24の耐熱温度を下回るように適宜調整される。
【0039】
実施の形態5.
図18は、実施の形態5に係る整線部材40を示す斜視図である。本実施の形態5は、係合部43の長さが保持部42の高さ方向の長さよりも長い点で、実施の形態1と相違する。本実施の形態5では、実施の形態1~4と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1~4との相違点を中心に説明する。
【0040】
図18に示すように、係合部43の長さが保持部42の高さよりも長い。これにより、相対的に基部41の幅方向の長さを短くすることができるため、整線部材40として使用される材料を削減することができる。また、係合部43として機能する切り起こし部分の面積も増えるため、通気孔41aの面積も増加する。このため、通気の機能も増強される。
【0041】
実施の形態6.
図19は、実施の形態6に係る整線部材40を示す斜視図である。本実施の形態6は、係合部43が保持部42から水平方向に延びている点で、実施の形態1と相違する。本実施の形態6では、実施の形態1~5と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1~5との相違点を中心に説明する。
【0042】
図19に示すように、係合部43は、切起こしによって形成されるものではなく、保持部42の長手方向の端部から外側に延びている。即ち、係合部43は、基部41の長手方向の端部よりも外側に突出している。この場合、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0043】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0044】
[付記1]
被取付部に取り付けられる器具に着脱自在に装着される灯具において、前記器具と前記灯具とで形成される内部空間に設けられ、前記灯具から立設する保持部と、
前記保持部の上端部に設けられ、前記灯具との間に形成される整線空間に電線が挿入される基部と、
前記基部に接続され、前記灯具との間に、前記電線が前記整線空間に挿入される挿入口を形成し、前記電線の可動範囲を規制する挿入部と、
を備える整線部材。
[付記2]
前記挿入部は、
カール形状をなしている
付記1記載の整線部材。
[付記3]
前記挿入部と前記電線とは離間している
付記1又は2記載の整線部材。
[付記4]
前記挿入部と前記電線とは接触している
付記1~3のいずれか1つに記載の整線部材。
[付記5]
被取付部に取り付けられる器具に着脱自在に装着される灯具において、前記器具と前記灯具とで形成される内部空間に設けられ、前記灯具から立設する保持部と、
前記保持部の上端部に設けられ、上面に電線が載置される基部と、
前記基部に設けられ、前記電線の移動を規制する規制部と、
を備える整線部材。
[付記6]
前記保持部に設けられた弾性を有する係合部を更に備え、
前記係合部が前記灯具に設けられた被係合部と係合することによって、前記保持部は前記灯具に保持される
付記1~5のいずれか1つに記載の整線部材。
[付記7]
前記係合部の長さは、前記保持部の長さよりも長い
付記6記載の整線部材。
[付記8]
前記係合部は、前記保持部から水平方向に延びている
付記6又は7記載の整線部材。
[付記9]
前記基部から外側に延び、前記灯具に設けられた規制突起に挿入される規制孔が形成された規制片を更に備える
付記1~8のいずれか1つに記載の整線部材。
[付記10]
前記基部には、熱を遮断する断熱孔が形成されている
付記1~9のいずれか1つに記載の整線部材。
[付記11]
台座と、
前記台座に設けられる付記1~10のいずれか1つに記載の整線部材と、
を備える灯具。
[付記12]
前記整線部材は、金属材料、樹脂材料又はセラミック材料から構成されている
付記11記載の灯具。
[付記13]
前記台座の一面に設けられ、光を照射する光源部と、
前記台座の他面に設けられる被係合部と、を更に備え、
前記整線部材は、
前記保持部に設けられた弾性を有する係合部を更に有し、
前記係合部が前記被係合部と係合することによって、前記保持部は前記灯具に保持される
付記11又は12記載の灯具。
[付記14]
前記被取付部に取り付けられる前記器具と、
付記11~13のいずれか1つに記載の灯具と、
を備える照明装置。
【符号の説明】
【0045】
1 照明装置、2 器具、3 灯具、4 被取付部、5 吊ボルト、20 器具本体部、20a 収容部、20b 孔、21 器具端部、22 器具側装着部、23 中継部、24 外部電線、30 台座、30a 被係合部、30b 規制突起、31 光源部、31a 発光素子、31b 基板、32 外郭、33 電源部、34 灯具側装着部、35 電線、40 整線部材、41 基部、41a 通気孔、41b 断熱孔、42 保持部、43 係合部、44 規制片、44a 規制孔、45 挿入部、45a 挿入口、46 規制部、50 整線空間、100 照明装置、130 台座、146 インシュロック。