IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社LIXILグループの特許一覧

<>
  • 特開-湯水混合水栓 図1
  • 特開-湯水混合水栓 図2
  • 特開-湯水混合水栓 図3
  • 特開-湯水混合水栓 図4
  • 特開-湯水混合水栓 図5
  • 特開-湯水混合水栓 図6
  • 特開-湯水混合水栓 図7
  • 特開-湯水混合水栓 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004903
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】湯水混合水栓
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/042 20060101AFI20250108BHJP
   E03C 1/044 20060101ALI20250108BHJP
   F16K 31/60 20060101ALI20250108BHJP
   F16K 31/44 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
E03C1/042 C
E03C1/044
F16K31/60 Z
F16K31/44 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104789
(22)【出願日】2023-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊丹 彩
(72)【発明者】
【氏名】福谷 孝二
【テーマコード(参考)】
2D060
3H063
【Fターム(参考)】
2D060BA01
2D060BB01
2D060BC01
2D060BC24
2D060BE11
2D060BF01
3H063BB01
3H063DA02
3H063FF01
3H063GG06
3H063GG11
(57)【要約】
【課題】温度調節を良好に行うことができる湯水混合水栓を提供する。
【解決手段】湯水混合水栓1は、回転軸周りに回転する温度調節ハンドル10と、温度調節ハンドル10の回転軸周りの回転に伴って回転軸周りを移動する掛り部27と、第1当り面41、及び第2当り面42を有し、温度調節ハンドル10の回転軸周りの回転範囲を制限する規制部40と、を備えており、掛り部27は、第1当り面41と第2当り面42を両端にした移動経路に沿って移動し、温度調節ハンドル10は、掛り部27が第1当り面41に当たると時計回転方向の回転ができない状態になり、掛り部27が第2当り面42に当たると反時計回転方向の回転ができない状態になり、第2当り面42は、回転軸に対して、第1当り面41よりも回転軸側に位置し、移動経路の一端部と他端部とが回転軸周りの周方向にオーバーラップしている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸周りに回転する温度調節ハンドルと、
前記温度調節ハンドルの前記回転軸周りの回転に伴って前記回転軸周りを移動する掛り部と、
第1当り面、及び第2当り面を有し、前記温度調節ハンドルの前記回転軸周りの回転範囲を制限する規制部と、
を備えており、
前記掛り部は、前記第1当り面と前記第2当り面を両端にした移動経路に沿って移動し、
前記温度調節ハンドルは、前記掛り部が前記第1当り面に当たると、前記回転軸周りの一方向の回転をできない状態になり、前記掛り部が前記第2当り面に当たると、前記回転軸周りの他方向の回転をできない状態になり、
前記第2当り面は、前記回転軸に対して、前記第1当り面よりも前記回転軸側に位置し、
前記移動経路の一端部と他端部は、前記回転軸周りの周方向にオーバーラップしている湯水混合水栓。
【請求項2】
前記移動経路は、前記一端部と前記他端部がオーバーラップしている部分において、前記移動経路の前記一端部と前記他端部とが通じる連通部が形成されている請求項1に記載の湯水混合水栓。
【請求項3】
前記連通部の周方向の長さが前記掛り部の周方向の長さよりも短い請求項2に記載の湯水混合水栓。
【請求項4】
前記移動経路は、前記一端部と前記他端部とがオーバーラップしている部分において、前記一端部と前記他端部とを仕切る隔壁部を有している請求項1に記載の湯水混合水栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は湯水混合水栓に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は従来の湯水混合水栓を開示している。この湯水混合水栓は、温度調節ハンドル、掛り部、及び規制部を備えている。温度調節ハンドルは、回転軸周りに回転する。掛り部は、温度調節ハンドルに設けられ、温度調節ハンドルの回転軸周りの回転に伴って回転軸周りを移動する。規制部は、第1当り面及び第2当り面を有している。掛り部は、第1当り面と第2当り面を両端にした移動経路に沿って移動する。温度調節ハンドルは、掛り部が第1当り面に当たると、回転軸周りの一方向の回転ができない状態になる。温度調節ハンドルは、掛り部が第2当り面に当たると、回転軸周りの他方向の回転ができない状態になる。第1当り面と第2当り面は、温度調節ハンドルの回転軸を中心にした同一円周上に位置している。第1当り面と第2当り面を両端にした移動経路は、略円弧状である。温度調節ハンドルの回転軸を中心として、移動経路の両端の夫々を結んだ円弧の中心角は、約270°である。つまり、この湯水混合水栓の温度調節ハンドルの回転軸周りの回転角度は、270°よりも小さいことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-64261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の湯水混合水栓は、温度調節ハンドルの回転軸周りの回転角度が270°よりも小さいため、調節可能な温度範囲が狭くなるおそれがある。仮に、この湯水混合水栓において、調節可能な温度範囲を広くすると、温度調節ハンドルの回転位置の違いによる温度差が大きくなるため、温度調節をしにくくなるおそれがある。
【0005】
本開示は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、温度調節を良好に行うことができる湯水混合水栓を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の湯水混合水栓は、回転軸周りに回転する温度調節ハンドルと、前記温度調節ハンドルの前記回転軸周りの回転に伴って前記回転軸周りを移動する掛り部と、第1当り面、及び第2当り面を有し、前記温度調節ハンドルの前記回転軸周りの回転範囲を制限する規制部と、を備えており、前記掛り部は、前記第1当り面と前記第2当り面を両端にした移動経路に沿って移動し、前記温度調節ハンドルは、前記掛り部が前記第1当り面に当たると前記回転軸周りの一方向の回転ができない状態になり、前記掛り部が前記第2当り面に当たると前記回転軸周りの他方向の回転ができない状態になり、前記第2当り面は、前記回転軸に対して、前記第1当り面よりも前記回転軸側に位置し、前記移動経路の一端部と他端部とが前記回転軸周りの周方向にオーバーラップしている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態1の湯水混合水栓を示す一部分解斜視図である。
図2】実施形態1の湯水混合水栓の要部を示す断面図である。
図3】実施形態1の温度調節ハンドルを示す斜視図である。
図4】実施形態1の掛り部材と押しボタンを示す斜視図である。
図5】実施形態1の温度調節ハンドルを取り外した湯水混合水栓を示す左側面図である。
図6】実施形態1の規制部材を示す斜視図である。
図7】実施形態1の掛り部と規制部を示す断面図である。
図8】実施形態2の掛り部と規制部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本開示の湯水混合水栓1を具体化した実施形態1及び2について、図面を参照しつつ説明する。説明の便宜上、浴室の壁に取り付けられた状態における湯水混合水栓1の上下方向を上下方向とし、湯水混合水栓1が取り付けられた壁から離れる方向を前方、その逆方向を後方とし、前方から湯水混合水栓1を見た際の左右方向を左右方向とする。各図に示す3次元の直交座標系において、X軸の正方向は「左方向」、X軸の負方向は「右方向」、Y軸の正方向は「前方向」、Y軸の負方向は「後方向」、Z軸の正方向は「上方向」、Z軸の負方向は「下方向」である。回転軸周りに回転する温度調節ハンドル10及びその構成部品については、押しボタン28が上方に向けて突出した回転位置にある状態を基本として説明する。
【0009】
<実施形態1>
実施形態1の湯水混合水栓1は、浴室の壁に取り付けられる。この湯水混合水栓1は、図1に示すように、吐水部3、カバー5、流量調節及び流路切替ハンドル(以下、「流路切替ハンドル」という。)7、温度調節ハンドル10、及び規制部材30を備えている。この湯水混合水栓1は、図示しない水栓本体、湯流入部、水流入部、及びシャワー用流出部を備えている。
【0010】
水栓本体は、湯水混合水栓1が浴室の壁に取り付けられた状態において、左右方向に伸びており、湯、水、及び混合水の流路の一部を形成している。水栓本体は、上流側に湯流入部及び水流入部を接続している。湯流入部及び水流入部は、湯水混合水栓1が浴室の壁に取り付けられた状態において、水栓本体の左右に離れた位置から後方に延びている。水栓本体から延びた湯流入部は、給湯配管に接続された状態で浴室の壁に取り付けられる。水栓本体から延びた水流入部は、給水配管に接続された状態で浴室の壁に取り付けられる。水栓本体は、下流側に吐水部3及びシャワー用流出部を接続している。吐水部3は、湯水混合水栓1が浴室の壁に取り付けられた状態において、下方に向けて混合水を吐水する吐水口が開口している。シャワー用流出部は、図示しないシャワーホースの上流端が接続される。シャワーホースは下流端にシャワーヘッドを接続している。カバー5は、水栓本体等を覆うように設けられている。湯水混合水栓1が浴室の壁に取り付けられた状態において、カバー5を上方から見た平面視において、カバー5は略横長矩形状である。
【0011】
水栓本体は、図示しない温度調節バルブユニット、及び図示しない流量調節機能付き流路切替バルブユニット(以下、「流路切替バルブユニット」という。)を内蔵している。温度調節バルブユニットはサーモスタット式である。湯流入部を介して水栓本体に流入した湯、及び水流入部を介して水栓本体に流入した水は、温度調節バルブユニット、流路切替バルブユニットの順に通過する。
【0012】
流路切替バルブユニットは、温度調節バルブユニットにおいて混合された混合水を吐水部3及びシャワー用流出部のいずれかに向けて流出させる。流路切替バルブユニットは、回転軸周りに回転する回転筒部を有しており、回転筒部の回転位置に応じて、混合水の流量を調節し、流路を切り替える。流路切替バルブユニットの回転筒部は、流路切替ハンドル7に連結されている。流路切替バルブユニットの回転筒部は、流路切替ハンドル7の回転軸周りの回転に連動して回転する。流路切替ハンドル7は、カバー5の前方にレバー部7Aを有している。レバー部7Aは、流路切替ハンドル7の回転軸を中心にした円弧軌道上を上下方向に移動する。湯水混合水栓1は、流路切替ハンドル7のレバー部7Aの位置に応じて、所定流量の混合水を吐水口及びシャワーヘッドのいずれか一方から吐水する。
【0013】
温度調節バルブユニットは、水栓本体に流入した湯と水の混合比を調節して湯と水を混合した混合水を所定温度にする。温度調節バルブユニットは、図2に示すように、回転軸を中心にして回転する回転部9を有している。温度調節バルブユニットは、吐水温度が回転部9の回転位置に応じた所定温度になるように、感温部が作用して湯と水を混合する。温度調節バルブユニットの回転部9の一部は、温度調節バルブユニットの左端部に露出している。回転部9の温度調節バルブユニットの左端部に露出した部分は、温度調節ハンドル10の後述するハンドル本体20の連結部22の右端部に連結されている。回転部9は温度調節ハンドル10の回転軸周りの回転に連動して回転する。湯水混合水栓1は、温度調節ハンドル10の回転位置に応じた所定温度の混合水を吐水口及びシャワーヘッドのいずれか一方から吐水する。
【0014】
温度調節ハンドル10は、図1から図4に示すように、ハンドル本体20、蓋部材23、板ばね24、掛り部材25、及び押しボタン28を有している。ハンドル本体20は、操作部21と連結部22とを具備している。操作部21は、周壁部21A、左側壁部21B、及び一対の位置決め片21Cを有している。周壁部21Aは、右方向に向けて徐々に径が大きくなる円筒状である。温度調節ハンドル10を湯水混合水栓1に組み付けた状態において、周壁部21Aの中心軸は、温度調節ハンドル10の回転軸上に延びている。周壁部21Aは、外周面から外方向に突出した凸部21Dが設けられている。凸部21Dは、周壁部21Aの左端縁から右縁縁まで周壁部21Aの中心軸に平行に延びている。温度調節ハンドル10は、操作者がハンドル本体20の操作部21の凸部21Dに指を引っ掛けつつ操作部21の周壁部21Aを指先で摘んで回転軸周りを回転させることができる。
【0015】
周壁部21Aは、後述する押しボタン28が挿入される開口が形成されている。ハンドル本体20を上方から見た平面視において、開口は、略横長矩形状である。押しボタン28は、周壁部21Aの開口に挿入され、周壁部21Aの外周面から外方向に突出している。
【0016】
左側壁部21Bは、図1から図3に示すように、周壁部21Aの左端部の内周面から周壁部21Aの中心軸方向に広がっている。左側壁部21Bは中央部に円形状の貫通孔が形成されている。左側壁部21Bは、周壁部21Aの左端縁よりも僅かに右側に位置している。つまり、ハンドル本体20の左側面は、外周縁が左方向に突出し、中央部が右方向に凹んでいる。蓋部材23は、この凹み部分に嵌まり込んでハンドル本体20に着脱自在に取り付けられる。蓋部材23がハンドル本体20に取り付けられた状態において、蓋部材23の左側面は、周壁部21Aの左端縁と略同一面上に位置する。
【0017】
一対の位置決め片21Cは、図3に示すように、周壁部21Aに形成された開口を挟んで周壁部21Aの内周面から下方に延びている。各位置決め片21Cは平板状である。各位置決め片21Cは、左右方向に平行に延びている。一対の位置決め片21Cは、掛り部材25をハンドル本体20に組み付けた状態において、掛り部材25の基部26を挟み込む。このように、一対の位置決め片21Cは、ハンドル本体20の周壁部21Aに対する掛り部材25の周方向の位置決めに利用される。
【0018】
連結部22は、図2図3、及び図7に示すように、略円筒状の外筒22Aと内筒22B、第1接続壁部221、第2接続壁部222、第3接続壁部223、右壁部22C、及び一対の載置部224を有している。外筒22Aは左右方向に延びている。内筒22Bは外筒22A内を左右方向に延びている。外筒22Aと内筒22Bの中心軸は、同一直線上に位置し、温度調節ハンドル10の回転軸上に延びている。外筒22Aと内筒22Bは、左右方向に切り欠かれた切欠き開口が形成されている。外筒22Aと内筒22Bは、図7に示すように、切欠き開口の左右方向に延びる縁部同士を第1接続壁部221及び第2接続壁部222によって接続している。第1接続壁部221と第2接続壁部222とは左右方向に延びる平板状である。第1接続壁部221と第2接続壁部222とは平行に設けられている。第3接続壁部223は、外筒22Aと内筒22Bの周方向の中央部において、外筒22Aの内周面と内筒22Bの外周面とを接続している。第3接続壁部223は、左右方向に延びる平板状である。
【0019】
外筒22Aの左端縁は、図2及び図3に示すように、操作部21の左側壁部21Bに形成された貫通孔の開口縁に連続している。外筒22Aは、右端部の内周面から中心軸方向に広がる右壁部22Cを有している。右壁部22Cは、中央部に左右方向に貫通する円形状の貫通孔が形成されている。右壁部22Cに形成された貫通孔の中心は温度調節ハンドル10の回転軸上に位置している。内筒22Bの右端縁は、右壁部22Cの左側面に連続している。内筒22Bの内径は、右壁部22Cに形成された貫通孔にボルトBを挿入する際に利用するワッシャWの外径よりも大きい。温度調節ハンドル10と温度調節バルブユニットの回転部9とは、右壁部22Cに形成された貫通孔に挿入したボルトBを温度調節バルブユニットの回転部9に締め付けることによって、連結される。
【0020】
一対の載置部224は、図3に示すように、外筒22Aの左端部に設けられている。各載置部224は、外筒22Aの切欠き開口を挟んで並んでいる。各載置部224は、切欠き開口の左右方向に平行に延びる縁部の夫々に連続して設けられている。各載置部224は、上方に突出し、左右方向に延びる凸部224Aを有している。
【0021】
板ばね24は、各載置部224の凸部224Aの間に架けられている。板ばね24は、帯状であり、中央部と、中央部の両端から同じ方向に折り曲げられた両端部を有している。板ばね24は、両端部を各載置部224の凸部224Aに引っ掛けて、連結部22に取り付けられている。
【0022】
掛り部材25及び押しボタン28は、図2から図4に示すように、一体化されている。掛り部材25は、基部26及び掛り部27を有している。基部26は、上壁部26A、底壁部26B、前後壁部26C、左壁部26D、右壁部26E、及び中央壁部26Fを具備している。基部26を上方から見た平面視において、基部26は略横長矩形状である。基部26を前方から見た正面視において、基部26の上端縁は右方向に向けて上方に傾斜している。つまり、基部26の上壁部26Aの上面及び前後壁部26Cの上端縁は右方向に向けて上方に傾斜している。基部26を前方から見た正面視において、基部26の下端縁は水平に延び、左右中央部が僅かに上方に凹んでいる。つまり、基部26の前後壁部26Cの下端縁は左右中央部が上方に向けて凹んでいる。この凹みは、掛り部材25をハンドル本体20に組み付けた状態において、板ばね24の中央部が嵌り込む。右壁部26Eは、上壁部26A、底壁部26B、前後壁部26Cの各右端縁に連続している。左壁部26Dは、底壁部26Bの左端縁に連続して立ち上がり、上端部に右方向に突出した凸部26Gを有している(図2参照)。中央壁部26Fは、平板状であり、前後壁部26C、左壁部26D、右壁部26Eとの間に隙間を設けつつ、底壁部26Bの上面から立ち上がっている。
【0023】
掛り部27は、図3及び図4に示すように、基部26の右壁部26Eの右側面の上下方向の中央部から右方向に突出している。掛り部27は、外側面27A、内側面27B、第1側面27C、第2側面27D、及び先端面27Eを有している。掛り部27を右方向から見た右側面視において、掛り部27の上縁及び下縁は、左右中央部が上方に膨らむように湾曲している。掛り部27を右方向から見た右側面視において、掛り部27の左右縁は、下方に向けて左右中央部に近づくように傾斜している。つまり、掛り部材25をハンドル本体20に組み付けた状態において、外側面27A及び内側面27Bは、図7に示すように、温度調節ハンドル10の回転軸を中心にした円弧に沿って湾曲している。第1側面27C及び第2側面27Dは、図3及び図4に示すように、外側面27Aの両端の夫々と内側面27Bの両端の夫々に連続している。掛り部27の前後断面形状において、外側面27Aと第1側面27Cとの間に形成される角度は鋭角であり、外側面27Aと第2側面27Dとの間に形成される角度も鋭角である。つまり、掛り部27の第1側面27Cと第2側面27Dは、内側面27B及び外側面27Aに沿った長さが内側面27Bから外側面27Aに向けて徐々に長くなるように、傾斜している。先端面27Eは掛り部27の先端を形成している。
【0024】
押しボタン28を上方から見た平面視において、押しボタン28は、左右方向に長い略矩形状である。押しボタン28を上方から見た平面視において、押しボタン28は、ハンドル本体20の周壁部21Aに形成された開口よりも僅かに小さい。押しボタン28を前方から見た正面視において、押しボタン28の上縁は、図2に示すように、僅かに右方向に向けて上方に傾斜している。押しボタン28を前方から見た正面視において、押しボタン28の左右縁は、垂直方向に平行に延びている。押しボタン28を前方から見た正面視において、押しボタン28は、略台形状であり、左右寸法が上下寸歩よりも僅かに長い。押しボタン28は、図2に示すように、下方に向けて開口した空間が形成されている。この空間は、掛り部材25の基部26の中央壁部26Fを挿入することができる。押しボタン28は、左側面の下部に左方向に突出した凸部28Aを有している。押しボタン28は、掛り部材25の基部26の中央壁部26Fを空間内に挿入しつつ、掛り部材25の基部26に押し込んで一体化する。押しボタン28と係部材を一体化した状態にすると、基部26の左壁部26Dの上端部の凸部26Gと、押しボタン28の左側面の凸部28Aとが掛かり合い、押しボタン28が掛り部材25から外れてしまうことを防止する(図2参照)。
【0025】
掛り部材25及び押しボタン28をハンドル本体20に組み付けた状態において、掛り部材25の基部26は、図2及び図3に示すように、ハンドル本体20の周壁部21Aと板ばね24との間に挟み込まれる。掛り部材25の基部26の下側に配置された板ばね24の弾性力は、掛り部材25をハンドル本体20の周壁部21Aに向けて移動させる方向に作用する。掛り部材25の基部26の上端面は、板ばね24の弾性力によってハンドル本体20の周壁部21Aの内周面に押しつけられる。押しボタン28は、板ばね24の弾性力によって、ハンドル本体20の周壁部21Aの外周面から突出した突出位置に配置される。押しボタン28は、板ばね24の弾性力に抗し、突出位置からハンドル本体20の中心軸方向の押込み位置まで押し込むことができる。押しボタン28をハンドル本体20の中心軸方向へ押す力を解除すると、押しボタン28は板ばね24の弾性力によって、突出位置に復帰する。
【0026】
規制部材30は、図1図2図5及び図6に示すように、中心軸が左右方向に延びた略円筒状である。規制部材30は、図2に示すように、大部分がカバー5内に収納されて湯水混合水栓1に組み付けられる。規制部材30の左端部は、カバー5の左側面に形成された開口から外側に突出している。規制部材30は、右側開口から温度調節バルブユニットの左端部を挿入し、右端部内に温度調節バルブユニットの左端部を収納している。温度調節バルブユニットの左端部に露出した回転部9の一部は、規制部材30内に位置している。温度調節バルブユニットの回転部9の回転軸と、規制部材30の中心軸とは、同一直線上に位置している。規制部材30は、左側開口から温度調節ハンドル10のハンドル本体20の連結部22を挿入している。温度調節ハンドル10を湯水混合水栓1に組み付けた状態において、ハンドル本体20の連結部22の中心軸と、規制部材30の中心軸とは、温度調節ハンドル10の回転軸上に位置している。ハンドル本体20の連結部22の右壁部22Cに形成された貫通孔に挿入したボルトBを温度調節バルブユニットの回転部9に締め付けることによって、温度調節ハンドル10と温度調節バルブユニットの回転部9とは連結される。
【0027】
規制部材30の左端部は、図5から図7に示すように、外周壁部31、縮径部33、及び内壁部35を有している。外周壁部31、縮径部33、及び内壁部35は、規制部40を構成している。規制部40は、第1当り面41、第2当り面42、及び第3当り面43を有している。外周壁部31の外径は、ハンドル本体20の周壁部21Aの右端縁の内径よりも小さい(図2参照)。外周壁部31は、第1外周壁部311と第2外周壁部312とから構成されている。第1外周壁部311は第2外周壁部312に比べて内径が大きい第1外周壁部311の周方向の一端と第2外周壁部312の周方向の一端とが連結している第1連結部31Fは、第1外周壁部311の周方向の他端と第2外周壁部312の周方向の他端とが連結している第2連結部31Sよりも下側に位置している。
【0028】
第1当り面41は、第1連結部31Fにおける第1外周壁部311の内周面の一端縁と第2外周壁部312の内周面の一端縁との間に広がる平面であり、第2外周壁部312の周方向の一端面である。規制部40を左方向から見た左側面視において、第1当り面41は、第1外周壁部311側から第2外周壁部312側に向けて反時計回転方向に傾斜している。第1外周壁部311の内周面の一端部と第2外周壁部312の内周面の一端部とは、周方向にオーバーラップしている。
【0029】
第3当り面43は、第2連結部31Sにおける第1外周壁部311の内周面の他端縁と第2外周壁部312の内周面の他端縁との間に広がる平面であり、第2外周壁部312の周方向の他端面である。規制部40を左方向から見た左側面視において、第3当り面43は、第1外周壁部311側から第2外周壁部312側に向けて時計回転方向に僅かに傾斜している。第1外周壁部311の内周面の他端部と第2外周壁部312の内周面の他端部とは、周方向に僅かにオーバーラップしている。
【0030】
規制部材30を左方向から見た左側面視において、第1外周壁部311の内周面が形成する円弧の中心角度は約228度である。規制部材30を左方向から見た左側面視において、第2外周壁部312の内周面が形成する円弧の中心角度は約136度である。これら中心角度を足した角度が360度よりも大きいのは、第1外周壁部311の内周面の一端部と第2外周壁部312の内周面の一端部とが周方向にオーバーラップし、第1外周壁部311の内周面の他端部と第2外周壁部312の内周面の他端部とが周方向に僅かにオーバーラップしているからである。
【0031】
縮径部33は、規制部材30の外周壁部31の内周面から規制部材30の中心軸方向に向かって広がり、中央部に円形の貫通孔が形成されている。縮径部33は、規制部材30の外周壁部31の左端面から右方向に離れた位置に設けられている。規制部材30を湯水混合水栓1に組み付けた状態において、縮径部33は、図2に示すように、カバー5の左側面よりも右側に配置されている。温度調節ハンドル10を湯水混合水栓1に組み付けた状態において、縮径部33の左側面は、掛り部27の先端面27Eよりも僅かに右側に位置している。縮径部33の貫通孔の内径は、図2及び図7に示すように、ハンドル本体20の連結部22の外筒22Aの外径よりも僅かに大きい。温度調節ハンドル10を湯水混合水栓1に組み付けた状態において、ハンドル本体20の連結部22は、縮径部33の貫通孔に挿入されている。縮径部33の貫通孔に挿入されたハンドル本体20の連結部22の外筒22Aの外周面と、第2外周壁部312の内周面とは、図7に示すように、掛り部27が通過することができるように離れている。
【0032】
内壁部35は、図5から図7に示すように、縮径部33の左側面から左方向に突出している。規制部40を左方向から見た左側面視において、内壁部35は、縮径部33の第1当り面41から反時計回転方向に離れた位置に設けられている。内壁部35は、第2当り面42、内側面35A、外側面35B、及び左側面35Cを有している。第2当り面42は、縮径部33の貫通孔の開口縁側から第1外周壁部311方向に広がった平面であり、内壁部35の一端面である。規制部40を左方向から見た左側面視において、第2当り面42は、縮径部33の貫通孔の開口縁側から第1外周壁部311側に向けて反時計回転方向に傾斜している。
【0033】
内側面27Bの一端縁は、第2当り面42の縮径部33の貫通孔側に延びる一端縁に連続している。規制部40を左方向から見た左側面視において、内側面27Bは、縮径部33の貫通孔の開口縁に沿って延びている。内側面27Bは、縮径部33の貫通孔の曲率と同じ曲率で湾曲した湾曲面である。外側面27Aの一端縁は、第2当り面42の第1外周壁部311側で延びる他端縁に連続している。外側面27Aの他端縁は、内側面27Bの第2当り面42から離れた位置で延びる他端縁に連続している。
【0034】
外側面27Aは、周方向に湾曲している。規制部40を左方向から見た左側面視において、内壁部35の縮径部33の貫通孔の開口縁に直交する方向の厚さは、第2当り面42から反時計回転方向に向けて、徐々に薄くなっている。内壁部35の外側面27Aと第1外周壁部311の内周面とは、掛り部27が通過することができるように離れている。規制部40を左方向から見た左側面視において、内壁部35の外側面27Aと第1外周壁部311の内周面との間隔は、第2当り面42側から反時計回転方向に向けて徐々に広くなっている。
【0035】
第1当り面41と第2当り面42とは、規制部40の周方向に離れており、その間に連通部Cが形成されている。第2当り面42は、温度調節ハンドル10の回転軸に対して、第1当り面41よりも回転軸側に位置している。第1当り面41と第2当り面42との間に形成された連通部Cの周方向の長さは、掛り部27の周方向の長さよりも短い。
【0036】
温度調節ハンドル10を湯水混合水栓1に組み付け、温度調節ハンドル10を回転軸周りに回転させて吐水温度を調節する際における、掛り部27の移動について、説明する。温度調節ハンドル10の回転方向は、温度調節ハンドル10を左方向から見た左側面視における回転方向である。
【0037】
湯水混合水栓1の使用者等が温度調節ハンドル10を時計回転方向に回転させることによって、図7に示すように、掛り部27は第1側面27Cが規制部40の第1当り面41に当たる第1位置P1に移動すると、温度調節ハンドル10は時計回転方向の回転ができなくなる。第1位置P1に移動した際に掛り部27の第1側面27C側が規制部材30の中心軸方向へ入り込もうとすると、規制部40の第1当り面41と掛り部27の第1側面27Cとが傾斜しているため、規制部40の第1当り面41に掛り部27の第1側面27Cが引っ掛かり、掛り部27の第1側面27C側が規制部材30の中心軸方向へ入り込むことを防止する。掛り部27が第1位置P1に移動して、温度調節ハンドル10が時計回転方向に回転できない状態において、湯水混合水栓1は、混合水の温度が最も低くなるように設定される。混合水の最も低い温度は、水栓本体に流入する水の温度である。
【0038】
使用者等が温度調節ハンドル10を反時計回転方向に回転させると、掛り部27は、第1位置P1から規制部40の第1外周壁部311の内周面に沿って、反時計回転方向に移動する。使用者等が温度調節ハンドル10を反時計回転方向に回転させることによって、掛り部27は第2側面27Dが規制部40の第3当り面43に当たる外側中間位置М1に移動すると、温度調節ハンドル10は反時計回転方向の回転ができなくなる。この状態において、湯水混合水栓1は、混合水の温度が約42℃になるように設定される。掛り部27が第1位置P1と外側中間位置М1との間の第1経路T1上に配置されている場合、押しボタン28は、板ばね24の弾性力によって、突出位置に配置されている。
【0039】
掛り部27が外側中間位置М1に移動した状態において、使用者等が温度調節ハンドル10の押しボタン28を板ばね24の弾性力に抗して回転軸方向に押込み位置まで押し込むと、掛り部27が回転軸方向に移動した内側中間位置М2に移動する。規制部40の第3当り面43がわずかに傾斜しているため、掛り部27が意図せずに内側中間位置М2に移動することを抑制しつつ、使用者等が押しボタン28を押した際には掛り部27をスムーズに内側中間位置М2に移動させることができる。
【0040】
使用者等が押しボタン28を押込み位置まで押し込み、掛り部27を内側中間位置М2に移動させた状態のまま、温度調節ハンドル10を反時計回転方向に回転させると、掛り部27の外側面27Aが規制部40の第2外周壁部312の内周面に接触する状態になる。この状態になると、第2外周壁部312によって、掛り部27は規制部材30の径方向の外側への移動ができなくなるため、使用者等が押しボタン28を押し込んでいなくても押しボタン28は押込み位置に維持される。使用者等が温度調節ハンドル10を反時計回転方向に回転させると、掛り部27は、規制部40の第2外周壁部312の内周面に沿って、反時計回転方向に移動する。
【0041】
使用者等が温度調節ハンドル10を反時計回転方向に回転させることによって、掛り部27の第2側面27Dが規制部40の第2当り面42に当たる第2位置P2に移動すると、温度調節ハンドル10は反時計回転方向の回転ができなくなる。第2位置P2に移動した掛り部27の第2側面27D側が規制部材30の中心軸方向に入り込もうとすると、規制部40の第2当り面42と掛り部27の第2側面27Dとが傾斜しているため、規制部40の第2当り面42に掛り部27の第2側面27Dが引っ掛かり、掛り部27の第2側面27D側が規制部材30の中心軸方向へ入り込むことを防止する。第2位置P2に移動した掛り部27は、第1当り面41と第2当り面42との間に連通部Cが形成されているが、連通部Cの周方向の長さが掛り部27の周方向の長さよりも短いため、板ばね24の弾性力が掛り部27に作用していても、連通部Cを通過することができない。掛り部27が第2位置P2に移動して、温度調節ハンドル10が反時計回転方向に回転できない状態において、湯水混合水栓1は、混合水の温度が最も高くなるように設定される。混合水の最も高い温度は、水栓本体に流入する湯の温度よりも僅かに低い温度である。
【0042】
掛り部27が第2位置P2に移動して、温度調節ハンドル10が反時計回転方向に回転できない状態から、使用者等が温度調節ハンドル10を時計回転方向に回転させると、掛り部27は、第2位置P2から第2外周壁部312の内周面及び第1外周壁部311の内周面に沿って第1位置P1まで移動する。この移動の途中であって、第2外周壁部312から第1外周壁部311側に掛り部27が移動する際、板ばね24の弾性力によって掛り部27は、内側中間位置М2から外側中間位置М1に移動し、押しボタン28は押込み位置から突出位置に復帰する。掛り部27が内壁部35よりも第1外周壁部311側を時計回転方向に移動する際、内壁部35の外側面27Aと第1外周壁部311の内周面との間隔が広い側から狭い側へ移動することになる。このため、掛り部27は、内壁部35に邪魔されることなく、第1位置P1まで移動することができる。
【0043】
このように、掛り部27は、第1当り面41と第2当り面42を両端にした移動経路に沿って移動する。この移動経路は、第1外周壁部311の内周面に沿った円弧状の第1経路T1と、第3当り面43において第1経路T1から回転軸方向に向けた直線状の第2経路T2と、第2外周壁部312の内周面に沿った円弧状の第3経路T3とから構成される。第3経路T3は第1経路T1よりも曲率半径が小さい。第3経路T3は第1経路T1よりも短い。移動経路の一端部である第1経路T1の第1当り面41側の一端部と、移動経路の他端部である第3経路T3の第2当り面42側の他端部は、回転軸周りの周方向にオーバーラップしている。移動経路のオーバーラップしている部分において、移動経路の一端部と他端部とが通じる連通部Cが形成されている。連通部Cの周方向の長さは、掛り部27の周方向の長さよりも短い。
【0044】
<実施形態2>
実施形態2の湯水混合水栓2は、図8に示すように、掛り部27の移動経路T1、T2、T3の一端部と他端部とがオーバーラップしている部分を仕切る隔壁部50を有している点が実施形態1と相違する。実施形態1と同じ構成は、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0045】
隔壁部50の一端部は、第2外周壁部312の第1当り面41よりも内周面側に連続している。隔壁部50の他端部は、内壁部35の第2当り面42よりも外側面27A側に連続している、隔壁部50の内周面は第2外周壁部312の内周面に連続している。隔壁部50の外周面は内壁部35の外側面27Aに連続している。規制部140を左方向から見た左側面視において、隔壁部50の内周面の曲率半径は、第2外周壁部312の内周面の曲率半径と略等しい。隔壁部50の径方向の厚みは略等しい。隔壁部50の周方向の長さは、掛り部27の周方向の長さよりも長い。
【0046】
以上説明したように、実施形態1及び2の湯水混合水栓1、2は、回転軸周りに回転する温度調節ハンドル10と、温度調節ハンドル10の回転軸周りの回転に伴って回転軸周りを移動する掛り部27と、第1当り面41、及び第2当り面42を有し、温度調節ハンドル10の回転軸周りの回転範囲を制限する規制部40と、を備えている。掛り部27は、第1当り面41と第2当り面42を両端にした移動経路T1、T2、T3に沿って移動する。温度調節ハンドル10は、掛り部27が第1当り面41に当たると、回転軸周りの一方向の回転をできない状態になり、掛り部27が前記第2当り面42に当たると、回転軸周りの他方向の回転をできない状態になる。第2当り面42は、回転軸に対して、第1当り面41よりも回転軸側に位置し、移動経路T1、T2、T3の一端部と他端部は、回転軸周りの周方向にオーバーラップしている。
【0047】
これら湯水混合水栓1、2は、移動経路T1、T2、T3の一端部と他端部が回転軸周りの周方向にオーバーラップしているため、掛り部27の移動経路が長い。つまり、これら湯水混合水栓1、2は、温度調節ハンドル10の回転軸周りの回転角度が大きいため、調節可能な温度範囲を広くすることができたり、細かな温度調節をすることができたりすることができる。
【0048】
したがって、実施形態1及び2の湯水混合水栓1、2は温度調節を良好に行うことができる。
【0049】
実施形態1の湯水混合水栓1において、移動経路T1、T2、T3の一端部と他端部がオーバーラップしている部分において、移動経路T1、T2、T3の一端部と他端部とが通じる連通部Cが形成されている。この場合、この湯水混合水栓1は、移動経路T1、T2、T3の一端部と他端部がオーバーラップしている部分において、一端部と他端部とを仕切る隔壁部を設けた湯水混合水栓に比べ、規制部40の径方向の大きさを小さくすることができる。このため、この湯水混合水栓1は、小型化をしやすく、デザインの自由度が高い。
【0050】
実施形態1の湯水混合水栓1において、連通部Cの周方向の長さが掛り部27の周方向の長さよりも短い。この場合、この湯水混合水栓1は、掛り部27が連通部Cを通過することができないため、所定の回転範囲内において、温度調節ハンドル10を回転させることができる。
【0051】
実施形態2の湯水混合水栓2において、移動経路T1、T2、T3の一端部と他端部とがオーバーラップしている部分において、一端部と他端部とを仕切る隔壁部50を有している。この場合、この湯水混合水栓2は、掛り部27の移動経路をより長くすることができるため、温度調節ハンドル10の回転軸周りの回転角度をより大きくして、調節可能な温度範囲をより広くすることができたり、より細かな温度調節をすることができたりする。
【0052】
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態1及び2に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1及び2では、掛り部27は、第1位置P1から第2位置P2へ向けて反時計回転方向に移動する。これに対し、掛り部27は、第1位置P1から第2位置P2へ向けて時計回転方向に移動するように構成してもよい。
(2)実施形態1及び2では、掛り部27が移動する移動経路は、第1経路T1の方が第3経路T3よりも長い。これに対し、第1経路T1の方が第3経路T3よりも短くてもよいし、同じ長さであってもよい。
【符号の説明】
【0053】
1,2…湯水混合水栓、10…温度調節ハンドル、27…掛り部、40…規制部、41…第1当り面、42…第2当り面、T1、T2、T3…移動経路(T1…第1経路、T2…第2経路、T3…第3経路)、C…連通部、50…隔壁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8