IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ TOWA株式会社の特許一覧

特開2025-4921樹脂供給装置、樹脂成形装置、及び、樹脂成形品の製造方法
<>
  • 特開-樹脂供給装置、樹脂成形装置、及び、樹脂成形品の製造方法 図1
  • 特開-樹脂供給装置、樹脂成形装置、及び、樹脂成形品の製造方法 図2
  • 特開-樹脂供給装置、樹脂成形装置、及び、樹脂成形品の製造方法 図3
  • 特開-樹脂供給装置、樹脂成形装置、及び、樹脂成形品の製造方法 図4
  • 特開-樹脂供給装置、樹脂成形装置、及び、樹脂成形品の製造方法 図5
  • 特開-樹脂供給装置、樹脂成形装置、及び、樹脂成形品の製造方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004921
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】樹脂供給装置、樹脂成形装置、及び、樹脂成形品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/19 20060101AFI20250108BHJP
   B65G 47/14 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
B65G47/19
B65G47/14 101A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104818
(22)【出願日】2023-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 賢司
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】三谷 卓朗
(72)【発明者】
【氏名】高田 準子
(72)【発明者】
【氏名】片山 雅之
(72)【発明者】
【氏名】小河 冬彦
【テーマコード(参考)】
3F080
【Fターム(参考)】
3F080AA05
3F080BA06
3F080BC01
3F080CB02
3F080CB09
3F080CF16
3F080EA08
3F080EA14
3F080FB08
(57)【要約】
【課題】適切な量の樹脂材料を供給することができる樹脂供給装置を提供する。
【解決手段】樹脂供給装置は、柱状の樹脂材料である複数のタブレットを搬送し、樹脂成形機構に供給するフィーダと、フィーダの上方に設けられ、複数のタブレットを貯蓄する収容部と、フィーダと収容部との間に設けられ、収容部を開閉するシャッタと、シャッタの開口量を制御する制御部とを備える。制御部は、シャッタが全閉されている時に収容部内に収容されているタブレットの総量である初期投入量に関する情報を取得し、初期投入量毎に、開口量と、収容部内から落下するタブレットの落下量との関係を示す関係データを参照して、フィーダ内に保持されているタブレットの保持量に関する情報に基づき、開口量を制御する。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状の樹脂材料である複数のタブレットを搬送し、樹脂成形機構に供給するフィーダと、
前記フィーダの上方に設けられ、前記複数のタブレットを貯蓄する収容部と、
前記フィーダと前記収容部との間に設けられ、前記収容部を開閉するシャッタと、
前記シャッタの開口量を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記シャッタが全閉されている時に前記収容部内に収容されている前記タブレットの総量である初期投入量に関する情報を取得し、前記初期投入量毎に、前記開口量と、前記収容部内から落下する前記タブレットの落下量との関係を示す関係データを参照して、前記フィーダ内に保持されている前記タブレットの保持量に関する情報に基づき、前記開口量を制御する、
樹脂供給装置。
【請求項2】
前記関係データは、前記初期投入量毎かつ前記タブレットの種類毎に、前記開口量と前記落下量との関係を示すデータを含み、
前記制御部は、前記タブレットの種類に関する情報をさらに取得し、前記関係データを参照して、前記開口量を制御する、
請求項1に記載の樹脂供給装置。
【請求項3】
前記収容部内に収容されている前記タブレットの総量を検知するセンサ
をさらに備え、
前記制御部は、前記シャッタが全閉されている時の前記センサの検出値を、前記初期投入量に関する情報として取得する、
請求項1又は2に記載の樹脂供給装置。
【請求項4】
前記センサは、重量センサである、
請求項3に記載の樹脂供給装置。
【請求項5】
前記シャッタと前記フィーダとの間に設けられたホッパ
をさらに備える、
請求項1から4のいずれかに記載の樹脂供給装置。
【請求項6】
前記シャッタを開閉させる駆動機構
をさらに備え、
前記制御部は、前記駆動機構を制御することにより、前記開口量を制御し、
前記駆動機構は、モータ、及び、モータの回転に連動する機械要素を有する、
請求項1から5のいずれかに記載の樹脂供給装置。
【請求項7】
前記シャッタは、前記収容部の底面の少なくとも一部を形成している、
請求項1から6のいずれかに記載の樹脂供給装置。
【請求項8】
前記シャッタは、前記樹脂供給装置内の所定の位置に固定されており、
前記収容部は、前記樹脂供給装置の他の部分から取り外し可能に構成されている、
請求項1から7のいずれかに記載の樹脂供給装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の樹脂供給装置を備える、樹脂成形装置。
【請求項10】
請求項1から8のいずれかに記載の前記樹脂供給装置により前記タブレットを搬送し、前記樹脂成形機構へ供給することと、
前記樹脂成形機構により、供給された前記タブレットを用いて成形対象物を樹脂成形することと
を含む、樹脂成形品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂供給装置、樹脂成形装置、及び、樹脂成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、樹脂封止装置を開示する。この装置には、タブレットと呼ばれる樹脂材料が格納されるホッパが設けられている。タブレットは、ホッパからボールフィーダへと供給され、ボールフィーダからさらに下流の機構へと送られる。また、この装置には、ホッパを開閉するシャッタが設けられている。そして、制御部がシャッタによるホッパの開口量を制御することにより、ホッパからボールフィーダへのタブレットの投入量が制御される。また、この装置では、ボールフィーダに存在するタブレットの量がセンサにより検知され、このセンサの出力に基づいてホッパの開口量が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-175500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ホッパから供給されるタブレットの量は適切に制御されることが望ましい。例えば、ホッパからタブレットが大量に放出されてしまうと、タブレットが装置内で詰まる虞がある。反対に、ホッパから放出されるタブレットの量が少な過ぎると、後の樹脂成形時において材料不足が生じ得る。すなわち、タブレットの供給量が適切でないと、装置の正常な動作が妨げられる虞がある。この点、特許文献1の方法は、さらなる改善の余地がある。
【0005】
本発明の目的は、適切な量の樹脂材料を供給することができる樹脂供給装置、樹脂成形装置、及び、樹脂成形品の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある局面に従う樹脂供給装置は、フィーダと、収容部と、シャッタと、シャッタの開口量を制御する制御部とを備える。フィーダは、柱状の樹脂材料である複数のタブレットを搬送し、樹脂成形機構に供給する。収容部は、フィーダの上方に設けられ、複数のタブレットを貯蓄する。シャッタは、フィーダと収容部との間に設けられ、収容部を開閉する。制御部は、初期投入量に関する情報を取得し、関係データを参照して、フィーダ内に保持されているタブレットの保持量に関する情報に基づき、開口量を制御する。初期投入量は、シャッタが全閉されている時に収容部内に収容されているタブレットの総量である。関係データは、初期投入量毎に、開口量と、収容部内から落下するタブレットの落下量との関係を示すデータである。
【0007】
本発明の別の局面に従う樹脂成形装置は、上記樹脂供給装置を備える。
【0008】
本発明のさらに別の局面に従う樹脂成形品の製造方法は、上記樹脂供給装置によりタブレットを搬送し、樹脂成形機構へ供給することと、樹脂成形機構により、供給されたタブレットを用いて成形対象物を樹脂成形することとを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、適切な量の樹脂材料を供給することができる樹脂供給装置、樹脂成形装置、及び、樹脂成形品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る樹脂成形装置を模式的に示す平面図。
図2】一実施形態に係る樹脂供給装置の側面図。
図3】一実施形態に係る樹脂供給装置の平面図。
図4】一実施形態に係る樹脂供給動作の流れを示すフローチャート。
図5】一実施形態に係る関係データを説明する図。
図6】一実施形態に係る別の関係データを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図面は、理解の容易のために、適宜対象を省略又は誇張して模式的に描かれている。
【0012】
<1.樹脂成形装置の全体構成>
図1は、本実施形態に係る樹脂成形装置100を模式的に示す平面図である。これに限定されないが、樹脂成形装置100は、トランスファー成形を行う装置であり、タブレットTと呼ばれる樹脂材料を用いて、成形対象物を樹脂成形する。ここでの説明では、成形対象物として、半導体チップ等の電子部品が搭載された基板Bを例示する。タブレットTは、柱状に(典型的には円柱状に)成形された樹脂材料である。
【0013】
樹脂成形装置100は、インモジュールM1と、モールドモジュールM2と、アウトモジュールM3とを備える。これらのモジュールM1~M3はこの順に一体の装置として連結されている。図1では、モールドモジュールM2が2台示されているが、モールドモジュールM2は1台のみであってもよいし、3台以上配備されてもよい。モールドモジュールM2は、樹脂成形機構2を備える。樹脂成形機構2は、タブレットTを用いて基板B上の電子部品を樹脂で封止し、基板Cへと加工する樹脂成形を行う。インモジュールM1は、複数の樹脂成形前の基板Bを収容するインマガジン7と、本実施形態に係る樹脂供給装置3とを備える。樹脂供給装置3は、タブレットTを供給する装置である。アウトモジュールM3は、複数の樹脂成形後の基板Cを収容するアウトマガジン8を備える。
【0014】
インモジュールM1は、インマガジン7に隣接して配置される整列機構4をさらに備える。なお、図1中、整列機構4と樹脂供給装置3とが重なるように図示されているが、樹脂供給装置3が整列機構4の下方に配置されている。インマガジン7内には、複数の基板Bが鉛直方向に間隔を空けて収容される。これに限定されないが、整列機構4は、回転円盤を有し、図示されない押出機構によりインマガジン7から1枚ずつ押し出される基板Bを、この回転円盤上で受け取る。回転円盤は、基板Bが載置されると回転し、後述するローダ5によるピックアップに適した姿勢になるように、基板Bを整列させる。
【0015】
樹脂成形装置100は、左右方向に延びるガイドGと、ガイドGに沿って移動するローダ5及びアンローダ6とをさらに備える。なお、特に断らない限り、本実施形態の説明において、前(正面)、後(背面)、左、右、上及び下とは、図1図3に示す方向を意味する。ガイドGは、ローダ5及びアンローダ6を走行させるレールである。ガイドGは、樹脂成形装置100の背面側に沿って、インモジュールM1、モールドモジュールM2,M2及びアウトモジュールM3に亘って直線状に設けられている。樹脂成形機構2、樹脂供給装置3、整列機構4、インマガジン7及びアウトマガジン8は、ガイドGに対して正面側に配置される。
【0016】
ローダ5は、基板B及びタブレットTを、成形型20に搬入する搬入機構である。成形型20は、樹脂成形機構2,2に1つずつ設けられている。ローダ5は、基板B及びタブレットTをピックアップするピックアップ機構5aを備える。ピックアップ機構5aは、前後方向に進退可能であり、上下方向に昇降可能である。ローダ5は、ガイドGに沿ってインモジュールM1とモールドモジュールM2,M2との間を移動する。これにより、ピックアップ機構5aは、インモジュールM1内の整列機構4及び樹脂供給装置3、並びにモールドモジュールM2内の成形型20にアクセス可能である。これに限定されないが、ピックアップ機構5aは、複数対の爪を備え、これらの爪により整列機構4から基板Bを挟むようにして拾い上げ、成形型20に含まれる下型まで搬送してそこに載置する。また、ピックアップ機構5aは、シャッタを備え、シャッタにより、下方に配置された樹脂供給装置3から供給されたタブレットTを、下から保持するようにして受け取る。そして、ピックアップ機構5aは、受け取ったタブレットTを成形型20の下型まで搬送し、シャッタを開いて、成形型20の下型の樹脂収容部(ポット)にタブレットTを供給する。
【0017】
これに限定されないが、成形型20は、上下一対の型を有する金型である。ローダ5により下型内の所定の位置に基板B及びタブレットTが載置されると、上型と下型とが型締めされる。また、上型及び下型が加熱され、タブレットTが溶融する。溶融したタブレットTは、プランジャにより、上型と下型との間に形成されるキャビティ内へ押し出され、基板B上の電子部品を覆った状態で硬化する。これにより、基板Bが樹脂成形され、基板C(樹脂成形品の一例)が製造される。
【0018】
アンローダ6は、樹脂成形後の基板Cを、成形型20から搬出する搬出機構である。アンローダ6は、基板Cをピックアップするピックアップ機構6aを備える。ピックアップ機構6aは、前後方向に進退可能であり、上下方向に昇降可能である。アンローダ6は、ガイドGに沿ってアウトモジュールM3とモールドモジュールM2,M2との間を移動する。これにより、ピックアップ機構6aは、アウトモジュールM3内のアウトマガジン8、及びモールドモジュールM2内の成形型20にアクセス可能である。これに限定されないが、ピックアップ機構6aも、ピックアップ機構5aと同様に複数対の爪を備え、これらの爪により成形型20の下型から基板Cを挟むようにして拾い上げ、アウトマガジン8まで搬送してそこに収容する。
【0019】
樹脂成形装置100は、各部の動作を制御する制御部1を備える。制御部1は、CPU(中央演算装置)11及び記憶部12を有し、CPU11が記憶部12内に記憶されている制御プログラムを実行することにより、各部の動作が実行される。記憶部12内には、後述する関係データD1が記憶されている。また、樹脂成形装置100は、操作者とのユーザーインターフェース機器となる入力装置、表示装置等を備え、本実施形態では、これらがタッチパネル9として実現されている。樹脂成形装置100は、ユーザーインターフェース機器として、スピーカを備えていてもよい。
【0020】
<2.樹脂供給装置の構成>
続いて、図2及び図3を参照しつつ、本実施形態に係る樹脂供給装置3の構成について詳細に説明する。図2は、樹脂供給装置3の側面図であり、図3は、樹脂供給装置3の平面図である。
【0021】
樹脂供給装置3は、タブレットTを樹脂成形機構2へと供給する装置であり、多数のタブレットTを貯蓄するストッカ(収容部の一例)30を備える。ストッカ30は、上面に投入口30aを有し、底面に排出口30bを有する箱体である。なお、投入口30aとして、ストッカ30の上面全体が開口していてもいし、一部のみが開口していてもよい。同様に、排出口30bとして、ストッカ30の底面全体が開口していてもいし、一部のみが開口していてもよい。図2の例では、タブレットTが排出口30bから放出され易いように、ストッカ30の前方の側面は、投入口30aと排出口30bとを結ぶ斜面31を形成している。
【0022】
樹脂供給装置3は、ストッカ30の排出口30bを開閉するシャッタ40を備える。シャッタ40は、ストッカ30の下方に配置され、排出口30bを閉じた時にストッカ30の底面を形成し、排出口30bを全閉することができる。これに限定されないが、本実施形態では、排出口30bは、水平面(略水平面を含む)内に形成されており、シャッタ40も、排出口30bに沿うように水平面(略水平面を含む)を形成する。シャッタ40は、プレート状の部材である。
【0023】
シャッタ40は、制御部1により制御され、自動開閉する。シャッタ40は、駆動機構50により開閉させられる。制御部1は、駆動機構50の動作を制御することにより、シャッタ40の開口量(すなわち、排出口30bの開き量)を制御する。駆動機構50は、モータ51と、モータ51の回転に連動するベルト52とを有する。ベルト52は一対のローラ53,53に掛け回されており、ベルト52にシャッタ40が固定されている。また、モータ51は、一方のローラ53にモータ51の回転が伝達されるように配置されている。その結果、制御部1がモータ51を駆動すると、ベルト52が回転し、シャッタ40が前後方向に往復動する。なお、駆動機構50は、他の態様で実現されてもよく、例えば、モータを、モータと連動するラックアンドピニオンやボールねじ等の機械要素と組み合わせることにより実現することもできる。
【0024】
ストッカ30の排出口30bの下方には、ホッパ60が配置される。ホッパ60の下方には、さらにフィーダ70が配置される。タブレットTは、ストッカ30からホッパ60へ、ホッパ60からフィーダ70へ順次供給される。ホッパ60は、シャッタ40とフィーダ70との間に設けられ、タブレットTの搬送を中継ぎする。フィーダ70は、複数のタブレットTを搬送し、ローダ5を介して樹脂成形機構2に供給する。なお、本実施形態では、正面側から背面側にタブレットTが落下するようにホッパ60が備えられているが、この配置は特に限定されない。樹脂成形装置に合わせて、例えば、タブレットTが背面側から正面側に、左側から右側又は右側から左側に、あるいは正面側又は背面側から左側又は右側に落下するように、ホッパ60が備えられてもよい。
【0025】
ホッパ60は、上面に投入口60aを有し、後方(フィーダ70により近い側)の側面に排出口60bを有する箱体である。ホッパ60の底面は、斜面61を形成している。斜面61は、シャッタ40が開くにつれて、排出口30bを介してストッカ30内から落下してくるタブレットTを、投入口60aを介して受け取る。ストッカ30から投入されたタブレットTは、斜面61を滑り落ち、フィーダ70に投入される。ホッパ60は、制御部1に制御される図示されない振動機構を介して振動するように構成されていてもよい。この場合、タブレットTは、重力だけでなく振動により斜面61上を落下し、詰まりがより確実に防止される。振動の方向は任意であるが、タブレットTの進行方向に沿った前後方向又は上下方向の振動が好ましい。なお、ホッパ60の底面を水平面とし、振動のみによりタブレットTを送り出すことも可能である。また、ホッパ60の斜面61の角度は調整可能であってもよく、この場合、調整される角度の中に水平方向が含まれていてもよい。
【0026】
これに限定されないが、本実施形態では、フィーダ70は、パーツフィーダと呼ばれる装置として実現される。この例のフィーダ70は、ボウル71を有する。ボウル71は、上面に投入口71cを有する。ボウル71は、ホッパ60の排出口60bの下方に配置され、排出口60bを介してホッパ60内から落下してくるタブレットTを、投入口71cを介して受け取る。ボウル71は、制御部1に制御される振動機構72を介して振動する。そして、ボウル71が振動することにより、ボウル71内に投入されたタブレットTは、ボウル71内の外周部71aに向かって移動する。なお、ホッパ60からのタブレットTは、主として外周部71aより内側の、ボウル71の底面の中心を含む内側領域71bに落下する。これに限定されないが、ボウル71の底面は、典型的には円形である。
【0027】
ボウル71の外周部71aに集められたタブレットTは、さらに振動機構72による振動により外周部71aに沿って一定の方向に進み、所定の姿勢に整列させられる。その後、整列したタブレットTは、外周部71aに連続する通路であるシュート73内を、整列した姿勢を維持しながらさらに進み、ポート74に達する。タブレットTは、ポート74内の所定の位置において、ローダ5によるピックアップに適した姿勢になるように整列させられる。例えば、タブレットTは、ポート74内で、転倒した状態から起立させられる。その後、タブレットTは、ローダ5にピックアップされ、基板Bとともに、樹脂成形機構2まで搬送される。
【0028】
ボウル71には、ボウル71内に保持されているタブレットTの保持量を検知するためのセンサ75が取り付けられている。センサ75は、好ましい一例を挙げると、接触センサとすることができる。そのほか、センサ75は、重量センサとしてもよい。センサ75の検出値は、制御部1に送信される。制御部1は、センサ75の検出値に基づいて、例えば、ボウル71内のタブレットTの残量が所定の量より少なくなったか否かを判断する。そして、制御部1は、少なくなったと判断すると、シャッタ40の開口量をより大きくなるように制御する。
【0029】
ストッカ30には、ストッカ30内に収容されているタブレットTの総量を検知するためのセンサ35が取り付けられている。センサ35は、好ましい一例を挙げると、重量センサとすることができる。そのほか、センサ35は、接触センサとしてもよい。センサ35の検出値は、制御部1に送信される。制御部1は、センサ35の検出値を、シャッタ40の開口量を制御するのに用いる。この処理の詳細は、後述する。
【0030】
インモジュールM1の外部ケーシングの正面において、ストッカ30に対面する位置には、ドア38が設けられている。ドア38を開くと、操作者は、ストッカ30にアクセスすることができる。ストッカ30は、前後方向に移動可能であり、ドア38を開いた状態で、インモジュールM1の外側に引き出すことができる。なお、本実施形態では、ストッカ30は、インモジュールM1に対して取り外し不可とし、ストッパにより所定量以上引き出せないように構成されている。ストッカ30をインモジュールM1の外側に引き出すと、ストッカ30の投入口30aの少なくとも一部がインモジュールM1の外側に露出する。この状態で、操作者は、投入口30aを介してタブレットTをストッカ30内に容易に補充することができる。
【0031】
これに限定されないが、本実施形態では、ドア38には、制御部1に制御される開ボタン38aと、これに連動する電子錠(図示せず)とが設けられている。これにより、制御部1は、ドア38をロック状態とアンロック状態とに切り替えることができる。そして、制御部1は、樹脂成形動作を、ドア38が閉じられたロック状態でしか実行できず、アンロック状態では実行できないように制御する。なお、開ボタン38aは、機械式のボタンであってもよいし、タッチパネル9上に表示されるボタンであってもよい。
【0032】
<3.樹脂供給動作>
以下、図4を参照しつつ、本実施形態に係る樹脂供給動作の流れについて説明する。上記の通り、樹脂成形装置100の全体は、タブレットTを用いて基板B上の電子部品を樹脂で封止し、基板Cへと加工する樹脂成形動作を行う。樹脂供給動作は、このような樹脂成形動作のうち、ストッカ30内からタブレットTを樹脂成形機構2へ供給するための動作である。樹脂供給動作は、樹脂供給装置3により実行され、制御部1により制御される。図4の処理は、制御部1により実行される。
【0033】
図4の処理が実行される前の予備作業として、操作者は以下のタブレットTの充填操作を行う。まず、操作者は、ドア38の開ボタン38aを押す。これを受けて、制御部1は、シャッタ40を全閉した後、ドア38をアンロックする。制御部1は、ドア38のアンロック中、シャッタ40を全閉した状態に維持する。ドア38がアンロックされると、操作者はドア38を手動で開く。あるいは、ドア38は、アンロックされると自動で開かれてもよい。
【0034】
次に、操作者は、ドア38の内側に配置されるストッカ30の少なくとも一部を外部に引き出し、ストッカ30の投入口30aにタブレットTを投入する。このとき、シャッタ40は全閉されているので、投入されたタブレットTは、ストッカ30内に貯蓄される。操作者は、タブレットTの充填が完了すると、ストッカ30をインモジュールM1内の所定の位置に押し戻し、ドア38を閉める。ドア38を閉めて一定時間が経過すると、ドア38は制御部1によりロックされる。
【0035】
制御部1は、開始条件が満たされると、図4の処理を開始する。開始条件は、例えば、操作者が樹脂成形動作の開始を命令し、かつ、ドア38がロックされていることとすることができる。操作者による樹脂成形動作の開始の命令は、例えば、タッチパネル9を介して入力され、制御部1に検知される。
【0036】
図4の処理が開始されると、まずステップS1が実行される。ステップS1では、制御部1は、タブレットTの初期投入量に関する情報を取得する。ここで、初期投入量とは、シャッタ40が全閉されている時にストッカ30内に収容されているタブレットTの総量である。本実施形態では、初期投入量に関する情報は、シャッタ40が全閉されている時のセンサ35の検出値として取得される。なお、上記の通り、ステップS1の実行時において、シャッタ40は全閉されている。従って、初期投入量に関する情報は、ステップS1の実行時にセンサ35により検知される値としてもよい。あるいは、初期投入量に関する情報は、上述の予備作業時において、操作者がストッカ30にタブレットTを充填した後、又はドア38が閉められた後にセンサ35により検知された値としてもよい。この場合、制御部1は、このときのセンサ35の検出値を記憶しておき、ステップS1の実行時に呼び出す。また、本実施形態では、初期投入量の単位を重量とするが、体積、又は、ストッカ30内におけるタブレットTの高さ等とすることもできる。初期投入量の単位は、センサ35の種類等に応じて適宜設定され得る。
【0037】
続くステップS2では、制御部1は、ストッカ30内に収容されているタブレットTの種類に関する情報を取得する。ここで、タブレットTの種類とは、サイズ(径、長さ)、材料、形状、比重、製品番号、製品名等の属性を表す。タブレットTの種類に関する情報は、例えば、操作者によりタッチパネル9を介して入力され、制御部1に送信される。なお、タブレットTの種類に関する情報は、ステップS2の実行時に操作者により入力されてもよいし、上述の予備作業時等、事前に操作者により入力されてもよい。後者の場合、制御部1は、このときの入力値を記憶しておき、ステップS2の実行時に呼び出す。なお、以上のステップS1及びS2は、順不同である。
【0038】
ステップS1,S2が完了すると、制御部1は、樹脂成形装置100に含まれる各機構を稼働し、樹脂成形動作を実行させる。樹脂成形動作の実行には、樹脂成形機構2がタブレットTを使用する。そのため、続くステップS3~S5では、制御部1は、ストッカ30内のタブレットTを樹脂成形機構2に供給するべく、シャッタ40の開口量を制御する。制御部1は、シャッタ40の開口量を決定し、これに応じてシャッタ40を開く。
【0039】
シャッタ40の開口量は、記憶部12内に記憶されている関係データD1を参照して決定される。ここで、図5を参照しながら、関係データD1について説明する。同図に示されるように、関係データD1は、シャッタ40の開口量と、ストッカ30内から落下するタブレットTの落下量との関係を示すデータである。
【0040】
図5の例では、関係データD1は、グラフとして示される。横軸は、シャッタ40の開口量である。縦軸は、シャッタ40が横軸に示す開口量だけ開かれた時に、ストッカ30内から落下するタブレットTの落下量である。なお、同図の縦軸の落下量は、シャッタ40の全閉時を基準としたタブレットTの累積落下量である。すなわち、ここでの縦軸の落下量は、シャッタ40が全閉の状態から段階的に開くにつれて、シャッタ40の開口量が大きくなる度に落下した落下量の合計値である。縦軸の落下量は、シャッタ40が全閉の状態から段階的に開く間の、タブレットTの落下量の増分の合計値ということもできる。同図の横軸の開口量も、シャッタ40の全閉時を基準としたシャッタ40の開口量である。
【0041】
図5の例では、シャッタ40の開口量とタブレットTの落下量とは、シャッタ40の全閉時から全開時の全区間のうち、部分的な区間においては線形関係にあるものの、全区間においては線形関係にない。言い換えると、シャッタ40の単位開口量当たりのタブレットTの落下量は、シャッタ40の全閉時から全開時の区間にわたって変化する。この例では、タブレットTの落下量は、シャッタ40の開口量が大きくなるにつれて、全閉時からある変化点までは一定の割合で増加し、当該変化点を過ぎると、それまでとは異なる一定の割合で増加する。また、このような変化点が複数存在している。
【0042】
シャッタ40の開口量とタブレットTの落下量との関係は、ストッカ30の形状等、装置全体の設計要因に応じて様々に変化し得る。そのため、ここで述べた傾向が、全ての装置に対して常に当てはまるとは限らない。しかしながら、本発明者らは、シャッタ40の開口量とタブレットTの落下量との間には、タブレットTの初期投入量及び種類に依存する一定の関係があることを発見した。関係データD1は、このような関係を定義するデータである。本実施形態では、関係データD1は、タブレットTの初期投入量毎、かつ、タブレットTの種類毎に定義される。関係データD1は、予め実施された実験結果等に基づき作成され、記憶部12に記憶される。なお、関係データD1は、予め記憶部12に記憶されていなくてもよい。例えば、制御部1がネットワークに接続されている場合には、樹脂供給動作の開始時等の適当なタイミングで、ネットワーク経由で関係データD1が外部から取得されてもよい。
【0043】
図5中、点線で示されるデータF11,F12,F21は、予め実施された実験結果を示している。実線で示されるデータF1は、データF11,F12に基づき、シャッタ40の開口量とタブレットTの落下量との関係を定式化したデータである。データF11,F12は、タブレットTの初期投入量及び種類が同じ条件下で実施した別々の実験のデータである。データF2は、データF21に基づき、シャッタ40の開口量とタブレットTの落下量との関係を定式化したデータである。なお、制御部1が参照する関係データD1は、データF11,F12,F21のような、実験結果のそのものを含んでいてもよいし、データF1,F2のような実験結果のデータに基づく定式を含んでいてもよいし、両方を含んでいてもよい。
【0044】
関係データD1は、以上のようなグラフ又は定式の形式で定義することができるが、これに限定されず、任意の形式を採用することができる。例えば、図6に示すように、テーブル形式で定義することもできる。図6の例では、関係データD1は、開口量及び落下量の組み合わせを、シャッタ40の全閉時から全開時の全区間において小刻みに定義するデータである。
【0045】
以上のような関係データD1を参照することにより、必要とされるタブレットTの供給量に応じて、シャッタ40の開口量を適切に決定することができる。ひいては、適切な量のタブレットTを下流の工程へと供給することができる。その結果、ストッカ30からタブレットTが大量に放出されてしまい、ホッパ60やフィーダ70等の下流の機構でタブレットTが詰まる事態が低減され得る。また、ストッカ30から放出されるタブレットTの量が少な過ぎることにより、樹脂成形機構2等の下流の機構で材料不足が生じる事態も低減され得る。よって、樹脂成形装置100の正常な動作をより適切に維持することができる。
【0046】
ステップS3では、制御部1は、タブレットTの初期投入量及び種類の組み合わせ毎に定義されている複数セットの関係データD1の中から、ステップS1及びS2で取得されたタブレットTの初期投入量及び種類に対応する関係データD1を選択する。そして、制御部1は、選択された関係データD1を参照して、シャッタ40の開口量を決定する。より具体的には、制御部1は、樹脂成形動作の開始時に必要なタブレットTの量に対応(一致)する落下量を判断し、これを関係データD1に照合して、開口量を決定する。そして、駆動機構50を駆動し、決定した開口量となるようにシャッタ40を開く。なお、樹脂成形動作の開始時に必要なタブレットTの量は、予め定められていてもよいし、現在実行しようとしている樹脂成形動作の動作条件に応じて適宜判断されてもよい。
【0047】
続くステップS4では、制御部1は、センサ75の検出値を取得し、これに基づき、シャッタ40をさらに開くか否かを判断する。センサ75の検出値は、フィーダ70内に保持されているタブレットTの保持量に関する情報である。制御部1は、センサ75の検出値に基づいて、ボウル71内のタブレットTの残量が所定の量より少なくなったか否かを判断し、少なくなったと判断すると、ステップS5に進む。一方、少なくなっていないと判断すると、後述するステップS9に進む。
【0048】
ステップS5では、制御部1は、タブレットTの初期投入量及び種類の組み合わせ毎に定義されている複数セットの関係データD1の中から、ステップS3で選択された関係データD1を参照して、シャッタ40の開口量を決定する。より具体的には、制御部1は、樹脂成形動作の継続にさらに必要なタブレットTの量に対応する落下量を判断し、これを関係データD1に照合して、開口量を決定する。そして、駆動機構50を駆動し、決定した開口量となるようにシャッタ40を開く。なお、樹脂成形動作の継続にさらに必要なタブレットTの量は、現在実行中の樹脂成形動作の動作条件に応じて適宜判断され得る。あるいは、これに代えて又は加えて、直前のステップS4で取得されたセンサ75の検出値に基づき、フィーダ70内のタブレットTの保持量を判断し、これに応じて、樹脂成形動作の継続にさらに必要なタブレットTの量が決定されてもよい。
【0049】
続くステップS6では、制御部1は、ストッカ30が空になっているか否かを判断する。具体的には、直前のステップS5の実行により、シャッタ40の開口量が全開となった場合に、ストッカ30が空になっていると判断してもよい。あるいは、センサ35の検出値を取得し、これに基づき、ストッカ30が空になっているか否かを判断してもよい。センサ35の検出値は、ストッカ30内に収容されているタブレットTの総量に関する情報である。
【0050】
ステップS6でストッカ30が空になっていると判断されると、ステップS7が実行される。ステップS7では、制御部1は、ストッカ30が空になっていることを示すアラートを出力する。アラートは、例えば、タッチパネル9に表示される。また、これに代えて又は加えて、アラート音がスピーカから出力されてもよい。操作者は、このようなアラートに気づいた場合、必要に応じて、前述の予備作業としてのタブレットTの充填操作を実施する。
【0051】
その後、ステップS8で、予備作業が行われたか否かが判断される。予備作業が行われた場合、制御部1は、処理をステップS1に戻し、樹脂供給動作を続ける。
【0052】
ステップS8で予備作業が行われなかったと判断された場合、ステップS9が実行される。ステップS9は、ステップS6でストッカ30が空になっていないと判断された場合にも実行される。ステップS9では、制御部1は、停止条件が満たされるか否かを判断する。停止条件は、例えば、操作者が樹脂成形動作の停止を命令したこと、又は、樹脂成形装置100のどこかで所定の異常が発生したこととすることができる。ここでいう所定の異常には、タブレットTの不足により、フィーダ70において樹脂供給動作を継続できないことが含まれ得る。
【0053】
ステップS9で停止条件が満たされないと判断された場合、制御部1は、処理をステップS4に戻し、樹脂成形動作を継続させる。一方、ステップS9で停止条件が満たされたと判断されると、ステップS10に進む。ステップS10では、制御部1は、シャッタ40を全閉する。また、制御部1は、樹脂成形装置100に含まれる各機構の稼働を停止させ、樹脂成形動作を停止させる。これにより、図4の処理も終了する。
【0054】
図4の処理により、ストッカ30内のタブレットTは、樹脂成形機構2へと供給される。そして、上述の樹脂成形動作により、このようなタブレットTを原料の一部として、樹脂成形機構2において基板Cが製造される。
【0055】
<4.特徴>
上記実施形態では、関係データD1に基づいて、シャッタ40の開口量が制御される。これにより、シャッタ40の開口量を適切に決定することができ、適切な量のタブレットTを下流の工程へと供給することができる。その結果、樹脂成形装置100の正常な動作をより適切に維持することができる。
【0056】
<5.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
【0057】
<5-1>
上記実施形態において、ホッパ60を省略することができる。この場合、ストッカ30の排出口30bをフィーダ70のボウル71の直上方に配置することにより、ストッカ30内のタブレットTをフィーダ70に適切に投入することができる。
【0058】
<5-2>
上記実施形態において、センサ35は省略することもできる。この場合、ステップS1における初期投入量は、操作者の入力により取得されてもよい。
【0059】
<5-3>
ストッカ30は、インモジュールM1から取り外し可能であってもよい。この場合、駆動機構50は、取り外し可能なストッカ30ではなく、インモジュールM1内の所定の位置に固定されていることが好ましい。また、この場合において、シャッタ40も、インモジュールM1内の所定の位置に固定されることが好ましい。また、この場合において、シャッタ40と駆動機構50とを接続し固定するための接続機構が、シャッタ40に設けられることが好ましい。また、この場合において、ストッカ30には、シャッタ40とは別に、ストッカ30とともに取り外し可能なシャッタが設けられていてもよい。このシャッタも、排出口30bを開閉する。この場合、ストッカ30は、インモジュールM1から取り外された状態でも有底の箱として機能し、インモジュールM1から離れた位置で、ストッカ30へタブレットTを補充することができる。このようなシャッタ40とは別のシャッタが設けられる場合、ストッカ30を樹脂成形装置100にセットした後、このシャッタを全開にしておくことが好ましい。
【0060】
<5-4>
上記実施形態では、関係データD1は、初期投入量毎、かつ、タブレットTの種類毎に定義された。しかし、関係データD1は、タブレットTの種類毎に定義されなくてもよい。また、関係データD1は、タブレットTの初期投入量毎、かつ、タブレットTの種類以外の別の条件毎に定義されてもよい。
【0061】
<5-5>
上記実施形態では、関係データD1は、シャッタ40の開口量と、シャッタ40の全閉時を基準としたタブレットTの累積落下量との関係を示すデータとされた。しかしながら、関係データD1に示される落下量は、このような累積落下量ではなくてもよい。例えば、関係データD1は、シャッタ40が全閉の状態から段階的に開く間の、タブレットTの落下量の増分と、シャッタ40の開口量との関係を示すデータであってもよい。
【0062】
<6.付記>
<技術1>
(構成)
柱状の樹脂材料である複数のタブレットを搬送し、樹脂成形機構に供給するフィーダと、
前記フィーダの上方に設けられ、前記複数のタブレットを貯蓄する収容部と、
前記フィーダと前記収容部との間に設けられ、前記収容部を開閉するシャッタと、
前記シャッタの開口量を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記シャッタが全閉されている時に前記収容部内に収容されている前記タブレットの総量である初期投入量に関する情報を取得し、前記初期投入量毎に、前記開口量と、前記収容部内から落下する前記タブレットの落下量との関係を示す関係データを参照して、前記フィーダ内に保持されている前記タブレットの保持量に関する情報に基づき、前記開口量を制御する、
樹脂供給装置。
【0063】
(効果等)
この樹脂供給装置においては、上記のような関係データに基づいて、シャッタの開口量が制御される。これにより、シャッタの開口量を適切に制御することができる。よって、適切な量のタブレットを下流の工程へと供給することができる。
【0064】
<技術2>
(構成)
前記関係データは、前記初期投入量毎かつ前記タブレットの種類毎に、前記開口量と前記落下量との関係を示すデータを含み、
前記制御部は、前記タブレットの種類に関する情報をさらに取得し、前記関係データを参照して、前記開口量を制御する、
技術1に記載の樹脂供給装置。
【0065】
(効果等)
この樹脂供給装置においては、関係データが、初期投入量だけでなく、タブレットの種類毎に定義される。従って、シャッタの開口量をより適切に制御することができる。
【0066】
<技術3>
(構成)
前記収容部内に収容されている前記タブレットの総量を検知するセンサ
をさらに備え、
前記制御部は、前記シャッタが全閉されている時の前記センサの検出値を、前記初期投入量に関する情報として取得する、
技術1又は2に記載の樹脂供給装置。
【0067】
(効果等)
この樹脂供給装置においては、初期投入量に関する情報を、簡易に取得することができる。
【0068】
<技術4>
(構成)
前記センサは、重量センサである、
技術3に記載の樹脂供給装置。
【0069】
(効果等)
この樹脂供給装置においては、初期投入量に関する情報を、定量的に正確に取得することができる。
【0070】
<技術5>
(構成)
前記シャッタと前記フィーダとの間に設けられたホッパ
をさらに備える、
技術1から4のいずれかに記載の樹脂供給装置。
【0071】
(効果等)
この樹脂供給装置においては、タブレットの詰まりをより確実に防止することができる。
【0072】
<技術6>
(構成)
前記シャッタを開閉させる駆動機構
をさらに備え、
前記制御部は、前記駆動機構を制御することにより、前記開口量を制御し、
前記駆動機構は、モータ、及び、モータの回転に連動する機械要素を有する、
技術1から5のいずれかに記載の樹脂供給装置。
【0073】
(効果等)
この樹脂供給装置においては、制御部が駆動機構を介して、シャッタの開口量を制御することできる。
【0074】
<技術7>
(構成)
前記シャッタは、前記収容部の底面の少なくとも一部を形成している、
技術1から6のいずれかに記載の樹脂供給装置。
【0075】
(効果等)
この樹脂供給装置においては、シャッタの開閉により収容部の底面を開くことができる。すなわち、シャッタの開口量を制御することにより、容易に収容部内のタブレットを下流の工程に送ることができる。
【0076】
<技術8>
(構成)
前記シャッタは、前記樹脂供給装置内の所定の位置に固定されており、
前記収容部は、前記樹脂供給装置の他の部分から取り外し可能に構成されている、
技術1から7のいずれかに記載の樹脂供給装置。
【0077】
(効果等)
この樹脂供給装置においては、収容部を開閉するシャッタから独立して、収容部を樹脂供給装置の他の部分から取り外すことができる。
【0078】
<技術9>
(構成)
技術1から8のいずれかに記載の樹脂供給装置を備える、樹脂成形装置。
【0079】
(効果等)
この樹脂成形装置では、樹脂成形時に適切な量のタブレットが供給される。
【0080】
<技術10>
(構成)
技術1から8のいずれかに記載の前記樹脂供給装置により前記タブレットを搬送し、前記樹脂成形機構へ供給することと、
前記樹脂成形機構により、供給された前記タブレットを用いて成形対象物を樹脂成形することと
を含む、樹脂成形品の製造方法。
【0081】
(効果等)
この樹脂成形品の製造方法では、樹脂成形時に適切な量のタブレットが供給されるため、タブレットを原料の少なくとも一部とする樹脂成形品をより適切に製造することができる。
【符号の説明】
【0082】
100 樹脂成形装置
1 制御部
2 樹脂成形機構
3 樹脂供給装置
4 整列機構
5 ローダ
5a ピックアップ機構
6 アンローダ
6a ピックアップ機構
7 インマガジン
8 アウトマガジン
9 タッチパネル
11 CPU
12 記憶部
20 成形型
30 ストッカ
30a 投入口
30b 排出口
31 斜面
35 センサ
38 ドア
38a 開ボタン
40 シャッタ
50 駆動機構
51 モータ
52 ベルト(機械要素)
53 ローラ
60 ホッパ
60a 投入口
60b 排出口
61 斜面
70 フィーダ
71 ボウル
71a 外周部
71b 内側領域
71c 投入口
72 振動機構
73 シュート
74 ポート
75 センサ
500 駆動機構
B 基板(成形対象物)
C 基板(樹脂成形品)
D1,F1,F2,F11,F12,F22 関係データ
G ガイド
M1 インモジュール
M2 モールドモジュール
M3 アウトモジュール
T タブレット

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-06-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状の樹脂材料である複数のタブレットを搬送し、樹脂成形機構に供給するフィーダと、
前記フィーダの上方に設けられ、前記複数のタブレットを貯蓄する収容部と、
前記フィーダと前記収容部との間に設けられ、前記収容部を開閉するシャッタと、
前記シャッタの開口量を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記シャッタが全閉されている時に前記収容部内に収容されている前記タブレットの総量である初期投入量に関する情報を取得し、前記初期投入量毎に、前記開口量と、前記収容部内から落下する前記タブレットの落下量との関係を示す関係データを参照して、前記フィーダ内に保持されている前記タブレットの保持量に関する情報に基づき、前記開口量を制御する、
樹脂供給装置。
【請求項2】
前記関係データは、前記初期投入量毎かつ前記タブレットの種類毎に、前記開口量と前記落下量との関係を示すデータを含み、
前記制御部は、前記タブレットの種類に関する情報をさらに取得し、前記関係データを参照して、前記開口量を制御する、
請求項1に記載の樹脂供給装置。
【請求項3】
前記収容部内に収容されている前記タブレットの総量を検知するセンサ
をさらに備え、
前記制御部は、前記シャッタが全閉されている時の前記センサの検出値を、前記初期投入量に関する情報として取得する、
請求項1又は2に記載の樹脂供給装置。
【請求項4】
前記センサは、重量センサである、
請求項3に記載の樹脂供給装置。
【請求項5】
前記シャッタと前記フィーダとの間に設けられたホッパ
をさらに備える、
請求項1又は2に記載の樹脂供給装置。
【請求項6】
前記シャッタを開閉させる駆動機構
をさらに備え、
前記制御部は、前記駆動機構を制御することにより、前記開口量を制御し、
前記駆動機構は、モータ、及び、モータの回転に連動する機械要素を有する、
請求項1又は2に記載の樹脂供給装置。
【請求項7】
前記シャッタは、前記収容部の底面の少なくとも一部を形成している、
請求項1又は2に記載の樹脂供給装置。
【請求項8】
前記シャッタは、前記樹脂供給装置内の所定の位置に固定されており、
前記収容部は、前記樹脂供給装置の他の部分から取り外し可能に構成されている、
請求項1又は2に記載の樹脂供給装置。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の樹脂供給装置を備える、樹脂成形装置。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の前記樹脂供給装置により前記タブレットを搬送し、前記樹脂成形機構へ供給することと、
前記樹脂成形機構により、供給された前記タブレットを用いて成形対象物を樹脂成形することと
を含む、樹脂成形品の製造方法。