IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローレルバンクマシン株式会社の特許一覧 ▶ ローレル機械株式会社の特許一覧 ▶ ローレル精機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-貨幣処理装置および請求システム 図1
  • 特開-貨幣処理装置および請求システム 図2
  • 特開-貨幣処理装置および請求システム 図3
  • 特開-貨幣処理装置および請求システム 図4
  • 特開-貨幣処理装置および請求システム 図5
  • 特開-貨幣処理装置および請求システム 図6
  • 特開-貨幣処理装置および請求システム 図7
  • 特開-貨幣処理装置および請求システム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004930
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】貨幣処理装置および請求システム
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/32 20190101AFI20250108BHJP
   G07D 11/20 20190101ALI20250108BHJP
   G06Q 40/02 20230101ALI20250108BHJP
【FI】
G07D11/32
G07D11/20
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104837
(22)【出願日】2023-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】篠田 信和
【テーマコード(参考)】
3E141
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA02
3E141AA05
3E141AA08
3E141BA09
3E141CA12
3E141CA20
3E141CB04
3E141EA10
5L040BB01
5L055BB01
(57)【要約】
【課題】貨幣の処理量に応じた費用で貨幣処理装置を利用させる。
【解決手段】計算部は、貨幣処理装置による所定の期間における貨幣の実績処理量を計算する。出力部は、実績処理量を示す実績情報を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨幣の処理が可能な貨幣処理装置であって、
前記貨幣処理装置による所定の期間における貨幣の実績処理量を計算する計算部と、
前記実績処理量を示す実績情報を出力する出力部と
を備える貨幣処理装置。
【請求項2】
前記実績情報は、前記実績処理量に応じた前記貨幣処理装置の利用料金を示す料金情報を含む
請求項1に記載の貨幣処理装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記貨幣処理装置による処理量と前記貨幣処理装置の利用料金との関係を示す関係情報を出力する
請求項2に記載の貨幣処理装置。
【請求項4】
前記関係情報を設定する設定部を備える
請求項3に記載の貨幣処理装置。
【請求項5】
前記設定部は、前記関係情報を複数の候補から選択する
請求項4に記載の貨幣処理装置。
【請求項6】
前記設定部は、前記処理量に応じて利用料金を請求するか否かを設定する
請求項4に記載の貨幣処理装置。
【請求項7】
前記出力部は、前記実績情報を、前記貨幣処理装置の利用料金を請求する課金サーバに出力する
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
【請求項8】
表示部を備え、
前記出力部は、前記実績情報を前記表示部に出力する
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
【請求項9】
前記期間の満了時点における貨幣の処理量の予測値である予測処理量を算出する予測部を備え、
前記出力部は、前記予測処理量を示す予測情報を出力する
請求項8に記載の貨幣処理装置。
【請求項10】
前記計算部は、前記実績処理量を貨幣の種別ごとに計算する
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
【請求項11】
請求項7に記載の貨幣処理装置と、
前記貨幣処理装置から受信した前記実績情報に基づいて前記貨幣処理装置の利用料金の請求処理を行う課金サーバと
を備える請求システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨幣処理装置および請求システムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗における現金管理を行う出納機などの貨幣処理装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。貨幣処理装置は一般的に高額な製品であるため、貨幣処理装置による貨幣処理の頻度によっては導入による費用対効果が低い可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-176551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、貨幣の処理量に応じた費用で利用することができる貨幣処理装置および請求システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、貨幣処理装置は、貨幣の処理が可能な貨幣処理装置であって、前記貨幣処理装置による所定の期間における貨幣の実績処理量を計算する計算部と、前記実績処理量を示す実績情報を出力する出力部とを備える。
【0006】
第2の態様によれば、第1の態様に係る貨幣処理装置において、前記実績情報は、前記実績処理量に応じた前記貨幣処理装置の利用料金を示す料金情報を含むものであってよい。
【0007】
第3の態様によれば、第2の態様に係る貨幣処理装置において、前記出力部は、前記貨幣処理装置による処理量と前記貨幣処理装置の利用料金との関係を示す関係情報を出力するものであってよい。
【0008】
第4の態様によれば、第3の態様に係る貨幣処理装置が、前記関係情報を設定する設定部を備えるものであってよい。
【0009】
第5の態様によれば、第4の態様に係る貨幣処理装置において、前記設定部は、前記関係情報を複数の候補から選択するものであってよい。
【0010】
第6の態様によれば、第4または第5の態様に係る貨幣処理装置において、前記設定部は、前記処理量に応じて利用料金を請求するか否かを設定するものであってよい。
【0011】
第7の態様によれば、第1から第6の何れかの態様に係る貨幣処理装置において、前記出力部は、前記実績情報を、前記貨幣処理装置の利用料金を請求する課金サーバに出力するものであってよい。
【0012】
第8の態様によれば、第1から第7の何れかの態様に係る貨幣処理装置が、ディスプレイを備え、前記出力部は、前記実績情報を前記ディスプレイに出力するものであってよい。
【0013】
第9の態様によれば、第8の態様に係る貨幣処理装置が、前記期間の満了時点における貨幣の処理量の予測値である予測処理量を算出する予測部を備え、前記出力部は、前記予測処理量を示す予測情報を出力するものであってよい。
【0014】
第10の態様によれば、第1から第9の何れかの態様に係る貨幣処理装置において、前記計算部は、前記実績処理量を貨幣の種別ごとに計算するものであってよい。
【0015】
第11の態様によれば、請求システムは、第7の態様に係る貨幣処理装置と、前記貨幣処理装置から受信した前記実績情報に基づいて前記貨幣処理装置の利用料金の請求処理を行う課金サーバとを備える。
【発明の効果】
【0016】
上記態様によれば、貨幣の処理量に応じた費用で貨幣処理装置を利用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施形態に係る請求システムの構成を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る出納機の構成を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る出納機の制御部のソフトウェア構成を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る利用態様設定画面の例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る利用料金設定画面の例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る利用料金パターンの確認画面の例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る処理量および利用料金の確認画面の例を示す図である。
図8】他の実施形態に係る処理量および利用料金の確認画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〈第1の実施形態〉
《請求システム1の構成》
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
図1は、第1の実施形態に係る請求システムの構成を示す図である。第1の実施形態に係る請求システム1は、複数の出納機11と、課金サーバ12とを備える。出納機11は貨幣処理装置の一例である。
【0019】
出納機11は、紙幣および硬貨からなる現金と金券等の有価証券とを含む現金類を取り扱うもので、金融機関の複数の店舗のそれぞれに設置されて店舗全体の現金類の処理を管理するものである。出納機11は、例えば、大口顧客に対する係員による入金、出金等の取引処理、係員による渉外先への持ち出し金の出金処理や、渉外先からの持ち帰り金の入金処理、さらには、営業終了後の設置店舗全体での現金類の入出金状況を一括管理する締上処理を行うものである。
【0020】
本実施形態に係る出納機11は貸出人によって所有され、金融機関などの借受人に貸し出される。貸出人は、出納機11の借受人に対して、出納機11による貨幣の処理量に応じた利用料金を請求する。課金サーバ12は出納機11による貨幣の処理量に基づいて各借受人の利用料金を計算し、利用料金の請求処理を実行する。これにより、借受人は、出納機11による貨幣の処理量に応じた費用で出納機11を利用することができる。
【0021】
課金サーバ12は、借受人の情報を記憶するデータベースを持つ。データベースには、借受人のIDに関連付けて、当該借受人に貸し出す出納機11のID、借受人の氏名、住所、銀行口座情報などを記憶する。
【0022】
《出納機11の構成》
図2は、第1の実施形態に係る出納機11の構成を示す図である。図2に示すように、出納機11は、紙幣についての入出金処理等を行う紙幣処理装置21と、紙幣の特に新券についての出金処理等を行う新券処理装置22と、硬貨についての入出金処理等を行う硬貨処理装置23とが左右に並設されて構成されている。
【0023】
紙幣処理装置21は、その前面側の上部に、機外からバラ紙幣が投入されるとともに機内から出金用のバラ紙幣が繰り出されるバラ紙幣入出金口25が設けられている。バラ紙幣入出金口25の下側には、入金処理で受け付け不可と判定された入金リジェクト紙幣が機内から繰り出される入金リジェクト口26が設けられている。バラ紙幣入出金口25よりも上側には、機内でバラ紙幣を所定枚数集積し結束してなる小束紙幣を機外に取り出し可能とする束出金口27が設けられている。
【0024】
新券処理装置22には、その前面側の上部に、機内から出金用の新券のバラ紙幣が繰り出される新券出金口31が設けられている。
【0025】
硬貨処理装置23は、その前面側の上部に、機外からバラ硬貨が投入されるバラ硬貨入金口32が設けられている。バラ硬貨入金口32の下側には、入金処理で受け付け不可と判定された入金リジェクト硬貨が機内から繰り出される入金リジェクト口33が設けられている。入金リジェクト口33の下側には、機内から出金用のバラ硬貨が繰り出されるバラ硬貨出金口34が設けられている。前面側の上部には、機内でバラ硬貨を所定枚数集積し包装してなる棒金硬貨を機外に取り出し可能とする棒金出金口35が設けられている。
【0026】
出納機11には、出納機11を制御する制御部41と、データを記憶する記憶部42と、係員による操作入力を受け付ける操作部43と表示を行う表示部44とが設けられている。制御部41は、設置店舗内の他の貨幣処理装置との間でデータを送受信可能となっている。設置店舗内の貨幣処理装置の例としては、窓口機やATMなどが挙げられる。制御部41は、インターネットNに接続されている。これにより、出納機11は課金サーバ12と通信可能に構成される。
【0027】
出納機11の制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、マイクロプロセッサなどのプロセッサおよびメモリを備える。制御部41は、記憶部42に記憶されたプログラムを実行することで、所定の処理を実行する。
なお、制御部41の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)等のカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を用いて実現されてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。このような集積回路も、プロセッサの一例に含まれる。
【0028】
出納機11の制御部41は、当該出納機11において出金処理および入金処理が行われる度に処理内容を示すジャーナルデータと処理後の当該出納機11内の現金類の在高データとを記憶部42に記憶させる。また、制御部41は、各貨幣処理装置から出金および入金が行われる度に出力される、処理内容を示すジャーナルデータと処理後の現金類の在高データとを記憶部42に記憶させる。これにより、出納機11は、店舗内のすべての現金類の在高データを一元管理する。
【0029】
また、出納機11の制御部41は、出納機11による貨幣の処理量を課金サーバ12に送信する。これにより、課金サーバ12は出納機11による処理量に基づいて請求処理を行うことができる。
【0030】
図3は、第1の実施形態に係る出納機11の制御部41のソフトウェア構成を示す図である。制御部41は、貨幣処理部51、計算部52、予測部53、表示制御部54、通信部55、設定部56を備える。
【0031】
貨幣処理部51は、貨幣の入出金に関する処理を行う。貨幣処理部51は、投入された貨幣の金種の判別および計数を行う。
計算部52は、貨幣処理部51によって処理された貨幣の形態ごとに、一定期間(例えば、1か月)における処理枚数を計算する。貨幣の形態の例としては、バラ紙幣、新券紙幣、束紙幣、バラ硬貨、棒金が挙げられる。計算された処理枚数を表す実績情報は、記憶部42に記録される。
予測部53は、計算部52によって計算された処理枚数に基づいて、期間の満了時点における処理枚数を予測する。
【0032】
表示制御部54は、表示部44に表示させる画面データを生成し、表示部44に出力する。表示制御部54は出力部の一例である。
通信部55は、インターネットNを介して計算部52が計算した処理量を課金サーバ12に送信する。通信部55は出力部の一例である。
設定部56は、出納機11の請求に係る設定の入力を受け付ける。設定部56は、貸出人による特定の操作(例えば、物理鍵の挿入やパスワードの入力など)がなされた場合に、設定の入力を受け付ける。設定情報は、記憶部42に記録される。
【0033】
記憶部42には、設定情報と、月ごとの貨幣処理量を表す処理実績データとが記憶される。処理実績データは、年月と、当該年月におけるバラ紙幣の処理枚数、束紙幣の処理数、バラ硬貨の処理枚数および棒金の処理数を関連付けて記憶する。バラ紙幣およびバラ硬貨の処理枚数は、出納機11に投入された枚数と出納機11から払い出された枚数の和である。束紙幣および棒金の処理数は、出納機11によって作成した数と出納機11から払い出した数の和である。
【0034】
《設定処理》
貸出人は、借受人が出納機11を使用する前に、請求のための設定を行う。まず、貸出人は、出納機11に特定の操作を行う。出納機11の設定部56が特定の操作を受け付けると、表示制御部54は表示部44に第1メニュー画面を表示させる。第1メニュー画面は、貸出人による請求処理の設定を行うためのメニュー画面である。第1メニュー画面には、選択可能な設定項目として、少なくとも利用態様設定および利用料金設定が含まれる。
【0035】
まず貸出人は、第1メニュー画面において利用態様設定を選択する。利用態様設定が選択されると、表示制御部54は利用態様設定画面を表示させる。図4は、第1の実施形態に係る利用態様設定画面の例を示す図である。利用態様設定画面には、従量制ボタンと非従量制ボタンと決定ボタンとが表示される。従量制ボタンが押下されると、設定部56は課金モードを処理量に応じた請求を行う従量課金モードに切り替える。非従量制ボタンが押下されると、設定部56は課金モードを処理量に応じた請求を行わない非従量課金モードに切り替える。非従量課金モードは、出納機11が売り渡される場合や、定額のリース契約などによって貸し出される場合に設定される。決定ボタンが押下されると、設定部56は、選択された課金モードの値を記憶部42に記録する。なお、2つボタンのうち、現在の課金モード時の画面表示に関連付けられたボタンは、強調して表示される。なお、決定ボタンが押下されたとき、表示制御部54は、記憶部42に記憶されている課金モードと、画面に表示された課金モードとが異なる場合、課金モードを変更してよいか否かを確認するダイアログを表示させてもよい。
【0036】
次に貸出人は、第1メニュー画面において利用料金設定を選択する。利用料金設定が選択されると、表示制御部54は利用料金設定画面を表示させる。図5は、第1の実施形態に係る利用料金設定画面の例を示す図である。利用料金設定画面には、順送りボタン、逆送りボタン、料金パターンの表示ラベル、料金テーブルの表示領域、および決定ボタンが表示される。
【0037】
第1の実施形態に係る出納機11の利用料金は、料金テーブルに基づいて決定される。料金テーブルには、貨幣の形態ごとに、処理量に応じた5段階の料金が設定される。具体的には、料金テーブルには、バラ紙幣の処理量naが閾値NA1以下であるときの料金XA1、バラ紙幣の処理量naが閾値NA1超かつ閾値NA2以下であるときの料金XA2、バラ紙幣の処理量naが閾値NA2超かつ閾値NA3以下であるときの料金XA3、バラ紙幣の処理量naが閾値NA3超かつ閾値NA4以下であるときの料金XA4、バラ紙幣の処理量naが閾値NA4超であるときの料金XA5、束紙幣の処理量nbが閾値NB1以下であるときの料金XB1、束紙幣の処理量nbが閾値NB1超かつ閾値NB2以下であるときの料金XB2、束紙幣の処理量nbが閾値NB2超かつ閾値NB3以下であるときの料金XB3、束紙幣の処理量nbが閾値NB3超かつ閾値NB4以下であるときの料金XB4、束紙幣の処理量nbが閾値NB4超であるときの料金XB5、バラ硬貨の処理量ncが閾値NC1以下であるときの料金XC1、バラ硬貨の処理量ncが閾値NC1超かつ閾値NC2以下であるときの料金XC2、バラ硬貨の処理量ncが閾値NC2超かつ閾値NC3以下であるときの料金XC3、バラ硬貨の処理量ncが閾値NC3超かつ閾値NC4以下であるときの料金XC4、バラ硬貨の処理量ncが閾値NC4超であるときの料金XC5、棒金の処理量ndが閾値ND1以下であるときの料金XD1、棒金の処理量ndが閾値ND1超かつ閾値ND2以下であるときの料金XD2、棒金の処理量ndが閾値ND2超かつ閾値ND3以下であるときの料金XD3、棒金の処理量ndが閾値ND3超かつ閾値ND4以下であるときの料金XD4、棒金の処理量ndが閾値ND4超であるときの料金XD5、が格納される。これらの閾値および料金は、料金パターンごとに異なる。出納機11の記憶部42には、予めM個の料金パターンが記録される。貸出人は、利用料金設定画面において料金パターンを決定することで、料金テーブルの閾値および料金を決定することができる。
【0038】
順送りボタンが押下されると、設定部56は、料金パターンを次のパターンに切り替える。逆送りボタンが押下されると、設定部56は、料金パターンを前のパターンに切り替える。料金パターンが変更されるたびに、表示領域に表示される料金テーブルの設定値(NA1、NA2、NA3、NA4、NB1、NB2、NB3、NB4、NC1、NC2、NC3、NC4、ND1、ND2、ND3、ND4、XA1、XA2、XA3、XA4、XA5、XB1、XB2、XB3、XB4、XB5、XC1、XC2、XC3、XC4、XC5、XD1、XD2、XD3、XD4、XD5)が対応する料金パターンに係る値に変化する。決定ボタンが押下されると、設定部56は、設定された料金パターンに係る設定値を記憶部42に記録する。また、図5に示す利用料金設定画面において、あらかじめ定められた料金パターンでない料金テーブルを設定する場合、料金テーブルの各設定値を直接書き換えることができる。例えば、貸出人は、料金テーブルの設定値をすべて手動で入力してもよいし、一の料金パターンに係る料金テーブルを書き換えてもよい。
【0039】
《出納機11の利用方法》
借受人は、出納機11を操作することで、貨幣の処理を実行することができる。貨幣の処理の例としては、バラ紙幣の収納、バラ硬貨の収納、バラ紙幣の払い出し、バラ硬貨の払い出し、束紙幣の作成、棒金の作成、束紙幣の払い出し、棒金の払い出しなどが挙げられる。出納機11の貨幣処理部51は、指定された貨幣処理を出納機11に実行させる。このとき、計算部52は、処理した貨幣の形態と処理数とに基づいて、記憶部42が記憶する処理実績データを更新する。すなわち、計算部52は、処理実績データから当月の貨幣の形態別の処理量を読み出し、貨幣処理部51によって処理された形態に係る処理数を読み出した処理数に加算することで、当月における貨幣の実績処理量を計算する。そして、計算部52は、計算した実績処理量によって、記憶部42が記憶する処理実績データを更新する。
【0040】
課金サーバ12は、月の末日ごとに、インターネットNを介してデータベースに記録されたIDに係る出納機11に、実績処理量の送信指示を送信する。出納機11の通信部55は、課金サーバ12から送信指示を受信すると、記憶部42が記憶する当月の処理実績データと料金テーブルとを読み出し、課金サーバ12に送信する。課金サーバ12は、処理実績データを受信すると、受信した料金テーブルと処理実績データとに基づいて出納機11の利用料金を計算する。課金サーバ12は、データベースにおいて出納機11のIDに関連付けられた借受人のIDに基づいて、計算した利用料金の請求処理を実行する。例えば、課金サーバ12は借受人のIDに関連付けられた借受人の氏名および住所と、計算した利用料金とに基づいて請求書を生成し、借受人に送付してもよい。また例えば課金サーバ12は借受人のIDに関連付けられた借受人の銀行口座からの利用料金の引き落とし処理を実行してもよい。これにより、借受人は、貨幣の処理量に応じた費用で出納機11を利用することができる。なお、一の借受人について、複数の出納機11が関連付けられている場合、課金サーバ12は各出納機11の利用料金を合算して請求処理を行ってよい。
【0041】
借受人は、月ごとに出納機11の利用料金の支払うため、当月における出納機11の利用状況を適宜確認したいという要望がある。
借受人が出納機11に対して所定のメニュー表示操作を行うと出納機11の表示制御部54は、表示部44に第2メニュー画面を表示させる。第2メニュー画面は、借受人による利用状況の確認を行うためのメニュー画面である。第2メニュー画面には、選択可能な項目として、少なくとも利用料金パターンの確認と、処理量および利用料金の確認が含まれる。第2メニュー画面には、そのほか、出納機11を使用できるユーザー設定や、ユーザーごとに使用できる操作範囲の権限設定などの項目が含まれていてもよい。なお、記憶部42が記憶する課金モードが「非従量制」である場合、表示制御部54は、第2メニュー画面の項目に利用料金パターンの確認と、処理量および利用料金の確認を含めなくてよい。
【0042】
第2メニュー画面において利用料金パターンの確認が選択されると、表示制御部54は利用料金パターンの確認画面を表示させる。図6は、第1の実施形態に係る利用料金パターンの確認画面の例を示す図である。利用料金パターンの確認画面には、料金テーブルの表示領域とOKボタンとが表示される。表示制御部54は、記憶部42から料金テーブルの設定値を読み出し、当該設定値に基づいて表示領域に料金テーブルを描画する。OKボタンが押下されると、表示制御部54は利用料金パターンの確認画面を閉じる。
【0043】
第2メニュー画面において処理量および利用料金の確認が選択されると、予測部53は、記憶部42から当月の処理実績データに基づいて月の末日における処理量(予測処理量)を予測する。例えば、予測部53は、以下の手順で予測処理量を計算することができる。予測部53は、当日の日付を当月の日数で除算することで、当月における経過日数の割合を求める。予測部53は、処理実績データが示す貨幣の形態別の処理量を、経過日数の割合で除算することで、貨幣の形態別の予測処理量を計算する。表示制御部54は処理量および利用料金の確認画面を表示させる。図7は、第1の実施形態に係る処理量および利用料金の確認画面の例を示す図である。処理量および利用料金の確認画面には、貨幣の形態別に、本日の処理量、今月の処理量、現時点の利用料金、予測処理量、予測利用料金、利用料金の現時点の総額、利用料金の予測総額が表示される。
これにより、借受人は当月の出納機11の利用料金を予測することができる。
【0044】
〈他の実施形態〉
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。すなわち、他の実施形態においては、上述の処理の順序が適宜変更されてもよい。また、一部の処理が並列に実行されてもよい。
上述した実施形態に係る制御部41は、単独のコンピュータによって構成されるものであってもよいし、制御部41の構成を複数のコンピュータに分けて配置し、複数のコンピュータが互いに協働することで制御部41として機能するものであってもよい。
【0045】
上述した実施形態に係る請求システム1は、貨幣の形態別(バラ紙幣、束紙幣、バラ硬貨および棒金)に処理量を計算するが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る請求システム1は、貨幣の金種別に処理量を計算してもよい。また他の実施形態に係る請求システム1は、バラ紙幣について、新券と使用済み紙幣とを分けて処理量を計算してもよい。なお、貨幣の形態、金種、新券か使用済み紙幣かの別は、いずれも貨幣の種類の一例である。
【0046】
上述した実施形態に係る請求システム1における処理量を計算対象となる処理は、バラ紙幣の収納、バラ硬貨の収納、バラ紙幣の払い出し、バラ硬貨の払い出し、束紙幣の作成、棒金の作成、束紙幣の払い出し、および棒金の払い出しであるが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る請求システム1では、バラ紙幣およびバラ硬貨の整理計数処理を行った貨幣の処理量や、識別処理をした貨幣の処理量、リジェクトした媒体の処理量を計算対象としてもよい。
【0047】
上述した実施形態に係る請求システム1によれば、出納機11における処理実績データは課金サーバ12による請求処理のために用いられる。これに対し、他の実施形態においては、出納機11の処理実績データは請求処理に加え、保守管理業務のために用いられてもよい。例えば、保守業者は、処理実績データに基づいて出納機11のメンテナンススケジュールを策定することができる。
【0048】
上述した実施形態に係る請求システム1は、貨幣の処理量に基づいて利用料金を計算し、当該利用料金を借受人に請求する。他方、他の実施形態に係る請求システム1においては、貨幣の処理量に基づく利用料金に加え、棒金の作成に用いるフィルム、束紙幣の作成に用いる結束テープ、ジャーナル用紙、インクリボンなどの消耗品の料金を請求してもよい。消耗品の使用量は、束紙幣および棒金の作成数から求めることができる。課金サーバ12は、消耗品の利用料金の請求に加え、消耗品の発注処理を行ってもよい。
【0049】
上述した実施形態に係る請求システム1は、図5に示すように5段階で変化する料金テーブル(ステップ関数)に基づいて利用料金の計算を行うが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る請求システム1は、利用量に所定の係数を乗算する線形関数に基づいて利用料金を計算してもよい。また他の実施形態に係る請求システム1の料金テーブルは5段階以外の段階で変化するものであってよい。すなわち、上述した実施形態に係る料金パターンでは、処理量に応じた5段階の料金が設定される例を示したが、6段階以上でもよいし、4段階以下でもよく、複数段に設定されていればよい。さらには、M個の料金パターンが記録されるとしたが、M+1個以上でもよいし、M-1個以下でもよく、少なくとも一つ以上の料金パターンが設定されていればよい。加えて、一部の料金パターンで記録される段階の数、例えば5段階に対して、他の料金パターンで記録される段階の数、例えば4段階、6段階と言うように、異ならせて記録されるものであってもよい。
【0050】
上述した実施形態に係る請求システム1は、図7に示すように実績処理量に加え予測処理量を表示するが、これに限られない。例えば他の実施形態に係る請求システム1は、月の末日における処理量の予測をせず、現時点における処理量および利用料金を表示するものであってもよい。
【0051】
上述した実施形態に係る請求システム1は、実績処理量を経過日数の割合で除算することで、月の末日における予測処理量を求めるが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る請求システム1は、過去の実績処理量の統計処理によって当月の予測処理量を計算してもよい。この場合に、請求システム1は、図7に示す処理量および利用料金の確認画面において、前月の実績処理量や前年同月の実績処理量をあわせて表示してもよい。
【0052】
上述した実施形態に係る請求システム1は、利用料金パターンの確認画面(図6)と処理量および利用料金の確認画面(図7)とを別個の画面で表示するが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る請求システム1は、同じ画面で利用料金パターンと処理量と利用料金とを確認させてもよい。図8は、他の実施形態に係る処理量および利用料金の確認画面の例を示す図である。図8によれば、表示制御部54は、料金テーブルに、実績処理量と予測処理量とを重畳して表示させる。
【符号の説明】
【0053】
1…請求システム 11…出納機 12…課金サーバ 21…紙幣処理装置 22…新券処理装置 23…硬貨処理装置 25…バラ紙幣入出金口 26…入金リジェクト口 27…束出金口 31…新券出金口 32…バラ硬貨入金口 33…入金リジェクト口 34…バラ硬貨出金口 35…棒金出金口 41…制御部 42…記憶部 43…操作部 44…表示部 51…貨幣処理部 52…計算部 53…予測部 54…表示制御部 55…通信部 56…設定部 N…インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8