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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025049874
(43)【公開日】2025-04-04
(54)【発明の名称】眼科システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/10 20060101AFI20250327BHJP
【FI】
A61B3/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023158344
(22)【出願日】2023-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大宮 健
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316FC14
4C316FZ01
(57)【要約】
【課題】検者がホスト装置を用いて眼科装置を遠隔で操作する場合、スリープモードから検査モードへの移行を遠隔で検者が行うことができる眼科システムを提供する。
【解決手段】眼科システム1は、眼科装置10と、眼科装置10から遠隔の位置に存在する遠隔操作装置30と、を備える。眼科システム1において、眼科装置10と遠隔操作装置30とは互いに通信可能であり、検者が遠隔操作装置30を用いて眼科装置10を遠隔で操作する。眼科装置10は、被検者側の眼科装置10が動作を休止しているスリープモードのとき、ウェイク信号が入力されると、眼科装置10を検査可能な検査モードに移行させる装置制御部20を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科装置と、前記眼科装置から遠隔の位置に存在するホスト装置と、を備え、
前記眼科装置と前記ホスト装置とは互いに通信可能であり、検者が前記ホスト装置を用いて前記眼科装置を遠隔で操作する眼科システムにおいて、
前記眼科装置は、被検者側の前記眼科装置が動作を休止しているスリープモードのとき、ウェイク信号が入力されると、前記眼科装置を検査可能な検査モードに移行させる制御部を有する
ことを特徴とする眼科システム。
【請求項2】
請求項1に記載された眼科システムにおいて、
前記眼科装置は、少なくとも検査姿勢のときの被検者が映り込む位置に設けられたカメラを有し、
前記制御部は、前記ホスト装置からスリープ信号が入力されたとき、前記カメラにより被検者の姿が検知されていないことを条件とし、前記眼科装置を前記検査モードから前記スリープモードに移行させる
ことを特徴とする眼科システム。
【請求項3】
請求項1に記載された眼科システムにおいて、
前記眼科装置と前記ホスト装置とは、それぞれマイク及びスピーカを有し、
前記制御部は、前記検査モード中、被検者と検者とが対話可能なインタラクティブ機能をオンとする
ことを特徴とする眼科システム。
【請求項4】
請求項3に記載された眼科システムにおいて、
前記制御部は、前記検査モード中であって検査実行中、前記インタラクティブ機能をオンとし、前記眼科装置による眼科検査を実行する
ことを特徴とする眼科システム。
【請求項5】
請求項4に記載された眼科システムにおいて、
前記制御部は、前記眼科検査が終了すると、前記インタラクティブ機能をオンからオフに切り替える
ことを特徴とする眼科システム。
【請求項6】
請求項1から5までの何れか一項に記載された眼科システムにおいて、
前記眼科装置を複数備え、
前記複数の眼科装置と前記ホスト装置の間にルータ装置を接続し、
前記ホスト装置は、前記ルータ装置を経由して前記複数の眼科装置のそれぞれに対して前記ウェイク信号又はスリープ信号を出力する
ことを特徴とする眼科システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、眼科システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターネット等を通じて、検者がホスト装置を用いて眼科装置を遠隔で操作すること(以下、「検者の遠隔操作」と省略することがある)が可能なものが知られている(例えば特許文献1と2参照)。また、検者の遠隔操作が可能である場合、ホスト装置にマイクが設けられ、眼科装置にスピーカが設けられて、検者の音声がスピーカを通じて被検者へ報知されるものが知られている(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-073686号公報
【特許文献2】特開2023-039506号公報
【特許文献3】特開2018-166649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、検者の遠隔操作が可能であるのに、検査モードとスリープモードのモード移行を検者が行うことができないため、眼科装置のモード移行のために検者が遠隔地へ訪問する必要があるという問題がある。ここで、検査モードは、眼科装置で検査可能なモード(起動状態)である。これに対し、スリープモードは、眼科装置のうち、眼科装置の一部の動作を休止し、休止した眼科装置の一部を起動(再起動)するための信号を受信する部材が動作しているモードである。この部材は、例えばLANチップである(LANは、Local Area Networkの略称)。言い換えると、スリープモードは、眼科装置が動作を休止して起動のための信号を待っている状態、つまり休止状態(待機状態)となるモードである。また、スリープモードは、眼科装置の一部の動作が休止されているため、検査モードよりも眼科装置の消費電力を低減することができるモード(低消費電力状態)であり、眼科装置の電源を完全に切った場合よりも素早く検査モードに移行することができる。
【0005】
本開示は、上記問題に着目してなされたもので、検者がホスト装置を用いて眼科装置を遠隔で操作する場合、スリープモードから検査モードへの移行を遠隔で検者が行うことができる眼科システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の眼科システムは、眼科装置と、前記眼科装置から遠隔の位置に存在するホスト装置と、を備える。眼科システムにおいて、前記眼科装置と前記ホスト装置とは互いに通信可能であり、検者が前記ホスト装置を用いて前記眼科装置を遠隔で操作する。前記眼科装置は、被検者側の前記眼科装置が動作を休止しているスリープモードのとき、ウェイク信号が入力されると、前記眼科装置を検査可能な検査モードに移行させる制御部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の眼科システムによれば、検者がホスト装置を用いて眼科装置を遠隔で操作する場合、スリープモードから検査モードへの移行を遠隔で検者が行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示に係る実施例1として眼科システムの一例を示す概略図である。
図2】眼科システムにおける制御系の構成を示すブロック図である。
図3】眼科システムに含まれる眼科装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図4】眼科装置の検査誘導処理を示すサブフローチャートである。
図5】眼科装置の検査実行処理を示すサブフローチャートである。
図6】本開示に係る眼科システムの変形例であり、一つの遠隔操作装置と複数の眼科装置との接続関係を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示に係る眼科システムを実施するための形態は、図面に示す実施例1に基づいて以下のように説明される。なお、図中の互いに直交するXYZ方向(三軸方向)のうちで、Y方向は上下方向である。Z方向は、被検者の被検眼(不図示)に近づく前方向と被検者から遠ざかる後方向とに平行な前後方向(作動距離方向)である。また、X方向は、上下方向及び前後方向の双方に垂直な左右方向である。
【実施例0010】
実施例1に適用される眼科システム1を、図1を用いて説明する。眼科システム1は、図1に示すように、眼科装置10及び遠隔操作装置30(ホスト装置)を一つずつ備える。遠隔操作装置30は眼科装置10から遠隔の位置に存在する。言い換えると、眼科装置10と遠隔操作装置30は離れた位置に存在する。例えば、眼科装置10と遠隔操作装置30は、隣接する部屋にそれぞれが配置される。又は、遠隔操作装置30は検者が所属する病院に配置され、眼科装置10は病院から離れた遠隔地に配置される。このため、検者は遠隔操作装置30が配置される場所に居り、被検者は眼科装置10が配置される場所に居ることになる。
【0011】
遠隔操作装置30は、ルータ100(ルータ装置)を経由して、インターネット101等の通信ネットワークに接続される。遠隔操作装置30は、インターネット101を経由して眼科装置10に接続される。これにより、検者の遠隔操作が可能である。
【0012】
眼科装置10は、検眼用テーブル200の上に配置され、被検眼の検査に用いられる。眼科装置10は、被検眼の眼圧値、眼屈折力、及び角膜曲率等を測定可能な複合機である。そのため、検者の遠隔操作により、眼科装置10は、被検眼の眼圧値、眼屈折力、及び角膜曲率(角膜形状)等の各種眼特性を測定する。眼科装置10は、ベース部11と、顔支持部12と、駆動機構13と、測定ヘッド14と、モニタ部15と、被検者スピーカ16(スピーカ)と、被検者マイク17(マイク)と、カメラ18と、装置制御部20(制御部、図2参照)と、を備えている。
【0013】
ベース部11は、ベース部11の上側に載せられた顔支持部12と駆動機構13等の部材を支持している。
【0014】
顔支持部12は、被検者の顔を支持する。顔支持部12は、駆動機構13の前方に配置されている。顔支持部12は、顎受け部12aと、額当て部12bと、一対のフレーム12cと、を一体に備えている。顎受け部12aは、被検者の顎を受ける。額当て部12bは、被検者の額が当接する。一対のフレーム12cは、顎受け部12aと額当て部12bとを接続する。被検者は、眼科装置10の前方に設けられた椅子等(不図示)に座った状態で眼科装置10と対峙する。次に、被検者は、顎受け部12aに顎を置き、額当て部12bに額を当接した状態で検査を受ける。
【0015】
駆動機構13は、眼科装置10の相対移動機構に相当するものである。駆動機構13は、例えばモータ等の不図示のアクチュエータにより構成されている。駆動機構13は、装置制御部20からの制御情報(制御信号)に基づいて駆動される。駆動機構13は、制御情報に基づいて、顎受け部12aをY方向に上下移動させることができる。また、駆動機構13は、制御情報に基づいて、ベース部11に対して測定ヘッド14をXYZ方向に移動させる。これにより、被検眼に対して測定ヘッド14をXYZ方向に相対移動させることができる。このように、顎受け部12aの高さ調整が可能になり、被検眼に対する測定ヘッド14のXYZ方向のアライメントが可能になる。
【0016】
測定ヘッド14の内部には、公知の観察及び撮影用の光学系が設けられている。光学系により、被検者の各種眼特性が観察可能及び撮影可能である。具体的には、測定ヘッド14には、オートレフケラトメータ14A等を含む複数種類の眼科用の各種測定装置が設けられている。オートレフケラトメータ14Aは、各種の光学系を用いて被検眼の眼屈折力及び角膜曲率等を測定する。オートレフケラトメータ14Aの具体的な構成は公知技術であるので、ここでは説明を省略する。
【0017】
モニタ部15は、測定ヘッド14の後方側に取り付けられている。モニタ部15は、例えばタッチパネル式モニタである。モニタ部15には、装置制御部20からの制御情報に基づいて、被検眼の観察像等が表示される。モニタ部15には、被検眼の眼圧値、眼屈折力、及び角膜曲率等の眼特性の測定結果が表示される。モニタ部15には、各種操作を行うための操作メニュー画面等が表示される。また、モニタ部15は、各操作メニュー画面に対する操作入力を受け付ける。これにより、被検者の傍にいる検者や被検者自身が眼科装置10を直接操作することも可能である。
【0018】
被検者スピーカ16は、一対のフレーム12cのそれぞれに内蔵されている。被検者スピーカ16のそれぞれの位置は、被検者の検眼時に被検者の左右の耳の近傍に配置されている。
【0019】
被検者マイク17は、顎受け部12aの中央部に内蔵されている。被検者マイク17の位置は、被検者の検眼時に被検者の口元の近傍に配置されている。
【0020】
カメラ18は、モニタ部15の上部に設けられている。カメラ18は、検査姿勢のときの被検者が映り込む位置に設けられている。このため、カメラ18は、検査姿勢のときの被検者が撮影可能であると共に、顔支持部12の前方側に立った状態の被検者も撮影可能である。これに加えて、カメラ18は、眼科装置10の周囲すなわちカメラ18の位置よりも前方側を撮影可能な周辺撮影用である。顔支持部12の前方側に立った状態の被検者を撮影する理由は、検査を受けに来た被検者の姿を撮影するためである。また、眼科装置10の周囲を撮影する理由は、顔支持部12の前方側に映らない被検者の姿を撮影するためである。
【0021】
ここで、検査姿勢には、眼科装置10の前方に設けられた椅子等(不図示)に被検者が座った姿勢、被検者が顎受け部12aに顎を置き、額当て部12bに額を当接した被検者の姿勢、及び、顔支持部12の前方側に立った被検者の姿勢を含む。後述するように、カメラ18の映像表示情報(撮影画像)は検者モニタ部32に表示されることにより、検者が映像表示情報を確認することができる。このため、検者は、検者モニタ部32の表示により、被検者の検査前、検査中及び検査後の状態を観察することができる。また、検者は、検者モニタ部32の表示により、眼科装置10と被検者との位置調整に使用することができる。
【0022】
次に、眼科システム1の制御系は、図2を用いて以下のように説明される。
【0023】
眼科装置10は、上記の構成に加えて、装置制御部20と、通信インタフェース21と、遠隔操作受付部22と、を備えている。
【0024】
遠隔操作装置30は、操作部31と、検者モニタ部32と、検者スピーカ33(スピーカ)と、検者マイク34(マイク)と、本体制御部35を備えている。
【0025】
通信インタフェース21と本体制御部35は、インターネット101及びルータ100を経由して互いに接続されている。通信インタフェース21と本体制御部35は、ルータ100とインターネット101を経由して各種情報(制御信号等)の入出力を互いに行う。以下の説明では、「ルータ100とインターネット101を経由」することの記載を省略することがある。
【0026】
眼科装置10は、検者に遠隔操作されるため、遠隔操作装置30について先に説明する。
【0027】
遠隔操作装置30は、例えばパーソナルコンピュータ又はタブレット端末等の装置である。遠隔操作装置30は、検者が眼科装置10を遠隔で操作する場合に用いられる。
【0028】
操作部31は、例えばキーボードとマウス等が用いられる。操作部31は、検者により眼科装置10を遠隔で操作するための操作情報が入力される。操作部31は、入力された操作情報を本体制御部35へ出力する。
【0029】
検者モニタ部32は、例えば液晶ディスプレイが用いられる。検者モニタ部32は、本体制御部35から入力された表示情報が表示される。表示情報は、眼科装置10の検査モード又はスリープモードの表示情報、カメラ18の映像表示情報、及び、眼科装置10のモニタ部15の表示画面と同じ表示情報等である。
【0030】
検者スピーカ33と検者マイク34は、例えばヘッドセット(マイク付きのヘッドフォン)が用いられる。検者スピーカ33は、被検者マイク17に入力された被検者の音声(被検者音声情報)を出力する。検者マイク34は、入力される検者の音声(検者音声情報)を本体制御部35へ出力する。
【0031】
本体制御部35は、各種のプロセッサ(Processor)及びメモリ(記憶部)等から構成された演算回路を備える。各種のプロセッサには、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びプログラマブル論理デバイス[例えばSPLD(Simple Programmable Logic Devices)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Arrays)]等が含まれる。なお、本体制御部35の各種制御(機能)は、一つのプロセッサにより実現されてもよいし、同種又は異種の複数のプロセッサで実現されてもよい。
【0032】
本体制御部35は、操作情報及び検者音声情報等を通信インタフェース21へ出力する。また、本体制御部35には、通信インタフェース21から表示情報及び被検者音声情報等が入力される。本体制御部35は、表示情報及び被検者音声情報等を受け付けて、不図示のメモリに格納されている制御プログラムを読み出して実行することにより、遠隔操作装置30の動作を制御する。例えば、本体制御部35は、表示情報の場合には検者モニタ部32へ出力し、被検者音声情報の場合には検者スピーカ33へ出力する。また、本体制御部35は、操作部31から入力される操作情報等に基づき、操作情報等を装置制御部20へ出力する。
【0033】
次に、眼科装置10について説明する。
【0034】
通信インタフェース21及び遠隔操作受付部22は、上記LANチップを構成する。通信インタフェース21は、本体制御部35から操作情報及び検者音声情報等が入力される。通信インタフェース21は、操作情報及び検者音声情報等を遠隔操作受付部22へ出力する。また、通信インタフェース21には、装置制御部20から表示情報及び被検者音声情報等が入力される。通信インタフェース21は、表示情報及び被検者音声情報等を本体制御部35へ出力する。
【0035】
遠隔操作受付部22は、通信インタフェース21から操作情報及び検者音声情報等が入力される。遠隔操作受付部22は、操作情報及び検者音声情報等を受け付けて、操作情報及び検者音声情報等を装置制御部20へ出力する。遠隔操作受付部22は、操作情報としてウェイク信号又はスリープ信号を受け付けて、装置制御部20へこれらの信号を出力する。
【0036】
装置制御部20は、上記の本体制御部35と同様に、各種のプロセッサ(Processor)及びメモリ(記憶部)等から構成された演算回路を備える。なお、装置制御部20の各種制御(機能)は、一つのプロセッサにより実現されてもよいし、同種又は異種の複数のプロセッサで実現されてもよい。
【0037】
装置制御部20は、遠隔操作受付部22から入力される操作情報及び検者音声情報等に基づき、不図示のメモリに格納されている制御プログラムを読み出して実行することにより、眼科装置10の動作を制御する。また、装置制御部20は、被検者マイク17から入力される被検者音声情報等に基づき、被検者音声情報等を本体制御部35へ出力する。装置制御部20は、モード移行制御、検査誘導制御、検査実行制御、表示制御、及び、音声制御等として機能する。
【0038】
装置制御部20は、遠隔操作受付部22からスリープ信号を受け付けると、通信インタフェース21及び遠隔操作受付部22を除いて、眼科装置10の全ての電源供給をオフとする制御を行う。そして、装置制御部20は、一部を除き眼科装置10の動作を休止させ、眼科装置10をスリープモードに移行させる。また、装置制御部20は、遠隔操作受付部22からウェイク信号を受け付けると、眼科装置10の全ての電源供給をオンとする制御を行い、眼科装置10を検査モードに移行させる。
【0039】
次に、眼科装置10の処理の流れは、図3から図5までのフローチャートの一例を用いて以下のように説明される。図3から図5までのフローチャートにおいて、本体制御部35から出力される各種情報は、通信インタフェース21と遠隔操作受付部22を経由して、装置制御部20へ入力される。このため、フローチャートの説明では、「通信インタフェース21を経由」すること、「通信インタフェース21と遠隔操作受付部22を経由」すること、の記載を省略することがある。反対に、装置制御部20から出力される各種情報は、通信インタフェース21を経由して、本体制御部35へ入力される。このため、「通信インタフェース21を経由」することの記載を省略することがある。
【0040】
まず、眼科装置10の処理の流れは、図3のフローチャートの一例を用いて以下のように説明される。検者の遠隔操作の開始まで、眼科装置10はスリープモードであるので、プログラムは、スリープモードで処理の流れがスタートする。「検者の遠隔操作の開始まで」は、例えば、病院の診察開始まで等である。スリープモードでは、顎受け部12a、駆動機構13、測定ヘッド14、モニタ部15、被検者スピーカ16、カメラ18、及び、装置制御部20の動作は休止している。スリープモードでも、通信インタフェース21と遠隔操作受付部22は動作している。通信インタフェース21と遠隔操作受付部22は、眼科装置10を起動(再起動)するための信号を受信する部材である。
【0041】
ステップS1では、処理スタートに続き、ウェイク信号を受け付けたか否かを遠隔操作受付部22が判断する。YESの場合はステップS2へ進み、NOの場合はステップS1を繰り返す。眼科装置10がスリープモードのとき、眼科装置10は本体制御部35からのウェイク信号を待機している。検者の操作部31の操作入力によりウェイク信号が本体制御部35から出力されると、遠隔操作受付部22がウェイク信号を受け付ける。そして、遠隔操作受付部22は、ウェイク信号を受け付けたと判断する。ここで、ウェイク信号の未受け付けの判断が続く場合には、ステップS1が繰り返される。
【0042】
ステップS2では、ステップS1でのウェイク信号の受け付けに続き、検査モード移行処理を遠隔操作受付部22及び装置制御部20が実行して、ステップS3へ進む。検査モード移行処理は、まず、遠隔操作受付部22がステップS1でウェイク信号を受け付けたので、遠隔操作受付部22はウェイク信号を装置制御部20へ出力する。これにより、装置制御部20は、ウェイク信号の入力により起動(動作)する。次に、装置制御部20は、顎受け部12a、駆動機構13、測定ヘッド14、モニタ部15、被検者スピーカ16、及び、カメラ18を起動させる制御を行う。言い換えると、装置制御部20は、眼科装置10の全ての電源供給をオンとする制御を行う。
【0043】
また、装置制御部20は、ウェイク信号が入力されても、被検者マイク17を起動させる制御は行わない。次に、眼科装置10をスリープモードから検査モードへ移行するモード移行制御を行う。なお、装置制御部20は、眼科装置10をスリープモードから検査モードへ移行するモード移行制御を行った後、動作休止中の眼科装置10(顎受け部12a等)を起動させる制御を行っても良い。
【0044】
ステップS3では、ステップS2での検査モード移行処理、ステップS7での退避検知の判断、あるいは、ステップS11でのスリープ信号の未受け付けの判断に続き、被検者の姿を検知したか否かを装置制御部20が判断する。YESの場合はステップS4へ進み、NOの場合はステップS11へ進む。被検者の姿を検知している、すなわち被検者の存在検知は、カメラ18の映像から判断される。まず、カメラ18の映像表示情報は、カメラ18から装置制御部20を通じて本体制御部35へ出力される。これにより、本体制御部35は、映像表示情報を検者モニタ部32に表示する。本体制御部35は、カメラ18が動作中、映像表示情報を検者モニタ部32に表示する。
【0045】
次に、検者が検者モニタ部32の表示から被検者の存在を確認する。被検者が存在する場合は、被検者の全身が写っている場合に限らず、被検者の頭部等の一部が写っている場合も含む。被検者の存在の認識結果については、検者による操作部31の操作入力により、本体制御部35から装置制御部20へ操作情報として存在検知情報又は存在未検知情報が出力される。存在検知情報は、検者が被検者の存在を認識したので、被検者の存在を検知した(存在検知)という情報である。存在未検知情報は、検者が被検者の存在を認識していないので、被検者の存在を検知していない(存在未検知)という情報である。装置制御部20は、存在検知情報が入力される場合、ステップS3では存在検知と判断する。一方、装置制御部20は、存在未検知情報が入力される場合、ステップS3では存在未検知と判断する。
【0046】
ステップS4では、ステップS3での存在検知の判断に続き、検査誘導処理を装置制御部20が実行して、ステップS5へ進む。検査誘導処理は、図4のフローチャートを用いて後述する。
【0047】
ステップS5では、ステップS4での検査誘導処理に続き、検査実行処理を装置制御部20が実行して、ステップS6へ進む。検査実行処理は、図5のフローチャートを用いて後述する。
【0048】
ステップS6では、ステップS5での検査実行処理、あるいは、ステップS7での退避未検知の判断に続き、検査終了報知処理を装置制御部20が実行し、ステップS7へ進む。検査終了報知処理は、検査が終了したことを被検者に報知する処理である。本処理は、ステップS6へ進んだときに、自動で、装置制御部20から被検者スピーカ16への自動音声情報の入力により、被検者スピーカ16が自動音声情報を出力する。又は、装置制御部20からモニタ部15への終了を報知する終了報知表示情報の入力により、終了報知表示情報がモニタ部15に表示されても良い。自動音声情報及び終了報知表示情報は、例えば「お顔を枠部から外して下さい。全ての検査が終了しました。お疲れ様でした。」である。ここで、ステップS7での退避未検知の判断に続きステップS6へ戻った場合、被検者への退避が再び促されることになる。
【0049】
ステップS7では、ステップS6での検査終了報知処理に続き、被検者が退避したか否を装置制御部20が判断する。YESの場合はステップS3へ戻り、NOの場合はステップS6へ戻る。被検者の姿が検知されていない、すなわち被検者の退避検知は、カメラ18の映像から判断される。まず、カメラ18の映像表示情報は、カメラ18から装置制御部20を通じて本体制御部35へ出力される。これにより、本体制御部35は、映像表示情報を検者モニタ部32に表示する。本体制御部35は、カメラ18が動作中、映像表示情報を検者モニタ部32に表示する。
【0050】
次に、検者が検者モニタ部32の表示から被検者の退避を確認する。被検者が退避した場合は、被検者の頭部等の一部が写っている場合は含まず、被検者の全身が写っていない場合である。被検者の退避の認識結果については、検者による操作部31の操作入力により、本体制御部35から装置制御部20へ操作情報として退避検知情報又は退避未検知情報が出力される。退避検知情報は、検者が被検者の存在を認識しておらず、被検者の退避を認識したので、被検者の退避を検知した(退避検知)という情報である。退避未検知情報は、検者が被検者の存在を認識し被検者の退避を認識していないので、被検者の退避を検知していない(退避未検知)という情報である。装置制御部20は、退避検知情報が入力される場合、ステップS7では退避検知と判断する。一方、装置制御部20は、退避未検知情報が入力される場合、ステップS7では退避未検知と判断する。ここで、ステップS7での退避未検知の判断が続く場合には、ステップS6とステップS7が繰り返される。
【0051】
ステップS11では、ステップS3での存在未検知の判断に続き、スリープ信号を受け付けたか否かを遠隔操作受付部22が判断する。YESの場合はステップS12へ進み、NOの場合はステップS3へ戻る。ステップS11では、眼科装置10が検査モードのとき、検者の操作部31の操作入力により本体制御部35からスリープ信号が出力されると、遠隔操作受付部22がスリープ信号を受け付ける。そして遠隔操作受付部22は、スリープ信号を受け付けたと判断する。ここで、ステップS3での存在未検知の判断、かつ、ステップS11でのスリープ信号の未受け付けの判断が続く場合には、ステップS3とステップS11が繰り返される。
【0052】
ステップS12では、ステップS11でのスリープ信号の受け付けに続き、スリープモード移行処理を遠隔操作受付部22及び装置制御部20が実行して、リターンへ進む。スリープモード移行処理は、まず、遠隔操作受付部22がステップS11でスリープ信号を受け付けたので、遠隔操作受付部22は装置制御部20へスリープ信号を出力する。これにより、装置制御部20は、顎受け部12a、駆動機構13、測定ヘッド14、モニタ部15、及びカメラ18の動作を休止する制御を行う。
【0053】
また、装置制御部20は、被検者スピーカ16と被検者マイク17が動作している場合には、被検者スピーカ16と被検者マイク17の動作を休止する制御を行う。次に、装置制御部20は、眼科装置10を検査モードからスリープモードへ移行するモード移行制御を行い、装置制御部20を休止する制御を行う。言い換えると、装置制御部20は、通信インタフェース21と遠隔操作受付部22を除いて、眼科装置10の全ての電源供給をオフとする制御を行う。
【0054】
次に、検査誘導処理の流れは、図4のフローチャートの一例を用いて以下のように説明される。
【0055】
ステップS41からS45までは、被検者を検査(眼科装置10)へ誘導する検査誘導処理である。処理の検査誘導制御を装置制御部20が行う。例えば、ステップS4へ進んだときに、自動で、装置制御部20からモニタ部15への誘導表示情報の入力により、モニタ部15には誘導表示情報が表示される(表示制御)。誘導表示情報は、被検者を眼科装置10へ誘導するための情報である。
【0056】
ステップS41では、検査誘導処理の開始に続き、被検者を着席させる表示がモニタ部15に表示されて、ステップS42へ進む。
【0057】
ステップS42では、ステップS41での表示に続き、被検者の顔のセット位置を説明する表示がモニタ部15に表示されて、ステップS43へ進む。
【0058】
ステップS43では、ステップS42での表示に続き、被検者マイク17の位置を示す表示がモニタ部15に表示されて、ステップS44へ進む。
【0059】
ステップS44では、ステップS43での表示に続き、眼科装置10の検査中の注意事項の表示がモニタ部15に表示されて、ステップS45へ進む。
【0060】
ステップS45では、ステップS44での表示に続き、眼科装置10の検査開始の表示がモニタ部15に表示されて、検査誘導処理の終了へ進む。
【0061】
次に、検査実行処理の流れは、図5のフローチャートの一例を用いて以下のように説明される。
【0062】
ステップS51からS55までは、被検眼を眼科装置10により検査を実行する検査実行処理である。処理の検査実行制御は、装置制御部20及び検者の遠隔操作により行われる。
【0063】
ステップS51では、検査実行処理の開始に続き、検査説明を装置制御部20が実行して、ステップS52へ進む。検査説明の実行は、検査を行う旨の説明、及び、被検者が質問等したいときに被検者マイク17に向かって話すことで検者と対話可能であることの説明等である。検査説明の実行は、ステップS51へ進んだときに、自動で、装置制御部20から被検者スピーカ16への自動音声情報の入力により、被検者スピーカ16が自動音声情報を出力する。例えば、「これから眼屈折力の検査を行います。質問等されたい場合はマイクに向かって話すことで対話することができます。」等である。
【0064】
ステップS52では、ステップS51での検査説明の実行に続き、インタラクティブ機能のオン制御が行われて、ステップS53へ進む。インタラクティブ機能のオンは、検者の操作部31の操作入力により本体制御部35を通じて被検者マイク17をオンにするオン信号が装置制御部20へ出力される。これにより、装置制御部20は、被検者マイク17のスイッチをオンにするオン制御(音声制御)を行う。被検者マイク17のスイッチがオフになるまで、被検者マイク17に入力される被検者音声情報は、装置制御部20を通じて本体制御部35へ出力される。これにより、本体制御部35は、検者スピーカ33から被検者音声情報を出力するので、被検者の質問等を検者に伝えることができる。インタラクティブ機能は、この機能がオンのとき、被検者と検者とが対話可能な機能である。
【0065】
ステップS53では、ステップS52でのインタラクティブ機能のオン制御、あるいは、ステップS54での検査未終了の判断に続き、実際に眼科検査の実行が行われて、ステップS54へ進む。眼科検査の実行は、検者が検者マイク34に向かって話したり、検者が操作部31を操作入力したりすることで行われる。検者マイク34に入力された検者音声情報及び操作情報は、本体制御部35を通じて装置制御部20へ出力される。これにより、装置制御部20は、被検者スピーカ16から検者音声情報を出力するので、検者が被検者に指示することができる(音声制御)。
【0066】
また、装置制御部20は、操作情報に基づいて駆動機構13を駆動制御して、顎受け部12aのY方向の調整、及び、被検眼に対するオートレフケラトメータ14Aの概略XYZ方向のアライメントを行う。この他、装置制御部20は、操作情報に基づいて、眼科検査に必要な検査実行制御を行う。また、オートレフケラトメータ14Aの測定結果情報は、測定ヘッド14から装置制御部20を通じてモニタ部15に表示される。また、装置制御部20に入力された測定結果情報は、本体制御部35を通じて検者モニタ部32に表示される。
【0067】
ステップS54では、ステップS53での眼科検査の実行に続き、実際に眼科検査が終了したか否かを装置制御部20が判断する。YESの場合はステップS55へ進み、NOの場合はステップS53へ戻る。眼科検査の終了は、予め設定された検査項目が全て終了した場合に終了となる。このため、装置制御部20は、操作情報及び測定結果情報に基づいて、予め設定された検査項目が全て終了したか否かを判断する。
【0068】
ステップS55では、ステップS54での検査終了の判断に続き、インタラクティブ機能のオフ制御が行われて、検査実行処理の終了へ進む。インタラクティブ機能のオフは、検者の操作部31の操作入力により本体制御部35を通じて被検者マイク17をオンからオフに切り替えるオフ信号が装置制御部20へ出力される。これにより、装置制御部20は、被検者マイク17のスイッチをオフにするオフ制御(音声制御)を行う。
【0069】
次に、実施例1の眼科システム1の作用は、以下ように説明される。
【0070】
本開示の眼科システム1の眼科装置10は、装置制御部20を有する。装置制御部20には、図3に示すように、被検者側の眼科装置10がスリープモードのとき、検者側の遠隔操作装置30からウェイク信号が入力される(スタート、ステップS1)。装置制御部20は、遠隔操作装置30からウェイク信号が入力されると、眼科装置10を検査モードに移行させる(ステップS1からS2まで)。即ち、スリープモードから検査モードへの移行のために検者が遠隔地へ訪問する必要がない。このため、検者が遠隔操作装置30を用いて眼科装置10を遠隔で操作する場合、スリープモードから検査モードへの移行を遠隔で検者が行うことができる。
【0071】
本開示の眼科システム1の眼科装置10は、カメラ18を有する。装置制御部20は、遠隔操作装置30からスリープ信号が入力されたとき(ステップS11のYES)、眼科装置10を検査モードからスリープモードに移行させる(ステップS12、リターン)。ただし、装置制御部20は、カメラ18により被検者の姿が検知されていないことを条件(ステップS3のNO)とする。即ち、検査モードからスリープモードへの移行のために検者が遠隔地へ訪問する必要がない。このため、検者が遠隔操作装置30を用いて眼科装置10を遠隔で操作する場合、スリープモードから検査モードへの移行を遠隔で検者が行うことができる。また、被検者の姿が検知されていない場合、眼科装置10を動作させると消費電力の無駄が生じるので、検者の遠隔操作により検査モードからスリープモードへ移行する。このため、検査モードよりも眼科装置10の消費電力を低減することができる。
【0072】
本開示の眼科システム1の眼科装置10は、図1及び図2に示すように、被検者スピーカ16及び被検者マイク17を有する。遠隔操作装置30は、検者スピーカ33及び検者マイク34を有する。装置制御部20は、図3及び図5に示すように、検査モード中、被検者と検者とが対話可能なインタラクティブ機能をオンとする(ステップS5、ステップS52)。詳細には、装置制御部20は、検査モード中であって検査実行中、被検者と検者とが対話可能なインタラクティブ機能をオンとする。そして、検者は、眼科装置10による眼科検査を実行する(図5のステップS53、ステップ54のNO)。このため、検者と被検者は、眼科装置10により実際に眼科検査の実行が行われている検査期間中、対話することが可能である。
【0073】
本開示の眼科システム1の装置制御部20は、眼科検査が終了すると、インタラクティブ機能をオンからオフに切り替える(図5のステップS55)。例えば、眼科検査の終了後にインタラクティブ機能のオンが継続すると、被検者マイク17に入力される被検者側の音(被検者の音声及び被検者側の周辺音、「周辺音」とは眼科装置10の周辺の音であって被検者が歩く音や周辺機器の音等である。)が検者スピーカ33から出力され、検者に違和感を与えるおそれがある。また、眼科検査が終了すれば、検者と被検者の対話は不要になるので、インタラクティブ機能のオンを継続する必要はない。これにより、眼科検査の終了後、インタラクティブ機能をオンからオフに切り替えることで、検者スピーカ33から被検者側の音は出力されなくなる。このため、検者に与える違和感を防止することができる。
【0074】
本開示の眼科システム1の装置制御部20は、図3に示すように、眼科装置10を検査モードに移行させて、被検者の姿を検知すると、被検者を検査に誘導する検査誘導処理を実行する(ステップS2、ステップS3のYES,ステップS4)。即ち、遠隔操作装置30は眼科装置10から遠隔の位置に存在するので、被検者の検査を開始するために、被検者を眼科装置10へ誘導する必要がある。このため、検査誘導処理の実行により、被検者を眼科装置10へ誘導することができる。
【0075】
本開示の眼科システム1の装置制御部20は、眼科検査が終了すると、検査が終了したことを被検者に報知する検査終了報知処理を実行する(ステップS5、ステップS6)。即ち、遠隔操作装置30は眼科装置10から遠隔の位置に存在するので、検査が終了したことを被検者に報知する必要がある。このため、検査終了報知処理の実行により、検査が終了したことを被検者に報知することができると共に、被検者が検査終了を認識することができる。
【0076】
以上、本開示の眼科システム1を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0077】
上記の実施例1のステップS1では、検者の操作部31の操作入力によりウェイク信号が本体制御部35から出力されると、ステップS1からS2へと進み、眼科装置10が検査モードに移行する例を示した。しかし、これに限られず、予め日時が設定されたカレンダのウェイク設定に基づいて、眼科装置10を検査モードへ移行しても良い。上記のように「検者の遠隔操作の開始まで」が病院の診察開始までであれば、診察開始の時間は予め設定可能である。このため、例えば予め診察開始の日時が設定されたカレンダのウェイク設定に基づいて、装置制御部20は眼科装置10を検査モードへ移行しても良い。
【0078】
上記のようなウェイク設定は、装置制御部20のメモリに格納されていても良いし、遠隔操作装置30のメモリに格納されていても良い。遠隔操作装置30のメモリに格納されていれば、ウェイク設定に基づいて、ウェイク信号が本体制御部35から装置制御部20へ出力される。これにより、検者の操作部31の操作入力が不要となる。このため、検者の負担を軽減することができる。
【0079】
また、上記の実施例1のステップS11では、検者の操作部31の操作入力によりスリープ信号が出力されると、ステップS11からS12へと進み、眼科装置10がスリープモードに移行する例を示した。しかし、これに限られず、予め日時が設定されたカレンダのウェイク設定に基づいて、装置制御部20は眼科装置10をスリープモードへ移行しても良い。上記と同様に、「検者の遠隔操作の開始まで」が病院の診察開始までであれば、診察終了の時間は予め設定可能である。このため、例えば予め診察終了の日時が設定されたカレンダのスリープ設定に基づいて、眼科装置10をスリープモードへ移行しても良い。
【0080】
上記のようなスリープ設定は、装置制御部20のメモリに格納されていても良いし、遠隔操作装置30のメモリに格納されていても良い。遠隔操作装置30のメモリに格納されていれば、スリープ設定に基づいて、スリープ信号が本体制御部35から装置制御部20へ出力される。これにより、検者の操作部31の操作入力が不要となる。このため、検者の負担を軽減することができる。
【0081】
上記の実施例1のステップS3では、検者により被検者の存在確認が行われて、本体制御部35から入力される存在検知情報又は存在未検知情報により装置制御部20は被検者を検知したか否を判断する例を示した。また、上記の実施例1のステップS7では、検者により被検者の退避確認が行われて、本体制御部35から入力される退避検知情報又は退避未検知情報により装置制御部20は被検者が退避したか否を判断する例を示した。しかし、以下の変形例1から4までのように構成しても良い。
【0082】
変形例1は、遠隔操作装置30が被検者を検知する被検者検知機能を有して、被検者検知機能が被検者の存在を検知しても良い。被検者検知機能は、ステップS3の存在検知情報又は存在未検知情報の出力と、ステップS7の退避検知情報又は退避未検知情報の出力と、を自動で行う機能である。例えば、被検者検知機能は人工知能処理部(Artificial Intelligence)であり、人工知能処理部が遠隔操作装置30に搭載される。人工知能処理部は、自動により映像表示情報から被検者の存在を検知する。言い換えると、人工知能処理部は、自動により映像表示情報から、存在検知、存在未検知、退避検知及び退避未検知を行う。
【0083】
詳細には、人工知能処理部は、遠隔操作装置30のメモリに格納されているAIモデルを読み込む。AIモデルは、被検者を検知するために、被検者である人の骨格情報等の特徴を学習したことにより作成されたモデルである。人工知能処理部は、自動によりAIモデルを用いて、複数の静止画像(撮影画像)で構成される映像表示情報から被検者の存在を認識する。
【0084】
このため、ステップS3では、被検者の存在が映像表示情報に含まれていると人工知能処理部が認識すれば、被検者の存在が検知されたことになる。反対に、被検者の存在が映像表示情報に含まれていないと人工知能処理部が認識すれば、被検者の存在が検知されていないことになる。そして、自動により、本体制御部35を通じて装置制御部20へ存在検知情報又は存在未検知情報が出力される。また、ステップS7では、被検者の存在が映像表示情報に含まれていないと人工知能処理部が認識すれば、被検者の退避が検知されたことになる。反対に、被検者の存在が映像表示情報に含まれていると人工知能処理部が認識すれば、被検者の退避が検知されていないことになる。そして、自動により、本体制御部35を通じて装置制御部20へ退避検知情報又は退避未検知情報が出力される。これにより、検者が被検者の存在を確認する必要がなくなる。このため、検者の負担を軽減することができる。
【0085】
変形例2は、上記の被検者検知機能は遠隔操作装置30に代えて装置制御部20が有していても良く、上記と同様に被検者検知機能が被検者の存在を検知する。そして、装置制御部20は、存在検知情報又は存在未検知情報に基づきステップS3の判断を行い、退避検知情報又は退避未検知情報に基づきステップS7の判断を行う。これにより、検者が被検者の存在を確認する必要がなくなる。このため、検者の負担を軽減することができる。なお、被検者検知機能が人工知能処理部の場合、装置制御部20のメモリにAIモデルが格納されているものとする。
【0086】
変形例3は、上記の被検者検知機能は遠隔操作装置30に代えてカメラ18が有していても良く、上記と同様に被検者検知機能が被検者の存在を検知する。そして、カメラ18から装置制御部20へ、存在検知情報、存在未検知情報、退避検知情報又は退避未検知情報が出力される。これにより、検者が被検者の存在を確認する必要がなくなる。このため、検者の負担を軽減することができる。なお、被検者検知機能が人工知能処理部の場合、カメラ18が、実施例1の装置制御部20と同様に各種のプロセッサ及びメモリ(記憶部)等から構成された演算回路を備えるものとし、カメラ18が備えるメモリにAIモデルが格納されているものとする。
【0087】
変形例4は、被検者検知機能は、人工知能処理部に代えて人感センサでも良い。人感センサは、眼科装置10に設けられ、装置制御部20と接続される。人感センサは、自動により被検者が存在するか否かを感知する。人感センサの感知範囲は、例えば、眼科装置10の前方側の空間である。好ましくは、人感センサの感知範囲は、顔支持部12の前方側の空間である。人感センサは、感知した感知結果を被検者の存在有無の情報(信号)として、装置制御部20へ出力する。そして、装置制御部20は、存在有りの情報が入力される場合、ステップS3では存在検知と判断し、ステップS7では退避未検知と判断する。反対に、装置制御部20は、存在無しの情報が入力される場合、ステップS3では存在未検知と判断し、ステップS7では退避検知と判断する。これにより、検者が被検者の存在を確認する必要がなくなる。このため、検者の負担を軽減することができる。
【0088】
上記の変形例3において、スリープモードのとき、カメラ18及び人工知能処理部は動作していることとする。そして、スリープモードのとき、カメラ18から装置制御部20へ自動で存在検知情報が出力されることにより、装置制御部20にウェイク信号が入力されたものとしても良い。つまり、カメラ18から装置制御部20へ存在検知情報が出力されることにより、図3のステップS1ではYESと判断される。これにより、検者の操作部31の操作入力が不要となる。このため、検者の負担を軽減することができる。なお、カメラ18から遠隔操作受付部22へ存在検知情報が出力されることにより、遠隔操作受付部22がウェイク信号の受け付けと判断しても良い。
【0089】
また、上記の変形例4において、スリープモードのとき、人感センサは動作していることとする。そして、スリープモードのとき、人感センサから装置制御部20へ存在有りの情報が出力されることにより、装置制御部20にウェイク信号が入力されたものとしても良い。つまり、人感センサから装置制御部20へ存在有りの情報が出力されることにより、図3のステップS1ではYESと判断される。これにより、検者の操作部31の操作入力が不要となる。このため、検者の負担を軽減することができる。なお、人感センサから遠隔操作受付部22へ存在検知情報が出力されることにより、遠隔操作受付部22がウェイク信号の受け付けと判断しても良い。
【0090】
上記の実施例1のステップS4では、ステップS4へ進んだときに、自動により、モニタ部15には誘導表示情報が表示される例を示したが、これに限られない。ステップS4では、ステップS4へ進んだときに、自動で、装置制御部20から被検者スピーカ16への誘導音声情報の入力により、被検者スピーカ16が誘導音声情報を出力しても良い(音声制御)。誘導音声情報は、被検者を眼科装置10へ誘導するための情報である。
【0091】
上記の実施例1のステップS51では、ステップS51へ進んだときに、自動により、被検者スピーカ16が自動音声情報を出力する例を示したが、これに限られない。ステップS51では、ステップS51へ進んだときに、自動で、装置制御部20からモニタ部15への自動表示情報の入力により、モニタ部15には自動表示情報が表示されても良い(表示制御)。
【0092】
上記の実施例1のステップS52では、ステップS51での検査説明の実行に続き、インタラクティブ機能のオン制御が行われる例を示したが、これに限られない。例えば、インタラクティブ機能のオン制御のタイミングは、ステップS3での被検者検知の判断に続いて行っても良いし、ステップS4の検査誘導処理の中で行っても良い。又は、ステップS5の検査実行処理の中でかつステップS51での検査説明の実行の前に行っても良い。これにより、ステップS52よりも前に、被検者から検者への要望を伝えることができる。例えば、要望は「トイレに行きたいので、少し待って欲しい。」等である。
【0093】
上記の実施例1のステップS54では、実際に眼科検査が終了したか否かを装置制御部20が判断する例を示したが、これに限られない。例えば、検者から被検者へ「検査を終了して宜しいでしょうか。」等と質問を行った後、被検者の回答がYESの場合はステップS55へ進み、NOの場合はステップS53へ戻る。なお、ステップS52とS53で説明したように、検者と被検者は対話可能である。YESの場合は、検者の操作部31の操作により、検査終了コマンドが本体制御部35を通じて装置制御部20へ入力される。ステップS55では、検査終了コマンドの入力に続き、インタラクティブ機能のオフ制御が行われて、検査実行処理の終了へ進む。検査終了コマンドは、インタラクティブ機能のオフする態様でも良い。
【0094】
上記の実施例1のステップS6では、自動により、装置制御部20が検査終了報知処理を行う例を示したが、これに限られない。例えば、検者が、検者マイク34を通じて検査が終了したことを被検者へ報知しても良いし、検者の操作部31の操作により本体制御部35から装置制御部20へ操作情報として終了報知表示情報が出力されてステップS6の処理が実行されても良い。
【0095】
上記の実施例1では、カメラ18は、モニタ部15の上部に設けられる例を示したが、これに限られない。例えば、カメラ18は、測定ヘッド14が有する測定用カメラ(撮影用の光学系)等でも良い。測定用カメラの場合、測定用であるため、少なくとも検査姿勢のときの被検者が映り込む位置に設けられている。この場合、ステップS3の被検者の存在確認及びステップS7の被検者の退避確認を検者が行うことができる。また、この場合、検者は、検者モニタ部32の表示により、被検者の検査前、検査中及び検査後の状態を観察することができる。また、検者は、検者モニタ部32の表示により、眼科装置10と被検者との位置調整に使用することができる。
【0096】
上記の実施例1では、測定ヘッド14には、オートレフケラトメータ14Aが設けられている例を示したが、非接触式眼圧計等を設けても良い。非接触式眼圧計は、非接触で被検眼の眼圧値を測定する。
【0097】
上記の実施例1の眼科システム1は、図1に示すように、眼科装置10及び遠隔操作装置30を一つずつ備える例を示したが、変形例5として図6の眼科システム1Aでも良い。例えば、変形例5は、図6に示すように、三つの眼科装置10A,10B,10Cを備えている。三つの眼科装置10A,10B,10Cと一つの遠隔操作装置30Aとの間にルータ100A(ルータ装置)とインターネット101等の通信ネットワークが接続される。遠隔操作装置30Aは、ルータ100Aとインターネット101を経由して、三つの眼科装置10A,10B,10Cのそれぞれに対してウェイク信号又はスリープ信号を出力する。
【0098】
遠隔操作装置30Aは、実施例1の遠隔操作装置30の構成を備えている。また、遠隔操作装置30Aは、ルータ100Aの接続を切り替えて、三つの眼科装置10A,10B,10Cのそれぞれと接続可能である構成を有する。三つの眼科装置10A,10B,10Cのそれぞれは、実施例1と同様の構成を備えている。三つの眼科装置10A,10B,10Cのそれぞれは、遠隔操作装置30Aでルータ100Aが切り替えられて、遠隔操作装置30Aと接続されることにより、検者の遠隔操作が可能となる。
【0099】
変形例5の構成により、スリープモードと検査モードとの移行のために検者が遠隔地へ訪問する必要がない。このため、検者が遠隔操作装置30Aを用いて三つの眼科装置10A,10B,10Cを遠隔で操作する場合、検査モードとスリープモードのモード移行を遠隔で検者が行うことができる。変形例5では、三つの眼科装置10A,10B,10Cとしたが、二つ又は四つ以上すなわち複数の眼科装置が一つの遠隔操作装置30Aと接続されて、検者の遠隔操作により、モード移行を遠隔で検者が行うことができる。
【0100】
変形例5の眼科システム1Aは、三つの眼科装置10A,10B,10Cと、一つの遠隔操作装置30Aと、を備える例を示したが、これに限られない。以下の変形例6のように構成しても良い。変形例6の眼科システムは、一つの眼科装置及び複数の遠隔操作装置を備える。一つの眼科装置と複数の遠隔操作装置との間にルータ(ルータ装置)とインターネット等の通信ネットワークが接続される。これにより、眼科装置と各遠隔操作装置は互いに通信可能である。複数の遠隔操作装置のうち一つの遠隔操作装置のみが、ルータとインターネットを経由して、眼科装置に対してウェイク信号又はスリープ信号を出力することができても良い。また、複数の遠隔操作装置の間でも通信可能として、各遠隔操作装置を担当する検者同士で互いに対話が行えるようにしても良い。
【0101】
また、変形例6の眼科システムは、複数の眼科装置及び複数の遠隔操作装置を備えても良い。複数の眼科装置と複数の遠隔操作装置との間にルータ(ルータ装置)とインターネット等の通信ネットワークが接続される。これにより、各眼科装置と各遠隔操作装置は互いに通信可能である。複数の遠隔操作装置のうち一つの遠隔操作装置のみが、ルータとインターネットを経由して、複数の眼科装置のうち検者が選択した所定の眼科装置に対してウェイク信号又はスリープ信号を出力することができても良い。更に、このように一つの遠隔操作装置が所定の眼科装置に対して各種信号を出力している途中の場合について説明する。この場合、残りの遠隔操作装置のうち別の遠隔操作装置が、ルータとインターネットを経由して、残りの眼科装置のうち検者が選択した別の眼科装置に対してウェイク信号又はスリープ信号を出力することができても良い。また、複数の遠隔操作装置の間でも通信可能として、各遠隔操作装置を担当する検者同士で互いに対話が行えるようにしても良い。
【0102】
なお、以上の実施例及び変形例1から5までの説明に関し、更に以下を開示する。
(1)眼科装置と、前記眼科装置から遠隔の位置に存在するホスト装置と、を備え、
前記眼科装置と前記ホスト装置とは互いに通信可能であり、検者が前記ホスト装置を用いて前記眼科装置を遠隔で操作する眼科システムにおいて、
前記眼科装置は、被検者側の前記眼科装置が動作を休止しているスリープモードのとき、(前記ホスト装置、前記眼科装置が有し少なくとも検査姿勢のときの被検者が映り込む位置に設けられたカメラ、又は、前記眼科装置10の前方側の空間に被検者が存在するか否かを感知する人感センサ、のうち一つから)ウェイク信号が入力されると、前記眼科装置を検査可能な検査モードに移行させる制御部を有する
ことを特徴とする眼科システム。
(2)
前記(1)に記載の眼科システムであって、
前記眼科装置と前記ホスト装置とは、それぞれマイク及びスピーカを有し、
前記制御部は、前記検査モード中、被検者と検者とが対話可能なインタラクティブ機能をオンとする
ことを特徴とする眼科システム。
(3)
前記(1)又は(2)に記載された眼科システムにおいて、
前記制御部は、前記検査モード中であって検査実行中、前記インタラクティブ機能をオンとし、前記眼科装置による眼科検査を実行する
ことを特徴とする眼科システム。
(4)
前記(1)から(3)までの何れか一項に記載された眼科システムにおいて、
前記制御部は、前記眼科検査が終了すると、前記インタラクティブ機能をオンからオフに切り替える
ことを特徴とする眼科システム。
(5)
前記(1)から(4)までの何れか一項に記載された眼科システムにおいて、
前記眼科装置はスピーカを有し、
前記制御部は、前記眼科検査が終了すると、前記眼科装置の前記スピーカから被検者に対して検査終了報知処理を実行する
(6)
前記(1)から(5)までの何れか一項に記載された眼科システムにおいて、
前記眼科装置は、少なくとも検査姿勢のときの被検者が映り込む位置に設けられたカメラを有し、
前記制御部は、前記検査モードに移行した後、前記カメラにより被検者の姿が検知されると、被検者を検査に誘導する検査誘導処理を実行する
ことを特徴とする眼科システム。
(7)
前記(1)から(6)までの何れか一項に記載された眼科システムにおいて、
前記眼科装置は、少なくとも検査姿勢のときの被検者が映り込む位置に設けられたカメラを有し、
前記制御部は、前記ホスト装置からスリープ信号が入力されたとき、前記カメラにより被検者の姿が検知されていないことを条件とし、前記眼科装置を前記検査モードから前記スリープモードに移行させる
ことを特徴とする眼科システム。
(8)
前記(6)又は(7)に記載された眼科システムにおいて、
前記ホスト装置、前記制御部又は前記カメラは、前記カメラが撮影した撮影画像の中に被検者が存在するか否かを検知する被検者検知機能を有する
ことを特徴とする眼科システム。
(9)
前記(6)又は(7)に記載された眼科システムにおいて、
前記眼科装置は、前記眼科装置10の前方側の空間に被検者が存在するか否かを感知する人感センサを有し、
前記制御部は、前記人感センサの感知結果に基づいて、被検者の姿が検知されているか否かを判断する
ことを特徴とする眼科システム。
(10)
前記(1)から(9)までの何れか一項に記載された眼科システムにおいて、
前記眼科装置を複数備え、
前記複数の眼科装置と前記ホスト装置の間にルータ装置を接続し、
前記ホスト装置は、前記ルータ装置を経由して前記複数の眼科装置のそれぞれに対して前記ウェイク信号又は前記スリープ信号を出力する
ことを特徴とする眼科システム。
【符号の説明】
【0103】
1 眼科システム
10、10A、10B、10C 眼科装置
16 被検者スピーカ(スピーカ)
17 被検者マイク(マイク)
18 カメラ
20 装置制御部(制御部)
21 通信インタフェース
22 遠隔操作受付部
30、30A 遠隔操作装置(ホスト装置)
31 操作部
33 検者スピーカ(スピーカ)
34 検者マイク(マイク)
35 本体制御部
100、100A ルータ(ルータ装置)
101 インターネット(ネットワーク)
図1
図2
図3
図4
図5
図6