IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アピックヤマダ株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025049905
(43)【公開日】2025-04-04
(54)【発明の名称】圧縮成形装置及び圧縮成形方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/56 20060101AFI20250327BHJP
   B29C 43/34 20060101ALI20250327BHJP
   B29C 43/18 20060101ALI20250327BHJP
【FI】
H01L21/56 R
B29C43/34
B29C43/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023158401
(22)【出願日】2023-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000144821
【氏名又は名称】アピックヤマダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】涌井 正明
(72)【発明者】
【氏名】川口 誠
【テーマコード(参考)】
4F204
5F061
【Fターム(参考)】
4F204AD19
4F204AG03
4F204AH37
4F204AJ08
4F204AM33
4F204FA01
4F204FB01
4F204FB17
4F204FF23
4F204FN11
4F204FN17
4F204FQ15
5F061AA01
5F061CA22
5F061DA01
5F061DA11
(57)【要約】
【課題】撒きムラ、残留気体、成形時の粉塵発生に起因する成形不良の発生を防止することが可能で、且つ、成形品の露出部位における封止樹脂の薄バリ形成を防止することが可能な圧縮成形装置及び圧縮成形方法を提供する。
【解決手段】いずれか一方が上型となり、他方が下型となる第1金型204及び第2金型206を備える封止金型202を用いて、ワークWを封止樹脂Rにより封止して成形品Wpに加工する圧縮成形装置1であって、封止樹脂Rは、貫通孔Rhを有する格子状に形成されており、第1金型204は、キャビティ駒226が底部をなす凹部として構成されるキャビティ208を有し、第2金型206は、ワークWを保持するワーク保持部205を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
いずれか一方が上型となり、他方が下型となる第1金型及び第2金型を備える封止金型を用いて、ワークを封止樹脂により封止して成形品に加工する圧縮成形装置であって、
前記封止樹脂は、貫通孔を有する格子状に形成されており、
前記第1金型は、キャビティ駒が底部をなす凹部として構成されるキャビティを有し、
前記第2金型は、前記ワークを保持するワーク保持部を有すること
を特徴とする圧縮成形装置。
【請求項2】
前記封止樹脂は、パウダー樹脂が打錠されて形成された固形樹脂、もしくはシート状樹脂であること
を特徴とする請求項1記載の圧縮成形装置。
【請求項3】
前記第1金型は、前記キャビティの内側で前記封止樹脂の前記貫通孔に対応する位置に配設されて上下に移動可能な可動駒をさらに有し、
前記封止金型が型閉じされたときに、前記可動駒が前記貫通孔に進入して前記ワークの上面に当接する構成であること
を特徴とする請求項2記載の圧縮成形装置。
【請求項4】
前記ワークは、基材に電子部品が搭載された構成を有し、
前記封止樹脂は、放熱板が固着されて前記貫通孔が塞がれた構成を有し、
前記ワークの前記電子部品における前記放熱板との対向面と、前記ワークの上もしくは前記キャビティの内側に載置される前記封止樹脂の前記放熱板における前記電子部品との対向面と、の間に弾性及び熱伝導性を有する部材が設けられた構成であること
を特徴とする請求項2または請求項3記載の圧縮成形装置。
【請求項5】
いずれか一方が上型となり、他方が下型となる第1金型及び第2金型を備える封止金型を用いて、ワークを封止樹脂により封止して成形品に加工する圧縮成形方法であって、
前記封止樹脂として、貫通孔を有する格子状に形成された封止樹脂が用いられ、
前記ワークを前記第2金型に保持するワーク保持工程と、
前記第1金型が上型である場合、前記封止樹脂を前記ワークの上に載置し、前記第1金型が下型である場合、前記封止樹脂を前記第1金型のキャビティの内側に載置する樹脂載置工程と、
前記封止金型の型閉じを行って前記ワークを前記封止樹脂により封止して前記成形品に加工する型閉じ工程と、
を備えること
を特徴とする圧縮成形方法。
【請求項6】
前記封止樹脂として、パウダー樹脂が打錠されて形成された固形樹脂、もしくはシート状樹脂が用いられること
を特徴とする請求項5記載の圧縮成形方法。
【請求項7】
前記第1金型が上型である場合、前記樹脂載置工程の後に放熱板を前記封止樹脂の上に載置し、前記第1金型が下型である場合、前記樹脂載置工程の前に前記放熱板を前記第1金型の前記キャビティの内側に載置する放熱板載置工程を備えること
を特徴とする請求項5または請求項6記載の圧縮成形方法。
【請求項8】
前記型閉じ工程は、前記封止金型が型閉じされたときに、前記第1金型の前記キャビティの内側で前記封止樹脂の前記貫通孔に対応する位置に配設されて上下に移動可能な可動駒が前記貫通孔に進入して前記ワークの上面に当接する工程を有すること
を特徴とする請求項6記載の圧縮成形方法。
【請求項9】
前記ワークとして、基材に電子部品が搭載された構成を有するワークが用いられ、
前記封止樹脂として、放熱板が固着されて前記貫通孔が塞がれた構成を有する封止樹脂が用いられ、
前記ワークの前記電子部品における前記放熱板との対向面と、前記ワークの上もしくは前記キャビティの内側に載置される前記封止樹脂の前記放熱板における前記電子部品との対向面と、の間に弾性及び熱伝導性を有する部材が設けられること
を特徴とする請求項6記載の圧縮成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮成形装置及び圧縮成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基材に電子部品が搭載されたワークを封止樹脂により封止して成形品に加工する樹脂封止装置及び樹脂封止方法の例として、圧縮成形方式によるものが知られている。
【0003】
圧縮成形方式は、上型と下型とを備えて構成される封止金型に設けられる封止領域(キャビティ)に所定量の封止樹脂を供給すると共に当該封止領域にワークを配置して、上型と下型とでクランプする操作によって樹脂封止する技術である。一例として、上型にキャビティを設けた封止金型を用いる場合、ワーク上の中心位置に一括して封止樹脂を供給して成形する技術等が知られている。一方、下型にキャビティを設けた封止金型を用いる場合、当該キャビティを含む金型面を覆うリリースフィルム(以下、単に「フィルム」と称する場合がある)及び封止樹脂を供給して成形する技術等が知られている(特許文献1:国際公開WO2015/159743号公報参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開WO2015/159743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来は、封止樹脂の流動や接触に起因するワークの変形防止等の観点において優位性があるとの考えもあり、上型にワークが保持され、下型にキャビティが設けられ、当該キャビティ内に封止樹脂(一例として、顆粒樹脂)が供給される圧縮成形方式が広く採用されていた。
【0006】
しかしながら、上型にワークが保持され、下型にキャビティが設けられる構成においては、ワークが薄い場合や大型の場合に、上型での保持が難しく落下が生じ易いという課題があった。また、封止樹脂として顆粒樹脂が用いられる場合、樹脂粒同士の擦れ等により成形時の粉塵が発生するという課題や、ハンドリングが難しいという課題に加えて、下型に設けられるキャビティ内の全領域に対して均等に封止樹脂を供給(散布)することが難しく撒きムラが生じ易いという課題があった。また、封止樹脂の散布時に粒同士の隙間に含まれる空気及び溶融時に封止樹脂より脱泡することによる気体成分が抜けずに成形品にボイド等として残ってしまう成形不良が生じ易いという課題があった。
【0007】
一方、キャビティの配置に関わらず、例えば、放熱板やフリップチップ接続されたチップ等の電子部品が露出する成形品を形成する場合に、当該成形品の露出部位(具体例として、電子部品の上面)に封止樹脂の薄バリが形成され易く、露出が不完全となってしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、撒きムラ、残留気体、成形時の粉塵発生に起因する成形不良の発生を防止することが可能で、且つ、成形品の露出部位における封止樹脂の薄バリ形成を防止することが可能な圧縮成形装置及び圧縮成形方法を提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、一実施形態として以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
【0010】
一実施形態に係る封止樹脂は、いずれか一方が上型となり、他方が下型となる第1金型及び第2金型を備える封止金型を用いて、ワークを封止樹脂により封止して成形品に加工する圧縮成形装置であって、前記封止樹脂は、貫通孔を有する格子状に形成されており、前記第1金型は、キャビティ駒が底部をなす凹部として構成されるキャビティを有し、前記第2金型は、前記ワークを保持するワーク保持部を有することを要件とする。
【0011】
また、前記封止樹脂は、パウダー樹脂が打錠されて形成された固形樹脂、もしくはシート状樹脂であることが好ましい。
【0012】
また、前記第1金型は、前記キャビティの内側で前記封止樹脂の前記貫通孔に対応する位置に配設されて上下に移動可能な可動駒をさらに有し、前記封止金型が型閉じされたときに、前記可動駒が前記貫通孔に進入して前記ワークの上面に当接する構成であることが好ましい。
【0013】
また、前記ワークは、基材に電子部品が搭載された構成を有し、前記封止樹脂は、放熱板が固着されて前記貫通孔が塞がれた構成を有し、前記ワークの前記電子部品における前記放熱板との対向面と、前記ワークの上もしくは前記キャビティの内側に載置される前記封止樹脂の前記放熱板における前記電子部品との対向面と、の間に弾性及び熱伝導性を有する部材が設けられた構成を有することが好ましい。
【0014】
また、一実施形態に係る圧縮成形方法は、いずれか一方が上型となり、他方が下型となる第1金型及び第2金型を備える封止金型を用いて、ワークを封止樹脂により封止して成形品に加工する圧縮成形方法であって、前記封止樹脂として、貫通孔を有する格子状に形成された封止樹脂が用いられ、前記ワークを前記第2金型に保持するワーク保持工程と、前記第1金型が上型である場合、前記封止樹脂を前記ワークの上に載置し、前記第1金型が下型である場合、前記封止樹脂を前記第1金型のキャビティの内側に載置する樹脂載置工程と、前記封止金型の型閉じを行って前記ワークを前記封止樹脂により封止して前記成形品に加工する型閉じ工程と、を備えることを要件とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る圧縮成形装置及び圧縮成形方法によれば、撒きムラ、残留気体、成形時の粉塵発生に起因する成形不良の発生を防止することが可能で、且つ、成形品の露出部位における封止樹脂の薄バリ形成を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る圧縮成形装置の例を示す平面図である。
図2】本発明の第一の実施形態に係る圧縮成形装置のプレス装置の例を示す側面図である。
図3】本発明の第一の実施形態に係る圧縮成形装置の封止金型の例を示す正面断面図である。
図4図2に示すプレス装置及び図3に示す封止金型を備えた圧縮成形装置による圧縮成形方法の例を説明する説明図である。
図5図4に続く説明図である。
図6図5に続く説明図である。
図7図6に続く説明図である。
図8図7に続く説明図である。
図9図8に続く説明図である。
図10】本発明の第一の実施形態に係る圧縮成形装置の封止金型の他の例を示す正面断面図である。
図11図2に示すプレス装置及び図10に示す封止金型を備えた圧縮成形装置による圧縮成形方法の例を説明する説明図である。
図12図11に続く説明図である。
図13図12に続く説明図である。
図14図13に続く説明図である。
図15】本発明の第二の実施形態に係る圧縮成形装置のプレス装置の例を示す側面図である。
図16】本発明の第二の実施形態に係る圧縮成形装置の封止金型の例を示す正面断面図である。
図17図15に示すプレス装置及び図16に示す封止金型を備えた圧縮成形装置による圧縮成形方法の例を説明する説明図である。
図18図17に続く説明図である。
図19図18に続く説明図である。
図20図19に続く説明図である。
図21図20に続く説明図である。
図22図21に続く説明図である。
図23】本発明の第二の実施形態に係る圧縮成形装置の封止金型の他の例を示す正面断面図である。
図24図15に示すプレス装置及び図23に示す封止金型を備えた圧縮成形装置による圧縮成形方法の例を説明する説明図である。
図25図24に続く説明図である。
図26図25に続く説明図である。
図27図26に続く説明図である。
図28】本発明の実施形態に係る圧縮成形装置及び圧縮成形方法の被成形品となるワークの例を示す斜視図である。
図29】本発明の実施形態に係る圧縮成形装置及び圧縮成形方法において用いられる封止樹脂の例を示す斜視図である。
図30図29に示す封止樹脂を用いて圧縮成形を行った成形品の例を示す斜視図である。
図31】本発明の実施形態に係る圧縮成形装置及び圧縮成形方法において用いられる封止樹脂の他の例を示す斜視図である。
図32図31に示す封止樹脂を用いて圧縮成形を行った成形品の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第一の実施形態]
本実施形態に係る圧縮成形装置1は、第1金型(本実施形態においては、上型)204及び第2金型(本実施形態においては、下型)206を備える封止金型202を用いて、ワーク(被成形品)Wの樹脂封止(圧縮成形)を行う装置である。以下、圧縮成形装置1として、下型206に設けられたワーク保持部205でワークWを保持し、対応する配置で上型204に設けられたキャビティ208(金型面204aを一部含む)をリリースフィルムFで覆って、上型204と下型206とのクランプ動作を行い、ワークWを封止樹脂Rで封止する圧縮成形装置を例に挙げて説明する。
【0018】
成形対象であるワークWは、基材Waに電子部品Wbが搭載された構成を備えている(図28参照)。より具体的には、基材Waの例として、樹脂基板、セラミックス基板、金属基板、キャリアプレート、リードフレーム、ウェハ等の板状の部材が挙げられる。また、電子部品Wbの例として、半導体チップ、MEMSチップ、受動素子、放熱板(ヒートシンク)、導電部材、スペーサ、コイルシート等が挙げられる(尚、ワークWは、電子部品Wbのみからなる構成としてもよい)。一般的な基材Waの形状は、長方形状(短冊状)、正方形状、円形状等である。また、一つの基材Waに搭載される電子部品Wbの個数は、一つもしくは複数個に設定される。
【0019】
基材Waに電子部品Wbを搭載する方法の例として、フリップチップ実装、ワイヤーボンディング実装等による方法が挙げられる。あるいは、樹脂封止後に成形品Wpから基材(ガラス製や金属製のキャリアプレート)Waを剥離する構成の場合には、熱剥離性を有する粘着テープや紫外線照射により硬化する紫外線硬化性樹脂を用いて電子部品Wbを貼付ける方法もある。本実施形態においては、バンプWcを介して基材Waに電子部品Wbがフリップチップ接続された構成を例として説明するが、これに限定されるものではない。また、基材Waの一部領域を露出させて樹脂封止を行い、樹脂封止後に当該露出部位に電子部品Wbを搭載することもできる。
【0020】
封止樹脂Rとして、熱硬化性樹脂(例えば、フィラー含有のエポキシ系樹脂等であるが、これに限定されない)が用いられる。封止樹脂Rは、全体の形状がワークWの形状に対応させた所定形状を有する固形樹脂として形成されている。通常は、一個で封止必要量(ワークW一個当たりの一回分)の「全体」をなすが、数個(例えば二、三個程度)の分割状態で封止必要量の「全体」をなすように構成してもよい。
【0021】
上記「所定形状」とは、略板状であって本体部Raの板面を貫通する貫通孔Rhを有する格子状の形状である(図29参照)。ここで、本願における「格子状」とは、一列状を含むマトリクス状として例示するが、これに限定されるものではなく、複数行、複数列のマトリクス状でもランダム状等であってもよい。上記の封止樹脂R(以下、「R1」と表記して区別する場合がある)を用いて樹脂封止(圧縮成形)を行うことによって、電子部品Wbの上面Wbfに薄バリが形成されることを防止でき、当該上面Wbfが確実に露出した状態の成形品Wp(図30参照)を形成することができる(形成方法の詳細については後述する)。当該貫通孔Rhは、個々の電子部品Wbよりも少し大きなサイズであり、電子部品Wbと同じ形状となる必要がある。また、封止樹脂R(R1)の樹脂量(高さ)は電子部品Wbの下にも樹脂が入り込み、過不足なく封止ができる程度の量となっていることが必要である。
【0022】
また、上記「固形」とは、完全な固形状態ではなくいわゆるBステージまで溶融した状態となったものや、溶融する直前の状態のものが含まれる。固形状の封止樹脂Rとして、パウダー樹脂が打錠されて形成された固形樹脂が好適に用いられる。これにより、顆粒樹脂や破砕状樹脂を用いて形成された打錠樹脂と比較して、樹脂量を極めて正確に調整して供給することができる。但し、パウダー樹脂に限定されるものではなく、顆粒樹脂、破砕状樹脂、固形樹脂、液状樹脂、もしくは、それらの内の複数を組合せた樹脂が用いられる構成としてもよい。また、固形状の封止樹脂Rとして、シート状樹脂も好適に用いられる。固形状の封止樹脂Rを用いることによって、従来の顆粒樹脂と比べて、成形時の粉塵が発生するという課題、ハンドリングが難しいという課題、及び、撒きムラが生じやすいという課題の解決を図ることができる。また、ボイドの発生を抑制することができるため、特にフリップチップ接続された電子部品Wbのモールドアンダーフィルを確実に行うことができる。
【0023】
また、フィルムFの例として、耐熱性、剥離容易性、柔軟性、伸展性に優れたフィルム材、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(ポリテトラフルオロエチレン重合体)、PET、FEP、フッ素含浸ガラスクロス、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリジン等が好適に用いられる。
【0024】
続いて、本実施形態に係る圧縮成形装置1の概要について説明する。図1に示すように、圧縮成形装置1は、ワークW及び封止樹脂Rの供給等を行う供給ユニット10A、ワークWを封止樹脂Rによって樹脂封止して成形品Wpへの加工等を行うプレスユニット10B、成形品Wpの収納等を行う収納ユニット10Cを主要構成として備えている。一例として、図1中のX方向に沿って、供給ユニット10A、プレスユニット10B、収納ユニット10Cの順に配置されている。但し、上記の構成に限定されるものではなく、ユニット内の機器構成やユニット数、ユニットの配置順等を変更してもよい。例えば、供給ユニット10Aと、収納ユニット10Cとを、X方向において相互に逆の配置としてもよく、あるいは、いずれか一方の位置に集約される配置としてもよい(不図示)。また、上記以外のユニットを備える構成としてもよい(不図示)。
【0025】
また、圧縮成形装置1は、各ユニット間を跨いでガイドレール20が直線状に設けられており、ワークW及び封止樹脂Rを搬送する(ワークW及び封止樹脂R以外の搬送に用いてもよい)搬送装置(第1ローダ)22、及び、成形品Wpを搬送する(成形品Wp以外の搬送に用いてもよい)搬送装置(第2ローダ)24が、ガイドレール20に沿って所定のユニット間を移動可能に設けられている。但し、上記の構成に限定されるものではなく、ワークW、封止樹脂R、及び成形品Wp等を搬送する共通の(一つの)搬送装置(ローダ)を備える構成としてもよい(不図示)。また、搬送装置は、ローダに代えて、ロボットハンド等を備える構成としてもよい。
【0026】
また、圧縮成形装置1は、各ユニットにおける各機構の作動制御を行う制御部90が供給ユニット10Aに配置されている(他のユニットに配置される構成としてもよい)。
【0027】
(供給ユニット)
続いて、圧縮成形装置1が備える供給ユニット10Aについて詳しく説明する。
【0028】
供給ユニット10Aは、複数のワークWが収納されるワーク供給マガジン12を備えている。ここで、ワーク供給マガジン12には、公知のスタックマガジン、スリットマガジン等が用いられる。供給ユニット10Aは、ワーク供給マガジン12から取出されたワークWが載置されるワークステージ等(不図示)を備える構成としてもよい。
【0029】
また、供給ユニット10Aは、封止樹脂Rの供給を行う樹脂供給部14を備えている。ここで、樹脂供給部14には、公知のスタックマガジン、スリットマガジン等が用いられる。供給ユニット10Aは、樹脂供給部14から取出された封止樹脂Rが載置される樹脂ステージ等(不図示)を備える構成としてもよい。尚、樹脂供給部14は、プレスユニット10Bもしくは収納ユニット10Cに配置される構成としてもよい(不図示)。あるいは、他の例として、樹脂供給部14が圧縮成形装置1の装置外に配置され、ベルトコンベアもしくはロボットハンド等の搬送装置を用いて装置内へ搬送される構成としてもよい(不図示)。
【0030】
ワークW及び封止樹脂Rは、第1ローダ22に保持されてプレスユニット10Bへ搬入され、封止金型202の所定位置にセットされる。本実施形態において、ワークWは、下型206のワーク保持部205に保持され、封止樹脂Rは、ワーク保持部205に保持されたワークWの上に載置される(工程の詳細については後述する)。尚、第1ローダ22におけるワークW及び封止樹脂Rの保持機構には、公知の保持機構(例えば、保持爪を有して挟持する構成、吸引装置に連通する吸引孔を有して吸着する構成、等)が用いられる(不図示)。
【0031】
上記搬送装置の変形例として、X及びY方向に移動する第1ローダ22に代えて、X方向に移動してユニット間の搬送を行う搬送装置(ローダ)と、Y方向に移動して封止金型202への搬入及びセットを行う搬送装置(ローダ)とを別個に備える構成としてもよい(不図示)。
【0032】
また、供給ユニット10Aは、ワークWや封止樹脂Rの予備加熱を行う予熱ヒータ(不図示)を備えている。一例として、予熱ヒータには、公知の加熱機構(例えば、電熱線ヒータ、赤外線ヒータ、等)が用いられる。これにより、ワークWや封止樹脂Rが封止金型202内に搬入される前に予備加熱をしておくことができる。尚、予熱ヒータを備えない構成としてもよい。また、予熱ヒータに代えて、もしくは予熱ヒータと共に、第1ローダ22に予備加熱用のヒータ(不図示)を備える構成としてもよい。
【0033】
(プレスユニット)
続いて、圧縮成形装置1が備えるプレスユニット10Bについて詳しく説明する。
【0034】
本実施形態においては、プレスユニット10Bを二台(三台以上もしくは一台としてもよい)備えている。プレスユニット10Bは、開閉される一対の金型(例えば、合金工具鋼からなる複数の金型ブロック、金型プレート、金型ピラー等やその他の部材が組み付けられたもの)を有する封止金型202を備えている。また、プレスユニット10Bは、封止金型202を開閉駆動してワークWを樹脂封止するプレス装置250を備えている。一例として、プレス装置250を一台備える構成としているが、複数台備える構成としてもよい(不図示)。プレスユニット10Bに設けられるプレス装置250の側面図(概略図)を図2に示し、封止金型202の正面断面図(概略図)を図3に示す。
【0035】
ここで、図2に示すように、プレス装置250は、一対のプラテン254、256と、一対のプラテン254、256が架設される複数のタイバー252と、プラテン256を可動(昇降)させる駆動装置等を備えて構成されている。具体的に、当該駆動装置は、駆動源(例えば、電動モータ)260及び駆動伝達機構(例えば、ボールねじやトグルリンク機構)262等を備えて構成されている(但し、これに限定されるものではない)。本実施形態においては、鉛直方向において上方側のプラテン254を固定プラテン(タイバー252に固定されるプラテン)とし、下方側のプラテン256を可動プラテン(タイバー252に摺動可能に保持されて昇降するプラテン)として設定している。但し、これに限定されるものではなく、上下逆に、すなわち上方側を可動プラテン、下方側を固定プラテンに設定してもよく、あるいは、上方側、下方側共に可動プラテンとして設定してもよい(いずれも不図示)。
【0036】
一方、図3に示すように、封止金型202は、プレス装置250における上記一対のプラテン254、256間に配設される一対の金型として、第1金型(上型)204(204A)及び第2金型(下型)206を備えている。上型204(204A)が上方側のプラテン(本実施形態においては、固定プラテン254)に組み付けられ、下型206が下方側のプラテン(本実施形態においては、可動プラテン256)に組み付けられている。この上型204(204A)と下型206とが相互に接近・離反することで型閉じ・型開きが行われる(鉛直方向(上下方向)が型開閉方向となる)。
【0037】
また、本実施形態においては、一例として、ロール状のフィルムFを封止金型202の内部へ搬送(供給)するフィルム供給機構211が設けられている。尚、フィルムFは、ワークWの構成に応じ、ロール状に代えて短冊状のものが用いられる場合がある。
【0038】
次に、封止金型202の下型206について詳しく説明する。図3に示すように、下型206は、第2チェイス240と、これに保持される第2プレート242等を備えている。
【0039】
また、本実施形態においては、ワークWを第2プレート242の上面における所定位置に保持するワーク保持部205が設けられている。このワーク保持部205は、一例として、ワークガイドピン(不図示)、及び第2プレート242を貫通して配設され、吸引装置に連通する吸引路(孔や溝等)を有している(不図示)。具体的には、吸引路の一端が下型206の金型面206aに通じ、他端が下型206外に配設される吸引装置と接続される。これにより、吸引装置を駆動させて吸引路からワークWを吸引し、金型面206a(ここでは、第2プレート242の上面)にワークWを吸着させて保持することが可能となる。上記の吸着保持機構に代えて、もしくは吸着保持機構と共に、ワークWの外周を挟持する保持爪を備える構成としてもよい(不図示)。尚、一つの下型206に設けられるワーク保持部205の形状や個数は、ワークWの形状や個数に応じて適宜設定される(一つもしくは複数個)。
【0040】
また、本実施形態においては、下型206を所定温度に加熱する下型加熱機構(不図示)が設けられている。この下型加熱機構は、ヒータ(例えば、電熱線ヒータ)、温度センサ、電源等を備えており、制御部90によって加熱の制御が行われる。一例として、ヒータは、第2チェイス240に内蔵され、下型206全体及びワーク保持部205に保持されるワークWに熱を加える構成となっている。当該ヒータによって、下型206が所定温度(例えば、100℃~300℃)となるように加熱される。
【0041】
次に、封止金型202の上型204(204A)について詳しく説明する。図3に示すように、上型204(204A)は、第1チェイス210と、これに保持されるキャビティ駒226、クランパ228等を備えている。第1チェイス210は、サポートピラー212を介してサポートプレート214の下面に対して固定されている。上型204(204A)の下面(下型206側の面)にキャビティ208が設けられている。
【0042】
クランパ228は、キャビティ駒226を囲うように環状に構成されると共に、押動ピン222及びクランパバネ(例えば、コイルバネに例示される付勢部材)224を介して、サポートプレート214の下面に対して離間(フローティング)して上下動可能に組み付けられる(但し、この組み付け構造に限定されるものではない)。このキャビティ駒226がキャビティ208の奥部(底部)を構成し、クランパ228がキャビティ208の側部を構成する。尚、一つの上型204(204A)に設けられるキャビティ208の形状や個数は、ワークWの形状や個数に応じて適宜設定される(一つもしくは複数個)。
【0043】
ここで、キャビティ駒226(キャビティ208の内側)には、ワーク保持部205に保持された封止樹脂R(R1)の貫通孔Rhに対応する位置に可動駒236が設けられている。可動駒236は、押動ピン232を介して可動駒バネ234によって下型206に向けて付勢された状態で支持されており、型開閉方向に移動可能に構成されている。また、可動駒236は、一例として、平面視において、電子部品Wbの外形よりも所定寸法大きい外径となるように設定されている。すなわち、可動駒236は、型閉じ時において、封止樹脂R(R1)の貫通孔Rhに進入して電子部品Wbの上面Wbfの全面と当接する構成である。これにより、電子部品Wbの上面Wbfが露出した成形品Wpを形成することができる。
【0044】
また、クランパ228下面やクランパ228とキャビティ駒226との境界部等に、吸引装置に連通する吸引路(孔や溝等)が設けられている(不図示)。これにより、フィルム供給機構211から供給されたフィルムFを、キャビティ208の内面を含む金型面204aに吸着させて保持することができる。また、型閉じをして樹脂封止を行う際にキャビティ208内の脱気を行うことができる。
【0045】
また、本実施形態においては、上型204(204A)を所定温度に加熱する上型加熱機構(不図示)が設けられている。この上型加熱機構は、ヒータ(例えば、電熱線ヒータ)、温度センサ、電源等を備えており、制御部90によって加熱の制御が行われる。一例として、ヒータは、第1チェイス210に内蔵され、上型204(204A)全体及びキャビティ208内に収容される封止樹脂Rに熱を加える構成となっている。当該ヒータによって、上型204(204A)が所定温度(例えば、100℃~300℃)となるように加熱される。
【0046】
(収納ユニット)
続いて、圧縮成形装置1が備える収納ユニット10Cについて詳しく説明する。
【0047】
成形品Wpは、第2ローダ24に保持されて封止金型202から搬出され、収納ユニット10Cへ搬送される。尚、第2ローダ24における成形品Wpの保持機構には、公知の保持機構(例えば、保持爪を有して挟持する構成、吸引装置に連通する吸引孔を有して吸着する構成、等)が用いられる(不図示)。
【0048】
上記搬送装置の変形例として、X及びY方向に移動する第2ローダ24に代えて、X方向に移動してユニット間の搬送を行う搬送装置(ローダ)と、Y方向に移動して封止金型202からの搬出を行う搬送装置(ローダ)とを別個に備える構成としてもよい(不図示)。
【0049】
収納ユニット10Cは、複数の成形品Wpが収納される収納マガジン18を備えている。ここで、収納マガジン18には、公知のスタックマガジン、スリットマガジン等が用いられる。収納ユニット10Cは、プレスユニット10Bから搬送された成形品Wpが載置される成形品ステージ等(不図示)を備える構成としてもよい。
【0050】
(圧縮成形方法)
続いて、上記圧縮成形装置1を用いて実施される本実施形態に係る圧縮成形方法の工程について説明する。ここで、図4図9は、各工程の説明図であって、図3と同方向の正面断面図として図示する。
【0051】
先ず、準備工程として、上型加熱機構により上型204(204A)を所定温度(例えば、100℃~300℃)に調整して加熱する加熱工程(上型加熱工程)を実施する。また、下型加熱機構により下型206を所定温度(例えば、100℃~300℃)に調整して加熱する加熱工程(下型加熱工程)を実施する。また、フィルム供給機構211を作動させて新しいフィルムFを供給して、上型204(204A)におけるキャビティ208の内面を含む金型面204aの所定領域を覆うように吸着させるフィルム供給工程を実施する。
【0052】
準備工程の後に、下型206のワーク保持部205にワークWを保持させるワーク保持工程を実施する(図4参照)。具体的には、ワーク供給マガジン12から供給されたワークWを、第1ローダ22によって保持して封止金型202内へ搬入し、第2プレート242(金型面206a)のワーク保持部205に保持させる。
【0053】
ワーク保持工程の後に、ワーク保持部205に保持させたワークWの上に封止樹脂R(R1)を載置する樹脂載置工程を実施する(図5参照)。具体的には、樹脂供給部14から供給された封止樹脂R(R1)を、第1ローダ22(他の搬送装置でもよい)によって保持して封止金型202内へ搬入し、ワーク保持部205に保持されたワークWの上に載置する。電子部品Wbの上面Wbfが露出する成形品Wpを形成する場合、電子部品Wbが封止樹脂R(R1)の貫通孔Rhに収容されるように、ワークW及び封止樹脂Rを相互に位置合わせをして載置する。
【0054】
または、樹脂載置工程の他の例として、上記のワーク保持工程の前に、封止樹脂R(R1)をワークWの上に載置する工程として実施してもよい。その場合、ワーク保持工程は、封止樹脂R(R1)が載置された状態のワークWをワーク保持部205に保持させる工程となる。すなわち、第1ローダ22は、封止樹脂R(R1)が載置された状態のワークWを保持して封止金型202内へ搬入し、ワーク保持部205に保持させる。この場合、封止金型202へのワークWと封止樹脂R(R1)との搬入をそれぞれ別に行うのではなく、一回で行う利点がある。
【0055】
樹脂載置工程の後に、ワークWを封止樹脂R(R1)により封止して成形品Wpに加工する型閉じ工程を実施する。具体的には、封止金型202の型閉じを行い、クランパ228に囲われたキャビティ208内でキャビティ駒226を相対的に下降させて、ワークWに対して封止樹脂R(R1)を加熱加圧する。
【0056】
さらに具体的には、上型204(204A)と下型206とを相互に接近させる動作を行う。このとき、可動駒236が封止樹脂R(R1)の貫通孔Rhに進入してワークWの電子部品Wbの上面Wbfと当接して、当該上面Wbfの全面を覆った状態となる(図6参照)。次いで、クランパ228がフィルムFを介してワークWの基材Waと当接して、当該ワークWを挟持した状態となる(図7参照)。これらは逆の順、もしくは、同時となるように設定してもよい。次いで、キャビティ駒226の下面(可動駒236が設けられていない領域)がワークWの基材Wa上に載置された封止樹脂R(R1)と当接し、さらに加圧する。これにより、封止樹脂R(R1)が熱硬化して樹脂封止(圧縮成形)が完了する(図8参照)。
【0057】
上記の型閉じ工程に続く後の工程として、封止金型202の型開きを行い、成形品Wpと使用済みのフィルムFとを分離して当該成形品Wpを取出せるようにする型開き工程を実施する(図9参照)。本実施形態においては、上記の通り可動駒236がワークWの電子部品Wbの上面Wbf(全面)を覆った状態で樹脂封止が行われるため、電子部品Wbの上面Wbfに薄バリが形成されることが防止され、当該上面Wbf(全面)が確実に露出した状態の成形品Wpが形成される。尚、変形例として、電子部品Wbの上面Wbfの全面ではなく、一部領域を露出部位として設定することも可能である(不図示)。また、基材Waの一部領域を露出部位として設定し、樹脂封止後に当該露出部位に電子部品Wbを搭載することも可能である(不図示)。
【0058】
型開き工程の後に、第2ローダ24によって、成形品Wpを封止金型202内から搬出し、収納ユニット10Cへ搬送する成形品搬出工程を実施する。一例として、搬送した成形品Wpは、収納マガジン18に収納する。また、成形品搬出工程の後に、もしくは、並行して、フィルム供給機構211を作動させて、使用済みのフィルムFを封止金型202内から送り出し、新しいフィルムFを封止金型202内へ送り込んでセットする工程を実施する。
【0059】
以上が封止金型202を備える場合の圧縮成形装置1を用いて行う圧縮成形方法の主要工程である。但し、上記の工程順は一例であって、支障がない限り先後順の変更や並行実施が可能である。
【0060】
他の例として、異なる構成を有する封止樹脂R(以下、「R2」と表記して区別する場合がある)を用いてワークWの圧縮成形を行うこともできる。具体的に、封止樹脂R(R2)は、貫通孔Rhを有する格子状であって一面側に放熱板Hが固着されて当該貫通孔Rh(全部もしくは一部)が塞がれた構成である(図31参照)。放熱板Hは、一例として、金属材料(例えば、銅合金、アルミニウム合金等)を用いて厚さ寸法が0.1mm~数mm程度に形成された板状部材であるが、これに限定されるものではない。封止樹脂R(R2)を用いて樹脂封止(圧縮成形)を行うことによって、放熱板Hが上面に露出する構成の成形品Wp(図32参照)を容易に形成することができる(形成方法の詳細については後述する)。
【0061】
上記の封止樹脂R(R2)を用いて放熱板Hが露出する成形品Wpを形成する場合、上型204として、前述の可動駒236を有する上型204A(図3参照)に代えて、可動駒を有さない一般的な構成の上型204B(図10参照)を用いればよい。この場合に実施される圧縮成形方法の工程について図11図14を参照して説明する。
【0062】
先ず、準備工程として、上型加熱工程と、下型加熱工程と、フィルム供給工程と、を実施する。
【0063】
準備工程の後に、下型206のワーク保持部205にワークWを保持させるワーク保持工程を実施する。
【0064】
ワーク保持工程の後に、ワーク保持部205に保持させたワークWの上に封止樹脂R(R2)を載置する樹脂載置工程を実施する。または、樹脂載置工程の他の例として、上記のワーク保持工程の前に、封止樹脂R(R2)をワークWの上に載置する工程として実施してもよい。封止樹脂R2を用いることで、封止樹脂Rと放熱板Hとを別々に封止金型202へ搬入する必要がないため(すなわち、一つの部材として一工程で搬入できるため)、工程の簡素化及び時間短縮を図ることができる。
【0065】
樹脂載置工程の後に、ワークWを封止樹脂R(R2)により封止して成形品Wpに加工する型閉じ工程を実施する。具体的に、上型204(204B)と下型206とを相互に接近させる動作を行う。このとき、クランパ228がフィルムFを介してワークWの基材Waと当接して、当該ワークWを挟持した状態となる(図11参照)。次いで、キャビティ駒226の下面がワークWの基材Wa上に載置された封止樹脂R(R2)の放熱板Hの上面と当接して当該放熱板Hの全面を覆った状態となる(図12参照)。これらは、同時となるように設定してもよい。次いで、キャビティ駒226と当接している放熱板Hの下面が、ワークWの基材Wa上に載置された封止樹脂R(R2)を加圧する。これにより、封止樹脂R(R2)が熱硬化して樹脂封止(圧縮成形)が完了する(図13参照)。尚、本例は図31形状の放熱板H付き封止樹脂R2を使用しているが、必ずしも放熱板H付きでなくともよい。その場合は、ワーク保持工程を実施し、次いで図29形状の放熱板無し封止樹脂R1をワークWの上に載置する樹脂載置工程を実施し、次いで封止樹脂R1の上に放熱板Hを載置する放熱板載置工程を実施し、次いで型閉じ工程を実施することで同じ成形ができる。
【0066】
上記の型閉じ工程に続く後の工程として、封止金型202の型開きを行い、成形品Wpと使用済みのフィルムFとを分離して当該成形品Wpを取出せるようにする型開き工程を実施する(図14参照)。上記の通りキャビティ駒226が封止樹脂R(R2)の放熱板Hの上面(全面)を覆った状態で樹脂封止が行われるため、放熱板Hの上面に薄バリが形成されることが防止され、当該上面(全面)が確実に露出した状態の成形品Wp(図32参照)が形成される。
【0067】
ここで、ワークWに搭載された電子部品Wbにおける放熱板Hとの対向面と、当該ワークに載置される封止樹脂R(R2)の放熱板Hにおける電子部品Wbとの対向面と、の間に弾性熱伝導樹脂シートSを配置してもよい。これにより、電子部品Wbと放熱板Hとの隙間を埋めて、電子部品Wbの上面が樹脂封止されることを防止できる。また、放熱板Hを介して封止樹脂R(R2)を押し下げて加圧することができ、且つ、型閉じ時のクランプ力を吸収して電子部品Wbが破損してしまうことを防止できる。尚、弾性熱伝導樹脂シートSは、予めワークW(電子部品Wb)に設けられて(一例として、貼付されて)いてもよく、装置内(一例として、供給ユニット10A)に弾性熱伝導樹脂シート供給部を設けて樹脂封止前のワークW(電子部品Wb)上に供給してもよい(不図示)。
【0068】
型開き工程の後に、第2ローダ24によって、成形品Wpを封止金型202内から搬出し、収納ユニット10Cへ搬送する成形品搬出工程を実施する。また、成形品搬出工程の後に、もしくは、並行して、フィルム供給機構211を作動させて、使用済みのフィルムFを封止金型202内から送り出し、新しいフィルムFを封止金型202内へ送り込んでセットする工程を実施する。
【0069】
[第二の実施形態]
続いて、本発明の第二の実施形態について説明する。本実施形態に係る圧縮成形装置1及び圧縮成形方法は、前述の第一の実施形態と基本的な構成は同様であるが、プレスユニット10Bの構成(特に、プレス装置及び封止金型の構成)、並びに、当該プレスユニット10Bを中心に実施される工程において相違点を有する。以下、当該相違点を中心に本実施形態について説明する。
【0070】
本実施形態に係るプレスユニット10Bは、プレスユニット10Bは、開閉される一対の金型(例えば、合金工具鋼からなる複数の金型ブロック、金型プレート、金型ピラー等やその他の部材が組み付けられたもの)を有する封止金型302を備えている。また、プレスユニット10Bは、封止金型302を開閉駆動してワークWを樹脂封止するプレス装置350を備えている。一例として、プレス装置350を一台備える構成としているが、複数台備える構成としてもよい(不図示)。プレスユニット10Bに設けられるプレス装置350の側面図(概略図)を図15に示し、封止金型302の正面断面図(概略図)を図16に示す。
【0071】
ここで、図16に示すように、プレス装置350は、一対のプラテン354、356と、一対のプラテン354、356が架設される複数のタイバー352と、プラテン356を可動(昇降)させる駆動装置等を備えて構成されている。具体的に、当該駆動装置は、駆動源(例えば、電動モータ)360及び駆動伝達機構(例えば、ボールねじやトグルリンク機構)362等を備えて構成されている(但し、これに限定されるものではない)。本実施形態においては、鉛直方向において上方側のプラテン354を固定プラテン(タイバー352に固定されるプラテン)とし、下方側のプラテン356を可動プラテン(タイバー352に摺動可能に保持されて昇降するプラテン)として設定している。但し、これに限定されるものではなく、上下逆に、すなわち上方側を可動プラテン、下方側を固定プラテンに設定してもよく、あるいは、上方側、下方側共に可動プラテンとして設定してもよい(いずれも不図示)。
【0072】
一方、図16に示すように、封止金型302は、プレス装置350における上記一対のプラテン354、356間に配設される一対の金型として、第1金型(下型)306及び第2金型(上型)304を備えている。上型304が上方側のプラテン(本実施形態においては、固定プラテン354)に組み付けられ、下型306が下方側のプラテン(本実施形態においては、可動プラテン356)に組み付けられている。この上型304と下型306とが相互に接近・離反することで型閉じ・型開きが行われる(鉛直方向(上下方向)が型開閉方向となる)。
【0073】
また、本実施形態においては、一例として、ロール状のフィルムFを封止金型302の内部へ搬送(供給)するフィルム供給機構313が設けられている。尚、フィルムFは、ワークWの構成に応じ、ロール状に代えて短冊状のものが用いられる場合がある。
【0074】
次に、封止金型302の上型304について詳しく説明する。図16に示すように、上型304は、第2チェイス340と、これに保持される第2プレート342等を備えている。
【0075】
また、本実施形態においては、ワークWを第2プレート342の下面における所定位置に保持するワーク保持部305が設けられている。このワーク保持部305は、一例として、ワークガイドピン(不図示)、及び第2プレート342を貫通して配設され、吸引装置に連通する吸引路(孔や溝等)を有している(不図示)。具体的には、吸引路の一端が上型304の金型面304aに通じ、他端が上型304外に配設される吸引装置と接続される。これにより、吸引装置を駆動させて吸引路からワークWを吸引し、金型面304a(ここでは、第2プレート342の下面)にワークWを吸着させて保持することが可能となる。上記の吸着保持機構に代えて、もしくは吸着保持機構と共に、ワークWの外周を挟持する保持爪を備える構成としてもよい(不図示)。尚、一つの上型304に設けられるワーク保持部305の形状や個数は、ワークWの形状や個数に応じて適宜設定される(一つもしくは複数個)。
【0076】
また、本実施形態においては、上型304を所定温度に加熱する上型加熱機構(不図示)が設けられている。この上型加熱機構は、ヒータ(例えば、電熱線ヒータ)、温度センサ、電源等を備えており、制御部90によって加熱の制御が行われる。一例として、ヒータは、第2チェイス340に内蔵され、上型304全体及びワーク保持部305に保持されるワークWに熱を加える構成となっている。当該ヒータによって、上型304が所定温度(例えば、100℃~300℃)となるように加熱される。
【0077】
次に、封止金型302の下型306(306A)について詳しく説明する。図16に示すように、下型306(306A)は、第1チェイス310と、これに保持されるキャビティ駒326、クランパ328等を備えている。第1チェイス310は、サポートピラー312を介してサポートプレート314の下面に対して固定されている。下型306(306A)の上面(上型304側の面)にキャビティ308が設けられている。
【0078】
クランパ328は、キャビティ駒326を囲うように環状に構成されると共に、押動ピン322及びクランパバネ(例えば、コイルバネに例示される付勢部材)324を介して、サポートプレート314の下面に対して離間(フローティング)して上下動可能に組み付けられる(但し、この組み付け構造に限定されるものではない)。このキャビティ駒326がキャビティ308の奥部(底部)を構成し、クランパ328がキャビティ308の側部を構成する。尚、一つの下型306(306A)に設けられるキャビティ308の形状や個数は、ワークWの形状や個数に応じて適宜設定される(一つもしくは複数個)。
【0079】
ここで、キャビティ駒326(キャビティ308の内側)には、ワーク保持部305に保持された封止樹脂R(R1)の貫通孔Rhに対応する位置に可動駒336が設けられている。可動駒336は、押動ピン332を介して可動駒バネ334によって上型304に向けて付勢された状態で支持されており、型開閉方向に移動可能に構成されている。また、可動駒336は、一例として、平面視において、電子部品Wbの外形よりも所定寸法大きい外径となるように設定されている。すなわち、可動駒336は、型閉じ時において、封止樹脂R(R1)の貫通孔Rhに進入して電子部品Wbの上面Wbfの全面と当接する構成である。これにより、電子部品Wbの上面Wbfが露出した成形品Wpを形成することができる。
【0080】
また、クランパ328上面やクランパ328とキャビティ駒326との境界部等に、吸引装置に連通する吸引路(孔や溝等)が設けられている(不図示)。これにより、フィルム供給機構313から供給されたフィルムFを、キャビティ308の内面を含む金型面306aに吸着させて保持することができる。また、型閉じをして樹脂封止を行う際にキャビティ308内の脱気を行うことができる。
【0081】
また、本実施形態においては、下型306(306A)を所定温度に加熱する下型加熱機構(不図示)が設けられている。この下型加熱機構は、ヒータ(例えば、電熱線ヒータ)、温度センサ、電源等を備えており、制御部90によって加熱の制御が行われる。一例として、ヒータは、第1チェイス310に内蔵され、下型306(306A)全体及びキャビティ308内に収容される封止樹脂Rに熱を加える構成となっている。当該ヒータによって、下型306(306A)が所定温度(例えば、100℃~300℃)となるように加熱される。
【0082】
続いて、上記圧縮成形装置1を用いて実施される本実施形態に係る圧縮成形方法の工程について説明する。ここで、図17図22は、各工程の説明図であって、図16と同方向の正面断面図として図示する。
【0083】
先ず、準備工程として、上型加熱機構により上型304を所定温度(例えば、100℃~300℃)に調整して加熱する加熱工程(上型加熱工程)を実施する。また、下型加熱機構により下型306(306A)を所定温度(例えば、100℃~300℃)に調整して加熱する加熱工程(下型加熱工程)を実施する。また、フィルム供給機構313を作動させて新しいフィルムFを供給して、下型306(306A)におけるキャビティ308の内面を含む金型面306aの所定領域を覆うように吸着させるフィルム供給工程を実施する。
【0084】
準備工程の後に、上型304のワーク保持部305にワークWを保持させるワーク保持工程を実施する(図17参照)。具体的には、ワーク供給マガジン12から供給されたワークWを、第1ローダ22によって保持して封止金型302内へ搬入し、第2プレート342(金型面304a)のワーク保持部305に保持させる。
【0085】
ワーク保持工程の後に、もしくは並行して、下型306(306A)のキャビティ308内に封止樹脂R(R1)を載置(収容)する樹脂載置工程を実施する(図18参照)。具体的には、樹脂供給部14から供給された封止樹脂R(R1)を、第1ローダ22(他の搬送装置でもよい)によって保持して封止金型302内へ搬入し、下型306(306A)のキャビティ308内に収容(具体的には、キャビティ駒326の上面に載置)する。電子部品Wbの上面Wbfが露出する成形品Wpを形成する場合、電子部品Wbが封止樹脂R(R1)の貫通孔Rhに収容されるように、ワークW及び封止樹脂R(R1)を相互に位置合わせをして載置する。
【0086】
樹脂載置工程の後に、ワークWを封止樹脂R(R1)により封止して成形品Wpに加工する型閉じ工程を実施する。具体的には、封止金型302の型閉じを行い、クランパ328に囲われたキャビティ308内でキャビティ駒326を相対的に下降させて、ワークWに対して封止樹脂Rを加熱加圧する。
【0087】
さらに具体的には、上型304と下型306(306A)とを相互に接近させる動作を行う。このとき、可動駒336が封止樹脂R(R1)の貫通孔Rhに進入してワークWの電子部品Wbの上面Wbf(下向きの状態)と当接して、当該上面Wbfの全面を覆った状態となる(図19参照)。次いで、クランパ328がフィルムFを介してワークWの基材Waと当接して、当該ワークWを挟持した状態となる(図20参照)。これらは逆の順、もしくは、同時となるように設定してもよい。次いで、キャビティ駒326の上面(可動駒336が設けられていない領域)と、ワークWの基材Waとで、封止樹脂R(R1)を加圧する。これにより、封止樹脂R(R1)が熱硬化して樹脂封止(圧縮成形)が完了する(図21参照)。
【0088】
上記の型閉じ工程に続く後の工程として、封止金型302の型開きを行い、成形品Wpと使用済みのフィルムFとを分離して当該成形品Wpを取出せるようにする型開き工程を実施する(図22参照)。本実施形態においては、上記の通り可動駒336がワークWの電子部品Wbの上面Wbf(全面)を覆った状態で樹脂封止が行われるため、電子部品Wbの上面Wbfに薄バリが形成されることが防止され、当該上面Wbf(全面)が確実に露出した状態の成形品Wpが形成される。尚、変形例として、電子部品Wbの上面Wbfの全面ではなく、一部領域を露出部位として設定することも可能である(不図示)。また、基材Waの一部領域を露出部位として設定し、樹脂封止後に当該露出部位に電子部品Wbを搭載することも可能である(不図示)。
【0089】
型開き工程の後に、第2ローダ24によって、成形品Wpを封止金型302内から搬出し、収納ユニット10Cへ搬送する成形品搬出工程を実施する。一例として、搬送した成形品Wpは、収納マガジン18に収納する。また、成形品搬出工程の後に、もしくは、並行して、フィルム供給機構313を作動させて、使用済みのフィルムFを封止金型302内から送り出し、新しいフィルムFを封止金型302内へ送り込んでセットする工程を実施する。
【0090】
以上が封止金型302を備える場合の圧縮成形装置1を用いて行う圧縮成形方法の主要工程である。但し、上記の工程順は一例であって、支障がない限り先後順の変更や並行実施が可能である。
【0091】
他の例として、異なる構成を有する封止樹脂R(R2)を用いてワークWの圧縮成形を行うこともできる。封止樹脂R(R2)を用いて放熱板Hが露出する成形品Wpを形成する場合、下型306として、前述の可動駒336を有する下型306A(図16参照)に代えて、可動駒を有さない一般的な構成の下型306B(図23参照)を用いればよい。この場合に実施される圧縮成形方法の工程について図24図27を参照して説明する。
【0092】
先ず、準備工程として、上型加熱工程と、下型加熱工程と、フィルム供給工程と、を実施する。
【0093】
準備工程の後に、上型304のワーク保持部305にワークWを保持させるワーク保持工程を実施する。
【0094】
ワーク保持工程の後に、もしくは並行して、下型306(306B)のキャビティ308内に封止樹脂R(R2)を載置(収容)する樹脂載置工程を実施する。封止樹脂R2を用いることで、封止樹脂Rと放熱板Hとを別々に封止金型302へ搬入する必要がないため(すなわち、一つの部材として一工程で搬入できるため)、工程の簡素化及び時間短縮を図ることができる。
【0095】
樹脂載置工程の後に、ワークWを封止樹脂R(R2)により封止して成形品Wpに加工する型閉じ工程を実施する。具体的に、上型304と下型306(306B)とを相互に接近させる動作を行う。このとき、クランパ328がフィルムFを介してワークWの基材Waと当接して、当該ワークWを挟持した状態となる(図24参照)。次いで、ワークWの基材Waが封止樹脂R(R2)の上面(放熱板Hが固着されていない面)と当接した状態となる(図25参照)。これらは、同時となるように設定してもよい。次いで、キャビティ駒326と当接している放熱板HとワークWの基材Waとで封止樹脂R(R2)を加圧する。これにより、封止樹脂R(R2)が熱硬化して樹脂封止(圧縮成形)が完了する(図26参照)。尚、本例は図31形状の放熱板H付き封止樹脂R2を使用しているが、必ずしも放熱板H付きでなくともよい。その場合は、ワーク保持工程を実施し、次いで図23のキャビティ308内に放熱板Hを単に載置する放熱板載置工程を実施し、次いで図29形状の放熱板無し封止樹脂R1を放熱板Hの上に載置する樹脂載置工程を実施し、次いで型閉じ工程を実施することで同じ成形ができる。但し、ワーク保持工程と放熱板載置工程とは逆の順、もしくは、同時に実施してもよい。
【0096】
上記の型閉じ工程に続く後の工程として、封止金型302の型開きを行い、成形品Wpと使用済みのフィルムFとを分離して当該成形品Wpを取出せるようにする型開き工程を実施する(図27参照)。上記の通りキャビティ駒326が封止樹脂R(R2)の放熱板Hの上面(全面)を覆った状態で樹脂封止が行われるため、放熱板Hの上面に薄バリが形成されることが防止され、当該上面(全面)が確実に露出した状態の成形品Wp(図32参照)が形成される。
【0097】
ここで、ワークWに搭載された電子部品Wbにおける放熱板Hとの対向面と、当該ワークに載置される封止樹脂R(R2)の放熱板Hにおける電子部品Wbとの対向面と、の間に弾性熱伝導樹脂シートSを配置してもよい。これにより、電子部品Wbと放熱板Hとの隙間を埋めて、電子部品Wbの上面が樹脂封止されることを防止できる。また、放熱板Hを介して封止樹脂R(R2)を押し下げて加圧することができ、且つ、型閉じ時のクランプ力を吸収して電子部品Wbが破損してしまうことを防止できる。
【0098】
型開き工程の後に、第2ローダ24によって、成形品Wpを封止金型302内から搬出し、収納ユニット10Cへ搬送する成形品搬出工程を実施する。また、成形品搬出工程の後に、もしくは、並行して、フィルム供給機構313を作動させて、使用済みのフィルムFを封止金型302内から送り出し、新しいフィルムFを封止金型302内へ送り込んでセットする工程を実施する。
【0099】
以上、説明した通り、本発明に係る形成装置及び形成方法によれば、撒きムラ、残留気体、成形時の粉塵発生に起因する成形不良の発生を防止することが可能で、且つ、成形品の露出部位における封止樹脂の薄バリ形成を防止することができる。また、樹脂封止前のハンドリングを容易化することができる。さらに、放熱板が固着された格子状の固形封止樹脂を用いれば、放熱板が上面に露出する構成の成形品を容易に形成することができ、且つ、圧縮成形工程の簡素化及び時間短縮を図ることができる。
【0100】
尚、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0101】
1 圧縮成形装置
202、302 封止金型
236、336 可動駒
H 放熱板
R 封止樹脂
Rh 貫通孔
W ワーク
Wa 基材
Wb 電子部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32