(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005104
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】片足歩行支援具
(51)【国際特許分類】
A61H 3/04 20060101AFI20250108BHJP
【FI】
A61H3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105126
(22)【出願日】2023-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】519284816
【氏名又は名称】森岡 昭
(72)【発明者】
【氏名】森岡 昭
【テーマコード(参考)】
4C046
【Fターム(参考)】
4C046AA24
4C046BB08
4C046CC04
4C046DD08
4C046DD27
4C046DD33
4C046DD35
(57)【要約】
【課題】片足下肢の骨折や負傷、あるいは麻痺などにより、歩行が困難になった障害者が、室内と屋外両用で、安全な歩行を可能にし、移動に伴う体力の消耗を最小限に押さえ、登り傾斜・下り傾斜の歩行も苦にしない、松葉杖とも車椅子とも異なる、新らしい片足歩行支援具を提供する.
【解決手段】前方両脇に2個、後方両脇に2個のホイールを付けた4輪のボードであって、前方のホイールの一方にハンドブレーキを備えたハンドルと、ボード上には、利用者の体重をあずけるためのサドルを取り付け、さらに、障害のある足を支えるための足置き台を備えた、片足歩行支援具を提供する。利用者がこの片足歩行支援具のサドルにまたがって体重をあずけ、障害のある足を足置き台に置き、両手でハンドルを握りながら、健常な足で地面・床を蹴って、本発明品を前あるいは後に進めることにより、スムーズな片足歩行が可能となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方両脇に2個、後方両脇に2個のホイールを付けた4輪のボードであって、前方のホイールの一方にハンドブレーキを備えたハンドルと、ボード上には、利用者の体重をあずけるためのサドルを取り付け、さらに、障害のある足を支えるための足置き台を備えた、片足歩行支援具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、片足下肢が、骨折や負傷、あるいは麻痺などにより、歩行が困難になった障害者の、片足歩行を可能にする、片足歩行支援具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
片足下肢の骨折や負傷、あるいは麻痺などにより、歩行が困難になった障害者は、古くから、松葉杖を使用して不自由で不安定な片足歩行をするか、占有する床面積が大きくなってしまう車椅子に座って移動してきた。
本発明は、走査位置の観測確認が容易なハンドスキャナに関するものである。
【0003】
近年になって、松葉杖による歩行の不自由さを補う工夫がされてきている。文献1は、片方の松葉杖に台座状の本体を取り付け、そこに障害のある方の膝を乗せて障害者の体重をあずけることにより、片足歩行による疲労を和らげる、という片足歩行支援具を提供するものである。この歩行支援具は松葉杖使用が前提であり、松葉杖の持つ、体重の移動時に両脇に負担がかること、スムーズで安全な歩行や長距離の移動が困難であること、という短所は解決されていない。また、登り傾斜、下り傾斜の歩行はきわめて不得意である。
【0004】
文献2は、障害のある側の足の膝を車輪の付いた台座に乗せて固定して歩行することにより、松葉杖を必要としない片足歩行支援具を提供するものである。しかしこの支援具の利用は、膝から下の障害に限られること、また歩行時にバランスを崩した際の危険性、さらに、登り傾斜、下り傾斜の歩行の困難などの、問題を抱える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開 2011-212445
【特許文献2】特開 2004-229677
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、片足下肢の骨折や負傷、あるいは麻痺などにより、歩行が困難になった障害者が、室内と屋外両用で、安全な歩行を可能にし、移動に伴う体力の消耗を最小限に押さえ、登り傾斜・下り傾斜の歩行も苦にしない、松葉杖とも車椅子とも異なる、新らしい片足歩行支援具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前方両脇に2個、後方両脇に2個のホイールを付けた4輪のボードであって、前方のホイールの一方にハンドブレーキを備えたハンドルと、ボード上には、利用者の体重をあずけるためのサドルを取り付け、さらに、障害のある足を支えるための足置き台を備えた、片足歩行支援具を提供する。利用者がこの片足歩行支援具のサドルにまたがって体重をあずけ、障害のある足を足置き台に置き、両手でハンドルを握りながら、健常な足で地面・床を蹴って、本発明品を前あるいは後に進めることにより、スムーズな片足歩行が可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、松葉杖や車椅子を使用することなく、室内と屋外両用で、安全な歩行を可能にし、移動に伴う体力の消耗を最小限に押さえ、登り傾斜・下り傾斜の歩行も苦にしない、新らしい片足歩行支援具を提供する事ができた。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】右足不自由者用の片足歩行支援具を進行方向左側から見た斜視図。
【
図2】右足不自由者用の片足歩行支援具を進行方向右側から見た斜視図。
【
図5】右足不自由者用の片足歩行支援具の利用形態。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の片足歩行支援具の一実施例について説明する。
【0011】
実施例は、従来技術であるハンドルとハンドブレーキを備えた2輪のキックスケーターのデッキに、片翼が広いボードを取り付け、そのボードに、2個の補助輪と、利用者の体重をあずけるためのサドルを取り付け、さらに、障害のある足を支えるための足置き台を備えたものである。利用者がこの片足歩行支援具のサドルにまたがって体重をあずけ、障害のある足を足置き台に置き、両手でハンドルを握りながら、健常な足で地面・床を蹴って、本発明品を前あるいは後に進めることにより、スムーズな片足歩行が可能となる、片足歩行支援具が提供される。
【0012】
以下、右足不自由者用の実施例について説明する。
【0013】
図1は、右足不自由者用に作られた片足歩行支援具の一実施例であり、進行方向左側から見た斜視図である。
【0014】
図2は、上記実施例の片足歩行支援具を、進行方向右側から見た斜視図である。
【0015】
図1及び
図2に示すように、従来技術である、ハンドル(21)とハンドブレーキ(22)を備えた、前輪(27)と後輪(28)からなる2輪のキックスケーター(20)のデッキ(29)に、ボード(11)を取り付ける。2輪のキックスケーター(20)のハンドル(21)はメインフレームバー(25)を介してキックスケーター(20)の前輪(27)に直結するとともに、フレーム(26)によってデッキ(29)と結合されている。ハンドブレーキ(22)は、ブレーキワイヤー(23)を介して制動ブレーキ部(24)につながる。
【0016】
前記ボード(11)は略長方形であり、縦方向(進行方向)の長さは、デッキ(29)の長さ程度とする。ボード(11)の幅は、デッキ(29)の幅の3倍程度以上とする。
【0017】
ボード(11)をデッキ(29)に固定するにあたっては、ボード(11)の進行方向左縁が、2輪のキックスケーター(20)のデッキ(29)の左側縁と一致するように取り付けられる。
【0018】
ボード(11)の進行方向右側縁には、
図2に示すように、前後に補助輪として2個のキャスター(12)が取り付けられる。これにより片足歩行支援具は4輪で支えられ、左右に倒れることのない、安定した歩行が保証される。
【0019】
補助輪の2個のキャスター(12)の径は、キャスター(12)がボード(11)に取り付けられることにより、ボード(11)が進行方向に対して左側に角度約5度ほど傾くように、選ばれる。これにより、キックスケーター(20)が利用者の障害のある足の側に転倒することを防ぐ。
【0020】
ボード(11)には、2輪のキックスケーター(20)の前輪と後輪を結ぶ線上に、シートチューブ(13)を固定する。
【0021】
シートチューブ(13)の中に、
図3に示すサドル(15)が取り付けられたシートポスト(14)を差し込み、サドル(15)を支える。
【0022】
ボード(11)上の前方右側には、障害のある側の足を支えるための、
図4に示す足置き台(16)を取り付ける。
【0023】
足置き台(16)は、2個のトルクヒンジ(17)が取り付けられた支え板(18)を介してボード(11)に固定される。
図4に示すように、足置き台(16)の高さと傾きは、トルクヒンジ(17)のトルクをゆるめて、調整できる構造となっている。
図4のa、b、c、dの4コマは、足置き台の高さと傾きの例を示す。利用者に好ましい足置き台の高さと角度置が決まったら、トルクを固く締めて、足置き大の角度を固定する。
【0024】
ここまでの記述は、右足不自由者用の片足歩行支援具(10)についての記述である。左足不自由者用の片足歩行支援具については、上記段落0017、0018、0019、および0022の記述において、「右」の文字をすべて「左」、「左」の文字をすべて「右」と置き換えることにより、左足不自由者用の片足歩行支援具を実施することができる。
【0025】
図5に、右足不自由者用の片足歩行支援具の利用形態を示す。aは進行方向左側から、bは進行方向右側からの図である。利用者は、サドル(15)にまたがって体重をあずけ、障害のある足を足置き台(16)に置き、両手でハンドル(21)を握りながら、健常な足で地面・床を蹴って、片足歩行支援具を前あるいは後に進めることにより、スムーズな片足歩行が可能になる。移動に伴う体力の消耗は、松葉杖歩行に比べてきわめて少ない。
【0026】
登り傾斜では、地面・床を蹴って、片足歩行支援具(10)を前に進めた後、ハンドブレーキ(22)をかけ、片足歩行支援具(10)を止めた状態で、健常な足を身体の側面に持っていき、ハンドブレーキ(22)を解除して、ふたたび地面・床を蹴る、という動作の繰り返しで、登り傾斜の登高が可能になる。
【0027】
下り傾斜では、ハンドブレーキ(22)をかけつつ、片足歩行支援具(10)を下方に転がすことにより、安全な速度で下り傾斜を下降することが可能になる。
【符号の説明】
【0028】
10 右足不自由者用の片足歩行支援具
11 ボード
12 キャスター
13 シートチューブ
14 シートポスト
15 サドル
16 足置き台
17 トルクヒンジ
18 支え板
20 2輪のキックスケーター
21 ハンドル
22 ハンドブレーキ
23 ブレーキワイヤー
24 制動ブレーキ部
25 メインフレームバー
26 フレーム
27 前輪
28 後輪
29 デッキ