(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005142
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20250108BHJP
【FI】
G06Q50/18
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105187
(22)【出願日】2023-06-27
(62)【分割の表示】P 2023105030の分割
【原出願日】2023-06-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】519227167
【氏名又は名称】株式会社ニーリー
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 養太
(72)【発明者】
【氏名】葛城 新平
(72)【発明者】
【氏名】西村 啓渡
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC32
5L050CC32
(57)【要約】
【課題】ユーザの自動車の保有に係る手続きをいっそう支援することが可能な情報処理システム等を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。表示制御ステップでは、上空から地上を撮影した上空画像を示す上空画像データをユーザが視認可能な態様で画面に表示させる。画面に表示される上空画像データには駐車場又は駐車場の候補である領域を示す1以上の領域情報が含まれる。受付ステップでは、表示された1以上の領域情報の少なくとも一部の指定をユーザから受け付ける。特定ステップでは、指定された領域情報に対応する位置情報を、第1の位置情報として特定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
表示制御ステップでは、上空から地上を撮影した上空画像を示す上空画像データをユーザが視認可能な態様で画面に表示させ、ここで、前記画面に表示される前記上空画像データには駐車場又は駐車場の候補である領域を示す1以上の領域情報が含まれ、
受付ステップでは、表示された前記1以上の領域情報の少なくとも一部の指定を前記ユーザから受け付け、
特定ステップでは、指定された前記領域情報に対応する位置情報を、第1の位置情報として特定する、情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記画面において、前記駐車場又は駐車場の候補である領域と、他の領域と、は互いに識別可能な態様で表示される、情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記特定ステップでは、前記第1の位置情報として、指定された前記領域情報の緯度経度情報を特定する、情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記上空画像は、人工衛星が地上を撮影した画像である、情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、登録ステップをさらに実行するように構成され、
前記登録ステップでは、指定された前記領域情報と、前記第1の位置情報と、を対応付けて所定の記憶領域に登録する、情報処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、出力ステップをさらに実行するように構成され、
前記出力ステップでは、予め記憶された所定の雛形に、前記第1の位置情報が駐車場に紐づく情報として組み合わされた書面を出力する、情報処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、選定ステップをさらに実行するように構成され、
前記選定ステップでは、前記第1の位置情報に基づき、予め記憶された複数の雛形から前記駐車場を管轄する機関が受理可能な雛形を選定し、
前記出力ステップでは、前記選定ステップで選定された前記雛形を、前記所定の雛形として適用して前記書面の出力を実行する、情報処理システム。
【請求項8】
請求項6に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、作成ステップをさらに実行するように構成され、
前記作成ステップでは、前記第1の位置情報に基づき、前記雛形に適合する前記駐車場の所在図及び/又は配置図の画像情報を作成し、
前記出力ステップでは、前記雛形に前記画像情報が組み合わされた書面を出力する、情報処理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、取得ステップと判定ステップとをさらに実行するように構成され、
前記取得ステップでは、駐車場の使用者に関する位置情報を第2の位置情報として取得し、
前記判定ステップでは、前記第1の位置情報と、前記第2の位置情報との間の距離が所定の距離以内であるかを判定する、情報処理システム。
【請求項10】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、所有者特定ステップをさらに実行するように構成され、
前記所有者特定ステップでは、前記特定ステップで特定した前記第1の位置情報と、参照情報と、に基づき、駐車場又は駐車場の候補である前記領域の所有者及び/又は管理者を特定し、
前記参照情報は、駐車場又は駐車場の候補である前記領域の位置情報と、駐車場又は駐車場の候補である前記領域の所有者及び/又は管理者を関連付けた情報である、情報処理システム。
【請求項11】
情報処理方法であって、
請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の情報処理システムの各ステップを備える、方法。
【請求項12】
プログラムであって、
コンピュータに請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等を所有する場合には、所有する自動車等の保管場所を確保していることを証明する書面(以下、「車庫証明書」とも呼ぶこともある。)の交付を受けることが一般的である。この車庫証明書の交付を受けるために、自動車等の所有を希望するユーザは、所定の行政機関等に対して、各種書類を提出することが必要となる。この点について、各種書類の提出を容易とするための技術も存在する。
【0003】
たとえば、特許文献1には、「自動車の保有に係る手続きに必要となる書類を、商談時に提供できる技術を提供する情報処理装置」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ユーザの使い勝手のよいシステムの開拓余地は依然として存在する。とりわけ、駐車場の契約、さらには申請書面の用意など、ユーザの自動車の保有に係る手続きをいっそう支援することが可能な技術が望まれている。
【0006】
本発明では上記事情に鑑み、ユーザの自動車の保有に係る手続きをいっそう支援することが可能な情報処理システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。表示制御ステップでは、上空から地上を撮影した上空画像を示す上空画像データをユーザが視認可能な態様で画面に表示させる。画面に表示される上空画像データには駐車場又は駐車場の候補である領域を示す1以上の領域情報が含まれる。受付ステップでは、表示された1以上の領域情報の少なくとも一部の指定をユーザから受け付ける。特定ステップでは、指定された領域情報に対応する位置情報を、第1の位置情報として特定する。
【0008】
上記態様によれば、ユーザの自動車の保有に係る手続きをいっそう支援することが可能な情報処理システム等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システム100を表す構成図である。
【
図2】ユーザ端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。
【
図5】第1実施形態の情報処理を説明するためのアクティビティ図である。
【
図6】ユーザ端末1に表示される表示画面の一例である。
【
図7】第2実施形態の情報処理を説明するためのアクティビティ図である。
【
図8】ユーザ端末1に表示される表示画面の一例である。
【
図9】出力部335の出力する保管場所に関する図の例である。
【
図10】第3実施形態の情報処理を説明するためのアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
すなわち、本実施形態の情報処理システムは以下に示されるものである。
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
表示制御ステップでは、上空から地上を撮影した上空画像を示す上空画像データをユーザが視認可能な態様で画面に表示させ、ここで、前記画面に表示される前記上空画像データには駐車場又は駐車場の候補である領域を示す1以上の領域情報が含まれ、
受付ステップでは、表示された前記1以上の領域情報の少なくとも一部の指定を前記ユーザから受け付け、
特定ステップでは、指定された前記領域情報に対応する位置情報を、第1の位置情報として特定する、情報処理システム。
【0012】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0013】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0014】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0015】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
【0016】
1.1 情報処理システム100
図1は、本実施形態に係る情報処理システム100を表す構成図である。情報処理システム100はユーザ端末1と、契約者端末2と、サーバ3と、撮影装置4と、を備え、これらがネットワーク5を通じて接続されている。これらの構成要素についてさらに説明する。なお、情報処理システム100に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、サーバ3単体であってもシステムの一例となる。
【0017】
1.2 ユーザ端末1
ユーザ端末1は、ユーザが所持する端末である。ここでのユーザは典型的には駐車場や駐車場の候補(以下、これらをまとめて「駐車場等」と呼ぶこともある。)の位置情報を欲するユーザである。このユーザの一例としては、駐車場等を管理するプラットホームの運営者等が挙げられるが、必ずしもこれには限定されない。例えば、ユーザ端末1が駐車場等を管理する不動産会社が所有する端末であり、契約者端末2が、駐車場の賃貸契約を行う者が所有する端末である場合もある。その他、駐車場の契約を行う契約者が駐車場等の位置情報を欲する場合は、このユーザ端末1は、当該契約者が所有する端末であってもよい。例えば、ユーザ端末1は、コンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等が想定されるが、その詳細は限定されるものではない。
【0018】
図2は、ユーザ端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。
ユーザ端末1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、表示部14と、入力部15とを有し、これらの構成要素がユーザ端末1の内部において通信バス10を介して電気的に接続されている。通信部11、記憶部12及び制御部13の説明は、後述の、サーバ3における通信部31、記憶部32及び制御部33と略同様のため省略する。
【0019】
表示部14は、例えば、ユーザ端末1の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部14は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、端末の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。ここでは、表示部14は、ユーザ端末1の筐体に含まれるものとして説明する。
【0020】
入力部15は、ユーザ端末1の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部15は、表示部14と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部15がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス10を介して制御部13に転送され、制御部13が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0021】
1.3 契約者端末2
契約者端末2は、駐車場に関する契約をしようとする契約者(典型的には自動車の所有者であり、駐車場の借主である。)が所有する端末である。例えば、契約者端末2は、コンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等が想定されるが、その詳細は限定されるものではない。
【0022】
契約者端末2のハードウェア構成は、前述のユーザ端末1のハードウェア構成と同様である場合が例示される。すなわち、契約者端末2は
図2で示される各種構成(通信部、記憶部、制御部、表示部、入力部および通信バス)を有していてもよいが、ここでは省略のため、説明を割愛する。
【0023】
1.4 サーバ3
図3は、サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有し、これらの構成要素がサーバ3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0024】
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ3は、通信部31を介して、ユーザ端末1や契約者端末2等とネットワーク5を介して種々の情報を通信する。
【0025】
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。特に、記憶部32は、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶している。
【0026】
制御部33は、サーバ3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、2.節においてさらに詳述する。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0027】
1.4 撮影装置4
撮影装置4は、上空から地上を撮影することができる装置である。この撮影装置4は、上空から地上を撮影することができる公知の機器の中から適宜選択すればよく、典型的には飛翔体である。なお、
図1では、この撮影装置が人工衛星であるものとして記載されているが、航空機、ドローン、飛行船、ヘリコプター等に搭載された撮影可能な機器を撮影装置4とすることもできる。
【0028】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0029】
図4は、サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、情報処理システム100の一例であるサーバ3は、表示制御部331と、受付部332と、特定部333と、登録部334と、出力部335と、選定部336と、作成部337と、取得部338と、判定部339と、を備えるものである。
【0030】
表示制御部331は、表示制御ステップを実行可能に構成される。表示制御ステップにおいて、表示制御部331は、種々の表示情報を生成して、ユーザが視認可能な表示内容を制御する。なお、表示情報とは、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された情報そのものでもよいし、各種端末に画面、画像、アイコン、テキスト等を表示させるためのレンダリング情報であってもよい。本実施形態においては、表示制御部331は、上空から地上を撮影した上空画像を示す上空画像データをユーザが視認可能な態様で画面に表示させる。ここで、画面に表示される上空画像データには駐車場又は駐車場の候補である領域を示す1以上の領域情報が含まれる。より具体的な態様については追って説明する。
【0031】
受付部332は、受付ステップを実行可能に構成される。受付ステップにおいて、受付部332は、ユーザ端末1や、契約者端末2等から、種々の情報を受け付ける。本実施形態においては、受付部332は、表示された1以上の領域情報の少なくとも一部の指定をユーザから受け付ける。より具体的な態様については追って説明する。
【0032】
特定部333は、特定ステップを実行可能に構成される。特定ステップにおいて、特定部333は、指定された領域情報に対応する位置情報を、第1の位置情報として特定する。なお、特定部333は、第1の位置情報として、指定された領域情報の緯度経度情報を特定してもよい。また、一態様においては、特定部333は、特定部333が特定した第1の位置情報と、参照情報と、に基づき、駐車場又は駐車場の候補である領域の所有者及び/又は管理者を特定する。ここで、参照情報は、駐車場又は駐車場の候補である領域の位置情報と、駐車場又は駐車場の候補である領域の所有者及び/又は管理者を関連付けた情報である。より具体的な態様については追って説明する。
【0033】
登録部334は、登録ステップを実行可能に構成される。登録ステップにおいて、本実施形態の情報処理システム100に関連する、種々の情報について所定の記憶領域に登録する(種々の情報について所定の記憶領域に記憶させる)。本実施形態においては、登録部334は、指定された領域情報と、第1の位置情報と、を対応付けて所定の記憶領域に登録する。この所定の記憶領域は、たとえばサーバ3の記憶部32や各種端末の記憶部が例示されるが、この記憶領域は必ずしも情報処理システム100のシステム内である必要はなく、登録部334は、種々の情報を外部記憶装置などに記憶するように管理することもできる。
【0034】
出力部335は、出力ステップを実行可能に構成される。出力ステップにおいて、出力部335は、予め記憶された所定の雛形に、第1の位置情報が駐車場に紐づく情報として組み合わされた書面を出力する。より具体的な態様については追って説明する。
【0035】
選定部336は、選定ステップを実行可能に構成される。選定ステップにおいて、選定部336は、第1の位置情報に基づき、予め記憶された複数の雛形から駐車場を管轄する機関が受理可能な雛形を選定する。なお、前述した出力部335は、この選定部336が選定した雛形を、所定の雛形として適用して書面の出力を実行するように構成されてもよい。
【0036】
作成部337は、作成ステップを実行可能に構成される。作成ステップにおいて、作成部337は、第1の位置情報に基づき、雛形に適合する駐車場の所在図及び/又は配置図の画像情報を作成する。なお、前述した出力部335は、雛形に作成部337が作成した画像情報が組み合わされた書面を出力するように構成されてもよい。
【0037】
取得部338は、取得ステップを実行可能に構成される。取得ステップにおいて、取得部338は、駐車場の使用者に関する位置情報を第2の位置情報として取得する。この第2の位置情報は、典型的には後述する判定ステップを実行する際に用いられる。
【0038】
判定部339は、判定ステップを実行可能に構成される。判定ステップにおいて、判定部339は、第1の位置情報と、第2の位置情報との間が所定の距離以内であるかを判定する。具体的な判定手段等は追って説明することとする。
【0039】
3.情報処理方法
本節では、前述した情報処理システム100の実行する情報処理方法の各ステップについて、アクティビティ図を参照しながら説明を行う。なお、前述した通り、本実施形態の情報処理方法は指定された領域情報に対応する位置情報を、第1の位置情報として特定するものであるが、本明細書では、より典型的な例を第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態として順次説明するものとする。
【0040】
<第1実施形態>
第1実施形態は、特定された第1の位置情報を所定の記憶領域に登録するものである。すなわち、特許文献1等に示されるように、駐車場に関する情報を用いて所定の書面を作成しようという試みは以前より存在しているものの、駐車場によっては、住所に関する情報を持たなかったり、住所で特定される位置情報が駐車場の正確な位置を示さなかったりすることがある。このような点に本発明者らは着目し、効率的に駐車場に関する位置情報を管理することができる技術に至っている。
【0041】
図5は、第1実施形態の情報処理を説明するためのアクティビティ図である。第1実施形態においては、
図5中のアクティビティA101に示されるように、まず、表示制御部331が、上空から地上を撮影した上空画像を示す上空画像データをユーザが視認可能な態様で画面に表示させる。なお、この上空画像は撮影装置4が、地上を撮影したものであるが、典型的には、人工衛星が地上を撮影した画像である。
【0042】
この表示内容について、
図6を用いて説明する。
図6は、ユーザ端末1に表示される表示画面の一例である。この
図6に示される表示画面D1には、上空画像データとして、所定の地域を表すマップM1が表示されている。また、このマップM1の中に、駐車場(領域R1)と駐車場の候補(領域R2)が示されている。なお、このような表示画面D1は、駐車場の検索や契約等を行うことができるサイトにログインされていることを条件として表示されるように構成されていてもよい。
【0043】
なお、本明細書において「駐車場の候補」とは、実際に駐車場としての稼働は行っていないものの、駐車場としての活用が見込まれる土地を指すもものとする。すなわち、「駐車場の候補」は、駐車場への転用が見込まれる空き地や、駐車場への転用が見込まれるその他の不動産であってよい。
一方、「駐車場」は、典型的には実際に駐車場として稼働している土地を指す。なお、本実施形態の情報処理システム100においては、このような駐車場に関連して、予め駐車場の詳細情報が記憶されてもよい。詳細情報の例としては、自動車保管場所の名称、賃料、地面の態様(アスファルト舗装の有無)、駐車の態様(平置駐車場か、立体駐車場か、立体式駐車場か等)、駐車可能な車種、使用可能な時間帯等が挙げられるが、これらには限定されない。
【0044】
すなわち、この表示画面D1のマップM1として表示される内容は、撮影装置4が上空から地上を撮影した上空画像である。なお、
図6に示されるように、画面において、駐車場又は駐車場の候補である領域と、他の領域と、は互いに識別可能な態様で表示されてもよい。すなわち、本実施形態のサーバ3は、上空画像と、所定の参照情報とに基づき、駐車場又は駐車場の候補である領域と、そうでない領域とを識別し、ユーザがこれらを異なるものとして認識できるよう表示態様を分けて表示制御を行ってもよい。この識別は、予め駐車場として設計される区画や、存在する自動車の密度、隣接した道路における交通量等を蓄積したデータベースを参照情報として用いて実行されてもよいし、前述した区画、密度、交通量等を学習させた学習済みモデルを参照情報として用いて実行されてもよい。その他、上述の識別は、人工知能に関する機能よって実現されてもよい。
【0045】
なお
図6では、駐車場又は駐車場の候補である領域について斜線を施すことで、他の領域と識別する態様を示したが、この領域の識別方法が種々の方法を採用することができる。すなわち、駐車場等に係る領域について所定の色彩を付したり、所定のオブジェクトを付したりする態様も採用することができる。
【0046】
このような表示画面D1に接したユーザは、自身の興味のある駐車場等を示す領域を、クリック操作等により押下することによって、領域情報の指定を行うことができる(アクティビティA102)。
【0047】
このようにして、領域情報の指定が行われると、特定部333は、指定された領域情報に対応する位置情報を、第1の位置情報として特定する(アクティビティA103)。なお、この位置情報の特定は、典型的には、上空写真における地理参照が活用されて実行される。すなわち、本実施形態においては、上空画像データにおける画素ごとに位置情報が付与されていてもよく、ユーザの領域情報の指定に伴い、指定された領域情報に対応する位置情報が特定されてよい。なお、特定部333は、第1の位置情報として、指定された領域情報の緯度経度情報を特定してもよい。
【0048】
さらに、第1実施形態においては、登録部334が、指定された領域情報と、第1の位置情報と、を対応付けて所定の記憶領域に登録する(アクティビティA104)。この所定の記憶領域は、たとえばサーバ3の記憶部32や各種端末の記憶部が例示されるが、この記憶領域は必ずしも情報処理システム100のシステム内である必要はなく、外部記憶装置などであってもよい。
【0049】
このように、第1実施形態では、指定された領域情報と、第1の位置情報と、を対応付けて登録することにより、以降、駐車場等に関する業務(契約手続や、各種書面作成等を含む)を行う際に活用可能なデータとすることができる。このようなデータ管理は、上空画像データを使用しながら行う。そのため、ユーザが駐車場等の周辺環境を把握しつつ行うことができる点で有益である。
【0050】
<第2実施形態>
第2実施形態は、特定された第1の位置情報を用いて所定の書面を出力するものである。すなわち、特許文献1等に示されるように、駐車場に関する情報を用いて所定の書面を作成しようという試みは以前より存在しているものの、よりユーザの使い勝手のよい仕組みの開発が望まれていた。このような点に、本発明者らは着目し、上空画像を用いたユーザの使い勝手のよい技術に至っている。
【0051】
図7は、第2実施形態の情報処理を説明するためのアクティビティ図である。
図7に示されるアクティビティA201~A203は、第1実施形態におけるアクティビティA101~A103と略同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0052】
第2実施形態においては、アクティビティA203にて特定した第1の位置情報を用いて、駐車場に関する書面を出力するという特徴を有する(アクティビティA204)。この書面は、典型的には、自動車保管場所証明書(車庫証明書)である。また、本実施形態において「書面」は、紙を媒体として発行されるものに限らず、電子情報を含むものとして扱う。
【0053】
このような書面の出力は、典型的には、ユーザによる画面操作を介して行われる。以下、書面の出力を行う際の具体的な態様について説明を続ける。
【0054】
図8は、ユーザ端末1に表示される表示画面の一例である。
図8の表示画面D2中のマップM1においては、領域R1(駐車場)と、使用者の住所U1とが示されるとともに、これらを破線で結んだ画像情報が示されている。
【0055】
すなわち、サーバ3の表示制御部331は、特定部333が特定した第1の位置情報を活用して、駐車場(領域R1)を特定し、これを画面に表示させている。なお、
図8に示される態様では、取得部338が別途第2の位置情報を取得することによって、サーバ3は、使用者の住所U1を特定し、これを表示させている。
【0056】
なお、第2の位置情報は、事前に登録された使用者の住所に関する情報に基づいて特定されてもよいが、使用者の住所の緯度経度情報に基づき特定されてもよい。その際、ユーザの、画面に表示されたマップM1に対する操作に基づいて、緯度経度情報が特定されてよく、典型的には、表示画面D2中に示されるオブジェクトを移動させることによって、第2の位置情報が更新されてもよい。
【0057】
すなわち、
図8のマップM1において、ユーザ端末1に対して行われる操作(ドラッグ操作等)にて、使用者の住所の位置を調整可能に構成されてもよい。換言すれば、この表示画面D2においては、ユーザ端末1に対して行われる操作によって使用者の住所U1の緯度経度情報を更新可能に構成されている。
【0058】
なお、本実施形態の情報処理方法では、表示画面D2のマップM1の直下のスペースに使用者の住所と駐車場の距離が表示されるように構成されている。すなわち、領域R1(駐車場)と使用者の住所U1との位置情報から、これらの間の直線距離を演算し、演算された直線距離を表示するように構成されている。現行の制度では、自動車保管場所を、その自動車の所有者の使用の本拠地(典型的には使用者の住所)から、直線距離で2km以内の場所としなければならない。すなわち、表示画面D2に接したユーザは、所定の駐車場に関する契約が、この制度に適合するかについて確認を行うことができる。
【0059】
第2実施形態では、サーバ3の出力部335が、予め記憶された所定の雛形を活用し、駐車場に関する書面を出力する処理を実行する。
【0060】
なお、本明細書において「雛形」とは、所定の情報が記入されていない雛形と、所定の情報が記入された雛形と、の双方を包含する。また、出力される雛形は、書面(紙の書面)であっても、種々の電子情報(電子ファイル)であってもよい。必ずしも以下には制限されないが、出力される雛形は、pdf形式の電子ファイル、csv形式の電子ファイル、jpg形式の電子ファイル、bmp形式の電子ファイル等であってもよい。
【0061】
出力部335は、雛形(典型的には未記入の雛形)に、所定の自動車保管場所及び/又は自動車の使用者に関する情報が組み合わされた書面又は電子情報を出力する。
すなわち、本実施形態では特定部333が駐車場の位置情報を特定していることから、この情報が未記入の雛形に組み合わされた上で、所定の出力がなされてもよい。
【0062】
この出力処理は、
図8の表示画面D2に対する操作を契機に実行されてよい。すなわち、
図8におけるボタンBT1又はボタンBT2を押下することにより、各種書面や電子情報の出力が可能に構成されていてもよい。また、ボタンBT3を押下することによって、書面や電子情報(
図8の場合では保管場所使用承諾証明書)を所定の宛先にメール送信するように構成されてもよい。なお、ここでのメール送信先は、適宜設定を行うことができるが、典型的には、自動車保管場所の契約を行おうとする契約者端末2のアドレスであってもよい。
【0063】
さらに、
図8の表示画面D2には、配置図を空欄にするチェックボックスCB1が設けられている。このチェックボックスCB1にチェックを入れると、配置図の記入のない雛形の出力が可能となる。なお、以下では、この所在図と配置図が記入された雛形の詳細について説明をしていくこととする。
【0064】
前述の通り、本実施形態のサーバ3は、作成部337を備え得る。この作成部337は、第1の位置情報に基づき、雛形に適合する所定の自動車保管場所の所在図及び/又は配置図の画像情報を作成するように構成されてもよい。また、出力部335は、雛形に画像情報が組み合わされた書面を出力するように構成されてもよい。この具体的態様について、
図9を参照しながら説明する。
【0065】
図9は、出力部335の出力する保管場所に関する図の例である。この
図9に示される書面DC1は、保管場所証明申請手続に要される、自動車保管場所の所在図と、配置図と、が記入された書面である。すなわち、サーバ3の作成部337は、特定部333が特定した第1の位置情報に基づき、駐車場の位置を特定可能な画像情報を作成する。さらに、出力部335が、この画像情報を雛形の所定の欄に組み合わせることで、書面DC1が出力されることとなる。なお、この作成される画像情報に関し、さらに取得部338が取得した第2の位置情報に基づいて、使用者の住所U1を特定し、この使用者の住所U1も特定可能な画像情報としてもよい。
【0066】
また、
図9には所在図のほか、配置図が組み合わされた書面DC1が示されている。この配置図は、特定された駐車場(領域R1)に紐付けられた配置図に関する画像情報に基づくものであってよい。
図9で示される態様では、この配置図に関する画像情報を雛形に組み合わせることで、配置図が組み合わされた書面DC1が出力されている。
【0067】
なお、作成部337等のサーバ3の機能に基づき、前述の各種画像情報は、そのサイズが調整されていてもよい。用意した雛形に設けられた記載欄の大きさに適合するように、各種画像情報のサイズが調整されてもよく、これによって、記載欄に各種画像情報がよく適合した書面DC1を実現することができる。
【0068】
なお、本実施形態は次のように構成されてもよい。
すなわち、本実施形態の情報処理方法においては、サーバ3の選定部336が、特定した第1の位置情報に基づき、所定の自動車保管場所を管轄する機関が受理可能な雛形を選定してもよい。
【0069】
ここで、「所定の自動車保管場所を管轄する機関」は、地域ごと(典型的には都道府県ごと)に設定される受理機関であり、現行制度においては、都道府県ごとの警察署がこれに相当する。なお、本明細書ではこの機関を「管轄機関」と称することもある。本発明者らは、この都道府県ごとの警察署によって、受理可能な自動車保管場所証明書の雛形が異なることに着目し、適切にこの雛形を選定する技術の意義を見出している。
【0070】
すなわち、本実施形態においては、選定部336が、特定した第1の位置情報に基づき、所定の自動車保管場所を管轄する機関を特定する。すなわち、自動車保管場所が東京都千代田区に存在するのであれば、管轄機関が警視庁であることを特定し、自動車保管場所が神奈川県横浜市に存在するのであれば、管轄機関が神奈川県警察であることを特定する。続いて、選定部336が、当該管轄機関が受理可能な雛形を選定する。なお、ここでの雛形は、典型的には、自動車の保管場所承諾証明書や、保管場所使用承諾証明書等が該当するが、これには限られず、自動車の保管場所に関する種々の手続に関する雛形であってよい。
【0071】
この雛形は、事前にサーバ3の記憶部32に、対応する機関と紐付けられて記憶されていればよい。なお、この記憶された雛形は管轄機関が受理可能であればよく、必ずしも都道府県ごとに1つずつ設定されている必要はない。すなわち、ある雛形XがA県警察と、B県警察の双方で受理可能であれば、第1の位置情報がA県又はB県に関するものであることを条件として、この雛形Xを選定すれば足りることとなる。選定された雛形を用いて、必要な書面が出力可能であるのは、前述の通りである。
【0072】
なお、本実施形態の情報処理方法は以下のような構成を備えていてもよい。
【0073】
すなわち、サーバ3の判定部339は、第1の位置情報と、第2の位置情報と、の間の距離が所定の距離以内であるかを判定してもよい。
【0074】
この判定部339の実行する処理について、以下説明する。
【0075】
すなわち、判定部339は、第1の位置情報と、第2の位置情報と、の間の距離を演算し、この演算によって求められた値(距離)が、予め定められた値(距離)以下であるかを判定する。前述の通り、現行の制度では、車庫証明を取得するにあたり、自動車保管場所を、その自動車の所有者の使用の本拠地(典型的には使用者の住所)から、直線距離で2km以内の場所としなければならない。すなわち、判定部339の判定根拠とする「所定の距離」は、この「2km」という距離であってよい。
図8に示した使用者の住所と駐車場の距離について、先には0.48kmであるものとして説明したが、仮に、駐車場(領域R1)と使用者の住所U1との直線距離が2.37kmであったとすると、判定部339は、この直線距離が法定の2kmを超過していることを判定し得る。
【0076】
なお、サーバ3の表示制御部331は、判定部339によって第1の位置情報と、第2の位置情報と、の間の距離が所定の距離以内でないと判定された場合に、ユーザに対しての警告を行うように構成されてもよい。
すなわち、
図8の表示画面D2には、図示しないアラートが表示されてもよい。具体的に、出力される雛形の内容が、管轄機関に受理されない場合があるといった警告を発することも可能である。なお、上では、アラートのような文字情報を表示するものを想定したが、適宜、ユーザが認識可能な音声を警告として発生するように構成されてもよい。
なお、このような警告が行われる場合に、各種出力を実行不能とするように構成されてもよい。一方、このような警告が行われる場合であっても、出力の実行が可能であるように構成されていてもよい。このような出力の可否は、適宜設定することが可能である。
【0077】
このように、第2実施形態では、特定した第1の位置情報を活用して書面の出力を行う。このような書面出力は、上空画像データを使用して行われる。そのため、ユーザが駐車場等の周辺環境を把握しつつ書面出力を行うことができる点で有益である。
【0078】
<第3実施形態>
第3実施形態は、特定された第1の位置情報を用いて駐車場等(駐車場又は駐車場の候補である領域)の所有者及び/又は管理者を特定するものである。すなわち、駐車場等に関する手続を行うにあたって、当該駐車場等の所有者や管理者の情報が必要となることがある。第3実施形態では、第1の位置情報を用いて、このような駐車場等の所有者や管理者に関する情報を特定することができる。
【0079】
図10は、第3実施形態の情報処理を説明するためのアクティビティ図である。
図10に示されるアクティビティA301~A303は、第1実施形態におけるアクティビティA101~A103と略同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0080】
第3実施形態においては、アクティビティA303にて特定した第1の位置情報を用いて、駐車場又は駐車場の候補である領域の所有者を特定する(アクティビティA304)。この所有者の特定は、特定部333の機能によって実現し得る。この特定部333は、駐車場又は駐車場の候補である領域の位置情報と、駐車場又は駐車場の候補である領域の所有者及び/又は管理者を関連付けた情報を参照情報として用い、上述の特定を実行することが可能である。
【0081】
必ずしもこれには限定されないが、このような参照情報は、登記情報が記憶されたデータベースであってよい。すなわち、このようなデータベースでは、駐車場又は駐車場の候補である領域の位置情報と、駐車場又は駐車場の候補である領域の所有者とが関連付けられて記憶されており、アクティビティA303で特定された第1の位置情報に基づき、駐車場等の所有者を特定することができる。なお、本実施形態において「管理者」は、駐車場又は駐車場の候補である領域を管理する者であり、典型的には、所有者に代わって、当該領域を管理する者である。より具体的な例を挙げると、管理者は、不動産管理会社等であってよい。本実施形態での参照情報が、登記情報が記憶されたデータベースである場合に、所有者の特定ができるのは述べた通りであるが、例えば、これに加え、所有者と管理者との間で領域の管理を行う契約に関する情報等が記憶されていれば、このような契約情報等を、本実施形態の参照情報の一部として取り入れることができる。このようにすることで、特定部333は、駐車場又は駐車場の候補である領域を管理する管理者の特定が可能である。
【0082】
なお、このようにして特定された所有者や管理者に関する情報は種々の用途に供されてよい。例えば、駐車場契約や、自動車保管場所証明書(車庫証明書)等の駐車場に関する種々の手続書面を出力するためのデータとして用いられてもよい。予め用意された雛形に対して、特定された情報が組み合わされて出力することが可能なのは第2実施形態で示した内容と同様である。
【0083】
このように、第3実施形態では、特定した第1の位置情報を活用して駐車場等に関する所有者や管理者の特定を行う。このような所有者や管理者の特定は、上空画像データを使用して行われる。そのため、ユーザが駐車場等の周辺環境を把握しつつ所有者や管理者の特定を行うことができる点で有益である。
【0084】
以上、本実施形態の情報処理システム100においては、上空画像データに基づき、駐車場等の指定がされ、この駐車場等の位置情報が特定される。この位置情報は、種々のサービスに有用であることから、ユーザの自動車の保有に係る手続きをいっそう支援することが可能な情報処理システム等が提供されるものといえる。
【0085】
4.その他
その他、情報処理システム100に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0086】
以上の実施形態では、情報処理システム100の構成として説明したが、コンピュータに情報処理システム100の各ステップを実行させるプログラムが提供されてもよい。
【0087】
以上の実施形態では、サーバ3が種々の記憶・制御を行ったが、サーバ3に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、ブロックチェーン技術等を用いて、駐車場等の位置に関する情報等を分散して複数の外部装置に記憶させてもよい。
【0088】
また、サーバ3の受付部332が自動車保管場所を管轄する機関に関する種々の情報が更新等されたことを受け付け、これを契機として、雛形が更新等させるように構成されてもよい。典型的な例としては、自動車保管場所を管轄する機関の名称が変更されたことや、受理可能な雛形が改訂されたことを契機として、出力ステップで出力される雛形が更新等されてもよい。
【0089】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0090】
(1)情報処理システムであって、制御部を備え、前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、表示制御ステップでは、上空から地上を撮影した上空画像を示す上空画像データをユーザが視認可能な態様で画面に表示させ、ここで、前記画面に表示される前記上空画像データには駐車場又は駐車場の候補である領域を示す1以上の領域情報が含まれ、受付ステップでは、表示された前記1以上の領域情報の少なくとも一部の指定を前記ユーザから受け付け、特定ステップでは、指定された前記領域情報に対応する位置情報を、第1の位置情報として特定する、情報処理システム。
【0091】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記画面において、前記駐車場又は駐車場の候補である領域と、他の領域と、は互いに識別可能な態様で表示される、情報処理システム。
【0092】
(3)上記(1)又は(2)に記載の情報処理システムにおいて、前記特定ステップでは、前記第1の位置情報として、指定された前記領域情報の緯度経度情報を特定する、情報処理システム。
【0093】
(4)上記(1)ないし(3)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記上空画像は、人工衛星が地上を撮影した画像である、情報処理システム。
【0094】
(5)上記(1)ないし(4)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、登録ステップをさらに実行するように構成され、前記登録ステップでは、指定された前記領域情報と、前記第1の位置情報と、を対応付けて所定の記憶領域に登録する、情報処理システム。
【0095】
(6)上記(1)ないし(5)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、出力ステップをさらに実行するように構成され、前記出力ステップでは、予め記憶された所定の雛形に、前記第1の位置情報が駐車場に紐づく情報として組み合わされた書面を出力する、情報処理システム。
【0096】
(7)上記(6)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、選定ステップをさらに実行するように構成され、前記選定ステップでは、前記第1の位置情報に基づき、予め記憶された複数の雛形から前記駐車場を管轄する機関が受理可能な雛形を選定し、前記出力ステップでは、前記選定ステップで選定された前記雛形を、前記所定の雛形として適用して前記書面の出力を実行する、情報処理システム。
【0097】
(8)上記(6)又は(7)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、作成ステップをさらに実行するように構成され、前記作成ステップでは、前記第1の位置情報に基づき、前記雛形に適合する前記駐車場の所在図及び/又は配置図の画像情報を作成し、前記出力ステップでは、前記雛形に前記画像情報が組み合わされた書面を出力する、情報処理システム。
【0098】
(9)上記(1)ないし(8)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、取得ステップと判定ステップとをさらに実行するように構成され、前記取得ステップでは、駐車場の使用者に関する位置情報を第2の位置情報として取得し、前記判定ステップでは、前記第1の位置情報と、前記第2の位置情報との間の距離が所定の距離以内であるかを判定する、情報処理システム。
【0099】
(10)上記(1)ないし(9)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、所有者特定ステップをさらに実行するように構成され、前記所有者特定ステップでは、前記特定ステップで特定した前記第1の位置情報と、参照情報と、に基づき、駐車場又は駐車場の候補である前記領域の所有者及び/又は管理者を特定し、前記参照情報は、駐車場又は駐車場の候補である前記領域の位置情報と、駐車場又は駐車場の候補である前記領域の所有者及び/又は管理者を関連付けた情報である、情報処理システム。
【0100】
(11)情報処理方法であって、上記(1)ないし(10)のいずれか1つに記載の情報処理システムの各ステップを備える、方法。
【0101】
(12)プログラムであって、コンピュータに上記(1)ないし(10)のいずれか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0102】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0103】
1 :ユーザ端末
2 :契約者端末
3 :サーバ
4 :撮影装置
5 :ネットワーク
10 :通信バス
11 :通信部
12 :記憶部
13 :制御部
14 :表示部
15 :入力部
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
100 :情報処理システム
330 :警告部
331 :表示制御部
332 :受付部
333 :特定部
334 :登録部
335 :出力部
336 :選定部
337 :作成部
338 :取得部
339 :判定部
BT1~BT3 :ボタン
CB1 :チェックボックス
D1、D2 :表示画面
DC1 :書面
M1 :マップ
R1、R2 :領域
U1 :使用者の住所
【手続補正書】
【提出日】2023-11-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
表示制御ステップでは、上空から地上を撮影した上空画像を示す上空画像データをユーザが視認可能な態様で画面に表示させ、ここで、前記画面に表示される前記上空画像データには駐車場又は駐車場の候補である領域を示す1以上の領域情報が含まれ、ここで、
前記領域情報にかかる領域は、撮影された前記上空画像データと予め記憶された第1の参照情報とに基づき前記制御部によって識別され、
前記領域情報にかかる領域は、他の領域とは前記ユーザが識別可能な態様で前記画面に表示され、かつ、
前記上空画像データにおいて、前記上空画像データの画素は当該画素ごとに位置情報が対応付けられており、
受付ステップでは、表示された前記1以上の領域情報の少なくとも一部の指定を前記ユーザから受け付け、
特定ステップでは、指定された前記領域情報に対応する前記画素に基づき、前記位置情報を、第1の位置情報として特定する、情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の参照情報は、上空画像における、駐車場として設計される区画と、存在する自動車の密度と、隣接した道路における交通量とのうちの少なくともいずれかに関連する情報を記憶したものであり、記憶された前記情報から前記上空画像データに含まれる前記領域情報にかかる領域を識別するものである、情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記特定ステップでは、前記第1の位置情報として、指定された前記領域情報の緯度経度情報を特定する、情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記上空画像は、人工衛星が地上を撮影した画像である、情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、登録ステップをさらに実行するように構成され、
前記登録ステップでは、指定された前記領域情報と、前記第1の位置情報と、を対応付けて所定の記憶領域に登録する、情報処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、出力ステップをさらに実行するように構成され、
前記出力ステップでは、予め記憶された所定の雛形に、前記第1の位置情報が駐車場に紐づく情報として組み合わされた書面を出力する、情報処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、選定ステップをさらに実行するように構成され、
前記選定ステップでは、前記第1の位置情報に基づき、予め記憶された複数の雛形から前記駐車場を管轄する機関が受理可能な雛形を選定し、
前記出力ステップでは、前記選定ステップで選定された前記雛形を、前記所定の雛形として適用して前記書面の出力を実行する、情報処理システム。
【請求項8】
請求項6に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、作成ステップをさらに実行するように構成され、
前記作成ステップでは、前記雛形に適合する前記駐車場の所在図及び/又は配置図の画像情報を作成し、
ここで、前記所在図は、前記第1の位置情報と前記上空画像データとに基づき作成され、
前記配置図は、前記第1の位置情報によって特定される駐車場に紐付けられた配置図に関する画像情報に基づき作成され、
前記出力ステップでは、前記雛形に前記駐車場の所在図及び/又は配置図の画像情報が組み合わされた書面を出力する、情報処理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、取得ステップと判定ステップとをさらに実行するように構成され、
前記取得ステップでは、駐車場の使用者に関する位置情報を第2の位置情報として取得し、
前記判定ステップでは、前記第1の位置情報と、前記第2の位置情報との間の距離が所定の距離以内であるかを判定する、情報処理システム。
【請求項10】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、所有者特定ステップをさらに実行するように構成され、
前記所有者特定ステップでは、前記特定ステップで特定した前記第1の位置情報と、第2の参照情報と、に基づき、駐車場又は駐車場の候補である前記領域の所有者及び/又は管理者を特定し、
前記第2の参照情報は、駐車場又は駐車場の候補である前記領域の位置情報と、駐車場又は駐車場の候補である前記領域の所有者及び/又は管理者を関連付けた情報である、情報処理システム。
【請求項11】
情報処理方法であって、
請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の情報処理システムの各ステップを備える、方法。
【請求項12】
プログラムであって、
コンピュータに請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、プログラム。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
表示制御ステップでは、上空から地上を撮影した上空画像を示す上空画像データをユーザが視認可能な態様で画面に表示させ、ここで、前記画面に表示される前記上空画像データには駐車場又は駐車場の候補である領域を示す1以上の領域情報が含まれ、ここで、
前記領域情報にかかる領域は、撮影された前記上空画像データと予め記憶された第1の参照情報とに基づき前記制御部によって識別され、
前記第1の参照情報は、上空画像における、駐車場として設計される区画と、存在する自動車の密度と、隣接した道路における交通量とのうちの少なくともいずれかに関連する情報を記憶したものであり、記憶された前記情報から前記上空画像データに含まれる前記領域情報にかかる領域を識別するものであり、
前記領域情報にかかる領域は、他の領域とは前記ユーザが識別可能な態様で前記画面に表示され、かつ、
前記上空画像データにおいて、前記上空画像データの画素は当該画素ごとに位置情報が対応付けられており、
受付ステップでは、表示された前記1以上の領域情報の少なくとも一部の指定を前記ユーザから受け付け、
特定ステップでは、指定された前記領域情報に対応する前記画素に基づき、前記位置情報を、第1の位置情報として特定する、情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記特定ステップでは、前記第1の位置情報として、指定された前記領域情報の緯度経度情報を特定する、情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記上空画像は、人工衛星が地上を撮影した画像である、情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、登録ステップをさらに実行するように構成され、
前記登録ステップでは、指定された前記領域情報と、前記第1の位置情報と、を対応付けて所定の記憶領域に登録する、情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、出力ステップをさらに実行するように構成され、
前記出力ステップでは、予め記憶された所定の雛形に、前記第1の位置情報が駐車場に紐づく情報として組み合わされた書面を出力する、情報処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、選定ステップをさらに実行するように構成され、
前記選定ステップでは、前記第1の位置情報に基づき、予め記憶された複数の雛形から前記駐車場を管轄する機関が受理可能な雛形を選定し、
前記出力ステップでは、前記選定ステップで選定された前記雛形を、前記所定の雛形として適用して前記書面の出力を実行する、情報処理システム。
【請求項7】
請求項5に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、作成ステップをさらに実行するように構成され、
前記作成ステップでは、前記雛形に適合する前記駐車場の所在図及び/又は配置図の画像情報を作成し、
ここで、前記所在図は、前記第1の位置情報と前記上空画像データとに基づき作成され、
前記配置図は、前記第1の位置情報によって特定される駐車場に紐付けられた配置図に関する画像情報に基づき作成され、
前記出力ステップでは、前記雛形に前記駐車場の所在図及び/又は配置図の画像情報が組み合わされた書面を出力する、情報処理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、取得ステップと判定ステップとをさらに実行するように構成され、
前記取得ステップでは、駐車場の使用者に関する位置情報を第2の位置情報として取得し、
前記判定ステップでは、前記第1の位置情報と、前記第2の位置情報との間の距離が所定の距離以内であるかを判定する、情報処理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、所有者特定ステップをさらに実行するように構成され、
前記所有者特定ステップでは、前記特定ステップで特定した前記第1の位置情報と、第2の参照情報と、に基づき、駐車場又は駐車場の候補である前記領域の所有者及び/又は管理者を特定し、
前記第2の参照情報は、駐車場又は駐車場の候補である前記領域の位置情報と、駐車場又は駐車場の候補である前記領域の所有者及び/又は管理者を関連付けた情報である、情報処理システム。
【請求項10】
情報処理方法であって、
請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の情報処理システムの各ステップを備える、方法。
【請求項11】
プログラムであって、
コンピュータに請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、プログラム。