(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005146
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】差動プローブ
(51)【国際特許分類】
H03G 3/10 20060101AFI20250108BHJP
G01R 13/20 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
H03G3/10 E
G01R13/20 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105196
(22)【出願日】2023-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596157780
【氏名又は名称】横河計測株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】飯島 拓海
(72)【発明者】
【氏名】吉原 智朗
(72)【発明者】
【氏名】坂本 和輝
(72)【発明者】
【氏名】阿部 哲也
【テーマコード(参考)】
5J100
【Fターム(参考)】
5J100AA02
5J100AA17
5J100BA05
5J100BA07
5J100BA10
5J100BB07
5J100BB11
5J100BB15
5J100BC01
5J100CA13
5J100EA02
(57)【要約】
【課題】増幅器のゲインを切り替えたときの周波数特性の差を低減する。
【解決手段】本開示に係る差動プローブ1は、第1のアッテネータ11と、第2のアッテネータ12と、差動増幅器13と、増幅器14と、を備える。増幅器14は、第1の増幅回路110と、第1の増幅回路110よりゲインが大きい第2の増幅回路120と、第1の増幅回路110と第2の増幅回路120のいずれで差動増幅器13の出力信号を増幅するかを切り替えるリレー130と、を備える。第1の増幅回路110の周波数特性と第2の増幅回路120の周波数特性とは、同等の周波数特性になるように調整されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの信号の差分を検出する差動プローブであって、
前記2つの信号の一方の信号が入力される第1のアッテネータと、
前記2つの信号の他方の信号が入力される第2のアッテネータと、
前記第1のアッテネータの出力信号と前記第2のアッテネータの出力信号との差分を増幅する差動増幅器と、
前記差動増幅器の出力信号を増幅する増幅器と、
を備え、
前記増幅器は、
第1の増幅回路と、
前記第1の増幅回路よりゲインが大きい第2の増幅回路と、
前記第1の増幅回路と前記第2の増幅回路のいずれで前記差動増幅器の出力信号を増幅するかを切り替えるリレーと、
を備え、
前記第1の増幅回路の周波数特性と前記第2の増幅回路の周波数特性とは、同等の周波数特性になるように調整されている、差動プローブ。
【請求項2】
請求項1に記載の差動プローブにおいて、
前記第1の増幅回路及び前記第2の増幅回路は、それぞれ、反転増幅回路であり、
前記第1の増幅回路及び前記第2の増幅回路は、それぞれ、入力抵抗と、帰還抵抗と、オペアンプとを備える、差動プローブ。
【請求項3】
請求項2に記載の差動プローブにおいて、
前記第1の増幅回路の周波数特性と前記第2の増幅回路の周波数特性とは、前記第1の増幅回路の前記入力抵抗及び前記帰還抵抗の抵抗値と、前記第2の増幅回路の前記入力抵抗及び前記帰還抵抗の抵抗値とを調整することによって、同等の周波数特性になるように調整されている、差動プローブ。
【請求項4】
請求項1に記載の差動プローブにおいて、
前記第1の増幅回路及び前記第2の増幅回路は、それぞれ、反転増幅回路であり、
前記第1の増幅回路及び前記第2の増幅回路は、それぞれ、入力抵抗と、帰還抵抗と、オペアンプとを備え、
前記第1の増幅回路は、前記第1の増幅回路の前記帰還抵抗と並列に接続された帰還コンデンサをさらに備え、
前記第2の増幅回路は、前記第2の増幅回路の前記入力抵抗と並列に接続された入力コンデンサをさらに備える、差動プローブ。
【請求項5】
請求項4に記載の差動プローブにおいて、
前記第1の増幅回路の周波数特性と前記第2の増幅回路の周波数特性とは、前記第1の増幅回路の前記帰還コンデンサの容量値と、前記第2の増幅回路の前記入力コンデンサの容量値とを調整することによって、同等の周波数特性になるように調整されている、差動プローブ。
【請求項6】
請求項1に記載の差動プローブにおいて、
前記増幅器は、前記リレーの入力部に抑制抵抗をさらに備える、差動プローブ。
【請求項7】
請求項1に記載の差動プローブにおいて、
前記増幅器は、前記第1の増幅回路の出力部と前記リレーとの間、及び、前記第2の増幅回路の出力部と前記リレーとの間に、それぞれ、抑制抵抗をさらに備える、差動プローブ。
【請求項8】
請求項1に記載の差動プローブにおいて、
前記第1の増幅回路は、ローパスフィルタを備え、
前記第1の増幅回路の周波数特性と前記第2の増幅回路の周波数特性とは、前記ローパスフィルタの周波数特性を調整することによって、同等の周波数特性になるように調整されている、差動プローブ。
【請求項9】
請求項8に記載の差動プローブにおいて、
前記第1の増幅回路のゲインは、1倍である、差動プローブ。
【請求項10】
請求項1に記載の差動プローブにおいて、
前記増幅器は、
第3の増幅回路と、
前記第3の増幅回路よりゲインが大きい第4の増幅回路と、
前記第3の増幅回路と前記第4の増幅回路のいずれで前記差動増幅器の出力信号を増幅するかを切り替える他のリレーと、
をさらに備え、
前記第1の増幅回路の出力部又は前記第2の増幅回路の出力部と、前記第3の増幅回路の入力部又は前記第4の増幅回路の入力部とは、前記リレー及び前記他のリレーを介して接続され、
前記第3の増幅回路の周波数特性と前記第4の増幅回路の周波数特性とは、同等の周波数特性になるように調整されている、差動プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、差動プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2つの信号の差分を検出する差動プローブが知られている。差動プローブは、例えば、オシロスコープと組み合わせて用いられる場合がある。
【0003】
差動プローブは、通常、差動増幅器を含むものが多い。例えば特許文献1は、高い同相信号除去比、高い入力インピーダンス及び広い周波数帯域を有する差動増幅器を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
差動プローブは、通常、アッテネータと、差動増幅器と、増幅器とを備えている。また、差動プローブは、通常、入力レンジを切り替えることが可能であり、入力レンジに応じて増幅器のゲインを切り替える。
【0006】
図10に、従来の差動プローブにおける増幅器200の概略構成の一例を示す。増幅器200は、反転増幅回路であり、入力抵抗R21と、入力抵抗R22と、帰還抵抗R23と、スイッチSWと、オペアンプ201とを備える。
【0007】
増幅器200は、スイッチSWのオン/オフを切り替えることによって、入力抵抗の大きさを切り替え、ゲインを切り替えることができる。
【0008】
しかしながら、
図10に示すような従来の増幅器200の場合、スイッチSWのオン/オフによってゲインを切り替えると、ゲインが大きい場合と小さい場合とで、高周波でのゲイン特性に差がでてしまう。すなわち、ゲインが大きい場合と小さい場合とで、異なる周波数特性となってしまう。このように、ゲインを切り替えたときに異なる周波数特性となってしまうと、同じ信号を測定する場合であっても、どの入力レンジで測定するかで出力波形が異なる波形となってしまう場合がある。
【0009】
図10に示すような従来の増幅器200においてゲインを切り替えた場合に異なる周波数特性となってしまう原因は、いくつかある。例えば、スイッチSWをオン/オフすることによってゲインを切り替えると、切り替えられた信号経路で寄生容量の付き方が異なるため、高周波でのゲイン特性に差がでてしまうことがある。また、一般的に、ゲインが小さいほど周波数帯域が広くなる傾向があるが、従来の増幅器200の構成では、ゲインが大きい場合と小さい場合とで周波数特性をそれぞれ調整し、周波数特性の差を低減することが困難である。
【0010】
そこで、本開示は、増幅器のゲインを切り替えたときの周波数特性の差を低減することが可能な差動プローブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
幾つかの実施形態に係る差動プローブは、2つの信号の差分を検出する差動プローブであって、前記2つの信号の一方の信号が入力される第1のアッテネータと、前記2つの信号の他方の信号が入力される第2のアッテネータと、前記第1のアッテネータの出力信号と前記第2のアッテネータの出力信号との差分を増幅する差動増幅器と、前記差動増幅器の出力信号を増幅する増幅器と、を備え、前記増幅器は、第1の増幅回路と、前記第1の増幅回路よりゲインが大きい第2の増幅回路と、前記第1の増幅回路と前記第2の増幅回路のいずれで前記差動増幅器の出力信号を増幅するかを切り替えるリレーと、を備え、前記第1の増幅回路の周波数特性と前記第2の増幅回路の周波数特性とは、同等の周波数特性になるように調整されている。このような差動プローブによれば、増幅器のゲインを切り替えたときの周波数特性の差を低減することが可能である。
【0012】
一実施形態に係る差動プローブにおいて、前記第1の増幅回路及び前記第2の増幅回路は、それぞれ、反転増幅回路であり、前記第1の増幅回路及び前記第2の増幅回路は、それぞれ、入力抵抗と、帰還抵抗と、オペアンプとを備えていてもよい。これにより、入力抵抗及び帰還抵抗の抵抗値を調整することによって、増幅器のゲインを切り替えたときの周波数特性の差を低減することができる。
【0013】
一実施形態に係る差動プローブにおいて、前記第1の増幅回路の周波数特性と前記第2の増幅回路の周波数特性とは、前記第1の増幅回路の前記入力抵抗及び前記帰還抵抗の抵抗値と、前記第2の増幅回路の前記入力抵抗及び前記帰還抵抗の抵抗値とを調整することによって、同等の周波数特性になるように調整されていてもよい。これにより、入力抵抗及び帰還抵抗の抵抗値を調整することによって、増幅器のゲインを切り替えたときの周波数特性の差を低減することができる。
【0014】
一実施形態に係る差動プローブにおいて、前記第1の増幅回路及び前記第2の増幅回路は、それぞれ、反転増幅回路であり、前記第1の増幅回路及び前記第2の増幅回路は、それぞれ、入力抵抗と、帰還抵抗と、オペアンプとを備え、前記第1の増幅回路は、前記第1の増幅回路の前記帰還抵抗と並列に接続された帰還コンデンサをさらに備え、前記第2の増幅回路は、前記第2の増幅回路の前記入力抵抗と並列に接続された入力コンデンサをさらに備えていてもよい。これにより、帰還コンデンサ及び入力コンデンサの容量値を調整することによって、増幅器のゲインを切り替えたときの周波数特性の差を低減することができる。
【0015】
一実施形態に係る差動プローブにおいて、前記第1の増幅回路の周波数特性と前記第2の増幅回路の周波数特性とは、前記第1の増幅回路の前記帰還コンデンサの容量値と、前記第2の増幅回路の前記入力コンデンサの容量値とを調整することによって、同等の周波数特性になるように調整されていてもよい。これにより、帰還コンデンサ及び入力コンデンサの容量値を調整することによって、増幅器のゲインを切り替えたときの周波数特性の差を低減することができる。
【0016】
一実施形態に係る差動プローブにおいて、前記増幅器は、前記リレーの入力部に抑制抵抗をさらに備えていてもよい。これにより、配線のインダクタンスによる影響を低減することができる。
【0017】
一実施形態に係る差動プローブにおいて、前記増幅器は、前記第1の増幅回路の出力部と前記リレーとの間、及び、前記第2の増幅回路の出力部と前記リレーとの間に、それぞれ、抑制抵抗をさらに備えていてもよい。これにより、配線のインダクタンスによる影響を低減することができる。
【0018】
一実施形態に係る差動プローブにおいて、前記第1の増幅回路は、ローパスフィルタを備え、前記第1の増幅回路の周波数特性と前記第2の増幅回路の周波数特性とは、前記ローパスフィルタの周波数特性を調整することによって、同等の周波数特性になるように調整されていてもよい。これにより、ローパスフィルタの周波数特性を調整することによって、増幅器のゲインを切り替えたときの周波数特性の差を低減することができる。
【0019】
一実施形態に係る差動プローブにおいて、前記第1の増幅回路のゲインは、1倍であってもよい。これにより、第1の増幅回路をシンプルな構成とすることができる。
【0020】
一実施形態に係る差動プローブにおいて、前記増幅器は、第3の増幅回路と、前記第3の増幅回路よりゲインが大きい第4の増幅回路と、前記第3の増幅回路と前記第4の増幅回路のいずれで前記差動増幅器の出力信号を増幅するかを切り替える他のリレーと、をさらに備え、前記第1の増幅回路の出力部又は前記第2の増幅回路の出力部と、前記第3の増幅回路の入力部又は前記第4の増幅回路の入力部とは、前記リレー及び前記他のリレーを介して接続され、前記第3の増幅回路の周波数特性と前記第4の増幅回路の周波数特性とは、同等の周波数特性になるように調整されていてもよい。これにより、4種類のゲインを選択することができる。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、増幅器のゲインを切り替えたときの周波数特性の差を低減することが可能な差動プローブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】一実施形態に係る差動プローブの概略構成を示す図である。
【
図2】一実施形態に係る増幅器の概略構成を示す図である。
【
図3】抵抗値が調整されている場合の周波数特性を示す図である。
【
図4】抵抗値が調整されていない場合の周波数特性を示す図である。
【
図5】第1の変形例に係る増幅器の概略構成を示す図である。
【
図6】第2の変形例に係る増幅器の概略構成を示す図である。
【
図7】第3の変形例に係る増幅器の概略構成を示す図である。
【
図8】第4の変形例に係る増幅器の概略構成を示す図である。
【
図9】第5の変形例に係る増幅器の概略構成を示す図である。
【
図10】従来の増幅器の概略構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0024】
図1は、一実施形態に係る差動プローブ1の概略構成を示す図である。差動プローブ1は、2つの信号の差分を検出することができる装置である。
【0025】
差動プローブ1は、第1のアッテネータ11と、第2のアッテネータ12と、差動増幅器13と、増幅器14とを備える。また、差動プローブ1は、入出力端子として、入力端子21と、入力端子22と、出力端子23とを備える。
【0026】
差動プローブ1は、入力端子21及び入力端子22に入力される2つの信号の差分を増幅し、増幅した信号を出力端子23に出力する。差動プローブ1に入力される2つの信号の一方の信号は入力端子21に入力され、他方の信号は入力端子22に入力される。
【0027】
差動プローブ1は、入力レンジを切り替えることが可能である。入力レンジを切り替える際、差動プローブ1は、第1のアッテネータ11及び第2のアッテネータ12の減衰率を適宜切り替える。また、入力レンジを切り替える際、差動プローブ1は、増幅器14のゲインを適宜切り替える。
【0028】
第1のアッテネータ11には、差動プローブ1に入力される2つの信号の一方の信号が入力端子21を介して入力される。第1のアッテネータ11は、減衰率が切り替え可能な任意の構成のアッテネータであってよい。第1のアッテネータ11は、入力された信号を減衰し、差動増幅器13に出力する。
【0029】
第2のアッテネータ12には、差動プローブ1に入力される2つの信号の他方の信号が入力端子22を介して入力される。第2のアッテネータ12は、減衰率が切り替え可能な任意の構成のアッテネータであってよい。第2のアッテネータ12は、入力された信号を減衰し、差動増幅器13に出力する。
【0030】
差動増幅器13は、第1のアッテネータ11の出力信号と第2のアッテネータ12の出力信号との差分を増幅し、増幅した信号を増幅器14に出力する。差動増幅器13は、任意の構成の差動増幅器であってよい。
【0031】
増幅器14は、差動増幅器13の出力信号を増幅し、増幅した信号を出力端子23に出力する。増幅器14は、入出力ポートとして、入力ポートP1と、出力ポートP2とを備える。増幅器14は、差動増幅器13から入力ポートP1に入力された信号を増幅し、出力ポートP2から出力端子23に出力する。
【0032】
図2は、一実施形態に係る増幅器14の概略構成を示す図である。増幅器14は、第1の増幅回路110と、第2の増幅回路120と、リレー130とを備える。
【0033】
第1の増幅回路110と第2の増幅回路120とは、ゲインが異なる増幅回路である。本実施形態においては、第2の増幅回路120のゲインが第1の増幅回路110のゲインより大きい場合を例に挙げて説明する。
【0034】
また、第1の増幅回路110の周波数特性と第2の増幅回路120の周波数特性とは、同等の周波数特性になるように調整されている。ここで、「周波数特性」とは、周波数が高くなるにつれてゲインが低下していく傾向のことを意味する。
【0035】
第1の増幅回路110と第2の増幅回路120とは、独立して構成されているため、それぞれ個別に周波数特性を調整することが可能である。そのため、第1の増幅回路110と第2の増幅回路120とは、異なるゲインであっても、第1の増幅回路110の周波数特性と第2の増幅回路120の周波数特性とが、同等の周波数特性になるように調整することが可能である。
【0036】
なお、第1の増幅回路110の周波数特性と第2の増幅回路120の周波数特性とが同等の周波数特性であるとは、完全に同一の周波数特性である場合のみを意味するのではない。第1の増幅回路110の周波数特性と、第2の増幅回路120の周波数特性とが、ほぼ同程度である場合も含む。
【0037】
リレー130は、第1の増幅回路110と第2の増幅回路120のいずれで差動増幅器13の出力信号を増幅するかを切り替える。リレー130は、任意の構成のリレーであってよい。
【0038】
リレー130の入力部は、入力ポートP1に接続されている。リレー130の出力部は、出力ポートP2に接続されている。
【0039】
第1の増幅回路110で差動増幅器13の出力信号を増幅する場合、リレー130は、入力ポートP1と第1の増幅回路110の入力部とを接続し、出力ポートP2と第1の増幅回路110の出力部とを接続する。
【0040】
第2の増幅回路120で差動増幅器13の出力信号を増幅する場合、リレー130は、入力ポートP1と第2の増幅回路120の入力部とを接続し、出力ポートP2と第2の増幅回路120の出力部とを接続する。
【0041】
図2は、第2の増幅回路120で差動増幅器13の出力信号を増幅する場合を示している。
【0042】
第1の増幅回路110は、反転増幅回路である。第1の増幅回路110は、入力抵抗R1と、帰還抵抗R2と、オペアンプ111とを備える。
【0043】
入力抵抗R1の一端は、リレー130を介して入力ポートP1に接続可能である。入力抵抗R1の他端は、帰還抵抗R2の一端と、オペアンプ111の反転入力端子とに接続されている。
【0044】
帰還抵抗R2の他端は、オペアンプ111の出力端子と接続され、リレー130を介して出力ポートP2に接続可能である。
【0045】
第2の増幅回路120は、反転増幅回路である。第2の増幅回路120は、入力抵抗R3と、帰還抵抗R4と、オペアンプ121とを備える。
【0046】
入力抵抗R3の一端は、リレー130を介して入力ポートP1に接続可能である。入力抵抗R3の他端は、帰還抵抗R4の一端と、オペアンプ121の反転入力端子とに接続されている。
【0047】
帰還抵抗R4の他端は、オペアンプ121の出力端子と接続され、リレー130を介して出力ポートP2に接続可能である。
【0048】
第1の増幅回路110の周波数特性と第2の増幅回路120の周波数特性とは、第1の増幅回路110の入力抵抗R1及び帰還抵抗R2の抵抗値と、第2の増幅回路120の入力抵抗R3及び帰還抵抗R4の抵抗値とを調整することによって、同等の周波数特性になるように調整されている。
【0049】
ここで、入力抵抗R1の抵抗値、帰還抵抗R2の抵抗値、入力抵抗R3の抵抗値及び帰還抵抗R4の抵抗値を調整するとは、同等の周波数特性にするために、適切な抵抗値が選択されていることを意味する。
【0050】
図3に、同等の周波数特性になるように、入力抵抗R1の抵抗値、帰還抵抗R2の抵抗値、入力抵抗R3の抵抗値及び帰還抵抗R4の抵抗値が調整されている場合の、第1の増幅回路110の周波数特性及び第2の増幅回路120の周波数特性の一例を示す。
【0051】
図3において、「G=-1」のグラフ、すなわちゲインが「-1倍」のグラフは、第1の増幅回路110の周波数特性を示す。第1の増幅回路110の周波数特性は、左側の縦軸でゲインを示している。
【0052】
図3において、「G=-10」のグラフ、すなわちゲインが「-10倍」のグラフは、第2の増幅回路120の周波数特性を示す。第2の増幅回路120の周波数特性は、右側の縦軸でゲインを示している。
【0053】
図3を参照すると、第1の増幅回路110の周波数特性と第2の増幅回路120の周波数特性とは、同等の周波数特性である。
【0054】
比較のため、
図4に、入力抵抗R1の抵抗値、帰還抵抗R2の抵抗値、入力抵抗R3の抵抗値及び帰還抵抗R4の抵抗値が調整されていない場合の、第1の増幅回路110の周波数特性及び第2の増幅回路120の周波数特性の一例を示す。
【0055】
図4において、「G=-1」のグラフ、すなわちゲインが「-1倍」のグラフは、第1の増幅回路110の周波数特性を示す。第1の増幅回路110の周波数特性は、左側の縦軸でゲインを示している。
【0056】
図4において、「G=-10」のグラフ、すなわちゲインが「-10倍」のグラフは、第2の増幅回路120の周波数特性を示す。第2の増幅回路120の周波数特性は、右側の縦軸でゲインを示している。
【0057】
図4を参照すると、第1の増幅回路110の方が、第2の増幅回路120よりも広い周波数帯域を有している。このように、通常、特に周波数特性が調整されていない場合、ゲインの小さい増幅回路の方がゲインの大きい増幅回路よりも広い周波数帯域を有する。
【0058】
以上のような一実施形態に係る差動プローブ1によれば、増幅器14のゲインを切り替えたときの周波数特性の差を低減することが可能となる。より具体的には、増幅器14は、第1の増幅回路110と、第1の増幅回路110よりゲインが大きい第2の増幅回路120と、第1の増幅回路110と第2の増幅回路120のいずれで差動増幅器13の出力信号を増幅するかを切り替えるリレー130と、を備えている。そして、第1の増幅回路110の周波数特性と第2の増幅回路120の周波数特性とは、同等の周波数特性になるように調整されている。このように、一実施形態に係る差動プローブ1の増幅器14は、第1の増幅回路110と第2の増幅回路120のいずれで差動増幅器13の出力信号を増幅するかをリレー130で切り替える構成であるため、第1の増幅回路110の周波数特性と、第2の増幅回路120の周波数特性とを独立して高い自由度で調整することができる。そして、第1の増幅回路110の周波数特性と第2の増幅回路120の周波数特性とは、同等の周波数特性になるように調整されている。したがって、一実施形態に係る差動プローブ1によれば、増幅器14のゲインを切り替えたときの周波数特性の差を低減することが可能となる。
【0059】
(第1の変形例)
図5は、第1の変形例に係る増幅器14aの概略構成を示す図である。
図5を参照して、第1の変形例に係る増幅器14aについて説明する。
【0060】
第1の変形例に係る増幅器14aは、第1の増幅回路110aと、第2の増幅回路120aと、リレー130とを備える。
【0061】
第1の変形例に係る増幅器14aにおいて、第1の増幅回路110aは、帰還抵抗R2と並列に接続された帰還コンデンサC1を備えるという点で、
図2に示した第1の増幅回路110と相違する。
【0062】
第1の変形例に係る増幅器14aにおいて、第2の増幅回路120aは、入力抵抗R3と並列に接続された入力コンデンサC2を備えるという点で、
図2に示した第2の増幅回路120と相違する。
【0063】
第1の変形例に係る増幅器14aについては、
図2に示した増幅器14との相違点について主に説明し、
図2に示した増幅器14と同等又は類似する点については、適宜説明を省略する。
【0064】
第1の増幅回路110aの周波数特性と第2の増幅回路120aの周波数特性とは、第1の増幅回路110aの帰還コンデンサC1の容量値と、第2の増幅回路120aの入力コンデンサC2の容量値とを調整することによって、同等の周波数特性になるように調整されている。
【0065】
第1の増幅回路110aの周波数特性と第2の増幅回路120aの周波数特性とが同等の周波数特性になるように調整されていることについて、より詳細に説明する。
【0066】
第1の増幅回路110aのゲインG1は、以下の式(1)のように表される。
【数1】
ただし、Z
R1は入力抵抗R1のインピーダンスであり、Z
R2は帰還抵抗R2のインピーダンスであり、Z
C1は帰還コンデンサC1のインピーダンスである。
【0067】
第2の増幅回路120aのゲインG2は、以下の式(2)のように表される。
【数2】
ただし、Z
R3は入力抵抗R3のインピーダンスであり、Z
R4は帰還抵抗R4のインピーダンスであり、Z
C2は入力コンデンサC2のインピーダンスである。
【0068】
第2の増幅回路120aのゲインG2は、第1の増幅回路110aのゲインG1よりも大きい。
【0069】
式(1)を参照すると、帰還コンデンサC1のインピーダンスであるZC1は、周波数が高くなると小さくなるため、第1の増幅回路110aのゲインG1は、周波数が高くなると小さくなる。すなわち、ゲインが小さい方の第1の増幅回路110aは、帰還コンデンサC1によって、周波数帯域が狭くなる。
【0070】
式(2)を参照すると、入力コンデンサC2のインピーダンスであるZC2は、周波数が高くなると小さくなるため、第2の増幅回路120aのゲインG2は、周波数が高くなると大きくなる。すなわち、ゲインが大きい方の第2の増幅回路120aは、入力コンデンサC2によって、周波数帯域が広くなる。
【0071】
このように、帰還コンデンサC1によって、ゲインが小さい方の第1の増幅回路110a周波数帯域が狭くなるように調整し、入力コンデンサC2によって、ゲインが大きい方の第2の増幅回路120aの周波数帯域が広くなるように調整することによって、第1の増幅回路110aの周波数特性と第2の増幅回路120aの周波数特性とが同等の周波数特性になるように調整することができる。
【0072】
(第2の変形例)
図6は、第2の変形例に係る増幅器14bの概略構成を示す図である。
図6を参照して、第2の変形例に係る増幅器14bについて説明する。
【0073】
第2の変形例に係る増幅器14bは、第1の増幅回路110bと、第2の増幅回路120bと、リレー130と、抑制抵抗R5と、抑制抵抗R6と、抑制抵抗R7とを備える。
【0074】
第2の変形例に係る増幅器14bにおいて、第1の増幅回路110bは、
図5に示した第1の増幅回路110aと同等である。また、第2の増幅回路120bは、
図5に示した第2の増幅回路120aと同等である。
【0075】
第2の変形例に係る増幅器14bは、抑制抵抗R5と、抑制抵抗R6と、抑制抵抗R7とを備えているという点で、
図5に示した第1の変形例に係る増幅器14aと相違する。
【0076】
第2の変形例に係る増幅器14bについては、
図5に示した第1の変形例に係る増幅器14aとの相違点について主に説明し、
図5に示した第1の変形例に係る増幅器14aと同等又は類似する点については、適宜説明を省略する。
【0077】
抑制抵抗R5は、リレー130の入力部に設けられている。
【0078】
リレー130と入力抵抗R1との間の配線によるインダクタンス、及び、リレー130と入力抵抗R3との間の配線によるインダクタンスは、高周波においてインピーダンスが増加する。そのため、これらの配線によるインダクタンスは、第1の増幅回路110b及び第2の増幅回路120bの周波数特性に影響を与えるが、抑制抵抗R5を設けることにより、これらの配線によるインダクタンスの影響を抑制することができる。
【0079】
抑制抵抗R6は、第1の増幅回路110bの出力部とリレー130との間に設けられている。抑制抵抗R7は、第2の増幅回路120bの出力部とリレー130との間に設けられている。
【0080】
リレー130とオペアンプ111の出力部との間の配線によるインダクタンス、及び、リレー130とオペアンプ121の出力部との間の配線によるインダクタンスは、高周波においてインピーダンスが増加する。そのため、これらの配線によるインダクタンスは、第1の増幅回路110b及び第2の増幅回路120bの周波数特性に影響を与えるが、抑制抵抗R6及び抑制抵抗R7を設けることにより、これらの配線によるインダクタンスの影響を抑制することができる。
【0081】
なお、
図6においては、増幅器14bが、抑制抵抗R5、抑制抵抗R6及び抑制抵抗R7を備える構成を示しているが、増幅器14bは、抑制抵抗R5、抑制抵抗R6及び抑制抵抗R7の全てを備えていなくてもよい。例えば、増幅器14bは、抑制抵抗R5を備え、抑制抵抗R6及び抑制抵抗R7を備えていなくてもよい。また、増幅器14bは、抑制抵抗R6及び抑制抵抗R7を備え、抑制抵抗R5を備えていなくてもよい。
【0082】
(第3の変形例)
図7は、第3の変形例に係る増幅器14cの概略構成を示す図である。
図7を参照して、第3の変形例に係る増幅器14cについて説明する。
【0083】
第3の変形例に係る増幅器14cは、第1の増幅回路110cと、第2の増幅回路120と、リレー130とを備える。
【0084】
第3の変形例に係る増幅器14cにおいて、第1の増幅回路110cは、ローパスフィルタ112をさらに備えるという点で、
図2に示した第1の増幅回路110と相違する。
【0085】
第3の変形例に係る増幅器14cについては、
図2に示した増幅器14との相違点について主に説明し、
図2に示した増幅器14と同等又は類似する点については、適宜説明を省略する。
【0086】
第1の増幅回路110cにおいて、ローパスフィルタ112は、オペアンプ111の出力部とリレー130との間に設けられている。
【0087】
第3の変形例に係る増幅器14cにおいて、第1の増幅回路110cの周波数特性と第2の増幅回路120の周波数特性とは、ローパスフィルタ112の周波数特性を調整することによって、同等の周波数特性になるように調整されている。
【0088】
第1の増幅回路110cの周波数特性と第2の増幅回路120の周波数特性とが同等の周波数特性になるように調整されていることについて、より詳細に説明する。
【0089】
第2の増幅回路120のゲインは、第1の増幅回路110cのゲインよりも大きい。
【0090】
通常、特に周波数特性が調整されていなければ、ゲインの小さい第1の増幅回路110cの方が、ゲインの大きい第2の増幅回路120よりも広い周波数帯域を有する。
【0091】
第1の増幅回路110cは、ローパスフィルタ112を備えていることにより、周波数帯域を狭くし、第2の増幅回路120の周波数特性と同等の周波数特性になるように、周波数特性を調整している。
【0092】
(第4の変形例)
図8は、第4の変形例に係る増幅器14dの概略構成を示す図である。
図8を参照して、第4の変形例に係る増幅器14dについて説明する。
【0093】
第4の変形例に係る増幅器14dは、第1の増幅回路110dと、第2の増幅回路120と、リレー130とを備える。
【0094】
第1の増幅回路110dは、ローパスフィルタ112を備える。
【0095】
第4の変形例に係る増幅器14dにおいて、第1の増幅回路110dは、ローパスフィルタ112のみを備え、入力抵抗R1、帰還抵抗R2及びオペアンプ111を備えていないという点で、
図7に示した第1の増幅回路110cと相違する。
【0096】
第4の変形例に係る増幅器14dについては、
図7に示した第3の変形例に係る増幅器14cとの相違点について主に説明し、
図7に示した第1の変形例に係る増幅器14cと同等又は類似する点については、適宜説明を省略する。
【0097】
第1の増幅回路110dは、入力抵抗R1、帰還抵抗R2及びオペアンプ111を備えていないため、ゲインが1倍の増幅器である。
【0098】
第1の増幅回路110dは、入力抵抗R1、帰還抵抗R2及びオペアンプ111を備えていないため、ローパスフィルタ112を備えていなければ、ほとんど高周波で減衰しない周波数特性を有するが、ローパスフィルタ112で周波数特性を調整することにより、第1の増幅回路110dの周波数特性が、第2の増幅回路120の周波数特性と同等の周波数特性になるように調整することができる。
【0099】
(第5の変形例)
図9は、第5の変形例に係る増幅器14eの概略構成を示す図である。
図9を参照して、第5の変形例に係る増幅器14eについて説明する。
【0100】
第5の変形例に係る増幅器14eは、第1の増幅回路110bと、第2の増幅回路120bと、リレー130と、第3の増幅回路140と、第4の増幅回路150と、リレー160とを備える。リレー160は、特許請求の範囲における「他のリレー」に対応する。
【0101】
第5の変形例に係る増幅器14eは、第3の増幅回路140と、第4の増幅回路150と、リレー160とを備えるという点で、
図2に示した増幅器14と相違する。
【0102】
第5の変形例に係る増幅器14eについては、
図2に示した増幅器14との相違点について主に説明し、
図2に示した増幅器14と同等又は類似する点については、適宜説明を省略する。
【0103】
第3の増幅回路140と第4の増幅回路150とは、ゲインが異なる増幅回路である。第5の変形例においては、第4の増幅回路150のゲインが第3の増幅回路140のゲインより大きい場合を例に挙げて説明する。
【0104】
第3の増幅回路140の周波数特性と第4の増幅回路150の周波数特性とは、同等の周波数特性になるように調整されている。
【0105】
第3の増幅回路140と第4の増幅回路150とは、独立して構成されているため、それぞれ個別に周波数特性を調整することが可能である。そのため、第3の増幅回路140と第4の増幅回路150とは、異なるゲインであっても、第3の増幅回路140の周波数特性と第4の増幅回路150の周波数特性とが、同等の周波数特性になるように調整することが可能である。
【0106】
リレー160は、第3の増幅回路140と第4の増幅回路150のいずれで差動増幅器13の出力信号を増幅するかを切り替える。リレー160は、任意の構成のリレーであってよい。
【0107】
リレー160の入力部は、リレー130出力部と接続されている。すわなち、第1の増幅回路110の出力部又は第2の増幅回路120の出力部と、第3の増幅回路140の入力部又は第4の増幅回路150の入力部とは、リレー130及びリレー160を介して接続されている。
【0108】
リレー160の出力部は、出力ポートP2に接続されている。
【0109】
第3の増幅回路140は、反転増幅回路である。第3の増幅回路140は、入力抵抗R8と、帰還抵抗R9と、オペアンプ141とを備える。
【0110】
入力抵抗R8の一端は、リレー160を介してリレー130の出力部に接続可能である。入力抵抗R8の他端は、帰還抵抗R9の一端と、オペアンプ141の反転入力端子とに接続されている。
【0111】
帰還抵抗R9の他端は、オペアンプ141の出力端子と接続され、リレー160を介して出力ポートP2に接続可能である。
【0112】
第4の増幅回路150は、反転増幅回路である。第4の増幅回路150は、入力抵抗R10と、帰還抵抗R11と、オペアンプ151とを備える。
【0113】
入力抵抗R10の一端は、リレー160を介してリレー130の出力部に接続可能である。入力抵抗R10の他端は、帰還抵抗R11の一端と、オペアンプ151の反転入力端子とに接続されている。
【0114】
帰還抵抗R11の他端は、オペアンプ151の出力端子と接続され、リレー160を介して出力ポートP2に接続可能である。
【0115】
第3の増幅回路140の周波数特性と第4の増幅回路150の周波数特性とは、第3の増幅回路140の入力抵抗R8及び帰還抵抗R9の抵抗値と、第4の増幅回路150の入力抵抗R10及び帰還抵抗R11の抵抗値とを調整することによって、同等の周波数特性になるように調整されている。
【0116】
第5の変形例に係る増幅器14eは、第1の増幅回路110、第2の増幅回路120及びリレー130で構成される前段と、第3の増幅回路140、第4の増幅回路150及びリレー160で構成される後段とを直列に接続することにより、以下の4種類のゲインを選択することができる。
・第1の増幅回路110及び第3の増幅回路140で増幅する
・第1の増幅回路110及び第4の増幅回路150で増幅する
・第2の増幅回路120及び第3の増幅回路140で増幅する
・第2の増幅回路120及び第4の増幅回路150で増幅する
【0117】
本開示は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。従って、先の記述は例示的であり、これに限定されない。開示の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含される。
【0118】
例えば、上述した各構成部の配置及び個数等は、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の配置及び個数等は、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
【0119】
例えば、本実施形態においては、第1の増幅回路110及び第2の増幅回路120が反転増幅器の構成の場合を例に挙げて説明したが、第1の増幅回路110及び第2の増幅回路120は、反転増幅器以外の構成の増幅器であってもよい。
【0120】
例えば、
図5に示した第1の変形例に係る増幅器14aが備えている帰還コンデンサC1及び入力コンデンサC2は、他の変形例に係る増幅器が備えていてもよい。
【0121】
例えば、
図6に示した第2の変形例に係る増幅器14bが備えている抑制抵抗R5、抑制抵抗R6及び抑制抵抗R7は、
図2に示した一実施形態に係る増幅器14又は他の実施形態に係る増幅器が備えていてもよい。
【0122】
例えば、
図7に示した第3の変形例に係る増幅器14cが備えているローパスフィルタ112は、他の変形例に係る増幅器が備えていてもよい。
【0123】
例えば、本実施形態においては、第1の増幅回路110の周波数特性と第2の増幅回路120の周波数特性とを同等の周波数特性とするようにしているが、敢えて異なる周波数特性を持たせてもよい。例えば、一方にローパスフィルタの特性を持たせ、他方にハイパスフィルタの特性を持たせてもよい。また、例えば、一方にローパスフィルタの特性を持たせ、他方にバンドパスフィルタの特性を持たせてもよい。これにより、差動プローブ1は、複数の周波数特性を切り替えることが可能となる。
【符号の説明】
【0124】
1 差動プローブ
11 第1のアッテネータ
12 第2のアッテネータ
13 差動増幅器
14、14a、14b、14c、14d、14e 増幅器
21 入力端子
22 入力端子
23 出力端子
110、110a、110b、110c、110d 第1の増幅回路
111 オペアンプ
112 ローパスフィルタ
120、120a、120b 第2の増幅回路
121 オペアンプ
130 リレー
140 第3の増幅回路
141 オペアンプ
150 第4の増幅回路
151 オペアンプ
160 リレー
200 増幅器
201 オペアンプ
P1 入力ポート
P2 出力ポート
C1 帰還コンデンサ
C2 入力コンデンサ
R1、R3、R8、R10 入力抵抗
R2、R4、R9、R11 帰還抵抗
R5~R7 抑制抵抗
R21、R22 入力抵抗
R23 帰還抵抗
SW スイッチ