(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005147
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】果汁含有飲料
(51)【国際特許分類】
A23L 2/02 20060101AFI20250108BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20250108BHJP
A23L 2/00 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
A23L2/02 A
A23L2/52 101
A23L2/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105198
(22)【出願日】2023-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】596126465
【氏名又は名称】アサヒ飲料株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】高岸 知輝
【テーマコード(参考)】
4B117
【Fターム(参考)】
4B117LC03
4B117LE10
4B117LG02
4B117LG03
4B117LG05
4B117LK08
4B117LK12
4B117LL02
4B117LP14
4B117LP17
(57)【要約】
【課題】すっきり感を維持または向上させつつ、飲みごたえと味の濃さとをより感じられるようにすることができる新規な技術を提供する。
【解決手段】果汁を含む飲料であって、(A)果汁率が10~70%であり、糖度が3~8であり、酢酸ヘキシルの含有量が5~30ppm、(B)果汁率が10~70%であり、糖度が3~8であり、酪酸エチルの含有量が1~100ppm、または(C)果汁率が10~20%であり、糖度が3~7であり、酢酸イソブチルの含有量が1~10ppmを満たす、果汁含有飲料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
果汁を含む飲料であって、
以下の(A)~(C)の少なくともいずれか1つを満たす、果汁含有飲料。
(A)果汁率が10~70%であり、糖度が3~8であり、酢酸ヘキシルの含有量が5~30ppm
(B)果汁率が10~70%であり、糖度が3~8であり、酪酸エチルの含有量が1~100ppm
(C)果汁率が10~20%であり、糖度が3~7であり、酢酸イソブチルの含有量が1~10ppm
【請求項2】
前記果汁が、リンゴ果汁、オレンジ果汁およびレモン果汁からなる群から選ばれる一種または二種以上である、請求項1または2に記載の果汁含有飲料。
【請求項3】
果汁を含む飲料において、以下の(A)~(C)の少なくともいずれか1つを満たすように、果汁率、糖度、および酢酸ヘキシル、酪酸エチルまたは酢酸イソブチルの含有量を調整することを含む、すっきり感を維持しつつ、飲みごたえと味の濃さとをより感じられるようにする方法。
(A)果汁率が10~70%であり、糖度が3~8であり、酢酸ヘキシルの含有量が5~30ppm
(B)果汁率が10~70%であり、糖度が3~8であり、酪酸エチルの含有量が1~100ppm
(C)果汁率が10~20%であり、糖度が3~7であり、酢酸イソブチルの含有量が1~10ppm
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は果汁含有飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から柑橘類やリンゴ、ぶどうなどの果汁を含む飲料が広く親しまれている(例えば特許文献1)。果汁含有飲料においては消費者の多様な好みに応えるために様々な果汁率の飲料が販売されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、果汁含有飲料において、すっきり感を維持しつつ、飲みごたえと味の濃さとをより感じられるようにすることができる新規な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、果汁含有量飲料の糖度を大きくし、同じ果汁率の飲料と比較して飲みごたえと味の濃さとをより感じることができる飲料とすることを着想したが、糖度を大きくした該飲料においては飲んだときに感じられるすっきり感が損なわれる場合があった。
鋭意研究の結果、本発明者は、特定の化合物を所定の含有量で飲料中に含有させることで、すっきり感を維持または向上させつつ、飲みごたえと味の濃さとをより感じられるようにすることができることを見出した。
【0006】
なお、本明細書において、すっきり感とは、飲料を飲んだ後に感じる味(後味)についての感覚である。すっきり感は後味がより淡泊と感じられたり、また、後味がより早くなくなったりするとすっきり感がより高いと感じられるようになる。
また、飲みごたえとは、ボディ感ともいい、飲んだときにコクや重さのある風味があり、飲み込むときに喉に抵抗を感じられるような感覚をいう。飲みごたえがより強いと飲料を飲んだことをより強く実感できる。
また、味の濃さとは、飲料を飲むときに感じられる味についての感覚である。甘味、うまみ、塩味などをより感じる場合に味の濃さをより感じると評価できる。
【0007】
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]
果汁を含む飲料であって、
以下の(A)~(C)の少なくともいずれか1つを満たす、果汁含有飲料。
(A)果汁率が10~70%であり、糖度が3~8であり、酢酸ヘキシルの含有量が5~30ppm
(B)果汁率が10~70%であり、糖度が3~8であり、酪酸エチルの含有量が1~100ppm
(C)果汁率が10~20%であり、糖度が3~7であり、酢酸イソブチルの含有量が1~10ppm
[2]
前記果汁が、リンゴ果汁、オレンジ果汁およびレモン果汁からなる群から選ばれる1種または2種以上である、[1]に記載の果汁含有飲料。
[3]
果汁を含む飲料において、以下の(A)~(C)の少なくともいずれか1つを満たすように、果汁率、糖度、および酢酸ヘキシル、酪酸エチルまたは酢酸イソブチルの含有量を調整することを含む、すっきり感を維持しつつ、飲みごたえと味の濃さとをより感じられるようにする方法。
(A)果汁率が10~70%であり、糖度が3~8であり、酢酸ヘキシルの含有量が5~30ppm
(B)果汁率が10~70%であり、糖度が3~8であり、酪酸エチルの含有量が1~100ppm
(C)果汁率が10~20%であり、糖度が3~7であり、酢酸イソブチルの含有量が1~10ppm
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、果汁含有飲料において、すっきり感を維持しつつ、飲みごたえと味の濃さとをより感じられるようにすることができる新規な技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の1つの実施形態について、詳細に説明する。本実施形態は果汁含有飲料に関する。
【0010】
本明細書において果汁含有飲料とは、果汁を原料として配合した飲料を意味する。また、果汁とは、果実を破砕して搾汁又は裏ごし等をし、必要に応じて皮、種子等を除去した液体成分をいう。また、本明細書に係る果汁には、当該液体成分を濃縮したものや、これらの希釈還元物も含まれる概念である。
【0011】
果汁が由来する果物については、例えば、柑橘類、リンゴ、アンズ、イチゴ、ウメ、サクランボ、スモモ、西洋ナシ、日本梨、ビワ、モモ、プルーン、ラズベリー、ブドウ、パイナップル、グァバ、バナナ、マンゴー、アセロラ、ライチ、パパイヤ、パッションフルーツ、ブルーベリー、キウイフルーツ、メロンなどが挙げられる。柑橘類としてはオレンジ、うんしゅうみかん、グレープフルーツ、レモン、ライム、柚子、いよかん、なつみかん、はっさく、ポンカン、シークワーサー、かぼす等が例示できる。例えばこれらのうち1種または2種以上の果物の果汁が選択されて本実施形態の飲料に含有されるようにしてもよい。
このうち、本発明に係る構成を適用することですっきり感を維持または向上させつつ、飲みごたえと味の濃さとをより感じられるようにすることができるため、飲料中にリンゴ果汁、オレンジ果汁、レモン果汁、またはこれらのうち2種以上を含む混合果汁が含有されることが好ましい。
【0012】
本実施形態の果汁含有飲料に係る果汁の調製に用いることのできる果物について、その品種、産地、熟度、大きさなどは特に限定されず、適宜設定することができる。
また、果汁として市販のジュースや濃縮ジュース、ペーストなどを用い、本実施形態の飲料を調製するようにしてもよい。具体的には、JAS規格(果実飲料の日本農林規格)で指定されたジュースや濃縮ジュースを挙げることができ、例えばこれらのうち1種または2種以上を本実施形態の果汁含有飲料調製のために用いることができる。
【0013】
本実施形態の果汁含有飲料は、以下の(A)~(C)の少なくともいずれか1つを満たす、果汁含有飲料である。
(A)果汁率が10~70%であり、糖度が3~8であり、酢酸ヘキシルの含有量が5~30ppm
(B)果汁率が10~70%であり、糖度が3~8であり、酪酸エチルの含有量が1~100ppm
(C)果汁率が10~20%であり、糖度が3~7であり、酢酸イソブチルの含有量が1~10ppm
【0014】
本明細書において、果汁率(果汁含有率)とは、果実等の食用部分を搾汁して得られ、濃縮等の処理を行っていない搾汁(ストレート果汁)の糖度(Brix値、Bx)または酸度を100%としたときの、相対濃度である。
また、本明細書において糖度は、JAS規格に基づき、試料の温度(液温度)20℃における糖用屈折計の示度をいう。糖度の測定は、公知の方法、装置を用いて行うことができる。
また、酸度は、100g中に含まれる有機酸量をクエン酸に換算した場合のグラム数(無水クエン酸g/100g)で表すことができる。酸度もまた、JAS規格の酸度測定法で定められた方法、具体的には0.1mol/L水酸化ナトリウム標準液をアルカリ溶液として使用した中和滴定法(定量式)により測定できる。
果汁率を糖度または酸度のいずれに基づいて算出するかはJAS規格に基づき果物の種類ごとに定められている。例えば、リンゴやオレンジは糖度に基づいて算出し、レモンは酸度に基づいて算出する。果汁含有率をJAS規格のBrix値に基づいて換算する場合、果汁に加えられた糖類、はちみつ等の糖度は除いて算出される。
例えば、リンゴについてはストレート果汁の糖度が(Bx10°)であるから、糖度がBx50°の濃縮リンゴ果汁を飲料中約2重量%配合した場合、10%の果汁率の飲料を得ることができる。
【0015】
酢酸ヘキシル(Hexyl acetate)、酪酸エチル(Ethyl butyrate)、および酢酸イソブチル(Isobutyl acetate)はいずれもエステル化合物である。本実施形態においては上記(A)、(B)および(C)のうち少なくともいずれか一つを満たすような態様でこれら化合物のうち一種または二種以上を含有する。
【0016】
酢酸ヘキシル、酪酸エチル、および酢酸イソブチルの含有量を調整する方法は特に限定されず、例えば市販品を用いて飲料製造過程において添加を行うなどすればよい。
また、飲料における酢酸ヘキシル、酪酸エチル、および酢酸イソブチルの含有量の測定は例えばガスクロマトグラフィー質量分析法によって行うことができる。測定は例えば以下のような条件に基づいて行うことができる。
【0017】
具体的には、GERSTEL社製MPSを用いるDHS法により、GC/MS測定に供し、以下に示す条件で測定を行うことができる。
GC:Agilent Technologies社製 7890B
MS:Agilent Technologies社製 5977B
カラム:DB-WAX UI 0.25mm×30m×0.25μm
MS条件:SIMモード
定量イオン: isobutyl acetate m/z=73, ethyl butyrate m/z=88, hexyl acetate m/z=84
捕集剤:tenax-TA
温度条件:40℃(2分)→8℃/分→230℃(5分)
キャリアガス流量:He 1ml/分
注入法:溶媒ベント
イオン源温度:230℃
【0018】
本実施形態の果汁含有飲料においては、本発明の目的を達成できる範囲で果汁や上記3成分のいずれか以外に加えて他の成分を含むようにしてもよく、特に限定されない。
具体的には、食塩、糖類や高甘味度甘味料などの甘味料、酸味料、香料、ビタミン、着色料、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、品質安定化剤、増粘剤などを挙げることができる。
また、本実施形態の果汁含有飲料はエタノールなどのアルコールを含有する飲料であってもよく、また、アルコールを実質的に含有しない飲料(具体的には、アルコールの含有量が1.0体積/体積%未満の飲料)であってもよい。
また、本実施形態の果汁含有飲料は炭酸ガスを含有する炭酸飲料であってもよい。炭酸ガスのガスボリュームは特に限定されず、当業者が適宜設定することができる。
また、本実施形態に係る飲料において酸度、pHは特に限定されない。例えばpH3.0~4.0とすることができ、3.0~3.5とすることがより好ましい。酸度(クエン酸酸度)についても0.1~1.0(g/100ml)とすることができ、酸度の下限は0.2が好ましく、酸度の上限は0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、または0.3とすることができる。
【0019】
本実施形態の果汁含有飲料の製造方法は特に限定されず、当業者が常法により製造することができる。
例えば、まず、上記(A)果汁率:10~70%、糖度:3~8、酢酸ヘキシル含有量:5~30ppm、(B)果汁率:10~70%、糖度:3~8、酪酸エチル含有量:1~100ppmまたは(C)果汁率:10~20%、糖度:3~7、酢酸イソブチル含有量:1~10ppmについて、少なくともいずれかを満たすように果汁率、糖度および成分とその含有量を選定する。
濃縮果汁を原料として用い、これを水で希釈するとともに必要に応じ糖分などを添加するなどして、選定された果汁率および糖度となるようにする。次いで、酢酸ヘキシル、酪酸エチル、または酢酸イソブチルを選定された含有量となるよう添加し、さらにその他必要に応じて加えられる成分を添加するなどして果汁含有飲料を調製する。
添加する順序などは特に限定されず、当業者が適宜設定できる。また、酢酸ヘキシル、酪酸エチル、および酢酸イソブチルは、単独の成分として添加されてもよいほか、他の成分とともに組成物として添加されるようにしてもよい、また、本実施形態の果汁含有飲料を炭酸飲料とする場合、上記希釈において炭酸水を用いる方法のほか、容器に充填する前に所定のガスボリュームになるようにカーボネーションを行うことにより、炭酸飲料とすることもできる。
【0020】
製造された本実施形態の果汁含有飲料は、特に限定されないが、例えば容器に封入された容器詰飲料とすることができる。
容器への封入方法などは特に限定されず、例えば常法に従って行うことができる。
容器も公知のものを適宜選択して用いることができ、素材や形状など特に限定されない。容器の具体例としては、例えば、紙容器、透明又は半透明のビン、PETボトル等の透明又は半透明のプラスチック容器、スチール缶やアルミニウム缶等の金属缶などが挙げられる。
また、容器詰飲料とするにあたり、必要に応じて殺菌等の工程を経て製造することができる。殺菌する方法は特に限定されず当業者が適宜設定でき、例えば、飲料を容器に充填した後に熱水シャワー殺菌等の加熱殺菌を行う方法や、飲料を殺菌してから容器に充填する方法などを挙げることができる。
【0021】
以上、本実施形態によれば、すっきり感を維持しつつ、同じ果汁率の飲料と比較して、飲みごたえと味の濃さとをより感じられるようにすることができる。その結果、嗜好性を高めて飲料の商品価値の向上に寄与することが期待できる。
【実施例0022】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0023】
[ベース液の調製]
表1に示す原料を配合し、所定の量まで加水をした後加熱殺菌し、容器詰飲料を得た。
表1に示す含有量は調製後の飲料における値である。
なお、使用した果汁中の香気成分量を分析したが、各香気成分(酢酸ヘキシル、酪酸エチル、酢酸イソブチル)は極微量(数ppb程度)しか含まれていなかった。
【0024】
【0025】
[参考試験]
表1に記載のベース液1、3、4(甘酸比40)、ベース液5、6、7、8(甘酸比30)についてパネリスト5名に分量評定法を用いて評価させた。その評点の平均値を表2、3に示した。なお、各パネリストは、各項目を以下に示す7段階で評価した。また、糖酸比40の飲料についてはべース液1を対照(各項目の表点4)とした。糖酸比30の飲料についてはべース液5を対照(各項目の表点4)とした。
結果を表2、3に示す。
【0026】
評価基準:
味の濃さ
評点7:基準と比較して非常に濃い
評点6:基準と比較して濃い
評点5:基準と比較してやや濃い
評点4:基準
評点3:基準と比較してやや薄い
評点2:基準と比較して薄い
評点1:基準と比較して非常に薄い
飲みごたえ、すっきり感
評点7:基準と比較して非常に強く感じる
評点6:基準と比較して強く感じる
評点5:基準と比較してやや感じる
評点4:基準
評点3:基準と比較してやや弱く感じる
評点2:基準と比較して弱く感じる
評点1:基準と比較して非常に弱く感じる
【0027】
【0028】
【0029】
上記表2、3に示す結果から理解できるとおり、糖度を上げることで飲みごたえや味の濃さをより感じられるようになることが認められたが、一方ですっきり感の低下が認められた。
【0030】
[試験1]
表1に記載のベース液1~4に最終濃度が表4~6に記載の濃度になるように酢酸ヘキシル、酪酸エチル、または酢酸イソブチルを添加した飲料について、参考試験と同様の評価を行った。対照(各項目の表点4)はベース液1とした。その評点の平均値を表4~6に示す。
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
表4~6から理解できるとおり、上記(A)、(B)、または(C)を満足することにより、すっきり感を維持しつつ、飲みごたえ、味の濃さを高めることができた。
【0035】
[試験2]
表1に記載のベース液3に、最終濃度が表7~9に記載の濃度になるように酢酸ヘキシル、酪酸エチル、または酢酸イソブチルを添加した飲料について、参考試験と同様の評価を行った。対照(各項目の表点4)はベース液1とした。その評点の平均値を表7~9に示す。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
表7~9から理解できるとおり、上記(A)、(B)、または(C)を満足する飲料については、すっきり感を維持しつつ、飲みごたえ、味の濃さを高めることができた。
【0040】
[試験3]
表1に記載のベース液3、10、12、13に、最終濃度が表10、11に記載の濃度になるように酢酸ヘキシル、酪酸エチル、または酢酸イソブチルを添加した飲料について参考試験と同様の評価を行った。対照(各項目の表点4)は同じ果汁率であるベース液9、1、11、13または15とした。その評点の平均値を表10、11に示す。
【0041】
【0042】
【0043】
表10、11から理解できるとおり、上記(A)、(B)、または(C)を満足する飲料については、すっきり感を維持しつつ、飲みごたえ、味の濃さを高めることができた。
【0044】
[試験4]
表12に記載のベース液17、19に、最終濃度が表12に記載の濃度になるように酢酸ヘキシル、酪酸エチル、または酢酸イソブチルを添加した飲料について、参考試験と同様の評価を行った。対照(各項目の表点4)は同じ果汁種であるベース液16、18とした。その評点の平均値を表12に示す。
【0045】
【0046】
表12から理解できるとおり、上記(A)、(B)、または(C)を満足する飲料(果汁種はオレンジまたはレモンを使用した。)については、すっきり感を維持しつつ、飲みごたえ、味の濃さを高めることができた。