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  • 特開-電池パック 図1
  • 特開-電池パック 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005153
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/271 20210101AFI20250108BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20250108BHJP
【FI】
H01M50/271 Z
H01M50/209
H01M50/271 B
H01M50/271 S
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105207
(22)【出願日】2023-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸橋 基邦
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 匡起
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA01
5H040AS04
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY05
5H040CC05
5H040CC20
(57)【要約】
【課題】拘束バンドの著しい重量増を回避しつつ、アッパーカバーの膨張を抑制することが可能な電池パックを提供すること。
【解決手段】電池パック1は、電池スタック100と、電池スタックを収容するロアケース200と、電池スタックをカバーするアッパーカバー300と、アッパーカバーを拘束する拘束バンド400と、ロアケースにアッパーカバーを締結する第1締結部材510と、拘束バンドをアッパーカバーに締結する第2締結部材520と、を備える。アッパーカバー300は、電池スタックの上方に設けられた天壁310を有し、天壁310は、第2締結部材を締結するための台座315を含む。拘束バンド400は、天壁の上方に設けられた天板部410を有し、天板部410は、一方向に延びるビード412を有し、ビード412は、台座を被覆する被覆部413を有する。第2締結部材520は、被覆部413を台座315に締結している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に並ぶように配置された複数の蓄電セルを含む電池スタックと、
前記電池スタックを収容するロアケースと、
前記電池スタックをカバーするアッパーカバーと、
前記アッパーカバーを拘束する拘束バンドと、
前記ロアケースに前記アッパーカバーを締結する第1締結部材と、
前記拘束バンドを前記アッパーカバーに締結する第2締結部材と、を備え、
前記アッパーカバーは、前記電池スタックの上方に設けられた天壁を有し、
前記天壁は、前記第2締結部材を締結するための台座を含み、
前記拘束バンドは、
前記天壁の上方に設けられた天板部を有し、
前記天板部は、前記一方向に延びるビードを有し、
前記ビードは、前記台座を被覆する被覆部を有し、
前記第2締結部材は、前記被覆部を前記台座に締結している、電池パック。
【請求項2】
前記天壁は、
薄肉部と、
前記薄肉部の厚みよりも大きな厚みを有する厚肉部と、を有し、
前記台座は、前記厚肉部に形成されている、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記台座は、前記一方向に互いに離間した位置に設けられた一対の台座部を有し、
前記薄肉部は、前記一対の台座部間に形成されている、請求項2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記第2締結部材は、前記一方向及び上下方向の双方と直交しかつ前記第1締結部材を含む平面内に設けられている、請求項1から3のいずれかに記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2019-197662号公報には、複数の電池素子を収容する外装体と、外装体に巻き付けられた固定バンドと、を備える、蓄電装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-197662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2019-197662号公報に記載される蓄電装置では、外装体の膨張をより確実に抑制するためには、固定バンドの厚みを増大させる必要があり、これにより固定バンドの重量が増大する。
【0005】
本開示の目的は、拘束バンドの著しい重量増を回避しつつ、アッパーカバーの膨張を抑制することが可能な電池パックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面に従った電池パックは、一方向に並ぶように配置された複数の蓄電セルを含む電池スタックと、前記電池スタックを収容するロアケースと、前記電池スタックをカバーするアッパーカバーと、前記アッパーカバーを拘束する拘束バンドと、前記ロアケースに前記アッパーカバーを締結する第1締結部材と、前記拘束バンドを前記アッパーカバーに締結する第2締結部材と、を備え、前記アッパーカバーは、前記電池スタックの上方に設けられた天壁を有し、前記天壁は、前記第2締結部材を締結するための台座を含み、前記拘束バンドは、前記天壁の上方に設けられた天板部を有し、前記天板部は、前記一方向に延びるビードを有し、前記ビードは、前記台座を被覆する被覆部を有し、前記第2締結部材は、前記被覆部を前記台座に締結している。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、拘束バンドの著しい重量増を回避しつつ、アッパーカバーの膨張を抑制することが可能な電池パックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態における電池パックのアッパーカバー及び拘束バンドの構成を概略的に示す斜視図である。
図2】電池パックの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0010】
図1は、本開示の一実施形態における電池パックのアッパーカバー及び拘束バンドの構成を概略的に示す斜視図である。図2は、電池パックの概略断面図である。この電池パック1は、例えば、車両に搭載される。
【0011】
図1及び図2に示されるように、電池パック1は、電池スタック100と、ロアケース200と、アッパーカバー300と、拘束バンド400と、第1締結部材510と、第2締結部材520と、を備えている。
【0012】
電池スタック100は、一方向(例えば車両の幅方向)に並ぶように配置された複数の蓄電セルを含んでいる。各蓄電セルとして、例えば、リチウムイオン電池が挙げられる。各蓄電セルは、扁平な直方体に形成されている。なお、電池スタック100は、互いに隣接する一対の蓄電セル間に配置された樹脂枠を有していてもよい。
【0013】
ロアケース200は、電池スタック100を収容している。ロアケース200は、上方に開口している。ロアケース200は、底壁210と、周壁220と、フランジ230と、を有している。
【0014】
底壁210は、電池スタック100を支持している。周壁220は、底壁210の周縁部から起立している。フランジ230は、周壁220の上端部から外向きに張り出している。
【0015】
アッパーカバー300は、電池スタック100をカバーしている。アッパーカバー300は、下方に開口している。アッパーカバー300は、天壁310と、周壁320と、フランジ330と、を有している。
【0016】
天壁310は、電池スタック100の上方に配置されており、電池スタック100を覆っている。周壁320は、天壁310の周縁部から下向きに延びている。フランジ330は、周壁320の下端部から外向きに張り出している。
【0017】
図2に示されるように、天壁310は、薄肉部310aと、薄肉部310aの厚みよりも大きな厚みを有する厚肉部310bと、を有している。図1に示されるように、薄肉部310a及び厚肉部310bの各々は、一方向及び上下方向の双方と直交する方向(例えば車両の前後方向)に延びている。図1及び図2に示されるように、薄肉部310a及び厚肉部310bは、一方向に交互に並んでいる。
【0018】
天壁310は、第2締結部材520を締結するための台座315を有している。図2に示されるように、台座315は、厚肉部310bに形成されている。本実施形態では、台座315は、一方向に互いに離間した位置に設けられた一対の台座部315aを有している。各台座部315aは、厚肉部310bに形成されている。台座部315aが形成された一対の厚肉部310b間に、薄肉部310aが形成されている。
【0019】
拘束バンド400は、アッパーカバー300を拘束している。拘束バンド400は、ロアケース200及びアッパーカバー300内の圧力の上昇時におけるアッパーカバー300の変形を抑制する機能を有している。すなわち、拘束バンド400は、アッパーカバー300を補強する機能を有している。拘束バンド400は、天板部410と、一対の側壁420と、フランジ430と、を有している。
【0020】
天板部410は、天壁310の上方に設けられている。各側壁420は、一方向における天板部410の端部から下方に延びている。フランジ430は、側壁420の下端部から一方向における外向きに張り出している。
【0021】
天板部410は、一方向に延びるビード412を有している。ビード412は、台座315を被覆する被覆部413を有している。
【0022】
第1締結部材510は、ロアケース200にアッパーカバー300を締結している。図2に示されるように、第1締結部材510は、ロアケース200のフランジ230にアッパーカバー300のフランジ330を締結している。本実施形態では、第1締結部材510は、アッパーカバー300のフランジ330とともに拘束バンド400のフランジ430をロアケース200のフランジ230に締結している。
【0023】
第2締結部材520は、拘束バンド400をアッパーカバー300に締結している。より詳細には、第2締結部材520は、被覆部413を台座315に締結している。図2に示されるように、第2締結部材520は、一方向及び上下方向の双方と直交しかつ第1締結部材510を含む平面(図2に示される面)内に設けられている。
【0024】
以上のように、本実施形態の電池パック1では、拘束バンド400の天板部410がビード412を有し、ビード412の被覆部413が第2締結部材520によって台座315に締結されているため、天壁310及び天板部410の剛性が有効に向上する。よって、拘束バンド400の著しい重量増を回避しつつ、アッパーカバー300の膨張を抑制することが可能となる。
【0025】
上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0026】
[態様1]
一方向に並ぶように配置された複数の蓄電セルを含む電池スタックと、
前記電池スタックを収容するロアケースと、
前記電池スタックをカバーするアッパーカバーと、
前記アッパーカバーを拘束する拘束バンドと、
前記ロアケースに前記アッパーカバーを締結する第1締結部材と、
前記拘束バンドを前記アッパーカバーに締結する第2締結部材と、を備え、
前記アッパーカバーは、前記電池スタックの上方に設けられた天壁を有し、
前記天壁は、前記第2締結部材を締結するための台座を含み、
前記拘束バンドは、
前記天壁の上方に設けられた天板部を有し、
前記天板部は、前記一方向に延びるビードを有し、
前記ビードは、前記台座を被覆する被覆部を有し、
前記第2締結部材は、前記被覆部を前記台座に締結している、電池パック。
【0027】
この電池パックでは、拘束バンドの天板部がビードを有し、ビードの被覆部が第2締結部材によって台座に締結されているため、アッパーカバーの天壁及び拘束バンドの天板部の剛性が有効に向上する。よって、拘束バンドの著しい重量増を回避しつつ、アッパーカバーの膨張を抑制することが可能となる。
【0028】
[態様2]
前記天壁は、
薄肉部と、
前記薄肉部の厚みよりも大きな厚みを有する厚肉部と、を有し、
前記台座は、前記厚肉部に形成されている、態様1に記載の電池パック。
【0029】
[態様3]
前記台座は、前記一方向に互いに離間した位置に設けられた一対の台座部を有し、
前記薄肉部は、前記一対の台座部間に形成されている、態様2に記載の電池パック。
【0030】
この態様では、拘束バンド及び天壁の剛性が確保されつつ、天壁の重量が低減される。
【0031】
[態様4]
前記第2締結部材は、前記一方向及び上下方向の双方と直交しかつ前記第1締結部材を含む平面内に設けられている、態様1から3のいずれかに記載の電池パック。
【0032】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0033】
1 電池パック、100 電池スタック、200 ロアケース、210 底壁、220 周壁、230 フランジ、300 アッパーカバー、310 天壁、310a 薄肉部、310b 厚肉部、315 台座、315a 台座部、320 周壁、330 フランジ、400 拘束バンド、410 天板部、412 ビード、413 被覆部、420 側壁、430 フランジ、510 第1締結部材、520 第2締結部材。
図1
図2