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特開2025-5154電動作業機械のベースフレームおよび電動作業機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005154
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】電動作業機械のベースフレームおよび電動作業機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/08 20060101AFI20250108BHJP
   E02F 9/00 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
E02F9/08 Z
E02F9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105209
(22)【出願日】2023-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 敬史
(72)【発明者】
【氏名】大門 正樹
(57)【要約】
【課題】大容量のバッテリの設置に適した、電動作業機械のベースフレームを提供する。
【解決手段】電動作業機械のベースフレームは、上面と下面とを有するベースプレートと、作業機を支持する第1および第2のビームとを備える。第1のビームと第2のビームとは、上面側で第1の方向に延び、かつ、第1の方向と下面から上面への向きとに垂直な第2の方向において互いに離間した状態で対向している。上面は、上方にバッテリが設置され、かつ、第1および第2の方向に広がる第1の領域を有する。ベースフレームは、上面側において第1の領域の上方または下面側において第1の領域の下方に設置され、かつ、ベースフレームの上面視において第2の方向に交差する方向に延びた第3のビームをさらに備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機とバッテリとを有する電動作業機械のベースフレームであって、
上面と下面とを有するベースプレートと、
各々が前記作業機を支持する第1および第2のビームとを備え、
前記第1のビームと前記第2のビームとは、前記上面側で第1の方向に延び、かつ、前記第1の方向と前記下面から前記上面への向きとに垂直な第2の方向において互いに離間した状態で対向しており、
前記上面は、上方にバッテリが設置され、かつ、前記第1および第2の方向に広がる第1の領域を有し、
前記上面側において前記第1の領域の上方または前記下面側において前記第1の領域の下方に設置され、かつ、前記ベースフレームの上面視において前記第2の方向に交差する方向に延びた第3のビームをさらに備える、電動作業機械のベースフレーム。
【請求項2】
前記第1および第2のビームの各々は、前記第1の方向に沿って、前記作業機を支持する第1の端部と、前記第1の端部とは反対側の第2の端部とを有し、
前記第1の領域は、前記第1の端部よりも前記第2の端部側に位置する、請求項1に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【請求項3】
前記第3のビームは、前記第1の領域の上方において前記第1の方向に延びている、請求項2に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【請求項4】
前記第1および第2のビームの各々は、互いに対向する第1の側面と、前記第1の側面とは反対側の第2の側面とを有し、
前記第3のビームは、前記第1および第2のビームの一方の前記第1の側面または前記第2の側面に当接した状態で設置されている、請求項3に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【請求項5】
前記第1のビームは、前記第2の方向において、前記第2のビームよりも前記ベースプレートの中央側に設置されており、
前記第3のビームは、前記第1のビームの前記第2の側面に当接した状態で設置されている、請求項4に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【請求項6】
前記上面は、前記第1の領域よりも前記第1の端部側に、前記第1および第2の方向に広がった第2の領域をさらに有し、
前記第1、第2、および第3のビームは、前記第1および第2の領域の上方に設置されている、請求項4に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【請求項7】
前記第1のビームは、前記第2の方向において、前記第2のビームと前記第3のビームとの間に配置されており、
前記第1のビームと前記第3のビームとは、前記第2の方向において離間している、請求項3に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【請求項8】
前記第3のビームは、前記第2の方向において、前記第1のビームと前記第2のビームとの間に配置されており、かつ、前記第2の方向において前記第1および第2のビームの各々と離間している、請求項3に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【請求項9】
前記第1の領域の上方に設置され、かつ、前記第1の方向に延びた第4のビームをさらに備え、
前記第4のビームは、前記第1のビームに対して前記第3のビームとは反対側に設置されている、請求項8に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【請求項10】
各々が前記第1の領域の上方に設置され、かつ、各々が前記第1の方向に延びた第4および第5のビームをさらに備え、
前記第4のビームは、前記第2の方向において、前記第1のビームと前記第2のビームとの間に配置されており、かつ、前記第2の方向において前記第1および第2のビームの各々と離間しており、
前記第5のビームは、前記第1および第3のビームに対して前記第4のビームとは反対側に設置されている、請求項5に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【請求項11】
前記上面は、前記第1の領域よりも前記第1の端部側に、前記第1および第2の方向に広がった第2の領域をさらに有し、
前記第1および第2のビームは、前記第1および第2の領域の上方に設置されており、
前記第1および第2の領域のうちの前記第1の領域にのみ積層され、かつ、前記ベースプレートに固定された積層プレートをさらに備え、
前記第1のビームと前記第2のビームと前記第3のビームとは、少なくとも前記積層プレートに固定されている、請求項3に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【請求項12】
前記第3のビームは、前記ベースプレートと前記積層プレートとのうち前記積層プレートのみに固定されている、請求項11に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【請求項13】
前記ベースフレームは、レボルビングフレームであり、かつ、前記上面とは反対側の第2の面をさらに有し、
前記ベースフレームには、前記第2の領域において、前記第1のビームと前記第2のビームとの間に、前記第2の面から前記上面に向かって、前記電動作業機械の旋回軸が挿入される貫通孔が形成されている、請求項11に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【請求項14】
前記第3のビームは、前記第1および第2のビームよりも前記第1の方向の長さが短い、請求項1に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【請求項15】
前記第3のビームは、前記第1の方向に沿って、前記作業機側の第3の端部と、前記第3の端部とは反対側の第4の端部とを有し、
前記ベースフレームの側面視において、前記第3および第4の端部のうち少なくとも第3の端部は、前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置する、請求項14に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【請求項16】
電動作業機械であって、
作業機と、
バッテリと、
前記作業機を支持し、かつ、前記バッテリが搭載されるベースフレームとを備え、
前記ベースフレームは、
プレート部材と、
各々が前記プレート部材から上方に立ち上がり、かつ、前後方向に延びた第1および第2のビームと、
前記プレート部材の上方または下方に接続され、かつ、左右方向に交差する方向に延びた第3のビームとを含み、
前記第1および第2のビームには、前記作業機が取り付けられ、
前記第1、第2、および第3のビームの各々は、少なくとも一部が前記バッテリの直下に位置する、電動作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動作業機械のベースフレームおよび電動作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ショベル等の作業機械においては、環境問題等に配慮して電動式作業機械が提案されている。たとえば特開2012-202067号公報(特許文献1)に示された電動式ショベルでは、従来の油圧ショベルにおけるエンジンに代えて、バッテリにより駆動される電動モータが用いられる。特許文献1の電動式油圧ショベルでは、旋回フレームの後端部にバッテリが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-202067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動作業機械の連続稼働時間を長くするためには、大容量のバッテリを電動作業機械のベースフレームに設置する必要がある。大容量のバッテリは重量物のため、ベースフレームには大きな荷重が加わり、ベースフレームが撓む。それゆえ、ベースフレームの強度を高めることが求められる。
【0005】
本開示は、大容量のバッテリの設置に適した、電動作業機械のベースフレームおよび電動作業機械を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある局面に従うと、作業機とバッテリとを有する電動作業機械のベースフレームは、上面と下面とを有するベースプレートと、各々が作業機を支持する第1および第2のビームとを備える。前記第1のビームと第2のビームとは、上面側で第1の方向に延び、かつ、第1の方向と下面から上面への向きとに垂直な第2の方向において互いに離間した状態で対向している。上面は、上方にバッテリが設置され、かつ、第1および第2の方向に広がる第1の領域を有する。電動作業機械のベースフレームは、上面側において第1の領域の上方または下面側において第1の領域の下方に設置され、かつ、ベースフレームの上面視において第2の方向に交差する方向に延びた第3のビームをさらに備える。
【0007】
本開示の他の局面に従うと、電動作業機械は、作業機と、バッテリと、作業機を支持し、かつ、バッテリが搭載されるベースフレームとを備える。ベースフレームは、プレート部材と、各々がプレート部材から上方に立ち上がり、かつ、前後方向に延びた第1および第2のビームと、プレート部材の上方または下方に接続され、かつ、左右方向に交差する方向に延びた第3のビームとを含む。第1および第2のビームには、作業機が取り付けられる。第1、第2、および第3のビームの各々は、少なくとも一部がバッテリの直下に位置する。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成によれば、ベースフレームが第3のビームによって強度が高まるため、大容量のバッテリの設置に適する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ベースフレームの斜視図である。
図2】ベースフレームの上面図である。
図3】メインビームの側面図である。
図4】メインビームの側面図である。
図5】サブビームの側面図である。
図6】サブビームの側面図である。
図7】サブビームの側面図である。
図8】ベースプレートの上面図である。
図9】ベースフレームにバッテリを設置した状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について図に基づいて説明する。以下の説明では、同一部品には、同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
以下では、電動作業機械のベースフレームについて説明する。電動作業機械では、バッテリから供給される電力により電動モータが駆動する。電動モータの駆動により、油圧ポンプが動作する。油圧ポンプの動作により、作業機等が動作する。本実施の形態では、電動作業機械として、バケットとアームとブームとを有する作業機と、バッテリと、電動モータとを備えた油圧ショベルを例に挙げて説明する。なお、電動作業機械は、ショベルに限定されず、ホイールローダ、モータグレーダ等であってもよい。
【0012】
以下の説明において、「上」「下」「前」「後」「左」「右」とは、電動作業機械の運転室の運転席(シート)に着座したオペレータを基準とする用語である。なお、電動作業機械は、運転室を必ずしも備える必要はない。
【0013】
さらに、以下では、前向きと後向きとを含む前後方向を「D1方向」とも称する。左向きと右向きとを含む左右方向を「D2方向」とも称する。上向きと下向きとを含む上下方向を「D3方向」とも称する。D1方向と、D2方向と、D3方向とは、互いに垂直な方向である。
【0014】
(A.全体構成)
図1は、ベースフレームの斜視図である。図1に示されるように、ベースフレーム1は、プレート部材5と、メインビーム50,60と、サブビーム70,80,90と、6つのマウント取付部110A~110Fと、マウント取付部120,130とを備える。プレート部材5は、ベースプレート10,20と、積層プレート30,40とを含む。ベースフレーム1は、本例では、レボルビングフレームである。
【0015】
なお、以下では、説明の便宜上、マウント取付部110A~110Fの任意の1つを、「マウント取付部110」とも称する。さらに、以下では、ベースプレート10,20と、積層プレート30,40との4つのプレートを合わせたものを、「プレート部材」とも称する。
【0016】
メインビーム50とメインビーム60とは、ビーム対をなす。メインビーム50とメインビーム60とは、「縦板」、「竜骨」とも称される。サブビーム70,80,90は、補強材であり、「リブ」とも称される。
【0017】
ベースプレート10は、前端部11と、後端部12と、左端部13と、右端部14とを備える。ベースプレート10は、上面101と、上面101とは反対側の下面102とを備える。上面101は、電動モータ(図視せず)を設置する領域15を有する。
【0018】
ベースプレート10には、ショベルの旋回軸(図示せず)が挿入される貫通穴16が形成されている。メインビーム50とメインビーム60との間に、下面102から上面101に向かって、貫通穴16が形成されている。
【0019】
ベースプレート20は、ベースプレート10の左端部13側に設けられている。ベースプレート20は、ベースプレート10に沿って、前後方向(D1方向)に延びている。ベースプレート20は、ベースプレート10に接続されている。ベースプレート20にはベースプレート10よりも大きな荷重が加わらないため、ベースプレート20の厚みは、ベースプレート10の厚みより薄い。
【0020】
なお、本例では、ベースプレートとして、2つのベースプレート10,20を備える構成を例に挙げているが、これに限定されるものではない。たとえば、ベースプレートを1枚のベースプレートで構成してもよい。
【0021】
積層プレート30は、ベースプレート10に積層された状態でベースプレート10に固定されている。積層プレート30は、ベースプレート10の一部に積層されている。積層プレート30は、ベースプレート10の前端部11よりも後端部12側において、ベースプレート10に積層されている。積層プレート30は、マウント取付部130よりも後側において、ベースプレート10に積層されている。積層プレート30は、補強プレートとして機能する。積層プレート30の設置領域については、後述する。
【0022】
積層プレート40は、積層プレート30に積層された状態で積層プレート30に固定されている。積層プレート40は、積層プレート30の一部に積層されている。積層プレート40は、ベースプレート10の後端部12側において、積層プレート30に積層されている。積層プレート40は、補強プレートとして機能するのみならず、電動作業機械のカウンタウェイトとしても機能する。
【0023】
メインビーム50は、ベースプレート10の上面101上において、ベースプレート10の前後方向(D1方向)に延びている。メインビーム50は、積層プレート30上においても、D1方向に延びている。メインビーム50は、ベースプレート10と、積層プレート30とに固定されている。メインビーム50は、プレート部材5から上方(鉛直上向き方向)に立ち上がっている。メインビーム50は、ベースプレート10の左右方向(D2方向)において、メインビーム60よりもベースプレート10の中央側に設置されている。
【0024】
メインビーム60は、メインビーム50と同様、ベースプレート10の上面101上において、ベースプレート10の前後方向(D1方向)に延びている。メインビーム60は、積層プレート30上においても、D1方向に延びている。メインビーム60は、積層プレート40上においても、D1方向に延びている。メインビーム60は、ベースプレート10と、積層プレート30と、積層プレート40とに固定されている。メインビーム60も、メインビーム50と同様に、プレート部材5から上方に立ち上がっている。
【0025】
メインビーム50,60は、作業機を支持する。メインビーム50とメインビーム60とは、ベースプレート10の左右方向(D2方向)において、互いに離間した状態で対向している。メインビーム50とメインビーム60とは、ベースプレート10の前後方向(D1方向)とベースプレート10の下面102から上面101への向き(上向き)とに垂直な左右方向(D2方向)において、互いに離間した状態で対向している。本例では、メインビーム50の厚み(D2方向の長さ)と、メインビーム60の厚みとは同じである。
【0026】
サブビーム70は、ベースプレート10上と、積層プレート30上と、積層プレート40上とにおいて、D1方向に延びている。サブビーム70は、ベースプレート10と、積層プレート30と、積層プレート40とに固定されている。サブビーム70は、メインビーム50よりも左端部13側に設置されている。サブビーム70は、メインビーム50に関し、メインビーム60とは反対側に設けられている。サブビーム70は、メインビーム50とマウント取付部130とに当接している。サブビーム70は、D2方向において、メインビーム50とマウント取付部130との間に位置する。
【0027】
サブビーム70の厚みは、メインビーム50の厚みよりも厚い。サブビーム70の高さ(D3方向の長さ)は、ベースプレート10の後端部12側において、メインビーム50の高さよりも高い。
【0028】
サブビーム80は、積層プレート30上と、積層プレート40上とにおいて、D1方向に延びている。サブビーム80は、積層プレート30と、積層プレート40とに固定されている。詳しくは、サブビーム80は、ベースプレート10と積層プレート30,40とのうち積層プレート30,40のみに当接している。サブビーム80は、ベースフレーム1の上面視において、メインビーム50とメインビーム60との間に位置する。サブビーム80は、D2方向において、メインビーム50とメインビーム60との間に位置する。サブビーム80は、D2方向においてメインビーム50,60の各々と離間している。
【0029】
サブビーム90は、ベースプレート10上と、積層プレート30上とにおいて、D1方向に延びている。サブビーム90は、ベースプレート10と、積層プレート30とに固定されている。サブビーム90は、前側がマウント取付部130に当接している。サブビーム90は、メインビーム50とサブビーム70とに対して、サブビーム80とは反対側に設置されている。サブビーム90は、D2方向において、サブビーム70と離間している。
【0030】
以上のように、ベースフレーム1では、D2の方向において、ベースプレート10の左端部13から右端部14に向かう方向に、サブビーム90と、サブビーム70と、メインビーム50と、サブビーム80と、メインビーム60とが、この順に配置されている。各サブビーム70,80,90は、メインビーム50,60と同様に、プレート部材5から上方に立ち上がっている。
【0031】
各マウント取付部110には、大容量のバッテリ(図9参照)を支持する各ビスカスマウントが取り付けられる。詳しくは、各マウント取付部110には、貫通穴111が形成されている。貫通穴111にビスカスマウントが挿入される。このように、各マウント取付部110によって、バッテリが支持される。なお、バッテリは、複数の電池セルを有する。各電池セルは、所定の方向に積層されている。
【0032】
マウント取付部120,130には、運転室(図示せず)を支持する各ビスカスマウントが取り付けられる。詳しくは、マウント取付部120には、D2方向に沿って2つの貫通穴121が形成されている。マウント取付部130には、D2方向に沿って2つの貫通穴131が形成されている。各貫通穴121,131にビスカスマウントが挿入される。このように、各マウント取付部120,130によって、運転室が支持される。
【0033】
マウント取付部120はマウント取付部130よりも前方側に位置する。マウント取付部130は、D1方向において、マウント取付部120よりもベースプレート10の中央側に設置されている。オペレータは、マウント取付部120,130のうちマウント取付部120側を向いて運転席に着座する。
【0034】
図2は、ベースフレーム1の上面図である。図2に示されるように、メインビーム50は、左端部13側の側面51と、右端部14側の側面52とを備える。メインビーム60は、左端部13側の側面61と、右端部14側の側面62とを備える。
【0035】
サブビーム70は、左端部13側の側面71と、右端部14側の側面72とを備える。サブビーム80は、左端部13側の側面81と、右端部14側の側面82とを備える。サブビーム90は、左端部13側の側面91と、右端部14側の側面92とを備える。
【0036】
メインビーム50の側面52と、メインビーム60の側面61とは、D2方向において対向している。メインビーム50の側面51は、サブビーム70の側面72と当接している。メインビーム60の側面62は、マウント取付部110Fに当接している。
【0037】
このように、メインビーム50,60の各々は、互いに対向する側面52,61と、当該側面52,61とは反対側の側面51,62とを有する。サブビーム70は、メインビーム50の側面51に当接した状態で設置されている。
【0038】
メインビーム50の側面52は、サブビーム80の側面81とも対向している。メインビーム60の側面61は、サブビーム80の側面82とも対向している。サブビーム70の側面71は、サブビーム90の側面92と対向している。サブビーム90の側面91は、マウント取付部110Aに当接している。
【0039】
サブビーム70,80,90は、D1方向における長さが、メインビーム50,60よりも短い。詳しくは、サブビーム90は、サブビーム80よりも短い。サブビーム80は、サブビーム70よりも短い。サブビーム70は、メインビーム50よりも短い。メインビーム50は、メインビーム60よりも短い。
【0040】
マウント取付部120,130は、ベースプレート10上に設置されている。マウント取付部110A,110B,110Fは、積層プレート30上に設置されている。マウント取付部110C,110Dは、積層プレート40上に設置されている。マウント取付部110Eは、積層プレート30上と積層プレート40上とに設置されている。
【0041】
マウント取付部110A,110B,110Cは、メインビーム50よりも左側に設置されている。マウント取付部110Cは、D2方向において、サブビーム90とメインビーム50との間に設置されている。マウント取付部110Dは、D2方向において、メインビーム50とメインビーム60との間に設置されている。マウント取付部110E,110Fは、メインビーム60よりも右側に設置されている。
【0042】
ベースフレーム1の上面視において、積層プレート30は、ベースプレート10の外周枠内に収まっている。同様に、ベースフレーム1の上面視において、積層プレート40は、積層プレート30の外周枠内に収まっている。
【0043】
ベースフレーム1上に、バッテリ、運転室等の各機器を設置(搭載)したときの電動作業機械の上部旋回体の重心位置は、ベースフレーム1の上面視において、メインビーム60よりもメインビーム50に近い位置にある。詳しくは、上部旋回体の重心位置は、サブビーム80よりもメインビーム50に近い位置にある。より詳しくは、本例では、重心位置は、メインビーム50上に位置している。
【0044】
(B.ビーム)
図3は、メインビーム50の側面図である。図3に示されるように、メインビーム50は、上述した側面51に加えて、前端部53と、後端部54とをさらに備える。前端部53は、電動作業機械の作業機を支持する。詳しくは、前端部53は、作業機のブームを支持する。このように、メインビーム50は、D1方向に沿って、作業機を支持する前端部53と、前端部53とは反対側の後端部54とを有する。
【0045】
メインビーム50は、貫通穴55,56をさらに備える。貫通穴55には、作業機のブームをメインビーム50に取り付けるフートピンが挿入される。貫通穴56には、ブームを動作させるブームシリンダをメインビーム50に取り付けるピンが挿入される。
【0046】
メインビーム50は、下端面59をさらに備える。下端面59は、領域591と、領域592と、領域593とを有する。領域591と領域592とは、矩形状である。領域591と領域592とは、長手方向がD1方向である。領域593も矩形状である。領域593は、D3方向に延びている。下端面59においては、前端部53側から後端部54側に向かって、領域591と、領域593と、領域592とが、この順に連続している。
【0047】
領域591は、ベースプレート10の上面101に当接している。領域592は、積層プレート30の上面(主面)に当接している。領域593は、積層プレート30の厚み方向の端面に当接している。
【0048】
図4は、メインビーム60の側面図である。図4に示されるように、メインビーム60は、上述した側面61に加えて、前端部63と、後端部64とをさらに備える。前端部63は、メインビーム50の前端部53とともに作業機を支持する。詳しくは、前端部63は、作業機のブームを支持する。このように、メインビーム60は、D1方向に沿って、作業機を支持する前端部63と、前端部63とは反対側の後端部64とを有する。
【0049】
メインビーム60は、貫通穴65,66をさらに備える。貫通穴65には、作業機のブームをメインビーム60に取り付けるフートピンが挿入される。貫通穴66には、ブームを動作させるブームシリンダをメインビーム60に取り付けるピンが挿入される。
【0050】
メインビーム60は、下端面69をさらに備える。下端面69は、領域691と、領域692と、領域693と、領域694と、領域695とを有する。領域691は、D1方向における中程の一部の除き、矩形状である。領域692と領域693とは、矩形状である。領域692と領域693とは、長手方向がD1方向である。領域694と領域695とも矩形状である。領域694と領域695とは、D3方向に延びている。
【0051】
下端面69においては、前端部63側から後端部64側に向かって、領域691と、領域694と、領域692と、領域695と、領域693とが、この順に連続している。
【0052】
領域691は、ベースプレート10の上面101に当接している。領域692は、積層プレート30の上面に当接している。領域693は、積層プレート40の上面(主面)に当接している。領域694は、積層プレート30の厚み方向の端面に当接している。領域695は、積層プレート40の厚み方向の端面に当接している。
【0053】
図5は、サブビーム70の側面図である。図5に示されるように、サブビーム70は、上述した側面71に加えて、D1方向に沿って、前端部73と、前端部73とは反対側の後端部74とを有する。
【0054】
サブビーム70は、下端面79をさらに備える。下端面79は、領域791と、領域792と、領域793と、領域794と、領域795とを有する。領域791と領域792と領域793とは、長手方向がD1方向となる矩形状である。領域794と領域795とは、D3方向に延びている。下端面79においては、前端部73側から後端部74側に向かって、領域791と、領域794と、領域792と、領域795と、領域793とが、この順に連続している。
【0055】
領域791は、ベースプレート10の上面101に当接している。領域792は、積層プレート30の上面に当接している。領域793は、積層プレート40の上面に当接している。領域794は、積層プレート30の厚み方向の端面に当接している。領域795は、積層プレート40の厚み方向の端面に当接している。
【0056】
ベースフレーム1の側面視において、前端部73および後端部74のうち少なくとも前端部73は、メインビーム50,60の前端部53,63と後端部54,64との間に位置する。
【0057】
図6は、サブビーム80の側面図である。図6に示されるように、サブビーム80は、上述した側面81に加えて、D1方向に沿って、前端部83と、前端部83とは反対側の後端部84とを有する。
【0058】
サブビーム80は、下端面89をさらに備える。下端面89は、領域891と、領域892と、領域893とを有する。領域891と領域892とは、長手方向がD1方向の矩形状である。領域893は、D3方向に延びている。下端面89においては、前端部83側から後端部84側に向かって、領域891と、領域893と、領域892とが、この順に連続している。
【0059】
領域891は、積層プレート30の上面に当接している。領域892は、積層プレート40の上面に当接している。領域893は、積層プレート40の厚み方向の端面に当接している。
【0060】
ベースフレーム1の側面視において、前端部83および後端部84のうち少なくとも前端部83は、メインビーム50,60の前端部53,63と後端部54,64との間に位置する。
【0061】
図7は、サブビーム90の側面図である。図7に示されるように、サブビーム90は、上述した側面91に加えて、D1方向に沿って、前端部93と、前端部93とは反対側の後端部94とを有する。
【0062】
サブビーム90は、下端面99をさらに備える。下端面99は、領域991と、領域992と、領域993とを有する。領域991と領域992とは、長手方向がD1方向の矩形状である。領域993は、D3方向に延びている。下端面99においては、前端部93側から後端部94側に向かって、領域991と、領域993と、領域992とが、この順に連続している。
【0063】
領域991は、ベースプレート10の上面101の上面に当接している。領域992は、積層プレート30の上面に当接している。領域993は、積層プレート30の厚み方向の端面に当接している。
【0064】
ベースフレーム1の側面視において、前端部93および後端部94のうち少なくとも前端部93は、メインビーム50,60の前端部53,63と後端部54,64との間に位置する。
【0065】
図8は、ベースプレート10の上面図である。図8に示されるように、ベースプレート10は、上面101と、下面102とを備える。上面101は、上方にバッテリが設置され、かつ、前端部11よりも後端部12側でD1方向およびD2方向に広がる領域R1を有する。上面101は、領域R1よりも前端部11側に、D1方向およびD2方向に広がった領域R2をさらに有する。
【0066】
領域R1の全面は、積層プレート30によって覆われる。このように、領域R1は、積層プレート30の載置位置を示している。6つのマウント取付部110(図2参照)は、積層プレート30の縁部に位置する。よって、6つのマウント取付部110は、ベースフレーム1の上面視において、領域R1の縁部に位置する。このため、領域R1は、6つのマウント取付部110で規定される。なお、領域R2に、貫通穴16が形成されている。
【0067】
(C.バッテリの設置例)
図9は、ベースフレーム1にバッテリ900を設置した状態を示した斜視図である。電動作業機械1000のバッテリ900は、電動作業機械1000のベースフレーム1の後端部12側に設置される。バッテリ900は、6つのビスカスマウント800によって、ベースフレーム1に支持される。ビスカスマウント800は、マウント取付部110に取り付けられる。
【0068】
メインビーム50,60およびサブビーム70,80,90は、電動作業機械1000の上面視において、バッテリ900と重なる。メインビーム50,60は、少なくとも一部がバッテリ900の直下に位置する。サブビーム70,90も、少なくとも一部がバッテリ900の直下に位置する。サブビーム80は、全体がバッテリ900の直下に位置する。
【0069】
ところで、電動作業機械1000の走行時の振動によって、ベースフレーム1に対するバッテリ900の相対位置が、D1方向またはD2方向に大きく変位することがある。このような変位を防止するため、ベースフレーム1においては、変位抑制のためのストッパが各ビスカスマウント800(くわしくは、ビスカスマウント800のブラケット)の周囲に設置されている。
【0070】
図1に示した部品19は、上記ストッパの一部分である。部品19には、上方に他の部品が接続される。これらの部品には、ブラケットの下側部位と、ブラケットの上側部位と、ブラケットの側部との各々に隙間調整部材としてのボルトが接続される。このような構成により、バッテリの上下方向の変位と、バッテリの後方への変位とを一定量以下に制限できる。
【0071】
ストッパの位置を変更することにより、バッテリの前方、右方、または左方への変位も一定量以下に制限できる。ストッパの数を増やすことにより、バッテリの前方、右方、および左方への変位も一定量以下に制限できる。ブラケットとボルトとの間の隙間をボルトにより調整することにより、変位の許容量も調整できる。
【0072】
(D.小括)
ベースプレート10の構成の一部を小括すると、以下のとおりである。
【0073】
(1)バッテリ900は、ベースプレート10の領域R1(図8)の上方に設置される。図1図2および図8に示すように、ベースフレーム1は、メインビーム50,60に加え、領域R1の上方に設置され、かつ、D1方向に延びたサブビーム70,80,90を備える。
【0074】
大容量のバッテリ900は重量物のため、ベースフレーム1には大きな荷重が加わる。その結果、ベースフレーム1を撓ませようとする力がベースフレーム1に対して作用する。しかしながら、本例によれば、サブビーム70,80,90によって、ベースプレート10を補強できるため、ベースフレーム1の強度を高めることができる。それゆえ、ベースフレーム1は、大容量のバッテリの設置に適した構成を有する。
【0075】
(2)図8に示すように、領域R1は、ベースプレート10の前端部11よりも後端部12側に位置する。このため、バッテリ900の荷重によって、ベースフレーム1に大きな曲げモーメントが作用する。詳しくは、バッテリ900の荷重による曲げモーメントに基づく曲げ応力がベースプレート10に加わる。
【0076】
ベースフレーム1によれば、バッテリ900によって生じる曲げ応力を、ベースプレート10とメインビーム50,60とサブビーム70,80,90とに分散できる。したがって、ベースフレーム1によれば、サブビーム70,80,90を備えていない構成に比べて、ベースフレーム1の撓み量を低減することができる。
【0077】
(3)図2に示すように、メインビーム50は、D2方向において、メインビーム60よりもベースプレート10の中央側に設置されている。サブビーム70は、メインビーム50の側面51に当接した状態で設置されている。このような構成によれば、サブビーム70によって、メインビーム60よりもベースプレート10の中央側のメインビーム50を補強できる。
【0078】
図2に示すように、サブビーム70の厚みはメインビーム50の厚みよりも厚い。それゆえ、サブビーム70の厚みがメインビーム50の厚みよりも薄い場合に比べて、メインビーム50の補強度合いを大きくできる。
【0079】
図1に示すように、サブビーム70の高さは、ベースプレート10の後端部12側において、メインビーム50の高さよりも高い。サブビーム70の高さを高くすることによって、後端部12側におけるサブビーム70の横断面(D1方向に平行な法線ベクトルを持つ面)の面積を大きくできる。それゆえ、後端部12側において、サブビーム70の高さがメインビーム50の高さよりも低い場合に比べて、メインビーム50の補強度合いを大きくできる。
【0080】
本例では、電動作業機械1000の上部旋回体の重心位置は、ベースフレーム1の上面視において、メインビーム50上に位置している。したがって、サブビーム70によれば、重心位置に近い位置で、ベースプレート10を補強できる。
【0081】
(4)メインビーム50,60に加えてサブビーム70,80も、領域R1および領域R2(図8)の上方に設置されている。それゆえ、サブビーム70,80が領域R1のみの上方に設置されている構成に比べて、ベースフレーム1の強度を高くすることができる。
【0082】
(5)メインビーム50は、D2方向において、メインビーム60とサブビーム90との間に配置されている。メインビーム50とサブビーム90とは、D1方向において離間している。このような構成によれば、メインビーム50とメインビーム60とからなるビーム対のD2方向に対する外側領域において、サブビーム90によってベースプレート10を補強することができる。
【0083】
図2に示すように、サブビーム90はマウント取付部110Aに当接している。したがって、サブビーム90がマウント取付部110Aに当接していない構成に比べて、マウント取付部110Aに加わる曲げ応力を小さくすることができる。
【0084】
(6)サブビーム80は、D2方向において、メインビーム50とメインビーム60との間に配置されている。サブビーム80は、D2方向においてメインビーム50,60の各々と離間している。このような構成によれば、メインビーム50とメインビーム60とからなるビーム対のD2方向に対する内側領域において、サブビーム80によってベースプレート10を補強することができる。
【0085】
本例では、電動作業機械1000の上部旋回体の重心位置は、ベースフレーム1の上面視において、メインビーム50上に位置している。したがって、サブビーム80によれば、メインビーム60よりも重心位置に近い位置で、ベースプレート10を補強できる。
【0086】
(7)サブビーム90は、領域R1の上方に設置され、かつ、D1方向に延びている。サブビーム90は、メインビーム50に対してサブビーム80とは反対側に設置されている。詳しくは、サブビーム90は、メインビーム50およびサブビーム70に対してサブビーム80とは反対側に設置されている。このような構成によれば、メインビーム50とメインビーム60とからなるビーム対のD2方向に対する内側領域および外側領域において、サブビーム80,90によってベースプレート10を補強することができる。
【0087】
(8)積層プレート30は、領域R1および領域R2のうちの領域R1にのみ積層され、かつ、ベースプレート10に固定されている。メインビーム50,60とサブビーム70,80,90とは、少なくとも積層プレート30に固定されている。詳しくは、サブビーム80は、図1および図2に示すように、ベースプレート10と積層プレート30とのうち積層プレート30のみに固定されている。
【0088】
積層プレート30によれば、ベースフレーム1の前面視において、ベースプレート10の左端部13と右端部14とに対してベースプレートの中央部側が下側に撓んでしまう歪みを低減することができる。積層プレート30によれば、ベースフレーム1の剛性をさらに高めることができる。
【0089】
次に、電動作業機械1000の構成の一部を小括すると、以下のとおりである。電動作業機械1000は、作業機(図示せず)と、バッテリ900と、バッテリ900が搭載されるベースフレーム1とを備える。ベースフレーム1は、プレート部材5と、各々がプレート部材5から上方に立ち上がり、かつ、前後方向に延びたメインビーム50,60と、プレート部材5の上方に接続され、かつ、左右方向に交差する方向に延びたサブビーム70,80,90とを含む。メインビーム50,60には、作業機が取り付けられる。メインビーム50,60およびサブビーム70,80,90の各々は、少なくとも一部がバッテリ900の直下に位置する。
【0090】
(E.変形例)
(1)上記においては、図1および図2に示したように、ベースフレーム1が3本のサブビーム70,80,90を備えた構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。ベースフレーム1は、3本のサブビーム70,80,90のうち、少なくとも1本のサブビームを備えていればよい。この場合であっても、サブビームを備えない構成に比べて、ベースフレーム1の強度を高くすることができる。
【0091】
(2)上記においては、図2に示したように、サブビーム70が、メインビーム50の側面51に当接した状態で、少なくとも積層プレート30上に設置されている。しかしながら、これに限定されず、サブビーム70は、メインビーム50の側面52に当接した状態で、少なくとも積層プレート30上に設置されていてもよい。あるいは、サブビーム70は、メインビーム60の側面61または側面62に当接した状態で、少なくとも積層プレート30上に設置されていてもよい。
【0092】
(3)上記においては、サブビーム70,80,90は、互いに平行なメインビーム50,60に平行に配置されている。サブビーム70,80,90と、メインビーム50,60とは、ベースプレート10の前後方向(D1方向)に平行に延びている。
【0093】
しかしながら、これに限定されるものではない。サブビーム70,80,90は、D2方向に交差する方向に延びていればよい。サブビーム70,80,90は、D2方向に視てD1方向に延びていればよい。サブビーム70,80,90は、ベースフレーム1の側面視において、D1方向に延びていればよい。サブビーム70,80,90は、ベースプレート10の前後方向に対して傾斜していてもよい。
【0094】
(4)上記においては、サブビーム70,80,90は、ベースプレート10の上面101側に設置されている。サブビーム70,80,90は、上面101側において領域R1の上方に設置されている。
【0095】
しかしながら、これに限定されるものではない。サブビーム70,80,90の少なくとも1つは、ベースプレート10の下面102側に設置されていてもよい。詳しくは、サブビーム70,80,90の少なくとも1つは、下面102側において領域R1の下方に設置されていてもよい。サブビーム70,80,90の少なくとも1つは、下面102に接触するように配置されてもよい。サブビーム70,80,90は、プレート部材5の上方ではなく、下方に接続されていてもよい。
【0096】
(5)上記においては、図8および図9に示すように、前端部11よりも後端部12側でD1方向およびD2方向に広がる領域R1の上方にバッテリ900が設置される構成を例に挙げて説明した。しかしながら、バッテリ900が上方に設置される領域R1の位置は、これに限定されない。領域R1は、後端部12よりも前端部11側であってもよい。あるいは、領域R1は、前端部11と後端部12との間の中央部に位置していてもよい。
【0097】
<付記>
〔項目1〕
作業機とバッテリとを有する電動作業機械のベースフレームであって、
上面と下面とを有するベースプレートと、
各々が前記作業機を支持する第1および第2のビームとを備え、
前記第1のビームと前記第2のビームとは、前記上面側で第1の方向に延び、かつ、前記第1の方向と前記下面から前記上面への向きとに垂直な第2の方向において互いに離間した状態で対向しており、
前記上面は、上方にバッテリが設置され、かつ、前記第1および第2の方向に広がる第1の領域を有し、
前記上面側において前記第1の領域の上方または前記下面側において前記第1の領域の下方に設置され、かつ、前記ベースフレームの上面視において前記第2の方向に交差する方向に延びた第3のビームをさらに備える、電動作業機械のベースフレーム。
【0098】
〔項目2〕
前記第1および第2のビームの各々は、前記第1の方向に沿って、前記作業機を支持する第1の端部と、前記第1の端部とは反対側の第2の端部とを有し、
前記第1の領域は、前記第1の端部よりも前記第2の端部側に位置する、項目1に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【0099】
〔項目3〕
前記第3のビームは、前記第1の領域の上方において前記第1の方向に延びている、項目2に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【0100】
〔項目4〕
前記第1および第2のビームの各々は、互いに対向する第1の側面と、前記第1の側面とは反対側の第2の側面とを有し、
前記第3のビームは、前記第1および第2のビームの一方の前記第1の側面または前記第2の側面に当接した状態で設置されている、項目3に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【0101】
〔項目5〕
前記第1のビームは、前記第2の方向において、前記第2のビームよりも前記ベースプレートの中央側に設置されており、
前記第3のビームは、前記第1のビームの前記第2の側面に当接した状態で設置されている、項目4に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【0102】
〔項目6〕
前記上面は、前記第1の領域よりも前記第1の端部側に、前記第1および第2の方向に広がった第2の領域をさらに有し、
前記第1、第2、および第3のビームは、前記第1および第2の領域の上方に設置されている、項目4または5に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【0103】
〔項目7〕
前記第1のビームは、前記第2の方向において、前記第2のビームと前記第3のビームとの間に配置されており、
前記第1のビームと前記第3のビームとは、前記第2の方向において離間している、項目3に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【0104】
〔項目8〕
前記第3のビームは、前記第2の方向において、前記第1のビームと前記第2のビームとの間に配置されており、かつ、前記第2の方向において前記第1および第2のビームの各々と離間している、項目3に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【0105】
〔項目9〕
前記第1の領域の上方に設置され、かつ、前記第1の方向に延びた第4のビームをさらに備え、
前記第4のビームは、前記第1のビームに対して前記第3のビームとは反対側に設置されている、項目8に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【0106】
〔項目10〕
各々が前記第1の領域の上方に設置され、かつ、各々が前記第1の方向に延びた第4および第5のビームをさらに備え、
前記第4のビームは、前記第2の方向において、前記第1のビームと前記第2のビームとの間に配置されており、かつ、前記第2の方向において前記第1および第2のビームの各々と離間しており、
前記第5のビームは、前記第1および第3のビームに対して前記第4のビームとは反対側に設置されている、項目5に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【0107】
〔項目11〕
前記上面は、前記第1の領域よりも前記第1の端部側に、前記第1および第2の方向に広がった第2の領域をさらに有し、
前記第1および第2のビームは、前記第1および第2の領域の上方に設置されており、
前記第1および第2の領域のうちの前記第1の領域にのみ積層され、かつ、前記ベースプレートに固定された積層プレートをさらに備え、
前記第1のビームと前記第2のビームと前記第3のビームとは、少なくとも前記積層プレートに固定されている、項目3に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【0108】
〔項目12〕
前記第3のビームは、前記ベースプレートと前記積層プレートとのうち前記積層プレートのみに固定されている、項目11に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【0109】
〔項目13〕
前記ベースフレームは、レボルビングフレームであり、かつ、前記上面とは反対側の第2の面をさらに有し、
前記ベースフレームには、前記第2の領域において、前記第1のビームと前記第2のビームとの間に、前記第2の面から前記上面に向かって、前記電動作業機械の旋回軸が挿入される貫通孔が形成されている、項目11または12に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【0110】
〔項目14〕
前記第3のビームは、前記第1および第2のビームよりも前記第1の方向の長さが短い、項目1から13のいずれか1項に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【0111】
〔項目15〕
前記第3のビームは、前記第1の方向に沿って、前記作業機側の第3の端部と、前記第3の端部とは反対側の第4の端部とを有し、
前記ベースフレームの側面視において、前記第3および第4の端部のうち少なくとも第3の端部は、前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置する、項目14に記載の電動作業機械のベースフレーム。
【0112】
〔項目16〕
電動作業機械であって、
作業機と、
バッテリと、
前記作業機を支持し、かつ、前記バッテリが搭載されるベースフレームとを備え、
前記ベースフレームは、
プレート部材と、
各々が前記プレート部材から上方に立ち上がり、かつ、前後方向に延びた第1および第2のビームと、
前記プレート部材の上方または下方に接続され、かつ、左右方向に交差する方向に延びた第3のビームとを含み、
前記第1および第2のビームには、前記作業機が取り付けられ、
前記第1、第2、および第3のビームの各々は、少なくとも一部が前記バッテリの直下に位置する、電動作業機械。
【0113】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0114】
1 ベースフレーム、5 プレート部材、10,20 ベースプレート、11,53,63,73,83,93 前端部、12,54,64,74,84,94 後端部、13 左端部、14 右端部、15,R1,R2 領域、16,55,56,65,66,111,121,131 貫通穴、19 部品、30,40 積層プレート、50,60 メインビーム、51,52,61,62,71,72,81,82,91,92 側面、59,69,79,89,99 下端面、70,80,90 サブビーム、101 上面、102 下面、110,110A,110B,110C,110D,110E,110F,120,130 マウント取付部、800 ビスカスマウント、900 バッテリ、1000 電動作業機械。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9