(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005222
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】太陽電池アレイおよび太陽光発電ユニット
(51)【国際特許分類】
H02S 10/40 20140101AFI20250108BHJP
H02S 30/00 20140101ALI20250108BHJP
B63B 35/00 20200101ALI20250108BHJP
B63B 35/58 20060101ALI20250108BHJP
B63B 35/34 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
H02S10/40
H02S30/00
B63B35/00 T
B63B35/58
B63B35/34 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105320
(22)【出願日】2023-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000141060
【氏名又は名称】株式会社関電工
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】菅野 純弥
(72)【発明者】
【氏名】三木 大和
(72)【発明者】
【氏名】佐野 常世
(72)【発明者】
【氏名】中島 岳人
(72)【発明者】
【氏名】舟久保 匡毅
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251BA05
5F251JA12
5F251JA13
5F251JA30
(57)【要約】
【課題】海面が荒れた場合であっても破損しにくい太陽電池アレイ等を提供すること。
【解決手段】太陽電池アレイ20は、複数の太陽光発電ユニット30を備え、それぞれの前記太陽光発電ユニット30は、太陽電池パネル31と、前記太陽電池パネル31の下面側に配置されたフロート35とを備え、前記フロート35は、前記太陽電池パネル31に平行な断面における断面積が、前記太陽電池パネル31から離れるにつれて単調減少する形状を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の太陽光発電ユニットを備え、
それぞれの前記太陽光発電ユニットは、
太陽電池パネルと、
前記太陽電池パネルの下面側に配置されたフロートとを備え、
前記フロートは、前記太陽電池パネルに平行な断面における断面積が、前記太陽電池パネルから離れるにつれて単調減少する形状を有する
太陽電池アレイ。
【請求項2】
前記フロートは、下部に錐形状を有する
請求項1に記載の太陽電池アレイ。
【請求項3】
前記フロートは、下部に回転楕円体形状を有する
請求項1に記載の太陽電池アレイ。
【請求項4】
前記フロートは球殻状であり、
前記太陽電池パネルは、前記フロートの内部に配置されている
請求項1に記載の太陽電池アレイ。
【請求項5】
前記フロートは、複数のディンプル状の窪みを表面に有する
請求項1に記載の太陽電池アレイ。
【請求項6】
前記フロートは、上部に開口を有する容器型であり、
前記フロートへの注排水機構を備える
請求項1に記載の太陽電池アレイ。
【請求項7】
前記フロートは、下部にフロート開口を有する容器型である、
請求項1に記載の太陽電池アレイ。
【請求項8】
前記フロートから外向きに延びて前記フロートを一周するヒレを備える
請求項1に記載の太陽電池アレイ。
【請求項9】
前記フロートは透光性を有し、
前記太陽電池パネルと前記フロートとの間に、前記フロート側を撮影する向きに配置されたカメラを備える
請求項1に記載の太陽電池アレイ。
【請求項10】
前記太陽電池パネルは両面受光型であり、
前記フロートは、前記太陽電池パネルを向いた反射鏡を備える
請求項1に記載の太陽電池アレイ。
【請求項11】
前記太陽電池パネルは、直列接続された複数のクラスタを含み、
前記クラスタは、直列接続された複数の太陽電池セルを含み、
それぞれの前記クラスタに対して並列に接続された複数のバイパスダイオードと、
すべての前記クラスタについてそれぞれ前記太陽電池セルの一部を覆い、前記太陽電池パネルに短絡が発生した場合に不透光性になる明暗コントロールパネルとを備える
請求項1に記載の太陽電池アレイ。
【請求項12】
前記太陽光発電ユニットは、互いに隙間を開けて配置されている
請求項1に記載の太陽電池アレイ。
【請求項13】
それぞれの前記太陽光発電ユニットは、
前記太陽電池パネル同士の接触を防止する接触防止部を備える
請求項1から請求項12のいずれか一つに記載の太陽電池アレイ。
【請求項14】
前記接触防止部は、前記太陽電池パネルの表面から突出する柱状である
請求項13に記載の太陽電池アレイ。
【請求項15】
前記接触防止部は、前記太陽電池パネルの表面、および、前記太陽電池パネルの縁を囲む額縁部からそれぞれ突出する柱状である
請求項13に記載の太陽電池アレイ。
【請求項16】
前記接触防止部は、
前記太陽電池パネルの周縁から突出する支持柱と、
複数の前記太陽電池パネルに設けられた前記支持柱の先端同士を相互に接続する接続部とを備える
請求項13に記載の太陽電池アレイ。
【請求項17】
前記接触防止部は、
前記太陽電池パネルの周囲を囲み、前記太陽電池パネルの周縁から上向きに突出する、複数本の逆U字型の棒である
請求項13に記載の太陽電池アレイ。
【請求項18】
前記接触防止部は、
前記太陽電池パネルの上面に配置された透光性の半球である
請求項13に記載の太陽電池アレイ。
【請求項19】
太陽電池パネルと、
前記太陽電池パネルの下面側に配置されたフロートとを備え、
前記フロートは、前記太陽電池パネルに平行な断面における断面積が、前記太陽電池パネルから離れるにつれて単調減少する形状を有する
太陽光発電ユニット。
【請求項20】
太陽電池パネルと、
前記太陽電池パネルの下面側に配置されており、複数のディンプル状の窪みを表面に有するフロートとを備える
太陽光発電ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池アレイおよび太陽光発電ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
海底に係留した係留ブイに浮島を係留し、浮島と、周囲の海面に複数の浮体式太陽電池パネルとを連結した浮体式太陽光発電システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の太陽光発電システムにおいては、浮島を係留ブイから切り離して、浮島および浮体式太陽電池パネルを別の場所へ曳航できる。したがって、台風が接近した場合等、海面の荒れが予想される場合には、浮体式太陽電池パネルを安全な場所に退避させることにより、太陽光発電システムの破損を予防できる。
【0005】
しかしながら、浮体式太陽電池パネルを安全な場所まで曳航し、安全が確認された後に元の場所に設置しなおすには、時間および手間がかかる。
【0006】
一つの側面では、海面が荒れた場合であっても破損しにくい太陽電池アレイ等の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
太陽電池アレイは、複数の太陽光発電ユニットを備え、それぞれの前記太陽光発電ユニットは、太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの下面側に配置されたフロートとを備え、前記フロートは、前記太陽電池パネルに平行な断面における断面積が、前記太陽電池パネルから離れるにつれて単調減少する形状を有する。
【発明の効果】
【0008】
一つの側面では、海面が荒れた場合であっても破損しにくい太陽電池アレイ等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】太陽光発電システムの概要を説明する説明図である。
【
図4】変形例1-1の太陽光発電ユニットの斜視図である。
【
図5】変形例1-1の太陽光発電ユニットの三面図である。
【
図6】変形例1-2の太陽光発電ユニットの斜視図である。
【
図7】変形例1-2の太陽光発電ユニットの三面図である。
【
図8】変形例1-3の太陽光発電ユニットの断面図である。
【
図9】変形例1-4の太陽光発電ユニットの斜視図である。
【
図10】変形例1-5の太陽光発電ユニットの斜視図である。
【
図11】変形例1-6の太陽光発電ユニットの斜視図である。
【
図12】変形例1-6の太陽光発電ユニットの説明図である。
【
図13】変形例1-6の太陽光発電ユニットの説明図である。
【
図14】変形例1-7の太陽光発電ユニットの斜視図である。
【
図15】変形例1-8の太陽光発電ユニットの説明図である。
【
図16】実施の形態2の太陽電池アレイの斜視図である。
【
図17】変形例2-1の太陽光発電ユニットの説明図である。
【
図18】変形例2-2の太陽光発電ユニットの説明図である。
【
図19】実施の形態3の太陽電池アレイの斜視図である。
【
図21】接触防止部の効果を説明する説明図である。
【
図22】接触防止部の効果を説明する説明図である。
【
図23】変形例3-1の太陽電池アレイの斜視図である。
【
図24】
図23におけるXXIV部を真上から見た拡大図である。
【
図25】変形例3-2の太陽電池アレイの斜視図である。
【
図26】変形例3-2の接触防止部の効果を説明する説明図である。
【
図27】変形例3-3の太陽電池アレイの斜視図である。
【
図28】変形例3-3の接触防止部の効果を説明する説明図である。
【
図29】変形例3-4の太陽電池アレイの斜視図である。
【
図30】変形例3-4の接触防止部の効果を説明する説明図である。
【
図31】変形例3-4の接触防止部の効果を説明する説明図である。
【
図32】変形例3-5の太陽電池アレイの斜視図である。
【
図33】実施の形態4の太陽光発電ユニットの構成を説明する説明図である。
【
図34】実施の形態5の太陽光発電システムの構成を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態1]
地球温暖化による気候変動から地球を守る行動の一環として、二酸化炭素排出量の少ない再生可能エネルギーの利用が推奨されている。さらに、すべての人に安くて安全な電気エネルギーを供給するためには、一般家庭等の需要者が個々に小規模な発電設備を保有することよりも、大規模な発電設備で発電した電力を、電力網を介して需要者に提供することの方が望ましい。
【0011】
再生可能エネルギーの一つに、太陽光発電が挙げられる。日本国内では、2012年7月に「FIT(Feed-in Tariff)制度:再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が開始された。FIT制度は、再生可能エネルギーにより作られた電気を電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が保証する制度である。FIT制度の導入後、日本国内では太陽光発電設備をはじめとする、再生可能エネルギーを使った発電設備が多数設置された。
【0012】
2019年度の統計では、日本は国土面積あたりの太陽光発電設備の容量は世界トップになっている。しかしながら昨今では、太陽光発電設備を新たに設置するための土地の不足が問題になっている。たとえば離農により荒廃した農地を太陽光発電設備用地にすることが検討されているが、山林化した荒廃農地を整備する際のコスト高が問題になっている。
【0013】
土地の有効活用を兼ねて、傾斜地に大規模な太陽光発電設備が設置される場合がある。太陽光発電設備は、南斜面の傾斜地に設置されることにより、発電効率の向上が見込まれる。しかしながら、傾斜地に設置された太陽光発電設備には、悪天候時に土砂崩れ等の災害が起きやすくするリスクがあることが知られている。
【0014】
傾斜地の下側に広がる平地は、住宅地等に活用されている場合が多い。このような住宅地に住む人々が安全に住み続けられる持続可能なまちづくりを実現するために、太陽光発電設備は傾斜地以外の場所に設置することが望ましい。
【0015】
さらに、土砂崩れを起こした太陽光発電設備は、修復が完了するまでの間、発電できない状態になる。土砂崩れの状況によっては、修復が断念される場合もある。持続可能で災害に強い電力インフラを整えるためにも、太陽光発電設備は傾斜地以外の場所に設置することが望ましい。
【0016】
特許文献1に開示されている、浮島と浮体式太陽電池パネルとを組み合わせた太陽光発電システムは、傾斜地に設置された太陽光発電システムの欠点を解消できる。しかしながら、浮体式太陽電池パネルを安全な場所まで曳航し、安全が確認された後に元の場所に設置しなおすまでの期間、発電を行なえない。
【0017】
たとえば日本列島に台風が接近した場合には、日本近海の広い海域で海が荒れると予測されるため、多くの太陽光発電プラントが運転を停止することになる。したがって、特許文献1の太陽光発電システムだけでは、質が高く、信頼でき、持続可能な、災害などにも強いインフラを提供することは難しい。
【0018】
以上の事情を踏まえて、本実施の形態では海面に設置し、海が荒れると予測される場合であっても退避させる必要のない太陽光発電システムについて説明する。
図1は、太陽光発電システム10の概要を説明する説明図である。
【0019】
太陽光発電システム10は、多数の太陽光発電ユニット30を連結部38を介して連結した太陽電池アレイ20を備える。それぞれの太陽光発電ユニット30は、太陽電池パネル31とフロート35と額縁部33とを備える。フロート35は、額縁部33を介して太陽電池パネル31の下面側に固定されている。本実施の形態の太陽光発電システム10は、外洋に設置されている。
【0020】
湾内などの内海とは異なり外洋では海水が停留しないため、海面を太陽電池アレイ20で覆うことによる環境への影響が少ない。すなわち太陽光発電システム10を内海ではなく外洋に設置することは、海と沿岸の生態系への重大な悪い影響を避け、海の資源を守ることに貢献する。
【0021】
さらに、湖面に太陽光発電システム10を設置する場合に比べて、内陸の淡水地域の生態系への影響を避けられる。したがって、太陽光発電システム10を湖ではなく外洋に設置することは、陸の生態系がもたらす自然の恵みの豊かさを守り、多様な生物が生きられるようにすることにも貢献する。
【0022】
フロート35は、太陽電池パネル31に平行な面における断面積が、太陽電池パネル31から離れるにつれて単調減少する形状を有する。フロート35の形状の詳細については、後述する。フロート35は、海水に比べて比重が小さく、フロート35の上側に固定された太陽電池パネル31を海面に浮かべられる程度の浮力を海水から受ける。二点鎖線は、平常時の海面を模式的に示す。
【0023】
太陽電池アレイ20は、係留ロープ15を介して海底に係留されている。
図1は、後述するように海面が係留ロープ15の弛み分を超える高さまで上昇した状態を模式的に示す。太陽電池アレイ20は係留ロープ15の長さを超えて上昇することはできず、海面下に沈んだ状態になっている。なお、1つの太陽光発電システム10は、複数の太陽電池アレイ20を含んでもよい。
【0024】
それぞれの太陽光発電ユニット30により発電された電力は、たとえば図示を省略する無線送電アンテナを介して、図示を省略するPCS(Power Conditioning System)に伝送される。太陽光発電ユニット30は、電力伝送用のケーブルを介してPCSに接続されていてもよい。
【0025】
それぞれの太陽光発電ユニット30が無線送電アンテナを有する代わりに、電力伝送用のケーブルを介して接続された複数の太陽光発電ユニット30が、一つの無線送電アンテナに接続されていてもよい。
【0026】
太陽電池アレイ20とPCSとの通信も、図示を省略する無線通信アンテナを介して行われる。太陽電池アレイ20は、通信ケーブルを介してPCSに接続されていてもよい。電力伝送用のケーブルが、通信ケーブルを兼ねてもよい。
【0027】
図2は、太陽電池アレイ20の上面図である。上面に長方形の太陽電池パネル31を有する太陽光発電ユニット30が、縦4列、横4列に配置されている。ハッチングは、太陽光発電ユニット30同士の隙間を示す。太陽光発電ユニット30は、隣接する太陽光発電ユニット30との間に隙間を開けて配置されている。
【0028】
太陽電池パネル31の四辺は額縁部33により囲まれている。額縁部33は、太陽電池パネル31の外形に対応する窪みを有する皿状または枠状であり、外力による太陽電池パネル31の損傷を防止する補強材の機能を果たす。なお、
図2においてはフロート35は太陽電池パネル31および額縁部33の下に隠れている。
【0029】
太陽光発電ユニット30同士は連結部38により接続されている。太陽電池アレイ20の内部の4個の太陽光発電ユニット30は、それぞれ左右の太陽光発電ユニット30と連結部38により接続されている。連結部38は、たとえば両端がそれぞれ太陽光発電ユニット30に固定されたロープである。連結部38は、ユニバーサルジョイント等の軸継手であってもよい。連結部38は、伸縮可能であってもよい。
【0030】
なお
図2に示す太陽光発電ユニット30の数および配置は例示であり、これに限定されるものではない。たとえば、縦方向と横方向との太陽光発電ユニット30の数が異なっていてもよい。太陽電池パネル31は、略L字形または円環形等、任意の態様に配置されていてもよい。
【0031】
同様に、
図2に示す連結部38の数および配置は例示であり、これに限定されるものではない。たとえば、それぞれの太陽光発電ユニット30は、周囲の4個または8個の太陽光発電ユニット30にそれぞれ連結されていてもよい。連結部38は、太陽光発電ユニット30の辺の中途に接続されていてもよい。太陽電池パネル31の形状も例示である。太陽電池パネル31は、たとえば正方形であってもよい。
【0032】
図3は、太陽光発電ユニット30の斜視図である。フロート35は、長方形である底面を上に向けた四角錐形状である。フロート35の底面に、額縁部33を介して太陽電池パネル31が固定されている。フロート35と額縁部33との間に、隙間が設けられていてもよい。
【0033】
フロート35は、たとえば多数の独立気泡が分散した発泡樹脂製である。フロート35は、内部に空洞を有する殻状であってもよい。フロート35は、上部に開口を有する容器型であり、額縁部33および太陽電池パネル31が開口を水密に閉鎖する蓋の機能を果たしてもよい。フロート35の内部に、気体が充満した気室が設けられていてもよい。
【0034】
図1に戻って説明を続ける。係留ロープ15が長すぎる場合には、太陽電池アレイ20の位置が水面に沿って大きく変動してしまう。たとえば、複数の太陽電池アレイ20を含む太陽光発電システム10であれば、係留ロープ15が長すぎる場合には近接する太陽電池アレイ20の係留ロープ15同士が絡まるリスクがある。
【0035】
したがって、係留ロープ15は、潮の満ち引きおよび波等による通常の海面変動の範囲の範囲で、太陽電池アレイ20が海面に浮かぶ長さに設定される。すなわち、係留ロープ15は通常の海面変動の範囲内であれば多少の弛みが生じる長さに設定されている。
図1において二点鎖線は、太陽電池アレイ20が海面に浮かんでいる場合の水面を模式的に示す。
【0036】
図1は、たとえば満潮時刻と、高潮と、非常に強い高波とが重なるなどの事情により海面が荒れて、通常の海面変動の範囲よりも海面が高くなった状態を示す。係留ロープ15の長さよりも水深が深くなったため、太陽電池アレイ20が海面の変動に追従できずに、海面下に沈んだ状態になっている。
【0037】
図1に示す状態が発生する場合には、太陽電池アレイ20の周囲に強い水流が生じる。なかでも、海面の高さが、もともと海面に浮かんでいた太陽電池アレイ20よりも高くなるときには、太陽電池アレイ20の下側に存在していた海水が太陽電池アレイ20の上側に流れ込むため、太陽電池アレイ20を基準にして上向きの水流が生じる。
【0038】
フロート35が四角錐形状であるため、上向きの水流はフロート35の表面に沿って流れ、太陽光発電ユニット30同士の隙間を通って太陽電池アレイ20の上側に達する。すなわちフロート35の側面が、上方に向かう海水を太陽光発電ユニット30同士の隙間に誘導することにより、水流による太陽電池アレイ20の破損を防止できる。
【0039】
海面が元の高さに戻る場合も、太陽電池アレイ20の上方の海水が太陽光発電ユニット30同士の隙間を通り抜けるため、太陽電池アレイ20は速やかに海面に浮かんだ状態に戻る。この際も、フロート35の表面に沿って海水が流れるため、フロート35の下面での乱流の発生が防止される。したがって、乱流による太陽電池アレイ20の破損を防止できる。
【0040】
フロート35の表面に沿って海水がスムーズに流れるため、太陽電池アレイ20を係留する係留ロープ15に加わる力が低減される。係留ロープ15を海底等に係留する係留システムに要求される強度が低くなるため、係留システムのコストダウンが可能である。
【0041】
本実施の形態によると、海面が荒れても破損しにくい太陽電池アレイ20を提供できる。
図1に示したように太陽電池パネル31が海面下に沈んでいる場合には発電効率は通常よりは低下するが、海面の状態が平常に戻った場合には速やかに平常通りの発電を開始する太陽電池アレイ20を提供できる。
【0042】
なお、太陽光発電システム10は内海に設置されてもよい。たとえば船の運航による波が高い内海でも破損しにくい太陽光発電システム10を提供できる。太陽光発電システム10は、湖に設置されてもよい。たとえば流入および流出する川の水量変動が大きい湖、および船の運航による波が高い湖でも破損しにくい太陽光発電システム10を提供できる。
【0043】
係留ロープ15は、たとえば洋上風力発電設備を介して海底に係留されていてもよい。風力発電設備で発電した電力と、太陽光発電システム10で発電した電力とを合わせることにより、大容量の再生エネルギー発電システムを提供できる。
【0044】
係留ロープ15は、たとえば洋上石油天然ガスプラント等の海洋プラントに係留されていてもよい。太陽光発電システム10から海洋プラントに電力を供給することができる。
【0045】
[変形例1-1]
図4は、変形例1-1の太陽光発電ユニット30の斜視図である。
図5は、変形例1-1の太陽光発電ユニット30の三面図である。
図5は、太陽光発電ユニット30の正面図、左側面図および平面図を第三角法で示す。本変形例は、フロート35の先端が略角丸四角錐形状である太陽光発電ユニット30に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0046】
フロート35のうち太陽電池パネル31に近い部分は、額縁部33の外形を大きい側の底面とする略角錐台形状である。フロート35のうち、太陽電池パネル31から遠い部分は、
図5の平面図に破線で示すように、額縁部33の外形に略相似な長方形の角を丸めた略角丸長方形を底面とする略角丸長方形錐形状である。略角錐台形状の部分と、略角丸長方形錐形状の部分とは、滑らかに接続されて、一体に形成されている。
【0047】
本変形例によると、フロート35の角部における乱流の発生が少ないため、太陽光発電ユニット30の転覆等による破損が発生しにくい太陽電池アレイ20を提供できる。
【0048】
[変形例1-2]
図6は、変形例1-2の太陽光発電ユニット30の斜視図である。
図7は、変形例1-2の太陽光発電ユニット30の三面図である。
図7は、太陽光発電ユニット30の正面図、左側面図および平面図を第三角法で示す。本変形例は、フロート35の側面が凹面形状である太陽光発電ユニット30に関する。変形例1-1と共通する部分については、説明を省略する。
【0049】
図6における点Cは、太陽電池パネル31の中央、すなわち対角線の交点を示す。点Cを通り、太陽電池パネル31に垂直な直線Nを一点鎖線で示す。
図6に示すように直線Nはフロート35の頂点を通らない。フロート35の頂点から太陽電池パネル31に降ろした垂線の足は、
図6における点Cよりも右側に位置する。
【0050】
フロート35のうち太陽電池パネル31に近い部分は、変形例1-1と同様に額縁部33の外形を大きい側の底面とする略角錐台形状である。フロート35のうち、太陽電池パネル31から遠い部分の断面は、
図7の平面図に破線で示すように、額縁部33の外形に略相似な長方形の角を丸めた略角丸長方形形状である。
【0051】
フロート35は、実施の形態1-1に比べて先端近傍で横断面積の減少程度が少なくなり、細い部分が長く延びている。
図7の正面図および側面図に示すように、フロート35の側面は垂直方向に凹面形状である。フロート35の頂点は、太陽電池パネル31の中央よりも
図7における右側に偏っている。
【0052】
本変形例によると、フロート35の先端が深い場所まで潜った状態になるため、太陽光発電ユニット30の転覆等による破損が発生しにくい太陽電池アレイ20を提供できる。本変形例によると、上向きに加わる水圧を低減することにより、水圧による破損が生じにくい太陽電池アレイ20を提供できる。
【0053】
[変形例1-3]
図8は、変形例1-3の太陽光発電ユニット30の断面図である。本変形例は、透光性で両面受光型の太陽電池パネル31を使用する太陽電池アレイ20に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0054】
本変形例の額縁部33は枠状であり、太陽電池パネル31の下面は額縁部33により覆われていない。本変形例のフロート35は、四角錐を形成する5つの面のうち、底面を除く四つの面により形成された容器状である。フロート35を構成する各面の厚さは略均一である。四角錐の底面に相当する場所に、額縁部33を介して太陽電池パネル31が固定されている。フロート35と、額縁部33と、太陽電池パネル31とは、太陽光発電ユニット30の内部に海水が侵入しないように互いに水密に固定されている。
【0055】
フロート35の内面に、メッキまたは蒸着等により付与された金属膜等により、反射鏡36が形成されている。なお、光透過性の高い素材でフロート35が形成されている場合、反射鏡36はフロート35の外面に形成されていてもよい。
【0056】
太陽電池パネル31の表面に入射した太陽光等の光Lは、一部が電力に変換され、一部は太陽電池パネル31を透過する。透過した光は、反射鏡36で反射して、太陽電池パネル31の裏面に入射する。太陽電池パネル31は、裏面から入射した光も電力に変換する。
【0057】
本変形例によると、表面から入射した光のみを電力に変換する場合よりも、光を電気に変換する効率の高い太陽電池アレイ20を提供できる。
【0058】
[変形例1-4]
図9は、変形例1-4の太陽光発電ユニット30の斜視図である。本変形例は、フロート35の表面にディンプル状の窪み371が複数個設けられた太陽電池アレイ20に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0059】
窪み371は、直径が約10から20センチメートル程度、深さが約5から10センチメートル程度の、略半球状である。フロート35の側面全体にわたって、窪み371が配置されている。互いに異なる寸法の窪み371が混在して配置されていてもよい。
【0060】
窪み371が存在することにより、フロート35の周囲におけるカルマン渦の発生を低減できる。したがって、カルマン渦列による太陽光発電ユニット30の振動の発生を低減でき、たとえば共振による太陽電池アレイ20の破損を防止できる。
【0061】
なお、ディンプル状の窪み371が、変形例1-1または変形例1-2で説明した太陽光発電ユニット30のフロート35に設けられていても良い。浅くて小型のディンプル状のディンプル状の窪み371が、変形例1-3で説明した太陽光発電ユニット30のフロート35に設けられていてもよい。
【0062】
[変形例1-5]
図10は、変形例1-5の太陽光発電ユニット30の斜視図である。本変形例は、フロート35の頂部に重りを配置した太陽電池アレイ20に関する。変形例1-1と共通する部分については、説明を省略する。
【0063】
本実施の形態においては、フロート35の先端に略楕円錐形状の錘39が配置されている。錘39は、たとえば密度の高い樹脂である。たとえば、フロート35の先端部を発泡していない樹脂で形成し、それ以外の部分を発泡性樹脂で形成することにより、錘39を有するフロート35を形成できる。錘39とフロート35とを同一の素材で一体に作製できる。
【0064】
なお、変形例1-4で説明したディンプル状の窪み371が、フロート35に設けられていてもよい。錘39は、略長円錐形状、または、略角丸四角錐形状であってもよい。
【0065】
フロート35は上部が開口した容器状であり、錘39はフロート35内に注がれた海水であってもよい。フロート35に海水の量を調整するポンプを搭載することにより、錘39を太陽光発電ユニット30を沈降させる深さを調整するバラスト水に使用できる。ポンプは、フロート35への注水および排水を行なう注排水機構の例示である。
【0066】
なお、浅くて小型のディンプル状のディンプル状の窪み371が、容器状のフロート35の外面に設けられていてもよい。
【0067】
本変形例によると、太陽光発電ユニット30の重心が低くできるため、安定性の高い太陽光発電ユニット30を提供できる。
【0068】
[変形例1-6]
図11は、変形例1-6の太陽光発電ユニット30の斜視図である。本変形例は、筒状のフロート35を備える太陽光発電ユニット30に関する。変形例1-1と共通する部分については、説明を省略する。
【0069】
フロート35は、先細りの筒状であり、一方の端部に皿状の額縁部33を介して太陽電池パネル31が取り付けられている。フロート35のうち太陽電池パネル31が取り付けられた側の端部は、額縁部33の外形に対応する形状である。フロート35のうち、太陽電池パネル31から遠い側の端部は、太陽電池パネル31よりも小さい略円形のフロート開口351を形成している。フロート35の側面は、額縁部33に接続された側の端部から、フロート開口351まで滑らかに連続している。
【0070】
フロート35と額縁部33との接合部は水密である。したがって仮にフロート開口351を下にし、太陽電池パネル31を水平にして太陽光発電ユニット30を海水にまっすぐ沈めた場合、フロート35内の空気は外に流出せず、フロート35内にはほとんど海水が入らない構造に構成されている。
【0071】
図12および
図13は、変形例1-6の太陽光発電ユニット30の説明図である。
図12は、海面に浮かべて使用中の太陽光発電ユニット30の縦断面を模式的に示す。なお、フロート35の厚さについては図示を省略し、1本の外形線で模式的に図示する。
【0072】
本変形例においては、個々の太陽光発電ユニット30は係留ロープ15により海底に係留されている。
図12に示すように、フロート35の下から約20パーセントの高さまで海水が注入されている。適量の海水の注入は、太陽光発電ユニット30を海面に設置する際に実施される。
【0073】
たとえば、フロート開口351からフロート35の内部にエアポンプのノズルを差し込んで空気を抜くことにより、フロート35内に海水を注入できる。同様にエアポンプを使用してフロート開口351からフロート35内に空気を注入することによりフロート35内の海水を減らせる。フロート35内の海水は、フロート開口351を介して新鮮な海水に適宜入れ替わる。
【0074】
本変形例によると、太陽光発電ユニット30が揺動する際には、フロート35内の海水が重りの機能を果たす。したがって、安定性の高い太陽光発電ユニット30を提供できる。
【0075】
図13は、太陽光発電ユニット30を長期間運用してたとえば貝および海藻等の付着物65がフロート35の表面に付着した状態を模式的に示す。付着物65の重み分の海水がフロート開口351から流出することにより、フロート35内の海水の液面が下がっている。フロート35内の海水を含めた太陽光発電ユニット30の重さが、付着物65の付着前後で変化しない。したがって、付着物65が付着した場合であっても海面での浮遊高さが変化せず、安定して長期間使用できる太陽光発電ユニット30を提供できる。
【0076】
[変形例1-7]
図14は、変形例1-7の太陽光発電ユニット30の斜視図である。本変形例はヒレ34を備える太陽光発電ユニット30に関する。変形例1-1と共通する部分については、説明を省略する。
【0077】
本変形例の太陽光発電ユニット30は、フロート35の側面から外向きに延びてフロート35を一周する環状のヒレ34を備える。ヒレ34は、太陽電池パネル31と略平行であり、太陽光発電ユニット30を静かな水面に浮かべた場合には、水面と略平行になる。ヒレ34は、たとえば樹脂製の薄板である。
【0078】
ヒレ34により、太陽光発電ユニット30の揺動が抑えられるため、安定して水面に浮かぶ太陽光発電ユニット30を提供できる。
【0079】
[変形例1-8]
図15は、変形例1-8の太陽光発電ユニット30の説明図である。本変形例はヒレ34に係留ロープ15を接続して係留する太陽光発電ユニット30に関する。変形例1-7と共通する部分については、説明を省略する。
【0080】
図15に示すように、本変形例の太陽光発電ユニット30は、ヒレ34の根本近くに係留ロープ15が接続されている。したがって、係留ロープ15による力は、ヒレ34を介してフロート35の外周に分散した状態で伝わる。フロート35に係留ロープ15を直接固定する場合に比べて、係留ロープ15に引っ張られることによる破損が生じにくい太陽光発電ユニット30を提供できる。
【0081】
たとえば、定期メンテナンスの際にヒレ34を適宜交換することにより、長期間使用できる太陽光発電ユニット30を提供できる。
【0082】
[変形例1-9]
太陽電池アレイ20は、実施の形態1および各変形例で説明した複数の形状の太陽光発電ユニット30を適宜組み合わせて構成されていてもよい。
【0083】
[実施の形態2]
本実施の形態は、平面視で円形の太陽光発電ユニット30を有する太陽電池アレイ20に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0084】
図16は、実施の形態2の太陽電池アレイ20の斜視図である。太陽電池アレイ20を構成する個々の太陽光発電ユニット30は、球殻状のフロート35と、フロート35の中心を通る面に配置された円盤状の太陽電池パネル31とを有する。フロート35は、少なくとも太陽光発電ユニット30の受光面側では光の透過率が高くなっている。フロート35は、太陽光発電ユニット30同士が同一平面上になるように配置されている。
【0085】
本実施の形態によると、太陽光発電ユニット30同士を密着させて配置した場合であっても、太陽光発電ユニット30同士間に隙間が形成される太陽電池アレイ20を提供できる。
【0086】
なお、フロート35の下部に、錘が配置されていてもよい。図示を省略する無線送電アンテナ等の機器が錘を兼ねてもよい。太陽光発電ユニット30は、図示を省略する額縁部33を介してフロート35の内部に固定されていてもよい。
【0087】
なお、変形例1-3で説明したディンプル状の窪み371が、フロート35に設けられていてもよい。
【0088】
[変形例2-1]
図17は、変形例2-1の太陽光発電ユニット30の説明図である。本変形例は、側面に溝372を有する略円錐形状の太陽光発電ユニット30に関する。実施の形態2と共通する部分については、説明を省略する。
【0089】
本変形例の太陽電池パネル31は、略円形に配置された複数の円形の太陽電池セル32を備える。太陽電池パネル31は、額縁部33に固定されている。額縁部33の外周は、略三角形の凸凹を有する円形である。
【0090】
フロート35は、額縁部33を底面に有する錐形状である。すなわち、フロート35の側面には、額縁部33の外周に対応する溝372が設けられている。溝372は、フロート35の頂部に近付くほど細く、浅くなっている。
【0091】
本変形例によると、太陽電池アレイ20の上下に向かう水流が溝372を通るため、乱流が発生しにくい。したがって、乱流による損傷が生じにくい太陽電池アレイ20を提供できる。
【0092】
溝372が存在することにより、フロート35の周囲におけるカルマン渦の発生を低減できる。したがって、カルマン渦列による太陽光発電ユニット30の振動の発生を低減でき、たとえば共振による太陽電池アレイ20の破損を防止できる。
【0093】
[変形例2-2]
図18は、変形例2-2の太陽光発電ユニット30の説明図である。本変形例は、略卵型の太陽光発電ユニット30に関する。実施の形態2と共通する部分については、説明を省略する。
【0094】
本実施の形態のフロート35は、楕円形を長軸を回転軸にして回転させた、回転楕円体形状を有する。フロート35の表面に、略台形形状の太陽電池パネル31が複数配置されている。太陽電池パネル31は、たとえば屈曲可能なシート状であり、フロート35の表面に沿って貼付されている。
【0095】
太陽電池パネル31は硬質の板状であり、太陽電池パネル31の中央部がフロート35の表面に固定されていてもよい。フロート35に、表層部がそぎ落とされた平面が形成されており、太陽電池パネル31が固定されていてもよい。
【0096】
本変形例によると、複数の太陽電池パネル31それぞれの向きが異なるため、太陽の方向が変わっても発電量が変動しにくい太陽光発電ユニット30を提供できる。一つのフロート35に複数の太陽電池パネル31が固定されて太陽光発電ユニット30を構成しているため、設置の手間の少ない太陽光発電ユニット30を提供できる。
【0097】
なお、変形例1-4で説明したディンプル状の窪み371が、フロート35の下部に設けられていてもよい。
【0098】
[変形例2-3]
太陽電池アレイ20は、実施の形態2および各変形例で説明した複数の形状の太陽光発電ユニット30を適宜組み合わせて構成されていてもよい。太陽電池アレイ20は、実施の形態1および実施の形態1の各変形例で説明した太陽光発電ユニット30と、実施の形態2および実施の形態2の各変形例で説明した複数の形状の太陽光発電ユニット30を適宜組み合わせて構成されていてもよい。
【0099】
[実施の形態3]
本実施の形態は、海が荒れて連結部38が外れた場合であっても、太陽光発電ユニット30の破損が生じにくい太陽電池アレイ20に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0100】
図19は、実施の形態3の太陽電池アレイ20の斜視図である。
図20は、
図19におけるXX部を真上から見た拡大図である。
図20においては、1つの太陽光発電ユニット30を実線で示し、他の太陽光発電ユニット30を二点鎖線で示す。
図19および
図20においては、フロート35は太陽電池パネル31および額縁部33の下に隠れている。
【0101】
太陽電池アレイ20は、長方形の太陽電池パネル31を複数含む。それぞれの太陽電池パネル31の縁は、額縁部33で囲まれている。額縁部33同士は、連結部38により連結されている。連結部38は、たとえば蝶番状である。連結部38は、図示を省略する隙間を空けて額縁部33同士を接続してもよい。額縁部33に、海水が通過可能な貫通孔が設けられていてもよい。
【0102】
太陽電池パネル31の中央部と、額縁部33の四辺の中央部とのそれぞれから接触防止部45が突出している。太陽電池パネル31の中央部および太陽電池アレイ20の外周部を構成する辺に配置された接触防止部45は、略円柱形状である。
【0103】
他の太陽光発電ユニット30と隣接する辺に配置された接触防止部45は、太陽光発電ユニット30の辺に略垂直な弦と、弦の片側の半円とを底面とする半円柱形状である。隣接する太陽光発電ユニット30に設けられた接触防止部45同士が合わさって、略円柱形状を構成する。なお、接触防止部45の上面の縁は、たとえばR面取り形状であることが望ましい。
【0104】
接触防止部45は、光透過性が高く、柔軟な材料で形成されていることが望ましい。接触防止部45には、たとえば、透明シリコーン樹脂、透明ポリウレタン樹脂、または透明アクリル系ゴム樹脂等が使用される。
【0105】
図21および
図22は、接触防止部45の効果を説明する説明図である。
図21および
図22は、荒波等により連結部38が外れて太陽光発電ユニット30同士がバラバラになり、波に煽られた状態を模式的に示す。
【0106】
図21においては、右側に示す太陽光発電ユニット30のフロート35が左側に示す太陽光発電ユニット30に乗り上げている。接触防止部45が存在することにより、フロート35が太陽電池パネル31に直接乗り上げることが防止されている。そのため、太陽電池パネル31に割れ等の損傷が生じにくい。
【0107】
図22においては、一つの太陽光発電ユニット30が波に煽られて逆さまになって、他の太陽光発電ユニット30の上に乗り上げている。接触防止部45が存在することにより、太陽電池パネル31同士が直接接触することが防止されている。硬質の太陽電池パネル31同士が直接接触することによる、太陽電池パネル31の傷および割れ等の損傷が生じにくい。
【0108】
さらに、仮に太陽電池パネル31に損傷が生じた場合であっても、損傷した太陽電池パネル31同士が接触することによる正極と負極との間の短絡の発生および短絡に伴う火災の発生を防止できる。
【0109】
図示を省略するが、連結部38が外れないまま、太陽電池アレイ20がめくれ上がったような場合であっても、接触防止部45が存在することにより太陽電池パネル31同士の接触を防止できる。
【0110】
本実施の形態によると、荒波等により連結部38が外れた場合であっても太陽電池パネル31の損傷および火災の発生を防止できる太陽光発電システム10を提供できる。破損および火災の発生を防止できれば、天候が落ち着いた後の復元工事は比較的短時間で行える。
【0111】
たとえば、非常に強い荒波が発生した場合には、連結部38が外れて、個々の太陽電池アレイ20が波を受けるようにすることにより、太陽光発電ユニット30に大きな外力が加わって破損することを防止できる。
【0112】
[変形例3-1]
本変形例は、太陽光発電ユニット30の間に隙間を設けた太陽電池アレイ20に関する。実施の形態3と共通する部分については、説明を省略する。
【0113】
図23は、変形例3-1の太陽電池アレイ20の斜視図である。
図24は、
図23におけるXXIV部を真上から見た拡大図である。
図24においては、1つの太陽光発電ユニット30と、その太陽光発電ユニット30に接続されている連結部38とを実線で示し、他の太陽光発電ユニット30および連結部38を二点鎖線で示す。
図23および
図24においては、フロート35は太陽電池パネル31および額縁部33の下に隠れている。
【0114】
本変形例においては、それぞれの太陽光発電ユニット30は太陽電池パネル31の中央、額縁部33の四隅、および額縁部33の四辺のそれぞれ中央の合計9個の接触防止部45を有する。太陽光発電ユニット30同士は、連結部38により接続されている。連結部38は、たとえば両端がそれぞれ太陽光発電ユニット30に固定されたロープである。連結部38は、ユニバーサルジョイント等の軸継手であってもよい。連結部38は、伸縮可能であってもよい。
【0115】
それぞれの太陽光発電ユニット30の構成が同一であるため、設置作業が容易な太陽光発電ユニット30を提供できる。
【0116】
太陽電池アレイ20は、長方形の太陽電池パネル31を複数含む。それぞれの太陽電池パネル31の縁は、額縁部33で囲まれている。額縁部33同士は、連結部38により連結されている。連結部38は、たとえば蝶番状である。連結部38は、図示を省略する隙間を空けて額縁部33同士を接続してもよい。額縁部33に、海水が通過可能な貫通孔が設けられていてもよい。
【0117】
太陽電池パネル31の中央部と、額縁部33の四辺の中央部とのそれぞれから接触防止部45が突出している。太陽電池パネル31の中央部および太陽電池アレイ20の外周部を構成する辺に配置された接触防止部45は、略円柱形状である。
【0118】
接触防止部45は、光透過性が高く、柔軟な材料で形成されていることが望ましい。接触防止部45には、たとえば、透明シリコーン樹脂、透明ポリウレタン樹脂、または透明アクリル系ゴム樹脂等が使用される。
【0119】
[変形例3-2]
図25は、変形例3-2の太陽電池アレイ20の斜視図である。
図26は、変形例3-2の接触防止部45の効果を説明する説明図である。本変形例は、それぞれの太陽電池パネル31の表面に格子状の接触防止部45が設けられた太陽電池アレイ20に関する。
図25においては、フロート35は太陽電池パネル31および額縁部33の下に隠れている。実施の形態3と共通する部分については、説明を省略する。
【0120】
接触防止部45は、縦横それぞれ3本の棒より構成された格子状であり、太陽電池パネル31の表面に平行に配置されている。それぞれの棒の端部および交点には、太陽電池パネル31に垂直な足が設けられており、太陽電池パネル31に固定されている。
【0121】
接触防止部45は、光透過性が高く、柔軟な材料で形成されていることが望ましい。接触防止部45には、たとえば、透明シリコーン樹脂、透明ポリウレタン樹脂、または透明アクリル系ゴム樹脂等が使用される。
【0122】
図26に示すように、連結部38は2つの太陽光発電ユニット30の縁同士を連結する環状である。太陽光発電ユニット30同士は、連結部38を介して互いに回動可能に連結されている。
【0123】
本変形例によると、たとえば飛来物による太陽電池パネル31の損傷を防止できる太陽電池アレイ20を提供できる。たとえば直径の大きい連結部38を使用することにより、太陽光発電ユニット30同士の結合が緩やかで、波の形状に追従して海面に浮きやすい太陽電池アレイ20を提供できる。
【0124】
[変形例3-3]
図27は、変形例3-3の太陽電池アレイ20の斜視図である。本変形例は、太陽電池パネル31の縁に沿って略U字形の接触防止部45を有する太陽電池アレイ20に関する。
図27においては、フロート35は太陽電池パネル31および額縁部33の下に隠れている。実施の形態3と共通する部分については、説明を省略する。
【0125】
それぞれの太陽光発電ユニット30は、4辺に沿って略U字型の接触防止部45を有する。接触防止部45の両端は、額縁部33に固定されている。なお、
図27においては、隣り合った太陽光発電ユニット30に設けられた合計2本の接触防止部45を省略して、一本の線で図示する。
【0126】
図28は、変形例3-3の接触防止部45の効果を説明する説明図である。
図28は、荒波等により連結部38が外れて太陽光発電ユニット30同士がバラバラになり、波に煽られた状態を模式的に示す。
【0127】
図28においては、左側に示す太陽光発電ユニット30の上に中央に示す太陽光発電ユニット30が乗り上げており、その上に右側に示す太陽光発電ユニット30がさらに乗り上げている。すなわち、太陽電池パネル31および額縁部33の後ろに隠れたフロート35が、接触防止部45に接触している。
【0128】
接触防止部45が存在することにより、太陽電池パネル31にフロート35が直接乗り上げることが防止されている。そのため、太陽電池パネル31に割れ等の損傷が生じにくい。接触防止部45が太陽電池パネル31の周囲に柵状に配置されているため、接触防止部45により、太陽光が遮られにくい。したがって、接触防止部45に比較的光透過性の低い材料を使用した場合であっても、発電効率の低下が少ない太陽電池アレイ20を提供できる。
【0129】
[変形例3-4]
図29は、変形例3-4の太陽電池アレイ20の斜視図である。本変形例は、太陽電池パネル31の表面に略半球形状の接触防止部45を有する太陽電池アレイ20に関する。
図29においては、フロート35は太陽電池パネル31および額縁部33の下に隠れている。実施の形態3と共通する部分については、説明を省略する。
【0130】
それぞれの太陽電池パネル31の表面に、12個の略半休形状の接触防止部45が配置されている。接触防止部45は、たとえば液状の透明樹脂を太陽電池パネル31の上に滴下して、硬化させることにより形成できる。
【0131】
図30および
図31は、変形例3-4の接触防止部45の効果を説明する説明図である。
図30および
図31は、荒波等により連結部38が外れて太陽光発電ユニット30同士がバラバラになり、波に煽られた状態を模式的に示す。
【0132】
図30においては、右側に示す太陽光発電ユニット30のフロート35が左側に示す太陽光発電ユニット30に乗り上げている。接触防止部45が存在することにより、フロート35が太陽電池パネル31に直接乗り上げることが防止されている。そのため、太陽電池パネル31に割れ等の損傷が生じにくい。
【0133】
図31においては、一つの太陽光発電ユニット30が波に煽られて逆さまになって、他の太陽光発電ユニット30の上に乗り上げている。接触防止部45が存在することにより、太陽電池パネル31同士が直接接触することが防止されている。硬質の太陽電池パネル31同士が直接接触することによる、太陽電池パネル31の傷および割れ等の損傷が生じにくい。
【0134】
さらに、仮に太陽電池パネル31に損傷が生じた場合であっても、損傷した太陽電池パネル31同士が接触することによる正極と負極との間の短絡の発生および短絡に伴う火災の発生を防止できる。
【0135】
[変形例3-5]
図32は、変形例3-5の太陽電池アレイ20の斜視図である。本変形例は、額縁部33と平行に配置された接触防止部45を有する太陽電池アレイ20に関する。
図32においては、フロート35は太陽電池パネル31および額縁部33の下に隠れている。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0136】
接触防止部45は、支持柱451と接続部452とを備える。接続部452は、連結済の太陽光発電ユニット30における額縁部33と略同一寸法の格子状である。支持柱451は、額縁部33のうち、太陽電池パネル31の周縁のうち、太陽電池パネル31の角に近い位置に配置された柱状である。接続部452は、支持柱451の先端同士を相互に接続しており、支持柱451を介して太陽電池パネル31および額縁部33に固定されている。
【0137】
本変形例によると、大型の落下物が落ちた場合であっても太陽電池パネル31が損傷を受けにくい太陽電池アレイ20を提供できる。
【0138】
[変形例3-6]
太陽電池アレイ20は、実施の形態3および各変形例で説明した複数の形状の太陽光発電ユニット30を適宜組み合わせて構成されていてもよい。
【0139】
それぞれの太陽光発電ユニット30のフロート35は、実施の形態1および実施の形態1の各変形例で説明したフロート35であってもよい。太陽電池アレイ20は、複数の形状のフロート35を有する太陽光発電ユニット30を含んでもよい。
【0140】
[実施の形態4]
本実施の形態は、太陽電池パネル31が破損した場合に発電を停止する太陽光発電システム10に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0141】
図33は、実施の形態4の太陽光発電ユニット30の構成を説明する説明図である。
図33においては、1枚の太陽電池パネル31は縦12個、横6個の合計72個の太陽電池セル32を含む。
【0142】
太陽電池セル32は、
図33における縦方向に太陽電池セル32を接続し、太陽電池パネル31の上端および下端で交互に隣接する太陽電池セル32同士を接続する配線材51により、直列に接続されている。それぞれの太陽電池セル32はダイオードの機能を有し、光が照射された場合に起電力により
図33に示す配線材51において右側から左側に向けて電流が流れるように配置されている。
【0143】
太陽電池パネル31の上端において、配線材51に3個のバイパスダイオード52が接続されている。すなわちそれぞれのバイパスダイオード52は、直列接続された24個の太陽電池セル32に対して、並列に接続されている。
【0144】
以下の説明では、一つのバイパスダイオード52に並列接続された24個の太陽電池セル32をクラスタと記載する場合がある。
図33においては、一つの太陽電池パネル31は、3つのクラスタを含む。クラスタを構成する太陽電池セル32に故障が生じて起電力が発生しなくなった場合、当該クラスタに並列に配置されたバイパスダイオード52が自動的にONになり、クラスタには電流が流れない状態になる。
【0145】
なお、
図33に示す太陽電池パネル31に含まれる太陽電池セル32の数および配置は例示である。一つの太陽電池パネル31に含まれる太陽電池セル32の数は、それぞれの太陽電池セル32の起電力および太陽電池パネル31が出力するべき電圧に基づいて適宜定められる。
【0146】
太陽電池パネル31の表面に、3つのクラスタを横切る明暗コントロールパネル56が配置されている。
図33においては、明暗コントロールパネル56は太陽電池パネル31の下端に配置されているが、明暗コントロールパネル56は太陽電池パネル31の中央部に配置されていてもよい。
【0147】
明暗コントロールパネル56は、光透過率が高い透光性の状態と、光透過率が低い不透光性の状態とを切り替え可能なフラットパネルである。明暗コントロールパネル56は、たとえば液晶パネルである。明暗コントロールパネル56を動作させる電源は、たとえば太陽電池パネル31により供給される。明暗コントロールパネル56は、電源が供給されている場合に光透過率が高く、電源が供給されていない場合に光透過率が低くなる。
【0148】
太陽電池パネル31には、図示を省略する短絡検知センサが配置されている。明暗コントロールパネル56と短絡検知センサとは、太陽電池パネル31に短絡が発生した場合に明暗コントロールパネル56の電源がOFFになるように、ハードウェア的に接続されている。
【0149】
いずれかの太陽電池セル32に短絡が発生した場合、明暗コントロールパネル56の光透過率が低くなり、明暗コントロールパネル56に覆われている太陽電池セル32の起電力がほぼゼロになる。太陽電池セル32が破損した際と同様にバイパスダイオード52が自動的にONになり、太陽電池パネル31全体の発電が停止する。
【0150】
故障が生じた太陽電池パネル31全体の発電が停止することにより、破損した太陽電池パネル31に起因する火災の発生を防止できる。また、修理の際の感電事故等も防止できる。
【0151】
なお、フロート35の形状は任意である。たとえばフロート35の形状は、実施の形態1および実施の形態1の変形例で説明した任意のフロート35の形状であってもよい。隣接する太陽電池セル32同士は、太陽電池セル32の内部配線と一体に構成された導電部により接続されていてもよい。
【0152】
太陽光発電ユニット30は、実施の形態3および実施の形態3の変形例で説明した任意の接触防止部45を有してもよい。明暗コントロールパネル56で覆われている部分については、明暗コントロールパネル56の上に接触防止部45が設けられていてもよい。明暗コントロールパネル56で覆われている部分には、接触防止部45が設けられていなくてもよい。
【0153】
[実施の形態5]
本実施の形態は、太陽電池パネル31とフロート35との間に、フロート35側を撮影する向きに配置されたカメラ61を備える太陽光発電システム10に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0154】
図34は、実施の形態5の太陽光発電システム10の構成を説明する説明図である。太陽電池パネル31は、皿状の額縁部33に固定されている。額縁部33の下面に、カメラ61が固定されている。カメラ61は、いわゆる魚眼レンズを備えることが望ましい。
【0155】
フロート35は、たとえば透光性の材料で形成されており、上部に開口を有する容器型である。額縁部33および太陽電池パネル31が開口を水密に閉鎖する蓋の機能を果たす。それぞれのカメラ61の電源は、太陽電池パネル31から供給される。カメラ61の電源は、図示を省略する無線受電アンテナを介して、図示を省略するPCSから供給されてもよい。
【0156】
カメラ61により撮影された画像は、無線通信によりたとえば太陽光発電システム10を制御する制御室にリアルタイムで送信される。なお、
図34においてはすべての太陽光発電ユニット30がカメラ61を備えるが、カメラ61を備える太陽光発電ユニット30と、備えない太陽光発電ユニット30とが混在していてもよい。
【0157】
太陽電池アレイ20が長期間運用されると、たとえば貝および海藻等の付着物65がフロート35の表面に付着する場合がある。付着物65が多くなると、フロート35が沈みやすくなるため、付着物65を除去するメンテナンス作業が必要である。付着物65の付きかたは、海水温および海流等により変動する。
【0158】
制御室では、カメラ61により撮影された画像をオペレータが適宜観察して、付着物65の量を確認できる。オペレータは、付着物65の量が多いと判断した場合、水中ドローン70を操作してフロート35の表面を観察してもよい。水中ドローン70を使用することにより、カメラ61では観察できない部分も観察できる。
【0159】
オペレータは、付着物65の状況に応じてメンテナンスの計画を立案する。なお、たとえば画像解析により付着物65の量が自動的に判定され、付着物65が多い場合にオペレータに対する通知が行われてもよい。
【0160】
カメラ61の近傍に照明用のライトが配置されていてもよい。たとえば太陽電池パネル31が透光性である場合、太陽電池と蓄電池とを搭載したライトを使用し、昼間に蓄電池に蓄えた電力を使用してライトを点灯できる。ライトは、太陽電池パネル31により発電された電力の一部を蓄える蓄電池に接続されていてもよい。ライトの電源は、図示を省略する無線受電アンテナを介して、図示を省略するPCSから供給されてもよい。夜間等の周囲が暗い時間帯であっても付着物65を観察可能な太陽光発電システム10を提供できる。
【0161】
フロート35は、多数の独立気泡が分散した発泡樹脂製であり、カメラ61がフロート35の内部に包埋されていてもよい。外光が明るい時間帯であれば、付着物65が付着した方向は暗く、付着物65が付着していない方向は明るい画像がカメラ61により撮影される。オペレータは、付着物65の詳細な形状を撮影することは難しいが、付着物65が多量に付着しているか否かは判定可能である。
【0162】
なお、フロート35の形状は任意である。たとえばフロート35の形状は、実施の形態1、実施の形態1の変形例、実施の形態2および実施の形態2の変形例で説明した任意のフロート35の形状であってもよい。
【0163】
太陽光発電ユニット30は、実施の形態3および実施の形態3の変形例で説明した任意の接触防止部45を有してもよい。
【0164】
本実施の形態によると、付着物65除去のためのメンテナンスの時期を適切に判断可能な太陽光発電システム10を提供できる。
【0165】
各実施例で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組合せ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0166】
特許請求の範囲に記載した独立請求項および従属請求項は、引用形式に関わらずあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載しても良い。
【符号の説明】
【0167】
10 太陽光発電システム
15 係留ロープ
20 太陽電池アレイ
30 太陽光発電ユニット
31 太陽電池パネル
32 太陽電池セル
33 額縁部
34 ヒレ
35 フロート
351 フロート開口
36 反射鏡
371 窪み
372 溝
38 連結部
39 錘
45 接触防止部
451 支持柱
452 接続部
51 配線材
52 バイパスダイオード
56 明暗コントロールパネル
61 カメラ
65 付着物
70 水中ドローン