(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005224
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】デジタルサイネージ
(51)【国際特許分類】
G09F 19/00 20060101AFI20250108BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20250108BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
G09F19/00 Z
G09G5/00 510A
G09G5/00 550X
G09G5/00 550B
G09G3/20 612C
G09G3/20 612B
G09G3/20 611B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105322
(22)【出願日】2023-06-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和5年2月27日に公道に設置して公開、及び令和5年3月13日付けで近畿運輸局(神戸輸送監理部兵庫陸運部)に提出した書面での公開
(71)【出願人】
【識別番号】523245920
【氏名又は名称】シーモアシー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(72)【発明者】
【氏名】松本 美根子
【テーマコード(参考)】
5C080
5C182
【Fターム(参考)】
5C080BB05
5C080CC01
5C080CC03
5C080CC09
5C080JJ02
5C080JJ06
5C080JJ07
5C080KK34
5C080KK38
5C182AA03
5C182AB11
5C182AC02
5C182AC03
5C182BC26
5C182DA42
5C182DA64
(57)【要約】
【課題】新たに停留所を開設する際のコスト及び工期を低減する。
【解決手段】デジタルサイネージ10は、バスなどの交通機関の停留所に設置される。デジタルサイネージ10は、ポール11と、ポール11の上端部に配置されたソーラシート25と、ソーラシート25が出力する電力によって充電されるバッテリと、ポール11の中央部に配置された電子ペーパ42と、通信モジュールを有し、当該通信モジュールを通じて受信した時刻表を電子ペーパ42に表示させる表示処理を実行するコントローラと、を備える。ソーラシート25は、上向きに突出する湾曲形状の断面を有する。上向きに突出するソーラシート25は、朝や夕などの太陽の位置が低い時間帯において、板状のソーラパネルに比べ太陽光の受光量が増加する。その結果、新たに開設する停留所において、外部電源の付設の必要がなくなる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポールと、
上記ポールの上端部に配置されたソーラシートと、
上記ソーラシートが出力する電力によって充電されるバッテリと、
上記ポールの中央部に配置された電子ペーパと、
通信モジュールを有し、当該通信モジュールを通じて受信した時刻表を上記電子ペーパに表示させる表示処理を実行するコントローラと、を備え、
上記ソーラシートは、上向きに突出する湾曲形状の断面を有する、デジタルサイネージ。
【請求項2】
上記ソーラシートが出力する電力によって上記バッテリを充電する充電回路及び上記バッテリから直流電力を出力させる出力回路を有する充放電回路をさらに備え、
上記コントローラは、
タイマ回路を有する時刻制御回路と、
時刻表を管理する管理サーバの通信アドレスを記憶するメモリと、を更に備え、
上記コントローラは、
上記タイマ回路が示す日時が所定日時となったことに基づいて、上記充放電回路が出力する電力を上記通信モジュールに供給する給電処理と、
時刻表要求を有するHTTPリクエストを、上記管理サーバ宛に、上記通信モジュール及びインターネットを通じて送信する時刻表要求送信処理と、
時刻表を含むHTTPレスポンスを、上記通信モジュールを通じて受信する時刻表受信処理と、
時刻表を受信したことに基づいて、上記表示処理の実行後、上記通信モジュールへの電力供給を停止させる第1休眠処理と、を実行する、請求項1に記載のデジタルサイネージ。
【請求項3】
上記コントローラは、
上記給電処理の実行後且つ上記時刻表要求送信処理の実行前に、時刻表の変更の有無を示す変更情報を要求するHTTPリクエストを、管理サーバ宛に、上記通信モジュール及びインターネットを通じて送信する変更情報要求送信処理と、
上記変更情報を含むHTTPレスポンスを、上記通信モジュールを通じて受信する変更情報受信処理と、を更に実行し、
受信した変更情報が時刻表の変更があることを示すことに基づいて、上記時刻表要求送信処理、上記時刻表受信処理、上記表示処理、及び上記第1休眠処理を実行し、
受信した変更情報が時刻表の変更がないことを示すことに基づいて、上記時刻表要求送信処理、上記時刻表受信処理、及び上記表示処理を実行せずに上記第1休眠処理を実行する、請求項2に記載のデジタルサイネージ。
【請求項4】
上記コントローラは、
時刻表を受信したことに基づいて、上記充放電回路が出力する電力を上記電子ペーパに供給して上記表示処理を実行し、
上記表示処理の実行後、上記電子ペーパへの電力供給を停止させる第2休眠処理を更に実行する、請求項2または3に記載のデジタルサイネージ。
【請求項5】
上記コントローラは、
上記ソーラシートの出力電力及び上記バッテリへの充電電力の少なくとも一方を示す第1情報を上記充放電回路から取得する第1取得処理と、
上記通信モジュールにおける使用電力を示す第2情報を取得する第2取得処理と、
上記給電処理の実行後、上記第1休眠処理の実行前に、上記第1情報及び上記第2情報を、管理サーバ宛に、上記通信モジュール及びインターネットを通じて送信する管理情報送信処理と、を更に実行する、請求項2に記載のデジタルサイネージ。
【請求項6】
上記コントローラは、
上記給電処理の実行後、上記第1休眠処理の実行前に、上記通信モジュールが受信した設定情報に基づいて、上記所定日時を含む設定情報の更新を行う更新処理を更に実行する、請求項2に記載のデジタルサイネージ。
【請求項7】
上記ソーラシートと、上記バッテリと、上記コントローラ及び上記通信モジュールを実現する電子部品が実装された制御基板と、を収容し、且つ上記ポールの上端に固定された収容ケースを更に備え、
上記収容ケースは、
上記バッテリ及び上記制御基板が上面に載置された矩形板状のベースと、
上向きに突出する湾曲形状の断面を有し、内周面に沿って上記ソーラシートが配置され、且つ上記ベースの上側を覆う透明カバーと、
一対の側板と、を備えた請求項1に記載のデジタルサイネージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通機関の停留所に設置されるデジタルサイネージに関する。
【背景技術】
【0002】
交通機関の停留所に設置されるデジタルサイネージが知られている(例えば、特許文献1参照)。交通機関は、バスやタクシーや鉄道や航空機などである。
【0003】
特許文献1に記載されたデジタルサイネージは、外部電源、内部電源、電子ペーパ、通信部、及びコントローラを備える。内部電源は、ソーラパネルを有する太陽光発電装置及びバッテリである。コントローラは、サーバ装置がインターネット及び移動体通信網を通じて配信した路線図及び時刻表を受信し、受信した路線図及び時刻表を電子ペーパに表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたデジタルサイネージでは、太陽光発電装置で発電された電力を使用することにより、外部電源における電力の使用量を低減して、省電力化を図っている。つまり、内部電源はあくまで補助的なものであり、外部電源の使用は、特許文献1に記載されたデジタルサイネージにおいて必須である。
【0006】
特許文献1に記載されたデジタルサイネージを、新たに開設する停留所に設置する場合、外部電源を付設しなければならない。外部電源の付設は、停留所の開設コストを増加させ、且つ開設に要する期間(工期)を長くする。つまり、特許文献1に記載されたデジタルサイネージは、新たに停留所を開設する場合に、開設に要するコストが高くなり、且つ工期が長くなるという問題を有する。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、新たに停留所を開設する際のコスト及び工期を低減することが可能なデジタルサイネージを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明に係るデジタルサイネージは、ポールと、上記ポールの上端部に配置されたソーラシートと、上記ソーラシートが出力する電力によって充電されるバッテリと、上記ポールの中央部に配置された電子ペーパと、通信モジュールを有し、当該通信モジュールを通じて受信した時刻表を上記電子ペーパに表示させる表示処理を実行するコントローラと、を備える。上記ソーラシートは、上向きに突出する湾曲形状の断面を有する。
【0009】
ソーラシートは、光(太陽光)を受けて電力を出力する複数の発電素子からなるデバイスであり、且つソーラパネルとは異なり可撓性を有する。ソーラシートは、ポールの上端側に配置される。ソーラシートは、上向きに突出する湾曲形状の断面を有するから、例えば朝から夕にかけて太陽光の受光量が増加する。その結果、ソーラシートの1日の発電量が、上向きに突出する湾曲形状のソーラシートを上から見た形状である矩形と同形状の板状のソーラパネルに比べ、増加する。発電量が増加することにより、外部電源が設けられなくても、時刻表を表示及び変更することが可能になる。その結果、新たに停留所を開設する際のコスト及び工期を低減することができる。
【0010】
(2) 本発明に係るデジタルサイネージは、上記ソーラシートが出力する電力によって上記バッテリを充電する充電回路及び上記バッテリから直流電力を出力させる出力回路を有する充放電回路をさらに備えていてもよい。上記コントローラは、タイマ回路を有する時刻制御回路と、時刻表を管理する管理サーバの通信アドレスを記憶するメモリと、を更に備える。上記コントローラは、上記タイマ回路が示す日時が所定日時となったことに基づいて、上記充放電回路が出力する電力を上記通信モジュールに供給する給電処理と、時刻表要求を有するHTTPリクエストを、上記管理サーバ宛に、上記通信モジュール及びインターネットを通じて送信する時刻表要求送信処理と、時刻表を含むHTTPレスポンスを、上記通信モジュールを通じて受信する時刻表受信処理と、時刻表を受信したことに基づいて、上記表示処理の実行後、上記通信モジュールへの電力供給を停止させる第1休眠処理と、を実行する。
【0011】
所定日時は、例えば毎日の定刻や、2日ごとの定刻や、月曜日などの所定の曜日の定刻や、月初め或いは月末の定刻などである。管理サーバがデジタルサイネージに時刻表を配信する場合、通信モジュールは、いつでも時刻表を受信可能なように電力を常に供給され続ける必要がある。本発明では、デジタルサイネージから管理サーバに時刻表の送信要求がされるから、通信モジュールに常に電力を供給する必要が無く、時刻表を受信してから次の所定日時になるまでの間、通信モジュールを休眠状態にすることができる。その結果、通信に要する電力が低減し、ソーラシートが出力する電力のみによって時刻表の更新を行うことが可能になる。
【0012】
(3) 上記コントローラは、上記給電処理の実行後且つ上記時刻表要求送信処理の実行前に、時刻表の変更の有無を示す変更情報を要求するHTTPリクエストを、管理サーバ宛に、上記通信モジュール及びインターネットを通じて送信する変更情報要求送信処理と、上記変更情報を含むHTTPレスポンスを、上記通信モジュールを通じて受信する変更情報受信処理と、を更に実行し、受信した変更情報が時刻表の変更があることを示すことに基づいて、上記時刻表要求送信処理、上記時刻表受信処理、上記表示処理、及び上記第1休眠処理を実行し、受信した変更情報が時刻表の変更がないことを示すことに基づいて、上記時刻表要求送信処理、上記時刻表受信処理、及び上記表示処理を実行せずに上記第1休眠処理を実行してもよい。
【0013】
変更情報は、時刻表の変更があるか否かを示すだけの情報であるから、時刻表自体と比べてデータ量が少ない。データ量が少ないから、リトライや欠損パケットの再送信も含め、変更情報の受信に要する通信時間は、時刻表の受信に要する通信時間に比べ短くなる。通信時間が短いから、通信モジュールに駆動電力を供給する時間が短くなる。その結果、消費電力が更に低減する。
【0014】
(4) 上記コントローラは、時刻表を受信したことに基づいて、上記充放電回路が出力する電力を上記電子ペーパに供給して上記表示処理を実行し、上記表示処理の実行後、上記電子ペーパへの電力供給を停止させる第2休眠処理を更に実行してもよい。
【0015】
電子ペーパは、給電が停止された後も表示を維持することができる表示装置である。電子ペーパは、通信モジュールが新しい時刻表を受信した後に電力を供給され、新しい時刻表に表示が更新された後、電力の供給を停止される。つまり、時刻表を更新する間だけ電子ペーパに駆動電力が供給される。その結果、電子ペーパに駆動電力が常に供給される場合に比べ、消費電力が低減する。
【0016】
(5) 上記コントローラは、上記ソーラシートの出力電力及び上記バッテリへの充電電力の少なくとも一方を示す第1情報を上記充放電回路から取得する第1取得処理と、上記通信モジュールにおける使用電力を示す第2情報を取得する第2取得処理と、上記給電処理の実行後、上記第1休眠処理の実行前に、上記第1情報及び上記第2情報を、管理サーバ宛に、上記通信モジュール及びインターネットを通じて送信する管理情報送信処理と、を更に実行してもよい。
【0017】
デジタルサイネージの管理者は、ソーラシートの発電状況やバッテリの充電状況や電力の使用状況を確認することができる。
【0018】
(6) 上記コントローラは、上記給電処理の実行後、上記第1休眠処理の実行前に、上記通信モジュールが受信した設定情報に基づいて、上記所定日時を含む設定情報の更新を行う更新処理を更に実行してもよい。
【0019】
所定日時を含む設定情報の更新を遠隔操作において行うことができる。
【0020】
(7) 本発明に係るデジタルサイネージは、上記ソーラシートと、上記バッテリと、上記コントローラ及び上記通信モジュールを実現する電子部品が実装された制御基板と、を収容し、且つ上記ポールの上端に固定された収容ケースを更に備えていてもよい。上記収容ケースは、上記バッテリ及び上記制御基板が上面に載置された矩形板状のベースと、上向きに突出する湾曲形状の断面を有し、内周面に沿って上記ソーラシートが配置され、且つ上記ベースの上側を覆う透明カバーと、一対の側板と、を備える。
【0021】
ソーラシートを覆う透明カバーは、上向きに突出する湾曲形状の断面を有するから、板状の透明カバーに比べ、雪が積もり難く、且つ堆積した埃が雨によって流れ落ち易い。その結果、ソーラシートの1日の発電量が、板状のソーラパネルの発電量に比べ増加する。また、バッテリ及び制御基板は、湾曲形状のソーラシートの内側に配置されるから、バッテリ及び制御基板がソーラシートの外側に配置される場合よりも、ソーラシート、バッテリ、及び制御基板をコンパクトに纏めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、実施形態に係るデジタルサイネージ10の斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るデジタルサイネージ10の正面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るデジタルサイネージ10の断面図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るデジタルサイネージ10の機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、時刻制御回路50及び通信モジュール60が実行する処理のフローチャートである。
【
図8】
図8は、変形例に係る上部ユニット110の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。例えば、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更することができる。或いは、後述の処理の一部は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜省略することができる。
【0024】
図1は、デジタルサイネージ10の斜視図である。
図2は、デジタルサイネージ10の正面図である。
図3は、デジタルサイネージ10の断面図である。
図4は、上部ユニット12の断面図である。
図5は、表示ユニット13の正面図である。
【0025】
図1が示すデジタルサイネージ10は、バスやタクシーや電車や航空機などの交通機関の各停留所にそれぞれ設置される。デジタルサイネージ10は、設置された停留所における路線図及び時刻表を表示する。以下では、デジタルサイネージ10がバスの停留所に設置される場合が説明される。
【0026】
デジタルサイネージ10は、ポール11、上部ユニット12、表示ユニット13、及び埋設ブロック14を備える。
【0027】
図3が示すように、ポール11は、中心軸が鉛直方向(上下方向)に沿う円筒状である。ポール11は、表示ユニット13を取り付けるためのネジが挿通される不図示のねじ孔や、ケーブル15が通される不図示の配線孔を有している。ケーブル15は、ポール11内に配置され、上部ユニット12と表示ユニット13とを電気的に接続する。
【0028】
埋設ブロック14は、接続パイプ16の下部を埋め込まれている。接続パイプ16の上部は、ポール11に挿通されている。接続パイプ16は、埋設ブロック14とポール11とを接続する。もっとも、接続パイプ16の下端部が埋設ブロック14に直接埋め込まれていてもよい。
【0029】
埋設ブロック14は、停留所の地面に埋設される。埋設ブロック14は、直方体状であってもよいし、円柱状であってもよいし、板状であってもよい。
【0030】
表示ユニット13は、鉛直方向(上下方向)におけるポール11の中央部に位置している。
図5が示すように、表示ユニット13は、保持体41及び電子ペーパ42を備える。
【0031】
保持体41は、ビスや、ボルト及びナットや、取付金具などを用いてポール11に取り付けられている。保持体41は、上部のバス停名表示部43と、中央部の電子ペーパ保持部44と、下部の広告貼付部45とを有する。
【0032】
バス停名表示部43は、矩形板状である。バス停名表示部43は、バス停の名称(バス停名)が表記されたプレートが貼り付けられる。
【0033】
広告貼付部45は、矩形板状である。広告貼付部45は、広告物を貼り付けられる。
【0034】
電子ペーパ保持部44は、前面が開口した扁平な箱状である。電子ペーパ42が、電子ペーパ保持部44内に配置される。当該開口には、アクリル板やガラス板やシートなどの透光性を有する保護カバー46が配置される。保護カバー46は、ネジや接着剤などによって保持体41に固定されている。保護カバー46を通じて、外部から電子ペーパ42が視認される。
【0035】
電子ペーパ42は、電源の供給が停止されても表示を維持可能な表示装置である。電子ペーパ42は、例えば、画素(ピクセル)を形成する電子インク層と、電子インク層を挟む透明電極とを備える。透明電極に正又は負の電圧が加えられることにより、画素の色が黒又は白となる。透明電極への電圧の印可が停止しても、画素は黒又は白を維持する。つまり、電子ペーパ42は、電力の供給が停止されても、表示を維持する。なお、電子ペーパ42は、モノクロ画像を表示するものであってもよいし、カラー画像を表示するものであってもよい。
【0036】
電力の供給が停止されても表示を維持可能であれば、どのような種類の表示装置が電子ペーパ42として用いられてもよい。例えば、市販の電子ペーパが電子ペーパ42として用いられる。
【0037】
電子ペーパ42は、矩形板状或いは矩形のシート状である。電子ペーパ42は、保持体41の電子ペーパ保持部44内に配置される。
【0038】
電子ペーパ42は、ケーブル15の一端が接続される不図示のコネクタを有している。ケーブル15の他端は、制御基板27(
図4参照)に実装されたコネクタ34と接続されている。つまり、電子ペーパ42は、ケーブル15を介して制御基板27と電気的に接続されている。
【0039】
図5が示すように、電子ペーパ42は、時刻表を表示する第1表示領域81と、路線図を表示する第2表示領域82と、お知らせ情報を表示する第3表示領域83と、を有する。電子ペーパ42は、第1表示領域81の表示と、第2表示領域82の表示と、第3表示領域83の表示とを、一括で更新する。もっとも、電子ペーパ42は、第1表示領域81の表示と、第2表示領域82の表示と、第3表示領域83の表示とを、個別に更新可能であってもよい。
【0040】
図4が示すように、上部ユニット12は、収容ケース20と、収容ケース20に収容されたソーラシート25、バッテリ26、及び制御基板27と、を備える。
【0041】
収容ケース20は、ベース21、透明カバー22、及び一対の側板23、24を有する。
【0042】
ベース21は、矩形板状の合成樹脂成型品である。なお、ベース21は、金属製品やセラミック製品などであってもよい。また、ベース21の形状は、矩形以外の形状であってもよい。
【0043】
ベース21は、制御基板27を支持する複数のボス28を有している。つまり、制御基板27は、ベース21の上面から浮かせて配置されている。もっとも、ベース21が金属製品である場合、ボス28に代えて、制御基板27を収容する樹脂製の基板ボックスがベース21の上面に載置されていてもよい。つまり、制御基板27は、ベース21に直接固定されていてもよいし、基板ボックスなどを介して固定されていてもよい。
【0044】
透明カバー22は、上向に突出する半円弧状の断面を有する。透明カバー22は、アクリルやポリカーボネイトなどの透光性を有する合成樹脂成型品或いはガラス製品である。透明カバー22は、ネジや接着剤などによってベース21に取り付けられている。
【0045】
一対の側板23、24は、円板状である。側板23、24の半径と、透明カバー22の半径とは、略同一である。側板23の上側の縁は、透明カバー22の一方の側端面に当接し、側板24の上側の縁は、透明カバー22の他方の側端面に当接している。また、上下方向における側板23の中央部は、ベース21の一方の側端面に当接し、上下方向における側板24の中央部は、ベース21の他方の側端面に当接している。側板23、24は、ネジや接着剤などによって、ベース21及び透明カバー22に取り付けられている。
【0046】
収容ケース20の内部空間は、一対の側板23、24の上部と、ベース21と、透明カバー22とによって区画されている。当該内部空間にソーラシート25、バッテリ26、及び制御基板27が収容されている。
【0047】
制御基板27は、回路基板と、回路基板に実装された電子部品とからなる。電子部品は、マイクロコンピュータや、種々のICや、モジュールや、抵抗や、コンデンサや、コイルや、ダイオードや、コネクタ34などである。マイクロコンピュータや種々のIC等により、時刻制御回路50や電源回路55やタイマ回路53(
図6参照)などが実現される。
【0048】
なお、
図4には示されていないが、制御基板27のグランドは、ポール11と電気的に接続されていてもよい。つまり、制御基板27は、例えばポール11において器体接地(筐体接地/ボディアース)される。
【0049】
ソーラシート25は、複数の発電素子を有する発電装置である。発電素子は、例えばPN接合を有する半導体である。発電素子は、接合面に入射した太陽光に応じた起電力を生じる。
【0050】
ソーラシート25は、可撓性を有するシート状である。ソーラシート25は、上向に突出するように湾曲され、透明カバー22の内周面に貼り付けられる。つまり、ソーラシート25は、上向きに突出する半円弧状の断面を有する。例えば、市販のソーラシートが半円弧状に湾曲されてソーラシート25として用いられる。
【0051】
ソーラシート25は、上記発電素子と電気的に接続されたコネクタ36を有する。ソーラシート25は、コネクタ36において、複数の発電素子が生成した直流電流(直流電圧)を出力する。ソーラシート25が出力する直流電圧(起電力)は、例えば5vである。
【0052】
ケーブル37の一端が、ソーラシート25のコネクタ36に接続されている。ケーブル37の他端は、バッテリ26と接続されている。
【0053】
図6は、デジタルサイネージ10の機能ブロック図である。制御基板27に実装された種々の電子部品により、電源回路55、時刻制御回路50、通信モジュール60が形成されている。また、制御基板27には、バッテリ26を有するUPS30(uninterruptible power supply)が実装されている。
【0054】
UPS30は、バッテリ26、充電回路31、及び出力回路32を備える。
【0055】
バッテリ26は、充放電可能な2次電池である。バッテリ26として、どのような種類の2次電池が使用されてもよい。バッテリ26として、例えばソーラシート25の起電力よりも1vだけ高い6vの直流電圧を出力する2次電池が使用される。
【0056】
充電回路31は、昇圧回路(DC/DCコンバータ)を有する。充電回路31の出力端は、バッテリ26と接続されている。充電回路31は、ソーラシート25から入力された5vの直流電圧を、安定した6vの直流電圧に昇圧して、バッテリ26に対して出力する。つまり、バッテリ26は、ソーラシート25が発電した電力によって充電される。例えば、市販のUPSがUPS30として用いられる。UPS30は、特許請求の範囲に記載された「充放電回路」に相当する。もっとも、UPS30に代えて、充放電回路を実現する種々の電子部品が制御基板27に実装されていてもよい。
【0057】
出力回路32は、バッテリ26から入力した直流電圧を電源回路55に対して出力する回路である。出力回路32は、例えばバッテリ26の出力電圧と同じ6vの直流電圧を出力する。出力回路32は、例えば電源回路55に入力する直流電圧を安定させるため、DC/DCコンバータを有していてもよい。
【0058】
電源回路55は、UPS30から入力された直流電圧(6v)を第1駆動電圧及び第2駆動電圧に変圧して出力する回路である。第1駆動電圧は、例えば時刻制御回路50の駆動電圧である3.3vであり、第2駆動電圧は、例えば電子ペーパ42の駆動電圧である5vである。電子ペーパ42は、上記ケーブル15を通じて、5vの駆動電圧を供給される。
【0059】
電源回路55と通信モジュール60との間の5vの電源ラインには、スイッチング素子SW1が設けられている。スイッチング素子SW1は、時刻制御回路50から入力される駆動信号によってオンオフされる。一方、電源回路55と電子ペーパ42との間の5vの電源ラインには、スイッチング素子SW2が設けられている。スイッチング素子SW2は、時刻制御回路50から入力される駆動信号或いは通信モジュール60から入力される駆動信号によってオンオフされる。
【0060】
時刻制御回路50は、電源回路55の出力電圧(3.3v)と接続されている。時刻制御回路50は、UPS30及び電源回路55を通じてバッテリ26から常に電力を供給されて駆動する。
【0061】
時刻制御回路50は、制御部51、内部メモリ52、及びタイマ回路53を備える。
【0062】
制御部51は、例えばDSP(デジタルシグナルプロセッサ)やドライバICや制御ICなどである。
【0063】
タイマ回路53は、RTC(リアルタイムクロックモジュール)であって、日時情報を出力する。日時情報は、年月日及び時刻を示す情報である。時刻は、例えば秒単位である。なお、タイマ回路53は、上記DSPやICに内蔵されていてもよい。また、タイマ回路53は、所定日時に所定の信号を出力するものであってもよい。
【0064】
内部メモリ52は、例えば制御部51或いはタイマ回路53が内蔵するメモリである。内部メモリ52は、通信モジュール60を覚醒させる所定日時を記憶する。また、内部メモリ52は、ソーラシート25が出力する電力及びバッテリ26への充電電力を示す情報である第1情報を記憶する。所定日時は、例えば毎日の定刻や、2日ごとの定刻や、月曜日などの所定の曜日の定刻や、月初め或いは月末の定刻などである。
【0065】
通信モジュール60は、制御部61、内部メモリ62、及び通信モデム63を備える。
【0066】
制御部61は、例えばラズベリーパイなどのマイクロコンピュータのCPU(中央演算処理装置)である。
【0067】
通信モデム63は、通信インタフェース、制御IC、パターンアンテナ、及び内部メモリを備える。通信モデム63として、例えば移動体通信事業を行う通信事業者が提供する市販の通信モデムが用いられる。通信モデム63は、移動体通信網99及びインターネット100を通じて管理サーバ70と通信を行う。なお、通信モデム63の内部メモリには、通信モデム63に装着されるSIM(Subscriber Identity Module)カードも含まれる。
【0068】
通信モジュール60の内部メモリ62は、上記マイクロコンピュータ(ラズベリーパイ)の内部メモリ、或いは、上記マイクロコンピュータの内部メモリ及び通信モデム63の内部メモリである。
【0069】
内部メモリ62は、上記CPUによって実行されるプログラム(ファームウエア)を記憶する。
【0070】
また、内部メモリ62は、上記プログラム(ファームウエア)の他、管理サーバ70の通信アドレスや、自己の通信アドレスなど、管理サーバ70との通信に必要な通信情報を記憶する。
【0071】
また、内部メモリ62は、管理サーバ70のサーバメモリ72が有する第1フォルダを示す第1パスと、第2フォルダを示す第2パスと、第3フォルダを示す第3パスと、第4フォルダを示す第4パスと、第5フォルダを示す第5パスと、第6フォルダを示す第6パスと、を記憶する。
【0072】
第1フォルダは、時刻表が記憶されるフォルダである。第2フォルダは、時刻表の変更があったか否かを示す変更情報が記憶されるフォルダである。第3フォルダは、路線図の変更があったか否かを示す路線図変更情報が記憶されるフォルダである。第4フォルダは、路線図が記憶されるフォルダである。第5フォルダは、お知らせ情報の変更があったか否かを示すお知らせ変更情報が記憶されるフォルダである。第6フォルダは、お知らせ情報が記憶されるフォルダである。
【0073】
なお、第1フォルダから第6フォルダの全て、或いは一部のフォルダは、バス停ごとに作成されたフォルダに格納されたサブフォルダであってもよい。
【0074】
時刻制御回路50及び通信モジュール60は、特許請求の範囲に記載された「コントローラ」に相当する。時刻制御回路50の内部メモリ52及び通信モジュール60の内部メモリ62は、特許請求の範囲に記載された「メモリ」に相当する。
【0075】
管理サーバ70は、デジタルサイネージ10の所有者、つまりバスの運行を行うバス事業者が運用するWebサーバである。或いは管理サーバ70は、バス事業者が使用権限の少なくとも一部を有するレンタルのWebサーバである。或いは管理サーバ70は、GTFSサーバである。GTFSサーバとは、バスの時刻表や路線図や運賃表などの情報を一般ユーザ(バス利用者)に配信するサービスを提供する事業者が運用或いは使用権限を有するするWebサーバであってもよい。当該Webサーバ、例えばグーグル(登録商標)が運用するサーバ(いわゆるグーグルサーバ)である。以下では、管理サーバ70は、バス事業者が運用、或いは使用権限を有するWebサーバであるものとして説明がされる。
【0076】
管理サーバ70は、管理コントローラ71、サーバメモリ72、及び通信インタフェース73を備える。管理コントローラ71は、例えばCPU(中央演算処理装置)である。
【0077】
サーバメモリ72は、CPUで実行される不図示の管理プログラムを記憶する。
【0078】
また、サーバメモリ72は、バス停名と対応付けられた時刻表を上記第1フォルダに記憶する。第1フォルダは、上記GTFSサーバが読み出す時刻表を記憶するフォルダとして、GTFSサーバに上記第1パスが予め登録されたフォルダである。例えば、GTFSサーバは、第1パスを付帯するコマンドを管理サーバ70に送信する。管理サーバ70の管理コントローラ71は、第1パスが示す第1フォルダに記憶された時刻表をGTFSサーバに返信する。つまり、GTFSサーバは、管理サーバ70の第1フォルダから時刻表を読み出す。
【0079】
また、サーバメモリ72は、時刻表の変更が行われたか否かを示す変更情報を上記第2フォルダに記憶する。変更情報は、例えば0(OFF)或いは1(ON)の変更フラグである。0の変更フラグは、時刻表の変更が行われていないことを示す。1の変更フラグは、時刻表の変更が行われたことを示す。管理コントローラ71は、時刻表の変更があったことに基づいて、変更情報(変更フラグ)の値を1にし、例えば変更情報の値を1にした後、24時間が経過したことに基づいて変更情報の値を0に戻す。
【0080】
また、サーバメモリ72は、路線図の変更があったか否かを示す路線図変更情報を上記第3フォルダに記憶し、路線図を上記第4フォルダに記憶する。路線図変更情報は、例えば0(OFF)或いは1(ON)の路線図変更フラグである。0の路線図変更情報は、路線図の変更が行われていないことを示す。1の路線図変更情報は、路線図の変更が行われたことを示す。管理コントローラ71は、路線図の変更(更新)があったことに基づいて、路線図変更情報の値を1にし、例えば路線図変更情報の値を1にした後、24時間が経過したことに基づいて路線図変更情報の値を0に戻す。
【0081】
また、サーバメモリ72は、お知らせ情報の変更があったか否かを示すお知らせ変更情報を上記第5フォルダに記憶し、お知らせ情報を上記第6フォルダに記憶する。お知らせ情報は、バスの利用者に対して行うメッセージや広告などである。お知らせ変更情報は、例えば0(OFF)或いは1(ON)のお知らせ変更フラグである。0のお知らせ変更情報は、お知らせ情報の変更が行われていないことを示す。1のお知らせ変更情報は、お知らせ情報の変更が行われたことを示す。管理コントローラ71は、お知らせ情報の変更(更新)があったことに基づいて、お知らせ変更情報の値を1にし、例えばお知らせ変更情報の値を1にした後、24時間が経過したことに基づいてお知らせ変更フラグの値を0に戻す。
【0082】
図7は、時刻制御回路50の制御部51及び通信モジュール60の制御部61が実行する処理を示すフローチャートである。
【0083】
図7が示す処理の説明の前に、UPS30が時刻制御回路50に対して上記第1情報を出力する処理について説明がされる。UPS30は、所定の時間間隔で第1情報を出力する。第1情報は、UPS30への入力電圧値(つまり、ソーラシート25の出力電圧値)、バッテリ26への充電電圧値及び充電電流値、バッテリ26の出力電圧値の全部或いは一部である。所定の時間間隔は、数百ミリ秒から十数秒であって、例えば1秒とされる。時刻制御回路50の制御部51が第1情報をUPS30から取得する処理は、特許請求の範囲に記載された「第1取得処理」に相当する。
【0084】
時刻制御回路50の制御部51は、UPS30から入力した第1情報を内部メモリ52に記憶させる。
【0085】
図7が参照されて、制御部51、61が実行する処理について説明がされる。制御部51、61が実行する処理は、デジタルサイネージ10のコントローラが実行する処理である。
【0086】
時刻制御回路50の制御部51は、例えば所定の時間間隔で
図7が示す処理を定期的に実行する。所定の時間間隔は、例えば数秒から数分である。
【0087】
時刻制御回路50の制御部51は、タイマ回路53が出力した日時情報が示す日時が、内部メモリ52に記憶された所定日時になったか否かを判断する(S11)。制御部51は、タイマ回路53が出力した日時情報が示す日時が所定日時になっていないと判断すると(S11:No)、処理を終了する(エンド)。制御部51は、タイマ回路53が出力した日時情報が示す日時が所定日時になったと判断すると(S11:Yes)、スイッチング素子SW1に駆動信号を入力し、通信モジュール60に駆動電力を供給する給電処理を実行する(S12)。つまり、制御部51は、後述の第1休眠処理(S36)によって休眠状態の通信モジュール60に電力を供給して覚醒させる。
【0088】
なお、タイマ回路53が、内部メモリ52に記憶された所定日時になったことに基づいて通知信号を出力する場合、時刻制御回路50の制御部51は、通知信号が入力されたことに基づいて、ステップS12の給電処理を実行してもよい。
【0089】
時刻制御回路50の制御部51は、内部メモリ52に記憶された第1情報、使用電力に関する第2情報、及び通信指示(通知信号)を、覚醒させた通信モジュール60に対して出力する(S13)。第2情報は、ステップS37で取得する情報であって、前回の送信時から現時点までに通信モジュール60及び電子ペーパ42で使用した電力に関する情報である。
【0090】
通信モジュール60の制御部61は、入力された第1情報及び第2情報を内部メモリ62に記憶させる(S14)。また、制御部61は、通信指示を受け付けたことに基づいて、第2パスを含む第1DL(ダウンロード)要求を有するHTTPリクエストを、通信モデム63、移動体通信網99、及びインターネット100を通じて管理サーバ70に送信する(S15)。第1DL要求は、URLなどであって、第2パスを付帯するコマンド(命令)である。ステップS15の処理は、特許請求の範囲に記載された「変更情報要求送信処理」に相当する。
【0091】
管理サーバ70は、第1DL要求を含むHTTPリクエストを、通信インタフェース73を通じて受信する(S15)。管理サーバ70の管理コントローラ71は、受信したHTTPリクエストに含まれる第2パスが示す第2フォルダに記憶された変更情報をサーバメモリ72から読み出し、当該変更情報を含むHTTPレスポンスを、ステップS15で受信したHTTPリクエストに対する応答として、通信インタフェース73、インターネット100、及び移動体通信網99を通じてデジタルサイネージ10に返信する(S16)。
【0092】
デジタルサイネージ10は、管理サーバ70が返信したHTTPレスポンスを、通信モジュール60を通じて受信する(S16)。つまり、ステップS15、S16の処理は、デジタルサイネージ10が管理サーバ70の第2フォルダにアクセスして変更情報を読み出す処理である。ステップS16の処理は、特許請求の範囲に記載された「変更情報受信処理」に相当する。
【0093】
通信モジュール60の制御部61は、受信したHTTPレスポンスに含まれる変更情報に基づいて、時刻表の変更があったか否かを判断する(S17)。具体的には、制御部61は、変更情報(変更フラグ)の値が0であるか1であるかを判断する。制御部61は、時刻表の変更があると判断すると(S17:Yes)、第1パスを含む第2DL要求を有するHTTPリクエストを、通信モデム63、移動体通信網99、及びインターネット100を通じて管理サーバ70に送信する(S18)。第2DL要求は、URLなどであって、第1パスを付帯するコマンド(命令)である。第2DL要求は、特許請求の範囲に記載された「時刻表要求」に相当する。ステップS18の処理は、特許請求の範囲に記載された「時刻表要求送信処理」に相当する。
【0094】
管理サーバ70は、第2DL要求を含むHTTPリクエストを、通信インタフェース73を通じて受信する(S18)。管理サーバ70の管理コントローラ71は、受信したHTTPリクエストに含まれる第1パスが示す第1フォルダに記憶された時刻表をサーバメモリ72から読み出し、当該時刻表を含むHTTPレスポンスを、ステップS18で受信したHTTPリクエストに対する応答として、通信インタフェース73、インターネット100、及び移動体通信網99を通じてデジタルサイネージ10に返信する(S19)。
【0095】
通信モジュール60の制御部61は、時刻表を含むHTTPレスポンスを、通信モデム63を通じて受信する(S19)。つまり、ステップS18、S19の処理は、デジタルサイネージ10が管理サーバ70の第1フォルダにアクセスして新たな時刻表を読み出す処理である。ステップS19の処理は、特許請求の範囲に記載された「時刻表受信処理」に相当する。
【0096】
制御部61は、新たな時刻表を受信したことを示す受信通知(通知信号)を時刻制御回路50に対して出力する(S20)。
【0097】
時刻制御回路50の制御部51は、受信通知を受け付けたことに基づいて、スイッチング素子SW2をオフからオンにする駆動信号を出力する給電処理を実行する(S21)。つまり、電子ペーパ42は、駆動電源を供給されて、休眠状態から覚醒状態に移行する。
【0098】
なお、スイッチング素子SW2の駆動は、通信モジュール60の制御部61が行ってもよい。その場合、制御部61は、ステップS20の処理を実行せずに、スイッチング素子SW2をオフからオンにする駆動信号を出力して、電子ペーパ42に駆動電力を供給する。
【0099】
通信モジュール60の制御部61は、ステップS20の処理の実行後、ステップS19で受信した時刻表を、ケーブル15を通じて電子ペーパ42に送信する(S22)。なお、制御部61は、例えばスイッチング素子SW2をオンにした通知を時刻制御回路50から受けたことに基づいて、ステップS22の処理を実行してもよいし、ステップS20の処理の実行後、所定時間が経過したことに基づいてステップS22の処理を実行してもよい。ステップS22の処理は、特許請求の範囲に記載された「表示処理」に相当する。
【0100】
電子ペーパ42は、送信された時刻表を受信する(S22)。電子ペーパ42は、受信した時刻表で表示を更新する(S23)。電子ペーパ42は、表示の更新を終了したことを示す更新通知を、ケーブル15を通じて通信モジュール60に送信する(S24)。
【0101】
通信モジュール60は、電子ペーパ42が送信した更新通知を受信する(S24)。
【0102】
フローチャートに示されていないが、デジタルサイネージ10は、時刻表と同様にして、路線図を管理サーバ70から取得してもよい。例えば、通信モジュール60の制御部61は、上記第3パスを含むHTTPリクエストを管理サーバ70に送信し、新たな路線図があることを示す路線図変更情報(路線図変更フラグ)を受信したことに基づいて、上記第4パスを含むHTTPリクエストを管理サーバ70に送信する。通信モジュール60の制御部61は、当該HTTPリクエストに対して返信されたHTTPレスポンスに含まれる路線図を受信する。通信モジュール60の制御部61は、路線図を受信した場合、新たな時刻表とともに、或いは新たな時刻表とは別に、新たな路線図を電子ペーパ42に送信し、電子ペーパ42が表示する路線図を更新する。
【0103】
また、フローチャートに示されていないが、デジタルサイネージ10は、時刻表と同様にして、お知らせ情報を管理サーバ70から取得してもよい。例えば、通信モジュール60の制御部61は、上記第5パスを含むHTTPリクエストを管理サーバ70に送信し、新たなお知らせ情報があることを示すお知らせ変更情報(お知らせ変更フラグ)を受信したことに基づいて、上記第6パスを含むHTTPリクエストを管理サーバ70に送信する。通信モジュール60の制御部61は、当該HTTPリクエストに対して返信されたHTTPレスポンスに含まれるお知らせ情報を受信する。通信モジュール60の制御部61は、お知らせ情報を受信した場合、新たな時刻表とともに、或いは新たな時刻表とは別に、新たなお知らせ情報を電子ペーパ42に送信し、電子ペーパ42が表示するお知らせ情報を更新する。
【0104】
なお、通信モジュール60は、時刻表の変更情報、路線図の変更情報、及びお知らせ情報の変更情報を、ステップS15において纏めて管理サーバ70に要求してもよい。
【0105】
通信モジュール60の制御部61は、更新通知を受信したことに基づいて(S24)、第1完了通知(通知信号)を時刻制御回路50に入力する(S25)。
【0106】
時刻制御回路50の制御部51は、第1完了通知が入力されたことに基づいて(S25)、スイッチング素子SW2をオンからオフにする駆動信号を出力し、電子ペーパ42への駆動電力の供給を停止させる第2休眠処理を実行する(S26)。第2休眠処理により、電子ペーパ42は、駆動電力が供給されて表示の更新を行い得る覚醒状態から、駆動電力の供給を受けない休眠状態に移行する。つまり、電子ペーパ42は、表示の更新を行う間だけ駆動電力を供給されて覚醒状態とされる。なお、電子ペーパ42は、駆動電力の供給が停止された後も、表示を維持する。
【0107】
なお、スイッチング素子SW2の駆動は、通信モジュール60の制御部61が行ってもよい。その場合、制御部61は、ステップS25の処理を実行せずに、スイッチング素子SW2をオフからオンにする駆動信号を出力して、電子ペーパ42への駆動電力の供給を停止させる。
【0108】
通信モジュール60の制御部61は、ステップS17において、時刻表の変更がないと判断すると(S17:No)、或いは第1完了通知を出力した後(S25)、ステップS14で内部メモリ62に記憶させた第1情報及び第2情報を含む登録要求を有するHTTPリクエストを、通信モデム63、移動体通信網99、及びインターネット100を通じて管理サーバ70に送信する(S27)。登録要求は、例えば、デジタルサイネージ10の識別ID、第1情報、及び第2情報を付帯するコマンドである。ステップS27の処理は、特許請求の範囲に記載された「管理情報送信処理」に相当する。なお、登録要求は、TCP(HTTP)ではなく、UDPの通信プロトコルを用いて管理サーバ70に送信されてもよい。
【0109】
管理サーバ70は、通信インタフェース73を通じて、デジタルサイネージ10が送信したHTTPリクエストを受信する(S27)。管理サーバ70の管理コントローラ71は、受信した識別ID、第1情報、及び第2情報を対応付けてサーバメモリ72に記憶させる登録処理を実行する(S28)。具体的には、管理コントローラ71は、サーバメモリ72に記憶された管理データベースに第1情報及び第2情報を識別IDと対応付けて登録する。管理サーバ70は、登録処理(S28)の実行後、肯定応答(ACK)を有するHTTPレスポンスを、ステップS27で受信したHTTPリクエストに対する応答として、通信インタフェース73、インターネット100、及び移動体通信網99を通じてデジタルサイネージ10に返信する(S29)。
【0110】
通信モジュール60の制御部61は、管理サーバ70が返信したHTTPレスポンスを、通信モデム63を通じて受信する(S29)。
【0111】
次に、通信モジュール60の制御部61は、ファームウエアの更新があるか否かを問い合わせる問合せ要求を有するHTTPリクエストを、通信モデム63、移動体通信網99、及びインターネット100を通じて管理サーバ70に送信する(S30)。問合せ要求は、例えば、上記識別ID及びファームウエアバージョンを付帯するコマンドである。
【0112】
管理サーバ70は、デジタルサイネージ10が送信したHTTPリクエストを、通信インタフェース73を通じて受信する(S30)。管理サーバ70の管理コントローラ71は、受信した識別IDと同一の識別IDと対応付けられたファームウエアバージョンをサーバメモリ72から取得し、取得したファームエアバージョンと、受信したHTTPリクエストに含まれるファームウエアバージョンとが一致するか否かを判断する(S31)。フローチャートには示されていないが、管理コントローラ71は、ファームウエアバージョンが一致する場合、更新ファームウエアがないことを示すACKを含むHTTPレスポンスを、ステップS30で受信したHTTPリクエストに対する応答として、通信インタフェース73、インターネット100、及び移動体通信網99を通じてデジタルサイネージ10に返信する。
【0113】
管理サーバ70の管理コントローラ71は、ファームウエアバージョンが一致しない場合、更新ファームウエアを含む更新要求を有するHTTPレスポンスを、ステップS30で受信したHTTPリクエストに対する応答として、通信インタフェース73、インターネット100、及び移動体通信網99を通じてデジタルサイネージ10に返信する(S32)。更新要求は、例えば更新ファームウエアを付帯するコマンドである。
【0114】
通信モジュール60は、管理サーバ70が返信したHTTPレスポンスを、通信モデム63を通じて受信する(S32)。通信モジュール60の制御部61は、受信したHTTPレスポンスが、ファームウエアの更新を示すか否かを判断する(S33)。制御部61は、ファームウエアの更新があると判断すると(S33:Yes)、受信したHTTPレスポンスに含まれる更新ファームウエアでファームウエアを更新する更新処理を実行する(S34)。更新処理において、制御部61は、時刻制御回路50の内部メモリ52に記憶された所定時刻の変更がある場合、時刻制御回路50に変更後の所定時刻を送信し、内部メモリ52に記憶された所定時刻を新しい所定時刻に変更(更新)する。ファームウエアの更新によって更新(変更)されるパスなどの情報、所定時刻、或いはファームウエア自体は、特許請求の範囲に記載された「設定情報」に相当する
【0115】
通信モジュール60の制御部61は、ステップS33においてファームウエアの更新が無いと判断したことに基づいて(S33:No)、或いはステップS34の更新処理の実行後、第2完了通知(通知信号)を時刻制御回路50に入力する(S35)。
【0116】
時刻制御回路50の制御部51は、第2完了通知が入力したことに基づいて(S35)、スイッチング素子SW1をオンからオフにする駆動信号を出力して通信モジュール60への駆動電力の供給を停止させる第1休眠処理を実行する(S36)。通信モジュール60は、駆動電力の供給を停止されることにより、覚醒状態から休眠状態に移行する。
【0117】
時刻制御回路50の制御部51は、第1休眠処理の実行後、ステップS12からステップS36の間に通信モジュール60及び電子ペーパ42が使用した電力量を示す第2情報を取得する。第2情報は、例えば、ステップS12からステップS36までの間に通信モジュール60に供給された直流電流の積算値(電力量)や、ステップS12からステップS36までの間の期間(電力供給期間)や、ステップS21からステップS26までの間に電子ペーパ42に供給された直流電流の積算値(電力量)や、ステップS21からステップS26までの間の期間(電力供給期間)などである。直流電流の積算値は、制御部51がカウントしてもよいし、オペアンプを用いた積分回路によって算出されてもよい。なお、電子ペーパ42において使用される電力は、通信モジュール60において使用される電力よりも小さいので、第2情報は、通信モジュール60の使用電力に関する情報のみであってもよい。
【0118】
制御部51は、取得した第2情報を内部メモリ52に記憶させ(S37)、処理を終了する(エンド)。ステップS37の処理は、特許請求の範囲に記載された「第2取得処理」に相当する。
【0119】
[実施形態の作用効果]
【0120】
ソーラシート25が、上向きに突出する半円弧状の断面を有するから、ソーラシート25を上から見た形状である矩形と同形状の板状のソーラパネルに比べ、太陽光の受光量が増加する。例えば、朝や夕など太陽の位置が低い場合において、上記ソーラパネルに比べて太陽光の受光量が増加する。その結果、ソーラシート25の1日の発電量が、板状のソーラパネルの発電量に比べ増加する。発電量が増加することにより、外部電源が設けられなくても、通信及び時刻表の変更が可能になる。その結果、新たに停留所を開設する際のコスト及び工期を低減することができる。
【0121】
管理サーバから各デジタルサイネージに時刻表が配信される場合、デジタルサイネージは、常に通信可能な状態を維持しなければならない。つまり、通信モデムに常に電力を供給しなければならない。本実施形態では、時刻制御回路50の制御部51は、所定日時になると、通信モジュール60に電力を供給して覚醒させ、覚醒した通信モジュール60の制御部61は、管理サーバ70に時刻表要求を送信して時刻表を取得する。したがって、通信モジュール60に常に電力を供給する必要が無く、デジタルサイネージ10は、時刻表を受信してから次の所定日時になるまでの間、通信モジュール60を休眠状態にすることができる。その結果、デジタルサイネージ10は、消費電力を低減することができる。
【0122】
通信モデム63だけでなく、マイクロコンピュータである制御部61も、ステップS36から次の所定時刻まで休眠状態とされる。したがって、デジタルサイネージ10は、通信モデム63だけを休眠状態にする場合に比べ、消費電力を更に低減することができる。
【0123】
変更情報は、0又は1である1ビットの変更フラグであるから、時刻表と比べてデータ量が少ない。データ量が少ないから、リトライや欠損パケットの再送信も含め、変更情報の受信に要する通信時間は、時刻表の受信に要する通信時間に比べ短くなる。通信時間が短いから、通信モジュール60に駆動電力を供給する時間が短くなる。その結果、デジタルサイネージ10は、消費電力を更に低減することができる。
【0124】
電子ペーパ42は、給電が停止された後も表示を維持することができる。電子ペーパ42は、通信モジュール60が新しい時刻表を受信した後に電力を供給され、新しい時刻表に表示が更新された後、電力の供給を停止される。つまり、時刻表を更新する間だけ電子ペーパ42に駆動電力が供給される。その結果、デジタルサイネージ10は、電子ペーパ42に常に駆動電力を供給する場合に比べ、消費電力を低減することができる。
【0125】
第1情報及び第2情報が管理サーバ70に登録されることにより、デジタルサイネージ10の管理者は、ソーラシート25の発電状況やバッテリ26の充電状況や電力の使用状況を確認することができる。
【0126】
本実施形態では、ステップS30からS34により、所定日時やパスなどの設定情報及びファームウエア自体の更新を遠隔操作で行うことができる。つまり、バス停まで作業者が行くことなく、設定情報やファームウエアの更新を行うことができる。
【0127】
ソーラシート25を覆う透明カバー22は、上向きに突出する半円弧状の断面を有するから、板状のソーラパネルに比べ、雪が積もり難く、且つ堆積した埃が雨によって流れ落ち易い。その結果、ソーラシート25の発電量が、板状のソーラパネルの発電量に比べ増加する。
【0128】
バッテリ26及び制御基板27は、半円弧状のソーラシート25の内側に配置される。したがって、バッテリ26及び制御基板27がソーラシート25の外側に配置される場合よりも、ソーラシート25、バッテリ26、及び制御基板27をコンパクトに纏めることができる。
【0129】
[変形例]
【0130】
実施形態では、ソーラシート25及び透明カバー22が、上向きに突出する半円弧状の断面を有する例が説明された。本変形例では、ソーラシート112及び透明カバー113(
図8参照)が、上向きに突出する半楕円状の断面を有する例が説明される。なお、以下で説明される構成以外の構成は、実施形態で説明された構成と同じである。実施形態と同一の構成については、同一の符号が用いられる。
【0131】
図8は、本変形例における上部ユニット110の断面図である。本変形例のデジタルサイネージ10は、上部ユニット12に代えて上部ユニット110を備える。
【0132】
上部ユニット110は、収容ケース111と、ソーラシート112と、制御基板27とを備える。収容ケース111は、ベース21と、透明カバー113と、一対の側板114、115とを有する。
【0133】
ソーラシート112及び透明カバー113は、上向きに突出する半楕円状の断面を有する。一対の側板114、115は、半円板状の下部と、半楕円板状の上部とを有する。当該上部の外形は、透明カバー113の側面の形状と略同一である。透明カバー113の両側面の一方は、側板114の上部の縁に当接し、他方は、側板115の上部の縁に当接する。
【0134】
ベース21と、透明カバー113と、一対の側板114、115とは、ネジや接着剤などによって相互に固定されている。収容ケース111の内部空間は、ベース21、透明カバー113、及び一対の側板114、115の上部によって区画されている。
【0135】
透明カバー113及びソーラシート112は、上下方向(鉛直方向)を長軸とし、水平方向を単軸とする半楕円形状である。したがって、半円形状の透明カバー22(
図4参照)よりも、雪が積もり難く、且つ雨などが流れ易い。また、朝や夕において太陽光の受光量が、半円形状のソーラシート25(
図4参照)よりも増加する。
【0136】
[変形例の作用効果]
【0137】
本変形例のデジタルサイネージ10では、雪が更に積もり難くなり、且つ雨が更に流れ易くなる。その結果、発電量が更に増加する。
【0138】
[その他の変形例]
【0139】
実施形態及び変形例では、ソーラシート25、112及び透明カバー22、113が半円形状及び半楕円状の断面を有する例が説明された。ソーラシート25、112及び透明カバー22、113の断面は、半円形状及び半楕円状以外の湾曲形状であってもよい。つまり、ソーラシート25、112及び透明カバー22、113は、上向きに突出する湾曲形状であればよい。
【0140】
実施形態では、デジタルサイネージ10が埋設ブロック14を備える例が説明された。もっとも、デジタルサイネージ10が既存のサイネージに対して置き換えられる場合、デジタルサイネージ10は、埋設ブロック14を備えていなくてもよい。その場合、既設のサイネージが有する既設ポールが下端部において切断され、当該既設ポールをポール11内に挿入することにより、既設のサイネージがデジタルサイネージ10に交換される。つまり、既設ポールが接続パイプ16として機能する。
【0141】
実施形態では、ステップS15において、通信モジュール60が、第2パスを含む第1DL要求を有するHTTPリクエストを管理サーバ70に送信する例が説明された。もっとも、通信モジュール60は、ステップS15において、第1DL要求に代えて変更情報要求を有するHTTPリクエストを管理サーバ70に送信してもよい。その場合、管理サーバ70の管理コントローラ71は、時刻表の変更があるか否かを確認して変更情報を生成し、生成した変更情報を含むHTTPレスポンスをステップS16においてデジタルサイネージ10に返信する。
【0142】
実施形態では、ステップS18において、通信モジュール60が、第1パスを含む第2DL要求を有するHTTPリクエストを管理サーバ70に送信する例が説明された。もっとも、通信モジュール60は、ステップS18において、第2DL要求に代えて、バス停名を含む時刻表要求を有するHTTPリクエストを管理サーバ70に送信してもよい。その場合、管理サーバ70の管理コントローラ71は、バス停名と対応付けられた時刻表をサーバメモリ72から読み出し、当該時刻表を含むHTTPレスポンスをステップS19においてデジタルサイネージ10に返信する。
【0143】
実施形態では、第1DL要求(S15)とは別で登録要求(S27)が管理サーバ70に送信される例が説明された。もっとも、第1DL要求に登録要求が含まれていてもよい。その場合、ステップS27の処理が省略される。
【0144】
実施形態では、第1DL要求(S15)とは別で問合せ要求(S30)が管理サーバ70に送信される例が説明された。もっとも、第1DL要求に問合せ要求が含まれていてもよい。その場合、ステップS30の処理が省略される。
【0145】
実施形態では、時刻表の管理を行う管理サーバと、第1情報及び第2情報の管理を行う管理サーバとが同一の管理サーバ(管理サーバ70)である例が説明された。もっとも、時刻表の管理を行う管理サーバと、第1情報及び第2情報の管理を行う管理サーバとが異なっていてもよい。第1情報及び第2情報の管理を行う管理サーバは、例えば、バス事業者に対してデジタルサイネージ10の管理サービスを提供するサービス提供者が運用或いは使用権限を有するWebサーバである。
【0146】
実施形態では、時刻表の変更の有無を示す変更情報を記憶する管理サーバや第1情報及び第2情報の管理を行う管理サーバと、時刻表の管理を行う管理サーバとが同一の管理サーバ(管理サーバ70)である例が説明された。もっとも、変更情報の管理を行う管理サーバと、時刻表の管理を行う管理サーバとが異なっていてもよい。時刻表の管理を行う管理サーバは、例えば上記GTFSサーバである。
【0147】
実施形態では、時刻表の変更の有無を示す変更情報を記憶する管理サーバや第1情報及び第2情報の管理を行う管理サーバと、ファームウエアの管理を行う管理サーバとが同一の管理サーバ(管理サーバ70)である例が説明された。もっとも、変更情報の管理を行う管理サーバや第1情報及び第2情報の管理を行う管理サーバと、ファームウエアの管理を行う管理サーバとが異なっていてもよい。時刻表の管理を行う管理サーバは、例えば、バス事業者に対してデジタルサイネージ10の管理サービスを提供するサービス提供者が運用或いは使用権限を有するWebサーバである。
【0148】
実施形態では、所定日時になったことに基づいて(S11:Yes)、第1DL要求(S15)、第2DL要求(S18)、登録要求(S27)、及び問合せ要求(S30)が実行される例が説明された。もっとも、第1DL要求及び第2DL要求がされる所定日時と、登録要求がされる所定日時と、問合せ要求がされる所定日時とが異なっていてもよい。つまり、第1DL要求及び第2DL要求の送信と、登録要求の送信と、問合せ要求の送信とは、それぞれ異なる日時に個別に行われてもよい。
【0149】
実施形態では、通信モジュール60の電力供給をオン/オフするスイッチング素子SW1と、電子ペーパ42への電力供給をオン/オフするスイッチング素子SW2との2つのスイッチング素子が設けられた例が説明された。もっとも、スイッチング素子SW1、SW2に代えて、通信モジュール60及び電子ペーパ42への電力供給をオン/オフする1つのスイッチング素子が設けられていてもよい。つまり、電子ペーパ42は、通信モジュール60が覚醒状態にされたと同時に覚醒状態にされ、通信モジュール60が休眠状態にされたと同時に休眠状態にされてもよい。その場合、ステップS20、S21、S25、S26の処理は省略される。
【符号の説明】
【0150】
10・・・デジタルサイネージ
11・・・ポール
12、110・・・上部ユニット
13・・・表示ユニット
14・・・埋設ブロック
15・・・ケーブル
20、111・・・収容ケース
21・・・ベース
22、113・・・透明カバー
23、24、114、115・・・側板
25、112・・・ソーラシート
26・・・バッテリ
27・・・制御基板
30・・・UPS(充放電回路)
31・・・充電回路
32・・・出力回路
42・・・電子ペーパ
50・・・時刻制御回路(コントローラ)
51・・・制御部
52・・・内部メモリ
53・・・タイマ回路
55・・・電源回路
60・・・通信モジュール(コントローラ)
61・・・制御部
62・・・内部メモリ
63・・・通信モデム
70・・・管理サーバ
71・・・管理コントローラ
72・・・サーバメモリ
73・・・通信インタフェース
99・・・移動体通信網
100・・・インターネット