(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005255
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/02 20060101AFI20250108BHJP
H01H 25/04 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
G06F3/02 400
H01H25/04 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105383
(22)【出願日】2023-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 健二
(72)【発明者】
【氏名】菱川 浩二
【テーマコード(参考)】
5B020
5G031
【Fターム(参考)】
5B020DD26
5B020DD42
5G031AS52
5G031GS21
5G031HU12
5G031HU54
5G031HU92
5G031KS03
5G031KS04
5G031KS23
5G031QS02
(57)【要約】
【課題】製造コストを抑制することができるスイッチ装置を提供する。
【解決手段】スイッチ装置1は、第2の接点221が取り付けられ、受け付けた第1の表示40を表示させる操作に連動して第1の接点220と第2の接点221が導通するオン状態とし、受け付けた第2の表示41を表示させる操作に連動して第1の接点220と第2の接点221が導通しないオフ状態とするように切替スイッチ22を切り替える操作連動部材5と、生成回路2及び検出回路3と電気的に接続され、第1の状態の切替信号S
1、及び検出信号S
2の入力に基づいて第1の機能を制御し、第2の状態の切替信号S
1、及び検出信号S
2の入力に基づいて第2の機能を制御する制御部6と、を備えて概略構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電子機器の第1の機能及び第2の機能を切り替える切替信号を生成する生成回路と、
切り替えられた前記第1の機能及び前記第2の機能を制御する操作を検出して検出信号を出力する検出回路と、
前記生成回路に設けられ、第1の接点と第2の接点が導通するオン状態では前記切替信号を第1の状態とし、前記第1の接点と前記第2の接点が導通しないオフ状態では前記切替信号を第2の状態とする切替スイッチと、
前記第1の機能に関連した第1の表示、及び前記第2の機能に関連した第2の表示を有する表示部と、
前記第2の接点が取り付けられ、受け付けた前記第1の表示を表示させる操作に連動して前記第1の接点と前記第2の接点が導通する前記オン状態とし、受け付けた前記第2の表示を表示させる操作に連動して前記第1の接点と前記第2の接点が導通しない前記オフ状態とするように前記切替スイッチを切り替える操作連動部材と、
前記生成回路及び前記検出回路と電気的に接続され、前記第1の状態の前記切替信号、及び前記検出信号の入力に基づいて前記第1の機能を制御し、前記第2の状態の前記切替信号及び前記検出信号の入力に基づいて前記第2の機能を制御する制御部と、
を備えたスイッチ装置。
【請求項2】
前記第1の機能及び前記第2の機能を制御する操作を受け付け、前記第1の表示及び前記第2の表示が配置された操作部を備え、
前記第2の表示は、前記操作連動部材に配置され、前記第1の表示に重ねて前記操作部に配置され、
前記第1の表示を表示させる操作は、前記操作連動部材を前記操作部に対してスライドさせる操作である、
請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
開口を有する筐体を備え、
前記操作連動部材は、前記筐体の前記開口に回転可能に配置され、第1の面に前記第1の表示が配置され、前記第1の面の反対の面となる第2の面に前記第2の表示が配置され、
前記第1の接点は、前記開口の下面に露出するように配置され、
前記第2の接点は、前記操作連動部材の前記第2の面側に配置され、前記第1の表示が表示された際、前記開口内において前記第1の接点と導通する、
請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記操作連動部材は、操作がなされる先端部を有する操作部材、前記操作部材に設けられ、前記第1の表示及び前記第2の表示が交差する角度で取り付けられた取付部材、及び終端部に前記第2の接点が取り付けられた接点取付部材を有し、
前記第2の表示は、前記第1の表示が表示された状態から前記先端部を第1の方向に移動させることで前記操作部材と前記接点取付部材の間の回転軸を軸として前記取付部材が回転して前記第1の表示から切り替わると共に、前記第1の接点と前記第2の接点が導通せず、
前記第1の表示は、前記第2の表示が表示された状態から前記先端部を前記第1の方向と反対の第2の方向に移動させることで前記取付部材が回転して前記第2の表示から切り替わると共に、前記第1の接点と前記第2の接点が導通する、
請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記第1の機能及び前記第2の機能の組み合わせより多い複数の機能の組み合わせに対応する複数の前記検出回路と、
前記複数の機能を示す複数の前記第1の表示及び複数の前記第2の表示と、
を備え、
前記取付部材は、複数の前記第1の表示及び複数の前記第2の表示が取り付けられ、
前記制御部は、複数の前記検出回路と電気的に接続され、前記操作連動部材の前記第1の方向の移動に基づいて一括して複数の前記第2の表示に関連する機能を制御可能とし、前記第2の方向の移動に基づいて一括して複数の前記第1の表示に関連する機能を制御可能とする、
請求項4に記載のスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、スイッチの操作部に設けた画像表示部にスイッチの機能を示すキャラクタを表示する表示機能付多機能スイッチ装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この表示機能付多機能スイッチ装置は、画像表示部が液晶ディスプレイとして構成され、スイッチに割り当てられた機能が変わると、変わった機能に応じたキャラクタを表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の表示機能付多機能スイッチ装置は、機能を示すキャラクタを表示するために部品コストが高い液晶ディスプレイを用いるので、製造コストを抑制することが困難である。
【0006】
従って本発明の目的は、製造コストを抑制することができるスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、少なくとも1つの電子機器の第1の機能及び第2の機能を切り替える切替信号を生成する生成回路と、切り替えられた第1の機能及び第2の機能を制御する操作を検出して検出信号を出力する検出回路と、生成回路に設けられ、第1の接点と第2の接点が導通するオン状態では切替信号を第1の状態とし、第1の接点と第2の接点が導通しないオフ状態では切替信号を第2の状態とする切替スイッチと、第1の機能に関連した第1の表示、及び第2の機能に関連した第2の表示を有する表示部と、第2の接点が取り付けられ、受け付けた第1の表示を表示させる操作に連動して第1の接点と第2の接点が導通するオン状態とし、受け付けた第2の表示を表示させる操作に連動して第1の接点と第2の接点が導通しないオフ状態とするように切替スイッチを切り替える操作連動部材と、生成回路及び検出回路と電気的に接続され、第1の状態の切替信号、及び検出信号の入力に基づいて第1の機能を制御し、第2の状態の切替信号、及び検出信号の入力に基づいて第2の機能を制御する制御部と、を備えたスイッチ装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、製造コストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1(a)は、第1の表示を行うスイッチ装置の一例を示す図であり、
図1(b)は、一部が第2の表示を行うスイッチ装置の一例を示す図である。
【
図2】
図2(a)は、生成回路がオフ状態である場合の一例を説明するための模式図であり、
図2(b)は、生成回路がHi状態の切替信号を出力し、検出回路がオフ状態である場合の一例を示す図であり、
図2(c)は、生成回路がHi状態の切替信号を出力し、検出回路がオン状態である場合の一例を示す図である。
【
図3】
図3(a)は、生成回路がオン状態である場合の一例を説明するための模式図であり、
図3(b)は、生成回路がLo状態の切替信号を出力し、検出回路がオフ状態である場合の一例を示す図であり、
図3(c)は、生成回路がLo状態の切替信号を出力し、検出回路がオン状態である場合の一例を示す図である。
【
図4】
図4(a)は、生成回路がオン状態である場合の一例を説明するための模式図であり、
図4(b)は、生成回路がオフ状態である場合の一例を説明するための模式図である。
【
図5】
図5(a)は、第1の表示の一例を示す図であり、
図5(b)は、切替スイッチがオン状態である場合の一例を説明するための模式図であり、
図5(c)は、第2の表示の一例を示す図であり、
図5(d)は、切替スイッチがオフ状態である場合の一例を説明するための模式図である。
【
図6】
図6は、スイッチ装置のブロック図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態の要約)
実施の形態に係るスイッチ装置は、少なくとも1つの電子機器の第1の機能及び第2の機能を切り替える切替信号を生成する生成回路と、切り替えられた第1の機能及び第2の機能を制御する操作を検出して検出信号を出力する検出回路と、生成回路に設けられ、第1の接点と第2の接点が導通するオン状態では切替信号を第1の状態とし、第1の接点と第2の接点が導通しないオフ状態では切替信号を第2の状態とする切替スイッチと、第1の機能に関連した第1の表示、及び第2の機能に関連した第2の表示を有する表示部と、第2の接点が取り付けられ、受け付けた第1の表示を表示させる操作に連動して第1の接点と第2の接点が導通するオン状態とし、受け付けた第2の表示を表示させる操作に連動して第1の接点と第2の接点が導通しないオフ状態とするように切替スイッチを切り替える操作連動部材と、生成回路及び検出回路と電気的に接続され、第1の状態の切替信号、及び検出信号の入力に基づいて第1の機能を制御し、第2の状態の切替信号、及び検出信号の入力に基づいて第2の機能を制御する制御部と、を備えて概略構成されている。
【0011】
このスイッチ装置は、操作連動部材に対する操作によって第1の表示及び第2の表示を物理的に切り替えると、制御対象の機能も切り替わるので、部品コストが高い液晶ディスプレイや複数のスイッチなどを用いて表示と表示に関連する機能を切り替える場合と比べて、製造コストを抑制することができる。
【0012】
[第1の実施の形態]
(スイッチ装置1の概要)
図1(a)は、第1の実施の形態に係る第1の表示を行うスイッチ装置の一例を示す図であり、
図1(b)は、一部が第2の表示を行うスイッチ装置の一例を示す図である。
図2(a)は、第1の実施の形態に係るスイッチ装置の生成回路がオフ状態である場合の一例を説明するための模式図であり、
図2(b)は、生成回路がHi状態の切替信号を出力し、検出回路がオフ状態である場合の一例を示す図であり、
図2(c)は、生成回路がHi状態の切替信号を出力し、検出回路がオン状態である場合の一例を示す図である。
図3(a)は、第1の実施の形態に係るスイッチ装置の生成回路がオン状態である場合の一例を説明するための模式図であり、
図3(b)は、生成回路がLo状態の切替信号を出力し、検出回路がオフ状態である場合の一例を示す図であり、
図3(c)は、生成回路がLo状態の切替信号を出力し、検出回路がオン状態である場合の一例を示す図である。なお以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率や形状は、実際の比率や形状とは異なる場合がある。また
図2(b)、
図2(c)、
図3(b)、
図3(c)、
図4(a)、
図4(b)、
図5(b)、
図5(d)及び
図6では、主な信号の流れを矢印で示している。
【0013】
本実施の形態のスイッチ装置1は、一例として、車両に搭載された電子機器を制御対象としているがこれに限定されない。この電子機器は、一例として、車室内の温度を調整する空調装置、車両の外に設けられたライト、車両の外のサイドステップ用ライトなどである。
【0014】
また本実施の形態のスイッチ装置1は、一例として、
図1(a)及び
図1(b)に示すように、筐体10に並んで配置され、スイッチユニット9を構成している。このスイッチユニット9は、一例として、それぞれが異なる機能を割り当てられた3つのスイッチ装置1を備えて構成されているがこれに限定されない。これらのスイッチ装置1は、割り当てられた機能を示す「a」、「b」及び「c」が表示部4に表示されている。これらのスイッチ装置1の基本的な構成は、同じであるので、「a」を表示するスイッチ装置1について具体的に説明する。
【0015】
スイッチ装置1は、
図1(a)~
図3(c)に示すように、少なくとも1つの電子機器の第1の機能及び第2の機能を切り替える切替信号S
1を生成する生成回路2と、切り替えられた第1の機能及び第2の機能を制御する操作を検出して検出信号S
2を出力する検出回路3と、生成回路2に設けられ、第1の接点220と第2の接点221が導通するオン状態では切替信号S
1を第1の状態とし、第1の接点220と第2の接点221が導通しないオフ状態では切替信号S
1を第2の状態とする切替スイッチ22と、第1の機能に関連した第1の表示40、及び第2の機能に関連した第2の表示41を有する表示部4と、第2の接点221が取り付けられ、受け付けた第1の表示40を表示させる操作に連動して第1の接点220と第2の接点221が導通するオン状態とし、受け付けた第2の表示41を表示させる操作に連動して第1の接点220と第2の接点221が導通しないオフ状態とするように切替スイッチ22を切り替える操作連動部材5と、生成回路2及び検出回路3と電気的に接続され、第1の状態の切替信号S
1、及び検出信号S
2の入力に基づいて第1の機能を制御し、第2の状態の切替信号S
1、及び検出信号S
2の入力に基づいて第2の機能を制御する制御部6と、を備えて概略構成されている。
【0016】
本実施の形態のスイッチ装置1は、第1の機能及び第2の機能を制御する操作を受け付け、第1の表示40及び第2の表示41が配置された操作部7を備えている。第2の表示41は、操作連動部材5に配置され、第1の表示40に重ねて操作部7に配置されている。上記の第1の表示40を表示させる操作は、操作連動部材5を操作部7に対してスライドさせる操作である。
【0017】
本実施の形態の第1の機能及び第2の機能は、一例として、
図2(a)~
図3(c)に示すように、第1の機能が第1の電子機器80の機能であり、第2の機能が第2の電子機器81の機能であるがこれに限定されない。第1の機能及び第2の機能は、例えば、1つの電子機器の機能であっても良い。
【0018】
(生成回路2の構成)
生成回路2は、第1の電圧源20と、抵抗21と、切替スイッチ22と、を備えて構成されている。この生成回路2は、一端が制御部6の第1のポート60に接続され、他端が制御部6の第2のポート61に接続されている。この第2のポート61は、接地(GND)されている。
【0019】
第1の電圧源20は、第1のポート60と切替スイッチ22との間に、抵抗21を介して接続されている。この第1の電圧源20は、定電圧V1を供給するように構成されている。この定電圧V1は、一例として、5Vである。抵抗21は、所謂浮いている状態を避けるためのプルアップ抵抗である。
【0020】
切替スイッチ22は、
図2(a)に示すように、筐体10側の第1の接点220と、操作連動部材5の終端52に配置された第2の接点221と、を備えて構成されている。第1の接点220及び第2の接点221は、一例として、銅などの導電性金属を用いて形成されている。第1の接点220は、抵抗21と第2のポート61の間に配置されている。
【0021】
第1の接点220及び第2の接点221は、一例として、導通する際、少なくとも一方が接触を保つようにバネ性を有している。
【0022】
切替スイッチ22がオン状態である場合、
図3(a)~
図3(c)に示すように、第1のポート60がGNDである第2のポート61と同電位となるので、第1のポート60に入力する切替信号S
1が第1の状態、つまりLo状態となる。
【0023】
また切替スイッチ22がオフ状態である場合、
図2(a)~
図2(c)に示すように、定電圧V
1が抵抗21を介して第1のポート60に印加されるので、第1のポート60に入力する切替信号S
1が第2の状態、つまりHi状態となる。
【0024】
(検出回路3の構成)
検出回路3は、第2の電圧源30と、抵抗31と、操作スイッチ32と、を備えて構成されている。この検出回路3は、一端が制御部6の第2のポート61に接続され、他端が制御部6の第3のポート62に接続されている。
【0025】
第2の電圧源30は、第3のポート62と操作スイッチ32との間に、抵抗31を介して接続されている。この第2の電圧源30は、定電圧V2を供給するように構成されている。この定電圧V2は、一例として、5Vである。抵抗31は、プルアップ抵抗である。
【0026】
操作スイッチ32は、
図2(a)に示すように、筐体10に設けられている。操作スイッチ32は、一例として、操作部7になされた操作を検出するマイクロスイッチである。操作スイッチ32は、操作部7の軸部71の回転軸72を軸とした回転によって軸部71によって押されてオン状態となるスイッチである。
【0027】
操作スイッチ32がオン状態である場合、
図2(c)及び
図3(c)に示すように、第3のポート62がGNDである第2のポート61と同電位となるので、第3のポート62に入力する検出信号S
2がLo状態となる。
【0028】
また操作スイッチ32がオフ状態である場合、
図2(b)及び
図3(b)に示すように、定電圧V
2が抵抗31を介して第3のポート62に印加されるので、第3のポート62に入力する検出信号S
2がHi状態となる。
【0029】
(表示部4の構成)
表示部4は、第1の機能に関する表示を有する第1の表示40と、第2の機能に関する表示を有する第2の表示41と、を備えている。この第1の表示40及び第2の表示41は、印刷などによって形成されている。
【0030】
第1の表示40は、
図1(b)に示すように、操作部7のつまみ部70の表面700に配置されている。
【0031】
第2の表示41は、操作連動部材5に配置されている。この第2の表示41は、
図1(b)に示す矢印方向のスライド操作により、筐体10に収容される。
【0032】
(操作連動部材5の構成)
操作連動部材5は、例えば、スライド操作によって変形し難いフィルム状の部材であるがこれに限定されない。操作連動部材5は、
図1(a)及び
図1(b)に示すように、先端50にマーク51が設けられている。ユーザは、このマーク51を目安に筐体10側に操作連動部材5をスライドさせる。なおマーク51は、スライド操作の際に指をかける突起や凹みであっても良い。
【0033】
この操作連動部材5は、終端52に第2の接点221が設けられている。操作連動部材5は、表面53に第2の表示41が設けられている。なお操作連動部材5は、スライド操作によって第2の接点221が第1の接点220と接触すると、その位置を保持するように構成されても良い。
【0034】
(制御部6の構成)
制御部6は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータである。このROMには、例えば、制御部6が動作するためのプログラムが格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果などを格納する記憶領域として用いられる。
【0035】
制御部6は、一例として、第1のポート60~第5のポート64を有している。第1のポート60は、切替信号S1が入力するポートである。第2のポート61は、接地されたポートである。第3のポート62は、検出信号S2が入力するポートである。第4のポート63は、制御対象である第1の電子機器80と接続されるポートである。第5のポート64は、制御対象である第2の電子機器81と接続されるポートである。
【0036】
制御部6は、第1のポート60に入力する切替信号S1がHi状態である場合、第1の電子機器80を制御する。また制御部6は、切替信号S1がLo状態である場合、第2の電子機器81を制御するように構成されている。
【0037】
制御部6は、第3のポート62に入力する検出信号S2がHi状態である場合、操作部7に操作がなされていないと判定する。また制御部6は、検出信号S2がLo状態である場合、操作部7に操作がなされたと判定する。
【0038】
このように制御部6は、切替信号S1に基づいて制御対象の電子機器を切り替え、検出信号S2に基づいて操作部7に操作がなされたか否かを判定する。制御部6は、切替信号S1がHi状態であり、検出信号S2がLo状態であった場合、第1の電子機器80を制御する制御信号S3を第4のポート63から第1の電子機器80に出力する。また制御部6は、切替信号S1がLo状態であり、検出信号S2がLo状態であった場合、第2の電子機器81を制御する制御信号S4を第5のポート64から第2の電子機器81に出力する。
【0039】
(操作部7の構成)
操作部7は、
図2(a)及び
図3(a)に示すように、つまみ部70と、軸部71と、を備えている。つまみ部70は、
図2(a)及び
図3(a)に矢印で示すように、押し下げ操作を受け付けるように構成されている。このつまみ部70は、表面700に第1の表示40が配置されている。また操作部7は、つまみ部70に対して行われた押し下げ操作のあと、元の位置に復帰するモーメンタリ動作を行うスイッチである。つまり操作部7は、一例として、モーメンタリ動作を行うトグルスイッチとして構成されている。
【0040】
つまみ部70は、筐体10側に軸部71が設けられている。この軸部71は、回転軸72を有している。つまみ部70は、この回転軸72を軸に押し下げ操作方向に回転する。この回転の際、軸部71が操作スイッチ32をオン状態とする。
【0041】
なお変形例として操作部7は、押し下げ操作及び押し上げ操作可能に構成されても良い。この際、スイッチ装置1は、押し下げ操作及び押し上げ操作を検出する2つの検出回路3を備えて構成される。
【0042】
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態に係るスイッチ装置1は、製造コストを抑制することができる。具体的には、スイッチ装置1は、操作連動部材5に対する操作によって第1の表示40及び第2の表示41を物理的に切り替えることで、制御対象の機能も切り替わるので、部品コストが高い液晶ディスプレイや複数のスイッチなどを用いて表示と表示に関連する機能を切り替える場合と比べて、製造コストを抑制することができる。
【0043】
スイッチ装置1は、指でスライドさせる位置にマーク51が設けられているので、この構成を採用しない場合と比べて、ユーザが直感的に操作することができる。またユーザは、操作連動部材5をスライドさせることにより、容易に制御対象の機能を切り替えることができる。従ってスイッチ装置1は、この構成を採用しない場合と比べて、操作性を向上させることができる。
【0044】
スイッチ装置1は、複数の機能を操作することができるので、機能の数に応じてスイッチを備える場合と比べて、製造コストが抑制されると共に、小型化及び軽量化が容易である。
【0045】
スイッチ装置1は、複数の機能を制御対象とすることができるので、機能に応じてスイッチを配置する必要がなく、車両側のシステムの変更を抑制することができる。
【0046】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、第1の表示と第2の表示の切替方法が異なる点で他の実施の形態と異なっている。
【0047】
図4(a)は、第2の実施の形態に係るスイッチ装置の生成回路がオン状態である場合の一例を説明するための模式図であり、
図4(b)は、生成回路がオフ状態である場合の一例を説明するための模式図である。なお以下に記載する実施の形態において、第1の実施の形態と同じ機能及び構成を有する部分は、第1の実施の形態と同じ符号を付し、その説明は省略するものとする。
【0048】
本実施の形態のスイッチ装置1は、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、開口100を有する筐体10を備えている。操作連動部材は、筐体10の開口100に回転可能に配置され、第1の面701に第1の表示40が配置され、第1の面701の反対の面となる第2の面702に第2の表示41が配置されている。第1の接点220は、開口100の下面101に露出するように配置されている。第2の接点221は、操作連動部材の第2の面702側に配置され、第1の表示40が表示された際、開口100内において第1の接点220と導通する。
【0049】
本実施の形態の操作連動部材は、操作部7である。操作部7は、軸部71の第2の面702側となる裏面711に第2の接点221が配置されている。第1の接点220及び第2の接点221は、少なくとも一方がバネ性を有して接触状態を保つようにされている。
【0050】
操作部7は、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、つまみ部70に押し下げ操作がなされると、回転軸72を軸として回転して操作スイッチ32をオン状態とする。
【0051】
・第1の表示40を表示する場合について
操作部7が第1の表示40を表示している場合、開口100に露出する第1の接点220と裏面711の第2の接点221が接触して導通する。スイッチ装置1は、第1の接点220と第2の接点221が導通することにより、第1のポート60に入力する切替信号S1が第1の状態、つまりLo状態となる。従って制御部6は、切替信号S1がLo状態であることから第2の電子機器81を制御する。
【0052】
・第2の表示41を表示する場合について
操作部7が第1の表示40を表示する状態から第2の表示41を表示する状態に回転させられた場合、つまりユーザが第1の表示40から第2の表示41に表示を切り替えた場合、
図4(b)に示すように、軸部71の表面710が第1の接点220と対向する。
【0053】
つまり第1の接点220は、第2の接点221と導通しなくなる。スイッチ装置1は、第1の接点220と第2の接点221が導通しなくなることにより、第1のポート60に入力する切替信号S1が第2の状態、つまりHi状態となる。従って制御部6は、切替信号S1がHi状態であることから第1の電子機器80を制御する。
【0054】
以上より、ユーザは、操作部7を回転させ、第1の表示40又は第2の表示41を視認できるようにするより、制御対象の機能を直感的に切り替えることができる。
【0055】
(第2の実施の形態の効果)
本実施の形態のスイッチ装置1は、他のスイッチを操作して制御対象の機能を切り替える場合と比べて、操作部7を回転させることで容易に制御対象の機能を切り替えることができる。
【0056】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、複数の第1の表示と複数の第2の表示を一括して切り替えると共に、対応する機能も一括して切り替える点で他の実施の形態と異なっている。
【0057】
図5(a)は、第3の実施の形態に係るスイッチ装置の第1の表示の一例を示す図であり、
図5(b)は、切替スイッチがオン状態である場合の一例を説明するための模式図であり、
図5(c)は、第2の表示の一例を示す図であり、
図5(d)は、切替スイッチがオフ状態である場合の一例を説明するための模式図である。
図6は、第3の実施の形態に係るスイッチ装置のブロック図の一例である。
【0058】
本実施の形態の操作連動部材5は、
図5(a)~
図5(d)に示すように、操作がなされる先端部550を有する操作部材55、操作部材55に設けられ、第1の表示40及び第2の表示41が交差する角度で取り付けられた取付部材56、及び終端部570に第2の接点221が取り付けられた接点取付部材57を有している。
【0059】
第2の表示41は、第1の表示40が表示された状態から先端部550を第1の方向である矢印X方向に移動させることで操作部材55と接点取付部材57の間の回転軸58を軸として取付部材56が回転して第1の表示40から切り替わると共に、第1の接点220と第2の接点221が導通しない。よって生成回路2は、Hi状態となる切替信号S1を出力する。なお先端部550は、筐体10に設けられたスライド開口11に沿って矢印X方向及び矢印Y方向に移動する。
【0060】
第1の表示40は、第2の表示41が表示された状態から先端部550を第1の方向と反対の第2の方向である矢印Y方向に移動させることで取付部材56が回転して第2の表示41から切り替わると共に、第1の接点220と第2の接点221が導通する。よって生成回路2は、Lo状態となる切替信号S1を出力する。なお第1の接点220及び第2の接点221は、一例として、回転して接触するので曲面形状を有しているがこれに限定されない。
【0061】
スイッチ装置1は、
図6に示すように、第1の機能及び第2の機能の組み合わせより多い複数の機能の組み合わせに対応する複数の検出回路3と、複数の機能を示す複数の第1の表示40及び複数の第2の表示41と、を備えている。
【0062】
本実施の形態の第1の表示40及び第2の表示41の組み合わせは、一例として、3つである。つまりスイッチ装置1は、一例として、6つの機能を制御する。
図5(a)及び
図5(c)では、第1の表示40として「A」、「B」及び「C」が表示され、第2の表示41として「D」、「E」及び「F」が表示されている。これらの第1の表示40及び第2の表示41は、筐体10に設けられた表示開口12に露出している。
【0063】
取付部材56は、複数の第1の表示40及び複数の第2の表示41が取り付けられている。本実施の形態の取付部材56は、一例として、互いに直交する第1の取付板56a及び第2の取付板56bを有している。この第1の取付板56aは、複数の第1の表示40が配置されている。また第2の取付板56bは、複数の第2の表示41が配置されている。第1の取付板56a及び第2の取付板56bは、
図5(a)~
図5(d)に示すように、細長い矩形状を有し、操作連動部材5になされたスライド操作に応じて一体となって回転する。
【0064】
制御部6は、
図6に示すように、複数の検出回路3と電気的に接続され、操作連動部材5の第1の方向の移動、つまり矢印X方向のスライド操作に基づいて一括して複数の第2の表示41に関連する機能を制御可能とし、第2の方向の移動、つまり矢印Y方向のスライド操作に基づいて一括して複数の第1の表示40に関連する機能を制御可能とするように構成されている。
【0065】
制御部6は、矢印X方向のスライド操作により、Hi状態となる切替信号S1を取得し、複数の第1の表示40に関連する機能から複数の第2の表示41に関連する機能を制御するように切り替える。また制御部6は、矢印Y方向のスライド操作により、Lo状態となる切替信号S1を取得し、複数の第2の表示41に関連する機能から複数の第1の表示40に関連する機能を制御するように切り替える。
【0066】
スイッチ装置1は、第1の表示40及び第2の表示41の組み合わせに応じた操作スイッチ32a~操作スイッチ32cを有している。この操作スイッチ32a~操作スイッチ32cは、一例として、表示開口12の下方に配置されたプッシュスイッチであり、なされたプッシュ操作に基づいて検出回路3を介して制御部6に検出信号S2a~検出信号S2cを出力する。なお操作スイッチ32a~操作スイッチ32cは、プッシュスイッチに限定されず、タッチスイッチなどであっても良い。
【0067】
制御部6は、一例として、第1の表示40が表示されている場合、第1の電子機器80~第3の電子機器82を制御する。また制御部6は、一例として、第2の表示41が表示されている場合、第4の電子機器83~第6の電子機器85を制御する。
【0068】
この第1の電子機器80~第6の電子機器85は、制御部6から出力される制御信号S3~制御信号S8に基づいて第1の表示40及び第2の表示41に関連した機能を実行する。
【0069】
(第3の実施の形態の効果)
本実施の形態のスイッチ装置1は、操作連動部材5に対するスライド操作に基づいて複数の第1の表示40及び複数の第2の表示41を一括して切り替えると共に、関連する機能も一括して切り替えることができるので、個別に表示と機能とを切り替える場合と比べて、煩わしさが抑制される。
【0070】
以上述べた少なくとも1つの実施の形態のスイッチ装置1によれば、製造コストを抑制することが可能となる。
【0071】
ここで変形例としてスイッチ装置1は、生成回路2において切替信号S1をHi状態とLo状態よりもさらに多くの状態の信号となるように構成し、第1の表示40及び第2の表示41よりも多くの表示を切り替えると共に、第1の機能及び第2の機能よりも多くの機能を連動して切り替えられるように構成されても良い。
【0072】
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1…スイッチ装置、2…生成回路、3…検出回路、4…表示部、5…操作連動部材、6…制御部、7…操作部、10…筐体、22…切替スイッチ、32,32a~32c…操作スイッチ、40…第1の表示、41…第2の表示、55…操作部材、56…取付部材、57…接点取付部材、58…回転軸、80~85…第1の電子機器~第6の電子機器、220…第1の接点、221…第2の接点