(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005288
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20250108BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 326C
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105436
(22)【出願日】2023-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】天野 勇一
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC25
2C088EA26
(57)【要約】
【課題】シート状部材を障害なく装飾部材内に挿入して支持し、発光ムラを防止可能な遊技機を提供する。
【解決手段】本発明の遊技機は、遊技機本体に対して開閉可能に取り付けられる扉100に装飾部材420が設けられる。装飾部材420は、装飾部材本体420Aと、該装飾部材本体420A内に設けられるベース部460と、ベース部の少なくとも一方側で装飾部材本体内に挿脱自在に配置されるシート状部材430,430bとを備える。ベース部は、シート状部材と対向する表面460a,460bを有し、該表面には、シート状部材をパネル本体内で支持するとともに、所定の光源からの光を導くための導光空間S01,S02をシート状部材と表面との間に確保する、少なくとも1つの円錐状の支持突起462a,462bが設けられる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機本体に対して開閉可能に取り付けられる扉に装飾部材が設けられ、
前記装飾部材は、装飾部材本体と、該装飾部材本体内に設けられるベース部と、該ベース部の少なくとも一方側で前記装飾部材本体内に挿脱自在に配置されるシート状部材とを備え、
前記ベース部は、前記シート状部材と対向する表面を有し、該表面には、前記シート状部材を前記装飾部材本体内で支持するとともに、所定の光源からの光を導くための導光空間を前記シート状部材と前記表面との間に確保する、少なくとも1つの円錐状の支持突起が設けられることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一例であるパチンコ遊技機は、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠(外枠)と、この機枠に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠(内枠)と、本体枠の内側に収容される遊技盤と、本体枠の前面に扉状に開閉自在に取り付けられると共に遊技盤を視認可能に覆うガラス扉(扉枠)とを備えている。また、前記ガラス扉の上部および左右の側部には様々な装飾部材が設けられている。
【0003】
前記装飾部材としては、例えば、端面に入射された光を所定方向へ導く導光板と、導光板の端面に光を入射可能に設けられたLED等の光源と、導光板により所定方向へ導かれた光が照射されるシート状部材(装飾シート)とを備え、光源を発光させることによりシート状部材に光が照射されて、シート状部材が発光しているように見せることが可能な装飾部材として構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような遊技機では、シート状部材を障害なく装飾部材内に挿入して支持し、発光ムラを生じさせないことが求められている。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、シート状部材を障害なく装飾部材内に挿入して支持し、発光ムラを防止可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、
遊技機本体に対して開閉可能に取り付けられる扉(例えば、扉枠100)に装飾部材(例えば、サイドパネルユニット420)が設けられ、
前記装飾部材は、装飾部材本体(例えば、パネル本体420A)と、該装飾部材本体内に設けられるベース部(例えば、ベース部460)と、該ベース部の少なくとも一方側で前記装飾部材本体内に挿脱自在に配置されるシート状部材(例えば、装飾シート430a,430b)とを備え、
前記ベース部は、前記シート状部材と対向する表面(例えば、側面460a,460b)を有し、該表面には、前記シート状部材を前記装飾部材本体内で支持するとともに、所定の光源(例えば、光源800)からの光を導くための導光空間(例えば、導光空間S01,S02)を前記シート状部材と前記表面との間に確保する、少なくとも1つの円錐状の支持突起(例えば、支持突起462a,462b)が設けられることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、シート状部材と対向するベース部の表面に、シート状部材を装飾部材本体内で支持する支持突起が設けられているため、一般に交換可能な大型シートの形態となりがちなシート状部材を装飾部材本体内で撓まないように確実に押さえつけて保持することが可能となる。したがって、シート状部材をその装飾面全体が所望の方向に面するように例えば直立状態に位置させることも可能となる。また、このように支持突起によりシート状部材を撓ませることなく支持できれば、そのようなシート状部材とベース部との間に十分な導光空間を確保でき、それにより、導光空間を通じて導かれる光によって所望の光量でシート状部材全体が発光しているように見せることもできるようになる。
【0009】
通常、前述した特許文献1に開示されるように導光板や反射板を用いる場合には、これらの板でシート状部材を挟んで固定支持でき、したがって、支持突起を設ける必要もなく、支持突起によって導光空間を確保する必要もない。しかしながら、導光板や反射板を使用してシート状部材を挟持固定する構成形態をとると、シート状部材の両側に板が必要となることから、部品点数が増えて製造コストが高くなる。これに対し、本発明の上記構成のようにベース部の支持突起によってシート状部材を支持して導光空間も確保するようにすれば、導光板等が不要となり、部品点数を減らして製造コストを低減できる。なお、支持突起の数や位置は、シート状部材の形状や面積に依存し得る。
【0010】
また、本発明の上記構成によれば、支持突起が円錐状を成しているため、直立したボスやリブ等の他の突起と比較して、発光ムラ(言い換えると、影の発生)を緩和させることができる。すなわち、円錐状の支持突起は、その頂点のみによってシート状部材と接触してシート状部材を押さえるとともに、そのテーパ状の側面によって光を受けることにより光を側面に沿って頂点へ向けて集光させるようになるため、シート状部材に影をほぼ生じさせない。
【0011】
また、支持突起が円錐状を成していれば、シート状部材を交換などの目的で装飾部材本体内に挿入する際にも、その挿入をスムーズに行うことができる。すなわち、装飾部材本体内へ挿入されるシート状部材は、支持突起に突き当たっても、その支持突起のテーパ状の円錐側面によって案内されつつ支持突起を容易に乗り越えることができるため、支持突起に対するシート状部材の挿入時の引っ掛かりを防止でき、シート状部材の円滑な挿入動作を実現できる。
【0012】
なお、上記構成において、「円錐状」とは、1つの頂点とその頂点に収束するテーパ状の側面とを有する完全な円錐形状に限らず、頂部が所定の面積を有する面として形成される円錐台形状も含むが、影を極力発生させないように頂部の面積が極力小さいことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の遊技機によれば、シート状部材を障害なく装飾部材内に挿入して支持し、発光ムラを防止可能とできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の扉枠の一例を示す斜視図である。
【
図2】扉枠に対して着脱自在な装飾部材としてのサイドパネルユニットが扉枠から取り外された状態の前方斜視図である。
【
図3】扉枠からサイドパネルユニットが取り外された状態であってサイドパネルユニットからスライドカバーが取り外された状態の後方斜視図である。
【
図5】サイドパネルユニットを構成するベース部単体の斜視図であり、装飾シートと対向するベース部の表面を一方側から見た図である。
【
図6】サイドパネルユニットを構成するベース部単体の斜視図であり、装飾シートと対向するベース部の表面を他方側から見た図である。
【
図7】装飾シートとベース部と光源との配置関係を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態では遊技機の一つであるパチンコ遊技機について説明するが、その他の遊技機であってもよい。以下の説明において、基本的に「前後」とは、パチンコ遊技機の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、パチンコ遊技機側が「後」を意味し、「上下」とはパチンコ遊技機の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とは遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0016】
図1は、遊技機を構成する扉枠(前扉)100の斜視図であり、この扉枠100は、図示しない遊技機本体に対して開閉可能に取り付けられる。本実施形態の遊技機は、従来のパチンコ遊技機とは異なり、遊技者が遊技球に触れることなく遊技を進行可能となっている。本実施形態の遊技機は、遊技機内部で一定数の遊技球が循環する封入循環式となっている。また、本実施形態の遊技機は、電子的情報としての遊技価値が用いられ、遊技によって遊技価値が消費されたり、遊技価値が払い出されたりする遊技機となっている。本実施形態の遊技機において遊技価値の払い出しとは、遊技価値を電子的に払い出すこと(付与すること)を意味する。なお、本実施形態に係る発明は、このような遊技機に限らず従来のパチンコ遊技機、すなわち遊技者が遊技価値としての物理的な遊技球に触れることができ、所定の入賞口への遊技球の進入に基づき遊技球が受皿に払い出される仕様のパチンコ遊技機等にも適用可能である。
【0017】
遊技機は、略矩形枠状(縦長の矩形枠状)に形成された図示しない外枠と、該外枠にヒンジ機構を介して開閉自在に取り付けられた略矩形枠状の図示しない内枠(中枠)と、該内枠に、ヒンジ機構を介して開閉自在に取り付けられた扉枠(前枠)100と、を備えており、前記外枠および前記内枠が遊技機本体を構成する。また、前記内枠は、図示しない遊技盤(遊技盤ユニット)を保持している。具体的には、遊技盤は、扉枠100を前方へ開放した状態で前記内枠(内枠アセンブリ)に対して着脱可能となっている。
【0018】
扉枠100には、ガラスユニット110(透過板)が取り付けられている。具体的には、扉枠100の中央部には窓が形成されており、その窓にガラスユニット110が取り付けられている。ガラスユニット110は、例えば窓の形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。なお、本実施形態では、ガラスユニット110を用いるものとするが、樹脂製であってもよい。
【0019】
ここで、扉枠100は、前記内枠と共に前記外枠に対して着脱可能(開閉自在)となっている。扉枠100および内枠を外枠に対して閉じると、前記遊技盤とガラスユニット110とが所定の間隔(隙間)を介して略平行に対面するようになっている。このとき、遊技機の正面側から、ガラスユニット110を介して遊技盤が視認可能となる。換言すると、遊技球が転がる遊技領域が扉枠100を介して視認可能となる。
【0020】
図1に示されるように、扉枠100は、装飾部材を含む様々な構成要素が一体となった扉ユニットとして構成されており、板状の扉ベース310およびハンドル340等を備えている。なお、扉ベース310の背面側には、ガラスユニット110を取り付けることが可能となっている。なお、扉枠100は、前面側の下方等に、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留可能な受皿が設けられていてもよい。
【0021】
また、扉枠100には、演出の進行に係る操作を受け付ける操作部208が設けられている。また、扉枠100には複数のスピーカSPが設けられている。
【0022】
ハンドル340は、扉ベース310における右下部に、前方側へ突出するように設けられている。ハンドル340は、回転操作可能に形成されている。ハンドル340を回転させ発射操作が行われると、ハンドル340の回転角度(回転量)に応じた強度(勢い)で遊技機本体側の発射装置から遊技球が発射されるようになっている。
【0023】
また、扉枠100は、ガラスユニット110の上方に位置される装飾部材としてのトップパネルユニット400と、ガラスユニット110の右側方に位置される装飾部材としてのサイドパネルユニット420とを有する。トップパネルユニット400の内部には、複数のLED(特に図示しておらず)が設けられており、遊技の進行に伴ってLEDが種々の色や発光パターンで発光することにより演出が行われるようになっている。
【0024】
また、サイドパネルユニット420は、
図1から分かるように、扉枠100(扉ベース310)の右側端でその上端部から扉枠100の前方へ向けて突出するように形成されている。この場合、サイドパネルユニット420は、トップパネルユニット400と同様に遊技の進行に伴ってLEDからの光が種々の色や発光パターンで発光することにより演出を行うことができるとともに、パチンコ遊技機のモチーフとなったキャラクターや種々の文字情報等(換言すると、イラスト)が描かれた例えばシート状の装飾シート(換言すると、デザインシート)430を内部に配置してその視認性(装飾性)も高めることができる。視認性向上に関連して、サイドパネルユニット420は、装飾シート430を外側から視認できるように、装飾シート430が配置される部位が無色透明の(換言すると、透過性を有する)材料(例えば、ポリカーボネートなど)によって形成される。また、本実施形態では、一例として、以下で更に詳しく説明するように、装飾シート430がサイドパネルユニット420の左右両側に配置されている。すなわち、サイドパネルユニット420は、その右側面に対向して配置される右側装飾シート430aと、その左側面に対向して配置される左側装飾シート430bとを有している(
図4参照)。なお、いずれの装飾シート430(430a,430b)も透過性(換言すると、光透過性)を有する樹脂製シートによって形成される。
【0025】
また、サイドパネルユニット420は、後述するように、扉枠100に対して着脱自在なアタッチメントとして構成されており、扉枠100に取り付けられた状態で、前述したように扉枠100の前方へ向けて突出するようになっている(
図1参照)。そのため、遊技場の島に並べて配設された隣り合うパチンコ遊技機同士は、サイドパネルユニット420によって仕切られた状態となる。すなわち、サイドパネルユニット420は、隣り合うパチンコ遊技機を仕切るための仕切り壁としても機能し得るようになっており、その右側面が遊技機の右側方に面し、その左側面が遊技機の左側方に面するようになる。したがって、遊技者がパチンコ遊技機の正面に対峙した状態(パチンコ遊技機の前に着席した状態)では、この遊技者は、対峙したパチンコ遊技機におけるサイドパネルユニット420の左側面(サイドパネルユニット420の左側面の無色透明部位を通じて視認される左側装飾シート430b)を視認することができるものの、右側面(右側装飾シート430a)を視認することは困難となっている。これに対して、この遊技者は、左隣のパチンコ遊技機におけるサイドパネルユニット420の右側面(サイドパネルユニット420の右側面の無色透明部位を通じて視認される右側装飾シート430a)を視認することができる。
【0026】
図2は、アタッチメントとしてのサイドパネルユニット420が扉枠100から取り外された状態を示している。サイドパネルユニット420は、扉枠100の扉ベース310に形成されるパネル装着部320に対して着脱自在に装着されるようになっている。具体的には、パネル装着部320は、扉ベース310の右側端の上端から扉ベース310の高さ方向に沿って垂直下方に延びる背面支持部320Aと、背面支持部320Aの下端から前方に向けて延出する下側支持部320Bとを有する。下側支持部320Bは、その前方延出端部に発光演出用の発光部326を有する。一方、サイドパネルユニット420は、パネル装着部320に着脱自在に装着されるようになっている被装着部422をその後側部位に有している。この場合、被装着部422は、パネル装着部320に対する装着時に背面支持部320Aに当て付けられて背面支持部320Aによって後方から支持される背面部422aと、パネル装着部320に対する装着時に下側支持部320Bに当て付けられて下側支持部320Bよって下方から支持される下端面部422bとを有する。
【0027】
サイドパネルユニット420の被装着部422の下端面部422bを支持するパネル装着部320の下側支持部320Bの支持領域320Baには、その後端部に、位置決めボス325が上方に向けて立設されている。この位置決めボス325は、パネル装着部320に対する被装着部422の装着時に、被装着部422の下端面部422bに形成される図示しない凹部と係合することにより、パネル装着部320に対して被装着部422を位置決めする(したがって、扉枠100に対してサイドパネルユニット420を位置決めする)ようになっている。
【0028】
また、このような位置決めと共に、パネル装着部320に対する被装着部422の装着時には、被装着部422の背面部422aの上部に設けられた一対のフック423(特に
図3参照)が、パネル装着部320の背面支持部320Aの支持領域320Aaの上部に形成されたスリット327を通じて、背面支持部320Aの内側に形成された図示しない係止部に係脱自在に係止されるようになっている。これにより、パネル装着部320に対して被装着部422(サイドパネルユニット420)が外れないように強固に固定される(換言すると、パネル装着部320に対する被装着部422の装着状態が保持される)。
【0029】
また、このような係止部とフック423との係止状態は、パネル装着部320の背面支持部320Aの支持領域320Aaから前方に突出して設けられる押し込み部材329を押し込むことによって解除されるようになっている。具体的には、押し込み部材329は、支持領域320Aaの上部で、フック423が挿通される一対のスリット327間に位置しており、前方に向けて常時バネ付勢された状態で設けられる。そして、この押し込み部材329をバネの付勢力に抗して後方に押し込むと、その動きに連動して前記係止部がフック423から外れるようになっている。なお、押し込み部材329の押し込み状態(したがって、操作者による押し込み力)を解除すると、バネの付勢力によって押し込み部材329が前方に突出し、前記係止部が再びフック423に係止されるようになる(この意味で、押し込み部材329がロック部材と称されてもよい)。
【0030】
以上のようにして扉枠100のパネル装着部320に装着可能な被装着部422を有するサイドパネルユニット420は、
図4に明確に示されるように、内部空間Sを有するパネル本体420Aと、パネル本体420Aの内部空間S内に設置されるベース部460と、ベース部460の左右両側に位置してパネル本体420Aの内部空間S内に挿脱自在に配置される前述した装飾シート430a,430bとから構成される。パネル本体420Aの内部空間Sは、所定の容積を有する上側空間領域S1と、上側空間領域S1と連通する下側空間領域S2とを有し、下側空間領域S2は、後方に向けて膨出する膨出空間領域S21を有している。これにより、本実施形態では、下側空間領域S2の容積が上側空間領域S1の容積よりも大きく設定されている。そして、これらの内部空間S(空間領域S1,S2)は、透明材料(光透過性材料)から形成されるパネル枠体440によって画定されている。そのため、パネル枠体440は、上側空間領域S1を画定するように延在する上側延在部位440aと、膨出空間領域S21を伴う下側空間領域S2を画定するように延在する下側延在部位440bとを有し、これらの延在部位440a,440bは、光を先端に向けて透過できる先端面445を協働して形成している。
【0031】
パネル本体420Aの内部空間(したがって、パネル枠体440の内部空間)Sには、その中央部をほぼ全体にわたって占めるように、内部空間Sにほぼ対応する断面形状を有するベース部460が挿入状態で設置されている。そして、その設置状態で、ベース部460の両側には、内部空間Sに挿脱自在に挿入される装飾シート430a,430bとベース部460との間に、後述する支持突起462a,462bによって導光空間SO1,SO2(
図5および
図6参照)が確保されるようになっている。
【0032】
パネル本体420Aを形成するパネル枠体440には、その下側延在部位440bの後端領域および下端領域を取り囲むように、前述した被装着部422が形成されている。また、パネル枠体440には、その上側延在部位440aの後端領域および上端領域を取り囲むように被装着部422の上端面部に至るまで、スライドカバー500を着脱自在にかつ摺動可能に装着するためのカバー装着部450が形成される。この場合、スライドカバー500は、装飾シート430a,430bを内部空間Sに対して挿脱するための左右一対の装飾シート挿通スリット480a,480b(
図3参照)を外部に対して開閉する。これらの装飾シート挿通スリット480a,480bは、ベース部460の両側の導光空間SO1,SO2にそれぞれ対応してパネル枠体440に設けられる。
【0033】
カバー装着部450は、具体的には、パネル枠体440の上側延在部位440aの上端領域に沿って前後方向に延びる上側装着部位450aと、上側装着部位450aの後端から上側延在部位440aの後端領域に沿って斜め下方に延びる中間装着部位450bと、中間装着部位450bの下端から下側延在部位440bの上端領域に沿って被装着部422の上端面部を形成するように前後方向に延びる下側装着部位450cとから成る。そして、カバー装着部450は、パネル枠体440の上側延在部位440aの上端領域および後端領域と下側延在部位440bの上端領域とを外部に露出させるように開口している。したがって、スライドカバー500がカバー装着部450に装着されていない
図3の状態では、パネル枠体440の上側延在部位440aの上端領域および後端領域と下側延在部位440bの上端領域とにわたって連続して互いに平行に延びる前述した左右一対の装飾シート挿通スリット480a,480bが外部に対して露出されることになる。
【0034】
また、カバー装着部450に着脱自在に装着されるスライドカバー500は、カバー装着部450に対応する形状を成して延在する樹脂製の部材である。また、このスライドカバー500は、それがカバー装着部450に装着された
図2の状態で、
図1に示されるように被装着部422がパネル装着部320に装着されると、被装着部422の背面部422aの内側に位置されるようになる押し込み部材329を上方から覆うようになっている(
図1および
図2参照)。言い換えると、押し込み部材329は、被装着部422がパネル装着部320に装着された状態では、スライドカバー500がカバー装着部450から取り外された場合にのみ、外部に露出されるようになっている。また、前述したように押し込み部材329を押し込み操作しなければパネル装着部320の係止部と被装着部422のフック423との係止状態が解除されないことから、スライドカバー500がカバー装着部450から取り外されなければ、サイドパネルユニット420を扉枠100側から取り外せないことになる。
【0035】
また、
図1に示されるように被装着部422がパネル装着部320に装着された状態であって、スライドカバー500がカバー装着部450に装着された状態においては、図示しないロック機構によってスライドカバー500がパネル装着部320に対してロックされるようになっている。このロック状態は、トップパネルユニット400の開閉扉400aを開くためのスイッチも兼ねる扉枠100の背面にあるスイッチレバー610(
図3参照)によって解除できるようになっている。具体的には、
図1の装着状態でスイッチレバー610を例えば左右の一方側に切り換え操作すると、スライドカバー500のロック状態が解除され、スイッチレバー610を例えば左右の他方側に切り換え操作すると、スライドカバー500がロックされるようになっている。なお、スイッチレバー610は、当該他方側へバネ等によって付勢されていてもよい。また、スライドカバー500のロック状態が解除された状態では、スライドカバー500を後方にスライドさせることが可能となり、スライドカバー500を後方にスライドさせてスライドカバー500とカバー装着部450との係止状態を解除し、スライドカバー500をカバー装着部450から取り外すことが可能となる。また、被装着部422がパネル装着部320に装着された状態でロック解除状態のスライドカバー500の後方へのスライドを可能にするべく、パネル装着部320の背面支持部320Aの上端面には、スライドカバー500を逃がすための凹陥部620が設けられている。
【0036】
なお、扉枠100が遊技機本体に対して完全に閉じられて遊技機本体の内枠に対して取り付けられた状態では、スイッチレバー610が位置される扉枠100の背面が外部に対して隠れるため、スライドカバー500をカバー装着部450から取り外すことができず、したがって、サイドパネルユニット420を扉枠100のパネル装着部320から取り外せない。
【0037】
以上のような構成に基づき、サイドパネルユニット420を扉枠100のパネル装着部320に装着する場合には、サイドパネルユニット420の被装着部422の背面部422aをパネル装着部320の背面支持部320Aに位置合わせするとともに、被装着部422の下端面部422bをパネル装着部320の下側支持部320Bに位置合わせして、被装着部422の一対のフック423をパネル装着部320の背面支持部320Aのスリット327に挿通する。そして、パネル装着部320の下側支持部320Bの位置決めボス325に被装着部422の下端面部422bの凹部を係合させて、サイドパネルユニット420をパネル装着部320に対して位置決めする。これにより、バネ付勢される押し込み部材329の突没動作に伴ってパネル装着部320の係止部と被装着部422のフック423とが係止された状態に保持されるとともに、スライドカバー500がパネル装着部320に対してロックされて押し込み部材329を上方から覆う。その状態が
図1に示されている。
【0038】
一方、サイドパネルユニット420を扉枠100のパネル装着部320から取り外す場合には、まず最初に、扉枠100が開放されている状態で、扉枠100の背面のスイッチレバー610を一方向に操作して、パネル装着部320に対するスライドカバー500のロック状態を解除する。そして、その解除状態(したがって、スイッチレバー610の一方向操作状態)を保持したまま、スライドカバー500を後方にスライドさせる。これにより、スライドカバー500とカバー装着部450との係止状態も解除されて、スライドカバー500をカバー装着部450から取り外すことができる。また、このようにしてスライドカバー500を外したら、今度は、スライドカバー500の開放によって外部に露出する押し込み部材329を押し込み操作し、パネル装着部320の係止部と被装着部422のフック423との係止状態を解除する。そして、その解除状態(したがって、押し込み部材329の押し込み状態)を保持したまま、位置決めボス325の係合を解除するようにサイドパネルユニット420を上方に引き上げるようにしてパネル装着部320から取り外す。その状態が
図3に示されている。
【0039】
ところで、
図3に示されるように、(サイドパネルユニット420を扉枠100のパネル装着部320から取り外して、)スライドカバー500をカバー装着部450から取り外した状態では、ベース部460が収容されたパネル本体420Aの内部空間S内に対し、露出した装飾シート挿通スリット480a,480bを通じて装飾シート430a,430bを着脱自在に挿脱できる。これに関連して、本実施形態では、そのような装飾シート430a,430bのパネル本体420A(換言すると、サイドパネルユニット420)への挿入を案内するとともに、挿入された装飾シート430a,430bを安定的に支持するための特徴的な構成が設けられている。以下、これについて説明する。
【0040】
ベース部460は、その全体にわたって無色の光透過性材料(換言すると、無色透明材料)により形成されており、その少なくとも一方側でパネル本体420Aの内部空間S内に挿入配置される装飾シート430と対向する表面を有している。特に、ベース部460の両側でパネル本体420A内に装飾シート430a,430bが配置される本実施形態では、
図4に示されるように、装飾シート430a,430bと対向するベース部460の表面は、右側面460a(
図5も参照)と、その反対側の左側面460b(
図6も参照)の2つとなる。
【0041】
図5および
図6に拡大して単独で示されるように、内部空間S(換言すると、パネル本体420A)にほぼ対応する断面形状を有するベース部460は、その右側面460aが、内部空間Sの上側空間領域S1に対応する断面形状を有する上側側面部位460aaと、内部空間Sの下側空間領域S2に対応する断面形状を有する下側側面部位460abとを有する。また、同様に、ベース部460の左側面460bは、内部空間Sの上側空間領域S1に対応する断面形状を有する上側側面部位460baと、内部空間Sの下側空間領域S2に対応する断面形状を有する下側側面部位460bbとを有する。
【0042】
なお、各装飾シート430a,430bは、ベース部460にほぼ対応する形状を有しており(
図4および
図7参照)、ベース部460の各側面460a,460bと対向する側の面に反射部を備えている。具体的には、装飾シート430a,430bは、そのおもて面または裏面(ベース部460に対向する側の面)にキャラクタ等の表示物が印刷されるとともに、裏面に(当該表示物が印刷される場合には、これを覆うように)白色の層が形成(例えば、印刷により形成)されている。なお、白色の層は、装飾シート430a,430bの略全体にわたり形成される。そして、この白色の層が反射部として機能し、後述するように光を反射して装飾シート430a,430bの全体に光を届かせる機能を果たす。なお、この白色の層は、光透過性も有し、装飾シート430a,430bの各部において一部の光を透過させてその部分を光らせつつ、一部の光を反射させて装飾シート430a,430bの全体に光を届かせるようになっている。
【0043】
また、ベース部460の各側面460a,460bには、装飾シート430a,430bをパネル本体420A内で支持する少なくとも1つの円錐状の支持突起462a,462bが設けられている。各支持突起462a,462bは、
図5に示されるように、頂点490と、テーパ状の側面491とを有する円錐形状を成し、透明な樹脂材料によってベース部460と一体成形される。また、支持突起462a,462bの数や位置は、装飾シート430a,430bの形状や面積に依存し得る。例えば、下側空間領域S2の容積が上側空間領域S1の容積よりも大きく設定される本実施形態では、下側空間領域S2に対応する面積が広い下側側面部位460ab,460bbにおいて、2つの支持突起462a,462bが所定の距離を隔てて設けられる。これにより、下側側面部位460ab,460bbに対応する形状を成してこれと対向する面積が広い装飾シート430a,430bの部位を撓ませることなく安定的に支持できる。一方、上側空間領域S1に対応する面積が狭い上側側面部位460aa,460baにおいては、1つの支持突起462a,462bが所定の位置に設けられる。これは、上側側面部位460aa,460baに対応する形状を成してこれと対向する面積が狭い装飾シート430a,430bの部位においては、1つの支持突起462a,462bのみで十分に安定的に支持できるからである。
【0044】
以上から分かるように、本実施形態では、ベース部460の各側面460a,460bにそれぞれ3つずつ支持突起462a,462bが設けられていることになる。すなわち、ベース部460の右側面460aには、
図5に示されるように、上側側面部位460aaに1つの支持突起462aが設けられ、下側側面部位460abに2つの支持突起462aが設けられる。一方、ベース部460の左側面460bには、
図6に示されるように、上側側面部位460baに1つの支持突起462bが設けられ、下側側面部位460bbに2つの支持突起462bが設けられる。なお、透明材料から成るベース部460によれば、一方側の側面460a(460b)には、他方側の側面460b(460a)の支持突起462b(462a)の少なくとも一部が見えている状態となる。また、ベース部460を形成する光透過性材料は有色であっても構わない。また、ベース部460が、光透過性を有しない材料により形成されていてもよい。また、本実施形態では、各側面460a,460bの支持突起462a,462b同士をずらして設けているが、これらの支持突起462a,462bの位置は一致していてもよい。
【0045】
このように、装飾シート430a,430bと対向するベース部460の側面460a,460bに、装飾シート430a,430bをパネル本体420A内で支持する支持突起462a,462bを設けると、一般に交換可能な大型シートの形態となりがちな装飾シート430a,430bをパネル本体420A内で撓まないように確実に押さえつけて保持することが可能となる。したがって、装飾シート430a,430bをその装飾面全体が所望の方向に面するように例えば直立状態に位置させることも可能となる。
【0046】
また、支持突起462a,462bが円錐状を成しているため、直立したボスやリブ等の他の突起と比較して、発光ムラ(言い換えると、影の発生)を緩和させることができる。すなわち、円錐状の支持突起462a,462bは、その頂点490のみによって装飾シート430a,430bと接触して装飾シート430a,430bをパネル枠体440の両側面に対して押し付けるように支持するとともに、そのテーパ状の側面491によって光を受けることにより光を側面491に沿って頂点490へ向けて集光させるようになるため、装飾シート430a,430bに影をほぼ生じさせない。
【0047】
また、支持突起462a,462bが円錐状を成しているため、装飾シート430a,430bを交換などの目的でパネル本体420A内に挿入する際に、その挿入をスムーズに行うことができる。すなわち、パネル本体420A内へ挿入される装飾シート430a,430bは、支持突起462a,462bに突き当たっても、その支持突起462a,462bのテーパ状の円錐側面491によって案内されつつ支持突起462a,462bを容易に乗り越えることができるため、支持突起462a,462bに対する装飾シート430a,430bの挿入時の引っ掛かりを防止でき、装飾シート430a,430bの円滑な挿入動作を実現できる。
【0048】
なお、装飾シート430a,430bは、ベース部460の一方側にのみ配置されてもよく、その場合には、支持突起もベース部460の一方側の側面上にのみ設けられる。また、円錐状の支持突起462a,462bに加え、直立したボスやリブ等の他の支持手段によって装飾シート430a,430bを補助的に支持してもよい。その場合、例えば、
図7に示されるように、パネル本体420A内での導光に影響がない側面460a,460b上の周縁位置に直立したリブ470やボスを設けることが好ましく、それにより、支持突起462a,462bとの協働によって装飾シート430a,430bに対する支持力を向上できる。また、この場合、リブ470やボスは、その先端部で装飾シート430a,430bの端縁を支持することが好ましい。また、この場合、装飾シート430a,430bのうちリブ470やボスに支持される箇所は、パネル本体420Aのうちの光透過性を有さない部分に対応する箇所(例えば、被装着部422に対応する箇所)であることが好ましい。
【0049】
また、以上のようなベース部460の支持突起462a,462bは、前述したようにパネル本体420A内で装飾シート430a,430bを支持することにより、パネル本体420A内で光を導くための導光空間S01,S02(
図4~
図7参照)を装飾シート430a,430bと各側面460a,460bとの間に確保するようになっている。また、そのような導光空間S01,S02には、パネル装着部320に対する被装着部422の装着状態(
図1の状態)で、扉枠100のパネル装着部320に設けられた光源800(
図2参照)から光が入射されるようになっている。これを可能にするために、パネル本体420Aに形成された被装着部422の背面部422aおよび下端面部422bは、光源800からの光が進入可能に開口しており、背面部422aおよび下端面部422bから導光空間S01,S02に光が取り込まれるようになっている。すなわち、光源800からの光が、後方および下方から導光空間S01,S02内へ入射されるようになっている。換言すると、光源800は、装飾シート430a,430bとベース部460との間に向けて光を発射するように配置されている。さらに換言すると、光源800は、装飾シート430a,430bとベース部460とに挟まれる位置に配置されておらず、装飾シート430a,430bとベース部460との間に光を通す位置に配置されている。
【0050】
パネル装着部320に設けられる光源800は、
図2に示されるように、パネル装着部320の背面支持部320Aの支持領域320Aaに設けられた第1の光源部800Aと、パネル装着部320の下側支持部320Bの支持領域320Baに設けられた第2の光源部800Bとによって構成される。この場合、各光源部800A,800Bは、
図7に拡大して明確に示されるように、LED基板815上に複数のLED900が搭載されて成り、これらのLED900は、互いに平行な2つの配列L1,L2を形成している。
【0051】
具体的には、第1の光源部800Aを形成する複数のLED900は、背面支持部320Aの支持領域320Aaに沿って上下方向に互いに平行に延びる右側配列L1および左側配列L2を形成している。また、右側配列L1および左側配列L2は、互いに左右方向で所定の距離を隔てて離間している。同様に、第2の光源部800Bを形成する複数のLED900は、下側支持部320Bの支持領域320Baに沿って前後方向に互いに平行に延びる右側配列L1および左側配列L2を形成している。また、右側配列L1および左側配列L2は、互いに左右方向で所定の距離を隔てて離間している。
【0052】
そして、各光源部800A,800Bは、被装着部422がパネル装着部320に装着される
図1の状態で、その右側配列L1が右側の導光空間S01(
図5参照)と対向し、左側配列L2が左側の導光空間S02(
図6参照)と対向するようになっている。そのようなLED配列L1,L2と導光空間S01,S02との位置関係が
図7に示される(
図7には、右側の導光空間S01のみが見える)
【0053】
このような構成によれば、被装着部422がパネル装着部320に装着される
図1の状態で、光源800からの光は、被装着部422の背面部422aおよび下端面部422bから導光空間S01,S02内へ入射する。そして、入射した光は、装飾シート430a,430bに当たって透過および反射(反射部で反射)されつつ導光空間S01,S02内で導かれて、装飾シート430a,430bがあたかも発光しているように見せることができる。それにより、装飾シート430a,430bに描かれたイラスト等の視認性(装飾性)を高めることができるとともに、ベース部460の先端面460cおよびパネル枠体440の先端面445も発光させ、装飾効果を一層高めることが可能となる。また、本実施形態においては、ベース部460が透明材料で形成されるため、先端面445に影が生じない。
【0054】
なお、光源800は、サイドパネルユニット420が有していてもよい。換言すると、本実施形態では、サイドパネルユニット420を扉枠100のパネル装着部320から取り外す際に、光源800がパネル装着部320(扉枠100)側に残るようになっているが、サイドパネルユニット420と共に取り外されるようになっていてもよい。
【0055】
本実施形態の遊技機は、
遊技機本体に対して開閉可能に取り付けられる扉(例えば、扉枠100)に装飾部材(例えば、サイドパネルユニット420)が設けられ、
前記装飾部材は、装飾部材本体(例えば、パネル本体420A)と、該装飾部材本体内に設けられるベース部(例えば、ベース部460)と、該ベース部の少なくとも一方側で前記装飾部材本体内に挿脱自在に配置されるシート状部材(例えば、装飾シート430a,430b)とを備え、
前記ベース部は、前記シート状部材と対向する表面(例えば、側面460a,460b)を有し、該表面には、前記シート状部材を前記装飾部材本体内で支持するとともに、所定の光源(例えば、光源800)からの光を導くための導光空間(例えば、導光空間S01,S02)を前記シート状部材と前記表面との間に確保する、少なくとも1つの円錐状の支持突起(例えば、支持突起462a,462b)が設けられる。
【0056】
本実施形態においては、シート状部材と対向するベース部の表面に、シート状部材を装飾部材本体内で支持する支持突起が設けられているため、一般に交換可能な大型シートの形態となりがちなシート状部材をパネル本体内で撓まないように確実に押さえつけて保持することが可能となる。したがって、シート状部材をその装飾面全体が所望の方向に面するように例えば直立状態に位置させることも可能となる。また、このように支持突起によりシート状部材を撓ませることなく支持できれば、そのようなシート状部材とベース部との間に十分な導光空間を確保でき、それにより、導光空間を通じて導かれる光によって所望の光量でシート状部材全体が発光しているように見せることもできるようになる。
【0057】
また、本実施形態においては、支持突起が円錐状を成しているため、直立したボスやリブ等の他の突起と比較して、発光ムラ(言い換えると、影の発生)を緩和させることができる。すなわち、円錐状の支持突起は、その頂点のみによってシート状部材と接触してシート状部材を押さえるとともに、そのテーパ状の側面によって光を受けることにより光を側面に沿って頂点へ向けて集光させるようになるため、シート状部材に影をほぼ生じさせない。
【0058】
また、支持突起が円錐状を成していれば、シート状部材を交換などの目的で装飾部材本体内に挿入する際にも、その挿入をスムーズに行うことができる。すなわち、装飾部材本体内へ挿入されるシート状部材は、支持突起に突き当たっても、その支持突起のテーパ状の円錐側面によって案内されつつ支持突起を容易に乗り越えることができるため、支持突起に対するシート状部材の挿入時の引っ掛かりを防止でき、シート状部材の円滑な挿入動作を実現できる。
【0059】
(スロットマシンへの適用)
本実施形態では、遊技価値として遊技球を用いるパチンコ遊技機に本発明を適用する例について説明したが、遊技価値としてメダルあるいは電子的情報を用いて賭数を設定し、スタートレバーに対する遊技開始操作によりリールを回転させ、回転するリールをストップボタンに対する停止操作により停止させ、リールが停止したときの図柄の種類や図柄の組み合わせにより入賞が発生可能なスロットマシンに適用してもよい。例えば、スロットマシンの前扉に前述のサイドパネルユニット420が設けられてもよい。
【0060】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、パチンコ遊技機やスロットマシンの構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。例えば、前述した構成は、サイドパネルユニットに限定されず、全ての装飾部材に適用できる。また、前述した構成は、メダルレス遊技機等の他の遊技機にも適用できる。
【0061】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各構成要素の自由な組み合わせ、あるいは各構成要素の任意の変形、もしくは各構成要素の省略等が可能である。
【符号の説明】
【0062】
100 扉枠(扉)
420 サイドパネルユニット(装飾部材)
420A パネル本体(装飾部材本体)
430a,430b 装飾シート(シート状部材)
460 ベース部
460a,460b 側面(表面)
462a,462b 支持突起
800 光源
S01,S02 導光空間