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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005367
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】飲料調製機器
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20250108BHJP
   G07F 13/06 20060101ALI20250108BHJP
   B67D 1/12 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
G07F13/06 102
B67D1/12
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024007240
(22)【出願日】2024-01-22
(31)【優先権主張番号】112123874
(32)【優先日】2023-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】595096431
【氏名又は名称】財團法人食品工業發展研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホー チア イェン
(72)【発明者】
【氏名】リウ フォン チー
【テーマコード(参考)】
3E047
3E082
【Fターム(参考)】
3E047AA01
3E047DC03
3E082AA02
3E082AA05
3E082BB04
3E082CC04
3E082CC10
3E082DD02
3E082DD05
3E082DD09
(57)【要約】
【課題】飲料を自動的に調製しコップ充填する飲料調製機器を提供する。
【解決手段】飲料調製機器2は、コップをその上に置くことができ、その上に置かれた物体の重さを測定するように構成される秤量ユニット21と、その中の内容物をかき混ぜてコップに出力するように構成される混合ユニット22と、混合ユニット22に材料を供給するように構成される材料供給モジュール23と、制御ユニット24と、を含む。制御ユニット24は、材料供給モジュール23を制御し、飲料の調製に関連する調製コマンドに基づいて混合ユニット22に所定の量の材料を供給し、混合ユニット22を制御し、供給された材料をかき混ぜてコップに出力し、秤量ユニット21により測定された物体の重さに基づいてコップ内の飲料の重さを決定し、物体の重さと調製コマンドに示される所定の重さに基づいて、混合ユニット22を制御して飲料の出力を停止するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を自動的に調製し、コップに前記飲料を充填するための飲料調製機器であって、
前記コップをその上に置くことができ、その上に置かれた物体の重さを測定するように構成される秤量ユニットと、
その中に収容される内容物をかき混ぜて混合物にし、前記混合物を前記コップに出力するように構成される混合ユニットと、
前記混合ユニットに材料を供給するように構成される材料供給モジュールと、
前記秤量ユニット、前記混合ユニット、及び前記材料供給モジュールに電気的に接続する制御ユニットと、を含み、
前記制御ユニットは、
前記材料供給モジュールを制御し、飲料の調製に関連する調製コマンドに基づいて、前記混合ユニットに所定の量の前記材料を供給し、
前記混合ユニットを制御し、供給された前記材料をかき混ぜて前記飲料にし、前記混合ユニット内の前記飲料を前記コップに出力し、
前記秤量ユニットにより測定された前記物体の前記重さに基づいて、前記コップ内の前記飲料の重さを決定し、
前記コップ内の前記飲料の前記重さが前記調製コマンドに示される所定の重さに達したと判断される場合において、前記混合ユニットを制御し、前記混合ユニット内の前記飲料を前記コップに出力するのを停止する、ように構成される、
飲料調製機器。
【請求項2】
前記制御ユニットはさらに、前記材料供給モジュールから前記混合ユニットに供給された前記所定の量の前記材料が前記混合ユニットから完全に出力され、且つ、前記コップ内の前記飲料の前記重さが前記所定の重さに達していないと判断される場合において、前記コップ内の前記飲料の重さが前記所定の重さに達したと判断されるまで、前記材料供給モジュールを制御して前記混合ユニットに前記材料を継続的に供給し、前記混合ユニットを制御して供給された前記材料を継続的にかき混ぜて、前記混合ユニットを制御して前記コップに前記飲料を継続的に出力するように構成される、請求項1に記載の飲料調製機器。
【請求項3】
前記混合ユニットは、
前記材料を収容するように構成される容器と、
前記制御ユニットに電気的に接続し、前記制御ユニットによって制御されて動作するモーターと、
前記モーターに機械的に接続し、前記モーターによって駆動されて前記容器内の前記材料をかき混ぜるように構成される混合器と、を含む、
請求項1に記載の飲料調製機器。
【請求項4】
前記混合器は、
前記容器の外側に配置され、前記モーターに機械的に接続され、前記モーターによって駆動されて回転するように構成される磁石と、
前記容器内に配置され、前記磁石により磁気的に引き付けられ、前記磁石と共回転して前記容器内の前記材料をかき混ぜる磁石棒と、を含む、
請求項3に記載の飲料調製機器。
【請求項5】
前記混合ユニットの前記容器は、前記飲料を出力するための排出口を含み、
前記混合ユニットは、前記容器に接続し、前記容器から前記コップに前記飲料を出力するように適合される第1のパイプユニットと、第1のスイッチと、第2のスイッチと、をさらに含み、
前記第1のパイプユニットは、前記容器の前記排出口に接続する入力ポートと、接続パイプと、前記接続パイプを介して互いに接続し、前記入力ポートに空間的に連通し、前記入力ポートを介して前記容器から入力された前記飲料を出力するように構成される第1の出力ポート及び第2の出力ポートと、を含み、前記第1の出力ポートは、前記秤量ユニット上に配置され、
前記第1のスイッチは、前記制御ユニットによって制御されて、前記飲料が前記入力ポートを介して前記第1のパイプユニットに流れ込むことができるようにし、前記飲料の流れを前記第1の出力ポート及び前記第2の出力ポートのうちのいずれか1つへと向けるよう制御し、
前記第2のスイッチは、前記制御ユニットによって制御されて、前記飲料が前記第1の出力ポートから流れ出すことができるようにする、
請求項3に記載の飲料調製機器。
【請求項6】
前記材料は液体であり、
前記材料供給モジュールは、前記材料を貯蔵するように構成される液体貯蔵部と、前記材料を前記液体貯蔵部から前記混合ユニットに輸送するように構成される液体輸送ユニットと、を含み、
前記液体貯蔵部は、前記液体貯蔵部に貯蔵される前記材料を出力するための液体貯蔵部出力ポートを含み、
前記液体輸送ユニットは、第1のパイプと、第2のパイプと、前記制御ユニットによって制御される液体ポンプと、前記液体ポンプから前記混合ユニットに流れる前記材料の流量を安定させるように構成される安定器と、第2のパイプユニットと、を含み、
前記液体ポンプは、前記第1のパイプを介して前記液体貯蔵部出力ポートに接続する液体ポンプ入力ポートと、前記第2のパイプを介して前記安定器の一端に接続する液体ポンプ出力ポートと、を含み、
前記第2のパイプユニットは、前記安定器の他の一端に接続する第3のパイプと、前記混合ユニットに接続する第4のパイプと、一端が前記第3のパイプに接続し、他の一端が前記第4のパイプに接続し、前記制御ユニットによって制御されて前記材料が前記第2のパイプユニットを通って前記混合ユニットに流れ込むことができるようにするスイッチと、を含み、
前記制御ユニットはさらに、前記液体ポンプを制御し、前記材料を前記液体貯蔵部から前記第2のパイプと前記安定器と前記第2のパイプユニットとを介して、前記混合ユニットに送出するように構成される、
請求項1に記載の飲料調製機器。
【請求項7】
前記材料は液体であり、
前記材料供給モジュールは、前記材料を貯蔵するように構成される液体貯蔵部と、液体輸送ユニットと、を含み、
前記液体貯蔵部は、前記液体貯蔵部の下端に位置し、前記材料を前記液体貯蔵部から前記混合ユニットに出力するための液体貯蔵部出力ポートと、前記液体貯蔵部の上端に位置する液体貯蔵部入力ポートと、を含み、
前記液体輸送ユニットは、第1のパイプと、ガスを貯蔵するように構成されるガス貯蔵部と、前記制御ユニットに電気的に接続するスイッチと、を含み、
前記ガス貯蔵部は、前記第1のパイプを介して前記液体貯蔵部入力ポートに接続するガス貯蔵部出力ポートを含み、
前記スイッチは、前記液体貯蔵部出力ポート及び前記混合ユニットの間に配置され、前記制御ユニットによって制御されて前記液体貯蔵部に貯蔵される前記材料が前記液体貯蔵部から前記混合ユニットに流れ込むようにし、
前記制御ユニットはさらに、前記材料供給モジュールを制御し、前記ガス貯蔵部が前記液体貯蔵部にガスを供給するようにし、前記スイッチを制御して前記材料が前記液体貯蔵部から前記混合ユニットに流れ込むようにすることによって、前記材料を前記混合ユニットに供給するように構成される、
請求項1に記載の飲料調製機器。
【請求項8】
前記ガス貯蔵部は、ガス貯蔵部入力ポートをさらに含み、
前記液体輸送ユニットは、
第2のパイプと、
前記第2のパイプを介して前記ガス貯蔵部入力ポートに接続し、前記ガス貯蔵部にガスを送出するように構成されるガスポンプと、
前記制御ユニットに電気的に接続し、前記液体貯蔵部に配置され、前記液体貯蔵部内の前記ガスの圧力の圧力値を測定し、前記圧力値を前記制御ユニットに提供する圧力計と、をさらに含み、
前記制御ユニットはさらに、前記ガスポンプを制御して、前記ガスを前記ガス貯蔵部に送出し、前記圧力計により測定された前記圧力値に基づいて前記液体貯蔵部内の前記ガスの前記圧力を維持するよう動作するように構成される、
請求項7に記載の飲料調製機器。
【請求項9】
前記液体輸送ユニットは、前記第2のパイプに配置され、前記ガスポンプにより前記ガス貯蔵部に送出される前記ガスから不純物及び微生物を濾過するように構成されるガスフィルターをさらに含む、請求項8に記載の飲料調製機器。
【請求項10】
前記液体輸送ユニットは、ホルダーをさらに含み、前記液体貯蔵部出力ポートは、前記ホルダーに取り付けられ、前記ホルダーは、前記液体貯蔵部出力ポートと前記混合ユニットとの間に接続される接続パイプを含み、
前記液体貯蔵部は、蓋をさらに含み、前記液体貯蔵部入力ポートは、前記蓋に配置され、
前記スイッチは、前記接続パイプの片側に配置されるブロック部品と、前記接続パイプの他の片側に配置されるカットオフ部品とを含み、前記カットオフ部品は、前記制御ユニットによって制御され、前記ブロック部品に向かって移動し、前記材料が前記接続パイプを介して前記混合ユニットに流れるのをブロックし、または、前記ブロック部品から離れるように移動し、前記材料が前記接続パイプを介して前記混合ユニットに流れるようにする、
請求項7に記載の飲料調製機器。
【請求項11】
前記材料供給モジュールは、前記制御ユニットに電気的に接続し、前記液体貯蔵部に配置され、前記液体貯蔵部内の前記材料の液面レベルのレベル値を検出し、前記レベル値を前記制御ユニットに送るように構成されるレベルセンサーをさらに含み
前記制御ユニットはさらに、前記レベル値に基づいて前記液体貯蔵部内の前記材料の前記液面レベルが所定の範囲外であると判断される場合において、警告メッセージを生成して出力するように構成される、
請求項7に記載の飲料調製機器。
【請求項12】
前記制御ユニットに電気的に接続するコードリーダーをさらに含み、
前記コードリーダーは、前記液体貯蔵部に配置されていて前記液体貯蔵部に貯蔵される前記材料の材料情報を含むバーコードを読み取ることによって、前記材料情報を得るように構成され、
前記制御ユニットは、前記材料供給モジュールに対応する予備情報を予め記憶し、得られた前記材料情報を前記予備情報と比較し、得られた前記材料情報が前記予備情報と一致しないと判断される場合において警告メッセージを生成して出力するように構成される、
請求項6または7に記載の飲料調製機器。
【請求項13】
前記制御ユニットに電気的に接続する撮像ユニットをさらに含み、
前記秤量ユニットは、前記コップをその上に置くことができる台と、前記台内に配置され、前記台に置かれた前記物体の前記重さを測定するように構成されるはかりと、を含み、
前記撮像ユニットは、前記台に配置され、前記台に置かれた前記物体の画像を撮影し、前記画像を前記制御ユニットに送信するように構成され、
前記制御ユニットはさらに、前記画像内の前記物体を識別し、前記画像及び識別された前記物体に基づいて、前記物体がコップでない第1の状況及び前記物体が前記台上に適切に置かれていない第2の状況のいずれかに該当すると判断される場合において、警告メッセージを生成して出力するように構成される、
請求項1に記載の飲料調製機器。
【請求項14】
前記制御ユニットに電気的に接続するタッチスクリーンをさらに含み、
前記制御ユニットはさらに、前記タッチスクリーンを制御して、前記材料供給モジュールに貯蔵される前記材料の材料情報に基づいて、前記飲料に関連する少なくとも1つの選択肢を表示するユーザインターフェースを表示し、選択された前記少なくとも1つの選択肢のうちの1つに基づいて、前記調製コマンドを生成するように構成される、
請求項1に記載の飲料調製機器。
【請求項15】
前記制御ユニットに電気的に接続するタッチスクリーンをさらに含み、
前記制御ユニットはさらに、前記タッチスクリーンを制御して、前記材料供給モジュールに貯蔵される前記材料の材料情報に基づいて、前記飲料に関連する少なくとも1つの選択肢を表示するユーザインターフェースを表示し、選択された前記少なくとも1つの選択肢のうちの1つに基づいて、前記調製コマンドを含むバーコードを生成し、生成された前記バーコードを出力装置を介して提示し、提示された前記バーコードを読み取ったコードリーダーから前記調製コマンドを得るように構成される、
請求項1に記載の飲料調製機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料調製機器に関し、特に、飲料を自動的に調製するための飲料調製機器に関する。
【背景技術】
【0002】
店頭などの現場で調製される飲料は、幅広い飲料のカスタマイズオプションを顧客に提供できるため、大衆に人気がある。しかしながら、現場で調製される飲料の販売におけるビジネス上の課題には、材料の残留農薬、氷の細菌汚染、品質管理(風味、成分など)、従業員の高い離職率などが含まれる。例えば特許文献1に開示されるティーメーカーのような従来の半自動機器は、飲料調製の補助や労働力の削減のために店舗に導入されることがあるが、従来の半自動機器は依然として人手により飲料を調製する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】台湾実用新案M622132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、従来技術の欠点を少なくとも1つ軽減することができる飲料調製機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、飲料調製機器は、飲料を自動的に調製し、コップに飲料を充填するためのものであって、コップをその上に置くことができ、その上に置かれた物体の重さを測定するように構成される秤量ユニットと、その中に収容される内容物をかき混ぜて混合物にし、混合物をコップに出力するように構成される混合ユニットと、混合ユニットに材料を供給するように構成される材料供給モジュールと、秤量ユニット、混合ユニット、及び材料供給モジュールに電気的に接続する制御ユニットと、を含む。制御ユニットは、材料供給モジュールを制御し、飲料の調製に関連する調製コマンドに基づいて、混合ユニットに所定の量の材料を供給し、混合ユニットを制御し、供給された材料をかき混ぜて飲料にし、混合ユニット内の飲料をコップに出力し、秤量ユニットにより測定された物体の重さに基づいて、コップ内の飲料の重さを決定し、コップ内の飲料の重さが調製コマンドに示される所定の重さに達したと判断される場合において、混合ユニットを制御し、混合ユニット内の飲料をコップに出力するのを停止する、ように構成される。
【発明の効果】
【0006】
制御ユニットは、材料供給モジュールを制御して、調製コマンドに基づいて混合ユニットに所定の量の材料を供給し、混合ユニットを制御して、混合ユニット内の材料をかき混ぜてコップに飲料を出力する。さらに、コップ内の飲料が調製コマンドに示される所定の重さに達したと判断される場合において、制御ユニットは混合ユニットを制御して飲料をコップに出力するのを停止する。これによって、飲料は、飲料調製機器によって、自動的に調製され、コップに充填される。
【0007】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照する以下の実施形態の詳細な説明において明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施形態に係る飲料調製機器が示されるブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る飲料調製機器の構造が示される模式図である。
図3】本発明の第2の実施形態に係る飲料調製機器が示されるブロック図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る飲料調製機器の構造が示される模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明をより詳細に説明する前に、適切と考えられる場合において、参照符号または参照符号の末端部は、同様の特性を有し得る対応のまたは類似の要素を示すために各図面間で繰り返し用いられることに留意されたい。
さらに、本明細書において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などの方向性のある用語は、図面と併せて本発明の実施形態における複数のハードウェア構成要素の相対位置を例示的に説明するためだけに使用され、本発明の実施の範囲を限定することを意図するものではない。
【0010】
本明細書において、ある部品が他の部品に「接続」することは、2つの部品が空間的に連通することを示す。また、ある電気部品が他の電気部品に「電気的に接続」することは、2つの電気部品が導電性材料(例えば、電線)を介して直接に接続し、或いは、2つの電気部品が1つ以上の更なる他の電気部品または無線通信を介して間接的に接続することを示す。さらに、ある部品が他の部品に「機械的に接続」することは、2つの部品がリンク機構、ギアセット、溶接などの機械的な手段により接続することを示す。
【0011】
図1には、本発明の第1の実施形態に係る、飲料を自動的に調製し、コップ1に飲料を自動的に充填するための飲料調製機器2が示される。飲料調製機器2は、秤量ユニット21と、混合ユニット22と、複数の材料供給モジュール23と、制御ユニット24と、を含む。秤量ユニット21は、コップ1をその上に置くことができ、その上に置かれた物体の重さを測定するように構成される。混合ユニット22は、その中に収容される内容物をかき混ぜて混合物にし、混合物をコップ1に出力するように構成される。材料供給モジュール23のそれぞれは、特定の材料(例えば、ジュース、濃縮ジュース、シロップ、茶、煮沸水、水)を貯蔵することができ、その中に貯蔵される材料を混合ユニット22に供給するように構成される。制御ユニット24は、秤量ユニット21、混合ユニット22、及び材料供給モジュール23に電気的に接続し、秤量ユニット21から物体の重さを得て、混合ユニット22及び材料供給モジュール23の動作を制御する。
【0012】
制御ユニット24は、飲料の調製に関連する調製コマンドを受信すると、調製コマンドに基づいて材料供給モジュール23のうち飲料の材料を貯蔵している材料供給モジュール23を選択し(以下、「選択された材料供給モジュール」と称する)、調製コマンドに基づいて選択された材料供給モジュール23のそれぞれを制御して混合ユニット22に所定の量の材料を供給し、混合ユニット22を制御して供給された材料をかき混ぜて飲料にし、混合ユニット22内の飲料をコップ1に出力するように構成される。制御ユニット24はさらに、秤量ユニット21により測定された物体の重さに基づいて、コップ1内の飲料の重さを決定するように構成される。制御ユニット24はさらに、コップ1内の飲料の重さが調製コマンドに示される所定の重さに達したかどうかを判断し、判断が肯定的である場合において混合ユニット22を制御して混合ユニット22内の飲料をコップ1に出力するのを停止するように構成される。
【0013】
選択された材料供給モジュール23のそれぞれについて、制御ユニット24が、該材料供給モジュール23から混合ユニット22に供給された所定の量の材料が混合ユニット22から完全に出力され、且つ、コップ1内の飲料の重さが所定の重さに達していないと判断される場合において、制御ユニット24はさらに、コップ1内の飲料の重さが調製コマンドに示される材料の所定の重さに達したと判断されるまで、選択された材料供給モジュール23をそれぞれ制御して混合ユニット22に材料を継続的に供給し、混合ユニット22を制御して供給された材料を継続的にかき混ぜて、混合ユニット22を制御してコップ1に飲料を継続的に出力するように構成される。これによって、飲料調製機器2は、所定の重さの飲料をコップ1に自動的に充填することができる。なお、供給された所定の材料が混合ユニット22から完全に出力されたかどうかの判断は、混合ユニット22から出力を開始してから所定の時間(例えば、2秒)が経ったかどうかの判断により判断することができる。
【0014】
図2をさらに参照すると、秤量ユニット21は、コップ1をその上に置くことができる台211と、台211内に配置され、台211に置かれた物体の重さを測定するように構成されるはかり212と、を含む。秤量ユニット21が物体の重さを制御ユニット24に提供するため、制御ユニット24は、物体の重さに基づいてコップ1内の飲料の重さを得ることができる。いくつかの実施形態において、制御ユニット24は、台211に置かれたコップ1の重さを予め記憶し、物体の重さからコップ1の重さを差し引くことによってコップ1内の飲料の重さを得ることができる。いくつかの実施形態において、秤量ユニット21はコップ1が台211に置かれた後に重さ測定値を自動的にゼロに戻すように構成されるため、はかり212により測定された物体212の重さは、コップ1内の飲料の重さとなる。
【0015】
混合ユニット22は、材料を収容するように構成される容器221と、制御ユニット24に電気的に接続し、制御ユニット24によって制御されて動作するように構成されるモーター224と、モーター224に機械的に接続し、モーター224によって駆動されて容器221内の材料をかき混ぜるように構成される混合器と、を含む。本実施形態において、混合器は、磁石棒222と磁石223とを含むが、これに限定されない。磁石223は、容器221の外側に配置され、モーター224に機械的に接続され、モーター224によって駆動されて回転するように構成される。磁石棒222は、容器221内に配置され、磁石223により磁気的に引き付けられ、磁石223と共回転して容器221内の材料をかき混ぜる。いくつかの実施形態において、混合器は、モーター224によって駆動されて回転して容器221内の材料をかき混ぜて混合するように構成される混合ブレードであってもよい。
【0016】
容器221は、飲料を出力するための排出口221aを含み、混合ユニット22は、容器221の排出口221aに接続し、容器221からコップ1に飲料を出力するように適合される第1のパイプユニット225をさらに含む。第1のパイプユニット225は、容器221の排出口221aに接続する入力ポート225aと、接続パイプ228と、接続パイプ228を介して互いに接続し、入力ポート225aに空間的に連通し、入力ポート225aを介して容器221から入力された飲料を出力するように構成される第1の出力ポート225b及び第2の出力ポート225cと、を含む。第1の出力ポート225bは秤量ユニット21の上に配置され、よって第1の出力ポート225bを介して秤量ユニット21に配置されるコップ1に飲料を出力することができる。第2の出力ポート225cは、混合ユニット22がコップ1に飲料を出力するのを停止した後に、容器221に残された飲料を廃棄するために使用されてもよい。なお、第1のパイプユニット225の配置および重力により、飲料は容器221から第1の出力ポート225b及び第2の出力ポート225cに流れることができる。
【0017】
第1のパイプユニット225はさらに、制御ユニット24によって制御されて、飲料が入力ポート225aを介して第1のパイプユニット225に流れ込むことができるようにし、飲料の流れを第1の出力ポート225b及び第2の出力ポート225cのうちのいずれかへと向けるよう制御する第1のスイッチ226を含む。第1のパイプユニット225はさらに、制御ユニット24によって制御されて、飲料が第1の出力ポート225bから流れ出すことをできるようにする第2のスイッチ227を含む。本実施形態において、第1のスイッチ226及び第2のスイッチ227はそれぞれ電磁弁であってもよいが、これに限定されない。具体的には、第1のスイッチ226は3つのポートを有し、3つのポートのうちの1つは、接続パイプ228の一端に接続し、3つのポートのうちの残りの2つは、入力ポート225a及び第2の出力ポート225cにそれぞれ接続し、或いは、入力ポート225a及び第2の出力ポート225cとしてそれぞれ使用される。また、第2のスイッチ227は2つのポートを有し、2つのポートのうちの1つは、接続パイプ228の他の一端に接続し、2つのポートのうちの他の1つは、第1の出力ポート225bに接続し或いは第1の出力ポート225bとして使用される。
【0018】
図2に示される第1の実施形態において、材料は液体であり、材料供給モジュール23のそれぞれは貯蔵される材料を機械式ポンプを用いて供給する。なお、第1の実施形態の材料供給モジュール23は互いに類似するため、1つの材料供給モジュール23のみが図2に示され、以下で説明される。第1の実施形態の材料供給モジュール23は、材料(例えば、ジュース、濃縮ジュース、シロップ、茶、煮沸水、水)を貯蔵するように構成される液体貯蔵部231を含む。液体貯蔵部231は、液体貯蔵部231に貯蔵される材料を出力するための液体貯蔵部出力ポート231aを含む。材料供給モジュール23はさらに、材料を液体貯蔵部231から混合ユニット22に輸送するように構成される液体輸送ユニット232を含む。液体輸送ユニット232は、第1のパイプ236と、第2のパイプ237と、第2のパイプユニット238と、液体ポンプ233と、安定器234と、を含む。
【0019】
液体ポンプ233は、制御ユニット24に制御され、第1のパイプ236を介して液体貯蔵部出力ポート231aに接続する液体ポンプ入力ポート233aと、第2のパイプ237を介して安定器234の一端に接続する液体ポンプ出力ポート233bと、を含む。液体ポンプ233は、第2のパイプ237、安定器234、及び第2のパイプユニット238を介して材料を液体貯蔵部231から混合ユニット22に送出するように構成される。
【0020】
安定器234の他の一端は、第2のパイプユニット238を介して容器221に接続する。安定器234は、液体ポンプ233から混合ユニット22に流れる材料の流量を安定させるように構成される。安定器234の内径が均一で第1のパイプ236の内径より小さいため、安定器234は、安定器234を通る材料の流れの乱流を抑制することができ、材料の流量を所定の流量(例えば、毎秒100ミリリットル)に維持することができる。なお、所定の流量は、ユーザの要求に応じて設定することができ、上述の例に限定されない。
【0021】
第2のパイプユニット238は、安定器234の該他の一端に接続する第3のパイプ238aと、混合ユニット22に接続する第4のパイプ238bと、第3のスイッチ235と、を含む。第3のスイッチ235の一端は第3のパイプ238aを介して安定器234に接続し(すなわち、第3のパイプ238aは安定器234の一端に接続する)、第3のスイッチ235の他の一端は、第4のパイプ238bを介して混合ユニット22の容器221に接続する(すなわち、第4のパイプ238bは混合ユニット22に接続する)。第3のスイッチ235は、制御ユニット24により制御されて材料が第2のパイプユニット238を通って容器221に流れ込むことができるようにする。本実施形態において、第3のスイッチ235は、第3のパイプ238a及び第4のパイプ238bにそれぞれ接続する2つのポートを有する電磁弁であってもよいが、これに限定されない。
【0022】
制御ユニット24はさらに、液体ポンプ233を制御し、材料を液体貯蔵部231から第2のパイプ237と安定器234と第2のパイプユニット238とを介して、混合ユニット22に送出するように構成される。
制御ユニット24は、該材料供給モジュール23について、所定の流量及び第2のパイプユニット238から材料が出力されている時間に基づいて、液体貯蔵部231から容器221に出力された材料の総量を得ることができ、そして、得られた総量が調製コマンドに示される材料の所定の量に達したかどうかを判断することができる。
【0023】
制御ユニット24は、シングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、デュアルコアモバイルプロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、無線周波数集積回路(RFIC)、システムオンチップ(SoC)などであってもよい。制御ユニット24が秤量ユニット21のはかり212、混合ユニット22のモーター224と第1のスイッチ226と第2のスイッチ227、及び材料供給モジュール23の液体ポンプ233と第3のスイッチ235に電気的に接続し、様々な部品の動作を制御する。
【0024】
以下に、材料供給モジュール23の一部(選択された材料供給モジュール23)の各々からの様々な材料を使用する飲料の調製に関連する調製コマンドの例を示す。なお、飲料の調製に使用され、選択された材料供給モジュール23の各々からの材料の所定の量は異なる可能性がある。
【0025】
例えば、制御ユニット24が、選択された材料供給モジュール23の各々について、液体貯蔵部231に貯蔵される材料を容器221に供給するように液体ポンプ233及び第3のスイッチ235を制御する際、制御ユニット24はさらに、混合ユニット22のモーター224を制御することによって磁石棒222を駆動して容器221内の各選択された材料供給モジュール23から供給された材料をかき混ぜて、そして、第1のスイッチ226を制御して飲料が容器221の排出口221aから流れ出すのを防止する。選択された材料供給モジュール23のそれぞれについて、容器221に供給された材料が所定の量のうちの所定の部分(所定の部分は制御ユニット24によって予め設定できる)に達した場合、制御ユニット24は、液体ポンプ233及び第3のスイッチ235を制御して液体貯蔵部231から容器221に材料を供給するのを停止し、第1のスイッチ226を制御して飲料が入力ポート225aを介して第1のパイプユニット225に流れ込んで第1の出力ポート225bのみに向かうようにし、第2のスイッチ227を制御して飲料が第1の出力ポート225bから流れ出して秤量ユニット21に配置されるコップ1に流れるようにする。制御ユニット24は、複数回供給された所定の部分を累積した材料の総量が調製コマンドに示される所定の量に達するまで、上記の動作を複数回繰り返すことができる。これによって、容器221に供給された材料は、排出口221aから出力される前に完全にかき混ぜられる。さらに、上記の方式により、容器221として容量が少ないもの(例えば、300ml未満)を用いることができるので、少量の水を使って容器221を洗浄することができる。洗浄用の水は、例えば、材料供給モジュール23のうちの1つの液体貯蔵部231に貯蔵されてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、制御ユニット24は、選択された材料供給モジュール23の各々を制御して、(所定の部分を複数回供給する代わりに)調製コマンドに示される所定の量の材料を容器221に一回で供給し、モーター224を制御して磁石棒222を駆動して容器221内の材料をかき混ぜて、容器221内の材料が完全にかき混ぜられて飲料にされた後にのみ、第1のスイッチ226を制御して飲料が容器221から排出口221aを介して第1の出力ポート225bのみに向かうようにし、そして、第2のスイッチ227を制御して飲料が第1の出力ポート225bから流れ出して秤量ユニット21に配置されるコップ1に流れるようにしてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、制御ユニット24は、選択された材料供給モジュール23の各々を制御して、(所定の部分を複数回供給する代わりに)調製コマンドに示される所定の量の材料を容器221に一回で供給し、モーター224を制御して磁石棒222を駆動して容器221内の材料をかき混ぜて、磁石棒222が容器221内の材料をかき混ぜている間に、制御ユニット24は第1のスイッチ226を同時に制御して、飲料が容器221から排出口221aを介して第1の出力ポート225bのみに向かうようにし、そして、第2のスイッチ227を制御して飲料が第1の出力ポート225bから流れ出して秤量ユニット21に配置されるコップ1に流れるようにしてもよい。より具体的には、選択された材料供給モジュール23のそれぞれについて、該材料供給モジュール23が容器221に供給された材料の総量が所定の量に達したと判断される場合において、制御ユニット24は、該選択された材料供給モジュール23を制御して容器221に材料を供給するのを停止し、すべての選択された材料供給モジュール23が材料供給を停止した場合において、制御ユニット24は、磁石棒222を制御してかき混ぜるのを停止する。
【0028】
コップ1内の飲料の重さが所定の重さに達したと判断される場合において、制御ユニット24は、第2のスイッチ227を制御して飲料が第1の出力ポート225bから出力されるのを停止し、第1のスイッチ226を制御して飲料が排出口221aから第2の出力ポート225cに向かうようにし、洗浄用の水を貯蔵する材料供給モジュール23のうちの1つを制御して容器221に水を供給して容器221を洗浄する。容器221の洗浄に使用された水及び第1のパイプユニット225に残った飲料は、第2の出力ポート225cから出力されて廃棄される。
【0029】
本実施形態において、液体貯蔵部231は交換可能なパウチであり、制御ユニット24はさらに、材料供給モジュール23のそれぞれについて、液体貯蔵部231から供給された材料の累積量を計算することにより、液体貯蔵部231内の材料が不足しているかどうかを判断するように構成される。制御ユニット24はさらに、液体貯蔵部231内の材料が不足していると判断される場合において、液体貯蔵部231内の材料が不足していることに関連する第1の警告メッセージを生成して出力し、液体貯蔵部231を新しいパウチと交換するように従業員に通知する。
【0030】
本実施形態において、飲料調製機器2はさらに、台211に配置され、制御ユニット24に電気的に接続する撮像ユニット25を含む。撮像ユニット25は、台211に置かれた物体の画像を撮影し、画像を制御ユニット24に送信するように構成されるカメラであってもよい。制御ユニット24はさらに、その中に配置される画像認識モジュール(例えば、パイソン(登録商標)または他のプログラミング言語で書かれた画像認識ソフトウェア、図示せず)を用いて、画像内の物体を識別するように構成される。制御ユニット24はさらに、画像及び識別された物体に基づいて、画像内の物体がコップではない第1の状況、及び物体が台211上に適切に置かれてない第2の状況のいずれかに該当に該当すると判断される場合において、物体に関連する第2の警告メッセージを生成して出力し、台211上の物体を交換し、或いはコップ1の位置を適切な位置に調整するよう従業員に通知するように構成される。
【0031】
本実施形態において、飲料調製機器2はさらに、制御ユニット24に電気的に接続するコードリーダー26を含む。材料供給モジュール23のそれぞれについて、コードリーダー26は、液体貯蔵部231に配置されていて液体貯蔵部231に貯蔵される材料の材料情報を含むバーコード231bを読み取ることによって材料情報を得て、材料情報を制御ユニット24に送信するように構成される。制御ユニット24はさらに、複数の材料供給モジュール23にそれぞれ対応する複数の予備情報を予め記憶し、得られた材料情報を得られた材料情報が対応する材料供給モジュール23に対応する予備情報と比較し、得られた材料情報が該予備情報と一致しない(例えば、材料名が異なる、配合成分が異なる、賞味期限が異なる)と判断される場合において、液体貯蔵部231内の材料に関連する第3の警告メッセージを生成して出力し、液体貯蔵部231内の材料が予備情報に示される材料と一致するかどうかを再確認するよう従業員に通知するように構成され、これによって、出所不明な材料の使用を回避する。
【0032】
なお、第1の警告メッセージ、第2の警告メッセージ、及び第3の警告メッセージは、飲料調製機器2の画面に表示可能なメッセージや記号、飲料調製機器2の発光装置によって出力される光、飲料調製機器2のスピーカーによって出力される音、またはそれらの組み合わせの形式であってもよい。
【0033】
本実施形態において、飲料調製機器2はさらに、制御ユニット24に電気的に接続するタッチスクリーン27を含む。制御ユニット24はさらに、タッチスクリーン27を制御して、材料供給モジュール23に貯蔵される材料の材料情報に基づいて、少なくとも1つの飲料にそれぞれ関連する少なくとも1つの選択肢を表示するユーザインターフェース(図示せず)を表示するように構成される。本実施形態において、制御ユニット24はコードリーダー26から材料情報を得るが、いくつかの実施形態において、制御ユニット24はユーザ入力から材料情報を得てもよい。少なくとも1つの選択肢のうちの1つが選択されると、制御ユニット24は、選択される少なくとも1つの選択肢のうちの1つに基づいて調製コマンドを生成し、生成された調製コマンドに基づいて飲料を調製する。
【0034】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの選択肢のうちの1つが選択されると、制御ユニット24は、選択された少なくとも1つの選択肢のうちの1つに基づいて調製コマンドを含む飲料バーコードを生成する。生成された飲料バーコードは、出力装置(例えば、プリンター、図示せず)を介して提示され、制御ユニット24は、飲料調製機器2のコードリーダー26または他のコードリーダーを用いて提示された飲料バーコードを読み取って、飲料バーコードを読み取ったコードリーダー26または他のコードリーダーから調製コマンドを得てもよい。そして、制御ユニット24は、得られた調製コマンドに基づいて、飲料を調製することができる。これによって、複数の顧客からの注文がある場合、飲料調製機器2は、例えば、まず顧客からの注文に応じて飲料バーコードを印刷してから、飲料バーコードを順に読み取り、各注文の飲料を1つずつ調製する。
【0035】
材料を複数回に分けて供給する実施例において、例えば、ユーザインターフェース上で選択された選択肢が「紅茶(500ml)、甘さ半分(シロップ10ml)」である場合において、制御ユニット24により生成された調製コマンドは、紅茶を貯蔵する材料供給モジュール23のうちの1つに500mlの紅茶を供給するように指示すること、及びシロップを貯蔵する材料供給モジュール23のうちの1つに10mlのシロップを供給するように指示することに関連する。制御ユニット24は、紅茶及びシロップをそれぞれ貯蔵する2つの選択された材料供給モジュール23のそれぞれについて、選択された材料供給モジュール23を制御して、毎回所定の量のうちの所定の部分の材料を混合ユニット22に供給し、例えば、紅茶を貯蔵する材料供給モジュール23に毎回100mlの紅茶を供給するように指示し、シロップを貯蔵する材料供給モジュール23に毎回2mlのシロップを供給するように指示する。制御ユニット24は、混合ユニット22を制御して、供給された100mlの紅茶と2mlのシロップをかき混ぜて102mlの飲料(加糖紅茶)にし、飲料をコップ1に出力する。制御ユニット24は、選択された2つの材料供給モジュール23を制御して、前述の動作を5回実行して、コップ1に510mlの加糖紅茶を出力する。
【0036】
図3及び図4を参照すると、本発明の第2の実施形態に係る飲料調製機器2が示される。第2の実施形態の飲料調製機器2は、秤量ユニット21と、混合ユニット22と、制御ユニット24と、複数の材料供給モジュール28と、を含む。第2の実施形態の秤量ユニット21、混合ユニット22、及び制御ユニット24は、第1の実施形態のと類似するが、第2の実施形態の材料供給モジュール28は、第1の実施形態のと異なって、それぞれ気圧を用いてその中に貯蔵される材料(液体)を供給する。第2の実施形態の材料供給モジュール28のそれぞれは、材料を貯蔵するように構成される液体貯蔵部281と、液体輸送ユニット282と、ホルダー283と、を含む。液体貯蔵部281は、液体貯蔵部出力ポート281aと、液体貯蔵部入力ポート281bと、蓋281cと、を含む。ホルダー283は、液体貯蔵部出力ポート281aと容器221との間に接続される接続パイプ283aを含む。液体貯蔵部出力ポート281aは、液体貯蔵部281の下端に位置し、ホルダー283に取り付けられ、材料を接続パイプ283aを介して液体貯蔵部281から混合ユニット22に出力するために接続パイプ283aに接続する。蓋281cは液体貯蔵部281の上端に位置し、液体貯蔵部入力ポート281bは蓋281cに配置され、液体貯蔵部281内の材料と接触しない。
【0037】
液体輸送ユニット282は、第1のパイプ289と、第2のパイプ280と、ガス貯蔵部284と、ガスフィルター285と、ガスポンプ286と、圧力計287と、第3のスイッチ288と、を含む。ガス貯蔵部284は、ガスを貯蔵するように構成され、第1のパイプ289を介して液体貯蔵部入力ポート281bに接続するガス貯蔵部出力ポート284aと、第2のパイプ280を介してガスポンプ286に接続するガス貯蔵部入力ポート284bと、を含む。ガスポンプ286は、制御ユニット24により制御されて、ガス貯蔵部284にガスを送出するように構成される。ガスフィルター285は、第2のパイプ280に配置され、ガスポンプ286によりガス貯蔵部284に送出されるガスから不純物及び微生物を濾過するように構成される。圧力計287は、液体貯蔵部281の蓋281cに配置され、制御ユニット24に電気的に接続する。圧力計287は、液体貯蔵部281内のガスの圧力の圧力値を測定し、圧力値を制御ユニット24に提供するように構成される。制御ユニット24はさらに、圧力計287により測定された圧力値に基づいて、液体貯蔵部281内のガスの圧力が所定の圧力レベルに維持されているかどうかを判断し、圧力計287により制御された圧力値に基づいて、ガスポンプ286を制御して、ガスをガス貯蔵部284に送出し、液体貯蔵部281内のガスの圧力を所定の圧力レベルに維持するよう動作するように構成される。本実施形態において、所定の圧力レベルは飲料調製機器2が調製する各種飲料に応じて調整することでき、例えば、0.07から0.13バールの範囲にしてもよいが、これに限定されない。
【0038】
第3のスイッチ288は、液体貯蔵部出力ポート281aと容器221との間に配置され、制御ユニット24に電気的に接続する。第3のスイッチ288は、制御ユニット24によって制御されて液体貯蔵部281に貯蔵される材料が液体貯蔵部281から混合ユニット22の容器221に流れ込むようにする。調製コマンドに示される飲料の材料を貯蔵する材料供給モジュール28のそれぞれについて、制御ユニット24はさらに、材料供給モジュール28を制御して材料を容器221に供給するように構成され、具体的には、ガスポンプ286を制御してガスをガス貯蔵部284に送出することによって、ガス貯蔵部284が液体貯蔵部281にガスを供給するようにし、さらに、第3のスイッチ288を制御して材料が液体貯蔵部281から容器221に流れ込むようにする。
【0039】
本実施形態において、第3のスイッチ288は、接続パイプ283aの外表面に配置されるカットオフ装置である。接続パイプ283aは、外力が加わると押し潰される弾性力のあるパイプである。第3のスイッチ288は、接続パイプ283aの片側に配置されるブロック部品288aと、接続パイプ283aの他の片側に配置され、ブロック部品288aの反対側に位置するカットオフ部品288bと、を含む。カットオフ部品288bは、ピストンを有する空気圧シリンダーであってもよい。カットオフ部品288bは、制御ユニット24によって制御され、ブロック部品288aに向かって移動し、接続パイプ283aを押し潰すことによって、材料が接続パイプ283aを介して容器221に流れるのをブロックし、または、ブロック部品288aから離れるように移動し、材料が接続パイプ283aを介して容器221に流れるようにするように構成される。具体的には、カットオフ部品288bのピストンがブロック部品288aに向かって移動し、接続パイプ283aを押すことによって、ブロック部品288aと共に接続パイプ283aを押し潰す。従って、第3のスイッチ288は、材料との接触または材料の汚染を避けることができる。いくつかの実施形態において、第3のスイッチ288は、制御ユニット24によって制御されて、接続パイプ283aを押し潰すように構成されるピンチバルブであってもよい。材料が接続パイプ283aを介して流れるようになると、液体貯蔵部281に貯蔵される材料は、液体貯蔵部281の気圧の影響で、液体貯蔵部281から容器221に流れる。液体貯蔵部281の気圧が所定の圧力レベルに維持されるため、液体貯蔵部出力ポート281aでの材料の出力流量は、一定の流量(例えば、毎秒100ミリリットル)に維持される。これによって、制御ユニット24は、一定の流量及び液体貯蔵部出力ポート281aから材料が出力されている時間に基づいて、液体貯蔵部281から容器221に出力された材料の総量を得ることができる。なお、一定の流量は、ユーザの要求に応じて設定することができ、上述の例に限定されない。
【0040】
材料供給モジュール28のそれぞれはさらに、液体貯蔵部281に配置され、制御ユニット24に電気的に接続するレベルセンサー239を含む。レベルセンサー239は、液体貯蔵部281内の材料の液面レベルのレベル値を検出し、レべル値を制御ユニット24に送るように構成される。制御ユニット24はさらに、レベル値に基づいて液体貯蔵部281内の材料の液面レベルが所定の範囲外であると判断される場合において、材料の液面レベルに関連する第4の警告メッセージを生成して出力し、液体貯蔵部281内の材料が不足している場合に液体貯蔵部281を交換または補充するよう、或いは、液体貯蔵部281内の材料が過剰である場合に液体貯蔵部281に材料を補充するのを停止するよう従業員に通知するように構成される。
【0041】
例えば、制御ユニット24は、液面レベル値が所定の範囲未満である場合に液体貯蔵部281内の材料が不足していると判断し、液面レベルが所定の範囲を超える場合に液体貯蔵部281内の材料が過剰であると判断する。
【0042】
いくつかの実施形態において、液体貯蔵部281は、交換可能な貯蔵容器であり、第4の警告メッセージは、液体貯蔵部281を新しい貯蔵容器と交換するように従業員に通知することができる。
【0043】
いくつかの実施形態において、液体貯蔵部281の蓋281cはさらに、蓋281cに配置される供給ポート281d(図4に示すように)を含み、液体貯蔵部281は、他の材料供給モジュールによって補充されてもよい。例えば、図4に示されるように、第1の実施形態の材料供給モジュール23は、材料供給モジュール23の第2のパイプユニット238を第2の実施形態の液体貯蔵部281の供給ポート281dと接続することによって、液体貯蔵部281に接続し、液体貯蔵部281を補充してもよい。第4の警告メッセージは、液体貯蔵部281に材料を再供給するように材料供給モジュール23に指示する補充コマンドであってもよい。さらに、材料供給モジュール28に貯蔵される材料の材料情報は、材料供給モジュール28の補充に使用される材料供給モジュール23上のバーコードを読み取ることによって得られる。なお、第4の警告メッセージは、飲料調製機器2の画面に表示可能なメッセージや記号、飲料調製機器2の発光装置によって出力される光、飲料調製機器2のスピーカーによって出力される音、またはそれらの組み合わせの形式であってもよい。
【0044】
なお、第2の実施形態の飲料調製機器2の材料供給モジュール28以外の構成要素は、第1の実施形態と同様に動作するように構成され、簡潔性のため本明細書で詳しく説明しない。
【0045】
実務上、飲料調製機器2は、供給する材料の粘度に応じて、第1の実施形態の材料供給モジュール23または第2の実施形態の材料供給モジュール28を含んでもよい。例えば、提供される材料の粘度が820センチポアズ(centipoise、cP)未満である場合において、飲料調製機器2は第1の実施形態の材料供給モジュール23を用いて容器221に材料を供給し、提供される材料の粘度が1200cP未満で、820cP以上である場合において、飲料調製機器2は第2の実施形態の材料供給モジュール28を使用して容器221に材料を供給する。
【0046】
いくつかの実施形態において、制御ユニット24は、クラウドデータベース(図示せず)とさらに通信してもよく、クラウドデータベースは、複数の飲料にそれぞれ対応するレシピと複数の飲料の調製にそれぞれ関連する動作パラメータセットを格納する。従業員は、ユーザインターフェースを介して制御ユニット24を制御して、クラウドデータベースからレシピと動作パラメータセットをダウンロードし、ダウンロードされたレシピ及び動作パラメータセットに基づいて調製コマンドを生成し、ビジネスデータ(例えば、飲料種別ごとの販売数量、人気の高いフレーバー、材料の在庫補充の要否、設備の使用状況、部品の稼働時間など)をクラウドデータベースにアップロードすることができる。
【0047】
要約すると、本発明によれば、制御ユニット24は、調製コマンドに基づいて、選択された材料供給モジュール23、28を制御して容器221に所定の量の材料を供給し、混合ユニット22を制御して、混合ユニット22内の材料をかき混ぜてコップ1に飲料を出力し、コップ1内の飲料の重さが調製コマンドに示される所定の重さに達したかどうかを判断するように構成される。さらに、判断が肯定的である場合において、制御ユニット24は混合ユニット22を制御して飲料をコップ1に出力するのを停止する。これによって、飲料は、飲料調製機器2によって、自動的に調製され、コップ1に充填される。
【0048】
上記の説明では、説明の目的のために、実施形態の完全な理解を提供するために多数の特定の詳細が述べられた。しかしながら、当業者であれば、一又はそれ以上の他の実施形態が具体的な詳細を示さなくとも実施され得ることが明らかである。また、本明細書における「一実施形態」「一つの実施形態」を示す説明において、序数などの表示を伴う説明は全て、特定の態様、構造、特徴を有する本発明の具体的な実施に含まれ得るものであることと理解されたい。更に、本明細書において、時には複数の変化例が一つの実施形態、図面、又はこれらの説明に組み込まれているが、これは本明細書を合理化させるためのもので、本発明の多面性が理解されることを目的としたものであり、また、一実施形態における一又はそれ以上の特徴あるいは特定の具体例は、適切な場合には、本発明の実施において、他の実施形態における一またはそれ以上の特徴あるいは特定の具体例と共に実施され得る。
【0049】
以上、本発明の実施形態および変化例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【符号の説明】
【0050】
1 コップ
2 飲料調製機器
21 秤量ユニット
211 台
212 はかり
22 混合ユニット
221 容器
221a 排出口
222 磁石棒
223 磁石
224 モーター
225 第1のパイプユニット
225a 入力ポート
225b 第1の出力ポート
225c 第2の出力ポート
226 第1のスイッチ
227 第2のスイッチ
228 接続パイプ
23 材料供給モジュール
231 液体貯蔵部
231a 液体貯蔵部出力ポート
231b バーコード
232 液体輸送ユニット
233 液体ポンプ
233a 液体ポンプ入力ポート
233b 液体ポンプ出力ポート
234 安定器
235 第3のスイッチ
236 第1のパイプ
237 第2のパイプ
238 第2のパイプユニット
238a 第3のパイプ
238b 第4のパイプ
239 レベルセンサー
24 制御ユニット
25 撮像ユニット
26 コードリーダー
27 タッチスクリーン
28 材料供給モジュール
280 第2のパイプ
281 液体貯蔵部
281a 液体貯槽部出力ポート
281b 液体貯槽部入力ポート
281c 蓋
281d 供給ポート
282 液体輸送ユニット
283 ホルダー
283a 接続パイプ
284 ガス貯蔵部
284a ガス貯蔵部出力ポート
284b ガス貯蔵部入力ポート
285 ガスフィルター
286 ガスポンプ
287 圧力計
288 第3のスイッチ
288a ブロック部品
288b カットオフ部品
289 第1のパイプ
図1
図2
図3
図4