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特開2025-5394液体金属ベアリングアセンブリの充填ポート及びプラグのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005394
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】液体金属ベアリングアセンブリの充填ポート及びプラグのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/10 20060101AFI20250108BHJP
   H01J 35/10 20060101ALI20250108BHJP
   F16C 17/02 20060101ALI20250108BHJP
   F16N 5/02 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
F16C33/10 Z
H01J35/10 N
F16C17/02 Z
F16N5/02
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024091904
(22)【出願日】2024-06-06
(31)【優先権主張番号】18/342,494
(32)【優先日】2023-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】319011672
【氏名又は名称】ジーイー・プレシジョン・ヘルスケア・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ジェイ・ルバー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ティ・トリスカリ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ジェイ・マーコネット
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド・アール・アレン
(72)【発明者】
【氏名】ライアン・ランドール・ダーゲン
(72)【発明者】
【氏名】イアン・エス・ハント
【テーマコード(参考)】
3J011
【Fターム(参考)】
3J011AA06
3J011AA07
3J011BA02
3J011KA02
3J011RA01
(57)【要約】
【課題】液体金属ベアリングアセンブリのための様々な方法及びシステムを提供する。
【解決手段】液体金属ベアリングアセンブリは、液体金属ベアリングアセンブリの液体金属リザーバに流体的に結合された充填ポートを含み、充填ポートは、入口直径及び出口直径を含み、出口直径は、入口直径よりも小さく、充填ポートの内側に嵌合し、液体金属が充填ポートを介して液体金属リザーバから出るのを防止するように形成されたピンを含む。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体金属ベアリングアセンブリの液体金属リザーバに流体的に結合された充填ポートであって、前記充填ポートは、入口直径及び出口直径を有し、前記出口直径は前記入口直径よりも小さい、前記充填ポートと、
前記充填ポートの内側に嵌合し、液体金属が前記充填ポートを介して前記液体金属リザーバから出るのを防ぐ形状のピンと、
を含む、液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項2】
回転部品と静止部品とをさらに含み、前記回転部品が、前記静止部品を少なくとも部分的に円周方向に取り囲み、前記液体金属リザーバが、前記回転部品と前記静止部品との間の第2の半径方向距離として形成されている、請求項1に記載の液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項3】
前記充填ポートが、ベアリング中心線から第1の半径方向距離で前記回転部品内に配置されている、請求項2に記載の液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項4】
前記充填ポートが、前記ベアリング中心線に対して垂直に配置されている、請求項3に記載の液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項5】
前記充填ポートが、前記ベアリング中心線に平行に配置されている、請求項3に記載の液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項6】
前記充填ポートが、前記入口直径と前記出口直径との間に段付き直径をさらに含み、前記段付き直径が前記出口直径より大きく前記入口直径より小さい、請求項1に記載の液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項7】
前記ピンが、ボールベアリング又はプラグの少なくとも1つとして構成されている、請求項1に記載の液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項8】
前記ピンが、充填ポートに圧入、ろう付け、及び/又は溶接されている、請求項1に記載の液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項9】
前記液体金属ベアリングアセンブリがストラドルベアリングである、請求項1に記載の液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項10】
前記充填ポート及び前記ピンのそれぞれが、前記充填ポートへの前記ピンの圧入挿入を可能にするセルフアライメント特徴部を含む、請求項1に記載の液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項11】
前記ピンの前記セルフアライメント特徴部は、前記ピンの形状のアンダーカット、及び/又はナイフエッジ部材を介した前記ピンの本体の半径方向の拡張を含む、請求項10に記載の液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項12】
液体金属ベアリングの回転部材に設けられた充填ポートを介して潤滑剤をリザーバに注入することにより、前記液体金属ベアリングの前記リザーバを前記潤滑剤で充填するステップと、
前記充填ポートにピンを挿入して、リザーバを大気から密閉するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
ピンを充填ポート内に保持するために、ピンを充填ポート内に溶接、ろう付け、及び/又は圧入するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記充填ポート又は前記ピンの少なくとも一方に湿潤コーティング又は濡れ防止コーティングを施すステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
X線源であって、
カソードと、
回転特徴部を有するアノードと、
を含み、
前記回転特徴部は、静止部品を円周方向に取り囲む回転部品を有する液体金属ベアリングアセンブリによって回転され、
前記回転部品は、前記液体金属ベアリングアセンブリの回転軸から半径方向に距離を置いて配置された充填ポートを含み、
前記液体金属ベアリングアセンブリの潤滑剤リザーバは、前記充填ポートにピンを挿入することによって大気から選択的に隔離される、X線源。
【請求項16】
前記充填ポートが、入口直径を有する上部領域と、前記入口直径よりも小さい出口直径を有する下部領域と、前記上部領域と前記下部領域とを結合する滑らかで直線的な移行部とを有し、前記滑らかで直線的な移行部の直径が、前記上部領域に隣接する前記入口直径から前記下部領域に隣接する前記出口直径まで徐々に移行する、請求項15に記載のX線源。
【請求項17】
前記下部領域は、段付き直径を有する第1の部分と、前記出口直径を有する第2の部分とを備え、前記出口直径は、前記段付き直径よりも小さく、前記第1の部分と前記第2の部分との間に段付き移行部を有するように構成されている、請求項16に記載のX線源。
【請求項18】
前記ピンは、圧入されるボールベアリングとして構成され、任意選択で、ワイヤリング、ワッシャ、ろう付けリング、ろう付けボール、及び複数のろう付けビーズのうちの少なくとも1つを使用して、前記充填ポートに溶接又はろう付けされる、請求項15に記載のX線源。
【請求項19】
前記ピンは、ディスク、ワッシャ、ワイヤリング、ろう付けリング、及びろう付けボールのうちの少なくとも1つを使用して、前記充填ポートに圧入され、任意選択で、溶接又はろう付けされるプラグとして構成される、請求項15に記載のX線源。
【請求項20】
前記ピンが、
第1のプラグ幅を有する第1のプラグ高さ及び第2のプラグ幅を有する第2のプラグ高さを有する段付き構成であって、前記第2のプラグ幅が前記第1のプラグ幅よりも小さい、前記段付き構成、及び、
上部ピン直径を有する上部ピン領域と、下部ピン直径を有する下部ピン領域と、滑らかで直線的なピン移行部とを有する圧入構成、
のうちの少なくとも1つを有し、
前記滑らかで直線的なピン移行部の直径が、前記上部ピン領域に隣接する前記上部ピン直径から前記下部ピン領域に隣接する前記下部ピン直径へと徐々に移行し、任意に、前記上部ピン領域に半径方向ねじ山が含まれる、請求項19に記載のX線源。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される主題の実施形態は、液体金属ベアリングアセンブリを備えるシステム、及び液体金属ベアリングアセンブリを組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体金属ベアリング(Liquid metal bearings)は、ローラーベアリング(roller bearings:ころ軸受)に比べて寿命が長く、熱荷重をより効果的に管理できるため、様々な動作環境で使用されている。例えば、特定のX線源又はX線管は、少なくとも1つの液体金属ベアリングを含む液体金属ベアリングアセンブリを利用する。しかしながら、液体金属の非対称な分布や、ベアリングの液体金属インターフェース(bearing’s liquid metal interface)でのガス形成がベアリング内で発生する可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、液体金属ベアリングアセンブリは、液体金属ベアリングアセンブリの液体金属リザーバに流体的に結合された充填ポートを含み、充填ポートは、入口直径と出口直径とを含み、出口直径は入口直径よりも小さく、充填ポートの内側に嵌合し、液体金属が充填ポートを介して液体金属リザーバから出るのを防止するように形成されたピンを含む。
【0004】
上記の簡単な説明は、詳細な説明にさらに記載される概念の選択を簡略化した形で紹介するために提供されることを理解されたい。これは、特許請求される主題の重要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、その範囲は、詳細な説明に続く特許請求の範囲によって独自に定義される。さらに、特許請求される主題は、上記又は本開示のいずれかの部分で指摘された欠点を解決する実施態様に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明は、添付の図面を参照しながら、以下の非限定的な実施形態の説明を読むことにより、よりよく理解されるであろう。
図1】実施形態による、例示的なX線撮像システムのブロック概略図である。
図2】実施形態による、X線源の一部の絵画的斜視図である。
図3】実施形態による、第1の例示的な液体金属ベアリングアセンブリを示す。
図4】実施形態による、液体金属ベアリングアセンブリの充填ポートの第1の実施形態を示す。
図5】実施形態による、液体金属ベアリングアセンブリの充填ポートの第2の実施形態を示す。
図6A】実施形態による、液体金属ベアリングアセンブリの充填ポート用の、ボールベアリングとして構成されたピンに関する第1の複数の実施形態を示す。
図6B】実施形態による、液体金属ベアリングアセンブリの充填ポート用の、ボールベアリングとして構成されたピンに関する第1の複数の実施形態を示す。
図7A】実施形態による、液体金属ベアリングアセンブリの充填ポートのための、プラグとして構成されたピンに関する第2の複数の実施形態を示す。
図7B】実施形態による、液体金属ベアリングアセンブリの充填ポートのための、プラグとして構成されたピンに関する第2の複数の実施形態を示す。
図8】実施形態による、図3の液体金属ベアリングアセンブリの充填ポート内に着座したピンの第1の実施形態を示す。
図9】実施形態による、図3の液体金属ベアリングアセンブリの充填ポート内に着座したピンの第2の実施形態を示す。
図10】実施形態による、図3の液体金属ベアリングアセンブリの充填ポート内に着座するピンのための第3の複数の実施形態を示す。
図11】実施形態による、図3の液体金属ベアリングアセンブリの充填ポート内に着座したピンの第4の実施形態を示す。
図12】液体金属ベアリングアセンブリの組立方法を示す。
【0006】
以下の説明は、液体金属ベアリングアセンブリに関する様々な実施形態に関し、より具体的には、液体金属ベアリングアセンブリの充填ポート、及びそこに配置され得るピンに関する。液体金属ベアリングアセンブリは、X線撮像システムのX線源に含まれることがあり、そのブロック図の一例が図1に示されている。X線源の一実施形態が図2に示されており、X線源は、X線源のアノードの回転を可能にする液体金属ベアリング組立体を備えて構成されている。液体金属ベアリングアセンブリは、説明の目的で、X線撮像システムのX線源に関して本明細書で説明され、液体金属ベアリングアセンブリは、本開示の範囲から逸脱することなく、コンピュータ断層撮影(CT)撮像システムなどの他のシステムで実施され得る。図3は、図2の液体金属ベアリングアセンブリの一実施形態を示し、液体金属ベアリングアセンブリは、回転スリーブと固定シャフト(静止シャフト)とを備えて構成されている。図4は、図3の液体金属ベアリングアセンブリの回転スリーブに配置された充填ポートの第1の実施形態を示す。図5は、充填ポートの第2の実施形態を示す。本明細書に記載される充填ポートの位置決め及び構成は、従来の組立方法と比較して、液体金属ベアリングアセンブリのシール及び他の要素の劣化を低減し得る液体金属ベアリングアセンブリの組立方法を可能にし得る。図6A~11は、充填ポートに挿入され得るピンの複数の実施形態と、組立及び動作中の液体金属ベアリングアセンブリからの液体金属の漏れを低減するためにピンを充填ポートに封止するための複数の方法とを示す。図12は、液体金属ベアリングアセンブリを組み立てる方法を示す図であり、液体金属ベアリングアセンブリへの液体金属の挿入に続いて、充填ポートにピンを挿入して密封することを含む。図2~11は、ほぼ縮尺通りに示されているが、他の相対寸法を用いてもよい。
【0007】
ストラドルベアリング(straddle bearing)として構成された液体金属ベアリングアセンブリを組み立てるための従来の方法は、液体金属ベアリングアセンブリのシールを露出させ、例えば液体金属をシールの上にこぼす(spilling liquid metal over the seals:液体金属をシール上に溢れさせる)ことによって液体金属を導入することを含む。さらに、液体金属ベアリングアセンブリは、液体金属ベアリングアセンブリの回転軸が重力方向と平行になる向きで組み立てることができる。X線源又はX線管に実装される場合、液体金属ベアリングアセンブリは、回転軸が重力方向に垂直となるように水平に配置されることがある。加えて又は代替的に、X線源又はX線管に実装される場合、液体金属ベアリングアセンブリは、回転軸が重力方向に対して非平行な角度で配置されるように配置されることがある。例えば、X線源又はX線管は、CT撮像システムの回転ガントリなどの移動構造体に組み込まれる場合がある。前述した従来の組立方法では、シールの劣化、ベアリング表面を形成する液体金属流路の不完全なコーティング、液体金属ベアリングアセンブリからの液体金属の漏れ、及び液体金属ベアリングアセンブリの使用可能寿命の低下を招く可能性がある。液体金属ベアリングアセンブリ、例えばストラドルベアリングとして構成されたアセンブリでは、シールを汚染することなく液体金属を導入してベアリング表面を形成することができるシステム及び方法が望まれている。
【0008】
本明細書では、液体金属ベアリングアセンブリの液体金属リザーバに結合された充填ポートを有する液体金属ベアリングアセンブリのためのシステム及び方法が記載され、充填ポートは、液体金属ベアリングアセンブリの回転要素内に、ベアリング中心線から半径方向に距離をおいて配置される。充填ポートは、入口直径と出口直径を含む。いくつかの実施形態では、出口直径は入口直径よりも小さい。いくつかの実施形態において、充填ポートは、入口直径と出口直径との間の段付き直径をさらに含み、段付き直径は、入口直径より小さく、出口直径より大きくてもよい。さらなる実施形態において、入口直径は、出口直径に等しくてもよい。さらに、液体金属ベアリングアセンブリは、充填ポートの内側に嵌合し、液体金属が充填ポートを介して液体金属リザーバから出るのを防止するように形成されたピンで構成される。例えば、出口の直径が入口の直径よりも小さい実施形態、又は入口の直径と出口の直径が等しい場合、一定の直径又は段差のある直径を有するピンが充填ポート内に配置されてもよい。充填ポートが段付き直径(stepped diameter:段階状直径)を含む実施形態では、一定の直径又は段付き直径を有するピンが充填ポートに配置されてもよい。液体金属ベアリングアセンブリのための本明細書に開示されるシステムの技術的利点には、液体金属ベアリングアセンブリの動作中(例えば、液体金属ベアリングアセンブリが実装されるシステムの動作中)の液体金属の保持、充填ポート内のピンの保持、及び組立中及び動作中の液体金属ベアリングアセンブリのシール及び他の要素の劣化の低減が含まれ得る。
【0009】
充填ポート及び充填ポート内に嵌合するように形成されたピンを有する液体金属ベアリングアセンブリについてさらに説明する前に、液体金属ベアリングアセンブリが実装され得る例示的な撮像システムを示す。図1は、X線を発生するように設計されたX線撮像システム100を示す。X線撮像システム100は、図1では、コンピュータ断層撮影(CT)撮像システム、放射線撮影撮像システム、透視撮像システム、マンモグラフィ撮像システム、インターベンショナル撮像システム、断層撮影システム(a computed tomography (CT) imaging system, a radiography imaging system, a fluoroscopy imaging system, a mammography imaging system, an interventional imaging system, a tomography system)等となり得るX線撮像システムとして構成されている。しかしながら、X線画像撮影システム100は、画像診断や医療機器等の分野以外にも適用可能である。例えば、X線撮像システム100は、結晶撮影システム、セキュリティスキャナ、産業用スキャナ、X線写真システム(crystallography systems, security scanners, industrial scanners, x-ray photography systems)等に配備されてもよい。撮像システムの例では、システムは、患者、無生物、1つ又は複数の製造部品、及び/又は体内に存在するインプラント、ステント、及び/又は造影剤などの異物などの被写体102を撮像するように構成することができる。
【0010】
X線撮像システム100は、X線放射ビーム106を生成して投射するように構成された、X線管などの少なくとも1つのX線源104を含むことができる。具体的には、図示の実施形態では、X線源104は、X線放射ビーム106を検出器アレイ108に向けて、被検体102を通して投射するように構成されている。いくつかのシステム構成では、X線源104は、デカルト座標系のX-Y-Z平面(X-Y-Z plane)内に位置するようにコリメートされた円錐形のX線放射ビームを投射することができる。しかしながら、検出器アレイを省略した他のビームプロファイル及び/又はシステムも想定されている。アレイの各検出器素子は、検出器位置におけるX線ビーム減衰の測定値である個別の電気信号を生成する。
【0011】
図1には、単一のX線源104及び検出器アレイ108のみが描かれているが、特定の実施形態では、複数のX線源及び/又は検出器が、複数のX線放射ビームを投射し、前記ビームを検出するために採用されてもよい。例えば、CT装置の使用例では、複数の検出器をX線源と並行して使用して、被検体に対応する異なるエネルギーレベルでの投影データを取得することができる。
【0012】
X線撮像システム100は、X線源104に電力及びタイミング信号を供給するように構成されたX線コントローラ110をさらに含み得る。そのシステムはまた、検出器要素から受信されたアナログデータをサンプリングし、後続の処理のためにアナログデータをデジタル信号に変換するように構成されたデータ収集システムを含み得ることが理解されよう。
【0013】
特定の実施形態では、X線撮像システム100は、プロセッサ114を有し、オペレータ入力に基づいてシステム動作を制御するコンピューティング装置112をさらに含み得る。コンピューティング装置112は、例えば、コンピューティング装置112に動作可能に結合されたオペレータコンソール116を介して、コマンド及び/又は走査パラメータを含むオペレータ入力を受信する。オペレータコンソール116は、キーボード、タッチスクリーン、及び/又はオペレータがコマンド及び/又は走査パラメータを指定することを可能にする他の適切な入力デバイスを含み得る。
【0014】
図1にはオペレータコンソール116が1つだけ図示されているが、例えば、システムパラメータの入力又は出力、検査の要求、データのプロット、及び/又は画像の閲覧のために、複数のオペレータコンソールがX線画像撮影システム100に含まれてもよい。更に、特定の実施形態では、X線画像撮影システム100は、例えば、ローカル又は遠隔のいずれかに配置され、有線及び/又は無線ネットワークを介して接続された複数のディスプレイ、プリンタ、ワークステーション、及び/又は同様の装置に結合されることがある。一実施形態では、ディスプレイ120は、コンピューティング装置112と電子通信することができ、システムパラメータ、制御設定、撮像データなどを示すグラフィカルインタフェースを表示するように構成される。
【0015】
一例では、コンピューティング装置112は、データを記憶装置118に記憶する。記憶装置118は、たとえば、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、コンパクトディスク読み書き(CD-R/W)ドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD)ドライブ、フラッシュドライブ、及び/又はソリッドステート記憶ドライブを含み得る。
【0016】
さらに、コンピューティング装置112は、X線ビーム形成、データ収集及び/又は処理などのシステム動作を制御するために、X線コントローラ110及び他のシステム構成要素にコマンドを提供する。したがって、特定の実施形態では、コンピューティング装置112は、オペレータ入力に基づいてシステム動作を制御する。詳しく説明すると、コンピューティング装置112は、オペレータから供給された及び/又はシステムで定義されたコマンド及びパラメータを使用してX線コントローラ110を操作することができ、このコントローラ110がX線源104を制御することができる。このようにして、X線ビーム発生の強度及びタイミングを制御することができる。また、X線源内のスリーブの回転速度が、X線コントローラ110と連動してコンピューティング装置112によって調整されることも理解されよう。スリーブは、本明細書でより詳細に説明するように、液体金属ベアリングアセンブリの回転要素であってもよい。
【0017】
様々な方法及びプロセスが、X線撮像システム100内のコンピューティング装置(又はコントローラ)上の非一過性メモリに実行可能命令として記憶され得る。一実施形態では、X線コントローラ110は、非一過性メモリに実行可能命令を含むことができ、X線源104を制御するためにその方法を適用することができる。別の実施形態では、コンピューティング装置112は、非一過性メモリに命令を含み、X線源出力を調整するX線コントローラ110に少なくとも部分的に命令を中継することができる。
【0018】
図2は、X線管200などのX線源の一部の詳細な実施形態を示す。図2に示されたX線管200は、図1に描かれたX線源104の一例として機能する。このように、図2に示されるX線源だけでなく、本明細書に記載される他のX線源の実施形態は、図1に示されるX線源104からの機能的及び/又は構造的特徴を含むことができ、又はその逆も可能である。さらに、1つ以上のシステムからの特徴を組み合わせた代替の実施形態も想定されている。半径方向軸252と共に回転軸250が、参考のために図2に提供されている。半径方向軸は、回転軸250に垂直な任意の軸であることが理解されよう。
【0019】
X線管200は、その中に形成された低圧エンクロージャ204(例えば、真空エンクロージャ)を有するハウジング202を含む。低圧エンクロージャは、大気圧に対する比較的低い圧力を推測することが理解されよう。そのため、エンクロージャ内の圧力は大気圧よりも低くてもよい。
【0020】
X線管200は、回転部品208及び静止部品206を有する液体金属ベアリングアセンブリ205を含む。図示の実施形態では、回転部品208はスリーブであり、静止部品206はシャフトである。しかし、スリーブが静止し、シャフトが回転する実施形態も想定されている。静止及び回転という記述子によって示される運動は、構成要素間の相対運動を示すことが理解されよう。しかしながら、ある使用例では、X線管が可動構造に組み込まれることがある。例えば、CT撮像システムの使用例では、X線管は回転ガントリに組み込まれることがある。このように、小さいスケールの参照フレーム(smaller scale frame of reference:小規模なレファレンスフレーム)では、シャフトはスリーブに対して静止しているが、大きいスケールの参照フレーム(larger scale frame of reference:大規模なレファレンスフレーム)では、両方の構成要素がガントリ内で同様の回転運動を示す。しかし、別の使用シナリオでは、X線管は、より大きなスケールの参照フレームに関して、静止構造に統合されてもよい。また、本明細書でより詳細に説明される液体金属ベアリングアセンブリは、場合によっては、液体金属ベアリングを利用する別のタイプのシステムに配備されてもよいことが理解されるであろう。
【0021】
ロータ218及びステータ220もX線管200に設けられている。ロータ218は、回転部材208に結合され、それに回転運動を与えるように設計されている。ステータ220は、低圧エンクロージャ204の外部に配置されて示されている。しかしながら、他の適切なステータ位置が想定されている。典型的には、ロータ及びステータは、巻線、磁石、電気的接続などを含むことができ、電磁気的に相互作用して、例えば、図1に示すX線コントローラ110からの制御コマンドを受けて応答するロータ回転を生成する。
【0022】
X線管200は、アノード210及びカソード212をさらに含む。アノード210は、回転部品(rotational component:回転構成要素)208に結合されており、X線ビームの生成中にアノード210の回転を付与し得る。カソード212は、カソードアセンブリの一部であり、図1に示すX線コントローラ110などのコントローラから信号を受信して、アノード210の表面に向けて電子ビームを発生させることができる。カソード212からの電子ビームがアノード210に衝突すると、X線ビーム214が発生する。X線は、ハウジング202内のX線窓216を通して放出される。
【0023】
液体金属ベアリングアセンブリ205に目を向けると、複数の液体金属ベアリングがアセンブリを構成することができる。図示の実施形態では、液体金属ベアリングアセンブリ205は、液体金属ジャーナルベアリング222及び液体金属スラストベアリング224を含むことができ、これらの両方は、図3に関して説明したように、液体金属リザーバによって液体金属を供給されることができる。しかしながら、他の実施形態では、追加の又は代替のベアリングを有する組立構成が使用されてもよい。液体金属ジャーナルベアリング222は、ラジアル荷重を支持するように設計され、液体金属スラストベアリング224は、アキシャル荷重を支持するように設計される。このようにして、スリーブ(例えば、回転部品208)にかかる荷重を管理して、スリーブの効率的な回転を可能にすることができる。
【0024】
液体金属ベアリングアセンブリ205の各ベアリングは、液体金属が潤滑剤として作用し、ラジアル荷重及びアキシャル荷重も支持するインターフェース226を含む。インターフェースの厚さは、ベアリングに使用される液体金属の種類、構成部品の製造公差、予想されるシステム動作温度などの要因に基づいて選択することができる。従って、1つの使用例では、液体金属インターフェースの厚さは5ミクロン(μm)~40μmのオーダーとすることができる。液体金属ジャーナルベアリング222の液体金属インターフェースの厚さは、液体金属ベアリングアセンブリ205の半径方向(例えば、半径方向軸252に対して)であってもよく、液体金属スラストベアリング224の液体金属インターフェースの厚さは、液体金属ベアリングアセンブリ205の半径方向及び回転軸250に平行な軸方向であってもよい。ベアリングアセンブリの作動流体として使用される液体金属は、ガリウム、スズ、インジウム、それらの組み合わせなどを含むことができる。図3図11に関して本明細書で説明する液体金属ベアリングアセンブリの実施形態は、液体金属潤滑剤としてガリウムを使用してもよい。
【0025】
図3は、液体金属ベアリングアセンブリ300の一実施形態を描いている。いくつかの例では、液体金属ベアリングアセンブリ300は、図2に描写された液体金属ベアリングアセンブリ205と同様であるか、又はそれと同じであり得る。このように、ベアリングアセンブリ205からの特徴、より一般的にはX線管200からの特徴は、本明細書に記載される他の液体金属ベアリングアセンブリ実施形態と同様に、液体金属ベアリングアセンブリ300に含まれてもよい。軸システム320が、参考のために、図3ならびに図3図11に提供されている。y軸は、一例では、縦軸(例えば、液体金属ベアリングアセンブリ300が、図1を参照して上述したX線撮像システム100などの撮像システムのX線源に取り付けられている状態の間、重力方向に平行)であってもよく、x軸は、横軸(例えば、水平軸)であってもよく、z軸は、縦軸であってもよい。しかしながら、軸は、他の実施例では、他の向きを有してもよい。
【0026】
液体金属ベアリングアセンブリ300は、本明細書においてスリーブ302と称され得る回転部品と、本明細書においてシャフト304と称され得る静止部品とを含む。スリーブ302及びシャフト304は、スリーブ302がシャフト304に対して相対的に回転可能であるように結合され得る。スリーブ302及びシャフト304の各々は、図3に示すように、液体金属ベアリングアセンブリ300が組み立てられたときに液体金属流路を形成する構造を有するように構成される(例えば、スリーブ302に囲まれたシャフト304)。液体金属流路は、充填ポート310、液体金属リザーバ312(例えば、潤滑剤リザーバ)、流路314、及び隙間316を含むことができる。充填ポート310は、スリーブ302の一部として機械加工されるか、スリーブ302とともに形成され(例えば、一体成形され)、ベアリング中心線から半径方向に離れた位置に配置される。例えば、ベアリング中心線は、図2の回転軸250に相当する回転中心軸350であってもよい。充填ポート310は、回転中心軸350から第1の半径方向距離322だけ離れて配置されてもよい。いくつかの実施形態では、充填ポート310は、回転中心軸350と直線的に整列して(例えば、回転中心軸350と平行に、回転中心軸350に沿って配置されて)配置されてもよい。充填ポート310は、回転中心軸350に平行に配置されてもよいし、回転中心軸350に垂直に配置されてもよい。例えば、図3に示すように、充填ポート310は、回転中心軸350に対して垂直であり、充填ポート310の入口318は、液体金属ベアリングアセンブリ300の第1の側面338上にある。図3に示されていない他の実施形態では、充填ポート310は、充填ポート310の入口318がスリーブ302の第1の端部326の表面に形成された状態で、回転中心軸350に対して平行に配向されてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、液体金属ベアリングアセンブリ300は、2つ以上の充填ポートを有するように構成されてもよい。例えば、液体金属ベアリングアセンブリ300は、スリーブ302の第1の半径方向側に充填ポート310を含み、中心回転軸350に関して、充填ポート310の真向かいにある第2の充填ポート(図示せず)をさらに含むことができる。いくつかの例では、第2の充填ポートは、充填ポート310に対して、異なる軸方向位置及び/又は異なる周方向位置に配置されてもよい。充填ポート310は、液体金属ベアリングアセンブリ300の第2の端部328と軸方向に対向する第1の端部326に向かって配置されてもよい。充填ポート310の入口318は、充填ポート310の出口330が入口318よりも回転中心軸350に対して半径方向距離が近くなるように、回転中心軸350の周りに延びるスリーブ302の表面に形成されてもよく、充填ポート310は、回転中心軸350に向かってそれに垂直な方向に延びている。充填ポート310は、入口318から出口330まで第1の深さ332を延びることができる。第1の深さ332は、スリーブ302の厚さ334にほぼ等しくてもよい。第1の深さ332はさらに、シャフト304とスリーブ302との間の第2の半径方向距離324よりも大きく、充填ポート310と同じスリーブ302の長さに沿った軸方向位置におけるシャフト幅336よりも小さくてもよい。いくつかの実施形態では、充填ポート310は、湿潤コーティング又は濡れ防止コーティングを有することができる。充填ポート310に関するさらなる詳細は、図4及び図5に関して説明する。
【0028】
液体金属リザーバ312は、シャフト304の周りに環状に延び、シャフト304とスリーブ302との間に第2の半径方向距離324を有することができる。液体金属リザーバ312は、充填ポート310及び流路314に流体的に結合され得る。液体金属リザーバ312は、流路314と隙間316とを合わせた充填体積よりも大きい体積を保持することができる。例えば、複合充填量は、ベアリングの設計に応じて、2gから20gの間とすることができる。液体金属リザーバ312に結合された充填ポート310の使用は、充填ポートに結合されていない液体金属リザーバと比較して、液体金属リザーバ312の使用可能体積を増加させる可能性がある。例えば、従来の液体金属リザーバは2g以下のガリウムしか保持できない。液体金属リザーバ312によって保持され得る液体金属の量を増加させることは、液体金属の漏れに対するベアリングの長期耐性を増加させるだけでなく、望ましいベアリング性能、例えば、本明細書でさらに説明されるように、連続的なベアリング表面の維持を増加させることができる。
【0029】
液体金属リザーバ312、流路314、及び隙間316を含む液体金属流路は、スリーブ302とシャフト304との間に環状構成を有することができる。シャフト304及びスリーブ302の傾斜した直径(例えば、先細り)は、液体金属リザーバ312から隙間316までの液体流路の幅(例えば、シャフト304とスリーブ302との間)の狭小化を提供(provides a narrowing in width)する。別の言い方をすれば、流路314において、シャフト304の直径は、液体金属リザーバ312におけるシャフト304の直径に対して相対的に増加し、スリーブ302の内部の直径は、液体金属リザーバ312におけるスリーブ302の内部の直径に対して相対的に減少し、したがって、シャフトの第1の端部326から第2の端部328に向かう方向において、シャフト304とスリーブ302との間の液体金属流路の全体的な幅(overall width of the liquid metal flow path)を減少させることができる。
【0030】
液体金属ベアリングアセンブリ300の組立中に、液体金属(例えば、ガリウム)が、注入ポート310を介して液体金属リザーバ312に注入されるか、又は他の方法で挿入されることがある。液体金属は、流路314によって流路314と隙間316の交差点まで送られる(The liquid metal may be funneled by the channel 314 to an intersection of the channel 314 and the gap 316)。隙間316の幅は、液体金属のビードの幅よりも小さい場合があるため、液体金属は隙間316に流れ込まない場合がある。液体金属ベアリングアセンブリ300が加熱され、毛管力によって液体金属が流路314から隙間316に引き込まれる可能性がある。このようにして、液体金属は、液体金属ベアリングアセンブリ300のベアリング(例えば、液体金属ジャーナルベアリング及び/又は液体金属スラストベアリング)の表面を被覆し、スリーブ302とシャフト304との間に延在する液体金属の連続層を有するベアリング表面を形成することができる。これにより、図1及び図2に関して説明したように、X線ビームを生成するためのX線管の動作中などに、シャフト304に対するスリーブ302の滑らかで中断のない回転を提供することができる。液体金属ベアリングアセンブリ300は、ベアリングから漏れる液体金属の量を低減するように設計された、液体金属ベアリングアセンブリ300の下部領域306のシールをさらに含むことができる。例えば、シールは、回転シール、圧縮シール等であってもよい。シールは、図2に示すアノード210のようなアノードから離れる軸方向(例えば、回転中心軸350に沿って)の液体金属の流れを妨げることがある。
【0031】
図4に目を向けると、液体金属ベアリングアセンブリの充填ポートの第1の構成400が示されている。第1の構成400を有する充填ポートは、液体金属ベアリングアセンブリ300の充填ポート310であってよく、液体金属ベアリングアセンブリ300の組立中に、これを介して、ガリウムなどの液体金属が液体金属流路に挿入されてよい。図4に示す中心軸418は、図3の液体金属ベアリングアセンブリ300の回転中心軸350に垂直であると理解されたい。いくつかの実施形態では、図3に関して簡単に説明したように、充填ポートは、回転中心軸350に平行に配置されてもよく、この場合、中心軸418は、回転中心軸350に平行である。液体金属は、入口318から出口330に向かって(例えば、中心軸418に平行に)第1の矢印444によって示される方向に充填ポート310を通って流れてもよい。スリーブ302は斜めのクロスハッチング(x-hatch marks:Xハッチマーク)付きで示し、充填ポート310はクロスハッチングなしで示すが、これは両者を区別するためである。
【0032】
充填ポート310は、上部領域410(例えば、入口318)に入口直径402を有し、下部領域420(例えば、出口330)に出口直径404を有するように構成され、出口直径404は入口直径402よりも小さい。充填ポート310の上部領域410は、第1の長さ412を有する上部壁434を備えて構成され、充填ポート310の下部領域420は、第2の長さ414を有する下部壁436を備えて構成される。いくつかの実施形態では、第1の長さ412は、第2の長さ414よりも大きくてもよい。他の実施形態では、第1の長さ412は第2の長さ414より小さくてもよく、又は第1の長さ412と第2の長さ414は等しくてもよい。充填ポート310の上部領域410と下部領域420は、充填ポート310の直径が入口直径402から出口直径404まで徐々に減少する滑らかで直線的な移行部430によって結合されてもよい。上部領域410と滑らかで直線的な移行部430との間の移行部は、入口直径402を有することがあり、滑らかで直線的な移行部430と下部領域420との間の移行部は、出口直径404を有することがある。滑らかで直線的な移行部430における充填ポート310の角度の付いた壁432は、第3の長さ424の軸システム416を基準として、x軸から約30度で傾斜していてもよい。他の例では、傾斜壁432は、x軸に対して異なる角度(例えば、45度未満)で配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の長さ412は第2の長さ414よりも大きくてもよく、第2の長さ414は第3の長さ424よりも大きくてもよい。他の実施形態では、第1の長さ412、第2の長さ414、及び第3の長さ424のうちの少なくとも2つは等しくてもよい。
【0033】
充填ポート310は、下部領域420の出口330において液体金属リザーバ312(図3の)に流体的に結合され、ピンが充填ポート310内に配置されていないときに、液体金属リザーバ312及び液体金属ベアリングアセンブリ300の他の要素が、入口318を介して液体金属ベアリングアセンブリ300の外部352(例えば、大気)に開放されるように構成される。入口318は入口直径402を有し、出口330は出口直径404を有し、したがって充填ポート310は、図6A~6Bに関してさらに説明されるように、円形断面を有するように構成される。ピンが充填ポート310内に配置されると、充填ポート310、したがって液体金属リザーバ312及び液体金属ベアリングアセンブリ300の他の要素は、外部352から密封され得る。充填ポート310内のピンとその位置決めに関するさらなる詳細は、図6A~11に関して説明される。このようにして、充填ポート310は、充填ポート310とピンとの間にセルフアライメント特徴部(self-alignment feature:セルフアライメント機能)を組み込んで、挿入時に摩滅(galling:「カジリ」)を生じることなくピンと充填ポート310との圧入組み立て(press fit assembly)を可能にすることができる。
【0034】
図5に目を向けると、液体金属ベアリングアセンブリ300の充填ポートの第2の構成500が示されており、これは図3の充填ポート310であってもよい。図5に示されている図4の要素は、簡潔にするために、同様にラベル付けされ(equivalently labeled)、新たに導入されていない(not reintroduced:再紹介されていない)。図5に示される中心軸518は、図3の液体金属ベアリングアセンブリ300の回転中心軸350に対して垂直であると理解されたい。液体金属は、入口318から出口330まで(例えば、中心軸518に平行に)第2の矢印544によって示される方向に充填ポート310を通って流れることができる。スリーブ302には斜めのクロスハッチング(Xハッチマーク)が付され、充填ポート310にはハッチングが付されていない。
【0035】
第2の構成500のようないくつかの実施形態では、充填ポート310の下部領域420は、段付き直径(stepped diameter)506を有してもよく、ここで、滑らかで直線的な移行部430に隣接する下部領域420の第1の部分502は、段付き直径506を有し、下部領域420の第2の部分504は、出口直径404を有する。段付き直径506は、入口直径402より小さく、出口直径404より大きくてもよい。上部領域410と滑らかで直線的な移行部430との間の移行部は、入口直径402を有してもよく、滑らかで直線的な移行部430と下部領域420の第1の部分502との間の移行部は、段付き直径506を有してもよい。下部領域420の第1の部分502と第2の部分504との間の移行部は、出口直径404を有することができる。さらに、いくつかの実施形態において、第1の部分502の第4の長さ512は、第2の部分504の第5の長さ514よりも大きくてもよい。他の実施形態では、第1の部分502の第4の長さ512は、第2の部分504の第5の長さ514以下であってもよい。例えば、第4の長さ512及び第5の長さ514の各々は、1.5mmであってよい。出口直径404は、例えば、段付き直径(stepped diameter)406が1mmであるとき、0.3mmであってよい。
【0036】
上記で簡単に説明したように、液体金属ベアリングアセンブリ300の液体金属流路は、充填ポート310にピンを挿入することによって、外部352(例えば、大気)から密封されてもよい。ピンは、複数の構成を有してもよく、図6A図11に関して本明細書で説明する、ピンを充填ポートに封入する複数の方法を使用してもよい。例えば、ピンは、ボールベアリング又はプラグとして構成されてもよく、ろう付け、ねじ締結具、溶接、パイプねじのような角度のついた干渉ねじ、及びピンの圧入(brazing, a threaded fastener, welding, an angled interference thread such as a pipe thread, and or press-fitting of the pin)によって充填ポートに封入されてもよい。いくつかの実施形態では、ピンは、充填ポート310との干渉嵌合の密封能力(sealing capability of interference fit)を高めるために、濡れ性コーティング又は濡れ防止コーティングを有することができる。このようにして、充填ポート310は、図6A~11に関してさらに説明されるように、ナイフエッジ部材及び/又は半径方向圧縮ナイフエッジ(knife-edge member and/or radial compression knife edge)などの任意の軸方向圧縮を伴う摺動半径方向干渉嵌合(sliding radial interference fit with optional axial compression)を含めることができる。
【0037】
ここで図6A~6Bに目を向けると、ピンのための第1の複数の実施形態600が示されており、ここでピンはボールベアリングとして構成されている。図6A~6Bに含まれる図3~5の要素は、簡潔にするために、同様に番号付けされ、再導入されていない。図6A~6Bに示される中心軸646は、図3の液体金属ベアリングアセンブリ300の回転中心軸350に対して垂直であると理解され、第1の複数の実施形態600の各実施形態は、互いに対して、同じ向きを有すると理解される。他の実施形態では、中心軸646は、液体金属ベアリングアセンブリ300の回転中心軸350と平行であってもよく、充填ポートは、回転中心軸350から第1の半径方向距離だけ離れて配置されるか、又は回転中心軸350と直線的に整列して配置される。第1の複数の実施形態600の各実施形態は、第1の構成400を有する充填ポート(例えば、図3の充填ポート310)内に配置されたピンの断面図を示しており、充填ポートの下部領域420は、第2の長さ414に対して出口直径404を有する。第1の複数の実施形態600に関して説明したピンの各実施形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、第2の構成500及び/又は追加の構成などの充填ポートの異なる構成で実施されてもよい。図6A~6Bに関して説明したように、垂直線充填を有する要素は、ピン(例えば、ボールベアリングとして構成される)であると解釈され、水平線充填を有する要素は、ろう付け要素(braze elements)であると解釈される。液体金属ベアリングアセンブリ(例えば、図3の液体金属ベアリングアセンブリ300)の組立中、ピンを充填ポートに挿入し、続いてろう付け要素を挿入し、ろう付け要素をろう付けしてピンを充填ポートに封止する(seal the pin in the fill port)ことができる。液体金属ベアリングアセンブリの組み立てに関するさらなる詳細は、図12に関して説明する。
【0038】
第1の複数の実施形態600の各々は、ボールベアリングとして構成されたピン602を含む。例えば、ピン602は、真鍮、銅、ステンレス鋼(brass, copper, stainless steel)などの金属で形成された球体であってもよいし、セラミックで形成された球体であってもよい。いくつかの実施形態では、ピン602は、濡れ性コーティング又は濡れ防止コーティング(wetting or antiwetting coating)を有してもよい。第1の複数の実施形態600の第1の実施形態610、第3の実施形態630、第4の実施形態640、第5の実施形態650、及び第7の実施形態670では、ピン602は、充填ポートの下部領域420に配置される。第2の実施形態620及び第6の実施形態660では、ピン602は、ピン602が上部領域410、滑らかで直線的な移行部430、及び下部領域420にまたがるように配置される。ピン602の直径は、第1の複数の実施形態600の間で異なってもよい。例えば、第1の実施形態610、第3の実施形態630、第4の実施形態640、第5の実施形態650、及び第7の実施形態670において、ピン602の第1のピン直径604は、充填ポートの下部領域420の出口直径404とほぼ等しいか、又はそれ以下であってよい。例えば、出口直径404が1mmである場合、第1のピン直径604は0.9mmであってもよい。図12に関してさらに説明するように、充填ポートを備えるように構成された液体金属ベアリングアセンブリの組立中に、液体金属リザーバへの液体金属の注入に続いて、ピン602を充填ポートに挿入することができる。第1のピン直径604を有するピン602は、充填ポートに挿入されてもよく、第1のピン直径604は、例えば、ピン602が液体金属リザーバ内に転がるか、又は他の方法で移動するのを防止してもよい。いくつかの実施形態では、ピン602は、ピン602の充填ポートへの挿入の前に、本明細書でさらに説明されるように、ろう付け要素に結合されてもよく、ろう付け要素の構成は、ピン602が液体金属充填ポート内へ移動するのを防止してもよい。第2の実施形態620及び第6の実施形態660において、ピン602の第2のピン直径606は、上部領域410の出口直径404よりも大きく、入口直径402よりも小さくてもよい。ピン602の第2のピン直径606は、ピン602が滑らかで直線的な移行部430の壁(例えば、図4の角度のついた壁432)にかかっているようなものであってもよい。例えば、出口直径404が1mmであり、入口直径402が5mmであるとき、第2のピン直径606は3mmであってよい。
【0039】
第1の実施形態610、第2の実施形態620、第3の実施形態630、第4の実施形態640、第5の実施形態650、及び第6の実施形態660の各々において、ピン602は、ろう付け要素を使用して充填ポート内に封止されてもよい。第1の実施形態610では、ピン602は、複数のろうビーズ(braze beads)608を使用して所定の位置に封止され、複数のろうビーズ608の各ろうビーズは、いくつかの実施形態では、直径0.6mmの球体であってもよい。第1の実施形態610の上面図615は、複数のろう付けビード608のそれぞれの間に間隙を有する、ピン602の円周の周りの複数のろう付けビード608の位置決めを示す。上面図615は、充填ポートの入口318を覗き込んでいると理解されたい。軸システム699は、上面図615の向きを示し、軸システム320は、図6A~6Bの他のすべての実施形態の向きを示す。軸システム699について、y軸は、一例では、縦軸(例えば、液体金属ベアリングアセンブリ300が、図1を参照して上述したX線撮像システム100などの撮像システムのX線源に取り付けられている状態の間、重力方向に平行)であってもよく、x軸は、横軸(例えば、水平軸)であってもよく、z軸は、縦軸であってもよい。しかしながら、軸は、他の実施例では、他の向きを有してもよい。図4に関して簡単に説明したように、充填ポートは円形の断面を有してもよい。図6A~6Bの上面図615は、充填ポートの円形断面を示し、最も外側の円642は、充填ポートの入口318を示し、第2の円644は、滑らかな直線状の移行部430と下部領域420との間の交差点を示す。第1の実施形態610及び上面図615に示されるように、複数のろう付けビード608は、滑らかな直線状の移行部430と下部領域420との間の交差部に配置される。
【0040】
第2の実施形態620及び第3の実施形態630では、ピン602は、ワイヤリング612によって所定の位置に保持される。ワイヤリング(wire ring)612は、中心軸646を中心とする環状の構成を有していてもよく、ピン602がワイヤリング612の中心を通って部分的に延びるようにピン602上に載っていてもよい。ワイヤリング612の直径は、対応するピンの直径に依存してもよい。例えば、第2の実施形態620におけるワイヤリング612の第1のワイヤリング直径614は、第3の実施形態630におけるワイヤリング612の第2のワイヤリング直径616よりも大きくてもよい。ワイヤリング612は、例えば、真鍮、銅、ステンレス鋼などの金属で形成されてもよいし、セラミックスで形成されてもよい。ワイヤリング612は、第2の実施形態620及び第3の実施形態630に示されるように、円形の断面を有してもよい。
【0041】
第4の実施形態640では、ピン602は、ワッシャ618によって所定の位置に保持される。ワッシャ618は、中心軸646を中心とする環状リングとして構成されてよく、矩形の断面を有してよい。ワッシャ618は、ピン602が部分的にワッシャ618の中心を通って延びるようにピン602上に載ることができる。ワッシャ618は、例えば、真鍮、銅、ステンレス鋼などの金属で形成されてもよいし、セラミックで形成されてもよい。
【0042】
第5の実施形態650では、ピン602は、ろう付けボール(braze ball)622によって所定の位置に保持される。ろう付けボール622は、滑らかな直線状の移行部430の壁(例えば、図4の角度の付いた壁432)上に載る楕円形ディスク(oval disk)624と、楕円形ディスク624に結合された球体(sphere)626として構成することができる。例えば、楕円形ディスク624と球体626は、単一の連続した要素であってもよい。ろう付けボール622は、球体626が充填ポートの上部領域410に部分的に配置されるように、充填ポート内に配置される。楕円ディスク624は、ピン602と接触していてもよい。ろう付けボール622は、例えば、金、銀、銅、パラジウム、白金、又はこれらもしくは類似の金属の合金のような金属で形成されてもよい。
【0043】
第6の実施形態660は、第2の実施形態620に関して同様の構成を有してもよく、ピン602は、上部領域410、滑らかで直線的な移行部430、及び下部領域420にまたがるように配置され、ブレーズリング(braze ring)628を溶融(melting)することによって形成されるブレーズによって所定位置に保持される。ブレーズリング628は、中心軸646を中心とする環状構成を有し、矩形断面を有し、ブレーズリング628の円周に隙間を有することができる。ブレーズリング628は、ピン602が部分的にブレーズリング628の中心を通って延びるように、ピン602上に載っていてもよい。ブレーズリング628が溶融すると、ブレーズリング628の溶融物がピン602とスリーブ302の間の隙間に流れ込み、ピン602を保持する。ブレーズリング628は、例えば、金、銀、銅、パラジウム、白金、又はこれらもしくは類似の金属の合金などの金属で形成することができる。
【0044】
第7の実施形態670は、ろう付け要素を含まなくてもよく、その代わりに、ピン602は、ねじ付き締結具(threaded fastener)632を使用して充填ポートの所定位置に保持されてもよい。ねじ付き締結具632は、段付き円筒形本体を有することができ、その段付き本体の下部延長部(lower extension)634が滑らかな直線状移行部430内に延び、上部延長部(upper extension)636が上部領域410内に配置されるようになっている。上部延長部636は、上部延長部636から半径方向に延びる複数のねじ山638をさらに有するように構成されてもよい。複数のねじ山638は、いくつかの実施形態において、上部領域410の壁(例えば、図4の上部壁434)に対してかすることができる。他の実施形態では、上部領域410の壁は、ピン602が充填ポート(例えば、下部領域420)に挿入された後に、ねじ付き締結具632が充填ポートの上部領域410にねじ込まれ得るように、対となるねじ山を有するように構成され得る。例えば、複数のねじ山638及び相手方のねじ山は、互いに面共有接触して直接係合するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ねじ付き締結具632は、パイプねじのようなテーパー付き干渉ねじ(a tapered interference thread, such as a pipe thread)であってもよい。本明細書に記載されるように、面共有接触(face-sharing contact)は、その間に他の構成要素が配置されていない状態で、互いに対して直接係合する面を含む。本明細書に記載される実施形態において、面共有接触(例えば、互いに対して直接係合される)している表面は、流体(例えば、液体金属)が表面間のインターフェースを通って流れないように、密封されたインターフェースを形成し得る。ねじ付き締結具632は、例えば、真鍮、銅、ステンレス鋼などの金属で形成されてもよいし、セラミックで形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ねじ付き締結具632は、ピン602に結合されてもよい。他の実施形態では、ねじ付き締結具632は、ピン602とは別個の要素であってもよい(例えば、ピン602に結合されていない)。
【0045】
ねじ付き締結具632を充填ポートにねじ込むことによって、ピン602を充填ポート内に固定し、かつ/又は液体金属リザーバ内に液体金属を保持し、液体金属リザーバを液体金属ベアリングアセンブリの外部から隔離するシールを形成することができる。ろう付け要素を含む第1の複数の実施形態600の実施形態の場合、ろう付け要素、ピン602、及び充填ポートは、ピン602を充填ポート内に固定し、液体金属リザーバを液体金属ベアリングアセンブリの外部から隔離するようにろう付けされてもよい。これにより、液体金属ベアリングアセンブリの組立中及び/又は動作中に液体金属ベアリングアセンブリから漏出する可能性のある液体金属(例えば、ガリウム)の量を低減することができる。加えて、又は代替的に、ろう材をピン602に一体化させてもよい。ベアリング中心線から半径方向に配置された充填ポートを介して液体金属を挿入することによって、シールなどの液体金属ベアリングアセンブリの要素の劣化は、ベアリング要素上に液体金属を注ぐこと及び/又は液体金属ベアリングアセンブリのシャフトをそのシールを通して突っ込むことを含む液体金属ベアリングアセンブリの従来の組立方法と比較して低減され得る。
【0046】
ここで図7A~7Bに目を向けると、ピンのための第2の複数の実施形態700が示されており、ここでピンはプラグとして構成されている。図7A~7Bに含まれる図3~5の要素は、簡潔にするために、同様に番号付けされ、再導入されていない。図7A~7Bに示される中心軸746は、図3の液体金属ベアリングアセンブリ300の回転中心軸350に対して垂直であると理解され、第2の複数の実施形態700の各実施形態は、互いに対して、同じ向きを有すると理解される。他の実施形態では、中心軸746は、液体金属ベアリングアセンブリ300の回転中心軸350と平行であってもよく、充填ポートは、回転中心軸350から第1の半径方向距離だけ離れて配置されるか、又は回転中心軸350と直線的に整列して配置される。第2の複数の実施形態700の各実施形態は、第1の構成400を有する充填ポート(例えば、図3の充填ポート310)内に配置されたピンの断面図を示しており、充填ポートの下部領域420は、第2の長さ414に対して出口直径404を有する。例えば、ピン702は、充填ポート内でのピン702の保持を補助するナイフエッジ部材を介したピン形状のアンダーカット及び/又はピン本体の半径方向膨張などのセルフアライメント特徴部を含んでいてもよい。第2の複数の実施形態700に関して説明したピンの各実施形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、第2の構成500及び/又は追加の構成などの充填ポートの異なる構成で実施することができる。図7A~7Bに関して説明したように、垂直線充填を有する要素は、ピン(例えば、プラグとして構成される)であると解釈され、水平線充填を有する要素は、ろう付け要素であると解釈される。液体金属ベアリングアセンブリ(例えば、図3の液体金属ベアリングアセンブリ300)の組立中に、ピンを充填ポートに挿入し、続いてろう付け要素を挿入し、ろう付け要素をろう付けしてピンを充填ポートに封止することができる。一部の実施形態では、ピンを充填ポートに挿入する前にろう付け要素をピンに結合してもよく、又はろう付け要素を使用せず、代わりにピンを充填ポートに圧入してもよい。液体金属ベアリングアセンブリの組み立てに関するさらなる詳細は、図12に関して説明される。
【0047】
第2の複数の実施形態700の各々は、プラグとして構成されたピン702を含む。例えば、ピン702は、第1のプラグ幅704及び第1のプラグ高さ706を有する円筒形の構成を有することができる。第1のプラグ高さは、本明細書でさらに説明するように、ピン702をろう付けするために使用されるろう付け要素のタイプに対応することができる。第1の実施形態710では、ピン702は、第1のプラグ高さ706が、第2のプラグ幅714を有する第2のプラグ高さ712と、第3のプラグ幅718を有する第3のプラグ高さ716とで構成される段付き構成を有する。第2のプラグ幅714は、例えば、第3のプラグ幅718よりも大きく、第2のプラグ高さ712は、第3のプラグ高さ716よりも小さい。ピン702は、例えば、真鍮、銅、ステンレス鋼などの金属で形成されてもよいし、セラミック、ゴム、プラスチックなどの塑性変形可能な材料で形成されてもよい。第2の複数の実施形態700の各々において、ピン702は、充填ポートの下部領域420に配置される。第6の実施形態760において、ピン702は、下部領域420から、滑らかで直線的な移行部430を通って、充填ポートの上部領域410に延びるプラグ高さを有する。例えば、下部領域420の出口直径404が1mmである場合、第1のプラグ幅704及び第2のプラグ幅714は0.8mmであってもよく、第3のプラグ幅718は0.9mmであってもよい。第1のプラグ高さ706は2.8mmであってもよく、第2のプラグ高さ712は0.5mmであってもよく、第3のプラグ高さ716は、例えば、下部領域420の第2の長さ414が3mmである場合、2.3mmであってもよい。
【0048】
第1の実施形態710では、ピン702は、ピン702の段付き構成(stepped configuration)を使用して、充填ポートの所定の位置に圧入されてもよい。第2のプラグ幅714は、ピン702が充填ポートに挿入されると、ピン702が充填ポートの下壁(例えば、図4の下壁436)に対してかじり、液体金属リザーバ(例えば、図3の液体金属リザーバ312)内への移動が阻止されるように、充填ポートの出口直径(例えば、図4の出口直径404)にほぼ等しくてもよい。
【0049】
第2の実施形態720、第3の実施形態730、第4の実施形態740、第5の実施形態750、及び第6の実施形態760では、ピン702は、ろう付け要素によって定位置に保持され、液体金属リザーバ内への移動を防止されてもよい。図12に関してさらに説明するように、充填ポートを備えるように構成された液体金属ベアリングアセンブリの組立中に、液体金属流路への液体金属の注入に続いて、ピン702が充填ポートに挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、ピン702は、充填ポートへのピン702の挿入の前に、本明細書でさらに説明されるように、ろう付け要素に結合されてもよく、ろう付け要素の構成は、ピン702が液体金属リザーバ内に移動するのを防止してもよい。第2の実施形態720は、ろう付け要素として、高さを有し、平坦で円形の上面及び下面を有するディスク722を含み、ディスク722は、滑らかで直線的な移行部430の角度の付いた壁432上に載っていてもよく、又はディスク722は、ピン702の上面724上に載っていてもよい。第3の実施形態730では、図6A~6Bに関して説明したワッシャ618又はろう付けリング628などの締結具726が、ろう付け要素として使用されてもよい。第3の実施形態730の締結具726は、ピン702の上面724に載っていてもよい。締結具726と同様に、第4の実施形態740は、図6A~6Bに関して説明したワイヤリング612のようなワイヤリングを含み、このワイヤリングは、中心軸746に対して環状構成を有してよく、ピン702の上面724上に載ってよい。第5の実施形態750は、図6A~6Bに関して記載されたろう付けボール622のようなろう付けボールを含み、ろう付けボール622は、ピン702の上面724上に静止してもよく、及び/又は楕円形のディスクは、滑らかな直線状の移行部430の壁(例えば、図4の角度のついた壁432)上に静止してもよい。上記で簡単に説明したように、第6の実施形態760では、ピン702は、下部領域420から滑らかな直線状の移行部430を通って上部領域410に延びていてもよい。ピン702は、第4の実施形態740のワイヤリング612のようなワイヤリングによって囲まれてもよい。例えば、第6の実施形態760のワイヤリング612は、上部領域410と滑らかな直線状の移行部430との間の交差部において、ピン702と上部領域410の上部壁434との間に配置されてもよい。第2の複数の実施形態700に関して本明細書で説明するろう付け要素の各々は、例えば、黄銅、銅、ステンレス鋼などの金属で形成されてもよいし、セラミックで形成されてもよい。ろう付け要素を含む第2の複数の実施形態700の実施形態については、ろう付け要素、ピン702、及び充填ポートをろう付けして、充填ポート内にピン702を固定し、充填ポートを介して液体金属リザーバ内に液体金属を挿入した後に液体金属リザーバを液体金属ベアリングアセンブリの外部から隔離してもよい。
【0050】
図8は、充填ポートの第2の構成500に溶接又はレーザろう付け(welded or laser brazed)され得る第1のピンの実施形態800を示す。換言すれば、第1のピン実施形態800は、段付き孔に嵌合するストレートピンを含む。図8に含まれる図4及び図5の要素には同様な番号が付されている。第1のピン実施形態800のピン802は、図7A~7Bに関して説明したように、プラグとして構成されてもよい。ピン802は、充填ポートと区別するために、垂直線充填で示されている。ピン802は、第1のピンの高さ804及び第1のピンの直径806を有してもよい。図5に関して説明したように、充填ポートは、下部領域420の第2部分504に出口直径404を有し、下部領域420の第1部分502に段付き直径506を有する。例えば、段付き構成は、下部領域420の第1の部分502と第2の部分504との間の交差部に角部812を含む。例えば、角部812は、ピン802と直接面共有接触して係合し、リップ、段差等として構成されてもよい。滑らかで直線的な移行部430と下部領域420との間の移行部は、段付き直径506を有してもよく、第1の部分502と第2の部分504との間の移行部は、出口直径404を有してもよい。第1のピン直径806は、段付き直径506より小さく、出口直径404より大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第4の長さ512及び第5の長さ514の各々は等しくてもよく、第1のピンの高さ804は、第4の長さ512及び第5の長さ514よりも大きくてもよい。第2の部分504は、第1のピン直径806よりも小さい出口直径404を有してもよい。
【0051】
ピン802は、金属、セラミック、プラスチック、ゴムなどの、充填ポートの材料よりも変形可能な塑性変形可能な材料で形成することができる。このようにして、ピン802が充填ポートの下部領域420に挿入され、ピン802を下部領域420の第2の部分504にさらに押し込むために(例えば、ピン802を圧入するために)矢印810で示す方向に力が加えられると、ピン802は、第2の部分504に適合するように塑性変形することができる。例えば、ピン802は、第1のピン直径806が出口直径404よりも小さくなるように、下部領域420の充填ポートの壁(例えば、下部壁436)に対してせん断又はかすることができる。下部領域の第2の部分504におけるピン802の結果として生じる干渉は、いくつかの実施形態では、50μmであってもよい。このように、第1のピンの実施形態800は、サイズスリップフィットを有することができ、ろう付けフローを可能にするとともに、下部領域420の第2の部分504(例えば、干渉領域)へのピン802の案内を可能にする。いくつかの実施形態では、ピン802は、追加のろう付け要素を使用せずに充填ポートに直接ろう付けされてもよく、又は図7A~7Bに関して説明したろう付け要素などのろう付け要素が含まれてもよい。
【0052】
図9に目を向けると、第2のピンの実施形態900が示されており、ピンは段付き構成を有し、段付き構成を有する充填ポートに圧入され得る。図9に含まれる図4及び図5の要素には同様な番号が付されている。第2のピン実施形態900のピン902は、図7A~7Bに関して説明したように、プラグとして構成されてもよい。ピン902は、充填ポートと区別するために縦線の充填で示されている。ピン902は、充填ポートの内部と同様の形状を有するように構成されてもよい。例えば、ピン902は、テーパー面を含んでもよく、このテーパー面は、充填ポート310の滑らかな直線状の移行部430に配置されてもよく、ここで、ピン902のテーパー面は、滑らかな直線状の移行部430において充填ポートのテーパー面と同じ角度を有する。換言すれば、ピン902は、充填ポート310に対して対をなす表面を有するように構成され得る。ピン902は、上部ピン領域910、下部ピン領域920、及びその間の滑らかで直線的なピン移行部930を含む。上部ピン領域910、滑らかで直線的なピン移行部930、及び下部ピン領域920の各々は、ピン902の連続体を形成するように結合される。下部ピン領域920は、下部ピンの直径を有することができる。例えば、ピン902の寸法は、充填ポートの内部の寸法よりも比例して小さい。例えば、ピン902は、上部ピン領域910において第3のピン直径904を有する。滑らかで直線的なピン移行部930におけるピン902の直径は、第3のピン直径904(例えば、上部ピン領域910に隣接する)から第4のピン直径906(例えば、下部ピン領域920に隣接する)に徐々に移行する。いくつかの実施形態において、ピン902は、滑らかで直線的なピン移行部930と下部ピン領域920との間に段差のある移行部を有することができる。例えば、平滑で直線的なピン移行部930と下部ピン領域920との間の交差部におけるピン902の直径は、平滑で直線的なピン移行部930における第4のピン直径906と、下部ピン領域920における下部のピン直径908とであり得る。第3のピン直径904は、入口直径402より小さく、第4のピン直径906及び下部ピン直径908は、段付き直径506より小さい。
【0053】
さらに、充填ポートは、第2の構成500と同様に、段付き構成を有してもよい。図9に示す実施形態では、段付き構成は、滑らかな直線状の移行部430と、ピン902と面共有接触して直接係合し、リップ、段差などとして構成されてもよい下部領域420との間の交差部に角部(corners)912を含む。図4及び図5に関して説明したように、充填ポートは、上部領域410に入口直径402を有する。充填ポートの直径は、滑らかで直線的な移行部430において、入口直径402から段付き直径506へと徐々に移行してもよい。図9の構成では、滑らかで直線的な移行部430と下部領域420との間の交差点における充填ポートの直径は、滑らかで直線的な移行部430における段付き直径506と、下部領域420における出口直径404とであってよい。コーナー912は、下部領域420の下部壁436の幅936を充填ポートの内部に向かって拡張し、したがって、下部領域420における充填ポートの直径を出口直径404まで減少させることができる。
【0054】
ピン902が下部ピン領域920の全体に対して第4のピン直径906を有するように構成されている場合(例えば、ピン902は段付きでない)、第4のピン直径906は、ピン902が本明細書で説明される段付き構成で充填ポートに圧入されるときに塑性変形(plastically deformed)し、したがって減少し得る。ピン902の塑性変形により、ピン902と充填ポートとの間にフレア状のインターフェース(flared interface)が形成される場合があり、このインターフェースは、ピン902と充填ポートとの間にシールを形成して液体金属リザーバを大気から隔離し、ピン902を充填ポート内に保持するのを補助する場合がある。他の実施形態では、ピン902は、図9に関して本明細書で説明した段付き構成を有してもよく、この場合、下部ピン直径908は、下部領域420の出口直径404よりも小さくてもよい。したがって、下部ピン領域920は、充填ポート内でピン902のかじりを生じることなく、充填ポートの下部領域420内に配置され得る。充填ポートに挿入されると、ピン902は、滑らかで直線的な移行部430の角度のついた壁432に載ることがある。
【0055】
本明細書で説明される段付き構成を有するピン902及び充填ポートの構成は、ピン902が充填ポートに挿入されるときに、ピン902及び充填ポートの自己整列を可能にし得る。例えば、上部領域410の壁(例えば、上部壁434)及び充填ポートの滑らかで直線的な移行部430の壁(例えば、角度のついた壁432)は、ピン902を充填ポート内に案内することができる。ピン902と充填ポートの壁との半径方向の干渉は、ピン902を充填ポートの所定の位置に密封するのを助けることがある。ピン902はさらに、第2の矢印916で示す方向に力を加えることによって、充填ポートに圧入することができる。
【0056】
図10は、段付き構成を有する充填ポートに圧入され得るプラグとして構成されたピンの追加の構成1000を示す。例えば、充填ポートは、図5に関して説明した第2の構成500、図9の第2のピン実施形態900に関して説明した段付き構成、又は別の段付き構成を有することができる。追加の構成1000は、図9の段付き充填ポート構成に関して本明細書で説明される。図10に含まれる図9の要素は、簡潔にするために、同様に番号付けされ、再導入されない場合がある。
【0057】
図9に関して説明したピン902と同様に、テーパーピン1002及びボタンヘッドピン1004の各々は、充填ポートの内部と同様の形状を有するプラグとして構成され得る。例えば、テーパーピン1002及びボタンヘッドピン1004の各々は、上部ピン領域1010、下部ピン領域1020、及びその間の滑らかで直線的なピン移行部1030を含む。上部ピン領域1010、下部ピン領域1020、及び滑らかで直線的なピン移行部1030の各々の直径は、上部ピン領域910、下部ピン領域920、及び滑らかで直線的なピン移行部930に関して(例えば、充填ポートの直径に対して)説明したとおりであってよい。
【0058】
テーパーピン1002は、上部ピン領域1010に溶接プレップ(weld prep:溶接準備部/溶接前処理部)を有するようにさらに構成される。図10に示すように、溶接プレップは、上部ピン領域1010から充填ポートの入口318に向かって延びる直角三角形として視覚化され得る。図10は、充填ポート及びその中に配置されたテーパーピン1002のプロファイル図を示しており、したがって、溶接プレップは、直角三角形のプロファイルを有する環状構成を有する単一の溶接プレップ(single weld prep)1006であってもよい。単一の溶接プレップ1006は、テーパーピン1002の上面1008に結合され、そこから延びることがある。単一の溶接プレップ1006の直角三角形は、いくつかの実施形態では、下部ピン領域1020の下部ピン直径908に等しい距離1012(例えば、環状構成の内部)だけ離間していてもよい。他の実施形態では、溶接プレップは、テーパーピン1002の上面1008の円周に関して半径方向に配置される直角三角形状又は他の形状のプロファイルを有する複数の溶接プレップを含み得、各溶接プレップの間には空間がある。溶接プレップは、真鍮、銅、ステンレス鋼、セラミックなど、テーパーピン1002と同じ材料で形成することができる。
【0059】
ボタンヘッドピン1004は、上部ピン領域1010に平坦な頂部1022を有するように構成される。平坦な頂部1022は、第1の幅1024及び第1の高さ1026を有してもよく、第1の高さ1026は、上部ピン領域1010の高さに含まれる。平坦な頂部1022の第1の幅1024は、平坦な頂部1022が上部ピン領域1010よりも半径方向に広く延びるように、ボタンヘッドピン1004の幅(例えば、第3のピン直径904)よりも大きくてもよい。平坦な頂部1022は、真鍮、銅、ステンレス鋼などのボタンヘッドピン1004と同じ材料で形成されてもよく、セラミックにろう付けされてもよい。
【0060】
テーパーピン1002及びボタンヘッドピン1004の各々は、ピンを充填ポートに挿入し、第3の矢印1014によって示される方向に力を加えることなどによって、充填ポートに圧入することができる。ピンを充填ポートに圧入する(例えば、力を加える)ことにより、テーパーピン1002及びボタンヘッドピン1004の各々が塑性変形し、ピンの頂部が広がって、ピンと充填ポートとの間に半径方向の接触が生じる可能性がある。例えば、テーパー付きピン1002が充填ポートに圧入されると、単一の溶接プレップ1006の直角三角形間の距離1012が増大し、単一の溶接プレップ1006(又は、いくつかの実施形態では、複数の溶接前処理)が、充填ポートの上部領域410の上部壁434に向かって半径方向にフレアアウト(flares out:膨らむ/広がる)して、その間に半径方向の接触を生じさせることができる。ボタンヘッドピン1004が充填ポートに圧入されるとき、平坦な頂部1022の第1の幅1024は増大し、平坦な頂部1022の第1の高さ1026は、平坦な頂部1022が充填ポートの上部領域410の上部壁434に向かって半径方向にフレアアウトしてその間に半径方向の接触を生じさせるように、減少し得る。テーパーピン1002及びボタンヘッドピン1004のフレアアウトした部分(例えば、それぞれ、溶接プレップ及び平坦な頂部)の間の半径方向の接触は、それぞれのピンの挿入の間のせん断応力を低減し得る。さらに、それぞれのピンと充填ポートとの間の干渉の増大は、液体金属リザーバを大気から隔離するために、充填ポートへのピンの溶接又はろう付けを容易にする可能性がある。いくつかの実施形態では、ピンのフレアは、溶接のための接触及び/又は圧入シールの追加(例えば、ボタンヘッドピン1004の平坦な頂部1022と充填ポートの入口318との間)のための接触を提供することができる。
【0061】
図11は、ねじ付き締結具プラグとして、及び/又はねじ付き締結具に加えて半径方向の干渉を有するピンとして構成されたピン1102の実施形態1100を示す。ピン1102は、第1の構成400(例えば、段付きでない)を有する充填ポート、及び/又は第2の構成500(例えば、段付き)を有する充填ポートなどの液体金属ベアリングアセンブリの充填ポートに入力することができる。図11は、第1の構成400を有する充填ポートに関して説明され、したがって、図11に含まれる図4の要素は、簡潔にするために同様に番号付けされ、再紹介されない。ピン1102の構成は、液体金属リザーバが液体金属ベアリングアセンブリの外部から隔離されるように、ピン1102を充填ポート内に半径方向に封止することができる。例えば、ピン1102の構成は、図6A図6Bのねじ付き締結具632の構成に類似していてもよい。ピン1102は、段付き本体を有してもよく、そのような段付き本体の下部プラグ延長部1104が、滑らかな直線状の移行部430を通って下部領域420に延び、上部プラグ延長部1106が上部領域410に配置される。上部プラグ延長部1106は、上部プラグ延長部1106から半径方向に延びる複数のねじ山1108をさらに有するように構成される。複数のねじ山1108は、上部領域410に沿って、その間に(例えば、複数のねじ山1108の各ねじ山間に)いくらかの軸方向間隔を空けて配置された周方向隆起であってもよい。下部プラグ延長部1104は、ピン1102の第1の実施形態1110において、第1のプラグ直径1114を有し、上部プラグ延長部1106は、第1の上部延長部直径1116を有する。
【0062】
充填ポートへのピン1102の挿入に続いて、上部プラグ延長部1106の直径が増大することがある。例えば、第1の上部延長部直径1116は、第2の実施形態1120に示されるように、第2の上部延長部直径1118まで増加してもよく、第2の上部延長部直径1118は、第1の上部延長部の直径1116よりも大きい。いくつかの実施形態において、上部プラグ延長部1106の直径は、ポアソン比を用いて増加してもよく、又は上部プラグ延長部1106を外側(例えば、上部壁434に向かって)に変形させるために第3の本体が用いられてもよい。ピン1102が軸方向に(例えば、軸システム320に対して、x軸に沿って)圧縮されると、ピン1102は、複数のねじ山1108と上壁434との間に半径方向の干渉が存在するように、第2の上部延長部の直径1118まで半径方向に塑性変形する。このようにして、複数のねじ山1108は、いずれの要素も剪断することなく(without shearing of either element)、ピン1102と充填ポートとの間にシール(例えば、二次ガリウムシール)を形成することができ、これにより、ピン1102を充填ポート内に保持することが支援される。他の実施形態では、上部領域410の壁は、ピン1102が充填ポート(例えば、下部領域420)への挿入に続いて充填ポートの上部領域410にねじ込まれ得るように、相手側のねじ切りで構成され得る。例えば、複数のねじ山1108と相手側のねじ山は、互いに面を共有する接触で直接係合するように構成されてもよい。このようにして、ピン1102は、液体金属リザーバを液体金属ベアリングアセンブリの外部から隔離するラジアルシールピンとして機能することができる。図12は、図3の液体金属ベアリングアセンブリ300のような液体金属ベアリングアセンブリを組み立てるための方法1200を示す。上記で簡単に説明したように、液体金属ベアリングアセンブリは、X線撮像システムなどのシステムで実施することができる。ロータ及びステータ(例えば、図2のロータ218及びステータ220)と結合されると、液体金属ベアリングアセンブリは、回転部品(例えば、図3のスリーブ302)に結合された要素に回転運動を付与することができる。スリーブ302とシャフト304との間に延びる液体金属の連続層によって形成されるベアリング面は、シャフト304に対するスリーブ302の滑らかで中断のない回転を可能にすることができる。本明細書に記載される液体金属ベアリングアセンブリを組み立てるための方法は、シールなどの液体金属ベアリングアセンブリの要素の潜在的な劣化を低減しながら、ベアリング表面を生成することができ、これは、シールを通して静止部品(stationary component:静止構成要素、例えば、シャフト304)を突入させ、静止部品及びシール上に液体金属を注ぐことを含むような他の組み立て方法の間に劣化する可能性がある。本明細書では、方法1200を液体金属ベアリングアセンブリ300に関して説明するが、方法1200は、ベアリング中心線に対して半径方向に回転部品に配置された充填ポートを有する他の液体金属ベアリングアセンブリを組み立てるために使用することができる。
【0063】
1202において、方法1200は、液体金属ベアリングアセンブリのシャフトを液体金属ベアリングアセンブリのスリーブに挿入することを含む。例えば、スリーブは、中空円筒として形成されてもよく、シャフトは、スリーブの第2の端部(例えば、第2の端部328)から挿入されて、スリーブの第1の端部(例えば、第1の端部326)を通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、シャフトは、シャフトがスリーブを完全に通過するのを防ぐことができるフランジをシャフトの端部に有することができる。スリーブキャップがスリーブの第2の端部に結合され、シャフトのフランジを囲み、したがってシャフトをスリーブ内に封入することができる。シャフトをスリーブに挿入すると、その間に液体金属リザーバが形成される。液体金属リザーバは、ピンが充填ポートに配置されていないときに、充填ポートを介して液体金属ベアリングアセンブリの大気(例えば、外部352)に流体的に結合されることがある。このようにして、液体金属ベアリングアセンブリの要素は、液体金属リザーバに液体金属を導入する前に組み立てることができる。これにより、液体金属ベアリングアセンブリの組立中に、回転シール及び圧縮シールを無傷に保つことができる。
【0064】
1204において、方法1200は、液体金属ベアリングアセンブリの回転部材(例えば、スリーブ)に配置された充填ポートを介して液体金属リザーバに潤滑剤を注入することによって、液体金属ベアリングアセンブリの液体金属リザーバを潤滑剤(例えば、液体金属)で充填することを含む。本明細書に記載される実施形態のようないくつかの実施形態では、潤滑剤は、ガリウムのような液体金属である。他の実施形態では、液体金属は、スズ、インジウム、それらの組み合わせなどを含むことができる。液体金属は、充填ポートに針又は他の分注装置を挿入して液体金属を注入することによって、充填ポートに液体金属を注ぐことによって、液体金属リザーバに分注されてもよい。液体金属リザーバに潤滑剤を分配するための異なる方法は、潤滑剤の種類、液体金属ベアリングアセンブリの向き(例えば、重力方向に対するベアリング中心線の向き)などに依存し得る。潤滑剤(例えば、液体金属)は、液体金属リザーバを満たし、液体金属流路(例えば、隙間316)に関して、液体金属リザーバの下流のシャフトとスリーブとの間の隙間に流れ込まない場合がある。例えば、液体金属(例えば、ガリウム)のビードのサイズは、隙間の幅(例えば、シャフトとスリーブとの間の距離)よりも大きくてもよい。したがって、充填ポートを介して液体金属リザーバに分注された液体金属は、液体金属リザーバと隙間との間の流路(例えば、流路314)内に部分的に配置され、ベアリング面を形成するために隙間に流れ込まない場合がある。
【0065】
1206において、方法1200は、液体金属ベアリングアセンブリを加熱することを任意に含む。液体金属ベアリングアセンブリを加熱することにより、シャフトとスリーブの表面の反応性を高め、シャフトとスリーブとの間の隙間にガリウムを引き込むスリーブ内部の毛管力を高めることができる。
【0066】
1208において、方法1200は、液体金属ベアリングアセンブリの充填ポートにピンを挿入することによって、液体金属リザーバを大気(例えば、液体金属ベアリングアセンブリの外部352)から密封することを含む。ピンは、図6A~6Bに関して説明したように、ボールベアリングとして構成されてもよく、又は図7A~11に関して説明したように、プラグとして構成されてもよい。充填ポートは、図4に関して説明した第1の構成400のような第1の構成、又は図5に関して説明した第2の構成500のような第2の構成を有してもよい。充填ポート及びピンの寸法は、ピンを充填ポートに挿入することによって液体金属リザーバが液体金属ベアリングアセンブリの外部から部分的に又は完全に隔離されるような寸法であってもよい。いくつかの実施形態では、ピンを充填ポートに挿入する前に、ろう付け要素(例えば、ワイヤリング、ろう付けビーズ、ろう付けボール、ワッシャ、ろう付けリング)をピンに結合(例えば、ろう付け)することができる。ろう付け要素の構成により、ピンが液体金属リザーバ内に移動するのを防止することができる。さらに、又は代替的に、ピンと充填ポートの構成によって、ピンが液体金属リザーバ内に移動するのを防止することができる。例えば、充填ポートは、ピンの挿入時にその間にカジリを生じることなく充填ポート内のピンの位置決めを可能にするセルフアライメント特徴部(例えば、入口直径、滑らかで直線的な移行部、及び出口直径)を有するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、充填ポートは、任意の軸方向圧縮(例えば、充填ポートの下部領域の第2部分における段付き直径及び出口直径)を有する摺動半径方向干渉嵌合を組み込むことができる。
【0067】
1210において、方法1200は、液体金属ベアリングアセンブリの充填ポート内にピンを固定することを含む。図6A図11に関して説明したように、ピンを固定することは、ろう付け要素をピン及び充填ポートにろう付けすること、ピンを充填ポートにレーザ溶接すること、ピンに結合されたねじ付き締結具を充填ポートにねじ込むこと、及び/又はピンを充填ポートの壁にかしめること及び/又はピンを塑性変形させることによってピンを充填ポートに位置決めするためにピンを圧入することを含み得る。
【0068】
1212において、方法1200は、液体金属ベアリングアセンブリを加熱することを含む。液体金属ベアリングアセンブリを加熱することにより、シャフト及びスリーブの表面の反応性(reactivity of surfaces)が増加し、シャフトとスリーブとの間の隙間にガリウムを引き込むスリーブ内部の毛管力が増加する可能性がある。液体金属リザーバ内の液体金属が隙間に流れ込み、隙間にベアリング面が形成され、シャフトに対するスリーブの回転が妨げられなくなる。方法1200は終了する。
【0069】
このようにして、組立中に液体金属が溢れることによる液体金属ベアリングアセンブリのシールの劣化を低減することができる。液体金属は、液体金属ベアリングアセンブリの回転部品の半径方向に配置された充填ポートを介して液体金属ベアリングアセンブリ(例えば、液体金属リザーバ)内に配置されてもよい。ピンは、半径方向に配置された充填ポートに配置され、圧入、溶接又はろう付けを介してその中に密封され、液体金属リザーバ、したがって液体金属ベアリングアセンブリの内部を液体金属ベアリングアセンブリの外部から隔離することができる。本明細書に記載される液体金属ベアリングアセンブリ構成の技術的効果には、ベアリングの圧縮シールを介した液体金属の漏れの減少による、及び/又は液体金属リザーバの液体金属充填量の増加による、使用可能なベアリング寿命の増加が含まれ得る。液体金属ベアリングアセンブリの製造は、従来の構成と比較して簡略化される可能性があり、具体的には、本明細書に記載の方法を用いて製造された使用可能な液体金属ベアリングアセンブリの数は、スリーブへのシャフトの高圧挿入を含む方法を用いて製造された使用可能な液体金属ベアリングアセンブリの数よりも多くなる可能性がある。
【0070】
図2図11は、様々な構成要素の相対的な位置関係を有する例示的な構成を示す。互いに直接接触して示されている場合、又は直接結合して示されている場合、そのような要素は、少なくとも一例では、それぞれ、直接接触している、又は直接結合していると呼ぶことができる。同様に、互いに連続又は隣接して示されている要素は、少なくとも一例において、それぞれ連続又は隣接していてもよい。一例として、互いに面接触して敷設された構成要素は、面接触していると称されてもよい。別の例として、少なくとも一例において、互いに離間して配置され、その間に空間のみが存在し、他の構成要素が存在しない要素は、そのように呼ばれることがある。さらに別の例として、互いの上/下、互いの反対側、又は互いの左/右に示された要素は、互いに対してそのように呼ばれることがある。さらに、図に示すように、少なくとも1つの例において、最上部の要素又は要素の点は、構成要素の「上部」と呼ばれることがあり、最下部の要素又は要素の点は、構成要素の「底部」と呼ばれることがある。本明細書で使用されるように、頂/底、上/下、上方/下方(top/bottom, upper/lower, above/below)は、図の垂直軸に対する相対的なものであり、図の要素の互いに対する位置関係を表すために使用される場合がある。このように、他の要素の上に示されている要素は、一例では、他の要素の垂直方向の上に配置されている。さらに別の例として、図内に描かれている要素の形状は、それらの形状(例えば、円形である、直線である、平面である、湾曲している、丸みを帯びている、面取りされている、角度が付けられているなど)を有すると称される場合がある。さらに、互いに交差するように示された要素は、少なくとも一例において、交差する要素又は互いに交差する要素と称されることがある。さらに、別の要素内に示されている要素や、別の要素の外側に示されている要素は、一例としてそのように呼ばれることがある。
【0071】
本開示はまた、液体金属ベアリングアセンブリのための支持体であって、液体金属ベアリングアセンブリの液体金属リザーバに流体結合された充填ポートであって、充填ポートは、入口直径及び出口直径を有し、出口直径は、入口直径よりも小さい、充填ポートと、充填ポートの内側に嵌合し、液体金属リザーバから液体金属が出るのを防止するような形状のピンと、を備える、支持体を提供する。システムの第1の実施例において、システムは、回転部品と静止部品とをさらに備え、回転部品は、少なくとも部分的に円周方向に静止部品を取り囲み、液体金属リザーバは、回転部品と静止部品との間の第2の半径方向距離として形成される。任意に第1の実施例を含むシステムの第2の実施例では、充填ポートは、ベアリング中心線から第1の半径方向距離だけ回転部品に配置される。システムの第3の実施例では、任意に第1及び第2の実施例の一方又は両方を含み、充填ポートの出口直径は、充填ポートの入口直径と液体金属ベアリングアセンブリの液体金属リザーバとの間に配置される。システムの第4の実施例では、任意選択で、第1から第3の実施例の1つ以上又はそれぞれを含み、入口直径と出口直径は、滑らかな直線状の移行部によって結合され、滑らかな直線状の移行部の直径は、入口直径から出口直径へと徐々に移行する。システムの第5の実施例では、任意に第1から第4の実施例の1つ以上又はそれぞれを含み、ピンはボールベアリングとして構成される。システムの第6の実施例では、第1から第5の実施例の1つ以上又はそれぞれを任意に含み、ピンはプラグとして構成される。システムの第7の実施例では、第1から第6の実施例の1つ以上又はそれぞれを任意に含み、ピンは充填ポートに圧入、ろう付け、及び/又は溶接される。システムの第8の実施例では、第1から第7の実施例の1つ以上又はそれぞれを任意に含み、液体金属ベアリングアセンブリはストラドルベアリングである。システムの第9の実施例では、第1から第8の実施例の1つ以上又はそれぞれを任意に含み、充填ポート及びピンのそれぞれは、充填ポートへのピンの圧入挿入を可能にするセルフアライメント特徴部を含む。本システムの第10の実施例では、任意選択で、第1から第9の実施例の1つ以上又はそれぞれを含み、ピンのセルフアライメント特徴部は、ピンの形状のアンダーカット、及び/又はナイフエッジ部材を介したピン本体の半径方向の拡張を含む。
【0072】
本開示はまた、液体金属ベアリングの回転部材に設けられた充填ポートを介して潤滑剤をリザーバに注入することによって液体金属ベアリングのリザーバを潤滑剤で充填する工程と、充填ポートにピンを挿入することによってリザーバを大気から密封する工程と、を含む、方法の支持を提供する。本方法の第1の実施例では、本方法はさらに、ピンを充填ポートに溶接、ろう付け、及び/又は圧入することを含む。本方法の第2の実施例では、任意に第1の実施例を含み、本方法はさらに、充填ポート又はピンの少なくとも一方に湿潤コーティング又は濡れ防止コーティングを施すことを含む。
【0073】
本開示はまた、カソードと、回転フィーチャを有するアノードであって、回転フィーチャは、静止コンポーネントを周方向に取り囲む回転コンポーネントを有する液体金属ベアリングアセンブリによって回転され、回転コンポーネントは、液体金属ベアリングアセンブリの回転軸から半径方向に距離を置いて配置された充填ポートを含み、液体金属ベアリングアセンブリの潤滑剤リザーバは、充填ポートにピンを挿入することによって大気から選択的に隔離され得る、回転フィーチャを有するアノードと、を備える、撮像システムのための支持体を提供する。システムの第1の実施例では、充填ポートは、入口直径を有する上部領域と、入口直径よりも小さい出口直径を有する下部領域と、上部領域と下部領域とを結合する滑らかで直線的な移行部とを有し、滑らかで直線的な移行部の直径は、上部領域に隣接する入口直径から下部領域に隣接する出口直径へと徐々に移行する。システムの第2の実施例では、任意に第1の実施例を含み、下部領域は、出口直径を有する第1の部分と、出口直径より小さい第2の直径を有する第2の部分とを備え、第1の部分と第2の部分との間に階段状の移行部を有するように構成される。システムの第3の実施例では、任意に、第1及び第2の実施例の一方又は両方を含み、ピンは、圧入され、任意に、ワイヤリング、ワッシャ、ろう付けリング、ろう付けボール、及び複数のろう付けビーズのうちの少なくとも1つを使用して充填ポートに溶接又はろう付けされるボールベアリングとして構成される。システムの第4の実施例では、任意選択で、第1から第3の実施例の1つ以上又はそれぞれを含み、ピンは、圧入され、任意選択で、ディスク、ワッシャ、ワイヤリング、ろう付けリング、及びろう付けボールのうちの少なくとも1つを使用して充填ポートに溶接又はろう付けされるプラグとして構成される。システムの第5の実施例では、任意に第1から第4の実施例の1つ以上又はそれぞれを含み、ピンは、第1のプラグ幅を有する第1のプラグ高さと第2のプラグ幅を有する第2のプラグ高さを有する段付き構成、第2のプラグ幅は第1のプラグ幅より小さい、及び上部ピン直径を有する上部ピン領域を有する圧入構成の少なくとも1つを有する、下部ピン直径を有する下部ピン領域と、滑らかで直線的なピン移行部であって、滑らかで直線的なピン移行部の直径が、上部ピン領域に隣接する上部ピン直径から、下部ピン領域に隣接する下部ピン直径へと徐々に移行する、滑らかで直線的なピン移行部とを備え、任意に、上部ピン領域に半径方向ねじ山を含む、圧入構成。
【0074】
本明細書で使用される場合、単数形で記載され、単語「a」又は「an」が先行する要素又はステップは、そのような除外が明示的に記載されない限り、当該要素又はステップの複数形を除外しないと理解されるべきである。さらに、本発明の「一実施形態」への言及は、言及された特徴も組み込んだ追加の実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図していない。さらに、反対のことが明示的に記載されていない限り、特定の特性を有する要素又は複数の要素を「含んでなる」、「含む」、又は「有する」実施形態は、その特性を有しない追加のそのような要素を含み得る。用語“含む”及び“有する”は、それぞれの用語“含む”及び“有する”の平易な等価語として使用される。さらに、“第1”、“第2”、“第3”などの用語は、単にラベルとして使用されており、数値的要件や特定の位置順序をその対象に課すことを意図していない。
【0075】
本明細書では、実施例を用いて、最良の態様を含む本発明を開示するとともに、関連技術分野における通常の技術者が、任意の装置又はシステムの製造及び使用、ならびに組み込まれた方法の実行を含む本発明を実施できるようにする。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に思いつく他の例を含むことができる。そのような他の実施例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、又は特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0076】
100:X線撮像システム 102:被検体 104:X線源 106:X線放射ビーム 108:検出器アレイ 110:X線コントローラ 112:コンピューティング装置 114:プロセッサ 116:オペレータコンソール 118:記憶装置 120:ディスプレイ 200:X線管 202:ハウジング 204:低圧エンクロージャ 205:液体金属ベアリングアセンブリ 206:静止部品 208:回転部品 210:アノード 212:カソード 214:X線ビーム 216:X線窓 218:ロータ 220:ステータ 222:液体金属ジャーナルベアリング 224:液体金属スラストベアリング 226:インターフェース 250:回転軸 252:半径方向軸 300:液体金属ベアリングアセンブリ 302:スリーブ 302a:第1の本体 302b:第2の本体 302c:インターフェース 304:シャフト 306:下部領域 310:充填ポート 312:液体金属リザーバ 314:流路 316:隙間 318:入口 320:軸システム 322:第1の半径方向距離 324:第2の半径方向距離 326:第1の端部 328:第2の端部 330:出口 332:大の深さ 334:深さ 336:シャフト幅 338:第1の側面 350:回転中心軸 352:外部 400:第1の構成 402:入口直径 404:出口直径 406:段付き直径 410:上部領域 412:第1の長さ 414:第2の長さ 418:中心軸 420:下部領域 424:第3の長さ 430:移行部 432:角度付き壁 434:上部壁 436:下部壁 444:第1の矢印 500:第2の構成 502:第1の部分 504:第2の部分 506:段付き直径 12:第4の長さ 514:第5の長さ 518:中心軸 544:第2の矢印 600:第1の複数の実施形態 602:ピン 604:第1のピン直径 606:第2のピン直径 608:ろうビーズ 610:第1の実施形態 612:ワイヤリング 614:第1のワイヤリング直径 615:上面図 616:第2のワイヤリング直径 618:ワッシャ 620:第2の実施形態 622:ろう付けボール 624:楕円形ディスク 626:球体 628:ブレーズリング 630:第3の実施形態 632:ねじ付き締結具 634:下部延長部 636:上部延長部 638:ねじ山 640:第4の実施形態 642:最も外側の円 644:第2の円 646:中心軸 650:第5の実施形態 660:第6の実施形態 670:第7の実施形態 699:軸システム 700:第2の複数の実施形態 702:ピン 704:第1のプラグ幅 706:第1のプラグ高さ 710:第1の実施形態 712:第2のプラグ高さ 714:第2のプラグ幅 716:第3のプラグ高さ 718:第3のプラグ幅 720:第2の実施形態 22:ディスク 724:上面 726:締結具 730:第3の実施形態 740:第4の実施形態 746:中心軸 750:第5の実施形態 760:第6の実施形態 800:第1のピン実施形態 802:ピン 804:第1のピンの高さ 806:第1のピンの直径 810:矢印 812:角部 900:第2のピンの実施形態 902:ピン 904:第3のピン直径 906:第4のピン直径 908:下部のピン直径 910:上部ピン領域 912:角部 916:第2の矢印 920:下部ピン領域 930:滑らかで直線的なピン移行部 936:幅 1000:ピンの追加の構成 1002:テーパーピン 1004:ボタンヘッドピン 1006:単一の溶接プレップ 1008:上面 1010:上側ピン領域 1012:距離 1014:第3の矢印 1020:下部ピン領域 1022:平坦な頂部 1024:第1の幅 1026:第1の高さ 1030:滑らかで直線的なピン移行部 1100:実施形態 1102:ピン 1104:下部プラグ延長部 1106:上部プラグ延長部 1108:ねじ山 1110:第1の実施形態 1114:第1のプラグ直径 1116:第1の上部延長部直径 1118:第2の上部延長部直径 1120:第2の実施形態

図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-10-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体金属ベアリングアセンブリ(300)の液体金属リザーバ(312)に流体的に結合された充填ポート(310)であって、前記充填ポートは、入口直径(402)及び出口直径(404)を有し、前記出口直径は前記入口直径よりも小さい、前記充填ポートと、
前記充填ポートの内側に嵌合し、液体金属が前記充填ポートを介して前記液体金属リザーバから出るのを防ぐ形状のピン(602,702,802,902,1002,1004,1102)と、
を含む、液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項2】
回転部品(302)と静止部品(304)とをさらに含み、前記回転部品が、前記静止部品を少なくとも部分的に円周方向に取り囲み、前記液体金属リザーバが、前記回転部品と前記静止部品との間の第2の半径方向距離(324)として形成されている、請求項1に記載の液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項3】
前記充填ポートが、ベアリング中心線から第1の半径方向距離(322)で前記回転部品内に配置されている、請求項2に記載の液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項4】
前記充填ポートが、前記ベアリング中心線に対して垂直に配置されている、請求項3に記載の液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項5】
前記充填ポートが、前記ベアリング中心線に平行に配置されている、請求項3に記載の液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項6】
前記充填ポートが、前記入口直径と前記出口直径との間に段付き直径(506)をさらに含み、前記段付き直径が前記出口直径より大きく前記入口直径より小さい、請求項1に記載の液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項7】
前記ピンが、ボールベアリング又はプラグの少なくとも1つとして構成されている、請求項1に記載の液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項8】
前記ピンが、充填ポートに圧入、ろう付け、及び/又は溶接されている、請求項1に記載の液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項9】
前記液体金属ベアリングアセンブリがストラドルベアリングである、請求項1に記載の液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項10】
前記充填ポート及び前記ピンのそれぞれが、前記充填ポートへの前記ピンの圧入挿入を可能にするセルフアライメント特徴部を含む、請求項1に記載の液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項11】
前記ピンの前記セルフアライメント特徴部は、前記ピンの形状のアンダーカット、及び/又はナイフエッジ部材を介した前記ピンの本体の半径方向の拡張を含む、請求項10に記載の液体金属ベアリングアセンブリ。
【請求項12】
液体金属ベアリングの回転部材に設けられた充填ポートを介して潤滑剤をリザーバに注入することにより、前記液体金属ベアリングの前記リザーバを前記潤滑剤で充填するステップと、
前記充填ポートにピンを挿入して、リザーバを大気から密閉するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
ピンを充填ポート内に保持するために、ピンを充填ポート内に溶接、ろう付け、及び/又は圧入するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記充填ポート又は前記ピンの少なくとも一方に湿潤コーティング又は濡れ防止コーティングを施すステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記液体金属軸受アセンブリの回転部材を回転させることによってX線源のアノードの回転特徴部を回転させるステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。

【外国語明細書】