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特開2025-5410ポンプ用のステータ及びポンプ用のステータの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005410
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】ポンプ用のステータ及びポンプ用のステータの製造方法
(51)【国際特許分類】
   F04C 2/18 20060101AFI20250108BHJP
   F04C 2/107 20060101ALI20250108BHJP
   F04C 15/00 20060101ALI20250108BHJP
【FI】
F04C2/18 311B
F04C2/107
F04C15/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024097848
(22)【出願日】2024-06-18
(31)【優先権主張番号】10 2023 116 836.3
(32)【優先日】2023-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】514210038
【氏名又は名称】ネッチュ プンペン ウント システーメ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】NETZSCH PUMPEN & SYSTEME GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】ミカエル テクネヤン
(72)【発明者】
【氏名】フランツ ラッヘンヴィッツァー
(72)【発明者】
【氏名】プリシラ ベネデット ユーレンベアガー
(72)【発明者】
【氏名】ヒシャーム カマル
【テーマコード(参考)】
3H041
3H044
【Fターム(参考)】
3H041AA00
3H041BB06
3H041BB09
3H041CC01
3H041CC13
3H041DD03
3H041DD11
3H041DD31
3H041DD33
3H044AA00
3H044BB04
3H044BB06
3H044CC01
3H044CC12
3H044DD03
3H044DD11
3H044DD21
3H044DD23
(57)【要約】
【課題】ポンプ用のステータにおける従来技術を改善する。
【解決手段】本発明は、ポンプ用、特に、回転ローブポンプ又は偏心スクリューポンプ用のステータに関し、基体を備え、基体は、ポンプにおけるロータアセンブリのためのポンプ室を包囲し、支持体と、少なくとも部分的にポンプのロータアセンブリと接触するための走行面を形成する走行体とを含み、支持体及び走行体は、共通の材料を有し、支持体における材料の材料密度及び走行体における材料の材料密度は、互いに異なるよう調整され、従って異なるよう調整された材料密度により、支持体及び走行体における材料において、異なる弾性及び/又は硬度が達成されている。更に、本発明は、そのようなステータの製造方法に関する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ(101,201)用、特に、回転ローブポンプ(101)又は偏心スクリューポンプ(201)用のステータ(105,106,205)であって、基体(321,323,325,421,423,425,427)を備え、前記基体(321,323,325,421,423,425,427)が、前記ポンプ(101,201)におけるロータアセンブリ(121,123,273)のためのポンプ室(111,213)を包囲し、支持体(321,323,421,423)と、少なくとも部分的に前記ポンプ(101,201)の前記ロータアセンブリと接触するための走行面を形成する走行体(325,425)とを含むステータにおいて、
前記支持体(321,323,421,423)及び前記走行体(325,425)が、共通の材料を有し、前記支持体(321,323,421,423)における前記材料の材料密度及び前記走行体(325,425)における前記材料の材料密度が、互いに異なるよう調整され、従って異なるよう調整された前記材料密度により、前記支持体(321,323,421,423)及び前記走行体(325,425)における前記材料において、異なる弾性及び/又は硬度が達成されていることを特徴とする、ステータ。
【請求項2】
請求項1に記載のステータであって、前記走行体(325,425)の前記材料密度が、前記支持体(321,323,421,423)の前記材料密度と比べてより大きく、従って前記走行体(325,425)が、前記支持体(321,323,421,423)と比べて特により小さな弾性及び/又はより大きな硬度を有することを特徴とする、ステータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のステータであって、前記支持体(321,323,421,423)が、第1支持体部分(321,421)、第2支持体部分(323,423)、第3支持体部分(427)、及び/又は、更なる支持体部分を含み、前記各支持体部分(321,323,421,423,427)における前記材料の前記材料密度が、互いに異なるよう調整され、従って異なるよう調整された前記材料密度により、前記各支持体部分(321,323,421,423,427)における前記材料において、他の前記各支持体部分(321,323,421,423,427)と比べて異なる弾性及び/又は硬度が達成され、特に、前記各支持体部分(321,323,421,423,427)が、前記ポンプ室(111,213)周りで実質的に半径方向に層状に配置されていることを特徴とする、ステータ。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載のステータであって、前記支持体(321,323,421,423)、及び/又は、前記各支持体部分(321,323,421,423,427)が、内部構造(323,324,423,424)を有し、前記内部構造(323,324,423,424)が、細孔、空洞(324,424)、及び/又は、チャンバ、並びにウェブ、ラメラ(323,424)、及び/又は、材料ブリッジを有し、特に、前記細孔、前記空洞(324,424)、及び/又は、前記チャンバ、並びに前記ウェブ、前記ラメラ(323,423)、及び/又は、前記材料ブリッジの分布によって調整された巨視的な前記材料密度により、前記支持体(321,323,421,423)及び前記走行体における前記材料において、異なる弾性及び/又は異なる硬度が達成されていることを特徴とする、ステータ。
【請求項5】
請求項4に記載のステータであって、前記内部構造(323,324,423,424)が、圧力流体供給部又は複数の圧力流体供給部により、流体導通的にアクセス可能に構成され、前記圧力流体供給部を通して又は前記複数の圧力流体供給部を通して、前記内部構造(323,324,423,424)の前記細孔、前記空洞、及び/又は、前記チャンバへの圧力流体の導入により、前記走行体に作用する圧力誘導力が増加し、及び/又は、前記圧力流体供給部を通して又は前記複数の圧力流体供給部を通して、前記内部構造(323,324,423,424)の前記細孔、前記空洞(324,424)、及び/又は、前記チャンバからの圧力流体の導出により、前記走行体に作用する圧力誘導力が低下することを特徴とする、ステータ。
【請求項6】
請求項5に記載のステータであって、前記圧力流体供給部又は前記複数の圧力流体供給部に、前記圧力流体供給部を通して、前記圧力流体を導入及び/又は導出するための制御装置が割り当てられていることを特徴とする、ステータ。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載のステータであって、前記支持体(321,323,421,423)、及び/又は、特に、前記各支持体部分(321,323,421,423,427)、及び/又は、前記走行体(325,425)が、材料を形成する原型法により、特に、付加法及び/又は焼結法によって製造されていることを特徴とする、ステータ。
【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載のステータであって、前記共通の材料が、更なる材料を含み、特に、前記支持体(321,323,421,423)、前記各支持体部分(321,323,421,423,427)、及び/又は、前記走行体(325,425)における前記更なる材料の各割合により、前記異なる材料密度が付加的に変更されていることを特徴とする、ステータ。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載のステータであって、前記共通の材料が、プラスチック、特に、エラストマー、熱硬化性プラスチック、及び/又は、熱可塑性プラスチック、及び/又は、金属、特に、鋼、アルミニウム、及び/又は、チタンを含むことを特徴とする、ステータ。
【請求項10】
特に請求項1~9の何れか一項に記載のポンプ(101,201)用のステータ(105,106,205)を製造するための方法であって、前記ステータ(105,106,205)が、支持体(321,323,421,423)と、走行体(325,425)とを含む基体(321,323,325,421,423,425,427)を備え、前記基体(321,323,325,421,423,425,427)が、前記ポンプ(101,201)におけるロータのためのポンプ室(111,213)を包囲し、前記走行体(325,425)が、少なくとも部分的に前記ポンプ(101,201)の前記ロータと接触するための走行面を形成し、前記基体(321,323,325,421,423,425,427)が、互いに異なる材料密度を有し、前記方法が、
‐材料基材が製造室内に存在するよう、前記材料基材を前記製造室内に導入するステップと、
‐前記材料基材を、前記製造室内で処理する処理ステップであり、前記材料基材を、前記処理によって共通の材料に変換し、前記支持体(321,323,421,423)を製造するための第1製造領域における前記処理と、前記走行体(325,425)を製造するための第2製造室における前記処理とを互いに異ならせることにより、前記支持体(321,323,421,423)における前記材料の密度を、前記走行体(325,425)における前記材料の材料密度と互いに異なるよう調整する、前記処理ステップと、
を含み、
従って、前記ステータ(105,106,205)が、異なるよう調整した前記材料密度により、前記支持体(321,323,421,423)及び前記走行体(325,425)において、異なる弾性及び/又は異なる硬度が達成されるよう製造される、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記処理が、材料を形成する原型法、特に、付加法及び/又は焼結法を含み、前記処理を、特に、各製造パラメータの適合により、共通の製造プロセスで行うことを特徴とする、方法。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の方法によって製造される、特に請求項1~9の何れか一項に記載のポンプ(101,201)用のステータ(105,106,205)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ用、特に、回転ローブポンプ又は偏心スクリューポンプ用のステータに関し、本発明に係るステータは、基体を備え、この基体は、ポンプにおけるロータアセンブリのためのポンプ室を包囲し、支持体と、少なくとも部分的にポンプのロータアセンブリと接触するための走行面を形成する走行体とを含む。更に、本発明は、ポンプ用のステータを製造するための方法、並びにそのような方法によって製造されたポンプ用のステータに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば偏心スクリューポンプ用の既知のステータには、ポンプの運転中にステータ内で動作するロータに対して良好な弾性特性を保証するために、部分的にエラストマー、例えばエラストマーから形成されたコーティングが施されている。代替的に、金属などで設計された固体ステータが既知であり、このような固体ステータは、運転中に良好な摩耗特性を有するが、高い製造精度を必要とし、ポンプ能力が比較的低く、又は例えば完全にシールされない。
【0003】
このようなステータにおける弾性材料の断面及び/又は線膨張に関して、ステータ内における対応の剛性、弾性、及び/又は、硬度は、それぞれ同じであり、例えば、選択されたエラストマーの厚さ及び/又は特定の特性にのみ依存する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、従来技術を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、ポンプ用、特に、回転ローブポンプ又は偏心スクリューポンプ用のステータによって解決され、このステータは、基体を備え、基体は、ポンプにおけるロータアセンブリのためのポンプ室を包囲し、支持体と、少なくとも部分的にポンプのロータアセンブリと接触するための走行面を形成する走行体とを含み、支持体及び走行体は、共通の材料を有し、支持体における材料の材料密度及び走行体における材料の材料密度は、互いに異なるよう調整され、従って異なるよう調整された材料密度により、支持体及び走行体における材料において、異なる弾性及び/又は硬度が達成されている。
【0006】
ステータのこの設計では、共通の材料はステータ全体又はステータの大部分に使用することができ、それにもかかわらず走行体と支持体との間の構造的な区別を達成することにより、走行体及び支持体のそれぞれは、ポンプの運転時において重要な異なる特性を有する。
【0007】
これにより、走行体には、例えば、特定の耐摩耗性を目的とする特性を付与することができ、支持体には、例えば、機械的負荷に対して大きな弾性及び反発力をもたらす特性を付与することができる。
【0008】
以下、これに関連する用語について説明する。
【0009】
「ポンプ」とは、運動、特に機械部品相互の相対運動によって流体を搬送する技術装置である。特に、本発明の文脈におけるポンプは、いわゆる容積式ポンプである。このような容積式ポンプは、特に流体の局所的な変位によって流体を搬送し、例えば回転ローブポンプ又は偏心スクリューポンプとして設計されている。
【0010】
「ステータ」とは、ポンプにおける固定部分を指し、この部分に対して例えばロータが可動に配置されている。このようなステータは、ポンプ、例えば回転ローブポンプ内のロータと正確に適合するよう作用するか、又は例えば偏心スクリューポンプにおいて、ロータの回転運動或いは偏心回転運動中にロータ或いはロータアセンブリへのステータの弾性的な当接を保証するよう設計されている。ステータ及びロータは一緒に、ステータ及びロータの相互作用によってポンプ内の容積を動的に移動させることにより、「ポンプ」、即ち流体を移動させるための技術装置、例えば液体を圧送するための技術装置の役割を果たす。
【0011】
「基体」とは、ステータにおける機械的な全体を指し、この全体は、ステータの構造的な完全性と、対応する機能面を提供する。このようなステータの基体は、例えば、ステータがポンプ内に配置される場合、「ポンプ室」を完全に又は部分的に包囲する。ポンプ室は、ロータアセンブリ、例えばロータ又は複数のロータを収容するよう機能し、この場合のロータは、偏心スクリューポンプの偏心スクリューシャフトであってもよい。同様に、ロータ又は対応のロータアセンブリは、歯車ポンプの歯車、回転ローブポンプの回転ピストン、又は対応する設計のポンプにおける同等の技術装置を指すこともできる。この文脈における本発明の核心的思想は、2個の構成要素のうちの少なくとも1個、即ちステータ及び/又は1個又は複数の対応するロータを、共通の材料及び異なる材料密度で製造し、これにより異なる技術的な特性を得ることである。このことは、例えば、適切な製造法によって達成される。
【0012】
この文脈における「支持体」とは、例えば、実質的に力を機械的に支持し、例えば変形を吸収するよう機能する基体の支持構造又は基体の一部を指すのに対して、「走行体」とは、特に、ロータアセンブリに対して作用すると共に、ロータに対して「走行面」を提供するよう設計されている。この目的のために、特に重要なことは、走行体及び提供された走行面が例えば支持体よりも大きな硬度を有するか、又は例えばロータに対してより良好な摩耗特性を有するか或いは改善された或いは適合された滑り特性を有することである。
【0013】
この文脈における「共通の材料」とは、特に、ステータの支持体及び走行体の両方が形成される共通の基材又は共通の出発材料を指す。共通の材料としては、例えば、特定の群又は種類のエラストマーを選択することができ、特殊鋼などの特定の金属を選択することもできる。エラストマーとしては、例えば、TPE、即ち熱可塑性エラストマーを使用してもよい。このようなTPEは、エラストマーの弾性特性を有し、それにもかかわらず従来の例えば加硫エラストマーとは対照的に、熱の作用によって少なくとも部分的に軟化可能又は溶融可能である。このようなTPEは、リサイクル可能であることが多く、従って持続可能である。支持体及び/又は走行体は、共通の出発材料から形成され、製造プロセス後も同じ又は同等の化学的特性を有するが、巨視的又は微視的な材料密度が異なることに留意されたい。この異なる材料密度は、「共通の材料」から逸脱するような区別を意味するものではない。
【0014】
この文脈における基体の各部分体の「材料密度」とは、基準体積において、異なる比重及び/又は異なる材料割合を達成するための材料部分の配置を表し、従って材料密度は、例えばg/cm3での重量密度だけでなく、例えばvol.-%での構造密度の両方を表すことができる。この構造密度は、例えば、規定された体積内で材料及び欠陥箇所が不均一に分布することによっても達成することもできる。
【0015】
この文脈における「異なる調整」とは、支持体における材料の材料密度が、例えば、走行体における材料の材料密度よりも小さく又は大きく選択されること、即ち、例えば、走行体が支持体よりも多孔性が小さく及び/又はより大きな比重を有することを表す。
【0016】
「弾性」とは、このように製造された材料において、弾性変形を吸収し、例えば、大きな破断伸び及び/又は大きなエネルギー吸収能力を提供する特性を指し、この場合、材料は永続的に損傷されることはない。この文脈における「硬度」とは、局所的な変形に対する耐性、例えば、押圧及び/又は表面損傷による機械的摩耗に対する材料の耐性を指す。この場合、「硬い」材料は、「柔らかい」材料よりも耐摩耗性が大きい。エラストマーの場合、付加的又は代替的な評価基準として特に反発弾性が考慮され、この反発弾性は、材料が負荷された後に変形から元の形状に復元する材料の能力を表す。この特性は、ステータ内でロータが移動するときに特に重要である。なぜなら、ステータは、シール性を維持するために可能な限り素早くかつ完全に戻ることが必須だからである。
【0017】
走行体をロータに対して特に耐摩耗性を有するよう設計するために、走行体の材料密度は、支持体の材料密度よりも大きく、従って走行体は、支持体よりも小さな弾性及び/又は大きな硬度及び/又は適合された反発弾性を有する。
【0018】
一実施形態において、支持体は、第1支持体部分、第2支持体部分、第3支持体部分、及び/又は、更なる支持体部分を含み、各支持体部分における材料の材料密度は、互いに異なるよう調整され、従って異なるよう調整された材料密度により、例えば、各支持体部分における材料において、他の各支持体部分と比べて異なる弾性及び/又は硬度が達成され、特に、各支持体部分は、ポンプ室周りで実質的に半径方向に層状に配置されている。
【0019】
この設計により、例えば、支持体を機械的に徐々に変化させることができ、この場合、各支持体部分間の区切りは流動的であってもよく、従って例えば弾性スペクトル及び/又は硬度スペクトルは、特にポンプ本体に対して半径方向に達成可能である。ただし、対応する支持体部分は、支持体の層、部分、又は領域として選択することもできる。このような「支持体部分」とは、支持体の異なる部分、領域、又は部分領域であり、幾何学的に割り当てられている。
【0020】
この場合、適合された材料密度は、偏心スクリューポンプにおけるロータの長手方向軸線に沿って徐々に又は段階的に選択することもでき、これにより偏心スクリューポンプの設計原理に起因してポンプ室における内圧の増加に対抗することができる。この目的のために、例えば、ステータの硬度は、低圧が加わる偏心スクリューポンプにおける入口側では小さくなるよう選択され、偏心スクリューポンプの出口側方向で高められ、これにより搬送方向に沿って連続的に増加する圧力に対抗すると共に、ステータとロータとの間のシールを保証し続けることができる。
【0021】
この文脈における「ポンプ室周りで半径方向」とは、例えば、ロータのシャフト周り、即ち対応する回転軸線周りにおける配置のことを表す。この文脈で留意すべきは、「半径方向」は数学的に決して正確に解釈できるものではなく、例えば、ロータの形状又はその他の境界条件によって決定される技術的な偏差を含むことである。従って、回転ローブポンプの場合、ポンプ室周りの局所的な「半径方向」の配置は、各回転ピストンに関してポンプの対応する部分領域も指し得る。
【0022】
支持体及び/又は特に各支持体部分は、内部構造を有し、内部構造は、細孔、空洞、及び/又は、チャンバ、並びにウェブ、ラメラ、及び/又は、材料ブリッジを有し、特に、細孔、空洞、及び/又は、チャンバ、並びにウェブ、ラメラ、及び/又は、材料ブリッジの分布によって調整された巨視的な材料密度により、支持体及び走行体における材料において、異なる弾性、適合されたばね作用、及び/又は、異なる硬度、異なる反発弾性が達成されている。
【0023】
このような「内部構造」とは、例えば、材料内に意図的に導入された欠陥箇所の幾何学的に決定された又は幾何学的に決定されていない配置を指し、この場合、実質的に円形の欠陥箇所、例えば、細孔、幾何学的により大きな「空洞」、又はチャンバ、即ち意図的に幾何学的に決定された欠陥箇所を導入することができる。この場合、対応する材料領域、即ち、ウェブ、ラメラ、及び/又は、材料ブリッジは、その構成によって機械的な特性が決定される。この文脈における「巨視的な材料密度」とは、例えば、支持体全体及び/又は支持体部分全体にわたって見た材料密度のことを指し、この場合、局所的な材料密度は、例えば、ウェブ内の大きな材料密度及び0まで低下し得る空洞内の小さな材料密度によって必然的に異なる。
【0024】
このように、ステータには、局所的に例えばばね要素又は弾性支持要素を設けることができる。
【0025】
特にこの場合、内部構造は、圧力流体供給部又は複数の圧力流体供給部により、流体導通的にアクセス可能に構成することができ、圧力流体供給部を通して又は複数の圧力流体供給部を通して、内部構造の細孔、空洞、及び/又は、チャンバへの圧力流体の導入により、走行体に作用する圧力誘導力が増加し、及び/又は、圧力流体供給部を通して又は複数の圧力流体供給部を通して、内部構造の細孔、空洞、及び/又は、チャンバからの圧力流体の導出により、走行体に作用する圧力誘導力が低下する。
【0026】
これにより、例えば、ステータの硬度及び/又は可撓性は、内部構造内の圧力流体の圧力及び/又は体積を調整することにより、必要に応じて、選択的に又は部分的にも適合させることができる。特に、これにより、ステータにおける特性の適合を、搬送方向に沿っても圧力で行うことができるので、ポンプ内の圧力が搬送方向に沿って増加する場合に、ロータに対するステータの適合された反力を調整することもできる。
【0027】
この文脈における「圧力流体供給部」とは、例えば、特に逆止弁或いは制御可能な弁を含む弁、圧力接続部、又は開口であり、「加圧流体」と称される流体、例えば気体又は液体の供給を可能にする。これにより、内部構造に適切に調整された圧力で、ステータに適切な挙動をもたらすことができる。
【0028】
この目的のために、「導入」、即ち圧力を増加或いは維持するための圧力流体の供給、又は「導出」、即ち圧力を低下或いは維持するための圧力流体の放出が、例えばロータによってステータに対して選択的に加えられる変形に応じて行われる。
【0029】
特にこの場合、圧力流体供給部又は複数の圧力流体供給部に、圧力流体供給部を通して、圧力流体を導入及び/又は導出するための制御装置が割り当てられている。
【0030】
これにより、圧力及び圧力流体、従ってステータにおける適切な機械的挙動を、搬送方向に沿って例えば部分的に調整することもできる。
【0031】
この場合、「制御装置」とは、例えば、圧力センサに応じて圧力を制御又は調整するために、電子制御装置と、この電子制御装置によって制御される弁ブロックを指す。
【0032】
一実施形態において、支持体、及び/又は、特に、各支持体部分、及び/又は、走行体は、材料を形成する原型法により、特に、付加法(アディティブ・プロセス)及び/又は焼結法(焼結プロセス)によって製造されている。
【0033】
特にこの場合、材料を形成する原型法は、例えば、付加法の場合には基体における材料の局所的な製造密度が生成されることにより、及び/又は、焼結法の場合には基体における異なる粒状の出発材料が生成されることにより、ステータの製造において対応の材料密度の分布が直接的に生成可能である。
【0034】
「材料を形成する原型法」とは、基材、ベースマス、又は例えば粉末或いは顆粒から、特に物理的な作用により、材料がワークピースと一緒に形成されるプロセスを指す。この場合、上述した理由により、例えば、TPE顆粒を使用することができる。この場合、「付加法」とは、例えば、「3D印刷法」、即ち熱可塑性プラスチック塗布法、レーザー焼結法、又は同等のプロセスとして知られている。「焼結法」とは、通常は金属粉末をベースとして圧力及び高温の下で実施されるプロセスを指し、この場合、材料は、個々の粒子から局所的にプレスされると共に結合されるが、出発材料が完全に溶融されることはない。
【0035】
特にこの場合、共通の材料は、更なる材料を含み、特に、支持体、各支持体部分、及び/又は、走行体における更なる材料の各割合により、異なる材料密度が付加的に変更されている。
【0036】
「更なる材料」としては、例えば、充填材、研磨材、及び/又は、材料特性に局所的に影響を及ぼすための他の材料を使用することができる。従って、例えば、走行体の高密度を対応する耐摩耗性と組み合わせるために、走行体にはセラミック粉末を組み合わせることができる。同様に、滑り摩擦を低減するために、例えばグラファイト粒子又はTPFE粒子(後者の材料TPFEはテフロンとしても知られている)のような滑り粒子を導入することも可能である。
【0037】
一実施形態において、共通の材料は、プラスチック、特に、エラストマー、熱可塑性エラストマー、熱硬化性プラスチック、及び/又は、熱可塑性プラスチック、及び/又は、金属、特に、鋼、アルミニウム、及び/又は、チタンを含む。
【0038】
他の態様において、本発明の課題は、特に上述した実施形態の何れか一つに記載のポンプ用のステータを製造するための方法によって解決される。この場合、ステータは、支持体と、走行体とを含む基体を備え、基体は、ポンプにおけるロータのためのポンプ室を包囲し、走行体は、少なくとも部分的にポンプのロータと接触するための走行面を形成し、基体は、互いに異なる材料密度を有し、この方法は、
‐材料基材が製造室内に存在するよう、材料基材を製造室内に導入するステップと、
‐材料基材を、製造室内で処理するステップであり、材料基材を、処理によって共通の材料に変換し、支持体を製造するための第1製造領域における処理と、走行体を製造するための第2製造室における処理とを互いに異ならせることにより、支持体における材料の密度を、走行体における材料の材料密度と互いに異なるよう調整する、上記処理ステップと、
を含み、
従って、ステータが、異なるよう調整した材料密度により、支持体及び走行体において、異なる弾性及び/又は異なる硬度が達成されるよう製造される。
【0039】
この文脈において、製造室内への材料基材の「導入」とは、「材料基材」、即ち、例えば、3D印刷用の出発フィラメント及び/又は焼結法用の焼結粉末を製造室内に提供することを指し、この場合に製造室とは、例えば、3Dプリンタ、焼結型、又は同等のアセンブリを指す。
【0040】
この文脈における「処理」とは、3D印刷の場合、例えばフィラメントを加熱して塗布することにより、又は例えばレーザーで粉末或いは顆粒を照射することにより、基材に作用し、従って基材が共通の材料に例えば溶融によって変換されることを指す。同様に、焼結法の処理は、圧力及び/又は熱を加えることによって行われる。
【0041】
その結果、上述したように、ステータが製造され、この場合、特に支持体及び走行体は、異なる材料密度を有する。
【0042】
特に、処理は、材料を形成する原型法、特に、付加法及び/又は焼結法によって行われる。この場合、特に共通の製造プロセス、即ち基体全体の製造において、各製造パラメータは、異なる材料密度が生成されるよう適合される。例えば、局所的な圧力、レーザーの作用、温度、又は対応する材料領域の幾何学的配置を適合させることができる。
【0043】
更なる態様において、本発明の課題は、上述した方法によって製造されるポンプ用のステータによって解決される。
【0044】
この文脈において、本発明に係るステータの製造に加えて、例えば、ポンプにおけるロータ上の材料の異なる特性が、図示されたステータの各実施形態に類似するポンプの特別な設計のために好都合である場合、ポンプのロータも等価的に含まれることに留意されたい。
【0045】
更なる態様によれば、本発明の課題は、上述した実施形態の1つに係るステータ及び/又はロータを有するポンプ、特に、回転ローブポンプ及び/又は偏心スクリューポンプによって解決され、及び/又は、ステータ及び/又はロータは、上述した方法によって製造される。
【0046】
以下、本発明を実施形態に基づいて詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】回転ローブポンプを概略的に示す側断面図である。
図2】偏心スクリューポンプを概略的に示す側断面図である。
図3図1における回転ローブポンプのステータを示す概略断面図である。
図4図2における偏心スクリューポンプのステータを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
回転ローブポンプ101は、2個のハウジング部分103,104を有するハウジング102を備える。ハウジング部分103のステータ105及びハウジング部分104のステータ106によって内部空間111が区切られており、その内部空間111内では、回転ピストン121,123が各回転方向171,173に沿って回転可能に配置されている。回転ピストン121,123は、反対方向に配置されると共に、液体を搬送方向181に沿って圧送するよう楕円形ハウジング102内で機能する。対応の液体は、入口161に供給され、内部空間111内で回転ピストン121,123によって圧送され、出口163から放出される。
【0049】
ステータ105の内部構造は、ステータ106の構造と同じであり、一例として示されている。
【0050】
この場合、各回転ピストン121,123については、硬い表面によって良好な摩耗挙動が求められるのに対して、各ステータの基本構造は、弾性的に設計されることにより、各回転ピストンの密着が可能であり、これにより回転ローブポンプが良好なシール性を有し、従って高い効率を有するのが好適である。
【0051】
ステータ105は、ハウジング部分103に面する支持層321を備え、回転ピストン121方向には、支持構造323及び回転ピストン121に面する走行層325が続いている。図示のステータは、3D印刷法によって製造され、この方法により、支持層321は、中密度及び中弾性を有するよう製造された。支持構造323は、意図的に導入された自由空間324を有し、これにより変形に対して高い弾性及び高められた反発力を有するトラス状構造が得られている。これに対して、走行層325は、高密度及び耐摩耗性を高める添加剤を使用して形成され、従って回転ピストン121に面する走行側363は、耐摩耗性を有するよう設計され、ハウジング部分103に面するハウジング側361は、弾性変形可能である。ステータの構造は、回転ピストンの構造と類似させることができ、この場合、回転ピストンは、上述したステータに類似していることに留意されたい。従って、回転ピストンの表面も、ステータ105の構造と同様、即ち、3D印刷法によって製造された弾性構造として構成することができ、この場合、ステータは、例えば特殊鋼で構成されている。これにより、例えば、回転ピストンは軸線方向にも弾性表面を有することによって、軸線方向のシール性も改善することができる。
【0052】
偏心スクリューポンプ201は、第1ハウジング部分203及びポンプハウジング204を有する。ハウジング部分203の外側にはモータ231が配置され、このモータ231は、伝動装置233を介してシャフト235を駆動する。シャフト235は、偏心スクリュー237に形状密着的に接続されている。この場合、代替的に、継手によって接続をすることもできる。偏心スクリュー237は、ポンプハウジング204内において、弾性ステータ205内で回転方向271周りに回転できるよう配置されている。この場合、偏心スクリュー237及びステータ205は、全周にわたって蛇行状に構成され、従って偏心スクリュー237が回転すると、液体がハウジング部分203内の内部空間211からポンプハウジング204内のポンプ室213を通って搬送方向281に沿うよう圧送される。このように、液体は、ハウジング部分203の入口261から吸い込み、ポンプ室213に沿って出口263まで圧送することができる。
【0053】
ステータ205(詳細については図4参照)は、その体積にわたって異なる密度及び異なる構造で設計されているが、共通の材料で形成されている。この場合、ステータ205は、エラストマーで製造されている。
【0054】
ステータ205は、ハウジング側461において、ポンプハウジング204内に形状密着的に嵌め込むための突起427を備え、この場合、ハウジング側には、中密度を有する支持層221が形成されている。偏心スクリュー237方向には、支持構造423が支持構造323に類似するよう配置され、この場合も自由空間424が設けられている。従って、支持構造423も、トラス状に形成されている。走行側463において、偏心スクリュー237に面する層425は、高密度で設計され、従って高い耐摩耗性を有する。
【0055】
ステータ205は、3D印刷法によって製造され、この場合、対応の印刷パラメータを設定することにより、各層及び構造における異なる密度が得られている。支持構造423領域では、材料を省略することによってトラス状の構造が得られている。ステータ205は、支持構造423によって互いに区切られたチャンバ(図示せず)をその内部に備えることができ、この場合、例えば、多数のチャンバが偏心スクリューポンプ201の搬送方向281に沿って配置され、圧縮空気接続部(図示せず)により、互いに区切られた状態で圧縮空気を負荷可能であり、これによりチャンバの硬度を調整することができる。従って、例えば、ステータ205の弾性挙動を広い範囲内で自由に調整することができる。例えば、ステータの硬度を徐々に増加させ、これにより搬送方向281に沿って偏心スクリューポンプ201内の圧力の増加に対応するよう調整することもできる。
【符号の説明】
【0056】
101 回転ローブポンプ
102 ハウジング
103 ハウジング部分
104 ハウジング部分
105 ステータ
106 ステータ
111 内部空間
121 回転ピストン
123 回転ピストン
161 入口
163 出口
171 回転方向
173 回転方向
181 搬送方向
201 偏心スクリューポンプ
203 ハウジング部分
204 ポンプハウジング
205 ステータ
211 内部空間
213 ポンプ室
231 モータ
233 伝動装置
235 シャフト
237 偏心スクリュー
261 入口
263 出口
271 回転方向
281 搬送方向
321 支持層
323 支持構造
324 自由空間
325 走行層
361 ハウジング側
363 走行側
421 支持層
423 支持構造
424 自由空間
425 走行層
427 突起
461 ハウジング側
463 走行側
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-09-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ(101,201)用、特に、回転ローブポンプ(101)又は偏心スクリューポンプ(201)用のステータ(105,106,205)であって、基体(321,323,325,421,423,425,427)を備え、前記基体(321,323,325,421,423,425,427)が、前記ポンプ(101,201)におけるロータアセンブリ(121,123,273)のためのポンプ室(111,213)を包囲し、支持体(321,323,421,423)と、少なくとも部分的に前記ポンプ(101,201)の前記ロータアセンブリと接触するための走行面を形成する走行体(325,425)とを含むステータにおいて、
前記支持体(321,323,421,423)及び前記走行体(325,425)が、共通の材料を有し、前記支持体(321,323,421,423)における前記材料の材料密度及び前記走行体(325,425)における前記材料の材料密度が、互いに異なるよう調整され、従って異なるよう調整された前記材料密度により、前記支持体(321,323,421,423)及び前記走行体(325,425)における前記材料において、異なる弾性及び/又は硬度が達成されていることを特徴とする、ステータ。
【請求項2】
請求項1に記載のステータであって、前記走行体(325,425)の前記材料密度が、前記支持体(321,323,421,423)の前記材料密度と比べてより大きく、従って前記走行体(325,425)が、前記支持体(321,323,421,423)と比べて特により小さな弾性及び/又はより大きな硬度を有することを特徴とする、ステータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のステータであって、前記支持体(321,323,421,423)が、第1支持体部分(321,421)、第2支持体部分(323,423)、第3支持体部分(427)、及び/又は、更なる支持体部分を含み、前記各支持体部分(321,323,421,423,427)における前記材料の前記材料密度が、互いに異なるよう調整され、従って異なるよう調整された前記材料密度により、前記各支持体部分(321,323,421,423,427)における前記材料において、他の前記各支持体部分(321,323,421,423,427)と比べて異なる弾性及び/又は硬度が達成され、特に、前記各支持体部分(321,323,421,423,427)が、前記ポンプ室(111,213)周りで実質的に半径方向に層状に配置されていることを特徴とする、ステータ。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のステータであって、前記支持体(321,323,421,423)、及び/又は、前記各支持体部分(321,323,421,423,427)が、内部構造(323,324,423,424)を有し、前記内部構造(323,324,423,424)が、細孔、空洞(324,424)、及び/又は、チャンバ、並びにウェブ、ラメラ(323,424)、及び/又は、材料ブリッジを有し、特に、前記細孔、前記空洞(324,424)、及び/又は、前記チャンバ、並びに前記ウェブ、前記ラメラ(323,423)、及び/又は、前記材料ブリッジの分布によって調整された巨視的な前記材料密度により、前記支持体(321,323,421,423)及び前記走行体における前記材料において、異なる弾性及び/又は異なる硬度が達成されていることを特徴とする、ステータ。
【請求項5】
請求項4に記載のステータであって、前記内部構造(323,324,423,424)が、圧力流体供給部又は複数の圧力流体供給部により、流体導通的にアクセス可能に構成され、前記圧力流体供給部を通して又は前記複数の圧力流体供給部を通して、前記内部構造(323,324,423,424)の前記細孔、前記空洞、及び/又は、前記チャンバへの圧力流体の導入により、前記走行体に作用する圧力誘導力が増加し、及び/又は、前記圧力流体供給部を通して又は前記複数の圧力流体供給部を通して、前記内部構造(323,324,423,424)の前記細孔、前記空洞(324,424)、及び/又は、前記チャンバからの圧力流体の導出により、前記走行体に作用する圧力誘導力が低下することを特徴とする、ステータ。
【請求項6】
請求項5に記載のステータであって、前記圧力流体供給部又は前記複数の圧力流体供給部に、前記圧力流体供給部を通して、前記圧力流体を導入及び/又は導出するための制御装置が割り当てられていることを特徴とする、ステータ。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のステータであって、前記支持体(321,323,421,423)、及び/又は、特に、前記各支持体部分(321,323,421,423,427)、及び/又は、前記走行体(325,425)が、材料を形成する原型法により、特に、付加法及び/又は焼結法によって製造されていることを特徴とする、ステータ。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のステータであって、前記共通の材料が、更なる材料を含み、特に、前記支持体(321,323,421,423)、前記各支持体部分(321,323,421,423,427)、及び/又は、前記走行体(325,425)における前記更なる材料の各割合により、前記異なる材料密度が付加的に変更されていることを特徴とする、ステータ。
【請求項9】
請求項1又は2に記載のステータであって、前記共通の材料が、プラスチック、特に、エラストマー、熱硬化性プラスチック、及び/又は、熱可塑性プラスチック、及び/又は、金属、特に、鋼、アルミニウム、及び/又は、チタンを含むことを特徴とする、ステータ。
【請求項10】
特に請求項1又は2に記載のポンプ(101,201)用のステータ(105,106,205)を製造するための方法であって、前記ステータ(105,106,205)が、支持体(321,323,421,423)と、走行体(325,425)とを含む基体(321,323,325,421,423,425,427)を備え、前記基体(321,323,325,421,423,425,427)が、前記ポンプ(101,201)におけるロータのためのポンプ室(111,213)を包囲し、前記走行体(325,425)が、少なくとも部分的に前記ポンプ(101,201)の前記ロータと接触するための走行面を形成し、前記基体(321,323,325,421,423,425,427)が、互いに異なる材料密度を有し、前記方法が、
‐材料基材が製造室内に存在するよう、前記材料基材を前記製造室内に導入するステップと、
‐前記材料基材を、前記製造室内で処理する処理ステップであり、前記材料基材を、前記処理によって共通の材料に変換し、前記支持体(321,323,421,423)を製造するための第1製造領域における前記処理と、前記走行体(325,425)を製造するための第2製造室における前記処理とを互いに異ならせることにより、前記支持体(321,323,421,423)における前記材料の密度を、前記走行体(325,425)における前記材料の材料密度と互いに異なるよう調整する、前記処理ステップと、
を含み、
従って、前記ステータ(105,106,205)が、異なるよう調整した前記材料密度により、前記支持体(321,323,421,423)及び前記走行体(325,425)において、異なる弾性及び/又は異なる硬度が達成されるよう製造される、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記処理が、材料を形成する原型法、特に、付加法及び/又は焼結法を含み、前記処理を、特に、各製造パラメータの適合により、共通の製造プロセスで行うことを特徴とする、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法によって製造される、特に請求項1又は2記載のポンプ(101,201)用のステータ(105,106,205)。
【外国語明細書】