(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025054181
(43)【公開日】2025-04-07
(54)【発明の名称】積層型電子部品及び積層型電子部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20250328BHJP
【FI】
H01G4/30 201C
H01G4/30 311D
H01G4/30 513
H01G4/30 517
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024113106
(22)【出願日】2024-07-16
(31)【優先権主張番号】10-2023-0128213
(32)【優先日】2023-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0166963
(32)【優先日】2023-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホワン、ジュン ウン
(72)【発明者】
【氏名】リー、チェ ドン
(72)【発明者】
【氏名】パク、スン キョウン
(72)【発明者】
【氏名】オ、ジ へ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジャエ ヒー
(72)【発明者】
【氏名】パク、サン ヒュン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC07
5E082AA01
5E082AB03
5E082EE04
5E082EE23
5E082EE35
5E082FF05
5E082FG04
5E082FG26
5E082FG46
5E082GG10
5E082GG28
5E082LL02
5E082PP09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】内部電極の端部に電場が集中する現象が緩和された積層型電子部品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、複数の誘電体層、第1内部電極、第2内部電極122及びマージンパターン123、124を含み、第1内部電極及び第2内部電極が、誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置され、マージンパターンが、1方向に沿って第1内部電極及び第2内部電極とは異なる位置に配置され、第1方向に第1内部電極又は第2内部電極と重ならないように配置される本体と、本体上に配置される第1外部電極及び第2外部電極132と、を含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の誘電体層、第1内部電極、第2内部電極及びマージンパターンを含む本体と、
前記本体上に配置される外部電極と、を含み、
前記第1及び第2内部電極は、前記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置され、
前記マージンパターンは、前記第1方向に沿って第1及び第2内部電極とは異なる位置に配置され、前記第1方向に前記第1内部電極又は第2内部電極と重ならないように配置される、積層型電子部品。
【請求項2】
複数の前記マージンパターンは、前記第1方向に前記第1内部電極と重ならないように配置される第1マージンパターン、及び前記第1方向に前記第2内部電極と重ならないように配置される第2マージンパターンを含み、
前記第1マージンパターンと前記第2マージンパターンとは前記第1方向に交互に配置される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記本体は、前記第1方向に対向する第1及び第2面、前記第1及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3及び第4面、前記第1~第4面と連結され、第3方向に対向する第5及び第6面を含む、請求項2に記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記第1内部電極は、前記第3面と連結され、前記第4、第5及び第6面と離隔して配置され、
前記第2内部電極は、前記第4面と連結され、前記第3、第5及び第6面と離隔して配置され、
前記第1及び第2マージンパターンは、前記第3~第6面と離隔して配置される、請求項3に記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記第1方向から見たとき、前記第1内部電極と第1マージンパターンが離隔した距離は30μm以下であり、前記第2内部電極と第2マージンパターンが離隔した距離は30μm以下である、請求項4に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記第1方向から見たとき、前記第1内部電極と第1マージンパターンが離隔した距離は0.5μm以上30μm以下であり、前記第2内部電極と第2マージンパターンが離隔した距離は0.5μm以上30μm以下である、請求項4に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
前記第1及び第2マージンパターンは、前記第3~第6面と15μm以上離隔して配置される、請求項3に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
前記マージンパターンの第1方向の位置は、前記第1内部電極の第1方向の位置と前記第2内部電極の第1方向の位置との間である、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項9】
前記第1内部電極が前記第5面と離隔した領域を第1-1幅マージン、前記第1内部電極が前記第4面と離隔した領域を第1長さマージン、前記第1-1幅マージンの第3方向のサイズをWM1、前記第1-1幅マージンと重なるマージンパターンの第3方向のサイズをWMP1、前記第1長さマージンの第2方向のサイズをLM1、前記第1長さマージンと重なるマージンパターンの第2方向のサイズをLMP1とするとき、
WMP1/WM1及びLMP1/LM1は0.33以上0.54以下を満たす、請求項4に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
前記WMP1/WM1は0.37以上0.54以下、前記LMP1/LM1は0.33以上0.51以下を満たす、請求項9に記載の積層型電子部品。
【請求項11】
前記第1方向から見たとき、前記第1マージンパターンは前記第1内部電極を囲む形態であり、前記第2マージンパターンは前記第2内部電極を囲む形態である、請求項4に記載の積層型電子部品。
【請求項12】
前記第1内部電極が前記第5面と離隔した領域を第1-1幅マージン、前記第6面と離隔した領域を第1-2幅マージン、前記第1内部電極が前記第4面と離隔した領域を第1長さマージンとするとき、
前記第1マージンパターンは、前記第1-1及び第1-2幅マージンのうちいずれか一つ及び第1長さマージンと前記第1方向に重なるように配置される、請求項4に記載の積層型電子部品。
【請求項13】
前記第1内部電極が前記第5及び第6面と離隔した領域を第1幅マージン、前記第1内部電極が第4面と離隔した領域を第1長さマージン、前記第2内部電極が前記第5及び第6面と離隔した領域を第2幅マージン、前記第2内部電極が第3面と離隔した領域を第2長さマージンとするとき、
前記第1及び第2マージンパターンは、前記第1及び第2幅マージンと重なるように配置され、前記第1及び第2長さマージンとは重ならないように配置される、請求項4に記載の積層型電子部品。
【請求項14】
前記マージンパターンは、複数個の離隔したパターンで構成される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項15】
前記第1内部電極は、前記第3面と連結され、前記第4、第5及び第6面と離隔して配置される第1内部パターン、及び前記第1内部パターンと離隔して前記第4面と連結され、前記第3、第5及び第6面と離隔して配置される第1ダミーパターンを含み、
前記第2内部電極は、前記第4面と連結され、前記第3、第5及び第6面と離隔して配置される第2内部パターン、及び前記第2内部パターンと離隔して前記第3面と連結される第2ダミーパターンを含む、請求項3に記載の積層型電子部品。
【請求項16】
前記第1マージンパターンは、前記第1内部電極が第5及び第6面と離隔した領域及び前記第1内部パターンと前記第1ダミーパターンが離隔した空間と重なるように配置され、
前記第2マージンパターンは、前記第2内部電極が第5及び第6面と離隔した領域及び前記第2内部パターンと前記第2ダミーパターンが離隔した空間と重なるように配置される、請求項15に記載の積層型電子部品。
【請求項17】
前記第1内部電極は、前記第3面と連結され、前記第4、第5及び第6面と離隔して配置される第1-1内部パターン、及び前記第1-1内部パターンと離隔して前記第4面と連結され、前記第3、第5及び第6面と離隔して配置される第1-2内部パターンを含み、
前記第2内部電極は、前記第3~第6面と離隔して配置されるフローティングパターンを含む、請求項3に記載の積層型電子部品。
【請求項18】
前記第1マージンパターンは、前記第1内部電極が第5及び第6面と離隔した領域及び前記第1-1内部パターンと第1-2内部パターンが離隔した空間と重なるように配置され、
前記第2マージンパターンは、前記第2内部電極が前記第3~第5面と離隔した空間と重なるように配置される、請求項17に記載の積層型電子部品。
【請求項19】
第1セラミックシート上に第1パターンが配置された第1シートと、第2セラミックシート上に第2パターンが配置された第2シートとを第1方向に交互に積層し、且つ第3セラミックシート上に第3パターンが配置された第3シートを前記第1シートと第2シートとの間に配置し、前記第3パターンが前記第1パターン又は第2パターンと重ならないように積層して積層体を得る積層段階と、
前記積層体を焼結して本体を得る焼結段階と、
前記本体上に外部電極を形成する段階と、を含む、積層型電子部品の製造方法。
【請求項20】
前記第3シートは、第3-1セラミックシート上に第3-1パターンが配置された第3-1シートと、第3-2セラミックシート上に第3-2パターンが配置された第3-2シートとを含み、
前記積層段階は、前記第3-1セラミックシートと第3-2セラミックシートとが第1方向に交互に配置されるように積層する、請求項19に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項21】
前記第3-1パターンは、前記第1方向に前記第1パターンと重ならないように配置され、前記第3-2パターンは、前記第1方向に前記第2パターンと重ならないように配置される、請求項20に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項22】
前記第1方向から見たとき、前記第1パターンと前記第3-1パターンが離隔した距離は30μm以下であり、前記第2パターンと前記第3-2パターンが離隔した距離は30μm以下である、請求項21に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項23】
前記第1方向から見たとき、前記第1パターンと前記第3-1パターンが離隔した距離は0.5μm以上30μm以下であり、前記第2パターンと前記第3-2パターンが離隔した距離は0.5μm以上30μm以下である、請求項21に記載の積層型電子部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品及び積層型電子部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の一つである積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multilayer Ceramic Capacitor)は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン、及び携帯電話、電気自動車のオンボードチャージャー(OBC;On Board Charge)DC-DCコンバータ等の回路など、様々な電子製品の印刷回路基板に装着され、電気を充電又は放電させる役割を果たすチップ型のコンデンサである。
【0003】
積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され、実装が容易であるという利点により、様々な電子装置の部品として使用されることができ、コンピュータ、モバイル機器など、各種の電子機器が小型化、高出力化するにつれて積層セラミックキャパシタに対する小型化及び高容量化への要求が増大している。
【0004】
このような積層セラミックキャパシタの小型化及び高容量化の傾向に伴い、積層セラミックキャパシタの単位体積当たりの容量を増加させることに対する重要性が高まっている。積層セラミックキャパシタの小型化及び高容量化を達成するための方案として、内部電極の厚さを薄くして積層数を増加させる試みがあった。
【0005】
また、自動車用電装部品などへの適用が増加するにつれて、様々な環境における高信頼性が求められている。高信頼性を確保するためには、内部電極の連結性及び厚さの均一性を向上させ、電界の集中を分散させることが重要である。なお、様々な環境で高信頼性を確保するために高温負荷寿命に優れることが求められている。
【0006】
しかし、内部電極の厚さを薄く形成して積層数を向上させる場合、積層セラミックキャパシタの容量形成部とマージン部との段差により内部電極が曲がったり凝集するため、内部電極の連結性が低下するという問題が発生する可能性がある。また、内部電極の厚さを薄く形成して積層数を向上させる場合、内部電極が離隔した距離を減少させることがあり、積層セラミックキャパシタの絶縁破壊電圧(BDV、Break Down Voltage)を減少させる原因となり得る。
【0007】
しかも、内部電極の端部に電場が集中する現象は、内部電極又は誘電体層が薄層化するほど激しくなる可能性があり、高い電圧が印加される場合はさらに激しくなる可能性がある。このような内部電極の端部に電場が集中する現象は、積層セラミックキャパシタの絶縁破壊電圧(BDV、Break Down Voltage)を減少させるさらに別の原因となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の解決しようとする課題の一つは、内部電極の端部に電場が集中する現象が緩和された積層型電子部品を提供することである。
【0009】
本発明の解決しようとする課題の一つは、容量形成部とマージン部との段差が緩和された積層型電子部品を提供することである。
【0010】
本発明の解決しようとする課題の一つは、静電容量が向上した積層型電子部品を提供することである。
【0011】
本発明の解決しようとする課題の一つは、高温負荷寿命に優れた積層型電子部品を提供することである。
【0012】
但し、本発明の解決しようとする課題は上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、複数の誘電体層、第1内部電極、第2内部電極、及びマージンパターンを含み、上記第1及び第2内部電極は、上記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置され、上記マージンパターンは、上記第1方向に沿って第1及び第2内部電極とは異なる位置に配置され、上記第1方向に上記第1内部電極又は第2内部電極と重ならないように配置される本体と、上記本体上に配置される外部電極と、を含むことができる。
【0014】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法は、第1セラミックシート上に第1パターンが配置された第1シートと、第2セラミックシート上に第2パターンが配置された第2シートとを第1方向に交互に積層し、且つ第3セラミックシート上に第3パターンが配置された第3シートを上記第1シートと第2シートとの間に配置し、上記第3パターンが上記第1パターン又は第2パターンと重ならないように積層して積層体を得る積層段階と、上記積層体を焼結して本体を得る焼結段階と、上記本体上に外部電極を形成する段階と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の様々な効果のうち一効果として、マージンパターンの位置と形状を調節することで、内部電極の端部に電場が集中する現象を緩和することができる。
【0016】
本発明の様々な効果のうち一効果として、マージンパターンの位置と形状を調節することで、容量形成部とマージン部との段差が緩和された積層型電子部品を提供することができる。
【0017】
本発明の様々な効果のうち一効果として、積層型電子部品の静電容量を向上させることができる。
【0018】
本発明の様々な効果のうち一効果として、積層型電子部品の高温負荷寿命を向上させることができる。
【0019】
但し、本発明の多様かつ有益な利点と効果は上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の斜視図を概略的に示す。
【
図2a】一実施形態に係る積層型電子部品の内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図2b】一実施形態に係る積層型電子部品の内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図2c】一実施形態に係る積層型電子部品の内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図2d】一実施形態に係る積層型電子部品の内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図3】
図1のI-I'線に沿った断面図を概略的に示す。
【
図4】
図1のII-II'線に沿った断面図を概略的に示す。
【
図5】
図1のIII-III'線に沿った断面図を概略的に示す。
【
図6】
図1のIV-IV'線に沿った断面図を概略的に示す。
【
図7】一実施形態に係るセラミックシート上に内部電極が配置された状態を概略的に示す平面図である。
【
図8】一実施形態に係るセラミックシート上にマージンパターンが配置された状態を概略的に示す平面図である。
【
図9a】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図9b】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図9c】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図9d】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図10a】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図10b】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図10c】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図10d】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図11a】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図11b】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図11c】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図11d】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図12a】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図12b】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図12c】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図12d】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図13a】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図13b】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図13c】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図13d】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図14a】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図14b】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図14c】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図14d】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図15a】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図15b】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図15c】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図15d】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図16a】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図16b】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図16c】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図16d】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図17a】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図17b】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図17c】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図17d】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図18a】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図18b】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図18c】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【
図18d】一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して本発明の実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさ等は、より明確な説明のために誇張することができ、図面上の同じ符号で示される要素は同じ要素である。
【0022】
そして、図面において本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、図面に示した各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜上、任意に示しているため、本発明は必ずしも図示したものに限定されない。なお、同一思想の範囲内の機能が同一である構成要素に対しては、同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」と言うとき、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0023】
図面において、第1方向は積層方向又は厚さT方向、第2方向は長さL方向、第3方向は幅W方向と定義することができる。
【0024】
積層型電子部品
図1は、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の斜視図を概略的に示すものであり、
図2a、
図2b、
図2c及び
図2dは、一実施形態に係る積層型電子部品の内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図であり、
図3は、
図1のI-I'線に沿った断面図を概略的に示すものであり、
図4は、
図1のII-II'線に沿った断面図を概略的に示すものであり、
図5は、
図1のIII-III'線に沿った断面図を概略的に示すものであり、
図6は、
図1のIV-IV'線に沿った断面図を概略的に示すものである。
【0025】
以下、
図1~
図6を参照して、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100について詳細に説明する。また、積層型電子部品の一例として積層セラミックキャパシタ(Multi-layered Ceramic Capacitor、以下「MLCC」という)について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、セラミック材料を使用する多様な積層型電子部品、例えば、インダクタ、圧電体素子、バリスタ、又はサーミスタなどにも適用することができる。
【0026】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100は、複数の誘電体層111、第1内部電極121、第2内部電極122及びマージンパターン123、124を含み、上記第1及び第2内部電極は上記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置され、上記マージンパターンは上記第1方向に沿って第1及び第2内部電極121、122とは異なる位置に配置され、上記第1方向に上記第1内部電極又は第2内部電極と重ならないように配置される本体110及び上記本体上に配置される外部電極131、132を含むことができる。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、複数の誘電体層111、第1内部電極121、第2内部電極122、及びマージンパターン123、124を含み、上記第1及び第2内部電極は上記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置され、上記マージンパターンは上記第1方向に沿って第1及び第2内部電極121、122とは異なる位置に配置され、上記第1方向に上記第1内部電極又は第2内部電極と重ならないように配置されることで、内部電極の端部に電場が集中する現象を緩和するとともに、容量形成部とマージン部との段差を緩和することができ、積層型電子部品の静電容量及び高温負荷寿命を向上させることができる。
【0028】
以下、積層型電子部品100の各構成について詳細に説明する。
【0029】
本体110は、複数の誘電体層111、第1内部電極121、第2内部電極122、及びマージンパターン123、124を含むことができる。
【0030】
本体110の具体的な形状に特に制限はないが、図示のように本体110は六面体形状又はこれと類似の形状からなることができる。焼成過程において本体110に含まれたセラミック粉末の収縮により、本体110は完全な直線を有する六面体形状ではないが、実質的に六面体形状を有することができる。
【0031】
本体110は、第1方向に対向する第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面1、2と連結され、第2方向に対向する第3及び第4面3、4、第1及び第2面1、2と連結され、第3及び第4面3、4と連結され、第3方向に対向する第5及び第6面5、6を有することができる。
【0032】
誘電体層111上に内部電極121、122が配置されていないマージン領域が重なることで、内部電極121、122の厚さによる段差が発生し、第1面と第3~第5面を連結するコーナー及び/又は第2面と第3~第5面を連結するコーナーは、第1面又は第2面を基準として見たとき、本体110の第1方向の中央側に収縮した形状を有することができる。あるいは、本体の焼結過程における収縮挙動により、第1面1と第3~第6面3、4、5、6を連結するコーナー及び/又は第2面2と第3~第6面3、4、5、6を連結するコーナーは、第1面又は第2面を基準として見たとき、本体110の第1方向の中央側に収縮した形態を有することができる。あるいは、チッピング不良などを防止するために、本体110の各面を連結する角を別途の工程を行ってラウンド処理することにより、第1面と第3~第6面を連結するコーナー及び/又は第2面と第3~第6面を連結するコーナーは丸みを帯びた形態を有することができる。
【0033】
一方、内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後に内部電極が本体の第5及び第6面5、6に露出するように切断した後、単一の誘電体層又は2つ以上の誘電体層を容量形成部Acの両側面に第3方向(幅方向)に積層してマージン部114、115を形成する場合には、第1面と第5及び第6面を連結する部分、及び第2面と第5及び第6面を連結する部分が収縮した形態を有さなくてもよい。
【0034】
本体110を形成する複数の誘電体層111は焼成された状態であって、隣接する誘電体層111間の境界は走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。誘電体層の積層数は特に制限する必要はなく、積層型電子部品のサイズを考慮して決定することができる。例えば、誘電体層を400層以上積層して本体を形成することができる。
【0035】
誘電体層111は、セラミック粉末、有機溶剤及びバインダーを含むセラミックスラリーを製造し、上記スラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥してセラミックグリーンシートを設けた後、上記セラミックグリーンシートを焼成することにより形成することができる。セラミック粉末は十分な静電容量が得られる限り特に限定されないが、例えば、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(BaTiO3)系粉末を用いることができる。より具体的な例として、セラミック粉末は、BaTiO3、(Ba1-xCax)TiO3(0<x<1)、Ba(Ti1-yCay)O3(0<y<1)、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3(0<x<1、0<y<1)及びBa(Ti1-yZry)O3(0<y<1)のうち一つ以上であってもよい。
【0036】
本発明によれば、複数の誘電体層111の厚さが薄い場合にも高温負荷寿命が低下することを防止でき、誘電体層の厚さが厚い場合には、高温負荷寿命をより向上させることができるため、誘電体層111の平均厚さtdは特に限定する必要はなく、誘電体層111の平均厚さtdは、所望の特性や用途に応じて任意に設定することができる。具体的な例として、誘電体層111の平均厚さは、300nm以上10μm以下であってもよい。また、複数の誘電体層111のうち少なくとも一つ以上の平均厚さは300nm以上10μm以下であってもよい。
【0037】
ここで、誘電体層111の平均厚さは、内部電極121、122の間に配置される誘電体層111の第1方向の平均サイズを意味することができる。誘電体層111の平均厚さは、本体110の第1方向及び第2方向の断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM)でスキャンして測定することができる。より具体的に、一つの誘電体層111の多数の地点、例えば、第2方向に等間隔である30個の地点でその厚さを測定して平均値を測定することができる。上記等間隔である30個の地点は、後述する容量形成部Acで指定することができる。また、このような平均値の測定を10個の誘電体層111に拡張して平均値を測定すれば、誘電体層111の平均厚さをさらに一般化することができる。
【0038】
内部電極121、122は、誘電体層111と第1方向に交互に配置されることができる。
【0039】
内部電極121、122は、第1及び第2内部電極121、122を含むことができる。第1及び第2内部電極121、122は、本体110を構成する誘電体層111を挟んで互いに対向するように交互に配置され、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ連結されることができる。具体的に、第1内部電極121の一端は第3面に連結され、第2内部電極122の一端は第4面に連結されることができる。すなわち、一実施形態において、内部電極121、122は、第3面3又は第4面4と接することができる。
【0040】
図2a~
図2dに示すように、第1内部電極121は第4面4と離隔して第3面3を介して露出し、第2内部電極122は第3面3と離隔して第4面4を介して露出することができる。本体の第3面3には第1外部電極130が配置されて第1内部電極121と連結され、本体の第4面4には第2外部電極140が配置されて第2内部電極122と連結されることができる。
【0041】
すなわち、第1内部電極121は第2外部電極132とは連結されず、第1外部電極131と連結され、第2内部電極122は第1外部電極131とは連結されず、第2外部電極132と連結される。したがって、第1内部電極121は第4面4において一定距離離隔して形成され、第2内部電極122は第3面3において一定距離離隔して形成されることができる。このとき、第1及び第2内部電極121、122は、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に分離することができる。
【0042】
内部電極121、122を形成する材料は特に限定されず、電気伝導性に優れた材料を用いることができる。例えば、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、錫(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち一つ以上を含むことができる。
【0043】
また、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、錫(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち一つ以上を含む内部電極用導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷して形成することができる。上記内部電極用導電性ペーストの印刷方法としては、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法などを用いることができ、本発明はこれに限定されるものではない。
【0044】
内部電極121、122の平均厚さは特に限定されず、所望の特性や用途に応じて任意に設定することができる。具体的な例として、内部電極121、122の平均厚さは、300nm以上10μm以下であってもよい。また、複数の内部電極121、122のうち少なくとも一つ以上の平均厚さは300nm以上10μm以下であってもよい。
【0045】
内部電極121、122の平均厚さは、上記本体110の幅方向の中央部で切断した長さ及び厚さ方向(L-T)の断面を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でスキャンしたイメージから抽出された内部電極層のうち、本体の長さ方向の中央線と厚さ方向の中央線とが出会う地点の内部電極層1層を基準として、上部2層と下部2層の合計5層の内部電極層について、上記本体の長さ方向の中央線と厚さ方向の中央線とが出会う地点を基準とし、上記基準点1個を中心に左側に2個及び右側に2個の5個の地点を等間隔に定めた後、各地点の厚さを測定して平均値を測定することができる。
【0046】
図3~
図6を参照すると、本体110は本体110の内部に配置され、誘電体層111を挟んで互いに対向するように配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含んで容量が形成される容量形成部Acと、上記容量形成部Acの第1方向の上部及び下部に形成されたカバー部112、113とを含むことができる。
【0047】
また、上記容量形成部Acは、キャパシタの容量形成に寄与する部分であって、誘電体層111を挟んで複数の第1及び第2内部電極121、122を繰り返し積層して形成することができる。
【0048】
図3~
図6を参照すると、カバー部112、113は、上記容量形成部Acの第1方向の上部に配置される上部カバー部112及び上記容量形成部Acの第1方向の下部に配置される下部カバー部113を含むことができる。
【0049】
上記上部カバー部112及び下部カバー部113は、単一の誘電体層又は2つ以上の誘電体層を容量形成部Acの上下面にそれぞれ厚さ方向に積層して形成することができ、基本的に物理的又は化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0050】
上記上部カバー部112及び下部カバー部113は内部電極を含まず、誘電体層111と同じ材料を含むことができる。
【0051】
すなわち、上記上部カバー部112及び下部カバー部113はセラミック材料を含むことができ、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)系セラミック材料を含むことができる。
【0052】
一方、カバー部112、113の厚さは特に限定する必要はない。例えば、カバー部112、113の厚さは10~300μmであってもよい。但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、カバー部112、113の厚さは15μm以下であってもよい。
【0053】
カバー部112、113の平均厚さは第1方向のサイズを意味することができ、容量形成部Acの上部又は下部において等間隔の5個の地点で測定したカバー部112、113の第1方向のサイズを平均した値であることができる。
【0054】
図4~
図6を参照すると、上記容量形成部Acの側面にはマージン部114、115が配置されることができる。
【0055】
マージン部114、115は、本体110の第5面5に配置された第1マージン部114と、第6面6に配置された第2マージン部115とを含むことができる。すなわち、マージン部114、115は、上記セラミック本体110の幅方向の両端面(end surfaces)に配置されることができる。
【0056】
マージン部114、115は、
図5に示すように、上記本体110を幅-厚さ(W-T)方向に切断した断面(cross-section)において第1及び第2内部電極121、122の両端と本体110の境界面との間の領域を意味することができる。
【0057】
マージン部114、115は、基本的に物理的又は化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0058】
マージン部114、115は、セラミックグリーンシート上にマージン部が形成される箇所を除き、導電性ペーストを塗布して内部電極を形成することにより形成されたものであってもよい。
【0059】
また、内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後の内部電極が本体の第5及び第6面5、6に露出するように切断した後、単一の誘電体層又は2つ以上の誘電体層を容量形成部Acの両側面に第3方向(幅方向)に積層してマージン部114、115を形成することもできる。
【0060】
一方、マージン部114、115の幅は特に限定する必要はない。例えば、マージン部114、115の幅は5~300μmであってもよい。但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、マージン部114、115の平均幅は15μm以下であってもよい。
【0061】
マージン部114、115の平均幅は、内部電極が第5面と離隔した領域の第3方向の平均サイズ、及び内部電極が第6面と離隔した領域の第3方向の平均サイズを意味することができる。容量形成部Acの側面において等間隔の5個の地点で測定したマージン部114、115の第3方向のサイズを平均した値であることができる。
【0062】
したがって、一実施形態において、内部電極121、122が第5及び第6面と離隔した領域の第3方向の平均サイズはそれぞれ15μm以下であることができる。
【0063】
外部電極131、132は、本体110の第3面3及び第4面4に配置されることができる。
【0064】
外部電極131、132は、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ配置され、第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ連結された第1及び第2外部電極131、132を含むことができる。
【0065】
本実施形態では、積層型電子部品100が2つの外部電極131、132を有する構造について説明しているが、外部電極131、132の個数や形状などは内部電極121、122の形態やその他の目的に応じて変更することができる。
【0066】
一方、外部電極131、132は、金属などのように、電気伝導性を有するものであれば、如何なる物質を用いて形成されてもよく、電気的特性、構造的安定性などを考慮して具体的な物質が決定されてもよく、さらに多層構造を有してもよい。
【0067】
例えば、外部電極131、132は、本体110に配置される電極層及び電極層上に形成されためっき層を含むことができる。
【0068】
電極層に対するより具体的な例として、電極層は、導電性金属及びガラスを含む焼成(firing)電極であってもよく、導電性金属及び樹脂を含む樹脂系電極であってもよい。
【0069】
また、電極層は、本体上に焼成電極及び樹脂系電極が順次形成された形態であってもよい。また、電極層は、本体上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されるか、又は焼成電極上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されたものであってもよい。また、電極層はめっき層で形成されるか、又はスパッタリング法、ALD(Atomic layer deposition)などの蒸着方式を用いて形成された層であってもよい。
【0070】
電極層に含まれる導電性金属としては、電気伝導性に優れた材料を用いることができるが、特に限定されない。例えば、導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)及びそれらの合金のうち一つ以上であってもよい。
【0071】
めっき層は実装特性を向上させる役割を果たす。めっき層の種類は特に限定されず、Ni、Sn、Pd及びこれらの合金のうち一つ以上を含むめっき層であってもよく、複数の層から形成されてもよい。
【0072】
めっき層に対するより具体的な例として、めっき層は、Niめっき層又はSnめっき層であってもよく、電極層上にNiめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であってもよく、Snめっき層、Niめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であってもよい。また、めっき層は、複数のNiめっき層及び/又は複数のSnめっき層を含んでもよい。また、めっき層は、電極層上にNiめっき層及びPdめっき層が順次形成された形態であってもよい。
【0073】
積層型電子部品100のサイズは特に限定する必要はない。本発明によれば、小型化及び高容量化に有利であるため、サイズの小さいIT用製品のサイズにも適用することができ、様々な環境で高信頼性を確保することができるため、高信頼性が要求される自動車電装用製品のサイズにも適用することができる。
【0074】
本発明の一実施形態によれば、本体110はマージンパターン123、124を含むことができる。
【0075】
マージンパターン123、124は、内部電極121、122が配置されていない誘電体層111に配置され、容量形成部とマージン部との段差を緩和する役割を果たすことができる。
【0076】
具体的に、
図2a~
図2d及び
図3~
図6を参照すると、マージンパターン123、124は、第1方向に沿って第1内部電極121及び第2内部電極122とは異なる位置に配置され、第1方向に第1内部電極121又は第2内部電極122と重ならないように配置されることができる。マージンパターン123、124が第1方向に沿って第1内部電極121及び第2内部電極122と異なる位置に配置されるとは、マージンパターンの第1方向の位置が第1及び第2内部電極121、122の第1方向の位置と異なることを意味する。マージンパターン123、124の第1方向の位置は、第1内部電極121の第1方向の位置と第2内部電極122の第1方向の位置との間であり得る。
【0077】
これにより、第1内部電極121が形成されていない領域に第1マージンパターン123を配置し、第2内部電極122が形成されていない領域に第2マージンパターン124を配置することで、内部電極の積層度の差による段差を効果的に緩和することができるため、内部電極121、122及び誘電体層111の変形により静電容量が低下する現象を緩和することができる。
【0078】
また、マージンパターン123、124は、第1方向に沿って第1及び第2内部電極121、122とは異なる位置に配置されるため、第1及び第2内部電極121、122の端部に電場が集中する現象を緩和することができるため、高電圧下で絶縁破壊が発生する現象を緩和することができる。
【0079】
したがって、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、上記マージンパターン123、124が上記第1方向に沿って第1及び第2内部電極121、122とは異なる位置に配置され、上記第1方向に上記第1内部電極又は第2内部電極と重ならないように配置されることで、静電容量及び高温負荷寿命が向上できる。
【0080】
一方、マージンパターン123、124は、段差を補償する効果を向上させるために、誘電体層111に拡散しにくい金属成分を含むことが好ましく、内部電極121、122の端部に電場が集中する現象を抑制するために、導電性金属を含むことが好ましい。具体的に、マージンパターン123、124は、内部電極121、122のように導電性金属を含むことができる。
【0081】
但し、マージンパターン123、124に含まれる導電性金属が、必ずしも内部電極121、122に含まれた導電性金属と同一である必要はないが、マージンパターン123、124に含まれる導電性金属が内部電極121、122に含まれる導電性金属と同一である場合、本発明による段差緩和の効果はさらに向上できる。
【0082】
図2a~
図2dを参照すると、一実施形態に係るマージンパターン123、124は、第1方向に第1内部電極121と重ならないように配置される第1マージンパターン123及び第1方向に第2内部電極122と重ならないように配置される第2マージンパターン124を含むことができる。これにより、第1内部電極121のマージンと第2内部電極122のマージンにそれぞれマージンパターン123、124を形成することにより、段差緩和の効果はさらに向上できる。
【0083】
一実施形態において、第1マージンパターン123の少なくとも一部は、第1内部電極が第4面と離隔した領域の少なくとも一部と第1方向に重なるように配置され、第2マージンパターン124の少なくとも一部は、第2内部電極が第3面と離隔した領域の少なくとも一部と第1方向に重なるように配置されることができる。これにより、第1及び第2内部電極121、122の端部に電場が集中する現象をより効果的に緩和させることができる。
【0084】
図2a~
図2dを参照すると、第1マージンパターン123及び第2マージンパターン124は、第3~第5面3、4、5、6と離隔して配置されることができる。これにより、第1マージンパターン123及び第2マージンパターン124は、外部電極131、132と連結されないように配置されることができ、段差を緩和しながらも第1及び第2内部電極121、122の端部に電場が集中する現象をより効果的に緩和することができる。
【0085】
第1マージンパターン123及び第2マージンパターン124がそれぞれ第1及び第2外部電極131、132と連結される場合には、第1マージンパターン123が第2外部電極132と離隔した距離及び第2マージンパターン124が第1外部電極131と離隔した距離が短く、短絡(short)が発生するおそれがある。また、第1マージンパターン123及び第2マージンパターン124は、積層型電子部品100の容量及び耐電圧特性に影響を及ぼす可能性があり、第1及び第2マージンパターン123、124は第1及び第2内部電極121、122と比べて、反り及び連結性の低下が発生しやすく、効果的な容量及び耐電圧の実現が困難になる可能性がある。また、第1及び第2内部電極121、122の端部に電場が集中する現象を緩和し難くなる可能性がある。
【0086】
マージンパターン123、124は、容量形成部Acに含まれる内部電極と重ならないように配置され、且つマージン部において内部電極の反り及び連結性の低下が発生しないように、第1及び第2内部電極121、122に十分に隣接するように配置されることが好ましい。
【0087】
具体的には、第1方向から見たとき、第1内部電極121と第1マージンパターン123が離隔した距離は30μm以下であってもよく、第2内部電極122と第2マージンパターン124が離隔した距離は30μm以下であってもよい。これにより、段差による内部電極の反り及び連結性の低下を効果的に抑制することができる。
【0088】
一方、第1内部電極121と第1マージンパターン123が離隔した距離の下限値、及び第2内部電極122と第2マージンパターン124が離隔した距離の下限値を特に限定する必要はないが、内部電極121、122及びマージンパターン123、124の印刷解像度を考慮して決定することができる。
【0089】
具体的に、第1方向から見たとき、第1内部電極121と第1マージンパターン123が離隔した距離は、0.5μm以上30μm以下であってもよく、第2内部電極122と第2マージンパターン124が離隔した距離は、0.5μm以上30μm以下であってもよい。
【0090】
第1内部電極121と第1マージンパターン123が離隔した距離、及び第2内部電極122と第2マージンパターン124が離隔した距離は、積層型電子部品の第1方向及び第2方向の断面において、内部電極121、122とマージンパターン123、124が第2方向に離隔した距離を意味することができ、このとき、第1方向及び第2方向の断面において、内部電極121、122とマージンパターン123、124が第2方向に離隔した距離は、積層型電子部品の第3方向の中心まで研磨した第1方向及び第2方向の断面において第1方向の中心部を基準として上方向に位置する5つの内部電極層及び下方向に位置する5つの内部電極層とそれに対応するマージンパターンが第2方向に離隔した距離を測定して平均した値を測定することによって一般化することができる。
【0091】
また、第1内部電極121と第1マージンパターン123が離隔した距離、及び第2内部電極122と第2マージンパターン124が離隔した距離は、積層型電子部品の第1方向及び第3方向の断面において、内部電極121、122とマージンパターン123、124が第3方向に離隔した距離を意味することができる。このとき、第1方向及び第3方向の断面において、内部電極121、122とマージンパターン123、124が第3方向に離隔した距離は、積層型電子部品の第2方向の中心まで研磨した第1方向及び第3方向の断面において内部電極121、122とマージンパターン123、124が第3方向に断面において、第1方向の中心部を基準として上方向に位置する5つの内部電極層及び下方向に位置する5つの内部電極層とそれに対応するマージンパターンが第3方向に離隔した距離を測定して平均した値を測定することによって一般化することができる。
【0092】
一方、第1マージンパターン123及び第2マージンパターン124は、外部電極131、132との連結を防止し、耐湿信頼性の低下を防止するために、本体110の第3~第6面3、4、5、6と十分に離隔して配置されることが好ましい。具体的に、一実施形態において、第1マージンパターン123及び第2マージンパターン124は、第3~第6面3、4、5、6と15μm以上離隔して配置されてもよい。より好ましくは、第1マージンパターン123及び第2マージンパターン124は、第3~第6面3、4、5、6と15μm以上150μm以下で離隔して配置されてもよい。
【0093】
第1マージンパターン123及び第2マージンパターン124の第1方向の位置は、第1内部電極121及び第2内部電極122の第1方向の位置との関係で決定することができる。具体的に、一実施形態において、第1マージンパターン123の第1方向の位置は、第1内部電極121の第1方向の位置と第2内部電極122の第1方向の位置との間であることができ、第2マージンパターン124の第1方向の位置は、第2内部電極122の第1方向の位置と第2内部電極122の第1方向の位置との間であることができる。
【0094】
一実施形態において、第1マージンパターン123は第1内部電極121を囲む形態であり、第2マージンパターン124は第2内部電極122を囲む形態であることができる。これは、
図2a~
図2dのように第1方向から見たとき、第1マージンパターン123は、第1内部電極121が第4面4に向かう面、第5面5に向かう面、第6面6に向かう面を囲むように配置され、第2マージンパターン124は、第2内部電極が第3面3に向かう面、第5面5に向かう面、第6面6に向かう面を囲むように配置された形態を意味することができる。
【0095】
マージンパターン123、124の幅と長さは、長さマージンの長さと幅マージンの幅との関係で調節することができる。具体的に、マージンパターン123、124が、幅マージン及び長さマージンにおいて占める比重が過度な場合、本体110の第3~第6面3、4、5、6に露出することがあり、幅マージン及び長さマージンにおいて占める比重が不足した場合は、段差を緩和する効果が低下する可能性がある。これにより、一実施形態によれば、マージンパターンの幅と長さを、幅マージンの幅と長さマージンの長さとの関係で適切に調節する場合、マージンパターン123、124の本体110の外部への露出を防止し、十分な段差緩和の効果が得られる。
【0096】
具体的には、
図2a~
図2dを参照すると、第1内部電極121が第5面5と離隔した領域を第1-1幅マージン、第1内部電極が第4面と離隔した領域を第1長さマージン、上記第1-1幅マージンの第3方向のサイズをWM1、上記第1-1幅マージンと重なるマージンパターンの第3方向のサイズをWMP1と定義することができる。
【0097】
このとき、WMP1/WM1及びLMP1/LM1が0.33未満の場合、第1マージンパターン123が十分に形成されず、段差緩和効果が不足する可能性がある。WMP1/WM1及びLMP1/LM1が0.54を超える場合、 第1方向から見たとき、第1マージンパターン123と第1内部電極121とが重なるように形成される可能性がある。
【0098】
したがって、一実施形態では、上記第1長さマージンの第2方向のサイズをLM1、上記第1長さマージンと重なるマージンパターンの第2方向のサイズをLMP1とするとき、WMP1/WM1及びLMP1/LM1は0.33以上0.54以下を満たすようにすることで、マージンパターン123、124の本体110の外部への露出を防止し、十分な段差緩和効果を得ることができる。
【0099】
一方、上記WMP1/WM1は0.37以上0.54以下、上記LMP1/LM1は0.33以上0.51以下の場合、マージンパターン123、124の本体110外部への露出を防止する効果及び段差緩和効果はさらに顕著となり得る。
【0100】
なお、
図2a~
図2dを参照すると、第1内部電極121と第4面4が離隔した領域を第1長さマージン、第2内部電極122と第3面3が離隔した領域を第2長さマージン、第1内部電極121と第5面5が離隔した領域を第1-1幅マージン、第1内部電極121と第6面6が離隔した領域を第1-2幅マージン、第2内部電極122と第5面5が離隔した領域を第2-1幅マージン、第2内部電極122と第6面6が離隔した領域を第2-2幅マージンとするとき、上記第1長さマージンの第2方向のサイズをLM1、上記第2長さマージンの第2方向のサイズをLM2、上記第1-1幅マージンの第3方向のサイズをWM1、第1-2幅マージンの第3方向のサイズをWM1'、第2-1幅マージンの第3方向のサイズをWM2、第2-2幅マージンの第3方向のサイズをWM2'と表した。第1幅マージンは第1-1幅マージン及び第1-2幅マージンを含み、第2幅マージンは第2-1幅マージン及び第2-2幅マージンを含む。
【0101】
また、上記第1長さマージンと重なる第1マージンパターン123の第2方向のサイズをLMP1、上記第2長さマージンと重なる第2マージンパターン124の第2方向のサイズをLMP2、上記第1-1幅マージンと重なる第1マージンパターン123の第3方向のサイズをWMP1、上記第1-2幅マージンと重なる第1マージンパターン123の第3方向のサイズをWMP1'、上記第2-1幅マージンと重なる第2マージンパターン124の第3方向のサイズをWMP2、上記第2-2幅マージンと重なる第2マージンパターン124の第3方向のサイズをWMP2'と表した。
【0102】
一実施形態において、WMP1'/WM1は、0.33以上0.54以下、好ましくは0.37以上0.54以下を満たすことができる。これにより、マージンパターン123、124の本体110の外部への露出を防止する効果及び段差緩和効果が向上できる。
【0103】
一実施形態において、WMP2/WM2は、0.33以上0.54以下、好ましくは0.37以上0.54以下を満たすことができる。これにより、マージンパターン123、124の本体110の外部への露出を防止する効果及び段差緩和効果が向上できる。
【0104】
一実施形態において、WMP2'/WM2'は、0.33以上0.54以下、好ましくは0.37以上0.54以下を満たすことができる。これにより、マージンパターン123、124の本体110の外部への露出を防止する効果及び段差緩和効果が向上できる。
【0105】
一実施形態において、LMP2/LM2は、0.33以上0.54以下、好ましくは0.33以上0.51以下を満たすことができる。これにより、マージンパターン123、124の本体110の外部への露出を防止する効果及び段差緩和効果が向上できる。
【0106】
一方、本明細書では、説明の便宜上、上記LM1、LM2、WM1、WM1'、WM2、WM2'、LMP1、LPM2、WMP1、WMP1'、WMP2及びWMP2'を、内部電極及びマージンパターンを第1方向から見た平面図である
図2a~
図2dに表した。
【0107】
上記LM1、LM2、LMP1及びLPM2は、積層型電子部品100の第3方向の中心まで研磨した第1方向及び第2方向の断面において、第1方向の中心部を基準として上方向に位置する5つの内部電極層及び下方向に位置する5つの内部電極層とそれに対応するマージンパターンで測定された値の平均値であることができる。
【0108】
上記WM1、WM1'、WM2、WM2'、WMP1、WMP1'、WMP2及びWMP2'は、積層型電子部品100の第2方向の中心まで研磨した第1方向及び第3方向の断面において、第1方向の中心部を基準として上方向に位置する5つの内部電極層及び下方向に位置する5つの内部電極層とそれに対応するマージンパターンで測定された値の平均値であることができる。
【0109】
以下では、様々な実施形態に係る積層型電子部品100の内部電極及びマージンパターンについて詳細に説明する。
【0110】
図9a、
図9b、
図9c及び
図9dは、一実施形態に係る内部電極及びマージンパターンを概略的に示す平面図である。
【0111】
図9a、
図9b、
図9c及び
図9dを参照すると、一実施形態に係る第1内部電極121は、第3面3と連結され、第4、第5及び第6面4、5、6と離隔して配置される第1内部パターン121a及び上記第1内部パターンと離隔して第4面4と連結され、第3、第5及び第6面3、5、6と離隔して配置される第1ダミーパターン121bを含むことができ、第2内部電極122は、第4面4と連結され、第3、第5及び第6面3、5、6と離隔して配置される第2内部パターン122a及び上記第2内部パターンと離隔して第3面3と連結され、第4、第5及び第6面4、5、6と離隔して配置される第2ダミーパターン122bを含むことができる。
【0112】
このとき、第1マージンパターン123は、上記第1内部電極が第5及び第6面と離隔した領域及び上記第1内部パターンと第1ダミーパターンが離隔した空間と重なるように配置され、第2マージンパターン124は、上記第2内部電極が第5及び第6面と離隔した領域、及び上記第2内部パターンと第2ダミーパターンが離隔した空間と重なるように配置されることができる。これにより、内部電極121、122がダミーパターン121b、122bを含む構造を有していても、内部パターン又はダミーパターンが形成されない領域において全体的にマージンパターンを形成することで、段差を緩和することができる。
【0113】
【0114】
図10a、
図10b、
図10c及び
図10dを参照すると、一実施形態に係る第1内部電極121は、第3面3と連結され、第4、第5及び第6面4、5、6と離隔して配置される第1-1内部パターン121c及び上記第1-1内部パターンと離隔して第4面4と連結され、第3、第5及び第6面3、5、6と離隔して配置される第1-2内部パターン121dを含み、第2内部電極122は、第3~第6面3、4、5、6と離隔して配置されるフローティングパターン122eを有することができる。
【0115】
このとき、第1マージンパターン123は、上記第1内部電極が第5及び第6面と離隔した領域、及び上記第1-1内部パターンと第1-2内部パターンが離隔した空間と重なるように配置され、第2マージンパターン124は、上記第2内部電極が上記第3~第5面と離隔した空間と重なるように配置されることができる。これにより、内部電極122がフローティングパターン122eを含む構造を有していても、内部パターン又はフローティングパターンが形成されない領域において全体的にマージンパターンを形成することで、段差を緩和することができる。
【0116】
【0117】
図11a、
図11b、
図11c及び
図11dを参照すると、第1内部電極121が第5面5と離隔した領域を第1-1幅マージン、第6面6と離隔した領域を第1-2幅マージン、第1内部電極121が第4面と離隔した領域を第1長さマージンとするとき、第1マージンパターン123'は上記第1-1及び第1-2幅マージンのうちいずれか一つ及び上記第1長さマージンと第1方向に重なるように配置されることができる。
【0118】
これと同様に、第2内部電極122が第5面5と離隔した領域を第2-1幅マージン、第6面6と離隔した領域を第2-2幅マージン、第2内部電極122が第3面3と離隔した領域を第2長さマージンとするとき、第2マージンパターン124'は、上記第2-1及び第2-2幅マージンのうちいずれか一つ及び上記第2長さマージンと第1方向に重なるように配置されることができる。
【0119】
このとき、第1マージンパターン123'が第1-2幅マージンと第1方向に重なるように配置される場合、第2マージンパターン124'は第2-1幅マージンと第1方向に重なるように配置されることができ、第1マージンパターン123'が第1-1幅マージンと第1方向に重なるように配置される場合、第2マージンパターン124'は第2-2幅マージンと第1方向に重なるように配置されることができる。これにより、幅マージンにおいて第1マージンパターン123'及び第2マージンパターン124'が互いに第1方向に重ならないようにすることで、マージンパターン123'、124'の第1方向への重複形成による段差を緩和することができる。
【0120】
【0121】
第1マージンパターン123'が上記第1-1及び第1-2幅マージンのうちいずれか一つ及び上記第1長さマージンと第1方向に重なるように配置され、第2マージンパターン124'が上記第2-1及び第2-2幅マージンのうちいずれか一つ及び上記第2長さマージンと第1方向に重なるように配置される構造は、内部電極121、122がダミーパターン121b、122bを有するか又はフローティングパターン122eを有する場合にも適用することができる。
【0122】
図12a、
図12b、
図12c及び
図12dを参照すると、一実施形態に係る第1内部電極121は、第3面3と連結され、第4、第5及び第6面4、5、6と離隔して配置される第1内部パターン121a及び上記第1内部パターンと離隔して第4面4と連結され、第3、第5及び第6面3、5、6と離隔して配置される第1ダミーパターン121bを含み、第2内部電極122は、第4面4と連結され、第3、第5及び第6面3、5、6と離隔して配置される第2内部パターン122a及び上記第2内部パターンと離隔して第3面3と連結され、第4、第5及び第6面4、5、6と離隔して配置される第2ダミーパターン122bを含むことができる。
【0123】
このとき、一実施形態に係る第1マージンパターン123'は、第1内部電極121の第1-1幅マージン及び第1-2幅マージンのうちいずれか一つ、及び上記第1内部パターンと上記第1ダミーパターンが離隔した領域と第1方向に重なるように配置されることができ、第2マージンパターン124'は、第2内部電極122の第2-1幅マージン及び第2-2幅マージンのうちいずれか一つ及び第2長さマージンと第1方向に重なるように配置されることができる。
【0124】
図13a、
図13b、
図13c及び
図13dを参照すると、一実施形態に係る第1内部電極121は、第3面3と連結され、第4、第5及び第6面4、5、6と離隔して配置される第1-1内部パターン121c、及び上記第1-1内部パターンと離隔して第4面4と連結され、第3、第5及び第6面3、5、6と離隔して配置される第1-2内部パターン121dを含み、第2内部電極122は、第3~第6面3、4、5、6と離隔して配置されるフローティングパターン122eを含むことができる。
【0125】
このとき、一実施形態に係る第1マージンパターン123'は、第1内部電極121の第1-1幅マージン及び第1-2幅マージンのうちいずれか一つ、及び上記第1-1内部パターンと上記第1-2内部パターンが離隔した領域と第1方向に重なるように配置されることができる。
【0126】
また、
図13bでは、第1マージンパターン123'が第1内部電極121の第1-1幅マージンと第1方向に重なる構造を有するように表現したが、他の層に配置された第1内部電極121の第1マージンパターン123'は、第1内部電極122の第1-2幅マージンと第1方向に重なる構造を有することができる。一方、一実施形態において、第2内部電極122がフローティングパターン122eを含むため、第2マージンパターン124は、第2内部電極122が第3面3と離隔した領域、第4面4と離隔した領域、第5面5と離隔した領域、及び第6面6と離隔した領域のうち少なくともいずれか一領域と第1方向に重なるように配置されることができる。
【0127】
【0128】
図14a、
図14b、
図14c及び
図14dを参照すると、一実施形態において、内部電極121、122は、第1及び第2内部電極121、122が第1方向に重なって容量を形成する領域であるメイン部121-1、122-1、上記メイン部よりも第3方向のサイズが大きく、上記メイン部から第3面3又は第4面4に延びるリード部121-2、122-2を含むことができる。
【0129】
これにより、マージンパターン123、124が第3面3又は第4面4と離隔した領域に形成されていないため発生する段差を、メイン部121-1、122-1よりも第3方向のサイズが大きいリード部121-2、122-2を配置することによって緩和することができる。
【0130】
【0131】
図15a、
図15b、
図15c及び
図15dを参照すると、一実施形態に係る第1内部電極121は、第3面3と連結され、第4、第5及び第6面4、5、6と離隔して配置される第1内部パターン121a及び上記第1内部パターンと離隔して第4面4と連結され、第3、第5及び第6面3、5、6と離隔して配置される第1ダミーパターン121bを含むことができ、第2内部電極122は、第4面4と連結され、第3、第5及び第6面3、5、6と離隔して配置される第2内部パターン122a及び上記第2内部パターンと離隔して第3面3と連結され、第4、第5及び第6面4、5、6と離隔して配置される第2面 ダミーパターン122bを含むことができる。
【0132】
上記第1内部パターン121aは、上記第1内部パターンと上記第2内部パターンとが第1方向に重なる領域であるメイン部121a-1及び上記メイン部121a-1よりも第3方向のサイズが大きく、上記メイン部121a-1から第3面3に延びるリード部121a-2を含むことができ、第1ダミーパターン121bは、メイン部121b-1及び上記メイン部121b-1よりも第3方向のサイズが大きく、上記メイン部121b-1から第4面4に延びるリード部121b-2を含むことができる。
【0133】
同様に、第2内部パターン121bは、上記第1内部パターンと上記第2内部パターンとが第1方向に重なる領域であるメイン部122a-1及び上記メイン部122a-1よりも第3方向のサイズが大きく、上記メイン部122a-1から第4面4に延びるリード部122a-2を含むことができ、第2ダミーパターン122bは、メイン部122b-1及び上記メイン部122b-1よりも第3方向のサイズが大きく、上記メイン部122b-1から第3面3に延びるリード部122b-2を含むことができる。
【0134】
このとき、一実施形態において、第1マージンパターン123は、第1-1幅マージン及び第1-2幅マージン、及び第1内部パターン121aと第1ダミーパターン121bが離隔した領域と第1方向に重なるように配置されることができ、第2マージンパターン124は、第2-1幅マージン及び第2-2幅マージン、及び第2内部パターン122aと第2ダミーパターン122bが離隔した領域と第1方向に重なるように配置されることができる。
【0135】
【0136】
一実施形態に係る第1内部電極121は、第3面3と連結され、第4、第5及び第6面4、5、6と離隔して配置される第1-1内部パターン121c及び上記第1-1内部パターンと離隔して第4面4と連結され、第3、第5及び第6面3、5、6と離隔して配置される第1-2内部パターン121dを含み、第2内部電極122は、第3~第6面3、4、5、6と離隔して配置されるフローティングパターン122eを含むことができる。
【0137】
上記第1-1内部パターン121cは、メイン部121c-1及び上記メイン部121c-1よりも第3方向のサイズが大きく、上記メイン部121c-1から第3面3に延びるリード部121c-2を含み、第1-2内部パターン121dは、メイン部121d-1及び上記メイン部121d-1よりも第3方向のサイズが大きく、上記メイン部121d-1から第4面4に延びるリード部121d-2を含むことができる。
【0138】
このとき、一実施形態に係る第1マージンパターン123'は、第1内部電極121の第1-1幅マージン、第1-2幅マージン、及び上記第1内部パターン121cと上記第2内部パターン121dが離隔した領域と第1方向に重なるように配置されることができる。
【0139】
このとき、第2マージンパターン124は、第2内部電極122が第3面3と離隔した領域、第4面4と離隔した領域、第5面5と離隔した領域、及び第6面6と離隔した領域のうち少なくともいずれか一領域と第1方向に重なるように配置されることができる。
【0140】
【0141】
図17a、
図17b、
図17c及び
図17dを参照すると、一実施形態に係るマージンパターン123''、124''は、複数の離隔したパターンで構成されることができる。これにより、内部電極121、122の長さマージン及び幅マージンのうち少なくともいずれか一領域にマージンパターン123''、124''を形成して段差を緩和するとともに、誘電体層111間の接着力を向上させることができるため、積層型電子部品100の静電容量及び高温負荷寿命を向上させながらも部品自体の強度を向上させることができる。
【0142】
【0143】
図18a、
図18b、
図18c及び
図18dを参照すると、一実施形態に係るマージンパターン123'''、124'''は、長さマージンとは重なるように配置されず、幅マージンにのみ重なるように配置されることができる。すなわち、第1内部電極121が上記第5及び第6面と離隔した領域を第1幅マージン、上記第1内部電極121が第4面と離隔した領域を第1長さマージン、上記第2内部電極122が上記第5及び第6面と離隔した領域を第2幅マージン、上記第2内部電極122が第3面と離隔した領域を第2長さマージンとするとき、上記第1及び第2マージンパターン123'''、124'''は、上記第1及び第2マージンと重なるように配置され、上記第1及び第2長さマージンとは重ならないように配置されることができる。このとき、マージンパターン123'''、124'''は、積層方向から観察したとき、一列状を有することができる。また、
図18a、
図18b、
図18c及び
図18dに示すように、マージンパターン123'''、124'''は、幅マージンの両方と全て重なるように配置されてもよいが、これに限定されるものではなく、幅マージンの両方のうちいずれか一方にのみ重なるように配置されてもよい。
【0144】
積層型電子部品の製造方法
図7は、一実施形態に係るセラミックシート上に内部電極が配置された状態を概略的に示す平面図であり、
図8は、一実施形態に係るセラミックシート上にマージンパターンが配置された状態を概略的に示す平面図である。
【0145】
以下では、
図7及び
図8を参照して、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法について説明する。
【0146】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法は、第1セラミックシート211上に第1パターン221が配置された第1シートと、第2セラミックシート212上に第2パターン222が配置された第2シートとを第1方向に交互に積層し、且つ第3セラミックシート123上に第3パターン223、224が配置された第3シートを上記第1シートと第2シートとの間に配置し、上記第3パターンが上記第1パターン又は第2パターンと重ならないように積層して積層体を得る積層段階と、上記積層体を焼結して本体110を得る焼結段階と、上記本体上に外部電極を形成する段階と、を含むことができる。
【0147】
セラミックシート211、212、213、214は、第1セラミックシート211、第2セラミックシート212、第3-1セラミックシート213、第3-2セラミックシート214に区分することができる。
【0148】
セラミックシート211、212、213、214は、セラミックパウダー、有機溶媒、分散剤及びバインダーを含むセラミックペーストで形成することができる。上記セラミックパウダーは、積層型電子部品100の誘電体層111を形成する原料などを含むことができる。
【0149】
図7を参照すると、第1セラミックシート211上には第1パターン221が配置され、第2セラミックシート212上には第2パターン222が配置されることができる。
【0150】
第1パターン221及び第2パターン222を形成する方法の一例としては、導電性金属を含む導電性ペーストを第1セラミックシート211及び第2セラミックシート212上にスクリーン印刷又はグラビア印刷する方法が挙げられるが、これに限定されるものではなく、導電性金属を第1セラミックシート211及び第2セラミックシート212上にスパッタリングするか、真空蒸着する等の薄膜蒸着法などを使用することができる。
【0151】
第1パターン221及び第2パターン222は導電性金属を含むことができる。上記導電性金属は特に限定されず、電気伝導性に優れた材料を用いることができる。例えば、上記導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、錫(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち一つ以上を含むことができる。
【0152】
第1パターン221及び第2パターン222は、積層方向に垂直な方向に間隔を置いて配置される複数のパターンであってもよい。
【0153】
第1パターン221は焼結されて第1内部電極121を形成することができ、第2パターン222は焼結されて第2内部電極122を形成することができる。
【0154】
本発明の一実施形態に係る積層段階では、上記第1シートと上記第2シートとの間に、第3セラミックシート213、214上に第3パターン223、224が配置された第3シートが配置されることができる。
【0155】
このとき、第1シートと第2シートは、第2方向に隣接した切断線CL間の間隔だけオフセットされて積層されることができ、上記第3シートの第3パターン223、224は、上記第1パターン221又は第2パターン222と重ならないように積層されることができる。
【0156】
図8を参照すると、第3パターン223、224は、積層方向から見たとき、第1及び第2パターン221、222を囲む形態であってもよい。但し、第3パターン223、224は、積層方向から見たとき、第1及び第2パターン221、222とは重ならない形態を有してもよい。しかし、第3パターン223、224をなす各パターンは、第1方向から見たとき、第1及び第2パターン221、222を完全に囲む形態ではなくてもよい。具体的に、第3パターン223、224の各単位パターンは、後述する切断線CLを基準として離隔して配置されることができ、切断線CLを基準として互いに対称な形状であることができる。
【0157】
一方、第3パターン223、224は、段差を補償する効果を向上させるためにセラミックシート211、212、213、214に拡散しにくい成分を含むことが好ましく、内部電極121、122の端部に電場が集中する現象を抑制するために、導電性金属を含むことが好ましい。具体的に、第3パターン223、224は、第1及び第2パターン221、222のように導電性金属を含むことができる。
【0158】
但し、第3パターン223、224に含まれる導電性金属は、必ずしも第1及び第2パターン221、222に含まれる導電性金属と同一である必要はないが、第3パターン223、224に含まれる導電性金属が第1及び第2パターン221、222に含まれる導電性金属と同一である場合、本発明による段差緩和の効果がさらに向上できる。
【0159】
図8を参照すると、第3パターン223、224は、焼結後に内部電極121、122を形成する第1パターン221及び第2パターン222とは異なるセラミックシート(第3セラミックシート)上に配置されて積層されることができる。これにより、第3パターン223、224は焼結後、第1方向に沿って第1及び第2内部電極121、122とは異なる位置に配置され、第1方向に第1内部電極121又は第2内部電極122と重ならないように配置されるマージンパターン123、124を形成することができる。
【0160】
上記積層段階の後には、
図7及び
図8を参照すると、第1シート~第3シート積層体を形成する段階後には切断線CLに沿って切断する切断段階を行うことができる。
図7の切断線CLと
図8の切断線CLは同じ切断線であってもよい。切断線CLは、第1及び第2パターン211、212をなす各パターンの中心を通る直線と、各パターンが離隔した空間の中心を横切る直線であり得るが、工程に応じて偏差が発生することがある。
【0161】
上記切断段階の後には、上記積層体を焼結して本体を得る焼結段階を行うことができる。
【0162】
上記焼結段階における温度は特に限定されないが、例えば、1000~1300℃で焼成することができる。また、焼成は還元雰囲気下で行うことができる。
【0163】
上記焼結段階の後には、本体110上に外部電極131、132を形成する段階を行うことができる。
【0164】
上記外部電極131、132は、導電性金属を含むシートを転写する方式で形成するか、積層体上に焼成電極及び導電性金属と樹脂を含む導電性樹脂層を順次形成する方法などを用いることができる。
【0165】
上記第3シートは、第3-1セラミックシート213上に第3-1パターン223が配置された第3-1シートと、第3-2セラミックシート214上に第3-2パターン224が配置された第3-2シートを含み、上記積層段階は、上記第3-1シートと上記第3-2シートとが第1方向に交互に配置されるように積層する段階であることができる。これにより、上記第1シート、上記第3-1シート、上記第2シート及び上記第3-2シートが順次積層される結果、焼結後に第1マージンパターン123を形成する第3-1パターン223は、第1方向に第1パターン221と重ならないように配置されることができ、焼結後に第2マージンパターン124を形成する第3-2パターン224は、第1方向に第2パターン222と重ならないように配置されることができる。すなわち、一実施形態において、上記第3-1パターンは、上記第1方向に上記第1パターンと重ならないように配置され、上記第3-2パターンは、上記第1方向に上記第2パターンと重ならないように配置されることができる。
【0166】
一実施形態において、上記第1方向から見たとき、上記第1パターン221と上記第3-1パターン223が離隔した距離は30μm以下であり、上記第2パターン222と上記第3-2パターン224が離隔した距離は30μm以下であることができる。これにより、焼結後、第1内部電極121と第1マージンパターン123が離隔した距離を30μm以下に、第2内部電極122と第2マージンパターン124が離隔した距離を30μm以下に調節することができる。
【0167】
一実施形態において、上記第1方向から見たとき、上記第1パターン221と上記第3-1パターン223が離隔した距離は0.5μm以上30μm以下であり、上記第2パターン222と上記第3-2パターン224が離隔した距離は0.5μm以上30μm以下であることができる。これにより、焼結後、第1内部電極121と第1マージンパターン123が離隔した距離を0.5μm以上30μm以下に、第2内部電極122と第2マージンパターン124が離隔した距離を0.5μm以上30μm以下に調節することができる。
【0168】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定されるものとする。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者により様々な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属すると言える。
【0169】
また、本発明において使用された「一実施形態」という表現は、互いに同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された実施形態は、他の一実施形態の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施形態に説明された事項が他の一実施形態に説明されていなくても、他の一実施形態においてその事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一実施形態に関連する説明として理解することができる。
【0170】
本発明において使用された用語は、単に一実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0171】
100:積層型電子部品
110:本体
111:誘電体層
112、113:カバー部
114、115:マージン部
121、122:内部電極
123、124:マージンパターン
211、212、213、214:セラミックシート
221、222:第1及び第2パターン
223、224:第3-1パターン、第3-2パターン