(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005435
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】道路建設機械のエネルギー供給源の電気的残存利用容量を決定するユニット及び方法
(51)【国際特許分類】
E01C 19/48 20060101AFI20250108BHJP
【FI】
E01C19/48 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024103050
(22)【出願日】2024-06-26
(31)【優先権主張番号】23181669.5
(32)【優先日】2023-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596068349
【氏名又は名称】ヨゼフ フェゲーレ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(72)【発明者】
【氏名】シュテッフェン・コスト
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト・エルトマン
【テーマコード(参考)】
2D052
【Fターム(参考)】
2D052BD11
2D052CA00
2D052DA09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】道路建設機械のエネルギー供給源の電気的残存利用容量を決定するユニット及び方法。
【解決手段】道路建設機械1上で使用される少なくとも1つの電気消費部16に接続された少なくとも1つのエネルギー供給源17の残存利用容量18を決定するユニット15若しくは方法、又は残存利用容量18を決定する少なくとも1つのユニット15を有する道路建設機械1に関する。ユニット15は、エネルギー供給源17の現在の充電状態19に基づいて決定された残存利用容量18を、少なくとも1つの消費部16の残存利用時間18a、残存利用距離18b、及び/又は残存利用面積18cとして示すように適合されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路建設機械(1)上で使用される少なくとも1つの電気消費部(16)に接続された少なくとも1つのエネルギー供給源(17)の残存利用容量(18)を決定するユニット(15)であって、
前記ユニット(15)は、前記エネルギー供給源(17)の現在の充電状態(19)に基づいて決定された前記残存利用容量(18)を、前記少なくとも1つの消費部(16)の残存利用時間(18a)、残存利用距離(18b)、及び/又は残存利用面積(18c)として示すように適合されていることを特徴とするユニット。
【請求項2】
前記ユニット(15)は、目標利用時間(21a)、目標利用距離(21b)及び/又は目標利用面積(21c)として、計画された作業措置(20)に必要とされる目標利用容量(21)を前記消費部(16)によって示すように適合されていることを特徴とする請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
前記残存利用容量(18)の前記決定は、前記電気消費部(16)の現在の動作条件、特に前記電気消費部(16)の現在の及び/又は平均されたエネルギー需要に基づくことを特徴とする請求項1又は2に記載のユニット。
【請求項4】
前記残存利用容量(18)の前記決定は、前記エネルギー供給源(17)の現在の作動条件、特に前記エネルギー供給源(17)の現在の作動温度及び/又は均一な若しくは変動する負荷に基づくことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項5】
前記残存利用容量(18)の前記決定は、前記電気消費部(16)の前記現在の動作条件と前記電気消費部(16)の目標動作条件との比較、及び/又は前記エネルギー供給源(17)の前記現在の作動条件と前記エネルギー供給源(17)の前記目標作動条件との比較に基づくことを特徴とする請求項3及び4に記載のユニット。
【請求項6】
前記ユニット(15)は、前記比較の前記結果に基づいて、前記決定された残存利用容量(18)を補正して、補正された残存利用容量(118)を決定するように構成されることを特徴とする請求項5に記載のユニット。
【請求項7】
前記ユニット(15)は、少なくとも1つの調整可能な表示フィールド(22)を有し、前記表示フィールド(22)によって、前記残存利用容量(18)又は前記補正された残存利用容量(118)を表示することができ、及び/又は、前記ユニット(15)は、特に前記残存利用容量(18)又は前記補正された残存利用容量(118)が前記目標利用容量(21)の所定のパーセンテージ未満である場合に、信号を出力するように構成されることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項8】
道路建設機械(1)であって、請求項1~7のいずれか一項に記載の少なくとも1つのユニット(15)を有する道路建設機械。
【請求項9】
前記ユニット(15)は、残存利用容量(18)又は補正された残存利用容量(118)を少なくとも1つの遠隔受信機(23)に送信するように構成されることを特徴とする請求項8に記載の道路建設機械。
【請求項10】
前記道路建設機械(1)は、道路舗装機(2)、道路舗装機(2)用のフィーダ(24)、ローラ車両(35)、又は切削車両(36)であることを特徴とする請求項8又は9に記載の道路建設機械。
【請求項11】
前記残存利用容量(18)の前記決定は、前記道路建設機械(1)の現在の外気温度及び/又は前記道路建設機械(1)の現在の運転速度に基づくことを特徴とする請求項8~10のいずれか一項に記載の道路建設機械。
【請求項12】
前記エネルギー供給源(17)は、バッテリ(17a)であり、及び/又は、前記消費部は、電動式の加熱デバイス(31)であり、及び/又は、前記消費部は、電動式の電気油圧ユニット(32)であり、及び/又は、前記消費部は、電動式の縦送りコンベヤデバイス(30)であり、及び/又は、前記消費部は、電動式の横送りコンベヤデバイス(33)であり、及び/又は、前記道路建設機械の電動式の車台駆動部(34)であることを特徴とする請求項8~11のいずれか一項に記載の道路建設機械。
【請求項13】
請求項8~12のいずれか一項に記載の少なくとも1つの道路建設機械を備える舗装車(37)であって、好ましくは、残存利用容量(18)、特に残存利用面積(18c)が、前記道路舗装機(2)及び/又は前記フィーダ(24)から前記ローラ車両(35)に送信可能である舗装車。
【請求項14】
道路建設機械(1)上で使用される少なくとも1つの電気消費部(16)に接続された少なくとも1つのエネルギー供給源(17)の残存利用容量(18)を決定する方法であって、
前記エネルギー供給源(17)の検出された現在の充電状態に基づいて、残存利用容量(18)が、前記少なくとも1つの消費部(16)の残存利用時間(18a)、残存利用距離(18b)及び/又は残存利用面積(18c)として示されることを特徴とする方法。
【請求項15】
前記ユニット(15)によって、前記消費部(16)による計画された作業措置(20)のために必要とされる目標利用容量(21)が、目標利用時間(21a)、目標利用距離(21b)、及び/又は目標利用面積(21c)として示されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路建設機械上で使用される少なくとも1つの電気消費部に接続された少なくとも1つのエネルギー供給源の残存利用容量を決定するユニット又は方法、残存利用容量を決定する少なくとも1つのユニットを有する道路建設機械、又は舗装車に関する。
【背景技術】
【0002】
電気消費部にエネルギーを供給するエネルギー供給源の充電状態を決定する方法又はデバイスが、従来技術から知られている。充電状態は、通常、充電率(SOC:state of charge)として決定され、パーセンテージとして受信機に出力される。従来技術の欠点は、電気消費部がエネルギー供給源の充電状態で所定の作業プロジェクトを完全に実行することができるかどうかを受信機が十分な精度で認識することができないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既知の従来技術に基づいて、解決すべき技術的課題は、残存利用容量を簡単かつ効率的に決定し、示すことを可能にする、道路建設機械上で使用される少なくとも1つの電気消費部に接続された少なくとも1つのエネルギー供給源の残存利用容量を決定するユニット若しくは方法、残存利用容量を決定する少なくとも1つのユニットを有する道路建設機械又は舗装車を特定することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の道路建設機械上で使用される少なくとも1つの電気消費部に接続された少なくとも1つのエネルギー供給源の残存利用容量を決定するユニット、請求項8に記載の残存利用容量を決定する少なくとも1つのユニットを有する道路建設機械、請求項13に記載の舗装車、又は請求項14に記載の道路建設機械上で使用される少なくとも1つの電気消費部に接続された少なくとも1つのエネルギー供給源の残存利用容量を決定する方法によって解決される。
【0005】
本発明の有利な更なる実施の形態は、従属請求項に含まれる。
【0006】
本発明の1つの態様は、道路建設機械上で使用される少なくとも1つの電気消費部に接続された少なくとも1つのエネルギー供給源の残存利用容量を決定するユニットに関する。ユニットは、エネルギー供給源の現在の充電状態に基づいて決定された残存利用容量を、少なくとも1つの消費部の残存利用時間、残存利用距離、及び/又は残存利用面積として示すように適合されている。これにより、エネルギー供給源の残存利用容量を簡単かつ効率的に決定し、示すことができる。任意選択的に、残存利用容量のユーザフレンドリーな表示を達成することができる。好ましくは、ユニットのオペレータによるユニットの受け入れを高めることができる。
【0007】
道路建設機械は、例えば、道路舗装機、道路舗装機用のフィーダ、ローラ車両、又は切削車両とすることができる。エネルギー供給源は、例えば、バッテリ、好ましくは充電式バッテリとすることができる。
【0008】
原則として、消費部は、道路建設機械の使用に必要な任意の消費部とすることができる。道路舗装機では、例えば、消費部は、道路舗装機の電動式の加熱デバイス、電動式の電気油圧ユニット、電動式の縦送りコンベヤデバイス、電動式の横送りコンベヤデバイス、及び/又は電動式の車台駆動部とすることができる。フィーダにおいて、消費部は、例えば、フィーダの舗装材料用の電動式のコンベヤデバイス、電動式の加熱デバイス、及び/又は電動式の車台駆動部とすることができる。例えば、ローラ車両では、消費部は、ローラ車両の電動式のローラ駆動部及び/又は電動式の車台駆動部とすることができる。切削車両では、消費部は、例えば、切削車両の電動式の縦送りコンベヤデバイス、電動式の切削駆動部、及び/又は電動式の車台駆動部とすることができる。
【0009】
エネルギー供給源は、エネルギー供給のために1つ以上の消費部のみに接続することができる。任意選択的に、消費部は、エネルギー供給のために1つ以上のエネルギー供給源のみに接続することができる。ユニットは、残存利用容量に加えて、エネルギー供給源の現在の充電状態を示すように適合され得る。エネルギー供給源の充電状態は、例えば、パーセンテージとして、例えば充電率(SOC)として、又は棒グラフとして示すことができる。残存利用時間は、時間及び/又は分及び/又は秒の単位で決定し、示すことができる。残存利用距離は、キロメートル及び/又はメートル及び/又はセンチメートルの単位で決定し、示すことができる。残存利用面積は、平方メートルの単位で決定し、示すことができる。残存利用面積を決定するとき、例えば、製造又は除去される舗装層の目標作業幅を考慮することができる。
【0010】
決定された残存利用面積は、特にそれが道路舗装機上に示される場合、エネルギー供給源の充電状態に応じて依然として生成され得る舗装面積を指すことが考えられる。決定された残存利用面積がローラ車両上に示され得る一実施の形態では、特にローラオペレータは、このようにして、ローラ車両に設置されたエネルギー供給源の充電状態に基づいて依然として締固められ得る、舗装方向においてローラオペレータの前に敷かれた新しい舗装層の舗装面積を示すことができる。
【0011】
残存利用容量の単位は、例えばユーザインタフェースを介して手動で、及び/又はユニットによって自動的に設定及び/又は変更することができる。例えば、道路建設機械のオペレータは、残存利用時間、残存利用距離、及び/又は残存利用面積がどの単位で示されるかを個別に決定することができる。例えば、オペレータは、道路建設機械の運転者及び/又は道路建設機械のスクリードオペレータとすることができる。
【0012】
好ましくは、ユニットは、目標利用時間、目標利用距離及び/又は目標利用面積として、計画された作業措置に必要とされる目標利用容量を消費部によって示すように適合されている。消費部によって計画された作業措置に応じて、作業措置を正常に又は完全に実行するために、或る特定の目標利用容量が必要となる場合がある。例えば、作業措置の一部として、所望の作業措置を実行するために、消費部が依然として或る特定の距離、或る特定の期間、及び/又は舗装若しくは締固められる或る特定の面積にわたって使用されることを計画することができる。この実施の形態の利点は、オペレータが、作業措置を実行するためにどの目標利用容量が必要であるかをいつでも容易に確認することができることである。任意選択的に、計画された作業措置が依然として残存利用容量で実行され得るかどうかのオペレータの決定を容易にすることができる。最良の場合には、オペレータの評価が正しいという信頼性を高めることができる。任意選択的に、作業措置に関連するスケジューリング及び/又はリソース計画を改善し、又は容易にすることができる。目標利用時間は、時間及び/又は分及び/又は秒の単位で決定し、示すことができる。目標利用距離は、キロメートル及び/又はメートル及び/又はセンチメートルの単位で決定し、示すことができる。目標利用面積は、平方メートルの単位で決定し、示すことができる。特に、目標利用面積は、製造又は除去され、特に削り取られる舗装層の目標作業幅及び目標作業長さに基づいて決定することができる。目標利用容量の単位は、例えばユーザインタフェースを介して手動で、及び/又は自動的に決定及び/又は変更することができる。例えば、ユニットのオペレータは、目標利用時間、目標利用距離、及び/又は目標利用面積が示される単位を個々に選択することができる。これは、ユニットの使い勝手を向上させ、任意選択的に、オペレータによるその受け入れを高めることができる。
【0013】
好ましくは、残存利用容量の決定は、電気消費部の現在の動作条件、特に電気消費部の現在の及び/又は平均されたエネルギー需要に基づく。この実施の形態によって、残存利用容量の決定の精度を改善することができる。エネルギー需要は、固定期間又は可変期間にわたって記録及び平均化することができる。時間は、例えば、少なくとも約3分、好ましくは少なくとも約5分とすることができる。時間は、最大約20分、好ましくは最大約10分とすることができる。特に、現在のエネルギー需要を決定することによって、残存利用容量に影響を及ぼすか又は残存利用容量を低減する可能性がある、電気消費部の起こり得る障害を決定することができる。電気消費部の現在の動作条件は、消費部の現在の動作温度、締固めユニットの設定回転速度、加熱デバイスの設定加熱温度、又は道路建設機械のコンベヤデバイスの設定搬送速度によって影響を受ける場合がある。ユニットは、温度計、例えば赤外線温度計又は表面温度計を使用して、消費部の現在の動作温度を決定するように適合することができる。消費部が現在動作していない場合、例えば、消費部は、エネルギー供給源の現在の充電状態に影響を及ぼすことができず、したがって、決定される残存利用容量に影響を及ぼすことができない。一方、消費部が現在動作中である場合、消費部は、その現在の動作条件に応じてエネルギー供給源からのエネルギーの一部を使用することができ、その結果、エネルギー供給源の現在の充電状態が変化し、特に減少する場合がある。これは、消費部が、その現在の動作条件を介して決定されるべき残存利用容量に影響を及ぼすことを可能にする。この実施の形態によって、残存利用容量の決定の精度を改善することができる。
【0014】
好ましくは、残存利用容量の決定は、エネルギー供給源の現在の作動条件、特にエネルギー供給源の現在の作動温度及び/又は均一な若しくは変動する負荷に基づく。エネルギー供給源の温度又は負荷変動は、エネルギー供給源に蓄積されたエネルギーが最適に利用され得ないという事実をもたらす可能性がある。この実施の形態を使用して、残存利用容量を決定する精度を改善することができる。エネルギー供給源の現在の作動温度は、例えば、赤外線温度計又は表面温度計等の温度計を使用して測定することができる。エネルギー供給源の負荷は、電流ピーク及び/又は電圧ピークによって影響を受ける場合がある。負荷は、電流及び/又は電圧ピークが消費部に対して規定された閾値を超えない及び/又は下回らない場合に均一であり得る。
【0015】
好ましくは、残存利用容量の決定は、電気消費部の現在の動作条件と電気消費部の目標動作条件との比較、及び/又はエネルギー供給源の現在の作動条件とエネルギー供給源の目標作動条件との比較に基づく。消費部の目標動作条件及び/又はエネルギー供給源の目標作動条件は、消費部又はエネルギー供給源の製造、例えば、消費部又はエネルギー供給源のデータシートに由来する場合がある。電気消費部の目標動作条件は、道路建設機械の締固めユニットの目標回転速度、加熱デバイスの目標加熱温度、又はコンベヤデバイスの目標搬送速度とすることができる。エネルギー供給源の目標作動条件は、エネルギー供給源の目標作動温度及び/又はエネルギー供給源の均一な負荷とすることができる。消費部の目標動作条件及び/又はエネルギー供給源の目標作業条件は、消費部又はエネルギー供給源が理想的に動作する条件を示すことができる。消費部は、それによって生成される作業結果が最適に達成される場合、理想的に作業することができる。エネルギー供給源は、その容量が最大であるときに理想的に作動することができる。計画された作業措置は、消費部及び/又はエネルギー供給源がほぼ理想的に動作しているときに実行されることが望ましい場合がある。
【0016】
現在の動作条件が電気消費部の目標動作条件から少なくとも一時的に逸脱する場合、及び/又は現在の作動条件がエネルギー供給源の目標作動条件から少なくとも一時的に逸脱する場合、実際の残存利用容量は、目標動作条件又は目標作動条件の下で決定される残存利用容量よりも大きいか、又は小さいと判定することができる。1つの変形形態によれば、オペレータに示すことができる実際の残存利用容量は、目標条件に基づいて計算された残存利用容量が、目標条件によって検出された偏差に応じて決定することができる補正値によって更新されるという事実からもたらされることが考えられる。この実施の形態によって、消費部及び/又はエネルギー供給源が実際に動作している状態に対して、残存利用容量が決定され得ることが保証され得る。理想的には、残存利用容量を決定する精度を向上させることができる。
【0017】
好ましくは、ユニットは、比較の結果に基づいて、決定された残存利用容量を補正して、補正された実際の残存利用容量を決定するように構成される。この実施の形態によって、残存利用容量の決定の精度を向上させることができ、又は、誤った残存利用容量の決定を回避することができる。
【0018】
好ましくは、ユニットは、少なくとも1つの調整可能な表示フィールド、例えばディスプレイを有し、これを使用して、残存利用容量又は補正された残存利用容量を示すことができる。これにより、オペレータは、残存利用容量を容易に確認することができる。理想的には、残存利用容量は、明確な及び/又はユーザフレンドリーな方法で表示することができる。任意選択的に、残存利用容量及び/又は目標利用容量の単位を設定及び/又は変更するユーザインタフェースは、表示フィールドに統合することができる。表示フィールドは、例えばタッチスクリーンとすることができる。表示フィールドは、所望に応じて、オペレータによって手動で、及び/又はユニットによって自動的に設定することができる。例えば、残存利用容量及び/又は目標利用容量及び/又は表示フィールドの単位は、表示フィールドの輝度又はコントラスト及び/又は表示フィールド上の表示のサイズ及び/又は表示の色及び/又はフォントに関して調整可能とすることができる。ユニットは、任意選択的に、表示フィールドの1つ以上の定義された設定、例えばオペレータ固有の設定を記憶することができる。これにより、オペレータは、保存された設定を容易かつ迅速に選択することができる。これにより、ユニットの使い勝手を向上させ、理想的には、オペレータによるその受け入れを高めることができる。任意選択的に又は追加的に、残存利用容量は、例えばスピーカを介して音響的に表示することができる。
【0019】
好ましくは、ユニットは、特に残存利用容量又は補正された残存利用容量が目標利用容量の所定のパーセンテージ未満である場合に、信号を出力するように構成される。このパーセンテージは、少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約15%であり得る。このパーセンテージは、最大で約50%、好ましくは最大で約30%であり得る。信号は、視覚的及び/又は聴覚的及び/又は触覚的とすることができる。これにより、残存利用容量が目標利用容量の或る特定のパーセンテージを下回ったときに、十分に早い段階でオペレータに指示することができる。次いで、オペレータは、必要に応じて、それぞれの措置を講じることができる。この措置は、例えば、計画された作業措置が実行されないか、又は部分的にしか実行されないことからなることができる。措置は、任意選択的に、計画された作業措置に必要ではないが、エネルギーに関してエネルギー供給源に接続されている1つ以上の他の消費部を、エネルギー節約モードに設定すること、又はそれらをオフに切り替えることからなることができる。理想的には、ユニットの使い勝手を向上させ、任意選択的にオペレータによるその受け入れを高めることができる。
【0020】
残存利用容量を示す信号を、少なくとも間隔を置いて又は連続的に遠隔受信機に、例えば、エネルギー供給源の充電プロセスのために及び/又はエネルギー供給源の交換のために構成されたステーションに送信するために、ユニットが送信機として構成され、これは、特に建設現場のモバイルデバイスの形態で提供されることが考えられる。したがって、受信機とともに、ユニットは、理想的には道路建設機械の中断のない動作、特に消費部の中断のない動作を保証するトランシーバ(送信機-受信機)デバイスを形成することができる。
【0021】
本発明は更に、本発明による残存利用容量を決定する少なくとも1つのユニットを有する道路建設機械に関する。利点は、残存利用容量を決定する上述のユニットと同じである。ユニットは、移動式とすることができ、又は道路建設機械に恒久的に設置することができる。これは、ユニットを道路建設機械に最適に統合することができ、又は柔軟に使用することができることを意味する。ユニットは、道路建設機械の運転者の制御ステーション及び/又は外部制御ステーションに配置することができる。例えば、運転者は、運転者の制御ステーションに位置することができ、及び/又は、スクリードオペレータは、外部制御ステーションに位置することができ、したがって、ユニットに容易にアクセスすることができる。
【0022】
好ましくは、ユニットは、残存利用容量又は補正された残存利用容量を少なくとも1つの遠隔受信機に送信するように構成される。この目的のために、ユニットは受信機に無線で接続することができる。受信機は、例えば、所定の期間にわたって残存利用容量を記憶及び/又は評価することができる遠隔コンピューティング及び/又はデータ記憶ユニットとすることができる。例えば、エネルギー供給源の残存利用容量は、道路建設機械に関連するプロセスを最適化するために受信機に送信することができる。これは、例えば、道路建設機械に関連する1つ以上の計画された作業措置を経済的又は戦略的に有利な方法で制御することができるという利点を提供する。
【0023】
中断のない動作を理想的に保証するために、送信された残存利用容量に基づいて、少なくとも一時的に、消費部がエネルギー節約モードに切り替えられることが考えられる。この目的のために、ユニットは、コンピューティングユニットに送信された残存利用容量を示す信号に応答して、コンピューティングユニットから要求信号であって、ユニットに、消費部を少なくとも一時的にエネルギー節約モードに切り替えさせ得る、要求信号を受信するために、トランシーバとして構成することができる。
【0024】
好ましくは、道路建設機械は、道路舗装機、道路舗装機用のフィーダ、ローラ車両、又は切削車両である。道路舗装機は、舗装層を設置するように構成することができる。フィーダは、道路舗装機に舗装材料を供給するために設けることができる。これは、エネルギー源の残存利用容量が、道路舗装機又はフィーダによって容易にかつ効率的に決定され、示されることを可能にする。切削車両は、古い舗装層を除去、特に切削するように構成することができる。ローラ車両は、道路舗装機によって生成された新しい舗装層を所定の締固め度まで締固めするように構成することができる。この目的のために、ローラ車両は、特に、所定の締固め度に達するまで、新たな舗装層又は少なくともその面積上で繰り返し転圧運動を行うことができる。したがって、特にローラ車両の場合、目標利用容量及び/又は残存利用容量を目標利用面積又は残存利用面積として指定することが望ましい場合がある。
【0025】
好ましくは、残存利用容量の決定は、道路建設機械の現在の外気温度及び/又は道路建設機械の現在の運転速度に基づく。現在の外気温度は、道路建設機械の近傍の周囲空気の温度を示すことができる。例えば、現在の外気温度は、道路建設機械上又はその近くの温度計を使用して決定することができる。現在の気象条件、特に現在の外気温度を気象観測所から受信するために、ユニットが道路建設機械、特に屋根構造に設置された気象観測所に接続されると有用である。現在の外気温度は、エネルギー供給源の現在の作動温度に影響を及ぼし、したがって残存利用容量の決定に影響を及ぼす可能性がある。道路建設機械の現在の運転速度は、電気消費部の現在の動作条件、特に電気消費部のエネルギー需要、したがって残存利用容量の決定に影響を及ぼす可能性がある。この実施の形態によって、残存利用容量の決定の精度を改善することができる。
【0026】
好ましくは、エネルギー供給源は、バッテリであり、及び/又は、消費部は、電動式の加熱デバイスであり、及び/又は、消費部は、電動式の電気油圧ユニットであり、及び/又は、消費部は、電動式の縦送りコンベヤデバイスであり、及び/又は、消費部は、電動式の横送りコンベヤデバイスであり、及び/又は、道路建設機械、特に道路舗装機の電動式の車台駆動部である。任意選択的に、消費部は、フィーダの舗装材料用の電動式のコンベヤデバイス、電動式の加熱デバイス、及び/又は電動式の車台駆動部とすることができる。任意選択的に、消費部は、ローラ車両の電動式のローラ駆動部及び/又は電動式の車台駆動部とすることができる。任意選択的に、消費部は、切削車両の電動式の縦送りコンベヤデバイス、電動式の切削駆動部、及び/又は電動式の車台駆動部とすることができる。
【0027】
道路建設機械、特に残存利用容量を決定するユニットは、例えばウェブベースのアプリケーションを介して材料供給チェーンに機能的に接続され、この場合、道路建設機械の材料供給チェーンを介して提供される舗装材料の最低舗装材料温度は、検出された残存利用容量に応じて道路建設機械によって要求することができることが考えられる。より高温の舗装材料を供給することによって、消費部、例えば、エネルギー供給源によって供給される道路建設機械の加熱デバイスは、少なくとも一時的にエネルギー節約モードに切り替えることができ、これによって、道路建設機械の所望の作業結果又は舗装結果が変化することはない。
【0028】
本発明はまた、少なくとも1つの道路建設機械、特に少なくとも1つのフィーダと、少なくとも1つの道路舗装機と、少なくとも1つのローラ車両とを備える舗装車であって、特に残存利用容量、特に残存利用面積が、道路舗装機及び/又はフィーダからローラ車両に送信可能である、舗装車に関する。残存利用容量、特に残存利用面積は、ローラ車両から道路舗装機及び/又はフィーダに送信可能であることが考えられる。
【0029】
任意選択的に、舗装車はまた、本発明による切削車両を有することができ、切削車両は、残存利用容量、特に残存利用面積を道路舗装機、フィーダ及び/又はローラ車両に送信することができる。残存利用面積を決定するとき、除去される舗装層の目標作業幅が考慮に入れることができる。
【0030】
原則として、舗装車の構成要素、すなわち、道路舗装機、フィーダ、ローラ車両、及び任意選択的に切削車両の間の残存利用容量は、送信可能であり、特に、比較可能であり得る。これは、舗装車のそれぞれの関与する要素(participant)が互いのエネルギー貯蔵量を知らされ、特に、それらの動作がこれに応じて調整され得ることを保証する。例えば、ローラ車両の運転者が、舗装方向において舗装車の前方にある道路舗装機が低いエネルギー貯蔵充電レベルで動作していることを知って、その転圧性能、特にその転圧速度を低下させることが考えられる。
【0031】
舗装車内の道路建設機械の最小である残存利用容量は、舗装車の制御システムにおいて、すなわち、舗装車内で作動する道路建設機械の協調動作のために考慮することができる。例えば、舗装車内の全ての道路建設機械の残存利用容量を互いに比較することができ、例えば、道路建設機械のそれぞれの消費部を、それらの動作において互いに調整することができる。
【0032】
本発明はまた、道路建設機械上で使用される少なくとも1つの電気消費部に接続された少なくとも1つのエネルギー供給源の残存利用容量を決定する方法に関する。本方法において、エネルギー供給源の検出された現在の充電状態に基づいて、残存利用容量が、少なくとも1つの消費部の残存利用時間、残存利用距離及び/又は残存利用面積として示される。
【0033】
好ましくは、ユニットは、消費部による計画された作業措置のために必要とされる目標利用容量を、目標利用時間、目標利用距離、及び/又は目標利用面積として示すために使用される。残存利用容量を決定する上述のユニット、又は、残存利用容量を決定する少なくとも1つのユニットを有する道路建設機械と同じ利点が生じる。
【0034】
態様(ユニット、道路建設機械又は方法)のうちの1つに関して記載された特徴又は説明は、他の態様に移され、他の態様と組み合わせることができる。
【0035】
本発明は、実施形態を参照して以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】一実施形態による、残存利用容量を決定するユニットを備えた道路舗装機の形態の道路建設機械の概略図である。
【
図2】一実施形態による、残存利用容量を決定するユニットを備えた道路舗装機用のフィーダの形態の道路建設機械の概略図である。
【
図3】一実施形態による
図1の道路舗装機の領域の斜視図である。
【
図4】一実施形態による、道路建設機械上で使用される少なくとも1つの電気消費部に接続された少なくとも1つのエネルギー供給源の残存利用容量を決定するユニットの表示フィールドの概略図である。
【
図5】更なる実施形態による、道路建設機械上で使用される少なくとも1つの電気消費部に接続された少なくとも1つのエネルギー供給源の残存利用容量を決定するユニットの表示フィールドの概略図である。
【0037】
図面全体を通して、同一の技術的要素には同じ参照符号が付されている。
【0038】
図1は、目標舗装幅又は目標作業幅及び目標作業長さを有する新しい舗装層3を設置する道路舗装機2として構成された道路建設機械1の概略図を示している。道路舗装機2は、約10m/分の舗装速度vで走行方向Rに新しい舗装層3を設置する。これを行うために、道路舗装機2は、舗装機の前部に適合されたホッパ5に貯蔵された舗装材料4を使用する。ホッパ5内に貯蔵された舗装材料4は、縦送りコンベヤ30によって移動方向Rとは反対方向にスクリード6まで輸送され、スクリード6は、新たな舗装層3を形成するためにスクリード6に与えられた舗装材料4を締固めするように適合されている。
【0039】
図1に示すスクリード6は、拡張スクリードとして構成されている。スクリード6は、ベーススクリード7と、新しい舗装層3の所望の舗装幅を設定する横方向延在部8とを有する。
【0040】
図1の道路舗装機2は、運転者F用の運転者の制御ステーション9を備える。制御パネル12が、道路舗装機2の運転者の制御ステーション9上に運転者Fのために設けられている。制御パネル12は、道路舗装機2によって実行され得るプロセスを制御及び監視するように構成されている。例えば、運転者Fは、制御パネル12上で走行方向Rにおける道路舗装機2の速度vを設定することができる。
【0041】
図1はまた、外部制御ステーション13を示しており、これは、道路舗装機2、特にスクリード6のプロセスを制御及び監視するために、スクリード6の外側にスクリードオペレータB用の作業場所を作り出している。この目的のために、更なる制御パネル14が外部制御ステーション13に設けられている。
【0042】
道路舗装機2は、エネルギー供給源17としてバッテリ17aを更に有し、バッテリ17aは、縦送りコンベヤデバイス30にエネルギーを供給するために、電気消費部16としての縦送りコンベヤデバイス30に接続される。
【0043】
図1はまた、バッテリ17aの残存利用容量18(
図4を参照)を決定するユニット15を示しており、これは以下でより詳細に説明される。ユニット15は、運転者Fが必要に応じてユニット15を道路舗装機2から取り外すことができるように、運転者の制御ステーション9上にモバイルユニットとして配置されることが好ましい。例えば、ユニット15は、道路舗装機2上で実行されるプロセスを制御及び監視するように構成された操作ユニットの一部である。
【0044】
ユニット15は、残存利用容量18を少なくとも1つの遠隔受信機23に、好ましくは無線で送信するように更に構成される。この目的のために、ユニット15は、好ましくは、少なくとも間隔を置いて、残存利用容量18を示す信号を遠隔受信機23に送信する送信機として構成される。この実施形態の例によれば、遠隔受信機23は、バッテリ17aの充電プロセスのために構成されたステーションとして、特に移動充電デバイスとして、道路舗装機2の環境内に設けられる。したがって、受信機23とともに、ユニット15は、理想的には道路舗装機2の中断のない動作、特に縦送りコンベヤデバイス30の中断のない動作を保証するトランシーバ(送信機-受信機)デバイスを形成する。
【0045】
図2は、道路舗装機2用のフィーダ25の形態で構成された別の道路建設機械1を示している。かかるフィーダ25は、
図1に示されるような道路舗装機2に舗装材料4を供給するために実際に使用されている。この目的のために、フィーダ25は、走行方向Rにおいて道路舗装機2の前を走行し、フィーダ25に適合されたコンベヤデバイス26によって、それに続く道路舗装機2のホッパ5に舗装材料4を投入する。
図2のフィーダ25は、舗装材料4を受け入れるホッパ27を有する。コンベヤデバイス26は、ホッパ27まで延在し、したがって、ホッパ27内に貯蔵された舗装材料4を、走行方向Rとは逆に、後続の道路舗装機2の方向に輸送し、後続の道路舗装機2に移送することができる。
【0046】
図2によれば、フィーダ25は、運転者の制御ステーション28を有する。運転者の制御ステーション28には、運転者F’用のシートコンソール10’と、フィーダ25によって実行されるプロセスを制御及び監視する制御パネル29とが取り付けられている。
【0047】
フィーダ25は、エネルギー供給源17としてバッテリ17aを更に有し、バッテリ17aは、電気消費部16としてのコンベヤ26にエネルギーを供給するためにコンベヤ26に接続される。
【0048】
図2はまた、バッテリ17aの図示されていない残存利用容量18を決定するユニット15を示し、これは以下でより詳細に説明される。ユニット15は、運転者F’が必要に応じてフィーダ25からユニット15を取り外すことができるように、運転者の制御ステーション28にモバイルユニットとして配置されることが好ましい。
【0049】
ユニット15は、残存利用容量18を少なくとも1つの遠隔受信機23に、好ましくは無線で送信するように更に構成される。この目的のために、ユニット15は、好ましくは、少なくとも間隔を置いて、残存利用容量18を示す信号を遠隔受信機23に送信する送信機として構成される。この実施形態の例によれば、遠隔受信機23は、フィーダ25の環境内のモバイルデバイスとしてのバッテリ17aの充電プロセスのために構成されたステーションとして設けられる。したがって、ユニット15は、受信機23とともに、理想的にはフィーダ25の中断のない動作、特にコンベヤデバイス26の中断のない動作を保証するトランシーバ(送信機-受信機)デバイスを形成する。
【0050】
図3は、一実施形態による
図1の道路舗装機2のトラクタユニットの斜視図を示している。
図3は、バッテリ17aがエネルギー供給源17として道路舗装機2に設置されていることを詳細に示している。特に、バッテリ17aは、交換可能なモジュールとして存在することができる。少なくとも1つの電気消費部16、特に、道路舗装機2の電動式の縦送りコンベヤデバイス30、電動式の加熱デバイス31、電動式の電気油圧ユニット32、電動式の横送りコンベヤデバイス33、及び/又は電動式の車台駆動部34が、適切な箇所に設けられる。エネルギー供給源17は、加熱デバイス(図示せず)等の、被牽引スクリード7に一体化された他の電気消費部に電流を供給することもできる。
【0051】
図3による本実施形態の例では、全ての消費部16がバッテリ17aに電気的に接続されている。しかしながら、バッテリ17aを介して1つ又は選択された消費部16のみに電気的に電力を供給することも考えられる。任意選択的に、複数のエネルギー供給源17を設けて、これらのエネルギー供給源17がそれぞれ、1つ以上の消費部16にのみ接続されることも考えられる。1つ以上の消費部16が2つ以上のエネルギー供給源17に接続されることも考えられる。
【0052】
図3は、例えば、重要な電気消費部16のアセンブリ及びバッテリ17aとのそれらのエネルギー接続を示している。エネルギー供給源17及び電気消費部16のタイプ、数、及びアセンブリの詳細は、単に例として選択されており、保護の範囲を限定するものではない。当業者には明らかなように、道路建設機械1としてのフィーダ25の場合、消費部16は、舗装材料4用の電動式のコンベヤ26に加えて、別の電動式のデバイス、例えばフィーダ24の電動式の加熱デバイス又は電動式の車台駆動部とすることができる。任意選択的に、道路建設機械1は、ローラ車両35又は切削車両36とすることができる。この場合、消費部16は、ローラ車両35の電動式のローラ駆動部及び/又は電動式の車台駆動部、切削車両36の電動式の縦送りコンベヤデバイス、電動式の切削駆動部及び/又は電動式の車台駆動部とすることができる。
【0053】
図4及び
図5はそれぞれ、異なる実施形態による道路建設機械1用のユニット15の表示フィールド22を示している。実施形態の例では、表示フィールド22は、道路舗装機2上に設けられる。表示フィールド22がフィーダ25上に設けられ得ることは、当業者には明らかである。
【0054】
ユニット15は、バッテリ17aの現在の充電状態19をおよそ15%の充電率(SOC)として決定し、これを表示フィールド22に棒グラフの形態で示している。パーセンテージとしての充電状態19のこの表示は、縦送りコンベヤデバイス30及び/又は別の電気消費部16がどれだけ遠くまで又はどれだけ長くバッテリ17aによって依然として動作され得るかを運転者Fが推定するのに適していない場合がある。特に、運転者Fは、エネルギー供給源17に蓄積されたエネルギーが、現在の動作を考慮して、所定の作業措置20を完了するのに十分であるかどうか、例えば、現在のエネルギー消費で50トンの舗装材料を設置するのに十分であるかどうかを判定することができない。
【0055】
縦送りコンベヤデバイス30は、ここでは単に例として消費部16と見なされる。上述したように、消費部16は、任意選択的に、
図3に示す消費部16のうちの1つ以上とすることができる。例えば、消費部16は、道路舗装機2の電動式の加熱デバイス31、電動式の電気油圧ユニット32、電動式の横送りコンベヤデバイス33、及び/又は電動式の車台駆動部34とすることができる。消費部16の詳細は、例としてのみ選択され、保護の範囲を限定するものではない。
【0056】
実施形態の例では、例えば、道路舗装機2がおよそ1000mの長さを有する新しい舗装層3を設置することを計画することができる。したがって、計画された作業措置20は、例えば、計画された新しい舗装層3を設置することができるように、バッテリ17aが電動式の縦送りコンベヤ30に電力を供給することからなる。この作業措置20によれば、バッテリ17aの目標利用容量21は、目標利用距離21aの形態では、およそ1000mとすることができ、及び/又は目標利用時間21bの形態では、およそ100分(min)とすることができる。ユニット15は、計画された作業措置20及び/又は目標利用容量21を表示フィールド22に表示するように適合される。さらに、ユニット15は、縦送りコンベヤデバイス30に接続されたバッテリ17aの残存利用容量18で目標利用容量21が達成され得るかどうかを示すために、バッテリ17aの残存利用容量18を決定するように適合される。ユニット15は更に、バッテリ17aの現在の充電状態19に基づいて決定された残存利用容量18を、縦送りコンベヤデバイス30の残存利用時間18a、残存利用距離18bとして示すように適合されている。さらに、ユニット15は、残存利用面積18c及び/又は目標利用面積21cを決定及び/又は示すように適合され得る。
【0057】
残存利用容量18を決定するために、ユニット15は、縦送りコンベヤデバイス30の現在の動作条件、特に縦送りコンベヤデバイス30の設定された搬送速度によって影響されるその平均エネルギー消費を考慮に入れる。この目的のために、縦送りコンベヤ30のエネルギー需要は、およそ10分の期間にわたって平均化され、およそ10メートル毎分(m/min)の搬送速度v’に対しておよそ150kWhをもたらす。加えて、残存利用容量18の決定は、バッテリ17aの現在の作動条件、特に、赤外線温度計を使用しておよそ18℃であると判定されるその現在の作動温度に基づく。この情報に基づいて、ユニット15は、およそ25分の残存利用時間18a又はおよそ250mの残存利用距離18bとして残存利用容量18を決定する。決定された残存利用容量18の精度を向上させるために、ユニット15は、バッテリ17aの現在の動作条件をバッテリ17aの目標動作条件と比較し、縦送りコンベヤデバイス30の現在の作動条件を縦送りコンベヤデバイス30の目標作動条件と比較する。バッテリ17aの目標動作条件及び縦送りコンベヤデバイス30の目標作動条件として、およそ100kWhのエネルギー消費が、例えばおよそ10m/minのコンベヤ速度で消費部又はエネルギー供給源データシートに記憶され、およそ20℃のバッテリ17aの作動温度が記憶される。したがって、ユニットは、およそ10%の偏差を決定する。この結果に基づいて、ユニット15は、およそ22.5分の補正された残存利用時間118a又はおよそ225mの補正された残存利用距離118bが得られるように、残存利用容量18を補正する。このため、バッテリ17aの補正された残存利用容量118は、目標利用容量21のおよそ22.5%となる。
【0058】
図4において、表示フィールド22は、およそ22.5分(min)の残存利用時間18a又は補正された残存利用時間118aを、残存利用容量18又は補正された残存利用容量118として示すのみである。ユニット15は、バッテリ17aの補正された残存利用容量118が目標利用容量21の30%未満である場合に、運転者制御ステーション9に配置されたスピーカ(図示せず)を介して音響信号を発するように更に構成される。したがって、実施形態の例では、ユニット15は、警告として信号を発する。運転者Fは、例えば、計画された作業措置を実行しないように、それぞれの措置を講じることができる。
【0059】
図5において、ユニット15の表示フィールド22は、15%のバッテリ17aの現在の充電状態19を棒グラフとして示している。加えて、表示フィールド22は、およそ22.5分(min)のそれぞれの補正された残存利用時間118aを示している。上述したように、およそ1000mの目標利用距離21aの形態のバッテリ17aの目標利用容量21が、計画された作業措置20に必要とされる。運転者Fは、示された補正された残存利用時間118aから、バッテリ17aがこの作業措置20を実行するのに十分なエネルギーを縦送りコンベヤデバイス30に依然として供給し得るかどうかを容易に推定することができない。したがって、表示フィールド22は、補正された残存利用容量118を表示フィールド22に示す単位を設定及び/又は変更するユーザインタフェース(図示せず)によって制御可能である。この目的のために、表示フィールド22はタッチスクリーンとして適合される。運転者Fは、表示フィールド22に、22.5分(min)の補正された残存利用時間118aに加えて、225mのバッテリ17aの補正された残存利用距離118bが表示されるように、指でタッチスクリーンを操作するだけでよい。任意選択的に、表示フィールド22には、残存利用距離18bか、補正された残存利用距離118bか、残存利用時間18aか、補正された残存利用時間118aのいずれかを表示するように設定することもできる。バッテリ17aの225mの補正された残存利用距離118bは、計画された作業措置20を実行するのにもはや十分ではないことが、運転者Fに迅速かつ容易に明らかである。
【手続補正書】
【提出日】2024-10-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路建設機械(1)上で使用される少なくとも1つの電気消費部(16)に接続された少なくとも1つのエネルギー供給源(17)の残存利用容量(18)を決定するユニット(15)であって、
前記ユニット(15)は、前記エネルギー供給源(17)の現在の充電状態(19)に基づいて決定された前記残存利用容量(18)を、前記少なくとも1つの電気消費部(16)の残存利用時間(18a)、残存利用距離(18b)、及び/又は残存利用面積(18c)として示すように適合されていることを特徴とするユニット。
【請求項2】
前記ユニット(15)は、目標利用時間(21a)、目標利用距離(21b)及び/又は目標利用面積(21c)として、計画された作業措置(20)に必要とされる目標利用容量(21)を前記電気消費部(16)によって示すように適合されていることを特徴とする請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
前記残存利用容量(18)の前記決定は、前記電気消費部(16)の現在の動作条件、特に前記電気消費部(16)の現在の及び/又は平均されたエネルギー需要に基づくことを特徴とする請求項1に記載のユニット。
【請求項4】
前記残存利用容量(18)の前記決定は、前記エネルギー供給源(17)の現在の作動条件、特に前記エネルギー供給源(17)の現在の作動温度及び/又は均一な若しくは変動する負荷に基づくことを特徴とする請求項1に記載のユニット。
【請求項5】
前記残存利用容量(18)の前記決定は、前記電気消費部(16)の現在の動作条件と前記電気消費部(16)の目標動作条件との比較、及び/又は前記エネルギー供給源(17)の現在の作動条件と前記エネルギー供給源(17)の目標作動条件との比較に基づくことを特徴とする請求項1に記載のユニット。
【請求項6】
前記ユニット(15)は、前記比較の結果に基づいて、前記決定された残存利用容量(18)を補正して、補正された残存利用容量(118)を決定するように構成されることを特徴とする請求項5に記載のユニット。
【請求項7】
前記ユニット(15)は、少なくとも1つの調整可能な表示フィールド(22)を有し、前記表示フィールド(22)によって、前記残存利用容量(18)又は補正された残存利用容量(118)を表示することができ、及び/又は、前記ユニット(15)は、特に前記残存利用容量(18)又は前記補正された残存利用容量(118)が目標利用容量(21)の所定のパーセンテージ未満である場合に、信号を出力するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のユニット。
【請求項8】
道路建設機械(1)であって、請求項1に記載の少なくとも1つのユニット(15)を有する道路建設機械。
【請求項9】
前記ユニット(15)は、残存利用容量(18)又は補正された残存利用容量(118)を少なくとも1つの遠隔受信機(23)に送信するように構成されることを特徴とする請求項8に記載の道路建設機械。
【請求項10】
前記道路建設機械(1)は、道路舗装機(2)、道路舗装機(2)用のフィーダ(24)、ローラ車両(35)、又は切削車両(36)であることを特徴とする請求項8に記載の道路建設機械。
【請求項11】
前記残存利用容量(18)の前記決定は、前記道路建設機械(1)の現在の外気温度及び/又は前記道路建設機械(1)の現在の運転速度に基づくことを特徴とする請求項8に記載の道路建設機械。
【請求項12】
前記エネルギー供給源(17)は、バッテリ(17a)であり、及び/又は、前記電気消費部は、電動式の加熱デバイス(31)であり、及び/又は、前記電気消費部は、電動式の電気油圧ユニット(32)であり、及び/又は、前記電気消費部は、電動式の縦送りコンベヤデバイス(30)であり、及び/又は、前記電気消費部は、電動式の横送りコンベヤデバイス(33)であり、及び/又は、前記電気消費部は、前記道路建設機械の電動式の車台駆動部(34)であることを特徴とする請求項8に記載の道路建設機械。
【請求項13】
請求項8に記載の少なくとも1つの道路建設機械を備える舗装車(37)であって、残存利用容量(18)、特に残存利用面積(18c)が、道路舗装機(2)及び/又はフィーダ(24)からローラ車両(35)に送信可能である舗装車。
【請求項14】
道路建設機械(1)上で使用される少なくとも1つの電気消費部(16)に接続された少なくとも1つのエネルギー供給源(17)の残存利用容量(18)を決定する方法であって、
前記エネルギー供給源(17)の検出された現在の充電状態に基づいて、残存利用容量(18)が、前記少なくとも1つの電気消費部(16)の残存利用時間(18a)、残存利用距離(18b)及び/又は残存利用面積(18c)として示されることを特徴とする方法。
【請求項15】
ユニット(15)によって、前記電気消費部(16)による計画された作業措置(20)のために必要とされる目標利用容量(21)が、目標利用時間(21a)、目標利用距離(21b)、及び/又は目標利用面積(21c)として示されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【外国語明細書】