IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 花王株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-混合ユニット、キット及び洗浄方法 図1
  • 特開-混合ユニット、キット及び洗浄方法 図2
  • 特開-混合ユニット、キット及び洗浄方法 図3
  • 特開-混合ユニット、キット及び洗浄方法 図4
  • 特開-混合ユニット、キット及び洗浄方法 図5
  • 特開-混合ユニット、キット及び洗浄方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005441
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】混合ユニット、キット及び洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   B05B 1/18 20060101AFI20250108BHJP
   A47K 4/00 20060101ALN20250108BHJP
【FI】
B05B1/18
A47K4/00
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024104226
(22)【出願日】2024-06-27
(31)【優先権主張番号】P 2023105444
(32)【優先日】2023-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 遼
(72)【発明者】
【氏名】室井 惟知
(72)【発明者】
【氏名】根本 充
(72)【発明者】
【氏名】菅原 博勝
【テーマコード(参考)】
2D132
4F033
【Fターム(参考)】
2D132GA00
4F033AA11
4F033BA04
4F033DA05
4F033EA01
4F033LA09
4F033LA12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】洗浄液に含まれている界面活性剤の量が少ない場合においても、優れた洗浄効果を発揮させることが可能な混合ユニット、キット及び洗浄方法を提供する。
【解決手段】界面活性剤を含有する洗浄剤を収容可能な収容室と、洗浄剤及び水を混合させて洗浄液を生成可能な混合室と、水を混合室に供給可能な第1流路と、混合室で生成される洗浄液をシャワーヘッド又はシャワーホースに供給可能な第2流路と、収容室に収容される洗浄剤を混合室に供給可能な第3流路とを備え、第2流路から供給される洗浄液の供給量が4000g/min以上7000g/min以下の場合に、洗浄液に含有されている界面活性剤の含有量が0.09質量%以下であり、シャワーヘッドから噴出される洗浄液の流速が2.0m/s以上10m/s以下の場合に、洗浄液の流速[m/s]に界面活性剤の含有量[質量%]を乗じた値が0.025以上である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤を含有する洗浄剤を収容可能な収容室と、
洗浄剤及び水を混合させて洗浄液を生成可能な混合室と、
シャワーホース又は水栓から水を流入可能に構成されており、該シャワーホース又は該水栓から流入される水を前記混合室に供給可能な第1流路と、
前記混合室で生成される洗浄液をシャワーヘッド又はシャワーホースに供給可能な第2流路と、
前記収容室に収容される洗浄剤を前記混合室に供給可能な第3流路と
を備え、
前記第2流路から前記シャワーヘッド又は前記シャワーホースに対して供給される洗浄液の供給量が4000g/min以上7000g/min以下の場合に、当該シャワーヘッド又はシャワーホースに対して供給される洗浄液に含有されている界面活性剤の含有量が0.09質量%以下であり、
前記シャワーヘッドから噴出される洗浄液の流速が2.0m/s以上10m/s以下の場合に、前記洗浄液の流速[m/s]に前記界面活性剤の含有量[質量%]を乗じた値が0.025以上である
混合ユニット。
【請求項2】
界面活性剤を含有する洗浄剤を収容可能な収容室と、
洗浄剤及び水を混合させて洗浄液を生成可能な混合室と、
シャワーホース又は水栓から水を流入可能に構成されており、該シャワーホース又は該水栓から流入される水を前記混合室に供給可能な第1流路と、
前記混合室で生成される洗浄液をシャワーヘッド又はシャワーホースに供給可能な第2流路と、
前記収容室に収容される洗浄剤を前記混合室に供給可能な第3流路と
を備え、
前記第2流路から前記シャワーヘッド又は前記シャワーホースに対して供給される洗浄液の供給量が5000g/min以上9000g/min以下の場合に、当該シャワーヘッド又はシャワーホースに対して供給される洗浄液に含有されている界面活性剤の含有量が0.05質量%以下であり、
前記シャワーヘッドから噴出される洗浄液の流速が2.0m/s以上10m/s以下の場合に、前記洗浄液の流速[m/s]に前記界面活性剤の含有量[質量%]を乗じた値が0.025以上である
混合ユニット。
【請求項3】
液剤を収容可能な収容室と、
液剤及び水を混合させて液を生成可能な混合室と、
シャワーホース又は水栓から水を流入可能に構成されており、該シャワーホース又は該水栓から流入される水を前記混合室に供給可能な第1流路と、
前記混合室で生成される液をシャワーヘッド又はシャワーホースに供給可能な第2流路と、
前記収容室に収容される液剤を前記混合室に供給可能な第3流路と
を備え、
前記第2流路は、前記第1流路の軸方向と同一方向に沿って配置されており、
前記第1流路は、前記第2流路に向けて流路面積が縮小するように構成されており、
前記第2流路は、前記第1流路に向けて流路面積が縮小するように構成されており、
前記第3流路は、前記第1流路及び前記第2流路の軸方向と交差する方向に沿って配置されており、
前記第2流路の最小流路面積は、前記第1流路の最小流路面積よりも大きい
混合ユニット。
【請求項4】
前記第1流路の一部は、前記混合室内に配置されている
請求項3に記載の混合ユニット。
【請求項5】
前記第1流路の前記第2流路側の端部と、前記第2流路の前記第1流路側の端部との離間距離が0.5mm以上3.0mm以下である
請求項4に記載の混合ユニット。
【請求項6】
前記第2流路の最小流路面積は、3.4mm以上15.9mm以下である
請求項3~5のいずれか1項に記載の混合ユニット。
【請求項7】
前記第2流路の最小流路面積は、2.5mm以上である
請求項3~5のいずれか1項に記載の混合ユニット。
【請求項8】
前記第1流路の最小流路面積は、3.1mm以上9.6mm以下である
請求項3~5のいずれか1項に記載の混合ユニット。
【請求項9】
前記第1流路の最小流路面積は、4.5mm以上16.0mm以下である
請求項3~5のいずれか1項に記載の混合ユニット。
【請求項10】
前記第3流路は、流路面積が0.2mm以上2.0mm以下となる部分を有している
請求項3~5のいずれか1項に記載の混合ユニット。
【請求項11】
前記第3流路に空気を供給可能な第4流路を更に備えている
請求項3~5のいずれか1項に記載の混合ユニット。
【請求項12】
前記第4流路の最小流路面積が0.8mm以上3.1mm以下である
請求項11に記載の混合ユニット。
【請求項13】
請求項3~5のいずれか1項に記載の混合ユニットと液剤とを有するキットであって、
前記液剤は界面活性剤を10質量%以上含み、
前記液剤の粘度が200mPa・s以下である
キット。
【請求項14】
界面活性剤を含有する洗浄剤を収容可能な収容室と、
洗浄剤及び水を混合させて洗浄液を生成可能な混合室と、
シャワーホース又は水栓から水を流入可能に構成されており、該シャワーホース又は該水栓から流入される水を前記混合室に供給可能な第1流路と、
前記混合室で生成される洗浄液をシャワーヘッド又はシャワーホースに供給可能な第2流路と、
前記収容室に収容される洗浄剤を前記混合室に供給可能な第3流路と
を備える混合ユニットを用いた洗浄方法であり、
前記収容室に洗浄剤を収容し、
前記第1流路から前記混合室に水を供給して、
前記シャワーヘッドから噴出する洗浄液の流速が2.0 m/s以上10m/s以下となり、前記洗浄液の流速[m/s]に前記界面活性剤の含有量[質量%]を乗じた値が0.025以上となるように、前記シャワーヘッドから前記洗浄液を対象物に向けて噴出させる
洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合ユニット、キット及び洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、シャワーヘッド内を流れる水に界面活性剤を含有する洗浄剤を混合させ、洗浄液を生成させる混合ユニットが知られている。例えば、特許文献1には、洗浄剤を収容する容器と、シャワーヘッドに対して容器を装着させる三方コックとを備える混合ユニットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-209873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の混合ユニットも含め、従来の混合ユニットでは、シャワーヘッド内を流れる水に対する界面活性剤の混合量については検討されていないという実情がある。そのため、例えば、洗浄液に含まれている界面活性剤の量が少ない場合には、良好な洗浄効果を得ることができないという問題がある。一方、洗浄液に含まれている界面活性剤の量が多い場合、例えば、洗浄液における界面活性剤濃度が一般的な洗浄剤における界面活性剤濃度(約10質量%~40質量%)と同等以上である場合には、界面活性剤が大量に消費されるため、環境負荷が大きくなる場合や使用者のコストが増加する場合があるという問題がある。
【0005】
本発明は、洗浄液に含まれている界面活性剤の量が少ない場合においても、優れた洗浄効果を発揮させることが可能な混合ユニット、キット及び洗浄方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る混合ユニットは、界面活性剤を含有する洗浄剤を収容可能な収容室と、洗浄剤及び水を混合させて洗浄液を生成可能な混合室と、シャワーホース又は水栓から水を流入可能に構成されており、該シャワーホース又は該水栓から流入される水を前記混合室に供給可能な第1流路と、前記混合室で生成される洗浄液をシャワーヘッド又はシャワーホースに供給可能な第2流路と、前記収容室に収容される洗浄剤を前記混合室に供給可能な第3流路とを備え、前記第2流路から前記シャワーヘッド又は前記シャワーホースに対して供給される洗浄液の供給量が4000g/min以上7000g/min以下の場合に、当該シャワーヘッド又はシャワーホースに対して供給される洗浄液に含有されている界面活性剤の含有量が0.09質量%以下であり、前記シャワーヘッドから噴出される洗浄液の流速が2.0m/s以上10m/s以下の場合に、前記洗浄液の流速[m/s]に前記界面活性剤の含有量[質量%]を乗じた値が0.025以上である。
【0007】
本発明に係る混合ユニットは、界面活性剤を含有する洗浄剤を収容可能な収容室と、洗浄剤及び水を混合させて洗浄液を生成可能な混合室と、シャワーホース又は水栓から水を流入可能に構成されており、該シャワーホース又は該水栓から流入される水を前記混合室に供給可能な第1流路と、前記混合室で生成される洗浄液をシャワーヘッド又はシャワーホースに供給可能な第2流路と、前記収容室に収容される洗浄剤を前記混合室に供給可能な第3流路とを備え、前記第2流路から前記シャワーヘッド又は前記シャワーホースに対して供給される洗浄液の供給量が5000g/min以上9000g/min以下の場合に、当該シャワーヘッド又はシャワーホースに対して供給される洗浄液に含有されている界面活性剤の含有量が0.05質量%以下であり、前記シャワーヘッドから噴出される洗浄液の流速が2.0m/s以上10m/s以下の場合に、前記洗浄液の流速[m/s]に前記界面活性剤の含有量[質量%]を乗じた値が0.025以上である。
【0008】
本発明に係る混合ユニットは、液剤を収容可能な収容室と、液剤及び水を混合させて液を生成可能な混合室と、シャワーホース又は水栓から水を流入可能に構成されており、該シャワーホース又は該水栓から流入される水を前記混合室に供給可能な第1流路と、前記混合室で生成される液をシャワーヘッド又はシャワーホースに供給可能な第2流路と、前記収容室に収容される液剤を前記混合室に供給可能な第3流路とを備え、前記第2流路は、前記第1流路の軸方向と同一方向に沿って配置されており、前記第1流路は、前記第2流路に向けて流路面積が縮小するように構成されており、前記第2流路は、前記第1流路に向けて流路面積が縮小するように構成されており、前記第3流路は、前記第1流路及び前記第2流路の軸方向と交差する方向に沿って配置されており、前記第2流路の最小流路面積は、前記第1流路の最小流路面積よりも大きい。
【0009】
本発明に係るキットは、上記混合ユニットと液剤とを有するキットであって、前記液剤は界面活性剤を10質量%以上含み、前記液剤の粘度が200mPa・s以下である。
【0010】
本発明に係る洗浄方法は、界面活性剤を含有する洗浄剤を収容可能な収容室と、洗浄剤及び水を混合させて洗浄液を生成可能な混合室と、シャワーホース又は水栓から水を流入可能に構成されており、該シャワーホース又は該水栓から流入される水を前記混合室に供給可能な第1流路と、前記混合室で生成される洗浄液をシャワーヘッド又はシャワーホースに供給可能な第2流路と、前記収容室に収容される洗浄剤を前記混合室に供給可能な第3流路とを備える混合ユニットを用いた洗浄方法であり、前記収容室に洗浄剤を収容し、前記第1流路から前記混合室に水を供給して、前記シャワーヘッドから噴出する洗浄液の流速が2.0 m/s以上10m/s以下となり、前記洗浄液の流速[m/s]に前記界面活性剤の含有量[質量%]を乗じた値が0.025以上となるように、前記シャワーヘッドから前記洗浄液を対象物に向けて噴出させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の混合ユニット、キット及び洗浄方法によれば、洗浄液に含まれている界面活性剤の量が少ない場合においても、優れた洗浄効果を発揮させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態に係る混合ユニットを示す斜視図である。
図2】第1実施形態に係る混合ユニットを示す分解斜視図である。
図3】供給状態にある混合ユニットを示す断面図である。
図4】非供給状態にある混合ユニットを示す断面図である。
図5】混合ユニットがシャワーホース及びシャワーヘッドに連結された状態を示す斜視図である。
図6】混合ユニットの一部を拡大して示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、本実施形態においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や、一部の構成要素が省略されている場合がある。
【0014】
[第1実施形態]
第1実施形態に係るキットは、混合ユニットと、液剤とを有している。混合ユニットは、シャワーホース及びシャワーヘッドに連結された状態において、シャワーホースから供給される水に液剤を混合して液を生成し、生成した液をシャワーヘッドに供給するために用いられる混合ユニットである。液剤及び液としては、特に限定されるものではないが、第1実施形態では、界面活性剤を含有する洗浄剤及び洗浄液である。
【0015】
第1実施形態に係る混合ユニットは、例えば、散水孔の総面積が10mm以上、好ましくは15mm以上、かつ、30mm以下、好ましくは25mm以下のシャワーヘッドに好適に用いることができる。なお、「散水孔の総面積」とは、シャワーヘッドに形成された複数の散水孔のうち、洗浄液を噴出する散水孔の合計面積をいう。
【0016】
[混合ユニットの全体構成]
図1図5に示すように、混合ユニット1は、洗浄剤及び水を混合可能な混合部100と、洗浄剤を収容可能な収容部200とを備えている。後述するように、混合部100は、シャワーホース2及びシャワーヘッド3と連結可能に構成されている。また、収容部200は、混合部100に対して着脱可能に構成されている。
【0017】
本明細書では、混合部100がシャワーホース2及びシャワーヘッド3に連結された状態(図5の状態)において、シャワーホース2が位置する方向(図5の下方向)を「下方」として説明し、シャワーヘッド3が位置する方向(図5の上方向)を「上方」として説明する。すなわち、本明細書では、シャワーホース2からシャワーヘッド3に至る水流の上流側を「下方」として説明し、水流の下流側を「上方」として説明する。また、本明細書では、混合部100に対して収容部200が取り付けられる方向(図3及び図4の左方向)を「前方」として説明し、混合部100に対して収容部200が取り外される方向(図3及び図4の右方向)を「後方」として説明する。但し、本明細書における上下方向及び前後方向は、実際の使用状況における上下方向及び前後方向とは限らない。
【0018】
なお、第1実施形態では、混合部100がシャワーホース2及びシャワーヘッド3と連結可能に構成されているものとして説明をするが、これに限定されるものではない。例えば、混合部100は、水栓(不図示)及びシャワーホース2と連結可能に構成されていても良いし、複数のシャワーホース2と連結可能に構成されていても良い。
【0019】
[混合部の構成]
図1図5に示すように、混合部100は、上下方向に沿って延びる長尺状の筒状部110と、筒状部110の上端部から後方に向けて延びる一対の挟持部120と、筒状部110の下端部から後方に向けて延びる保持部130と、筒状部110の上方に設けられた上側連結部140と、筒状部110の下方に設けられた下側連結部150とを有しており、全体として断面略L字状に形成されている(図3及び図4参照)。
【0020】
筒状部110は、筒状部110の上端から下端に亘って延びる円柱状の内部空間111を有しており、全体として上方及び下方が開放された筒状に形成されている。この筒状部110の長軸方向の半分又は略半分よりも後方部分は、前後方向に沿う断面が長辺と短辺とを有する台形形状又は略台形形状を有している。一方、筒状部110の半分又は略半分よりも前方部分は、前後方向に沿う断面が半円形状又は略半円形状を有している。筒状部110の内部空間111は、筒状部110の前方部分及び後方部分に跨って形成されている。なお、筒状部110の内部空間111は、角柱形状を有していても良いし、他の形状を有していても良い。
【0021】
筒状部110の半分又は略半分よりも前方部分は、上下方向の中心部に向けて径が縮小した形状を有しており、筒状部110を前方から視た状態において、砂時計状に形成されている。筒状部110の半分又は略半分よりも前方部分が上下方向の中心部に向けて径が縮小した形状を有していることにより、混合ユニット1の使用時において、使用者が混合ユニット1を把持しやすいという利点がある。
【0022】
筒状部110の半分又は略半分よりも後方部分は、上下方向の中心部において、上下方向及び前後方向に直交する方向の両端部から筒状部110の内部に向けて凹んで形成された凹部112を有している。筒状部110の半分又は略半分よりも後方部分が凹部112を有していることにより、混合ユニット1の使用時において、使用者が混合ユニット1を把持しやすいという利点がある。
【0023】
筒状部110の内周面部113は、内周面部113の上端から下方に向けて延びる上側内周面部113aと、上側内周面部113aの先端から上下方向と直交する方向の外側に向けて延びる第1中間部113bと、第1中間部113bの先端から下方に向けて延びる第2中間部113cと、第2中間部113cの先端から上下方向と直交する方向の外側に向けて延びる第3中間部113dと、第3中間部113dの先端から下方に向けて延びる下側内周面部113eとを有しており、全体として断面段差状に形成されている。上側内周面部113aは、内周面部113の上端から上下方向と直交する方向の内側かつ下方に向けて傾斜して形成されている。また、上側内周面部113aと第1中間部113bとの接続部分は、曲面状に形成されている。
【0024】
挟持部120は、筒状部110の上部近傍において、筒状部110の上下方向及び前後方向に直交する方向の両端部から後方に向けて延びる一対の挟持片である。また、挟持部120の先端部121は、挟持部120の内側に折れ曲がって形成されている。以上の構成を有する挟持部120は、収容部200を挟持可能に構成されている。具体的には、挟持部120は、先端部121が収容部200の後述する係合凹部213aと係合することにより、収容部200を挟持可能に構成されている。
【0025】
保持部130は、筒状部110の下端部において、筒状部110の後端部全域から後方に向けて延びて形成されている。この保持部130は、前後方向に沿う断面が長辺と短辺とを有する台形形状又は略台形形状を有している。また、保持部130は、保持部130の上下方向、及び前後方向に直交する方向の中心部において、保持部130の先端から基端に向けて凹んで形成された挿入凹部131を有している。挿入凹部131は、上下方向、及び前後方向に直交する方向の断面が円形状を有しており、収容部200の後述する挿入凸部215を挿入させることが可能に構成されている。以上の構成を有する保持部130は、収容部200を保持可能に構成されている。具体的には、保持部130は、挿入凹部131に挿入凸部215を挿入させることにより、収容部200を保持可能に構成されている。
【0026】
上側連結部140は、筒状部110の上端部に設けられている。また、上側連結部140は、上側内周面部113aの上端から上下方向に直交する方向の外側に向けて延びる環状の底部141と、底部141の周縁から上方に向けて延びる壁部142と、壁部142の内周面に沿って形成されたねじ溝143とを有しており、全体として上方及び底部141の中心部が開放された略有底筒状に形成されている。
【0027】
以上の構成を有する上側連結部140は、シャワーヘッド3と連結可能に構成されている。具体的には、上側連結部140は、壁部142の内周面に形成されたねじ溝143とシャワーヘッド3の下端部の外周面に形成されたねじ山(不図示)とを螺合させることにより、シャワーヘッド3と連結可能に構成されている。なお、上側連結部140及びシャワーヘッド3を連結させる構成は、これに限定されず、例えば、底部141及び壁部142により形成される凹部とシャワーヘッド3の下端部とを嵌合させることにより、上側連結部140及びシャワーヘッド3を連結させる構成としても良い。また、上側連結部140が筒状部110の上端から上方に向けて突出した形状を有しており、上側連結部140の外周面に形成されたねじ山とシャワーヘッド3の下端部の内周面に形成されたねじ溝とを螺合させることにより、上側連結部140及びシャワーヘッド3を連結させる構成としても良いし、上側連結部140をシャワーヘッド3内に嵌合させることにより、上側連結部140及びシャワーヘッド3を連結させる構成としても良い。さらに、上側連結部140とシャワーヘッド3とを種々の公知のジョイント部材を介して連結させる構成としても良い。
【0028】
下側連結部150は、筒状部110の下端部に設けられている。また、下側連結部150は、筒状部110の下端から下方に向けて突出する円筒状の凸部151と、凸部151の外周面に沿って形成されたねじ山152とを有しており、全体として円筒状に形成されている。
【0029】
以上の構成を有する下側連結部150は、シャワーホース2と連結可能に構成されている。具体的には、下側連結部150は、凸部151の外周面に形成されたねじ山152とシャワーホース2の上端部の内周面に形成されたねじ溝(不図示)とを螺合させることにより、シャワーホース2と連結可能に構成されている。なお、下側連結部150及びシャワーホース2を連結させる構成は、これに限定されず、例えば、凸部151をシャワーホース2内に嵌合させることにより、下側連結部150及びシャワーホース2を連結させる構成としても良い。また、下側連結部150が筒状部110の下端から上方に向けて凹んだ形状を有しており、下側連結部150の内周面に形成されたねじ溝とシャワーホース2の上端部の外周面に形成されたねじ山とを螺合させることにより、下側連結部150及びシャワーホース2を連結させる構成としても良いし、シャワーホース2を下側連結部150内に嵌合させることにより、下側連結部150及びシャワーホース2を連結させる構成としても良い。さらに、下側連結部150とシャワーホース2とを種々の公知のジョイント部材を介して連結させる構成としても良い。
【0030】
また、第1実施形態に係る混合部100は、筒状部110の内部に設けられる内側筒状部160と、収容部200から筒状部110の内部空間111に向けて洗浄剤を流入させることが可能な洗浄剤導入流路170と、混合部100の外部から内部空間111に空気を流入させることが可能な空気導入流路180と、洗浄剤導入流路170及び空気導入流路180と直交する方向に沿って形成された孔部190とを有している。
【0031】
内側筒状部160は、上方及び下方が開放された円筒状に形成されており、下方から上方に向けて窄んだ形状を有している。また、内側筒状部160は、筒状部110に対して着脱可能に構成されている。具体的には、内側筒状部160は、筒状部110の内部空間111の内、第1中間部113b、第2中間部113c、第3中間部113d及び下側内周面部113eで画定された空間に挿入されることにより、筒状部110に対して着脱可能に構成されている。内側筒状部160が筒状部110に対して着脱可能に構成されていることにより、すなわち、内側筒状部160が筒状部110と別部材であることにより、後述する第1流路500の第2流路600側の端部と、第2流路600の第1流路500側の端部との離間距離を調節しやすいという利点がある。なお、第1実施形態では、内側筒状部160が筒状部110に対して着脱可能に構成されているものとして説明したが、これに限定されず、例えば、内側筒状部160が筒状部110に対して着脱不能に構成されていても良い。すなわち、内側筒状部160は、筒状部110と一体的に形成されていても良いし、筒状部110と一体として形成されていても良い。
【0032】
洗浄剤導入流路170は、内部空間111の延在方向(上下方向)と直交する方向(前後方向)に延びて形成されている。具体的には、洗浄剤導入流路170は、筒状部110の第2中間部113cから保持部130の後述する挿入凹部131に亘って形成された貫通孔であり、内部空間111に連通している。また、洗浄剤導入流路170は、収容部200が混合部100に取り付けられた状態において、収容部200の後述する洗浄剤供給流路217と連通するように構成されている。
【0033】
空気導入流路180は、洗浄剤導入流路170から内部空間111の延在方向(上下方向)と同方向に延びて形成されている。具体的には、空気導入流路180は、洗浄剤導入流路170の延在方向(前後方向)中心部から下方に向けて延びて形成された貫通孔である。すなわち、空気導入流路180は、空気導入流路180の延在方向一端部が洗浄剤導入流路170に連通しており、空気導入流路180の延在方向他端部が混合部100の外部に接続されている。
【0034】
孔部190は、洗浄剤導入流路170の延在方向(前後方向)中心部から洗浄剤導入流路170の延在方向及び空気導入流路180の延在方向(上下方向)と直交する方向に向けて延びて形成された貫通孔である。すなわち、孔部190は、洗浄剤導入流路170を内部空間111側の流路と、洗浄剤供給流路217側の流路とに分離させるように構成されている。
【0035】
また、孔部190は、洗浄剤導入流路170から洗浄剤導入流路170の延在方向及び空気導入流路180の延在方向(上下方向)と直交する方向に向けて延びて形成された小孔部191と、小孔部191よりも開口面積の大きい大孔部192とを有している。小孔部191は、上下方向に沿う断面が矩形形状又は略矩形形状を有している。大孔部192は、小孔部191の延在方向両端部に形成されており、上下方向に沿う断面が円形状を有している。
【0036】
第1実施形態において、筒状部110、挟持部120、保持部130、上側連結部140及び下側連結部150は、例えば、ABSやPC等の材料を用いて一体成形により形成されている。また、内側筒状部160は、例えば、ABSやPC等の材料を用いて一体成形により形成されている。なお、混合部100の成形材料及び成形方法は、これに限定されず、例えば、金属材料等の種々の公知の成形材料や種々の公知の成形方法を採用することが可能である。
【0037】
[収容部の構成]
図1図5に示すように、収容部200は、洗浄剤を収容可能な収容本体部210と、収容本体部210に対して装着可能な蓋部220とを有しており、全体として円筒状に形成されている。
【0038】
収容本体部210は、半円状の天板部211と、天板部211の直線状の縁部から下方に向けて延びる前壁部212と、天板部211の曲線状の縁部から下方に向けて延びる後壁部213と、収容本体部210の下方側を閉塞する底板部214とを有しており、全体として円筒状に形成されている。天板部211、前壁部212、後壁部213及び底板部214は、それぞれ板状に形成されている。
【0039】
天板部211は、天板部211の中心部に円状の開口部211aを有している。開口部211aは、天板部211の上面から下面に亘って形成された貫通孔である。また、天板部211は、天板部211の前端部近傍に一対の軸保持部211bを有している。軸保持部211bは、天板部211の上面から上方に向けて延びて形成されており、上下方向に沿う断面が半円形状又は略半円形状を有している。この軸保持部211bの上端部には、軸部230を挿通可能な挿通孔211cが形成されている。
【0040】
前壁部212は、天板部211の前端から下方に向けて延びる上側前壁部212aと、上側前壁部212aの下端から後方に向けて延びる中間前壁部212bと、中間前壁部212bの後端から下方に向けて延びる下側前壁部212cとを有しており、全体として階段状に形成されている。上側前壁部212a、中間前壁部212b及び下側前壁部212cは、前壁部212を前方から視た状態において、それぞれ一対の長辺と短辺とを有する矩形形状又は略矩形形状を有している。また、上側前壁部212a及び中間前壁部212bの接続部分と、中間前壁部212b及び下側前壁部212cの接続部分とは、それぞれ曲面状に形成されている。
【0041】
後壁部213は、前壁部212の上下方向及び前後方向に直交する方向の一端部から他端部に向けて湾曲する湾曲状に形成されている。また、後壁部213は、後壁部213の前端部に、混合部100の挟持部120の先端部121と係合可能な係合凹部213aを有している。係合凹部213aは、挟持部120の先端部121と一致する形状を有している。
【0042】
底板部214は、下側前壁部212cの内面から後壁部213の内面に亘って形成されており、底板部214を上方から視た状態において、半円形状又は略半円形状を有している。また、底板部214は、後壁部213の内面から後述する洗浄剤供給流路217に向けて傾斜して形成されている。底板部214が洗浄剤供給流路217に向けて傾斜して形成されていることにより、収容本体部210に収容された洗浄剤が自ずと洗浄剤供給流路217に流入されるため、洗浄剤供給流路217に洗浄剤を流入させるための部品を設ける必要がない。そのため、収容部200の構造を簡略化することができると共に、製造コストを抑えることができるという利点がある。
【0043】
また、第1実施形態に係る収容本体部210は、下側前壁部212cの上下方向及び前後方向に直交する方向の中心部において、混合部100の保持部130の挿入凹部131に挿入可能な挿入凸部215を有している。挿入凸部215は、上下方向及び前後方向に直交する方向の断面が円形状を有しており、下側前壁部212cの外面から前方に向けて延びて形成されている。また、挿入凸部215の延在方向中心部かつ外周面には、環状の封止部216が設けられている。封止部216が挿入凸部215の外周面に設けられていることにより、収容部200から混合部100への洗浄剤供給時において、洗浄剤の漏れを防止することができるという利点がある。
【0044】
さらに、第1実施形態に係る収容本体部210は、収容部200が混合部100に取り付けられた状態において、収容本体部210から混合部100の洗浄剤導入流路170に向けて洗浄剤を流入させることが可能な洗浄剤供給流路217を有している。洗浄剤供給流路217は、挿入凸部215の前面から下側前壁部212cの内面に亘って形成された貫通孔であり、収容本体部210の内部空間に連通している。また、洗浄剤供給流路217は、収容部200が混合部100に取り付けられた状態において、混合部100の洗浄剤導入流路170と連通するように構成されている。
【0045】
洗浄剤供給流路217は、小流路217aと、小流路217aよりも流路面積の大きい大流路217bとを有している。小流路217aは、挿入凸部215の延在方向の中心部又は略中心部から下側前壁部212cの内面に亘って形成されている。大流路217bは、挿入凸部215の延在方向の中心部又は略中心部から挿入凸部215の前面に亘って形成されている。
【0046】
なお、本明細書において、「流路面積」とは、流路の延在方向(軸方向)と直交する断面における流路の開口投影面積である。
【0047】
また、第1実施形態において、収容本体部210の内部かつ上方には、環状の封止部218が設けられている。これにより、収容本体部210の内部から外部への洗浄剤の漏れを防止することが可能となる。
【0048】
蓋部220は、天板部211の開口部211aを閉塞することが可能な形状と大きさを有している。具体的には、蓋部220は、天板部211の上面に載置され、開口部211aを閉塞する閉塞部221と、閉塞部221の中心部から下方に向けて延び、開口部211aに挿入される挿入部222と、閉塞部221の中心部から上方に向けて延びる複数の周壁部223と、周壁部223の上端を閉塞する屋根部224とを備えており、全体として断面略十字状に形成されている。また、蓋部220には、挿入部222の下端の中心部から閉塞部221の上端近傍の中心部に亘って円柱状の開口が形成されている。さらに、挿入部222と天板部211との間には、環状の封止部225が設けられている。これにより、収容本体部210の内部から外部への洗浄剤の漏れを防止することが可能となる。
【0049】
閉塞部221の中心部には、収容本体部210の外部から内部に空気を流入させ、及び収容本体部210の内部から外部に空気を流出させる複数の空気通過孔部221aと、空気通過孔部221aによる空気の流動を許容し、収容本体部210の内部から外部への洗浄剤の流出を阻止する逆止弁226を挿入させることが可能な挿入孔221bが形成されている。すなわち、第1実施形態において、逆止弁226は、閉塞部221に取り付けられている。なお、逆止弁226は、天板部211に設けられていても良いし、収容本体部210に設けられていても良い。
【0050】
以上の構成を有する蓋部220によれば、後述する混合室400への洗浄剤供給時に、収容本体部210内の空気を入れ替えることを可能としつつも、逆止弁226により収容本体部210の内部から外部への洗浄剤の流出を防止することが可能となる。また、屋根部224が設けられているため、空気通過孔部221aを通じた収容本体部210の外部から内部への水の流入を防止することが可能になる。
【0051】
蓋部220は、軸部230によって収容本体部210と連結可能に構成されている。すなわち、蓋部220は、軸部230によって収容本体部210と連結されることにより、収容本体部210に対して装着されるように構成されている。
【0052】
また、蓋部220は、天板部211の開口部211aを閉塞した閉塞状態と、天板部211の開口部211aを開放した開放状態とを変更可能に構成されている。具体的には、蓋部220は、軸部230を中心として回動可能に構成されており、これにより、閉塞状態と開放状態とを変更可能に構成されている。このように、第1実施形態に係る収容部200では、蓋部220が天板部211の開口部211aを閉塞するため、洗浄剤の漏れを防止することができると共に、衛生的であるという利点がある。また、蓋部220が閉塞状態と開放状態とを変更可能に構成されているため、洗浄剤の詰め替えが容易であるという利点がある。
【0053】
なお、第1実施形態では、収容部200が蓋部220を有しているものとして説明したが、これに限定されず、例えば、収容部200が蓋部220を有しておらず、収容部200の交換や洗浄剤を収容するカートリッジの交換等によって、洗浄剤の詰め替えを可能とする構成としても良い。また、第1実施形態では、蓋部220が軸部230を中心として回動することにより、閉塞状態と開放状態とを変更可能に構成されているものとして説明したが、これに限定されず、例えば、天板部211に螺合された蓋部220を回転させることにより、閉塞状態と開放状態とを変更可能に構成されていても良いし、天板部211の開口部211aに嵌合された蓋部220を着脱させることにより、閉塞状態と開放状態とを変更可能に構成されていても良いし、蓋部220が閉塞状態と開放状態とを変更不能に構成されていても良い。
【0054】
以上の構成を有する収容部200は、混合部100に対して着脱可能に構成されている。具体的には、収容部200は、混合部100の保持部130の挿入凹部131に収容本体部210の挿入凸部215を挿入させると共に、混合部100の挟持部120によって挟持されることにより、混合部100に対して取り付けられるように構成されており、これとは反対の動作を行うことにより、混合部100に対して取り外されるように構成されている。収容部200が混合部100に対して着脱可能に構成されていることにより、混合部100又は収容部200が破損した場合や収容部200に汚れが蓄積された場合等において、混合部100又は収容部200の交換や収容部200の洗浄が容易になるという利点がある。なお、第1実施形態では、収容部200が混合部100の挟持部120によって挟持されるものとして説明をしたが、これに限定されず、例えば、混合部100が挟持部120を有しておらず、混合部100と収容部200とをマグネット等の着脱可能な固定手段を用いて固定させることにより、収容部200を混合部100に対して着脱可能にさせる構成としても良い。
【0055】
なお、第1実施形態では、収容部200が混合部100に対して着脱可能に構成されているものとして説明したが、これに限定されず、収容部200が混合部100に対して着脱不能に構成されていても良い。
【0056】
第1実施形態において、天板部211、前壁部212、後壁部213、底板部214及び挿入凸部215は、例えば、PPやPE、PET等の材料を用いて一体成形により形成されている。また、蓋部220は、例えば、PPやPE、PET等の材料を用いて一体成形により形成されている。なお、収容部200の成形材料及び成形方法は、これに限定されず、種々の公知の成形材料及び成形方法を採用することが可能である。また、第1実施形態において、封止部216は、例えば、フッ素ゴムやシリコンゴム等の種々の公知のゴム材料を用いて形成されている。
【0057】
以上の構成を有する混合ユニット1は、図3及び図4に示すように、界面活性剤を含有する洗浄剤を収容可能な収容室300と、洗浄剤及び水を混合させて洗浄液を生成可能な混合室400と、シャワーホース2又は水栓から水を流入可能に構成されており、該シャワーホース2又は該水栓から流入される水を混合室400に供給可能な第1流路500と、混合室400で生成される洗浄液をシャワーヘッド3又はシャワーホース2に供給可能な第2流路600と、収容室300に収容される洗浄剤を混合室400に供給可能な第3流路700とを備えている。
【0058】
収容室300は、収容本体部210及び蓋部220で画定された空間である。収容室300に収容される30℃における洗浄剤の粘度は、混合室400と収容室300との差圧によって混合室400に洗浄剤を供給可能にさせる観点から、200mPa・s以下であることが好ましく、100mPa・s以下であることがより好ましい。
【0059】
また、洗浄剤に含有される界面活性剤の含有量は、洗浄性を確保しつつ、コストや詰め替えの回数との関係でシャワーヘッド3への供給中における洗浄剤の使用量を減らす観点から、10質量%以上であることが好ましい。
【0060】
第1実施形態において、洗浄剤に含有される界面活性剤としては、通常の皮膚洗浄剤や毛髪洗浄剤に用いられるものであればいずれでも良く、例えば、アニオン性界面活性剤や両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0061】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、アルキル硫酸又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸又はその塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸又はその塩、スルホコハク酸アルキルエステル又はその塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル又はその塩、α-オレフィンスルホン酸又はその塩、脂肪酸又はその塩、N-アシル化アミノ酸又はその塩、N-アシルアルキルタウリン又はその塩等が挙げられる。
【0062】
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン型界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド型界面活性剤、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリニウムベタイン型界面活性剤、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン等のアミドベタイン型界面活性剤、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型界面活性剤などが挙げられる。
【0063】
非イオン性界面活性剤としては、POE(n)ラウリルエーテル(POEはポリオキシエチレンの略とする。nはエチレンオキシド平均付加モル数)を用いることができる。具体的に、このような非イオン性界面活性剤としては、POE(16)ラウリルエーテル(HLB16.2)(nの数が16であるポリオキシエチレンラウリルエーテルであり、HLBが16.2のもの。以下同様の表記とする)、POE(21)ラウリルエーテル(HLB17.0)、POE(41)ラウリルエーテル(HLB18.3)、及びPOE(47)ラウリルエーテル(HLB18.6)等のうち、1種又は2種以上を用いることができる。この中でも、非イオン性界面活性剤としては、POE(21)ラウリルエーテル(HLB16.2)が好ましい。なお、POE(21)ラウリルエーテルは、「EMULGEN 121」(「EMULGEN」は登録商標)と呼ばれることもある。POE(21)ラウリルエーテルの重量平均分子量は、1113とされる。非イオン性界面活性剤は、市販されているものを用いることができる。
【0064】
混合室400は、混合部100の内部空間111の内、第1中間部113b及び第2中間部113cで画定された空間である。この混合室400は、第1流路500から供給される水と、第3流路700から供給される洗浄剤とを混合するように構成されている。また、混合室400は、後述する収容室300に収容される洗浄剤を混合室400に供給可能な供給状態において、第1流路500から供給される水と、第3流路700から供給される洗浄剤と、第4流路900から供給される空気とを混合するように構成されており、後述する収容室300に収容される洗浄剤を混合室400に供給不能な非供給状態において、第1流路500から供給される水と、空気導入流路180及び第2連通路812から供給される空気とを混合するように構成されている。
【0065】
第1流路500は、内側筒状部160の内周面によって画定された空間である。また、第1流路500の一部は、混合室400内に配置されている。第1実施形態では、内側筒状部160が筒状部110に装着された状態において、内側筒状部160の上端部が混合室400内に位置することにより、第1流路500の一部が混合室400内に配置されている。
【0066】
第2流路600は、混合部100の内部空間111の内、上側内周面部113aによって画定された空間である。第1実施形態において、第2流路600は、第1流路500の軸方向(上下方向)と同一方向に沿って配置されている。具体的には、第2流路600は、第1流路500と同軸となるように配置されている。
【0067】
第1実施形態において、第1流路500は、第2流路600に向けて流路面積が縮小するように構成されており、第2流路600は、第1流路500に向けて流路面積が縮小するように構成されている。すなわち、本示指形態に係る混合ユニット1では、これら第1流路500及び第2流路600により、所謂ベンチュリ管の流路構造が形成されている。
【0068】
図6に示すように、第2流路600の最小流路面積A2は、混合室400で生成された洗浄液を第2流路600に流入させやすくし、シャワーヘッド3に対する洗浄液の供給量を確保する観点から、第1流路500の最小流路面積A1に対して大きいことが好ましい。具体的には、第2流路600の最小流路面積A2は、第1流路500の最小流路面積A1に対して+0.3mm以上+6.3mm以下であることが好ましく、+0.8mm以上+4.5mm以下であることがより好ましい。また、第2流路600の最小流路面積A2は、第1流路500の最小流路面積A1に対して+1.09倍以上+1.70倍以下であることが好ましく、+1.20倍以上+1.60倍以下であることがより好ましい。
【0069】
第1流路500の最小流路面積A1は、混合室400の圧力を収容室300及び外気よりも小さくする観点から、3.1mm以上9.6mm以下であることが好ましく、4.1mm以上8.1mm以下であることがより好ましい。
【0070】
第2流路600の最小流路面積A2は、混合室400で生成された洗浄液を第2流路600に流入させやすくし、シャワーヘッド3に対する洗浄液の供給量を確保する観点から、3.4mm以上15.9mm以下であることが好ましく、4.9mm以上12.6mm以下であることがより好ましい。
【0071】
第2流路600の流路長さは、第2流路600の流路面積の急拡大に伴う圧力損失を低減し、水、洗浄剤及び空気の吸入効率を高める観点から、4.2mm以上であることが好ましく、6.5mm以上であることがより好ましい。なお、第1実施形態において、第2流路600の流路長さとは、上側内周面部113aの上端から下端までの上下方向の直線長さである。
【0072】
第1実施形態において、第1流路500の第2流路600側の端部と、第2流路600の第1流路500側の端部との離間距離Dは、混合室400の圧力を収容室300及び外気よりも小さくしつつ、水、洗浄剤及び空気を混合させる空間を確保する観点から、0.5mm以上3.0mm以下であることが好ましく、0.8mm以上2.0mm以下であることがより好ましい。なお、第1実施形態において、第1流路500の第2流路600側の端部と、第2流路600の第1流路500側の端部との離間距離Dとは、上側内周面部113aの下端から内側筒状部160の上端までの上下方向の直線距離である。
【0073】
第3流路700は、洗浄剤導入流路170と、後述する切替部800の洗浄剤連通路811aと、洗浄剤供給流路217とによって構成された流路である。第1実施形態において、第3流路700は、第1流路500及び第2流路600の軸方向(上下方向)と交差する方向に沿って配置されている。具体的には、第3流路700は、第1流路500及び第2流路600の軸方向(上下方向)と直交する方向に沿って配置されている。
【0074】
この第3流路700は、混合室400に対する洗浄剤の供給量を調整する観点から、流路面積が0.2mm以上2.0mm以下となる部分を有していることが好ましく、0.3mm以上1.5mm以下となる部分を有していることがより好ましい。第1実施形態では、洗浄剤供給流路217の小流路217aが上記の流路面積を有している。なお、小流路217aが上記の流路面積を有している必要は必ずしもなく、例えば、洗浄剤導入流路170が上記の流路面積を有していても良いし、洗浄剤供給流路217の大流路217bが上記の流路面積を有していても良いし、後述する切替部800の洗浄剤連通路811aが上記の流路面積を有していても良いし、第3流路700全体が上記の流路面積を有していても良い。
【0075】
また、第3流路700は、混合室400に対する洗浄剤の供給量を調整する観点から、流路面積が0.2mm以上2.0mm以下となる部分よりも下流側に、流路面積が0.7mm以上7.1mm以下となる部分を有していることが好ましく、流路面積が1.7mm以上4.9mm以下となる部分を有していることがより好ましい。第1実施形態では、後述する切替部800の洗浄剤連通路811aが上記の流路面積を有している。
【0076】
以上の構成を備える第1実施形態に係る混合ユニット1によれば、第2流路600からシャワーヘッド3又はシャワーホース2に対して供給される洗浄液の供給量が4000g/min以上7000g/min以下の場合に、当該シャワーヘッド3又はシャワーホース2に対して供給される洗浄液に含有されている界面活性剤の含有量が0.09質量%以下となる。また、シャワーヘッド3又はシャワーホース2に対して供給される洗浄液に含有されている界面活性剤の含有量は、0.07質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以下であることがさらに好ましい。さらに、シャワーヘッド3又はシャワーホース2に対して供給される洗浄液に含有されている界面活性剤の含有量は、シャワーヘッド3から噴出される洗浄液の流速が2.0m/s以上であれば0.01質量%未満であってよいが、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、流速が2.0m/s未満であれば、0.04質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましい。なお、後述するとおり、第1実施形態に係る混合ユニット1では、第1流路500の上流から下流への水の流速の増大に伴う圧力低下によって混合室400の圧力が収容室300の圧力よりも小さくなることで、第3流路700を介して収容室300から混合室400に洗浄剤が流入される。そして、第1流路500を流れる水の流速は、シャワーホース2又は水栓から第1流路500に流入される水の流入量に起因するものであるから、第3流路700から混合室400に供給される洗浄剤の供給量は、シャワーホース2又は水栓から第1流路500に流入される水の流入量に起因するといえる。すなわち、混合室400に供給される水の供給量の増減と洗浄剤の供給量の増減とには相関関係がある。そのため、第2流路600からシャワーヘッド3又はシャワーホース2に対して供給される洗浄液の供給量が4000g/min以上7000g/min以下のいずれの場合であっても、シャワーヘッド3又はシャワーホース2に対して供給される洗浄液に含有されている界面活性剤の含有量は、0.09質量%以下となる。
【0077】
以上の構成を備える第1実施形態に係る混合ユニット1は、シャワーヘッド3から噴出される洗浄液の流速が2.0m/s以上10m/s以下の場合に、洗浄液の流速[m/s]に界面活性剤の含有量[質量%]を乗じた値が0.025以上となり、0.02以上であることがより好ましい。また、第1実施形態に係る混合ユニット1は、シャワーヘッド3から噴出される洗浄液の流速が2m/s以上6m/s以下の場合に、これらの数値範囲を満たすことが好ましい。
【0078】
なお、本明細書において、「シャワーヘッドから噴出される洗浄液の流速」は、実測値であっても良いし、計算値であっても良い。計算値を用いる場合には、シャワーヘッド3から噴出される洗浄液の噴出量[g/min]をシャワーヘッド3の散水孔の総面積[mm]で除した値を用いることができる。
【0079】
また、第1実施形態に係る混合ユニット1は、収容室300に収容される洗浄剤を混合室400に供給可能な供給状態と、収容室300に収容される洗浄剤を混合室400に供給不能な非供給状態とを変更可能な切替部800と、第3流路700に空気を供給可能な第4流路900とを更に備えている。
【0080】
切替部800は、長尺状の切替本体部810と、切替本体部810の長手方向両端部に設けられる一対の規制部820とを有しており、全体として長尺状に形成されている。
【0081】
切替本体部810は、短手方向に沿う断面が矩形形状又は略矩形形状を有しており、混合部100の孔部190に挿入された状態において、孔部190を摺動可能に構成されている。また、切替本体部810は、混合部100の孔部190に挿入された状態において、洗浄剤導入流路170の内部空間111側の流路、洗浄剤導入流路170の洗浄剤供給流路217側の流路及び空気導入流路180に連通する第1連通路811と、洗浄剤導入流路170の内部空間111側の流路及び空気導入流路180に連通する第2連通路812とを有している。
【0082】
第1連通路811及び第2連通路812は、切替本体部810の長手方向に沿って配列されている。具体的には、第1連通路811は、一対の規制部820の内、一方の規制部820が後述する内壁部193に当接したときに、洗浄剤導入流路170の内部空間111側の流路、洗浄剤導入流路170の洗浄剤供給流路217側の流路及び混合部100の空気導入流路180に連通する位置に配置されている。また、第2連通路812は、一対の規制部820の内、他方の規制部820が後述する内壁部193に当接したときに、洗浄剤導入流路170の内部空間111側の流路及び混合部100の空気導入流路180に連通する位置に配置されている。
【0083】
第1連通路811は、洗浄剤導入流路170の内部空間111側の流路及び洗浄剤導入流路170の洗浄剤供給流路217側の流路に連通する洗浄剤連通路811aと、洗浄剤連通路811aの軸方向中心部から洗浄剤連通路811aの軸方向と直交する方向に延びて形成されており、混合部100の空気導入流路180に連通する空気連通路811bとを有しており、全体として切替本体部810の短手方向に沿う断面が略T字状に形成されている。また、洗浄剤連通路811a及び空気連通路811bは、洗浄剤連通路811aを構成する壁部に形成された連通孔811cによって互いに連通している。
【0084】
第1実施形態において、洗浄剤連通路811aは、洗浄剤導入流路170の流路面積よりも小さい流路面積を有している。また、空気連通路811bは、空気導入流路180の流路面積よりも小さい流路面積を有している。
【0085】
第1実施形態において、洗浄剤連通路811aは、第3流路700として機能するように構成されている。また、空気連通路811bは、第4流路900として機能するように構成されている。
【0086】
第2連通路812は、洗浄剤導入流路170の内部空間111側の流路と、混合部100の空気導入流路180とに連通しており、全体として略L字状に形成されている。この第2連通路812は、空気導入流路180から供給される空気を洗浄剤導入流路170の内部空間111側の流路を介して混合室400に供給するように構成されている。
【0087】
切替本体部810の短手方向両端部には、環状の封止部813が2つずつ設けられている。具体的には、封止部813は、第1連通路811の洗浄剤連通路811aと同軸となる位置と、第2連通路812の洗浄剤導入流路170に連通する流路と同軸となる位置とのそれぞれにおいて、切替本体部810に埋設されている。封止部813を有していることにより、洗浄剤の漏れを防止することができる。
【0088】
規制部820は、円柱形状又は略円柱形状を有している。また、一対の規制部820のいずれか一方は、切替本体部810に対して着脱可能に構成されており、切替本体部810が混合部100の孔部190に挿入された状態において、切替本体部810に対して取り付けられるように構成されている。
【0089】
また、規制部820は、孔部190に対する切替本体部810の摺動を規制するように構成されている。具体的には、規制部820は、孔部190の小孔部191と大孔部192との開口面積の差によって形成された混合部100の内壁部193に当接することにより、孔部190に対する切替本体部810の摺動を規制するように構成されている。規制部820が切替本体部810の摺動を規制することにより、混合部100に対する切替部800の脱落を防止することができるという利点がある。
【0090】
以上の構成を有する切替部800は、収容室300に収容される洗浄剤を混合室400に供給可能な供給状態と、収容室300に収容される洗浄剤を混合室400に供給不能な非供給状態とを変更可能に構成されている。具体的には、切替部800は、切替本体部810を孔部190に対して摺動させて、第1連通路811を洗浄剤導入流路170の内部空間111側の流路、洗浄剤導入流路170の洗浄剤供給流路217側の流路及び混合部100の空気導入流路180に連通させた状態と、第2連通路812を洗浄剤導入流路170の内部空間111側の流路及び混合部100の空気導入流路180に連通させた状態とを切り替えることにより、供給状態及び非供給状態を切り替えるように構成されている。
【0091】
すなわち、第1実施形態において、供給状態では、混合室400に水、洗浄剤及び空気が流入されており、非供給状態では、水及び空気のみが流入されている。
【0092】
第1実施形態において、切替本体部810及び一方の規制部820は、例えば、PPやPOM等の材料を用いて一体成形により形成されている。また、他方の規制部820は、例えば、ABSやPC等の材料を用いて一体成形により形成されている。なお、切替部800の成形材料及び成形方法は、これに限定されず、種々の公知の成形材料及び成形方法を採用することが可能である。
【0093】
第4流路900は、空気導入流路180と、切替部800の空気連通路811b及び連通孔811cとによって構成された流路である。第4流路の最小流路面積(連通孔811cの開口面積)は、第3流路700による混合室400への洗浄剤を安定的に供給し、かつ洗浄液を適度に発泡させる観点から、0.8mm以上3.1mm以下であることが好ましく、0.9mm以上1.8mm以下であることがより好ましい。
【0094】
[洗浄方法]
第1実施形態に係る洗浄方法は、概略的には、界面活性剤を含有する洗浄剤を収容可能な収容室300と、洗浄剤及び水を混合させて洗浄液を生成可能な混合室400と、シャワーホース2又は水栓から水を流入可能に構成されており、該シャワーホース2又は該水栓から流入される水を混合室400に供給可能な第1流路500と、混合室400で生成される洗浄液をシャワーヘッド3又はシャワーホース2に供給可能な第2流路600と、収容室300に収容される洗浄剤を混合室400に供給可能な第3流路700とを備える混合ユニット1を用いた洗浄方法であり、収容室300に洗浄剤を収容し、第1流路500から混合室400に水を供給して、シャワーヘッド3から噴出する洗浄液の流速が2.0 m/s以上10m/s以下となり、洗浄液の流速[m/s]に界面活性剤の含有量[質量%]を乗じた値が0.025以上となるように、シャワーヘッド3から洗浄液を対象物に向けて噴出させる、洗浄方法である。以下、図3図5を用いて、このような洗浄方法について、具体的に説明する。
【0095】
まず、収容室300に洗浄剤を入れる。また、図5に示すように、混合部100の上側連結部140の壁部142の内周面に形成されたねじ溝143とシャワーヘッド3の下端部の外周面に形成されたねじ山とを螺合させると共に、混合部100の下側連結部150の凸部151の外周面に形成されたねじ山152とシャワーホース2の上端部の内周面に形成されたねじ溝とを螺合させて、混合ユニット1をシャワーホース2及びシャワーヘッド3に連結させる。
【0096】
また、図3に示すように、混合部100の孔部190に対して切替部800の切替本体部810を摺動させて、切替部800の第1連通路811を洗浄剤導入流路170の内部空間111側の流路と、洗浄剤導入流路170の洗浄剤供給流路217側の流路と、混合部100の空気導入流路180とに連通させた状態にする。すなわち、混合ユニット1を供給状態にする。
【0097】
そして、使用者により、シャワーホース2の下端部に連結されている水栓(不図示)が操作されると、シャワーホース2及び第1流路500を介して混合室400に水が流入される。ここで、第1実施形態に係る第1流路500では、第2流路600に向けて流路面積が縮小しており、第1流路500の上流から下流に向けて水の流速が増大するため、第1流路500の上流から下流に向けて圧力が低下する(ベルヌーイの定理)。
【0098】
そして、収容室300及び外気に対して混合室400の圧力が小さくなると、第3流路700を介して収容室300から混合室400に洗浄剤が流入されると共に、第4流路900及び第3流路700を介して混合室400に空気が流入される。また、混合室400で水、洗浄剤及び空気が混合されて洗浄液が生成される。
【0099】
混合室400で生成された洗浄液は、第2流路600を介してシャワーヘッド3に供給され、シャワーヘッド3から使用者に対して噴出される。そのため、使用者は、シャワーヘッド3から噴出される洗浄液によって、身体を洗浄することができる。
【0100】
特に第1実施形態に係る混合ユニット1では、第2流路600からシャワーヘッド3に対して供給される洗浄液の供給量が4000g/min以上7000g/min以下の場合に、当該シャワーヘッド3に対して供給される洗浄液に含有されている界面活性剤の含有量が0.09質量%以下であり、シャワーヘッド3から噴出される洗浄液の流速が2.0m/s以上10m/s以下の場合に、洗浄液の流速[m/s]に界面活性剤の含有量[質量%]を乗じた値が0.025以上となっているため、洗浄液に含まれている界面活性剤の量は少ないながらも、シャワーヘッド3から噴出される洗浄液の水圧との相乗効果によって、優れた洗浄効果を発揮させることができる。また、洗浄液に含まれている界面活性剤の量が、一般的な洗浄剤に含まれている界面活性剤の量よりも少なくなるため、環境負荷や使用者のコストを低くすることができる。さらに、シャワーヘッド3から噴出される洗浄液によって髪、顔及び身体を纏めて洗浄できるため、従来の洗浄方法(手や洗浄用具を用いて髪、顔及び身体を個別に洗浄する方法)よりも洗浄工程や洗浄時間を短縮することができる。
【0101】
また、図4に示すように、混合部100の孔部190に対して切替部800の切替本体部810を摺動させて、切替部800の第2連通路812を洗浄剤導入流路170の内部空間111側の流路及び混合部100の空気導入流路180に連通させた状態にすると、すなわち、混合ユニット1を供給状態から非供給状態にすると、空気導入流路180、第2連通路812及び洗浄剤導入流路170の内部空間111側の流路を介して混合室400に空気が流入される。また、混合室400で水及び空気が混合される。
【0102】
そして、混合室400で混合された空気を含む水は、第2流路600を介してシャワーヘッド3に供給され、シャワーヘッド3から使用者に対して噴出される。そのため、使用者は、身体に付着した洗浄液を洗い流すことができる。
【0103】
また、使用者により、シャワーホース2の下端部に連結されている水栓が再度操作されると、シャワーホース2及び第1流路500を介した混合室400への水の供給が停止され、シャワーヘッド3から使用者に対する洗浄液又は空気を含む水の噴出が停止される。
【0104】
[第1実施形態に係る混合ユニットの利点]
このように、第1実施形態に係る混合ユニット1は、界面活性剤を含有する洗浄剤を収容可能な収容室300と、洗浄剤及び水を混合させて洗浄液を生成可能な混合室400と、シャワーホース2又は水栓から水を流入可能に構成されており、該シャワーホース2又は該水栓から流入される水を混合室400に供給可能な第1流路500と、混合室400で生成される洗浄液をシャワーヘッド3又はシャワーホース2に供給可能な第2流路600と、収容室300に収容される洗浄剤を混合室400に供給可能な第3流路700とを備え、第2流路600からシャワーヘッド3又はシャワーホース2に対して供給される洗浄液の供給量が4000g/min以上7000g/min以下の場合に、当該シャワーヘッド3又はシャワーホース2に対して供給される洗浄液に含有されている界面活性剤の含有量が0.09質量%以下であり、シャワーヘッド3から噴出される洗浄液の流速が2.0m/s以上10m/s以下の場合に、洗浄液の流速[m/s]に界面活性剤の含有量[質量%]を乗じた値が0.025以上である。
【0105】
このような構成を備える混合ユニット1によれば、第2流路600からシャワーヘッド3又はシャワーホース2に対して供給される洗浄液の供給量が4000g/min以上7000g/min以下の場合に、当該シャワーヘッド3又はシャワーホース2に対して供給される洗浄液に含有されている界面活性剤の含有量が0.09質量%以下となっており、シャワーヘッド3から噴出される洗浄液の流速が2.0m/s以上10m/s以下の場合に、洗浄液の流速[m/s]に界面活性剤の含有量[質量%]を乗じた値が0.025以上となっているため、シャワーヘッド3又はシャワーホース2に対して供給される洗浄液に含まれている界面活性剤の量が少ない場合においても、シャワーヘッド3から噴出される洗浄液の水圧との組み合わせにより、優れた洗浄効果を発揮させることができるという利点がある。また、界面活性剤の希釈倍率が高いため、使用者の肌に優しいという利点もある。さらに、洗浄液に含まれている界面活性剤の量が、一般的な洗浄剤に含まれている界面活性剤の量よりも少なくなるため、環境負荷及び使用者のコストを低減することができるという利点もある。加えて、シャワーヘッド3から噴出される洗浄液によって髪、顔及び身体を纏めて洗浄できるため、従来の洗浄方法(手や洗浄用具を用いて髪、顔及び身体を個別に洗浄する方法)よりも洗浄工程や洗浄時間を短縮することができるという利点もある。
【0106】
第1実施形態に係る混合ユニット1は、液剤を収容可能な収容室300と、液剤及び水を混合させて液を生成可能な混合室400と、シャワーホース2又は水栓から水を流入可能に構成されており、該シャワーホース2又は該水栓から流入される水を混合室400に供給可能な第1流路500と、混合室400で生成される液をシャワーヘッド3又はシャワーホース2に供給可能な第2流路600と、収容室300に収容される液剤を混合室400に供給可能な第3流路700とを備え、第2流路600は、第1流路500の軸方向と同一方向に沿って配置されており、第1流路500は、第2流路600に向けて流路面積が縮小するように構成されており、第2流路600は、第1流路500に向けて流路面積が縮小するように構成されており、第3流路700は、第1流路500及び第2流路600の軸方向と交差する方向に沿って配置されており、第2流路600の最小流路面積は、第1流路500の最小流路面積よりも大きい。
【0107】
このような構成を備える混合ユニット1によれば、第1流路500が第2流路600に向けて流路面積が縮小しており、第1流路500の上流から下流に向けて圧力が低下し、収容室300に対して混合室400の圧力が小さくなる。そのため、モータ等の洗浄剤を混合室400に供給するための部品を設けずとも、混合室400と収容室300との差圧によって混合室400に洗浄剤を供給することができるため、混合ユニット1の部品点数及び製造コストを削減することができると共に、混合ユニット1の構造を簡略化することができるという利点がある。
【0108】
また、第1実施形態に係る混合ユニット1において、第1流路500の一部は、混合室400内に配置されている。このような構成を備える混合ユニット1によれば、収容室300に対して混合室400の圧力が小さくなるため、混合室400と収容室300との差圧によって混合室400に洗浄剤を供給することができるという利点がある。
【0109】
さらに、第1実施形態に係る混合ユニット1は、収容室300に収容される洗浄剤を混合室400に供給可能な供給状態と、収容室300に収容される洗浄剤を混合室400に供給不能な非供給状態とを変更可能な切替部800を更に備えている。このような構成を備える混合ユニット1によれば、シャワーヘッド3から洗浄液を噴出させる状態と、シャワーヘッド3から水のみを噴出させる状態とを簡単に切り替えることができるため、利便性が高いという利点がある。
【0110】
また、第1実施形態に係る混合ユニット1は、第3流路700に空気を供給可能な第4流路900を更に備えている。このような構成を備える混合ユニット1によれば、洗浄液を発泡させることができるため、洗浄感を演出することができるという利点がある。
【0111】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るキットについて説明する。なお、第2実施形態に係るキットの説明においては、第1実施形態に係るキットとは異なる構成についてのみ説明し、第1実施形態に係るキットと共通する構成については説明を省略する。
【0112】
第2実施形態に係る混合ユニットは、例えば、散水孔の総面積が30mm以上、好ましくは35mm以上、かつ、50mm以下、好ましくは45mm以下のシャワーヘッドに好適に用いることができる。
【0113】
第1流路500の最小流路面積A1は、4.5mm以上16.0mm以下であることが好ましく、7.0mm以上12.6mm以下であることがより好ましい。
【0114】
第2流路600の最小流路面積A2は、第1流路500の最小流路面積A1に対して+0.3mm以上+10.0mm以下であることが好ましく、+0.8mm以上+8.0mm以下であることがより好ましい。また、第2流路600の最小流路面積A2は、第1流路500の最小流路面積A1に対して+1.07倍以上+3.22倍以下であることが好ましく、+1.17倍以上+2.78倍以下であることがより好ましい。
【0115】
具体的には、第2流路600の最小流路面積A2は、4.80mm以上26.0mm以下であることが好ましく、7.8mm以上20.6mm以下であることがより好ましい。
【0116】
第3流路700は、流路面積が0.2mm以上2.0mm以下となる第1の部分(小流路217a等)を有していることが好ましく、この第1の部分は、流路面積が0.2mm以上2.0mm以下であることがより好ましい。また、第3流路700は、第1の部分よりも下流側に、流路面積が0.7mm以上7.1mm以下となる第2の部分(洗浄剤連通路811a等)を有していることが好ましく、この第2の部分は、流路面積が1.7mm以上4.9mm以下であることがより好ましい。
【0117】
以上の構成を備える第2実施形態に係る混合ユニット1によれば、第2流路600からシャワーヘッド3又はシャワーホース2に対して供給される洗浄液の供給量が5000g/min以上9000g/min以下の場合に、当該シャワーヘッド3又はシャワーホース2に対して供給される洗浄液に含有されている界面活性剤の含有量が0.05質量%以下となる。また、シャワーヘッド3又はシャワーホース2に対して供給される洗浄液に含有されている界面活性剤の含有量は、0.04質量%以下であることがより好ましい。さらに、シャワーヘッド3又はシャワーホース2に対して供給される洗浄液に含有されている界面活性剤の含有量は、シャワーヘッド3から噴出される洗浄液の流速が2.0m/s以上であれば0.01質量%未満であってよいが、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、流速が2.0m/s未満であれば、0.04質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましい。
【0118】
以上の構成を備える第2実施形態に係る混合ユニット1は、シャワーヘッド3から噴出される洗浄液の流速が2.0m/s以上10m/s以下の場合に、洗浄液の流速[m/s]に界面活性剤の含有量[質量%]を乗じた値が0.025以上となり、0.03以上であることがより好ましい。また、第2実施形態に係る混合ユニット1は、シャワーヘッド3から噴出される洗浄液の流速が2m/s以上6m/s以下の場合に、これらの数値範囲を満たすことが好ましい。
【0119】
[第2実施形態に係る混合ユニットの利点]
このように、第2実施形態に係る混合ユニット1は、界面活性剤を含有する洗浄剤を収容可能な収容室300と、洗浄剤及び水を混合させて洗浄液を生成可能な混合室400と、シャワーホース2又は水栓から水を流入可能に構成されており、該シャワーホース2又は該水栓から流入される水を混合室400に供給可能な第1流路500と、混合室400で生成される洗浄液をシャワーヘッド3又はシャワーホース2に供給可能な第2流路600と、収容室300に収容される洗浄剤を混合室400に供給可能な第3流路700とを備え、第2流路600からシャワーヘッド3又はシャワーホース2に対して供給される洗浄液の供給量が5000g/min以上9000g/min以下の場合に、当該シャワーヘッド3又はシャワーホース2に対して供給される洗浄液に含有されている界面活性剤の含有量が0.05質量%以下であり、シャワーヘッド3から噴出される洗浄液の流速が2.0m/s以上10m/s以下の場合に、洗浄液の流速[m/s]に界面活性剤の含有量[質量%]を乗じた値が0.025以上である。
【0120】
このような構成を備える第2実施形態に係る混合ユニット1によれば、第1実施形態に係る混合ユニット1と同じ効果を奏することができる。また、第2実施形態に係る混合ユニット1では、第2流路600からシャワーヘッド3又はシャワーホース2に対して供給される洗浄液の供給量が第1実施形態に係る混合ユニット1よりも多く、シャワーヘッド3から噴出される洗浄液の噴出量が第1実施形態に係る混合ユニット1よりも多くなるため、シャワーの使用感が向上するという利点がある。
【0121】
[その他の変形例]
本発明に係る混合ユニットは、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内において種々の改変を行なうことができる。
【0122】
例えば、上述した実施形態では、第1流路500の一部が混合室400内に配置されており、第1流路500が第2流路600に向けて流路面積が縮小するように構成されており、第2流路600が第1流路500に向けて流路面積が縮小するように構成されているものとして説明したが、これに限定されず、第1流路500の一部が混合室400内に配置されていなくても良いし、第1流路500が第2流路600に向けて流路面積が縮小しなくても良いし、第2流路600が第1流路500に向けて流路面積が縮小しなくても良い。すなわち、混合室400と収容室300との差圧によって混合室400に洗浄剤を供給せずに、モータ等の洗浄剤を混合室400に供給するための部品によって混合室400に洗浄剤を供給する構成としても良い。
【0123】
また、上述した実施形態では、収容室300に収容される洗浄剤を混合室400に供給可能な供給状態と、収容室300に収容される洗浄剤を混合室400に供給不能な非供給状態とを変更可能な切替部800を有しているものとして説明したが、これに限定されず、切替部800を有しない構成としても良い。
【0124】
また、上述した実施形態では、切替部800が切替本体部810を孔部190に対して摺動させて、第1連通路811を洗浄剤導入流路170の内部空間111側の流路、洗浄剤導入流路170の洗浄剤供給流路217側の流路及び混合部100の空気導入流路180に連通させた状態と、第2連通路812を洗浄剤導入流路170の内部空間111側の流路及び混合部100の空気導入流路180に連通させた状態とを切り替えることにより、供給状態と非供給状態とを切り替えるように構成されているものとして説明したが、これに限定されず、例えば、切替部800が第1連通路811のみを有しており、かつ第1連通路811に弁が設けられており、当該第1連通路811に設けられた弁の開閉により、供給状態と非供給状態とを切り替えるように構成されていても良い。
【0125】
さらに、上述した実施形態では、第3流路700に空気を供給可能な第4流路900を有するものとして説明したが、これに限定されず、第4流路900を有しない構成としても良い。また、第4流路900が第3流路700を介して混合室400に空気を供給するものとして説明したが、これに限定されず、第3流路700を介さずに混合室400に空気を供給する構成としても良い。
【0126】
また、上述した実施形態では、混合ユニット1がシャワーホース2及びシャワーヘッド3と連結可能に構成されているものとして説明したが、これに限定されず、混合ユニット1がシャワーホース2及びシャワーヘッド3のいずれか一方又は双方と一体として構成されていても良い。
【0127】
さらに、上述した実施形態では、第3流路700の流路面積及び第4流路900の流路面積を調整することにより、混合室400に対する洗浄剤及び空気の供給量を調整するものとして説明をしたが、これに限定されず、例えば、逆止弁等の弁を用いることにより、混合室400に対する洗浄剤及び空気の供給量を調整しても良い。
【0128】
上記のような変形例が本発明の範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【実施例0129】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらは本発明の目的を限定するものではない。
【0130】
[実施例1~5及び比較例1及び2の作製]
本実施形態に係る混合ユニットに基づき、実施例1~5及び比較例1及び2に係る混合ユニットを作製した。実施例1~5及び比較例1及び2に係る混合ユニットでは、第3流路700の流路面積、洗浄剤に含有される界面活性剤の含有量及び洗浄剤の粘度を調整し、洗浄液に含有される界面活性剤の含有量が表1に示す値となるようにした。
【0131】
[洗浄条件]
(1)水供給量:5400g/min
(2)水温:約40℃
(3)洗浄剤の成分:ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(ES、エチレンオキシド平均付加モル数2.0)及びイオン交換水
(4)洗浄剤に含有される界面活性剤の含有量:表1に示す値とした。
(5)30℃における洗浄剤の粘度:
実施例1~3及び比較例2(洗浄剤に含有される界面活性剤の含有量が27質量%のもの)については、38.8mPa・sとした。
実施例4、5及び比較例1(洗浄剤に含有される界面活性剤の含有量が13.5質量%のもの)については、10mPa・s以下とした。
洗浄剤の粘度は、BM型粘度計(型番TVB-10H、ローターM1、回転数60rpm)を用いて調整した。
(6)洗浄液供給量:表1に示す値とした。
(7)シャワーヘッド3から噴出される洗浄液の流速:表1に示す値となるようにした。
【0132】
[洗浄力の評価]
まず、モデルコメド皮脂汚れ(98質量%)及びカーボンブラック(2質量%)を20μL、腕の長手方向の任意の3箇所(各3cm×3cmの範囲)に滴下し、5分以上乾燥させた。そして、実施例1~5及び比較例1及び2に係る混合ユニットをシャワーホース(SANEI社製、型番PS3086TXW)及びシャワーヘッド(TOTO社製、型番THY731HR)に取り付け、以下の手順に従って洗浄を行った後、以下の評価基準に従って洗浄力を評価すると共に、環境負荷及び使用者のコストを評価し、これらの評価結果に基づいて総合評価を行った。
【0133】
なお、モデルコメド皮脂汚れの成分は、以下のとおりである。
スクアレン:7.94質量%、ワックス(ミリスチン酸ミリスチル):13.89質量%、綿実油:7.14質量%、コレステロール:11.90質量%、コレステロールエステル:3.97%、ラウリル酸:0.79質量%、ミリスチン酸:6.35質量%、パルミチン:24.6質量%、ステアリン酸:4.76質量%、オレイン酸:18.65質量%
【0134】
[洗浄の手順]
手順1:混合ユニット1を非供給状態にし、腕のモデルコメド皮脂汚れが付着した部分に水を1往復当てた。
手順2:混合ユニット1を供給状態にし、腕のモデルコメド皮脂汚れが付着した部分に洗浄液を5往復当てた。
手順3:混合ユニット1を非供給状態にし、腕のモデルコメド皮脂汚れが付着した部分に水を5往復当てた。
【0135】
[洗浄力の評価基準]
5:汚れが綺麗に落ちる
4:汚れは概ね落ちるが、肌のキメには汚れが残る
3:汚れがやや落ちる
2:汚れが殆ど落ちない
1:汚れが全く落ちない
上記の評価が3以上になる混合ユニットについて、洗浄力がある(評価〇)と評価した。一方、上記の評価が2以下になる混合ユニットについては、洗浄力が乏しい(評価×)と評価した。
【0136】
[環境負荷及び使用者のコストの評価基準]
一般的に、一般的な洗浄剤、例えば、シャンプー(商品名:メリットシャンプーDE、界面活性剤の含有量:17.8質量%、奨励使用料:6g、界面活性剤の使用量:1.07g、販売者名:花王株式会社)、洗顔料(商品名:ビオレスキンケア洗顔料 モイスチャー、界面活性剤の含有量:32.4質量%、奨励使用料:1g、界面活性剤の使用量:0.32g、販売者名:花王株式会社)及びボディーシャンプー(商品名:メンズビオレデオドラントボディウォッシュFA、界面活性剤の含有量:24.1質量%、奨励使用料:6g、界面活性剤の使用量:1.45g、販売者名:花王株式会社)をそれぞれ用いて、髪、顔及び身体をそれぞれ洗浄する場合、13gの洗浄剤が使用され、2.8gの界面活性剤が使用される。そのため、実施例1~5及び比較例1及び2に係る混合ユニットを用いたシャワー器具において、洗浄剤を使用している時間が33秒程度であると仮定した場合に、界面活性剤の使用量が2.8gよりも低い場合には、環境負荷及び使用者のコストを低減することができる(評価〇)と評価した。一方、33秒間における界面活性剤の使用量が2.8g以上の場合には、環境負荷及び使用者のコストを低減できていない(評価×)と評価した。
なお、上記の33秒の時間は、実施例1~5及び比較例1及び2に係る混合ユニットを備えるシャワー器具を用いて、上記の洗浄条件で髪、顔及び身体を洗浄する場合に想定される、洗浄時間である。
【0137】
【表1】
【0138】
表1に示すとおり、シャワーヘッドに対して供給される洗浄液の供給量が5400g/min前後の場合に、シャワーヘッドに対して供給される洗浄液に含有されている界面活性剤の含有量が0.09質量%以下の実施例1~5については、洗浄液に含まれている界面活性剤の量が少ない場合においても、優れた洗浄効果を発揮させるとともに環境負荷や使用者のコストが小さいことが明らかとなった。一方、同条件下において界面活性剤の含有量が0.09質量%を上回る比較例1及び2については、洗浄液に含まれる界面活性剤の量が多く、環境負荷や使用者のコストが大きいことが明らかとなった。
【0139】
[実施例6~8及び比較例3~5の作製]
本実施形態に係る混合ユニットに基づき、実施例6~8及び比較例3~5に係る混合ユニットを作製した。実施例6~8及び比較例3~5に係る混合ユニットでは、第1流路500の流路面積と、第2流路600の流路面積と、第3流路700の流路面積と、洗浄剤に含有される界面活性剤の含有量と、洗浄剤の粘度とを調整し、洗浄液の流速と洗浄液に含有されている界面活性剤の含有量とを表2に示す値となるようにした。
【0140】
[洗浄条件]
(1)水供給量:
実施例6については6800g/min、実施例7については4200g/min、実施例8については6800g/min、比較例3については4800g/min、比較例4については6800g/min、比較例5については4200g/minとした。
(2)水温:約40℃
(3)洗浄剤:以下の(a)及び(b)の洗浄剤を用いた。
(a):ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(ES、エチレンオキシド平均付加モル数2.0)(27質量%)及びイオン交換水(73質量%)を含む洗浄剤(以下、「洗浄剤1」という。)
(b):ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(ES、エチレンオキシド平均付加モル数2.0)(3質量%)、ポリオキシエチレン(16)ラウリルエーテル(HLB16.2)(9質量%)及びイオン交換水(88質量%)を含む洗浄剤(以下、「洗浄剤2」という。)
(4)洗浄剤に含有される界面活性剤の含有量:
実施例6については2.70質量%、実施例7については1.69質量%、実施例8については3.38質量%、比較例3については3.38質量%、比較例4については1.69質量%、比較例5については0.42質量%とした。
(5)30℃における洗浄剤の粘度:
実施例6については10mPa・s以下、実施例7については10mPa・s以下、実施例8については10mPa・s以下、比較例3については10mPa・s以下、比較例4については、10mPa・s以下、比較例5については、10mPa・s以下とした。
洗浄剤の粘度は、BM型粘度計(型番TVB-10H、ローターM1、回転数60rpm)を用いて調整した。
(6)洗浄液供給量:
実施例6については6810g/min、実施例7については4216g/min、実施例8については6821g/min、比較例3については4808g/min、比較例4については6821g/min、比較例5については4216g/minとした。
【0141】
[洗浄力の評価、洗浄の手順及び洗浄力の評価基準]
洗浄力の評価、洗浄の手順及び洗浄力の評価基準については、実施例1~5及び比較例1及び2に係る混合ユニットを評価したときと同様にした。
【0142】
【表2】
【0143】
表2に示すとおり、シャワーヘッドに対して供給される洗浄液の供給量が4000g/min以上7000g/min以下の場合に、シャワーヘッドに対して供給される洗浄液に含有されている界面活性剤の含有量が0.09質量%以下であり、シャワーヘッドから噴出される洗浄液の流速が2.0m/s以上10m/s以下の場合に、洗浄液の流速[m/s]に界面活性剤の含有量[質量%]を乗じた値が0.025以上である実施例7については、洗浄液に含まれている界面活性剤の量が少ない場合においても、優れた洗浄効果を発揮させることが明らかとなった。
【0144】
また、表2に示すとおり、シャワーヘッドに対して供給される洗浄液の供給量が5000g/min以上9000g/min以下の場合に、シャワーヘッドに対して供給される洗浄液に含有されている界面活性剤の含有量が0.05質量%以下であり、シャワーヘッドから噴出される洗浄液の流速が2.0m/s以上10m/s以下の場合に、洗浄液の流速[m/s]に界面活性剤の含有量[質量%]を乗じた値が0.025以上である実施例6及び8についても、洗浄液に含まれている界面活性剤の量が少ない場合においても、優れた洗浄効果を発揮させることが明らかとなった。
【0145】
一方、シャワーヘッドから噴出される洗浄液の流速が2.0m/sを下回る比較例3については、洗浄効果が乏しいことが明らかとなった。また、シャワーヘッドから噴出される洗浄液の流速が2.0m/s以上10m/s以下の場合に、洗浄液の流速[m/s]に界面活性剤の含有量[質量%]を乗じた値が0.025を下回る比較例4及び5についても、洗浄効果が乏しいことが明らかとなった。
【符号の説明】
【0146】
1 :混合ユニット
2 :シャワーホース
3 :シャワーヘッド
100 :混合部
110 :筒状部
111 :内部空間
112 :凹部
113 :内周面部
113a :上側内周面部
113b :第1中間部
113c :第2中間部
113d :第3中間部
113e :下側内周面部
120 :挟持部
121 :先端部
130 :保持部
131 :挿入凹部
140 :上側連結部
141 :底部
142 :壁部
143 :ねじ溝
150 :下側連結部
151 :凸部
152 :ねじ山
160 :内側筒状部
170 :洗浄剤導入流路
180 :空気導入流路
190 :孔部
191 :小孔部
192 :大孔部
193 :内壁部
200 :収容部
210 :収容本体部
211 :天板部
211a :開口部
211b :軸保持部
211c :挿通孔
212 :前壁部
212a :上側前壁部
212b :中間前壁部
212c :下側前壁部
213 :後壁部
213a :係合凹部
214 :底板部
215 :挿入凸部
216 :封止部
217 :洗浄剤供給流路
217a :小流路
217b :大流路
218 :封止部
220 :蓋部
221 :閉塞部
221a :空気通過孔部
221b :挿入孔
222 :挿入部
223 :周壁部
224 :屋根部
225 :封止部
226 :逆止弁
230 :軸部
300 :収容室
400 :混合室
500 :第1流路
600 :第2流路
700 :第3流路
800 :切替部
810 :切替本体部
811 :第1連通路
811a :洗浄剤連通路
811b :空気連通路
811c :連通孔
812 :第2連通路
813 :封止部
820 :規制部
900 :第4流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6