IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 矢崎総業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-温度センサおよびその製造方法 図1
  • 特開-温度センサおよびその製造方法 図2
  • 特開-温度センサおよびその製造方法 図3
  • 特開-温度センサおよびその製造方法 図4
  • 特開-温度センサおよびその製造方法 図5
  • 特開-温度センサおよびその製造方法 図6
  • 特開-温度センサおよびその製造方法 図7
  • 特開-温度センサおよびその製造方法 図8
  • 特開-温度センサおよびその製造方法 図9
  • 特開-温度センサおよびその製造方法 図10
  • 特開-温度センサおよびその製造方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005475
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】温度センサおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01K 7/22 20060101AFI20250109BHJP
   H01C 7/02 20060101ALI20250109BHJP
   H01C 7/04 20060101ALI20250109BHJP
   H01C 1/028 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G01K7/22 J
H01C7/02
H01C7/04
H01C1/028
G01K7/22 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105622
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】深津 太佑
【テーマコード(参考)】
2F056
5E028
5E034
【Fターム(参考)】
2F056QF01
2F056QF04
2F056QF05
2F056QF07
5E028BB09
5E028BB10
5E028CA03
5E028EA03
5E028EA11
5E034AA09
5E034BA09
(57)【要約】
【課題】サーミスタがケースに対して正確に位置決めされた温度センサを提供する。
【解決手段】温度センサ100が、サーミスタ組立体110と、第1の方向が開口した収容領域CAを有するケース120と、第3の封止部材130と、収容領域CAの開口を塞ぐカバー140と、を有し、サーミスタ組立体110が、2本のリード線112と、2本のリード線112の第1の端部1121に接続されたサーミスタ111と、サーミスタ111を封止する第1の封止部材113と、第1の封止部材113を封止する第2の封止部材114と、を有し、第3の封止部材130は、第2の封止部材114を封止するように、収容領域CA内に配置されており、カバー140は、第2の封止部材114を第1の方向から接する第1の接触部141を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーミスタ組立体と、
第1の方向が開口した収容領域を有するケースと、
第3の封止部材と、
前記収容領域の開口を塞ぐカバーと、を有し、
前記サーミスタ組立体は、
2本のリード線と、
前記2本のリード線の第1の端部に接続されたサーミスタと、
前記サーミスタを封止する第1の封止部材と、
前記第1の封止部材を封止する第2の封止部材と、を有し、
前記第3の封止部材は、前記第2の封止部材を封止するように、前記収容領域内に配置されており、
前記カバーは、前記第2の封止部材を前記第1の方向から接する第1の接触部を有する、温度センサ。
【請求項2】
前記リード線は、第1の折り曲げ部を有しており、
前記カバーおよび前記ケースは、前記リード線の第2の端部と前記第1の折り曲げ部との間の少なくとも一部を挟んでいる、温度センサ。
【請求項3】
前記カバーは、第2の接触部をさらに有し、
前記リード線は、前記第2の端部と前記第1の折り曲げ部との間に、第2の折り曲げ部および第3の折り曲げ部とをさらに有する、
前記第2の折り曲げ部は、前記第1の折り曲げ部側に位置し、
前記第3の折り曲げ部は、前記第2の端部側に位置し、
前記カバーおよび前記ケースは、前記第2の接触部と当該ケースの側面により、前記第2の端部と前記第3の折り曲げ部との間の少なくとも一部を挟んでいる、請求項2に記載の温度センサ。
【請求項4】
前記ケースは、前記第1の折り曲げ部と前記第2の折り曲げ部の間において、前記第1のリードを固定する第1の固定部を有する、請求項3に記載の温度センサ。
【請求項5】
前記カバーは、第3の接触部をさらに有し、
前記カバーおよび前記ケースは、前記第3の接触部と当該ケースの第1の固定部との間により、前記リード線の前記第1の折り曲げ部と前記第2の折り曲げ部の間の少なくとも一部を挟んでいる、温度センサ。
【請求項6】
前記サーミスタ組立体の位置決めのためのガイド部が、前記収容領域の底部に設けられている、請求項1に記載の温度センサ。
【請求項7】
前記カバーは、前記第3の封止部材に封止される突起部をさらに有する、請求項1に記載の温度センサ。
【請求項8】
測定対象に接続するための接続部材をさらに有し、
前記接続部材は、孔を有し、
前記ケースは、前記接続部材が挿入される挿入口を有し、
前記接続部材は、前記サーミスタが前記孔の中に位置するように前記ケースの挿入口に挿入される、請求項1に記載の温度センサ。
【請求項9】
接続部材は、導体である、請求項7に記載の温度センサ。
【請求項10】
温度センサを製造するための製造方法であって、
サーミスタ組立体をケースの第1の方向が開口した収容領域内に挿入する挿入工程と、
前記ケースの収容領域内に、樹脂を、前記サーミスタ組立体の第2の封止部材を封止するように注入する注入工程と、
カバーの第1の接触部が前記第2の封止部材に前記第1の方向から接するように、当該カバーにより前記収容領域の開口を塞ぐ閉塞工程と、
前記樹脂を硬化する硬化工程と、を有する、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度センサおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、サーミスタを用いた温度センサを開示している。この温度センサでは、リード線5に接続されたサーミスタ(感温素子4a)が、封止ガラス(封止ガラス部4b)により封止されており、この封止ガラスが、さらに封止樹脂(樹脂コート部4c)により封止されている。そして、このサーミスタとリード線5を含むサーミスタ組立体がケース(挿入穴H)に挿入されており、サーミスタ組立体とケースとの間に充填樹脂(接着用樹脂7)が充填されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-128010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような温度センサでは、充填樹脂が硬化する前に、封止樹脂が浮いてしまい、サーミスタのケースに対する位置が変化してしまうことがあった。
【0005】
そこで、本発明は、サーミスタがケースに対して正確に位置決めされた温度センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る温度センサは、サーミスタ組立体と、第1の方向が開口した収容領域を有するケースと、第3の封止部材と、前記収容領域の開口を塞ぐカバーと、を有し、前記サーミスタ組立体は、2本のリード線と、前記2本のリード線の第1の端部に接続されたサーミスタと、前記サーミスタを封止する第1の封止部材と、前記第1の封止部材を封止する第2の封止部材と、を有し、前記第3の封止部材は、前記第2の封止部材を封止するように、前記収容領域内に配置されており、前記カバーは、前記第2の封止部材を前記第1の方向から接する第1の接触部を有する。
【0007】
本発明の一実施形態に係る製造方法は、温度センサを製造するための製造方法であって、サーミスタ組立体をケースの第1の方向が開口した収容領域内に挿入する挿入工程と、前記ケースの収容領域内に樹脂を、前記サーミスタ組立体の第2の封止部材を封止するように注入する注入工程と、カバーの第1の接触部が前記第2の封止部材に前記第1の方向から接するように、当該カバーにより前記収容領域の開口を塞ぐ閉塞工程と、前記樹脂を硬化する硬化工程と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、サーミスタがケースに対して正確に位置決めされた温度センサを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る温度センサ100を示す図である。
図2】温度センサ100の正面図である。
図3図2のAA断面での温度センサ100の断面図である。
図4図2のBB断面での温度センサ100の断面図である。
図5図2のCC断面での温度センサ100の断面図である。
図6】カバー140を外した状態における温度センサ100を示す図である。
図7】第1の封止部材113が第2の封止部材130により封止された状態のサーミスタ組立体110を示す図である。
図8】カバー140を示す図である。
図9】リード線112とカバー140の第2の接触部142とケース120の側面123との関係を説明する図である。
図10】リード線112とカバー140の第3の接触部143とケース120の第1の固定部121との関係を説明する図である。
図11】温度センサ100の製造方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<温度センサ100>
図1は、本発明の一実施形態に係る温度センサ100を示す図である。図2は、温度センサ100の正面図であり、図3は、図2のAA断面での温度センサ100の断面図であり、図4は、図2のBB断面での温度センサ100の断面図であり、図5は、図2のCC断面での温度センサ100の断面図である。図1において、上方向がZ方向(第1の方向)であり、Z方向に垂直な2つの方向がX方向、Y方向である。
【0011】
温度センサ100は、サーミスタ組立体110と、ケース120と、第3の封止部材130と、カバー140と、を有する。図6は、カバー140を外した状態における温度センサ100を示す図である。
【0012】
サーミスタ組立体110は、サーミスタ111と、2本のリード線112と、第1の封止部材113と、第2の封止部材114と、を有する。図7は、サーミスタ組立体110を示す図である。
【0013】
サーミスタ111は、温度により抵抗値が変化する抵抗器であり、例えば、NTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタとPTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスタである。
【0014】
2本のリード線112は、第1の端部1121と、第2の端部1122と、を有し、リード線112の第1の端部1121は、サーミスタ111に接続されている。つまり、サーミスタ111は、図5に示すように、2本の第1のリード線112の間に接続されている。リード線112は、サーミスタ111に接続した第1の端部1121から第1の方向(Z方向)に向けて延びている。
【0015】
第1の封止部材113は、図5に示すように、サーミスタ111を封止し、サーミスタ111を保護する。リード線112のうち、サーミスタ111に接続した第1の端部1121は、図5の示すように、第1の封止部材113に封止されている。第1のリード線112の第2の端部1122は、図1に示すように、第1の封止部材113に封止されておらず、第2の封止部材113の外部に存在する。第1の封止部材113は、例えば、ガラスである。
【0016】
第2の封止部材114は、図5に示すように、第1の封止部材113を封止し、第1の封止部材113を保護する。第1のリード線112の第2の端部1122は、図1に示すように、第2の封止部材114に封止されておらず、第2の封止部材114の外部に存在する。第2の封止部材114は、例えば、樹脂であり、ディッピングにより形成される。第2の封止部材114は、図3、7に示すように、第1の方向を向いた面を有する肩部1141を有している。
【0017】
リード線112は、図3、6、7に示すように、第2の封止部材114の外部に存在する部分に、第1の折り曲げ部1123を有している。リード線112は、第1の折り曲げ部1123において、第1の方向(Z方向)から第2の方向(X方向)に折り曲げられている。
【0018】
リード線112は、図3、6、7に示すように、第2の端部1122と第1の折り曲げ部1123の間に、第2の折り曲げ部1124と、第3の折り曲げ部1125と、をさらに有する。第2の折り曲げ部1124は、第1の折り曲げ部1123側に位置し、第3の折り曲げ部1124は、第2の端部1122側に位置する。リード線112は、第2の折り曲げ部1124において、第2の方向(X方向)から第1の方向の逆方向(-Z方向)に折り曲げられ、第3の折り曲げ部1125において、第1の方向の逆方向(-Z方向)から第2の方向(X方向)に折り曲げられており、クランク形状をしている。
【0019】
なお、図示した例において、リード線112は、第2の折り曲げ部1124において、第2の方向(X方向)から第1の方向の逆方向(-Z方向)に折り曲げられているが、リード線112は、第2の折り曲げ部1124において、第2の方向(X方向)から第1の方向(Z方向)に折り曲げられるようにしても良い。
【0020】
ケース120は、図3、4、6に示すように、収容領域CAを有しており、収容領域CAは、第1の方向(X方向)が開口している。サーミスタ組立体110は、ケース120の収容領域CAに収容される。
【0021】
ケース120は、第1の固定部121と、第2の固定部122と、を有している。第1の固定部121は、図6に示すように、リード線112の第1の折り曲げ部1123と第2の折り曲げ部1124の間の部分を固定しており、第2の固定部122は、第3の折り曲げ部1125を固定している。
【0022】
第3の封止部材130は、図3-5に示すように、第2の封止部材114を封止するように、ケース120の収容領域CA内に配置されている。リード線112の第2の端部1122は、図1に示すように、第3の封止部材130に封止されておらず、第3の封止部材130の外部に存在する。第3の封止部材130は、例えば、樹脂である。
【0023】
例えば、第3の封止部材130は、硬化する前に、サーミスタ組立体110の第2の封止部材114が第3の封止部材130により封止されるように、サーミスタ組立体110が挿入されたケース120の収容領域CA内に注入される。そして、第2の樹脂部130は、この第1の樹脂部113を封止した状態で硬化される。
【0024】
カバー140は、収容領域CAの開口を塞ぐカバーである。図8は、カバー140を示す図である。カバー140およびケース120は、図1、6、8に示すように、カバー固定部145、125を有する。収容領域CAの開口を塞いだ状態で、図1に示すように、このカバー固定部145、125により、ケース120に固定される。図1に示した例において、カバー140のカバー固定部145は、係合孔であり、ケース120のカバー固定部145は、係合爪であり、カバー140の係合孔にケース120の係合爪が係合することにより、カバー140は、ケース120に固定される。
【0025】
カバー140は、図3、8に示すように、第1の接触部141を有する。第1の接触部141は、第2の封止部材114の肩部1141を第1の方向(Z方向)から接している。このため、本実施形態では、サーミスタ組立体110がカバー140により下方(-Z方向)に押圧している。よって、本実施形態では、第3の封止部材130の樹脂が硬化する前に、サーミスタ組立体110が浮き、サーミスタ111のケース140に対する位置が変化することを防ぐことが可能である。結果、本実施形態では、サーミスタがケースに対して正確に位置決めされた温度センサを提供することが可能である。図3、8に示した例において、第1の接触部141は、第1の方向の逆方向(-Z方向)を向いた面を有し、第2の封止部材114の肩部1141は、第1の方向(Z方向)を向いた面を有し、この2つの面が互いに接している。
【0026】
カバー140は、ケース120との間に、リード線112の第2の端部1122と第1の折り曲げ部1123との間の少なくとも一部を挟んでいる。例えば、カバー140は、図1、2、8、9、10に示すように、第2の接触部142と、第3の接触部143と、をさらに有する。図9は、リード線112とカバー140の第2の接触部142とケース120の側面123との関係を説明する図であり、図10は、リード線112とカバー140の第3の接触部143とケース120の第1の固定部121との関係を説明する図である。
【0027】
カバー140とケース120は、図1、2、9に示すように、第2の接触部142とケースの側面123により、リード線112の第2の端部1122と第3の折り曲げ部1125の間の少なくとも一部を挟んでいる。
【0028】
カバー140とケース120は、図9に示すように、第3の接触部143とケースの第1の固定部121により、リード線112の第1の折り曲げ部1122と第2の折り曲げ部1123の間の少なくとも一部を挟んでいる。
【0029】
このように、本実施形態では、リード線112は、折り曲がっており、折り曲がった箇所と外部に存在する端部との間の少なくとも一部が、カバー140とケース120とにより挟まれている。このため、本実施形態では、リード線112が引っ張られたとしても、ケース120の収容領域CA内の部材(サーミスタ111や、第1の封止部材112、第2の封止部材114)に直接応力が加わることがない。結果、本実施形態では、リード線112が引っ張られたとしても、ケース120の収容領域CA内の部材(サーミスタ111や、第1の封止部材112、第2の封止部材114)が引っ張られ、ケース120の収容領域CAから抜け出してしまうことを防ぐことが可能である。
【0030】
また、上述したように、本実施形態では、リード線112は、第2の折り曲げ部1124と第3の折り曲げ部1125を有し、第2の端部1122と第1の折り曲げ部1123の間にクランク形状部分を有し、このクランク形状部分が、ケース120に固定され、カバー140とケースつ120とにより挟まれている。このため、本実施形態では、リード線112が引っ張られたとしても、ケース120の収容領域CA内の部材(サーミスタ111や、第1の封止部材112、第2の封止部材114)に直接応力が加わることを防ぐことがより可能である。結果、本実施形態では、リード線112が引っ張られたとしても、ケース120の収容領域CA内の部材(サーミスタ111や、第1の封止部材112、第2の封止部材114)が引っ張られ、ケース120の収容領域CAから抜けてしまうことを防ぐことがより可能である。
【0031】
カバー140は、図4、8に示すように、突起部144をさらに有するようにしても良い。突起部144は、図4に示すように、その先端が第3の封止部材130に封止されている。このようにすることで、カバー140が第3の封止部材130に固定されることになり、カバー140がケース120に対してがたつくことを防ぐことが可能になる。また、カバー140がケース120からはずれることを防ぐことも可能になる。
【0032】
温度センサ100は、接続部材150をさらに有するようにしても良い。接続部材150は、温度センサ100の測定対象と接続するための部材である。このとき、ケース120は、この接続部材150を挿入するための挿入口124を有し、接続部材150は、この挿入口124に挿入される。
【0033】
接続部材150は、例えば、熱伝導率に高い部材である。接続部材150が測定対象に接続した際に、接続部材150は、測定対象と同じ温度になる。また、接続部材150は、導体である。測定対象が電流が流れる導体である場合、接続部材150が測定対象に接続した際に、測定対象を流れる電流が接続部材150を流れ、接続部材150は、測定対象と同じ温度になる。
【0034】
接続部材150は、例えば、孔151を有する。孔このとき、接続部材150は、サーミスタ111が孔151の中に位置するようにケース120の挿入口124に挿入される。このようにすることで、サーミスタ111が接続部材150に囲まれることになり、他の部材の温度の影響されることなく、接続部材150の温度(つまり、測定対象の温度)を精度良く測定することが可能になる。孔151は、例えば、貫通孔である。
【0035】
<温度センサ100の製造方法>
図11は、温度センサ100の製造方法の一例を示す図である。
【0036】
まず、サーミスタ組立体110をケース120の収容領域CA内に挿入する(挿入工程、ステップS1101)。このとき、サーミスタ組立体110は、例えば、サーミスタ組立体110の第2の封止部材114がケース120の収容領域CAの底に接するように挿入される。このとき、サーミスタ組立体110の位置決めのためのガイド部が、前記収容領域の底部に設けられているようにすると良い。
【0037】
その後、ケース120の収容領域CA内に、樹脂を、サーミスタ組立体110の第2の封止部材114を封止するように注入する(注入工程、ステップS1102)。注入される樹脂は、硬化する前の第3の封止部材130の樹脂である。
【0038】
そして、カバー140の第1の接触部141が第2の封止部材114の肩部1141に第1の方向から接するように、カバー140により収容領域CAの開口を塞ぐ(閉塞工程、ステップS1103)。
【0039】
ケース120の収容領域CAに注入された樹脂を硬化する(硬化工程、ステップS1004)。これにより、ケース120の収容領域CAに注入された樹脂が硬化され、第3の封止部材130がサーミスタ110の第2の封止部材114を封止するように、ケース120の収容領域CA内に配置され、温度センサ100が出来上がる。本実施形態では、カバー140の第1の接触部141が第2の封止部材114の肩部1141に第1の方向から接しているため、第3の封止部材130の樹脂が硬化する前に、サーミスタ組立体110が浮き、ケース120に対するサーミスタ111の位置がずれるしまうことを防ぐことが可能である。
【0040】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に記載した本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
100 温度センサ
110 サーミスタ組立体100のサーミスタ組立体
111 サーミスタ組立体100のサーミスタ
112 サーミスタ組立体100のリード線
1121 リード線112の第1の端部
1122 リード線112の第2の端部
1123 リード線112の第1の折り曲げ部
1124 リード線112の第2の折り曲げ部
1125 リード線112の第3の折り曲げ部
113 サーミスタ組立体100の第1の封止部材
114 第2の封止部材
1141 第2の封止部材114の肩部
120 ケース
121 ケース120の第1の固定部
122 ケース120の第2の固定部
123 ケース120の側面
124 ケース120の挿入口
125 ケース120のガイド部
126 ケース120のカバー固定部(係合爪)
130 第3の封止部材
140 カバー
141 カバー140の第1の接触部
142 カバー140の第2の接触部
143 カバー140の第3の接触部
144 カバー140のカバー固定部(係合孔)
145 カバー140の突起部
150 接続部材
151 接続部材150の孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11