(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005479
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】送風蓄熱システム
(51)【国際特許分類】
F24F 5/00 20060101AFI20250109BHJP
F24F 13/28 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
F24F5/00 102C
F24F13/28
F24F5/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105628
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】523246651
【氏名又は名称】栗田 泰生
(71)【出願人】
【識別番号】523246662
【氏名又は名称】栗田 賀央
(71)【出願人】
【識別番号】523246673
【氏名又は名称】宮林 秀之
(74)【代理人】
【識別番号】100130281
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 道幸
(74)【代理人】
【識別番号】100214813
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 幸江
(72)【発明者】
【氏名】栗田 泰生
(57)【要約】
【課題】
温風又は冷風により、より効率的に床面を加熱又は冷却させることができる送風蓄熱システムを提供することにある。
【解決手段】
温風又は冷風を発生させる送風源と、温風又は冷風を送風させる送風手段と、床面の下に配置され、送風手段によって温風又は冷風が送風される流入口を少なくとも1つ有する通気路と、通気路内の気圧を調整する圧力調整手段とを備え、圧力調整手段が、通気路内の温風又は冷風を排気することで通気路内の圧力を調整することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温風又は冷風により床面を加熱又は冷却する送風蓄熱システムにおいて、
該温風又は該冷風を発生させる送風源と、
該温風又は該冷風を送風させる送風手段と、
床面の下に配置され、該送風手段によって該温風又は該冷風が送風される流入口を少なくとも1つ有する通気路と、
該通気路内の気圧を調整する圧力調整手段とを備えることを特徴とする送風蓄熱システム。
【請求項2】
前記通気路が、複数の通気管から構成され、
該通気管が互いに平行して設けられ、それぞれの該通気管が、他の該通気管と連結され、それぞれの該通気管が連通していることを特徴とする請求項1記載の送風蓄熱システム。
【請求項3】
前記圧力調整手段が、前記通気路内の前記温風又は前記冷風を排気することで該通気路内の圧力を調整することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の送風蓄熱システム。
【請求項4】
前記圧力調整手段が、前記通気路内の前記温風又は前記冷風の排気を抑圧するフィルタにより構成されることを特徴とする請求項3記載の送風蓄熱システム。
【請求項5】
前記フィルタの材質が、グラスウールであることを特徴とする請求項4記載の送風蓄熱システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温風又は冷風により床面を加熱又は冷却する送風蓄熱システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建築物の床面を温風や冷風により加熱又は冷却し、冷暖房を行う送風蓄熱システムがある。
【0003】
この送風蓄熱システムとしては、例えば、特許文献1に示されるようなものがある。特許文献1の送風蓄熱システムは、温風又は冷風を発生させ送出する送風手段と、板状蓄熱体の内部又は下方に配設された複数の通気管と、通気管の一端付近に送風手段からの温風又は冷風を誘導する吸気管と、通気管の他端付近から温風又は冷風を排出する排気管とを備え、通気管より細径で、一端が通気管の他端付近に挿嵌されると共に他端が排気管に連通された連通管を有し、連通管の通気管に挿嵌された側の端部が封鎖されると共に、連通管の通気管に挿嵌された外周面に連通穴が穿設され、通気管の一端付近から流れ込んだ温風又は冷風が、通気管の他端付近から連通管の連通穴を介して連通管の他端から排気管に流れることを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の送風蓄熱システムにおいても、十分な加熱又は冷却の効果を得ることが可能であるが、熱効率の良いシステムが望まれている。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、温風又は冷風により、より効率的に床面を加熱又は冷却させることができる送風蓄熱システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の送風蓄熱システムは、温風又は冷風を発生させる送風源と、温風又は冷風を送風させる送風手段と、床面の下に配置され、送風手段によって温風又は冷風が送風される流入口を少なくとも1つ有する通気路と、通気路内の気圧を調整する圧力調整手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の送風蓄熱システムは、請求項1の構成に加え、通気路が、複数の通気管から構成され、通気管が互いに平行して設けられ、それぞれの通気管が、他の通気管と連結され、それぞれの通気管が連通していることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の送風蓄熱システムは、請求項1又は請求項2の構成に加え、圧力調整手段が、通気路内の温風又は冷風を排気することで通気路内の圧力を調整することを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の送風蓄熱システムは、請求項3の構成に加え、圧力調整手段が、通気路内の温風又は冷風の排気を抑圧するフィルタにより構成されることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の送風蓄熱システムは、請求項4の構成に加え、フィルタの材質が、グラスウールであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本願の発明によれば、温風又は冷風により、より効率的に床面を加熱又は冷却させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る送風蓄熱システムの構成の一例を示す説明図である。
【
図2】同送風蓄熱システムの通気路の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明に係る送風蓄熱システムの構成の一例を示す説明図である。
図2は、同送風蓄熱システムの通気路の説明図である。
【0015】
図における送風蓄熱システム1は、建築物の部屋4の床面8を暖めたり冷やしたりするためのもので、温風又は冷風により床面8を加熱又は冷却するものである。
【0016】
例えば、
図1に示す部屋4は、個人住宅のような一般住宅及びそれに準ずる建物の部屋であるが、鉄筋コンクリート製の保育園の建物の保育室のような形態でもよく、木造住宅に限らず、床面8の材質は、温風や冷風の温度が部屋4の中に伝わりやすいものであればよい。また、部屋4の広さによって、限定されるものではない。
【0017】
送風蓄熱システム1は、温風又は冷風を発生させる送風源40と、温風又は冷風を送風させる送風手段42と、床面8の下に配置され、送風手段42によって温風又は冷風が送風される流入口30を少なくとも1つ有する通気路10と、通気路10内の気圧を調整する圧力調整手段32とを備える構成となっている。
【0018】
送風源40は、例えばエアコンで、
図1に示す例では、天井6の上に配置され、エアコンとしての通常の温風又は冷風の吹き出し口である送風口40aは、部屋4の中に向かって設けられている。本願発明では、送風源40に、通常の送風口40aとは別に、送風管44が伸び、送風手段42が設けられている。送風手段42は、例えばファンであり、効率的に温風や冷風を送風させることができるものであればよい。
【0019】
送風手段42の送風先からは送風管44が床面8方向に伸びている。送風管44は、床面8の下に配置された通気路10に接続されている。
【0020】
通気路10は、温風又は冷風が送風されるもので、少なくとも1つの流入口30を有している。この通気路10の流入口30に送風手段42から伸びる送風管44が接続されている。
【0021】
通気路10は、複数の通気管12,14,20,22,24,26,28から構成されている。各通気管12,14,20,22,24,26,28は、管状でそれぞれが連通している。通気路10は、床面8の平面的な広がりや構造によって任意に形状を変えればよく、温風や冷風によって床面8の温度を効果的に制御できるのに適した構成にすればよい。
【0022】
但し、床面8の平面的な広がりが矩形である場合が多く、多くの場合の通気路10の形態としては、通気路10の通気管20,22,24,26,28が互いに平行して設けられ、それぞれの通気管20,22,24,26,28が、他の通気管20,22,24,26,28と連結され、それぞれの通気管20,22,24,26,28が連通している形態が好ましい。通気管20,22,24,26,28は、互いの端部が、通気管12,14で連結され、連通している。
【0023】
本願の送風蓄熱システム1では、通気路10の通気路10内の気圧を調整するための圧力調整手段32が設けられている。本実施の形態の通気路10では、
図2に示すように、通気路10の一端に圧力調整手段32が設けられている。
【0024】
圧力調整手段32は、例えば、通気路10内の気圧が所定気圧以上になった場合には、通気路10内の温風又は冷風を排気し、通気路10内の気圧を下げることにより、通気路10内の気圧を調整するものが考えられる。尚、圧力調整手段32は、通気路10内の気圧を調整することができれば、どのような形態のものであってもよい。
【0025】
圧力調整手段32が、通気路10内の温風又は冷風を排気し、通気路10内の気圧を下げるものの場合、例えば、一定の圧に対する通気性を有するフィルタを用いることができる。このフィルタの材質として、グラスウールが考えられる。
【0026】
このような構成の送風蓄熱システム1の動作を説明する。まず、送風源40で発生された温風又は冷風は、送風手段42によって、送風管44を通って、通気路10に送られる。この際、温風又は冷風は、送風手段42により強制的に送られることで、雰囲気気圧よりも気圧が高められる状態になっている。そして、密封に近い状態の通気路10に送り込まれた温風又は冷風は、通気路10内で気圧が高められることになる。
【0027】
温風又は冷風は、通気路10の12,14,20,22,24,26,28を巡ることになる。そして、温風の場合には、通気路10が温風で温められ、通気路10の熱で床面8が暖められることになる。冷風の場合には、通気路10が冷風で冷やされ、通気路10の冷熱で床面8が冷やされることになる。
【0028】
通気路10内の気圧は、圧力調整手段32で調整される。圧力調整手段32が、グラスウールの場合、不要な温風又は冷風が、グラスウールを介して、通気路10の外に放出されることになる。
【0029】
尚、温風又は冷風の温度は、例えば、温風で送風源40で約60度で、床面8の材質や部屋4(床面8)の所望の温度により、適宜定るようにすれば良い。
【0030】
また、圧力調整手段32で調整する通気路10内の気圧は、約1.3気圧が目安であるが、床面8の材質や部屋4(床面8)の所望の温度により、適宜定るようにすれば良い。
【0031】
このような構成の送風蓄熱システム1によれば、温風又は冷風により、より効率的に床面8を加熱又は冷却させることができる。
【0032】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上のように、本発明によれば、温風又は冷風により、より効率的に床面を加熱又は冷却させることができる送風蓄熱システムを提供することができる。
【符号の説明】
【0034】
1・・・・・送風蓄熱システム
4・・・・・部屋
6・・・・・天井
8・・・・・床面
10・・・・通気路
12・・・・通気管
14・・・・通気管
20・・・・通気管
22・・・・通気管
24・・・・通気管
26・・・・通気管
28・・・・通気管
30・・・・流入口
32・・・・圧力調整手段
40・・・・送風源
40a・・・送風口
42・・・・送風手段
44・・・・送風管