IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • -非接触操作機能付きボタンスイッチ 図1
  • -非接触操作機能付きボタンスイッチ 図2
  • -非接触操作機能付きボタンスイッチ 図3
  • -非接触操作機能付きボタンスイッチ 図4
  • -非接触操作機能付きボタンスイッチ 図5
  • -非接触操作機能付きボタンスイッチ 図6
  • -非接触操作機能付きボタンスイッチ 図7
  • -非接触操作機能付きボタンスイッチ 図8
  • -非接触操作機能付きボタンスイッチ 図9
  • -非接触操作機能付きボタンスイッチ 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005487
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】非接触操作機能付きボタンスイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/00 20060101AFI20250109BHJP
   H01H 25/00 20060101ALI20250109BHJP
   H01H 13/14 20060101ALI20250109BHJP
   H01H 35/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H01H13/00 A
H01H25/00 G
H01H13/14
H01H25/00 E
H01H35/00 X
H01H35/00 F
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105648
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】394001087
【氏名又は名称】株式会社京都プラテック
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100171941
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 忠行
(72)【発明者】
【氏名】長島 博
【テーマコード(参考)】
5G031
5G055
5G206
【Fターム(参考)】
5G031AS10N
5G031AS35Q
5G031KS03
5G031KS06
5G031QS02
5G055AA04
5G055AA08
5G055AB02
5G055AD12
5G055AE07
5G055AG02
5G055AG08
5G055AG31
5G206AS10N
5G206AS35Q
5G206KS03
5G206KS06
5G206QS02
(57)【要約】
【課題】ボタン全体の大きさを大きくすることなく図柄を大きくできるとともに、ボタン照明用LEDの配置に制約が少ない非接触操作機能付きボタンスイッチを提供することを目的としている。
【解決手段】操作ボタン2のボタン本体21の押圧動作によるボタン接触操作と、光電センサによるボタン非接触操作を選択可能になっている非接触操作機能付きボタンスイッチ1であって、光電センサの発信器43から発信された発信光を発信させる発信口と、発信光の反射光を受光する受光口をボタン本体21の中心を挟んで離れた対称位置にそれぞれ設け、操作内容を示す図柄24aをボタン本体21の中央に設けるようにした。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの操作パネルに組み込まれ、前記操作パネルの表面に露出する操作ボタンと、この操作ボタンを支持するとともに、前記操作パネル内に収容されとともに、少なくとも信号線を介して、前記エレベータの制御部と電気的に接続される基板部を備え、
前記基板部が、発信器と受信器を有する光電センサを備え、
前記操作ボタンが、ボタン操作内容を示す図柄を表面に有し、
前記発信器からの発信光の前記操作ボタン外への出光部と、前記受信器に向かう反射光が前記受信機に向かって入光する入光部を有するとともに、
押圧動作により、前記制御部に操作指示信号が送られるボタン接触操作と、
前記受信器が、前記入光部を介して前記反射光を受信したとき、前記制御部に操作指示信号が送られるボタン非接触操作を選択可能になっている非接触操作機能付きボタンスイッチであって、
前記操作ボタンは、前記図柄が中央に設けられているとともに、
前記出光部と前記入光口が、前記操作ボタンの外縁部、かつ、離れた位地に個別に設けられていることを特徴とする非接触操作機能付きボタンスイッチ。
【請求項2】
前記発信器および受信器が、前記操作ボタンの中心軸を中心に対称位置に設けられているとともに、前記出光部および入光部が、前記操作ボタンの中心軸を中心に対称位置に設けられている請求項1に記載の非接触操作機能付きボタンスイッチ。
【請求項3】
前記基板部が、基板部本体と、この基板部本体の一側面から延出するコネクタ部を有し、
前記基板部本体が、対称中心となる少なくとも2つの直交する中心軸を有し、前記発信器および受信器がいずれかの前記中心軸を挟んで対称となる位置に設けられているとともに、
前記コネクタ部が、いずれかの前記中心軸を挟んで対称形状に形成されている請求項2に記載の非接触操作機能付きボタンスイッチ。
【請求項4】
前記発信器から発信した発信光を前記出光部に導く第1光導波部材と、前記入光部から入光した反射光を前記受信器に導く第2光導波部材を備えている請求項1または請求項2に記載の非接触操作機能付きボタンスイッチ。
【請求項5】
前記操作ボタンが、透光性の材料で形成されたボタン本体を備え、
前記基板部が、前記操作ボタンの少なくとも前記図柄部分に投光する照明用LEDを有し、
前記照明用LEDの光が前記ボタン本体を介して前記操作ボタン外から視認不可状態にする遮光層が、前記ボタン本体の裏面の前記出光部からの発光および前記入光部からの入光を妨げない位置に設けられている請求項1または請求項2に記載の非接触操作機能付きボタンスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触操作機能付きボタンスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータには、図9に示すように、ボタン101の表面に、行き先階、扉開閉方向などボタン操作内容を示す図柄(この場合、行き先階である1)101aが表示された押しボタンスイッチ100が従来から用いられている(特許文献1~3参照)。
すなわち、上記従来の押しボタンスイッチ100は、基板部(図示せず)を、カバー102およびボタン101で覆った状態になっていて、操作者が、手でボタン101をカバー102の内側方向に押し込むことによって、ボタン101の下方に設けられた上記基板部上のスイッチ(図示せず)を動作させて、ボタン101表面に表示された図柄に応じた信号がエレベータの制御部に送られて、エレベータが、信号に応じた動作をするようにされている。なお、図9中、103はコネクタ部である。
【0003】
しかし、エレベータの押しボタンスイッチ100は、不特定多数の人がボタン101操作するので、衛生的に不安視する人が多い。特に、コロナウィルス感染症のまん延により、この傾向が多くなっている。
そこで、昨今では、図10に示すような、非接触操作機能付きボタンスイッチ200がすでに提案されている。
【0004】
この非接触操作機能付きボタンスイッチ200は、従来の押しボタンスイッチ100と同様にボタン201を押圧すれば、エレベータの行き先階を設定することができるとともに、ボタン201が、非接触センサ部を備えている。
非接触センサ部は、ボタン201の下部に設けられたセンサ窓210と、基板部(図示せず)に設けられた光電センサの発信器から発信した発信光およびこの発信光の反射光が透過して受信器によって受信可能になっている。
【0005】
すなわち、上記非接触操作機能付きボタンスイッチ200は、センサ窓210の前に手をかざすことで光電センサの発信器から発信した発信光が手で反射し、この反射光が受信器で受信されると、ボタン201を直接触れなくても、ボタン201に表示された図柄に応じた信号がエレベータの制御部に送られるようになっている。
なお、図10中、201aは、図柄、203はコネクタ部である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003-272473号公報
【特許文献2】特開2009-289510号公報
【特許文献3】特開2012-74393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の非接触操作機能付きボタンスイッチ200の場合、ボタン201の下部に光電センサのセンサ窓210が形成されているので、ボタン101表面に表示された操作内容を示す図柄201aの大きさを小さくせざるを得ない。また、センサ窓が下側を占領しているので、ボタンを光らせるボタン照明用LEDが上側にしか設けられず、光ムラと輝度低下になるおそれがある。さらに、発信器と受信器が、ボタン下側に配置されているので、非接触で反応する範囲が下側寄りになり、ボタン外の範囲で誤反応のおそれがある
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みて、ボタン全体の大きさを大きくすることなく図柄を大きくできるとともに、ボタン照明用LEDの配置に制約が少ない非接触操作機能付きボタンスイッチを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の非接触操作機能付きボタンスイッチは、エレベータの操作パネルに組み込まれ、前記操作パネルの表面に露出する操作ボタンと、この操作ボタンを支持するとともに、前記操作パネル内に収容されとともに、少なくとも信号線を介して、前記エレベータの制御部と電気的に接続される基板部を備え、前記基板部が、発信器と受信器を有する光電センサを備え、前記操作ボタンが、ボタン操作内容を示す図柄を表面に有し、前記発信器からの発信光の前記操作ボタン外への出光部と、前記受信器に向かう反射光が前記受信機に向かって入光する入光部を有するとともに、押圧動作により、前記制御部に操作指示信号が送られるボタン接触操作と、前記受信器が、前記入光部を介して前記反射光を受信したとき、前記制御部に操作指示信号が送られるボタン非接触操作を選択可能になっている非接触操作機能付きボタンスイッチであって、前記操作ボタンは、前記図柄が中央に設けられているとともに、前記出光部と前記入光部が、前記操作ボタンの外縁部、かつ、離れた位地に個別に設けられていることを特徴としている。
【0010】
本発明の非接触操作機能付きボタンスイッチは、特に限定されないが、前記発信器および受信器が、前記操作ボタンの中心軸を中心に対称位置に設けられているとともに、前記出光部および入光部が、前記操作ボタンの中心軸を中心に対称位置に設けられている構成とすることが好ましい。
すなわち、上記構成にすれば、操作ボタンを反転させて取り付けることができ、出光部および入光部の位置を上下反転させる場合や、左右反転させる場合において、基板部を別途用意する必要がなく、コストを低減できる。
【0011】
そして、上記構成において、本発明の非接触操作機能付きボタンスイッチは、特に限定されないが、前記基板部が、基板部本体と、この基板部本体の一側面から延出するコネクタ部を有し、前記基板部本体が、対称中心となる少なくとも2つの直交する中心軸を有し、前記発信器および受信器がいずれかの前記中心軸を挟んで対称となる位置に設けられているとともに、前記コネクタ部が、いずれかの前記中心軸を挟んで対称形状に形成されている構成とすることが好ましい。
上記構成とすれば、エレベータの操作盤側の接続部が左右反転している場合においても、基板部を別途用意する必要がない。
すなわち、図10に示す従来の非接触操作機能付きボタンスイッチの場合、コネクタ部の突出方向を変更するには、コネクタ部の突出方向が左右別々の基板部を別途用意する必要があり、部品点数が多くなり、コストが上がるが、上記構成にすることにより、1種の基板部と、ボタンで済み、コストが低減できる。
【0012】
本発明の非接触操作機能付きボタンスイッチは、特に限定されないが、前記発信器から発信した発信光を前記出光部に導く第1光導波部材と、前記入光部から入光した反射光を前記受信器に導く第2光導波部材を備えていることが好ましい。
すなわち、上記構成にすれば、発信器から発信した発信光をほぼ減衰させることなく、確実に出光部から出光させることができるとともに、入光部から入光した反射光をほぼ減衰させることなく、確実に受信器に受信させることができる。したがって、非接触操作の操作精度を上げることができる。
【0013】
本発明の非接触操作機能付きボタンスイッチは、特に限定されないが、前記操作ボタンが、透光性の材料で形成されたボタン本体を備え、前記基板部が、前記操作ボタンの少なくとも前記図柄部分に投光する照明用LEDを有し、前記照明用LEDの光が前記ボタン本体を介して前記操作ボタン外から視認不可状態にする遮光層が、前記ボタン本体の裏面の前記出光部からの発光および前記入光部からの入光を妨げない位置に設けられていることがこの好ましい。
すなわち、
【0014】
本発明において光導波部材としては、特に限定されないが、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ系樹脂やオキセタン系樹脂のような環状エーテル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシラン、ポリシラザン、シリコーン系樹脂などの光透過性の高い材料からなるコア層と、このコア層の側面から光に漏洩を防ぐクラッド層を備えた公知の光導波路に使用されるものが挙げられる。
【0015】
本発明において、光電センサとは、可視光線、赤外線などの"光"を、投光部から発射し、検出物体によって反射する光や、しゃ光される光量の変化を受光部で検出し出力信号を得るもので、赤外線センサが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の非接触操作機能付きボタンスイッチは、エレベータの操作パネルに組み込まれ、前記操作パネルの表面に露出する操作ボタンと、この操作ボタンを支持するとともに、前記操作パネル内に収容されとともに、少なくとも信号線を介して、前記エレベータの制御部と電気的に接続される基板部を備え、前記基板部が、発信器と受信器を有する光電センサを備え、前記操作ボタンが、ボタン操作内容を示す図柄を表面に有し、前記発信器からの発信光の前記操作ボタン外への出光部と、前記受信器に向かう反射光が前記受信機に向かって入光する入光部を有するとともに、押圧動作により、前記制御部に操作指示信号が送られるボタン接触操作と、前記受信器が、前記入光部を介して前記反射光を受信したとき、前記制御部に操作指示信号が送られるボタン非接触操作を選択可能になっている非接触操作機能付きボタンスイッチであって、前記操作ボタンは、前記図柄が中央に設けられているとともに、前記出光部と前記入光部が、前記操作ボタンの外縁部、かつ、離れた位地に個別に設けられているので、以下のような優れた効果を奏する。
【0017】
すなわち、出光部と前記入光部が、前記操作ボタンの外縁部、かつ、離れた位地に個別に設けられているので、ボタン中央に大きなスペースを確保でき、ボタン表面に大きな図柄を表示することができる。
また、操作ボタンに大きな窓を設ける必要がないので、ボタン照明用LEDの配置の制約が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の非接触操作機能付きボタンスイッチの第1の実施の形態をあわわす斜視図である。
図2図1の非接触操作機能付きボタンスイッチの正面図である。
図3図2のA-A線断面図である。
図4図2のB-B線断面図である。
図5図3の分解断面図である。
図6】本発明の非接触操作機能付きボタンスイッチの第2の実施の形態をあわわす正面図である。
図7図6の非接触操作機能付きボタンスイッチのボタン本体の背面図である。
図8図7のC-C線断面図である。
図9】従来の押しボタンスイッチの正面図である。
図10】従来の非接触操作機能付きボタンスイッチの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1図5は、本発明の非接触操作機能付きボタンスイッチの第1の実施の形態をあわわす。
【0020】
図1図5に示すように、この非接触操作機能付きボタンスイッチ1aは、エレベータ(図示せず)基板部4と、カバー3と、操作ボタン2aを備えている。
基板部4は、基板部本体41と、コネクタ部42を備えている。
【0021】
基板部本体41は、正面視略正方形をしているベース部40と、スイッチ操作部45を備えている。
ベース部40は、その側周面に後述するカバー3の係止爪部32が係合する係止突起47が突設されているとともに、その操作ボタン2a側の面に発信器43と、受信器44と、タクトスイッチ46と、図4に示すように、照明用LED48を備えている。
コネクタ部42は、エレベータの制御部と、非接触操作機能付きボタンスイッチ1aと電気的に接続可能に設けられていて、基板部本体41の一側壁の中心軸に平行、かつ、中心軸を挟んで対称形状となるように基板部本体41から突設されている。
【0022】
発信器43および受信器44は、基板部本体41の上下方向の中心を挟んで対称位置になるようベース部40に固定されていて、発信器43が赤外線発光LEDで形成され、受信器44が赤外線センサで形成されている。
タクトスイッチ46は、ベース部40の中央に固定されていて、後述するスイッチ操作突起45aが押圧することにより回路を一時的に開状態にできるようになっている。
【0023】
照明用LED48は、図4では2つしかあらわれていないが、発信器43および受信器44からずれた位置で、後述する図柄部材24の板状部24をボタン本体2bの背面側から臨むとともに、タクトスイッチ46を対角中心にして正方形をなすように配置されていて、可視光を発光するようになっている。
【0024】
スイッチ操作部45は、図示していないが、ばね等の付勢手段によってベース部40から遠ざかる方向に付勢された状態で、ベース部40方向に進退可能に設けられている。
また、スイッチ操作部45は、タクトスイッチ46を臨む位置に、スイッチ操作突起45aが設けられているとともに、発信器43および受信器44を臨む位置に、嵌合孔45bがそれぞれ穿設されている。
【0025】
そして、スイッチ操作部45は、後述する操作ボタン2aによって押圧されない限り、付勢手段によってタクトスイッチ46に対して非接触状態に保持されるようになっている。
嵌合孔45bには、対となる一方の光導波部材25の一端部がそれぞれ嵌合されている。
【0026】
カバー3は、外形が基板部本体41とほぼ同じ形状をしていて、係止突起47を臨む位置に係止爪部32を備えているとともに、その中央部に操作ボタン2aのボタン本体21を出没可能にガイドするガイド筒部31を備えている。
【0027】
操作ボタン2aは、ボタン本体21と、図柄部材24を備えている。
ボタン本体21は、ガイド筒部31内に嵌り込み、その下端がスイッチ操作部45に支持固定されているとともに、2つの透孔21aと、図柄部嵌合孔21bが穿設されている。
【0028】
2つの透孔21aは、ボタン本体21の上下方向の対称位置に穿設されていて、後述する2つの光導波部材25の他端部がそれぞれ嵌合するようになっている。
2つ光導波部材25は、光透過性の高い材料からなるコア層と、このコア層の側面から光に漏洩を防ぐクラッド層を備えた公知の光導波路に使用されるものが用いれている。
【0029】
そして、図示していないが、一方の光導波部材25は、その一端が光電センサの発信器43を臨む位置に配置されるとともに、その他端部がボタン本体21の一方の透孔21aに嵌合されている。
また、他方の光導波部材25は、その一端が光電センサの受信器44を臨む位置に配置されるとともに、その他端部がボタン本体21の他方の透孔21aに嵌合されている。
【0030】
すなわち、一方の光導波部材25は、発信器43から発信された発信光が、光導波部材25の一端から他端に向かって導波し、出光部となる他端から発信光を発光するようになっている。また、他方の光導波部材25は、出光部からは発信された発信光が、手などで反射した反射光が、となる光導波部材25の他端から一端に向かって導波し、受信器44によって受信されるようになっている。
【0031】
図柄部材24は、光透過性の樹脂材料で形成されていて、ボタン本体21の裏面側に嵌合する板状部24bと、この板状部24bに突設され、図柄部嵌合孔21bに嵌まり込み、先端部がボタン本体21の表面から突出する図柄部24aを備えている。
なお、図柄部24aは、操作内容を示す図柄形状(この実施の形態では、1)の突起になっている。
また、図柄部材24は、板状部24bに照明用LED48によって光が照射されて照射された光が、図柄部24aを光らせるようになっている。
【0032】
カバー3は、後述する基板部本体41の周縁部を覆うとともに、ガイド筒部31が中央に突設されている。
ガイド筒部31は、ボタン本体21を出没可能にガイドするようになっている。
また、カバー3は、係止突起47に対応する位置に係止爪部32が突設されていて、ボタン本体21がボタン本体ガイド筒部31に嵌まり込んだ状態で、係止爪部32が係止突起47に嵌合するように基板部本体41をカバーすることによって、操作ボタン2aを基板部本体41に取りつけることができる。
【0033】
この非接触操作機能付きボタンスイッチ1aは、上記のようになっており、操作ボタン2aを押すと、スイッチ操作部45が付勢力に抗してベース部40側に動き、タクトスイッチ46が操作される。
そして、タクトスイッチ46が操作されると、非接触操作機能付きボタンスイッチ1aの図柄に応じた操作信号が制御部に送られる。
【0034】
また、光電センサを備えているので、操作ボタン2aのボタン本体21に触れずに、手をかざすことで、発信器43から発信され、一方の光導波部材25を介して出光部である一方の光導波部材25の他端から発信された発信光が、手などで反射し、その反射光が入光部である他方の光導波部材25の他端から一端に導かれ、受信器44に受信されると、操作信号が制御部に送られて非接触状態でも図柄内容の操作ができるようになっている。
【0035】
この非接触操作機能付きボタンスイッチ1aは、上記のように、ボタン接触操作と、ボタン非接触操作を操作者が自由に選択できる。
しかも、この非接触操作機能付きボタンスイッチ1aは、発光口あるいは受光口となる透孔21aがボタン本体21の中心を挟んで対称位置に設けられているので、ボタン本体21の中央部に大きな図柄表示部を確保することができる。
【0036】
また、この非接触操作機能付きボタンスイッチ1aは、発光器43および受信器44が基板部本体41の中心を挟んで対称位置に設けられるとともに、コネクタ部42が基板部本体41の一側壁の中心軸に平行、かつ、中心軸を挟んで対称形状となるように基板部本体41から突設されているので、エレベータの種類のよって、コネクタ部位置が左右逆になる場合でも、操作ボタン2aを180度回転させるだけで、基板部4を別途用意しなくても構わない。
さらに、この非接触操作機能付きボタンスイッチ1aは、光導波部材25の一端が、発信器43あるいは受信器44を臨む嵌合孔45bに嵌合され、光導波部材25の他端が、発光口あるいは受光口となる透孔21aに嵌合されているので、発信器43から発信された発信光が、光導波部材25を介して確実にボタン本体21の外部に発光されるとともに、反射光が光導波部材25を介して受光器44に確実に入光する。
【0037】
図6は、本発明の非接触操作機能付きボタンスイッチの第2の実施の形態をあわわす。
図6に示すように、この非接触操作機能付きボタンスイッチ1bは、第1の実施の形態と同様に、光導波部材25およびボタン本体2bが、以下に詳述するようになっている以外は、非接触操作機能付きボタンスイッチ1aと同様になっている。したがって、非接触操作機能付きボタンスイッチ1aと同様の構成部分には同じ符号を付している。
【0038】
詳述すると、図6に示すように、この非接触操作機能付きボタンスイッチ1bは、操作ボタン2bのボタン本体26に透孔21aが穿設されておらず、光導波部材25の他端面がボタン本体26の裏面に密着するように設けられている。
また、図7および図8に示すように、ボタン本体26は、その裏面に遮光層27が設けられている。遮光層27は、特に限定されないが、ボタン本体26の裏面に遮光性を有する樹脂塗料を塗布したり、遮光性材料からなる成形品を嵌め込んだり、遮光性材料からなる成形品を接着したり、ボタン本体と2色成形することによって形成することができる。
【0039】
遮光層27は、2つの光導波部材25の他端面が密着する部分およびその周縁部に遮光層非形成部27aを備えている。
なお、図7および図8中、26aが図柄部嵌合孔である。
【0040】
この非接触操作機能付きボタンスイッチ1bは、上記のように、操作ボタン2bのボタン本体26が裏面に遮光層27を備えているので、照明用LED48の光が直接ボタン本体2bの表面から視認できない。したがって、ボタン本体26の照明用LED48の前方部分だけ他の部分より明るいなど、ボタン本体26の照明の色むらを防ぐことができる。
また、この非接触操作機能付きボタンスイッチ1bは、一方の光導波部材25の他端面がボタン本体26の裏面に密着しているので、発信器43から発信した発信光が、光導波部材25を介して光導波部材25の他端まで導かれたのち、その前面のボタン本体26を通り、ボタン本体26の外部に発信される。すなわち、ボタン本体26の導波部材25の他端を臨む位置が出光部となっている。そして、他方の光導波部材25の他端面がボタン本体2bの裏面に密着しているので、ボタン本体26の他方の光導波部材25の他端面が密着した部分が入光部となり、この入光部から入光した反射光が他方の光導波部材25の一端へ導かれ、受信器44で受信されるようになっている。
【0041】
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、上記の実施の形態では、図柄がボタン本体に設けられた貫通孔に図柄形成部材の図柄部を嵌合させることよって形成されていたが、図柄は印刷で設けるようにしても構わない。
上記の実施の形態では、発光口と、受光口が上下方向に対称に設けられていたが、左右方向に対称に設けるようにしてもよい。
上記の実施の形態では、光導波部材が用いられていたが、発信器および受信器の配置によっては、光導波部材を設けなくても構わない。
【符号の説明】
【0042】
1a、1b非接触操作機能付きボタンスイッチ
2a、2b 操作ボタン
21、26 ボタン本体
21a 透孔
21b、26a 図柄部嵌合孔
24 図柄部材
24a 図柄部
24b 板状部
25 光導波部材
27 遮光層
27a 遮光層非形成部
3 カバー
31 ガイド筒部
32 係止爪部
4 基板部
40 ベース部
41 基板部本体
42 コネクタ部
43 発信器
44 受信器
45 スイッチ操作部
45a スイッチ操作突起
45b 嵌合孔
46 タクトスイッチ
47 係止突起
48 照明用LED
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10