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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005490
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】来訪通知システムおよび来訪通知方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20250109BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H04M9/00 H
H04M11/00 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105657
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】304014143
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】木村 隆昭
(72)【発明者】
【氏名】小林 史人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 慎太郎
【テーマコード(参考)】
5K038
5K201
【Fターム(参考)】
5K038AA06
5K038DD14
5K038DD22
5K038FF01
5K201BC01
5K201CB09
5K201CB13
5K201EC06
5K201ED05
(57)【要約】
【課題】来訪通知システムの購入・設置コストを低減する。
【解決手段】本発明の来訪通知システム10は、来訪者端末21から通知された当該来訪者端末21の端末位置情報と、記憶回路12のユーザDBに登録されているアカウント情報とに基づいて、来訪者端末21の近くに居住する居住者を訪問先として選択し、選択した居住者を示す居住者リストを来訪者端末21に通知するように構成され、居住者リストから選択したいずれかの居住者を訪問先として指定した呼出要求が来訪者端末21から通知された場合、ユーザDBに登録されている来訪者のアカウント情報と訪問先となる居住者のアカウント情報とに基づいて、来訪者からの呼出を居住者の居住者端末22へ通知するように構成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザのそれぞれが使用する携帯端末のID、ユーザ名、およびユーザ住所を含むアカウント情報が登録されているユーザデータベースと、前記アカウント情報に基づいて、来訪者が使用する来訪者端末からの呼出要求に応じて、指定された居住者が使用する居住者端末を呼び出すように構成された制御回路を備えた来訪通知システムであって、
前記制御回路は、
前記来訪者端末から通知された当該来訪者端末の端末位置情報と、前記ユーザデータベースに登録されている前記アカウント情報とに基づいて、前記来訪者端末の位置から所定の範囲の住所に居住する居住者を選択し、選択した前記居住者を示す居住者リストを前記来訪者端末に通知するように構成されたアカウント処理部と、
前記居住者リストから選択したいずれかの居住者を訪問先として指定した呼出要求が前記来訪者端末から通知された場合、前記ユーザデータベースに登録されている前記来訪者のアカウント情報と前記訪問先となる居住者のアカウント情報とに基づいて、前記来訪者からの呼出を前記居住者の居住者端末へ通知するように構成された呼出処理部とを備える
来訪通知システム。
【請求項2】
前記制御回路は、
前記居住者端末から通知された前記居住者端末の動作状況に基づいて、前記居住者による前記来訪者への対応可否を判定するように構成された判定処理部をさらに備え、
前記アカウント処理部は、
前記来訪者端末の位置から所定の範囲の住所に居住する居住者のうち、前記判定処理部により前記来訪者に対応可と判定された居住者を前記訪問先として選択し、前記来訪者に対応不可と判定された居住者を前記訪問先として選択しないように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の来訪通知システム。
【請求項3】
前記制御回路は、
前記居住者端末から通知された前記居住者端末の動作状況に基づいて、前記居住者による前記来訪者への対応可否を判定するように構成された判定処理部をさらに備え、
前記呼出処理部は、
前記判定処理部により、前記訪問先として指定された居住者が前記来訪者に対応可と判定された場合には、前記呼出を前記居住者端末へ通知し、前記来訪者に対応不可と判定された場合には、前記呼出を前記居住者端末へ通知しないように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の来訪通知システム。
【請求項4】
前記判定処理部は、
前記居住者端末からの前記動作状況の通知有無に基づいて、前記居住者による前記来訪者への対応可否を判定するように構成されていること
を特徴とする請求項2または3に記載の来訪通知システム。
【請求項5】
前記判定処理部は、
前記居住者端末から通知された前記動作状況に含まれる、前記居住者端末の端末位置情報と、前記居住者のアカウント情報に含まれるユーザ住所とを比較し、得られた前記居住者の在宅状況に基づいて、前記居住者による前記来訪者への対応可否を判定するように構成されていること
を特徴とする請求項2または3に記載の来訪通知システム。
【請求項6】
複数のユーザのそれぞれが使用する携帯端末のID、ユーザ名、およびユーザ住所を含むアカウント情報が登録されているユーザデータベースと、前記アカウント情報に基づいて、来訪者が使用する来訪者端末からの呼出要求に応じて、指定された居住者が使用する居住者端末を呼び出すように構成された制御回路を備えた来訪通知システムにおいて実行される来訪通知方法であって、
前記制御回路は、
前記来訪者端末から通知された当該来訪者端末の端末位置情報と、前記ユーザデータベースに登録されている前記アカウント情報とに基づいて、前記来訪者端末の位置から所定の範囲の住所に居住する居住者を選択し、選択した前記居住者を示す居住者リストを前記来訪者端末に通知するステップと、
前記居住者リストから選択したいずれかの居住者を訪問先として指定した呼出要求が前記来訪者端末から通知された場合、前記ユーザデータベースに登録されている前記来訪者のアカウント情報と前記訪問先となる居住者のアカウント情報とに基づいて、前記来訪者からの呼出を前記居住者の居住者端末へ通知するステップと
を実行する
来訪通知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートホンなどの携帯端末を用いて来訪者の来訪を居住者に通知する来訪通知技術に関する。
【背景技術】
【0002】
居住者に来訪を通知する来訪通知システムを代表するシステムの1つとして、ドアホンシステムがある。ドアホンシステムは、居宅の玄関に設置された子機と、居宅内に設置された親機とから構成されている。親機は、来訪者による子機での呼び出し操作に応じて呼び出し音を送出し、居住者による親機での応答操作に応じて親機と子機とを回線接続して、居住者と来訪者との間の音声通話を実現する。
【0003】
このようなドアホンシステムの例として、特許文献1には、インターネットなどの通信ネットワークを親機に接続し、親機が来訪者による子機での呼び出し操作に応じて、予め設定されているユーザのスマートホンなどの携帯端末へ来訪を通知し、携帯端末での応答操作に応じて通信ネットワークおよび親機を介してスマートホンと子機とを回線接続して、居住者とユーザとの間の音声通話を実現する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6353801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、親機と子機を購入して居宅の居室と玄関にそれぞれ設置する必要があり、来訪通知システムの購入・設置コストが高くなるという問題点があった。また、来訪先の居住者が不在であっても、子機における呼び出し操作が必要となるため、来訪者の負担が大きいという問題があった。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、購入・設置コストを低減し、来訪者の負担を軽減できる来訪通知技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明にかかる来訪通知システムは、 複数のユーザのそれぞれが使用する携帯端末のID、ユーザ名、およびユーザ住所を含むアカウント情報が登録されているユーザデータベースと、前記アカウント情報に基づいて、来訪者が使用する来訪者端末からの呼出要求に応じて、指定された居住者が使用する居住者端末を呼び出すように構成された制御回路を備えた来訪通知システムであって、前記制御回路は、前記来訪者端末から通知された当該来訪者端末の端末位置情報と、前記ユーザデータベースに登録されている前記アカウント情報とに基づいて、前記来訪者端末の位置から所定の範囲の住所に居住する居住者を選択し、選択した前記居住者を示す居住者リストを前記来訪者端末に通知するように構成されたアカウント処理部と、
前記居住者リストから選択したいずれかの居住者を訪問先として指定した呼出要求が前記来訪者端末から通知された場合、前記ユーザデータベースに登録されている前記来訪者のアカウント情報と前記訪問先となる居住者のアカウント情報とに基づいて、前記来訪者からの呼出を前記居住者の居住者端末へ通知するように構成された呼出処理部とを備えている。
【0008】
また、本発明にかかる上記来訪通知システムの一構成例は、前記制御回路が、前記居住者端末から通知された前記居住者端末の動作状況に基づいて、前記居住者による前記来訪者への対応可否を判定するように構成された判定処理部をさらに備え、前記アカウント処理部は、前記来訪者端末の位置から所定の範囲の住所に居住する居住者のうち、前記判定処理部により前記来訪者に対応可と判定された居住者を前記訪問先として選択し、前記来訪者に対応不可と判定された居住者を前記訪問先として選択しないように構成されている。
【0009】
また、本発明にかかる上記来訪通知システムの一構成例は、前記制御回路が、前記居住者端末から通知された前記居住者端末の動作状況に基づいて、前記居住者による前記来訪者への対応可否を判定するように構成された判定処理部をさらに備え、前記呼出処理部は、前記判定処理部により、前記訪問先として指定された居住者が前記来訪者に対応可と判定された場合には前記呼出を前記居住者端末へ通知し、前記来訪者に対応不可と判定された場合には前記呼出を前記居住者端末へ通知しないように構成されている。
【0010】
また、本発明にかかる上記来訪通知システムの一構成例は、前記判定処理部が、前記居住者端末からの前記動作状況の通知有無に基づいて、前記居住者による前記来訪者への対応可否を判定するように構成されている。
【0011】
また、本発明にかかる上記来訪通知システムの一構成例は、前記判定処理部が、前記居住者端末から通知された前記動作状況に含まれる、前記居住者端末の端末位置情報と、前記居住者のアカウント情報に含まれるユーザ住所とを比較し、得られた前記居住者の在宅状況に基づいて、前記居住者による前記来訪者への対応可否を判定するように構成されている。
【0012】
このような目的を達成するために、本発明にかかる来訪通知方法は、複数のユーザのそれぞれが使用する携帯端末のID、ユーザ名、およびユーザ住所を含むアカウント情報が登録されているユーザデータベースと、前記アカウント情報に基づいて、来訪者が使用する来訪者端末からの呼出要求に応じて、指定された居住者が使用する居住者端末を呼び出すように構成された制御回路を備えた来訪通知システムにおいて実行される来訪通知であって、前記制御回路は、前記来訪者端末から通知された当該来訪者端末の端末位置情報と、前記ユーザデータベースに登録されている前記アカウント情報とに基づいて、前記来訪者端末の位置から所定の範囲の住所に居住する居住者を選択し、選択した前記居住者を示す居住者リストを前記来訪者端末に通知するステップと、前記居住者リストから選択したいずれかの居住者を訪問先として指定した呼出要求が前記来訪者端末から通知された場合、前記ユーザデータベースに登録されている前記来訪者のアカウント情報と前記訪問先となる居住者のアカウント情報とに基づいて、前記来訪者からの呼出を前記居住者の居住者端末へ通知するステップとを実行する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、来訪者の来訪者端末と居住者の居住者端末を用いて、来訪者の来訪を居住者に通知することができるので、従来のドアホンシステムのように、親機と子機を購入して居宅の居室と玄関にそれぞれ設置する必要がなくなり、来訪通知システムの購入・設置コストを大幅に低減することが可能となる。さらに、本発明によれば、従来のドアホンシステムと異なり、来訪者の子機における呼び出し操作が不要となるため、来訪者の負担は大幅に軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、第1の実施の形態にかかる来訪通知システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、ユーザデータベースの構成例を示す説明図である。
図3図3は、第1の実施の形態にかかる来訪通知システムの動作を示すシーケンス図である。
図4図4は、居住者リストの表示画面例を示す説明図である。
図5図5は、呼出時の表示画面例を示す説明図である。
図6図6は、第1の実施の形態にかかる来訪通知システムの他の動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、第1の実施の形態にかかる来訪通知システムについて説明する。来訪通知システム10は、インターネットなどのデータ通信網からなる通信網NWを介して、ユーザが使用するスマートホンやタブレットなどの携帯端末を制御する端末制御処理を行う一般的な来訪通知システムからなる。
【0016】
来訪通知システム10は、各ユーザが予め登録したアカウント情報に基づいて、携帯端末のうち、来訪者が利用する来訪者端末21と、居住者が利用する居住者端末22を制御することにより、来訪者の来訪を居住者に通知する来訪通知サービスを提供するように構成されている。
【0017】
本発明では、理解を容易とするため、ユーザの携帯端末のうち、来訪者が利用するものを来訪者端末21といい、居住者が利用するものを居住者端末22というが、これらは固定的に分類されているものではなく、状況に応じて、任意のユーザの携帯端末が来訪者端末21あるいは居住者端末22として動作する。
【0018】
また、来訪者端末21および居住者端末22には、周知のインターネット電話技術を用いて音声通話を行う機能や端末の位置情報を通知する機能を有するサービスアプリが搭載されているものとし、このサービスアプリを利用して来訪通知システム10から来訪者端末21および居住者端末22に来訪通知サービスが提供される。
【0019】
このサービスアプリについては、一般に公開されている既存のアプリでもよく、来訪通知システム10から提供される来訪通知サービスに合わせて、別途新たに作成したアプリでもよい。
【0020】
[来訪通知システムの構成]
次に、図1を参照して、第1の実施の形態にかかる来訪通知システムの詳細構成について説明する。この来訪通知システム10には、主な回路構成として、通信I/F11、記憶回路12、および制御回路13が設けられている。
【0021】
[通信I/F]
通信I/F11は、通信網NWと接続されて、通信網NWを利用するユーザの携帯端末とデータ通信を行うように構成されている。通信網NWは、インターネットなどのデータ通信網である。
【0022】
来訪者は外出しているため、公衆無線LANサービスや公衆Wi-Fiサービス、さらには4Gや5Gなどの移動通信システムを経由して、来訪者端末21を通信網NWへ接続してもよい。また、居住者は、存在している居宅22Aに設置されているWi-Fiルータを介して通信網NWへ接続してもよい。
【0023】
[記憶回路]
記憶回路12は、半導体メモリやハードディスクなどの記憶回路からなり、制御回路13で実行する端末制御処理に用いる各種の処理情報とプログラム12Pを記憶するように構成されている。
【0024】
プログラム12Pは、制御回路13のCPUと協働することにより、制御回路13で端末制御処理を実行するための各種処理部を実現するプログラムである。プログラム12Pは、通信I/F11を介して来訪通知システム10に接続された外部装置や記録媒体(ともに図示せず)から読み出されて、予め記憶回路12に保存される。
【0025】
[ユーザDB]
記憶回路12で記憶する主な処理情報として、図2に示すようなユーザデータベース(以下、ユーザDBという)12Aがある。ユーザDB12Aは、各ユーザのそれぞれについて、予め登録されたアカウント情報を記憶するデータベースであり、各アカウント情報には、主なデータとして、当該ユーザが使用する携帯端末に固有のID、ユーザ名、ユーザ住所、および、公開情報が登録されている。
【0026】
このうち、ユーザIDは、インターネット電話技術を用いた携帯端末の呼制御やユーザの特定に用いられる。公開情報は、訪問先選択時に来訪者に公開されるユーザ情報の内容であり、図2の例では、ユーザに関する名字、住所の番地、住居の建物名および部屋番号が含まれている。
【0027】
図2の例では、ユーザ名「白金花子」のアカウント情報として、ID「1310301」、ユーザ住所「東京都港区白金…」、公開情報「白金、白金1-17-3、白金タワー1001」が登録されている。また、ユーザ名「相模太郎」のアカウント情報として、ID「1415202」、ユーザ住所「相模原市中央区…」、公開情報「相模、宮下5-12-8、サクサハイツ502」が登録されている。また、ユーザ名「宮下次郎」のアカウント情報として、ID「1415203」、ユーザ住所「相模原市中央区…」、公開情報「宮下、宮下5-12-8、サクサハイツ203」が登録されている。
【0028】
[制御回路]
制御回路13は、CPUとその周辺回路を有し、CPUと記憶回路12のプログラム12Pとを協働させることにより、ユーザDB12Aに登録されているアカウント情報に基づいて、来訪者が使用する来訪者端末21からの呼出要求に応じて、呼出要求で指定された居住者が使用する居住者端末22へ、来訪者の呼出を通知する端末制御処理を実行する各種の処理部を実現するように構成されている。
制御回路13で実現される主な処理部としてアカウント処理部13A、判定処理部13B、および呼出処理部13Cがある。
【0029】
[アカウント処理部]
アカウント処理部13Aは、例えば来訪者端末21から、サービスアプリにより周期的にあるいは来訪者の操作に応じて、通信網NWおよび通信I/F11を介して通知された、来訪者端末21の端末位置情報と、ユーザDB12Aに登録されている各ユーザのアカウント情報とに基づいて、来訪者端末21の位置から所定の範囲の住所に居住する居住者を選択し、選択した居住者を示す居住者リストを、通信I/F11および通信網NWを介して来訪者端末21に通知するように構成されている。これにより、居住者リストは、来訪者端末21のサービスアプリにより画面表示される。
【0030】
来訪者端末21の位置からどの程度の範囲の住所に居住する居住者を選択するかは、適宜設定することができる。以下の説明においても同様である。
【0031】
また、アカウント処理部13Aは、来訪者端末21の位置から所定の範囲の住所に居住する居住者のうち、判定処理部13Bにより来訪者に対応可と判定された居住者を訪問先として選択し、来訪者に対応不可と判定された居住者を訪問先として選択しないように構成してもよい。
【0032】
また、アカウント処理部13Aは、来訪者端末21や居住者端末22から通信網NWおよび通信I/F11を介してアカウント登録要求が通知された場合、来訪者端末21や居住者端末22で入力された来訪者や居住者のアカウント情報を、通信網NWおよび通信I/F11を介して受信し、記憶回路12のユーザDB12Aに登録するように構成されている。
【0033】
[判定処理部]
判定処理部13Bは、居住者端末22から通信網NWおよび通信I/F11を介して通知された居住者端末22の動作状況に基づいて、居住者による来訪者への対応可否を判定するように構成されている。
【0034】
この際、記憶回路12のユーザDB12Aから取得した居住者のアカウント情報に基づいて、判定処理部13Bが判定時に居住者端末22のサービスアプリに問い合わせて取得した最新の動作状況を用いてもよく、居住者端末22のサービスアプリから周期的に通知された直近の動作状況を用いてもよい。
【0035】
対応可否の判定については、次のようないくつかの構成が考えられ、これら構成のいずれか1つまたはいずれか複数を組み合わせて用いればよい。
【0036】
対応可否を判定する構成の1つとして、判定処理部13Bが、居住者端末22からの動作状況の通知有無に基づいて、居住者による来訪者への対応可否を判定するようにしてもよい。
【0037】
この際、動作状況の通知があってサービスアプリの起動が確認されれば、来訪通知サービスを利用して居住者が来訪者に対応可能であると判定し、動作状況の通知がなくサービスアプリの起動が確認できなければ、来訪通知サービスを利用できず居住者が来訪者に対応不可能であると判定すればよい。
【0038】
これにより、居住者端末22におけるサービスアプリを用いた来訪通知サービスの利用可否に基づいて、居住者による来訪者への対応可否を正確に判定することができる。
【0039】
また、居宅22AのWi-Fiルータを経由して居住者端末22が通信網NWに接続している場合には、判定処理部13Bが、居住者端末22からの動作状況に含まれる、居住者端末22のWi-Fi接続有無に基づいて、居住者による来訪者への対応可否を判定するように構成してもよい。
【0040】
この際、居住者端末22がWi-Fiルータに接続中である場合には、居住者が在宅していて来訪者に対応可能であると判定し、居住者端末22がWi-Fiルータに未接続である場合には、居住者が不在であり来訪者に対応不可能であると判定すればよい。
【0041】
これにより、来訪通知サービスの利用可否の判定だけでなく、居住者が居宅22Aに存在しているか否かも併せて確認することができる。なお、返答がなくサービスアプリが起動されていなければ、前述と同様に、来訪通知サービスを利用できないため居住者が来訪者に対応不可能であると判定すればよい。
【0042】
また、判定処理部13Bが、居住者端末22からの動作状況に含まれる、居住者端末22の端末位置情報と、ユーザDB12Aに登録されている居住者のアカウント情報に含まれるユーザ住所とを比較し、得られた居住者の在宅状況に基づいて、居住者による来訪者への対応可否を判定するように構成してもよい。
【0043】
この際、居住者端末22がユーザ住所から一定範囲内に存在している場合には、居住者が在宅しており来訪者に対応可能であると判定し、居住者端末22がユーザ住所から一定範囲内に存在していない場合には、居住者が来訪者に対応不可能であると判定すればよい。
【0044】
これにより、居住者が居宅22Aで来訪者に対応可能かどうかを正確に判定することができる。なお、居住者端末22の端末位置情報については、判定処理部13Bが判定時に居住者端末22のサービスアプリに問い合わせて取得した最新の端末位置情報を用いてもよく、居住者端末22のサービスアプリから周期的に通知された直近の端末位置情報を用いてもよい。
【0045】
[呼出処理部]
呼出処理部13Cは、居住者リストから選択したいずれかの居住者を訪問先として指定した呼出要求が、通信網NWおよび通信I/F11を介して来訪者端末21から通知された場合、記憶回路12のユーザDB12Aに登録されている、来訪者のアカウント情報と、訪問先となる居住者のアカウント情報とに基づいて、来訪者からの呼出を通信I/F11および通信網NWを介して居住者端末22へ通知するように構成されている。来訪者から居住者端末22への呼出の通知に、画像もしくは映像を付与するように構成してもよい。
【0046】
また、呼出処理部13Cは、判定処理部13Bにより、訪問先として指定された居住者が来訪者に対応可と判定された場合には呼出を居住者端末22へ通知し、来訪者に対応不可と判定された場合には呼出を居住者端末22へ通知しないように構成してもよい。
【0047】
また、呼出処理部13Cは、居住者端末22への呼出に対する応答が、居住者端末22から通信網NWおよび通信I/F11を介して通知された場合、来訪者端末21と居住者端末22との音声通話路を中継接続して、来訪者と居住者との間の音声通話を実現するように構成されている。
【0048】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図3を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる来訪通知システム10の動作について説明する。ここでは、来訪通知システム10の制御回路13には、制御回路13のCPUと記憶回路12のプログラム12Pとが協働して、図1に示したアカウント処理部13A、判定処理部13B、および呼出処理部13Cが実現されているものとする。また、記憶回路12のユーザDB12Aに、図2のようなアカウント情報が登録されているものとする。
【0049】
来訪者端末21から、サービスアプリにより周期的にあるいは来訪者の操作に応じて、通信網NWおよび通信I/F11を介して、来訪者端末21の端末位置情報が通知された場合(ステップ100)、来訪通知システム10において、アカウント処理部13Aは、ユーザDB12Aに登録されている各ユーザのアカウント情報を参照して、来訪者端末21の端末位置から所定の範囲の住所に居住する居住者を選択し(ステップ101)、選択した居住者のアカウント情報に登録されている公開情報に基づいて居住者リストを生成し(ステップ102)、通信I/F11および通信網NWを介して来訪者端末21に通知する(ステップ103)。
【0050】
なお、前述したステップ102において、居住者リストを生成する際、アカウント処理部13Aが、来訪者端末21の端末位置から所定の範囲の住所に居住する居住者のうち、判定処理部13Bにより来訪者に対応可と判定された居住者を訪問先として選択し、来訪者に対応不可と判定された居住者を訪問先として選択しないようにしてもよい。
【0051】
これにより、対応不可能な居住者を居住者リストから除外でき、来訪先である居住者を呼び出す前に、当該居住者が対応不可能な状態にあることを来訪者が認識することができ、当該居住者への呼出などの不要な来訪者負担を軽減することができる。
【0052】
判定処理部13Bによる居住者による来訪者への対応可否判定については、前述したように、判定処理部13Bが、居住者端末22からの動作状況の通知有無に基づいて、居住者による来訪者への対応可否を判定するようにしてもよい。
【0053】
また、居宅22AのWi-Fiルータを経由して居住者端末22が通信網NWに接続している場合には、判定処理部13Bが、居住者端末22からの動作状況に含まれる、居住者端末22のWi-Fi接続有無に基づいて、居住者による来訪者への対応可否を判定するように構成してもよい。
【0054】
また、判定処理部13Bが、居住者端末22からの動作状況に含まれる、居住者端末22の端末位置情報と、ユーザDB12Aに登録されている居住者のアカウント情報に含まれるユーザ住所とを比較し、得られた居住者の在宅状況に基づいて、居住者による来訪者への対応可否を判定するように構成してもよい。
【0055】
来訪者端末21は、来訪通知システム10から通知された居住者リストを、サービスアプリにより画面表示する(ステップ104)。図4に示すように、来訪者端末21の画面には、来訪者端末21の端末位置から所定の範囲の住所に居住する居住者のユーザ住所が、訪問先選択ボタンとして表示されている。
【0056】
この際、訪問先選択ボタンで、居住者のユーザ名、例えば名字を表示してもよいが、図4(a)のように、ユーザ住所の番地を表示することにより、個人情報の公開を抑制できる。また、ユーザ住所が集合住宅の場合、図4(b)のように、集合住宅の建物名と部屋番号を表示するようにしてもよい。訪問先選択ボタンでの表示内容は、各ユーザのアカウント情報に登録する公開情報で設定すればよい。
【0057】
来訪者による訪問先選択ボタンの押下により、訪問先が選択された場合(ステップ110)、来訪者端末21のサービスアプリにより、いずれかの居住者を訪問先として指定した呼出要求が通信網NWおよび通信I/F11を介して来訪通知システム10へ通知される(ステップ111)。
【0058】
このように、来訪者は、従来の親機と子機からなるドアホンシステムと異なり、来訪先の居住者の居宅22Aに設置された子機を操作することなく来訪先の居住者の呼び出しを行うことができるので、従来の親機と子機からなるドアホンシステムと比較して、来訪者の負担は大幅に軽減される。特に、集合住宅等において複数の来訪先を訪問するような場合に有益である。
【0059】
来訪通知システム10において、呼出処理部13Cは、来訪者端末21からの呼出要求に応じて、記憶回路12のユーザDB12Aに登録されている、来訪者のアカウント情報を取得するとともに(ステップ112)、訪問先となる居住者のアカウント情報を取得し(ステップ113)、来訪者の名前を含む来訪者からの呼出を通信I/F11および通信網NWを介して居住者端末22へ通知する(ステップ114)。
【0060】
居住者端末22は、来訪通知システム10から通知された呼出を、サービスアプリにより画面表示し、着信音をスピーカから出力する(ステップ115)。図5に示すように、来訪者の名前が、応答ボタンとして画面表示されている。
【0061】
居住者が応答ボタンにより応答操作をした場合(ステップ116)、来訪者端末21のサービスアプリにより、応答が通信網NWおよび通信I/F11を介して来訪通知システム10へ通知される(ステップ117)。
【0062】
来訪通知システム10において、呼出処理部13Cは、居住者端末22からの応答に応じて、来訪者端末21と居住者端末22との音声通話路を中継接続して(ステップ118)、来訪者と居住者との間の音声通話を実現する(ステップ119)。
【0063】
これにより、来訪者から居住者に対して音声で訪問の目的や理由が説明され、居住者の訪問許諾に応じて、実際に来訪者が居住者の居宅22Aを訪問することになる。
【0064】
以上では、判定処理部13Bにおける、居住者の来訪者への対応可否判定を、ステップ102の居住者リスト生成時に用いる場合を例として説明したが、図6に示すように、居住者端末22へ呼出を通知する際に、居住者の来訪者への対応可否判定を用いてもよい。
【0065】
この場合には、前述したステップ112,113で、来訪者のアカウント情報と訪問先となる居住者のアカウント情報とを取得した後、呼出処理部13Cが、判定処理部13Bから訪問先となる居住者の来訪者への対応可否判定を取得し(ステップ120)、その判定結果を確認すればよい(ステップ121)。
【0066】
ここで、判定結果が対応可を示す場合(ステップ121:YES)、前述したステップ114へ移行して、来訪者の名前を含む来訪者からの呼出を通信I/F11および通信網NWを介して居住者端末22へ通知すればよい。
【0067】
一方、判定結果が対応不可を示す場合(ステップ121:NO)、呼出処理部13Cが、通信I/F11および通信網NWを介して来訪者端末21へ、呼出失敗を通知すればよい(ステップ122)。これにより、来訪者端末21では、サービスアプリにより呼出失敗が画面表示され(ステップ123)、訪問先となる居住者を呼び出すことができない旨が来訪者に通知される。
【0068】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態にかかる来訪通知システム10は、制御回路13において、アカウント処理部13Aが、来訪者端末21から通知された当該来訪者端末21の端末位置情報と、記憶回路12のユーザDB12Aに登録されているアカウント情報とに基づいて、来訪者端末21の端末位置から所定の範囲の住所に居住する居住者を訪問先として選択し、選択した居住者を示す居住者リストを来訪者端末21に通知するように構成し、呼出処理部13Cか、居住者リストから選択したいずれかの居住者を訪問先として指定した呼出要求が来訪者端末21から通知された場合、ユーザDB12Aに登録されている来訪者のアカウント情報と訪問先となる居住者のアカウント情報とに基づいて、来訪者からの呼出を居住者の居住者端末22へ通知するように構成したものである。
【0069】
これにより、来訪者の来訪者端末21と居住者の居住者端末22を用いて、来訪者の来訪を居住者に通知することができる。したがって、従来のドアホンシステムのように、親機と子機を購入して居宅の居室と玄関にそれぞれ設置する必要がなくなり、来訪通知システムの購入・設置コストを大幅に低減することが可能となる。
【0070】
また、来訪者は、従来の親機と子機からなるドアホンシステムと異なり、来訪先の居住者の居宅22Aに設置された子機を操作することなく来訪先の居住者の呼び出しを行うことができるので、従来の親機と子機からなるドアホンシステムと比較して、来訪者の負担は大幅に軽減される。特に、集合住宅等において複数の来訪先を訪問するような場合に有益である。
【0071】
また、来訪通知システム10では、ユーザDB12Aで複数のユーザのアカウント情報を登録すれば、多くのユーザで兼用することができる。このため、来訪通知システム10の購入・設置・運用コストを多くのユーザで分散でき、結果として来訪通知サービスを低いコストで多くのユーザに提供することが可能となる。また、ユーザDB12Aの記憶容量を増やせば、利用するユーザを増やすことができ、高いスケーラビリティを実現することが可能となる。
【0072】
また、本実施の形態において、居住者リストを生成する際、アカウント処理部13Aが、来訪者端末21の端末位置から所定の範囲の住所に居住する居住者のうち、判定処理部13Bにより来訪者に対応可と判定された居住者を訪問先として選択し、来訪者に対応不可と判定された居住者を訪問先として選択しないように構成してもよい。
【0073】
これにより、対応不可能な居住者を居住者リストから除外でき、来訪先である居住者を呼び出す前に、当該居住者が対応不可能な状態にあることを来訪者が認識することができ、当該居住者への呼出などの不要な来訪者負担を軽減することができる。
【0074】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる来訪通知システム10について説明する。第1の実施の形態では、判定処理部13Bによる居住者による来訪者への対応可否判定の方法として、居住者端末22からの動作状況の通知有無に基づいて、居住者による来訪者への対応可否を判定する方法、居住者端末22からの動作状況に含まれる、居住者端末22のWi-Fi接続有無に基づいて、居住者による来訪者への対応可否を判定する方法、さらには、居住者端末22からの動作状況に含まれる、居住者端末22の端末位置情報と、ユーザDB12Aに登録されている居住者のアカウント情報に含まれるユーザ住所とを比較し、得られた居住者の在宅状況に基づいて、居住者による来訪者への対応可否を判定する方法について説明した。
【0075】
これら対応可否判定の方法は、居住者端末22の動作状況に基づいて居住者による来訪者への対応可否を判定するものである。しかしながら、居住者端末22の動作状況にかかわらず居住者が来訪者ごとに来訪可否を個別に特定したいというユーザの要請もある。本実施の形態は、このような要請を実現することを目的とするものである。
【0076】
すなわち、本実施の形態にかかる来訪通知システム10において、ユーザDB12Cは、各ユーザのアカウント情報ごとに、当該ユーザへの呼出を許可するユーザを示すホワイトリスト、または、当該ユーザへの呼出を禁止するユーザを示すブラックリストを、来訪可否リストとして記憶するように構成したものである。この際、ホワイトリストやブラックリストには、来訪可否の対象となるユーザのユーザ名やIDを登録すればよい。
また、判定処理部13Bは、居住者端末22の動作状況に代えて居住者のアカウント情報に含まれる来訪可否リストに基づいて、居住者による来訪者への対応可否を判定するように構成されている。
【0077】
[第2の実施の形態の動作]
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる来訪通知システム10の動作について説明する。
【0078】
[ホワイトリスト]
まず、居住者のアカウント情報に、来訪可否リストとしてホワイトリストが登録されている場合の動作について説明する。
【0079】
判定処理部13Bは、来訪者が居住者のホワイトリストに登録されているか否か確認し、登録されている場合には、居住者による来訪者への対応可と判定し、登録されていない場合には、居住者による来訪者への対応不可と判定する。
【0080】
これにより、前述した図3のステップ102において、判定処理部13Bによる居住者による来訪者への対応可否判定を、居住者リストへの搭載可否判定に用いるケースでは、来訪者端末21の端末位置から所定の範囲の住所に居住する居住者のアカウント情報にホワイトリストが登録されていて、かつ、来訪者が当該ホワイトリストに登録されている場合にのみ、アカウント処理部13Aが、当該居住者を選択して居住者リストに追加し(ステップ102)、来訪者端末21に通知する(ステップ103)。一方、来訪者が当該ホワイトリストに登録されていない場合、アカウント処理部13Aは、当該居住者が選択せず居住者リストに追加しないため(ステップ102)、当該居住者が居住者リストにより来訪者に通知されることはない。
【0081】
また、前述した図6のステップ120において、判定処理部13Bによる居住者による来訪者への対応可否判定を、居住者端末22へ呼出要否判定に用いるケースでは、訪問先として指定された居住者のアカウント情報にホワイトリストが登録されていて、かつ、来訪者が当該ホワイトリストに登録されている場合にのみ、判定処理部13Bが対応可と判定し(ステップ120)、呼出処理部13Cが、その対応可の判定に応じて(ステップ121:YES)、当該来訪者からの呼出を当該居住者の居住者端末22に通知する(ステップ114)。
【0082】
一方、来訪者が当該ホワイトリストに登録されていない場合、判定処理部13Bが対応不可と判定し(ステップ120)、呼出処理部13Cが、その対応不可の判定に応じて(ステップ121:NO)、呼出失敗を当該来訪者の来訪者端末21へ通知するため(ステップ122)、当該来訪者からの呼出が当該居住者の居住者端末22に通知されることはない。
【0083】
[ブラックリスト]
次に、居住者のアカウント情報に、来訪可否リストとしてブラックリストが登録されている場合の動作について説明する。
【0084】
判定処理部13Bは、来訪者が居住者のブラックリストに登録されているか否か確認し、登録されている場合には、居住者による来訪者への対応不可と判定し、登録されていない場合には、居住者による来訪者への対応可と判定する。
【0085】
これにより、前述した図3のステップ102において、判定処理部13Bによる居住者による来訪者への対応可否判定を、居住者リストへの搭載可否判定に用いるケースでは、来訪者端末21の端末位置から所定の範囲の住所に居住する居住者のアカウント情報にブラックリストが登録されていて、かつ、来訪者が当該ブラックリストに登録されていない場合にのみ、アカウント処理部13Aが、当該居住者を選択して居住者リストに追加し(ステップ102)、来訪者端末21に通知する(ステップ103)。
【0086】
一方、来訪者が当該ブラックリストに登録されている場合、アカウント処理部13Aは、当該居住者が選択せず居住者リストに追加しないため(ステップ102)、当該居住者が居住者リストにより来訪者に通知されることはない。
【0087】
また、前述した図6のステップ120において、判定処理部13Bによる居住者による来訪者への対応可否判定を、居住者端末22へ呼出要否判定に用いるケースでは、訪問先として指定された居住者のアカウント情報にブラックリストが登録されていて、かつ、来訪者が当該ブラックリストに登録されていない場合にのみ、判定処理部13Bが対応可と判定し(ステップ120)、呼出処理部13Cが、その対応可の判定に応じて(ステップ121:YES)、当該来訪者からの呼出を当該居住者の居住者端末22に通知する(ステップ114)。
【0088】
一方、来訪者が当該ブラックリストに登録されている場合、判定処理部13Bが対応不可と判定し(ステップ120)、呼出処理部13Cが、その対応不可の判定に応じて(ステップ121:NO)、呼出失敗を当該来訪者の来訪者端末21へ通知するため(ステップ122)、当該来訪者からの呼出が当該居住者の居住者端末22に通知されることはない。
【0089】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態にかかる来訪通知システム10は、記憶回路12のユーザDB12Aが、アカウント情報ごとに、当該ユーザへの呼出を許可するユーザを示すホワイトリスト、または、当該ユーザへの呼出を禁止するユーザを示すブラックリストを来訪可否リストとして記憶するように構成し、判定処理部13Bが、居住者端末22の動作状況に代えて居住者のアカウント情報に含まれる来訪可否リストに基づいて、居住者による来訪者への対応可否を判定するように構成したものである。
【0090】
これにより、居住者端末22の動作状況にかかわらず居住者が来訪者ごとに来訪可否を個別に特定できる。したがって、居住者による来訪者への対応可否を、居住者の意図に応じてより柔軟に設定することができ、実用的で有用性の高い来訪通知サービスを提供することが可能となる。
【0091】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【0092】
前述した第1の実施の形態において、判定処理部13Bで対応可否判定する構成として、判定処理部13Bが、居住者端末22からの動作状況に含まれる、居住者端末22の端末位置情報と、ユーザDB12Aに登録されている居住者のアカウント情報に含まれるユーザ住所とを比較し、得られた居住者の在宅状況に基づいて、居住者による来訪者への対応可否を判定する構成を用いた場合、居宅22Aにおける居住者の在宅・留守を確認できる。
【0093】
このため、前述の図6に示した、判定処理部13Bによる居住者による来訪者への対応可否判定を、居住者端末22へ呼出要否判定に用いるケースにおいて、居住者の留守が確認された場合(ステップ120)、呼出処理部13Cが、その対応不可の判定に応じて(ステップ121:NO)、来訪者端末21に呼出失敗を通知する際、居住者の留守を通知するようにしてもよい(ステップ122)。これにより、来訪者端末21で居住者の留守が来訪者に通知され(ステップ123)、居住者は呼出失敗の具体的理由を知ることができる。
【0094】
また、居住者の留守を通知した後、一定期間にわたり、判定処理部13Bで、当該居住者の在宅状況を確認し、居住者の在宅すなわち帰宅が確認された場合、呼出処理部13Cが、来訪者端末21に対して居住者の帰宅を通知するようにしてもよい。これにより、来訪者が居住者の住所から所定の範囲に存在している場合には、居住者に対する呼出要求を行うことも可能となる。
【0095】
なお、判定処理部13Bで対応可否判定する構成として、判定処理部13Bが、居住者端末22からの動作状況に含まれる、居住者端末22のWi-Fi接続有無に基づいて、居住者による来訪者への対応可否を判定する構成を用いる場合、Wi-Fi接続有無を居宅22Aにおける居住者の在宅・留守と見なすこともできる。したがって、このような構成を用いて、前述と同様に居住者の留守を来訪者端末21に通知するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0096】
10…来訪通知システム、11…通信I/F、12…記憶回路、12A…ユーザデータベース(ユーザDB)、12P…プログラム、13…制御回路、13A…アカウント処理部、13B…判定処理部、13C…呼出処理部、21…来訪者端末、22…居住者端末、22A…居宅、NW…通信網。
図1
図2
図3
図4
図5
図6