(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005495
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】進入抑制支援装置、進入抑制支援システム、進入抑制支援方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/07 20060101AFI20250109BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20250109BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20250109BHJP
【FI】
G08G1/07 C
G08G1/16 A
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105671
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】廣井 義明
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5H181AA21
5H181BB04
5H181BB05
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF33
5H181JJ26
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL18
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】踏切等の進入抑制領域への人の進入を抑制する。
【解決手段】本開示の進入抑制支援装置1は、通信部2、送信部3、管理部4を含む。通信部2は、進入が許可されていない状態の進入抑制領域に進入しようとするユーザが所持するユーザ端末と通信を行う。送信部3は、ユーザ端末との通信が確立しているときに、ユーザ端末20に対して、ユーザ端末20が所定のエリア内に位置する間に表示可能な、有効化されていない付加価値情報を送信する。管理部4は、進入抑制領域への進入が許可された後に、付加価値情報を有効化する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
進入が許可されていない状態の進入抑制領域に進入しようとするユーザが所持するユーザ端末と通信を行う通信部と、
前記ユーザ端末との通信が確立しているときに、前記ユーザ端末に対して、前記ユーザ端末が所定のエリア内に位置する間に表示可能な、有効化されていない付加価値情報を送信する送信部と、
前記進入抑制領域への進入が許可された後に、前記付加価値情報を有効化する管理部と、
を含む、
進入抑制支援装置。
【請求項2】
前記通信部と前記ユーザ端末との接続時間を取得する計時部と、
前記ユーザ端末が所定のエリア内に位置する滞在時間を取得する取得部と、
をさらに備え、
前記管理部は、前記接続時間と前記滞在時間とが略一致した場合に、前記付加価値情報を有効化する、
請求項1に記載の進入抑制支援装置。
【請求項3】
前記送信部は、前記ユーザ端末との通信が確立しているときに、前記ユーザ端末が所定のエリア内に位置する間、前記ユーザ端末に複数の付加価値情報を送信し、
前記ユーザ端末から、複数の前記付加価値情報のうち、ユーザにより選択された選択付加価値情報を受け付ける受付部をさらに備え、
前記管理部は、前記進入抑制領域への進入が許可された後に、前記選択付加価値情報を有効化する、
請求項1に記載の進入抑制支援装置。
【請求項4】
前記通信部は、前記進入抑制領域に設置された交通信号装置に設けられ、当該交通信号装置が停止信号になったときに前記ユーザ端末と通信を行う、
請求項1に記載の進入抑制支援装置。
【請求項5】
前記送信部は、前記交通信号装置が停止信号である時間に応じて、前記ユーザ端末に送信する付加価値情報の数又は配信時間の長さを変更する、
請求項4に記載の進入抑制支援装置。
【請求項6】
前記通信部は、前記交通信号装置の設けられた前記進入抑制領域の入口側と出口側にそれぞれ設けられる、
請求項4に記載の進入抑制支援装置。
【請求項7】
前記入口側に設けられた通信部は、前記入口側の待機エリアにおいて前記ユーザ端末と通信し、
前記出口側に設けられた通信部は、前記出口側の待機エリアにおいて前記ユーザ端末と通信する、
請求項6に記載の進入抑制支援装置。
【請求項8】
進入が許可されていない状態の進入抑制領域に進入しようとするユーザが所持するユーザ端末と通信を行う通信部と、
前記ユーザ端末との通信が確立しているときに、前記ユーザ端末に対して、前記ユーザ端末が所定のエリア内に位置する間に表示可能な、有効化されていない付加価値情報を送信する送信部と、
前記進入抑制領域への進入が許可された後に、前記付加価値情報を有効化する管理部と、
を含む、
進入抑制支援システム。
【請求項9】
コンピュータが、
進入が許可されていない状態の進入抑制領域に進入しようとするユーザが所持するユーザ端末と通信を行う処理と、
前記ユーザ端末との通信が確立しているときに、前記ユーザ端末に対して、前記ユーザ端末が所定のエリア内に位置する間に表示可能な、有効化されていない付加価値情報を送信する処理と
前記進入抑制領域への進入が許可された後に、前記付加価値情報を有効化する処理と、
を実行する、
進入抑制支援方法。
【請求項10】
進入が許可されていない状態の進入抑制領域に進入しようとするユーザが所持するユーザ端末と通信を行う処理と、
前記ユーザ端末との通信が確立しているときに、前記ユーザ端末に対して、前記ユーザ端末が所定のエリア内に位置する間に表示可能な、有効化されていない付加価値情報を送信する処理と
前記進入抑制領域への進入が許可された後に、前記付加価値情報を有効化する処理と、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、進入抑制支援装置、進入抑制支援システム、進入抑制支援方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、待ち時間等のユーザが停止状態にあるときに配信情報を配信し、配信情報の閲覧や聴取の確率を増大させる情報配信システムが開示されている。このシステムでは、踏切にトリガー装置が設けられて、警報機が鳴動状態又は遮断機が下りた状態になったときにトリガー情報を送信することが記載されている。トリガー情報を受信したユーザ端末は、ユーザの停止/移動状態を監視し、一定時間内にユーザ停止状態を検知した場合に、情報配信サーバにアクセスしてトリガー情報を送信する。ユーザ端末は、トリガー情報を基に情報配信サーバで抽出された配信情報を受信し表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鉄道線路と一般道路とが交差する踏切には、警報機や遮断機等の踏切保安装置が設置されている。遮断機が下りた状態や警報機が鳴動状態の場合には、通行者の踏切内への進入が禁止される。しかしながら、遮断機及び警報機が動作し始めて以降、移動を停止するか、また無理にでも横断しようとするかの判断は個々人に委ねられている。このため、時間に追われている通行者が、下りている遮断機を無視して、踏切を横断する場合も考えられる。
【0005】
特許文献1では、トリガー情報を受信したときにユーザが停止していれば、ユーザ端末に対して配信情報を送信することが記載されているのみであり、踏切への通行者の進入を抑制することは考慮されていない。また、踏切に限らず、交差点等の他の進入抑制領域についても、同様に人の進入を抑制することが望まれている。
【0006】
本開示の目的は、上述した問題を鑑み、進入抑制領域への人の進入を抑制することが可能な、進入抑制支援装置、進入抑制支援システム、進入抑制支援方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係る進入抑制支援装置は、通信部、送信部、管理部を含む。通信部は、進入が許可されていない状態の進入抑制領域に進入しようとするユーザが所持するユーザ端末と通信を行う。送信部は、前記ユーザ端末との通信が確立しているときに、前記ユーザ端末に対して、前記ユーザ端末が所定のエリア内に位置する間に表示可能な、有効化されていない付加価値情報を送信する。管理部は、前記進入抑制領域への進入が許可された後に、前記付加価値情報を有効化する。
【0008】
一態様に係る進入抑制支援システムは、通信部、送信部、管理部を含む。通信部は、進入が許可されていない状態の進入抑制領域に進入しようとするユーザが所持するユーザ端末と通信を行う。送信部は、前記ユーザ端末との通信が確立しているときに、前記ユーザ端末に対して、前記ユーザ端末が所定のエリア内に位置する間に表示可能な、有効化されていない付加価値情報を送信する。管理部は、前記進入抑制領域への進入が許可された後に、前記付加価値情報を有効化する。
【0009】
一態様に係る進入抑制支援方法は、コンピュータが以下の処理を実行する。
当該処理は、
進入が許可されていない状態の進入抑制領域に進入しようとするユーザが所持するユーザ端末と通信を行う処理と、
前記ユーザ端末との通信が確立しているときに、前記ユーザ端末に対して、前記ユーザ端末が所定のエリア内に位置する間に表示可能な、有効化されていない付加価値情報を送信する処理と
前記進入抑制領域への進入が許可された後に、前記付加価値情報を有効化する処理と、
を含む。
【0010】
一態様に係るプログラムは、コンピュータに以下の処理を実行させる。
当該処理は、
進入が許可されていない状態の進入抑制領域に進入しようとするユーザが所持するユーザ端末と通信を行う処理と、
前記ユーザ端末との通信が確立しているときに、前記ユーザ端末に対して、前記ユーザ端末が所定のエリア内に位置する間に表示可能な、有効化されていない付加価値情報を送信する処理と、
前記進入抑制領域への進入が許可された後に、前記付加価値情報を有効化する処理と、
を含む。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、進入抑制領域への人の進入を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の進入抑制支援装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】本開示の進入抑制支援方法の処理の流れを説明する図である。
【
図3】本開示の進入抑制支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】本開示の進入抑制支援システムの構成例を説明する図である。
【
図5】
図4の進入抑制支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図8】
図5の進入抑制支援システムにおける処理の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0014】
本開示は、踏切や交差点等の進入抑制領域への人の進入を抑制する技術に関する。
図1は、本開示の進入抑制支援装置1の構成を示すブロック図である。進入抑制支援装置1は、一例として、道路上の信号機や踏切の警報機、遮断機等の交通信号装置と連携して、進入抑制領域への人の進入を抑制する。以下、実施形態に係る進入抑制支援装置1を利用する人を、「ユーザ」と表記する。ユーザは、進入抑制支援装置1と通信可能なユーザ端末(不図示)を所持している。
【0015】
進入抑制支援装置1は、ネットワークを介して外部の装置と種々の通信を行うことができる。具体的には、進入抑制支援装置1は、上記ユーザ端末にインターネット等の通信回線を介して接続され得る。ただし、通信回線は、インターネットに限定されず、インターネットと他の通信回線との組み合わせであってもよいし、インターネット以外の通信回線であってもよい。通信方式としては、例えば、4G(Generation)、5G、ローカル5G、Wi-Fi(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)等の無線通信又は有線通信が用いられ得る。なお、通信方式は、これらの例に限られるものではない。
【0016】
図1に示すように、進入抑制支援装置1は、通信部2、送信部3、管理部4を含む。通信部2は、進入が許可されていない状態の進入抑制領域に進入しようとするユーザが所持するユーザ端末と通信を行う。通信部2は、例えば、進入抑制領域に設置された交通信号装置に設けられ得る。通信部2は、当該交通信号装置が停止信号になったときにユーザ端末と通信を行う。
【0017】
例えば、通信部2は、交差点に設置された信号機に設けられ得る。信号機が赤信号となり、通過禁止の状態となったときに、通信部2はユーザ端末と通信を行う。また、通信部2は、踏切の警報機又は遮断機に設けられ得る。警報機が警報音を発し、遮断機が下りた状態となり、通過禁止の状態となったときに、通信部2はユーザ端末と通信を行う。交通信号装置が表示する信号で、進入抑制領域を通過禁止の状態するものが停止信号となる。
【0018】
送信部3は、ユーザ端末との通信が確立しているときに、ユーザ端末に対して、当該ユーザ端末が所定のエリア内に位置する間に表示可能な、有効化されていない付加価値情報を送信する。ここで、所定のエリアとは、進入抑制領域の外側の領域であり、当該進入抑制領域への進入が許可されていないときに、進入が許可されるまでユーザが待機する待機エリアである。
【0019】
また、付加価値情報とは、一例として、商品の販売やサービスの提供を行うリアルやオンラインの店舗で、商品の販売やサービスの利用を促進するために発行される、値引きや、商品やサービスのプレゼント、ポイント付与等を含むクーポン情報であり得る。また、付加価値情報は、動画や音楽等を提供する特典情報であってもよい。だたし、ユーザ端末との通信が確立している状態では、付加価値情報はクーポンや特典の使用を可能にするための有効化はなされていない。
【0020】
管理部4は、進入抑制領域への進入が許可された後に、付加価値情報を有効化する。進入抑制領域への進入が許可されるとは、例えば、信号機が青信号となり通過可能状態となること、又は、警報機が警報音を停止するとともに、遮断機が上がった状態となり、通過可能状態となることをいう。付加価値情報が有効化されると、クーポンや特典の使用が可能になる。
【0021】
次に、
図2を参照して進入抑制支援装置1が行う処理について説明する。
図2は、実施形態に係る進入抑制支援方法の流れを説明する図である。まず、進入抑制支援装置1は、進入が許可されていない状態の進入抑制領域に進入しようとするユーザが所持するユーザ端末と通信を行う(S1)。そして、進入抑制支援装置1は、ユーザ端末との通信が確立しているときに、ユーザ端末に対して、当該ユーザ端末が所定のエリア内に位置する間に表示可能な、有効化されていない付加価値情報を送信する(S2)。その後、進入抑制支援装置1は、進入抑制領域への進入が許可された後に、付加価値情報を有効化する(S3)。
【0022】
このように、ユーザ端末が所定のエリアに位置する間に有効化されていない付加価値情報を表示可能とし、付加価値情報の有効化を進入抑制領域への進入が許可された後とすることで、ユーザが所定エリアで待機することに対してインセンティブを付与することが可能となる。これにより、ユーザの交差点における信号待ちや、踏切における列車の通過待ちに対するモチベーションを高めることができ、ユーザの無理な横断を抑制することが可能となる。
【0023】
なお、進入抑制支援装置1は、図示しない構成としてプロセッサ、メモリ及び記憶装置を備える。当該記憶装置には、実施形態に係る情報処理方法の各処理をコンピュータに実行させるプログラムが記憶されている。当該プロセッサは、記憶装置からプログラムをメモリへ読み込ませ、当該プログラムを実行する。これにより、プロセッサは、通信部2、送信部3、管理部4の各機能を実現する。
【0024】
進入抑制支援装置1の各構成要素は、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、汎用又は専用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、量子プロセッサ(量子コンピュータ制御チップ)等を用いてもよい。
【0025】
また、進入抑制支援装置1の各構成要素の一部又は全部が複数の装置や回路等により実現される場合には、複数の装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。
図3は、実施形態に係る進入抑制支援システム101の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、進入抑制支援システム101は、通信部102、送信部103、管理部104を備える。進入抑制支援システム101の各構成の詳細な動作は、上述したように、進入抑制支援装置1の各構成の動作に対応する。
図3の各構成要素を実現する装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、進入抑制支援装置1の機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。
【0026】
図4は、本開示の進入抑制支援システムの構成例を説明する図である。
図5は、
図4の進入抑制支援システムの構成を示すブロック図である。ここでは、進入抑制支援システム100を踏切に適用した例について説明する。すなわち、この例では、進入抑制領域は踏切内の領域に相当する。
【0027】
図4において、ユーザ端末20を所持するユーザは、紙面の手前側から奥側に向かって踏切を横断しようとしているものとする。このため、手前側の警報機201、遮断機202を含む踏切保安装置200が設けられている側を入口側と称し、奥側の踏切保安装置200が設けられている側を出口側と称する。なお、ユーザが奥側から手前側に向かって踏切を横断する場合は、入口側と出口側とは逆になる。踏切の入口側には入口側待機エリアが設けられ、出口側に出口側待機エリアが設けられている。これらの待機エリアは、踏切保安装置200が動作中に、列車の通過待ちをするユーザが待機する場所である。
【0028】
進入抑制支援システム100は、踏切保安装置200の動作中にユーザが、踏切内に進入するのを抑制する。
図4、5に示すように、進入抑制支援システム100は、サーバ10、ユーザ端末20、通信装置30を含む。なお、簡略化のため、
図4では入口側の踏切保安装置200に通信装置30及びサーバ10が接続されているが、出口側の踏切保安装置200にも同様に、通信装置30及びサーバ10が設けられ得る。サーバ10、ユーザ端末20、通信装置30は、それぞれネットワークNを介して接続される。ここで、ネットワークNは、有線又は無線の通信回線、例えばインターネットである。
【0029】
通信装置30は、踏切に設けられた踏切保安装置200と連動して、進入が許可されていない状態の踏切内に進入しようとするユーザが所持するユーザ端末20と通信を行う。通信装置30は、踏切に設置された警報機201又は遮断機202に設けられ得る。踏切内への進入が許可されていない状態とは、踏切保安装置200が動作状態のときを指す。すなわち、通信装置30は、警報機201が警報音を発している状態、遮断機が下がっている状態の少なくともいずれか一方のとき、ユーザ端末20と通信を行う。また、通信装置30は、踏切保安装置200が動作状態で、かつ、ユーザ端末20を所持したユーザが入口側待機エリア又は出口側待機エリアに滞在している間、ユーザ端末20との通信が確立する。
【0030】
通信装置30は、ビームフォーミング技術を用いて、送受信される無線信号の方向や範囲を調整可能である。通信装置30は、例えば、複数のアンテナ素子によって送受信される無線信号の位相及び振幅を制御して、ビームの形状及び角度を変化させることができる。通信装置30は、ビームを照射することによって無線接続範囲を形成し、無線接続範囲内のユーザ端末と通信を行うことができる。入口側の通信装置30によって形成される無線接続範囲は、入口側待機エリアをカバーし、出口側の通信装置30によって形成される無線接続範囲は、出口側待機エリアをカバーする。すなわち、入口側の通信装置30は、入口側待機エリアにおいてユーザ端末20と通信し、出口側の通信装置30は、出口側待機エリアにおいてユーザ端末20と通信する。
【0031】
<ユーザ端末20>
ユーザ端末20は、ユーザが操作し、無線通信によりネットワークNを介しサーバ10とデータの送受信を行う情報端末である。ユーザ端末20は、スマートフォン、タブレット端末等であり得る。
図6は、
図5のユーザ端末20の構成を示すブロック図である。
【0032】
ユーザ端末20は、記憶部21、メモリ22、通信部23、入出力部24、処理部25を含む。記憶部21は、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリを含む記憶装置の一例である。記憶部21は、付加価値情報の表示処理や、付加価値情報の有効化処理等を含む処理が実装されたプログラムを記憶する。
【0033】
メモリ22は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置であり、処理部25の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。通信部23は、ネットワークNとの通信インタフェースである通信部23は、通信装置30との通信を行う。なお、通信部23は、近距離無線通信の接続を確立し、通信を行ってもよい。ここで、近距離無線通信は、Bluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)、UWB(Ultra-Wide Band)等の様々な規格を適用可能である。
【0034】
入出力部24は、画面等の表示装置と入力装置を含む、例えば、タッチパネルであり得る。処理部25は、ユーザ端末20が有するハードウェアの制御を行うプロセッサである。処理部25は、記憶部21からプログラムをメモリ22へ読み込ませ、実行する。これにより、処理部25は、表示処理部251、送信処理部252、接続時間計測部253、有効化処理部254、測位情報取得部255の機能を実現する。
【0035】
表示処理部251は、後述するサーバ10から送信される付加価値情報を、入出力部24に表示させる処理を行う。なお、ユーザ端末20と通信装置30との通信が確立しているときに、サーバ10から送信される付加価値情報は、有効化されていないものである。ユーザは、例えば、複数の付加価値情報が表示されたタッチパネルに対して、タッチ入力することで、1つ又は複数の付加価値情報を選択することができる。
【0036】
送信処理部252は、ユーザ端末20と通信装置30との通信が確立した時に、通信確認情報をサーバ10に送信する。なお、各ユーザには、固有の識別情報として、ユーザIDが付与され得る。各ユーザが所持するユーザ端末20に、固有の端末IDが付与されてもよい。送信処理部252は、通信確認情報とともに、ユーザ端末20のユーザID又は端末IDを送信してもよい。
【0037】
接続時間計測部253は、ユーザ端末20と通信装置30とが通信している接続時間を計測する。計測された接続時間は、サーバ10に送信され、後述する付加価値情報の有効化を行う際に用いられる。有効化処理部254は、通信装置30から送信される承認情報に基づいて、付加価値情報を有効化する。付加価値情報の有効化処理がなされると、リアルやオンラインの店舗で提示して使用することができ、値引きやポイント付与等の特典を受けることができる。通信装置30は、進入抑制領域への進入が許可された後に、承認情報をユーザ端末20に送信する。すなわち、付加価値情報の有効化は、踏切保安装置200の動作が停止した後となる。
【0038】
測位情報取得部255は、RTK(Real Time Kinematic)-GNSS(Global Navigation Satellite System)等の衛星測位システムを用いて、ユーザ端末20の位置情報及び、位置情報を取得したときの時刻情報を取得することができる。測位情報取得部255は、例えば、測位アンテナ等の測位手段を含む。位置情報とは、ユーザ端末20の位置の経時変化を表す。測位情報取得部255が取得する位置情報は、例えば、緯度、経度、標高によって表現され得る。以下、位置情報及びこの位置情報を取得した時の時刻情報を、単に「測位情報」ともいう。測位情報は、サーバ10に送信され、接続時間とともに、付加価値情報の有効化を行う際に用いられる。
【0039】
なお、個々のIDには、付与された付加価値情報に関する情報が紐づけられる。付加価値情報に関する情報には、例えば、付加価値情報の種類(クーポン、ポイント等)、付加価値情報が有効化された時刻情報、ユーザ端末20の位置情報及び当該位置情報を取得した時の時刻情報等が含まれ得る。以下、このような付加価値情報に関する情報は、属性情報と称される。以下、ユーザIDに属性情報が紐づけられる例について説明する。
【0040】
<サーバ10>
サーバ10は、付加価値情報を配信することで、踏切内へのユーザの進入抑制機能を実現する情報処理装置である。なお、サーバ10は複数台のサーバで構成されていてもよく、各機能ブロックは複数台のコンピュータで実現されてもよい。
図7は、
図5のサーバ10の構成を示すブロック図である。サーバ10は、記憶部11、メモリ12、通信部13、処理部14を含む。記憶部11は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置の一例である。記憶部11は、プログラム111及び管理DB112を記憶する。プログラム111は、進入抑制機能等の一部が実装されたコンピュータプログラムである。
【0041】
管理DB112は、ユーザに付与される付加価値情報を管理するデータベースである。管理DB112は、ユーザIDと属性情報とを対応付けて管理する。メモリ12は、RAM等の揮発性記憶装置であり、処理部14の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。
【0042】
通信部13は、ネットワークNとの通信インタフェースである。処理部14は、サーバ10の各構成を制御するプロセッサである。処理部14は、記憶部11からプログラム111をメモリ12へ読み込ませ、プログラム111を実行する。これにより、処理部14は、通信確認部141、送信処理部142、管理部143、計時部144、取得部145の処理を実現する。
【0043】
通信確認部141は、進入が許可されていない状態の踏切内に進入しようとするユーザが所持するユーザ端末20と、通信装置30との通信状況を確認する。通信装置30とユーザ端末20との通信は、踏切保安装置200が動作状態のときに、ユーザ端末20が入口側待機エリア内に位置している間に実行される。
【0044】
送信処理部142は、通信装置30とユーザ端末20との通信が確立しているときに、ユーザ端末20に対して、当該ユーザ端末20が入口側待機エリア内に位置する間に表示可能な、有効化されていない付加価値情報を送信する。
【0045】
管理部143は、踏切内への進入が許可された後に、付加価値情報を有効化する。例えば、管理部143は、踏切保安装置200が動作を停止した後に、付加価値情報を有効化するための承認情報をユーザ端末20に送信することができる。例えば、踏切保安装置200が動作を停止すると、ユーザ端末20と通信装置30との接続が解除される。ユーザ端末20は、サーバ10に接続が解除されたことを示す接続解除情報を送信することができる。管理部143は、接続解除情報に応じて、承認情報をユーザ端末20に送信することが可能である。ユーザ端末20は、承認情報に応じて、付加価値情報を有効化することができる。
【0046】
計時部144は、ユーザ端末20から、通信装置30とユーザ端末20との接続時間を取得する処理を行う。また、取得部145は、ユーザ端末20から、ユーザ端末20が入口側待機エリア内に位置する滞在時間を取得する。この滞在時間は、例えば、測位情報取得部255により取得された測位情報から求められる。すなわち、待機時間は、ユーザ端末20が入口側待機エリア内であることを示す位置情報と時刻情報から求められる。
【0047】
なお、管理部143は、踏切内への進入が許可された後に、通信装置30とユーザ端末20との接続時間と、ユーザ端末20が入口側待機エリア内に位置する滞在時間とが略一致した場合に、付加価値情報を有効化するための承認情報を発行することができる。なお、接続時間及び滞在時間に基づいて、選択した付加価値情報を有効化するための処理は、ユーザ端末20が実行してもよい。
【0048】
このように、実施形態によれば、踏切保安装置200の動作により、ユーザが入口側待機エリアで待機を強いられたとしても、踏切保安装置200の動作停止後に有効となる付加価値情報が付与されることで、強制的な待機に対する不満を軽減することが可能となる。
【0049】
なお、送信処理部142は、例えば、複数の有効化されていない付加価値情報をユーザ端末20に送信してもよい。ユーザは、ユーザ端末20に表示される複数の有効化されていない付加価値情報から、任意の付加価値情報を選択してもよい。ユーザ端末20は、ユーザにより選択された選択付加価値情報を受け付ける受付部(不図示)を備え得る。管理部143は、踏切内への進入が許可された後に、選択付加価値情報を有効化するための承認情報を発行することができる。
【0050】
このように、ユーザに複数の付加価値情報から選択させることにより、ユーザがユーザ端末20を操作する時間を引き延ばすことができる。このように、踏切での待ち時間の大部分をユーザ端末20の操作時間が占めることにより、ユーザに踏切の待ち時間を長いと感じさせないようにすることができる。
【0051】
図8は、進入抑制支援システム100の処理の流れを示す図である。列車が、進入抑制支援システム100が設けられた踏切に接近すると、踏切保安装置200が動作を開始する。通信装置30は、踏切保安装置200の動作に連動して、ユーザ端末20との通信を開始する(S10)。ユーザ端末20と通信装置30との通信が確立すると(S11)、サーバ10に通信装置30との通信が確立した旨の通信確認情報とともに、ユーザIDを送信する(S12)。
【0052】
このとき、ユーザ端末20は、通信装置30との接続時間の計測を開始する(S13)。また、ユーザ端末20は、衛星測位システムを用いて、測位情報を周期的に取得する(S14)。上述したように、測位情報は、ユーザ端末20の位置情報と、当該位置情報を取得した時刻情報とを含む。
【0053】
サーバ10は、ユーザ端末20と通信装置30の通信確立後、ユーザ端末に対して、複数の有効化されていない付加価値情報を送信する(S15)。ユーザ端末20は、測位情報を用いて、当該ユーザ端末20が入口側待機エリア内に位置する間に、受信した複数の付加価値情報を表示する(S16)。
【0054】
ユーザ端末20は、例えば、GUI(Graphical User Interface)を利用して、複数の有効化されていない付加価値情報を表示することができる。例えば、ユーザ端末20は、入出力部24に踏切の近隣にある店舗等で使用可能なクーポンの一覧を表示させ、ユーザに対しクーポンの選択が可能な状態とすることができる。その後、ユーザが列車の通過待ちをしている間に、複数の有効化されていない付加価値情報から、任意の付加価値情報を選択する処理が実行される(S17)。
【0055】
なお、ユーザが付加価値情報を選択し終えた時点では、当該付加価値情報は有効化されてない。また、ユーザは、ユーザ端末20に、複数の付加価値情報のうち、予め選択する付加価値情報を設定していてもよい。例えば、ユーザ端末20は、複数のクーポンのうち、値引き率が最も高いクーポンを選択したり、現在地からの距離が最も近い店舗で使用可能なクーポンを選択するように設定されてもよい。
【0056】
そして、列車が、進入抑制支援システム100が設けられた踏切を通過すると、踏切保安装置200が動作を停止する。通信装置30は、踏切保安装置200の停止に連動して、ユーザ端末20との通信を停止する(S18)。ユーザ端末20と通信装置30との通信が解除されると、ユーザ端末20は、サーバ10に通信装置30との通信が解除された旨の通信解除情報とともに、ユーザIDを送信する(S19)。
【0057】
また、このとき、S13から計測されていたユーザ端末20と通信装置30との接続時間情報と、S14から取得されていたユーザ端末20の測位情報とが、サーバ10に送信される(S20)。そして、サーバ10は、通信解除情報、接続時間情報、測位情報を受信した後、付加価値情報を有効化するための、有効化承認処理を実行する(S21)。すなわち、ユーザ端末20は、踏切内への進入が許可された後に、ユーザ端末20と通信装置30との接続時間と、ユーザ端末20の入口側待機エリアでの待機時間とが略一致するときに、選択された付加価値情報を有効化するための承認情報をユーザ端末20に送信する。
【0058】
ユーザ端末20は、承認情報に基づいて、選択付加価値情報を有効化する。このように、踏切での待ち時間を利用して、ユーザに有益な情報ないしは利益を与えることにより、ユーザが踏切での待ち時間を自身のメリットと捉え、自主的に危険横断を抑制することが可能となる。
【0059】
なお、付加価値情報の取得回数には制限を設けることが好ましい。例えば、ユーザ端末20と通信する通信装置30の1台ごとに、1日1回等の回数制限が設けられていてもよい。
図4の例では、ユーザ端末20は、入口側の通信装置30と接続されたときに1回だけ付加価値情報を取得し、出口側の通信装置30の接続されたときに1回だけ付加価値情報を取得することができる。なお、入口側と出口側の通信装置30を区別せずに、1つの踏切で1日2回等の回数制限が採用されてもよい。これにより、例えば、踏切の近隣住民が踏切を何度も往復して複数の付加価値情報を不正に取得する等、進入抑制支援システム100の悪用を防ぐことができる。
【0060】
図4に示す例では、踏切の入口側及び出口側の踏切保安装置200にそれぞれ通信装置30及びサーバ10を設置し、踏切の入口側と出口側の通信装置30の接続範囲はそれぞれ異なる待機エリアとなっている。このように、入口側待機エリアと出口側待機エリアで、ユーザ端末20が異なる通信装置30及びサーバ10に接続することで、踏切の入口側と出口側のいずれにおいても、ユーザに対してインセンティブを付与することができる。これにより、例えば、通勤や通学等で、往路、復路ともに、踏切の無理な横断を防ぐことが可能となる。
【0061】
ただし、これに限定されず、踏切の入口側と出口側の通信装置30に対して、1台のサーバ10が接続されてもよい。この場合、各通信装置30を識別するための識別情報が、それぞれの通信装置30に付与されてもよい。サーバ10は、各通信装置30の識別情報と、各ユーザIDとを用いて、ユーザ端末20がいずれの通信装置30において付加価値情報を取得したかを管理することができる。これにより、ユーザは、往路及び復路で、それぞれ所定の回数ずつ付加価値情報を取得することが可能となる。
【0062】
また、送信処理部142は、踏切における待機時間の長さに応じて、送信する付加価値情報の数を変更してもよい。送信処理部142が、待機時間の長さに応じて適切な数の付加価値情報を送信することで、ユーザがユーザ端末20を操作する時間を引き延ばす時間を制御し、遮断機202が上がっても、ユーザが立ち止まってユーザ端末20の操作を続けないようにすることができる。
【0063】
なお、踏切保安装置200が動作を停止した後、付加価値情報が選択されていなかった場合には、自動的に任意の付加価値情報が選択されてもよい。例えば、自動的に先頭に表示されている付加価値情報が選択され得る。これにより、進入抑制支援システム100が交通の障害とならないようにすることができる。
【0064】
以上説明したように、本開示によれば、踏切での待機時間に付加価値としてクーポンを付与することにより、通行者が利益を得ることで通行者自身が自主的に危険横断を抑制しようという選択肢を用意でき、通行者の踏切に停止を強いられたという不満を軽減することができる。また、踏切付近で使用できるクーポンを配布することにより、ローカルな店舗の紹介や利用を促進し、地域の活性化を図ることが可能となる。
【0065】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。進入抑制支援システム100は、待機時間を通行者が忌避しないようにすることで、遮断機が下りている踏切を無理やり渡る等の危険横断を回避する手段であるため、踏切以外にも応用することができる。進入抑制支援システム100は、人に待機を強いることになる任意の場所に設置され、運用され得る。例えば、進入抑制支援システム100は、駅で使用されてもよい。この場合、通信装置30は駅舎やホーム等の駅内の任意の箇所に設置され得る。
【0066】
例えば、駅のホームに設置された通信装置30は、列車の予想遅延時間を取得した時に、ユーザ端末20との通信を開始することができる。通信装置30は、任意の方法で列車の予想遅延時間を取得することができる。例えば、通信装置30は、鉄道の運行を管理する管理装置から列車の予想遅延時間を取得してもよい。また、通信装置30と通信可能な通信端末が列車に設置されてもよい。当該通信端末は、列車の速度情報、位置情報、時刻情報を取得する機能を備え、速度情報、位置情報、時刻情報を用いて、予想遅延時間を算出してもよい。また、予想遅延時間は、列車の各車両の混雑状況に応じて予測したものであってもよい。
【0067】
駅のホームにおいて、列車を待っているユーザのユーザ端末20と通信装置30とが通信することで、列車の待ち時間を利用して付加価値情報をユーザに付与することが可能となる。また、複数の不係情報の選択肢が配信される場合には、付加価値情報の数は、予想遅延時間の長さに応じて適宜変更されてもよい。付加価値情報は、進入抑制支援システム100が使用される場所によっては、クーポンに限らず、漫画や動画、音楽等であってもよい。例えば、進入抑制支援システム100が列車遅延中のホーム内で付加価値情報を配信する場合、付加価値情報は、予想遅延時間に応じた長さの再生時間の動画や音楽であってもよい。このように、列車の遅延等により、ユーザにホームでの予期せぬ待機を強いる場合に、進入抑制支援システム100が、予定を狂わされることに対するユーザの不満や無理な乗車を和らげる役割を担うことができる。
【0068】
進入抑制支援システム100は、高速道路において用いられてもよい。例えば、渋滞の多発するエリアを進入抑制領域として設定することができる。渋滞多発エリアの始点、終点がそれぞれ入口側、出口側に設定され得る。この渋滞多発エリアの始点及び終点に、それぞれ通信装置30を設置することができる。なお、進入抑制支援システム100による付加価値情報の配信は、同乗者が操作するユーザ端末20に限定される。付加価値情報としては、例えば、指定のサービスステーションで使用可能な時間制限付きのクーポンとしてもよい。これにより、進入抑制支援システム100が、一定時間渋滞多発エリアの自動車をサービスステーションに分散誘導するなどして、高速道路の混雑解消の役割を担うことができる。
【0069】
なお、学生の授業開始や、会社員の業務開始、重要な取引の場への参集、また、荷物の宅配など規定時間に規定場所へ到達することが求められることは依然として多い。このような時刻制限が無理な横断を通行者に選択させる原因の一つとなっている。
【0070】
本開示の進入抑制支援システム100は、ユーザの踏切での待機時間を記録している。このため、進入抑制支援システム100は、付加価値情報として、遅延証明情報をユーザ端末20に配信してもよい。このように、進入抑制支援システム100が遅延証明情報を発行することで、遅延証明情報をユーザの遅刻理由の証明として役立てることが可能である。
【0071】
また、進入抑制支援システム100が駅において利用される場合には、列車の遅延時間を証明する遅延証明情報が発行されてもよい。なお、交通事故などで道路の片面封鎖等が行われる場合、警察車両が進入抑制支援システム100と同様の設備を道路上に臨時に設置することで、同様に遅延証明情報の発行を行うことも可能である。
【0072】
このように、進入抑制支援システム100が踏切や駅、道路等での待機に費やされた時間を証明することで、通行者の進入抑制領域への無理な進入を抑制できる。また、通行者が待機することがメリットをもたらすようにすることで、通行者に精神的な安定をもたらすことができる。例えば、進入抑制領域への進入が許可された後の、通行者の、遅れの挽回や苛立ちによる不注意による無茶な移動を抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0073】
1 進入抑制支援装置
2 通信部
3 送信部
4 管理部
10 サーバ
11 記憶部
12 メモリ
13 通信部
14 処理部
111 プログラム
112 管理DB
141 通信確認部
142 送信処理部
143 管理部
144 計時部
145 取得部
20 ユーザ端末
21 記憶部
22 メモリ
23 通信部
24 入出力部
25 処理部
251 表示処理部
252 送信処理部
253 接続時間計測部
254 有効化処理部
255 測位情報取得部
30 通信装置
100 進入抑制支援システム
101 進入抑制支援システム
102 通信部
103 送信部
104 管理部
200 踏切保安装置
201 警報機
202 遮断機