IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社イノアックコーポレーションの特許一覧

<>
  • 特開-内装部材および内装部材の製造方法 図1
  • 特開-内装部材および内装部材の製造方法 図2
  • 特開-内装部材および内装部材の製造方法 図3
  • 特開-内装部材および内装部材の製造方法 図4
  • 特開-内装部材および内装部材の製造方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025054950
(43)【公開日】2025-04-08
(54)【発明の名称】内装部材および内装部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B60K 37/00 20240101AFI20250401BHJP
   B60R 13/02 20060101ALI20250401BHJP
【FI】
B60K37/00 Z
B60K37/00 A
B60R13/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023164205
(22)【出願日】2023-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002424
【氏名又は名称】ケー・ティー・アンド・エス弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴史
【テーマコード(参考)】
3D023
3D344
【Fターム(参考)】
3D023BA01
3D023BB08
3D023BB17
3D023BC01
3D023BD03
3D023BD12
3D023BD32
3D023BE03
3D023BE06
3D023BE24
3D344AC03
3D344AC04
3D344AD05
(57)【要約】
【課題】光の漏洩を抑制可能な内装部材を提供する。
【解決手段】 内装部材は、第1開口を有する遮光性の基材と、基材の表面に配され、第1開口に重なる第2開口を有するクッション材と、クッション材の表面に配され、第2開口を塞ぐ透光性の表皮材と、第2開口内のクッション材の端面に設けられた第1遮光層と、を備える内装部材。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1開口を有する遮光性の基材と、
前記基材の表面に配され、前記第1開口に重なる第2開口を有するクッション材と、
前記クッション材の表面に配され、前記第2開口を塞ぐ透光性の表皮材と、
前記第2開口内の前記クッション材の端面に設けられた第1遮光層と、
を備える内装部材。
【請求項2】
前記第2開口に対応する前記表皮材の裏面に設けられ、光を透過する透光窓を有する第2遮光層を備え、
前記第1遮光層は、前記第2遮光層と同じ材料により形成されている、
請求項1に記載の内装部材。
【請求項3】
前記第2開口は、前記第1開口よりも小さく、
前記第1開口に対応する前記クッション材の裏面に設けられた第3遮光層をさらに備える請求項1に記載の内装部材。
【請求項4】
第1開口を有する遮光性の基材と、前記基材の表面に配され、前記第1開口に重なる第2開口を有するクッション材と、前記クッション材の表面に配され、前記第2開口を塞ぐ透光性の表皮材とを含む中間製品を準備する工程と、
前記中間製品の前記第1開口を介して遮光材を印刷することにより、前記第2開口内の前記クッション材の端面に第1遮光層を形成するとともに、前記第2開口に対応する前記表皮材の裏面に光を透過する透光窓を有する第2遮光層を形成する工程と、
を含む内装部材の製造方法。
【請求項5】
前記中間製品を準備する工程では、
前記クッション材と、前記クッション材の表面に配された前記表皮材とを含む積層材を準備し、
前記基材の表面に、前記第1開口を覆い且つ前記クッション材が前記基材に面するように前記積層材を固定し、
前記クッション材のうち前記第1開口により露出した部分を除去することにより、前記クッション材に前記第1開口に重なる前記第2開口を形成すること、
を含む請求項4に記載の内装部材の製造方法。
【請求項6】
前記中間製品を準備する工程では、
予め前記第2開口が形成された前記クッション材と、前記表皮材とをそれぞれ準備し、
前記第2開口が前記第1開口に重なるように、前記基材の表面に前記クッション材を固定し、
前記第2開口を塞ぐように、前記クッション材の表面に前記表皮材を固定すること、
を含む請求項4に記載の内装部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内装部材および内装部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内装部材は、車両、船舶、航空機、建築物、その他の内部空間に設置される。近年、光源を内蔵し、光により意匠を表現する内装部材が提案されている。例えば、1または複数のスイッチ類を内蔵し、各スイッチ類の種類または機能を示す意匠(例えば、形状、模様、文字)を光により表現する内装部材が提案されている。
【0003】
特許文献1~2は、スイッチ類の機能を示す意匠を光で表現する内装部材を開示している。この内装部材は、表皮材と、表皮材の裏面側に配置されたスイッチ類と、表皮材の裏面側に配置されて表皮材のスイッチ類に対応するスイッチ領域に光を照射する光源とを備える。表皮材のスイッチ領域は、特定の形状で光を透過するように形成されている。光源からの光は表皮材のスイッチ領域を透過して、表皮材の表面に特定の形状の意匠を表現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-166960号公報
【特許文献2】特開2023-1972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
内装部品のうち光により意匠を表現する領域の周辺からの光の漏洩は、意匠の明瞭性を損なう原因となる。本開示は、光の漏洩を抑制可能な内装部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る内装部材は、第1開口を有する遮光性の基材と、基材の表面に配され、第1開口に重なる第2開口を有するクッション材と、クッション材の表面に配され、第2開口を塞ぐ透光性の表皮材と、第2開口内のクッション材の端面に設けられた第1遮光層と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、光の漏洩を抑制可能な内装部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】車室内に設置された内装部材を例示する図。
図2】第1実施形態に係る内装部材を示す断面図。
図3】第1実施形態に係る内装部材の製造方法を示す断面図。
図4】第2実施形態に係る内装部材を示す断面図。
図5】第3実施形態に係る内装部材の製造方法を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示すように、内装部材1は、車両Cに設置されている。本実施形態では、内装部材1は、ダッシュボードであるが、これに限らない。例えば、内装部材1は、アームレスト、ドアトリム、シート、その他の車両内の内装部材であってもよい。また、本実施形態では、内装部材1は、車両C内に設置されているが、これに限らない。例えば、内装部材1は、航空機、船舶、建築物、その他の内部空間に設置されてもよい。
【0010】
本実施形態では、内装部材1は、1または複数のスイッチ類を内蔵している。内装部材1の表面(つまり、車室側の意匠面)には、各スイッチ類の種類または機能を示す意匠を表現するスイッチ領域2が設けられている。スイッチ領域2は、対応するスイッチ類を操作するためにユーザが接触または押圧する領域である。
【0011】
スイッチ領域2には、例えば空調機を制御するためのスイッチ類であることを示すために、ファンを模した模様、「ON・OFF」の文字、「-」および「+」の記号が含まれる。また、スイッチ領域2には、遮光部分2aと透光部分2bとが含まれる。透光部分2bは、内装部材1の裏面側に配置された光源20(図2参照)からの光を透過する部分であり、遮光部分2aは、該光を透光部分2bよりも透過しない、又は全く透過しない部分である。本実施形態では、遮光部分2a内に設けられた透光部分2bにより、上記の模様等が形成されている。内装部材1では、裏面側に配置された光源20が点灯すると、透光部分2bを通過した光により、特定の意匠が内装部材1の表面に表現される。一方、光源20が消灯すると、透光部分2bが遮光部分2aと区別できない程度に暗くなってもよい。本実施形態では、内装部材1の表面に、スイッチ類の種類または機能を示す意匠が表現されるが、これに限らない。内装部材1の表面に、スイッチ類とは無関係の、内装部材1の外観を装飾する意匠が表現されてもよい。
【0012】
図2は、スイッチ領域2における内装部材1の断面図である。図2に示すように、内装部材1は、基材11と、基材11の表面11bに配されたクッション材12と、クッション材12の表面12bに配された表皮材13とを備える。基材11は、第1開口11aを有する。クッション材12は、基材11とクッション材12との積層方向において第1開口11aに重なる第2開口12aを有する。表皮材13は、該積層方向において第2開口12aを塞いでいる。本実施形態では、第1開口11aと第2開口12aとの積層部分が、上述のスイッチ領域2に相当する。
【0013】
基材11は、クッション材12および表皮材13を支持し、内装部材1の形状を維持するための骨格構造として機能する。基材11は、例えば、ダッシュボードとして適用可能な形状を有する。
【0014】
基材11は、遮光性を有する樹脂で形成された樹脂成形部材である。遮光性を有する樹脂は、その樹脂自体が遮光性を示す樹脂でもよく、その樹脂自体に遮光性がなくても黒色顔料を含有することにより遮光性を示す樹脂でもよい。樹脂は、例えば、ABS樹脂、ポリプロピレン(PP;polypropylene)、ポリエチレン(PE;polyethylene)、アクリル樹脂(acrylic resin)、ポリカーボネート(PC;polycarbonate)樹脂、ポリアミド(polyamide)、ポリエチレンテレフタレート(PET;polyethylene terephthalate)、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE;modified-Polyphenyleneether)である。
【0015】
クッション材12は、基材11の表面11bに接着されている。クッション材12は、内装部材1に柔軟な質感を持たせる。クッション材12は、例えば、1mm以上5mm以下の厚みを有する。
【0016】
クッション材12は、例えば、薄板状の軟質ポリウレタンフォームである。クッション材12は、例えば、次のように形成される。まず、ポリオール、ポリイソシアネート、触媒、および、整泡剤を含む原料混合物が準備される。原料混合物は、離型紙の上に流し込まれ、加熱炉を通り、発泡硬化し、ブロック状のポリウレタンフォームとなる。このブロック状のポリウレタンフォームがスライスされて、薄板状のポリウレタンフォームとなる。
【0017】
表皮材13は、クッション材12の表面12bに接着剤またはフレームラミネートにより接着されている。表皮材13は、内装部材1に所望の外観および質感を持たせる。表皮材13は、例えば、0.3mm以上3mm以下の厚みを有する。
【0018】
表皮材13は、透光性を有するシート材から形成されている。シート材は、例えば、樹脂シートまたは繊維材である。樹脂シートは、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC;Polyvinyl Chloride)、ポリウレタン樹脂(PU;Polyurethane)から形成される。繊維材は、編物、織物、不織布、その他のファブリックを含む。
【0019】
本実施形態では、内装部材1は、さらに、透光性基材17と、透光性タッチセンサ18と、光源20が実装された回路基板19とを備える。
【0020】
透光性基材17は、例えば、透光性を有する樹脂で形成された樹脂成形部材である。樹脂は、例えば、ABS樹脂、ポリプロピレン(PP;polypropylene)、ポリエチレン(PE;polyethylene)、アクリル樹脂(acrylic resin)、ポリカーボネート(PC;polycarbonate)樹脂、ポリアミド(polyamide)、ポリエチレンテレフタレート(PET;polyethylene terephthalate)である。
【0021】
透光性基材17は、ビスなどの取付部材23により基材11の裏面11cに取り付けられている。透光性基材17は、第1開口11aに挿入される凸部17aを有している。凸部17aの高さは、基材11の厚みと等しい。本実施形態では、凸部17aは第1開口11aを埋めている。凸部17aは、ユーザによるスイッチ領域2の過剰な押圧により、表皮材13の損傷、透光性タッチセンサ18の損傷および光源20の損傷を抑制する。
【0022】
凸部17aの外面17bには、第2開口12aに挿入されるクッション材22が接着されている。クッション材22の厚みは、クッション材12の厚みと等しいか、クッション材12よりも0.5mm程度薄く形成されている。本実施形態では、クッション材22は第2開口12aを埋めている。クッション材22は、スイッチ領域2を押圧するユーザに対して柔軟な質感を与える。
【0023】
クッション材22は、例えば、薄板状の軟質ポリウレタンフォームである。また、クッション材22は、シリコンゴム、又は繊維帯であってもよい。
【0024】
透光性タッチセンサ18は、例えば、静電容量方式のタッチセンサを実装した透光性フレキシブル回路基板である。透光性タッチセンサ18は、凸部17aの内面17cに取り付けられている。透光性タッチセンサ18は、ユーザがスイッチ領域2に触れたことを感知して信号を生成し、生成された信号を外部のコントローラに送信する。
【0025】
光源20は、LED、レーザ、白熱電球、蛍光灯、その他の光源である。回路基板19は、光源20が凸部17aの内部に配置された状態で、ビスなどの取付部材24により透光性基材17の裏面17dに取り付けられている。
【0026】
本実施形態では、内装部材1は、さらに、第2開口12a内のクッション材12の端面12dに設けられた第1遮光層14を有する。クッション材12の端面12dは、第2開口12aを囲う内周面である。
【0027】
本実施形態では、内装部材1は、クッション材12と表皮材13の間に遮光層を有さない。仮にクッション材12がその端面12dで光源20からの光を受けると、その光はクッション材12と表皮材13とを介して、スイッチ領域2の周辺から内装部材1の外部に漏洩し得る。第1遮光層14は、クッション材12がその端面12dで光を受けることを防止し、その結果、スイッチ領域2の周辺からの光の漏洩を防止する。
【0028】
第1遮光層14は、例えば、0.02mm以下の厚みを有し、好ましくは5μm以上10μm以下の厚みを有する。第1遮光層14は、クッション材12の表面12bからクッション材12の裏面12cまでの端面12dの全域にわたり連続的に形成されていてもよく、断続的に形成されていてもよい。本実施形態では、第1遮光層14は、クッション材12の表面12bからクッション材12の裏面12cまでの端面12dの全域にわたり連続的に形成されている。
【0029】
第1遮光層14は、例えば、カーボンブラック、鉄黒、その他の黒色顔料を含有する樹脂から形成されている。この樹脂は、例えば、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂である。
【0030】
本実施形態では、内装部材1は、さらに、クッション材12の第2開口12aに対応する表皮材13の裏面13cに設けられた第2遮光層15を有する。第2遮光層15は、光を透過する透光窓15aを有する。上述のスイッチ領域2において、透光窓15aは透光部分2bに対応し、第2遮光層15は遮光部分2aに対応する。透光窓15aは、単なる第2遮光層15に形成された孔でもよく、第2遮光層15に形成された孔に透光性素材が充填されていてもよい。
【0031】
第2遮光層15は、例えば、カーボンブラック、鉄黒、その他の黒色顔料を含有する樹脂から形成されている。この樹脂は、例えば、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂である。
【0032】
第2遮光層15は、第1遮光層14と同じ材料により形成されてもよく、異なる材料により形成されてもよい。本実施形態では、第2遮光層15は、第1遮光層14と同じ材料により形成されている。第2遮光層15が第1遮光層14と同じ材料により形成されているので、第1遮光層14と同じ遮光性能を発揮できる。
【0033】
第2遮光層15は、例えば、0.02mm以下の厚みを有し、好ましくは5μm以上10μm以下の厚みを有する。第2遮光層15は、第1遮光層14と同じ厚みを有してもよく、異なる厚みを有してもよい。本実施形態では、第2遮光層15は、第1遮光層14と同じ厚みを有する。第2遮光層15が第1遮光層14と同じ厚みを有するので、第1遮光層14と同じ遮光性能を発揮できる。
【0034】
第2遮光層15は、第1遮光層14と連結されていてもよく、第1遮光層14から分離されていてもよい。本実施形態では、第2遮光層15は、第2開口12aの全周にわたり第1遮光層14と連結されている。第2遮光層15が第1遮光層14と第2開口12aの全周にわたり連結されているので、第2遮光層15と第1遮光層14との境界からの光の漏洩を防止できる。
【0035】
第2開口12aは、第1開口11aと同じ大きさでもよく、第1開口11aよりも小さくてもよい。本実施形態では、第2開口12aは、第11aよりも小さい。本実施形態では、内装部材1は、さらに、第1開口11aに対応するクッション材12の裏面12cに設けられた第3遮光層16を備えている。
【0036】
第3遮光層16は、例えば、カーボンブラック、鉄黒、その他の黒色顔料を含有する樹脂から形成されている。この樹脂は、例えば、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂である。
【0037】
第3遮光層16は、第1遮光層14と同じ材料により形成されてもよく、異なる材料により形成されてもよい。本実施形態では、第3遮光層16は、第1遮光層14と同じ材料により形成されている。第3遮光層16が第1遮光層14と同じ材料により形成されているので、第1遮光層14と同じ遮光性能を発揮できる。
【0038】
第3遮光層16は、例えば、0.02mm以下の厚みを有し、好ましくは5μm以上10μm以下の厚みを有する。第3遮光層16は、第1遮光層14と同じ厚みを有してもよく、異なる厚みを有してもよい。本実施形態では、第3遮光層16は、第1遮光層14と同じ厚みを有する。第3遮光層16が第1遮光層14と同じ厚みを有するので、第1遮光層14と同じ遮光性能を発揮できる。
【0039】
第3遮光層16は、第1遮光層14と連結されていてもよく、第1開口11aから分離されていてもよい。本実施形態では、第3遮光層16は、第1開口11aの全周にわたり第1遮光層14と連結されている。第3遮光層16が第1遮光層14と第1開口11aの全周にわたり連結されているので、第3遮光層16と第1遮光層14との境界からの光の漏洩を防止できる。
【0040】
第3遮光層16は、第1開口11aに対応するクッション材12の裏面12cの全領域に設けられてもよく、一部領域に設けられてもよい。本実施形態では、第3遮光層16は、第1開口11aに対応するクッション材12の裏面12cの一部領域に設けられている。具体的には、図2に示すように、第3遮光層16は、基材11の端面11dとの間に隙間を有する。光源20が指向性のある配光特性を有する場合、この隙間に到達する光の量が少ないので、隙間から漏洩する光による悪影響を無視できる。
【0041】
次に、図3に移り、内装部材1の製造方法を説明する。
【0042】
図3の(a)に示すように、基材11および積層材21が準備される。基材11には、第1開口11aが形成されている。積層材21は、クッション材12と、クッション材12の表面に配された表皮材13とを含む。この時点では、クッション材12には、第2開口12aが形成されていない。
【0043】
次に、図3の(b)に示すように、積層材21が、第1開口11aを覆い且つクッション材12が基材11に面するように基材11の表面11bに固定される。積層材21は、例えば、接着剤により基材11に固定される。これにより、クッション材12の一部が、基材11の第1開口11aから露出する。このクッション材12の第1開口11aから露出した部分が除去される。本実施形態では、クッション材12は、ミル32により除去される。具体的には、ミル32は、基材11の裏面11c側から第1開口11a内に挿入される。ミル32は、基材11の第1開口11aをガイドとして動かされ、クッション材12を部分的に除去する。ただし、クッション材12は、これに限らず、その他の機械的または化学的方法により除去されてもよい。これにより、クッション材12に第1開口11aに重なる第2開口12aが形成される。
【0044】
このようにして、図3の(c)に示すように、中間製品25が準備される。中間製品25は、基材11と、基材11の表面11bに配されたクッション材12と、クッション材12の表面12bに配された表皮材13とを含む。基材11は、第1開口11aを有する。クッション材12は、第1開口11aに重なる第2開口12aを有する。表皮材13は、第2開口12aを塞いでいる。
【0045】
次に、図3の(d)に示すように、中間製品25に第1開口11aを介して遮光材が印刷されることにより、第1遮光層14、第2遮光層15および第3遮光層16が形成される。本実施形態では、第1遮光層14、第2遮光層15および第3遮光層16は、同じ材料で同時に形成される。印刷の方法は、例えば、パッド印刷、シルクスクリーン法またはインクジェット法である。遮光材は、黒色顔料、樹脂、溶媒、その他の適切な液体を含むインクであってもよい。このようにして、内装部材1が形成される。
【0046】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の変形例は必要に応じて任意に組合せ可能である。
【0047】
上記実施形態では、内装部材1は、第1遮光層14、第2遮光層15および第3遮光層16を備えているが、これに限らない。例えば、図4に示すように、内装部材1は、第1遮光層14を備える一方で、第2遮光層15を備えなくてもよい。例えば、第2開口12aの形状自体が光により表現される意匠の形状に合致する場合、第2遮光層15は不要となる。また、図4に示すように、第1遮光層14を備える一方で、第3遮光層16を備えなくてもよい。例えば、第2開口12aが第1開口11aと同じ大きさで第1開口11aと整列している場合、第3遮光層16は不要となる。
【0048】
上記実施形態では、光源20の光は、第2遮光層15の透光窓15aをそのまま透過するが、これに限らない。例えば、内装部材1は、さらに、第2遮光層15に積層されたカラーフィルタ層を備えてもよい。光源20の光は、カラーフィルタ層によりフィルタリングされて、所望の色の光となって透光窓15aを透過する。
【0049】
上記実施形態では、クッション材12の第2開口12aは、クッション材12が基材11に固定された後で形成されているが、これに限らない。第2開口12aは、クッション材12が基材11に固定される前に形成されていてもよい。例えば、図5の(a)に示すように、基材11、クッション材12および表皮材13がそれぞれ準備される。この時点でクッション材12は、第2開口12aを有している。第2開口12aは、例えば、ダイカットにより形成される。次に、図5(b)に示すように、第2開口12aが第1開口11aに重なるように、クッション材12が基材11の表面11bに固定される。次に、図5(c)に示すように、表皮材13が、第2開口12aを塞ぐようにクッション材12の表面12bに固定される。これにより、中間製品25が得られる。
【符号の説明】
【0050】
11 基材
12 クッション材
13 表皮材
14 第1遮光層
15 第2遮光層
16 第3遮光層
図1
図2
図3
図4
図5