(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005497
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/474 20210101AFI20250109BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20250109BHJP
H01M 50/531 20210101ALI20250109BHJP
H01M 50/489 20210101ALI20250109BHJP
【FI】
H01M50/474
H01M50/548 101
H01M50/531
H01M50/489
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105674
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石塚 正浩
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康介
(72)【発明者】
【氏名】森 秀人
(72)【発明者】
【氏名】立石 満
(72)【発明者】
【氏名】石川 真也
(72)【発明者】
【氏名】樽谷 真理
(72)【発明者】
【氏名】木村 健太
【テーマコード(参考)】
5H021
5H043
【Fターム(参考)】
5H021EE03
5H021EE04
5H043AA02
5H043AA13
5H043CA04
5H043HA02E
(57)【要約】
【課題】集電タブへの外力の影響を抑制可能な二次電池を提供する。
【解決手段】
二次電池10は、電極体100と、筒状部材210と、一対の封口体510,610と、第1外部端子520と、第2外部端子620と、筒状部材210の内部に配置されたスペーサ40とを備え、電極体100は、筒軸方向と平行な平行方向の一方側に位置する第1端部101および平行方向の他方側に位置する第2端部102とを有し、第1端部101には、第1外部端子520に電気的に接続された1つ以上の第1集電タブが設けられており、第2端部102には、第2外部端子620に電気的に接続された1つ以上の第2集電タブが設けられており、スペーサ40は、一方の封口体510と第1端部101との間に設けられた第1部材41と、他方の封口体520と第2端部102との間に設けられた第2部材42とを含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極体と、
前記電極体を収容するための筒状部材と、
前記筒状部材の筒軸方向の両側に設けられた一対の開口部を閉塞する一対の封口体と、
前記一対の封口体のうち一方の封口体に設けられた第1外部端子と、
前記一対の封口体のうち他方の封口体に設けられた第2外部端子と、
前記筒状部材の内部に配置されたスペーサと、を備え、
前記電極体は、前記筒軸方向と平行な平行方向の一方側に位置する第1端部および前記平行方向の他方側に位置する第2端部とを有し、
前記第1端部には、前記第1外部端子に電気的に接続された1つ以上の第1集電タブが設けられており、
前記第2端部には、前記第2外部端子に電気的に接続された1つ以上の第2集電タブが設けられており、
前記スペーサは、前記一方の封口体と前記第1端部との間に設けられた第1部材と、前記他方の封口体と前記第2端部との間に設けられた第2部材と、を含む、二次電池。
【請求項2】
前記スペーサは、弾性を有している、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記平行方向に前記第1端部と向かい合う第1対向部を含み、前記第1外部端子と接続された第1導通部材と、
前記平行方向に前記第2端部と向かい合う第2対向部を含み、前記第2外部端子と接続された第2導通部材と、をさらに備え、
前記1つ以上の第1集電タブは、第1の隙間をあけて前記平行方向に向かい合う部分を含むように前記平行方向と交差する交差方向に折り返された状態で、先端部側が前記第1対向部に接続されており、
前記1つ以上の第2集電タブは、第2の隙間をあけて前記平行方向に向かい合う部分を含むように前記交差方向に折り返された状態で、先端部側が前記第2対向部に接続されており、
前記第1部材は、前記第1の隙間に配置されており、
前記第2部材は、前記第2の隙間に配置されている、請求項1または2に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、二次電池に関し、特に、車両に搭載される二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の二次電池として、特開2021-044082号公報(特許文献1)には、電極体の上端部に集電タブが設けられた電極体をケース内に収容し、電極体とケースとの間に衝撃吸収部材を配置する構成が開示されている。ケースは、上方に向けた開口する本体部と、当該本体部の開口を閉塞する封口体とによって構成されている。衝撃吸収部材は、上方に向けて開口する有底筒状の袋状に形成されており、上下方向に平行な軸回りに電極体を囲むように設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、二次電池においては、低背化および高容量化が求められている。このような要求を実現するために、電極体の高さを低くし横長にすることが考えられる。このような場合に、横方向の両側が開口する筒状部材内に電極体を収容し、横方向の両側に設けられた筒状部材の開口部を外部端子が設けられた一対の封口体で塞ぐ構成が考えられる。
【0005】
二次電池を車両等に搭載した場合には、車両の振動等によって電極体が横方向(筒状部材の筒軸方向)に移動することがある。このような場合に何ら手立てがない場合には、電極体の移動方向と反対側に位置する集電タブが引っ張られてしまう。これにより、集電タブが破損したり、集電タブと外部端子との電気的接続が外れてしまったりすることが起こり得る。
【0006】
本開示は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的は、集電タブへの外力の影響を抑制可能な二次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に基づく二次電池は、電極体と、上記電極体を収容する筒状部材と、上記筒状部材の筒軸方向の両側に設けられた一対の開口部を閉塞する一対の封口体と、上記一対の封口体のうち一方の封口体に設けられた第1外部端子と、上記一対の封口体のうち他方の封口体に設けられた第2外部端子と、上記筒状部材の内部に配置されたスペーサと、を備える。上記電極体は、上記筒軸方向と平行な平行方向の一方側に位置する第1端部および上記平行方向の他方側に位置する第2端部とを有する。上記第1端部には、上記第1外部端子に電気的に接続された1つ以上の第1集電タブが設けられている。上記第2端部には、上記第2外部端子に電気的に接続された1つ以上の第2集電タブが設けられている。上記スペーサは、上記一方の封口体と上記第1端部との間に設けられた第1部材と、上記他方の封口体と上記第2端部との間に設けられた第2部材と、を含む。
【0008】
上記構成によれば、電極体の両端部と一対の封口体との間にスペーサが配置されている。これにより、スペーサによって、筒軸方向に平行な方向に移動させる外力に対して、反対方向に抗力を作用させることができる。これにより、電極体の移動を抑制し、電極体の移動に伴って第1集電タブおよび第2集電タブの一方が引っ張られることを抑制できる。この結果、振動等による集電タブへの外力の影響を抑制できる。
【0009】
上記本開示に基づく二次電池にあっては、上記スペーサは、弾性を有していてもよい。
上記構成によれば、抗力に加えて弾性力を電極体に付与することができる。これにより、電極体の移動をさらに抑制し、振動等による集電タブへの外力の影響をさらに抑制できる。
【0010】
上記本開示に基づく二次電池にあっては、上記平行方向に上記第1端部と向かい合う第1対向部を含み、上記第1外部端子と接続された第1導通部材と、上記平行方向に上記第2端部と向かい合う第2対向部を含み、上記第2外部端子と接続された第2導通部材と、をさらに備えていてもよい。上記1つ以上の第1集電タブは、第1の隙間をあけて上記平行方向に向かい合う部分を含むように上記平行方向と交差する交差方向に折り返された状態で、先端部側が上記第1対向部に接続されていてもよい。上記1つ以上の第2集電タブは、第2の隙間をあけて上記平行方向に向かい合う部分を含むように上記交差方向に折り返された状態で、先端部側が上記第2対向部に接続されていてもよい。上記第1部材は、上記第1の隙間に配置されていてもよい。上記第2部材は、上記第2の隙間に配置されていてもよい。
【0011】
上記構成によれば、筒軸方向に平行な平行方向への電極体の移動に伴い、第1集電タブおよび第2集電タブの一方側に電極体の移動方向に引張力が作用する場合に、上記スペーサによって当該引張力に対する抗力を、第1集電タブと第1対向部との接続部、または、第2集電タブと第2対向部との接続部に作用させることができる。これにより、より好適に振動等による集電タブへの外力の影響を抑制できる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、集電タブへの外力の影響を抑制可能な二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】実施の形態に係る二次電池の分解斜視図である。
【
図3】
図1に示すIII-III線に沿った二次電池の断面図である。
【
図4】
図1に示すIV-IV線に沿った二次電池の断面図である。
【
図5】
図3に示すV-V線に沿った二次電池の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0015】
図1は、実施の形態に係る二次電池の斜視図である。
図2は、実施の形態に係る二次電池の分解斜視図である。
図3は、
図1に示すIII-III線に沿った二次電池の断面図である。
図1から
図3を参照して、実施の形態に係る二次電池10について説明する。
【0016】
図1から
図3に示すように、実施の形態1に係る二次電池10は、電極体100と、筐体200と、一方の外部端子としての負極部材520と、他方の外部端子としての正極部材620と、スペーサ40と、を備える。
【0017】
電極体100は、筐体200の幅方向Wの一方側に位置する第1端部101、および幅方向Wの他方側に位置する第2端部102を有する。幅方向Wは、後述する筒状部材210の筒軸方向と平行な方向である。第1端部101には、1つ以上の第1集電タブとして、複数の負極タブ110Nが設けられている。第2端部102には、1つ以上の第2集電タブとして、複数の正極タブ110Pが設けられている。なお、負極タブ110Nおよび正極タブ110Pは、単数であってもよい。電極体100の詳細な構成については、
図4を用いて後述する。
【0018】
筐体200は、厚さ方向Tにおける厚さが、幅方向Wにおける幅および高さ方向Hにおける高さよりも小さい直方体形状を有する。厚さ方向Tは、後述する正極110(
図4参照)および負極120(
図4参照)が並んで配置される並列方向と平行である。幅方向Wは、厚さ方向Tに直交している。高さ方向Hは、厚さ方向Tおよび高さ方向Hに直交している。幅方向Wにおける筐体200の幅は、高さ方向Hにおける筐体200の高さよりも大きい。
【0019】
筐体200は、内部に電極体100および電解液(不図示)を収容する。筐体200は、電極体100を収容するための筒状部材210、一対の封口体としての第1封口体510および第2封口体610を含む。
【0020】
筒状部材210においては、筒軸方向の両側に設けられた一対の開口部が設けられている。一対の開口部は、第1開口部215および第2開口部216を含む。第1開口部215は、幅方向Wの一方側に設けられており、第2開口部216は、幅方向Wの他方側に設けられている。筒状部材210は、アルミニウム等の金属によって構成されている。
【0021】
筒状部材210の内部にはスペーサ40が配置される。スペーサ40は、たとえば、絶縁部材によって構成されている。スペーサ40は、弾性を有していてもよい。スペーサ40は、後述する第1部材41および第2部材42を含む。スペーサ40(第1部材41および第2部材42の各々)は、ポリエチレンやポリプロピレンの発泡体、スチレンゴム、エチレン―プロピレンゴム等によって構成されていてもよい。第1部材41および第2部材42は、たとえば、板バネ形状を有していてもよい。
【0022】
第1封口体510は、第1開口部215を閉塞する。第1封口体510は、平板形状を有する。第1封口体510は、アルミニウム等の金属によって構成されている。第1封口体510は、たとえばレーザ溶接等によって第1開口部215に固定されている。
【0023】
第2封口体610は、第2開口部216を閉塞する。第2封口体610は、平板形状を有する。第2封口体610は、アルミニウム等の金属によって構成されている。第2封口体610は、たとえばレーザ溶接等によって第2開口部216に固定されている。
【0024】
第1封口体510および第2封口体610の各々には、圧力開放弁222、注液口224が設けられている。圧力開放弁222は、筐体200の内圧が所定圧以上となると破断するように設けられている。圧力開放弁222が破断することで、筐体200内のガスが筐体200外に排出されるため、筐体200内の内圧が低下する。
【0025】
注液口224は、封止部材225によって封止されている。注液口224は、二次電池10の製造過程において筐体200内に電解液を注入するための貫通孔である。注液口224は、封止部材225によって封止されている。封止部材225は、筐体200内への電解液の注入後に注液口224を封止する部材である。封止部材225としては、たとえば、液体を透過させずに気体を透過させる通気膜であってもよい。この場合には、充電時に発生するガスを筐体200外部に排出する際に、通気膜を介してガスを排出することができる。これより、別途ガス抜き口を設ける手間が省ける。加えて、通気膜によって電解液が筐体200外部に漏出することを抑制できる。なお、封止部材225は、通気膜に限定されず、樹脂部材、金属部材等を適宜採用することができる。
【0026】
第1封口体510には負極部材520が設けられており、第2封口体610には、正極部材620が設けられている。
【0027】
負極部材520は、第1封口体510の外表面に設けられている。負極部材520は、負極端子として機能する。負極部材520は、負極端子板521および絶縁プレート522とを有する。
【0028】
負極端子板521は、略直方体形状に形成されている。負極端子板521は、絶縁プレート522によって保持されている。絶縁プレート522は、第1封口体510の外表面に固定されている。絶縁プレート522は、第1封口体510と負極端子板521との間を絶縁している。負極端子板521および絶縁プレート522の各々には、後述する第1連結部532を挿通させるための貫通孔が設けられている。
【0029】
正極部材620は、第2封口体610の外表面に設けられている。正極部材620は、正極端子として機能する。正極部材620は、正極端子板621および端子ブロック622とを有する。
【0030】
正極端子板621は、直方体形状に形成されている。正極端子板621は、アルミニウム等の金属によって構成されている。
【0031】
端子ブロック622は、直方体形状に形成されている。端子ブロック622は、正極端子板621を構成する金属とは異なる金属(鉄など)によって構成されている。端子ブロック622は、第2封口体610の外表面に溶接等によって固定されている。当該端子ブロック622に正極端子板621が溶接等によって固定されている。筒状部材210および第2封口体610は、端子ブロック622を介して正極端子板621に電気的に接続されており、正極端子板621と同じ極性に帯電している。正極端子板621および端子ブロック622の各々には、後述する第2連結部632を挿通させるための貫通孔が形成されている。
【0032】
なお、正極部材620は、第2封口体610との間に絶縁プレートが配置され、正極部材620と第2封口体610とが電気的に絶縁されていてもよい。この場合には、端子ブロック622に替えて絶縁プレートを配置してもよいし、端子ブロック622と第2封口体610との間に絶縁プレートを配置してもよい。
【0033】
二次電池10は、負極部材520側において、第1導通部材530、インシュレータ560をさらに備える。
【0034】
第1導通部材530は、複数の負極タブ110Nと負極端子板521とを連結する。複数の負極タブ110Nは、超音波溶接等によって、束ねられた状態で第1導通部材530に接続されている。第1導通部材530は、たとえば、第1対向部531と、第1連結部532とを有する。第1対向部531は、板状形状を有する。第1対向部531は、第1封口体510の内表面と略平行である。第1対向部531は、上記幅方向Wに電極体100の第1端部101と向かい合う。第1連結部532は、第1方向と平行な方向に沿って延在する。第1連結部532は、たとえば、円柱形状を有する。第1連結部532の先端部は、第1封口体510、絶縁プレート522および負極端子板521を貫通し、負極端子板521にかしめられている。
【0035】
インシュレータ560は、第1対向部531と第1封口体510との間に配置されており、第1対向部531と第1封口体510と絶縁している。インシュレータ560は、第1連結部532の基端側の周囲を覆う部分と、第1対向部531と第1封口体510の内表面との間に位置する部分とを含む。
【0036】
上記の負極部材520、第1封口体510、第1導通部材530およびインシュレータ560は、組み付けられて第1蓋アセンブリ50を構成している。
【0037】
第1蓋アセンブリ50は、複数の負極タブ110Nと第1導通部材530とが溶接等で固定された状態で第1封口体510が第1開口部215に取り付けられることにより、筒状部材210に固定される。
【0038】
二次電池10は、正極部材620側において、第2導通部材630およびインシュレータ660をさらに備える。
【0039】
第2導通部材630は、複数の正極タブ110Pと正極端子板621とを連結する。複数の正極タブ110Pは、超音波溶接等によって、束ねられた状態で第2導通部材630に接続されている。第2導通部材630は、第2対向部631と第2連結部632とを含む。第2対向部631は板状形状を有する。第2対向部631は、第2封口体610の内表面と略平行である。第2対向部631は、上記幅方向Wに電極体100の第2端部102と向かい合う。第2連結部632は、第1方向と平行な方向に沿って延在する。第2連結部632は、たとえば、円柱形状を有する。第2連結部632の先端部は、第2封口体610、端子ブロック622および正極端子板621を貫通し、正極端子板621にかしめられている。
【0040】
インシュレータ660は、第2対向部631と第2封口体610との間に配置されており、第2対向部631と第2封口体610と絶縁している。インシュレータ660は、第2連結部632の基端側の周囲を覆う部分と、第2対向部631と第2封口体610の内表面との間に位置する部分とを含む。
【0041】
上記の正極部材620、第2封口体610、第2導通部材630およびインシュレータ660は、組み付けられて第2蓋アセンブリ60を構成している。
【0042】
第2蓋アセンブリ60は、複数の正極タブ110Pと第2導通部材630とが溶接等で固定された状態で第2封口体610が第2開口部216に取り付けられることにより、筒状部材210に固定される。
【0043】
図4は、
図1に示すIV-IV線に沿った二次電池の断面図である。
図4を参照して、二次電池の電極体の詳細な構成について説明する。なお、
図4においては、便宜上、二次電池10の筐体200を省略し、電極体100のみを示している。
図4を参照して、電極体100の詳細について説明する。
【0044】
図4に示すように、電極体100は、複数の正極110および複数の負極120と、セパレータ130とを備えている。複数の正極110および複数の負極120は、セパレータ130によって絶縁された状態で厚さ方向Tに交互に並ぶように配置されている。
【0045】
各負極120は、幅方向Wを長手とし、高さ方向Hを短手とする長方形形状に形成されている。各負極120は、負極集電箔122と、負極集電箔122の両面に設けられた負極活物質層124と、を有している。
図4に示すように、負極集電箔122は、負極活物質層124が設けられていない負極タブ110Nを有している。負極タブ110Nは、幅方向Wにおける一方側に向かって突出している。
【0046】
各正極110は、幅方向Wを長手とし、高さ方向Hを短手とする長方形形状に形成されている。各正極110は、正極集電箔112と、厚さ方向Tにおける正極集電箔112の両面に設けられた正極活物質層114と、を有している。正極集電箔112は、正極活物質層114が設けられていない正極タブ110Pを有している。正極タブ110Pは、幅方向Wの他方側に向けて向かって突出している。
【0047】
セパレータ130は、正極110および負極120間を絶縁している。セパレータ130は、絶縁材料からなり、イオンの透過を許容する微小な空隙を有している。セパレータ130は、つづら折り状に形成されている。
【0048】
セパレータ130は、つづら折り状に形成される前の状態では長方形形状を呈している。セパレータ130は、正極110および負極120間につづら折り状に形成されながら配置される。セパレータ130は、複数の介在部132aと、複数の第1折返し部132bと、複数の第2折返し部132cと、最外被覆部132dと、を有している。
【0049】
各介在部132aは、厚さ方向Tに互いに隣り合う正極110および負極120間に介在している。つまり、各介在部132aは、正極110および負極120間を絶縁する機能を有している。各介在部132aは、矩形状の領域で構成されている。
【0050】
各第1折返し部132bは、正極110が間に位置するように厚さ方向Tに互いに隣り合う介在部132aの高さ方向Hの一方側端部同士を連結している。第1折返し部132bは、正極110の高さ方向Hの一方側(上方)に配置されている。
【0051】
各第2折返し部132cは、負極120が間に位置するように厚さ方向Tに互いに隣り合う介在部132aの高さ方向Hの他方側端部同士を連結している。第2折返し部132cは、負極120の高さ方向Hの他方側(下方)に配置されている。
【0052】
最外被覆部132dは、各第1折返し部132bおよび各第2折返し部132cをまとめて被覆している。より詳細には、最外被覆部132dは、全ての正極110、全ての負極120、全ての介在部132a、全ての第1折返し部132bおよび全ての第2折返し部132cを、幅方向Wと平行な中心軸まわりに巻回しながらまとめて被覆している。最外被覆部132dの終端132eは、厚さ方向Tに正極活物質層114および負極活物質層124と重ならない範囲に設定されている。本実施形態では、最外被覆部132dの終端132eは、各正極110,各負極120よりも下方に設けられている。なお、複数の正極110、複数の負極120、およびセパレータ130の周面と底面には、絶縁フィルム(不図示)が被覆されていてもよい。
【0053】
図5は、
図3に示すV-V線に沿った二次電池の断面図である。
図5を参照して、スペーサ40を構成する第1部材41および第2部材42、ならびに複数の負極タブ110Nおよび複数の正極タブ110Pの接続態様の詳細について説明する。
【0054】
複数の負極タブ110Nは、第1の隙間G1をあけて幅方向Wに向かい合う部分を含むように幅方向Wと交差する方向に折り返された状態で、先端部側が第1対向部531に接続されている。なお、負極タブ110Nの先端部側とは、第1端部101が位置する側とは反対側である。複数の負極タブ110Nは、略U字状に折り返されている。
【0055】
複数の正極タブ110Pは、第2の隙間G2をあけて幅方向Wに向かい合う部分を含むように幅方向Wと交差する方向に折り返された状態で、先端部側が第2対向部631に接続されている。正極タブ110Pの先端部側とは、第2端部102が位置する側とは反対側である。複数の正極タブ110Pは、略U字状に折り返されている。
【0056】
第1部材41は、第1封口体510と電極体100の第1端部101との間に配置されている。具体的には、上記第1の隙間G1に配置されている。第2部材42は、第2封口体610と電極体100の第2端部102との間に配置されている。具体的には、上記第2の隙間G2に配置されている。
【0057】
以上のように、スペーサ40として第1部材41および第2部材42が設けられていることにより、振動等により電極体100に筒軸方向に平行な方向(幅方向W)に移動させる外力が負荷された場合に、第1部材41または第2部材42によって電極体100の移動方向と反対方向に抗力を作用させることができる。これにより、電極体100の移動を抑制し、電極体100の移動に伴って負極タブ110Nおよび正極タブ110Pの一方が引っ張られることを抑制できる。この結果、振動等による電極体100への外力の影響を抑制できる。
【0058】
さらに、第1部材41および第2部材42が弾性を有することにより、上記の抗力に加えて弾性力を電極体100に付与することができる。これにより、電極体100の移動をさらに抑制し、振動等による集電タブへの外力の影響をさらに抑制できる。
【0059】
加えて、上述のように第1の隙間G1および第2の隙間G2にそれぞれ第1部材41および第2部材42が配置されることにより、振動等によって、負極タブ110Nおよび正極タブ110Pの一方側に電極体100の移動方向に引張力が作用する場合に、第1部材41および第2部材42によって、当該引張力に対する抗力を、負極タブ110Nと第1対向部531との接続部、または、正極タブ110Pと第2対向部631との接続部に作用させることができる。これにより、より好適に振動等による集電タブへの外力の影響を抑制できる。
【0060】
以上、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0061】
10 二次電池、40 スペーサ、41 第1部材、42 第2部材、50 第1蓋アセンブリ、60 第2蓋アセンブリ、100 電極体、101 第1端部、102 第2端部、110 正極、110N 負極タブ、110P 正極タブ、112 正極集電箔、114 正極活物質層、120 負極、122 負極集電箔、124 負極活物質層、130 セパレータ、132a 介在部、132b 第1折返し部、132c 第2折返し部、132d 最外被覆部、132e 終端、200 筐体、210 筒状部材、215 第1開口部、216 第2開口部、222 圧力開放弁、224 液口、225 封止部材、510 第1封口体、520 負極部材、521 負極端子板、522 絶縁プレート、530 第1導通部材、531 第1対向部、532 第1連結部、560 インシュレータ、610 第2封口体、620 正極部材、621 正極端子板、622 端子ブロック、630 第2導通部材、631 第2対向部、632 第2連結部、660 インシュレータ、G1 第1の隙間、G2 第2の隙間、H 高さ方向、T 厚さ方向、W 幅方向。