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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005505
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】プリント基板の補強構造
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
H05K1/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105687
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】吉永 晶夫
(72)【発明者】
【氏名】▲杉▼村 央生
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA20
5E338BB72
5E338BB75
5E338EE26
5E338EE32
(57)【要約】
【課題】振動等による不都合を低減することが可能なプリント基板の補強構造を提供する。
【解決手段】プリント基板の補強構造A1は、厚さ方向zに直交する第1方向xの両端部が支持体9に固定されたプリント基板1と、プリント基板1に搭載された複数の電子部品2と、プリント基板1に搭載された補強体3と、を備える。補強体3は、厚さ方向zと、厚さ方向zおよび第1方向xに直交する第2方向yと、に所定の長さを有し、且つ第1方向xに延びている。補強体3は、プリント基板1における第1方向xの中央を跨いでその両側に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向に直交する第1方向の両端部が支持体に固定されたプリント基板と、
前記プリント基板に搭載された複数の電子部品と、
前記プリント基板に搭載された補強体と、を備え、
前記補強体は、前記厚さ方向と、前記厚さ方向および前記第1方向に直交する第2方向と、に所定の長さを有し、且つ前記第1方向に延びており、前記プリント基板における前記第1方向の中央を跨いでその両側に配置されている、プリント基板の補強構造。
【請求項2】
前記補強体は、前記プリント基板に対して前記厚さ方向の一方側に配置されており、
前記複数の電子部品は、前記プリント基板に対して前記厚さ方向において前記補強体と反対側に配置された1以上の第1部品と、前記補強体と同じ側に配置された複数の第2部品と、を含み、
前記1以上の第1部品の各々は、前記複数の第2部品の各々よりも重量が大きい、請求項1に記載のプリント基板の補強構造。
【請求項3】
前記1以上の第1部品は、前記厚さ方向に見て、前記プリント基板の前記第1方向の中央に位置し、
前記補強体は、前記厚さ方向に見て、前記1以上の第1部品の少なくともいずれかと重なる位置に実装されている、請求項2に記載のプリント基板の補強構造。
【請求項4】
前記1以上の第1部品を挟んで前記第1方向の両側に配置された複数のヒートシンクをさらに備える、請求項3に記載のプリント基板の補強構造。
【請求項5】
前記厚さ方向において前記プリント基板と前記補強体との間に介在するスペーサをさらに備え、
前記補強体は、前記プリント基板から前記厚さ方向に離隔して配置される、請求項1ないし4のいずれかに記載のプリント基板の補強構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プリント基板の補強構造に関する。
【背景技術】
【0002】
種々な電子機器に組み込まれたプリント基板には、複数の電子部品が実装されている。当該プリント基板の反り等を防止するため、プリント基板に補強用具を取り付けた構成が提案されている(たとえば特許文献1を参照)。同文献に記載された補強用具は、プリント基板の表面に固着されており、プリント基板の長手方向に沿って延びている。当該補強用具は、金属板を折り曲げて形成されたものであり、プリント基板への固着部以外の部分に適宜切欠きが設けられている。これにより、プリント基板の表面に実装された電子部品や配線パターンとの干渉を避けつつ、プリント基板を補強することができる。
【0003】
一方、プリント基板が組み込まれた機器には、振動の影響を大きく受ける場合がある。たとえば溶接用途の電源装置(溶接電源装置)等においては、溶接現場への運搬のためにトラックでの輸送が繰り返される。溶接電源装置に組み込まれたプリント基板においては、輸送時の振動によって撓みが生じ、実装部品の断線やはんだ接合部の接合不良等の不都合が生じるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-37348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、このような事情のもとで考え出されたものであって、振動等による不都合を低減することが可能なプリント基板の補強構造を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本開示では、次の技術的手段を採用した。
【0007】
本開示によって提供されるプリント基板の補強構造は、厚さ方向に直交する第1方向の両端部が支持体に固定されたプリント基板と、前記プリント基板に搭載された複数の電子部品と、前記プリント基板に搭載された補強体と、を備え、前記補強体は、前記厚さ方向と、前記厚さ方向および前記第1方向に直交する第2方向と、に所定の長さを有し、且つ前記第1方向に延びており、前記プリント基板における前記第1方向の中央を跨いでその両側に配置されている。
【0008】
好ましい実施の形態においては、前記補強体は、前記プリント基板に対して前記厚さ方向の一方側に配置されており、前記複数の電子部品は、前記プリント基板に対して前記厚さ方向において前記補強体と反対側に配置された1以上の第1部品と、前記補強体と同じ側に配置された複数の第2部品と、を含み、前記1以上の第1部品の各々は、前記複数の第2部品の各々よりも重量が大きい。
【0009】
好ましい実施の形態においては、前記1以上の第1部品は、前記厚さ方向に見て、前記プリント基板の前記第1方向の中央に位置し、前記補強体は、前記厚さ方向に見て、前記1以上の第1部品の少なくともいずれかと重なる位置に実装されている。
【0010】
好ましい実施の形態においては、前記1以上の第1部品を挟んで前記第1方向の両側に配置された複数のヒートシンクをさらに備える。
【0011】
好ましい実施の形態においては、前記厚さ方向において前記プリント基板と前記補強体との間に介在するスペーサをさらに備え、前記補強体は、前記プリント基板から前記厚さ方向に離隔して配置される。
【0012】
好ましい実施の形態においては、各々が前記複数のヒートシンクのいずれかの前記第1方向の外側に取り付けられた1以上の半導体デバイスをさらに備え、前記1以上の半導体デバイスの各々は、樹脂部と、当該樹脂部から前記厚さ方向の一方側に突出する部分を含むリードと、を有し、前記リードは、前記プリント基板にはんだ接合されている。
【0013】
好ましい実施の形態においては、前記補強体は、支持部材と、当該支持部材に支持された他の複数の電子部品と、を含んで構成される。
【発明の効果】
【0014】
本開示のプリント基板の補強構造によれば、プリント基板は、第1方向の両端固定部の間の中間部分において、撓みが生じるのを抑制することができる。これにより、輸送時の振動等による実装部品(複数の電子部品)の断線等の不都合を低減することができる。
【0015】
本開示のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示に係るプリント基板の補強構造の一例を示す斜視図である。
図2図1に示すプリント基板の補強構造の正面図である。
図3図1に示すプリント基板の補強構造の底面図である。
図4図2のIV-IV線に沿う断面図である。
図5図1のV-V線に沿う断面図である。
図6図2のVI-VI線に沿う断面図である。
図7】本開示に係るプリント基板の補強構造の変形例を示す斜視図である。
図8図7に示すプリント基板の補強構造の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の好ましい実施形態につき、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0018】
本開示における「第1」、「第2」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、必ずしもそれらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0019】
図1図6は、本開示に係るプリント基板の補強構造の一例を示している。本実施形態のプリント基板の補強構造A1は、プリント基板1、複数の電子部品2、補強体3、スペーサ4、複数のヒートシンク51,52、複数の半導体デバイス6およびシャーシ9を備えており、たとえば溶接電源装置に組み込まれている。溶接電源装置は、入力電力である交流電力を直流電力に変換して出力する。複数の電子部品2および複数の半導体デバイス6は、溶接電源装置における電力変換の役割を担う。複数の電子部品2は、たとえば電解コンデンサ、チョークコイル、トランス、リアクトルなどの受動部品を含む。複数の半導体デバイス6は、スイッチング機能を有するトランジスタ(たとえばMOSFET)を含んで構成される。
【0020】
図1図6において、本開示の厚さ方向を「厚さ方向z」と定義する。厚さ方向zに対して直交する方向(図3における上下方向、図4における左右方向)は、本開示の第1方向に相当し、「第1方向x」と呼ぶ。厚さ方向zおよび第1方向xの双方に対して直交する方向(図2図3における左右方向)は、本開示の第2方向に相当し、「第2方向y」と呼ぶ。図4において図中右側を「第1方向xのx1側」と呼び、図中左側を「第1方向xのx2側」と呼ぶ。図2図3において図中右側を「第2方向yのy1側」と呼び、図中左側を「第2方向yのy2側」と呼ぶ。また、図1図2図4図6において図中上側は本開示の「厚さ方向の一方側」に相当し、「厚さ方向zのz1側」と呼び、図中下側を「厚さ方向zのz2側」と呼ぶ。
【0021】
プリント基板1は、絶縁体の基板に配線パターンが形成されたものであり、複数の電子部品2、補強体3、および複数のヒートシンク51,52を直接的または間接的に支持している。プリント基板1は、厚さ方向zのz1側を向く表面11と、厚さ方向zのz2側を向く裏面12とを有し、厚さ方向zに見て矩形状である。本実施形態において、プリント基板1は、第2方向yを長手方向とし、第1方向xを短手方向とする長矩形状である。
【0022】
プリント基板1は、第1方向xの両端部(第1方向xのx1側およびx2側の端部)がシャーシ9に固定されている。シャーシ9は、たとえば金属板を適宜打ち抜きおよび折り曲げて形成されてものであり、プリント基板1を支持固定している。本実施形態において、プリント基板1は、ねじ部材などからなる複数の取付具91によってシャーシ9に固定されている。図示した例では、プリント基板1は、第1方向xの両端部において、第2方向yに間隔を隔てて複数ずつ(4つずつ)の取付具91によってシャーシ9に固定されている。シャーシ9は、溶接電源装置の筐体(図示せず)に固定される。これにより、プリント基板1は、第1方向xの両端部がシャーシ9を介して上記筐体に固定される。シャーシ9および上記筐体は、本開示の「支持体」の一例に相当する。
【0023】
複数の電子部品2は、プリント基板1の表面11側(厚さ方向zのz1側)または裏面12側(厚さ方向zのz2側)に搭載されている。本実施形態において、複数の電子部品2は、プリント基板1に対して厚さ方向zのz1側(厚さ方向zにおいて後述する補強体3と同じ側)に配置された複数の電子部品20と、プリント基板1に対して厚さ方向zのz2側(厚さ方向zにおいて補強体3と反対側)に配置された複数の電子部品21,22と、を含む。図示した例では、プリント基板1の厚さ方向zのz2側には、1つの電子部品21および3つの電子部品22が配置されている。図3図5に示すように、これら電子部品21,22は、厚さ方向zに見て、プリント基板1の第1方向xの中央に位置しており、第2方向yに沿って間隔を隔てて配置されている。電子部品21は、たとえばチョークコイルであり、電子部品22は、たとえば電解コンデンサである。これら電子部品21,22の各々は、複数の電子部品20の各々よりも重量が大きい。複数の電子部品21,22は、本開示の「第1部品」の一例に相当し、複数の電子部品20は、本開示の「第2部品」の一例に相当する。
【0024】
図1図2図4図5に示すように、補強体3は、プリント基板1に搭載されている。本実施形態において、補強体3は、プリント基板1に対して厚さ方向zのz1側に配置されている。補強体3は、支持基板31,32、および複数の電子部品33を含んで構成される。
【0025】
支持基板31,32は、絶縁体の基板に配線パターンが形成されたものである。支持基板31は、プリント基板1と平行に配置されており、第1方向xを長手方向とし、第2方向yを短手方向とする長矩形状である。支持基板32は、支持基板31に対して直交して起立しており、第1方向xを長手方向とし、厚さ方向zを短手方向とする長矩形状である。
【0026】
複数の電子部品33は、支持基板31,32のいずれかに支持されている。複数の電子部品33は、支持基板31の厚さ方向zのz1側であって厚さ方向zに見て支持基板31に重なり、且つ支持基板32の第2方向yのy2側であって第2方向yに見て支持基板32に重なる交差空間に配置されている。複数の電子部品33相互の隙間には、たとえば充填物34が適宜充填されている。図1図2図5においては、充填物34の外形線を想像線(二点鎖線)で表す。このような構成により、補強体3を構成する支持基板31,32、複数の電子部品33および充填物34は、互いに一体化されている。そして、補強体3は、全体として厚さ方向zおよび第2方向yそれぞれにおいて所定の長さを有し、第1方向xに延びている。補強体3は、厚さ方向zに見て、プリント基板1における第1方向xの中央を跨いでその両側に配置されている。また、補強体3は、厚さ方向zに見て、複数の電子部品21,22の少なくともいずれかと重なる位置に実装されている。図示した例では、補強体3は、厚さ方向zに見て、第2方向yのy1側に位置する電子部品22の全体と、当該電子部品22に隣接する電子部品22の一部とに重なる位置に実装されている。補強体3の厚さ方向zの長さおよび第2方向yの長さは、たとえばプリント基板1の厚さ(厚さ方向zの寸法)の5倍以上50倍以下であり、好ましくはプリント基板1の厚さの10倍以上25倍以下である。本実施形態において、補強体3は、溶接電源装置のスイッチング電源を構成している。
【0027】
図1図2図5等に示すように、補強体3は、プリント基板1から厚さ方向zのz1側に離隔して配置されている。スペーサ4は、厚さ方向zにおいて、厚さ方向zにおいてプリント基板1と補強体3との間に介在している。本実施形態では、スペーサ4はねじ部材を含んで構成された金属製のスペーサであり、4つのスペーサ4によって支持基板31の4隅が固定されている。なお、スペーサ4の構成は図示した例に限定されず、たとえば厚さ方向zに見て補強体3の周縁部を囲む環状としてもよい。
【0028】
図2図5に示すように、複数のヒートシンク51,52は、プリント基板1に対して厚さ方向zのz2側に配置されている。複数のヒートシンク51,52は、第1方向xにおいて、複数の電子部品21,22を挟んで第1方向xの両側(第1方向xのx1側およびx2側)に配置されている。図示した例では、第1方向xのx1側に3つのヒートシンク51が配置されており、第1方向xのx2側に1つのヒートシンク52が配置されている。3つのヒートシンク51は、第2方向yに並んでいる。
【0029】
図示しない上記筐体には、吸気口および排気口が設けられている。上記吸気口は、複数のヒートシンク51,52に対して第2方向yのy1側に配置されており、上記排気口は、複数のヒートシンク51,52に対して第2方向yのy2側に配置されている。また、上記吸気口の近傍にはファンが設けられている。溶接電源装置の動作時においては、ファンが駆動することにより、外部の空気が上記吸気口から吸入され、筐体内の空気が上記排気口から排出される。これにより、筐体内においては、第2方向yのy1側から第2方向yのy2側に向けて空気の流れが生じる。当該空気流が複数のヒートシンク51,52および複数の電子部品21,22の傍を通ることで、これらヒートシンク51,52および電子部品21,22が冷却される。
【0030】
図2図4図6に示すように、複数の半導体デバイス6は、各々、複数のヒートシンク51,52のいずれかの第1方向xの外側に取り付けられている。本実施形態では、ヒートシンク51の第1方向xのx1側、およびヒートシンク52の第1方向xのx2側のそれぞれにおいて、複数ずつの半導体デバイス6が取り付けられている。半導体デバイス6は、リード61および樹脂部62を有する。樹脂部62は、リード61の一部を覆っている。リード61は、樹脂部62から厚さ方向zのz1側に突出するピン状の端子部を含む。当該ピン状端子部(リード61の一部)は、プリント基板1に形成されたスルーホールに挿通するとともに、はんだ(図示せず)によってプリント基板1に接合されている。各半導体デバイス6は、ねじ部材によってヒートシンク51(52)に固定されている。
【0031】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0032】
本実施形態のプリント基板の補強構造A1が組み込まれた溶接電源装置は、トラック輸送時に振動を受ける。プリント基板1は、第1方向xの両端部がシャーシ9(支持体)に固定されており、当該プリント基板1には複数の電子部品2、および補強体3が搭載されている。補強体3は、厚さ方向zおよび第2方向yそれぞれにおいて所定の長さを有し、第1方向xに延びている。補強体3は、厚さ方向zに見て、プリント基板1における第1方向xの中央を跨いでその両側に配置されている。このような構成によれば、プリント基板1は、第1方向xの両端固定部の間の中間部分において、撓みが生じるのを抑制することができる。これにより、輸送時の振動等による実装部品(複数の電子部品2)の断線等の不都合を低減することができる。
【0033】
補強体3は、プリント基板1に対して厚さ方向zのz1側に配置されている。相対的に重量が大きい複数の電子部品21,22(第1部品)が、プリント基板1に対して厚さ方向zのz2側に配置されている。このような構成によれば、重量物(複数の電子部品21,22)および補強体3をプリント基板1に対して互いに反対側に配置することで、プリント基板1における実装効率を高めるとともに、振動に起因するプリント基板1の撓み変形を抑制することができる。
【0034】
複数の電子部品21,22(第1部品)は、厚さ方向zに見て、プリント基板1の第1方向xの中央に位置し、第2方向yに沿って配置されている。これら電子部品21,22の少なくともいずれかと、補強体3とは、厚さ方向zに見て互いに重なる。このように電子部品21,22と補強体3とを厚さ方向zに見て交差するように配置することで、プリント基板1の実装効率をより高めるとともに、プリント基板1の撓み変形をより抑制することが可能である。
【0035】
本実施形態においては、複数のヒートシンク51,52が設けられている。これらヒートシンク51,52は、第1方向xにおいて、複数の電子部品21,22を挟んで第1方向xの両側(第1方向xのx1側およびx2側)に配置されている。このようにヒートシンク51,52を具備する構成によれば、プリント基板1の実装部品(複数の電子部品2)の冷却が促進される。また、複数のヒートシンク51,52は、重量が嵩む電子部品21,22を第1方向xの両側から挟むように配置されている。このことは、複数の電子部品21,22の冷却促進に好ましい。
【0036】
本実施形態においては、厚さ方向zにおいてプリント基板1と補強体3との間に介在するスペーサ4を備える。補強体3は、このスペーサ4を介してプリント基板1から厚さ方向zに離隔して配置されている。このような構成によれば、プリント基板1の表面11において厚さ方向zに見て補強体3と重なる位置に、配線パターンの形成や電子部品2の実装が可能である。これにより、プリント基板1における実装効率を高めることができる。また、プリント基板1、スペーサ4および補強体3が一体的に連結された構造によって、これら連結部分の剛性が高められる。このことは、プリント基板1の撓みを抑制するうえでより好ましい。
【0037】
図7および図8は、本開示に係るプリント基板の補強構造の変形例を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、重複する説明を省略する。図7および図8に示したプリント基板の補強構造A2においては、補強体3の構成が上記実施形態のプリント基板の補強構造A1と異なる。
【0038】
本変形例においては、補強体3は、概略直方体状のケース35、および当該ケース35の内部に収容された複数の電子部品(図示せず)により構成される。ケース35は、プリント基板1の表面11(厚さ方向zのz1側)にねじ止めなどの適宜手段により固定されている。
【0039】
本変形例のプリント基板の補強構造A2が組み込まれた溶接電源装置は、トラック輸送時に振動を受ける。プリント基板1は、第1方向xの両端部がシャーシ9(支持体)に固定されており、当該プリント基板1には複数の電子部品2、および補強体3が搭載されている。補強体3は、厚さ方向zおよび第2方向yそれぞれにおいて所定の長さを有し、第1方向xに延びている。補強体3は、厚さ方向zに見て、プリント基板1における第1方向xの中央を跨いでその両側に配置されている。このような構成によれば、プリント基板1は、第1方向xの両端固定部の間の中間部分において、撓みが生じるのを抑制することができる。これにより、輸送時の振動等による実装部品(複数の電子部品2)の断線等の不都合を低減することができる。その他にも、プリント基板の補強構造A2は、上記実施形態のプリント基板の補強構造A1と同様の構成の範囲において、上記実施形態のプリント基板の補強構造A1と同様の作用効果を奏する。
【0040】
本開示に係るプリント基板の補強構造は、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示に係るプリント基板の補強構造の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0041】
A1,A2:プリント基板の補強構造、1:プリント基板、2:電子部品、20:電子部品(第2部品)、21,22:電子部品(第1部品)、3:補強体、4:スペーサ、51,52:ヒートシンク、9:シャーシ(支持体)、x:第1方向、y:第2方向、z:厚さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8