(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005523
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】板金構造体および板金構造体の組み立て方法
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
G03G21/16 119
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105722
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 賢志
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA01
2H171FA03
2H171FA07
2H171GA13
2H171GA15
2H171GA32
2H171HA22
2H171KA02
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA27
2H171KA28
2H171PA02
2H171PA06
2H171PA07
2H171PA12
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB03
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC03
2H171QC22
2H171QC23
2H171QC36
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA15
2H171SA18
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
(57)【要約】
【課題】位置精度および剛性を向上させることができ、補強部材や調整部材も不要な板金構造体および板金構造体の組み立て方法を提供する。
【解決手段】板金構造体は、一対の第1板金部材と、第2板金部材と、位置決め機構と、を有する。第2板金部材は、平板状の本体部と、本体部の両端縁を略垂直に折り曲げて形成される一対の折曲部と、を有する。位置決め機構は、第1板金部材の内側面から内向きに突出する絞り部と、折曲部から本体部まで延在し、絞り部に重なり合う開口部と、開口部の本体部側の端縁に形成され、絞り部に当接する規制部と、を有する。折曲部から規制部までの距離は、絞り部の突出高さよりも小さく、絞り部と規制部とが当接した状態で、折曲部が第1板金部材に近づく方向に撓み変形して第1板部材に接触し、規制部から所定距離だけ離れた固定位置で第1板部材と折曲部とが固定される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向配置される一対の第1板金部材と、
平板状の本体部と、
前記本体部の両端縁を略垂直に折り曲げて形成され、前記第1板金部材に重ね合わせて固定される一対の折曲部と、
を有し、一対の前記第1板金部材に橋渡し状に連結される第2板金部材と、
前記第1板金部材と前記第2板金部材とを前記第1板金部材に対して垂直な方向に位置決めする位置決め機構と、
を有する板金構造体であって、
前記位置決め機構は、
前記第1板金部材の内側面から内向きに突出する絞り部と、
前記折曲部から前記本体部まで延在し、前記絞り部に重なり合う開口部と、
前記開口部の前記本体部側の端縁に形成され、前記絞り部に当接する規制部と、
を有し、
前記折曲部から前記規制部までの距離は、前記絞り部の突出高さよりも小さく、前記絞り部と前記規制部とが当接した状態で、前記折曲部が前記第1板金部材に近づく方向に撓み変形して前記第1板部材に接触し、前記規制部から所定距離だけ離れた固定位置で前記第1板部材と前記折曲部とが固定されることを特徴とする板金構造体。
【請求項2】
前記第1板部材と前記折曲部は、前記固定位置においてビス固定、溶接処理、カシメ処理のいずれかで固定されることを特徴とする請求項1に記載の板金構造体。
【請求項3】
前記第1板金部材として、所定の間隔を隔てて対向配置される一対の側面フレームと、
前記第2板金部材として、一対の前記側面フレームの間に橋渡し状に連結される1つ以上の連結フレームと、
を含む、画像形成装置の本体フレームであることを特徴とする請求項1に記載の板金構造体。
【請求項4】
互いに対向配置される一対の第1板金部材と、
平板状の本体部と、
前記本体部の両端縁を略垂直に折り曲げて形成され、前記第1板金部材に重ね合わせて固定される一対の折曲部と、
を有し、一対の前記第1板金部材に橋渡し状に連結される第2板金部材と、
を有する板金構造体の組み立て方法であって、
前記第1板金部材は、内側面から内向きに突出する絞り部を有し、
前記第2板金部材は、
前記折曲部から前記本体部まで延在し、前記絞り部に重なり合う開口部と、
前記開口部の前記本体部側の端縁に形成され、前記絞り部に当接する規制部と、
を有し、
前記規制部を前記絞り部に垂直に突き当てて前記第1板金部材に対する前記第2板金部材の位置決めを行う位置決め工程と、
前記規制部と前記絞り部とが当接した状態で、前記折曲部を前記第1板金部材に近づく方向に撓み変形させることにより前記第1板金部材と前記折曲部とを接触させ、前記規制部から所定距離だけ離れた固定位置で前記第1板部材と前記折曲部とを固定する固定工程と、
を有することを特徴とする板金構造体の組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の板金部材を機械的に接合した板金構造体、および板金構造体の組み立て方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置では、板金製のフレーム構造体内に、種々の部品や装置を組み込んだ構成となっている。また、部品や装置の取り付け精度を高めるための構成として、対向する側面フレームと、側面フレーム間に橋渡し状に連結される連結フレームと、を含むフレーム構造体とする構成が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、対向する側板に装置あるいは部材が取り付けられるフレームであって、側板間に横架されて側板同士を連結するために両端面が側板に支持される連結部材を備えた画像形成装置のフレームが開示されている。
【0004】
特許文献1のように、連結部材の曲げ部で左右の側板間の位置を決める構成では、曲げ部の角度公差のばらつきを許容しなければならず、側板も平面である必要があるため、側板間の位置精度が低下するという問題点があった。
【0005】
そこで、特許文献2には、互いに固定される支持ステーと左右側板とを有する板金構成フレームであって、支持ステーは、左右側板に垂直に突き当たって左右側板の支持ステーに対する位置を決める突出部と、左右側板に沿うように曲がられた曲げ部と、曲げ部に設けられて左右側板に固定される被固定部と、を有する画像形成装置用フレームが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008-28988号公報
【特許文献2】特開2015-163959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2の構成では、曲げ部よりも側板側に突出した突出部を側板に突き当てた後、側板が撓むことにより側板が被固定部と固定される。そのため、曲げ部の角度にばらつきがあったとしても、左右の側板間の距離精度を高めることができる。
【0008】
しかしながら、特許文献2の構成では突出部を側板の平面部分に突き当てるため、側板の厚みが薄い場合は側板と被固定部とを固定する際の圧力によって突出部が側板に押圧され、フレーム全体が変形するおそれがあった。その結果、支持ステーと側板との連結部分の剛性が低下したり、光学ユニット等を搭載する際に調整部材によって位置調整が必要になったりするという問題点があった。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑み、位置精度および剛性を向上させることができ、補強部材や調整部材も不要な板金構造体および板金構造体の組み立て方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、互いに対向配置される一対の第1板金部材と、第2板金部材と、位置決め機構と、を有する板金構造体である。第2板金部材は、平板状の本体部と、本体部の両端縁を略垂直に折り曲げて形成され、第1板金部材に重ね合わせて固定される一対の折曲部と、を有し、一対の第1板金部材に橋渡し状に連結される。位置決め機構は、第1板金部材と第2板金部材とを第1板金部材に対して垂直な方向に位置決めする。位置決め機構は、第1板金部材の内側面から内向きに突出する絞り部と、折曲部から本体部まで延在し、絞り部に重なり合う開口部と、開口部の本体部側の端縁に形成され、絞り部に当接する規制部と、を有する。折曲部から規制部までの距離は、絞り部の突出高さよりも小さく、絞り部と規制部とが当接した状態で、折曲部が第1板金部材に近づく方向に撓み変形して第1板部材に接触し、規制部から所定距離だけ離れた固定位置で第1板部材と折曲部とが固定される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の構成によれば、折曲部に形成された規制部を第1板金部材の絞り部に当接させることで、規制部が第1板金部材の平面部分に当接する構成に比べて第1板金部材が変形し難くなる。従って、第1板金部材と第2板金部材との連結部分の剛性を確保することができ、連結部分に補強部材を設置する必要がなくなる。また、第1板金部材と折曲部との間に隙間が形成されるため、折曲部の角度公差(ばらつき)を吸収して第1板金部材と第2板金部材とを精度よく位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る本体フレーム101を備えた画像形成装置100の概略断面図
【
図3】側面フレーム102と第1連結フレーム103の位置決め機構120周辺を側面フレーム102の内側から見た側面図
【
図4】位置決め機構120周辺を上方から見た平面図
【
図5】位置決め機構120周辺を第2連結フレーム104側から見た側面図
【
図8】位置決め機構120周辺を第2連結フレーム104側から見た側面図であって、側面フレーム102と折曲部110とが固定される様子を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る本体フレーム101を備えた画像形成装置100の構成を示す概略図である。
【0014】
図1に示す画像形成装置100は、いわゆるタンデム方式のカラープリンターであり、以下のような構成になっている。画像形成装置100本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、PcおよびPdが、搬送方向上流側(
図1では左側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa~Pdは、異なる4色(イエロー、シアン、マゼンタおよびブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像および転写の各工程によりイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックの画像を順次形成する。
【0015】
これらの画像形成部Pa~Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム1a、1b、1cおよび1dが配設されている。さらに
図1において反時計回り方向に回転する中間転写ベルト8が各画像形成部Pa~Pdに隣接して設けられている。これらの感光体ドラム1a~1d上に形成されたトナー像が、各感光体ドラム1a~1dに当接しながら移動する中間転写ベルト8上に順次転写された後、二次転写ローラー9において記録媒体の一例としての用紙S上に一度に転写される。
【0016】
トナー像が転写される用紙Sは、画像形成装置100の本体下部の用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラー12aおよびレジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9へと搬送される。
【0017】
次に、画像形成装置100における画像形成手順について説明する。ユーザーにより画像形成開始が入力されると、先ず、メインモーター(図示せず)により感光体ドラム1a~1dの回転が開始され、帯電装置2a~2dによって感光体ドラム1a~1dの表面を一様に帯電させる。次いで露光装置5から出射されたビーム光(レーザー光)によって感光体ドラム1a~1dの表面を光照射し、各感光体ドラム1a~1d上に画像信号に応じた静電潜像を形成する。
【0018】
現像装置3a~3dには、それぞれイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤が所定量充填されている。現像装置3a~3dにより現像剤中のトナーが感光体ドラム1a~1d上に供給され、静電的に付着することで静電潜像をトナー像に現像する。なお、各現像装置3a~3d内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ4a~4dから各現像装置3a~3dにトナーが補給される。
【0019】
そして、一次転写ローラー6a~6dにより一次転写ローラー6a~6dと感光体ドラム1a~1dとの間に所定の転写電圧で電界が付与され、感光体ドラム1a~1d上のイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム1a~1dの表面に残留したトナーがクリーニング装置7a~7dにより除去される。
【0020】
ベルト駆動モーター(図示せず)による駆動ローラー10の回転に伴い中間転写ベルト8が反時計回り方向に回転を開始すると、用紙Sがレジストローラー対12bから所定のタイミングで中間転写ベルト8に隣接して設けられた二次転写ローラー9へ搬送され、フルカラー画像が転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部13へと搬送される。中間転写ベルト8の表面に残存したトナーはベルトクリーニングユニット19によって除去される。
【0021】
定着部13に搬送された用紙Sは、定着ローラー対13aにより加熱および加圧されてトナー像が用紙Sの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙Sは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられ、そのまま(或いは、両面搬送路18に送られて両面印字された後に)、排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
【0022】
図2は、画像形成装置100を構成する本体フレーム101の斜視図である。本体フレーム101は、一対の側面フレーム102と、第1連結フレーム103、第2連結フレーム104、第3連結フレーム105とを有する。
【0023】
側面フレーム102は、画像形成装置100の前面側(
図1の紙面手前側)および背面側(
図1の紙面奥側)に対向配置される板金部材(第1板金部材)である。第1連結フレーム103、第2連結フレーム104、第3連結フレーム105は、それぞれ一対の側面フレーム102の間に橋渡し状に連結される板金部材(第2板金部材)である。
【0024】
第1連結フレーム103~第3連結フレーム105は、平板状の本体部109と、本体部109の長手方向の両端部を略垂直に折り曲げて形成された一対の折曲部110を有する。
図2では第1連結フレーム103、第2連結フレーム104の一端側(
図2の左側)の折曲部110のみを図示している。また、第3連結フレーム105の折曲部110は下向きに折り曲げて形成されているため、
図2では図示していない。
【0025】
第1連結フレーム103~第3連結フレーム105の折曲部110を、それぞれ一対の側面フレーム102の内側面に固定することにより、第1連結フレーム103~第3連結フレーム105が一対の側面フレーム102の間に橋渡し状に連結される。
【0026】
側面フレーム102と第1連結フレーム103~第3連結フレーム105との連結部分には位置決め機構120が設けられている。位置決め機構120は、第1連結フレーム103~第3連結フレーム105を長手方向(側面フレーム102に垂直な方向)に位置決めする。
【0027】
なお、側面フレーム102の面方向に対する第1連結フレーム103~第3連結フレーム105の位置決めは、側面フレーム102に形成された位置決め突起と、折曲部110に形成された位置決め穴(いずれも図示せず)との嵌合によって行われる。
【0028】
次に、位置決め機構120の詳細な構成について説明する。なお、以下の説明では側面フレーム102と第1連結フレーム103の一端側(
図2の左側)の位置決め機構120について説明するが、側面フレーム102と第1連結フレーム103の他端側(
図2の左側)の位置決め機構120、および側面フレーム102と第2連結フレーム104、第3連結フレーム105の位置決め機構120についても全く同様の構成である。
【0029】
図3は、側面フレーム102と第1連結フレーム103の位置決め機構120周辺(
図2の破線円内)を側面フレーム102の内側から見た側面図である。
図4は、位置決め機構120周辺を上方から見た平面図である。
図5は、位置決め機構120周辺を第2連結フレーム104側(
図2の左下方向)から見た側面図である。
図6および
図7は、それぞれ位置決め機構120の垂直断面図(
図3のAA矢視断面図)および水平断面図(
図5のBB矢視断面図)である。なお、
図3~
図7は側面フレーム102と第1連結フレーム103とが位置決めされた状態を示しており、側面フレーム102と第1連結フレーム103とは固定されていない。
【0030】
図3~
図7に示すように、位置決め機構120は、絞り部121と、開口部122と、規制部123とを有する。絞り部121は、側面フレーム102の内側面から内向きに突出する側面視台形状である。絞り部121は、側面フレーム102を絞り加工することで形成される。
【0031】
開口部122は、第1連結フレーム103の本体部109から屈曲部分110aを越えて折曲部110まで延在している。開口部122は、絞り部121に重なるように配置される。開口部122は、本体部109に形成された第1領域122aと、折曲部110に形成された第2領域122bと、を有する。規制部123は、開口部122の本体部109側(第1領域122a)の端縁に形成されている。
【0032】
図3に示すように、開口部122の開口幅w1は、絞り部121の幅w2よりも大きい。そのため、開口部122を絞り部121に重なるように配置したとき、開口部122(第2領域122b)の周縁部は絞り部121に接触しない。
【0033】
図7に示すように、開口部122の第1領域122aの深さ(折曲部110から規制部123までの距離)h1は、絞り部121の高さh2よりも小さい。そのため、開口部122を絞り部121に重なるように配置したとき、規制部123が絞り部121に当接する。また、
図4~
図7に示すように、側面フレーム102と折曲部110との間にはh2とh1の差分h2―h1に相当する隙間dが形成される。
【0034】
図8は、側面フレーム102と折曲部110とが固定される様子を示す側面図である。
図8に示すように、位置決め機構120の上方の固定位置Pにおいて側面フレーム102と折曲部110とを固定するとき、折曲部110が側面フレーム102側に撓むことで隙間dが消失し、側面フレーム102と折曲部110とが面接触する。
【0035】
固定位置Pにおける固定方法としては、特に制限はなく、ビス固定、スポット溶接、カシメ固定等の従来公知の方法が用いられる。カシメ固定法としては、2枚の金属板を凸型と凹型の金型により挟み込んで圧縮し、凸型側の金属板が凹型の底面の円周に設けられた溝に沿って外側に張り出すことにより2枚の金属板が固着されるトックス(登録商標)カシメ法が好ましい。
【0036】
本実施形態では、側面フレーム102に絞り部121を設け、開口部122の規制部123が絞り部122に当接することで、第1連結フレーム103が長手方向(側面フレーム102に垂直な方向)に位置決めされる。
【0037】
これにより、側面フレーム102と折曲部110とを固定する際の圧力によって規制部123が側面フレーム102に押圧されたとき、規制部123が側面フレーム102の平面部分に当接する構成に比べて側面フレーム102が変形し難くなる。従って、側面フレーム102と第1連結フレーム103との連結部分の剛性を確保することができ、連結部分に補強部材を設置する必要がなくなる。また、露光装置5や中間転写ユニット等を搭載する際に調整部材を用いた位置調整作業も不要となる。
【0038】
また、側面フレーム102と折曲部110との間に隙間dが形成されるため、折曲部110の角度公差(ばらつき)を吸収して側面フレーム102と第1連結フレーム103とを精度よく位置決めすることができる。側面フレーム102と折曲部110との隙間dは、折曲部110の寸法や絞り部121の突出量に応じて適宜設定される。
【0039】
また、絞り部121と固定位置Pの距離が近い場合、折曲部110を側板フレーム102に固定する際の折曲部110の撓み量が大きくなるため、側面フレーム102に対する折曲部110の押圧力を大きくする必要がある。その結果、作業効率が低下したり、側面フレーム102の変形が発生したりするおそれがある。
【0040】
そこで、本実施形態では、絞り部121と固定位置Pが互いに所定距離以上離れるように、固定位置Pを絞り部121からずらしている。具体的には、
図7に示すように、絞り部121と、絞り部121に最も近い固定位置Pとの距離xが一定以上離れていることが好ましい。距離xは、折曲部110の寸法や側面フレーム102と折曲部110との隙間dに応じて適宜設定される。
【0041】
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では画像形成装置100の本体フレーム101を構成する側面フレーム102と第1連結フレーム103~第3連結フレーム105との位置決め機構120について説明したが、画像形成装置以外の他の電子機器のフレームにも同様に適用できるのはもちろんである。
【符号の説明】
【0042】
100 画像形成装置
101 本体フレーム(板金構造体)
102 側面フレーム(第1板金部材)
103 第1連結フレーム(第2板金部材)
104 第2連結フレーム(第2板金部材)
105 第3連結フレーム(第2板金部材)
109 本体部
110 折曲部
120 位置決め機構
121 絞り部
122 開口部
123 規制部
P 固定位置