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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005527
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20250109BHJP
   G03G 21/18 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G03G21/16 152
G03G21/18 142
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105727
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森下 浩樹
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA02
2H171FA05
2H171GA31
2H171JA23
2H171JA29
2H171KA05
2H171KA18
2H171KA22
2H171KA25
2H171KA27
2H171MA02
2H171MA07
2H171QA03
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB32
(57)【要約】
【課題】プロセスユニットを安全に取り外すことが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、本体フレームと、第1方向の一方側に引き出すことによって本体フレームから取り外すことが可能なプロセスユニットと、第2方向に突出し、第1方向に互いに間隔を隔てて配列される複数の本体側接点と、複数のユニット側接点と、を備え、本体フレームは、第1方向に延びるガイド面を有し、プロセスユニットは、コロを有し、ガイド面は、引き出し方向の上流側から下流側に向かって上下方向のいずれかに傾斜する傾斜面を有し、プロセスユニットを引き出すとき、コロが傾斜面上を走行することにより、ユニット側接点の上下方向の位置が引き出し方向の下流側に位置する本体側接点と衝突しない回避位置に位置に変位する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着領域を有する本体フレームと、
前記装着領域に対して着脱可能に装着され、前記装着領域に装着された状態から上下方向と直交する第1方向の一方側に引き出すことによって前記本体フレームから取り外すことが可能であり、静電潜像をトナー像に現像する現像プロセスを実行するプロセスユニットと、
前記本体フレームに配置され、前記装着領域に向けて前記第1方向と水平に直交する第2方向に突出し、前記第1方向に互いに間隔を隔てて配列される複数の本体側接点と、
前記プロセスユニットに配置され、複数の前記本体側接点のそれぞれに割り当てられ、前記プロセスユニットが前記装着領域に装着された状態において、割り当てられた前記本体側接点と接触する複数のユニット側接点と、を備え、
前記本体フレームは、前記第1方向に延びるガイド面を有し、
前記プロセスユニットは、前記装着領域に対する着脱時に前記ガイド面上を走行するコロを有し、
前記ガイド面は、前記プロセスユニットを前記装着領域から引き出すときの引き出し方向の上流側から下流側に向かって上下方向のいずれかに傾斜する傾斜面を有し、
前記プロセスユニットを前記装着領域から引き出すとき、前記コロが前記傾斜面上を走行することにより、前記ユニット側接点の上下方向の位置が前記引き出し方向の下流側に位置する前記本体側接点と衝突しない回避位置に変位する、画像形成装置。
【請求項2】
前記ガイド面のうち、前記プロセスユニットの前記装着領域からの引き出し時に前記本体側接点と前記ユニット側接点との接触が解除されて以降に前記コロと接触する部分に前記傾斜面が設けられる、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記プロセスユニットの前記装着領域からの引き出し時、前記本体フレームは、前記本体側接点と前記ユニット側接点との接触が解除されるまで、前記ユニット側接点の上下方向の位置を変位させることなく、前記プロセスユニットを支持する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プロセスユニットの前記装着領域からの引き出し時、前記ユニット側接点は、割り当てられた前記本体側接点よりも前記引き出し方向の下流側直近に位置する前記本体側接点に到達する前に、上下方向の位置を前記回避位置に変位させる、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記プロセスユニットからトナー像の転写を受ける中間転写体を備え、
前記中間転写体は、前記プロセスユニットの上下方向の一方側に配置され、
前記傾斜面は、前記引き出し方向における上流側から下流側に向かって上下方向の一方側とは逆の他方側に傾斜する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記本体側接点は、巻きばね部および前記巻きばね部の両端から接線方向に延びる一対の腕部を有し、上下方向を前記巻きばね部の軸線方向とするねじりコイルばねであり、
前記ねじりコイルばねの一方の前記腕部が前記装着領域に突出することにより、前記本体側接点と前記ユニット側接点との接触が可能であり、
前記プロセスユニットが前記装着領域に装着された状態では、一方の前記腕部が前記ねじりコイルばねのねじり方向に押圧される、請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置は、装置本体に対して着脱可能なプロセスユニットを備える。プロセスユニットは、トナー像を現像するための現像カートリッジなどを含む。このような画像形成装置は、たとえば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-276117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プロセスユニットが装置本体に装着されたとき、プロセスユニットと装置本体とを電気的に接続する必要がある。このため、装置本体には本体側接点が設けられ、プロセスユニットにはユニット側接点が設けられる。本体側接点とユニット側接点とが接触することにより、プロセスユニットと装置本体とが電気的に接続される。
【0005】
本体側接点およびユニット側接点は、それぞれ、複数ずつ設けられる。たとえば、複数の本体側接点(すなわち、複数のユニット側接点)は、プロセスユニットを装置本体から取り外すときのプロセスユニットの引き出し方向に配列される。このような構成では、プロセスユニットを装置本体から取り外すとき、本体側接点とユニット側接点とが衝突する可能性がある。本体側接点とユニット側接点とが衝突すると、本体側接点およびユニット側接点の少なくとも一方が故障する可能性がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、装置本体に対して着脱可能なプロセスユニットを備える構成において、プロセスユニットを安全に取り外すことが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一局面による画像形成装置は、装着領域を有する本体フレームと、装着領域に対して着脱可能に装着され、装着領域に装着された状態から上下方向と直交する第1方向の一方側に引き出すことによって本体フレームから取り外すことが可能であり、静電潜像をトナー像に現像する現像プロセスを実行するプロセスユニットと、本体フレームに配置され、装着領域に向けて第1方向と水平に直交する第2方向に突出し、第1方向に互いに間隔を隔てて配列される複数の本体側接点と、プロセスユニットに配置され、複数の本体側接点のそれぞれに割り当てられ、プロセスユニットが装着領域に装着された状態において、割り当てられた本体側接点と接触する複数のユニット側接点と、を備える。本体フレームは、第1方向に延びるガイド面を有する。プロセスユニットは、装着領域に対する着脱時にガイド面上を走行するコロを有する。ガイド面は、プロセスユニットを装着領域から引き出すときの引き出し方向の上流側から下流側に向かって上下方向のいずれかに傾斜する傾斜面を有する。プロセスユニットを装着領域から引き出すとき、コロが傾斜面上を走行することにより、ユニット側接点の上下方向の位置が引き出し方向の下流側に位置する本体側接点と衝突しない回避位置に変位する。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、装置本体に対して着脱可能なプロセスユニットを備える構成において、プロセスユニットを安全に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態による画像形成装置の斜視図である。
図2図1に示す画像形成装置の前側カバーが開けられた状態の斜視図である。
図3】実施形態による画像形成装置の内部構成を示す模式図である。
図4】実施形態による画像形成装置の画像形成部を示す模式図である。
図5図1に示す画像形成装置のプロセスユニットが引き出された状態の斜視図である。
図6】実施形態による画像形成装置の本体側接点を示す斜視図である。
図7】実施形態による画像形成装置の高圧基板を示す斜視図である。
図8】実施形態による画像形成装置のユニット側接点を示す斜視図である。
図9図8に示す画像形成装置のユニット側接点の拡大図である。
図10】実施形態による画像形成装置の本体側接点とユニット側接点との接触構造を示す模式図である。
図11】実施形態による画像形成装置のガイド部材を示す斜視図である。
図12図11に示すガイド部材を第2方向から見た側面図である。
図13】実施形態による画像形成装置のプロセスユニットの左下部を下方から見た斜視図である。
図14】実施形態による画像形成装置のガイド部材とプロセスユニットとの位置関係を示す斜視図である。
図15】実施形態による画像形成装置のガイド面上におけるコロの走行状態を示す模式図である。
図16】実施形態による画像形成装置の本体側接点とユニット側接点との位置関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1図16を参照し、本発明の一実施形態による画像形成装置100について説明する。以下の説明では、タンデム方式のカラーレーザープリンターを例にとるが、本発明はプリンターに限らず、コピー機能などを有する複合機にも適用可能である。
【0011】
以下の説明では、画像形成装置100が設置される平坦な床面に垂直な方向を上下方向とする。また、上下方向と直交する水平方向のうち、一方向に符号D1を付して第1方向D1と称し、一方向と直交する他方に符号D2を付して第2方向D2と称する。なお、「水平」は、完全な水平だけでなく、略水平も含むとする。
【0012】
たとえば、第1方向D1は、画像形成装置100の前後方向(奥行き方向)である。第1方向D1の一方側が前側であり、第1方向D1の一方側とは逆の他方側が後側である。また、第2方向D2は、画像形成装置100の左右方向(幅方向)である。第2方向D2の一方側が左側であり、第2方向D2の一方側とは逆の他方側が右側である。
【0013】
<画像形成装置の全体構成>
本実施形態の画像形成装置100は、図1および図2に示すような外観を有する。画像形成装置100は、本体フレーム1を備える。また、画像形成装置100は、前側カバーCVを備える。本体フレーム1は、前側カバーCVを含む外装カバー(他のカバーは符号省略)で覆われる。本体フレーム1は、外装カバーを支持する。前側カバーCVは、第1方向D1の一方側に配置される。前側カバーCVは、画像形成装置100の内部領域を第1方向D1の一方側から覆う。
【0014】
本体フレーム1は、後述するプロセスユニット2が装着される装着領域100A(図6および図11参照)を有する。画像形成装置100の内部領域が装着領域100Aとなる。本体フレーム1は、前側カバーCVを第2方向D2に延びる軸線回りに回動可能に支持する。前側カバーCVは、その下方側の端部を支点とし、その上方側の端部を振るよう回動する。言い換えると、前側カバーCVは、本体フレーム1に対して開閉可能に支持される。前側カバーCVが開けられることにより、装着領域100Aが第1方向D1の一方側に露出する(図2参照)。前側カバーCVが閉じられることにより、装着領域100Aが第1方向D1の一方側から覆われる(図1参照)。
【0015】
画像形成装置100は、図3に示すように、メイン搬送路MPを備える。図3では、メイン搬送路MPを実線矢印で模式的に示す。後述する両面印刷搬送路DPは破線矢印で模式的に示す。
【0016】
また、画像形成装置100は、シートカセットCAを備える。シートカセットCAは、印刷ジョブで用いるシートSを収容する。シートSの種類は特に限定されない。
【0017】
印刷ジョブでは、画像形成装置100は、シートカセットCAのシートSをメイン搬送路MPに供給し、メイン搬送路MPに沿ってシートSを搬送する。そして、画像形成装置100は、搬送中のシートSに画像を印刷する。言い換えると、画像形成装置100は、搬送中のシートSにトナー像を転写する。
【0018】
なお、シートカセットCAは、画像形成装置100の本体下方に装着される。シートカセットCAは、画像形成装置100の装置本体(言い換えると、本体フレーム1)に対して着脱可能である。シートカセットCAを装置本体から第1方向D1の一方側に引き出すことにより、シートカセットCAを装置本体から取り外すことができる。
【0019】
画像形成装置100は、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色分の画像形成部110を備える。各画像形成部110は、対応する色のトナー像を形成する。以下、或る1つの画像形成部110に着目してその構成を説明する。各画像形成部110の基本的な構成は互いに同じである。したがって、他の画像形成部110の構成の説明については、以下の説明を援用するものとして省略する。
【0020】
画像形成部110は、図4に示すように、現像カートリッジ200を備える。現像カートリッジ200は、対応する色のトナーを収容し、そのトナーを用いて現像プロセスを実行する。また、画像形成部110は、感光体ドラム111と、帯電装置112と、を備える。なお、画像形成装置100は、4色分の画像形成部110に対して1つの露光ユニット113を備える。また、画像形成部110は、清掃装置114を備える。
【0021】
画像形成部110による画像形成時、感光体ドラム111が回転する。帯電装置112は、感光体ドラム111の外周面を帯電させる。露光ユニット113は、感光体ドラム111の外周面を露光し、感光体ドラム111の外周面上に静電潜像を形成する。そして、現像カートリッジ200は、現像プロセスとして、感光体ドラム111の外周面にトナーを供給し、静電潜像をトナー像に現像するプロセスを実行する。なお、感光体ドラム111の外周面上のトナー像は、後述する中間転写ベルト121に1次転写される。清掃装置114は、中間転写ベルト121に転写されずに感光体ドラム111の外周面上に残留したトナーを除去する。
【0022】
図3に戻り、画像形成装置100は、中間転写ユニット120を備える。中間転写ユニット120は、各画像形成部110の下方に配置される。中間転写ユニット120は、中間転写ベルト121を備える。中間転写ベルト121は、無端状のベルトである。中間転写ベルト121は「中間転写体」に相当する。
【0023】
中間転写ベルト121は、駆動ローラー122を含む複数のローラー(他のローラーは符号省略)により、張架され、回転可能に支持される。中間転写ベルト121は、感光体ドラム111の外周面に接触し、その状態で回転する。駆動ローラー122は、ベルトモーター(図示せず)から動力が伝達されて回転する。中間転写ベルト121は、駆動ローラー122が回転することにより、従動して回転する。
【0024】
中間転写ユニット120は、1次転写ローラー123を備える。1次転写ローラー123は、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各色に1つずつ割り当てられる。各1次転写ローラー123は、中間転写ベルト121の内周側に配置される。各1次転写ローラー123は、中間転写ベルト121を挟んで、対応する色の感光体ドラム111と対向して配置される。
【0025】
中間転写ユニット120は、2次転写ローラー124を備える。2次転写ローラー124は、中間転写ベルト121の外周面に圧接し、中間転写ベルト121との間に転写ニップを形成する。メイン搬送路MPは、転写ニップを経由する。
【0026】
各画像形成部110は、対応する色のトナー像を形成する。そして、各1次転写ローラー123は、中間転写ベルト121の外周面にトナー像を1次転写する。すなわち、中間転写ベルト121は、後述するプロセスユニット2からトナー像の転写を受ける。中間転写ベルト121は、各感光体ドラム111から1次転写されたトナー像を外周面に担持して回転する。シートSが転写ニップを通過中、中間転写ベルト121の外周面にシートSが接触する。2次転写ローラー124は、中間転写ベルト121との間に転写電界を形成することにより、転写ニップを通過中のシートSにトナー像を2次転写する。
【0027】
画像形成装置100は、定着ローラー対130を備える。定着ローラー対130は、加熱ローラーおよび加圧ローラーを含む。加熱ローラーは、ヒーターを内蔵する。加圧ローラーは、加熱ローラーに圧接し、加熱ローラーとの間に定着ニップを形成する、定着ローラー対130は、転写ニップから搬送されてくるシートSをニップし、回転する。すなわち、定着ローラー対130は、定着ニップを通過するシートSに対して加熱と加圧とを行う。これにより、定着ローラー対130は、シートSに転写されたトナー像をシートSに定着させる。その後、排出トレイETにシートSが排出される。
【0028】
画像形成装置100は、印刷ジョブとして、シートSの片面にのみトナー像を印刷する片面印刷ジョブに加え、シートSの両面にトナー像を印刷する両面印刷ジョブの実行が可能である。両面印刷ジョブを実行するため、画像形成装置100は、両面印刷搬送路DPを備える。
【0029】
両面印刷搬送路DPは、メイン搬送路MPのうち定着ニップよりもシート搬送方向下流側でメイン搬送路MPから分岐する。そして、両面印刷搬送路DPは、メイン搬送路MPのうち転写ニップよりもシート搬送方向上流側でメイン搬送路MPに合流する。
【0030】
実行ジョブが片面印刷ジョブである場合、シートSは転写ニップを1回だけ通過し、転写ニップを通過中のシートSに対して転写処理が1回行われる。そして、1回目の転写処理後、シートSがそのまま排出トレイETに排出される。
【0031】
実行ジョブが両面印刷ジョブである場合、シートSの表裏面に対してそれぞれ1回ずつ転写処理を行うため、シートSは転写ニップを2回通過する。具体的には、シートSが転写ニップを1回目に通過するとき、シートSの一方面に対して転写処理が行われる。1回目の転写処理後、シートSの後端が定着ニップを通過した後であってシートSが排出トレイETに完全に排出される前、シートSがスイッチバックされる。これにより、シートSがその後端から両面印刷搬送路DPに引き込まれる。
【0032】
その後、両面印刷搬送路DPに沿ってシートSが搬送される。そして、そのシートSが転写ニップよりもシート搬送方向上流側からメイン搬送路MPに戻される。メイン搬送路MPに戻されたシートSは、転写ニップを再度通過する。このとき、シートSの表裏面の向きが転写ニップを前回通過したときに対して逆向きに反転されている。これにより、シートSが転写ニップを2回目に通過するとき、シートSの一方面とは逆の他方面に対して転写処理が行われる。
【0033】
<プロセスユニットの構成>
画像形成装置100は、静電潜像をトナー像に現像する現像プロセスを実行するプロセスユニット2を備える。具体的には、4色分(すなわち、複数)の画像形成部110がユニット化され、プロセスユニット2となる。言い換えると、プロセスユニット2は、少なくとも、4色分(すなわち、複数)の現像カートリッジ200を含む。
【0034】
プロセスユニット2は、ユニットフレーム21(図5参照)を有する。ユニットフレーム21には、4色分の画像形成部110が配置される。すなわち、ユニットフレーム21には、4色分の現像カートリッジ200が配置される。4色分の画像形成部110がユニットフレーム21に配置されることにより、4色分の画像形成部110がユニット化される。
【0035】
4色分の画像形成部110は、第1方向D1に配列される。すなわち、4色分の現像カートリッジ200は、第1方向D1に配列される。そこで、ユニットフレーム21は、少なくとも、4色分の画像形成部110を第2方向D2に挟む一対の側板(符号省略)を有する。ユニットフレーム21の一対の側板は、4色分の画像形成部110に含まれる各回転体を回転可能に支持する。
【0036】
ユニットフレーム21は、本体フレーム1に対して水平方向(具体的には、第1方向D1)に着脱可能に装着される。これにより、プロセスユニット2は、画像形成装置100の装置本体(すなわち、本体フレーム1)に対して水平方向に着脱可能である。画像形成装置100のメンテナンスのとき、プロセスユニット2が装置本体から取り外される。たとえば、いずれかの現像カートリッジ200を交換するとき、プロセスユニット2が装置本体から取り外される。
【0037】
プロセスユニット2の取り外し作業では、まず、画像形成装置100の装置本体にプロセスユニット2が装着された状態(すなわち、本体フレーム1にユニットフレーム21が装着された状態)で、前側カバーCVが開けられる。前側カバーCVが開けられることにより、図2に示す状態になる。すなわち、プロセスユニット2が第1方向D1の一方側に露出する。そして、この状態から、ユニットフレーム21が第1方向D1の一方側に引き出される。プロセスユニット2は、装着領域100Aに装着された状態から第1方向D1の一方側に引き出されることにより、本体フレーム1から取り外される。
【0038】
たとえば、ユニットフレーム21は、プロセスユニット2の取り外しを担う作業者により把持される把持部2aを有する。プロセスユニット2が本体フレーム1に対して第1方向D1の一方側に引き出された状態を図5に示す。
【0039】
プロセスユニット2を本体フレーム1に対して引き出すことにより、4色分の現像カートリッジ200が上方に露出する。4色分の現像カートリッジ200は、ユニットフレーム21に対して互いに独立して着脱可能に装着される。この構成では、或る現像カートリッジ200をユニットフレーム21から取り外しても、他の現像カートリッジ200はユニットフレーム21に装着されたままである。すなわち、4色分の現像カートリッジ200の全てをユニットフレーム21から取り外すには、4色分の現像カートリッジ200のそれぞれごとに取り外し作業を行う必要がある。画像形成部110のうち、感光体ドラム111など現像カートリッジ200とは別の構成要素については、ユニットフレーム21に対して固定的に装着されており、ユニットフレーム21から取り外すことはできない。
【0040】
なお、4色分の現像カートリッジ200は、ユニットフレーム21に対して上下方向に着脱可能である。ユニットフレーム21から取り外されるとき、4色分の現像カートリッジ200は、それぞれ、ユニットフレーム21に対して引き上げられる。このため、ユニットフレーム21は、4色分の現像カートリッジ200を上方からは覆わない。
【0041】
<装置本体およびプロセスユニットの各接点構造>
画像形成装置100は、図6図10に示すような接点構造を有する。これにより、本体フレーム1にプロセスユニット2が装着されたとき、画像形成装置100の装置本体とプロセスユニット2とが電気的に接続される。
【0042】
具体的には、図6および図7に示すように、画像形成装置100は、本体側接点10を備える。本体側接点10は、高圧基板100Bに接続される。高圧基板100Bは、本体フレーム1に配置される。これにより、本体側接点10は、本体フレーム1に配置される。なお、図6は、装着領域100Aを画像形成装置100の左前から見た斜視図である。
【0043】
高圧基板100Bは、本体フレーム1の右側に配置される。本体側接点10は、本体フレーム1の右側から、装着領域100Aに向かって突出する。言い換えると、本体側接点10は、第2方向D2に突出する。さらに言い換えると、本体側接点10の少なくとも一部が装着領域100Aに配置される。これにより、本体側接点10は、装着領域100Aに配置されるプロセスユニット2に接触可能である。
【0044】
また、図8および図9に示すように、画像形成装置100は、ユニット側接点20を備える。ユニット側接点20は、プロセスユニット2に配置される。言い換えると、プロセスユニット2は、ユニット側接点20を有する。ユニット側接点20は、ユニットフレーム21に支持される。ユニット側接点20は、ユニットフレーム21に形成された貫通孔21aから露出する。ユニット側接点20は、プロセスユニット2の構成要素(感光体ドラム111および現像カートリッジ200など)に接続される。
【0045】
本体側接点10の個数は複数である。本体側接点10の個数は10個である。複数の本体側接点10は、第1方向D1に互いに間隔を隔てて配列される。複数の本体側接点10は、上側の列と下側の列に分類される。上側の列は、4つの本体側接点10を含み、下側の列は、6つの本体側接点10を含む。
【0046】
ユニット側接点20の個数は本体側接点10と同数(すなわち、複数)である。複数の本体側接点10のそれぞれにユニット側接点20が1つずつ割り当てられる。本体側接点10の個数が10個であれば、ユニット側接点20の個数は10個である。複数のユニット側接点20は、それぞれ、プロセスユニット2が装着領域100Aに装着された状態において、複数の本体側接点10のうち割り当てられた本体側接点10と接触する。これにより、プロセスユニット2が高圧基板100Bに電気的に接続される。
【0047】
以下、或る1つの本体側接点10に着目して詳細に説明する。ここで、複数の本体側接点10は、互いに同じ材質であり、互いに同じ形状を有する。したがって、他の本体側接点10については、以下の説明を援用するものとして、その詳細な説明を省略する。
【0048】
本体側接点10は、ねじりコイルばねである(図10参照)。すなわち、本体側接点10は、巻きばね部(符号省略)と、巻きばね部の両端から接線方向に延びる一対の腕部10aおよび10bとを有する。本体側接点10としてのねじりコイルばねは、上下方向を軸線方向とする。本体側接点10としてのねじりコイルばねのうち、一方の腕部10aが装着領域100Aに突出し、装着領域100Aに装着されるプロセスユニット2に接触可能である。本体側接点10としてのねじりコイルばねのうち、他方の腕部10bは固定され、高圧基板100Bに接続される。
【0049】
本体側接点10は、プロセスユニット2を第2方向D2(具体的には、右側から左側)に付勢する。本体側接点10は、プロセスユニット2が装着領域100Aに装着されることにより、プロセスユニット2に対する付勢力を発生する。
【0050】
具体的には、プロセスユニット2が装着領域100Aに装着されることにより、図10上図の状態から図10下図の状態に遷移する。なお、図10上図の状態は、プロセスユニット2が装着領域100Aに装着される直前の状態であり、図10下図の状態は、プロセスユニット2が装着領域100Aに装着された状態である。
【0051】
図10上図の状態では、ユニット側接点20が本体側接点10に接触していない。図10上図の状態から、プロセスユニット2が装着領域100Aにさらに押し込まれることにより、ユニット側接点20が本体側接点10に接触する。このとき、ユニット側接点20により、本体側接点10の一方の腕部10aがねじりコイルばねのねじり方向に押圧される。そして、プロセスユニット2が装着領域100Aにさらに押し込まれる。これにより、図10下図の状態になる。
【0052】
図10では、プロセスユニット2を装着領域100Aに装着するときのプロセスユニット2の押し込み方向を矢印Dbで示す。また、図10では、装着領域100Aに装着されたプロセスユニット2を本体フレーム1から取り外すときのプロセスユニット2の引き出し方向を矢印Daで示す。以下の説明で参照する図12図16についても同様である。なお、プロセスユニット2の引き出し方向Daは、第1方向D1の一方側に向かう方向に相当し、プロセスユニット2の押し込み方向Dbは、第1方向D1の一方側とは逆の他方側に向かう方向に相当する。
【0053】
<プロセスユニットの着脱ガイド>
本体フレーム1は、図11および図12に示すように、第1方向D1に延びるガイド面11を有する。ガイド面11は、ガイド部材12に形成される。ガイド部材12の上面がガイド面11となる。詳細は後述するが、ガイド部材12の上面(すなわち、ガイド面11)は平坦ではない。
【0054】
ガイド部材12は、装着領域100Aのうち、第2方向D2の一方側および他方側にそれぞれ配置される。具体的には、ガイド部材12は、装着領域100Aのうち、右下および左下にそれぞれ配置される。各ガイド部材12のガイド面11の形状は互いに同じである。図11には、装着領域100Aの右下に配置されるガイド部材12は図示されない。
【0055】
プロセスユニット2は、図13に示すように、第2方向D2に延びる軸線回りに回転可能なコロ22を有する。コロ22は、ユニットフレーム21に回転可能に支持される。コロ22は、ユニットフレーム21の右側板および左側板にそれぞれ配置される。コロ22は、ユニットフレーム21のうち、第1方向D1の他方側(すなわち、後側)の端部に配置される。言い換えると、コロ22は、プロセスユニット2が本体フレーム1から取り外されるときのプロセスユニット2の引き出し方向における上流側の端部に配置される。図13には、ユニットフレーム21の右側板に配置されるコロ22は図示されない。
【0056】
コロ22は、プロセスユニット2の装着領域100Aに対する着脱時にガイド面11上を走行する。プロセスユニット2の装着領域100Aに対する着脱時、ユニットフレーム21の把持部2aを若干持ち上げることにより、コロ22だけがガイド面11に接触した状態になる。この状態で、プロセスユニット2を押し込んだり引き出したりすると、コロ22が回転し、プロセスユニット2が第1方向D1に移動する。これにより、プロセスユニット2の着脱が容易になる。
【0057】
プロセスユニット2が装着領域100Aに装着された状態におけるガイド面11とコロ22との位置関係を図14に示す。図14の状態では、図示しないが、プロセスユニット2に設けられたユニット側位置決め部が本体フレーム1に設けられた本体側位置決め部に係合することにより、本体フレーム1に対してプロセスユニット2が位置決めされる。たとえば、ユニット側位置決め部は、第2方向D2に突出する凸部である。本体側位置決め部は、第2方向D2に貫通し、かつ、第1方向D1を長手方向とする長穴である。凸部と長孔とが係合する(言い換えると、凸部が長孔に挿入される)ことにより、プロセスユニット2の上下方向の移動(位置ずれ)が規制される。
【0058】
プロセスユニット2を装着領域100Aに対してある程度押し込むことにより、ユニット側位置決め部が本体側位置決め部に係合する。これにより、コロ22がガイド面11に接触しなくなる。ユニット側位置決め部が本体側位置決め部に係合した状態では、プロセスユニット2を押し込んだり引き出したりしても、プロセスユニット2は上下方向の位置を変位させることなく第1方向D1に移動する。すなわち、ユニット側位置決め部が本体側位置決め部に係合した状態のとき、本体フレーム1は、ユニット側接点20の上下方向の位置を変位させることなく、プロセスユニット2を支持する。このまま最後までプロセスユニット2を押し込むことにより、プロセスユニット2が装着領域100Aに装着される。これにより、図14に示す状態になる。
【0059】
一方で、プロセスユニット2を装着領域100Aから引き出すときには、本体側位置決め部とユニット側位置決め部との係合が解除されるまで、ユニット側接点20の上下方向の位置が変位することなく、プロセスユニット2が第1方向D1に移動する。すなわち、本体フレーム1は、ユニット側接点20の上下方向の位置を変位させることなく、プロセスユニット2を支持する。
【0060】
ここで、本体側接点10は、上下方向を軸線方向とするねじりコイルばねであり、その一方の腕部10aをユニット側接点20に接触させる。このような本体側接点10を用いる場合、本体側接点10とユニット側接点20とが接触した状態でユニット側接点20の上下方向の位置が変位すると、本体側接点10の腕部10aが上下方向に引っ張られ、本体側接点10に余計な負荷がかかる。このため、本体側接点10とユニット側接点20とが接触した状態では、ユニット側接点20の上下方向の位置を変位させないことが好ましい。
【0061】
<本体側接点とユニット側接点との衝突回避>
ガイド面11は、図11および図12に示すように、所定位置に傾斜面13を有する。傾斜面13は、プロセスユニット2の装着領域100Aからの引き出し時に本体側接点10とユニット側接点20との衝突を回避するためにガイド面11に設けられる。
【0062】
本体側接点10とユニット側接点20との衝突を回避するには、ユニット側接点20の上下方向の位置を本体側接点10と衝突しない位置に変位させる必要がある。すなわち、プロセスユニット2の上下方向の位置を変位させる必要がある。
【0063】
ただし、プロセスユニット2の下方には、中間転写ユニット120が配置される。すなわち、プロセスユニット2の下方には、中間転写ベルト121が配置される。中間転写ベルト121は、プロセスユニット2の一構成要素である各感光体ドラム111と上下方向に接触する。このため、プロセスユニット2の上下方向の位置をより下方に変位させることはできない。
【0064】
このため、傾斜面13は、プロセスユニット2を本体フレーム1から取り外すときのプロセスユニット2の引き出し方向における上流側から下流側に向かって上り傾斜(以下、単に上り傾斜と称する)となる面である。言い換えると、プロセスユニット2の上下方向の一方側に中間転写ベルト121が配置される場合、傾斜面13は、プロセスユニット2を本体フレーム1から取り外すときのプロセスユニット2の引き出し方向における上流側から下流側に向かって上下方向の一方側とは逆の他方側に傾斜する。さらに言い換えると、傾斜面13は、プロセスユニット2を本体フレーム1から取り外すときのプロセスユニット2の引き出し方向における上流側から下流側に向かって中間転写ベルト121から離れる方向に傾斜する。
【0065】
これにより、プロセスユニット2を装着領域100Aから引き出すとき、コロ22が傾斜面13上を走行することにより、ユニット側接点20の上下方向の位置が変位する。傾斜面13が上り傾斜であるため、ユニット側接点20の上下方向の位置は上方に変位する。傾斜面13の第1方向D1(すなわち、水平方向)に対する傾斜角度が大きいほど、ユニット側接点20の上下方向の位置がより上方に変位する。
【0066】
以下、図15および図16を参照し、具体的に説明する。図15の上図、中段図および下図は、それぞれ、図16の上図、中段図および下図に対応する。図16では、便宜上、ユニット側接点20の詳細は図示せず、その代わりに、ユニット側接点20が存在する領域を破線で示す。また、図16では、第1方向D1に隣り合う2つの本体側接点10のみ図示する。
【0067】
プロセスユニット2が装着領域100Aに装着されているとき、図15および図16の各上図の状態となる。この状態では、本体側位置決め部とユニット側位置決め部とが係合状態にあるため、コロ22はガイド面11(傾斜面13)に接触しない。また、本体側接点10はユニット側接点20と接触する。
【0068】
プロセスユニット2が装着領域100Aに装着された状態(図15および図16の各上図の状態)からのプロセスユニット2の引き出しの初期段階では、本体側位置決め部とユニット側位置決め部とが係合状態にあるため、コロ22はガイド面11(傾斜面13)に接触しない。このため、プロセスユニット2の引き出しの初期段階では、ユニット側接点20は上下方向の位置を変位させない。プロセスユニット2は、ユニット側接点20が本体側接点10に接触した状態で、ユニット側接点20の上下方向の位置を変位させることなく、第1方向D1の一方側(すなわち、引き出し方向Da)に移動する。
【0069】
以降、本体側位置決め部とユニット側位置決め部との係合が解除される。そして、図15中段図に示すように、コロ22が傾斜面13に接触する。このときには、図16中段図に示すように、本体側接点10(その腕部10a)とユニット側接点20との接触が解除されている。すなわち、本体フレーム1は、本体側接点10とユニット側接点20との接触が解除されるまで、ユニット側接点20の上下方向の位置を変位させることなく、プロセスユニット2を支持する。なお、図16中段図では、本体側接点10の一部がユニット側接点20と重なっている。しかし、図16中段図の状態は図10上図の状態に相当するため、本体側接点10とユニット側接点20とは接触していない。
【0070】
コロ22が傾斜面13に到達し接触すると、コロ22が傾斜面13上を走行する。これにより、ユニット側接点20の上下方向の位置が徐々に上方に変位する。すなわち、本体側接点10とユニット側接点20との接触が解除されてから、ユニット側接点20の上下方向の位置が徐々に上方に変位する。これにより、ユニット側接点20の上下方向の位置は、引き出し方向Daの下流側に位置する本体側接点10と衝突しない回避位置に変位する。図16下図に示すユニット側接点20の上下方向の位置が回避位置である。
【0071】
ここで、ガイド面11のうち、プロセスユニット2の装着領域100Aからの引き出し時に本体側接点10とユニット側接点20との接触が解除されて以降にコロ22と接触する部分に傾斜面13が設けられる。これにより、プロセスユニット2の装着領域100Aからの引き出し時、ユニット側接点20は、割り当てられた本体側接点10との接触が解除されるまでは上下方向の位置を変位させない。プロセスユニット2の装着領域100Aからの引き出し時、割り当てられた本体側接点10との接触が解除された後、ユニット側接点20は、割り当てられた本体側接点10よりもプロセスユニット2の引き出し方向における下流側直近に位置する本体側接点10(すなわち、割り当てられた本体側接点10に対して引き出し方向の下流側に隣り合う本体側接点10)に到達する前に、上下方向の位置を回避位置に変位させる。
【0072】
以下、図16を参照し、具体的に説明する。ここでは、着目するユニット側接点20に符号202を付し、ユニット側接点202に割り当てられた本体側接点10に符号102を付す。また、本体側接点102よりもプロセスユニット2の引き出し方向における下流側に位置する本体側接点10に符号101を付し、本体側接点101に割り当てられたユニット側接点20に符号201を付す。さらに、ユニット側接点202よりもプロセスユニット2の引き出し方向における上流側に位置するユニット側接点20に符号203を付す。
【0073】
図16に示すように、ユニット側接点202は、割り当てられた本体側接点102との接触が解除されて以降、その上下方向の位置を徐々に上方に変位させる(図16中段図の状態から図6下図の状態に遷移する)。ユニット側接点202は、その上下方向の位置を徐々に上方に変位させることにより、回避位置に達する。
【0074】
このとき、ユニット側接点202は、本体側接点101には達していない。すなわち、ユニット側接点202は、割り当てられた本体側接点102と、本体側接点102よりも引き出し方向の下流側に位置する本体側接点101との第1方向D1間において、上下方向の位置を回避位置に変位させる。これにより、ユニット側接点202は、本体側接点101と衝突しない。
【0075】
その後、プロセスユニット2の引き出し方向における最上流側のユニット側接点20が引き出し方向における最下流側の本体側接点10を通過するまで、ユニット側接点20の上下方向の位置が回避位置に維持される。なお、ユニット側接点20の上下方向の位置が回避位置に達した後、プロセスユニット2の引き出し方向に向かってガイド面11が下り傾斜となる。ガイド面11の下り傾斜の面上をコロ22が走行すると、ユニット側接点20の上下方向の位置が下方に変位する。ただし、本体側接点10とユニット側接点20とが衝突する位置には変位しない。
【0076】
本実施形態では、ガイド面11に傾斜面13を設けることにより、プロセスユニット2の装着領域100Aからの引き出し時、ユニット側接点20の上下方向の位置を本体側接点10と第1方向D1に衝突しない回避位置に変位させ、ユニット側接点20の上下方向の位置を回避位置に維持できる。これにより、画像形成装置100の装置本体からプロセスユニット2を取り外す作業を作業者が行うとき、ユニット側接点20が本体側接点10と第1方向D1に衝突することを容易に抑制できる。言い換えると、本体側接点10とユニット側接点20との衝突に起因する故障を抑制できる。さらに言い換えると、プロセスユニット2を安全に取り外すことができる。
【0077】
この構成では、プロセスユニット2を装置本体から取り外す作業者からすると、本体側接点10とユニット側接点20との位置関係に気を付けることなく、ガイド面11上をコロ22が走行するようプロセスユニット2を引き出すだけで良いので、利便性がよい。言い換えると、プロセスユニット2の取り外し作業が容易になる。さらに言い換えると、プロセスユニット2の取り外し作業の作業性が向上する。
【0078】
さらに、プロセスユニット2の取り外しに関し、専用の部材を別途設ける必要はない。すなわち、ガイド面11に傾斜面13を設けるだけでよい。これにより、構造が複雑化せず、コストアップを抑制できる。
【0079】
また、本実施形態では、プロセスユニット2の上下方向の一方側である下方に中間転写ベルト121が配置される。このため、傾斜面13は、プロセスユニット2の引き出し方向における上流側から下流側に向かって上方に傾斜する。すなわち、傾斜面13は、プロセスユニット2の引き出し方向における上流側から下流側に向かって上下方向の一方側とは逆の他方側に傾斜する。これにより、プロセスユニット2の上下方向の位置を変位させても(言い換えると、ユニット側接点20の上下方向の位置を回避位置に変位させても)、プロセスユニット2は中間転写ベルト121と干渉しない。
【0080】
たとえば、画像形成装置100の種類によっては、図示しないが、プロセスユニット2の上下方向の他方側である上方に中間転写ベルト121が配置される。この場合、傾斜面13は、プロセスユニット2の引き出し方向における上流側から下流側に向かって下方に傾斜する。すなわち、傾斜面13は、プロセスユニット2の引き出し方向における上流側から下流側に向かって上下方向の一方側に傾斜する。これにより、プロセスユニット2が中間転写ベルト121と干渉することなく、プロセスユニット2の上下方向の位置を変位させることができる。
【0081】
また、本実施形態では、傾斜面13は、ガイド面11のうち、プロセスユニット2の装着領域100Aからの引き出し時に本体側接点10とユニット側接点20との接触が解除されて以降にコロ22と接触する部分に設けられる。さらに、プロセスユニット2の装着領域100Aからの引き出し時、本体フレーム1は、本体側接点10とユニット側接点20との接触が解除されるまで、ユニット側接点20の上下方向の位置を変位させることなく、プロセスユニット2を支持する。言い換えると、プロセスユニット2の装着領域100Aからの引き出し時、本体側接点10とユニット側接点20との接触が解除されるまで、ユニット側接点20の上下方向の位置が変位せず、本体側接点10とユニット側接点20との接触が解除されてから、コロ22が傾斜面13上を走行する。
【0082】
これにより、本体側接点10とユニット側接点20とが接触した状態でユニット側接点20の上下方向の位置が変位することを抑制できる。その結果、プロセスユニット2の装着領域100Aからの引き出し時に本体側接点10に余計な負荷がかからない。
【0083】
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0084】
1 本体フレーム
2 プロセスユニット
10 本体側接点
10a 腕部
10b 腕部
11 ガイド面
13 傾斜面
20 ユニット側接点
22 コロ
100 画像形成装置
100A 装着領域
121 中間転写ベルト(中間転写体)
D1 第1方向
D2 第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16