(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005539
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】検知センサ
(51)【国際特許分類】
G01V 11/00 20060101AFI20250109BHJP
G01V 3/12 20060101ALI20250109BHJP
G01V 8/10 20060101ALI20250109BHJP
G01S 13/88 20060101ALN20250109BHJP
【FI】
G01V11/00
G01V3/12 A
G01V8/10 S
G01S13/88
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105744
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 賢司
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 雄彦
(72)【発明者】
【氏名】小野 恭裕
【テーマコード(参考)】
2G105
5J070
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB09
2G105BB14
2G105BB16
2G105CC01
2G105CC04
2G105DD01
2G105DD02
2G105EE02
2G105FF13
2G105FF15
2G105GG03
2G105HH01
5J070AB17
5J070AE09
5J070AF01
5J070AH31
5J070BD10
(57)【要約】
【課題】部品点数の増加を抑制しつつ検知対象をより高精度に検知可能な検知センサを提供する。
【解決手段】検知センサは、第1電波レーダと、第1反射部材と、温度センサとを備える。第1電波レーダは、電波を送信すると共に反射した電波を受信することによって検知対象を検知する。第1反射部材は、第1電波レーダによる電波の送信範囲を第1検知範囲に制限する。温度センサは、第1検知範囲の少なくとも一部を含む所定空間における温度分布を検知する。温度センサは、温度センサの検知範囲が第1反射部材によって制限されない位置に配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を送信すると共に反射した電波を受信することによって検知対象を検知する第1電波レーダと、
前記第1電波レーダによる電波の送信範囲を第1検知範囲に制限する第1反射部材と、
前記第1検知範囲の少なくとも一部を含む所定空間における温度分布を検知する温度センサとを備え、
前記温度センサは、前記温度センサの検知範囲が前記第1反射部材によって制限されない位置に配置されている、検知センサ。
【請求項2】
電波を送信すると共に反射した電波を受信することによって前記検知対象を検知する第2電波レーダと、
前記第2電波レーダによる電波の送信範囲を第2検知範囲に制限する第2反射部材とをさらに備え、
前記所定空間は、前記第2検知範囲の少なくとも一部をさらに含み、
前記温度センサは、前記温度センサの検知範囲が前記第2反射部材によって制限されない位置に配置されており、
平面視において、前記温度センサと前記第1電波レーダとの間には前記第1反射部材が位置し、前記温度センサと前記第2電波レーダとの間には前記第2反射部材が位置する、請求項1に記載の検知センサ。
【請求項3】
前記検知センサの動作に関する設定を受け付ける受付部と、
第1発光色及び第2発光色の各々の光を発する発光素子とをさらに備え、
前記設定のためのモードとして第1モードと第2モードとが存在し、
前記第1モードにおいて設定される前記動作の内容と前記第2モードにおいて設定される前記動作の内容とは互いに異なり、
前記検知センサが前記第1モードに設定されている場合には前記発光素子が前記第1発光色の光を発する一方、前記検知センサが前記第2モードに設定されている場合には前記発光素子が前記第2発光色の光を発する、請求項1又は請求項2に記載の検知センサ。
【請求項4】
前記検知センサは、一部分が天井に埋没するように設置され、
前記検知センサが設置された状態で、前記第1電波レーダの少なくとも一部分は、前記天井よりも下方に位置する、請求項1又は請求項2に記載の検知センサ。
【請求項5】
前記第1電波レーダは、第1レーダ基板に実装されており、
前記第1反射部材は、1枚の板を折り曲げることによって構成されており、
平面視において、前記第1レーダ基板と前記第1反射部材とは重なっており、
前記第1反射部材のうち前記第1レーダ基板に対向する2辺の各々には、前記第1レーダ基板を避けるための切欠き部が形成されている、請求項1又は請求項2に記載の検知センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知センサに関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開2020/049648号(特許文献1)は、センシング装置を開示する。このセンシング装置においては、赤外線センサを用いたセンシングと、レーダセンサを用いたセンシングとが行なわれる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されているレーダセンサ等の電波レーダを用いて検知対象を検知する場合に、検知対象以外のものを検知する等の誤検知が生じ得る。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、部品点数の増加を抑制しつつ検知対象をより高精度に検知可能な検知センサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従う検知センサは、第1電波レーダと、第1反射部材と、温度センサとを備える。第1電波レーダは、電波を送信すると共に反射した電波を受信することによって検知対象を検知する。第1反射部材は、第1電波レーダによる電波の送信範囲を第1検知範囲に制限する。温度センサは、第1検知範囲の少なくとも一部を含む所定空間における温度分布を検知する。温度センサは、温度センサの検知範囲が第1反射部材によって制限されない位置に配置されている。
【0007】
電波レーダによって検知対象(例えば、人)を検知する場合に、検知範囲にサーキュレータ等が存在すると、検知対象以外のサーキュレータ等が検知対象として誤検知され得ることを本発明者(ら)は見出した。この検知センサにおいては、誤検知を抑制するために電波レーダの他に温度センサが設けられており、温度センサの検知範囲が第1反射部材によって制限されない位置に温度センサが配置されている。したがって、この検知センサによれば、第1反射部材を挟む複数の領域の各々に温度センサを設ける必要がないため、部品点数の増加を抑制しつつ検知対象をより高精度に検知することができる。
【0008】
上記検知センサは、電波を送信すると共に反射した電波を受信することによって検知対象を検知する第2電波レーダと、第2電波レーダによる電波の送信範囲を第2検知範囲に制限する第2反射部材とをさらに備えてもよく、所定空間は、第2検知範囲の少なくとも一部をさらに含んでもよく、温度センサは、温度センサの検知範囲が第2反射部材によって制限されない位置に配置されていてもよく、平面視において、温度センサと第1電波レーダとの間には第1反射部材が位置してもよく、温度センサと第2電波レーダとの間には第2反射部材が位置してもよい。
【0009】
この検知センサにおいては、温度センサの検知範囲が第1反射部材及び第2反射部材の各々によって制限されない位置に温度センサが配置されている。したがって、この検知センサによれば、第1反射部材を挟む複数の領域の各々、及び、第2反射部材を挟む複数の領域の各々に温度センサを設ける必要がないため、部品点数の増加を抑制しつつ検知対象をより高精度に検知することができる。
【0010】
上記検知センサは、検知センサの動作に関する設定を受け付ける受付部と、第1発光色及び第2発光色の各々の光を発する発光素子とをさらに備えてもよく、設定のためのモードとして第1モードと第2モードとが存在してもよく、第1モードにおいて設定される動作の内容と第2モードにおいて設定される動作の内容とは互いに異なっていてもよく、検知センサが第1モードに設定されている場合には発光素子が第1発光色の光を発する一方、検知センサが第2モードに設定されている場合には発光素子が第2発光色の光を発してもよい。
【0011】
この検知センサにおいては、検知センサが第1モードに設定されている場合には発光素子が第1発光色の光を発する一方、検知センサが第2モードに設定されている場合には発光素子が第2発光色の光を発する。したがって、この検知センサによれば、検知センサの現在のモードをユーザは目視で認識することができる。
【0012】
上記検知センサは、一部分が天井に埋没するように設置されてもよく、検知センサが設置された状態で、第1電波レーダの少なくとも一部分は、天井よりも下方に位置してもよい。
【0013】
この検知センサにおいては、検知センサが設置された状態で、第1電波レーダの少なくとも一部分が天井よりも下方に位置する。したがって、この検知センサによれば、仮に電波の透過率が低い材料で天井が構成されていたとしても第1電波レーダによって発される電波が天井から受ける影響が限定的であるため、第1電波レーダを用いることにより検知対象を高精度に検知することができる。
【0014】
上記検知センサにおいて、第1電波レーダは、第1レーダ基板に実装されていてもよく、第1反射部材は、1枚の板を折り曲げることによって構成されていてもよく、平面視において、第1レーダ基板と第1反射部材とは重なっていてもよく、第1反射部材のうち第1レーダ基板に対向する2辺の各々には、第1レーダ基板を避けるための切欠き部が形成されていてもよい。
【0015】
この検知センサにおいては、平面視において、第1レーダ基板と第1反射部材とが重なり、第1反射部材のうち第1レーダ基板に対向する2辺の各々には、第1レーダ基板を避けるための切欠き部が形成されている。したがって、この検知センサによれば、第1反射部材に切欠き部が形成されることにより第1反射部材と第1レーダ基板とがよりコンパクトに配置されるため、検知センサの大型化を抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、部品点数の増加を抑制しつつ検知対象をより高精度に検知可能な検知センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】検知センサの電気的構成を模式的に示す図である。
【
図3】第1電波レーダの電気的構成を模式的に示す図である。
【
図4】検知センサの外観を模式的に示す斜視図である。
【
図5】検知センサ本体を下側から見た状態を模式的に示す図である。
【
図6】カバーを斜め上方から模式的に示す図である。
【
図7】制御基板に固定されている各部材を側方から模式的に示す図である。
【
図8】天井に設置された検知センサの断面を側方から模式的に示す図である。
【
図9】第1電波レーダの出力値の推移の一例を示す図である。
【
図10】各電波レーダ及び温度センサの各々による出力が使用されるタイミングについて説明するための図である。
【
図11】室内の広範囲における検知が難しくなる温度センサの配置場所の一例について説明するための図である。
【
図12】各電波レーダにおける送信アンテナの利得を個別に設定可能とすることによる効果を説明するための図である。
【
図13】各検知範囲の広さを調整する他の手段について説明するための図である。
【
図14】各電波レーダに関する設定時の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施の形態」とも称する。)について、図面を用いて詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図面は、理解の容易のために、適宜対象を省略又は誇張して模式的に描かれている。
【0019】
[1.構成]
<1-1.照明システムの全体構成>
図1は、本実施の形態に従う照明システム10を模式的に示す図である。なお、
図1においては、天井が透過した状態の室内15が上方から示されている。すなわち、
図1においては、天井に取り付けられた検知センサ100側から室内15が示されている。
【0020】
図1に示されるように、照明システム10は、検知センサ100と、複数の照明装置200とを含んでいる。検知センサ100は、第1電波レーダ110と、第2電波レーダ120と、第3電波レーダ130と、第4電波レーダ140と、温度センサ145とを含んでおり、所定空間の一例である室内15における検知対象(例えば、人)の有無を検知するように構成されている。なお、所定空間は、室内だけではなく、野外、建物の出入口近傍であってもよい。
【0021】
第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々は、例えば、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式の電波レーダ又はドップラー方式の電波レーダによって構成される。また、温度センサ145は、例えば、サーモパイルによって構成される。詳細については後述するが、検知センサ100においては、各電波レーダによる検知結果と温度センサ145による検知結果とを適宜使い分けることによって、室内15における人の有無が検知される。
【0022】
室内15には、検知範囲A1,A2,A3,A4が含まれている。第1電波レーダ110は検知範囲A1における人の有無の検知に用いられ、第2電波レーダ120は検知範囲A2における人の有無の検知に用いられる。第3電波レーダ130は検知範囲A3における人の有無の検知に用いられ、第4電波レーダ140は検知範囲A4における人の有無の検知に用いられる。温度センサ145は、検知範囲A1,A2,A3,A4の各々における温度分布を個別に検知する。温度センサ145は、例えば、検知範囲A1,A2,A3,A4の各々における温度分布を示す画像データを出力する。温度センサ145によって出力される画像データは、検知範囲A1,A2,A3,A4の各々における人の有無の検知に用いられる。
【0023】
検知センサ100においては、各電波レーダ又は温度センサ145による検知結果に基づいて検知結果データが生成される。検知結果データは、例えば、各検知範囲に人が存在するか否かを示す。検知センサ100においては、検知結果データに応じた制御信号が生成される。制御信号は、複数の照明装置200の各々を制御するための信号である。
【0024】
例えば、検知範囲A1において人が検知され、かつ、検知範囲A2,A3,A4において人が検知されなかった場合に、検知センサ100においては、検知範囲A1を照らす複数の照明装置200の各々を点灯させ、検知範囲A2,A3,A4の各々を照らす複数の照明装置200の各々を消灯させる制御信号が生成される。検知センサ100において生成された制御信号は、検知センサ100から複数の照明装置200の各々へ送信される。各照明装置200は、受信された制御信号に従った動作を行なう。これにより、各照明装置200は、各検知範囲に人が存在するか否かに応じて適切に制御される。
【0025】
<1-2.検知センサの構成>
(1-2-1.検知センサの電気的構成)
図2は、検知センサ100の電気的構成を模式的に示す図である。
図2に示されるように、検知センサ100は、第1電波レーダ110と、第2電波レーダ120と、第3電波レーダ130と、第4電波レーダ140と、温度センサ145と、赤外線受光部146と、照度センサ147と、インジケータ148,149と、制御部160と、通信部135と、電源部150とを含んでいる。
【0026】
上述のように、検知センサ100において、第1電波レーダ110は検知範囲A1(
図1)における人の有無の検知に用いられ、第2電波レーダ120は検知範囲A2における人の有無の検知に用いられる。第3電波レーダ130は検知範囲A3における人の有無の検知に用いられ、第4電波レーダ140は検知範囲A4における人の有無の検知に用いられる。第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々は、例えば、FMCW方式のレーダ又はドップラー方式のレーダによって構成される。第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140は、例えば、互いに同一の構成を有している。以下では代表的に第1電波レーダ110について説明する。
【0027】
図3は、第1電波レーダ110の電気的構成を模式的に示す図である。この例において、第1電波レーダ110は、FMCW方式の電波レーダによって構成されている。
図3に示されるように、第1電波レーダ110は、送信アンテナ113と、受信アンテナ114と、通信部116と、制御回路118とを含んでいる。送信アンテナ113は、周波数(送信周波数)が時間の経過に伴って変化する送信波を送信するように構成されている。すなわち、送信アンテナ113は、FMCW方式に従う送信波を送信するように構成されている。受信アンテナ114は、周波数(受信周波数)が時間の経過に伴って変化する受信波を受信するように構成されている。すなわち、受信アンテナ114は、例えば、FMCW方式に従う受信波を受信するように構成されている。
【0028】
なお、第1電波レーダ110がドップラー方式のレーダによって構成される場合には、送信アンテナ113が所定周波数の送信波を送信するように構成されていてもよい。また、受信アンテナ114が反射波を受信するように構成されていてもよい。この場合には、例えば、送信波が検知範囲に存在する人で反射したときに、反射波の周波数が変化する。そして、送信波の周波数と反射波の周波数との差分に基づいて人の有無が検知される。
【0029】
制御回路118は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含んでいる。制御回路118は、情報処理に応じて、第1電波レーダ110内の各構成要素を制御するように構成されている。制御回路118は、例えば、送信周波数と受信周波数との比較を行ない、比較結果(例えば、差分)を出力する。なお、制御回路118によって実現される機能は、1つの回路で実現されてもよいし、複数の回路で実現されてもよい。
【0030】
通信部116は、制御部160(
図2)と通信するように構成されている。通信部116は、例えば、第1電波レーダ110による出力を示す信号(例えば、送信周波数と受信周波数との差分を示す信号)を制御部160へ送信する。なお、通信部116と制御部160との間における通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
【0031】
再び
図2を参照して、温度センサ145は、上述のように、例えば、サーモパイルで構成される。温度センサ145は、例えば、1つのサーモパイルで構成される。温度センサ145は、検知範囲A1,A2,A3,A4の各々における温度分布を示す画像データを出力する。温度センサ145が設けられている理由については後程詳しく説明する。
【0032】
赤外線受光部146は、検知センサ100の外部のリモコン(不図示)から検知センサ100に関する各種設定を指示する信号を受信するように構成されている。赤外線受光部146は、検知センサ100の動作に関する設定を受け付ける受付部として機能する。照度センサ147は、周囲の照度を測定するように構成されている。
【0033】
制御部160は、例えば、CPU、RAM及びROMを含んでいる。制御部160は、情報処理に応じて、検知センサ100内の各構成要素を制御するように構成されている。制御部160は、第1電波レーダ110の出力を示す信号、第2電波レーダ120の出力を示す信号、第3電波レーダ130の出力を示す信号、第4電波レーダ140の出力を示す信号、及び、温度センサ145によって出力される画像データに基づいて検知結果データを生成する。さらに、制御部160は、検知結果データに基づいて各照明装置200の制御信号を生成する。
【0034】
通信部135は、例えば、複数の照明装置200の各々と直接的又は間接的に通信するように構成されている。通信部135は、例えば、検知結果データを複数の照明装置200の各々へ直接的又は間接的に送信する。通信部135は、例えば、有線通信又は無線通信が可能である。無線通信の一例としては、例えば、920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯を用いた通信が挙げられる。このような通信を実現する通信規格の一例としては、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)及びWi-Fi(登録商標)等が挙げられる。
【0035】
電源部150は、商用電源(100V)から供給される交流電力(AC:Alternating Current)を直流電力(DC:Direct Current)に変換し、検知センサ100の各構成要素に直流電力を供給するように構成されている。
【0036】
インジケータ148,149(発光素子の一例)の各々は、電源部150から電力供給を受けることによって発光するように構成されている。インジケータ148,149の各々は、例えば、LED(Light Emitting Diode)によって構成される。インジケータ148が発する光の色とインジケータ149が発する光の色とは互いに異なる。例えば、インジケータ148は第1発光色の光を発し、インジケータ149は第2発光色の光を発する。
【0037】
(1-2-2.検知センサの機械的構成)
図4は、検知センサ100の外観を模式的に示す斜視図である。
図4を参照して、検知センサ100は、検知センサ本体170と、カバー175とを含んでいる。平面視における検知センサ本体170及びカバー175の各々の形状は略円形状である。カバー175は、検知センサ本体170に対して複数のネジで固定されている。上述のように、検知センサ100は、例えば、部屋の天井に設置される。検知センサ100が天井に設置されてた状態においては、検知センサ本体170の少なくとも一部が天井に埋没し、カバー175が室内15に露出する。以下では、検知センサ100のうちカバー175側を「下側」とも称し、検知センサ100のうち検知センサ本体170側を「上側」とも称する。
【0038】
図5は、検知センサ本体170を下側から見た状態を模式的に示す図である。
図5においては、検知センサ100からカバー175のみが取り外されている。
【0039】
図5を参照して、検知センサ本体170は、制御基板180と、第1電波レーダ110と、第1レーダ基板111と、第1反射部材112と、第2電波レーダ120と、第2レーダ基板121と、第2反射部材122と、第3電波レーダ130と、第3レーダ基板131と、第3反射部材132と、第4電波レーダ140と、第4レーダ基板141と、第4反射部材142とを含んでいる。検知センサ本体170は、さらに、センサ基板143と、温度センサ145と、赤外線受光部146と、照度センサ147と、インジケータ148,149とを含んでいる。詳細については後述するが、センサ基板143、温度センサ145、赤外線受光部146、照度センサ147及びインジケータ148,149は、カバー175に固定されている。
【0040】
制御基板180は、平面視において略正円形状を有する。なお、制御基板180の平面視における形状はこれに限定されない。例えば、制御基板180の平面視における形状は矩形であってよい。制御基板180には、例えば、制御部160(
図2)、第1レーダ基板111、第2レーダ基板121、第3レーダ基板131、第4レーダ基板141及びセンサ基板143が実装されている。
【0041】
第1電波レーダ110は第1レーダ基板111の略中央部分に実装されており、第2電波レーダ120は第2レーダ基板121の略中央部分に実装されている。第3電波レーダ130は第3レーダ基板131の略中央部分に実装されており、第4電波レーダ140は第4レーダ基板141の略中央部分に実装されている。第1レーダ基板111、第2レーダ基板121、第3レーダ基板131及び第4レーダ基板141の各々は、長辺及び短辺を有する矩形形状を有し、制御基板180に実装されている。本例では、通信部116と制御回路118と受信アンテナ114と送信アンテナ113とが一つのチップに実装された例が示されているが、これに限らず、通信部116と制御回路118とがチップ内に実装され、受信アンテナ114と送信アンテナ113とが各レーダ基板上に印刷されてもよいし、ワイヤアンテナが別途設けられてもよい。
【0042】
第1レーダ基板111はスペーサS1を介して制御基板180に取り付けられており、第2レーダ基板121はスペーサS2を介して制御基板180に取り付けられている。また、第3レーダ基板131はスペーサS3を介して制御基板180に取り付けられており、第4レーダ基板141はスペーサS4を介して制御基板180に取り付けられている。
【0043】
第1レーダ基板111、第2レーダ基板121、第3レーダ基板131及び第4レーダ基板141の各々は、制御基板180の中心点を中心とする周方向において等角度間隔(90°)を空けて配置されている。すなわち、平面視において、第1レーダ基板111は制御基板180の中心点に関して第3レーダ基板131と対称な位置に配置されており、第2レーダ基板121は制御基板180の中心点に関して第4レーダ基板141と対称な位置に配置されている。
【0044】
平面視において、第1レーダ基板111と重なる位置に第1反射部材112が設けられ、第2レーダ基板121と重なる位置に第2反射部材122が設けられている。また、平面視において、第3レーダ基板131と重なる位置に第3反射部材132が設けられ、第4レーダ基板141と重なる位置に第4反射部材142が設けられている。第1反射部材112、第2反射部材122、第3反射部材132及び第4反射部材142の各々は、例えば、一方の面に電波吸収材(フェライト若しくはカーボニル鉄等の強磁性体粉末を含むエポキシ樹脂、ゴム又はシリコン等)が貼り付けられた1枚の金属板(アルミニウム等)を折り曲げることによって形成されている。
【0045】
第1反射部材112の面のうち電波吸収材が貼り付けられた面側(鋭角側)の領域に第1電波レーダ110が配置され、第2反射部材122の面のうち電波吸収材が貼り付けられた面側(鋭角側)の領域に第2電波レーダ120が配置されている。第3反射部材132の面のうち電波吸収材が貼り付けられた面側(鋭角側)の領域に第3電波レーダ130が配置され、第4反射部材142の面のうち電波吸収材が貼り付けられた面側(鋭角側)の領域に第4電波レーダ140が配置されている。
【0046】
第1反射部材112は第1電波レーダ110による電波の送信範囲を検知範囲A1(
図1)に制限し、第2反射部材122は第2電波レーダ120による電波の送信範囲を検知範囲A2に制限する。第3反射部材132は第3電波レーダ130による電波の送信範囲を検知範囲A3に制限し、第4反射部材142は第4電波レーダ140による電波の送信範囲を検知範囲A4に制限する。
【0047】
平面視において、センサ基板143は、各レーダ基板と重ならない。また、平面視において、センサ基板143、温度センサ145、赤外線受光部146、照度センサ147及びインジケータ148,149の各々は、第1反射部材112の鈍角側の領域であり、かつ、第2反射部材122の鈍角側の領域であり、かつ、第3反射部材132の鈍角側の領域であり、かつ、第4反射部材142の鈍角側の領域に配置されている。すなわち、センサ基板143、温度センサ145、赤外線受光部146、照度センサ147及びインジケータ148,149の各々と第1電波レーダ110との間には第1反射部材112が位置している。センサ基板143、温度センサ145、赤外線受光部146、照度センサ147及びインジケータ148,149の各々と第2電波レーダ120との間には第2反射部材122が位置している。センサ基板143、温度センサ145、赤外線受光部146、照度センサ147及びインジケータ148,149の各々と第3電波レーダ130との間には第3反射部材132が位置している。センサ基板143、温度センサ145、赤外線受光部146、照度センサ147及びインジケータ148,149の各々と第4電波レーダ140との間には第4反射部材142が位置している。
【0048】
センサ基板143は、十字状の形状を有している。温度センサ145は、センサ基板143の下面の略中央部分に実装されている。赤外線受光部146、照度センサ147及びインジケータ148,149の各々は、温度センサ145を取り囲むようにセンサ基板143の下面に実装されている。
【0049】
図6は、カバー175を斜め上方から模式的に示す図である。
図6に示されるように、カバー175の上面には、複数(4つ)の爪部材176と、孔H1,H2,H3,H4,H5と、複数の穴H6とが形成されている。複数の爪部材176は、十字形状のセンサ基板143の各端部を保持可能な位置に形成されている。複数の爪部材176の各々は、カバー175の底面から上方に延びる部分と、径方向内側に突出した部分とを有している。各爪部材176の径方向内側に突出した部分によってセンサ基板143が下方に押圧されることにより、センサ基板143が保持される。
【0050】
孔H1,H2,H3,H4,H5の各々は、複数の爪部材176によって囲まれる領域に形成されている。孔H1は温度センサ145に対応する位置に形成されており、孔H2は照度センサ147に対応する位置に形成されている。孔H3は赤外線受光部146に対応する位置に形成されており、孔H4,H5はインジケータ149,148にそれぞれ対応する位置に形成されている。複数の爪部材176によってセンサ基板143が保持されると、検知センサ100の外部から、孔H1を介して温度センサ145の少なくとも一部が視認可能となり、孔H2を介して照度センサ147の少なくとも一部が視認可能となる。また、検知センサ100の外部から、孔H3を介して赤外線受光部146の少なくとも一部が視認可能となり、孔H4,H5を介してインジケータ149,148の少なくとも一部がそれぞれ視認可能となる。複数(4つ)の穴H6の各々は、ネジ穴であり、カバー175の外周近傍に形成されている。
【0051】
図7は、制御基板180に固定されている各部材を側方から模式的に示す図である。
図7に示されるように、第1レーダ基板111及び第4レーダ基板141の各々は、制御基板180に対して傾斜している。例えば、この傾斜角度は、1°以上、89°以下であり、5°以上、30°以下であることが好ましく、10°以上、20°以下であることがより好ましい。スペーサS1,S4の上面が制御基板180に対して傾斜しているため、第1レーダ基板111及び第4レーダ基板141の各々は、制御基板180に対して傾斜している。
図7においては示されていないが、第2レーダ基板121及び第3レーダ基板131も、制御基板180に対して傾斜している。
【0052】
第1レーダ基板111及び第4レーダ基板141が制御基板180に対して傾斜しているため、第1レーダ基板111及び第4レーダ基板141に実装されている第1電波レーダ110及び第4電波レーダ140もそれぞれ制御基板180に対して傾斜している。
【0053】
各レーダ基板は、制御基板180の中心点に近づくほど天井から離れるように(下方に近付くように)制御基板180に対して傾斜している。すなわち、各電波レーダは、制御基板180の中心点に近づくほど天井から離れるように(下方に近付くように)制御基板180に対して傾斜している。
【0054】
また、各反射部材(例えば、第1反射部材112及び第4反射部材142)の下辺は、制御基板180の中心点に近づくほど天井から離れるように(下方に近付くように)制御基板180に対して傾斜している。また、各反射部材の上辺部(レーダ基板に対向する2辺の各々)には、レーダ基板を避けるための切欠き部N1が形成されている。各切欠き部N1は、各反射部材の上辺部において下方に切り欠かれた部分である。このように、検知センサ100においては、平面視において、第1レーダ基板111と第1反射部材112とが重なる。また、第1反射部材112のうち第1レーダ基板111に対向する2辺の各々には、第1レーダ基板111を避けるための切欠き部N1が形成されている。したがって、検知センサ100によれば、第1反射部材112に切欠き部N1が形成されることにより第1反射部材112と第1レーダ基板111とがよりコンパクトに配置されるため、検知センサ100の大型化を抑制することができる。
【0055】
また、温度センサ145、赤外線受光部146、照度センサ147及びインジケータ148,149の各々は、上下方向において、各電波レーダよりも下方に位置し、各反射部材の下端近傍に位置している。特に、温度センサ145は、温度センサ145の検知範囲が各反射部材によって制限されない位置に配置されている。例えば、温度センサ145がサーモパイルによって構成される場合には、サーモパイルの視野角(例えば、45°程度)内に各反射部材が存在しないような位置にサーモパイルが配置される。例えば、サーモパイルの視野角に関する情報を参照することによって、サーモパイルの視野角内に各反射部材が存在しないように、サーモパイルの高さ位置が決定される。温度センサ145がこのような位置に配置される理由については後程詳しく説明する。
【0056】
図8は、天井C1に設置された検知センサ100の断面を側方から模式的に示す図である。
図8に示されるように、検知センサ100のうち検知センサ本体170の少なくとも一部分は天井C1に埋め込まれている。検知センサ本体170内において、制御基板180と電源部150とは、上下方向(高さ方向)に所定間隔を空けて配置されている。制御基板180と電源部150とが所定間隔を空けて配置されることで放熱効果が得られる。
【0057】
一方、検知センサ100のうちカバー175は、室内15に露出している。また、検知センサ本体170に含まれている部品のうち第1電波レーダ110及び第4電波レーダ140等の電波レーダの少なくとも一部分は天井C1よりも下方に位置している。したがって、検知センサ100によれば、仮に電波の透過率が低い材料(アルミニウム、ステンレス、エキスパンドメタル、石膏ボード等に金属等の無機物を含む塗料を塗布したもの、発泡ウレタンの樹脂層の表面にアルミニウムシートを貼り付けたもの等)で天井C1が構成されていたとしても各電波レーダによって発される電波が天井C1から受ける影響が限定的であるため、各電波レーダを用いることにより検知対象を高精度に検知することができる。
【0058】
[2.電波レーダによる誤検知の問題]
上述のように、第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140は、それぞれ検知範囲A1,A2,A3,A4における人の有無の検知に用いられる。しかしながら、電波レーダのみによっては各検知範囲における人の有無を十分に高精度に検知できない場合があることを本発明者(ら)は見出した。
【0059】
図9は、第1電波レーダ110の出力値の推移の一例を示す図である。
図9を参照して、横軸は時間を示し、縦軸は第1電波レーダ110の出力値を示す。この例においては、検知範囲A1に空気清浄機が配置されている。時刻t0-t1においては、検知範囲A1に人が存在せず、かつ、空気清浄機が稼働していない。時刻t1-t2においては、検知範囲A1において人が手を振り、かつ、空気清浄機が稼働していない。時刻t2-t3においては、検知範囲A1において人が手を振り、かつ、空気清浄機が稼働している。時刻t3-t4においては、検知範囲A1に人が存在せず、かつ、空気清浄機が稼働している。
【0060】
仮に、第1電波レーダ110の出力値が閾値以上の場合に、検知センサ100の制御部160が、検知範囲A1に人が存在すると判定するものとする。この場合に、制御部160は、時刻t3-t4において、検知範囲A1に人が存在しないにも拘わらず、検知範囲A1に人が存在すると判定する。すなわち、空気清浄機の稼働を人の存在と間違うという誤検知が生じる。第1電波レーダ110の出力値が閾値以上である状態が所定時間以上継続する場合に、検知範囲A1に人が存在し、かつ、空気清浄機が稼働している状態なのか、検知範囲A1に人が存在せず、かつ、空気清浄機が稼働している状態なのかを第1電波レーダ110の出力値から見分けることは容易ではない。検知センサ100においては、このような問題を解決するために温度センサ145が設けられている。なお、検知範囲A1に配置されている装置が空気清浄機ではなくサーキュレータ等である場合であっても同様の問題が生じる。
【0061】
図10は、各電波レーダ及び温度センサ145の各々による出力が使用されるタイミングについて説明するための図である。
図10のうち左側の図を参照して、第1電波レーダ110の出力値が閾値以上である状態が所定時間継続していない場合には、第1電波レーダ110の出力値に基づいて検知範囲A1における人の有無が判定される。
図10のうち中央及び右側の図を参照して、第1電波レーダ110の出力値が閾値以上である状態が所定時間継続している場合には、温度センサ145によって出力される画像データ(検知範囲A1における温度分布を示す画像データ)に基づいて検知範囲A1における人の有無が判定される。これにより、比較的高精度に各検知範囲における人の有無を検知することができる。
【0062】
このように、本実施の形態に従う検知センサ100においては、検知対象の検知精度を向上させるために、各電波レーダと温度センサ145とが適宜使い分けられる。一方、本発明者(ら)は、検知センサ100における温度センサ145の配置場所によっては、1つの温度センサ145により室内15の広範囲における検知を行なうことが難しくなることを見出した。
【0063】
図11は、室内15の広範囲における検知が難しくなる温度センサ145の配置場所の一例について説明するための図である。
図11を参照して、この例においては、本実施の形態に従う検知センサ100と比較して、温度センサ145Aが高い位置に配置されている。その結果、温度センサ145Aの検知範囲が各反射部材によって制限され、1つの温度センサ145により室内15の広範囲における検知を行なうことが難しくなっている。
【0064】
再び
図7を参照して、本実施の形態に従う検知センサ100において、温度センサ145は、温度センサ145の検知範囲が各反射部材によって制限されない位置に配置されている。例えば、温度センサ145がサーモパイルによって構成される場合には、サーモパイルの視野角(例えば、45°程度)内に各反射部材が存在しないような位置にサーモパイルが配置される。
【0065】
その結果、温度センサ145による検知範囲が各反射部材によって制限されず、温度センサ145の検知範囲が検知範囲A1,A2,A3,A4(
図1)に跨がる範囲となる。したがって、検知センサ100によれば、反射部材によって区切られる各領域に別途温度センサ145を設ける必要がないため、部品点数の増加を抑制しつつ検知対象をより高精度に検知することができる。このような効果は、照度センサ147に関しても同様に生じる。また、照度センサ147又は温度センサ145の代わりに他の人感センサが配置される場合には、この他の人感センサに関しても同様の効果が得られる。
【0066】
[3.電波レーダに関する設定動作]
検知センサ100においては、第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々における送信アンテナ113の利得が個別に設定(調整)可能である。
【0067】
図12は、各電波レーダにおける送信アンテナ113の利得を個別に設定可能とすることによる効果を説明するための図である。
図12に示されるように、第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々において送信アンテナ113における利得を個別に設定することによって、送信波の届く範囲を個別に調整することができる。その結果、検知センサ100によれば、例えば、各電波レーダによる検知範囲の広さを個別に調整することができる。
【0068】
また、検知センサ100においては、第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々における各検知範囲の広さが他の手段によっても調整可能となっている。
【0069】
図13は、各検知範囲の広さを調整する他の手段について説明するための図である。
図13を参照して、例えば、検知センサ100に含まれる第1電波レーダ110には2つの受信アンテナ114が含まれている。検知センサ100においては、2つの受信アンテナ114の各々における受信結果の差に基づいて人が存在する位置を示す角度(例えば、角度An1)が算出される。検知センサ100においては、例えば、所定角度情報(例えば、角度An1)が予め記憶されている。例えば、所定角度An1より小さい角度位置において人が検知された場合には人が検知された旨を示す検知結果信号が生成され、所定角度An1以上の角度位置において人が検知された場合には人が検知されていない旨を示す検知結果信号が生成される。検知センサ100においては、所定角度情報の設定が可能となっている。所定角度情報を設定することによっても、各検知範囲の広さが調整される。
【0070】
検知センサ100においては、例えば、各電波レーダの送信アンテナ113の利得の設定、及び、所定角度情報の設定の各々がリモコンを介して行なわれる。検知センサ100においては、各電波レーダの送信アンテナ113の利得を設定する第1モードと、所定角度情報を設定する第2モードとが準備されている。
【0071】
図14は、各電波レーダに関する設定時の動作を示すフローチャートである。
図14を参照して、このフローチャートに示される処理は、各電波レーダに関する設定を行なう指示がリモコンを介して受け付けられた場合に検知センサ100の制御部160によって実行される。
【0072】
制御部160は、検知センサ100が第1モードに設定されているか第2モードに設定されているかを判定する(ステップS100)。第1モードに設定されていると判定されると(ステップS100において「第1モード」)、制御部160は、第1発光色の光を発するようにインジケータ148を制御する(ステップS110)。一方、ステップS100において第2モードに設定されていると判定されると(ステップS100において「第2モード」)、制御部160は、第2発光色の光を発するようにインジケータ149を制御する(ステップS120)。
【0073】
その後、制御部160は、設定モードを終了する指示がリモコンを介して受け付けられたか否かを判定する(ステップS130)。設定モードを終了する指示が受け付けられていないと判定されると(ステップS130においてNO)、再びステップS100の処理が実行される。一方、設定モードを終了する指示が受け付けられたと判定されると(ステップS130においてYES)、このフローチャートに示される処理は終了する。
【0074】
このように、検知センサ100においては、検知センサ100が第1モードに設定されている場合にはインジケータ148が第1発光色の光を発する一方、検知センサ100が第2モードに設定されている場合にはインジケータ149が第2発光色の光を発する。したがって、検知センサ100によれば、検知センサ100の現在のモードをユーザは目視で認識することができる。
【0075】
[4.特徴]
以上のように、本実施の形態に従う検知センサ100において、温度センサ145は、温度センサ145の検知範囲が各反射部材によって制限されない位置に配置されている。その結果、温度センサ145による検知範囲が各反射部材によって制限されず、温度センサ145の検知範囲が検知範囲A1,A2,A3,A4(
図1)に跨がる範囲となる。したがって、検知センサ100によれば、反射部材によって区切られる各領域に別途温度センサ145を設ける必要がないため、部品点数の増加を抑制しつつ検知対象をより高精度に検知することができる。
【0076】
[5.他の実施の形態]
上記実施の形態の思想は、以上で説明された実施の形態に限定されない。以下、上記実施の形態の思想を適用できる他の実施の形態の一例について説明する。
【0077】
上記実施の形態に従う検知センサ100においては、検知センサ100が第1モードに設定されているか第2モードに設定されているかに応じて異なる発光色の光が発された。しかしながら、発光色を異ならせる要因はこれに限定されない。例えば、第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140のいずれの電波レーダに関する設定が行なわれているかに応じて異なる発光色の光が発されてもよい。例えば、検知センサ100に4つのインジケータが設けられ、各インジケータの発光色(例えば、赤、青、黄、緑)が異なるようにしてもよい。例えば、第1電波レーダ110の設定が行なわれている場合には赤色の光が発され、第2電波レーダ120の設定が行なわれている場合には青色の光が発され、第3電波レーダ130の設定が行なわれている場合には黄色の光が発され、第4電波レーダ140の設定が行なわれている場合には緑色の光が発されてもよい。
【0078】
以上、本発明の実施の形態について例示的に説明した。すなわち、例示的な説明のために、詳細な説明及び添付の図面が開示された。よって、詳細な説明及び添付の図面に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須でない構成要素が含まれることがある。したがって、それらの必須でない構成要素が詳細な説明及び添付の図面に記載されているからといって、それらの必須でない構成要素が必須であると直ちに認定されるべきではない。
【0079】
また、上記実施の形態は、あらゆる点において本発明の例示にすぎない。上記実施の形態は、本発明の範囲内において、種々の改良や変更が可能である。例えば、いずれかの実施の形態の少なくとも一部の構成と、他のいずれかの実施の形態の少なくとも一部の構成とが組み合わされてもよい。すなわち、本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じて具体的構成を適宜採用することができる。
【符号の説明】
【0080】
10 照明システム、15 室内、100 検知センサ、110 第1電波レーダ、111 第1レーダ基板、112 第1反射部材、113 送信アンテナ、114 受信アンテナ、116,135 通信部、118 制御回路、120 第2電波レーダ、121 第2レーダ基板、122 第2反射部材、130 第3電波レーダ、131 第3レーダ基板、132 第3反射部材、140 第4電波レーダ、141 第4レーダ基板、142 第4反射部材、143 センサ基板、145 温度センサ、146 赤外線受光部、147 照度センサ、148,149 インジケータ、150 電源部、160 制御部、170 検知センサ本体、175 カバー、176 爪部材、180 制御基板、200 照明装置、A1-A4 検知範囲、C1 天井、H1-H5 孔、H6 穴、N1 切欠き部、S1-S4 スペーサ。