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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005546
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】キャッパ
(51)【国際特許分類】
   B67B 3/20 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
B67B3/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105755
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】青塚 久和
(72)【発明者】
【氏名】藤田 満大
【テーマコード(参考)】
3E080
【Fターム(参考)】
3E080CF01
(57)【要約】
【課題】簡便な構造により効率的にキャッピングユニットの交換を行えるキャッパを提供する
【解決手段】駆動軸16の下端部に、係止部21が設けられた連結部18を設け、駆動軸16に沿って駆動軸16の下端部の規制位置に向かって付勢される、解除部材46が設けられた脱落防止部材22を設ける。キャッピングユニット12は揺動軸26Aに軸支され、先端部に当接部材38と係止爪36が設けられた連結アーム28を備え、揺動軸26A周りに駆動軸16の中心に向けて付勢される。脱落防止部材22は規制位置において、係止部21に係合する係止爪36を外方から覆うことで係止爪36の係止部21からの脱落を防止する。このとき解除部材46は当接部材38の下方に位置する。当接部材38には傾斜面38Aが設けられ、脱落防止部材22が上方へ移動されると、解除部材46が傾斜面38Aに摺接しながら上昇され、連結アーム28が外方に押し広げられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源によって回転される駆動軸にキャッピングユニットを着脱可能なキャッパであって、
上記駆動軸の下端部に設けられた係止部と、
上記駆動軸に上下方向に移動可能に取り付けられるとともに上記駆動軸の下端部の規制位置に向かって付勢される、解除部材が設けられた脱落防止部材と、
上記キャッピングユニットに設けられ、揺動軸を中心に揺動可能とされ、先端部に上記解除部材と当接する当接部と上記係止部と係合可能な係止爪とが設けられる少なくとも一対の連結アームと、
上記連結アームの先端部を上記駆動軸の中心に向けて付勢する付勢手段とを備え、
上記脱落防止部材は上記規制位置において、上記係止部に係合する上記係止爪を外方から覆うことで当該係止爪の上記係止部からの脱落を防止するとともに上記解除部材が上記当接部の下方に位置するように構成され、
上記当接部または上記解除部材の少なくとも一方には傾斜面が設けられ、上記脱落防止部材が上方へ移動されると、上記傾斜面を介して上記解除部材が上記当接部と摺接しながら上昇されることで上記連結アームが外方に押し広げられ、上記係止爪が上記係止部から離脱する
ことを特徴とするキャッパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャッピングユニットが着脱可能なキャッパに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の種類のキャップに対してキャッピングを行うマルチキャッパでは、チャック等を備えるキャッパ本体の先端のキャッピングヘッドを交換可能な交換ユニットとし、取り扱われるキャップに合わせてキャッピングヘッド(交換ユニット)をキャッパ本体先端に取り付けることで異なるキャップのキャッピングに対応している(特許文献1)。特許文献1の構成では、交換ユニットの上端に位置するロッド状の接続部をキャッパ本体の下向きにバネ付勢される連結具の内側に設けられた締結部内に挿入し、接続部の突起を締結部に係合させ、係合状態となったこれらを外方から連結具で覆うことで不意の脱落を防止しつつ、交換ユニットをキャッパ本体に連結している。また、交換ユニットを取り外すときには、バネ付勢力に抗して連結具を押し上げることで接続部と締結部を露出させ、さらに、その係合を解除する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6882670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の構成では、作業者が連結具を押し上げる操作を行って交換ユニットの着脱を行わなければならず、両手を用いる作業が必須であり作業効率が悪い。
【0005】
本発明は、簡便な構造により、キャッピングユニットの脱落を防止するとともに、効率的に交換を可能とするキャッパを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のキャッパは、駆動源によって回転される駆動軸にキャッピングユニットを着脱可能なキャッパであって、上記駆動軸の下端部に設けられた係止部と、上記駆動軸に上下方向に移動可能に取り付けられるとともに上記駆動軸の下端部の規制位置に向かって付勢される、解除部材が設けられた脱落防止部材と、上記キャッピングユニットに設けられ、揺動軸を中心に揺動可能とされ、先端部に上記解除部材と当接する当接部と上記係止部と係合可能な係止爪とが設けられる少なくとも一対の連結アームと、上記連結アームの先端部を上記駆動軸の中心に向けて付勢する付勢手段とを備え、上記脱落防止部材は上記規制位置において、上記係止部に係合する上記係止爪を外方から覆うことで当該係止爪の上記係止部からの脱落を防止するとともに上記解除部材が上記当接部の下方に位置するように構成され、上記当接部または上記解除部材の少なくとも一方には傾斜面が設けられ、上記脱落防止部材が上方へ移動されると、上記傾斜面を介して上記解除部材が上記当接部と摺接しながら上昇されることで上記連結アームが外方に押し広げられ、上記係止爪が上記係止部から離脱することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡便な構造により、キャッピングユニットの脱落を防止するとともに、効率的に交換を可能とするキャッパを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態であるキャッパのキャッピングユニット取付部の構成を示す側面図である。
図2】キャッピングユニットが取り付けられた連結部周りの図1のA方向からの矢視図である。
図3】キャッピングユニットが取り付けられた連結部周りの拡大断面図である。
図4図2、3の状態における連結部、連結アーム、脱落防止部材の配置を示す各部材の半分のみを描いた斜視図である。
図5】脱落防止部材の構造を示すための中央で縦に2分した斜視図である。
図6】一対の連結アームの斜視図である。
図7】取付用治具のキャッピングユニットへの装着が開始された時点での状態を示す側面図である。
図8】取付用治具の装着が完了しキャッピングユニットの連結部との係合が解除された状態を示す側面図である。
図9】連結アーム先端部周辺の図8の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態であるキャッパのキャッピングユニット取付部の構成を示す側面図である。なお、図1の側面図では、キャッピングユニットがキャッパに取り付けられている。
【0010】
本実施形態のキャッパ10は、キャップを保持し、各容器にキャッピングを行うキャッピングヘッド11を下端に備えるキャッピングユニット12が着脱自在に装着される。キャッピングユニット12の上端部は、キャッパ本体に設けられた駆動軸16の下端に装着される。キャッピング時、駆動軸16はサーボモータなどの駆動源14により回転される。
【0011】
駆動軸16の下端には、キャッピングユニット12の上端部を取り付けるための連結部18が設けられる。連結部18は、例えば駆動軸16から径方向外側に延出する略逆円錐台形状の上部と、その下端から下方へと延出する円筒形状の下部とからなり、連結部18の中心には、下方からキャッピングユニット12のシャフト20の上端部20Aが挿入される孔18Aが設けられる。孔18Aに挿入されるシャフト20上端部には軸方向に沿ってキー20Bが設けられ、キー20Bは孔18A内周面に設けられた溝と係合して駆動軸16とシャフト20を回転に対して一体化する。なお、孔18Aの上端は駆動軸16の中心に沿って設けられるバキューム用のバキューム通路16Aに連通される。また、駆動軸16から径方向外側に延出する連結部18の逆円錐台上面外縁部は、後述するようにキャッピングユニット12を固定するための係止部21として機能する。
【0012】
連結部18上方の駆動軸16周りには、キャッピングユニット12の脱落を防止する脱落防止部材22が取り付けられる。脱落防止部材22は、駆動軸16に沿って上下方向に移動可能であり、例えば駆動軸16周りに巻回されたコイルスプリング24などの付勢部材により下向きに付勢される。
【0013】
脱落防止部材22は、コイルスプリング24を収容するスプリング収容部22Aと、スプリング収容部22Aの下側にあって、スプリング収容部22Aから連結部18の係止部21よりも外側へと延出する円筒状のロック部材22Bを備える。スプリング収容部22A内において、コイルスプリング24は駆動軸16に設けられた係止輪16Bとロック部材22Bとの間に圧縮された状態で配置され、脱落防止部材22は、ロック部材22Bが連結部18の逆円錐台上面に押接される規制位置(駆動軸16の下端部に対応する位置)まで下向きに付勢される。
【0014】
キャッピングユニット12のシャフト20の中心には、駆動軸16のバキューム通路16Aとキャッピングヘッド11を連絡するバキューム通路20Cが軸方向に沿って設けられる。シャフト20において先端部20Aの直ぐ下には、ベース部材26が設けられる。ベース部材26は、揺動軸26Aを中心に揺動される連結アーム28が軸支される。揺動軸26Aは、シャフト20の外周接線方向に沿ってその軸が配置され、周方向に沿って回転対称に複数配置される(本実施形態では2つ)。揺動軸26Aの周りには、連結アーム28の上端(先端)をシャフト20の軸心に向けて回転付勢するトーションスプリングなどの付勢部材(付勢手段)が設けられる(不図示)。すなわち、複数の連結アーム28は、シャフト20の軸心に向けて閉じるように付勢される。なお、付勢手段は、連結アーム28の下端とシャフト20の間に配置されていても良い。
【0015】
また、シャフト20においてベース部材26の下方には、キャッピングユニット12の取り付けおよび取り外しの時に使用される脱着用治具(交換手段)30を装着するフランジ状の上側突出部32Aおよび下側突出部32Bが設けられる。なお、脱着用治具30は、上側突出部32Aと下側突出部32Bの間に挿入され、シャフト20の外周面に係合する二股の保持部材30Aと、後述するように脱落防止部材22のロック部材22Bに係合して脱落防止部材22を押し上げる二股の脱着部材30Bと、保持部材30Aと脱着部材30Bを連絡し、両者を平行な状態で支持する支持部材30Cを備える。
【0016】
保持部材30Aの厚さは、上側突出部32Aと下側突出部32Bとの間の高さに略対応するものであるが、保持部材30Aが上側突出部32Aと下側突出部32Bの間に挿入されてキャッピングユニット12が保持されている状態、すなわち、保持部材30Aは、その上面が上側突出部32Aに当接した状態で、保持部材30Aの下面と下側突出部32Bとの間に僅かな隙間Gが形成される厚さとされる。すなわち、保持部材30Aでキャッピングユニット12が保持されている状態において、キャッピングユニット12は僅かに上下方向に移動可能である。なお、保持部材30Aが上側突出部32Aと下側突出部32Bの間に挿入されると、脱着用治具30のキャッピングユニット12に対する姿勢および位置は略適切に保持される。
【0017】
保持部材30Aが上側突出部32Aと下側突出部32Bの間に挿入されるとき、脱着部材30Bの先端は規制位置にある脱落防止部材22の下端(ロック部材22Bの下端)と略同じ高さに位置する。また、脱着部材30B同士の間隔は、当該高さにおける連結部18の逆円錐台形状の外径よりも大きく、かつ両脱着部材30Bの内側側辺がロック部材22Bの外径より内側に位置するように設定される。
【0018】
脱着用治具30は、モータやシリンダ等の電動または流体アクチュエータによって構成される治具移動装置34によって、図1において左右、前後、上下方向(XYZ方向)に移動可能に構成される。キャッパ10において、複数のキャッピングユニット12が設けられる場合、脱着用治具30および治具移動装置34は、各キャッピングユニット12に対応して設けられ、不使用時(すなわち、キャッパ10がキャッピング動作を行っている間など)は、図1の位置で待機し、キャッピング動作において昇降するキャッピングユニット10に干渉しないように構成される。なお、治具移動装置34を用いずに脱着用治具30を作業者が手作業で操作する構成とすることもできる。
【0019】
図2は、キャッピングユニット12が取り付けられた連結部18周りの図1のA方向からの矢視図であり、図3は、キャッピングユニット12が取り付けられた連結部18周りの拡大断面図である。また、図4は、図2、3の状態における連結部18、連結アーム28、脱落防止部材22の配置を示す各部材の半分のみを描いた斜視図である。図5は、脱落防止部材22の構造を示すために中央で縦に2分した斜視図であり、図6は一対の連結アーム28の斜視図である。
【0020】
連結アーム28の上端(先端)には、シャフト20の軸心に向けて突出する係止爪36が設けられる。キャッピングユニット12が連結部18に装着されると、連結アーム28は閉じられ、係止爪36が連結部18の係止部21に係合する。また、連結アーム28の上端両側面には、係止爪36の突出方向に直交する方向に外側に向けて突出する当接部材38が設けられる。
【0021】
脱落防止部材22のロック部材22Bは、規制位置(図1図3の位置)において、連結部16の逆台形部上端部の周囲を覆う外周壁40を備える。外周壁40には、各連結アーム28に対応する位置に外側へと開放された開口部42が設けられる(本実施形態では中心軸を挟んで2つの開口部42が設けられる)。外周壁40は連結アーム28よりも僅かに肉厚であり、係止部21に係合された連結アーム28の上端部は開口部42内に収容される。
【0022】
開口部42は外周壁40の下端から軸方向に沿ってその途中まで形成され、脱落防止部材22が規制位置に位置するとき、連結アーム28の上端面は開口部42の天面に当接する。開口部42の天面の外周部には、縁に沿って下方に向けて延出する規制部44が設けられる。規制位置において、規制部44は連結アーム28の先端部の外側に係合し、連結アーム28が開くことを防止する。
【0023】
開口部42を形成する左右の相対する側面には、それぞれ対面する側面に向けて突出する解除部材46が設けられる。解除部材46は、連結アーム28の当接部材38に係合する部材であり、規制位置において当接部材38の下方に位置する。また、当接部材38の下側には、径方向内側から外側に向けて下降する傾斜面38Aが設けられ、径方向内側には垂直面38Bが設けられる。また、解除部材46の径方向外側には垂直な垂直面38Bと係合可能な外面46Aが設けられる。
【0024】
次に図7図9を参照して、本実施形態の脱着用治具30および治具移動装置34からなるキャッピングユニット脱着機構を用いたキャッピングユニット12の取り外し動作について説明する。
【0025】
図7図8には、連結部18に装着されたキャッピングユニット12に脱着用治具30を適用してキャッピングユニット12を連結部18から取り外すときの2つの状態が示される。図7は、脱着用治具30のキャッピングユニット12への装着が開始された時点での状態を示し、図8は、脱着用治具30の装着が完了しキャッピングユニット12の連結部18との係合が解除された状態を示す。また、図9は、連結アーム28先端部周辺の図8の部分拡大図である。
【0026】
図7に示されるように、脱着用治具30の保持部材30Aが上側突出部32Aと下側突出部32Bの間に挿入されると、保持部材30Aは上側突出部32Aと下側突出部32Bに案内され、シャフト20に対し直交する方向に移動される。このとき脱着部材30Bもシャフト20に対して直交する方向に移動され、脱着部材30Bの先端がロック部材22Bの下端に係合する。また保持部材30Aは、その上面と上側突出部32Aとの間に隙間Gが生じる位置関係で上側突出部32Aと下側突出部32Bの間に挿入される。なお、隙間Gの大きさは、後述するように下降される当接部材38の垂直面38Bが解除部材46の外面46Aに係合するのに十分な距離に設定される。
【0027】
脱着部材30Bの先端部の上面には傾斜面31が設けられ、脱着部材30Bは先細り形状とされる。脱着用治具30がシャフト20方向に押し込まれると、傾斜面31が規制位置にあるロック部材22Bの下端部に押し当てられ、ロック部材22Bの下端部が傾斜面31に沿って押し上げられる。これにより脱落防止部材22がコイルスプリング24の付勢力に抗して持ち上げられる。
【0028】
ロック部材22Bが持ち上げられると、連結アーム28の先端部の外側への移動を規制していた規制部44が、連結アーム28の先端部と干渉しない高さまで上昇される。これと並行して、ロック部材22Bの開口部42に設けられ解除部材46が、連結アーム28の当接部材38の傾斜面38Aに押し当てられる。
【0029】
解除部材46は、傾斜面38Aに摺接しながら更に押し上げられ、連結アーム28は揺動軸26Aの付勢力に抗してその上端が径方向外側に向けて移動される。これにより各係止爪36は連結部18の係止部21よりも外側に移動され、図8図9に示されるように、連結アームの係止爪36と係止部21の係合が解除される。
【0030】
これと並行して、キャッピングユニット12は自重で上述した保持部材30Aの上面と上側突出部保持部32Aの下面との間隙Gだけ僅かに下降し、保持部材30Aの上面と上側突出部保持部32Aの下面とが当接する。キャッピングユニット12の下降により保持部材30Aの下面と下側突出部保持部32Bの上面との間に新たに間隙Gが形成され、図8図9に示されるように、当接部材38の垂直面38Bが解除部材46の外面46Aに係合した状態となる。これにより連結アーム26Aに付勢力が作用した状態であっても、係止爪36が係止部21に再び係合することが防止される。
【0031】
図8図9の状態において、キャッピングユニット12は上側突出部32A、下側突出部32Bを通して保持部30Aによって保持される。脱着用治具30が下降されると、キャッピングユニット12とともに脱落防止部材22も下降され、連結アーム28が開かれた状態で係止爪36の先端が連結部18の上面である係止部21よりも下方に移動される。
【0032】
脱落防止部材22が規制位置まで下降され、キャッピングユニット12のみが更に下降されると、当接部材38が解除部材46を乗り越え、揺動軸26Aの付勢力により係止爪36の先端が連結部18の逆円錐形状の側面に押し当てられる。キャッピングユニット12が更に下降されると係止爪36が連結部18の円錐側面に沿って内側に向けて移動され、連結アーム28は閉じる方向へと回動される。シャフト20の上端部20Aが連結部18の孔18Aから抜き取られと、キャッピングユニット12はキャッパ10の連結部18から取り外され、取り外し作業は完了する。
【0033】
なお、キャッパ10の連結部18から取り外され、脱着用治具30の保持部30A後のキャッピングユニット12は、エンドエフェクタに保持ハンドが取り付けられたロボット等で構成された不図示のキャッピングユニット保持手段が脱着用治具30から取り出され、不図示のヘッドスタンドに移載される。このヘッドスタンドは、キャッパ10に取り付け可能な異なる種類のキャッピングユニット12ごとに設けられている。
【0034】
次に、キャッピングユニット脱着機構を用いたキャッピングユニット12の取り付け動作について説明する。
【0035】
まず、キャッピング対象の容器およびキャップを変更する型替えに際し、交換対象の種類のキャッピングユニット12を、当該キャッピングユニットが保持されるヘッドスタンドから、上述したキャッピングユニット保持手段によって取り出した後、脱着用治具30の保持部30Aに保持させる。その後、キャッピングユニット12は、治具移動装置34により駆動軸16の下方に移動され、シャフト20の軸心が駆動軸16の軸心を一致させられた後、駆動軸16に向けて上昇される。
【0036】
駆動軸16に取り付けられる前の脱着用治具30に保持されるキャッピングユニット12の連結アーム28には、不図示のストッパ等が取り付けられ、係止爪36の先端同士が連結部18の円錐側面の下端部の外径よりも僅かに広げられた状態に維持されるように揺動軸26A周りの回転が規制されている。キャッピングユニット12の上昇により、連結アーム28の先端に設けたれた係止爪36が連結部18の円錐側面の下端に係合し、治具移動装置34によりキャッピングユニット12が更に上昇されると、係止爪36は円錐面に沿って外側に向けて押し広げられ、図8の状態まで上昇される。
【0037】
図8の状態から脱着用治具30をキャッピングユニット12から側方へと引き抜くと、解除部材46が設けられた脱落防止部材22が下降される。当接部材38の傾斜面38Aに係合する解除部材46が下降されると、揺動軸26A周りに連結アーム28が閉じられ、係止爪36が係止部12に係合して図7の状態となる。その後、治具移動装置34は、脱着用治具30がキャッピングユニット12から完全に離脱するまで脱着用治具30を水平方向に移動して図1の状態とし、取り付け作業は完了する。
【0038】
以上のように、本実施形態のキャッパによれば、脱落防止部材22を持ち上げる簡便な構造によりキャッピングユニット(キャッピングヘッド)の脱落を防止するとともに、効率的に交換を可能とすることができる。
【0039】
なお、本実施形態では、傾斜面を当接部側に設けたが、解除部材の上面に外側に向けて下がる傾斜面を設けてもよい。また、本実施形態では取付用治具を用いてキャッピングユニットの取り付けを行ったが、取付用治具を用いずに、従来のように完全に手動で交換を行うこともできる。この場合、キャッピングユニット側を片手で保持するとともに、同じ手の親指で脱落防止部材を押し上げることで連結アームと連結部の係合が解除できる。
【符号の説明】
【0040】
10 キャッパ
11 キャッピングヘッド
12 キャッピングユニット
16 駆動軸
18 連結部
21 係止部
22 脱落防止部材
26A 揺動軸
28 連結アーム
36 係止爪
38 当接部材
38A 傾斜面
46 解除部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9