IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社エヌ・クラフトの特許一覧

<>
  • 特開-廃棄物管理システム 図1
  • 特開-廃棄物管理システム 図2
  • 特開-廃棄物管理システム 図3
  • 特開-廃棄物管理システム 図4
  • 特開-廃棄物管理システム 図5
  • 特開-廃棄物管理システム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005565
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】廃棄物管理システム
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/342 20060101AFI20250109BHJP
   B07C 5/10 20060101ALI20250109BHJP
   B07C 5/32 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B07C5/342
B07C5/10
B07C5/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105782
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】519205361
【氏名又は名称】株式会社エヌ・クラフト
(74)【代理人】
【識別番号】110002424
【氏名又は名称】ケー・ティー・アンド・エス弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】林 憲昌
【テーマコード(参考)】
3F079
【Fターム(参考)】
3F079AD00
3F079CA23
3F079CA29
3F079CA32
3F079CB14
3F079CB29
3F079CC01
3F079DA01
(57)【要約】
【課題】廃棄物を選別しながら管理できる廃棄物管理システムを提供する。
【解決手段】本開示に係る廃棄物管理システムは、廃棄物を管理する廃棄物管理システムであって、載置された廃棄物の画像を取得可能な制御装置を備え、前記制御装置は、前記画像に基づいて前記廃棄物の種別を特定し、特定した前記種別が含まれる第1リストを生成する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物を管理する廃棄物管理システムであって、
載置された廃棄物の画像を取得可能な制御装置を備え、
前記制御装置は、
前記画像に基づいて前記廃棄物の種別を特定し、
特定した前記種別が含まれる第1リストを生成する、
廃棄物管理システム。
【請求項2】
前記廃棄物を取得可能なアームをさらに備え、
前記制御装置は、前記廃棄物の種別と特定可能な教師データを記憶しており、
前記制御装置は、前記アームで取得する前記廃棄物を特定し、
特定した前記廃棄物の画像を取得し、
前記画像と、前記教師データと、を比較し、前記廃棄物の種別を特定し、前記第1リストを生成する、
請求項1に記載の廃棄物管理システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記画像と、前記教師データと、を比較し、前記廃棄物の種別を特定できない場合、前記廃棄物の種別を入力可能な入力画面を生成する、
請求項2に記載の廃棄物管理システム。
【請求項4】
前記廃棄物の種別に応じた複数の選別エリアをさらに備え、
前記制御装置は、前記アームを移動させて、前記廃棄物の種別に応じた選別エリアに前記廃棄物を搬送させ、
前記廃棄物が前記選別エリアに搬送された場合、前記第1リストを生成する、
請求項1に記載の廃棄物管理システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記廃棄物の種別を含む、前記第1リストと異なる第2リストを取得し、
前記第1リストと、前記第2リストと、を照合し、
前記第1リストと、前記第2リストとの、少なくとも種別の情報が一致する場合、
前記第1リストに認証情報を付与する、
請求項1に記載の廃棄物管理システム。
【請求項6】
前記第1リストと、前記第2リストとの、少なくとも種別の情報が一致する場合、前記教師データを更新する、
請求項5に記載の廃棄物管理システム。
【請求項7】
前記制御装置は、電子マニュフェスト情報を生成するステップを有する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の廃棄物管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、廃棄物管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から廃棄物を管理する廃棄物管理システムが知られている。このような廃棄物管理システムは、廃棄物排出事業者から最終処分場までの行程において、廃棄物の種別と量を管理している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6989835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
廃棄される廃棄物は、金属、木材、石材など様々な種別がある。最終処分場では、このような廃棄物が搬入された際に、人手によって選別し管理する必要がある。
【0005】
本開示の課題は、廃棄物を選別しながら管理できる廃棄物管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る廃棄物管理システムは、廃棄物を管理する廃棄物管理システムであって、
載置された廃棄物の画像を取得可能な制御装置を備え、前記制御装置は、前記画像に基づいて前記廃棄物の種別を特定し、特定した前記種別が含まれる第1リストを生成する。
【発明の効果】
【0007】
この廃棄物管理システムによれば、廃棄物を選別しながら管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態による廃棄物処分工程を示す図。
図2】本開示の実施形態による廃棄物管理システムを示す図。
図3】本開示の実施形態による制御装置の処理手順を示すフローチャート(1)。
図4】本開示の実施形態による制御装置の処理手順を示すフローチャート(2)。
図5】本開示の実施形態によるリストの一例。
図6】本開示の実施形態による入力画面の一例。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
本開示の廃棄物管理システム1は、載置された廃棄物を選別しながら種別と重量を管理するためのシステムである。図1に示すように、廃棄物の処分行程においては、廃棄物の排出事業者、運送事業者、および処分事業者のそれぞれで廃棄物を管理し、管理した廃棄物の内容をマニュフェストとして互いに情報共有することが求められている。例えば、廃棄物を排出する排出事業者が管理したマニュフェストは、運送業者と共有される。運送業者が管理したマニュフェストは、排出事業者、および処分事業者と共有される。同様に、処分業者が管理したマニュフェストには、少なくとも廃棄物の種別と重量が含まれる。マニュフェストは、少なくとも種別と重量が含まれる。このように廃棄物の処理行程を実行する各事業者間でマニュフェストを共有することによって、廃棄物が不法投棄されることを防止している。
【0011】
近年はさらに、このようなマニュフェストを電子化し、管理センターに登録することが求められている。マニュフェストを電子化するためには、廃棄物を選別し、リスト化することが必要となる。しかし、処分場などに載置された廃棄物を一つ一つ人手作業で選別し、種別と重量を記録し、リスト化するためには、多くの人手が必要である。そこで、発明者らは、種別が混在した廃棄物が載置された状態であっても、選別とリストの作成を同時に実行できる廃棄物管理システム1を発明した。
【0012】
図2に示すように、本開示の第1実施形態に係る廃棄物管理システム1は、カメラ2と、ディスプレイ4と、制御装置6と、搬送装置8と、選別エリア10と、を備える。本実施形態では、廃棄物管理システム1は、廃棄物処理場に搬入された木材、金属、ゴム、ガラス、樹脂など、種々の材料および種々の形状の廃棄物が混在した複数の廃棄物Xを選別するシステムである。このような廃棄物Xは、廃棄物処理場に搬入されると、バラ積み状態で一旦積み置かれる。
【0013】
カメラ2は、複数の廃棄物Xを撮像する。本実施形態では、カメラ2は、後述する搬送装置8のブーム8aに取り付けられる。しかし、カメラ2は、選別を行う工場の天井や梁などに取り付けられてもよい。また、カメラ2は、搬送装置8のブーム8a以外の場所に取り付けられてもよい。また、本実施形態では、カメラ2は、動画を撮像するカメラである。しかし、カメラ2は、静止画像を撮像するカメラ2であってもよい。カメラ2は、制御装置6に電気的に接続され、撮像した動画を制御装置6に送信する。
【0014】
ディスプレイ4は、カメラ2で撮像した画像データDを表示する。本実施形態では、ディスプレイ4はタッチパネル式のディスプレイ4である。ディスプレイ4は、制御装置6と電気的に接続され、画像データDを表示するとともに、タッチされた画像データD上の位置を制御装置6に送信する。
【0015】
制御装置6は、廃棄物管理システム1を制御するために設けられる。制御装置6は、記憶部6aを有する。制御装置6は、実際には、記憶部6aと、演算部6bと、入出力バッファ等と、を含むマイクロコンピュータによって構成される。記憶部6aは、廃棄物Xを判定するための教師データを記憶している。ここで、教師データとは、例えば木材であれば、その色彩と形状である。このような、制御装置6は、このように種々材料の色彩と形状を教師データとして記憶し、カメラ2で取得した画像データDと教師データとを演算部6bを用いて照合することで、複数の廃棄物Xから自動的に選別可能な第1の廃棄物X1を画像処理によって選別する。
【0016】
搬送装置8は、複数の廃棄物Xを搬送する。本実施形態では、搬送装置8は、ガントリー型のロボットである。このようなガントリー型のロボットでは、ブーム8aが一対のレール8b上を前後方向に移動するとともに、ブーム8aに取り付けられたアーム8cが左右方向および上下方向に移動する。なお、レール8bは、廃棄物Xを搬入する廃棄物処理場の建屋の構造部材に取り付けてもよい。搬送装置8は、制御装置6と電気的に接続され、制御装置6から搬送すべき廃棄物Xの位置情報と、搬送すべき選別エリア10の情報を受け取ると、位置情報に従ってアーム8cを動かす。搬送装置8は、廃棄物Xの位置に到達すると廃棄物Xを掴むための治具を開き、廃棄物Xをつかみ取る。搬送装置8は、廃棄物Xを掴むと、選別エリア10に向けてアーム8cを動かし、選別エリア10にある所定の選別エリアに廃棄物Xを搬送する。搬送装置8は、掴んだ廃棄物Xの重量を計測可能な重量センサを含んでいる。搬送装置8は、廃棄物Xを掴むと廃棄物Xの重量を計測する。なお、搬送装置8は、ガントリー型のロボットに限らず、例えばロボットアームなどの廃棄物Xを搬送できる装置であればよい。また、搬送装置8は、複数設けられてもよい。
【0017】
選別エリア10は、複数の選別エリアを有する。本実施形態では、選別エリアは、木材でできた廃棄物Xが選別される第1選別エリア10a、金属材料でできた廃棄物Xが選別される第2選別エリア10b、樹脂でできた廃棄物Xが選別される第3選別エリア10c、ゴム材料でできた廃棄物Xが選別される第4選別エリア10d、ガラス材料できた廃棄物Xが選別される第5選別エリア10e、およびその他材料できた廃棄物Xが選別される第6選別エリア10fの6つの選別エリアが設けられる。しかし、選別エリアは複数あればよく、例えば、材料のみならず廃棄物の大きさや、形状によって異なる選別エリアを設けてもよい。また、本実施形態では、第1選別エリア10aから第3選別エリア10cは、廃棄物Xが搬入される位置の右側に設けられ、第4選別エリア10dから第6選別エリア10fは廃棄物Xを挟んで反対側の左側に設けられる。このように選別エリアを配置することで、搬送装置8が廃棄物Xを効率的に搬送できる。しかし、選別エリアは、搬送装置8が搬送できる範囲に設けられればよい。また、各搬送エリアは、搬送された廃棄物X
の重量を計測する重量センサを含んでもよい。
【0018】
次に、図3のフローチャートを用いて、電子マニュフェスト生成までの制御装置6が実行する処理について説明する。
【0019】
図3に示すように、ステップS1において制御装置6は、廃棄物Xがバラ積み状態で載置されていることを検知する。バラ積み状態の検知は、例えば、廃棄物Xが載置されていない状態の画像を制御装置6が記憶しており、カメラ2によって撮像した動画と画像を比較して検知してもよい。あるいは、廃棄物Xが載置される場所に重量センサを設け、重量センサによって廃棄物Xの重さを検知した場合に、バラ積み状態の廃棄物Xが載置されたこと検知してもよい。制御装置6は、バラ積み状態の廃棄物Xが載置されたこと検知するとステップS2に処理を進める。
【0020】
ステップS2において制御装置6は、把持可能な廃棄物Xを特定する。把持可能な廃棄物Xの特定は、例えば、カメラ2で撮像した動画から最上部にある廃棄物Xを特定し、最上位の廃棄物Xを把持可能な廃棄物として特定してもよい。制御装置6は、把持可能な廃棄物Xを特定するとステップS3に処理を進める。
【0021】
ステップS3において制御装置6は、把持可能な廃棄物Xの画像を取得する。制御装置6は、カメラ2を作動させて廃棄物Xを撮像させる。制御装置6はカメラ2を作動させるとステップS4に処理を進める。
【0022】
ステップS4において制御装置6は、カメラ2が撮像した画像(本実施形態では動画)を取得する。制御装置6は画像を取得するとステップS5に処理を進める。
【0023】
ステップS5において制御装置6は、特定した廃棄物Xの位置までアーム8cまで移動させる。制御装置6は、特定した廃棄物Xの位置までアーム8cまで移動させ、ステップS6に処理を進める。
【0024】
ステップS6において制御装置6は、特定した廃棄物Xをアーム8cが把持したか否か判断する。制御装置6は、廃棄物Xをアーム8cが把持したと判断した場合(ステップS6 YES)、ステップS7に処理を進める。
【0025】
ステップS7において制御装置6は、教師データを取得し、ステップS8に処理を進める。ステップS8において、制御装置6は、教師データと特定した廃棄物Xの画像とを比較し、ステップS9に処理を進める。
【0026】
ステップS9において制御装置6は、特定した廃棄物Xの画像と一致率が所定一致率以上の教師データの中の廃棄物Xを検索する。より具体的には、制御装置6は、廃棄物Xの画像と所定一致率(例えば90%)で合致する教師データの中の廃棄物Xを特定する。ここで、所定一致率とは、教師データとして記憶している色や形状との一致率である。制御装置6は、画像の廃棄物Xと教師データの廃棄物Xの一致率が所定一致率以上であると判断した場合(ステップS9 YES)、ステップS10に処理を進める。
【0027】
ステップS10において制御装置6は、バラ積み状態の廃棄物Xの中から特定した廃棄物Xの種別、形状、重量、搬送先を特定する。具体的には、制御装置6は、ステップS9において特定した教師データの中の廃棄物Xのデータから、特定した廃棄物Xの種別を特定する。例えば、制御装置6が教師データとして木材の色、形状を記憶しており、バラ積み状態の廃棄物Xから特定し廃棄物Xの画像が、教師データの木材の色、形状と90%以上一致する場合、制御装置6は、特定した廃棄物Xの種別を木材であると判断する。制御装置6は、特定した廃棄物Xが木材であると判断した場合、木材の廃棄物Xが搬送される第1選別エリア10a(図2参照)を搬送先として決定する。これと同時に、制御装置6は重量センサから廃棄物Xの重量を取得する。制御装置6は、さらに取得した画像を廃棄物Xの形状データとして記憶する。制御装置6は、形状データから特定した廃棄物Xの大きさ(寸法)を取得してもよい。制御装置6は、バラ積み状態の廃棄物Xの中から特定した廃棄物Xの種別、形状、重量、搬送先を特定するとステップS11に処理を進める。
【0028】
ステップS11において制御装置6は、特定した廃棄物Xの搬送が完了したか否か判断する。制御装置6は、アーム8cが正しい搬送エリアまで特定した廃棄物Xを搬送し、把持を解除した場合に、特定した廃棄物Xの排気が完了したと判断してもよい。制御装置6は、特定した廃棄物Xの搬送が完了したと判断した場合(ステップS11 YES)、ステップS12に処理を進める。
【0029】
ステップS12において制御装置6は、リスト(第1リストの一例)を生成する。図5に示すように、リストは、例えば特定した廃棄物Xの種別、大きさ、重量、画像、排出事業者、運送業者の一覧であってもよい。制御装置6は、リストを生成するために、特定した廃棄物Xのこれら情報をリストに追記していく。制御装置6は、リストを生成するとステップS13に処理を進める。
【0030】
ステップS13において制御装置6は、バラ積みされた廃棄物Xの移動が完了したか否か判断する。制御装置6は、例えば、廃棄物Xが載置されていない状態の画像を制御装置6が記憶しており、カメラ2によって撮像した動画と画像が一致した場合に、バラ積みされた廃棄物Xの移動が完了したと判断してもよい。あるいは、廃棄物Xが載置される場所に重量センサを設け、重量センサによって廃棄物Xの重さを検知しない場合に、バラ積みされた廃棄物Xの移動が完了したと判断してもよい。制御装置6は、バラ積みされた廃棄物Xの移動が完了したと判断した場合(ステップS13 YES)、ステップS14に処理を進める。
【0031】
ステップS14において制御装置6は、各選別エリアに搬送された廃棄物Xの種別毎の総重量をカウントする。制御装置6は、特定した廃棄物Xの重量を種別毎に積算して、総重量をカウントしてもよい。あるいは、各選別エリアに設けた重量センサによって、種別毎の総重量をカウントしてもよい。制御装置6は、各選別エリアに搬送された廃棄物Xの種別毎の総重量をカウントすると、ステップS15に処理を進める。
【0032】
ステップS15において制御装置6は、電子マニュフェストの認証前データを生成する。具体的には、制御装置6は、リストから電子マニュフェストの入力フォームに沿った情報を取得し、電子マニュフェスト(第1リストの一例)を生成する。例えば、電子マニュフェストでは、図5のリストと異なり、廃棄物Xの種別毎の重量が種別に対応させてリストにされていてもよい。制御装置6は、電子マニュフェスト生成すると次のステップ(図3のAおよび図4のA参照)に処理を進める。
【0033】
ステップS6において制御装置6が、特定した廃棄物Xをアーム8cが把持していないと判断した場合(ステップS6 NO)、制御装置6は、ステップS4の処理に戻り画像を取得し続ける。アーム8cが特定した廃棄物Xを把持していないにもかかわらず、教師データと廃棄物Xの画像を比較すると、搬送されていないものまでリストが生成される恐れがある。このため、制御装置6は、特定した廃棄物を把持した状態となるまで、画像を取得し続ける。
【0034】
ステップS9において制御装置6が、画像の廃棄物Xと教師データの廃棄物Xの一致率が所定一致率以上であるものが無いと判断した場合(ステップS9 NO)、制御装置6は、ステップS16に処理を進める。
【0035】
ステップS16において、制御装置6は、廃棄物管理システム1のユーザに種別を特定させる種別特定画面(入力画面の一例)を生成し、ディスプレイ4に表示する。図6に示すように、種別特定画面は、廃棄物の種別が特定できない廃棄物(図6の枠内の廃棄物X)を表示し、その横に廃棄物の種別を特定するための種別ごとのアイコンを表示するような画面であってもよい。アイコンは、例えば各選別エリア示したものであってもよい。制御装置6は、種別特定画面を生成し表示するとステップS17に処理を進める。
【0036】
ステップS16において、制御装置6は、ユーザが種別情報を入力したことを検知する。制御装置6は、ユーザが入力した種別情報を記録しステップS10に処理を進める。なお、ステップS12では制御装置6は、この記録した種別情報からリストを生成する。
【0037】
ステップS11において制御装置6が、特定した廃棄物Xの搬送が完了していないと判断した場合(ステップS11 NO)、制御装置6はステップS5に処理を進め、アーム8cの移動を続ける。特定した廃棄物Xの搬送が完了していないにもかかわらずリストが生成されると、搬送されていないものまでリストが生成される恐れがある。このため、制御装置6は、特定した廃棄物Xの搬送が完了するまでリストを生成しない。
【0038】
ステップS13において制御装置6が、全廃棄物の搬送が完了していないと判断した場合(ステップS13 NO)、制御装置6はステップS1に処理を進め、全廃棄物が搬送完了するまで処理を続ける。
【0039】
次に、図4のフローチャートを用いて、電子マニュフェスト生成後にステップS17で入力した種別情報を教師データに反映するまでの制御装置6が実行する処理について説明する。
【0040】
ステップS17において制御装置6は、排出事業者から管理センターに提出されたマニュフェスト情報(第2リストの一例)を取得する。なお、排出事業者から搬出された廃棄物Xの情報が、図5のリストと同様にリスト化され管理センターに登録されていてもよい。制御装置6は、排出事業者の電子マニュフェストを取得するとステップS19に処理を進める。
【0041】
ステップS18において制御装置6は、運送事業者から管理センターに提出されたマニュフェスト情報(第2リストの一例)を取得する。なお、排出事業者と同様に運送業者の廃棄物も図5のリストと同様にリスト化され管理センターに登録されていてもよい。制御装置6は、運送業者の電子マニュフェストを取得するとステップS20に処理を進める。
【0042】
ステップS20において制御装置6は、搬出業者および/または運送業者の電子マニュフェストと、ステップS15で生成した電子マニュフェストが一致しているか否か判断する。制御装置6は、搬出業者および/または運送業者の電子マニュフェストと、ステップS15で生成した電子マニュフェストが一致していると判断した場合(ステップS20 YES)、ステップS21に処理を進める。
【0043】
ステップS21において制御装置6は、ステップS17において種別情報が入力されたか否か判断する。制御装置6は、種別情報の入力があった場合(ステップS21 YES)、ステップS22に処理を進める。
【0044】
ステップS22において制御装置6は、教師データにステップS17で入力された種別情報を追加し、ステップS23に処理を進める。
【0045】
ステップS23において制御装置6は、ステップS15で生成した電子マニュフェストに認証情報を付与し、管理センターに送信し、処理を終了する。具体的には、制御装置6は、ステップS12で生成したリストに識別情報(ID)を付与し、電子マニュフェスト情報を生成する。あるいは、制御装置6は、ステップS15で生成した電子マニュフェストの種別毎の重量に識別情報を付与してもよい。電子マニュフェスト情報とは、廃棄物が排出されてから処分されるまでの間に、不法投棄などによって処理されていない廃棄物がないことを証明するための情報である。したがって、制御装置6は、排出事業者が登録した電子マニュフェスト、または、運送業者が登録した電子マニュフェストの少なくともいずれか一方とステップS15で生成した電子マニュフェストとが一致する場合のみ、認証情報を付与することが好ましい。
【0046】
ステップS20において制御装置6は、搬出業者および/または運送業者の電子マニュフェストと、ステップS15で生成した電子マニュフェストが一致していないと判断した場合(ステップS20 NO)、制御装置6は、ステップS24に処理を進める。
【0047】
ステップS24において制御装置6は、警告画面を生成し、ディスプレイ4に送信し表示し、ステップS25に処理を進める。搬出業者および/または運送業者の電子マニュフェストと、ステップS15で生成した電子マニュフェストが一致していない場合、ステップS17で入力された種別情報が間違っていた可能性がある。そこで、制御装置6は、ステップ26において誤入力となった候補をディスプレイ4に表示し、ステップS26に処理を進める。制御装置6は、誤入力の候補を、搬出業者および/または運送業者の電子マニュフェストとステップS15で生成した電子マニュフェストとの相違点を取得し、ステップS17で入力された種別情報のうち相違点に該当するものを誤入力の候補と判断してもよい。
【0048】
ステップS25では、制御装置6は、種別情報の修正が入力されたか否か判断する。制御装置6は、種別情報の修正が入力された場合(ステップS26 YES)、ステップS20に処理を進め、修正した電子マニュフェストによって搬出業者および/または運送業者の電子マニュフェストと一致するか否か判断する。
【0049】
制御装置6は、種別情報の修正が入力されていない場合(ステップS26 NO)、ステップS24に処理を進め、ユーザに入力を促す。
【0050】
以上説明した通り、本開示による、廃棄物管理システム1によれば、制御装置6が廃棄物を選別しながら管理できる。
【0051】
さらに、本開示の廃棄物管理システム1によれば、制御装置6が電子マニュフェスト情報を生成するためペーパーレス化につながる。
【0052】
また、本開示の廃棄物管理システム1によれば、廃棄物処理工程における選別工程において搬送装置8を用いて無人化でき、安全な廃棄物の選別が可能となるとともに、人手不足の解消にもなる。
【0053】
さらに、このような廃棄物管理システム1を導入する廃棄物処理事業者は、電子マニュフェスト情報の認証情報を通じて的確な廃棄物処理を実行していることが証明される。これによって、優良な廃棄物処理事業者として、廃棄物排出事業者からの信用を得やすい。
【0054】
<他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能である。
【0055】
例えば、上記第1実施形態および第2実施形態において、カメラ制御コンピュータ4a、制御装置6、および制御装置6が実行した各ステップの処理は、それぞれの別のコンピュータによって実行してもよい。すなわち、ステップS1からステップS39までの処理をどのコンピュータが実行するかは、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 :廃棄物管理システム
2 :カメラ
4 :ディスプレイ
6 :制御装置
8c :アーム
10 :選別エリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6