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特開2025-56543極低温冷凍機、および極低温冷凍機用フレキシブルホース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025056543
(43)【公開日】2025-04-08
(54)【発明の名称】極低温冷凍機、および極低温冷凍機用フレキシブルホース
(51)【国際特許分類】
   F25B 9/00 20060101AFI20250401BHJP
   F16L 11/15 20060101ALI20250401BHJP
   F16L 11/16 20060101ALI20250401BHJP
【FI】
F25B9/00 B
F16L11/15
F16L11/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023166077
(22)【出願日】2023-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】水野 陽治
【テーマコード(参考)】
3H111
【Fターム(参考)】
3H111AA02
3H111BA03
3H111CA42
3H111CA47
3H111CC13
3H111DA13
3H111DB09
3H111DB22
3H111EA09
3H111EA17
(57)【要約】
【課題】極低温冷凍機の動作中にフレキシブルホースから発生する騒音を低減する。
【解決手段】極低温冷凍機10は、圧縮機12と、コールドヘッド14と、圧縮機12をコールドヘッド14に接続する第1フレキシブルホース63とを備える。第1フレキシブルホース63は、極低温冷凍機10の作動ガスを流すための導管と、導管に外装されたブレイドとを備える。ブレイドは、導管を被覆するように筒状に編まれたブレイド線を備え、作動ガスが公称圧力で導管を流れるときブレイド線に働く引張応力が85N/mm以下となるように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、
コールドヘッドと、
前記圧縮機を前記コールドヘッドに接続するフレキシブルホースであって、極低温冷凍機の作動ガスを流すための導管と、前記導管に外装されたブレイドとを備えるフレキシブルホースと、を備え、
前記ブレイドは、前記導管を被覆するように筒状に編まれたブレイド線を備え、前記作動ガスが公称圧力で前記導管を流れるとき前記ブレイド線に働く引張応力が85N/mm以下となるように構成されていることを特徴とする極低温冷凍機。
【請求項2】
前記ブレイドは、前記作動ガスが前記公称圧力で前記導管を流れるとき前記ブレイド線に働く引張応力が30N/mm以上となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の極低温冷凍機。
【請求項3】
前記圧縮機は、前記作動ガスを送出する送出ポートを備え、
前記コールドヘッドは、前記作動ガスを受け入れる吸気ポートを備え、
前記フレキシブルホースは、前記送出ポートを前記吸気ポートに接続することを特徴とする請求項1に記載の極低温冷凍機。
【請求項4】
前記圧縮機は、前記作動ガスを回収する回収ポートを備え、
前記コールドヘッドは、前記作動ガスを排出する排気ポートを備え、
前記極低温冷凍機は、前記回収ポートを前記排気ポートに接続する別のフレキシブルホースであって、前記作動ガスを流すための導管を備える別のフレキシブルホースをさらに備え、
前記別のフレキシブルホースの前記導管は、前記作動ガスの流れに露出されるコルゲート内面を備え、前記コルゲート内面におけるコルゲート間隙間が1mm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の極低温冷凍機。
【請求項5】
前記コルゲート内面におけるコルゲート間隙間が0.6mm以下であることを特徴とする請求項4に記載の極低温冷凍機。
【請求項6】
圧縮機と、
コールドヘッドと、
前記圧縮機を前記コールドヘッドに接続するフレキシブルホースであって、極低温冷凍機の作動ガスを流すための導管を備えるフレキシブルホースと、を備え、
前記導管は、前記作動ガスの流れに露出されるコルゲート内面を備え、前記コルゲート内面におけるコルゲート間隙間が1mm以下であることを特徴とする極低温冷凍機。
【請求項7】
極低温冷凍機用フレキシブルホースであって、
極低温冷凍機の作動ガスを流すための導管と、
前記導管に外装されたブレイドと、を備え、
前記ブレイドは、前記導管を被覆するように筒状に編まれたブレイド線を備え、前記作動ガスが公称圧力で前記導管を流れるとき前記ブレイド線に働く引張応力が85N/mm以下となるように構成され、及び/または、
前記導管は、前記作動ガスの流れに露出されるコルゲート内面を備え、前記コルゲート内面におけるコルゲート間隙間が1mm以下であることを特徴とする極低温冷凍機用フレキシブルホース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極低温冷凍機、および極低温冷凍機用フレキシブルホースに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ギフォード・マクマホン(Gifford-McMahon;GM)冷凍機などの極低温冷凍機は、圧縮機とコールドヘッドとも呼ばれる膨張機との間での作動ガスの給排のために両者を接続する作動ガス配管を備える。作動ガス配管として、蛇腹状のフレキシブルホースが用いられることがある。従来、極低温冷凍機の動作中の作動ガス流れによりフレキシブルホースから発生する騒音を低減するために、柔軟性のあるパイプを蛇腹状フレキシブルホースの内面に装着することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-333224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、上述の極低温冷凍機用フレキシブルホースを検討し、以下の課題を認識した。このフレキシブルホースは、柔軟性パイプを用いてホース内面を平滑化することで、ガス流れに起因する騒音を低減することを目指すものである。しかしながら、本発明者の検討によると、フレキシブルホースに外装されるブレイドの設計や、例えば作動ガス圧力など極低温冷凍機の使用条件によっては、騒音レベルが悪化しうることが判明した。また、上述のフレキシブルホースは、柔軟性パイプという追加部品を必要とする。これは、フレキシブルホースの製造コストの増加につながりうる。極低温冷凍機の長期的な運転に伴うパイプの摩耗の進行など、長期信頼性についての懸念もある。
【0005】
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、極低温冷凍機の動作中にフレキシブルホースから発生する騒音を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によると、極低温冷凍機は、圧縮機と、コールドヘッドと、圧縮機をコールドヘッドに接続するフレキシブルホースであって、極低温冷凍機の作動ガスを流すための導管と、導管に外装されたブレイドとを備えるフレキシブルホースと、を備える。ブレイドは、導管を被覆するように筒状に編まれたブレイド線を備え、作動ガスが公称圧力で導管を流れるときブレイド線に働く引張応力が85N/mm以下となるように構成されている。
【0007】
本発明のある態様によると、極低温冷凍機は、圧縮機と、コールドヘッドと、圧縮機をコールドヘッドに接続するフレキシブルホースであって、極低温冷凍機の作動ガスを流すための導管を備えるフレキシブルホースと、を備える。導管は、作動ガスの流れに露出されるコルゲート内面を備え、コルゲート内面におけるコルゲート間隙間が1mm以下であることを特徴とする。
【0008】
本発明のある態様によると、極低温冷凍機用フレキシブルホースは、極低温冷凍機の作動ガスを流すための導管と、導管に外装されたブレイドと、を備える。ブレイドは、導管を被覆するように筒状に編まれたブレイド線を備え、作動ガスが公称圧力で導管を流れるときブレイド線に働く引張応力が85N/mm以下となるように構成されている。それとともに、またはそれに代えて、導管は、作動ガスの流れに露出されるコルゲート内面を備え、コルゲート内面におけるコルゲート間隙間が1mm以下である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、極低温冷凍機の動作中にフレキシブルホースから発生する騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る極低温冷凍機を概略的に示す図である。
図2】実施の形態に係る極低温冷凍機を概略的に示す図である。
図3図3(a)から図3(c)は、実施の形態に係る極低温冷凍機用フレキシブルホースを概略的に示す図である。
図4】実施の形態に係り、ブレイド応力と騒音レベルとの関係を示すグラフである。
図5】実施の形態に係り、コルゲート間隙間と騒音レベルとの関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。説明および図面において同一または同等の構成要素、部材、処理には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。図示される各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。実施の形態は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0012】
図1および図2は、実施の形態に係る極低温冷凍機10を概略的に示す図である。極低温冷凍機10は、一例として、二段式のギフォード・マクマホン(Gifford-McMahon;GM)冷凍機である。図1には、極低温冷凍機10の外観を示し、図2には、極低温冷凍機10の内部構造を示す。
【0013】
極低温冷凍機10は、圧縮機12と、コールドヘッド14とを備える。圧縮機12は、極低温冷凍機10の作動ガスをコールドヘッド14から回収し、回収した作動ガスを昇圧して、再び作動ガスをコールドヘッド14に供給するよう構成されている。コールドヘッド14は膨張機とも呼ばれる。圧縮機12とコールドヘッド14により極低温冷凍機10の冷凍サイクル(例えばGMサイクル)が構成され、それにより極低温冷凍機10は極低温冷却を提供することができる。作動ガスは、冷媒ガスとも称され、通例はヘリウムガスであるが、適切な他のガスが用いられてもよい。
【0014】
一般に、圧縮機12からコールドヘッド14に供給される作動ガスの圧力と、コールドヘッド14から圧縮機12に回収される作動ガスの圧力は、ともに大気圧よりかなり高く、それぞれ第1高圧及び第2高圧と呼ぶことができる。第1高圧、すなわち供給側の作動ガスの公称圧力は、例えば、1.5MPa以上3.5MPa以下の第1圧力範囲から選択されてもよい。この第1公称圧力は、例えば、2.2MPaであってもよい。第2高圧、すなわち回収側の作動ガスの公称圧力は、第1高圧よりも低い。第2高圧は、例えば、0.2MPa以上2.0MPa以下の第2圧力範囲から選択される。この第2公称圧力は、例えば、0.8MPaであってもよい。以下では、説明の便宜上、第1高圧及び第2高圧はそれぞれ単に高圧及び低圧とも呼ばれる。理解のために、作動ガスの流れる方向を矢印で示す。
【0015】
図1に示されるように、圧縮機12は、作動ガスを送出する送出ポート50と、作動ガスを回収する回収ポート52とを備える。送出ポート50は、圧縮機12により圧縮された高圧の作動ガスの圧縮機12からの出口として圧縮機12の筐体に設けられている。回収ポート52は、圧縮機12に回収される低圧の作動ガスの圧縮機12への入口として圧縮機12の筐体に設けられている。
【0016】
圧縮機12は、例えば、スクロール方式、ロータリ式、または作動ガスを昇圧するそのほか適宜のポンプであってもよい。この実施の形態では、圧縮機12は、固定された一定の作動ガス流量を吐出するよう構成されている。あるいは、圧縮機12は、吐出する作動ガス流量を可変とするよう構成されていてもよい。圧縮機12には、作動ガスの圧縮により生じる圧縮熱を除去するために、例えばチラーなどの冷却装置が付設されていてもよい。
【0017】
コールドヘッド14は、冷凍機シリンダ16と、ディスプレーサ組立体18とを備える。冷凍機シリンダ16は、ディスプレーサ組立体18の直線往復運動をガイドするとともに、ディスプレーサ組立体18との間に作動ガスの膨張室(32、34)を形成する。また、コールドヘッド14は、膨張室への作動ガスの吸気開始タイミングおよび膨張室からの作動ガスの排気開始タイミングを定める圧力切替バルブ40を備える。
【0018】
本書では、極低温冷凍機10の構成要素間の位置関係を説明するために、便宜上、ディスプレーサの軸方向往復動の上死点に近い側を「上」、下死点に近い側を「下」と表記することとする。上死点は膨張空間の容積が最大となるディスプレーサの位置であり、下死点は膨張空間の容積が最小となるディスプレーサの位置である。極低温冷凍機10の運転時には軸方向上方から下方へと温度が下がる温度勾配が生じるので、上側を高温側、下側を低温側と呼ぶこともできる。
【0019】
冷凍機シリンダ16は、第1シリンダ16a、第2シリンダ16bを有する。第1シリンダ16aと第2シリンダ16bは、一例として、円筒形状を有する部材であり、第2シリンダ16bが第1シリンダ16aよりも小径である。第1シリンダ16aと第2シリンダ16bは同軸に配置され、第1シリンダ16aの下端が第2シリンダ16bの上端に剛に連結されている。
【0020】
ディスプレーサ組立体18は、互いに連結された第1ディスプレーサ18aと第2ディスプレーサ18bを備え、これらは一体に移動する。第1ディスプレーサ18aと第2ディスプレーサ18bは、一例として、円筒形状を有する部材であり、第2ディスプレーサ18bが第1ディスプレーサ18aよりも小径である。第1ディスプレーサ18aと第2ディスプレーサ18bは同軸に配置されている。
【0021】
第1ディスプレーサ18aは、第1シリンダ16aに収容され、第2ディスプレーサ18bは、第2シリンダ16bに収容されている。第1ディスプレーサ18aは、第1シリンダ16aに沿って軸方向に往復移動可能であり、第2ディスプレーサ18bは、第2シリンダ16bに沿って軸方向に往復移動可能である。
【0022】
図2に示されるように、第1ディスプレーサ18aは、第1蓄冷器26を収容する。第1蓄冷器26は、第1ディスプレーサ18aの筒状の本体部の中に、例えば銅などの金網またはその他適宜の第1蓄冷材を充填することによって形成されている。第1ディスプレーサ18aの上蓋部および下蓋部は第1ディスプレーサ18aの本体部とは別の部材として提供されてもよく、第1ディスプレーサ18aの上蓋部および下蓋部は、締結、溶接など適宜の手段で本体に固定され、それにより第1蓄冷材が第1ディスプレーサ18aに収容されてもよい。
【0023】
同様に、第2ディスプレーサ18bは、第2蓄冷器28を収容する。第2蓄冷器28は、第2ディスプレーサ18bの筒状の本体部の中に、例えばビスマスなどの非磁性蓄冷材、HoCu2などの磁性蓄冷材、またはその他適宜の第2蓄冷材を充填することによって形成されている。第2蓄冷材は粒状に成形されていてもよい。第2ディスプレーサ18bの上蓋部および下蓋部は第2ディスプレーサ18bの本体部とは別の部材として提供されてもよく、第2ディスプレーサ18bの上蓋部の下蓋部は、締結、溶接など適宜の手段で本体に固定され、それにより第2蓄冷材が第2ディスプレーサ18bに収容されてもよい。
【0024】
ディスプレーサ組立体18は、上部室30、第1膨張室32、第2膨張室34を冷凍機シリンダ16の内部に形成する。極低温冷凍機10によって冷却すべき所望の物体または媒体との熱交換のために、コールドヘッド14は、第1冷却ステージ33と第2冷却ステージ35を備える。上部室30は、第1ディスプレーサ18aの上蓋部と第1シリンダ16aの上部との間に形成される。第1膨張室32は、第1ディスプレーサ18aの下蓋部と第1冷却ステージ33との間に形成される。第2膨張室34は、第2ディスプレーサ18bの下蓋部と第2冷却ステージ35との間に形成される。第1冷却ステージ33は、第1膨張室32を取り囲むように第1シリンダ16aの下部に固着され、第2冷却ステージ35は、第2膨張室34を取り囲むように第2シリンダ16bの下部に固着されている。
【0025】
第1蓄冷器26は、第1ディスプレーサ18aの上蓋部に形成された作動ガス流路36aを通じて上部室30に接続され、第1ディスプレーサ18aの下蓋部に形成された作動ガス流路36bを通じて第1膨張室32に接続されている。第2蓄冷器28は、第1ディスプレーサ18aの下蓋部から第2ディスプレーサ18bの上蓋部へと形成された作動ガス流路36cを通じて第1蓄冷器26に接続されている。また、第2蓄冷器28は、第2ディスプレーサ18bの下蓋部に形成された作動ガス流路36dを通じて第2膨張室34に接続されている。
【0026】
第1膨張室32、第2膨張室34と上部室30との間の作動ガス流れが、冷凍機シリンダ16とディスプレーサ組立体18との間のクリアランスではなく、第1蓄冷器26、第2蓄冷器28に導かれるようにするために、第1シール38a、第2シール38bが設けられていてもよい。第1シール38aは、第1ディスプレーサ18aと第1シリンダ16aとの間に配置されるように第1ディスプレーサ18aの上蓋部に装着されてもよい。第2シール38bは、第2ディスプレーサ18bと第2シリンダ16bとの間に配置されるように第2ディスプレーサ18bの上蓋部に装着されてもよい。
【0027】
図1に示されるように、コールドヘッド14は、圧力切替バルブ40を収容する冷凍機ハウジング20を備える。冷凍機ハウジング20は、冷凍機シリンダ16と結合され、それにより、圧力切替バルブ40およびディスプレーサ組立体18を収容する気密容器が構成される。
【0028】
また、コールドヘッド14は、作動ガスを受け入れる吸気ポート22と、作動ガスを排出する排気ポート24とを備える。吸気ポート22は、圧縮機12から供給される高圧の作動ガスのコールドヘッド14への入口として冷凍機ハウジング20に設けられている。排気ポート24は、コールドヘッド14から排出される低圧の作動ガスのコールドヘッド14からの出口として冷凍機ハウジング20に設けられている。
【0029】
圧力切替バルブ40は、図2に示されるように、高圧バルブ40aと低圧バルブ40bを備え、冷凍機シリンダ16内に周期的圧力変動を発生させるように構成されている。圧縮機12の送出ポート50が高圧バルブ40aを介して上部室30に接続され、圧縮機12の回収ポート52が低圧バルブ40bを介して上部室30に接続されている。高圧バルブ40aと低圧バルブ40bは、選択的かつ交互に開閉するように(すなわち、一方が開いているとき他方が閉じるように)構成されている。
【0030】
圧力切替バルブ40は、ロータリーバルブの形式をとってもよい。すなわち、圧力切替バルブ40は、静止したバルブ本体に対するバルブディスクの回転摺動によって高圧バルブ40aと低圧バルブ40bが交互に開閉されるように構成されていてもよい。その場合、膨張機モータ42が圧力切替バルブ40のバルブディスクを回転させるように圧力切替バルブ40に連結されていてもよい。たとえば、圧力切替バルブ40は、バルブ回転軸が膨張機モータ42の回転軸と同軸となるように配置される。
【0031】
あるいは、高圧バルブ40aと低圧バルブ40bはそれぞれ個別に制御可能なバルブであってもよく、その場合、圧力切替バルブ40は、膨張機モータ42に連結されていなくてもよい。
【0032】
膨張機モータ42は、電気モータ、たとえば、三相交流で駆動する永久磁石型モータであってもよい。膨張機モータ42は、たとえばスコッチヨーク機構などの運動変換機構43を介してディスプレーサ駆動軸44に連結されている。膨張機モータ42は、冷凍機ハウジング20に取り付けられている。運動変換機構43は、圧力切替バルブ40と同様に、冷凍機ハウジング20に収容されている。運動変換機構43は、膨張機モータ42が出力する回転運動をディスプレーサ駆動軸44の直線往復運動に変換する。ディスプレーサ駆動軸44は、運動変換機構43から上部室30の中へと延び、第1ディスプレーサ18aの上蓋部に固定されている。膨張機モータ42の回転は運動変換機構43によってディスプレーサ駆動軸44の軸方向往復動に変換され、ディスプレーサ組立体18は冷凍機シリンダ16内を軸方向に直線的に往復する。
【0033】
また、極低温冷凍機10は、圧縮機12とコールドヘッド14の間で作動ガスを循環させる作動ガスライン62を備える。作動ガスライン62は、高圧側の第1フレキシブルホース63と低圧側の第2フレキシブルホース64とを備える。第1フレキシブルホース63は、圧縮機12の送出ポート50をコールドヘッド14の吸気ポート22に接続する。よって、第1フレキシブルホース63には、圧縮機12からコールドヘッド14へと供給される高圧の作動ガスが流れる。第2フレキシブルホース64は、圧縮機12の回収ポート52をコールドヘッド14の排気ポート24に接続する。よって、第2フレキシブルホース64には、コールドヘッド14から圧縮機12へと回収される低圧の作動ガスが流れる。これらフレキシブルホースの詳細は後述する。
【0034】
極低温冷凍機10は、圧縮機12および膨張機モータ42が運転されるとき、第1膨張室32および第2膨張室34において周期的な容積変動とこれに同期した作動ガスの圧力変動を発生させる。典型的には、吸気工程においては、低圧バルブ40bが閉じ高圧バルブ40aが開くことによって、高圧の作動ガスが圧縮機12から高圧バルブ40aを通じて上部室30に流入し、第1蓄冷器26を通じて第1膨張室32に供給され、第2蓄冷器28を通じて第2膨張室34に供給される。こうして、第1膨張室32、第2膨張室34は低圧から高圧へと昇圧される。このとき、ディスプレーサ組立体18が下死点から上死点へと上動され第1膨張室32と第2膨張室34の容積が増加される。高圧バルブ40aが閉じると吸気工程は終了する。
【0035】
排気工程においては、高圧バルブ40aが閉じ低圧バルブ40bが開くことによって、高圧の第1膨張室32、第2膨張室34が圧縮機12の低圧の作動ガス吸入口に開放されるので、作動ガスが第1膨張室32、第2膨張室34で膨張し、その結果低圧となった作動ガスが第1膨張室32、第2膨張室34から第1蓄冷器26、第2蓄冷器28を通じて上部室30へと排出される。このとき、ディスプレーサ組立体18が上死点から下死点へと下動され第1膨張室32と第2膨張室34の容積が減少される。作動ガスはコールドヘッド14から低圧バルブ40bを通じて圧縮機12に回収される。低圧バルブ40bが閉じると排気工程は終了する。
【0036】
このようにして、極低温冷凍機10にはたとえばGMサイクルなどの冷凍サイクルが構成され、第1冷却ステージ33および第2冷却ステージ35が所望の極低温に冷却される。第1冷却ステージ33は、第1冷却温度に冷却され、第2冷却ステージ35は、第1冷却温度より低い第2冷却温度に冷却される。第1冷却温度は、例えば約30K~約80Kの範囲にあってもよい。第2冷却温度は、例えば約1K~約20Kの範囲にあってもよい。第2冷却温度は、約4.2Kの液体ヘリウム温度またはそれよりも低い温度であってもよい。
【0037】
ところで、極低温冷凍機10の動作中、作動ガスライン62は、作動ガス流れに起因する音を発生させうる。吸気工程では、圧縮機12からコールドヘッド14へと第1フレキシブルホース63を通じて作動ガスが流れるので、第1フレキシブルホース63から作動ガスの流れに伴う音が発生しうる。排気工程では、コールドヘッド14から圧縮機12へと第2フレキシブルホース64を通じて作動ガスが流れるので、第2フレキシブルホース64から作動ガスの流れに伴う音が発生しうる。こうした音は、極低温冷凍機10の使用者、または極低温冷凍機10を搭載した装置(例えば、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging;MRI)装置)の使用者にとって、騒音に感じられることがあるかもしれない。そこで、本書では、このような騒音を低減する技術が提案される。
【0038】
図3(a)から図3(c)は、実施の形態に係る極低温冷凍機用フレキシブルホースを概略的に示す図である。図3(a)から図3(c)に示されるように、フレキシブルホース70は、極低温冷凍機の作動ガスを流すための導管72と、導管72に外装されたブレイド74とを備える。図示されるフレキシブルホース70は、図1および図2を参照して上述した第1フレキシブルホース63、または第2フレキシブルホース64、またはその両方に用いることができる。
【0039】
この実施の形態では、導管72は、コルゲート管であり、すなわち蛇腹状の管である。図3(c)に模式的に示されるように、導管72すなわちコルゲート管の内面(以下、コルゲート内面ともいう)72aは、作動ガスの流れ80に露出されている。導管72は、例えば、ステンレス鋼で形成されている。または、導管72は、そのほか適宜の材料で形成されてもよい。
【0040】
導管72は、いくつかの導管設計パラメータに基づき設計されうる。導管設計パラメータは、例えば、コルゲート管の最大内径Dimax(mm)、コルゲート管の内径D(mm)、コルゲートピッチq(mm)、コルゲート管隙間g(mm)を含みうる。コルゲート管の管壁には、管内に向かう多数の凸部73が管軸方向に沿って形成されているが、コルゲート管隙間gは、図示されるように、隣接する2つの凸部73間の管軸方向の距離を指す。
【0041】
ブレイド74は、導管72を被覆するように筒状に編まれたブレイド線76を備える。ブレイド74は、導管72のコルゲート形状を包絡するように編まれている。よって、ブレイド74の外表面は、導管72とは異なり、概ね一定の外径D(mm)を有する円筒状の形状を有する。ブレイド線76は、例えば、ステンレス鋼で形成されている。または、ブレイド線76は、そのほか適宜の材料で形成されてもよい。
【0042】
ブレイド74は、いくつかのブレイド設計パラメータに基づき設計されうる。ブレイド設計パラメータは、例えば、ブレイド線径d(mm)、ブレイド持数b1、ブレイド打数b2、ブレイド交差角b3(rad)、ブレイド層数b4を含みうる。ブレイド持数b1は、ブレイド74を編み込みに使用される一束のブレイド線76を構成するブレイド線76の本数を表す。ブレイド打数b2は、ブレイド74の編み込みに使用されるブレイド線76の束の数を表す。ブレイド交差角b3は、ブレイド74を編み込む際のブレイド線76の束と束の角度を表す。ブレイド層数b4は、導管72を被覆するブレイド74の層の数を表し、図3(b)には、ブレイド層数b4が2の場合が例示されている。
【0043】
本発明者は、さまざまなブレイド設計のフレキシブルホース70からの騒音を実験により調査し、その結果として、ブレイド74に関連して騒音レベルを左右する1つの主要パラメータを発見した。それは、ブレイド線76に働く引張応力(以下、単に「ブレイド応力」ともいう)である。
【0044】
フレキシブルホース70の導管72に作動ガスが流れるとき、導管72には作動ガスの圧力により伸びようとする力が働き、これがブレイド74に伝わりブレイド線76に引張応力を生じさせうる。ブレイド応力σ(N/mm)、すなわち、1本のブレイド線76にその延在方向に働く引張応力は、以下の式により計算することができる。
σ=P・π(Dimax/2)/(b1・b2)/b4/cos(b3/2)/π(d/2)
ここで、P(MPa)は、極低温冷凍機10の動作中における作動ガスによる導管72の内圧を表す。ブレイド応力σを計算するために、この内圧Pとして、上述の第1公称圧力(例えば、2.2MPa)を用いることができる。
【0045】
図4は、実施の形態に係り、ブレイド応力と騒音レベルとの関係を示すグラフである。本発明者により用意された第1フレキシブルホース63の9つのサンプル1a~1iについてブレイド応力が計算されるとともに騒音値(dBA)が測定され、その結果が図4にプロットされている。
【0046】
9つのサンプル1a~1iのブレイド設計パラメータは、以下の表に記載されるとおりである。
【表1】
【0047】
サンプル1a~1iについて計算されたブレイド応力σ(N/mm)と測定された騒音値(dBA)は、以下の通りであり、これらが図4に示されている。
【表2】
【0048】
ブレイド応力σの計算にあたり、各サンプルの導管72の設計は同一であり、コルゲート管の最大内径Dimaxは25.2mmである。極低温冷凍機10の運転条件は各サンプルについて同一であり、第1フレキシブルホース63内の作動ガスの公称圧力は、2.2MPaである。また、極低温冷凍機10は、第1フレキシブルホース63と第2フレキシブルホース64の両方を一つの遮音箱に収めた状態で運転され、騒音値は、この遮音箱内で測定されている。各サンプルの騒音測定にあたり第2フレキシブルホース64は同一のものが使用されている。遮音箱により、外部騒音は測定結果に含まれない。第1フレキシブルホース63と第2フレキシブルホース64で音の発生タイミングは上述のように異なるので、第1フレキシブルホース63からの音を第2フレキシブルホース64からの音から分離して測定できる。なお、この騒音測定方法は、後述の図5においても同様である。
【0049】
図4から理解されるように、騒音値は、ブレイド応力が85N/mm以下であるときには概して、56dBA程度の上限値またはそれ以下に抑えられている。これに対して、ブレイド応力がこのしきい値(すなわち85N/mm)を超えると、騒音値はこの上限値を超えて高まっている。具体的には、ブレイド応力が94.3N/mmのとき、騒音値が61.1dBAに達している。
【0050】
第1フレキシブルホース63が発する音は、極低温冷凍機10の吸気工程の開始時に高圧バルブ40aが開放されて圧縮機12から第1フレキシブルホース63に高圧作動ガスが流入するとき導管72内で生じるガス流れの衝撃に起因する。この衝撃が導管72を介してブレイド74のブレイド線76に伝わり、これが第1フレキシブルホース63からの騒音として感知される。ブレイド線76を媒体とする音伝達は、ブレイド線76に働く張力すなわちブレイド応力が高いほど促進される。ブレイド線76は、いわばギターの弦のように働く。このようにしてブレイド線76から発せられる音の音圧は、本発明者の解析によると、ブレイド応力があるしきい値を超えると顕著に大きくなると考えられる。図4に示される測定結果から、このしきい値は、85N/mmと読み取れる。
【0051】
したがって、第1フレキシブルホース63のブレイド74は、作動ガスが公称圧力で導管を流れるときブレイド線76に働く引張応力が85N/mm以下となるように構成されることが好ましい。この提案は、上述のブレイド設計パラメータ(例えば、d、b1、b2等)そのものではなく、ブレイド設計パラメータを用いて計算されるブレイド応力σに注目することで騒音を管理することができるという、本発明者が独自に発見した着想に基づく。このようなブレイド設計により、第1フレキシブルホース63から極低温冷凍機10の動作中に発生する騒音を低減することができる。
【0052】
騒音値を低減する観点からは、ブレイド応力は低いほど良い。しかしながら、製造容易性など他の要因から、ブレイド応力は、30N/mm以上であることが設計上合理的であると考えられる。よって、ブレイド74は、作動ガスが公称圧力で導管72を流れるときブレイド線76に働く引張応力が30N/mm以上となるように構成されてもよい。
【0053】
極低温冷凍機10の動作中、第1フレキシブルホース63の内圧は第2フレキシブルホース64に比べて高く、そのため、作動ガス流れによる衝撃音も第1フレキシブルホース63でより顕著となりやすい。よって、本書で提案されるブレイド応力管理は、第1フレキシブルホース63のように、作動ガスライン62のうち高圧側のラインでの騒音対策として有効である。
【0054】
しかしながら、上述のブレイド応力管理、具体的にはブレイド応力を85N/mm以下に設定することは、第2フレキシブルホース64に同様に適用されてもよい。第2フレキシブルホース64は、極低温冷凍機10の動作中に内部を流れる作動ガスの公称圧力が低く、ブレイド応力が小さくなるから、騒音値も小さくなると期待される。また、第1フレキシブルホース63と同じ設計のフレキシブルホースを第2フレキシブルホース64にも採用することで、部品共通化による製品コスト低減にもつながりうる。
【0055】
図5は、実施の形態に係り、コルゲート間隙間と騒音レベルとの関係を示すグラフである。導管72のコルゲート間隙間もまた、騒音レベルを左右する1つの主要パラメータである。本発明者により用意された第2フレキシブルホース64の5つのサンプル2a~2eは、以下に示すように、それぞれ異なる大きさのコルゲート間隙間を有する。サンプル2a~2eについて、ブレイド設計などコルゲート間隙間以外の諸元は同一である。具体的には、サンプル2a~2eのブレイド設計は、サンプル1cと同じである。これらサンプル2a~2eについて騒音値(dBA)が測定され、その結果が図5にプロットされている。騒音測定方法は、上述の図4において使用された方法と同様である。各サンプルの騒音測定にあたり第1フレキシブルホース63は同一のものが使用されている。
【表3】
【0056】
図5から理解されるように、騒音値は、コルゲート間隙間が1mm以下、好ましくは0.6mm以下であるときには56dBA程度となる。これに対して、コルゲート間隙間がこのしきい値を超えると、騒音値は高まる。具体的には、コルゲート間隙間が1.5mmのとき、騒音値は57.9dBAである。
【0057】
第2フレキシブルホース64が発する音は、極低温冷凍機10の排気工程の開始時に低圧バルブ40bが開放されてコールドヘッド14内で膨張した作動ガスが第2フレキシブルホース64に流入するとき導管72内で生じるガス流れに起因する。コルゲート間隙間にガスの一部が入り込むことで乱流が生じ、それにより音が発生する。このようにして導管72から発せられる音の音圧は、本発明者の解析によると、コルゲート間隙間の増加につれて線形に大きくなるのではなく、コルゲート間隙間があるしきい値以下のときには概ね一定に保たれ、このしきい値を超えると顕著に高まると考えられる。図5に示される測定結果から、このしきい値は、例えば1mm、または好ましくは0.6mmと読み取れる。
【0058】
したがって、第2フレキシブルホース64の導管72は、コルゲート内面72aにおけるコルゲート間隙間が例えば1mm以下、または好ましくは0.6mm以下であるように構成されることが好ましい。このようにすれば、コルゲート内面72aにおけるコルゲート間隙間が十分に狭くなり、そこに入り込む作動ガスが低減されうる。こうして、第2フレキシブルホース64内での乱流の発生を抑制し、第2フレキシブルホース64から極低温冷凍機10の動作中に発生する騒音を低減することができる。
【0059】
騒音値を低減する観点からは、コルゲート間隙間は小さいほど良い。よって、コルゲート間隙間は、0mmより大きければ良い。しかしながら、製造容易性など他の要因から、コルゲート間隙間は、0.01mm以上であることが設計上合理的であると考えられる。よって、導管72は、コルゲート内面72aにおけるコルゲート間隙間が0mmより大きく、または好ましくは0.01mm以上であるように構成されてもよい。
【0060】
極低温冷凍機10の動作中、第2フレキシブルホース64と第1フレキシブルホース63で作動ガスの質量流量は等しく、第2フレキシブルホース64で第1フレキシブルホース63よりも圧力が低い。そのため、第2フレキシブルホース64を通じた作動ガスの排気工程では、第1フレキシブルホース63を通じた作動ガスの吸気工程に比べて体積流量は大きくなる。よって、乱流音は、第1フレキシブルホース63に比べて、第2フレキシブルホース64でより発生しやすい。したがって、本書で提案されるコルゲート間隙間の管理は、第2フレキシブルホース64のように、作動ガスライン62のうち低圧側のラインでの騒音対策として有効である。
【0061】
しかしながら、上述のコルゲート間隙間の管理は、第1フレキシブルホース63に同様に適用されてもよく、第1フレキシブルホース63で生じうる乱流音の低減に役立ちうる。また、第2フレキシブルホース64と同じ設計のフレキシブルホースを第1フレキシブルホース63にも採用することで、部品共通化による製品コスト低減にもつながりうる。
い。
【0062】
なお、コルゲート間隙間は、フレキシブルホースの内部構造に関する寸法であるから、ある与えられたフレキシブルホースについてそのホースの外側から直接測定することは難しい。そこで、フレキシブルホースのコルゲート間隙間を特定するために、コルゲート間隙間は、以下の手順により測定されてもよい。
(1)フレキシブルホースを直線状に配置する。
(2)軸方向に異なる3箇所でフレキシブルホースを切断する。切断面はホース中心軸を含む平面である。3箇所の切断位置は、例えば、ホースの両端と中間であってもよい。
(3)各切断位置で、ホース軸方向に連続して並ぶ10個のコルゲート間隙間の平均値を測定する。
(4)3箇所の切断位置から取得されたコルゲート間隙間の平均値の平均をとる。こうして取得された平均値をこのフレキシブルホースのコルゲート間隙間とみなすことができる。
【0063】
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。ある実施の形態に関連して説明した種々の特徴は、他の実施の形態にも適用可能である。組合せによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態それぞれの効果をあわせもつ。
【0064】
上述の実施の形態では、第1フレキシブルホース63と第2フレキシブルホース64がそれぞれ一本のフレキシブルホースである場合を例として説明しているが、本発明は、これに限られない。第1フレキシブルホース63と第2フレキシブルホース64のうち少なくとも一方は、複数本のフレキシブルホースをつなげたものであってもよく、実施の形態に係るブレイド応力管理が、これらフレキシブルホースの各々に、または少なくとも1つのフレキシブルホースに適用されてもよい。
【0065】
上述の実施の形態は、極低温冷凍機10が二段式のGM冷凍機である場合を例として説明しているが、本発明は、これに限られない。極低温冷凍機10は、単段式または多段式のGM冷凍機であってもよく、さらには、パルス管冷凍機、スターリング冷凍機などその他のタイプの極低温冷凍機であってもよい。実施の形態に係る極低温冷凍機用フレキシブルホースは、こうしたさまざまな極低温冷凍機に使用されうる。
【0066】
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用の一側面を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0067】
10 極低温冷凍機、 12 圧縮機、 14 コールドヘッド、 22 吸気ポート、 24 排気ポート、 50 送出ポート、 52 回収ポート、 70 フレキシブルホース、 72 導管、 74 ブレイド、 76 ブレイド線。
図1
図2
図3
図4
図5