IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 松山株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-包装装置 図1
  • 特開-包装装置 図2
  • 特開-包装装置 図3
  • 特開-包装装置 図4
  • 特開-包装装置 図5
  • 特開-包装装置 図6
  • 特開-包装装置 図7
  • 特開-包装装置 図8
  • 特開-包装装置 図9
  • 特開-包装装置 図10
  • 特開-包装装置 図11
  • 特開-包装装置 図12
  • 特開-包装装置 図13
  • 特開-包装装置 図14
  • 特開-包装装置 図15
  • 特開-包装装置 図16
  • 特開-包装装置 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005663
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 41/14 20060101AFI20250109BHJP
   B65B 25/04 20060101ALI20250109BHJP
   B65B 11/54 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B65B41/14
B65B25/04 Z
B65B11/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105925
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】塚本 智貴
(72)【発明者】
【氏名】地阪 雄一郎
【テーマコード(参考)】
3E028
3E051
【Fターム(参考)】
3E028AB01
3E028BA06
3E028DA02
3E028GA02
3E028GA08
3E051AA08
3E051AB05
3E051AB09
3E051BA01
3E051BA05
3E051CA04
3E051CA08
3E051CB05
3E051DA10
3E051EA02
3E051EB10
3E051GA03
3E051HA04
3E051HA07
3E051HD03
3E051HE01
3E051KA03
3E051KA04
3E051KA07
3E051KB01
3E051LA02
3E051LA07
3E051LB04
(57)【要約】
【課題】適切な包装作業ができる包装装置を提供する。
【解決手段】包装装置は、長尺シートS0を引き出す引出手段28と、長尺シートS0を切断して包装シートを得る切断手段29とを備える。また、引出手段28は、保持位置で長尺シートS0の先端部を上下から挟持して保持する開閉可能な保持部130を有する。そして、引出手段28の保持部130は、包装シートの余剰部が引っ掛からないように閉状態で保持位置側に向かって移動し、その後、保持位置に到着する前に開状態になる。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を包装シートで包装する包装装置であって、
長尺シートを引き出す引出手段と、
前記引出手段で引き出された長尺シートを切断して包装シートを得る切断手段とを備え、
前記引出手段は、長尺シートを保持する開閉可能な保持部を有し、
前記保持部は、包装シートの余剰部が引っ掛からないように閉状態で保持位置側に向かって移動する
ことを特徴とする包装装置。
【請求項2】
被包装物を包装シートで包装する包装装置であって、
長尺シートを引き出す引出手段と、
前記引出手段で引き出された長尺シートを切断して包装シートを得る切断手段と、
少なくとも前記引出手段及び前記切断手段を制御する制御手段とを備え、
前記引出手段は、長尺シートを保持する開閉可能な保持部を有し、
前記保持部は、前記制御手段の制御に基づいて、包装シートの余剰部が引っ掛からないように閉状態で保持位置側に向かって移動し、前記保持位置に到着する前に開状態になる
ことを特徴とする包装装置。
【請求項3】
前記保持部の移動途中に配置された検知手段を備え、
前記制御手段は、前記検知手段からの情報に基づいて前記保持部を閉状態から開状態に変更する
ことを特徴とする請求項2記載の包装装置。
【請求項4】
前記検知手段は、被包装物を包装シートを介して支持する支持部よりも保持解除位置側に配置されている
ことを特徴とする請求項3記載の包装装置。
【請求項5】
前記保持部は、前記保持位置側に向かって移動しながら、前記保持位置に到着する前でかつ包装シートの余剰部が切り離された後に開状態になる
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載された包装装置が知られている。
【0003】
この従来の包装装置は、例えばロール状に巻かれた長尺シートを引き出す引出手段と、この引出手段で引き出された長尺シートを切断して包装シートを得る切断手段とを備えている。そして、引出手段は、保持位置で長尺シートを保持する開閉可能な保持部を有し、この保持部は開状態のまま保持解除位置から保持位置まで移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-315316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の包装装置では、引出手段の保持部が開状態のまま保持解除位置から保持位置まで移動するため、例えば被包装物の大きさ等によっては、包装シートの余剰部が移動中の保持部に引っ掛かってしまう事態等が生じ、適切な包装作業ができないおそれがある。
【0006】
そこで、本発明の課題の一つは、適切な包装作業ができる包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る包装装置は、被包装物を包装シートで包装する包装装置であって、長尺シートを引き出す引出手段と、前記引出手段で引き出された長尺シートを切断して包装シートを得る切断手段とを備え、前記引出手段は、長尺シートを保持する開閉可能な保持部を有し、前記保持部は、包装シートの余剰部が引っ掛からないように閉状態で保持位置側に向かって移動するものである。
【0008】
また、本発明の実施形態に係る包装装置は、被包装物を包装シートで包装する包装装置であって、長尺シートを引き出す引出手段と、前記引出手段で引き出された長尺シートを切断して包装シートを得る切断手段と、少なくとも前記引出手段及び前記切断手段を制御する制御手段とを備え、前記引出手段は、長尺シートを保持する開閉可能な保持部を有し、前記保持部は、前記制御手段の制御に基づいて、包装シートの余剰部が引っ掛からないように閉状態で保持位置側に向かって移動し、前記保持位置に到着する前に開状態になるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、適切な包装作業ができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一の実施形態に係る包装装置の前面側の斜視図である。
図2】同上包装装置の後面側の斜視図である。
図3】同上包装装置内を示す前面図である。
図4】同上包装装置内の部分前面図(第1昇降体が上昇位置に位置した状態)である。
図5】同上包装装置内の部分前面図(第1昇降体が下降位置に位置した状態)である。
図6】同上包装装置の第1昇降駆動手段を示す側面図である。
図7】同上包装装置の支持手段を示す斜視図である。
図8】同上包装装置の引出手段及び切断手段を示す平面図である。
図9】同上引出手段及び切断手段を示す正面図である。
図10】同上切断手段を示す側面図である。
図11】同上包装装置の処理手段(包装処理部)を示す正面図である。
図12】同上処理手段の部分平面図(寄集移動体の動作説明図)である。
図13】同上処理手段の部分平面図(寄集回動体の動作説明図)である。
図14】同上包装装置の引出手段の動作説明図である。
図15】同上包装装置の引出手段及び切断手段の動作説明図である。
図16】同上包装装置の引出手段及び支持手段の動作説明図である。
図17】同上包装装置の作用説明図で、(a)が実施例、(b)が比較例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一の実施形態について図1ないし図17を参照して説明する。
【0012】
図中の1は包装装置で、この包装装置1は、例えば所定寸法の矩形状の包装シートSを用いて、球状の被包装物である農作物W、すなわち例えばレタスを包装するレタス包装機(野菜包装機)である。
【0013】
つまり、包装装置1は、作業者の手作業によって供給口2から包装装置1の内部に供給された農作物Wを包装シートSで自動的に包装し、この包装後の農作物Wを排出口3から包装装置1の外部に自動的に排出するものである。
【0014】
包装シート(包装フィルム)Sは、ロール状のシートロールRから引き出した長尺シートS0を所定寸法ごとに切断して得られるもので、例えば静電気でフィルム同士が付着する合成樹脂製の透明なストレッチフィルムである。なお、シートロールRは、長く連続した包装用の長尺シートS0をロール状に巻いたもので、ロール支持手段4の支持ローラ5によって回転可能に支持される。
【0015】
包装装置1は、図1及び図2等に示すように、外形が略直方体をなす箱状の装置本体11を備えている。装置本体11の上板12には、矩形状の上側供給口13が形成されている。上板12の下方には、平面状に展開した包装シートSを載置状態に支持する水平状の支持板(包装シート支持部)14が設けられている。
【0016】
支持板14には、上側供給口13と対向する円形状の下側供給口15が形成されている。そして、下側供給口15の一部(外周側の部分)は、当該下側供給口15の周方向に並ぶ弾性変形可能な板状の複数の弾性体である樹脂板16によって開閉可能に覆われている。なお、互いに対向した上側供給口13及び下側供給口15によって、作業者が手作業で包装前の農作物Wを上方から装置本体11内に供給するための供給口2が構成されている。
【0017】
装置本体11の後板18には、包装後の農作物Wを装置本体11外に排出するための矩形状の排出口3が形成されている。つまり、この排出口3からは、包装シートSでその全体が包装された包装後の農作物Wが装置本体11外に排出される。なお、排出口3から排出された農作物(包装済み農作物)Wは、例えばコンベヤ等の搬送手段で次工程に搬送される。また、例えば排出口3から排出された農作物Wを容器内に収納するようにしてもよい。
【0018】
装置本体11の右板19には、包装後の包装シートSの余剰部S1を装置本体11外に排出するための矩形状の余剰部排出口20が形成されている。つまり、この余剰部排出口20からは、農作物Wを包んだ状態の包装シートSの上側部分から切り離された余剰部(包装シートの余剰分である余剰カス)S1が装置本体11外に排出される。なお、装置本体11には、例えば手動操作スイッチ(操作手段)21や設定パネル(設定手段)22等が設けられている。
【0019】
また、包装装置1は、図3に示すように、装置本体11の供給口2から供給された包装前の農作物Wを包装シートSを介して受け取って支持しかつ包装後の農作物Wを排出口3側に送出してその排出口3から排出する支持手段(受取部)25と、この支持手段25の支持体33上の農作物Wを包んだ状態の包装シートSの上側部分に対して所定の処理(例えば寄せ集め、切り離し及び熱溶着)を行う処理手段(包装処理部)26とを備えている。
【0020】
さらに、包装装置1は、処理手段26で包装シートSから切り離された余剰部(余剰カスである余剰分のフィルム)S1に対して噴射ノズル23から圧縮空気を噴射してその余剰部S1を余剰部排出口20から排出する空気噴射手段(空気噴射部)27を備えている。
【0021】
また、包装装置1は、ロール支持手段4の支持ローラ5上のシートロールRから長尺シートS0を引出方向(左方向)に引き出す引出手段(シート引出部)28と、この引出手段28で引き出された長尺シートS0を切断して所定寸法(所定長さ)の包装シートSを得る切断手段(シート切断部)29とを備えている。
【0022】
このように、包装装置1は、装置本体11、ロール支持手段4、支持手段25、処理手段26、空気噴射手段27、引出手段28、及び切断手段29等を具備したものである。なお、処理手段(スライド部)26は、後述するとおり、少なくとも寄集手段231、切離手段232及び熱溶着手段233を備えている。
【0023】
支持手段(支持送出手段)25は、図4ないし図7等に示すように、装置本体11の底部17に立設された案内体30と、この案内体30によって案内される昇降可能な第1昇降体31と、この第1昇降体31に昇降可能に設けられた第2昇降体32と、この第2昇降体32に左右方向の回動中心軸線(回動支点)L1を中心として回動可能に設けられ、農作物Wの下面を包装シートSを介して下方から載置状態に支持する支持体33と、第1昇降体31に前後方向の回動中心軸線(回動支点)L2を中心として回動可能に設けられ、支持体33によって支持された農作物Wの左右両側面を包装シートSを介して左右の両側方から保持(挟持)する左右1対の保持体(挟持体)34とを備えている。
【0024】
また、支持手段25は、案内体30に対して第1昇降体31を昇降させる第1昇降駆動手段36と、第1昇降体31に対して第2昇降体32を昇降させる第2昇降駆動手段37と、第2昇降体32に対して支持体33を回動中心軸線L1を中心として回動させる第1回動駆動手段38と、第1昇降体31に対して左右の両保持体34を回動中心軸線L2を中心として回動(開閉)させる第2回動駆動手段39とを備えている。
【0025】
第1昇降体31を上下方向に案内する案内体30は、第1昇降体31の筒状部41を案内する上下方向長手状で丸棒状の第1案内部材51と、第1昇降体31のローラ部42を案内する上下方向長手状でコ字枠状の第2案内部材52とを有している。
【0026】
第1昇降駆動手段36は、モータ(駆動源)55と、このモータ55からの動力に基づいて回行する無端状のチェーン56とを有し、このチェーン56は互いに離間対向する上下のスプロケット57に掛け渡され、その張力が張力調整手段58で調整可能となっている。
【0027】
張力調整手段58は、支軸59を中心として回動可能なタイトナー60を有し、このタイトナー60の先端部に下側のスプロケット57が取り付けられている。タイトナー60の基端部には連結棒61が連結され、この連結棒61が調整バネ62で上方側に付勢されている。また、チェーン56の途中には、取付板63が取り付けられ、この取付板63には第1昇降体31の取付部43が取り付けられている。
【0028】
そして、第1昇降体31は、モータ55からの動力に基づくチェーン56の一方向への回行によって案内体30に対して上昇位置まで上昇し(図4参照)、モータ55からの動力に基づくチェーンの他方向への回行によって案内体30に対して農作物Wの大きさ(高さ)に応じた下降位置まで下降する(図5参照)。
【0029】
ここで、上昇位置は、農作物Wの大きさに拘わらず、予め決められた一定の位置である。他方、下降位置は、農作物Wの大きさに応じて決定される任意の位置(農作物の大きさに対応する対応下降位置)である。
【0030】
すなわち例えば、供給口2から供給された農作物Wを検知する光学系の検知手段(光電センサ等)49からの情報に基づいて制御手段50がその農作物Wの大きさに応じた下降位置を決定する。なお、制御手段50は、例えば各種のセンサやスイッチ等からの情報に基づいて、包装装置1が備える各駆動源(モータ及びエアシリンダ等)を適宜制御する。
【0031】
第2昇降体32は、第1昇降体31が有する複数(例えば左右2つ)の案内部44によって案内される昇降可能な複数の被案内部65を有し、この上下方向長手状で棒状の被案内部65の上端部が水平状のベース板部66に取り付けられている。
【0032】
また、第2昇降体32は、ベース板部66に対して上下動可能なコ字枠部67を有し、このコ字枠部67には、支持体33が回動中心軸線L1を中心として回動可能に取り付けられている。そして、コ字枠部67は、図示しないが、農作物Wが支持体33に載置される際(支持体への農作物のセット時)における農作物Wへの衝撃を緩和するための緩衝手段である緩衝バネで弾性的に支持されており、この緩衝バネの内側のガイドピンが筒状の緩衝ガイド部内に摺動可能に挿入されている。
【0033】
第2昇降駆動手段37は、伸縮可能な流体圧シリンダである昇降シリンダ(駆動源)71を有している。つまり、第2昇降駆動手段37は、昇降シリンダ71のみで構成されている。昇降シリンダ71は、第1昇降体31に取り付けられたシリンダ本体72と、このシリンダ本体72内に対して出入りするロッド73とを有している。ロッド73の先端部は、第2昇降体32のベース板部66に取り付けられている。
【0034】
そして、第2昇降体32は、昇降シリンダ71の縮み動作によって第1昇降体31に対して下位置まで下降し、昇降シリンダ71の伸び動作によって第1昇降体31に対して上位置まで上昇する。つまり、互いに大きさが異なる農作物Wに対応できるように、第2昇降体31が第1昇降体31に対して昇降可能であり、支持体33が保持体34に対して上位置及び下位置間で昇降可能となっている。
【0035】
保持体(挟持体)34は、第1昇降体31に対する回動中心軸線L2を中心とする回動により、開状態(農作物を挟持しない状態)及び閉状態(農作物を両側方から挟持する状態)になるものである。
【0036】
つまり、対をなす両保持体34は、回動中心軸線L2を中心とする回動に基づく互いに接近する方向への同期移動(閉動作)により閉状態となり、回動中心軸線L2を中心とする回動に基づく互いに離反する方向への同期移動(開動作)により開状態となる。
【0037】
保持体34は、第1昇降体31に回動中心軸線L2を中心として回動可能に設けられたL字状のアーム部76と、このアーム部76の上端側の先端部に設けられ、保持体34の閉状態で農作物Wの側面に包装シートSを介して接触してその側面を保持する保持部77と、アーム部76の下端側の基端部に設けられ、保持体34の開状態で第2回動駆動手段39のローラ接触板85と接触するローラ部78とを有している。
【0038】
保持部77は、例えば矩形状の保持板79と、この保持板79の表面(少なくとも農作物と包装シートを介して接触する面)を覆うように当該保持板79に貼り付けられたスポンジ等のクッション材80とで構成されている。
【0039】
第2回動駆動手段39は、伸縮可能な流体圧シリンダである開閉シリンダ(駆動源)81を有している。開閉シリンダ81は、第1昇降体31に取り付けられたシリンダ本体82と、このシリンダ本体82内に対して出入りするロッド83とを有している。ロッド83の先端部には、付勢手段である閉じバネ84の付勢力に抗してローラ部78を持ち上げるローラ接触板85が取り付けられている。ローラ接触板85は、上下方向に延びるガイドピン86によって案内されて昇降する。
【0040】
保持体34を閉状態にするための閉じバネ84は、第1昇降体31と保持体34との間に架設されている。つまり、閉じバネ84は、その一端部が第1昇降体31のバネ取付部45に取り付けられ、かつ、その他端部が保持体34のバネ取付部46に取り付けられている。
【0041】
そして、保持体34は、開閉シリンダ81の伸び動作によって第1昇降体31に対して回動中心軸線L2を中心として回動して開状態となり(図4参照)、開閉シリンダ81の縮み動作によって閉じバネ84から付勢力(弾性復元力)を受け、この付勢力に基づいて第1昇降体31に対して回動中心軸線L2を中心として回動して閉状態となる(図5参照)。
【0042】
図5に示すように、保持体34が開状態から閉状態に切り換わると、支持体33上の農作物Wは、閉じバネ84の付勢力に基づいて、両保持体34の保持部(挟持部)77によって左右両側から挟持される。
【0043】
支持体(載置体)33は、第2昇降体32に対する回動中心軸線L1を中心とする回動により、第1状態(農作物を下方から支持する支持状態)及び第2状態(農作物を側方に送出する送出状態)になるものである。
【0044】
つまり、支持体33は、回動中心軸線L1を中心とする一方向(前方側)への回動により水平状の第1状態(農作物が載置される状態)となり、回動中心軸線L1を中心とする他方向(後方側)への回動により後下がりの傾斜状の第2状態(農作物が排出される状態)となる。
【0045】
支持体33は、図7にも示すように、当該支持体33の第1状態では農作物Wの下面を包装シートSを介して載置状態に下方から支持するが、当該支持体33の第2状態では農作物Wをその自重により後方(側方)へ送出する皿状の支持部91と、この支持部91に下方に向かって突設された下方突出状の取付部92とを有している。つまり、支持体33は、第2昇降体32に回動中心軸線L1を中心として回動可能に取り付けられた取付部92と、この取付部92の上部に固設され、農作物Wの下面側を支持する支持部(受取部)91とを有している。
【0046】
取付部92は、ねじ等の取付具93によって支持部91の下面に取り付けられた取付板94を有している(図4参照)。取付板94の両端部からは、互いに離間対向する左右1対の対向板95が下方に向かって突出している。両対向板95の前後方向中央部には、左右方向に延びる円筒状の挿入筒96が設けられている。
【0047】
そして、挿入筒96にボルト97が挿入され、そのボルト97にナット98が螺合されることによって、取付部92が第2昇降体32のコ字枠部67に回動中心軸線L1を中心として回動可能に取り付けられている。このボルト97の軸部の軸芯を通る線が回動中心軸線L1である。
【0048】
また、取付部92の両対向板95の前端部には、第1回動駆動手段38の回動シリンダ121のロッド123の先端部が取付手段100を介して回動可能に取り付けられている。取付手段100は、例えばボルト101、ナット102及びスペーサ103で構成されている。
【0049】
支持部91は、支持体33の第1状態では農作物Wを下方側から支持しかつ支持体33の第2状態では農作物Wを後方側に送出するもので、例えば平面視で十字状をなす皿状の支持板(受皿)105と、この支持板105の表面(少なくとも農作物と包装シートを介して接触する面)を覆うように当該支持板105に貼り付けられたスポンジ等のクッション材106とで構成されている。
【0050】
ここで、支持部91は、農作物Wの下面の中央部を包装シートSを介して支持する矩形板状の中央支持部107と、この中央支持部107の前後左右の4つの端部(外縁部)に斜め上方に向かって突設され、農作物Wの下面のうちその中央部の周囲に位置する周囲部の4箇所を包装シートSを介して支持する矩形板状の周囲支持部108a,108bとを有している。
【0051】
前後1対の周囲支持部108aは、左右1対の周囲支持部108bよりも大きく形成されている。そして、前後1対の周囲支持部108aは、中央支持部107に対して傾斜状に位置する傾斜部分109と、中央支持部107と平行状に位置する先端部分110とで構成されている。左右1対の周囲支持部108bは、中央支持部107に対して傾斜状に位置する傾斜部分111のみで構成されている。なお、支持体33の第1状態時においては、中央支持部107は水平面に沿って位置する。他方、支持体33の第2状態時においては、前側の周囲支持部108aの傾斜部分109は鉛直面に沿って位置する。
【0052】
第1回動駆動手段38は、伸縮可能な流体圧シリンダである回動シリンダ(駆動源)121を有している。つまり、第1回動駆動手段38は、回動シリンダ121のみで構成されている。回動シリンダ121は、第2昇降体32のシリンダ取付部124に取り付けられたシリンダ本体122と、このシリンダ本体122内に対して出入りするロッド123とを有している。ロッド123の先端部は、取付手段100を介して支持体33の取付部92に取り付けられている。
【0053】
そして、支持体33は、回動シリンダ121の縮み動作によって第2昇降体32に対して回動中心軸線L1を中心として回動して水平状の第1状態(支持状態)となり、回動シリンダ121の伸び動作によって第2昇降体32に対して回動中心軸線L1を中心として回動して傾斜状の第2状態(送出状態)となる。
【0054】
支持体33が第2状態になった場合、支持部91上の農作物Wは、搬送体126の搬送部127上に送出(排出)され、その後、農作物Wは、その傾斜状の搬送部127によって排出口3に向けて搬送されて当該排出口3から装置本体11外へ排出される。
【0055】
搬送体126の搬送部127は、例えば後下がりの傾斜状の搬送板128と、この搬送板128の上面を覆うように当該搬送板128に貼り付けられたスポンジ等のクッション材129とで構成されている。
【0056】
また、支持体33の回動中心軸線(回動支点)L1は、支持体33の第1状態において、側面視で支持部91の中央支持部107の中心点(支持体の中心部)Pよりも反送出側、つまり水平姿勢の中央支持部107の前後方向中心位置よりも前方側にずれて位置する。換言すると、回動中心軸線L1は、支持体33の第1状態における側面視で、支持部91によって載置状態に支持された球状の農作物Wの中心点(重心位置)Oを通る鉛直方向の線よりも前方側(反送出側)に位置する。また、平面視において、支持部91の中心点Pと、この支持部91上の農作物Wの中心点Oとは、互いに一致(略一致を含む)するようになっている。
【0057】
なお、図7においては、支持体33のクッション材106及び保持体34のクッション材80の図示が省略されている。当該図7に図示した3つのシリンダ(昇降シリンダ71、開閉シリンダ81及び回動シリンダ121)は、例えばエアシリンダである。また、図5では包装シートSの図示が省略されている。
【0058】
引出手段28は、図8ないし図10等に示すように、左右方向長手状の前後1対の案内体である案内棒131と、この案内棒131に沿って左右方向に移動可能な移動体(移動部)132と、この移動体132にそれぞれ複数設けられ、シートロールRから巻き戻された長尺シートS0の先端部を上下から挟持して保持する対をなす上側保持体133及び下側保持体134とを備えている。
【0059】
なお、これら複数対をなす上側保持体133及び下側保持体134にて、保持位置で長尺シートS0の先端部を上下から挟持して保持する開閉可能でかつ左右方向に移動可能な保持部(把持部)130が構成されている。また、この保持部130は、移動体132の左右移動によって保持解除位置及び保持位置間で移動可能となっている。
【0060】
複数の上側保持体133は、移動体132の所定箇所に固定されている。各上側保持体133は、長尺シートS0と接触する上側保持部133aを先端部下面側に有している。また、複数の下側保持体134は、移動体132に軸部135を中心として上下方向に回動可能に設けられている。各下側保持体134は、長尺シートS0と接触する下側保持部134aを先端部上面側に有し、かつ、付勢手段であるねじりバネ136によって下側保持部134aが上方に向かう方向に付勢されている。
【0061】
そして、ねじりバネ136の付勢力に基づいて、上側保持体133の上側保持部133aと下側保持体134の下側保持部134aとで長尺シートS0の先端部が上下から挟持(把持)される。なお、互いに間隔をおいて前後方向に並ぶ複数の下側保持体134は、前後方向長手状の連結棒137によって一体的に連結されている。
【0062】
また、引出手段28は、案内棒131に対して移動体132を左右方向に移動させる移動駆動手段(移動用駆動部)141と、移動体132に対して下側保持体134を軸部135を中心として上下方向に回動させる回動駆動手段(開閉用駆動部)142とを備えている。
【0063】
移動駆動手段141は、モータ(駆動源)143と、このモータ143からの動力に基づいて回行する前後1対の無端状のチェーン144(144a,144b)とを有し、この各チェーン144は互いに離間対向する左右のスプロケット145に掛け渡され、その張力が張力調整手段146で調整可能となっている。また、チェーン144の途中に移動体132が取り付けられ、チェーン144の回行に基づいて移動体132のスライダー部140が案内棒131に沿ってスライド可能となっている。なお、前側のチェーン144aは、モータ143からの動力に基づいて駆動回行するが、後側のチェーン144bは、その前側のチェーン144aに連動するようにモータ143からの動力に基づいて従動回行する。
【0064】
そして、移動体132は、モータ143からの動力に基づく前後1対のチェーン144(144a,144b)の一方向への回行によって案内棒131にて案内されつつ保持部130と一緒に保持位置(切断手段に接近した位置)まで右方向に移動し、モータ143からの動力に基づく前後1対のチェーン144(144a,144b)の他方向への回行によって案内棒131にて案内されつつ保持部130と一緒に保持解除位置(切断手段から離反した位置)まで左方向に移動する。
【0065】
換言すると、引出手段28の保持部130は、モータ143からの動力に基づく移動体132の右方向への移動によって当該移動体132とともに保持位置まで移動し、モータ143からの動力に基づく移動体132の左方向への移動によって当該移動体132とともに保持解除位置まで移動する。そして、その保持解除位置への移動によって、保持部130で挟持された状態の長尺シートS0が引き出される。
【0066】
回動駆動手段142は、伸縮可能な流体圧シリンダであるシリンダ(例えばエアシリンダ等の駆動源)147を有している。このシリンダ147は、シリンダ本体148と、このシリンダ本体148内に対して出入りするロッド149とを有している。ロッド149の上端部には昇降部材151が固着されており、この昇降部材151には連結棒137と当接する当接部152が形成されている。
【0067】
そして、シリンダ147の伸び動作によって昇降部材151が上昇すると、昇降部材151の当接部152がねじりバネ136の付勢力に抗して連結棒137を持ち上げる。その結果、下側保持体134が軸部135を中心として下方回動し、下側保持体134の下側保持部134aが上側保持体133の上側保持部133aから離反し、これにより、両保持体133,134による長尺シートS0の保持が解除される。
【0068】
つまり、図9(b)に示すように、保持部(シート保持部)130は、シリンダ147の伸び動作によって下側保持部134aが上側保持部133aから離反した開状態となる。また、図9(c)に示すように、保持部130は、シリンダ147の縮み動作によって下側保持部134aが上側保持部133aに接近(接触を含む)した閉状態となる。
【0069】
切断手段29は、装置本体11に対して固定された受け体161と、この受け体161のシート受け部160に長尺シートS0を押し付ける押付体162と、この押付体162でシート受け部160に押し付けられて当該シート受け部160に直接接触した状態の長尺シートS0を切断して所定寸法の包装シートSを得る板状の切断体である切断刃163とを備えている。
【0070】
また、切断手段29は、受け体161に対して昇降可能で押付体162及び切断刃163が取り付けられた昇降体165と、この昇降体165を受け体161に対して昇降させる昇降駆動手段166とを備えている。なお、切断刃163は、取付具167によって昇降体165の刃取付部168に着脱可能に取り付けられている。
【0071】
押付体162は、切断刃163よりも引出側(引出方向側である左側)に位置する複数(例えば2つ)の第1押付部材171と、切断体163よりも反引出側(反引出方向側である右側)、すなわちシートロールR側に位置する複数(例えば2つ)の第2押付部材172とを有している(図14参照)。
【0072】
複数の第1押付部材171は、昇降体165の第1筒状部169に昇降可能に取り付けられている。各第1押付部材171は、左右方向長手状で板状の第1長手部173を有し、この第1長手部173の上面における複数箇所(例えば2箇所)にロッド部174が設けられ、かつ、第1長手部173の下面には長尺シートS0を傷付けないスポンジ等の軟質部材からなる第1シート押え部175が設けられている。また、ロッド部174の外周側には、第1押付部材171を下方側に向けて付勢する付勢手段である円筒状のコイルバネ176が設けられている。なお、第2押付部材172は、上記第1押付部材171と同様のものである。
【0073】
受け体161は、上記押付体162によって長尺シートS0の中間部が所望の押圧力で押し付けられて直接接触する平面状のシート受け部(シート接触部)160と、長尺シートS0を支持するシート支持部155とを有している。
【0074】
シート受け部160は、第1押付部材171と対向するように当該第1押付部材171の下方で互いに間隔をおいて前後方向に並んで位置する平面状の複数(例えば6つ)の第1受け部分181と、第2押付部材172と対向するように当該第2押付部材172の下方で互いに間隔をおいて前後方向に並んで位置する平面状の複数(例えば6つ)の第2受け部分182とを有している。
【0075】
互いに隣り合う両第1受け部分181間には第1空間部183が形成され、かつ、互いに隣り合う両第2受け部分182間には第2空間部184が形成されている。そして、引出手段28の保持部130を構成する上側保持体133と下側保持体134とで長尺シートS0を保持する際に、その下側保持体134が上動して両空間部183,184を通過する。また、互いに隣り合う第1受け部分181と第2受け部分182との間には、切断刃163で長尺シートS0を切断する際に、その切断刃163が下動して通過する切断用空間部185が形成されている。
【0076】
ここで、受け体161のシート受け部160のうちの複数の第1受け部分181は、いずれも包装シートSが貼り付かない部材、すなわち例えば非金属部材(非鉄材等)である、比較的柔軟なシート状の合成樹脂製等の不織布186で構成されている。
【0077】
つまり、例えばストレッチフィルムからなる包装シートSが付着しない素材からなる布製の不織布186が、鉄製の受け部材(ベース部材である切断フレーム)187の凸状部188の上部に固定的(交換できるように着脱可能でもよい)に貼着されている。また、不織布186からなる非鉄製の第1受け部分181の上面は、例えば鉄製の第2受け部分182の上面よりも低い位置に位置する。その高低差は、例えば1mm~10mm、好ましくは3mmであり、この高低差が存在するため、引出手段28による長尺シートS0の引き出しの際に、当該長尺シートS0は、第1受け部分181の上面(不織布のシート接触部分の表面)と接触することなく引出方向へ引き出される。
【0078】
また、昇降駆動手段166は、伸縮可能な流体圧シリンダであるシリンダ(例えばエアシリンダ等の駆動源)191を有している。このシリンダ191は、シリンダ本体192と、このシリンダ本体192内に対して出入りするロッド193とを有している。ロッド193の上端部には、ロッドガイド194に沿って昇降可能な昇降ロッド195が連結されており、この昇降ロッド195の上端部に昇降体165が取り付けられている。また、シリンダ本体192に固着されたフレーム部189には、スライダー部190が取り付けられており、このスライダー部190に案内棒131が挿通されている。
【0079】
そして、シリンダ191の縮み動作によって昇降ロッド195が下降すると、昇降体165が押付体162及び切断刃163と一緒に長尺シートS0に向かって下降する。その結果、第1押付部材171が受け体161のシート受け部160の第1受け部分181である不織布186に長尺シートS0を押し付けるとともに第2押付部材172が受け体161のシート受け部160の第2受け部分182に長尺シートS0を押し付けた後、切断刃163がその押付状態の長尺シートS0を切断し、これにより、所定寸法の包装シートSが得られる。
【0080】
さらに、受け体161には、切断刃163の側方部を覆う切断刃ガード196が立設されている。切断刃ガード196の鉛直板部197には、下端部で長尺シートS0を第2受け部分182に押し付ける弾性変形可能な弾性体であるゴム板198が取り付けられている。
【0081】
そして、新たなシートロールRのセット時において長尺シートS0を通すときに、ゴム板押え部材199をバネ200の付勢力に抗して押すと、ゴム板198の下端部が持ち上がる。このため、作業者は、ゴム板198の下端部と第2受け部分182との間に長尺シートS0を容易に通すことが可能である(図14参照)。
【0082】
また一方、処理手段(包装処理部)26は、図11ないし図13等に示すように、支持手段25の支持体33で支持された農作物Wを包んだ状態(農作物の略全体を包んだ状態)の包装シートSのうち、当該支持体33上の農作物Wよりも上方に位置する部分である上側部分(包装前の展開状態では外周側の部分)に対して所定の処理を行うもので、例えば寄集手段(寄集部)231と、切離手段(切離部)232と、熱溶着手段(熱溶着部)233とを備えている。
【0083】
そして、寄集手段(収束手段)231は、支持体33の支持部91で支持された農作物Wよりも上方に位置する包装シートSの上側部分を周囲から絞るように収束して寄せ集める手段である。
【0084】
切離手段232は、寄集手段231で寄せ集められた包装シートSの上側部分における所定位置である切断位置を切断することにより、包装シートSのうち農作物Wの全体を包装した部分である包装部分(本体部分)から余剰部S1を切り離す手段であり、例えば切離刃235で構成されている。
【0085】
熱溶着手段233は、寄集手段231で寄せ集められた包装シートSの上側部分のうち切断位置よりも若干下方に位置する部分を熱溶着して封鎖(閉鎖)する手段であり、例えば前後1対のヒーター236,237で構成されている。
【0086】
寄集手段231は、前後方向に細長い棒状に形成された左右1対の案内体である案内棒240と、これら両案内棒240に沿った互いに接近する方向への移動(スライド移動)により包装シートSの上側部分を前後側から挟持するように寄せ集める前後1対の寄集移動体である前側寄集移動体241及び後側寄集移動体242と、これら両寄集移動体241,242に連動した互いに接近する方向への回動により包装シートSの上側部分を左右側から挟持するように寄せ集める左右1対の寄集回動体である左側寄集回動体243及び右側寄集回動体244とを備えている。
【0087】
また、寄集手段231は、案内棒240に対して前側寄集移動体241を待機位置及び寄集位置間で前後方向に移動させる第1移動駆動手段246と、案内棒240に対して後側寄集移動体242を待機位置及び寄集位置間で前後方向に移動させる第2移動駆動手段247とを備えている。
【0088】
なお、両寄集回動体243,244は、互いに同じ構成のもので、両寄集移動体241,242の前後方向(第1方向)の移動に応じて左右方向(第1方向に対して交差する第2方向)に回動する。つまり、寄集回動体243,244は、移動駆動手段246,247からの動力に基づいて移動する寄集移動体241,242に連動して回動する。また、両寄集移動体や両移動駆動手段も互いに同じ構成のものであり、部品の共通化が図られている。
【0089】
まず、前側寄集移動体241は、案内棒240に沿って前後方向にスライド移動する移動部材251を有し、この移動部材251の左右両端側のスライダー部252に案内棒240が挿通されている。移動部材251には、ガイドカラー253、スライド板254及びシート締板255が設けられ、そのシート締板255の先端側に切離刃235及びヒーター236が取り付けられている。
【0090】
第1移動駆動手段246は、伸縮可能な流体圧シリンダであるシリンダ(例えばエアシリンダ等の駆動源)256を有し、このシリンダ256は、シリンダ本体258と、このシリンダ本体258内に対して出入りするロッド259とで構成されている。ロッド259の先端部には、シリンダアーム260の後端部が連結され、このシリンダアーム260の前端部が移動部材251の左端部に連結されている。
【0091】
後側寄集移動体242は、案内棒240に沿って前後方向にスライド移動する移動部材261を有し、この移動部材261の左右両端側のスライダー部262に案内棒240が挿通されている。移動部材261には、ガイドカラー263、スライド板264及びシート締板265が設けられ、そのシート締板265の先端側にヒーター237が取り付けられている。なお、前後のヒーター236,237で包装シートSの所定部分が挟持されて熱溶着される。
【0092】
第2移動駆動手段247は、上記第1移動駆動手段246と同様、伸縮可能な流体圧シリンダであるシリンダ(例えばエアシリンダ等の駆動源)266を有し、このシリンダ266は、シリンダ本体268と、このシリンダ本体268内に対して出入りするロッド269とで構成されている。ロッド269の先端部には、シリンダアーム270の前端部が連結され、このシリンダアーム270の後端部が移動部材261の右端部に連結されている。なお、左右2本の案内棒240は、前フレーム238及び後フレーム239間に架設されている。
【0093】
次いで、左側寄集回動体243は、複数、すなわち例えば2枚の板状の羽根部材である上羽根271及び下羽根272を有し、その下羽根272には長孔部273が曲線状に形成され、この長孔部(カム孔部)273には後側寄集移動体242の挿入部であるガイドカラー(ローラ部)263が当該長孔部273に沿って摺動可能に挿入されている。
【0094】
右側寄集回動体244も同様に、複数、すなわち例えば2枚の板状の羽根部材である上羽根276及び下羽根277を有し、その下羽根277には長孔部278が曲線状に形成され、この長孔部(カム孔部)278には前側寄集移動体241の挿入部であるガイドカラー(ローラ部)253が当該長孔部278に沿って摺動可能に挿入されている。
【0095】
また、右側寄集回動体244の上羽根276には、空気噴射手段27による圧縮空気の噴射時に樹脂板16の下面との接触により当該樹脂板16の下方側への弾性変形を規制する規制板(垂下り防止板である樹脂板ガイド)280が複数の支持棒279を介して取り付けられている。つまり、複数の支持棒279が右側寄集回動体244の上羽根276の上面に立設され、当該支持棒279の上端部に規制板280が固着されて樹脂板16の下面近傍位置に配置されている。
【0096】
ここで、対をなす寄集回動体243,244のうちの一方の寄集回動体である左側寄集回動体(左側の上羽根及び下羽根)243は、装置本体11の後側に固定的に設けられた第1支点である第1支軸部(第1回動中心)281を中心として、待機位置(平面視で支持部91と重ならない位置である離反位置)と寄集位置(平面視で支持部91と重なる位置である接近位置)との間で、左右方向に回動可能となっている。
【0097】
これに対し、対をなす寄集回動体243,244のうちの他方の寄集回動体である右側寄集回動体(右側の上羽根及び下羽根)244は、装置本体11の前側に固定的に設けられた第2支点である第2支軸部(第2回動中心)282を中心として、待機位置(平面視で支持部91と重ならない位置である離反位置)と寄集位置(平面視で支持部91と重なる位置である接近位置)との間で、左右方向に回動可能となっている。
【0098】
なお、これら左右の寄集回動体243,244がそれぞれ寄集位置に向かって回動(互いに接近回動)することにより包装シートSの上側部分が寄せ集められるが、当該両寄集回動体243,244が寄集位置に位置した状態において、両者間には予め設定された所定寸法の隙間283が存在する。この隙間283の存在により、両ヒーター236,237による包装シートSの熱溶着が適切に行われる。
【0099】
そして、図13(a)に示すように、平面視において、左側寄集回動体243の後端部(第1支点側の基端部)を回動可能に支持する第1支軸部281と、右側寄集回動体244の前端部(第2支点側の基端部)を回動可能に支持する第2支軸部282とは、支持体33の支持部91の中心点(農作物の中心部)Pを中心とした点対称の位置に位置している。
【0100】
つまり、両支軸部281,282は、平面視で支持体33の中心点Pを通る左右方向の直線Laに対して互いに異なる側に位置しており、より具体的には、第1支軸部281は直線Laよりも後側に位置しかつ第2支軸部282は直線Laよりも前側に位置している。また、両支軸部281,282は、平面視で支持体33の中心点Pを通る前後方向の直線Lbに対して互いに異なる側に位置しており、より具体的には、第1支軸部281は直線Lbよりも左側に位置しかつ第2支軸部282は直線Lbよりも右側に位置している。
【0101】
そして、当該図13(a)に示す状態は、農作物Wを供給口2から支持体33の支持部91上にセットできるように、両寄集移動体241,242が待機位置に位置しかつ両寄集回動体243,244も待機位置に位置した状態であるが、この状態で農作物Wがセットされると両シリンダ256,266が伸び動作を開始(つまり寄集手段が寄集動作を開始)し、その伸び動作によって両寄集移動体241,242が互いに接近する方向に寄集位置まで同期移動し、その結果、これら両寄集移動体241,242によって包装シートSの上側部分が前後側から寄せ集められる。
【0102】
また同時に、ガイドカラー253,263が長孔部273,278内を摺動することによって両寄集回動体243,244は互いに接近する方向に寄集位置まで点対称の支軸部281,282を中心に同期回動し、その結果、これら両寄集回動体243,244によって包装シートSの上側部分が左右側から寄せ集められる。
【0103】
こうして両寄集移動体241,242と両寄集回動体243,244とで包装シートSの上側部分が寄せ集められるが、このような寄集手段231による寄集動作の終期には、切離刃235が包装シートSの上側部分における所望の切断位置を切断して余分な余剰部S1を包装シートSの包装部分から切り離すとともに、両ヒーター236,237が包装シートSの上側部分のうちその切断位置よりも若干下方に位置する部分を熱溶着して封鎖する。これにより、熱溶着で封鎖された包装シートSによって農作物Wの全体が包装されて包装完了となる。なお、この包装完了後、両シリンダ256,266が縮み動作を行うと、両寄集移動体241,242及び両寄集回動体243,244はもとの待機位置に戻る。
【0104】
また、包装装置1は、図9(a)に示すように、引出手段28の移動体132を検知する光学系の複数の検知手段(光電センサ等)、すなわち例えば引出端センサ301、中間部センサ302及び端部センサ303を備えている。つまり、装置本体11内における所定位置には、移動体132を検知するセンサ301,302,303がそれぞれ配置されている。また、装置本体11の供給口2の近傍位置には、農作物Wを供給口2から装置本体11内に供給する作業者の手を検知する光学系の検知手段である供給口センサ304が配置されている(図1参照)。そして、制御手段50は、長尺シートS0の引き出し及び切断の際にそれらセンサからの情報等に基づいて、引出手段28及び切断手段29の各駆動源(モータやシリンダ等)を適宜制御する。
【0105】
ここで、端部センサ303は、引出手段28の保持部130が閉状態(保持状態)となって長尺シートS0の先端部を保持する保持位置(予め設定された保持用の設定位置)に配置されている。中間部センサ302は、引出手段28の保持部130の移動途中の位置であって、支持手段25の支持部91よりも保持解除位置側の位置、すなわち例えば左側の保持体34よりも左側の位置(中間位置)に配置されている。
【0106】
引出端センサ301は、引出手段28の保持部130が開状態(保持解除状態)となって長尺シートS0の先端部の保持を解除する保持解除位置(予め設定された保持解除用の設定位置)よりも左側の位置に配置されている。この引出端センサ301は、安全用のセンサで、移動体132のオーバーランを防止するためのものである。
【0107】
次に、包装装置1の具体的な動作について図14ないし図17を参照して説明する。
【0108】
まず、図14を参照して引出手段28の動作を説明する。
【0109】
図14(a)に示すように、包装作業の開始前(初期状態)において、引出手段28の保持部130は、開状態で保持解除位置に停止して待機している。
【0110】
そして、作業者の手による農作物Wの供給によって包装作業(包装処理)が開始されると、図14(b)に示すように、保持部130は、制御手段50の制御に基づいて、その作業開始直後に保持解除位置で閉状態になり、その閉状態のまま保持位置側への移動を開始する。
【0111】
次いで、図14(c)の如く中間部センサ302が移動体132を検知してオンすると、図14(d)に示すように、保持部130は、制御手段50の制御に基づいて、保持位置側へ移動しながら中間部センサ302の通過後に開状態となる。
【0112】
すなわち例えば、保持部130は、中間部センサ302がオンしてから設定時間経過後(例えばタイマー時間である0.5秒後)にシリンダ147が縮み動作を開始して、閉状態から開状態に切り換わる。つまり、保持部130は、保持位置側に向かって移動しながら、その保持位置に到着する前でかつ包装シートSの余剰部S1が切離刃235によって切り離された後に閉状態から開状態になる。なお、制御手段50は、例えば中間部センサ302を用いずに、余剰部S1の切り離し後に保持部130が閉状態から開状態に自動的に変更されるように、駆動部であるシリンダ147を制御するようにしてもよい。
【0113】
次いで、図14(e)のように、端部センサ303が移動体132を検知してオンすると、開状態の保持部130は、制御手段50の制御に基づいて保持位置に停止する。この際、長尺シートS0の先端部が、開状態の保持部130における上側保持部133a及び下側保持部134a間に挿入される。
【0114】
次に、図15を参照して引出手段28の動作と切断手段29の動作を説明する。
【0115】
図15(a)及び(b)に示すように、引出手段28の保持部130は、制御手段50の制御に基づいて、保持位置で閉状態となって長尺シートS0の先端部を両保持部133a,134aにて上下から保持(挟持)した後、保持位置から保持解除位置まで移動する。こうして、引出手段28によって長尺シートS0がシートロールRから引き出される。
【0116】
次いで、図15(c)に示すように、切断手段29の押付体162が受け体161に長尺シートS0を押し付けた後、切断刃163が長尺シートS0を切断すると、所定寸法の包装シートSが得られる。
【0117】
次いで、図15(d)に示すように、引出手段28の保持部130が保持解除位置で開状態になって長尺シートSの先端部の保持を解除すると、所定寸法の包装シートSは、その自重で装置本体11の支持板14上に落下する。
【0118】
なおこのとき、包装シートSは、第1押付部材171によって押し付けられていた第1受け部分181に貼り付いておらず(付着せず)、当該第1受け部分181からスムーズに離れる。このため、作業者は、農作物Wを包装シートSを介して支持体33の支持部91上に適切にセットすることが可能である。
【0119】
次に、図16を参照して引出手段28の動作と支持手段25の動作を説明する。
【0120】
図16(a)に示すように、作業者は、手に持った農作物Wを供給口2から装置本体11内に供給して、その包装対象の農作物Wを支持手段25の支持体33の支持部91上にセットする。
【0121】
すると、農作物Wは、その略全体(上面中央部を除く部分)が包装シートSで包まれた状態となって、支持部91にて包装シートSを介して支持されるが、このとき、農作物Wが比較的小さい場合には、それを包んだ状態の包装シートSにおける余剰部(余剰分のシート)S1が過剰に大きくなる。このため、第1昇降体31が下降位置まで下降しても、余剰部S1の一部が支持板14上の位置(保持部130の通過位置である移動領域)に残ってしまう。
【0122】
また、農作物Wを支持部91上にセットした後、作業者の手が供給口2から離れると、制御手段50が供給口センサ304からの情報に基づいて包装作業を開始する。
【0123】
そして、包装作業が開始されると、図16(b)に示すように、保持部130がその作業開始直後に保持解除位置で閉状態になるとともに、支持手段25の保持体34が農作物Wを左右両側から保持しかつ第1昇降体31が下降する。
【0124】
次いで、図16(c)に示すように、保持部130は、保持位置への移動途中で包装シートSの余剰部S1を引っ掛けないように閉状態のまま保持位置側に向かって移動する。また、第1昇降体31が下降位置まで下降して停止することによって、支持体33が農作物Wの大きさに応じた所望位置で停止する。さらに、処理手段26の寄集手段231は、包装シートSの余剰部(切り離し前の余剰部)S1を寄せ集める。
【0125】
なお、当該図16(c)に示す状態は、移動体132が中間部センサ302の位置を通過する前の状態であり、この状態では、寄集手段231による寄せ集めは完了しておらず(寄集動作の途中)、切離刃235による切り離し及びヒーター236,237による熱溶着も完了していない。
【0126】
次いで、図16(d)に示すように、移動体132が中間部センサ302の位置を通過した後、保持部130は、移動体132とともに保持位置側へ移動しながら、支持体33の上方付近の位置で開状態となる。なおその後、保持部130は、開状態のまま保持位置まで移動した後に閉状態となって、長尺シートS0の引出動作を行うことになる。
【0127】
また、保持部130が開状態になる前には、寄集手段231による寄せ集めが完了し、かつ、切離刃235による切り離し及びヒーター236,237による熱溶着も完了している。
【0128】
そして、切り離された余剰部S1は、空気噴射手段27の噴射ノズル23から噴射された圧縮空気により吹き飛ばされて、余剰部排出口20から包装装置1外へ排出される。
【0129】
また、支持手段25の両保持体34による農作物Wの挟持が解除された後、支持部91上の包装完了した農作物Wは、第1昇降体31が下降位置に停止した状態のまま支持体33が後方に回動することで支持部91上から送出されて、排出口3から包装装置1外へ排出される。
【0130】
このようにして、包装装置1が包装シートSを用いて農作物Wを自動包装するため、作業者は包装対象の農作物(例えばレタス)Wを供給口2から順次投入して供給するだけでよい。
【0131】
そして、上述した包装装置1によれば、引出手段28の保持部130は、制御手段50の制御に基づいて、当該保持部130に包装シートSの余剰部(切り離される前の余剰部)S1が引っ掛からないように閉状態で保持位置側に向かって移動し、その保持位置に到着する前に閉状態から開状態に自動的に変更されるため、包装シートSの余剰部S1が移動中の保持部130に引っ掛かる事態が生じることがなく、適切な包装作業を行うことができる。
【0132】
すなわち例えば、図17(a)に示すように、農作物Wが比較的小さい場合において、切り離される前の余剰部S1の一部が支持板14上に残ったときでも、その余剰部S1が移動中の保持部130に引っ掛かることがなく、適切な包装作業ができる。
【0133】
これに対し、図17(b)に示すように、保持部130が開状態のまま保持解除位置から保持位置まで移動する構成とした場合には、切り離される前の余剰部S1が移動中の保持部130に引っ掛かってしまう事態が生じ、適切な包装作業ができないおそれがある。例えば余剰部S1が保持部130に引っ掛かることで農作物Wが傾動してしまい、その結果、寄集手段231による寄せ集めが不十分となったり、切離刃235やヒーター236,237で農作物Wを傷付けたりする不具合が発生するおそれがある。
【0134】
また、引出手段28の保持部130は、制御手段50の制御に基づいて、保持位置側に向かって移動しながら、その保持位置に到着する前でかつ包装シートSの余剰部S1が切り離された後に閉状態から開状態に自動的に変更されるため、適切な包装作業を効率良く行うことができる。
【0135】
なお、包装対象の被包装物である農作物は、レタス(球状の野菜)には限定されず、例えばキャベツ、メロン、リンゴ等でもよく、その形状等も任意であり、また、被包装物は農作物以外のものでもよい。
【0136】
また、駆動源(駆動部)であるシリンダは、例えば流体圧シリンダであるエアシリンダには限定されず、例えば油圧シリンダ等でもよく、またシリンダに代えてモータ等の駆動源を用いてもよい。
【0137】
さらに、農作物との接触部分(支持部、保持部、搬送部等)は、農作物への衝撃緩和のために、弾性部材であるクッション材を有することが好ましいが、例えば被包装物の種類等によってはクッション材は不要である。
【0138】
また、引出手段の保持部は、中間部センサ等の検知手段がオン(検知)してから設定時間経過後に開動作を開始して開状態になる構成には限定されず、例えば検知手段がオン(検知)したときに開動作を開始して開状態になる構成等でもよく、また、例えば検知手段を用いずに時間制御によって開閉動作を自動的に行う構成等でもよい。
【0139】
さらに、引出手段の保持部は、例えば保持位置に到着する直前に開状態になる構成や、余剰部が切り離された直後に開状態になる構成等でもよい。
【0140】
また、例えば引出手段の保持部が閉状態のまま保持位置まで移動した後に開状態となり、この開状態の保持部内に長尺シートの先端部が自動挿入される構成等にすることも可能である。
【符号の説明】
【0141】
1 包装装置
28 引出手段
29 切断手段
50 制御手段
91 支持部
130 保持部
302 検知手段である中間部センサ
S 包装シート
S0 長尺シート
S1 余剰部
W 被包装物である農作物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17