(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005671
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 21/62 20130101AFI20250109BHJP
【FI】
G06F21/62 318
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105940
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松谷 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】檀野 隆一
(72)【発明者】
【氏名】池谷 淳
(72)【発明者】
【氏名】野本 雅史
(72)【発明者】
【氏名】カプラン,オラル
(57)【要約】
【課題】本開示の目的は、複数のユーザによって利用される車両の走行に関するデータを第三者へ提供することをユーザ毎に制限することを可能にすることである。
【解決手段】情報処理装置は制御部を備える。制御部は、第1ユーザが乗車中の車両から受信した走行に関する第1データを第三者に提供することを第1ユーザが許可しているか否かを示すユーザ情報を取得する。そして、第1データを第三者に提供することを第1ユーザが許可している場合、制御部が第1データを第三者サーバに送信する。また、第1データを第三者に提供することを第1ユーザが不許可としている場合、制御部が第1データを第三者サーバに送信することを禁止する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両から走行に関する第1データを受信することと、
前記車両に乗車中の第1ユーザを特定することと、
前記第1ユーザが乗車中の前記車両から受信した前記第1データを第三者に提供することを前記第1ユーザが許可しているか否かを示すユーザ情報を取得することと、
を実行する制御部を備え、
前記ユーザ情報において、前記第1データを前記第三者に提供することを前記第1ユーザが許可している場合、前記制御部が前記第1データを第三者サーバに送信し、
前記ユーザ情報において、前記第1データを前記第三者に提供することを前記第1ユーザが不許可としている場合、前記制御部が前記第1データを前記第三者サーバに送信することを禁止する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1データを前記第三者に提供することを許可するか否かを前記車両に乗車中のユーザが選択可能に前記車両の所有者が設定しているか否かを示す所有者情報を取得することを前記制御部が更に実行し、
前記所有者情報において、前記車両の所有者が、前記第1データを前記第三者に提供することを前記車両に乗車中のユーザが許可するか否かを選択可能に設定している場合、前記制御部が、前記ユーザ情報に基づいて、前記第1データを前記第三者サーバに送信するか又は前記第1データを前記第三者サーバに送信することを禁止するかを決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1ユーザを含む複数のユーザそれぞれについての前記ユーザ情報を記憶する記憶装置をさらに備える、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記車両に乗車中の前記第1ユーザによって前記車両の車載端末に前記ユーザ情報が入力され、
前記制御部が前記ユーザ情報を前記車載端末から受信する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記車両は、カーシェアリングサービス用の車両である、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の走行に関するデータを収集する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、センサデータ管理システムが開示されている。特許文献1に開示されたセンサデータ管理システムでは、センサデータを管理するサーバが、匿名化ポリシー設定ファイルの定義内容に従い、センサデータのうち指定されたデータ項目を指定された条件により個別に匿名化する匿名化処理を実行する。また、匿名化処理によって生成された匿名化センサデータを含むセンサデータの任意のデータ項目の組み合わせが他のサーバに送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、複数のユーザによって利用される車両の走行に関するデータを第三者へ提供することをユーザ毎に制限することを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る情報処理装置は、
車両から走行に関する第1データを受信することと、
前記車両に乗車中の第1ユーザを特定することと、
前記第1ユーザが乗車中の前記車両から受信した前記第1データを第三者に提供することを前記第1ユーザが許可しているか否かを示すユーザ情報を取得することと、
を実行する制御部を備え、
前記ユーザ情報において、前記第1データを前記第三者に提供することを前記第1ユーザが許可している場合、前記制御部が前記第1データを第三者サーバに送信し、
前記ユーザ情報において、前記第1データを前記第三者に提供することを前記第1ユーザが不許可としている場合、前記制御部が前記第1データを前記第三者サーバに送信することを禁止する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、複数のユーザによって利用される車両の走行に関するデータを第三者へ提供することをユーザ毎に制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係るデータ提供システムにおけるデータの流れを示す図である。
【
図2】
図2は、車両から管理サーバに送信される走行データのテーブル構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、管理サーバの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図4】
図4(a)は、スケジュール情報データベースのテーブル構成の一例を示す図である。
図4(b)は、ユーザ情報データベースのテーブル構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態において管理サーバの制御部によって実行される情報処理のフローを示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態の変形例において管理サーバの制御部によって実行される情報処理のフローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
近年、多くの車両から走行に関するデータ(以下、「走行データ」と称する場合もある。)を収集し、収集された走行データをビッグデータとして活用する取り組みが行われている。一方で、例えば、カーシェアリングサービス用の車両のように、一台の車両が複数のユーザによって利用される場合がある。このような場合、車両を利用する複数のユーザの全てが、自身が乗車している間の車両の走行データをビッグデータとして提供することを許容するとは限らない。つまり、一台の車両を利用する複数のユーザのうちの一部が、乗車中の車両の走行データを第三者への提供することを許容しない場合がある。ここで、第三者は、収集された走行データをビッグデータとして活用する者である。そこで、本開示は、複数のユーザによって利用される車両の走行に関するデータを第三者へ提供することをユーザ毎に制限することを可能にする技術を提供する。
【0009】
本開示に係る情報処理装置は制御部を備える。制御部は車両から第1データを受信する。第1データは走行データである。第1データは、車両に搭載された各種センサによって車両の走行中に取得されてもよい。また、車両は、複数のユーザによって利用される車両である。そして、制御部は、車両に乗車中の第1ユーザを特定する。例えば、各ユーザによる車両の利用スケジュールに関する情報に基づいて制御部が車両に乗車中の第1ユーザを特定してもよい。また、車両に乗車中の第1ユーザを識別するユーザIDを車両から受信することで、制御部が車両に乗車中の第1ユーザを特定してもよい。
【0010】
また、制御部は、第1ユーザのユーザ情報を取得する。ここで、ユーザ情報は、第1ユーザが乗車中の車両から受信した第1データを第三者に提供することを第1ユーザが許可しているか否かを示す情報を含んでいる。なお、第1ユーザは、自身が乗車中の車両の第1データを第三者に提供することを許可するか否かを任意のタイミングで設定してもよい。
【0011】
そして、制御部は、第1ユーザのユーザ情報に基づいて、第1ユーザが乗車中の車両から受信した第1データを第三者サーバに送信するか否かを決定する。つまり、ユーザ情報において、第1データを第三者に提供することを第1ユーザが許可している場合、制御部は第1データを第三者サーバに送信する。一方で、ユーザ情報において、第1データを第三者に提供することを第1ユーザが不許可としている場合、制御部は第1データを第三者サーバに送信することを禁止する。ここで、第三者サーバは、走行データをビッグデータとして活用する第三者に関連するサーバ装置である。なお、制御部は、車両から受信した第1データを、そのままの状態ではなく、何らかの加工処理を施した状態で第三者サーバに送信してもよい。
【0012】
本開示によれば、自身が乗車中の車両の第1データを第三者に提供することを第1ユーザが許容していない場合、該第1データは第三者サーバに送信されない。換言すれば、自身が乗車中の車両の第1データを第三者に提供することを第1ユーザが許容している場合にのみ、該第1データを第三者サーバに送信することができる。
【0013】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、および、その相対配置等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0014】
<実施形態>
(システム概略)
図1は、本実施形態に係るデータ提供システムにおけるデータの流れを示す図である。データ提供システム1は、車両10から走行データを収集し、収集した走行データを第三者に提供するためのシステムである。車両10は、カーシェアリングサービス用の車両である。つまり、カーシェアリングサービスの提供を受ける複数のユーザによって車両10は利用される。車両10を利用可能な複数のユーザは予め登録されていてもよい。なお、車両10は、必ずしもカーシェアリングサービス用の車両でなくともよく、複数のユーザがそれぞれ個別に利用可能な車両であればよい。
【0015】
データ提供システム1は、車両10、管理サーバ100、及び第三者サーバ200を含む。管理サーバ100は、車両10から走行データを収集するサーバ装置である。第三者サーバ200は、車両10の走行データをビッグデータとして活用する第三者に関連するサーバ装置である。なお、本実施形態においては、管理サーバ100が、本開示に係る「情報処理装置」に相当する。また、データ提供システム1が複数の車両10を含み、管理サーバ100が複数の車両10それぞれから走行データを収集してもよい。
【0016】
車両10、管理サーバ100、及び第三者サーバ200は、ネットワークによって相互に接続されている。ここで、ネットワークとしては、例えば、インターネット等の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)、または携帯電話等の電話通信網が採用されてもよい。また、ネットワークは、携帯電話等の電話通信網、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信網を含んでもよい。
【0017】
車両10は、走行データを取得するための各種センサを備える。そして、車両10は、走行中に取得した走行データを管理サーバ100に所定のタイミングで送信する。例えば、車両10は、走行中に所定の間隔で周期的に走行データを管理サーバ100に送信してもよい。
【0018】
図2は、車両10から管理サーバ100に送信される走行データのテーブル構成の一例を示す図である。
図2に示すように、走行データは、車両IDフィールド、日時フィールド、位置フィールド、速度フィールド、及び加速度フィールド等を有する。車両IDフィールドには、走行データの送信元である車両10を特定するための識別情報である車両IDが入力される。日時フィールドには、車両10において走行データが取得された日時についての情報が入力される。位置フィールドには、車両10の位置情報が入力される。速度フィールドには、車両10の速度情報が入力される。加速度フィールドには、車両10の加速度情報が入力される。また、走行データには、車両10のスタートボタン(又は、イグニッションスイッチ)のON及びOFFに関する情報が含まれていてもよい。また、走行データには、車両10に搭載されたカメラによって撮像された画像情報が含まれていてもよい。なお、走行データは、必ずしも、車両10に搭載されたセンサによって取得されたデータでなくてもよい。本実施形態においては、走行データが、本開示に係る「第1データ」に相当する。
【0019】
また、管理サーバ100は、第三者の要求に応じて、車両10の走行データを第三者サーバ200に送信する。これにより、第三者は、ビッグデータとして活用する走行データの提供を受けることができる。ただし、車両10を利用する複数のユーザのうちの少なくとも一部のユーザが、自身が乗車中の車両10の走行データを第三者へ提供することを許容しない場合がある。つまり、車両10に乗車中のユーザが、自身が乗車中の車両10の走行データを第三者への提供することを許可しているユーザである場合がある。一方で、車両10に乗車中のユーザ(以下、「許可ユーザ」と称する場合もある。)が、自身が乗車中の車両10の走行データを第三者への提供することを不許可としているユーザ(以下、「不許可ユーザ」と称する場合もある。)である場合もある。
【0020】
そこで、本実施形態では、車両10に乗車中の第1ユーザが特定される。そして、管理サーバ100は、乗車中の第1ユーザが許可ユーザのであるときの車両10の走行データを第三者サーバ200に送信する。一方で、管理サーバ100は、乗車中の第1ユーザが不許可ユーザのであるときの車両10の走行データを第三者サーバ200に送信することを禁止する。
【0021】
(管理サーバの構成)
次に、管理サーバ100の構成について説明する。
図3は、管理サーバ100の構成を概略的に示すブロック図である。管理サーバ100は、制御部110、記憶部120、及び通信モジュール130を備えている。制御部110は、管理サーバ100を制御するための演算処理を行う機能を有する。制御部110は、CPU(Central Processing Unit
)等のプロセッサ、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、及び、ROM(Read Only Memory)等の補助記憶装置を含む。なお、CPUはプロセッサ・リソースの一例である。また、RAM及びROMはメモリ・リソースの一例である。制御部110は、各種プログラム及び各種データに基づいて任意の情報処理を実行することができる。ただし、制御部110の一部または全部の機能はASIC、FPGA等のハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0022】
記憶部120は、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の任意の記憶装置によって構成される。記憶部120は、リムーバブルメディア(可搬記録媒体)を含んでもよい。ここで、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、SDカード、又は、CD-ROM、DVDディスク、若しくはブルーレイディスクのようなディスク記録媒体である。記憶部120には、制御部110によって実行されるプログラム、及びプログラムの実行に利用される各種データが記憶されている。
【0023】
記憶部120には、車両10から受信した走行データ121を格納するデータベースが構築されている。データ提供システム1が複数の車両10を含む場合、このデータベースには、走行データ121が車両10毎に記憶されている。
【0024】
また、記憶部120には、スケジュール情報122を格納するデータベース(スケジュール情報データベース)及びユーザ情報123を格納するデータベース(ユーザ情報データベース)が構築されている。スケジュール情報122は、各ユーザによる車両10の利用スケジュールに関する情報である。ユーザ情報は、自身が乗車中の車両10から受信した走行データ121を第三者に提供することを各ユーザが許可しているか否かを示す情報である。
【0025】
図4(a)は、スケジュール情報データベースのテーブル構成の一例を示す図である。
図4(b)は、ユーザ情報データベースのテーブル構成の一例を示す図である。
図4(a)に示すように、スケジュール情報データベースは、車両IDフィールド、ユーザIDフィールド、及び利用日時フィールドを有する。車両IDフィールドには、車両10を特定するための識別情報である車両IDが入力される。ユーザIDフィールドには、車両10を利用する各ユーザを特定するための識別情報であるユーザIDが入力される。利用日時フィールドには、各ユーザによる車両10の利用日時が入力される。スケジュール情報データベースには、ユーザが車両10の利用を予約した際に、ユーザによって登録された利用予定の日時とユーザIDとが入力されてもよい。また、スケジュール情報データベースには、ユーザが車両10の利用を終了した際に、ユーザによって登録された利用実績の日時とユーザIDとが入力されてもよい。
【0026】
また、
図4(b)に示すように、ユーザ情報データベースは、ユーザIDフィールド、
及び提供可否フィールドを有する。ユーザIDフィールドには、車両10を利用する各ユーザを特定するための識別情報であるユーザIDが入力される。提供可否フィールドには、自身が乗車中の車両10から受信した走行データ121を第三者に提供することを各ユーザが許可している否かを示す情報が入力される。ユーザ情報データベースには、ユーザによって予め登録された情報が入力される。なお、各ユーザは、自身に関連するユーザ端末を介してユーザ情報を登録してもよい。
【0027】
通信モジュール130は、管理サーバ100をネットワークに接続するための通信インタフェースである。通信モジュール130は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、または無線通信のための無線通信回路である。なお、管理サーバ100は、必ずしも単一の物理的構成によって実現される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。
【0028】
(情報処理のフロー)
次に、管理サーバ100において実行される情報処理のフローについて
図5に基づいて説明する。
図5は、制御部110によって実行される情報処理のフローを示すフローチャートである。なお、本フローは、車両10の走行データ121が記憶部120に構築されたデータベースに格納されている状態で実行される。例えば、第三者サーバ200からデータ提供依頼を受信した時に、制御部110が本フローを実行してもよい。また、制御部110が所定期間経過毎に本フローを実行してもよい。
【0029】
本フローでは、先ず、S101において、記憶部120のデータベースに格納されている車両10の走行データ121の中から、第三者サーバ200へのデータ送信の対象となり得るデータ(以下、「対象データ」と称する場合もある。)が特定される。例えば、対象データは、車両10において走行データ121が取得された日時に基づいて特定されてもよい。また、第三者サーバ200から管理サーバ100に対して送信されたデータ提供依頼において対象データを特定するための所定の条件が含まれていてもよい。この場合、データ提供依頼に含まれる所定の条件に基づいて対象データが特定される。
【0030】
次に、S102において、S101で特定された対象データが車両10において取得された時に車両10に乗車していた第1ユーザが特定される。具体的には、対象データに含まれる車両10におけるデータの取得日時において車両10を利用していたユーザが第1ユーザとして特定される。このとき、制御部110は、スケジュール情報データベースに格納されたスケジュール情報122を参照することで第1ユーザを特定する。
【0031】
次に、S103において、S102で特定された第1ユーザのユーザ情報123がユーザ情報データベースから取得される。具体的には、第1ユーザのユーザIDに対応するユーザ情報がユーザ情報データベースから抽出される。次に、S104において、第1ユーザが許可ユーザであるか又は不許可ユーザであるかが判定される。具体的には、制御部110は、S103で取得されたユーザ情報123の提供可否フィールドを参照することで、自身が乗車中の車両10から受信した走行データ121を第三者に提供することを第1ユーザが許可しているか否かを判定する。
【0032】
S104において肯定判定された場合、すなわち、第1ユーザが許可ユーザである場合、次にS105の処理が実行される。S105においては、対象データが第三者サーバ200に送信される。このとき、制御部110は、記憶部120のデータベースに格納された走行データ121に対して、第三者の要求に応じた加工処理を施した上で、対象データを第三者サーバ200に送信してもよい。
【0033】
一方、S104において否定判定された場合、すなわち、第1ユーザが不許可ユーザで
ある場合、次にS106の処理が実行される。S106においては、対象データの第三者サーバ200への送信が禁止される。
【0034】
上記のようなフローによれば、乗車中の第1ユーザが不許可ユーザのであるときの車両10の走行データ121は第三者サーバ200に送信されない。換言すれば、乗車中の第1ユーザが許可ユーザのであるときの車両10の走行データ121のみが第三者サーバ200に送信される。したがって、複数のユーザによって利用される車両10の走行に関するデータを第三者へ提供することをユーザ毎に制限することができる。
【0035】
なお、車両10は、車両10に乗車中のユーザによって入力操作が可能な車載端末11を搭載していてもよい。この場合、車載端末は、CPU等のプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の記憶装置、並びに通信モジュールを有するコンピュータである。また、車載端末はネットワークによって管理サーバ100と接続されている。
【0036】
この場合、車両10に乗車したユーザが車載端末にユーザ情報を入力してもよい。つまり、車両10に乗車したユーザが、自身が乗車中の車両10から受信した走行データ121を第三者に提供することを許可するか否かを示す情報を車載端末に入力してもよい。そして、車載端末から管理サーバ100にユーザ情報が送信されてもよい。管理サーバ100は、車載端末からユーザ情報を受信すると、受信したユーザ情報をユーザ情報データベースに格納する。
【0037】
(変形例)
以下、本実施形態の変形例について説明する。本変形例では、カーシェアリングサービスをユーザに提供する提供者が車両10の所有者であることを想定する。この場合、車両10の所有者は、必ずしも人である必要はなく、法人等であってもよい。
【0038】
ここで、車両10の所有者が、ユーザが車両10を利用した際の車両10の走行データ121を第三者に提供することを、第三者との間で契約することがあり得る。このような契約が存在すると、通常は、車両10に乗車中のユーザがどのユーザであるかに関わらず、車両10において取得され管理サーバ100に送信された走行データ121が、管理サーバ100から第三者サーバ200に送信される。ただし、このような場合でも、自身が乗車中の車両10の走行データ121を第三者に提供することを許可するか否かをユーザが選択可能に車両10の所有者が設定することもあり得る。そして、車両10の所有者がこのような設定をしていれば、管理サーバ100は、上記の実施形態と同様の情報処理を実施することができる。
【0039】
そのため、本変形例では、管理サーバ100の記憶部120に、所有者情報を格納する所有者情報データベースが構築されている。ここで、所有者情報は、ユーザが乗車中の車両10の走行データ121を第三者に提供することを許可するか否かをユーザが選択可能に車両10の所有者が設定しているか否かを示す情報である。そして、管理サーバ100において、制御部110が、所有者情報データベースに格納されている所有者情報を参照する。
【0040】
図6は、本変形例において制御部110によって実行される情報処理のフローの一部を示すフローチャートである。なお、本フローにおいて、S101からS106の各ステップで実行される処理は、
図5に示すフローチャートにおける同一参照番号のステップで実行される処理と同様である。そのため、これらのステップについての説明は省略し、S201及びS202での処理について説明する。
【0041】
本フローでは、S101の次にS201の処理が実行される。S201では、車両10の所有者の所有者情報が所有者情報データベースから取得される。次に、S202において、S201で取得された所有者情報を参照し、ユーザが乗車中の車両10の走行データ121を第三者に提供することを許可するか否かをユーザが選択可能に車両10の所有者が設定しているか否かが判定される。
【0042】
S202において肯定判定された場合、すなわち、ユーザが乗車中の車両10の走行データ121を第三者に提供することを許可するか否かをユーザが選択可能な場合、次にS102の処理が実行される。一方、S104において否定判定された場合、次にS105の処理が実行される。
【0043】
上記のようなフローによれば、車両10の所有者が、走行データ121を第三者に提供することを車両10に乗車中のユーザが許可するか否かを選択可能に設定している場合は、上記実施形態と同様の情報処理が実行される。すなわち、走行データ121を第三者サーバ200に送信するか又は走行データ121を第三者サーバ200に送信することを禁止するかがユーザ情報に基づいて決定される。
【0044】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0045】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0046】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0047】
1・・・データ提供システム
10・・車両
100・・管理サーバ
110・・制御部
120・・記憶部
121・・走行データ
122・・スケジュール情報
123・・ユーザ情報
130・・通信モジュール
200・・第三者サーバ