(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025056732
(43)【公開日】2025-04-08
(54)【発明の名称】免疫機能の異常を伴う疾患の予防および/または治療剤としての環式有機化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 209/08 20060101AFI20250331BHJP
C07D 215/38 20060101ALI20250331BHJP
C07D 498/04 20060101ALI20250331BHJP
C07D 401/04 20060101ALI20250331BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20250331BHJP
C07D 405/06 20060101ALI20250331BHJP
C07D 223/16 20060101ALI20250331BHJP
C07D 209/44 20060101ALI20250331BHJP
C07D 217/24 20060101ALI20250331BHJP
C07D 217/04 20060101ALI20250331BHJP
C07D 413/04 20060101ALI20250331BHJP
C07D 401/06 20060101ALI20250331BHJP
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A61P 11/00 20060101ALI20250331BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20250331BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20250331BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20250331BHJP
A61P 5/14 20060101ALI20250331BHJP
A61P 21/04 20060101ALI20250331BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20250331BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20250331BHJP
A61P 33/00 20060101ALI20250331BHJP
A61P 33/10 20060101ALI20250331BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20250331BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20250331BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20250331BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20250331BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20250331BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20250331BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20250331BHJP
【FI】
C07D209/08
C07D215/38 CSP
C07D498/04 111
C07D401/04
C07D471/04 113
C07D405/06
C07D223/16 A
C07D209/44
C07D471/04 104Z
C07D217/24
C07D217/04
C07D413/04
C07D401/06
A61K31/47
A61K31/404
A61K31/538
A61K31/4709
A61K31/4439
A61K31/4375
A61K31/55
A61K31/4035
A61K31/437
A61K31/472
A61K31/5377
A61P43/00 111
A61P37/08
A61P37/06
A61P17/00
A61P11/06
A61P11/02
A61P27/02
A61P11/00
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P3/10
A61P5/14
A61P21/04
A61P25/00
A61P9/00
A61P29/00
A61P33/00
A61P33/10
A61P1/00
A61P1/04
A61P37/02
A61P1/16
A61P13/12
A61P35/00
A61P21/00
C07D209/08 CSP
C07D215/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024157862
(22)【出願日】2024-09-11
(31)【優先権主張番号】P 2023164052
(32)【優先日】2023-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】000146180
【氏名又は名称】株式会社MORESCO
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【弁理士】
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109542
【弁理士】
【氏名又は名称】田伏 英治
(72)【発明者】
【氏名】藤田 聡
(72)【発明者】
【氏名】前田 達也
(72)【発明者】
【氏名】杉原 悠太
(72)【発明者】
【氏名】野村 俊介
(72)【発明者】
【氏名】大久保 充
(72)【発明者】
【氏名】山下 政克
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC10
4C086BC13
4C086BC17
4C086BC28
4C086BC32
4C086BC73
4C086BC74
4C086CB05
4C086CB09
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086ZA02
4C086ZA08
4C086ZA33
4C086ZA34
4C086ZA36
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA68
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA94
4C086ZA96
4C086ZB05
4C086ZB08
4C086ZB11
4C086ZB13
4C086ZB15
4C086ZB26
4C086ZB37
4C086ZB39
4C086ZC06
4C086ZC35
4C086ZC41
(57)【要約】
【課題】免疫機能の異常を伴う疾患の予防および/または治療剤として有用な環式有機化合物等を提供すること。
【解決手段】本発明は、一つの実施の形態として、以下の式(I):
(式中、各記号は明細書中に記載の通りである。)
で表される化合物(I)またはその塩を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中、環Aは、窒素含有5~7員非芳香族複素環またはピロール環;
環Bは、ベンゼン環またはピリジン環;
Xは、ハロゲン原子;
R
1は、水素原子またはアシル基;
m個のR
aは、環Aの置換可能な位置に存在し、それぞれ独立して、(C
1-6)アルキル基またはオキソ基;
mは、0~3の整数;
n個のR
bは、環Bの置換可能な位置に存在し、それぞれ独立して、(C
1-6)アルキル基またはハロゲン原子;
nは、0~3の整数;および
Mは、式:-(M
1)o-R
2
(式中、M
1は、オキソ基で置換されていてもよいメチレン基、
oは、0~3の整数、および
R
2は、置換されていてもよい(C
1-12)アルキル基、置換されていてもよい(C
2-12)アルケニル基、置換されていてもよい(C
3-12)シクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されてもよい芳香族複素環基、または置換されてもよい飽和複素環基、
をそれぞれ示す)
で表される基(但し、Mは、カルバメート基ではない);
をそれぞれ示す。]
で表される化合物(I)またはその塩。
【請求項2】
環Aが、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピロリン、テトラヒドロアゼピン、ジヒドロ-1,4-オキサジンまたはピロールである、
請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
式(I)における、以下の式(II):
【化2】
(式中、*は、Nとの結合位置を示し、その他の記号は請求項1におけるものと同義である)
で表される部分構造(II)が、以下の式(IIIa)~(IIIl):
【化3】
【化4】
【化5】
(式中、各記号は上記と同義である)
で表される部分構造から選択される、
請求項2に記載の化合物またはその塩。
【請求項4】
部分構造(II)が、以下の式(IIa):
【化6】
(式中、環A’は、窒素含有5~7員非芳香族複素環またはピロール環を示し、
Yは、CHまたはNを示し、
*は、Nとの結合位置を示し、および
その他の記号は請求項1におけるものと同義である)
で表される部分構造(IIa)である、
請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項5】
環A’が、テトラヒドロピリジン、ピロリン、テトラヒドロアゼピン、ジヒドロ-1,4-オキサジンまたはピロールである、
請求項4に記載の化合物またはその塩。
【請求項6】
部分構造(IIa)が、以下の式(IIIa)~(IIIg):
【化7】
【化8】
(式中、各記号は請求項4におけるものと同義である)
で表される部分構造から選択される、
請求項5に記載の化合物またはその塩。
【請求項7】
R1が、水素原子または(C1-6)アルキル-カルボニル基である、
請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
【請求項8】
R2が、置換されていてもよい(C1-12)アルキル基、置換されていてもよい(C2-12)アルケニル基、置換されていてもよい(C3-12)シクロアルキル基、置換されていてもよい(C6-14)アリール基、置換されていてもよい窒素含有5ないし6員芳香族複素環基、または置換されてもよい5~7員飽和複素環基である、
請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
【請求項9】
R2が、
(1)水素原子、
(2)置換されていてもよい(C1-12)アルキル基、置換されていてもよい(C1-12)アルコキシ基、置換されていてもよい(C2-12)アルキニルオキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基、およびハロゲン原子から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により、それぞれが置換されていてもよい、
(C1-12)アルキル基、(C2-12)アルケニル基、(C3-12)シクロアルキル基、(C6-14)アリール基、窒素含有5ないし6員芳香族複素環基、または置換されていてもよい5~7員飽和複素環基である、
請求項8に記載の化合物またはその塩。
【請求項10】
R2が、
(1)(C1-12)アルキル基、
(2)(C2-12)アルケニル基、
(3)(i)1~5個のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、およびアシル(C1-6)アルコキシ基から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい(C3-12)シクロアルキル基、
(4)(i)1~5個のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、およびアシル(C1-6)アルコキシ基から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい(C6-14)アリール基、
(5)(i)1~5個のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、およびアシル(C1-6)アルコキシ基から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい窒素含有5ないし6員芳香族複素環基、または
(6)(i)1~5個のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、およびアシル(C1-6)アルコキシ基から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい5~7員飽和複素環基である、
請求項8に記載の化合物またはその塩。
【請求項11】
R2が、
(1)(C1-12)アルキル基、
(2)(C2-12)アルケニル基、
(3)1~5個の(C1-6)アルキル基により置換されていてもよい(C3-12)シクロアルキル基、
(4)(i)1~5個のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、およびアシル(C1-6)アルコキシ基から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい(C6-14)アリール基、
(5)(i)1~5個のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、および
(ii)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい窒素含有5ないし6員芳香族複素環基、または
(6)1~5個の(C1-6)アルキル基により置換されていてもよい5~7員飽和複素環基である、
請求項8に記載の化合物またはその塩。
【請求項12】
R2が、
(i)1~3個のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、およびアシル(C1-6)アルコキシ基から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~3個の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~3個の置換基により置換されていてもよい(C6-14)アリール基、
である、
請求項8に記載の化合物またはその塩。
【請求項13】
式(I)における部分構造(II)が、以下の式(IIIa):
【化9】
(式中、*は、Nとの結合位置を示し、その他の記号は請求項1におけるものと同義である)
で表される部分構造である、
請求項1に記載の化合物(I)またはその塩。
【請求項14】
R1が、水素原子であり、
mが、0であり、
Rbが、ハロゲン原子であり、
nが、0または1であり、
oが、1であり、
R2が、(i)1~3個のハロゲン原子により置換されてもよい(C1-6)アルキル基、および
(ii)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~3個の置換基により置換されていてもよいフェニル基である、
請求項13に記載の化合物またはその塩。
【請求項15】
2-クロロ-N-(1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-5-ニトロベンズアミド、
2-クロロ-N-{1-[(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル]-7-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド、および
2-クロロ-N-{1-[(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル]-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド、
から選択される化合物またはその塩である、
請求項14に記載の化合物またはその塩。
【請求項16】
請求項1に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する医薬。
【請求項17】
IL-5産生抑制剤である、請求項16に記載の医薬。
【請求項18】
IL-33受容体発現抑制剤である、請求項16に記載の医薬。
【請求項19】
IL-13産生抑制剤である、請求項16に記載の医薬。
【請求項20】
免疫機能の異常を伴う疾患の予防および/または治療剤である、請求項16~19のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項21】
アレルギー性疾患および自己免疫疾患の予防および/または治療剤である、請求項20に記載の医薬。
【請求項22】
疾患は、蕁麻疹、食物アレルギー、アナフィラキシーショック、好酸球増加症候群、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性気管支炎、アトピー性皮膚炎、慢性関節リウマチ、I型糖尿病、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、多発性硬化症、臓器移植に伴う拒絶反応;アトピー性喘息、非アレルギー性鼻炎、重度の喘息、慢性好酸性肺炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、腹腔疾患、チャーグ・シュトラウス症候群、好酸性筋肉痛症候群、過好酸性症候群、偶発性血管性浮腫を含む浮腫性反応、蠕虫感染症、オンコセルカ皮膚炎、好酸性食道炎、好酸性胃炎、好酸性胃腸炎、好酸性腸炎、好酸性大腸炎、鼻マイクロ・ポリープ症、鼻ポリープ症、アスピリン不耐性喘息、閉塞性睡眠時無呼吸、慢性喘息、クローン病、硬皮症および心内膜心筋線維症;花粉症、副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎を含む)、潰瘍性大腸炎、関節炎、全身性エリテマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、強皮症、強直性脊椎炎、肝線維症(原発性胆汁性肝硬変を含む)、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性腎障害、血管炎、癌、肺高血圧症、シェーグレン症候群、筋ジストロフィー、自己免疫性肝炎、および気管支拡張症から選択される1または2以上の疾患である、請求項21に記載の医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その実施形態の一つとして、免疫機能の異常を伴う疾患の予防および/または治療剤として有用な環式有機化合物を提供するものであり、例えば、医薬の分野において有用である。
【背景技術】
【0002】
国民の2人に1人が何かしらの免疫機能の異常を伴う疾患、例えば、アレルギー性疾患に罹患しているが、有効な根治療法は開発されていない。近年、難治性のアレルギー性疾患に対して、生物学的製剤など治療効果の高い医薬品が開発されているが、これら医薬品は非常に高額であり、また投与法が注射に限られるため、医療経済と患者への負担が大きい。そのため、経口投与可能な抗アレルギー剤の開発が望まれている。
生体の免疫反応において、種々の免疫担当細胞から産生されるサイトカインは免疫応答の方向性を制御している。この免疫応答制御において中心的な役割を担っているのが、ヘルパーT細胞であり、産生するサイトカインの種類によって、Th1、Th2やTh17などのサブセットに分類されている。中でも、Th2タイプ細胞は、主にインターロイキン4(IL-4)、インターロイキン5(IL-5)、インターロイキン13(IL-13)等を産生し、寄生虫に対する感染防御やB細胞からの抗体産生などの液性免疫に関与することが知られている。一方で、Th2細胞の過剰な活性化は、アレルギー疾患の発症を誘発する。Th2細胞が産生するサイトカインのうちで、IL-5の産生抑制は、抗アレルギー薬の創薬ターゲットとして従来から注視されており、例えば、特許文献1および2には、IL-5の産生を抑制する化合物が記載されている。
しかしながら、未だ薬効や安全性において十分に満足できる抗アレルギー剤は提供されるに至っていない。さらに、IL-5産生抑制作用以外の作用を併せ持ち、総合的な作用により抗アレルギー作用を発揮する新しいタイプの抗アレルギー剤の創出も待たれていた。特に、Th2細胞は、IL-33受容体を細胞表面に発現し、IL-33の存在下においてアレルゲン(抗原)に依存しないかたちで活性化してIL-5やIL-13などのサイトカインを産生し、アレルギーの慢性化を引き起こすことから、IL-33の作用を抑制する低分子化合物の創出が期待されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-249473号公報
【特許文献2】特開2004-018465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の課題を解決するべく、IL-5産生抑制作用はもちろんのこと、その他の作用との総合的な作用により免疫機能の異常を伴う疾患の予防および/または治療剤として有用な環式有機化合物を提供すること等を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、下記の式(I)で表される環式有機化合物が、優れたIL-5産生抑制作用とともに、Th2細胞におけるIL-33受容体の発現を抑制する作用をも併せ持つことを初めて見出し、鋭意研究の結果本発明を完成するに至った。具体的には、本発明の実施の形態は、以下の通りである。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0006】
[1]式(I):
【0007】
【0008】
[式中、環Aは、窒素含有5~7員非芳香族複素環またはピロール環;
環Bは、ベンゼン環またはピリジン環;
Xは、ハロゲン原子;
R1は、水素原子またはアシル基;
m個のRaは、環Aの置換可能な位置に存在し、それぞれ独立して、(C1-6)アルキル基またはオキソ基;
mは、0~3の整数;
n個のRbは、環Bの置換可能な位置に存在し、それぞれ独立して、(C1-6)アルキル基またはハロゲン原子;
nは、0~3の整数;および
Mは、式:-(M1)o-R2
(式中、M1は、オキソ基で置換されていてもよいメチレン基、
oは、0~3の整数、および
R2は、置換されていてもよい(C1-12)アルキル基、置換されていてもよい(C2-12)アルケニル基、置換されていてもよい(C3-12)シクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されてもよい芳香族複素環基、または置換されてもよい飽和複素環基、
をそれぞれ示す)
で表される基(但し、Mは、カルバメート基ではない);
をそれぞれ示す。]
で表される化合物(I)またはその塩。
[2]環Aが、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピロリン、テトラヒドロアゼピン、ジヒドロ-1,4-オキサジンまたはピロールである、
上記[1]に記載の化合物またはその塩。
[3]式(I)における、以下の式(II):
【0009】
【0010】
(式中、*は、Nとの結合位置を示し、その他の記号は上記[1]におけるものと同義である)
で表される部分構造(II)が、以下の式(IIIa)~(IIIl):
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
(式中、各記号は上記と同義である)
で表される部分構造から選択される、
上記[2]に記載の化合物またはその塩。
[4]部分構造(II)が、以下の式(IIa):
【0015】
【0016】
(式中、環A’は、窒素含有5~7員非芳香族複素環またはピロール環を示し、
Yは、CHまたはNを示し、
*は、Nとの結合位置を示し、および
その他の記号は上記[1]におけるものと同義である)
で表される部分構造(IIa)である、上記[1]に記載の化合物またはその塩。
[5]環A’が、テトラヒドロピリジン、ピロリン、テトラヒドロアゼピン、ジヒドロ-1,4-オキサジンまたはピロールである、
上記[4]に記載の化合物またはその塩。
[6]部分構造(IIa)が、以下の式(IIIa)~(IIIg):
【0017】
【0018】
【0019】
(式中、各記号は、上記[4]におけるものと同義である)
で表される部分構造から選択される、
上記[5]に記載の化合物またはその塩。
[7]R1が、水素原子または(C1-6)アルキル-カルボニル基(好ましくは、水素原子)である、
上記[1]~[6]のいずれかに記載の化合物またはその塩。
[8]R2が、置換されていてもよい(C1-12)アルキル基、置換されていてもよい(C2-12)アルケニル基、置換されていてもよい(C3-12)シクロアルキル基、置換されていてもよい(C6-14)アリール基、置換されていてもよい窒素含有5ないし6員芳香族複素環基、または置換されてもよい5~7員飽和複素環基である、
上記[1]~[7]のいずれかに記載の化合物またはその塩。
[9]R2が、
置換されていてもよい(C1-12)アルキル基、置換されていてもよい(C1-12)アルコキシ基、置換されていてもよい(C2-12)アルキニルオキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基、およびハロゲン原子から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは1~3個)の置換基により、それぞれが置換されていてもよい、
(C1-12)アルキル基、(C2-12)アルケニル基、(C3-12)シクロアルキル基、(C6-14)アリール基、窒素含有5ないし6員芳香族複素環基、または置換されていてもよい5~7員飽和複素環基である、
上記[8]に記載の化合物またはその塩。
[10]R2が、
(1)(C1-12)アルキル基(好ましくは、(C1-6)アルキル基)、
(2)(C2-12)アルケニル基(好ましくは、(C2-6)アルケニル基)、
(3)(i)1~5個(好ましくは1~3個)のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、およびアシル(C1-6)アルコキシ基(好ましくは、(C1-6)アルキルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基または(C2-6)アルキニルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基)から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは1~3個)の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは、1~3個)の置換基により置換されていてもよい(C3-12)シクロアルキル基、
(4)(i)1~5個(好ましくは1~3個)のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、およびアシル(C1-6)アルコキシ基(好ましくは、(C1-6)アルキルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基または(C2-6)アルキニルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基)から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは1~3個)の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは、1~3個)の置換基により置換されていてもよい(C6-14)アリール基、
(5)(i)1~5個(好ましくは1~3個)のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、およびアシル(C1-6)アルコキシ基(好ましくは、(C1-6)アルキルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基または(C2-6)アルキニルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基)から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは1~3個)の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは、1~3個)の置換基により置換されていてもよい窒素含有5ないし6員芳香族複素環基、または(6)(i)1~5個(好ましくは1~3個)のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、およびアシル(C1-6)アルコキシ基(好ましくは、(C1-6)アルキルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基または(C2-6)アルキニルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基)から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは1~3個)の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは、1~3個)の置換基により置換されていてもよい5~7員飽和複素環基である、
上記[8]に記載の化合物またはその塩。
[11]R2が、
(1)(C1-12)アルキル基(好ましくは、(C1-6)アルキル基)、
(2)(C2-12)アルケニル基(好ましくは、(C2-6)アルケニル基)、
(3)1~5個(好ましくは1~3個)の(C1-6)アルキル基により置換されていてもよい(C3-12)シクロアルキル基、
(4)(i)1~5個(好ましくは1~3個)のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、およびアシル(C1-6)アルコキシ基(好ましくは、(C1-6)アルキルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基または(C2-6)アルキニルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基)から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは1~3個)の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは、1~3個)の置換基により置換されていてもよい(C6-14)アリール基、
(5)(i)1~5個(好ましくは1~3個)のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、および
(ii)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは、1~3個)の置換基により置換されていてもよい窒素含有5ないし6員芳香族複素環基、または(6)1~5個(好ましくは1~3個)の(C1-6)アルキル基により置換されていてもよい5~7員飽和複素環基である、
上記[8]に記載の化合物またはその塩。
[12]R2が、
(i)1~3個のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、およびアシル(C1-6)アルコキシ基(好ましくは、(C1-6)アルキルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基または(C2-6)アルキニルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基)から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~3個の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~3個の置換基により置換されていてもよい(C6-14)アリール基、
である、
上記[8]に記載の化合物またはその塩。
[13]式(I)における部分構造(II)が、以下の式(IIIa):
【0020】
【0021】
(式中、*は、Nとの結合位置を示し、その他の記号は上記[1]におけるものと同義である)
で表される部分構造である、上記[1]~[12]に記載の化合物またはその塩。
[14]R1が、水素原子であり、
mが、0であり、
Rbが、ハロゲン原子であり、
nが、0または1であり、
oが、1であり、
R2が、(i)1~3個のハロゲン原子により置換されてもよい(C1-6)アルキル基、および
(ii)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~3個の置換基により置換されていてもよいフェニル基である、
上記[13]に記載の化合物またはその塩。
[15]2-クロロ-N-(1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-5-ニトロベンズアミド、
2-クロロ-N-{1-[(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル]-7-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド、および
2-クロロ-N-{1-[(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル]-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド、
から選択される化合物またはその塩である、上記[14]に記載の化合物またはその塩。
[16]上記[1]~[15]のいずれかに記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する医薬。
[17]IL-5産生抑制剤である、上記[16]に記載の医薬。
[18]IL-33受容体発現抑制剤である、上記[16]~[17]のいずれかに記載の医薬。
[19]IL-13産生抑制剤である、上記[16]~[18]に記載の医薬。
[20]免疫機能の異常を伴う疾患の予防および/または治療剤である、上記[16]~[19]のいずれかに記載の医薬。
[21]アレルギー性疾患および自己免疫疾患の予防および/または治療剤である、上記[20]に記載の医薬。
[22]疾患は、蕁麻疹、食物アレルギー、アナフィラキシーショック、好酸球増加症候群、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性気管支炎、アトピー性皮膚炎、慢性関節リウマチ、I型糖尿病、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、多発性硬化症、臓器移植に伴う拒絶反応;アトピー性喘息、非アレルギー性鼻炎、重度の喘息、慢性好酸性肺炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、腹腔疾患、チャーグ・シュトラウス症候群、好酸性筋肉痛症候群、過好酸性症候群、偶発性血管性浮腫を含む浮腫性反応、蠕虫感染症、オンコセルカ皮膚炎、好酸性食道炎、好酸性胃炎、好酸性胃腸炎、好酸性腸炎、好酸性大腸炎、鼻マイクロ・ポリープ症、鼻ポリープ症、アスピリン不耐性喘息、閉塞性睡眠時無呼吸、慢性喘息、クローン病、硬皮症および心内膜心筋線維症;花粉症、副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎を含む)、潰瘍性大腸炎、関節炎、全身性エリテマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、強皮症、強直性脊椎炎、肝線維症(原発性胆汁性肝硬変を含む)、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性腎障害、血管炎、癌、肺高血圧症、シェーグレン症候群、筋ジストロフィー、自己免疫性肝炎、および気管支拡張症から選択される1または2以上の疾患である、上記[21]に記載の医薬。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明について詳述するが、文中で特に断らない限り、本明細書で用いるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるものと同じ意味をもつ。本明細書に記載されたものと同様または同等の任意の方法および材料は、本発明の実施または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料を以下に記載する。本明細書で言及したすべての刊行物および特許は、例えば、記載された発明に関連して使用されうる刊行物に記載されている、構築物および方法論を記載および開示する目的で、参照として本明細書に組み入れられる。
【0023】
[本発明の化合物(I)について]
本発明により、その一つの実施の形態として、
「以下の式(I):
【0024】
【0025】
[式中、環Aは、窒素含有5~7員非芳香族複素環またはピロール環;
環Bは、ベンゼン環またはピリジン環;
Xは、ハロゲン原子;
R1は、水素原子またはアシル基;
m個のRaは、環Aの置換可能な位置に存在し、それぞれ独立して、(C1-6)アルキル基またはオキソ基;
mは、0~3の整数;
n個のRbは、環Bの置換可能な位置に存在し、それぞれ独立して、(C1-6)アルキル基またはハロゲン原子;
nは、0~3の整数;および
Mは、式:-(M1)o-R2
(式中、M1は、オキソ基で置換されていてもよいメチレン基、
oは、0~3の整数、および
R2は、置換されていてもよい(C1-12)アルキル基、置換されていてもよい(C2-12)アルケニル基、置換されていてもよい(C3-12)シクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されてもよい芳香族複素環基、または置換されてもよい飽和複素環基、
をそれぞれ示す)
で表される基(但し、Mは、カルバメート基ではない);
をそれぞれ示す。]
で表される化合物(I)またはその塩。」
が、提供される。
【0026】
本明細書中、「Ca-b」(例えば、C1-6)または「Ca-Cb」(例えば、C1-C6)なる表記は、基を構成する炭素原子の数がa~b個(例えば、1~6個)であることを示す。
【0027】
本明細書中、「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0028】
本明細書中、「(C1-12)アルキル(基)」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルが挙げられる。
「(C1-6)アルキル(基)」としては、上記のうち、炭素数が1~6個のものが挙げられる。
【0029】
本明細書中、「(C2-12)アルケニル(基)」としては、例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-ヘキセニル、3-ヘキセニル、5-ヘキセニル、2-ヘプテニル、3-オクテニル、4-ノネニル、5-デセニル、6-ウンデセニル、7-ドデセニルが挙げられる。
「(C2-6)アルケニル(基)」としては、上記のうち、炭素数が2~6個のものが挙げられる。
【0030】
本明細書中、「(C2-12)アルキニル(基)」としては、例えば、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル、4-メチル-2-ペンチニル、へプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニルが挙げられる。
「(C2-6)アルキニル(基)」としては、上記のうち、炭素数が2~6個のものが挙げられる。
【0031】
本明細書中、「(C1-12)アルコキシ(基)」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシが挙げられる。
「(C1-6)アルコキシ(基)」としては、上記のうち、炭素数が1~6個のものが挙げられる。
【0032】
本明細書中、「(C3-12)シクロアルキル(基)」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、アダマンチルが挙げられる。
【0033】
本明細書中、「アリール(基)」としては、「(C6-14)アリール(基)」が好適な例として挙げられる。例えば、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、1-アントリル、2-アントリル、9-アントリルが挙げられる。
【0034】
本明細書中、「複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子をそれぞれ含有する、芳香族複素環および非芳香族複素環が挙げられる。
【0035】
本明細書中、「芳香族複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環が挙げられる。該「芳香族複素環」の好適な例としては、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、トリアジンなどの5ないし6員単環式芳香族複素環;
ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾトリアゾール、イミダゾピリジン、チエノピリジン、フロピリジン、ピロロピリジン、ピラゾロピリジン、オキサゾロピリジン、チアゾロピリジン、イミダゾピラジン、イミダゾピリミジン、チエノピリミジン、フロピリミジン、ピロロピリミジン、ピラゾロピリミジン、オキサゾロピリミジン、チアゾロピリミジン、ピラゾロピリミジン、ピラゾロトリアジン、ナフト[2,3-b]チオフェン、フェノキサチイン、インド-ル、イソインドール、1H-インダゾール、プリン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β-カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジンなどの8ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)芳香族複素環が挙げられる。
【0036】
本明細書中、「非芳香族複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する3ないし14員(好ましくは、4ないし10員、より好ましくは、5~7員)の非芳香族複素環が挙げられる。該「非芳香族複素環」の好適な例としては、アジリジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロフラン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、ジヒドロ-1,4-オキサジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、チアゾリン、チアゾリジン、テトラヒドロイソチアゾール、テトラヒドロオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリジン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロピリミジン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパニン、ジアゼパン、アゼピン、テトラヒドロアゼピン、アゾカン、ジアゾカン、オキセパンなどの3ないし8員単環式非芳香族複素環;
ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイソチアゾール、ジヒドロナフト[2,3-b]チオフェン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、4H-キノリジン、インドリン、イソインドリン、テトラヒドロチエノ[2,3-c]ピリジン、テトラヒドロベンゾアゼピン、テトラヒドロキノキサリン、テトラヒドロフェナントリジン、ヘキサヒドロフェノチアジン、ヘキサヒドロフェノキサジン、テトラヒドロフタラジン、テトラヒドロナフチリジン、テトラヒドロキナゾリン、テトラヒドロシンノリン、テトラヒドロカルバゾール、テトラヒドロ-β-カルボリン、テトラヒドロアクリジン、テトラヒドロフェナジン、テトラヒドロチオキサンテン、オクタヒドロイソキノリンなどの9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環が挙げられる。
本明細書中、「含窒素複素環」としては、「複素環」のうち、環構成原子として少なくとも1個以上の窒素原子を含有するものが挙げられる。
【0037】
本明細書中、「複素環基」(「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子をそれぞれ含有する、(i)芳香族複素環
基、(ii)非芳香族複素環基および(iii)7ないし10員複素架橋環基が挙げられる。
【0038】
本明細書中、「芳香族複素環基」(「5ないし14員芳香族複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環基が挙げられる。
該「芳香族複素環基」の好適な例としては、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニルなどの5ないし6員芳香族複素環基;
ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジニル、チエノピリジニル、フロピリジニル、ピロロピリジニル、ピラゾロピリジニル、オキサゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イミダゾピラジニル、イミダゾピリミジニル、チエノピリミジニル、フロピリミジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、ピラゾロトリアジニル、ナフト[2,3-b]チエニル、フェノキサチイニル、インドリル、イソインドリル、1H-インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、カルバゾリル、β-カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニルなどの8ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)芳香族複素環基が挙げられる。
【0039】
本明細書中、「非芳香族複素環基」(「3ないし14員非芳香族複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環基が挙げられる。
該「非芳香族複素環基」の好適な例としては、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロイソチアゾリル、テトラヒドロオキサゾリル、テトラヒドロイソオキサゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロピリダジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アゼパニル、ジアゼパニル、アゼピニル、オキセパニル、アゾカニル、ジアゾカニルなどの3ないし8員単環式非芳香族複素環基;
ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロベンゾチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル、ジヒドロナフト[2,3-b]チエニル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリル、4H-キノリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロチエノ[2,3-c]ピリジニル、テトラヒドロベンゾアゼピニル、テトラヒドロキノキサリニル、テトラヒドロフェナントリジニル、ヘキサヒドロフェノチアジニル、ヘキサヒドロフェノキサジニル、テトラヒドロフタラジニル、テトラヒドロナフチリジニル、テトラヒドロキナゾリニル、テトラヒドロシンノリニル、テトラヒドロカルバゾリル、テトラヒドロ-β-カルボリニル、テトラヒドロアクリジニル、テトラヒドロフェナジニル、テトラヒドロチオキサンテニル、オクタヒドロイソキノリルなどの9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環基が挙げられる。
本明細書中、「飽和複素環基」としては、「複素環基」のうち、不飽和結合を全く含まない基が挙げられる。好ましくは、5~7員飽和複素環基が挙げられる。
【0040】
本明細書中、「7ないし10員複素架橋環基」の好適な例としては、キヌクリジニル、7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニルが挙げられる。
本明細書中、「含窒素複素環基」としては、「複素環基」のうち、環構成原子として少なくとも1個以上の窒素原子を含有するものが挙げられる。
【0041】
本明細書中、「アシル基」の好適な例としては、ホルミル基、カルボキシ基、C1-6アルキル-カルボニル基、C2-6アルケニル-カルボニル基(例えば、クロトノイル)、C3-10シクロアルキル-カルボニル基(例えば、シクロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、シクロヘプタンカルボニル)、C3-10シクロアルケニル-カルボニル基(例えば、2-シクロヘキセンカルボニル)、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、C6-14アリールオキシ-カルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル)、C7-16アラルキルオキシ-カルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル)、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-カルバモイル基(例えば、ジアリルカルバモイル)、モノ-またはジ-C2-6アルキニル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-カルバモイル基(例えば、シクロプロピルカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルバモイル基(例えば、フェニルカルバモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基、5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例えば、ピリジルカルバモイル)、チオカルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-チオカルバモイル基(例えば、メチルチオカルバモイル、N-エチル-N-メチルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-チオカルバモイル基(例えば、ジアリルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-チオカルバモイル基(例えば、シクロプロピルチオカルバモイル、シクロヘキシルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-チオカルバモイル基(例えば、フェニルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-チオカルバモイル基(例えば、ベンジルチオカルバモイル、フェネチルチオカルバモイル)、5ないし14員芳香族複素環チオカルバモイル基(例えば、ピリジルチオカルバモイル)、スルフィノ基、C1-6アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル)、スルホ基、C1-6アルキルスルホニル基、C6-14アリールスルホニル基、ホスホノ基、モノ-またはジ-C1-6アルキルホスホノ基(例えば、ジメチルホスホノ、ジエチルホスホノ、ジイソプロピルホスホノ、ジブチルホスホノ)が挙げられる。
【0042】
本明細書中、「置換されていてもよい(C1-12)アルキル基」、「置換されていてもよい(C2-12)アルケニル基」等の、化合物(I)に関する定義規定中の「置換されていてもよい基や環」における「置換基」としては、例えば、下記の[置換基群A]から選択される置換基が挙げられる。
該「置換基」は、置換可能な位置に1~5個(好ましくは1~3個)存在し得、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
なお、各基又は各環等において、その「置換基」について特段の説明がなされている場合は、その説明に従うものとする。
【0043】
[置換基群A]
(1)ハロゲン原子、
(2)ニトロ基、
(3)シアノ基、
(4)オキソ基、
(5)ヒドロキシ基、
(6)ハロゲン化されていてもよいC1-C6アルコキシ基(例えば、メトキシ、クロロメトキシ、トリフルオロエトキシ)、
(7)C6-C14アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、ナフトキシ)、
(8)C7-C16アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ)、
(9)C1-C6アルキル-カルボニルオキシ基(例えば、アセトキシ、プロパノイルオキシ)、
(10)C6-C14アリール-カルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ、1-ナフトイルオキシ、2-ナフトイルオキシ)、
(11)C1-C6アルコキシ-カルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ)、
(12)5~14員芳香族複素環基(例えば、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル)、ここにおいて、5ないし6員単環式芳香族複素環基が好ましく、5ないし6員単環式窒素含有芳香族複素環基がより好ましい、
(13)3~14員非芳香族複素環基(例えば、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロイソチアゾリル、テトラヒドロオキサゾリル、テトラヒドロイソオキサゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロピリダジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アゼパニル、ジアゼパニル、アゼピニル、オキセパニル、アゾカニル、ジアゾカニル)、ここにおいて、3ないし8員単環式非芳香族複素環基が好ましく、3ないし8員単環式窒素含有非芳香族複素環基、または3ないし8員単環式酸素含有非芳香族複素環基がより好ましい、
(14)ホルミル基、
(15)カルボキシ基、
(16)ハロゲン化されていてもよいC1-C6アルキル-カルボニル基(例えば、アセチル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル)、
(17)C6-C14アリール-カルボニル基(例えば、ベンゾイル、1-ナフトイル、2-ナフトイル)、
(18)C1-C6アルコキシ-カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、
(19)カルバモイル基、
(20)アミノ基、
(21)モノ-またはジ-C1-C6アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、N-エチル-N-メチルアミノ)、
(22)モノ-またはジ-C6-C14アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ)、(23)ホルミルアミノ基、
(24)C1-C6アルキル-カルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、プロパノイルアミノ、ブタノイルアミノ)、
(25)C1-C6アルコキシ-カルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、ブトキシカルボニルアミノ、tert-ブトキシカルボニルアミノ)、
(26)ハロゲン化されていてもよいC1-C6アルキル基(例えば、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2-ブロモエチル、2,2,2-トリフルオロエチル)、
(27)C2-C6アルケニル基(例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル)、
(28)C2-C6アルキニル基(例えば、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル)、
(29)C3-C10シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、アダマンチル)、
(30)C3-C10シクロアルケニル基(例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル)、
(31)C6-C14アリール基(例えば、フェニル、ナフチル)、
(32)(モノ-またはジ-C1-C6アルキルアミノ)カルボニル基(例えば、メチルアミノ-カルボニル基)、および
(33)C1-C6アルキル-スルホニル基(例えば、メチルスルホニル基)。
【0044】
以下、化合物(I)の各記号で表される基の好ましい実施の形態について、説明する。
【0045】
Xは、前記で定義した通りであるが、塩素または臭素である場合が好ましい。
【0046】
R1は、前記で定義した通りであるが、水素原子または(C1-6)アルキル-カルボニル基である場合が好ましく、水素原子である場合がより好ましい。
【0047】
環Aは、前記で定義した通りであるが、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピロリン、テトラヒドロアゼピン、ジヒドロ-1,4-オキサジンまたはピロールである場合が好ましい。
【0048】
環Bは、前記で定義した通りである。
【0049】
式(I)における、以下の式(II):
【0050】
【0051】
(式中、*は、Nとの結合位置を示し、その他の記号は式(I)について上記したものと同義である)
で表される部分構造(II)について、
(1)一つの好ましい態様は、以下の式(IIIa)~(IIIl):
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
(式中、*は、Nとの結合位置を示し、その他の記号は式(I)について上記したものと同義である)
で表される部分構造から選択されるものであり、
(2)部分構造(II)の別の好ましい態様は、以下の式(IIa):
【0056】
【0057】
(式中、環A’は、窒素含有5~7員非芳香族複素環またはピロール環を示し、好ましくは、テトラヒドロピリジン、ピロリン、テトラヒドロアゼピン、ジヒドロ-1,4-オキサジンまたはピロールを示し、
Yは、CHまたはNを示し、
*は、Nとの結合位置を示し、および
その他の記号は式(I)について上記したものと同義である)
で表される部分構造(IIa)であり、より好ましくは、以下の式(IIIa)~(IIIg):
【0058】
【0059】
【0060】
(式中、各記号は上記部分構造(IIa)におけるものと同義である)
で表される部分構造から選択されるものであり、さらに好ましくは、以下の式(IIIa):
【0061】
【0062】
(式中、各記号は上記部分構造(IIa)におけるものと同義である)
で表される部分構造である。
【0063】
Raは、前記で定義した通りであるが、メチルまたはオキソ基である場合が好ましい。
【0064】
mは、前記で定義した通りである。
【0065】
Rbは、前記で定義した通りであるが、ハロゲン原子である場合が好ましい。
【0066】
nは、前記で定義した通りである。
【0067】
M1は、前記で定義した通りである。
【0068】
oは、前記で定義した通りである。
【0069】
R2は、前記で定義した通りであるが、
置換されていてもよい(C1-12)アルキル基、置換されていてもよい(C2-12)アルケニル基、置換されていてもよい(C3-12)シクロアルキル基、置換されていてもよい(C6-14)アリール基、置換されていてもよい窒素含有5ないし6員芳香族複素環基、または置換されてもよい5~7員飽和複素環基である場合が好ましく;
置換されていてもよい(C1-12)アルキル基、置換されていてもよい(C1-12)アルコキシ基、置換されていてもよい(C2-12)アルキニルオキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基、およびハロゲン原子から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは1~3個)の置換基により、それぞれが置換されていてもよい、(C1-12)アルキル基、(C2-12)アルケニル基、(C3-12)シクロアルキル基、(C6-14)アリール基、窒素含有5ないし6員芳香族複素環基、または置換されていてもよい5~7員飽和複素環基である場合がより好ましく;
(1)(C1-12)アルキル基(好ましくは、(C1-6)アルキル基)、
(2)(C2-12)アルケニル基(好ましくは、(C2-6)アルケニル基)、
(3)(i)1~5個(好ましくは1~3個)のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基(好ましくは、フェノキシ基)、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基(好ましくは、フェノキシ(C1-6)アルコキシ基)、およびアシル(C1-6)アルコキシ基(好ましくは、(C1-6)アルキルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基または(C2-6)アルキニルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基)から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは1~3個)の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基(好ましくは、フェニル基)、
(v)(C6-14)アリールオキシ基(好ましくは、フェノキシ基)、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは、1~3個)の置換基により置換されていてもよい(C3-12)シクロアルキル基、
(4)(i)1~5個(好ましくは1~3個)のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基(好ましくは、フェノキシ基)、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基(好ましくは、フェノキシ(C1-6)アルコキシ基)、およびアシル(C1-6)アルコキシ基(好ましくは、(C1-6)アルキルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基または(C2-6)アルキニルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基)から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは1~3個)の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基(好ましくは、フェニル基)、
(v)(C6-14)アリールオキシ基(好ましくは、フェノキシ基)、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは、1~3個)の置換基により置換されていてもよい(C6-14)アリール基(好ましくは、フェニル基)、
(5)(i)1~5個(好ましくは1~3個)のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基(好ましくは、フェノキシ基)、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基(好ましくは、フェノキシ(C1-6)アルコキシ基)、およびアシル(C1-6)アルコキシ基(好ましくは、(C1-6)アルキルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基または(C2-6)アルキニルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基)から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは1~3個)の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基(好ましくは、フェニル基)、
(v)(C6-14)アリールオキシ基(好ましくは、フェノキシ基)、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは、1~3個)の置換基により置換されていてもよい窒素含有5ないし6員芳香族複素環基(好ましくは、ピリジル基)、または
(6)(i)1~5個(好ましくは1~3個)のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基(好ましくは、フェノキシ基)、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基(好ましくは、フェノキシ(C1-6)アルコキシ基)、およびアシル(C1-6)アルコキシ基(好ましくは、(C1-6)アルキルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基または(C2-6)アルキニルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基)から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは1~3個)の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基(好ましくは、フェニル基)、
(v)(C6-14)アリールオキシ基(好ましくは、フェノキシ基)、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは、1~3個)の置換基により置換されていてもよい5~7員飽和複素環基(好ましくは、ピペリジニル基、モルホリニル基、またはテトラヒドロピラニル基)である場合が、さらに好ましく;
(1)(C1-12)アルキル基(好ましくは、(C1-6)アルキル基)、
(2)(C2-12)アルケニル基(好ましくは、(C2-6)アルケニル基)、
(3)1~5個(好ましくは1~3個)の(C1-6)アルキル基により置換されていてもよい(C3-12)シクロアルキル基、
(4)(i)1~5個(好ましくは1~3個)のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基(好ましくは、フェノキシ基)、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基(好ましくは、フェノキシ(C1-6)アルコキシ基)、およびアシル(C1-6)アルコキシ基(好ましくは、(C1-6)アルキルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基または(C2-6)アルキニルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基)から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは1~3個)の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基(好ましくは、フェニル基)、
(v)(C6-14)アリールオキシ基(好ましくは、フェノキシ基)、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは、1~3個)の置換基により置換されていてもよい(C6-14)アリール基(好ましくは、フェニル基)、
(5)(i)1~5個(好ましくは1~3個)のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、および
(ii)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは、1~3個)の置換基により置換されていてもよい窒素含有5ないし6員芳香族複素環基(好ましくは、ピリジル基)、または
(6)(i)1~5個(好ましくは1~3個)の(C1-6)アルキル基により置換されていてもよい5~7員飽和複素環基(好ましくは、ピペリジニル基、モルホリニル基、またはテトラヒドロピラニル基)である場合が、よりさらに好ましく;
(i)1~3個のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基(好ましくは、フェノキシ基)、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基(好ましくは、フェノキシ(C1-6)アルコキシ基)、およびアシル(C1-6)アルコキシ基(好ましくは、(C1-6)アルキルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基または(C2-6)アルキニルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基)から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~3個の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基(好ましくは、フェニル基)、
(v)(C6-14)アリールオキシ基(好ましくは、フェノキシ基)、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~3個の置換基により置換されていてもよい(C6-14)アリール基(好ましくは、フェニル基)、
である場合が最も好ましい。
【0070】
化合物(I)の特に好適な具体例としては、以下が挙げられる。
【0071】
[化合物A-1]
Xが、ハロゲン原子であり、
R1が、水素原子または(C1-6)アルキル-カルボニル基であり、
部分構造(II)が、以下の式(IIa):
【0072】
【0073】
(式中、環A’は、窒素含有5~7員非芳香族複素環またはピロール環(好ましくは、テトラヒドロピリジン、ピロリン、テトラヒドロアゼピン、ジヒドロ-1,4-オキサジンまたはピロール)であり、
Yは、CHまたはNであり、
m個のRaが、環Aの置換可能な位置に存在し、それぞれ独立して、(C1-6)アルキル基またはオキソ基であり、
mは、0~3の整数であり;
n個のRbは、環B’の置換可能な位置に存在し、それぞれ独立して、(C1-6)アルキル基またはハロゲン原子であり、
nは、0~3の整数であり;および
Mは、式:-(M1)o-R2
(式中、M1は、オキソ基で置換されていてもよいメチレン基、
oは、0~3の整数、および
R2が、(1)(C1-12)アルキル基、
(2)(C2-12)アルケニル基、
(3)(i)1~5個のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、およびアシル(C1-6)アルコキシ基から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい(C3-12)シクロアルキル基、
(4)(i)1~5個のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、およびアシル(C1-6)アルコキシ基から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい(C6-14)アリール基、
(5)(i)1~5個のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、およびアシル(C1-6)アルコキシ基から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個(好ましくは1~3個)の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい窒素含有5ないし6員芳香族複素環基、または
(6)(i)1~5個のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、およびアシル(C1-6)アルコキシ基から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい5~7員飽和複素環基である)
で表される基である(但し、Mはカルバメート基ではない)、
で表される部分構造(IIa)である、
化合物(I)またはその塩。
【0074】
[化合物A-2]
部分構造(IIa)が、以下の式(IIIa)~(IIIg):
【0075】
【0076】
【0077】
(式中、各記号は上記[化合物A-1]におけるものと同義である)
で表される部分構造から選択される、
上記[化合物A-1]またはその塩。
【0078】
[化合物A-3]
部分構造(II)が、以下の式(IIIa):
【0079】
【0080】
(式中、各記号は上記[化合物A-1]におけるものと同義である)
で表される部分構造である、
上記[化合物A-1]またはその塩。
【0081】
[化合物A-4]
R1が、水素原子であり、
R2が、
(1)(C1-12)アルキル基、
(2)(C2-12)アルケニル基、
(3)(i)1~5個のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、およびアシル(C1-6)アルコキシ基から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい(C3-12)シクロアルキル基、
(4)(i)1~5個のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、およびアシル(C1-6)アルコキシ基から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい(C6-14)アリール基、
(5)(i)1~5個のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、およびアシル(C1-6)アルコキシ基から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい窒素含有5ないし6員芳香族複素環基(例えば、ピリジル基)、または
(6)(i)1~5個のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、およびアシル(C1-6)アルコキシ基から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~5個の置換基により置換されていてもよい5~7員飽和複素環基(例えば、ピペリジニル基、モルホリニル基、またはテトラヒドロピラニル基)である、
上記[化合物A-1]~[化合物A-3]またはその塩。
【0082】
[化合物A-5]
R2が、
(1)(C1-6)アルキル基、
(2)(C2-6)アルケニル基、
(3)1~3個の(C1-6)アルキル基により置換されていてもよい(C3-12)シクロアルキル基、
(4)(i)1~3個のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基、(C1-6)アルキルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基、および(C2-6)アルキニルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~3個の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基、
(v)(C6-14)アリールオキシ基、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~3個の置換基により置換されていてもよい(C6-14)アリール基、
(5)(i)1~3個のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、および
(ii)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~3個の置換基により置換されていてもよい窒素含有5ないし6員芳香族複素環基(例えば、ピリジル基)、または
(6)1~3個の(C1-6)アルキル基により置換されていてもよい5~7員飽和複素環基(例えば、ピペリジニル基、モルホリニル基、またはテトラヒドロピラニル基)である、
上記[化合物A-1]~[化合物A-4]またはその塩。
【0083】
[化合物A-6]
R2が、
(i)1~3個のハロゲン原子により置換されていてもよい(C1-6)アルキル基、
(ii)(C6-14)アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、(C6-14)アリールオキシ(C1-6)アルコキシ基(例えば、フェノキシ(C1-6)アルコキシ基)、(C1-6)アルキルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基、および(C2-6)アルキニルアミノ-カルボニル(C1-6)アルコキシ基から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~3個の置換基により置換されていてもよい(C1-6)アルコキシ基、
(iii)(C2-6)アルキニルオキシ基、
(iv)(C6-14)アリール基(例えば、フェニル基)、
(v)(C6-14)アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、および
(vi)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~3個の置換基により置換されていてもよい(C6-14)アリール基(例えば、フェニル基)、
である、
上記[化合物A-1]~[化合物A-5]またはその塩。
【0084】
[化合物A-7]
R1が、水素原子であり、
mが、0であり、
Rbが、ハロゲン原子であり、
nが、0または1であり、
oが、1であり、
R2が、(i)1~3個のハロゲン原子により置換されてもよい(C1-6)アルキル基、および
(ii)ハロゲン原子
から選択される、同一であっても、異なっていてもよい、1~3個の置換基により置換されていてもよいフェニル基である、
上記[化合物A-1]~[化合物A-6]またはその塩。
【0085】
[化合物A-8]
2-クロロ-N-(1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-5-ニトロベンズアミド、
2-クロロ-N-{1-[(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル]-7-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド、および
2-クロロ-N-{1-[(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル]-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド、
から選択される化合物またはその塩。
【0086】
本発明の実施に当たっては、化合物(I)は、遊離の形態、またはその塩(好ましくは、その医薬として許容される塩)の形態のいずれにおいても使用することができる。使用される個々の化合物(I)の特性を踏まえて当業者であれば両形態から適宜選択して本発明を実施することができる。
医薬として許容される塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、等の無機酸との塩、酢酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、マレイン酸塩、等の有機酸との塩等の酸との塩;およびナトリウム塩、カリウム塩、等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、等のアルカリ土類金属塩等の塩基との塩;グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩等のアミノ酸との塩等が挙げられる。
【0087】
[本発明の化合物(I)またはその塩の製造方法について]
以下に、化合物(I)またはその塩の製造方法についての実施の形態を挙げる。ただし、化合物(I)またはその塩の製造方法は、これらに限定されるものではなく、当業者であれば、目的化合物に応じて適宜合成スキームを選択して実施することにより、化合物(I)またはその塩を製造することができる。
【0088】
製造方法1
化合物(I)のうち、R1が水素原子である化合物(Ia)は、例えば以下の合成スキームに従って製造することができる。
化合物(B)は、化合物(A)をハロゲン化アルキルとアルキル化反応に付す、もしくはハロゲン化芳香環と芳香族求核置換反応に付すことで、製造することができる。これら反応に用いる塩基としては、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどを用いることができる。
化合物(C)は、化合物(B)を還元反応に付すことで、製造することができる。用いられる還元剤として、鉄、亜鉛を用いる場合は、酸として塩酸、酢酸、塩化アンモニウムを用いることで製造できる。もしくは、パラジウム触媒を用いた接触還元によっても製造できる。
化合物(Ia)は、化合物(C)と化合物(D)もしくはその反応性誘導体(例えば、酸クロリド)を縮合反応に付すことで製造することができる。もしくは縮合剤(例えば、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド、またはその塩酸塩)を用いても製造することができる。
【0089】
【0090】
(式中、R1aは水素原子であり、その他の記号は式(I)で表される化合物におけるものと同義である)
上記の一連の合成反応は、当業者であれば、後記の実施例において詳述された方法、もしくはそれらに適宜変更を加えた方法に従って、適宜行うことができる。
【0091】
製造方法2
化合物(I)のうち、R1が水素原子である化合物(Ia)は、例えば以下の合成スキームに従っても製造することができる。
化合物(B)は、化合物(A)をカルボン酸もしくはその反応性誘導体(例えば、酸クロリド、酸無水物)を用いた縮合反応に付すことで合成することができる。
化合物(C)は、化合物(B)を還元反応に付すことで、製造することができる。
下記合成スキームにおいて、Mがオキソ基に置換されたメチレン鎖を含む化合物(Ia)を製造する場合は、化合物(B)を還元反応に付すことで、製造することができる。用いられる還元剤としては、鉄、亜鉛を用いる場合は、酸として塩酸、酢酸、塩化アンモニウムを用いることで製造できる。もしくは、パラジウム触媒を用いた接触還元によって化合物(C)を製造できる。
また、下記合成スキームにおいて、Mがオキソ基に置換されたメチレン鎖を含まない化合物(Ia)を製造する場合、次の2段階の還元反応より製造することができる。1段階目として、ボロン-テトラヒドロフラン錯体、ボロン-ジメチルスルフィド錯体などの還元反応を行い、次の2段階目には、鉄、亜鉛、もしくは、パラジウム触媒を用いた接触還元によって化合物(C)を製造できる。
化合物(Ia)は、製造方法1と同様な手法により、化合物(C)から製造することができる。
【0092】
【0093】
(式中、各記号は上記と同義である)
上記の一連の合成反応は、当業者であれば、後記の実施例において詳述された方法、もしくはそれらに適宜変更を加えた方法に従って、適宜行うことができる。
【0094】
製造方法3
化合物(I)のうち、R1が水素原子である化合物(Ia)は、例えば以下の合成スキームに従っても製造することができる。化合物(A)におけるXも、ハロゲン原子である。
化合物(B)は、化合物(A)をハロゲン化アルキルとアルキル化反応に付す、もしくはハロゲン化芳香環と芳香族求核置換反応に付すことで、製造することができる。
化合物(C)は、化合物(B)とベンゾフェノンイミンとのBuchwald-Hartwigカップリング反応により、アミノ化することで製造することができる。化合物(Ia)は、製造方法1と同様な手法により、化合物(C)から製造することができる。
【0095】
【0096】
(式中、各記号は上記と同義である)
上記の一連の合成反応は、当業者であれば、後記の実施例において詳述された方法、もしくはそれらに適宜変更を加えた方法に従って、適宜行うことができる。
【0097】
製造方法4
化合物(I)のうち、R1がアシル基である化合物(Ib)は、例えば、以下の合成スキームに従って、化合物(Ia)またはその塩を、アシル化反応に付すことにより、製造することができる。
【0098】
【0099】
(式中、R1bはアシル基であり、その他の記号は上記と同義である)
上記のアシル化反応は、当業者であれば、後記の実施例において詳述された方法、もしくはそれらに適宜変更を加えた方法に従って、適宜行うことができる。
化合物(Ib)の好適な塩としては、化合物(I)の好適な塩として挙げられたものを参照することができる。
【0100】
[本発明の化合物(I)またはその塩の使用について]
化合物(I)またはその塩は、IL-5を産生するTh2細胞への分化を抑制する作用を有し、この作用に基づき抗原依存的な刺激によるIL-5産生を抑制することができる。
また、化合物(I)またはその塩は、Th2細胞にIL-33受容体が発現することを抑制する作用を有する。通常Th2細胞では、IL-33受容体の発現が低く維持されているが、IL-33受容体が高発現すると、Th2細胞は抗原刺激だけでなく、IL-33刺激によってもIL-5を産生するようになる。化合物(I)またはその塩は、Th2細胞のIL-33受容体発現を抑制することができ、これによりTh2細胞はIL-33刺激を受けにくくなるため、Th2細胞がIL-33刺激によって産生するIL-5とIL-13を抑制することができる。従って、化合物(I)またはその塩は、抗原刺激がなくとも発生する慢性的なアレルギー反応を起こりにくくすることができる。
さらに、化合物(I)またはその塩は、IL-33受容体が発現したTh2細胞においても、IL-33による刺激により誘導されるIL-5、IL-13産生を抑制することもできる。
以上の通り、化合物(I)またはその塩は、上記の優れた作用を併有するため、その効果が相乗的、総合的に発揮され、免疫機能の異常を伴う疾患の予防または治療のために極めて有用である。
【0101】
当該疾患としては、例えば、蕁麻疹、食物アレルギー、アナフィラキシーショック、好酸球増加症候群、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性気管支炎、アトピー性皮膚炎、慢性関節リウマチ、I型糖尿病、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、多発性硬化症、臓器移植に伴う拒絶反応;アトピー性喘息、非アレルギー性鼻炎、重度の喘息、慢性好酸性肺炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、腹腔疾患、チャーグ・シュトラウス症候群、好酸性筋肉痛症候群、過好酸性症候群、偶発性血管性浮腫を含む浮腫性反応、蠕虫感染症、オンコセルカ皮膚炎、好酸性食道炎、好酸性胃炎、好酸性胃腸炎、好酸性腸炎、好酸性大腸炎、鼻マイクロ・ポリープ症、鼻ポリープ症、アスピリン不耐性喘息、閉塞性睡眠時無呼吸、慢性喘息、クローン病、硬皮症および心内膜心筋線維症;花粉症、副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎を含む)、潰瘍性大腸炎、関節炎、全身性エリテマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、強皮症、強直性脊椎炎、肝線維症(原発性胆汁性肝硬変を含む)、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性腎障害、血管炎、癌、肺高血圧症、シェーグレン症候群、筋ジストロフィー、自己免疫性肝炎、および気管支拡張症から選択される1または2以上の疾患が挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
【0102】
本明細書において、「予防」には、疾患(病態の全体、もしくは1つまたは複数の病態)の発症の防止、および当該疾患の発症の遅延が含まれる。「予防有効量」とは、かかる目的を達成するに足る化合物(I)の用量をいう。
本明細書において、「治療」には、疾患(病態の全体、もしくは1つまたは複数の病態)の治癒、当該疾患の改善、および当該疾患の重篤度の進行抑制が含まれる。「治療有効量」とは、かかる目的を達成するに足る化合物(I)の用量をいう。
【0103】
本発明を実施するにあたっては、化合物(I)またはその塩(本発明化合物)は、単独の形態で、または本発明化合物を有効成分として、医薬として許容される担体とともに含む医薬組成物の形態でのいずれの形態でも使用することができる。
【0104】
かかる医薬組成物としては、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、口腔内崩壊錠、バッカル錠等を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤を含む)、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁剤、放出制御製剤(例えば、速放性製剤、徐放性製剤、徐放性マイクロカプセル剤)、エアゾール剤、フィルム剤(例えば、口腔内崩壊フィルム、口腔粘膜貼付フィルム)、注射剤(例えば、皮下注射剤、静脈内注射剤(例えば、ボーラス)、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、経皮吸収型製剤、軟膏剤、ローション剤、貼付剤、坐剤(例えば、肛門坐剤、膣坐剤)、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等が挙げられる。
【0105】
本明細書において、「医薬として許容される担体」としては、製剤技術の分野で慣用されている各種の担体を用いることができる。
【0106】
「医薬として許容される担体」の具体例えばとしては、例えば、固形製剤においては、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、D-マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、コロイドシリカ等)、結合剤(例えば、結晶セルロース、白糖、D-マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等)および崩壊剤(例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L-ヒドロキシプロピルセルロース等)、等を用いることができる。
【0107】
液状製剤においては、溶剤(例えば、注射用水、等張食塩水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、等)、溶解補助剤(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等)、懸濁化剤(例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子等)、等張化剤(例えば、ブドウ糖、D-ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトール等)、緩衝剤(例えば、リン酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等)、および無痛化剤(例えば、ベンジルアルコール等)、等を用いることができる。
【0108】
必要により、防腐剤(例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、ソルビン酸等)、抗酸化剤(例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸、α-トコフェロール等)、着色剤、甘味剤等の製剤添加物をさらに添加してもよい。
【0109】
本発明の医薬組成物は、剤型、投与方法、担体などにより異なるが、本発明化合物を製剤全量に対して通常0.01~99%(w/w)、好ましくは0.1~85%(w/w)の割合で添加することにより、製造し得る。当該医薬組成物は、その形態に応じて、製剤技術の分野で慣用の方法により製造できる。本発明の医薬組成物は、有効成分を含む徐放性製剤に成形してもよい。
【0110】
(投与対象について)
本発明化合物は、毒性が低く、かつ副作用も少ないことが期待でき、医薬品として優れた性質も有している。従って、本発明化合物は、哺乳動物(例えば、ヒト、イヌまたはネコ、特に、ヒト)に対して、安全に投与し得る。
(投与経路について)
本発明を実施するに当たっては、本発明化合物は、単独で、または医薬組成物として、経口的又は非経口的(例えば、静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、膣内、腹腔内投与、および病巣への投与)に投与し得る。
(投与量について)
本発明化合物の投与量は、投与対象、投与経路および投与対象者の年齢や症状によって異なるが、特に限定されない。例えば、その投与量は本発明化合物として1回当たり、経口投与する場合、1~250mg、非経口投与する場合、その投与量は0.1~1000mgである。
【0111】
(プロドラッグとしての使用について)
化合物(I)はそのプロドラッグの形態で使用することもでき、当該プロドラッグは、化合物(I)に包含される。化合物(I)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物、胃酸等により加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物をいう。化合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸化された化合物[例えば、化
合物(I)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert-ブチル化された化合物等];化合物(I)の水酸基がアシル化、アルキル化、りん酸化、
ほう酸化された化合物(例えば、化合物(I)の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物等);化合物(I)のカルボキシル基がエステル化、アミド化された化合物[例えば、化合物(I)のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物等]等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化合物(I)から
製造することができる。
また、化合物(I)のプロドラッグは、廣川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような、生理的条件で化合物(I)に変化するものであってもよい。
【0112】
化合物(I)は、水和物、非水和物、溶媒和物、無溶媒和物のいずれであってもよい。
また、化合物(I)は、同位元素(例えば、2H、3H、11C、14C、18F、35S、125Iなど)などで標識または置換された化合物であってもよく、同位元素で標識または置換された化合物は、例えば、陽電子断層法(Positron Emission Tomography,PET)において使用するトレーサー(PETトレーサー)として用いることができ、医療診断などの分野において有用であり得る。
1Hを2H(D)に変換した重水素変換体も、化合物(I)に包含される。
互変異性体も、化合物(I)に包含される。
化合物(I)は、薬学的に許容され得る共結晶または共結晶塩であってもよい。ここで、共結晶または共結晶塩とは、各々が異なる物理的特性(例えば、構造、融点、融解熱、吸湿性、溶解性および安定性等)を持つ、室温で二種またはそれ以上の独特な固体から構成される結晶性物質を意味する。共結晶または共結晶塩は、自体公知の共結晶化法に従い製造することができる。
【0113】
(他剤との併用について)
本発明化合物は、他の活性成分(以下、併用薬物と略記する)と併用して使用してもよい。
併用薬としては、予防・治療対象とする疾患に応じて、予防および/または治療効果を有し得る化合物またはその塩を適宜配合し得る。例えば、抗IL―4受容体α抗体製剤、JAK阻害剤、ヒスタミンH1受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、抗トロンボキサンA2薬、抗IL―31受容体α抗体製剤、抗TSLP抗体製剤、抗IgE抗体製剤、抗OX40抗体、ステロイド製剤、長時間作用性β2刺激薬(LABA)、短時間作用性β2刺激薬(SABA)、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)、短時間作用性抗コリン薬(SAMA)、CRTH2受容体拮抗薬、ホスホジエステラーゼ4阻害薬、アリル炭化水素受容体(AHR)モジュレーター、等が挙げられる。
本発明化合物と併用薬物とを組み合わせることにより、
(1)本発明化合物又は併用薬物を単独で投与する場合に比べて、その投与量を軽減することができる、
(2)患者の症状(軽症、重症など)に応じて、本発明化合物と併用する薬物を選択することができる、
(3)本発明化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療期間を長く設定することができる、
(4)本発明化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療効果の持続を図ることができる、
(5)本発明化合物と併用薬物とを併用することにより、相乗効果が得られる、等の優れた効果を得ることができる。
【0114】
以下、本発明化合物と併用薬物を併用して使用することを「本発明の併用剤」と称する。
本発明の併用剤の使用に際しては、本発明化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明化合物又はその医薬組成物と併用薬物又はその医薬組成物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
本発明の併用剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明化合物と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)本発明化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明化合物;併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)などが挙げられる。
本発明の併用剤における本発明化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
例えば、本発明の併用剤における本発明化合物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01~100重量%、好ましくは約0.1~50重量%、さらに好ましくは約0.5~20重量%程度である。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01~100重量%、好ましくは約0.1~50重量%、さらに好ましくは約0.5~20重量%程度である。
本発明の併用剤における担体等の添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約1~99.99重量%、好ましくは約10~90重量%程度である。
また、本発明化合物及び併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
【実施例0115】
本発明は、更に以下の実施例、試験例および製剤例によって詳しく説明されるが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
【0116】
実施例1
2-クロロ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ニトロキノリン 500 mgのジメチルホルムアミド 10 mLの溶液に、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散) 123 mgを加え、室温下で30分攪拌し、3-クロロ-4-フルオロベンゾトリフルオリド 0.462 mLを加え、室温下で12時間攪拌した。その後、水と、酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶液、を加えて分液し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 540 mgを得た。
(2)1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 150 mgのエタノール:水=2:1の混合溶液 3 mLに還元鉄 117 mg及び塩化アンモニウム 90 mgを加え、90 ℃で2時間攪拌した。反応溶液を、シリカゲルを用いてろ過し、1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミン 132 mgを得た。
(3)1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミン 132 mgのジクロロメタン 3 mLの溶液に、トリエチルアミン 176 μLを加え、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド102 mgのジクロロメタン 2 mLの溶液をゆっくり滴下し、室温下30分攪拌した。その後、反応溶液に水を加え、ジクロロメタンを用いて分液し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物を、酢酸エチルとヘキサンを用いて再結晶により精製し、2-クロロ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド150 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.60 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.25 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.66-7.63 (m, 2H), 7.55 (dd, J = 8.4, 1.5 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.42 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.06 (dd, J = 8.7, 2.5 Hz, 1H), 6.26 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.59-3.57 (m, 2H), 2.94 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.12-2.06 (m, 2H)
【0117】
実施例2
2-クロロ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)5-ニトロインドリン 500 mgのジメチルホルムアミド 10 mL溶液中に、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散) 195 mgを加え、室温で10分攪拌後、更に3-クロロ-4-フルオロベンゾトリフルオリド 0.63 mLを滴下して加え、室温下で1時間攪拌した。その後、水およびヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-ニトロ-2,3-ジヒドロ-1H-インド―ル 734 mgを得た。
(2)パラジウム活性炭素(Pd 5%) 10 mgにトルエン 10 mLおよび1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-ニトロ-2,3-ジヒドロ-1H-インド―ル 200 mgを加え、水素雰囲気下、室温で15時間攪拌した。反応溶液をシリカゲルを用いて濾過し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物として、1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-アミン 201 mgを得た。
(3)1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-アミン 145 mgのジクロロメタン 10 mL溶液中に、トリエチルアミン 0.14 mLおよび2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド205 mgを加え、室温で2.5時間攪拌した。その後、水およびジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、2-クロロ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル}-5-ニトロベンズアミド48 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.58 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.23 (dd, J = 8.8, 2.8 Hz, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.63 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.50 (s, 2H), 7.15 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 1H), 6.53 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.01 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 3.22 (t, J = 8.4 Hz, 2H)
【0118】
実施例3
2-クロロ-N-{4-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン-7-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)7-ニトロ-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン 300 mgのジメチルホルムアミド3 mLの溶液に、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散) 80 mgと3-クロロ-4-フルオロベンゾトリフルオリド 297 μLを加えて、室温で22時間攪拌した。反応溶液に水と酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合液を加えて分液し、得られた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、4-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-7-ニトロ-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン 524 mgを得た。
(2)4-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-7-ニトロ-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン 524 mgのエタノール 4 mLと水 2 mLの混合液に、塩化アンモニウム 312 mgと還元鉄 408 mgを加えて1.5時間加熱還流した。その後、反応溶液を、シリカゲルを用いてろ過し、ろ液を減圧下に留去することで、4-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン-7-アミン 488 mgを得た。
(3)4-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン-7-アミン 488 mgのジクロロメタン 30 mLの溶液にトリエチルアミン 610 μLを加え、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド353 mgのジクロロメタン 5 mLの溶液を滴下して加えた。反応溶液を室温で45分間攪拌し、水とジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、更に酢酸エチルとヘキサンを用いて再結晶することで、2-クロロ-N-{4-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン-7-イル}-5-ニトロベンズアミド503 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.59 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.24 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 7.76 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.64 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.53 (dd, J = 8.5, 1.8 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 6.96 (dd, J = 8.7, 2.3 Hz, 1H), 6.50 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.32 (dd, J = 5.0, 3.2 Hz, 2H), 3.69 (t, J = 4.2 Hz, 2H)
【0119】
実施例4
2-クロロ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-インドール-4-イル}-4-ニトロベンズアミドの合成
(1)4-ニトロインドール 500 mgのジメチルホルムアミド 10 mL溶液中に、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散) 148 mgを加え、室温で30分攪拌後、更に3-クロロ-4-フルオロベンゾトリフルオライド 735 mgを加え、室温で7時間攪拌した。放冷後、水およびヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を加えて分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-ニトロ-1H-インドール 898 mgを得た。
(2)1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-ニトロ-1H-インドール 150 mgのエタノール:水=2:1の混合溶液 10 mLに還元鉄 123 mg及び塩化アンモニウム 94 mgを加え、90 ℃で2時間攪拌した。反応溶液を、シリカゲルを用いてろ過し、1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-インドール-4-アミン 112 mgを得た。
(3)1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-インドール-4-アミン 100 mgのジクロロメタン 3 mLの溶液に、トリエチルアミン 49 μLを加え、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド 77 mgのジクロロメタン 2 mLの溶液をゆっくり滴下し、室温下2時間攪拌した。その後、反応溶液に水を加え、ジクロロメタンを用いて分液し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物を、酢酸エチルとヘキサンを用いて再結晶により精製し、2-クロロ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-インドール-4-イル}-4-ニトロベンズアミド 72 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, ACETONE-D6) δ 9.80 (s, 1H), 8.58 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.36 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 8.09 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.00 (dd, J = 7.6, 3.6 Hz, 1H), 7.94 (dd, J = 8.0, 1.6 Hz, 1H), 7.86 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.47 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.26 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 3.6 Hz, 1H)
【0120】
実施例5
2-クロロ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-4-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-ニトロ-1H-インドール 121 mgのトリフルオロ酢酸 3 mL溶液中に、氷冷下で水素化ホウ素ナトリウム 40 mgを加え、室温で2時間攪拌した。その後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え中和した後に、酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-4-アミン 56 mgを得た。
(2)1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-4-アミン 50 mgのジクロロメタン3 mL溶液中に、トリエチルアミン 24 μL及び2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド39 mgを加え、室温で3.5時間攪拌した。その後、水およびジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、酢酸エチルおよびヘキサンを用いて再結晶し、濾取乾燥させ、2-クロロ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-4-イル}-5-ニトロベンズアミド40 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, ACETN) δ 9.48 (s, 1H), 8.52 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.35 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.75 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.71 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 7.33 (dd, J = 8.0, 4.8 Hz, 1H), 7.12 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 6.43 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.07 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 3.28 (t, J = 8.4 Hz, 2H)
【0121】
実施例6
2-クロロ-N-{1-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒ
ドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ニトロキノリン 500 mgのジメチルホルムアミド 3 mLの溶液に、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散) 135 mgを加えて室温で5分攪拌した。その後、2,3-ジクロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン 507 μLを加えて室温で19時間攪拌した。反応溶液に、水と酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶液を加えて分液した。得られた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=19:1)で精製し、1-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン571 mgを得た。
(2)1-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 571 mgのエタノール 4 mLとテトラヒドロフラン 2 mLおよび水 2 mLの混合液に、塩化アンモニウム 340 mgと還元鉄 444 mgを加えて、90 ℃で1時間攪拌した。反応溶液を、シリカゲルを用いてろ過し、ろ液を減圧下留去し、1-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミン 525 mgを得た。1-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミン525 mgのジクロロメタン40 mLの溶液に、トリエチルアミン1 mLを加え、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド384 mgのジクロロメタン5 mLの溶液をゆっくり滴下し、室温で1時間攪拌した。反応溶液を減圧下に留去し、得られた固体に対してアセトン 40 mLと水 50 mLを加え、室温で10分攪拌した後、固体をろ取した。得られた固体を水で洗浄し、風乾させることで、2-クロロ-N-{1-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド768 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.61 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.54 (s, 1H), 8.25 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.68-7.64 (m, 2H), 7.57 (s, 1H), 7.17 (dd, J = 8.4, 2.6 Hz, 1H), 6.56 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.84 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.91 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 2.09 (t, J = 6.2 Hz, 2H)
【0122】
実施例7
2-クロロ-N-{1-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-
インドール-5-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)5-ニトロインドリン 1.50 gのジメチルホルムアミド 10 mL溶液中に、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散) 512 mgを加え、室温で30分攪拌後、更に2,3-ジクロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン 1.65 mLを滴下して加え、室温下で26時間攪拌した。その後、水およびヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、1-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-5-ニトロ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール2.53 gを得た。
(2)1-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-5-ニトロ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール2.43 gのエタノール:水=3:2の混合溶液 10 mLに、還元鉄 1.97 gおよび塩
化アンモニウム 1.51 gを加え、90℃で2時間攪拌した。反応溶液を、セライトを用いて濾過し、粗生成物として、減圧下溶媒を留去して、1-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-アミン 3.11 gを得た。
(3)1-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-アミン 150 mgのジクロロメタン 10 mL溶液中に、トリエチルアミン146 μLおよび2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド210 mgを加え、室温で3.5時間攪拌後、更にアンモニア水(25%) 2 mLを加え、室温で30分攪拌した。その後、塩酸を加え中和した後に、水およびジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、酢酸エチルおよびヘキサンを用いて再結晶し、濾取乾燥させ、2-クロロ-N-{1-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル}-5-ニトロベンズアミド 8 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.63 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.45 (s, 1H), 8.27 (dd, J = 8.8, 2.8 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.73 (s, 2H), 7.66 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.22 (dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 7.14 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.32 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 3.23 (t, J = 8.4 Hz, 2H)
【0123】
実施例8
2-クロロ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-インドール-5-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)5-ニトロインドール 1.00 gのジメチルホルムアミド 10 mL溶液中に、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散) 345 mgを加え、室温で30分攪拌後、更に3-クロロ-4-フルオロベンゾトリフルオリド 1.10 mLを滴下して加え、室温下で26時間攪拌した。その後、水およびヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-ニトロ-1H-インドール 1.96 gを得た。
(2)1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-ニトロ-1H-インドール 1.90 gのエタノール:水=3:2の混合溶液 10 mLに、還元鉄 1.56 gおよび塩化アンモニウム 1.19 gを加え、90 ℃で2時間攪拌した。反応溶液を、セライトを用いて濾過し、粗生成物として、減圧下溶媒を留去して、1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-インドール-5-アミン 1.34 gを得た。
(3)1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-インドール-5-アミン 150 mgのジクロロメタン 10 mL溶液中に、トリエチルアミン 147 μLおよび2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド 212 mgを加え、室温で3.5時間攪拌後、更にアンモニア水(25%) 2 mLを加え、室温で30分攪拌した。その後、塩酸を加え中和した後に、水およびジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、エタノールおよびヘキサンを用いて再結晶し、濾取乾燥させ、2-クロロ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-インドール-5-イル}-5-ニトロベンズアミド 80 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.65 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.26 (dd, J = 8.8, 2.8 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.90-7.88 (m, 2H), 7.70 (dd, J = 8.6, 1.6 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.35 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.76 (d, J = 2.8 Hz, 1H)
【0124】
実施例9
2-ブロモ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-インドール-5-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-インドール-5-アミン 150 mgのジクロロメタン 10 mL溶液中に、トリエチルアミン 147 μLおよび2-ブロモ-5-ニトロ安息香酸 238 mgにジクロロメタン 10 mL、オキサリルクロリド 104 μL、ジメチルホルムアミド1滴加え室温で1時間攪拌した後、減圧下溶媒留去したものを加え、室温で3.5時間攪拌後、更にアンモニア水(25%) 3 mLを加え、室温で30分攪拌した。その後、塩酸を加え中和した後に、水およびジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、エタノールおよびヘキサンを用いて再結晶し、濾取乾燥させ、2-ブロモ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-インドール-5-イル}-5-ニトロベンズアミド 51 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.53 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.16 (dd, J = 8.4, 2.8 Hz, 1H), 8.07 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.85 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.69 (s, 2H), 7.60 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.35 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.75 (d, J = 3.2 Hz, 1H)
【0125】
実施例10
2-クロロ-N-[1-(3,5-ジクロロピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ニトロキノリン 500 mgのジメチルホルムアミド 5 mLの溶液に、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散) 135 mgを加えて室温で10分攪拌した。その後、2,3,5-トリクロロピリジン 666 mgを加えて90 ℃で7時間攪拌した。反応溶液に水と酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合液を加えて分液した。得られた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し1-(3,5-ジクロロピリジン-2-イル)-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 424 mgを得た。
(2)1-(3,5-ジクロロピリジン-2-イル)-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 200 mgのエタノール 4 mLとテトラヒドロフラン 2 mLおよび水 2 mLの混合液に、塩化アンモ
ニウム 132 mgと還元鉄 172 mgを加えて、90℃で1時間攪拌した。反応溶液をシリカゲルを用いてろ過し、ろ液を減圧下に留去し、1-(3,5-ジクロロピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミン 197 mgを得た。
(3)1-(3,5-ジクロロピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミン 197 mgのジクロロメタン 30 mLの溶液に、トリエチルアミン 258 μLを加えて、2-クロロ-5-
ニトロベンゾイルクロリド 149 mgのジクロロメタン 5 mLの溶液をゆっくり滴下し、室温で1時間攪拌した。反応溶液を減圧下に留去し、得られた残渣にアセトン 40 mLと水 50 mLを加えて室温下で10分攪拌した。析出した固体をろ取し、得られた固体を水で洗浄し、風乾させることで、2-クロロ-N-[1-(3,5-ジクロロピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]-5-ニトロベンズアミド267 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.56-8.64 (1H), 8.30 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.24 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.65-7.62 (m, 2H), 7.50 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.13 (dd, J = 8.7, 2.5 Hz, 1H), 6.40 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.72 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 2.91 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 2.11-2.05 (m, 2H)
【0126】
実施例11
2-クロロ-N-[1-(5-クロロ-3-メチルピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ニトロキノリン500 mg、2-ブロモ-5-クロロ-3-メチルピリジン695 mg、ナトリウムtert-ブトキシド539 mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) 64 mgとキサントホス122 mgを、1,4-ジオキサン6 mLに溶解させて、90 ℃で30分攪拌した。不溶成分をろ過して除き、減圧下に溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、更に分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン=9:1)で精製することで、1-(5-クロロ-3-メチルピリジン-2-イル)-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン28 mgを得た。
(2)1-(5-クロロ-3-メチルピリジン-2-イル)-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン28 mgのエタノール 1 mLと水0.5 mLの混合溶液に、塩化アンモニウム 20 mgと還元鉄26 mgを加えて、90 ℃で1時間攪拌した。反応溶液を、シリカゲルを用いてろ過し、ろ液を減圧下に留去することで、1-(5-クロロ-3-メチルピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミン 25 mgを得た。得られた1-(5-クロロ-3-メチルピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミン 25 mgをジクロロメタン2 mLに溶解させ、トリエチ
ルアミン 39 μL加え、更に2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド23 mgのジクロロメタン 1 mLの溶液を滴下して加え、室温で1時間攪拌した。その後、減圧下に反応溶液を留去し、アセトンとヘキサンを用いて再結晶することで2-クロロ-N-[1-(5-クロロ-3-メチルピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]-5-ニトロベンズアミド22 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.60 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.29 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.24 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 7.64-7.61 (m, 2H), 7.54 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.08 (dd, J = 8.8, 1.9 Hz, 1H), 6.17 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 3.66 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 2.91 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 2.12-2.08 (m, 5H)
【0127】
実施例12
2-ブロモ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
2-ブロモ-5-ニトロ安息香酸 166 mgのジクロロメタン 5 mLの溶液に、塩化オキサリル131 μLとジメチルホルムアミド1滴を加えて、室温で20分攪拌し、減圧下溶媒を留去し、2-ブロモ-5-ニトロベンゾイルクロリドを得た。
1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミン 200 mgのジクロロメタン 10 mLの溶液に、トリエチルアミン 256 μLを加え、得られた2-ブロモ-5-ニトロベンゾイルクロリドのジクロロメタン 3 mLの溶液を滴下して加え、室温で40分攪拌した。その後、反応溶液に水を加えて、ジクロロメタンを用いて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、更に酢酸エチルとヘキサンを用いて再結晶することで、2-ブロモ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド218 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.46 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.14 (dd, J = 8.8, 2.6 Hz, 1H), 7.83 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.54 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.47-7.47 (m, 2H), 7.42 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.04 (dd, J = 8.7, 2.1 Hz, 1H), 6.25 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.58 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 2.94 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.12-2.06 (m, 2H)
【0128】
実施例13
2-クロロ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-5-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)5-ニトロキノリン 2.00 gのメタノール 30 mLの溶液を氷冷し、塩化ニッケル(II)
六水和物 16.4 gを加え、更に水素化ホウ素ナトリウム 9.12 gの粉末を少量ずつ加えていき、氷冷下30分攪拌した。その後、反応溶液にゆっくりと水を加え、ジクロロメタンを用いて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製し、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-5-アミン 1.10 gを得た。
(2)1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-5-アミン 940 mgのジクロロメタン 1 mLの溶液に、アセトニルアセトン 633 μLとトリフルオロ酢酸 172 μLを加え、室温で48時間攪拌した。その後、反応溶液にジクロロメタンと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、5-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 710 mgを得た。
(3)トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) 8 mgと(±)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル 17 mgをトルエン 3 mLに溶解させ、窒素置換した後に90 ℃で15分攪拌した。その後、反応溶液に5-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 120 mg、3-クロロ-4-ヨードベンゾトリフルオリド 98 μL、ナトリウムtert-ブトキシド 56 mgを加え、更に90 ℃で15時間攪拌した。その後、反応溶液をセライトでろ過し、ろ液を減圧下に留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=19:1)で精製し、1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 82 mgを得た。
(4)1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 44 mgのエタノール 2 mLと水1 mLの混合溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン 113 mgとトリエチルアミン 61 μLを加え、19時間加熱還流した。その後、水と酢酸エチルを加えて分液し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製し、1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-5-アミン 11 mgを得た。
(5)1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-5-アミン 11 mgのジクロロメタン2.5 mLの溶液に、トリエチルアミン 14 μLを加え、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド8 mgのジクロロメタン 1 mLの溶液を滴下して加え、室温で50分攪拌した。その後、反応溶液に水とジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製した後、クロロホルムとヘキサンを用いて再結晶することで、2-クロロ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-5-イル}-5-ニトロベンズアミド 9 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 10.08 (s, 1H), 8.46 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.34 (dd, J = 8.8, 2.6 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.89 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.94-6.92 (m, 2H), 6.04 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 3.53 (t, J = 4.9 Hz, 2H), 2.84 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.05-1.98 (m, 2H)
【0129】
実施例14
2-クロロ-N-(1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジルアルコール1.00 gのジクロロメタン10 mLの溶液に、トリフェニルホスフィン1.37 gとヨウ素1.33 g、4-ジメチルアミノピリジン128 mgを加えて、室温で19時間攪拌した。その後、水とジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:19)で精製し、2-クロロ-1-(ヨードメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン1.21 gを得た。(2)1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ニトロキノリン200 mgのジメチルホルムアミド3 mLの溶液に、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散)54 mgと2-クロロ-1-(ヨードメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン432 mgを加えて、室温で13時間攪拌した。その後、反応溶液に水と酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶液を加えて分液した。得られた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン271 mgを得た。
(3)1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-6-ニトロ-1,2,3,4-テト
ラヒドロキノリン271 mgのエタノール4 mL、テトラヒドロフラン4 mLと水2 mLの混合溶液に、塩化アンモニウム156 mgと還元鉄204 mgを加えて、100 ℃で2時間攪拌した。反応溶液を、シリカゲルを用いてろ過し、1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミンを得た。得られた1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミンをジクロロメタン3 mLに溶解させ、トリエチルアミン305 μLを加え、更に2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド193 mgのジクロロメタン2 mLの溶液を滴下し、室温で25分攪拌した。その後、反応溶液に水とジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、2-クロロ-N-(1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-5-ニトロベンズアミド302 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.56 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.21 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.67-7.60 (m, 3H), 7.45 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.08 (dd, J = 8.7, 2.5 Hz, 1H), 6.24 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.55 (s, 2H), 3.43 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.88 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.11-2.05 (m, 2H)
【0130】
実施例15
2-クロロ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-6-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)6-二トロインドール 701mgのジメチルホルムアミド10 mL溶液中に、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散)342 mgを加え、室温で30分攪拌後、更に3-クロロ-4-フルオロベンゾトリフルオリド0.7 mLを加え、50 ℃で7時間攪拌した。放冷後、水およびヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を加えて分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-6-ニトロ-1H-インドール917 mgを得た。
(2)1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-6-ニトロ-1H-インドール150 mgのトリフルオロ酢酸3 mL溶液中に、氷冷下で水素化ホウ素ナトリウム50 mgを加え、室温で1.5時間攪拌した。その後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え中和した後に、酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-6-ニトロ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール232 mgを得た。
(3)1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-6-ニトロ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール200 mgのエタノール:水=1.5:1の混合溶媒7.5 mL溶液中に、還元鉄163 mg及び、塩化アンモニウム125 mgを加え、90 ℃で2時間攪拌した。放冷後、セライトでろ過し、水および酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。その後、得られた130 mgのジクロロメタン5 mL溶液中に、トリエチルアミン60 μL及び2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド93 mgを加え、室温で1時間攪拌した。その後、水およびジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、酢酸エチルおよびヘキサンを用いて再結晶し、濾取乾燥させ、2-クロロ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-6-イル}-5-ニトロベンズアミド81 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCL3) δ 8.49 (s, 1H), 8.19 (dd, J = 8.8, 2.8 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.72 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.50 (dd, J = 8.4, 1.6 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.96 (dd, J = 8.0, 2.0 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 4.01 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 3.19 (t, J = 8.0 Hz, 2H)
【0131】
実施例16
N-アセチル-2-クロロ-N-(1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
2-クロロ-5-ニトロ-N-(1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}ベンズアミド120 mgのテトラヒドロフラン5 mL溶液中に、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散)18 mgを加え、室温で10分攪拌後、更に無水酢酸65 μLを加え、室温で18時間攪拌した。その後、水と酢酸エチルで分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、N-アセチル-2-クロロ-N-(1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド74 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.19 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.15 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.51 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.83 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 6.24 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.55 (s, 2H), 3.44 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.87 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.20 (s, 3H), 2.11-2.07 (m, 2H)
【0132】
実施例17
N-アセチル-2-クロロ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
2-クロロ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド104 mgのテトラヒドロフラン5 mL溶液中に、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散)16 mgを加え、室温で10分攪拌後、更に無水酢酸60 μLを加え、室温で18時間攪拌した。その後、水と酢酸エチルで分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、N-アセチル-2-クロロ-N-{1-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド82 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.19 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.15 (dd, J = 8.7, 2.5 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.58 (dd, J = 8.2, 2.1 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 6.79 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 6.20 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.57 (d, J = 2.3 Hz, 2H), 2.91 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.23 (s, 3H), 2.13-2.07 (m, 2H)
【0133】
実施例18
N-(1-ベンジル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-2-クロロ-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ニトロキノリン300 mgのジメチルホルムアミド5 mL溶液中に、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散)102 mgを加え、室温で30分攪拌後、更にベンジルブロミド0.24 mLを加え、室温で30分攪拌した。その後、水およびヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、1-ベンジル-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン356 mgを得た。
(2)1-ベンジル-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン326 mgのエタノール:水=3:2の混合溶液7.5 mLに、還元鉄312 mg及び塩化アンモニウム239 mgを加え、90 ℃で1時間攪拌した。放冷後、セライトでろ過し、水および酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物として、1-ベンジル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミン284 mgを得た。
(3)1-ベンジル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミン270 mgのジクロロメタン2 mL溶液中に、トリエチルアミン170 μL及び2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド249 mgを加え、室温で10分攪拌後、更にアンモニア水(25%)2 mLを加え、室温で10分攪拌した。その後、塩酸を加え中和した後に、水およびジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、クロロホルムおよびヘキサンを用いて再結晶し、濾取乾燥させ、N-(1-ベンジル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-2-クロロ-5-ニトロベンズアミド270 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, ACETONE-D6) δ 9.38 (s, 1H), 8.42 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.31 (dd, J = 8.8, 2.8 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.42 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.35-7.23 (m, 6H), 6.51 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.53 (s, 2H), 3.42 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.84 (s, 2H), 2.81 (d, J = 5.6 Hz, 3H)
【0134】
実施例19
2-クロロ-N-(1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-5-ニトロベンズアミド・塩酸塩の合成
2-クロロ-N-(1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-5-ニトロベンズアミド 100 mgの酢酸エチル 2 mLの溶液を氷冷した後に、4M塩化水素/酢酸エチル100 μLを加え、氷冷下で30分攪拌し、更に室温に昇温させて20分間攪拌した。その後、減圧下溶媒を留去し、ジエチルエーテルを加えて粉末化させ、濾取乾燥することで、2-クロロ-N-(1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-5-ニトロベンズアミド・塩酸塩 65 mgを得た。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D) δ 9.07 (s, 1H), 8.55 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 8.25 (dd, J = 8.9, 2.6 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.63 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.82 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 4.68 (s, 2H), 3.45 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 2.98 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.21 (t, J = 5.4 Hz, 2H)
【0135】
実施例20
2-クロロ-5-ニトロ-N-{1-[2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}ベンズアミドの合成
(1)1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ニトロキノリン100 mgのジメチルホルムアミド3 mL溶液中に、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散)34 mgを加え、室温で20分攪拌後、更に2,4-ジクロロフェネチルブロミド0.1 mLを滴下して加え、室温下で2時間攪拌した。
その後、水およびヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、1-[2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル]-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン72 mgを得た。
(2)1-[2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル]-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン200 mgのエタノール:水=3:2の混合溶液1.5 mLに、還元鉄159 mgおよび塩化アンモニウム122 mgを加え、90 ℃で2.5時間攪拌した。反応溶液を、セライトを用いて濾過し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物として、1-[2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミン163 mgを得た。
(3)1-[2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミン160 mgのピリジン5 mL溶液中に、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド219 mgを加え、室温で1.5時間攪拌後、氷冷下でアンモニア水(25%)2 mLを加え、30分攪拌した。その後、塩酸を加え中和した後に、酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、2-クロロ-5-ニトロ-N-{1-[2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}ベンズアミド158 mgを得た。
【0136】
実施例21
2-クロロ-N-{1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン413.5 mgをジメチルホルムアミド4 mLに溶解し、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散) 64.7 mgを加え、室温で25分攪拌した。その後、2,4-ジクロロベンジルブロミド65.7 mgを加え、60 ℃で2時間攪拌し、水を加え反応を停止させた。反応停止後、水、および、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン544.6 mgを得た。
(2)1-[(2,4-ジクロロベンジル-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 304.1 mg をテトラヒドロフラン 4 mL に溶解後、エタノール:水=2:1の混合溶液 6 mLに、還元鉄248.4 mg及び塩化アンモニウム190.4 mgを加え、100 ℃の加熱還流で2時間攪拌した。放冷後、シリカゲル濾過して、濃縮した。その後、ジクロロメタン3 mL、トリエチルアミン 0.37 mL、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド235 mgを加え、室温で20分攪拌した。反応後、水およびジクロロメタンを加えて分液し、得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、2-クロロ-N-{1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド253.7 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.59 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.24 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.42 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.17 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.08 (dd, J = 8.7, 2.3 Hz, 1H), 6.26 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.48 (s, 2H), 3.41 (t, J = 5.5 Hz, 2H), 2.88 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.10-2.04 (m, 2H)
【0137】
実施例22
2-クロロ-N-{1-[(2,4-ジフルオロフェニル)メチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 200 mgのジメチルスルホキシド 5 mLの溶液に水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散)54 mgと2,4-ジフルオロベンジルブロミド 279 mgを加えて、室温で2時間攪拌した。その後、反応溶液に水を加えて、酢酸エチル:ヘキサン(1:1)の混合溶媒で抽出した。得られた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮し、1-{(2,4-ジフルオロフェニル)メチル]-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 401 mgを得た。
(2)1-{(2,4-ジフルオロフェニル)メチル]-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 339 mg、テトラヒドロフラン 4 mL、メタノール 4 mL、水 1 mLの混合物に還元鉄311 mg、塩化アンモニウム 239 mgを加え、65 ℃で2時間攪拌した。その後、反応混合物を、シリカゲルを用いてろ過した。得られた残渣をジクロロメタン 20 mL、トリエチルアミン 1 mLに溶解させ、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド294 mgを加えて1時間攪拌した。反応溶液に水を加えて、ジクロロメタンを用いて抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2-クロロ-N-{1-[(2,4-ジフルオロフェニル)メチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド362 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.59 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.24 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.34 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.17-7.11 (m, 2H), 6.86-6.79 (m, 2H), 6.43 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.49 (s, 2H), 3.39 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.85 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.07-2.01 (m, 2H)
【0138】
実施例23
2-クロロ-N-[1-(シクロヘキシルメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 200 mgのジメチルスルホキシド 5 mLの溶液に水素化ナトリウム(60%流動パラフィンに分散) 54 mgと(ブロモメチル)シクロヘキサン 239 mgを加えて、室温で26時間攪拌した。その後反応溶液に水を加えて、酢酸エチル:ヘキサン(1:1)の混合溶媒で抽出した。得られた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製し、1-(シクロヘキシルメチル)-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 137 mgを得た。
(2)1-(シクロヘキシルメチル)-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 137 mg、テトラヒドロフラン2 mL、メタノール2 mL、水1 mLの混合物に還元鉄139 mg、塩化アンモニウム107 mgを加え、65 ℃で2時間攪拌した。その後、反応混合物を、シリカゲルを用いてろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン 10 mL、トリエチルアミン 208 μLに溶解させ、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド132 mgを加えて1時間攪拌した。反応溶液に水を加えた後、ジクロロメタンを用いて抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製し、2-クロロ-N-[1-(シクロヘキシルメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]-5-ニトロベンズアミド159 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.58 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.22 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 7.63-7.61 (m, 2H), 7.22 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.19 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.32 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.04 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 2.77 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 1.96-1.90 (m, 2H), 1.78-1.67 (m, 7H), 1.21-1.18
(m, 2H), 0.96-0.93 (m, 2H)
【0139】
実施例24
2-クロロ-5-ニトロ-N-(1-ヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)ベンズアミドの合成
(1)6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン200 mgのジメチルスルホキシド 5 mLの溶液に水素化ナトリウム(60%流動パラフィンに分散) 54 mgと1-ブロモヘキサン 222 mgを加えて、室温で26時間攪拌した。その後反応溶液に水を加えて、酢酸エチル:ヘキサン(1:1)の混合溶媒で抽出した。得られた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、1-ヘキシル-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン197 mgを得た。
(2)1-ヘキシル-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン197 mg、テトラヒドロフラン2 mL、メタノール2 mL、水 1 mLの混合物に還元鉄210 mg、塩化アンモニウム161 mgを加え、65 ℃で2時間攪拌した。その後、反応混合物を、シリカゲルを用いてろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン10 mL、トリエチルアミン314 μLに溶解させ、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド198 mgを加えて30分間攪拌した。反応溶液に水を加えた後、ジクロロメタンを用いて抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、2-クロロ-5-ニトロ-N-(1-ヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)ベンズアミド246 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.59 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.23 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.64-7.62 (m, 2H), 7.23-7.20 (m, 2H), 6.54 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.30-3.22 (m, 4H), 2.77 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 1.95 (dd, J = 6.3, 5.1 Hz, 2H), 1.56 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.35-1.32 (m, 6H), 0.90 (t, J = 6.9 Hz, 3H)
【0140】
実施例25
N-{5-[(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル]-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,5-ナフチリジン-2-イル}-2クロロ-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)2-アミノ-6-ブロモピリジン 11.2 gの濃硫酸 50 mLの溶液を0 ℃に冷却し、硝酸カリウム 6.04 gを少量ずつゆっくり加えて入れた。室温までゆっくり昇温させて、2時間攪拌した。反応溶液を氷水に加えて、析出した固体を濾取した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:3~19:1)で精製し、6-ブロモ-5-ニトロピリジン-2-アミン 7.01 gを得た。
(2)6-ブロモ-5-ニトロピリジン-2-アミン 11.5 gのトルエン150 mLの溶液に、アセトニルアセトン 6.81 mL、p-トルエンスルホン酸一水和物 91 mgを加えて3時間加熱還流した。反応溶液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、2-ブロモ-6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-3-ニトロピリジン14.1 gを得た。
(3)2-ブロモ-6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-3-ニトロピリジン 1.9 g、(E)-3-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボラン-2-イル)-アクリル酸エステル 2.14 gの1,4-ジオキサン 72 mL、水 18 mLの溶液に、炭酸ナトリウム 3.53 gとビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド 0.47 gを加えて、窒素雰囲気下、80 ℃で22時間攪拌した。反応溶液の不溶成分を濾過して除き、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~2:3)で精製し、エチル-3-[6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-3-ニトロピリジン-2-イル]プロパ-2-エノアート 405 mgを得た。
(4)エチル-3-[6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-3-ニトロピリジン-2-イル]プロパ-2-エノアート304.7 mg、10%パラジウム担持炭素 102.8 mgに、メタノール3 mL、酢酸エチル 3 mLに加えて、水素雰囲気下で1時間攪拌した。反応溶液をセライトろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた粗生成物をメタノール 3 mLに溶解させ、水酸化カリウム 1.62 g、水 3 mLを加えて、窒素雰囲気下、室温で20分攪拌した。反応溶液に6M塩酸 6 mLを加えて、室温で10分攪拌した。反応溶液に、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、酢酸エチルを用いて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮し、6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-3,4-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-2(1H)-オン 183.9 mgを得た。
(5)6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-3,4-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-2(1H)-オン183.9 mgのジメチルホルムアミド 3 mLの溶液に、氷冷下、水素化ナトリウム(60%流動パラフィンに分散)36.7 mgを加えて、窒素雰囲気下、0 ℃で10分攪拌した。反応溶液に2-クロロ-1-(ヨードメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン293 mgのジメチルホルムアミド 3 mLの溶液をゆっくり滴下し、0 ℃で25分攪拌した。反応溶液に水を加えて、酢酸エチル:ヘキサン(1:1)の混合溶媒で分液した。得られた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-3,4-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-2(1H)-オン208.8 mgを得た。
(6)1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-3,4-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-2(1H)-オン189.0 mgのテトラヒドロフラン 3 mLの溶液に、ボランジメチルスルフィド錯体 206 μLを加えて、窒素雰囲気下、60 ℃で30分攪拌した。反応溶液を氷冷しながら、メタノール 3 mLをゆっくり滴下して加えた。その後、反応溶液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,5-ナフチリジン 143.5 mgを得た。
(7)1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,5-ナフチリジン 143.5 mgのエタノール 4 mL、水 2.0 mLの混合溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン 356.2 mgを加えて、窒素雰囲気下、100 ℃で21時間攪拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:クロロホルム=1:19)で精製し、5-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,5-ナフチリジン-2-アミン130.0 mgを得た。
(8)5-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,5-ナフチリジン-2-アミン121.0 mgのピリジン 3 mLの溶液に、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド 171.4 mgのジクロロメタン 3 mLの溶液を氷冷下、ゆっくり滴下して加えた。反応溶液を0 ℃で40分攪拌した後、28%アンモニア水 2 mLを加えて0 ℃で20分攪拌した。その後、飽和塩化アンモニウム水溶液、酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、N-{5-[(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル]-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,5-ナフチリジン-2-イル}-2-クロロ-5-ニトロベンズアミド 155.9 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.56 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.31 (s, 1H), 8.25 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.47 (dd, J = 8.0, 0.9 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 4.55 (s, 2H), 3.43 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.92 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.19-2.13 (m, 2H)
【0141】
実施例26
2-クロロ-N-[(1-アダマンタン)メチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)1-アダマンタンメタノール516.1 mgに臭化水素水(47%)を7.5 mL加え、100 ℃で加熱還流し、4時間攪拌した。その後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンを加えて分液し、得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、1-ブロモメチルアダマンタン684.5 mgを得た。
(2)6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 300 mgをジメチルホルムアミド 10 mLに溶解し、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散) 80.5 mgを加え、室温で25分攪拌した。その後、1-ブロモメメチルアダマンタン510.3mgを加え、100℃で52時間攪拌し、水を加え反応を停止させた。反応停止後、水、および、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、1-[(アダマンタン-1-イル)]メチル]-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン108.3 mgを得た。
(3)1-[(アダマンタン-1-イル)]メチル]-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 100 mgをテトラヒドロフラン 2 mL に溶解後、エタノール:水=2:1の混合溶液 3 mLに、還元鉄119.7 mg及び塩化アンモニウム79.8 mgを加え、100 ℃の加熱還流で2時間攪拌した。放冷後、シリカゲル濾過して、濃縮した。その後、ジクロロメタン 3 mL、トリエチルアミン 0.13 mL、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド81 mgを加え、室温で20分攪拌した。反応後、水およびジクロロメタンを加えて分液し、得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物に酢酸エチルとヘキサンを加え、再結晶化させた。結晶をメンブレン膜フィルターに回収して、2-クロロ-N-[(1-アダマンタン)メチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド20.0 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.61 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.25 (dd, J = 8.8,2.6 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.24 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.19 (dd, J = 8.8, 2.6 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 3.30 (t, J = 5.5 Hz, 2H), 2.92 (s, 2H), 2.83 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 1.99-1.93 (m, 5H), 1.74-1.62 (m, 12H)
【0142】
実施例27
2-クロロ-N-(8-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5,6,7,8-テトラハイドロ-1,8-ナフチリジン-3-イル)-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)6-ブロモ-3,4,ジヒドロ-1H-[1,8]ナフチリジン-2-オン810 mgをジメチルホルムアミド 15 mLに溶解し、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散) 111.2 mgを加え、室温で15分攪拌した。その後、2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジルイオダイド1.38 gを加え、室温で17時間攪拌し、水を加え反応を停止させた。反応停止後、水、および、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、6-ブロモ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-3.4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン1.164 gを得た。
(2)6-ブロモ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-3.4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン 100 mg, ベンゾフェノンイミン 52 mg、ナトリウムtert-ブトキシド 32 mg、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル 7.19 mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) 4.4 mg、トルエン 3 mLを混合し、窒素下100 ℃で4時間半攪拌した。反応停止後、水、および、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、6-[(ジフェニルメチリジン)アミノ]-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン60.2 mgを得た。
(3)6-[(ジフェニルメチリジン)アミノ]-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン60 mg、テトラヒドロフラン1.5 mLを混合し、2規定の塩酸を0.2 mLを加え、窒素下室温で2時間半攪拌した。反応停止後、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(メタノール:クロロホルム=1:20)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、6-アミノ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン29.6 mgを得た。
(4)6-アミノ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オンを3 mLテトラヒドロフランに溶解し、0 ℃条件下でテトラヒドロフランボラン(8.5%テトラヒドロフラン溶液, 0.9 mol/L)を0.460 mLを添加した。
その後、窒素下60 ℃で2時間攪拌した。メタノールを加えて 反応停止後、溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、分取薄層クロマトグラフィーを用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、8-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-3-アミン10.2 mgを得た。
(5)8-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-3-アミン 10 mgを3 mLピリジンに溶解し、32 mgの2-クロロ-5-ニトロベンジルクロリドを加え、20分攪拌した。攪拌後、0 ℃まで冷却し、2 mLのアンモニア水溶液を加え、60分攪拌した。その後、2 mL 塩化アンモニア水溶液を加えた。反応後、反応停止後、水、および、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、薄層クロマトグラフィーを用いて精製した後、2-クロロ-N-(8-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5,6,7,8-テトラハイドロ-1,8-ナフチリジン-3-イル)-5-ニトロベンズアミド20 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.59 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.25 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 7.65 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.44 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.96 (s, 2H), 3.43 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.88 (t, J = 6.3 Hz, 2H)
【0143】
実施例28
2-クロロ-N-(1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-6-イル)-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)2-クロロ-5-ニトロイソニコチン酸500 mgのジクロロメタン10 mLの混合溶液に塩化オキサリル 0.233 mLを加えて、更にジメチルホルムアミド 3滴をゆっくり加えて、室温に昇温させながら1時間攪拌した。反応溶液を減圧下濃縮した。得られた残渣にジクロロメタン 10 mL、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩 365.9 mgを加えて氷冷し、氷冷下でトリエチルアミン 1.03 mLを加えて、室温まで昇温させながら2時間攪拌した。反応溶液に水、ジクロロメタンを加えて分液し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)で精製し、2-クロロ-N-メトキシ-N-メチル-5-ニトロピリジン-4-カルボキサミド545.4 mgを得た。
(2)2-クロロ-N-メトキシ-N-メチル-5-ニトロピリジン-4-カルボキサミド 545.0 mgのジメチルスルホキシド 20 mLの溶液に、トリエチルアミン 0.688 mL、4-メトキシベンジルアミン 0.345 mLを加えて、窒素雰囲気下、室温で5時間攪拌した。反応溶液に水と酢酸エチル:ヘキサン(1:1)の混合溶媒を加えて分液し、得られた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルとヘキサンを用いて再結晶により精製し、N-メトキシ-2-{[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-N-メチル-5-ニトロピリジン-4-カルボキサミド677.8 mgを得た。
(3)N-メトキシ-2-{[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-N-メチル-5-ニトロピリジン-4-カルボキサミド193 mgのテトラヒドロフラン 20 mLの溶液に、氷冷下、水素化ジイソブチルアルミニウム (19%ヘキサン溶液, 約1.0mol/L) 2.78 mLをゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、0 ℃で20分攪拌した。反応溶液に塩化アンモニウム 300 mgを加えた後、シリカゲルを用いてろ過し、酢酸エチル:メタノール=20:1の混合溶液で洗浄した。得られたろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣にテトラヒドロフラン 10 mL、ジクロロメタン10 mL、(トリフェニルホスホラニリデン)酢酸エチル 232 mgを加えて、窒素雰囲気下、室温で2時間攪拌した後、反応溶液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:5)で精製し、3-(2-{[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5-ニトロピリジン-4-イル)プロプ-2-エン酸エチル(E:Z = 2:1) 85.4 mgを得た。
(4)3-(2-{[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5-ニトロピリジン-4-イル)プロプ-2-エン酸エチル 120 mg、10%パラジウム担持炭素 35.7 mg、メタノール 1.5 mL、酢酸エチル 1.5 mLの混合物を水素雰囲気下、室温で1時間攪拌した。反応溶液をセライトろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた粗生成物をメタノール 1 mLに溶解させ、水酸化カリウム 565.3 mg、水 1 mLを加えて、窒素雰囲気下、室温で20分攪拌した。反応溶液に6M塩酸4 mLを加えて、室温で30分攪拌した。反応溶液に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、酢酸エチルを用いて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮し、6-{[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-2(1H)-オン 95.5mgを得た。
(5)6-{[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-2(1H)-オン 95.5 mgのジメチルホルムアミド 5 mLの溶液に、水素化ナトリウム(60%流動パラフィンに分散)14.8 mgを加えて、窒素雰囲気下、室温で15分攪拌した。反応溶液に2-クロロ-1-(ヨードメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン 118.8 mgのジメチルホルムアミド 2 mLの溶液をゆっくり滴下し、室温で3時間攪拌した。反応溶液に水を加えて、酢酸エチル:ヘキサン(1:1)の混合溶媒で分液した。得られた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4~1:1)で精製し、6-(4-メトキシベンジルアミノ)-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-3,4-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-2(1H)-オン134.8 mgを得た。
(6)6-(4-メトキシベンジルアミノ)-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-3,4-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-2(1H)-オン 100 mgのテトラヒドロフラン 3 mLの溶液に、ボランジメチルスルフィド錯体 1.05 mLを加えて、窒素雰囲気下、60 ℃で1.5時間攪拌した。反応溶液を氷冷しながら、メタノール 5 mLをゆっくり滴下して加えた。
その後、反応溶液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:3)で精製し、N-(4-メトキシベンジル)-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-6-アミン76.6 mgを得た。
(7)N-(4-メトキシベンジル)-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-6-アミン 76.6 mgのジクロロメタン 5 mLの溶液を氷冷しながら、トリフルオロ酢酸 1.50 mLを加え、窒素雰囲気下、0 ℃で40分間攪拌した。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4~1:1)で精製し、分取薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:3)で精製し、1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-6-アミン 23.1 mgを得た。
(8)1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-6-アミン 15 mgのピリジン 1 mLの溶液に、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド 21.2 mgのジクロロメタン1 mLの溶液を氷冷下、ゆっくり滴下して加えた。反応溶液を室温で1時間攪拌した後、28%アンモニア水 1 mLを加えて0 ℃で30分攪拌した。
その後、飽和塩化アンモニウム水溶液、酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン= 1:4)で精製し、2-クロロ-N-(1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-6-イル)-5-ニトロベンズアミド 8.7 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.61 (s, 1H), 8.56 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.23 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.61 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.21 (s, 1H), 4.55 (s, 2H), 3.45 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.93 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.11-2.08 (m, 2H)
【0144】
実施例29
2-クロロ-N-[1-(シクロプロピルメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 300 mgのジメチルホルムアミド 5 mLの溶液に水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散) 80.8 mgを加えて、窒素雰囲気下、室温で5分攪拌した。更に、(ブロモメチル)シクロプロパン 272.7 mgを加えて、室温で21時間攪拌した。その後、反応溶液に水を加えて、酢酸エチル:ヘキサン(1:1)の混合溶媒で抽出した。得られた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、1-(シクロプロピルメチル)-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 328.2 mgを得た。
(2)1-(シクロプロピルメチル)-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 152.7 mgのテトラヒドロフラン 2 mL、メタノール 2 mL、水 1 mLの混合溶液に、還元鉄 183.6 mgと塩化アンモニウム140.7 mgを加えて、窒素雰囲気下、60 ℃で2時間攪拌した。更に還元鉄140 mgと塩化アンモニウム 120 mgを加えて、窒素雰囲気下、60 ℃で1時間攪拌した。反応溶液をシリカゲルを、用いてろ過し、得られたろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン 15 mLに溶解させ、トリエチルアミン 0.275 mLを加えた。更に2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド173.6 mgのジクロロメタン 5mLの溶液をゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、室温で30分攪拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水とクロロホルムを加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4~1:0)で精製し、2-クロロ-N-[1-(シクロプロピルメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]-5-ニトロベンズアミド198.8 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.60 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.24 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.25-7.21 (m, 2H), 6.68 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.36 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.18 (d, J = 6.2 Hz, 2H), 2.80 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 1.99-1.96 (m, 2H), 1.09-1.01 (m, 1H), 0.54-0.50 (m, 2H), 0.22 (q, J = 5.1 Hz, 2H)
【0145】
実施例30
2-クロロ-5-ニトロ-N-[1-(2,2-ジメチルプロピル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]ベンズアミドの合成
(1)6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 300 mgのジメチルホルムアミド 5 mLの溶液に水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散) 101.0 mgを加えて、窒素雰囲気下、室温で5分攪拌した。更にピバル酸無水物 0.511 mLを加えて、室温で20時間攪拌した。その後、反応溶液に水と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:17~3:2)で精製し、2,2-ジメチル-1-(6-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)プロパン-1-オン 433.8 mgを得た。
(2)2,2-ジメチル-1-(6-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)プロパン-1-オン 300 mgのテトラヒドロフラン 10 mLの溶液に、氷冷下、ボランジメチルスルフィド錯体 6.35 mLをゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、室温で2時間攪拌した。更に反応溶液を60 ℃で2時間攪拌した後、反応溶液を氷冷しながら、メタノール 5 mLをゆっくり滴下して加えた。その後、反応溶液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:17~1:1)で精製し、1-(2,2-ジメチルプロピル)-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 226.8 mgを得た。
(3)1-(2,2-ジメチルプロピル)-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 227.8 mgのテトラヒドロフラン 2 mL、メタノール 2 mL、水 1 mLの混合溶液に、還元鉄 191.7 mgと塩化アンモニウム146.9 mgを加えて、窒素雰囲気下、90 ℃で1時間攪拌した。反応溶液を、シリカゲルを用いてろ過し、得られたろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン 15 mLに溶解させ、トリエチルアミン 0.287 mLを加えた。更に2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド181.2 mgのジクロロメタン 5mLの溶液をゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、室温で1時間攪拌した。反応溶液に水とジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~1:1)で精製し、2-クロロ-5-ニトロ-N-[1-(2,2-ジメチルプロピル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]ベンズアミド 97.9 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.59 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.23 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.24 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.18 (dd, J = 8.9, 2.5 Hz, 1H), 6.67 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.32 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 3.04 (s, 2H), 2.82 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 1.97-1.91 (m, 2H), 1.00 (s, 9H)
【0146】
実施例31
2-クロロ-N-[1-(3-メチルブタ-2-エン-1-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン200 mgをジメチルホルムアミド 4 mLに溶解し、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散) 53.9 mgを加え、室温で15分攪拌した。その後、1-ブロモ-3-メチル-ブテン200 mgを加え、室温下で18時間攪拌し、水を加え反応を停止させた。反応停止後、水、および、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1から、ヘキサン:酢酸エチル=4:1のグラジエント抽出)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、1-(3-メチルブタ-2-エン-1-イル)-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリンを267.8 mgを得た。
(2)1-(3-メチルブタ-2-エン-1-イル)-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 200 mgを 3 mL エタノール、1.5 mL水に溶解後、還元鉄313 mg及び塩化アンモニウム240 mgを加え、100 ℃の加熱還流で1時間攪拌した。放冷後、シリカゲル濾過して、濃縮した。その後、ジクロロメタン 5 mL、トリエチルアミン 0.47 mL、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド300 mg加え、室温で1時間攪拌した。反応後、水およびジクロロメタンを加えて分液し、得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。その後、粗生成物に8 mLのピリジン 、2 mL アンモニアを加え、0 ℃条件下で15分攪拌した。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、2-クロロ-N-[1-(3-メチルブタ-2-エン-1-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]-5-ニトロベンズアミド134 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 10.25 (s, 1H), 8.31 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.27 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 7.82 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.23-7.19 (m, 2H), 6.51 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 5.12 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 3.79 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 3.13 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.63 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 1.86-1.80 (m, 2H), 1.66 (d, J = 6.6 Hz, 6H)
【0147】
実施例32
2-クロロ-N-{1-[(オキサン-4-イル)メチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)テトラヒドロピラン-4-メタノール 200 mg を10 mLジクロロメタンに溶解後、トリフェニルホスフィン546 mg、ヨウ素 536.5 mg、イミダゾール 142 mgを加えて、室温で30分攪拌した。その後、水を加えて、ジクロロメタンで分液した。有機層を分離し、当該有機層を、水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、4-(ヨードメチル)オキサン 305.2 mgを得た。
(2)6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 200 mgをジメチルホルムアミド 5 mLに溶解し、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散) 53.9 mgを加え、室温で15分攪拌した。その後、4-(ヨードメチル)オキサン 304 mgを加え、室温下で18時間攪拌し、水を加え反応を停止させた。反応停止後、水、および、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、1-[(オキサン-4-イル)メチル]-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン40.2 mgを得た。
(3)1-[(オキサン-4-イル)メチル]-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン40.2 mgを3 mL エタノール、1.5 mL水に溶解後、還元鉄37.4 mg及び塩化アンモニウム28.7 mgを加え、100 ℃の加熱還流で2時間攪拌した。放冷後、シリカゲル濾過して、濃縮した。その後、ジクロロメタン 5 mL、トリエチルアミン 0.4 mL、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド35 mgを加え、室温で15分攪拌した。反応後、水およびジクロロメタンを加えて分液し、得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、2-クロロ-N-{1-[(オキサン-4-イル)メチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド24.1 mg を得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.54 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.21 (dd, J = 8.7, 1.6 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.27-7.20 (m, 2H), 6.49 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 3.98 (dd, J = 11.3, 4.0 Hz, 2H), 3.39-3.31 (m, 4H), 3.12 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 2.77 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.04-1.91 (m, 4H), 1.66 (d, J = 12.3 Hz, 2H), 1.39-1.19 (m, 3H)
【0148】
実施例33
2-クロロ-N-[1-(シクロヘプチルメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)シクロヘプタンカルボン酸282 mgを10 mLのジクロロメタンに溶解し、0.5 mLのオキサリルクロリドを加えた。その後、ジメチルホルムアミドを1滴加え、45分間撹拌した。反応後、トルエンを加え、減圧下溶媒を留去することでオキサリルクロリドを除去し、シクロヘプタンカルボニルクロリド得た。6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン200 mgを 10 mLのジメチルホルムアミドに溶解し、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散) 72 mgを加え、室温で10分攪拌した。その後、調整したシクロヘプタンカルボニルクロリドを加え、2時間攪拌した。撹拌後、水を加えて反応を停止させ、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、シクロヘプチル(6-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン1(2H)-イル)メタノン 264.8 mgを得た。
(2)シクロヘプチル(6-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン1(2H)-イル)メタノン100 mgを10 mLのテトラヒドロフランに溶解し、0 ℃へと冷却した。冷却後、1.9 mLのボラン-テトラヒドロフラン錯体溶液(0.9M)を加え、50 ℃で加熱撹拌した。反応後、0 ℃へと冷却し、メタノールを加えて反応を停止させ、減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、1-(シクロヘプチルメチル)-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン69.4 mgを得た。
(3)1-(シクロヘプチルメチル)-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン69.4mgを 5 mL エタノール、1 mL水に溶解後、還元鉄134 mg及び塩化アンモニウ103 mgを加え、100 ℃の加熱還流で1時間30分攪拌した。放冷後、シリカゲル濾過して濃縮した。その後、ジクロロメタン5 mL、トリエチルアミン0.1mL、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド73 mg を加え、室温で30分攪拌した。反応後、水およびジクロロメタンを加えて分液し、得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 9: 1から1:1へのグラジエント抽出)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、2-クロロ-N-[1-(シクロヘプチルメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]-5-ニトロベンズアミド 78.2 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.58 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.22 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.19 (dd, J = 8.6, 2.6 Hz, 1H), 6.51 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.30 (t, J = 5.5 Hz, 2H), 3.02 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 2.77 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 1.97-1.91 (m, 3H), 1.79-1.62 (m, 5H), 1.54-1.38 (m, 4H), 1.31-1.09 (m, 3H)
【0149】
実施例34
2-クロロ-N-[1-(シクロヘプタンカルボニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]-5-ニトロベンズアミドの合成
シクロヘプチル(6-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メタンノン 160 mgを3 mL エタノール、1 mL水に溶解後、還元鉄148 mg及び塩化アンモニウム113 mgを加え、100 ℃の加熱還流で2時間攪拌した。放冷後、シリカゲル濾過して濃縮した。その後、ジクロロメタン5 mL、トリエチルアミン0.2 mL、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド140 mg を加え、室温で30分攪拌した。反応後、水およびジクロロメタンを加えて分液し、得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル1:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、2-クロロ-N-[1-(シクロヘプタンカルボニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]-5-ニトロベンズアミド78.2 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.55 (d, J = 34.1 Hz, 2H), 8.22 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.64-7.60 (m, 2H), 7.26 (d, J = 107.9 Hz, 2H), 3.70 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 2.92 (s, 1H), 2.72 (t, 2H), 1.96-1.35 (m, 14H)
【0150】
実施例35
2-クロロ-N-[8-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-3-イル]-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)6-ブロモ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン500 mg, ベンゾフェノンイミン262 mg、ナトリウムtert-ブトキシド160 mg、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル179 mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) 109 mg、トルエン15 mLを混合し、窒素下100 ℃で4時間半攪拌した。反応停止後、水、および、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物をテトラヒドロフラン10 mLに溶解して、2規定の塩酸を2 mL加えて、窒素下室温で2時間攪拌した。反応後、ジエチルエーテルと水を加えて、酸性条件下で水層を分離した。当該水層に対して炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、6-アミノ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-3,4-ジハイドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン263.3 mgを得た。
(2)6-アミノ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-3,4-ジハイドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン50 mgを6 mLピリジンに溶解し、97 mgの2-クロロ-5-ニトロベンジルクロリドを加え、20分攪拌した。攪拌後、0 ℃まで冷却し、1.5 mLのアンモニア水溶液を加え、60分攪拌した。その後、2 mL 塩化アンモニア水溶液を加えた。反応後、反応停止後、水、および、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。
有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)を用いて精製した後、2-クロロ-N-[8-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-3-イル]-5-ニトロベンズアミド26.1 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.56 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 8.26-8.21 (m, 2H), 8.14 (s, 1H), 7.67-7.63 (m, 2H), 7.36 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 5.42 (s, 2H), 3.05 (t, 2H), 2.83 (t, J = 6.9 Hz, 2H)
【0151】
実施例36
2-クロロ-5-ニトロ-N-[1-{(4-tert-ブチルシクロヘキシル)メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]ベンズアミドの合成
(1)4-tert-ブチルシクロヘキサンカルボン酸 465.4 mgのジクロロメタン5 mLの混合溶液に塩化オキサリル0.433 mLを加えて、更にジメチルホルムアミド 3滴をゆっくり加えて、室温に昇温させながら1時間攪拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、酸クロリドを得た。
次に、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 300 mgのジメチルホルムアミド 10 mLの溶液に水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散) 74.1 mgを加えて、窒素雰囲気下、室温で5分攪拌した。更に調製した酸クロリドのTHF 3mLの溶液をゆっくりと滴下して加え、室温で17時間攪拌した。その後、反応溶液に水と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を水で洗浄した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~2:3)で精製し、(4-tert-ブチルシクロヘキシル)(6-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メタノン 434 mgを得た。
(2)(4-tert-ブチルシクロヘキシル)(6-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メタノン 434.0 mgのテトラヒドロフラン 7.0 mLの溶液に、氷冷下、ボランジメチルスルフィド錯体 7.0 mLをゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、70 ℃で1時間攪拌した後、反応溶液を氷冷しながら、メタノール 5 mLをゆっくり滴下して加えた。その後、反応溶液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:49~1:4)で精製し1-[(4-tert-ブチルシクロヘキシル)メチル]-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 295.6 mgを得た。
(3)1-[(4-tert-ブチルシクロヘキシル)メチル]-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 295.6 mgのテトラヒドロフラン 2 mL、メタノール 2 mL、水 1 mLの混合溶液に、還元鉄 249.8 mgと塩化アンモニウム 191.4 mgを加えて、窒素雰囲気下、90 ℃で1時間攪拌した。反応溶液を、シリカゲルを用いてろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン 15 mLに溶解させ、トリエチルアミン 0.374 mLを加えた。更に2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド236.2 mgのジクロロメタン 5 mLの溶液をゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、室温で1時間攪拌した。反応溶液に水とジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~1:1)で精製し、2-クロロ-5-ニトロ-N-[1-{(4-tert-ブチルシクロヘキシル)メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]ベンズアミド 273.5 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.58 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.22 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.23-7.18 (m, 2H), 6.48 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.32 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.23 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 2.77 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.07-2.21 (m, 1H), 1.95-1.92 (m, 2H), 1.75-1.88 (m, 1H), 1.73-1.60 (m, 3H), 1.48-1.46 (m, 1H), 1.16-1.12 (m, 1H), 1.03-0.81 (m, 12H)
【0152】
実施例37
2-クロロ-N-[1-{(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル}-2,2-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)4-ニトロアニリン 2.00 g、3-クロロ-3-メチル-1-ブチン 1.49 g、塩化銅 1.43 g のトルエン 30 mLの溶液を窒素雰囲気下、24時間加熱還流した。反応溶液を室温まで冷却した後、不溶成分をろ過して除き、ろ液に水とジクロロメタンを加えて抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~1:1)で精製し、2,2-ジメチル-6-ニトロ-1,2-ジヒドロキノリン 201.5 mgを得た。
(2)2,2-ジメチル-6-ニトロ-1,2-ジヒドロキノリン 204.0 mgのジメチルホルムアミド 5 mLの溶液に、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散) 47.9 mgを加えて、室温で2時間攪拌した。その後、更に2-クロロ-1-(ヨードメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン 384.1 mgのジメチルホルムアミド 2 mLの溶液をゆっくり滴下して加え、室温で1時間攪拌し、更に80 ℃で5時間攪拌した。その後、反応溶液に水と酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶液を加えて分液した。得られた有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:19)で精製し、1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-2,2-ジメチル-6-ニトロ-1,2-ジヒドロキノリン24.4 mgを得た。
(3)1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-2,2-ジメチル-6-ニトロ-1,2-ジヒドロキノリン24.4 mg、と10%パラジウム担持炭素 6.5 mgに、メタノール 1 mL
、酢酸エチル 1 mLを加えて、水素雰囲気下、室温で2時間攪拌した。その後、反応溶液をセライトろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。
得られた残渣をジクロロメタン 5 mLに溶解させ、トリエチルアミン26 μLを加えた。更に、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド 16.2 mgのジクロロメタン 2 mLの溶液をゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、室温で30分攪拌した。反応溶液に水とジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:19~1:4)で精製し、2-クロロ-N-[1-{(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル}-2,2-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]-5-ニトロベンズアミド9.1 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.58 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.24 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.67-7.60 (m, 3H), 7.45-7.42 (m, 3H), 7.04 (dd, J = 8.9, 2.5 Hz, 1H), 6.09 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.50 (s, 2H), 2.93 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 1.97 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 1.27 (s, 6H)
【0153】
実施例38
2-クロロ-N-(1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンズアゼピン-7-イル)-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)6-アミノ-1-テトラロン 3.00 gのトルエン 40 mLの溶液に、アセトニルアセトン 2.40 mLとp-トルエンスルホン酸一水和物 32 mgを加えて、反応由来の水を除くためにディーンスターク管を取り付けて、窒素雰囲気下、2時間加熱還流を行った。反応溶液中の不溶物をろ過で除き、得られたろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣から、酢酸エチルとヘキサンを用いて再結晶により精製し、6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン 3.89 gを得た。
(2)6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン 500 mgのピリジン7 mLの溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン 290.4 mgを加えて、窒素雰囲気下、室温で4時間攪拌した。その後、反応溶液に水と酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶液を加えて分液した。得られた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~1:1)で精製し、[6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-イリデン]ヒドロキシルアミン 453.9 mgを得た。
(3)[6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-イリデン]ヒドロキシルアミン 454.0 mgのジクロロメタン 10 mLの溶液に、氷冷下、水素化ジイソブチルアルミニウム (19%ヘキサン溶液, 約1.0mol/L) 10.7 mLをゆっくり滴下して加えて、室温で2時間攪拌した。その後、反応溶液に、飽和酒石酸カリウムナトリウム溶液を加えて、更に室温で1時間攪拌した。その後、ジクロロメタンを用いて分液し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン=1:1~1:0)で精製し、7-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンズアゼピン 256.7 mgを得た。
(4)2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)安息香酸 388.1 mgのジクロロメタン 5 mLの溶液に、塩化オキサリル 0.222 mLを加えて、更にジメチルホルムアミド 3滴をゆっくり加えて、室温に昇温させながら30分攪拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、酸クロリドを得た。
次に、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 207.7 mgのジクロロメタン 10 mLの溶液に、トリエチルアミン 482 μL加えて、更に調製した酸クロリドのジクロロメタン 5 mL の溶液をゆっくり滴下して加え、室温で、10時間攪拌した。その後、反応溶液に水とジクロロメタンを加えて分液し、得られた有機層を水で洗浄した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7)で精製し、[7-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンズアゼピン-1-イル][2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル ]メタノン 119.5 mgを得た。
次に、得られた[7-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンズアゼピン-1-イル][2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル ]メタノンをテトラヒドロフラン 3.0 mLに溶解させ、氷冷下、ボランジメチルスルフィド錯体 1.29 mLをゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、60 ℃で2時間攪拌した後、反応溶液を氷冷しながら、メタノール 5 mLをゆっくり滴下して加えた。その後、反応溶液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:19~2:3)で精製し、1-[{2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル}メチル]-7-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1- ベンザゼピン 66.5 mgを得た。
(5)1-[{2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル}メチル]-7-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1- ベンザゼピン 66.5 mgのエタノール2 mL、水 1.0 mLの混合溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン480.3 mgを加えて、窒素雰囲気下、100 ℃で24時間攪拌した。その後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム溶液と酢酸エチルを加えて分液し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:19~1:4)で精製し、1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンザゼピン-7-アミン27.6 mgを得た。
(6)1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンザゼピン-7-アミン27.6 mgのジクロロメタン 3 mLの溶液に、トリエチルアミン 33μLを加えた。次に2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド 20.5 mgのジクロロメタン 2 mLの溶液をゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、室温で30分攪拌した。反応溶液に、氷冷下、ピリジン3 mLとアンモニア水(25%) 1 mLを加えて氷冷下30分攪拌し、飽和塩化アンモニウム水を加えて中和し、水とジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~1:4)で精製し、2-クロロ-N-(1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンズアゼピン-7-イル)-5-ニトロベンズアミド27.4 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.59 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.25 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.66-7.63 (m, 2H), 7.60 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.33 (dd, J = 8.6, 2.6 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.50 (s, 2H), 3.03-3.01 (m, 2H), 2.93-2.90 (m, 2H), 1.71-1.70 (m, 4H)
【0154】
実施例39
2-クロロ-N-[2-{(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル}-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-5-イル]-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)4-ニトロフタルイミド 250 mgのジメチルホルムアミド 5 mLの溶液に水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散) 62.5 mgを加えて、窒素雰囲気下、室温で5分攪拌した。更に、2-クロロ-1-(ヨードメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン 384.1 mgのジメチルホルムアミド 2 mLの溶液をゆっくり滴下して加えて、室温で30分攪拌した。その後、反応溶液に水を加えて、析出した固体を回収し、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5-ニトロ-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン710.7 mgを得た。
(2)2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5-ニトロ-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン 342 mgのテトラヒドロフラン 5 mLの溶液に、ボランジメチルスルフィド錯体 5.0 mLをゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、60 ℃で16時間攪拌した後、反応溶液を氷冷しながら、メタノール 5 mLをゆっくり滴下して加えた。その後、反応溶液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:19~2:3)で精製し、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5-ニトロ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール106.9 mgを得た。
(3)2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5-ニトロ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール106.9 mg、10%パラジウム担持炭素 31.9 mgに、メタノール 1 mL、酢酸エチル 1 mLを加えて、水素雰囲気下、室温で3時間攪拌した。その後、反応溶液をセライトろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をピリジン 3 mLに溶解させ、更に2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド 79.1 mgのジクロロメタン 2 mLの溶液をゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、室温で30分攪拌した。反応溶液を氷冷し、アンモニア水(25%)を加えて氷冷下30分攪拌し、飽和塩化アンモニウム水を加えて中和し、水と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~1:1)で精製し、2-クロロ-N-[2-{(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル}-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-5-イル]-5-ニトロベンズアミド12.3 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.61 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.27 (dd, J = 8.8, 2.6 Hz, 1H), 7.86 (s, 1H), 7.73 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.67-7.65 (m, 3H), 7.54 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.09 (s, 2H), 4.06 (s, 2H), 4.03 (s, 2H)
【0155】
実施例40
2-クロロ-N-{1-[(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン 300 mgのジメチルホルムアミド 5 mLの溶液に水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散) 73.1 mgを加えて、窒素雰囲気下、室温で5分攪拌した。更に、2-クロロ-1-(ヨードメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン 585.6 mgのジメチルホルムアミド 3 mLの溶液をゆっくり滴下して加えて、室温で1時間攪拌した。その後、反応溶液に水と酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶液を加えて分液した。得られた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~1:1)で精製し、5-ブロモ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン585.8 mgを得た。
(2)5-ブロモ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン585.8 mgのトルエン 8 mLの溶液に、ベンゾフェノンイミン329.7 mg、ナトリウム tert-ブトキシド 200.9 mg、(±)-BINAP 187.3 mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) 137.7 mgを加えて、窒素雰囲気下、90 ℃で17時間攪拌した。その後、反応溶液をシリカゲルろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をテトラヒドロフラン 5 mLに溶解させ、6M塩酸 3 mLを加えて、室温で30分攪拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、残渣に酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶媒を加え、析出した固体をヘキサンで洗浄し、1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-アミン 624 mgを得た。
(3)1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-アミン150 mgのピリジン 5mLの溶液に、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド 253.3 mgのジクロロメタン 2 mLの溶液をゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、室温で30分攪拌した。反応溶液を氷冷し、アンモニア水(25%)を加えて氷冷下30分攪拌し、飽和塩化アンモニウム水を加えて中和し、水と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~1:1)で精製し、2-クロロ-N-{1-[(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル}-5-ニトロベンズアミド 72.1 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.67 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.52 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.33 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.30 (dd, J = 8.5, 2.3 Hz, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.70-7.68 (m, 2H), 7.38 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 3.4 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 3.4 Hz, 1H), 5.65 (s, 2H)
【0156】
実施例41
2-クロロ-N-[1-{(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)4-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン 300 mgのジメチルホルムアミド 5 mLの溶液に水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散) 73.1 mgを加えて、窒素雰囲気下、室温で5分攪拌した。更に、2-クロロ-1-(ヨードメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン 585.6 mgのジメチルホルムアミド 3 mLの溶液をゆっくり滴下して加えて、室温で1時間攪拌した。その後、反応溶液に水と酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶液を加えて分液した。得られた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~1:1)で精製し、4-ブロモ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン586.9 mgを得た。
(2)4-ブロモ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン586.9 mgのトルエン 8 mLの溶液に、ベンゾフェノンイミン330.34 mg、ナトリウム tert-ブトキシド201.2 mg、(±)- 2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル 187.6 mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) 137.9 mgを加えて、窒素雰囲気下、90 ℃で23時間攪拌した。その後、反応溶液をシリカゲルろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をテトラヒドロフラン 5 mLに溶解させ、6M塩酸 4 mLを加えて、室温で1時間攪拌した。反応溶液に水、酢酸エチル、ヘキサンを加えて、析出した固体をろ取し、1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-アミン 673 mgを得た。
(3)1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-アミン 66 mgのジクロロメタン 5 mLの溶液に、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド 193.5 mgのジクロロメタン 2 mLの溶液をゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、室温で1時間攪拌した。反応溶液を氷冷し、ピリジン 2 mLとアンモニア水(25%) 1 mLを加えて氷冷下30分攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水を加えて中和し、水と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~1:1)で精製し、2-クロロ-N-[1-{(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-5-ニトロベンズアミド 71.4 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, ACETONE-D6) δ 10.16 (s, 1H), 8.60 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.39 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 8.29 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 8.11 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 8.2, 1.1 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.83 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 5.73 (s, 2H)
【0157】
実施例42
2-クロロ-N-(2-へキシル-1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリン-6-イル)-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)6-ブロモ-3,4-ジヒドロイソキノリン-1(2H)-オン 450 mgをジメチルホルムアミド 10 mLに溶解し、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散) 85 mgを加え、室温で15分攪拌した。その後、n-ブロモヘキサン 438 mgを加え、室温で17時間攪拌し、水を加え反応を停止させた。反応停止後、水、および、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、6-ブロモ-2-へキシル-3,4-ジヒドロイソキノリン-1(2H)-オン 564.9 mgを得た。
(2)6-ブロモ-2-へキシルイソキノリン-1(2H)-オン 500 mg ベンゾフェノンイミン 356 mg、ナトリウムtert-ブトキシド 217 mg、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル 245 mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) 149 mg、トルエン 7.5 mLを混合し、窒素下100 ℃で4時間半攪拌した。反応停止後、水、および、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を用いて精製し、6-[(ジフェニルメチリジン)アミノ]-2-へキシルイソキノリン-1(2H)-オンを得た。6-[(ジフェニルメチリジン)アミノ]-2-へキシルイソキノリン-1(2H)-オンにテトラヒドロフラン 8 mLに溶解して、2M塩酸を1 mL加えて、窒素下室温で5分攪拌した。反応後、減圧下で溶媒を留去して、ジエチルエーテルを加えて生成した結晶を回収し、6-ブロモ-2-へキシルイソキノリン-1(2H)-オン塩酸塩 558.2 mg 得た(溶媒含有)。
(3)6-ブロモ-2-へキシルイソキノリン-1(2H)-オン塩酸塩100 mgをジクロロメタン 3 mLに溶解し、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリドを94 mg、トリエチルアミン 0.15 mL を加え30分攪拌した。反応後、水およびジクロロメタンを加えて分液し、得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:2)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、2-クロロ-N-(2-へキシル-1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリン-6-イル)-5-ニトロベンズアミド 83.9 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 9.43 (s, 1H), 8.45 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.26-8.24 (m, 2H), 8.05 (s, 1H), 7.48 (dd, J = 6.4, 2.3 Hz, 2H), 7.07-7.01 (m, 1H), 6.52 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 3.96-3.92 (m, 2H), 1.74-0.85 (m, 11H)
【0158】
実施例43
2-クロロ-N-(2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル)-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)6-ブロモ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン 209 mgを 2 mLジクロロメタンに溶解して、トリエチルアミンを0.4 mL、2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジルイオダイド453 mgを加え、窒素下で2時間攪拌した。反応後、水を加え反応を停止させ、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、 6-ブロモ-2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン346.3 mg を得た。
(2)6-ブロモ-2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン300 mg、ベンゾフェノンイミン 163 mg、ナトリウムtert-ブトキシド 99 mg、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル 112 mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) 68 mg、トルエン 7.5 mLを混合し、窒素下100 ℃で15時間半攪拌した。反応停止後、水、および、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を用いて精製し、N-({[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル)-1,1-ジフェニルメタンイミンを得た。その後、テトラヒドロフラン 8 mLに溶解して、2M塩酸を1 mL加えて、窒素下室温で5分攪拌した。反応後、減圧下で溶媒を留去して、ヘキサンを加えて生成した結晶を回収した。その後、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を加え、炭酸水素ナトリウムナトリウムで中和した。分液操作によって、有機層を分離し、減圧下溶媒を留去して、6-アミノ-2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン190.6 mgを得た。
(3)6-アミノ-2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン190 mgをジクロロメタン 5 mLに溶解し、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリドを245 mg、トリエチルアミン 0.2 mLを加えて、30分攪拌した。反応後、水およびジクロロメタンを加えて分液し、得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、2-クロロ-N-(2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル)-5-ニトロベンズアミド142 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.61 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.27 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.74 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.52 (dd, J = 8.5, 1.1 Hz, 2H), 7.32 (dd, J = 8.3, 2.2 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 3.85 (s, 2H), 3.72 (s, 2H), 2.97 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 2.83 (t, J = 5.8 Hz, 2H)
【0159】
実施例44
2-クロロ-N-{1-[(2-フェノキシフェニル)メチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)2-フェノキシ安息香酸 360.6 mgのジクロロメタン5 mLの混合溶液に塩化オキサリル 0.289 mLを加えて、更にジメチルホルムアミド 3滴をゆっくり加えて、室温に昇温させながら30分攪拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、酸クロリドを得た。次に、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 200 mgのジメチルホルムアミド 10 mLの溶液に水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散) 49.4 mgを加えて、窒素雰囲気下、室温で5分攪拌した。更に調製した酸クロリドのTHF 3 mLの溶液をゆっくりと滴下して加え、室温で17時間攪拌した。その後、反応溶液に水と酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶液を加えて分液した。
得られた有機層を水で洗浄した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~2:3)で精製し、(6-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)(2-フェノキシフェニル)メタノンを得た。次に、得られた(6-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)(2-フェノキシフェニル)メタノンをテトラヒドロフラン 15 mLに溶解させ、ボランジメチルスルフィド錯体 4.93 mLをゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、60 ℃で3時間攪拌した後、反応溶液を氷冷しながら、メタノール 5 mLをゆっくり滴下して加えた。その後、反応溶液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:19~3:2)で精製し、6-ニトロ-1-[(2-フェノキシフェニル)メチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 108.7 mgを得た。
(2)6-ニトロ-1-[(2-フェノキシフェニル)メチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 108.7 mgのテトラヒドロフラン 2 mL、エタノール 2 mL、水 1 mLの混合溶液に、還元鉄 84.2 mgと塩化アンモニウム 64.5 mgを加えて、窒素雰囲気下、90 ℃で3時間攪拌した。反応溶液をシリカゲルを用いてろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン 15 mLに溶解させ、トリエチルアミン 0.126 mLを加えた。更に2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド79.6 mgのジクロロメタン 5 mLの溶液をゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、室温で30分攪拌した。反応溶液に水とジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~1:0)で精製し、2-クロロ-N-{1-[(2-フェノキシフェニル)メチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド58.3 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.59 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.23 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.37-7.31 (m, 3H), 7.25-7.21 (m, 2H), 7.11-7.08 (m, 3H), 7.00-6.98 (m, 2H), 6.95 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.41 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.51 (s, 2H), 3.41 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.84 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.05-2.01 (m, 2H)
【0160】
実施例45
2-クロロ-N-{1-[(4-フェノキシフェニル)メチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)4-フェノキシ安息香酸 360.7 mgのジクロロメタン5 mLの混合溶液に塩化オキサリル 0.289 mLを加えて、更にジメチルホルムアミド 3滴をゆっくり加えて、室温に昇温させながら30分攪拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、酸クロリドを得た。
次に、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 200 mgのジメチルホルムアミド 10 mLの溶液に水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散) 49.4 mgを加えて、窒素雰囲気下、室温で5分攪拌した。更に調製した酸クロリドのテトラヒドロフラン 3 mLの溶液をゆっくりと滴下して加え、室温で30分攪拌した。その後、反応溶液に水と酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶液を加えて分液した。得られた有機層を水で洗浄した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~2:3)で精製し、(6-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)(4-フェノキシフェニル)メタノンを得た。次に、得られた(6-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)(4-フェノキシフェニル)メタノンをテトラヒドロフラン 15 mLに溶解させ、ボランジメチルスルフィド錯体 4.93 mLをゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、60 ℃で3時間攪拌した後、反応溶液を氷冷しながら、メタノール 5 mLをゆっくり滴下して加えた。
その後、反応溶液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:19~3:2)で精製し、6-ニトロ-1-[(4-フェノキシフェニル)メチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 160.2 mgを得た。
(2)6-ニトロ-1-[(4-フェノキシフェニル)メチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 160.2 mgのテトラヒドロフラン 2 mL、エタノール 2 mL、水 1 mLの混合溶液に、還元鉄 124.1 mgと塩化アンモニウム 95.1 mgを加えて、窒素雰囲気下、90 ℃で3時間攪拌した。反応溶液を、シリカゲルを用いてろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン 15 mLに溶解させ、トリエチルアミン 0.186 mLを加えた。更に2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド117.4 mgのジクロロメタン 5 mLの溶液をゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、室温で30分攪拌した。反応溶液に水とジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~1:0)で精製し、2-クロロ-N-{1-[(4-フェノキシフェニル)メチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド191.5 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.58-8.58 (m, 1H), 8.23 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 7.63-7.61 (m, 2H), 7.35-7.31 (m, 3H), 7.21 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.14 (dd, J = 8.7, 2.5 Hz, 1H), 7.09 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.01-6.98 (m, 2H), 6.98-6.96 (m, 2H), 6.50 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.47 (s, 2H), 3.39 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 2.84 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.06-2.01 (m, 2H)
【0161】
実施例46
2-クロロ-N-(1-{[2-(-2フェノキシエトキシ)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)2-(ヒドロキシメチル)フェノール369 mgをジメチルホルムアミド20 mLに溶解後、炭酸セシウム970 mgを加え、10 mLジメチルホルムアミドと(2-ブロモエトキシ)ベンゼン 500 mgの混合物を加えて、窒素下で80 ℃加熱攪拌した。反応後、水とヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、[2-(2-フェノキシエトキシ)フェニル]メタノール430 mgを得た。
(2)[2-(2-フェノキシエトキシ)フェニル]メタノール 318 mg を5 mLジクロロメタンに溶解後、トリフェニルホスフィン410 mg、ヨウ素 397mg、イミダゾール 106 mgを加えて、室温で30分攪拌した。その後、水を加えて、ジクロロメタンで分液した。有機層を分離し、当該有機層を、水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、1-(ヨードメチル)-2-(2-フェノキシエトキシ)ベンゼン406 mgを得た。
(3)6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン103 mgをジメチルホルムアミド3 mLに溶解し、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散) 21 mgを加え、室温で15分攪拌した。その後、1-(ヨードメチル)-2-(2-フェノキシエトキシ)ベンゼン241 mgを加え、室温で30分時間攪拌し、水を加え反応を停止させた。反応停止後、水、および、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を再結晶化させ回収し、1-{[2-(-2フェノキシエトキシ)フェニル]メチル}-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン133 mgを得た。
(4)1-{[2-(-2フェノキシエトキシ)フェニル]メチル}-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 110 mg を酢酸エチル 5 mL に溶解後、パラジウム-活性炭素(10%Pd) 48 mgを加え、水素ガス条件下で8時間攪拌した。反応後、セライトで濾過した後、減圧下溶媒を留去し、アニリン中間体を得た。アニリン中間体をジクロロメタン 5mL、トリエチルアミン0.09 mL、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド59 mgを加え、室温で10分攪拌した。反応後、水およびジクロロメタンを加えて分液し、得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:2)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、2-クロロ-N-(1-{[2-(-2フェノキシエトキシ)フェニル]メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-5-ニトロベンズアミド33.4 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.57 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.21 (dd, J = 8.8, 2.6 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.31-7.27 (m, 3H), 7.21 (dd, J = 7.7, 1.3 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.00-6.90 (m, 6H), 6.40 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.45 (s, 2H), 4.39-4.33 (m, 4H), 3.36 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.83 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.02-1.97 (m, 2H)
【0162】
実施例47
2-クロロ-N-{1-(2-{[2-(-2フェノキシエトキシ)エトキシ]フェニル}メチル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)フェノール 1 g、炭酸セシウム 4.15 gを 30 mLジメチルホルムアミドに溶解した後、30 mLのジメチルホルムアミドに溶解した 1-ブロモ-2-(2-ブロモエトキシ)エタン 5.04 gを加え、窒素条件下で、80 ℃で3時間加熱撹拌した。反応後、水とヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、[2-(2-ブロモエトキシ)エトキシ]ベンゼン 2.06 gを得た。
(2)2-(ヒドロキシメチル)フェノール633 mgをジメチルホルムアミド20 mLに溶解後、炭酸セシウム798 mgを加え、10 mLジメチルホルムアミドと[2-(2-ブロモエトキシ)エトキシ]ベンゼン 500 mgの混合物を加えて、窒素条件下で、70 ℃で6時間加熱攪拌した。反応後、水とヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、{2-[2-(2-フェノキシエトキシ)エトキシ]フェニル}メタノール376 mgを得た。
(3){2-[2-(2-フェノキシエトキシ)エトキシ]フェニル}メタノール 200 mg を3.5 mLジクロロメタンに溶解後、トリフェニルホスフィン218 mg、ヨウ素 264 mg、イミダゾール 56.7 mgを加えて、室温で10分攪拌した。その後、水を加えて、ジクロロメタンで分液した。有機層を分離し、当該有機層を、水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)を用いて精製した後、減圧下溶媒を留去して、1-(ヨードメチル)-2-[2-(2-フェノキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン150 mgを得た。
(4)6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン103 mgをジメチルホルムアミド5 mLに溶解し、水素化ナトリウム(60%、流動パラフィンに分散) 21 mgを加え、室温で15分攪拌した。その後、1-(ヨードメチル)-2-[2-(2-フェノキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン149 mg を加え、窒素条件下で8時間攪拌し、水を加え反応を停止させた。反応停止後、水、および、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶液を用いて分液した。有機層を分離し、当該有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下、当該有機層から溶媒を留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物を再結晶化させ回収し、1-{2-[2-(2-フェノキシエトキシ)エトキシ}フェニル]メチル}-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 122 mgを得た。
(5)1-{2-[2-(2-フェノキシエトキシ)エトキシ}フェニル]メチル}-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 120 mg を酢酸エチル 3 mL に溶解後、パラジウム-活性炭素(10%Pd) 28 mgを加え、水素ガス条件下で1時間攪拌した。反応後、セライトで濾過した後、減圧下溶媒を留去し、アニリン中間体を得た。アニリン中間体をジクロロメタン 3 mL、トリエチルアミン 0.11 mL、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド71 mgを加え、室温で10分攪拌した。反応後、減圧下溶媒を留去し、ピリジン 4 mLに溶解し、アンモニア水溶液 1.5 mLを加え、攪拌した。反応後、水およびジクロロメタンを加えて分液し、得られた有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、薄層クロマトグラフィーを用いて精製し、2-クロロ-N-{1-(2-{[2-(-2フェノキシエトキシ)エトキシ]フェニル}メチル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド 26.8 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.57 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.22 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.33 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.27-7.19 (m, 3H), 7.11 (dd, J = 7.3, 1.1 Hz, 1H), 7.03 (dd, J = 8.8, 2.6 Hz, 1H), 6.93-6.87 (m, 5H), 6.41 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.48 (s, 2H), 4.22 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 4.15 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.98-3.94 (m, 4H), 3.37 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 2.85 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.03 (q, J = 5.2 Hz, 2H)
【0163】
実施例48
2-クロロ-N-{1-[(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル]-7-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)3-フルオロアニリン 2.90 gのアセトン100 mLの溶液に、ピリジン 5.26 mLを加えて、室温で3-クロロプロピオニルクロリド 3.01 mLをゆっくり滴下して加えた。その後、室温で4時間攪拌した。反応溶液に飽和食塩水と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルとヘキサンを用いて再結晶することで精製し、3-クロロ-N-(3-フルオロフェニル)プロパンアミド 3.56 gを得た。
(2)3-クロロ-N-(3-フルオロフェニル)プロパンアミド 2.47 gと、塩化アルミニウム 5.72 gの混合物に、氷冷下、N,N-ジメチルアセトアミド 1.0 mLをゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、130 ℃で6時間攪拌した。反応溶液を氷冷し、酢酸エチルを加えて希釈し、氷水をゆっくり滴下して加えた。その後、酢酸エチルで分液し、得られた有機層を、水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルとヘキサンを用いて再結晶することで精製し、7-フルオロ-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン 1.19 gを得た。また精製操作における残渣から、5-フルオロ-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オンの混合物 477.0 mgを得た。
a)7-フルオロ-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン:1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.45 (brs, 1H), 7.10 (dd, J = 8.1, 6.1 Hz, 1H), 6.69 (td, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 6.54 (dd, J = 9.3, 2.6 Hz, 1H), 2.94 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 7.5 Hz, 2H)
b)5-フルオロ-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン:1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.97 (brs, 1H), 7.16-7.14 (m, 1H), 6.77-6.73 (m, 1H), 6.55 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 3.01 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 2.67-2.65 (m, 2H)
(3)7-フルオロ-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン 1.00 gのジメチルホルムアミド 12 mLの溶液に、窒素雰囲気下、氷冷しながらN-ブロモスクシンイミド 1.19 gを加えて、室温で17時間攪拌した。反応溶液に水を加えて、析出した固体をろ取し、水で洗浄し風乾させることで、6-ブロモ-7-フルオロ-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン 1.40 gを得た。
(4)6-ブロモ-7-フルオロ-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン 300 mgのジメチルホルムアミド 5 mLの溶液に、水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散) 59.0 mgを加えて、窒素雰囲気下、室温で10分攪拌した。更に、2-クロロ-1-(ヨードメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン472.7 mgのジメチルホルムアミド 3 mLの溶液をゆっくり滴下して加えて、室温で30分攪拌した。その後、反応溶液に水と酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶液を加えて分液した。得られた有機層を、水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:19~3:2)で精製し、6-ブロモ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-7-フルオロ-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン 490.4 mgを得た。
(5)6-ブロモ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-7-フルオロ-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン 300 mgのテトラヒドロフラン 15 mLの溶液に、ボランジメチルスルフィド錯体 5.91 mLをゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、60 ℃で30分攪拌した後、反応溶液を氷冷しながら、メタノール 5 mLをゆっくり滴下して加えた。その後、反応溶液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:19~3:2)で精製し、6-ブロモ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-7-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 411.1 mgを得た。
(6)6-ブロモ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-7-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 411.1 mgのトルエン 8 mLの溶液に、ベンゾフェノンイミン 213.3 mg、ナトリウム tert-ブトキシド 129.9 mg、(±)-BINAP 121.1 mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) 89.1 mgを加えて、窒素雰囲気下、90 ℃で17時間攪拌した。その後、反応溶液をシリカゲルろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をテトラヒドロフラン 5 mLに溶解させ、6M塩酸 2 mLを加えて、室温で30分攪拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水を加えて中和し、酢酸エチルで分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4~7:13)で精製し、1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-7-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミン 270.1 mgを得た。
(7)1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-7-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミン 270.1 mgのジクロロメタン 5mLの溶液に、トリエチルアミン 0.315 mLを加えた後、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド 193.5 mgのジクロロメタン 2 mLの溶液をゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、室温で30分攪拌した。反応溶液に水とジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルとヘキサンを用いて再結晶することで精製し、2-クロロ-N-{1-[(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル]-7-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド 180.7 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.64 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.26 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.65 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.29-7.29 (m, 1H), 6.04 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 4.53 (s, 2H), 3.42 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 2.88 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.11-2.07 (m, 2H)
【0164】
実施例49
2-クロロ-N-{1-[(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル]-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)5-フルオロ-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オンの混合物(実施例48を参照) 477.0 mgのジメチルホルムアミド 6 mLの溶液に、窒素雰囲気下、氷冷しながらN-ブロモスクシンイミド 565.0 mgを加えて、室温で19時間攪拌した。反応溶液に水を加えて、析出した固体をろ取して、水で洗浄した。得られた固体をジメチルホルムアミド 5 mLに溶解させ、水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散) 116.6 mgを加えて、窒素雰囲気下、室温で10分攪拌した。更に、2-クロロ-1-(ヨードメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン 934.6 mgのジメチルホルムアミド 3 mLの溶液をゆっくり滴下して加えて、室温で2時間攪拌した。その後、反応溶液に水と酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶液を加えて分液した。
得られた有機層を、水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:19~3:2) で精製し、6-ブロモ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5-フルオロ-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン 352.4 mgを得た。
(2)6-ブロモ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5-フルオロ-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン 352.4 mgのテトラヒドロフラン 5 mLの溶液に、ボランジメチルスルフィド錯体 4.43 mLをゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、60 ℃で1時間攪拌した後、反応溶液を氷冷しながら、メタノール 5 mLをゆっくり滴下して加えた。その後、反応溶液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~1:1)で精製し、6-ブロモ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 286.8 mgを得た。
(3)6-ブロモ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 286.8 mgのトルエン 10 mLの溶液に、ベンゾフェノンイミン 148.8 mg、ナトリウム tert-ブトキシド 90.7 mg、(±)-BINAP 62.1 mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) 62.1 mgを加えて、窒素雰囲気下、95 ℃で16時間攪拌した。その後、反応溶液をシリカゲルろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をテトラヒドロフラン 5 mLに溶解させ、6M塩酸 2 mLを加えて、室温で30分攪拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水を加えて中和し、酢酸エチルで分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:23~3:2)で精製し、1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミン 174.9 mgを得た。
(4)1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミン 174.9 mgのピリジン 5 mLの溶液に、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド236.0 mgのジクロロメタン 3 mLの溶液をゆっくり滴下して加え、室温で30分攪拌した。その後、反応溶液を氷冷しながら、アンモニア水(25%) 1 mLを加えて氷冷下30分攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水を加えて中和し、水と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~1:1)で精製し、2-クロロ-N-{1-[(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル]-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド118.5 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.64 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.25 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.86 (brs, 1H), 7.80 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.10 (dd, J = 9.0, 1.0 Hz, 1H), 4.58 (s, 2H), 3.41 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.86 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.10-2.06 (m, 2H)
【0165】
実施例50
2-クロロ-N-{1-[(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル]-5,7-ジフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)3,5-ジフルオロアニリン 3.36 gのアセトン100 mLの溶液に、ピリジン 5.24 mLを加えて、室温で3-クロロプロピオニルクロリド 3.00 mLをゆっくり滴下して加えた。その後、室温で4時間攪拌した。反応溶液に飽和食塩水と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルとヘキサンを用いて再結晶することで精製し、3-クロロ-N-(3,5-ジフルオロフェニル)プロパンアミド 3.16 gを得た。
(2)3-クロロ-N-(3,5-ジフルオロフェニル)プロパンアミド 3.07 gと塩化アルミニウム 6.52 gの混合物に、氷冷下、N,N-ジメチルアセトアミド 1.2 mLをゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、130 ℃で6時間攪拌し、更に145 ℃で4時間攪拌した。反応溶液を氷冷し、酢酸エチルを加えて希釈し、氷水をゆっくり滴下して加えた。その後、酢酸エチルで分液し、得られた有機層を、水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルとヘキサンを用いて再結晶することで精製し、5,7-ジフルオロ-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン 1.74 gを得た。
(3)5,7-ジフルオロ-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン 1.00 gのジメチルホルムアミド 12 mLの溶液に、窒素雰囲気下、氷冷しながらN-ブロモスクシンイミド 1.07 gを加えて、室温で16時間攪拌した。反応溶液に水を加えて、析出した固体をろ取して、水で洗浄し、6-ブロモ-5,7-ジフルオロ-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン 1.07 gを得た。
(4)6-ブロモ-5,7-ジフルオロ-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン 300.0 mgのジメチルホルムアミド 5 mLの溶液に、水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散) 55.0 mgを加えて、窒素雰囲気下、室温で10分攪拌した。更に、2-クロロ-1-(ヨードメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン440.3 mgのジメチルホルムアミド 3 mLの溶液をゆっくり滴下して加えて、室温で30分攪拌した。その後、反応溶液に水と酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶液を加えて分液した。得られた有機層を、水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:19~3:2)で精製し、6-ブロモ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5,7-ジフルオロ-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン 437.2 mgを得た。
(5)6-ブロモ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5,7-ジフルオロ-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン 420.0 mgのテトラヒドロフラン 15 mLの溶液に、ボランジメチルスルフィド錯体 5.08 mLをゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、60 ℃ で30分攪拌した後、反応溶液を氷冷しながら、メタノール 5 mLをゆっくり滴下して加えた。その後、反応溶液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:19~3:2)で精製し、6-ブロモ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5,7-ジフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 342.8 mgを得た。
(6)6-ブロモ-1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5,7-ジフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 342.8 mgのトルエン 8 mLの溶液に、ベンゾフェノンイミン 170.6 mg、ナトリウム tert-ブトキシド 1103.9 mg、(±)-BINAP 96.9 mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) 71.2 mgを加えて、窒素雰囲気下、90 ℃で17時間攪拌した。その後、反応溶液をシリカゲルろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をテトラヒドロフラン 5 mLに溶解させ、6M塩酸 2 mLを加えて、室温で30分攪拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水を加えて中和し、酢酸エチルで分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4~7:13)で精製し、1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5,7-ジフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミンの混合物を得た。
1-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-5,7-ジフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-アミンの混合物をジクロロメタン5 mLに溶解させ、トリエチルアミン 0.050 mLを加えた後、2-クロロ-5-ニトロベンゾイルクロリド107.5 mgのジクロロメタン 2 mLの溶液をゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、室温で30分攪拌した。その後、反応溶液を氷冷しながら、ピリジン2 mLとアンモニア水(25%) 1 mLを加えて氷冷下20分攪拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水を加えて中和し、水と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~1:1)で精製し、更に分取薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン= 1:4)で精製し、2-クロロ-N-{1-[(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル]-5,7-ジフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド 25.9 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, ACETONE-D6) δ 9.14 (s, 1H), 8.41 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.35 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.87-7.83 (m, 2H), 7.68 (dd, J = 8.1, 1.0 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.11 (dd, J = 12.9, 1.7 Hz, 1H), 4.72 (s, 2H), 3.56 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.81 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.13-2.09 (m, 2H)
【0166】
実施例51
2-クロロ-N-{1-[2-([1,1'-ビフェニル]-4-イル)エチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)4-ビフェニル酢酸 357.3 mgのジクロロメタン5 mLの混合溶液に塩化オキサリル 0.289 mLを加えて、更にジメチルホルムアミド 3滴をゆっくり加えて、室温に昇温させながら30分攪拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、酸クロリドを得た。次に、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 200 mgのトルエン 5 mLの溶液に調製した酸クロリドを加え、115 ℃で1時間攪拌した。その後、反応溶液に水と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を水で洗浄した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~2:3)で精製し、2-([1,1'-ビフェニル]-4-イル)-1-(6-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)エタン-1-オンを得た。次に、得られた2-([1,1'-ビフェニル]-4-イル)-1-(6-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)エタン-1-オンをテトラヒドロフラン10 mLに溶解させ、ボランジメチルスルフィド錯体 6.17 mLをゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、60 ℃で2時間攪拌した後、反応溶液を氷冷しながら、メタノール 5 mLをゆっくり滴下して加えた。その後、反応溶液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~1:1)で精製し、1-[2-([1,1'-ビフェニル]-4-イル)エチル]-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 201.0 mgを得た。
(2)1-[2-([1,1'-ビフェニル]-4-イル)エチル]-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 201.0 mgのテトラヒドロフラン 2 mL、エタノール 2 mL、水 1 mLの混合溶液に、還元鉄 156.6 mgと塩化アンモニウム 120.0 mgを加えて、窒素雰囲気下、90 ℃で3時間攪拌した。反応溶液を、シリカゲルを用いてろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン 15 mLに溶解させ、2-クロロ-5-ニトロ安息香酸147.0 mg、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 311.0 mg、4-ジメチルアミノピリジン 96.0 mg加えて、室温で3時間攪拌した。反応溶液に水とジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:17~1:0)で精製し、2-クロロ-N-{1-[2-([1,1'-ビフェニル]-4-イル)エチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-5-ニトロベンズアミド188.4 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.62 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.25 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.61-7.54 (m, 5H), 7.44 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.36-7.28 (m, 5H), 6.67 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 3.55 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 3.24 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.92 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.78 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 1.95-1.89 (m, 2H)
【0167】
実施例52
N-ブチル-[2-(2-{[6-(2-クロロ-5-ニトロベンズアミド)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル]メチル}フェノキシ)エトキシ]アセトアミドの合成
(1)2-ヒドロキシベンジルアルコール 3.00 gのジメチルホルムアミド 10 mLの溶液を氷冷しながら、水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散) 1.06 gを加えて、窒素雰囲気下、0 ℃で30分攪拌した。更に、クロロメチルメチルエーテル 1.06 mLをゆっくり滴下して加えて、0 ℃で2時間攪拌した。その後、反応溶液に水と酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶液を加えて分液した。得られた有機層を、水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1~4:1)で精製し、[2-(メトキシメトキシ)フェニル]メタノール 2.32 gを得た。
(2)[2-(メトキシメトキシ)フェニル]メタノール 1.10 gのジクロロメタン50 mLの溶液に、氷冷下、トリフェニルホスフィン 2.23 gとヨウ素 2.16 gを加えた後、イミダゾール0.579 gを少量ずつ加えていき、0 ℃で2時間攪拌した。反応溶液を氷冷しながら、ヘキサン50 mLを加えていき、析出した不溶物をろ過して除き、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣に水と酢酸エチルを加えて分液し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9~1:4)で精製し、1-(ヨードメチル)-2-(メトキシメトキシ)ベンゼン 1.26 gを得た。
(3)6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 650 mgのジメチルホルムアミド 10 mLの溶液に水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散) 175 mgを加えて、窒素雰囲気下、室温で10分攪拌した。更に、1-(ヨードメチル)-2-(メトキシメトキシ)ベンゼン 1.22 gのジメチルホルムアミド 5 mLの溶液をゆっくり滴下して加えて、室温で2時間攪拌した。その後、反応溶液に水を加えて、析出した固体を回収し、得られた固体を水で洗浄して、減圧下乾燥させることで、1-{[2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル}-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 1.17 gを得た。
(4)1-{[2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル}-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 1.05 gのテトラヒドロフラン 30 mLとメタノール 10 mLの混合溶液に、6M塩酸 20 mLを加えて、70 ℃で2時間攪拌した。反応溶液に水と酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(メタノール:クロロホルム=1:0~1:49)で精製し、2-[(6-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル]フェノール 787 mgを得た。
(5)2-[(6-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル]フェノール 100.0 mgのジメチルホルムアミド 5 mLの溶液に、エチレンカルボナート 103.1 mg、炭酸カリウム 145.8 mgを加えて、110 ℃で3時間攪拌した。その後、反応溶液に水と酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶液を加えて分液した。得られた有機層を、水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:3~4:1)で精製し、2-{2-[(6-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル]フェノキシ}エタン-1-オール 111.1 mgを得た。
(6)2-{2-[(6-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル]フェノキシ}エタン-1-オール 231.0 mgのジメチルホルムアミド 5 mLの溶液に、水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散) 33.8 mgを氷冷下加えて、窒素雰囲気下、0 ℃で20分攪拌した。更に、ブロモ酢酸tert-ブチル 0.154 mLのジメチルホルムアミド 3 mLの溶液を、氷冷下、ゆっくり滴下して加えて、室温で2時間攪拌した。その後、反応溶液に水と酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶液を加えて分液した。得られた有機層を、水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4~3:2)で精製し、tert-ブチル(2-{2-[(6-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル]フェノキシ}エトキシ)アセテート 101.7 mgを得た。
(7)tert-ブチル (2-{2-[(6-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル]フェノキシ}エトキシ)アセテート 117.3 mg、10%パラジウム担持炭素 14.9 mgに、メタノール1 mL、酢酸エチル 2 mLに加えて、水素雰囲気下で2時間攪拌した。反応溶液をセライトろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4~3:2)で精製し、tert-ブチル(2-{2-[(6-アミノ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル]フェノキシ}エトキシ)アセテート 64.9 mgを得た。
(8)tert-ブチル (2-{2-[(6-アミノ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル]フェノキシ}エトキシ)アセテート 60.3 mgのジクロロメタン 5 mLの溶液に、2-クロロ-5-ニトロ安息香酸 41.3 mg、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 81.3 mg、4-ジメチルアミノピリジン 25.0 mg加えて、室温で5時間攪拌した。反応溶液に水とジクロロメタンを加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:99~3:2)で精製し、tert-ブチル[2-(2-{[6-(2-クロロ-5-ニトロベンズアミド)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル]メチル}フェノキシ)エトキシ]アセテート 69.2 mgを得た。
(9)tert-ブチル [2-(2-{[6-(2-クロロ-5-ニトロベンズアミド)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル]メチル}フェノキシ)エトキシ]アセテート 69.0 mgのジクロロメタン 1 mLの溶液に、氷冷下、トリフルオロ酢酸 1.0 mLをゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、室温で2時間攪拌した。その後、反応溶液にトルエン 2 mLを加えて希釈し、減圧下濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルに溶解させ、水を加えて分液した。得られた有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮し、[2-(2-{[6-(2-クロロ-5-ニトロベンズアミド)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル]メチル}フェノキシ)エトキシ]酢酸 61.6 mgを得た。
(10)[2-(2-{[6-(2-クロロ-5-ニトロベンズアミド)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル]メチル}フェノキシ)エトキシ]酢酸9.1 mgのジメチルホルムアミド0.2 mLの溶液に、氷冷下、ブチルアミン 0.95 mg、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物 1.8 mg、N,N-ジイソプロピルエチルアミン 2.9 μL、4-ジメチルアミノピリジン 0.16 mg、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 3.2 mgを加えていき、室温で24時間攪拌した。反応溶液に、水、飽和塩化アンモニウム水と酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶液を加えて分液した。得られた有機層を、水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン= 7:3)で精製し、N-ブチル-[2-(2-{[6-(2-クロロ-5-ニトロベンズアミド)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル]メチル}フェノキシ)エトキシ]アセトアミド 4.8 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.58 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.23 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 7.64-7.61 (m, 2H), 7.33 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.25-7.21 (m, 1H), 7.15 (dd, J = 7.5, 1.1 Hz, 1H), 7.07 (dd, J = 8.8, 2.6 Hz, 1H), 6.94-6.90 (m, 2H), 6.59 (s, 1H), 6.39 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.49 (s, 2H), 4.24-4.22 (m, 2H), 4.06 (s, 2H), 3.93-3.91 (m, 2H), 3.40 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 3.25 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 2.86 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.07-2.01 (m, 2H), 1.48-1.40 (m, 2H), 1.34-1.28 (m, 2H), 0.87 (t, J = 7.3 Hz, 3H)
【0168】
実施例53
2-クロロ-N-[1-({2-[(プロプ-2-イン-1-イル)オキシ]フェニル}メチル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]-5-ニトロベンズアミドの合成
(1)2-[(6-ニトロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル]フェノール 200.0 mgのジメチルホルムアミド 3 mLの溶液に、炭酸セシウム 275.0 mgを加えて、窒素雰囲気下、15分攪拌した。その後、反応溶液にプロパルギルブロミド (80%トルエン溶液, 約9.2 mol/L) 0.099 mL加えて、窒素雰囲気下、室温で3時間攪拌した。その後、反応溶液に水と酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶液を加えて分液した。得られた有機層を、水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:17~3:2)で精製し、6-ニトロ-1-({2-[(プロプ-2-イン-1-イル)オキシ]フェニル}メチル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 215.9 mgを得た。
(2)6-ニトロ-1-({2-[(プロプ-2-イン-1-イル)オキシ]フェニル}メチル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 100.0 mgのエタノール 2 mLと水 1 mLの混合溶液に、還元鉄(346.5 mg)、塩化アンモニウム(265.5 mg)を加え、90 ℃で2時間攪拌した。その後、反応混合物を、シリカゲルを用いてろ過し、ろ液を減圧下濃縮し、中間体を得た。次に、2-クロロ-5-ニトロ安息香酸 75.0 mg、(1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノモルホリノカルベニウムヘキサフルオロホスファート 139.5 mgのジメチルホルムアミド 2 mLの溶液に、氷冷下、N,N-ジイソプロピルエチルアミン 59.4 μLを加えて、0 ℃で10分攪拌した。次に、得られた中間体をジメチルホルムアミド 2 mLに溶解させて、反応溶液にゆっくり滴下して加え、窒素雰囲気下、室温で17時間攪拌した。その後、反応溶液に水と酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶液を加えて分液した。得られた有機層を、水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4~3:2)で精製し、2-クロロ-N-[1-({2-[(プロプ-2-イン-1-イル)オキシ]フェニル}メチル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]-5-ニトロベンズアミド113.0 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.58 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.23 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.33 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.14 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 7.07 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.93 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.40 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.77 (d, J = 2.3 Hz, 2H), 4.50 (s, 2H), 3.42 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 2.86 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.55 (t, J = 2.3 Hz, 1H), 2.08-2.02 (m, 2H)
【0169】
実施例54
N-(ブタ-3-イン-1-イル)-[2-(2-{[6-(2-クロロ-5-ニトロベンズアミド)-3,4-ジヒドロキ
ノリン-1(2H)-イル]メチル}フェノキシ)エトキシ]アセトアミドの合成
[2-(2-{[6-(2-クロロ-5-ニトロベンズアミド)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル]メチル}フェノキシ)エトキシ]酢酸76.4 mgのジメチルホルムアミド 4 mLの溶液に、氷冷下、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物 24.9 mg、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 35.3 mgを加えていき、0 ℃で15分攪拌した。次に、3-ブチン-1-アミン塩酸塩 19.4 mgのジメチルホルムアミド 1.5 mLの溶液をゆっくり滴下して加え、更にトリエチルアミン 29.6 μLを加えて、窒素雰囲気下、室温で25時間攪拌した。その後、反応溶液に、水と酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶液を加えて分液した。得られた有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水、水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣を、分取薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン= 2:3~99:1)で精製し、更に分取薄層クロマトグラフィー(メタノール:クロロホルム= 1:19)で精製することで、N-(ブタ-3-イン-1-イル)-[2-(2-{[6-(2-クロロ-5-ニトロベンズアミド)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル]メチル}フェノキシ)エトキシ]アセトアミド 39.7 mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.57 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.22 (dd, J = 9.1, 2.7 Hz, 1H), 7.63-7.61 (m, 2H), 7.32 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.23-7.21 (m, 1H), 7.14 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.08 (dd, J = 8.7, 2.3 Hz, 1H), 6.94-6.90 (m, 3H), 6.39 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.49 (s, 2H), 4.24-4.22 (m, 2H), 4.08 (s, 2H), 3.95-3.93 (m, 2H), 3.42 (q, J = 6.3 Hz, 4H), 2.86 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.38 (td, J = 6.5, 2.6 Hz, 2H), 2.07-2.01 (m, 2H), 1.90 (t, J = 2.7 Hz, 1H)
【0170】
以下の化合物(実施例55~64)は、公知化合物から出発して、上記実施例において開示された合成方法、またはそれに準じる方法により、合成された。
実施例55:2-クロロ-N-{4-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン-7-イル}-5-ニトロベンズアミド
実施例56:2-クロロ-N-[1-(3-クロロピリジン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル]-5-ニトロベンズアミド
実施例57:2-クロロ-5-ニトロ-N-{1-[(ピリジン-2-イル)メチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}ベンズアミド
実施例58:2-クロロ-5-ニトロ-N-{1-[(ピリジン-3-イル)メチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}ベンズアミド
実施例59:N-{1-[2-(モルホリン-4-イル)エチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}-2-クロロ-5-ニトロベンズアミド
実施例60:2-クロロ-5-ニトロ-N-{1-[2-(ピペリジン-1-イル)エチル]-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル}ベンズアミド
実施例61:2-クロロ-N-[1-{(1-メチルピペリジン-4-イル)メチル}-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル] -5-ニトロベンズアミド
実施例62:2-クロロ-N-(2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリン-6-イル)-5-ニトロベンズアミド
実施例63:2-クロロ-N-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル)-5-ニトロベンズアミド
実施例64:2-クロロ-N-(2-へキシル-1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル)-5-ニトロベンズアミド
【0171】
上記に記載の実施例化合物を以下の表1-1~表1-13に示す。
【0172】
【0173】
【0174】
【0175】
【0176】
【0177】
【0178】
【0179】
【0180】
【0181】
【0182】
【0183】
【0184】
【0185】
試験例1:IL-5産生阻害作用の評価試験
(1)マウスの脾臓細胞から精製したCD4陽性T細胞を抗マウスTCRβ抗体、IL-2、IL-4、抗マウスCD28抗体および抗マウスIFNγ抗体を処理することによりTh2細胞への分化を誘導した。このTh2細胞の培養系に供試化合物を添加しインターロイキン5(IL-5)を産生するTh2細胞への分化阻害作用を評価した。即ち、リン酸緩衝生理食塩溶液(pH7.2)にて10μg/mLに調製した抗マウスTCRβ抗体(Clone:H57-597)を48穴細胞培養プレートに180μL/穴ずつ分注し、室温で1時間放置した。未反応液を除去し、2%ウシ胎児血清(FCS)含有RPMI1640培地(Fujifilm wako、CodeNo.183-02165)で洗浄後、10ng/mLのマウスリコンビナントIL-2(PEPROTECH、CodeNo.212-12、もしくはBioLegend、CodeNo.57240)、3ng/mLのマウスリコンビナントIL-4(PEPROTECH、CodeNo.214-14)、1μg/mLの抗マウスCD28抗体(Clone:37.51、 BIOLEGEND、CodeNo.102102)および2.5μg/mLの抗マウスIFNγ抗体(Clone:XMG1.2、BioLegend、CodeNo.505802)を含むRPMI1640完全培地(以下、含有10%FCS、10mMHEPES、1%非必須アミノ酸、4mML-グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム、55μM2-メルカプトエタノール、1%ペニシリンーストレプトマイシン)を750μL/穴ずつ分注した。続いて、供試化合物希釈液(濃度10μM, 100μM)を1μL/穴ずつ分注し、これにC57BL6マウスの脾臓細胞から精製したCD4陽性T細胞3×106個/mLの細胞懸濁液を250μL/穴ずつ分注した。陰性対照群では、供試化合物希釈液の代わりにDMSOを1μL/穴分注した。
(2)インキュベーター内(37℃、5%炭酸ガス)にて培養42~48時間後、次に示す継代作業を行った。細胞を別の48穴細胞培養プレートに300μL/穴ずつ分注し、10ng/mLのマウスリコンビナントIL-2および3ng/mLのマウスリコンビナントIL-4を含むRPMI1640完全培地を700μL/穴ずつ分注した。続いて、供試化合物希釈液(濃度10μM, 100μM)またはDMSOを1μL/穴ずつ分注しインキュベーター内(37℃、5%炭酸ガス)にて24時間培養し、次に示す継代作業を行った。細胞を別の48穴細胞培養プレートに500μL/穴ずつ分注し、10ng/mLのマウスリコンビナントIL-2および3ng/mLのマウスリコンビナントIL-4を含むRPMI1640完全培地を500μL/穴ずつ分注した。続いて、供試化合物希釈液(濃度10μM, 100μM)またはDMSOを1μL/穴ずつ分注しインキュベーター内(37℃、5%炭酸ガス)にて24時間培養した。この継代作業もう一度繰り返した。
細胞を播種してから5日後に、Th2細胞系のサイトカイン産生を誘発した。即ち、リン酸緩衝生理食塩溶液(pH7.2)にて3μg/mLに調製した抗マウスTCRβ抗体を48穴細胞培養プレートに180μL/穴ずつ分注し、室温で1時間放置した。未反応液を除去し、2%FCS含有RPMI液で2回洗浄後、RPMI1640完全培地を750μL/穴ずつ分注した。続いて、Th2細胞分化条件で培養した細胞懸濁液を1×106個/mLに調整し、250μL/穴ずつ分注した。インキュベーター内(37℃、5%炭酸ガス)にて培養16時間後、上清を回収し、ELISA法にてサイトカイン産生量を測定した。
(3)サイトカインとして、IL-5の検出を、以下に示すELISA法にて行った。まず、1次抗体として、ラット抗マウスIL-5抗体(Clone:TRFK4、BD Pharmigen、CodeNo.554393もしくはBioLegend、CodeNo.504302)を0.1M炭酸水溶液にて1μg/mLに希釈し、50μL/穴ずつ96ウェルプレート(Thermo Scientific、CodeNo.442404)にまき、一晩(16~24時間)4℃にてコートした。プレートを0.05%Tween20を含むPBS(洗浄用バッファー)を用いて3回洗浄し、3%FCS含有リン酸緩衝生理食塩水pH7.2(ブロッキングバッファー)にて室温で2時間ブロッキングした(300μL/穴)。プレートを洗浄用バッファーで3回洗浄し、培養上清希釈液を50μL/穴ずつまき、4℃にて一晩(16~24時間)インキュベートした。検量線作成のため、リコンビナントマウスIL-5(BioLegend、CodeNo.576709)を使用した。プレートを洗浄用バッファーで5回洗浄し、二次抗体としてビオチン標識ラット抗マウスIL-5抗体(Clone:TRFK4、BD Pharmigen、CodeNo.554397もしくはBioLegend、CodeNo.504401)をブロッキングバッファーにて1μg/mLに希釈したものを加え(50μL/穴)、室温にて45分間インキュベートした。プレートを洗浄バッファーで5回洗浄後、ストレプトアビジン標識ペルオキシダーゼ(BD Pharmigen、CodeNo.554066もしくはThermo Scientific、CodeNo.N100をブロッキングバッファーにて4000倍希釈したものを加え(50μL/穴)、室温、30分間反応した。プレートを洗浄バッファーで7回洗浄し、TMB基質溶液(バイオ・ラッド、CodeNo.1721067)50μL/穴を加えて10~20分間発色させた。1M硫酸溶液を50μL/穴を加えて反応を停止後、マイクロプレートリーダー(バイオ・ラッド、iMark)を用いて(波長450nm)吸光度を測定した。実験は、トリプリケートで行い、サイトカイン産生量の平均値を求め、以下の式にて阻害率(%)を求めた。
阻害率(%)=(1-T/N)×100
ここで、T:供試化合物処理群の平均値、N:陰性対照群の平均値を表す。
【0186】
上記の試験における各供試化合物の阻害率(%)を表2-1~表2-3に示す。
【0187】
【0188】
【0189】
【0190】
以上の試験結果から、本発明の化合物(I)は、Th2細胞から誘導されるIL-5産生を効果的に阻害できることが明らかとなった。
【0191】
試験例2:IL-33受容体発現の阻害試験ならびにIL-33依存的なサイトカイン産生の阻害試験
(1)マウスの脾臓細胞から精製したCD4陽性T細胞を抗マウスTCRβ抗体、IL-2、IL-4、抗マウスCD28抗体および抗マウスIFNγ抗体を処理することによりTh2細胞への分化を誘導した。即ち、リン酸緩衝生理食塩溶液(pH7.2)にて10μg/mLに調製した抗マウスTCRβ抗体(Clone:H57-597)を48穴細胞培養プレートに180μL/穴ずつ分注し、室温で1時間放置した。未反応液を除去し、2%ウシ胎児血清(FCS)含有RPMI液で2回洗浄後、10ng/mLのマウスリコンビナントIL-2(PEPROTECH、CodeNo.212-12、もしくはBioLegend、CodeNo.57240)、3ng/mLのマウスリコンビナントIL-4(PEPROTECH、CodeNo.214-14)、1μg/mLの抗マウスCD28抗体(Clone:37.51、BIOLEGEND、CodeNo.102102)および2.5μg/mLの抗マウスIFNγ抗体(Clone:XMG1.2、BioLegend、CodeNo.505802)を含むRPMI1640完全培地を750μL/穴ずつ分注した。続いてこれにC57BL6マウスの脾臓細胞から精製したCD4陽性T細胞3×106個/mLの細胞懸濁液を250μL/穴ずつ分注した。
(2)インキュベーター内(37℃、5%炭酸ガス)にて培養42~48時間後、次に示す継代作業を行った。細胞を別の48穴細胞培養プレートに300μL/穴ずつ分注し、10ng/mLのマウスリコンビナントIL-2および3ng/mLのマウスリコンビナントIL-4を含むRPMI1640完全培地を700μL/穴ずつ分注した。続いて、供試化合物希釈液(濃度10μM, 100μM)またはDMSOを1μL/穴ずつ分注しインキュベーター内(37℃、5%炭酸ガス)にて24時間培養し、次に示す継代作業を行った細胞を別の48穴細胞培養プレートに500μL/穴ずつ分注し、10ng/mLのマウスリコンビナントIL-2および3ng/mLのマウスリコンビナントIL-4を含むRPMI1640完全培地を500μL/穴ずつ分注した。続いて、供試化合物希釈液(濃度10μM, 100μM)またはDMSOを1μL/穴ずつ分注しインキュベーター内(37℃、5%炭酸ガス)にて24時間培養した。この継代作業をもう一度繰り返した。Th2細胞分化誘導系で培養した細胞に対して、IL-33受容体の発現ならびに、サイトカイン産生試験を実施した。
(3)即ち、RPMI1640完全培地で細胞を洗浄し、96穴プレートにRPMI1640完全培地で懸濁した細胞4.5×105個/mLの細胞懸濁液を300μL/穴ずつ分注し、インキュベーター内(37℃、5%炭酸ガス)にて12時間培養した。続いて、供試化合物希釈液(濃度3μM, DMSO濃度3%)を10μL/穴ずつ分注し、インキュベーター内(37℃、5%炭酸ガス)にて1時間培養した。陰性対照群では、供試化合物希釈液の代わりに3%DMSOを10μL/穴分注した。続いて、1mg/mLのマウスリコンビナントIL-7(PEPROTECH、CodeNo.217-17)と1mg/mLのマウスリコンビナントIL-33(BioLegend、CodeNo.580506)を3μL/穴ずつ分注し、インキュベーター内(37℃、5%炭酸ガス)にて36時間培養した。培養後、培養上清と細胞を遠心分離によって分離し、回収した培養上清中のサイトカインをELISA法で検出し、細胞はフローサイトメトリーによってIL-33受容体の発現レベルの測定に用いた。
IL-33受容体の発現レベルの測定では、以下に示す手順で、フローサイトメトリーによる解析を行った。回収した細胞をリン酸緩衝生理食塩水pH7.2で洗浄し、フィコエスリンラット抗マウスIL-33受容体α抗体(Clone:DIH4、BioLegend、CodeNo.146608)の30倍希釈液を加え、細胞を染色した。染色後、1%FCS含有リン酸緩衝生理食塩水pH7.2で細胞を洗浄した。調製した細胞は、フローサイトメーターセルアナライザーGalios(ベックマン・コールター)を用いてIL-33受容体α陽性細胞数を解析した。IL-33受容体α陽性細胞数の割合から以下の式にて阻害率(%)を求めた。
阻害率(%)=(1-T/N)×100
ここで、T:供試化合物処理群のIL-33受容体α陽性細胞数の割合、N:陰性対照群のIL-33受容体α陽性細胞数の割合を表す。
(4)(i)サイトカインIL-5の検出を、以下に示すELISA法にて行った。まず、1次抗体として、ラット抗マウスIL-5抗体(Clone:TRFK4、BioLegend、CodeNo.504302)を0.1M炭酸水溶液にて1μg/mLに希釈し、50μL/穴ずつ96ウェルプレート(Thermo Scientific、CodeNo.442404)にまき、一晩(16~24時間)4℃にてコートした。0.05%Tween20を含むPBS(洗浄用バッファー)を用いて、プレートを3回洗浄し、3%FCS含有リン酸緩衝生理食塩水pH7.2(ブロッキングバッファー)にて室温で2時間ブロッキングした(300μL/穴)。プレートを洗浄用バッファーで3回洗浄し、培養上清希釈液を50μL/穴ずつまき、4℃にて一晩(16~24時間)インキュベートした。検量線作成のため、リコンビナントマウスIL-5(BioLegend、CodeNo.576709)を使用した。プレートを洗浄用バッファーで5回洗浄し、二次抗体としてビオチン標識ラット抗マウスIL-5抗体(Clone:TRFK4、BioLegend、CodeNo.504401)をブロッキングバッファーにて1μg/mLに希釈したものを加え(50μL/穴)、室温にて45分間インキュベートした。プレートを洗浄バッファーで5回洗浄後、ストレプトアビジン標識ペルオキシダーゼ(Thermo Scientific、CodeNo.N100をブロッキングバッファーにて4000倍希釈したものを加え(50μL/穴)、室温、30分間反応した。プレートを洗浄バッファーで7回洗浄し、TMB基質溶液(バイオ・ラッド、CodeNo.1721067)50μL/穴を加えて10~20分間発色させた。1M硫酸溶液を50μL/穴を加えて反応を停止後、マイクロプレートリーダー(バイオ・ラッド、iMark)を用いて(波長450nm)吸光度を測定した。実験は、トリプリケートで行い、サイトカイン産生量の平均値を求め、以下の式にて阻害率(%)を求めた。
阻害率(%)=(1-T/N)×100
ここで、T:供試化合物処理群の平均値、N:陰性対照群の平均値を表す。
(ii)サイトカインIL-13の検出には、マウスIL-13DuoSetELISA(R&D system、CodeNo.DIY413)およびDuoset ELISA Ancillary Reagent Kit2(R&D system、CodeNo.DIY008B)を用いた。検出では、マイクロプレートリーダー(バイオ・ラッド、iMark)を用いて(波長450nm)吸光度を測定した。実験は、トリプリケートで行い、サイトカイン産生量の平均値を求め、以下の式にて阻害率(%)を求めた。
阻害率(%)=(1-T/N)×100
ここで、T:供試化合物処理群の平均値、N:陰性対照群の平均値を表す。
【0192】
上記の試験における各供試化合物の阻害率(%)を表3-1~表3-3に示す。
【0193】
【0194】
【0195】
【0196】
以上の試験結果から、本発明の化合物(I)は、IL-33受容体の発現を効果的に阻害することができ、その結果、IL-33刺激によって誘導されるIL-5の産生、および、IL-13の産生を阻害できることが明らかとなった。
【0197】
試験例3:IL-33依存的なサイトカイン産生の阻害試験
(1)マウスの脾臓細胞から精製したCD4陽性T細胞を抗マウスTCRβ抗体、IL-2、IL-4、抗マウスCD28抗体および抗マウスIFNγ抗体を処理することによりTh2細胞への分化を誘導した。即ち、リン酸緩衝生理食塩溶液(pH7.2)にて10μg/mLに調製した抗マウスTCRβ抗体(Clone:H57-597)を48穴細胞培養プレートに180μL/穴ずつ分注し、室温で1時間放置した。未反応液を除去し、2%ウシ胎児血清(FCS)含有RPMI液で2回洗浄後、10ng/mLのマウスリコンビナントIL-2(PEPROTECH、CodeNo.212-12、もしくはBioLegend、CodeNo.57240)、3ng/mLのマウスリコンビナントIL-4(PEPROTECH、CodeNo.214-14)、1μg/mLの抗マウスCD28抗体(Clone:37.51、BIOLEGEND、CodeNo.102102)および2.5μg/mLの抗マウスIFNγ抗体(Clone:XMG1.2、BioLegend、CodeNo.505802)を含むRPMI1640完全培地を750μL/穴ずつ分注した。続いてこれにC57BL6マウスの脾臓細胞から精製したCD4陽性T細胞3×106個/mLの細胞懸濁液を250μL/穴ずつ分注した。
(2)インキュベーター内(37℃、5%炭酸ガス)にて培養42~48時間後、次に示す継代作業を行った。細胞を別の48穴細胞培養プレートに300μL/穴ずつ分注し、10ng/mLのマウスリコンビナントIL-2および3ng/mLのマウスリコンビナントIL-4を含むRPMI1640完全培地を700μL/穴ずつ分注した。続いて、供試化合物希釈液(濃度10μM,100μM)またはDMSOを1μL/穴ずつ分注しインキュベーター内(37℃、5%炭酸ガス)にて24時間培養し、次に示す継代作業を行った細胞を別の48穴細胞培養プレートに500μL/穴ずつ分注し、10ng/mLのマウスリコンビナントIL-2および3ng/mLのマウスリコンビナントIL-4を含むRPMI1640完全培地を500μL/穴ずつ分注した。続いて、供試化合物希釈液(濃度10μM,100μM)またはDMSOを1μL/穴ずつ分注しインキュベーター内(37℃、5%炭酸ガス)にて24時間培養した。この継代作業をもう一度繰り返した。
(3)Th2細胞分化誘導系で培養した細胞に対して、IL-33依存的なサイトカイン産生試験を実施した。即ち、RPMI1640完全培地で細胞を洗浄し、48穴プレートにRPMI1640完全培地で懸濁した細胞4.5×105個/mLの細胞懸濁液を1mL/穴ずつ分注し、インキュベーター内(37℃、5%炭酸ガス)にて12時間培養した。続いて、1mg/mLのマウスリコンビナントIL-7(PEPROTECH、CodeNo.217-17)を10μL/穴ずつ分注し、インキュベーター内(37℃、5%炭酸ガス)にて24時間培養した。続いて、培養した細胞をRPMI1640完全培地で細胞を洗浄し、96穴プレートにRPMI1640完全培地で懸濁した細胞4.5×105個/mLの細胞懸濁液を300μL/穴ずつ分注し、続いて、供試化合物希釈液(濃度3uM,DMSO濃度3%)を10μL/穴ずつ分注し、インキュベーター内(37℃、5%炭酸ガス)にて1時間培養した。陰性対照群では、試供化合物希釈液の代わりに3%DMSOを10μL/穴分注した。続いて、1mg/mLのマウスリコンビナントIL-33(BioLegend、CodeNo.580506)を3μL/穴ずつ分注し、インキュベーター内(37℃、5%炭酸ガス)にて24時間培養した。培養後、回収した培養上清中のサイトカインをELISA法で検出した。
(i)サイトカインとしてIL-5の検出を、以下に示すELISA法にて行った。まず、1次抗体として、ラット抗マウスIL-5抗体(Clone:TRFK4、BioLegend、CodeNo.504302)を0.1M炭酸水溶液にて1μg/mLに希釈し、50μL/穴ずつ96ウェルプレート(Thermo Scientific、CodeNo.442404)にまき、一晩(16~24時間)4℃にてコートした。0.05%Tween20を含むPBS(洗浄用バッファー)を用いて、プレートを3回洗浄し、3%FCS含有リン酸緩衝生理食塩水pH7.2(ブロッキングバッファー)にて室温で2時間ブロッキングした(300μL/穴)。プレートを洗浄用バッファーで3回洗浄し、培養上清希釈液を50μL/穴ずつまき、4℃にて一晩(16~24時間)インキュベートした。検量線作成のため、リコンビナントマウスIL-5(BioLegend、CodeNo.576709)を使用した。プレートを洗浄用バッファーで5回洗浄し、二次抗体としてビオチン標識ラット抗マウスIL-5抗体(Clone:TRFK4、BioLegend、CodeNo.504401)をブロッキングバッファーにて1μg/mLに希釈したものを加え(50μL/穴)、室温にて45分間インキュベートした。プレートを洗浄バッファーで5回洗浄後、ストレプトアビジン標識ペルオキシダーゼ(Thermo Scientific、CodeNo.N100をブロッキングバッファーにて4000倍希釈したものを加え(50μL/穴)、室温、30分間反応した。プレートを洗浄バッファーで7回洗浄し、TMB基質溶液(バイオ・ラッド、CodeNo.1721067)50μL/穴を加えて10~20分間発色させた。1M硫酸溶液を50μL/穴を加えて反応を停止後、マイクロプレートリーダー(バイオ・ラッド、iMark)を用いて(波長450nm)吸光度を測定した。実験は、トリプリケートで行い、サイトカイン産生量の平均値を求め、以下の式にて阻害率(%)を求めた。
阻害率(%)=(1-T/N)×100
ここで、T:供試化合物処理群の平均値、N:陰性対照群の平均値を表す。
(ii)サイトカインIL-13の検出には、マウスIL-13DuoSetELISA(R&D system、CodeNo.DIY413)およびDuoset ELISA Ancillary Reagent Kit2(R&D system、CodeNo.DIY008B)を用いた。検出では、マイクロプレートリーダー(バイオ・ラッド、iMark)を用いて(波長450nm)吸光度を測定した。実験は、トリプリケートで行い、サイトカイン産生量の平均値を求め、以下の式にて阻害率(%)を求めた。
阻害率(%)=(1-T/N)×100
ここで、T:供試化合物処理群の平均値、N:陰性対照群の平均値を表す。
【0198】
上記の試験における各供試化合物の阻害率(%)を表4に示す。
【0199】
【0200】
以上の試験結果から、本発明の化合物(I)は、IL-33受容体の発現したTh2細胞に対しても、IL-33受容体の発現を効果的に阻害することができ、その結果、IL-33依存的なIL-5の産生、および、IL-13の産生を阻害できることが明らかとなった。
【0201】
以下に実施例1の化合物を含有する製剤例を示して、本発明化合物の製剤について説明する。ただし、本発明化合物の製剤の形態は、これらに限定されるものではない。
【0202】
製剤例1(カプセルの製造)
1)実施例1の化合物 30 mg
2)微粉末セルロース 10 mg
3)乳糖 19 mg
4)ステアリン酸マグネシウム 1 mg
計 60 mg
1)、2)、3)および4)を混合して、ゼラチンカプセルに充填する。
【0203】
製剤例2(錠剤の製造)
1)実施例1の化合物 30 g
2)乳糖 50 g
3)トウモロコシデンプン 15 g
4)カルボキシメチルセルロースカルシウム 44 g
5)ステアリン酸マグネシウム 1 g
1000錠 計 140 g
1)、2)、3)の全量および30gの4)を水で練合し、真空乾燥後、整粒を行う。この整粒末に14gの4)および1gの5)を混合し、打錠機により打錠する。このようにして、1錠あたり実施例えば1の化合物30mgを含有する錠剤1000錠を得る。
本発明は、その一つの実施の形態として、免疫機能の異常を伴う疾患の予防および/または治療剤として有用な環式有機化合物を提供するものであり、例えば、医薬の分野において有用である。