(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025056774
(43)【公開日】2025-04-08
(54)【発明の名称】人材マッチング装置及び人材マッチングシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1053 20230101AFI20250331BHJP
【FI】
G06Q10/1053
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024165946
(22)【出願日】2024-09-25
(31)【優先権主張番号】P 2023163631
(32)【優先日】2023-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】307021210
【氏名又は名称】HRソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】武井 繁
(72)【発明者】
【氏名】大藪 貴之
【テーマコード(参考)】
5L010
【Fターム(参考)】
5L010AA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】労働者を採用する際のプロセスを可視化して選考を効率化する人材マッチング装置及びシステムを提供する。
【解決手段】人材マッチング装置の制御部は、労働者、雇用者及び/又は管理者が使用する端末に表示される表示データを生成する表示データ生成手段と、生成した表示データを変更する表示データ制御手段と、労働者が就労可能な日時を含む就労条件情報を取得する就労条件取得手段と、労働者に対するオファー情報を生成するオファー生成手段と、労働者に対してオファー情報を送信する通知手段と、オファー情報に対して、労働者から入力されたオファー選択情報を取得する選択情報取得手段と、労働者の就労確定情報を取得する確定情報取得手段と、を有し、表示データ生成手段は、就労条件情報を端末に表示する表示データを生成し、表示データ制御手段は、オファーに対する労働者の選択情報と、就労確定情報と、を識別できるように表示データを変更する。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
労働者、雇用者及び/又は管理者が使用する端末に表示される表示データを生成する表示データ生成手段と、
前記表示データ生成手段が生成した表示データを変更する表示データ制御手段と、
労働者が就労可能な日時を含む就労条件情報を取得する就労条件取得手段と、
労働者に対するオファー情報を生成するオファー生成手段と、
労働者に対して前記オファー情報を送信する通知手段と、
前記オファー情報に対して、労働者から入力されたオファー選択情報を取得する選択情報取得手段と、
労働者の就労確定情報を取得する確定情報取得手段と、
を有し、
前記表示データ生成手段は、前記就労条件情報を端末に表示する表示データを生成し、
前記表示データ制御手段は、前記オファーに対する前記労働者の選択情報と、前記就労確定情報と、を識別できるように前記表示データを変更する、
人材マッチング装置。
【請求項2】
労働者、雇用者及び/又は管理者が使用する端末に表示される表示データを生成する表示データ生成手段と、
前記表示データ生成手段が生成した表示データを変更する表示データ制御手段と、
労働者に対するオファー情報を生成するオファー生成手段と、
労働者に対して前記オファー情報を送信する通知手段と、
前記オファー情報に対して、労働者から入力されたオファー選択情報を取得する選択情報取得手段と、
労働者の就労確定情報を取得する確定情報取得手段と、
雇用者が選択した労働者の就労可能日時に基づいて、シフトスケジュール情報を調整するシフトスケジュール調整手段と、
を有し、
前記表示データ生成手段は、前記シフトスケジュール情報を端末に表示する表示データを生成し、
前記表示データ制御手段は、前記オファーに対する前記労働者の選択情報と、前記就労確定情報と、を識別できるように、前記表示データを変更する、
人材マッチング装置。
【請求項3】
労働者、雇用者及び/又は管理者が使用する端末に表示される表示データを生成する表示データ生成手段と、
前記表示データ生成手段が生成した表示データを変更する表示データ制御手段と、
労働者が就労可能な日時を含む就労条件情報を取得する就労条件取得手段と、
労働者に対するオファー情報を生成するオファー生成手段と、
労働者に対して前記オファー情報を送信する通知手段と、
前記オファー情報に対して、労働者から入力されたオファー選択情報を取得する選択情報取得手段と、
労働者の就労確定情報を取得する確定情報取得手段と、
雇用者が選択した労働者の就労可能日時に基づいて、シフトスケジュール情報を調整するシフトスケジュール調整手段と、
を有し、
前記表示データ生成手段は、前記就労条件情報及び前記シフトスケジュール情報を端末に表示するための表示データを生成し、
前記表示データ制御手段は、前記オファーに対する前記労働者の選択情報と、前記就労確定情報と、を識別できるように、前記表示データを変更する、
人材マッチング装置。
【請求項4】
前記雇用者の雇用条件情報を取得する雇用条件取得手段と、
前記就労条件情報と前記雇用条件情報の合致度を判定する判定手段と、
前記通知手段は、前記判定手段による判定結果に基づき、前記労働者にオファー情報を送信する、請求項1~3のいずれかに記載の人材マッチング装置。
【請求項5】
前記通知手段は、他の雇用者のオファーを受諾している労働者のオファーに係る日時に対し、新たなオファー情報を送信し、
前記表示データ生成手段は、前記新たなオファーが送信されたことが識別可能なシフトスケジュール情報の表示データを生成する、請求項1~3のいずれかに記載の人材マッチング装置。
【請求項6】
雇用者端末、労働者端末、管理者端末及び請求項1~3のいずれかに記載の人材マッチング装置を含む、人材マッチングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人材マッチング装置及び人材マッチングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、労働者と雇用者との間で就労時間をマッチングさせるシステムにより、雇用者による労働者の管理負担を軽減させるなどの管理業務を改善する試みがなされてきた。
【0003】
特許文献1には、労働者と雇用者との間で就労時間をマッチングする就労時間マッチングシステムが開示されている。当該システムでは、労働者は可能職種、希望条件、就労可能時間を登録し、雇用者は職務、時給、就労希望時間、分割可能な時間単位を登録する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば飲食店等では、採用希望者に対する採用面接を行った後に就労が確定する。しかし特許文献1に記載されたシステムでは、労働者又は雇用者の一方の申込みに対して、他方が受託した場合に初めて就労が確定するものであり、採用希望者が採用面接を受諾しただけでは、システム上は労働者の就労可能時間に反映されない。そのため、既に他社の採用プロセスが行われている労働者に対して就労オファー(以下、本明細書において「オファー」という)を送信してしまうという非効率的な情況が生じていた。また、店舗や工場などの所定の事業単位において、日時及び/又は業務に労働者を割り当てたシフトスケジュールも、労働者の採用プロセスの状況を反映しておらず、シフトスケジュールへの労働者の割当てを適切に行うことができなかった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、雇用者が特定の労働者を採用しようとする際に、当該労働者の採用プロセスの経過を確認することを可能とすることにより、労働者の選考をより効率的に行うことが可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、
労働者、雇用者及び/又は管理者が使用する端末に表示される表示データを生成する表示データ生成手段と、
表示データ生成手段が生成した表示データを変更する表示データ制御手段と、
労働者が就労可能な日時を含む就労条件情報を取得する就労条件取得手段と、
労働者に対するオファー情報を生成するオファー生成手段と、
労働者に対してオファー情報を送信する通知手段と、
オファー情報に対して、労働者から入力されたオファー選択情報を取得する選択情報取得手段と、
労働者の就労確定情報を取得する確定情報取得手段と、
を有し、
表示データ生成手段は、就労条件情報を端末に表示する表示データを生成し、
表示データ制御手段は、オファーに対する労働者の選択情報と、就労確定情報と、を識別できるように、表示データを変更する、
人材マッチング装置、が提供される。
本発明によれば、雇用者は特定の労働者を採用しようとする際に、当該労働者の採用プロセスの経過を確認することが可能となり、労働者の選考をより効率的に行うことが可能となる。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、
労働者、雇用者及び/又は管理者が使用する端末に表示される表示データを生成する表示データ生成手段と、
前記表示データ生成手段が生成した表示データを変更する表示データ制御手段と、
労働者に対するオファー情報を生成するオファー生成手段と、
労働者に対してオファー情報を送信する通知手段と、
オファー情報に対して、労働者から入力されたオファー選択情報を取得する選択情報取得手段と、
労働者の就労確定情報を取得する確定情報取得手段と、
雇用者が選択した労働者の就労可能日時に基づいて、シフトスケジュール情報を調整するシフトスケジュール調整手段と、
を有し、
表示データ生成手段は、前記シフトスケジュール情報を端末に表示する表示データを生成し、
表示データ制御手段は、オファーに対する労働者の選択情報と、就労確定情報と、を識別できるように、表示データを変更する、人材マッチング装置が提供される。
本発明によれば、労働者の就労条件を考慮したシフトスケジュール上で、当該労働者の採用プロセスの経過を確認することが可能となり、労働者の選考をより効率的に行うことが可能となる。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、
労働者、雇用者及び/又は管理者が使用する端末に表示される表示データを生成する表示データ生成手段と、
表示データ生成手段が生成した表示データを変更する表示データ制御手段と、
労働者が就労可能な日時を含む就労条件情報を取得する就労条件取得手段と、
労働者に対するオファー情報を生成するオファー生成手段と、
労働者に対してオファー情報を送信する通知手段と、
オファー情報に対して、労働者から入力されたオファー選択情報を取得する選択情報取得手段と、
労働者の就労確定情報を取得する確定情報取得手段と、
雇用者が選択した労働者の就労可能日時に基づいて、シフトスケジュール情報を調整するシフトスケジュール調整手段と、
を有し、
表示データ生成手段は、就労条件情報を及びシフトスケジュール情報を端末に表示するための表示データを生成し、
表示データ制御手段は、オファーに対する労働者の選択情報と、就労確定情報と、を識別できるように、表示データを変更する、
人材マッチング装置、が提供される。
本発明によれば、労働者の就労条件を考慮したシフトスケジュール上で、当該労働者の採用プロセスの経過を確認することが可能となり、労働者の選考をより効率的に行うことが可能となる。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、
雇用者の雇用条件情報を取得する雇用条件取得手段と、
就労条件情報と雇用条件情報の合致度を判定する判定手段と、
通知手段は、判定手段による判定結果に基づき、労働者にオファー情報を送信する、人材マッチング装置、が提供される。
本発明によれば、判定装置が雇用条件に合致する労働者に対し自動でオファー情報を送信するため、雇用者の負担を軽減することができる。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、
通知手段は、他の雇用者のオファーを受諾している労働者のオファーに係る日時に対し、新たなオファー情報を送信し、
表示データ生成手段は、新たなオファーが送信されたことが識別可能なシフトスケジュール情報の表示データを生成する、人材マッチング装置、が提供される。
本発明によれば、1人の労働者に対するオファーの順番を整理することができ、労働者にとって効率的にオファー受諾可否の選択を行うことができる。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、
雇用者端末、労働者端末、管理者端末及び人材マッチング装置を含む、人材マッチングシステム、が提供される。
本発明によれば、労働者、雇用者、管理者がネットワーク接続された環境で情報の授受が可能となり、雇用者による労働者選考をより効率的に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の人材マッチングシステムによれば、労働者の就労条件に関する表示を、労働者に対してオファーが送信された段階、労働者が雇用者のオファーを受諾した段階、労働者の就労が確定した段階など、その応募状況が識別できるように表示することにより、雇用者が、オファー情報を送信したい労働者について、採用途中にある希望シフト及び就労が確定した希望シフトを識別することが可能になるため、効率的なオファー情報を提供することができる。また、シフトスケジュールに関する表示においても、採用途中にあるシフト及び就労が確定したシフトの識別が可能となるため、雇用者は、シフトスケジュールを効率よく調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の人材マッチング装置におけるシステム構成の一実施形態を示す図である。
【
図2A】本発明の人材マッチング装置におけるシステム構成の一実施形態を示す図である。
【
図2B】本発明の人材マッチング装置における記憶部のDB構成の一実施形態を示す図である。
【
図3A】本発明の人材マッチング装置における記憶部に含まれるマスタデータの一実施形態を示す図である。
【
図3B】本発明の人材マッチング装置における記憶部に含まれるマスタデータの一実施形態を示す図である。
【
図3C】本発明の人材マッチング装置における記憶部に含まれるマスタデータの一実施形態を示す図である。
【
図3D】本発明の人材マッチング装置における記憶部に含まれるマスタデータの一実施形態を示す図である。
【
図3E】本発明の人材マッチング装置における記憶部に含まれるマスタデータの一実施形態を示す図である。
【
図3F】本発明の人材マッチング装置における記憶部に含まれるデータの一実施形態を示す図である。
【
図3G】本発明の人材マッチング装置における記憶部に含まれるデータの一実施形態を示す図である。
【
図4A】本発明の人材マッチング装置における制御部の構成を表す図である。
【
図4B】本発明の人材マッチング装置における制御部の構成を表す図である。
【
図4C】本発明の人材マッチング装置における制御部の構成を表す図である。
【
図4D】本発明の人材マッチング装置における制御部の構成を表す図である。
【
図5A】本発明の人材マッチング装置における制御部の処理を表す図である。
【
図5B】本発明の人材マッチング装置における制御部の処理を表す図である。
【
図5C】本発明の人材マッチング装置における制御部の処理を表す図である。
【
図5D】本発明の人材マッチング装置における制御部の処理を表す図である。
【
図5E】本発明の人材マッチング装置における制御部の処理を表す図である。
【
図5F】本発明の人材マッチング装置における制御部の処理を表す図である。
【
図6A】本発明の人材マッチング装置におけるユーザ端末の表示画面の例を表す図である。
【
図6B】本発明の人材マッチング装置におけるユーザ端末の表示画面の例を表す図である。
【
図6C】本発明の人材マッチング装置におけるユーザ端末の表示画面の例を表す図である。
【
図6D】本発明の人材マッチング装置におけるユーザ端末の表示画面の例を表す図である。
【
図6E】本発明の人材マッチング装置におけるユーザ端末の表示画面の例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に示す実施形態は一例であり、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されない。
【0016】
本発明の実施形態について説明する。
本明細書中において、「労働者」とは、本発明の人材マッチングシステム(以下、本明細書中において「本マッチングシステム」という)を利用し、就労するために雇用者からオファーを受ける者をいう。
本明細書中において、「雇用者」とは、本マッチングシステムを利用し、労働者を雇用する事業者をいう。なお、労働者と雇用者をまとめてユーザということがある。
本明細書中において、「管理者」とは、本マッチングシステムの管理を行う者をいう。
【0017】
[1.人材マッチングシステムの全体構成]
図1は、本マッチングシステムの概略を示す。
【0018】
本マッチングシステムの一実施形態は、人材マッチング装置10と、雇用者端末14と、労働者端末12と、管理者端末16とを含み、それぞれネットワークNWを介して或いは有線又は無線による通信手段により相互にデータ送受信可能に接続される。ネットワークNWは、その形態は特に限定されず、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、LAN(Local Area Network)、インターネット等を採用することができる。
【0019】
人材マッチング装置10は、管理者により運用され本マッチングシステムにおいて利用される機能の一部又は全部を有するサーバ(以下、本明細書中において「管理サーバ11」という)を有する。本明細書では、管理サーバ11は、人材マッチング装置10の機能の全部を有する場合を前提とし、人材マッチング装置10に代えて、管理サーバ11を用いて記載する。雇用者端末14は、雇用者が管理サーバ11を操作するための情報端末であり、労働者端末12は労働者が管理サーバ11を操作するための情報端末である。また管理者端末16は、管理者が管理サーバ11に接続し管理サーバ11の各機能を実行させ、或いは管理サーバ11内に記憶されているデータの編集を編集するための情報端末である。
なお、人材マッチング装置10は本マッチングシステムにおいて利用される機能の一部として、管理サーバ11以外、例えば外部サーバが有する機能を利用してもよい。
【0020】
本マッチングシステムを利用するために、雇用者は、管理サーバ11内に記憶されたアプリケーションプログラム(以下、本明細書中において「アプリ」という)を起動させ使用することにより、労働者の情報を参照し、採用する労働者を選別し、オファー情報を送信し、日時ごと及び/又は業務ごとに労働者を割り当てたシフトスケジュールを作成することができる。また労働者は、管理サーバ11内のアプリを使用することにより、登録した自己の就労条件に合致したオファーを受けることができ、オファーを受諾することにより就労することができる。
【0021】
[1.1 労働者端末]
労働者端末12は、図示しない入力部、通信部、表示部、制御部及び記憶部を備える。労働者は、労働者端末12を利用して管理サーバ11に接続し、本マッチングシステムを利用することができる。労働者端末12は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータが挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
入力部は、各種入力操作を受け付けるためのデバイスを備える。入力部が有するデバイスには、ボタン、タッチパネル、キーボード、マウス、マイク及びカメラ等が含まれる。
【0023】
通信部は、外部の装置と通信を行うためのインタフェースであり、出店者端末をネットワークに接続するための通信インタフェースを備える。ネットワークの例としては、インターネット、無線LAN、有線LANなどの各種ネットワークが挙げられる。
【0024】
表示部は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの、画像を表示可能な表示デバイスを備える。
【0025】
記憶部は、種々のデータを記憶可能に構成される。記憶部は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリ、SSDなどの半導体メモリを有する。
【0026】
制御部は、CPUと、RAM、ROM、フラッシュメモリ等のメモリと、を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。制御部の各種機能は、CPUが非遷移的実体的記憶媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリが、プログラムを格納した非遷移的実体的記憶媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。なお、制御部を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
制御部は、ネットワークを通じて、管理サーバ11内に記憶されたアプリ及び労働者端末12にダウンロードされたアプリを実行することで、労働者の基本情報や就労希望情報を登録し、また雇用者からのオファーに対する就労条件調整等の処理を行うことができる。
【0027】
[1.2 雇用者端末]
雇用者は、雇用者端末14を利用して管理サーバ11に接続し、労働者の情報を閲覧し、労働者に対し一連のオファー情報を送信し、自己の業務を遂行するためのシフトスケジュールを作成することができる。
【0028】
雇用者端末14は、図示しない入力部、通信部、表示部、制御部及び記憶部を備える。雇用者端末14は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
記憶部、入力部、通信部は、表示部の構成は、上述の労働者端末12における入力部、通信部は、表示部、記憶部と同様である。
【0030】
制御部の構成は、雇用者端末14における制御部と同様である。制御部は、ネットワークを通じて、管理サーバ11内に記憶されたアプリ及び雇用者端末14にダウンロードされたアプリを実行することで、労働者に関する情報の閲覧、オファーの処理及びシフトスケジュール作成等の処理をすることができる。
【0031】
[1.3 管理者端末]
管理者は、管理者端末16を利用して管理サーバ11に接続し、本マッチングシステムを利用することができる。管理者端末16は、管理者が利用する情報機器であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータが挙げられるがこれらに限定されない。管理者端末16の構成は、労働者端末12及び雇用者端末14と同様であり、入力部、通信部、表示部、制御部、及び記憶部を備える。
【0032】
具体的には、管理者端末16は、管理者が人材マッチングシステムを運営する上で必要となる各種処理の操作を行う。例えば、ユーザのアカウント管理、管理サーバ11内の記憶部に含まれるデータベース(以下、本明細書中において「DB」という)に格納された情報の管理などを行う。
【0033】
[1.4 管理サーバ]
図2は、管理サーバ11の構成を表す概略図である。
管理サーバ11は、
図2に示すように、入力部202、通信部204、表示部206、制御部208及び記憶部214を備える。通信部は、外部の装置と通信を行うために、管理サーバ11をネットワークNに接続するための通信インタフェースを備える。入力部202、表示部206は管理者端末16と同様である。
【0034】
管理サーバ11は、管理者によってネットワークNW上に設置される。管理サーバ11は、本マッチングシステムを提供するためのウェブサーバ及びアプリケーションサーバとしての機能を備える。すなわち、管理サーバ11は、管理サーバ11内の記憶部214に記憶されているアプリ、或いは労働者端末12又は雇用者端末14にダウンロードされているアプリからの要求に応答して処理を実行する。そして管理サーバ11は、当該処理の結果に応じた画面データ(例えば、HTMLデータ)及び制御データ等を労働者端末12、雇用者端末14又は管理者端末16に送信する。出店者端末、労働者端末12、雇用者端末14又は管理者端末16では、受信したデータに基づく画面が表示される。
【0035】
[1.4.1 記憶部]
記憶部214は、種々のデータを記憶可能に構成される。記憶部214は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリ、SSDなどの半導体メモリを有する。また、記憶部214には、人材マッチングシステムの機能を実現するためのアプリ、アプリからの要求に応答して各種の処理を実行するための他のプログラムや、労働者端末12、雇用者端末14、管理者端末16に送信する各種の画面データや制御データが記憶されている。また、記憶部214には、本マッチングシステムを利用するユーザの登録情報、オファーに関するやり取りの情報、雇用者のシフトスケジュールに関する情報からなるDBを含む。
【0036】
図2Bに記憶部214に含まれるDBを示す。記憶部214はユーザ情報DB2141、オファー情報DB2142、シフト情報DB2143を含む。
【0037】
ユーザ情報DB2141は、雇用者基本情報、雇用条件情報、労働者基本情報及び就労条件情報を含み、それらはマスタデータとして記憶される。
雇用者基本情報のマスタデータの例を
図3Aに示す。
図3Aに例示された雇用者基本情報は、雇用者ID、社名、支店名、連絡先(電話番号、メールアドレス)、所在地、営業時間など事業者の基本情報を含む。
図3Aに示されるマスタデータにおける雇用者IDは、雇用者が本マッチングシステムに新規に登録した際に付与されるIDであり、雇用者の識別情報となる。雇用者IDには英数字及び符号の組み合わせ、会社名、電話番号、Eメールアドレスなどが使用できる。
雇用者基本情報は、雇用者が本マッチングシステムを使用する際に雇用者端末14より入力される情報であり、制御部208が記憶部214内のユーザ情報DB2141に記憶される。
【0038】
雇用条件情報は、求人情報とも呼ばれる情報であり、求人ID、対象シフト、職種、資格経験、年齢・性別、給与などの情報であって、その他条件(服装など)を含む情報であって、それらはマスタデータとして記憶される。
図3Bに雇用条件情報のマスタデータの一例を示す。マスタデータにおける求人IDは、雇用者が雇用条件情報の登録を行った際に、雇用条件情報ごとに付与されるIDである。
図3Bにおける、上記雇用条件情報の項目は例示であり特に制限されるものではなく、例えば資格、経験、年齢、性別などは任意の登録要件としてもよい。
雇用条件情報は、雇用者が雇用条件情報を登録する際に雇用者端末14より入力され、制御部208が記憶部214のユーザ情報DB2141に記憶する。
【0039】
図3Cに例示される労働者基本情報は、労働者ID、性別、年齢、職務経験、就労実績、資格などの労働者の属性に関する情報であって、雇用者がオファー情報を送信する労働者を決定するために必要とする情報であり、それらはマスタデータとして記憶される。労働者基本情報のマスタデータの例を
図3Cに示す。
図3Cに例示されたマスタデータにおける労働者IDは、労働者が本マッチングシステムに新規に登録した際に付与されるIDであり、労働者の識別情報となる。労働者IDは英数字及び符号の組み合わせでもよく、会員番号、携帯電話番号、マイナンバー等を使用してもよい。
労働者基本情報は、労働者が本マッチングシステムを使用する際に労働者端末12より入力され、制御部208が記憶部214のユーザ情報DB2141に記憶する。
【0040】
就労条件情報は、労働者の就労希望日時を含む希望シフト及び希望する時給等を含み、それらは労働者IDと関連付けてマスタデータとして記憶部214に記憶される。就労条件情報のマスタデータの例を
図3Dに示す。
図3Dに例示されるマスタデータでは、希望シフトにおける単位時間ごとに応募状況が設定されている。
図3Dの例では労働者は月曜日、水曜日、金曜日及び土曜日の9時~18時での就労を希望しており、
図3Dの例では、雇用者からのオファーに関する応募状況が「オファー可能」となっている。また、就労可能な曜日における希望給与が記載されている。
【0041】
図3Dに例示されるマスタデータは1週間単位で1時間ごとに就労可否を入力する仕様となっているが、この仕様に限定されない。例えば1か月のカレンダーから所定の日付ごとに就労可能時間及び希望給与を入力する仕様でもよく、また就労可能日時及び希望給与以外にも、選考方法、面接希望日時、面接希望方法などの項目を含んでよい。
【0042】
労働者の就労条件情報は、労働者が雇用者からのオファーを希望する場合に、労働者端末12より予め設定されたフォーマットの入力画面より入力し、制御部208が記憶部214のユーザ情報DB2141に記憶する。なお、就労条件は労働者が適宜変更できる仕様となっている。
【0043】
オファー情報DB2142は、雇用者から労働者に対して行われるオファーごとに、オファーID、雇用者ID、求人ID、労働者ID、オファー対象シフト、オファーの応募状況などの基本情報を関連付けた情報(以下、本明細書中において「オファー情報」という)を、一覧形式のマスタデータとして記憶する。マスタデータにおけるオファーIDは、後述するオファー生成手段320がオファー情報を生成するごとに付与されるIDである。
図3Eにオファー情報DB2142に記憶されるマスタデータの一例を示す。
【0044】
図3E示される例において、オファー情報に関するマスタデータは、労働者の希望シフトに含まれる就労希望日時のうち、雇用者がオファーを行った日時(オファー対象シフト)ごとに作成されている。
図3Eの表中、「オファー送信」は雇用者が労働者に対してオファー情報を送信した段階を示し、「オファー受諾」は労働者が雇用者からのオファーを受諾し面接を受ける意思を表明した段階を示し、「就労確定」は労働者の就労が確定した(雇用者が労働者の採用を決定した)段階を表す。
【0045】
シフト情報DB2143は、店舗や工場などの所定の事業単位において、日時及び/又は業務に労働者を割り当てたシフトスケジュールを記憶するDBである。
【0046】
図3Fは、後述する表示データ生成手段306が生成する希望シフトをユーザ端末に表示させるためのデータ(以下、本明細書中において「希望シフト表示データ」という」表示データの一例を示す。希望シフト表示データは、就労条件情報(
図3D)のマスタデータと、オファー情報(
図3E)のマスタデータとを、労働者IDに基づいて関連付けることによって生成されるデータであり、希望シフト表示データも労働者IDと関連付けられている。表示データ生成手段306は、希望シフト表示データを、一方向に日付又は曜日を割り当て、他方向に時間又は時間帯を割り当てた2次元データとして生成するが、これに限られない。
図3Fで示される例は、労働者A(労働者ID:00001)に関する希望シフト表示データである。労働者Aの希望シフトは月曜日、水曜日、金曜日及び土曜日の9時~18時であり、月曜日、水曜日及び金曜日の9時~12時の勤務であるオファー情報(ID:BB023)を受諾しており、土曜日の9時~18時の勤務であるオファー情報(ID:CC041)の就労が確定している。
希望シフト表示データは、労働者端末12、雇用者端末14、又は管理者端末16に入力された表示要求に応じて生成される。具体的には、後述する表示データ生成手段306は、労働者端末12、雇用者端末14、又は管理者端末16より、希望シフト表示データを表示したい労働者ID及び表示要求を取得すると、当該労働者IDと関連付けられた就労条件情報をユーザ情報DB2141から取得し、取得した就労条件情報から希望シフトを抽出して、対応するオファー情報の「応募状況」段階を判定させることにより、希望シフト表示データを生成する。
【0047】
[1.4.2制御部]
図2Aにおいて、管理サーバ11の制御部208は、CPU210と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等のメモリ212とを有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。制御部208の各種機能は、CPU210が非遷移的実体的記憶媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ212が、プログラムを格納した非遷移的実体的記憶媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。なお、制御部208を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
【0048】
制御部208は、本マッチングシステムにおける各機能を実行するアプリを起動して管理・制御する機能を有する。ここで制御部208は、各々の機能に応じて別個のCPUとメモリが割り当てられ複数のマイクロコンピュータにより構成されてもよく、同一のCPU及びメモリを共有する構成でもよい。
【0049】
図4Aは、制御部208の機能的構成を示すブロック図である。
図4B~Dは、特に「希望シフトの変更」、「面接日時の表示」、「シフトスケジュール表示データの変更」を行う際の制御部208内の各機能の関連を示している。
【0050】
図4Aに示すように、制御部208は、機能的構成として、就労条件取得手段302、雇用条件取得手段304、オファー生成手段320、選択情報取得手段318、確定情報取得手段312、表示データ生成手段306、表示データ制御手段308、面接日時調整手段324、判定手段314、労働者選択手段316、通知手段326、面接日時調整手段324、面接方法調整手段322を有する。
【0051】
就労条件取得手段302は、労働者が労働者端末12を利用して入力した就労条件情報を取得し、取得した情報を、入力した労働者の労働者IDと関連付けた就労条件情報として記憶部214内のユーザ情報DB2141に記憶させる。
【0052】
雇用条件取得手段304は、雇用者が雇用者端末14を利用して入力した雇用条件情報を取得し、入力した雇用者の雇用者IDと関連付けた雇用条件情報として記憶部214内のユーザ情報DB2141に記憶させる。
【0053】
表示データ生成手段306は、記憶部214内の各DBにマスタデータとして記憶された情報を、ユーザ又は管理者の要求に応じて編集し、ユーザ端末及び管理者端末16に表示させるための表示データを生成する。表示データ生成手段306が生成する表示データとしては、ユーザの登録画面、ユーザの基本情報を表示する閲覧画面データ、労働者ごとのシフトスケジュール表示画面データ、店舗や工場等の所定の事業単位ごとのシフトスケジュール表示画面データ、オファーの応募状況一覧画面データ、労働者がオファーの受諾を選択するための選択画面データ、希望シフト表示データが含まれるが、これらに限定されない。
表示データ生成手段306により生成された表示データは、いったん記憶部214内に保存されてもよく、又はユーザの要求に応じ、都度、マスタデータから生成されてもよい。
【0054】
表示データ制御手段308は、表示データ生成手段306により生成された表示データ及び/又は当該表示データを生成するためのマスタデータを、後に生じた事情により変更する。例えばユーザの基本情報に変更があった場合、オファーの応募状況が進行した場合、シフトスケジュールが変更になった場合が該当する。
【0055】
判定手段314は、ユーザ情報DB2141に記憶された労働者基本情報及び就労条件情報と、雇用条件情報とを取得し、両者を比較し、オファー情報を送信する候補となる労働者を抽出する。抽出された労働者情報はオファー情報DB2142のマスタデータに記憶される。また、判定手段314は、後述の確定情報取得手段312が就労確定情報を取得した場合、就労条件情報に含まれる求人定数に達したか否かを判定する。
【0056】
労働者選択手段316は、判定手段314により抽出された労働者の中からオファー情報を送信する候補となる労働者を選択する。労働者選択手段316は、判定手段314により抽出された労働者とは別に、オファー情報を送信する候補となる労働者を選択可能としてもよい。また、オファー情報を送信する労働者は、労働者の希望シフトにおけるシフト枠への応募状況がオファー可能段階とは異なる段階でも選択できる。選択された労働者の労働者IDは、オファー情報DB2142内のマスタデータに記憶される。
【0057】
オファー生成手段320は、労働者選択手段316により抽出された労働者(労働者ID)に対するオファー情報を生成し、オファー情報DB2142に記憶させる。生成されたオファー情報は、オファー情報に含まれる労働者IDに対応する労働者に対して、通知手段326により送信される。送信されるオファー情報は、Eメール、FAX、その他SNS等を利用して送信されてもよく、さらに雇用者端末14に表示させてもよい。また、送信されるオファー情報を、所定のフォーマットに変換したスカウト情報として労働者に送信してもよい。
【0058】
選択情報取得手段318は、労働者がオファーを受諾し採用面接に応募する情報又はオファーを拒否する情報を取得する。以下、本明細書中において、労働者がオファーを受諾し採用面接に応募する情報及びオファーを拒否する情報をまとめて、「オファー選択情報」という。
表示データ制御手段308は、表示データ生成手段306により生成された表示データ及び/又は当該表示データを生成するためのマスタデータを、後に生じた事情により変更する。選択情報取得手段318が取得したオファー選択情報に関していえば、オファー選択情報に基づいて、オファー情報DB2142に記憶されたオファー情報の「応募状況」データと、ユーザ情報DB2141に記憶された就労条件情報の「応募状況」データとを更新する。労働者がオファーを受諾した場合は「応募状況」データを「オファー受諾」データに更新し、労働者がオファーを拒否した場合は「応募状況」データを「オファー可能」データに更新する。
【0059】
面接日時調整手段324は、選択情報を送信した労働者について、面接実施可否の確認、面接の日時の調整を行う。面接日時の調整については後述する。
【0060】
面接方法調整手段322は、日時が調整された面接について、オンライン、対面など面接方法の調整を行う。面接方法の調整については後述する。
【0061】
確定情報取得手段312は、労働者又は雇用者から就労確定情報を取得し、オファー情報DB2142に記憶されたオファー情報の「応募状況」を「就労確定」に更新する。なお「就労確定」とは、雇用者と労働者の就労が確定することであり、就労確定は労働契約書の締結に限らず、面接後に採用の定が労働者に通知された状況を含む。
【0062】
シフトスケジュール調整手段310は、オファー情報を取得し、当該オファー情報に含まれるオファー対象シフトを、シフトスケジュールに割り当てる制御を行う。シフトスケジュール調整手段310が割り当てたシフトスケジュールは、選択情報取得手段318が取得した選択情報及び確定情報取得手段312が取得した就労確定情報に基づき、表示データ制御手段308が、シフト情報DB2143内のシフトスケジュール情報を更新する。
【0063】
通知手段326は、本マッチング装置からユーザへ各種通知のほか、表示画面データの送信を行う。通知される情報としては、雇用者から労働者へのオファー、面接案内、採用通知であり、或いは労働者から雇用者へのオファーの受諾、オファー選択情報の受信、面接の受諾等の連絡が含まれる。
【0064】
[2.処理]
[2.1 全体処理]
本マッチングシステムの処理プロセスは、基本情報登録プロセスと、オファー送信前プロセスと、オファー送信プロセスと、オファー調整プロセスと、面接日程調整プロセスと、シフトスケジュール調整プロセスを含む。
【0065】
基本情報登録プロセスは、本マッチングシステムのユーザである労働者の労働者基本情報及び就労条件情報、雇用者の雇用者基本情報及び雇用条件情報を、ユーザ端末から登録するプロセスである。
【0066】
オファー送信前プロセスは、雇用者が自己の登録した雇用条件情報に合致する労働者を選出し、オファーの準備をするプロセスである。
【0067】
オファー送信プロセス及びオファー調整プロセスは、労働者にオファー情報を送信し、雇用者と労働者との間で就労に関する情報の授受を行うプロセスである。
面接日程調整プロセスは、雇用者と労働者との間の面接日程及び面接方法を調整するプロセスであり、シフトスケジュール調整プロセスは、オファー情報に含まれる応募状況に応じて雇用者のシフトスケジュールを調整するプロセスである。
【0068】
以下、特定の処理につき詳細に説明する。
[2.2 基本情報等の登録]
ユーザの基本情報登録について、詳細に説明する。
図5Aは労働者及び雇用者が、本マッチングシステムで使用する労働者情報及び雇用者情報を入力するプロセス(基本情報登録プロセス)のフローチャートである。
【0069】
労働者は労働者端末12からネットワークを通じて、本マッチングシステムのURLにアクセスする。労働者からのアクセスがあった場合、管理サーバ11内の制御部208(表示データ生成手段306)は、ログインメニューを有するページを生成し、労働者端末12にログインページを表示させる。
【0070】
労働者からログインID及びパスワード等が入力された場合は(S11)、制御部208(表示データ生成手段306)は労働者情報入力ページの表示データを生成し、労働者端末12に表示させる。労働者は労働者情報を入力ページから入力する(S12)。労働者情報が入力された場合、制御部208(就労条件取得手段302)は、労働者情報である労働者基本情報及び就労条件情報のそれぞれを労働者IDと関連付けて記憶部214内のユーザ情報DB2141に記憶する(S13)。同様に雇用者からログインID及びパスワード等が入力された場合は(S11)、制御部208(表示データ生成手段306)は雇用者情報入力ページの表示データを生成し、雇用者端末14に表示させる。雇用者は雇用者情報を入力ページから入力する(S14)。雇用者情報が入力された場合、制御部208(雇用条件取得手段304)は、雇用者情報である雇用者基本情報及び雇用条件情報のそれぞれを雇用者IDと関連付けて記憶部214内のユーザ情報DB2141に記憶する(S15)。
【0071】
[2.3 オファー送信前の処理プロセス]
図5Bは、制御部208のオファー送信前の処理プロセスを示すフローチャートである。
雇用者は、雇用者端末14を利用して人材マッチングシステムにログインし(S21)、求人IDを入力すると(S22)、判定手段314は求人IDに対応する雇用条件情報に合致すると判断する労働者情報を抽出し(S23、S24)、制御部208は労働者情報の一覧画面を雇用者端末14に表示させる(S26)。ここで判定手段314は、就労条件取得手段302が取得した就労条件情報と、雇用条件取得手段304が求人IDに基づいて取得した雇用条件情報とを項目ごとに比較し、所定数以上の項目を満たしている労働者情報を、雇用条件情報に合致していると判断する(S25)。なお雇用者は、判定手段314が就労条件情報と雇用条件情報との合致を判断するにあたり、必ず満たしていることを条件とする優先項目(例えば、就労可能日時)を合致条件として設定することが可能である。
【0072】
雇用者は、判定手段314により自動的に抽出された労働者の全てを、オファー情報を送信する労働者として選択してもよいし、その中の一部の労働者を選択してもよい。また、判定手段314により自動的に抽出された労働者以外の労働者情報を参照し、オファー情報を送信する労働者を個別に選択することもできる。
【0073】
図6Aは、雇用者端末14に表示される労働者情報の一例である。
図6Aの例において、画面上部に労働者情報の一覧を表示させ、雇用者がカーソルを位置させた労働者の労働者IDと関連付けられた希望シフトを画面下部に表示させるレイアウトとなっている。
表示データ生成手段306が生成した表示画面は、ユーザが労働者情報内の所定の労働者を選択することにより、表示データ制御手段308が希望シフト表示データの表示要求を取得し、応募情報が更新された表示データを生成し、雇用者端末に表示される。雇用者端末14に表示させる希望シフト表示データには、就労可能日時(希望シフト)ごとに応募状況61の情報が埋め込まれている。なお、表示画面のレイアウトは特に限定されない。
【0074】
図6Aにおいて、希望シフト表示データに埋め込まれている応募状況61は、オファー可能データ、オファー送信データ、オファー受諾データ、就労確定データが設定されている。雇用者は、表示された応募状況に基づいて、オファー情報を送信する労働者を選択する。
【0075】
雇用者は、オファー情報を送信したい労働者と、当該労働者の希望シフトのうちオファーの対象となるシフトとを、例えば画面をクリックしたり、雇用者端末14の入力部を利用して入力する等によって選択する(S27:YES)。なお、労働者の就労条件情報のうち、雇用者が入力した求人IDに関連付けられた雇用条件情報における対象シフトに合致するものを、オファー送信の対象として労働者選択手段316が自動設定できる仕様としてもよい。
【0076】
労働者選択手段316は、雇用者が選択した労働者の労働者IDと、当該労働者の希望シフトのうちオファーの対象となるシフトスケジュール情報と、求人IDと、を取得する。オファー生成手段320は、オファーごとにオファーIDを付与する(S28)。そしてオファー生成手段320は、オファーIDと、求人IDと、雇用者が選択した労働者IDと、オファーの対象となるシフトスケジュール情報と、応募状況と、を関連付けたオファー情報を記憶部214(オファー情報DB2142)に記憶させる(S29)。
【0077】
労働者選択手段316が、オファー可能段階以外の応募状況、すなわち「オファー送信」、「オファー受諾」、又は「就労確定」のいずれかの希望シフトをオファー対象シフトとして選択した場合、表示データ制御手段308は、選択された希望シフトがオファー送信段階、オファー受諾段階又は就労確定段階であることを表示させる表示データを生成する。
【0078】
雇用者は、例えば雇用者端末14の入力部を利用して入力する等により、オファー情報に労働者の優先順位を入力することができる。雇用者が入力した優先順位を労働者選択手段316が取得した場合は、オファー生成手段320は、当該優先順位に基づいて、オファー情報を送信する。例えば、優先順位1番の労働者にオファー情報を送信し、オファーが拒否された場合には、優先順位2番の労働者に対してオファー情報を送信する。優先順位1番の労働者は一人でもよいし、複数でもよい。
【0079】
表示データ制御手段308は、オファー生成手段320がオファー情報DB2142に記憶させる、新たなオファー情報に含まれる労働者IDを取得し、ユーザ情報DB2141に記憶された就労条件情報のうち、取得した労働者IDに関連付けられる就労条件情報を特定する。表示データ制御手段308は、特定した就労条件情報において、新たなオファー情報に含まれるオファー対象シフトに対応する希望シフトの「応募状況」を、「オファー可能」から「オファー送信」に更新する(S30)。
【0080】
[2.4 オファー調整プロセス]
図5C及び5Dは労働者と雇用者との間のオファー調整プロセスを示すフローチャートである。
労働者は、労働者端末12を利用し、管理サーバ11が提供するアプリケーションを起動してログインする(S31)。なお、本例において労働者端末12は携帯端末の場合について説明し、携帯端末にインストールされているアプリケーションを携帯アプリという。携帯アプリは、起動と同時に管理サーバ11に対して労働者IDを送信し(S32)、労働者IDに関連付けられたオファー情報と、オファー情報に含まれる求人IDに関連付けられた雇用条件情報と、を管理サーバ11の記憶部214(オファー情報DB2142及びユーザ情報DB2141)から取得する(S33)。
【0081】
携帯アプリは、取得したオファー情報及び雇用条件情報を携帯端末の表示画面に表示する(S34)。
図6Bは労働者の携帯端末における表示画面の例であり、
図6Cはオファー情報を送られた労働者がオファーの受諾可否を選択するオファー選択画面の例である。
【0082】
オファー情報及び雇用条件情報を取得した労働者は、携帯端末の表示画面に表示されたオファー情報及び雇用条件情報を検討し、オファーの受諾/拒否を携帯アプリに入力する。具体的には、労働者が表示画面(
図6B)に表示されたオファー情報を選択(クリック)すると(S35:YES)、携帯アプリは、オファー選択画面(
図6C)を表示する(S36)。オファー選択画面には、オファーを受諾する受諾ボタンと、オファーを拒否する拒否ボタンが設定されており、労働者は、表示された受諾ボタン及び拒否ボタンのいずれか一方をクリックする(S37:YES)。携帯アプリは、クリックされた受諾ボタン又は拒否ボタンに対応するオファー選択情報を、少なくともオファーIDと関連付けて管理サーバ11に送信する(S38)。
【0083】
制御部208の選択情報取得手段318がオファー情報を取得すると(S39)、表示データ制御手段308は、取得したオファー選択情報に基づき、オファー情報DB2142に記憶されたオファー情報の「応募状況」を「オファー送信」データから「オファー受諾」データに更新する(S40)。面接日時調整手段324は、労働者がオファーの受諾を選択したオファー選択情報を取得すると、雇用者と労働者の間で面接日程を調整する。
通知手段326は、オファー選択情報を受信すると、オファーIDに基づいて雇用者を特定し、特定した雇用者が利用する雇用者端末14に対してオファー選択情報の受信を通知する(S41)。
【0084】
オファー選択情報の受信が通知された雇用者は、人材マッチングシステムにログインし(S42)、求人IDを入力する(S43)。制御部208の表示データ生成手段306は、求人IDに関連付けられたオファー情報を雇用者端末14に一覧表示する(S44)。
【0085】
図6Dは雇用者端末14に表示されるオファー情報の一覧表示の例である。
雇用者は、一覧表示されたオファー情報の応募状況を確認することによって、最新の応募状況を把握できる。なお人材マッチング装置10は、オファー選択情報の受信を雇用者に通知する際に、オファーの受諾又は拒否を併せて通知してもよい。
【0086】
雇用者は、オファーを受諾した労働者と面接を実施し、その面接結果に基づいて最終的な採用又は不採用を決定する。雇用者は、採用又は不採用のいずれかの採用結果情報を管理サーバ11に入力する。具体的には、表示データ生成手段306は、雇用者がオファーIDを入力すると(S45)、入力されたオファーIDに対して、採用/不採用選択画面(図示せず)を表示させる(S46)。雇用者は、表示された採用/不採用選択画面に対して、採用ボタン及び不採用ボタンのいずれか一方をクリックする(S47:YES)。採用がクリックされた場合、制御部208の確定情報取得手段312は就労確定情報を取得し、不採用がクリックされた場合、制御部208の確定情報取得手段312は就労不可情報を取得する(S48)。
【0087】
制御部208の確定情報取得手段312が確定情報を取得すると(S48)、表示データ制御手段308は、取得した確定情報に基づき、オファーIDに関連付けられた就労条件情報に含まれる「応募状況」データ及びオファー情報に含まれる「応募状況」データを更新する(S49)。
【0088】
判定手段314は、雇用者が採用するという就労確定情報を取得した場合、雇用条件情報に含まれる求人数に達したか否かを判定する。求人数に達したと判定した場合は(S50:YES)、通知手段326は、オファーの受諾を選択したが採用/不採用が選択されていない労働者に対して、応募が終了したことを通知する(S51)。
【0089】
[2.5 面接日程及び面接方法の調整]
図5Eは、労働者及び雇用者との間の面接日時の調整プロセスを示すフローチャートである。以下、上述の各処理プロセスと異なる特徴についてのみ説明する。
【0090】
管理サーバ11は、オファーの受諾を選択した労働者に対して面接日時の調整を行う。具体的には、制御部208の面接日時調整手段324は、選択情報取得手段318がオファー選択情報としてオファーの受諾を取得した場合(S61:YES)、オファーIDと関連付けて記憶部214(オファー情報DB2142)に事前登録される面接日時候補情報(日時ごとに設定された面接予定者数を含む)を取得する(S62)。表示データ生成手段306は、取得した面接日時候補情報として、オファーIDと関連付けて記憶される労働者IDの労働者端末12に面接日時調整画面を表示させる表示データを生成し、通知手段326により送信する(S63)。
【0091】
面接日時候補情報が送信された労働者は、携帯アプリによって携帯端末に面接日時候補情報を表示させ、希望する面接日時をクリックして選択する(S64:YES)。携帯アプリは、労働者が選択した面接日時を、オファーIDと関連付けて管理サーバ11に送信する(S65)。
【0092】
面接日時調整手段324は、労働者が選択した面接日時を取得した場合、オファーIDと関連付けて記憶部214(オファー情報DB2142)に事前登録される面接日時候補情報の該当日時における面接予定者数を1増加させる(S66)。判定手段314は、面接日時候補情報として予め設定された面接予定者数の上限に達したか否かを判定する(S67:YES)。面接予定者数が上限に達した場合には、面接日時調整手段324は、当該日時を面接日時候補情報から除外する(S68)。
【0093】
雇用者が面接日時候補情報を事前に登録していない等の理由により、管理サーバ11の面接日時調整手段324が、オファーIDと関連付けられた面接日時候補情報を記憶部214から取得できない場合には、表示データ生成手段306は、面接希望日時入力画面(例えば、日付及び時間を特定できるカレンダー画面)の表示データを生成し、オファーIDに対応する労働者の携帯端末に通知手段326により送信する。
【0094】
労働者は、表示された面接希望日時入力画面によって希望する面接日時を入力又は選択する。携帯アプリは、労働者が入力した面接希望日時を、オファーIDと関連付けて管理サーバ11に送信する。
面接日時調整手段324は、労働者が入力した面接希望日時を取得し、オファーIDと関連付けて記憶される面接日時候補情報の該当日時における面接予定者数を1増加させる。判定手段314が、面接予定者数の上限に達したと判定した場合には、面接日時調整手段324は、当該日時を面接日時候補情報から除外する。
【0095】
管理サーバ11は、オファーの受諾を選択した労働者に対して面接方法の調整を行う。具体的には、面接方法調整手段322は、選択情報取得手段318がオファー選択情報としてオファーの受諾を取得した場合、オファーIDと関連付けて記憶部214(オファー情報DB2142)に事前登録される面接方法候補情報を取得する。表示データ生成手段306は、取得した面接方法候補情報の表示データを生成し、オファーIDと関連付けて記憶される労働者IDに対応する労働者に通知手段326により送信する。
【0096】
面接方法候補情報が送信された労働者は、携帯アプリによって携帯端末に面接方法候補情報を含む面接方法選択画面を表示させ、面接希望方法をクリックして選択する。携帯アプリは、労働者が選択した面接希望方法を、オファーIDと関連付けて管理サーバ11へ送信する。
面接方法調整手段322は、労働者が選択した面接希望方法を、オファーIDと関連付けて記憶部214(オファー情報DB2142)に記憶する。
面接方法の調整は、面接日時の調整の前に行ってもよいし、面接日時の調整の後に行ってもよいし、面接日時の調整と同時に行ってもよい。また、面接方法候補情報として、対面面接、リモート面接、録画面接を含むことができる。
【0097】
[2.6 シフトスケジュールへの反映]
図5Fは、本マッチンシステムにおけるシフトスケジュール調整プロセスを示すフローチャートである。以下、上述の各処理プロセスと異なる特徴についてのみ説明する。
【0098】
図6Eは、雇用者端末14に表示されるシフトスケジュールの例である。
シフトスケジュール調整手段310及び表示データ制御手段308は、オファー情報に含まれる応募状況を、「オファー可能」データ、「オファー送信」データ、「オファー受諾」データ、及び「就労確定」データのいずれかに更新する(S72、S75、S76、S79、S80)。
記憶部214のシフト情報DB2142は、雇用者ID又は求人IDに関連付けたシフトスケジュール情報を記憶する。表示データ制御手段308は、記憶部214(シフト情報DB2143)に記憶されたシフトスケジュール情報を、オファー情報に含まれる応募状況に応じて更新する。
【0099】
シフトスケジュール調整手段310は、雇用者が、選択した労働者に対してオファー情報を送信すると、当該オファー情報の労働者ID及びオファー対象シフトを取得する(S71)。シフトスケジュール調整手段310は、シフト情報DB2143に記憶されるシフトスケジュールに対して、労働者IDと関連付けてオファー対象シフト及び応募状況を割り当てる(S72)。表示データ生成手段306は、新たなオファー対象シフトが、労働者ID及び応募状況と共に割り当てられて更新されたシフトスケジュールを表示する表示データを生成する。
シフトスケジュール調整手段310が作成したシフトスケジュールのうち、オファー情報の「応募状況」に応じた更新は、表示データ制御手段308が行う。表示データ制御手段308は、選択情報取得手段318が労働者によるオファー選択情報を取得した場合、取得したオファー選択情報に基づいて、シフトスケジュールに割り当てられた「応募状況」を更新する(S73)。具体的には、選択情報取得手段318がオファーを拒否する情報を取得した場合(S74:NO)、シフトスケジュール調整手段310は、割り当てられたオファー対象シフトを削除する(S75)。労働者がオファーを受諾し採用面接に応募する情報を取得した場合(S74:YES)、表示データ制御手段308は、割り当てられたオファー対象シフトの「応募状況」を、「オファー送信」データから「オファー受諾」データに更新する(S76)。
【0100】
表示データ制御手段308は、確定情報取得手段312が、労働者又は雇用者から就労確定情報を取得した場合(S77、S78:YES)、割り当てられたオファー対象シフトの「応募状況」を、「オファー受諾」データから「就労確定」データに更新する(S80)。雇用者が採用しないという就労不可情報を確定情報取得手段312が取得した場合(S78:NO)、シフトスケジュール調整手段310は、割り当てられたオファー対象シフトを削除する(S79)。
【0101】
表示データ生成手段306は、割り当てられたオファー対象シフトにおける「応募状況」、具体的には「オファー送信」、「オファー受諾」及び「就労確定」に応じて、管理サーバ11、雇用者端末14及び労働者端末12に表示させるシフトスケジュールのオファー対象シフトの表示データを視覚的に異ならせることにより、労働者の応募状況及びシフトスケジュールの調整状況を容易に把握できる。表示データを視覚的に異ならせる手段としては、例えば色・模様・文字・図形を異ならせてもよい。就労確定段階勤務シフトを示す表示データは、既に雇用されて勤務している労働者のシフトスケジュールの表示データと同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0102】
[2.7 オファーの自動送信]
図5B及び
図5Cを用いてオファーの自動送信について説明する。以下、上述の各処理プロセスと異なる特徴についてのみ説明する。
判定手段314は、労働者基本情報及び労働者就労条件情報と、雇用条件情報との合致度が、雇用者の設定した自動オファー送信条件を満たすか否かを判定し(S25)、満たす場合(S25:YES)には、雇用者による労働者選択工程を経ずに、オファー生成手段320に対してオファー情報を生成させ、通知手段326により当該労働者に対してオファー情報を自動送信させてもよい。自動オファー送信条件としては、例えば就労条件情報が、雇用条件情報における全ての項目を満たしている場合であるが、これに限らない。オファー情報を自動送信する場合は、労働者の就労条件情報のうち希望シフトが、雇用条件情報の勤務シフトに該当する希望シフトをオファー対象シフトとして自動設定する。
【0103】
オファー生成手段320は、自動オファー送信条件を満たす労働者の労働者IDと、自動設定された対象シフトと、求人IDと、を取得し、オファーごとにオファーIDを付与する(S28)。そして、オファー生成手段320は、オファーIDと、求人IDと、雇用者が選択した労働者IDと、希望シフトのうちオファー情報を送信する対象シフトと、を関連付けたオファー情報を記憶部214のオファー情報DB2142に記憶する(S29)。
表示データ制御手段308は、自動オファー送信条件を満たす労働者の労働者IDに関連付けられた、希望シフト表示データ及びオファー情報に含まれる応募状況を更新する(S30)。
【0104】
労働者は、携帯アプリを携帯端末で起動してログインする(S31)。携帯アプリは、起動と同時に管理サーバ11に対して労働者IDを送信し(S32)、労働者IDに関連付けられたオファー情報と、オファー情報に含まれる求人IDに関連付けられた雇用条件情報(求人情報)と、を記憶部214から取得する(S33)。その後の人材マッチング装置10の動作は、上述の処理プロセスと同様である。
【0105】
[2.8 オファーの順番待ち]
オファーの順番待ち処理プロセスについて説明する。以下、上述の各処理プロセスと異なる特徴についてのみ説明する。
雇用者は、
図6Aの表示画面において、オファー情報を送信したい労働者と、当該労働者の希望シフトのうちオファー情報を送信する対象シフトと、を選択する。
労働者選択手段は、労働者の希望シフトの「応募状況」が「オファー可能」とは異なる「応募状況」、例えば、「オファー送信」や「オファー受諾」の希望シフトを選択可能に設定することができる。
【0106】
雇用者が、労働者の希望シフトのうち、「オファー可能」以外の応募状況の希望シフトを、オファー情報を送信する対象シフトとして選択すると、オファー生成手段320は、オファーごとに付与されたオファーIDと、求人IDと、雇用者が選択した労働者IDと、希望シフトのうちオファー情報を送信するオファー対象シフトと、応募状況と、を関連付けたオファー情報を記憶部214(オファー情報DB2142)に記憶する。
雇用者が選択した希望シフトは、「オファー可能」以外の応募状況にあるため、応募状況は、「順番待ち」と設定される。順番待ちのオファー情報(以下、本明細書中において「順番待ちオファー情報」という)が複数存在する場合には、オファー生成手段320は、オファーを選択した順に応じて優先順位を付与してもよい。
【0107】
図3Gは、
図3Fマスタデータにおいて応募状況の欄に「順番待ち」データを追加した例である。
図3Gにおいて、例えば月曜日及び水曜日の12時~18時の枠には、IDがAA017のオファー情報が送信され、かつIDがCC041のオファー情報の応募状況が「順番待ち」データとなっている。
【0108】
表示データ生成手段306は、就労条件情報のマスタデータと、オファー情報のマスタデータとを、労働者IDに基づいて関連付けることによって希望シフト表示データを生成する。オファー情報が順番待ちオファー情報に該当する場合には、順番待ちオファー情報の存在を表示する希望シフト表示データを生成してもよいし、順番待ちオファー情報を非表示とし、応募状況がオファー可能に戻った場合にのみ、次の優先順位である順番待ちオファー情報を表示させてもよい。
【0109】
雇用者端末14に表示されるオファー一覧画面の例である
図6Dにおいて、例えばIDがBB028のオファー情報は応募状況が「順番待ち(1)」と表示されている。この表示により、IDがBB028のオファー情報については、同じオファー対象シフトに対して既に別の雇用者からのオファー情報が送信されており、その受諾可否が確定した後に、労働者が順番待ちオファー情報の受諾可否の回答がされることが分かる。
【0110】
オファー情報の「応募状況」が「順番待ち」データである場合において、労働者Aは、先にオファー受諾をしたオファー情報よりも、後に送信された順番待ちオファー情報が魅力的であると考えた場合、先のオファー受諾を取消し、後のオファーを受諾できるようにしてもよい。
【0111】
具体的には、労働者が
図6Cに例示されるオファー選択画面に表示されたオファー情報をクリックすると、携帯アプリは、オファー選択画面を表示する。オファー選択画面には、オファーを受諾する受諾ボタンと、オファーを拒否する拒否ボタンと、オファーの選択を取り消す取消ボタンと、が設定されている。労働者が既にオファーの選択を行ったオファー情報であれば、労働者の選択結果に対応した応募状況が表示されている。
【0112】
労働者が、オファー選択画面に表示された取消ボタンをクリックすると、携帯アプリは、以前の選択を取り消すというオファー選択情報を、少なくともオファーIDと関連付けて管理サーバ11に送信する。選択情報取得手段が以前の選択を取り消すというオファー選択情報を取得すると、表示データ制御手段308は、オファーIDに関連付けられた希望シフト表示データ及びオファー情報に含まれる応募状況を「オファー可能」データに更新する。
【0113】
労働者は、取り消したオファー情報に代わり、順番待ちオファー情報に対して、改めてオファーの受諾/拒否を選択することができる。
選択情報取得手段は、以前の選択を取り消すというオファー選択情報を受信すると、オファーIDに基づいて雇用者を特定し、特定した雇用者に対して、以前の選択が取り消されたというオファー選択情報の受信を通知する。
【0114】
面接日時調整手段324は、オファーIDに関連付けられた面接日時候補情報において、オファーIDに関連付けられた面接日時が設定されている場合には、面接日時候補情報の該当日時における面接予定者数を1減少させ、選択以前の状況に戻す。
【0115】
[3. 変形例]
上記実施例においては、雇用者は面接を実施したうえで就労を確定させることとなっているが、面接を行わなくともよい。例えば、雇用者が送信したオファー情報に対し、労働者が受諾する旨の選択をした場合、確定情報手段は当該選択情報の取得を確定情報の取得とみなしてもよい。
【0116】
図6Cに例示されるオファー選択画面において、「取り消し」は応募状況が就労確定である案件についても選択できる仕様であってもよい。就労確定となったオファー情報に対して「取り消し」が選択された旨の選択情報が取得された場合は、表示データ制御手段308は、シフトスケジュール情報から、取り消しが選択れたオファー情報に係るシフトの応募状況を、「就労確定」データから「オファー可能」データに変更する。
【0117】
[4. まとめ]
以上、本発明の人材マッチング装置及び人材マッチングシステムの実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されない。また、上記実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果の列挙に過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されない。
【符号の説明】
【0118】
1:人材マッチングシステム、10:人材マッチング装置、11:管理サーバ、12:労働者端末、14:雇用者端末、16:管理者端末、202:入力部、204:通信部、206:表示部、210:CPU、212:メモリ、214:記憶部、2141:ユーザ情報DB、オファー情報DB:2141:オファー情報DB、2143:シフト情報DB、302:就労条件取得手段、304:雇用条件取得手段、306:表示データ生成手段、308:表示データ制御手段、310:シフトスケジュール調整手段、312:確定情報取得手段、314:判定手段、316:労働者選択手段、318:選択情報取得手段、320:オファー生成手段、322:面接方法調整手段、324:面接日時調整手段、326:通知手段。