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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025056800
(43)【公開日】2025-04-09
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/48 20060101AFI20250402BHJP
【FI】
H01L23/48 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003860
(22)【出願日】2022-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(72)【発明者】
【氏名】中野 昂樹
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 光俊
(57)【要約】
【課題】高耐電圧化を図ることができる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置A10において、半導体素子6と、半導体素子6に導通する導電部材5と、半導体素子6を覆う封止樹脂8とを備えた。導電部材5は、半導体素子6が搭載された搭載部110と、第1端子120および第2端子220とを備える。封止樹脂8は、x方向を向き、かつ、第1端子120が突出する樹脂端面83と、樹脂端面83とは異なる方向を向き、かつ、第2端子220が突出する樹脂第2側面85とを備える。第1端子120は、x方向に延びる。第2端子220は、樹脂第2側面85から突出する第2突出部221と、x方向に延びる第2直行部222と、第2突出部221と第2直行部222とにつながる第2連結部223とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子と、
前記半導体素子に導通する導電部材と、
前記半導体素子を覆う封止樹脂と、
を備え、
前記導電部材は、
前記半導体素子が搭載された搭載部と、第1端子および第2端子とを備え、
前記封止樹脂は、
前記搭載部の厚さ方向に直交する第1方向を向き、かつ、前記第1端子が突出する樹脂第1面と、
前記樹脂第1面とは異なる方向を向き、かつ、前記第2端子が突出する樹脂第2面と、
を備え、
前記第1端子は、前記第1方向に延び、
前記第2端子は、前記樹脂第2面から突出する突出部と、前記第1方向に延びる直行部と、前記突出部と前記直行部とにつながる連結部と、を備える、
半導体装置。
【請求項2】
前記搭載部と前記第1端子とがつながっている、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記搭載部と前記第2端子とがつながっている、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記樹脂第2面は、前記厚さ方向および前記第1方向に直交する第2方向を向く、
請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記樹脂第2面は、前記厚さ方向を向く、
請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記導電部材は、第3端子をさらに備える、
請求項1ないし5のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記封止樹脂は、前記樹脂第2面とは反対側を向く樹脂第3面をさらに備え、
前記第3端子は、前記樹脂第3面から突出する、
請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第3端子は、前記樹脂第1面から突出する、
請求項6に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第3端子は、前記樹脂第2面から突出する、
請求項6に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第3端子は、前記第1方向に延びる第3直行部を備える、
請求項6ないし9のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項11】
前記導電部材は、前記第1方向に延びる部分を有する第4端子をさらに備える、
請求項6ないし10のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項12】
前記搭載部は、前記半導体素子が接合される搭載部主面と、前記厚さ方向において前記搭載部主面とは反対側を向く搭載部裏面と、を備え、
前記搭載部裏面は、前記封止樹脂から露出している、
請求項1ないし11のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項13】
前記搭載部の前記厚さ方向の寸法は、前記第1端子の前記厚さ方向の寸法より大きい、
請求項1ないし12のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項14】
前記半導体素子は、
前記厚さ方向において互いに反対側を向く素子主面および素子裏面と、前記素子裏面に配置された第1電極と、前記素子主面に配置された第2電極と、を備え、
前記第1電極は、前記搭載部に接合されている、
請求項1ないし13のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項15】
前記半導体素子は、前記素子主面に配置された第3電極をさらに備えている、
請求項14に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を備えた半導体装置は、様々な構成が提案されている。特許文献1には、従来の半導体装置の一例が開示されている。同文献に開示された半導体装置は、半導体素子、複数のリード、および封止樹脂を備えている。半導体素子は、第1リードに搭載され、裏面のコレクタ電極が第1リードに導通している。また、半導体素子の主面のエミッタ電極が第3リードに導通している。封止樹脂は、複数のリードの一部ずつと半導体素子とを覆っている。第1リードの第1端子および第3リードの第3端子は、どちらも、封止樹脂の樹脂第1側面から突出する。当該半導体装置の第1端子と第3端子との間に高電圧(たとえば数千V)が印加されると、第1端子と第3端子との間の封止樹脂の表面上で放電が起こり、第1端子と第3端子とが短絡する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-14490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、高耐電圧化を図ることができる半導体装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示によって提供される半導体装置は、半導体素子と、前記半導体素子に導通する導電部材と、前記半導体素子を覆う封止樹脂とを備え、前記導電部材は、前記半導体素子が搭載された搭載部と、第1端子および第2端子とを備え、前記封止樹脂は、前記搭載部の厚さ方向に直交する第1方向を向き、かつ、前記第1端子が突出する樹脂第1面と、前記樹脂第1面とは異なる方向を向き、かつ、前記第2端子が突出する樹脂第2面とを備え、前記第1端子は、前記第1方向に延び、前記第2端子は、前記樹脂第2面から突出する突出部と、前記第1方向に延びる直行部と、前記突出部と前記直行部とにつながる連結部とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示にかかる半導体装置は、高耐電圧化を図ることができる。
【0007】
本開示のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の第1実施形態にかかる半導体装置を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す半導体装置の斜視図であり、封止樹脂を透過した図である。
図3図3は、図1に示す半導体装置の平面図であり、封止樹脂を透過した図である。
図4図4は、図1に示す半導体装置の底面図である。
図5図5は、図1に示す半導体装置の左側面図である。
図6図6は、図3のVI-VI線に沿う断面図である。
図7図7は、図3のVII-VII線に沿う断面図である。
図8図8は、第1実施形態の第1変形例にかかる半導体装置を示す底面図である。
図9図9は、図8に示す半導体装置の断面図である。
図10図10は、第1実施形態の第2変形例にかかる半導体装置を示す断面図である。
図11図11は、第1実施形態の第3変形例にかかる半導体装置を示す断面図である。
図12図12は、第1実施形態の第4変形例にかかる半導体装置を示す断面図である。
図13図13は、第1実施形態の第5変形例にかかる半導体装置を示す平面図であり、封止樹脂を透過した図である。
図14図14は、本開示の第2実施形態にかかる半導体装置を示す平面図であり、封止樹脂を透過した図である。
図15図15は、本開示の第3実施形態にかかる半導体装置を示す平面図であり、封止樹脂を透過した図である。
図16図16は、本開示の第4実施形態にかかる半導体装置を示す平面図であり、封止樹脂を透過した図である。
図17図17は、本開示の第5実施形態にかかる半導体装置を示す平面図であり、封止樹脂を透過した図である。
図18図18は、本開示の第6実施形態にかかる半導体装置を示す斜視図である。
図19図19は、図18に示す半導体装置の平面図であり、封止樹脂を透過した図である。
図20図20は、図18に示す半導体装置の左側面図である。
図21図21は、本開示の第7実施形態にかかる半導体装置を示す斜視図である。
図22図22は、図21に示す半導体装置の平面図であり、封止樹脂を透過した図である。
図23図23は、本開示の第8実施形態にかかる半導体装置を示す斜視図である。
図24図24は、図23に示す半導体装置の断面図である。
図25図25は、本開示の第9実施形態にかかる半導体装置を示す平面図であり、封止樹脂を透過した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0010】
本開示において、「ある物Aがある物Bに形成されている」および「ある物Aがある物B上に形成されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接形成されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに形成されていること」を含む。同様に、「ある物Aがある物Bに配置されている」および「ある物Aがある物B上に配置されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接配置されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに配置されていること」を含む。同様に、「ある物Aがある物B上に位置している」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに接して、ある物Aがある物B上に位置していること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物が介在しつつ、ある物Aがある物B上に位置していること」を含む。また、「ある物Aがある物Bにある方向に見て重なる」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bのすべてに重なること」、および、「ある物Aがある物Bの一部に重なること」を含む。
【0011】
〔第1実施形態〕
図1図7に基づき、本開示の第1実施形態にかかる半導体装置A10について説明する。半導体装置A10は、導電部材5、半導体素子6、ワイヤ71,72、および封止樹脂8を備えている。
【0012】
図1は、半導体装置A10を示す斜視図である。図2は、半導体装置A10の斜視図である。図2においては、理解の便宜上、封止樹脂8を透過している。図3は、半導体装置A10の平面図である。図3においては、理解の便宜上、封止樹脂8を透過して、封止樹脂8の外形を想像線(二点鎖線)で示している。図4は、半導体装置A10の底面図である。図5は、半導体装置A10の左側面図である。図6は、図3のVI-VI線に沿う断面図である。図7は、図3のVII-VII線に沿う断面図である。
【0013】
これらの図に示す半導体装置A10は、様々な機器の回路基板に実装される装置である。なお、半導体装置A10の用途や機能は限定されない。半導体装置A10のパッケージ形式は、SIP(Single Inline Package)である。なお、半導体装置A10のパッケージ形式は、SIPに限定されない。半導体装置A10の封止樹脂8に覆われた部分の厚さ方向視の形状は矩形状である。説明の便宜上、半導体装置A10の厚さ方向(平面視方向)をz方向とし、z方向に直交する半導体装置A10の端子(後述する第1端子120の第1直行部121、第2端子220の第2直行部222、および第3端子320の第3直行部322)の延びる方向(図3および図4における上下方向)をx方向、z方向およびx方向に直交する方向(図3および図4における左右方向)をy方向とする。また、z方向の一方側(図5図7における下側)をz1側とし、他方側(図5図7における上側)をz2側とする。x方向の一方側(図3および図4における下側)をx1側とし、他方側(図3および図4における上側)をx2側とする。y方向の一方側(図3における左側)をy1側とし、他方側(図3における右側)をy2側とする。z方向が本開示の「厚さ方向」に相当し、x方向が本開示の「第1方向」に相当し、y方向が本開示の「第2方向」に相当する。半導体装置A10の各寸法は特に限定されない。
【0014】
導電部材5は、半導体素子6と導通し、半導体装置A10が回路基板に実装されたときに、半導体素子6と回路配線との導通経路を構成する。導電部材5は、たとえば、金属板に打ち抜き加工や折り曲げ加工等を施すことにより形成されている。導電部材5は、金属からなり、好ましくはCuおよびNiのいずれか、またはこれらの合金や42アロイなどからなる。本実施形態においては、導電部材5が、Cuからなる場合を例に説明する。導電部材5の厚さは特に限定されない。導電部材5は、第1リード1、第2リード2、および第3リード3を備えている。
【0015】
第1リード1は、半導体素子6を支持するとともに、半導体素子6と導通している。第1リード1は、搭載部110および第1端子120を備えている。
【0016】
搭載部110は、半導体素子6を搭載する部分であり、z方向視略矩形状である。搭載部110は、搭載部主面111、搭載部裏面112、搭載部端面114、および搭載部貫通孔113を備えている。搭載部主面111および搭載部裏面112は、z方向において互いに反対側を向いている。搭載部主面111は、z方向z2側を向いている。搭載部主面111は、半導体素子6が接合されている。搭載部裏面112は、z方向z1側を向いている。搭載部裏面112は、封止樹脂8から露出して、裏面端子になる。搭載部端面114は、搭載部主面111および搭載部裏面112につながり、x方向x1側を向く面である。搭載部貫通孔113は、搭載部主面111から搭載部裏面112までz方向に平行に貫通する孔である。搭載部貫通孔113は、搭載部110のy方向中央で、かつ、x方向x2側寄り(図3および図4においては上側寄り)に配置され、z方向視円形状である。なお、搭載部貫通孔113の位置および形状は限定されない。
【0017】
第1端子120は、搭載部110につながっており、搭載部110を介して、半導体素子6に導通している。図3に示すように、第1端子120の幅寸法(y方向の寸法)は、搭載部110の幅寸法(y方向の寸法)より小さい。また、図6に示すように、第1端子120の厚さ寸法(z方向の寸法)は、搭載部110の厚さ寸法(z方向の寸法)より小さい。逆に言うと、搭載部110の厚さ寸法は、第1端子120の厚さ寸法より大きい。第1端子120は、本実施形態では、図3に示すように搭載部端面114のy方向中央で、かつ、図6に示すように搭載部端面114のz方向z2側の端部につながっている。なお、第1端子120の位置は限定されない。第1端子120は、x方向に延びており、封止樹脂8からx方向x1側に突出している。
【0018】
第1端子120は、第1直行部121および第1接続部122を備えている。第1直行部121は、x方向に沿って真っすぐ延びる部分であり、封止樹脂8に覆われた部分と封止樹脂8から突出する部分とを含んでいる。第1直行部121は、基端部121aおよび先端部121bを備えている。基端部121aは、第1直行部121のうちx方向x2側に位置する部位であり、封止樹脂8に覆われた部分と封止樹脂8から突出する部分とを含んでいる。先端部121bは、第1直行部121のうちx方向x1側に位置する部位であり、基端部121aにつながっている。先端部121bは、全体が封止樹脂8から露出しており、幅寸法(y方向の寸法)が基端部121aより小さい。
【0019】
第1接続部122は、第1直行部121と搭載部110とを接続する部分であり、第1直行部121および搭載部110につながっている。第1接続部122は、全体が封止樹脂8に覆われており、搭載部110および第1直行部121に対して傾斜する部分を含んでいる。第1直行部121は、搭載部主面111と同じ側を向く面(z方向z2側を向く面)が、搭載部主面111に対して、z方向z2側に位置している。したがって、第1接続部122の傾斜部分は、x方向x1側の方がよりz方向z2側に位置する傾斜になっている。
【0020】
なお、第1リード1の形状は上記したものに限定されない。たとえば、搭載部110は、第1リード1が封止樹脂8からz方向z1側に抜け落ちることを防止するために、z方向視における搭載部裏面112の周囲に、搭載部裏面112から搭載部主面111側に凹んで封止樹脂8に覆われる裏面側凹部が形成されてもよい。
【0021】
第2リード2は、半導体素子6と導通している。第2リード2は、第1リード1から離間して配置されている。第2リード2は、図3に示すように、第1リード1の搭載部110のx方向x1側で、第1端子120のy方向y1側に配置されている。また、第2リード2は、図5および図7に示すように、搭載部110に対して、z方向z2側に配置されている。第2リード2のz方向における位置は、第1リード1の第1端子120の第1直行部121のz方向における位置と同じである。第2リード2は、第2パッド部210および第2端子220を備えている。
【0022】
第2パッド部210は、ワイヤ71がボンディングされる部分であり、z方向視においてy方向に長い略矩形状である。図7に示すように、第2パッド部210は、第2パッド部主面211および第2パッド部裏面212を有する。第2パッド部主面211および第2パッド部裏面212は、z方向において互いに反対側を向いている。第2パッド部主面211は、z方向z2側を向いている。第2パッド部主面211は、ワイヤ71が接合されている。第2パッド部裏面212は、z方向z1側を向いている。第2パッド部210は、全体にわたって封止樹脂8に覆われている。
【0023】
第2端子220は、第2パッド部210につながっており、第2パッド部210およびワイヤ71を介して、半導体素子6に導通している。図7に示すように、第2端子220の厚さ寸法(z方向の寸法)は、第2パッド部210の厚さ寸法(z方向の寸法)と同じであり、第1端子120の厚さ寸法と同じである。第2端子220は、図3に示すように、第2パッド部210のy方向y1側端部のx方向中央部分につながっている。第2端子220は、封止樹脂8からy方向y1側に突出し、屈曲して、x方向x1側に延びている。
【0024】
第2端子220は、第2突出部221、第2直行部222、および第2連結部223を備えている。第2突出部221は、第2パッド部210につながって、y方向y1側に延び、封止樹脂8から突出している。第2突出部221の幅寸法(x方向の寸法)は、第2パッド部210の幅寸法(x方向の寸法)より小さい。第2直行部222は、x方向に沿って真っすぐ延びる部分である。第2直行部222は、全体が封止樹脂8から露出している。第2直行部222の幅寸法(y方向の寸法)は、第1端子120の第1直行部121の先端部121bの幅寸法と同じである。第2直行部222のz方向の位置は、第1端子120の第1直行部121のz方向の位置と同じである。第2連結部223は、第2突出部221および第2直行部222を連結する部分であり、第2突出部221および第2直行部222につながっている。第2連結部223は、全体が封止樹脂8から露出している。第2連結部223は、z方向視においてL字形状であり、第2突出部221のy方向y1側の端部からx方向x1側に延びる部分と、第2直行部222のx方向x2側の端部からy方向y1側に延びる部分とを備えている。本実施形態では、第2連結部223のx方向x1側の端縁は、第1直行部121の基端部121aのx方向x1側の端縁(基端部121aと先端部121bの境界)と、x方向における位置が一致している。なお、第2リード2の形状は上記したものに限定されない。
【0025】
第3リード3は、半導体素子6と導通している。第3リード3は、第1リード1および第2リード2から離間して配置されている。第3リード3は、図3に示すように、第1リード1の搭載部110のx方向x1側で、第1端子120のy方向y2側に配置されている。また、第3リード3は、搭載部110に対して、z方向z2側に配置されている。第3リード3のz方向における位置は、第1リード1の第1端子120の第1直行部121のz方向における位置と同じである。つまり、第1端子120の第1直行部121、第2リード2、および第3リード3は、z方向において同じ位置にある。第3リード3は、第3パッド部310および第3端子320を備えている。
【0026】
第3パッド部310は、ワイヤ72がボンディングされる部分であり、z方向視においてy方向に長い略矩形状である。第3パッド部310は、第3パッド部主面311および第3パッド部裏面312を有する。第3パッド部主面311および第3パッド部裏面312は、z方向において互いに反対側を向いている。第3パッド部主面311は、z方向z2側を向いている。第3パッド部主面311は、ワイヤ72が接合されている。第3パッド部裏面312は、z方向z1側を向いている。第3パッド部310は、全体にわたって封止樹脂8に覆われている。
【0027】
第3端子320は、第3パッド部310につながっており、第3パッド部310およびワイヤ72を介して、半導体素子6に導通している。第3端子320の厚さ寸法(z方向の寸法)は、第3パッド部310の厚さ寸法(z方向の寸法)と同じであり、第1端子120の厚さ寸法と同じである。第3端子320は、図3に示すように、第3パッド部310のy方向y2側端部のx方向中央部分につながっている。第3端子320は、封止樹脂8からy方向y2側に突出し、屈曲して、x方向x1側に延びている。
【0028】
第3端子320は、第3突出部321、第3直行部322、および第3連結部323を備えている。第3突出部321は、第3パッド部310につながって、y方向y2側に延び、封止樹脂8から突出している。第3突出部321の幅寸法(x方向の寸法)は、第3パッド部310の幅寸法(x方向の寸法)より小さい。第3直行部322は、x方向に沿って真っすぐ延びる部分である。第3直行部322は、全体が封止樹脂8から露出している。第3直行部322の幅寸法(y方向の寸法)は、第1端子120の第1直行部121の先端部121bの幅寸法と同じである。第3直行部322のz方向の位置は、第1端子120の第1直行部121のz方向の位置と同じである。つまり、第1端子120の第1直行部121、第2端子220の第2直行部222、および第3端子320の第3直行部322は、z方向において同じ位置にある。第3連結部323は、第3突出部321および第3直行部322を連結する部分であり、第3突出部321および第3直行部322につながっている。第3連結部323は、全体が封止樹脂8から露出している。第3連結部323は、z方向視においてL字形状であり、第3突出部321のy方向y2側の端部からx方向x1側に延びる部分と、第3直行部322のx方向x2側の端部からy方向y2側に延びる部分とを備えている。本実施形態では、第3連結部323のx方向x1側の端縁は、第1直行部121の基端部121aのx方向x1側の端縁(基端部121aと先端部121bの境界)と、x方向における位置が一致している。なお、第3リード3の形状は上記したものに限定されない。
【0029】
第1端子120の第1直行部121の先端部121b、第2端子220の第2直行部222、および第3端子320の第3直行部322は、同様の形状になっており、y方向に等間隔で並び、z方向およびx方向において同じ位置にある。これらの部分は、半導体装置A10が回路基板に搭載される際に、回路基板に形成された孔に挿通される。
【0030】
第1リード1、第2リード2、および第3リード3の封止樹脂8から露出した部分には、たとえばSnを主成分とする合金からなる外層めっき層が形成されてもよい。また、第1リード1の搭載部主面111のうち半導体素子6が接合される領域、第2リード2の第2パッド部主面211のうちワイヤ71が接合される領域、および、第3リード3の第3パッド部主面311のうちワイヤ72が接合される領域には、たとえばAgからなる内層めっき層が形成されてもよい。
【0031】
半導体素子6は、半導体装置A10の電気的機能を発揮する要素である。半導体素子6の種類は特に限定さない。本実施形態では、半導体素子6は、MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)などのトランジスタである。半導体素子6は、素子本体60、第1電極63、第2電極64、および第3電極65を備えている。
【0032】
素子本体60は、z方向視矩形状の板状である。素子本体60は、半導体材料からなり、本実施形態では、Si(シリコン)からなる。なお、素子本体60の材料は限定されず、たとえばSiC(シリコンカーバイド)やGaN(ガリウムナイトライド)などの他の材料であってもよい。素子本体60は、素子主面61および素子裏面62を有する。素子主面61および素子裏面62は、z方向において互いに反対側を向いている。素子主面61は、z方向z2側を向いている。素子裏面62は、z方向z1側を向いている。第2電極64および第3電極65は、素子主面61に配置されている。第1電極63は、素子裏面62に配置されている。本実施形態においては、第1電極63はドレイン電極であり、第2電極64はソース電極であり、第3電極65はゲート電極である。
【0033】
図3に示すように、半導体素子6は、搭載部主面111のy方向中央で、x方向x1側寄りに搭載されている。半導体素子6は、z方向視において搭載部貫通孔113にかからない位置に配置されている。図6および図7に示すように、半導体素子6は、素子裏面62を搭載部主面111に向けて、接合材69を介して、搭載部主面111に接合されている。本実施形態では、接合材69は、導電性の接合材であり、たとえばはんだである。なお、接合材69は、銀ペーストおよび焼結銀接合材などの他の導電性接合材であってもよい。これにより、半導体素子6の第1電極63は、接合材69によって搭載部主面111に接合され、第1リード1に電気的に接続されている。
【0034】
ワイヤ71は、半導体素子6の第2電極64と、第2リード2の第2パッド部主面211とに接合されている。これにより、半導体素子6の第2電極64は、第2リード2に電気的に接続されている。ワイヤ72は、半導体素子6の第3電極65と、第3リード3の第3パッド部主面311とに接合されている。これにより、半導体素子6の第3電極65は、第3リード3に電気的に接続されている。なお、ワイヤ71,72の材料や太さ、数は限定されない。また、半導体素子6と第2リード2および第3リード3とは、ワイヤ72,73以外の導電性を有する接続部材(たとえば金属板および金属リボンなど)によって接続されてもよい。第1電極63に導通する第1リード1の第1端子120が半導体装置A10のドレイン端子として機能し、第2電極64に導通する第2リード2の第2端子220が半導体装置A10のソース端子として機能し、第3電極65に導通する第3リード3の第3端子320が半導体装置A10のゲート端子として機能する。第1端子120(ドレイン端子)と第2端子220(ソース端子)との間には、外部から高電圧が印加される。また、第1端子120(ドレイン端子)と第3端子320(ゲート端子)との間の電位差も、印加された高電圧に応じて大きくなる。
【0035】
封止樹脂8は、第1リード1、第2リード2、および第3リード3の一部ずつと、半導体素子6およびワイヤ71,72の全体とを覆っている。封止樹脂8は、たとえば黒色のエポキシ樹脂からなる。なお、封止樹脂8の材料は限定されない。封止樹脂8は、たとえば金型を用いたトランスファ成形により形成される。
【0036】
封止樹脂8は、樹脂主面81、樹脂裏面82、樹脂端面83、樹脂第1側面84、樹脂第2側面85、および樹脂第3側面86を備えている。樹脂主面81と樹脂裏面82とは、z方向において互いに反対側を向いている。樹脂主面81はz方向z2側を向いており、樹脂裏面82は、z方向z1側を向いている。図4図6、および図7に示すように、第1リード1の搭載部裏面112は、全体にわたって、樹脂裏面82から露出しており、樹脂裏面82と搭載部裏面112とは互いに面一になっている。
【0037】
樹脂端面83および樹脂第1側面84は、それぞれ、樹脂主面81および樹脂裏面82につながる面である。樹脂端面83および樹脂第1側面84は、x方向において互いに反対側を向いている。樹脂端面83は、x方向x1側に配置されてx方向x1側を向く面である。樹脂第1側面84は、x方向x2側に配置されてx方向x2側を向く面である。樹脂第2側面85および樹脂第3側面86は、それぞれ、樹脂主面81、樹脂裏面82、樹脂端面83、および樹脂第1側面84につながる面である。樹脂第2側面85および樹脂第3側面86は、y方向において互いに反対側を向いている。樹脂第2側面85は、y方向y1側に配置されてy方向y1側を向く面である。樹脂第3側面86は、y方向y2側に配置されてy方向y2側を向く面である。
【0038】
樹脂端面83、樹脂第1側面84、樹脂第2側面85、および樹脂第3側面86は、それぞれ、樹脂主面81につながり、樹脂主面81に向かうほど互いに近づくように傾斜する面を備えている。つまり、封止樹脂8のうち、これらの樹脂主面81につながり傾斜する面に囲まれる部分は、xy平面での断面積が樹脂主面81に向かうほど小さくなるテーパ形状である。また、樹脂端面83、樹脂第1側面84、樹脂第2側面85、および樹脂第3側面86は、それぞれ、樹脂裏面82につながり、樹脂裏面82に向かうほど互いに近づくように傾斜する面を備えている。つまり、封止樹脂8のうち、これらの樹脂主面81につながり傾斜する面に囲まれる部分は、xy平面での断面積が樹脂裏面82に向かうほど小さくなるテーパ形状である。なお、樹脂端面83、樹脂第1側面84、樹脂第2側面85、および樹脂第3側面86の形状は限定されない。
【0039】
樹脂端面83は、第1端子120が突出する面である。つまり、第1端子120は、樹脂端面83から突出している。樹脂第2側面85は、第2端子220が突出する面である。つまり、第2端子220は、樹脂第2側面85から突出している。樹脂第3側面86は、第3端子320が突出する面である。つまり、第3端子320は、樹脂第3側面86から突出している。また、図5図7に示すように、第1端子120の第1直行部121、第2端子220、および第3端子320は、z方向において、封止樹脂8の中間付近(樹脂主面81と樹脂裏面82との中間付近)に位置する。したがって、第1端子120は樹脂端面83のz方向における中間付近から突出し、第2端子220は樹脂第2側面85のz方向における中間付近から突出し、第3端子320は樹脂第3側面86のz方向における中間付近から突出している。
【0040】
また、本実施形態では、封止樹脂8は、樹脂貫通孔88を備えている。樹脂貫通孔88は、樹脂主面81から樹脂裏面82までz方向に平行に貫通する貫通孔である。樹脂貫通孔88は、封止樹脂8のy方向中央で、かつ、x方向x2側寄り(図3においては上側寄り)に配置され、z方向視円形状である。本実施形態においては、樹脂貫通孔88の中心は、搭載部貫通孔113の中心と同一である。また、樹脂貫通孔88の直径は、搭載部貫通孔113の直径よりも小さい。したがって、図3図4図6、および図7に示すように、樹脂貫通孔88は搭載部貫通孔113の内側に位置し、樹脂貫通孔88の孔壁は、全て封止樹脂8によって形成されている。つまり、樹脂貫通孔88の孔壁からは搭載部110が露出しない。樹脂貫通孔88は、ねじなどの締結部材を挿通させて、半導体装置A10に放熱部材を取り付けるためなどに用いられる。搭載部裏面112が、電気絶縁シートなどを介して、放熱部材に接続されることで、半導体素子6から発生した熱が搭載部110および放熱部材を介して放出される。
【0041】
次に、半導体装置A10の作用効果について説明する。
【0042】
本実施形態によると、第1リード1は、封止樹脂8から突出する第1端子120を備えている。また、第2リード2は、封止樹脂8から突出する第2端子220を備えている。第1端子120は、樹脂端面83から突出するが、第2端子220は、樹脂第2側面85から突出する。封止樹脂8の表面(樹脂端面83および樹脂第2側面85)における、第1端子120と第2端子220との最短距離(沿面距離)は、第1端子120および第2端子220が同じ樹脂端面83から突出する場合と比較して大きい。これにより、半導体装置A10は、第1端子120と第2端子220との間に高電圧が印加された場合でも、封止樹脂8の表面での放電を抑制できる。また、第3リード3は、封止樹脂8から突出する第3端子320を備えている。第3端子320は、樹脂第3側面86から突出する。封止樹脂8の表面(樹脂端面83および樹脂第3側面86)における、第1端子120と第2端子220との沿面距離は、第1端子120および第3端子320が同じ樹脂端面83から突出する場合と比較して大きい。これにより、半導体装置A10は、第1端子120と第3端子320との間の電位差が大きくなった場合でも、封止樹脂8の表面での放電を抑制できる。以上のように、半導体装置A10は、高耐電圧化を図ることができる。
【0043】
また、本実施形態によると、搭載部裏面112は、樹脂裏面82から露出している。したがって、半導体装置A10は、搭載部裏面112に放熱部材を接続して、半導体素子6が放出する熱を放出できる。また、封止樹脂8は、z方向に平行に貫通する樹脂貫通孔88を備えている。したがって、半導体装置A10は、ねじなどの締結部材を樹脂貫通孔88に挿通させることで、容易に放熱部材を取り付けられる。また、樹脂貫通孔88の中心は搭載部貫通孔113の中心と同一であり、樹脂貫通孔88の直径は搭載部貫通孔113の直径よりも小さい。したがって、樹脂貫通孔88は搭載部貫通孔113の内側に位置し、樹脂貫通孔88の孔壁は、全て封止樹脂8によって形成されている。つまり、樹脂貫通孔88の孔壁からは搭載部110が露出しない。これにより、搭載部110と締結部材とが絶縁される。また、本実施形態によると、搭載部110の厚さ寸法は、第1端子120、第2リード2、および第3リード3の厚さ寸法より大きい。したがって、半導体装置A10は、半導体素子6が放出する熱を効率よく搭載部110に吸収できる。
【0044】
なお、本実施形態においては、搭載部110が搭載部貫通孔113を備え、封止樹脂8が樹脂貫通孔88を備えている場合について説明したが、これに限られない。搭載部110は搭載部貫通孔113を備えなくてもよいし、封止樹脂8は樹脂貫通孔88を備えなくてもよい。後述する他の実施形態および変形例においても同様である。
【0045】
図8図13は、第1実施形態にかかる半導体装置A10の変形例を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0046】
〔第1変形例〕
図8および図9は、第1実施形態の第1変形例にかかる半導体装置A11を説明するための図である。図8は、半導体装置A11の底面図であり、図4に対応する図である。図9は、半導体装置A11の断面図であり、図6に対応する図である。半導体装置A11は、搭載部裏面112が樹脂裏面82から露出しておらず、封止樹脂8によって覆われている。
【0047】
〔第2変形例〕
図10は、第1実施形態の第2変形例にかかる半導体装置A12を示す断面図であり、図6に対応する図である。半導体装置A12は、第1端子120が搭載部110につながる位置が半導体装置A10とは異なる。半導体装置A12では、第1端子120は、搭載部端面114のy方向中央で、かつ、図10に示すように搭載部端面114のz方向の中央の位置につながっている。
【0048】
〔第3変形例〕
図11は、第1実施形態の第3変形例にかかる半導体装置A13を示す断面図であり、図6に対応する図である。半導体装置A13は、搭載部110の厚さ寸法が半導体装置A10とは異なる。半導体装置A13では、搭載部110の厚さ寸法が第1端子120の厚さ寸法と同じである。なお、本変形例では、z方向における搭載部主面111の位置は、半導体装置A10の場合と同様である。
【0049】
〔第4変形例〕
図12は、第1実施形態の第4変形例にかかる半導体装置A14を示す断面図であり、図6に対応する図である。半導体装置A14は、z方向における第1リード1の配置位置が半導体装置A13とは異なる。半導体装置A14では、搭載部110の厚さ寸法が第1端子120の厚さ寸法と同じである。また、搭載部裏面112が樹脂裏面82から露出しており、z方向における搭載部主面111の位置が、半導体装置A13とは異なる。半導体装置A14では、第1端子裏面125が、搭載部裏面112と面一になっており、樹脂裏面82から露出している。
【0050】
〔第5変形例〕
図13は、第1実施形態の第5変形例にかかる半導体装置A15を示す平面図であり、図3に対応する図である。図13においては、理解の便宜上、封止樹脂8を透過して、封止樹脂8の外形を想像線(二点鎖線)で示している。半導体装置A15は、第1端子120の第1直行部121、第2端子220の第2直行部222、および第3端子320の第3直行部322の形状が、半導体装置A10とは異なる。第2直行部222は、第2連結部223につながる部分の近くに、幅寸法(y方向の寸法)が他より大きくなっている幅広部222aを備えている。また、第3直行部322は、第3連結部323につながる部分の近くに、幅寸法(y方向の寸法)が他より大きくなっている幅広部322aを備えている。幅広部222aおよび幅広部322aは、リードフレームにおいて第2直行部222および第3直行部322につながっていたタイバーの一部を残した部分である。本変形例では、第1直行部121の基端部121aが、幅広部222aおよび幅広部322aのx方向x1側の端部の位置まで延びている。本変形例によると、第1直行部121、第2直行部222、および第3直行部322が、回路基板に形成された孔に挿通されて、半導体装置A15が回路基板に搭載されたときに、第2連結部223および第3連結部323のy方向に延びる部分が、回路基板に当接することを防止できる。
【0051】
図14図25は、本開示の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0052】
〔第2実施形態〕
図14は、本開示の第2実施形態にかかる半導体装置A20を説明するための図である。図14は、半導体装置A20を示す平面図であり、図3に対応する図である。図14においては、理解の便宜上、封止樹脂8を透過して、封止樹脂8の外形を想像線(二点鎖線)で示している。本実施形態にかかる半導体装置A20は、第1リード1および第2リード2の形状が、第1実施形態にかかる半導体装置A10と異なる。本実施形態の他の部分の構成および動作は、第1実施形態と同様である。なお、上記の第1実施形態の各変形例の各部が任意に組み合わせられてもよい。
【0053】
本実施形態では、第2端子220が搭載部110につながっており、搭載部110と第2端子220とが、第1リード1を構成している。したがって、第1リード1の第2端子220が半導体装置A10のドレイン端子として機能する。第2端子220は、搭載部端面114のy方向y1側の端部で、かつ、搭載部端面114のz方向z2側の端部につながっている。なお、第2端子220の位置は限定されない。第2端子220は、第2接続部224をさらに備えている。第2接続部224は、第2突出部221と搭載部110とを接続する部分であり、第2突出部221および搭載部110につながっている。第2接続部224は、全体が封止樹脂8に覆われており、搭載部110および第2突出部221に対して傾斜する部分を含んでいる。第2突出部221は、搭載部主面111と同じ側を向く面(z方向z2側を向く面)が、搭載部主面111に対して、z方向z2側に位置している。したがって、第2接続部224の傾斜部分は、x方向x1側の方がよりz方向z2側に位置する傾斜になっている。
【0054】
また、本実施形態では、第2パッド部210が、y方向において、第2端子220の第2接続部224と第3パッド部310との間に配置されている。そして、第1端子120が第2パッド部210につながっており、第2パッド部210と第1端子120とが、第2リード2を構成している。第1端子120は、第1接続部122を備えておらず、第1直行部121が第2パッド部210のx方向x1側端部のy方向中央部分につながっている。したがって、第2リード2の第1端子120が半導体装置A10のソース端子として機能する。
【0055】
本実施形態によると、第1リード1は、封止樹脂8から突出する第2端子220を備えている。また、第2リード2は、封止樹脂8から突出する第1端子120を備えている。第1端子120は、樹脂端面83から突出するが、第2端子220は、樹脂第2側面85から突出する。第1端子120と第2端子220との沿面距離は、第1端子120および第2端子220が同じ樹脂端面83から突出する場合と比較して大きい。これにより、半導体装置A20は、第1端子120と第2端子220との間に高電圧が印加された場合でも、封止樹脂8の表面での放電を抑制できる。第3端子320は、樹脂第3側面86から突出するので、第2端子220と第3端子320との沿面距離は十分大きい。これにより、半導体装置A20は、第2端子220と第3端子320との間の電位差が大きくなった場合でも、封止樹脂8の表面での放電を抑制できる。以上のように、半導体装置A20は、高耐電圧化を図ることができる。また、半導体装置A20は、半導体装置A10と共通する構成により、半導体装置A10と同等の効果を奏する。
【0056】
〔第3実施形態〕
図15は、本開示の第3実施形態にかかる半導体装置A30を説明するための図である。図15は、半導体装置A30を示す平面図であり、図3に対応する図である。図15においては、理解の便宜上、封止樹脂8を透過して、封止樹脂8の外形を想像線(二点鎖線)で示している。本実施形態にかかる半導体装置A30は、第3端子320の形状が、第2実施形態にかかる半導体装置A20と異なる。本実施形態の他の部分の構成および動作は、第2実施形態と同様である。なお、上記の第1~2実施形態の各変形例の各部が任意に組み合わせられてもよい。
【0057】
本実施形態では、第3端子320は、第1端子120と同様の形状である。第3端子320は、第3パッド部310のx方向x1側端部のy方向中央部分につながっている。第3端子320は、x方向に延びており、封止樹脂8の樹脂端面83から突出している。第3端子320は、基端部320aおよび先端部320bを備えている。基端部320aは、第3端子320のうちx方向x2側に位置する部位であり、封止樹脂8に覆われた部分と封止樹脂8から突出する部分とを含んでいる。先端部320bは、第3端子320のうちx方向x1側に位置する部位であり、基端部320aにつながっている。先端部320bは、全体が封止樹脂8から露出しており、幅寸法(y方向の寸法)が基端部320aより小さい。
【0058】
本実施形態においても、第2リード2の第1端子120は、樹脂端面83から突出するが、第1リード1の第2端子220は、樹脂第2側面85から突出する。第1端子120と第2端子220との沿面距離は、第1端子120および第2端子220が同じ樹脂端面83から突出する場合と比較して大きい。これにより、半導体装置A30は、第1端子120と第2端子220との間に高電圧が印加された場合でも、封止樹脂8の表面での放電を抑制できる。第3端子320も、樹脂端面83から突出するので、第2端子220と第3端子320との沿面距離は十分大きい。これにより、半導体装置A30は、第2端子220と第3端子320との間の電位差が大きくなった場合でも、封止樹脂8の表面での放電を抑制できる。以上のように、半導体装置A30は、高耐電圧化を図ることができる。また、半導体装置A30は、半導体装置A10と共通する構成により、半導体装置A10と同等の効果を奏する。
【0059】
〔第4実施形態〕
図16は、本開示の第4実施形態にかかる半導体装置A40を説明するための図である。図16は、半導体装置A40を示す平面図であり、図3に対応する図である。図16においては、理解の便宜上、封止樹脂8を透過して、封止樹脂8の外形を想像線(二点鎖線)で示している。本実施形態にかかる半導体装置A40は、第4リード4をさらに備えている点で、第3実施形態にかかる半導体装置A30と異なる。本実施形態の他の部分の構成および動作は、第3実施形態と同様である。なお、上記の第1~3実施形態および各変形例の各部が任意に組み合わせられてもよい。
【0060】
本実施形態では、半導体装置A40は、第4リード4およびワイヤ73をさらに備えている。第4リード4は、半導体素子6と導通している。第4リード4は、第1リード1、第2リード2、および第3リード3から離間して配置されている。第4リード4は、第1リード1の搭載部110のx方向x1側で、y方向において第2リード2と第3リード3との間に配置されている。また、第4リード4は、搭載部110に対して、z方向z2側に配置されている。第4リード4のz方向における位置は、第2リード2および第3リード3と同じである。第4リード4は、第3リード3と同様の形状である。第4リード4は、第4パッド部410および第4端子420を備えている。
【0061】
第4パッド部410は、ワイヤ73がボンディングされる部分であり、z方向視においてy方向に長い略矩形状である。第4パッド部410は、第4パッド部主面411を有する。第4パッド部主面411は、z方向z2側を向いており、ワイヤ73が接合されている。なお、ワイヤ73の材料や太さ、数は限定されない。第4パッド部410は、全体にわたって封止樹脂8に覆われている。
【0062】
第4端子420は、第4パッド部410につながっており、第4パッド部410およびワイヤ73を介して、半導体素子6の第2電極64(ソース電極)に導通している。第4端子420は、半導体装置A40のソースセンス端子として機能する。第4端子420の幅寸法(y方向の寸法)は、第4パッド部410の幅寸法(y方向の寸法)より小さい。また、第4端子420の厚さ寸法(z方向の寸法)は、第4パッド部410の厚さ寸法(z方向の寸法)と同じであり、第1端子120の厚さ寸法と同じである。第4端子420は、第4パッド部410のx方向x1側端部のy方向中央部分につながっている。なお、第4端子420の位置は限定されない。第4端子420は、x方向に延びており、封止樹脂8から突出する部分を含んでいる。第4端子420は、基端部420aおよび先端部420bを備えている。基端部420aは、第4端子420のうちx方向x2側に位置する部位であり、封止樹脂8に覆われた部分と封止樹脂8から突出する部分とを含んでいる。先端部420bは、第4端子420のうちx方向x1側に位置する部位であり、基端部420aにつながっている。先端部420bは、全体が封止樹脂8から露出しており、幅寸法(y方向の寸法)が基端部420aより小さい。なお、第4リード4の形状は上記したものに限定されない。
【0063】
本実施形態においても、第2リード2の第1端子120は、樹脂端面83から突出するが、第1リード1の第2端子220は、樹脂第2側面85から突出する。第1端子120と第2端子220との沿面距離は、第1端子120および第2端子220が同じ樹脂端面83から突出する場合と比較して大きい。これにより、半導体装置A40は、第1端子120と第2端子220との間に高電圧が印加された場合でも、封止樹脂8の表面での放電を抑制できる。第3端子320および第4端子420も、樹脂端面83から突出するので、第2端子220と第3端子320および第4端子420との沿面距離は十分大きい。これにより、半導体装置A40は、第2端子220と第3端子320および第4端子420との間の電位差が大きくなった場合でも、封止樹脂8の表面での放電を抑制できる。以上のように、半導体装置A40は、高耐電圧化を図ることができる。また、半導体装置A40は、半導体装置A10と共通する構成により、半導体装置A10と同等の効果を奏する。
【0064】
なお、本実施形態では、第2端子220が搭載部110につながって第1リード1を構成し、第1端子120が第2パッド部210につながって第2リード2を構成している場合について説明したが、これに限られない。たとえば、第1実施形態のように、第1端子120が搭載部110につながって第1リード1を構成し、第2端子220が第2パッド部210につながって第2リード2を構成してもよい。
【0065】
〔第5実施形態〕
図17は、本開示の第5実施形態にかかる半導体装置A50を説明するための図である。図17は、半導体装置A50を示す平面図であり、図3に対応する図である。図17においては、理解の便宜上、封止樹脂8を透過して、封止樹脂8の外形を想像線(二点鎖線)で示している。本実施形態にかかる半導体装置A50は、半導体素子6の種類が異なる点と、第2リード2を備えていない点とで、第1実施形態にかかる半導体装置A10と異なる。本実施形態の他の部分の構成および動作は、第1実施形態と同様である。なお、上記の第1~4実施形態および各変形例の各部が任意に組み合わせられてもよい。
【0066】
本実施形態では、半導体素子6は、ダイオードである。半導体素子6は、素子主面61に第3電極65を備えていない。本実施形態においては、第1電極63はカソード電極であり、第2電極64はアノード電極である。また、本実施形態では、半導体装置A50は、第2リード2を備えていない。第1端子120は、搭載部端面114のy方向y2側の端部につながっている。半導体素子6の第1電極63は、接合材69によって搭載部主面111に接合され、第1リード1に電気的に接続されている。ワイヤ71は、半導体素子6の第2電極64と、第2リード2の第2パッド部主面211とに接合されている。これにより、半導体素子6の第2電極64は、第2リード2に電気的に接続されている。第1電極63に導通する第1リード1の第1端子120が半導体装置A50のカソード端子として機能し、第2電極64に導通する第2リード2の第2端子220が半導体装置A50のアノード端子として機能する。
【0067】
本実施形態においても、第1リード1は、封止樹脂8から突出する第1端子120を備えている。また、第2リード2は、封止樹脂8から突出する第2端子220を備えている。第1端子120は、樹脂端面83から突出するが、第2端子220は、樹脂第2側面85から突出する。第1端子120と第2端子220との沿面距離は、第1端子120および第2端子220が同じ樹脂端面83から突出する場合と比較して大きい。これにより、半導体装置A50は、第1端子120と第2端子220との間に高電圧が印加された場合でも、封止樹脂8の表面での放電を抑制できるので、高耐電圧化を図ることができる。また、半導体装置A50は、半導体装置A10と共通する構成により、半導体装置A10と同等の効果を奏する。
【0068】
なお、本実施形態では、第1端子120が搭載部110につながって第1リード1を構成し、第2端子220が第2パッド部210につながって第2リード2を構成している場合について説明したが、これに限られない。たとえば、第2実施形態のように、第2端子220が搭載部110につながって第1リード1を構成し、第1端子120が第2パッド部210につながって第2リード2を構成してもよい。
【0069】
〔第6実施形態〕
図18図20は、本開示の第6実施形態にかかる半導体装置A60を説明するための図である。図18は、半導体装置A60を示す斜視図であり、図1に対応する図である。図19は、半導体装置A60を示す平面図であり、図3に対応する図である。図19においては、理解の便宜上、封止樹脂8を透過して、封止樹脂8の外形を想像線(二点鎖線)で示している。図20は、半導体装置A60を示す左側面図であり、図5に対応する図である。本実施形態にかかる半導体装置A60は、第2リード2の第2端子220および第3リード3の第3端子320の形状が、第1実施形態にかかる半導体装置A10と異なる。本実施形態の他の部分の構成および動作は、第1実施形態と同様である。なお、上記の第1~5実施形態および各変形例の各部が任意に組み合わせられてもよい。
【0070】
本実施形態では、第2端子220は、第1実施形態にかかる第2端子220の一部がz方向z2側に折り曲げられた形状である。具体的には、第2突出部221の第2パッド部210につながる部分付近と、第2連結部223の第2直行部222につながる部分付近とが、略90°折り曲げられている。これにより、第2突出部221は、z方向z2側に延びて、樹脂主面81から突出している。なお、第2端子220の形状は限定されない。たとえば、折り曲げる角度は、90°より小さい角度であってもよいし、90°より大きい角度であってもよい。第2端子220は、第2突出部221が樹脂主面81から突出し、かつ、第2直行部222がx方向に沿って真っすぐ延びていればよい。
【0071】
また、本実施形態では、第3端子320も、第2端子220と同様であり、第1実施形態にかかる第3端子320の一部がz方向z2側に折り曲げられた形状である。具体的には、第3突出部321の第3パッド部310につながる部分付近と、第3連結部323の第3直行部322につながる部分付近とが、略90°折り曲げられている。これにより、第3突出部321は、z方向z2側に延びて、樹脂主面81から突出している。なお、第3端子320の形状は限定されない。たとえば、折り曲げる角度は、90°より小さい角度であってもよいし、90°より大きい角度であってもよい。第3端子320は、第3突出部321が樹脂主面81から突出し、かつ、第3直行部322がx方向に沿って真っすぐ延びていればよい。
【0072】
本実施形態によると、第1端子120は、樹脂端面83から突出するが、第2端子220は、樹脂主面81から突出する。第1端子120と第2端子220との沿面距離は、第1端子120および第2端子220が同じ樹脂端面83から突出する場合と比較して大きい。これにより、半導体装置A60は、第1端子120と第2端子220との間に高電圧が印加された場合でも、封止樹脂8の表面での放電を抑制できる。また、第3端子320は、樹脂主面81から突出するので、第1端子120と第3端子320との沿面距離は、第1端子120および第3端子320が同じ樹脂端面83から突出する場合と比較して大きい。これにより、半導体装置A60は、第1端子120と第3端子320との間の電位差が大きくなった場合でも、封止樹脂8の表面での放電を抑制できる。以上のように、半導体装置A60は、高耐電圧化を図ることができる。また、半導体装置A60は、半導体装置A10と共通する構成により、半導体装置A10と同等の効果を奏する。
【0073】
なお、本実施形態においては、第2端子220および第3端子320が、樹脂主面81から突出する場合について説明したが、これに限られない。第2端子220および第3端子320は、両方とも樹脂裏面82から突出してもよいし、一方が樹脂主面81から突出し、他方が樹脂裏面82から突出してもよい。
【0074】
第1実施形態および第6実施形態から理解されるように、第2端子220および第3端子320が突出する封止樹脂8の面は限定されない。第2端子220および第3端子320の少なくとも一方が、樹脂端面83以外の面から突出していればよい。
【0075】
〔第7実施形態〕
図21図22は、本開示の第7実施形態にかかる半導体装置A70を説明するための図である。図21は、半導体装置A70を示す斜視図であり、図1に対応する図である。図22は、半導体装置A70を示す平面図であり、図3に対応する図である。図22においては、理解の便宜上、封止樹脂8を透過して、封止樹脂8の外形を想像線(二点鎖線)で示している。本実施形態にかかる半導体装置A70は、第2リード2の第2端子220および第3リード3の第3端子320の形状が、第1実施形態にかかる半導体装置A10と異なる。本実施形態の他の部分の構成および動作は、第1実施形態と同様である。なお、上記の第1~6実施形態および各変形例の各部が任意に組み合わせられてもよい。
【0076】
本実施形態では、第2端子220は、第1実施形態にかかる第2端子220の一部がz方向z2側に折り曲げられた形状である。具体的には、第2突出部221の第2連結部223につながる部分付近と、第2連結部223のy方向に延びる部分とが、略90°折り曲げられている。本実施形態では、第6実施形態の場合より、y方向y1側の位置で折り曲げられている。これにより、第2突出部221は、樹脂第2側面85から突出して、突出した位置よりy方向y1側で折り曲げられている。なお、第2端子220の形状は限定されない。たとえば、折り曲げる角度は、90°より小さい角度であってもよいし、90°より大きい角度であってもよい。本実施形態では、第2端子220は、第1実施形態と同様に、第2突出部221が樹脂第2側面85から突出し、かつ、第2直行部222がx方向に沿って真っすぐ延びている。
【0077】
また、本実施形態では、第3端子320も、第2端子220と同様であり、第1実施形態にかかる第3端子320の一部がz方向z2側に折り曲げられた形状である。具体的には、第3突出部321の第3連結部323につながる部分付近と、第3連結部323のy方向に延びる部分とが、略90°折り曲げられている。本実施形態では、第6実施形態の場合より、y方向y2側の位置で折り曲げられている。これにより、第3突出部321は、樹脂第3側面86から突出して、突出した位置よりy方向y2側で折り曲げられている。なお、第3端子320の形状は限定されない。たとえば、折り曲げる角度は、90°より小さい角度であってもよいし、90°より大きい角度であってもよい。本実施形態では、第3端子320は、第1実施形態と同様に、第3突出部321が樹脂第3側面86から突出し、かつ、第3直行部322がx方向に沿って真っすぐ延びている。
【0078】
本実施形態においても、第1端子120は、樹脂端面83から突出するが、第2端子220は、樹脂第2側面85から突出する。第1端子120と第2端子220との沿面距離は、第1端子120および第2端子220が同じ樹脂端面83から突出する場合と比較して大きい。これにより、半導体装置A70は、第1端子120と第2端子220との間に高電圧が印加された場合でも、封止樹脂8の表面での放電を抑制できる。また、第3端子320は、樹脂第3側面86から突出するので、第1端子120と第3端子320との沿面距離は、第1端子120および第3端子320が同じ樹脂端面83から突出する場合と比較して大きい。これにより、半導体装置A70は、第1端子120と第3端子320との間の電位差が大きくなった場合でも、封止樹脂8の表面での放電を抑制できる。以上のように、半導体装置A70は、高耐電圧化を図ることができる。また、半導体装置A70は、半導体装置A10と共通する構成により、半導体装置A10と同等の効果を奏する。さらに、第2端子220および第3端子320は、封止樹脂8から露出した後に、z方向z2側に折り曲げられた形状である。したがって、半導体装置A70は、第1実施形態にかかる半導体装置A10と比較して、y方向の寸法を小さくできる。
【0079】
なお、本実施形態においては、第2端子220および第3端子320が、z方向z2側に折り曲げられた場合について説明したが、これに限られない。第2端子220および第3端子320は、両方ともz方向z1側に折り曲げられてもよいし、一方がz方向z1側に折り曲げられ、他方がz方向z2側に折り曲げられてもよい。
【0080】
〔第8実施形態〕
図23図24は、本開示の第8実施形態にかかる半導体装置A80を説明するための図である。図23は、半導体装置A80を示す斜視図であり、図1に対応する図である。図24は、半導体装置A80を示す断面図であり、図7に対応する図である。本実施形態にかかる半導体装置A80は、第2リード2および第3リード3の形状が、第1実施形態にかかる半導体装置A10と異なる。本実施形態の他の部分の構成および動作は、第1実施形態と同様である。なお、上記の第1~7実施形態および各変形例の各部が任意に組み合わせられてもよい。
【0081】
本実施形態では、第2リード2の第2パッド部210は、z方向において第2パッド部主面211が搭載部主面111と同じ位置になるように配置されている。そして、第2端子220の第2連結部223のx方向に延びる部分が、第2突出部221および第2直行部222に対して傾斜している。当該傾斜部分は、x方向x1側の方がよりz方向z2側に位置する傾斜になっている。また、第3リード3の第3パッド部310は、z方向において第3パッド部主面311が搭載部主面111と同じ位置になるように配置されている。そして、第3端子320の第3連結部323のx方向に延びる部分が、第3突出部321および第3直行部322に対して傾斜している。当該傾斜部分は、x方向x1側の方がよりz方向z2側に位置する傾斜になっている。
【0082】
本実施形態においても、第1端子120は、樹脂端面83から突出するが、第2端子220は、樹脂第2側面85から突出する。第1端子120と第2端子220との沿面距離は、第1端子120および第2端子220が同じ樹脂端面83から突出する場合と比較して大きい。これにより、半導体装置A80は、第1端子120と第2端子220との間に高電圧が印加された場合でも、封止樹脂8の表面での放電を抑制できる。また、第3端子320は、樹脂第3側面86から突出するので、第1端子120と第3端子320との沿面距離は、第1端子120および第3端子320が同じ樹脂端面83から突出する場合と比較して大きい。これにより、半導体装置A80は、第1端子120と第3端子320との間の電位差が大きくなった場合でも、封止樹脂8の表面での放電を抑制できる。以上のように、半導体装置A80は、高耐電圧化を図ることができる。また、半導体装置A80は、半導体装置A10と共通する構成により、半導体装置A10と同等の効果を奏する。さらに、半導体装置A80は、第1実施形態の場合と比較して、第2パッド部210および第3パッド部310がz方向z1側に位置するので、ワイヤ71,72の高さを低減できる。
【0083】
〔第9実施形態〕
図25は、本開示の第9実施形態にかかる半導体装置A90を説明するための図である。図25は、半導体装置A90を示す平面図であり、図3に対応する図である。図25においては、理解の便宜上、封止樹脂8を透過して、封止樹脂8の外形を想像線(二点鎖線)で示している。本実施形態にかかる半導体装置A90は、第3リード3の形状が、第1実施形態にかかる半導体装置A10と異なる。本実施形態の他の部分の構成および動作は、第1実施形態と同様である。なお、上記の第1~8実施形態および各変形例の各部が任意に組み合わせられてもよい。
【0084】
本実施形態では、第3リード3の第3端子320は、第3パッド部310のx方向x1側端部のy方向中央部分につながっている。第3端子320は、x方向に延びており、封止樹脂8の樹脂端面83から突出している。第3端子320は、基端部320aおよび先端部320bを備えている。基端部320aは、第3端子320のうちx方向x2側に位置する部位であり、封止樹脂8に覆われた部分と封止樹脂8から突出する部分とを含んでいる。先端部320bは、第3端子320のうちx方向x1側に位置する部位であり、基端部320aにつながっている。先端部320bは、全体が封止樹脂8から露出しており、幅寸法(y方向の寸法)が基端部320aより小さい。
【0085】
本実施形態においても、第1リード1は、封止樹脂8から突出する第1端子120を備えている。また、第2リード2は、封止樹脂8から突出する第2端子220を備えている。第1端子120は、樹脂端面83から突出するが、第2端子220は、樹脂第2側面85から突出する。第1端子120と第2端子220との沿面距離は、第1端子120および第2端子220が同じ樹脂端面83から突出する場合と比較して大きい。これにより、半導体装置A90は、第1端子120と第2端子220との間に高電圧が印加された場合でも、封止樹脂8の表面での放電を抑制できる。したがって、半導体装置A90は、高耐電圧化を図ることができる。また、半導体装置A90は、半導体装置A10と共通する構成により、半導体装置A10と同等の効果を奏する。
【0086】
なお、上記第1~9実施形態では半導体素子6がトランジスタまたはダイオードである例を説明したが、これに限られない。半導体素子6の種類は限定されず、集積回路などの他の半導体素子であってもよい。また、上記第1~8実施形態では、2~4個の端子が配置された場合について説明したが、これに限られない。配置される端子の数は限定されず、半導体素子6の素子主面61に配置された電極の数および配置に応じて、適宜設定される。
【0087】
本開示にかかる半導体装置は、先述した実施形態に限定されるものではない。本開示にかかるおよび半導体装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0088】
〔付記1〕
半導体素子(6)と、
前記半導体素子に導通する導電部材(5)と、
前記半導体素子を覆う封止樹脂(8)と、
を備え、
前記導電部材は、
前記半導体素子が搭載された搭載部(110)と、第1端子(120)および第2端子(220)とを備え、
前記封止樹脂は、
前記搭載部の厚さ方向(z方向)に直交する第1方向(x方向)を向き、かつ、前記第1端子が突出する樹脂第1面(83)と、
前記樹脂第1面とは異なる方向を向き、かつ、前記第2端子が突出する樹脂第2面(85,81)と、
を備え、
前記第1端子は、前記第1方向に延び、
前記第2端子は、前記樹脂第2面から突出する突出部(221)と、前記第1方向に延びる直行部(222)と、前記突出部と前記直行部とにつながる連結部(223)と、を備える、
半導体装置。
〔付記2、第1実施形態〕
前記搭載部と前記第1端子とがつながっている、
付記1に記載の半導体装置。
〔付記3、第2~4実施形態、図14図16
前記搭載部と前記第2端子とがつながっている、
付記1に記載の半導体装置。
〔付記4、第1~5,7実施形態〕
前記樹脂第2面は、前記厚さ方向および前記第1方向に直交する第2方向(y方向)を向く、
付記1ないし3のいずれかに記載の半導体装置。
〔付記5、第6実施形態、図18図20
前記樹脂第2面は、前記厚さ方向を向く、
付記1ないし3のいずれかに記載の半導体装置。
〔付記6〕
前記導電部材は、第3端子(320)をさらに備える、
付記1ないし5のいずれかに記載の半導体装置。
〔付記7、第1~2,7実施形態〕
前記封止樹脂は、前記樹脂第2面とは反対側を向く樹脂第3面(86,82)をさらに備え、
前記第3端子は、前記樹脂第3面から突出する、
付記6に記載の半導体装置。
〔付記8、第3~4実施形態、図15図16
前記第3端子は、前記樹脂第1面から突出する、
付記6に記載の半導体装置。
〔付記9、第6実施形態、図18図20
前記第3端子は、前記樹脂第2面から突出する、
付記6に記載の半導体装置。
〔付記10〕
前記第3端子は、前記第1方向に延びる第3直行部(322)を備える、
付記6ないし9のいずれかに記載の半導体装置。
〔付記11、第4実施形態、図16
前記導電部材は、前記第1方向に延びる部分を有する第4端子(420)をさらに備える、
付記6ないし10のいずれかに記載の半導体装置。
〔付記12〕
前記搭載部は、前記半導体素子が接合される搭載部主面(111)と、前記厚さ方向において前記搭載部主面とは反対側を向く搭載部裏面(112)と、を備え、
前記搭載部裏面は、前記封止樹脂から露出している、
付記1ないし11のいずれかに記載の半導体装置。
〔付記13〕
前記搭載部の前記厚さ方向の寸法は、前記第1端子の前記厚さ方向の寸法より大きい、
付記1ないし12のいずれかに記載の半導体装置。
〔付記14〕
前記半導体素子(6)は、
前記厚さ方向において互いに反対側を向く素子主面(61)および素子裏面(62)と、前記素子裏面に配置された第1電極(63)と、前記素子主面に配置された第2電極(64)と、を備え、
前記第1電極は、前記搭載部に接合されている、
付記1ないし13のいずれかに記載の半導体装置。
〔付記15〕
前記半導体素子は、前記素子主面に配置された第3電極(65)をさらに備えている、
付記14に記載の半導体装置。
【符号の説明】
【0089】
A10~A15,A20,A30,A40,A50,A60,A70:半導体装置
5 :導電支持部材
1 :第1リード
110 :搭載部
111 :搭載部主面
112 :搭載部裏面
113 :搭載部貫通孔
114 :搭載部端面
120 :第1端子
121 :第1直行部
121a :基端部
121b :先端部
122 :第1接続部
2 :第2リード
210 :第2パッド部
211 :第2パッド部主面
212 :第2パッド部裏面
220 :第2端子
221 :第2突出部
222 :第2直行部
222a :幅広部
223 :第2連結部
224 :第2接続部
3 :第3リード
310 :第3パッド部
311 :第3パッド部主面
312 :第3パッド部裏面
320 :第3端子
321 :第3突出部
322 :第3直行部
322a :幅広部
323 :第3連結部
320a :基端部
320b :先端部
4 :第4リード
410 :第4パッド部
411 :第4パッド部主面
420 :第4端子
420a :基端部
420b :先端部
6 :半導体素子
60 :素子本体
61 :素子主面
62 :素子裏面
63 :第1電極
64 :第2電極
65 :第3電極
69 :接合材
71,72,73:ワイヤ
8 :封止樹脂
81 :樹脂主面
82 :樹脂裏面
83 :樹脂端面
84 :樹脂第1側面
85 :樹脂第2側面
86 :樹脂第3側面
88 :樹脂貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25