(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005684
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】光電変換装置、光電変換システムおよび移動体
(51)【国際特許分類】
H10F 39/18 20250101AFI20250109BHJP
H10F 39/12 20250101ALI20250109BHJP
H04N 25/70 20230101ALI20250109BHJP
H04N 25/707 20230101ALI20250109BHJP
H04N 25/79 20230101ALI20250109BHJP
H10F 30/20 20250101ALI20250109BHJP
【FI】
H01L27/146 F
H01L27/146 D
H04N25/70
H04N25/707
H04N25/79
H01L31/10 H
H01L31/10 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105955
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】山崎 翔悟
(72)【発明者】
【氏名】古林 篤
【テーマコード(参考)】
4M118
5C024
5F149
【Fターム(参考)】
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA09
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5F149LA02
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5F149XB04
(57)【要約】
【課題】 入射光の明度に対応する信号を生成する画素と、イベント信号を生成する画素の両方が設けられた光電変換装置における、電気的経路の好適な形態を提供する。
【解決手段】 第1半導体部品と、第2半導体部品と、を備え、第1半導体部品の半導体層は画素アレイ部を有し、第1半導体層とは別の半導体層に、第1素子および第2素子を有し、第1絶縁膜と第2絶縁膜は接合面にて接合され、第1金属部と第2金属部は接合面にて接合され、明度に対応する信号を生成する第1画素と第1素子は、第1金属部を介して接続され、イベント信号を生成する第2画素と第2素子は、第2金属部を介して接続され、第1電気的経路に含まれ、第1面と第4面との間の所定の層に位置する第1導電体と、第2電気的経路に含まれ、所定の層に位置する第2導電体とがあり、第1導電体と第2導電体の寸法が異なる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の入射面である第1面および前記第1面に対向する第2面を有する第1半導体層と、第1配線構造体を含む第1半導体部品と、
第3面および前記第3面に対向する第4面を有する第2半導体層と、前記第1配線構造体と前記第3面との間に配された第2配線構造体を含む第2半導体部品と、
を備える光電変換装置であって、
前記第1半導体層は、それぞれが入射光の光量による明度に対応する信号を生成する複数の第1画素と、それぞれが入射光からイベント信号を生成する複数の第2画素とが配された画素アレイ部を有し、
前記第1半導体層とは別の半導体層にそれぞれ設けられた、第1素子および第2素子とを有し、
前記第1配線構造体は、凹部を備える第1絶縁膜を有し、前記第2配線構造体は、凹部を備える第2絶縁膜を有し、
前記第1絶縁膜の前記凹部の内部には第1金属部が設けられ、前記第2絶縁膜の前記凹部の内部には第2金属部が設けられ、
前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜は接合面にて接合され、前記第1金属部と前記第2金属部は前記接合面にて接合され、
前記第1画素と前記第1素子は、前記第1金属部を介する第1電気的経路によって接続されており、
前記第2画素と前記第2素子は、前記第2金属部を介する第2電気的経路によって接続されており、
前記第1電気的経路に含まれ、前記第1面と前記第4面との間の所定の層に位置する第1導電体と、前記第2電気的経路に含まれ、前記所定の層に位置する第2導電体とがあり、
前記第1導電体と前記第2導電体の寸法が異なることを特徴とする光電変換装置。
【請求項2】
各々が前記第2金属部である複数の第2金属部を有し、
前記複数の第2金属部の1つが前記第1導電体であり、前記複数の第2金属部の別の1つが前記第2導電体であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項3】
各々が前記第1金属部である複数の第1金属部を有し、
前記複数の第1金属部の1つが前記第1導電体であり、前記複数の第1金属部の別の1つが前記第2導電体であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項4】
各々が前記第1金属部である複数の第1金属部を有し、
前記複数の第1金属部のうち、前記第1導電体である前記第2金属部と接合する1つの第1金属部と、前記第2導電体である前記第2金属部と接合する別の1つの第1金属部の、寸法が異なることを特徴とする請求項2に記載の光電変換装置。
【請求項5】
前記複数の第1金属部のうち、前記第1導電体である前記第2金属部と接合する1つの第1金属部と、前記第2導電体である前記第2金属部と接合する別の1つの第1金属部の、平面寸法が異なることを特徴とする請求項4に記載の光電変換装置。
【請求項6】
前記第1素子と前記第2素子はそれぞれがゲート電極を備えるMOSトランジスタであり、
前記第1素子であるMOSトランジスタの前記ゲート電極が前記第1導電体であり、
前記第2素子であるMOSトランジスタの前記ゲート電極が前記第2導電体であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項7】
前記第1導電体よりも前記第2導電体の方が、前記第1面に対する平面視において面積が小さいことを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項8】
前記第1導電体よりも前記第2導電体の方が、前記第1面に対する平面視において面積が小さいことを特徴とする請求項2に記載の光電変換装置。
【請求項9】
前記第1導電体よりも前記第2導電体の方が、前記第1面に対する平面視において面積が小さいことを特徴とする請求項3に記載の光電変換装置。
【請求項10】
前記第1導電体よりも前記第2導電体の方が、前記第1面に対する平面視において面積が小さく、前記1つの第1金属部よりも、前記別の1つの第1金属部の方が、前記第1面に対する平面視における面積が小さいことを特徴とする請求項4に記載の光電変換装置。
【請求項11】
前記第1導電体よりも前記第2導電体の方が、前記第1面に対する平面視において面積が小さいことを特徴とする請求項6に記載の光電変換装置。
【請求項12】
各々が前記第1金属部である複数の第1金属部と、
前記光電変換装置の外部に接続されるパッドを有し、
前記複数の第1金属部は、前記第1面に対する平面視において前記画素アレイ部の外周と前記パッドとの間の領域に配されていることを特徴とする請求項2に記載の光電変換装置。
【請求項13】
各々が前記第1金属部である複数の第1金属部と、
前記光電変換装置の外部に接続されるパッドを有し、
前記画素アレイ部は、光が入射する開口領域を有し、
前記複数の第1金属部は、前記第1面に対する平面視において前記開口領域の外周と前記パッドとの間の領域に配されていることを特徴とする請求項2に記載の光電変換装置。
【請求項14】
前記複数の第2金属部は、前記第1面に対する平面視において前記画素アレイ部と重なる位置に配されていることを特徴とする請求項2に記載の光電変換装置。
【請求項15】
前記複数の第2金属部は、前記第1面に対する平面視において前記画素アレイ部と重なる位置に配されていることを特徴とする請求項13に記載の光電変換装置。
【請求項16】
前記第1金属部は、前記第1画素が出力する信号を伝送し、前記第2金属部は前記第2画素が出力する信号を伝送することを特徴とする請求項2に記載の光電変換装置。
【請求項17】
前記第1金属部は、前記第1画素に入力する信号を伝送し、前記第2金属部は前記第2画素に入力する信号を伝送することを特徴とする請求項2に記載の光電変換装置。
【請求項18】
前記第1半導体部品は前記複数の第1画素の信号をデジタル信号に変換するAD変換回路を有し、
前記第1金属部が前記AD変換回路に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の光電変換装置。
【請求項19】
前記複数の第2画素のそれぞれは、入射光の光量の変化に基づいて前記イベント信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項20】
前記複数の第2画素のそれぞれは、前記イベント信号として複数のビットのデジタル信号を生成することを特徴とする請求項18に記載の光電変換装置。
【請求項21】
ニューラルネットワークを用いた信号処理を行うニューラルネットワーク部を備え、
前記イベント信号が前記ニューラルネットワーク部に入力されることを特徴とする請求項19に記載の光電変換装置。
【請求項22】
前記ニューラルネットワーク部に入力される前記イベント信号がスパイク状の信号であることを特徴とする請求項21に記載の光電変換装置。
【請求項23】
前記第1素子および前記第2素子が前記第2半導体層に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項24】
さらに第3半導体層を備える第3半導体部品を有し、
前記第2半導体部品は、前記第1半導体部品と前記第3半導体部品の間に配されており、
前記第2素子が前記第2半導体層に設けられており、前記第1素子が前記第3半導体層に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項25】
前記第1半導体層および前記第2半導体層のそれぞれが半導体基板であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項26】
前記第1半導体層、前記第2半導体層、前記第3半導体層のそれぞれが半導体基板であることを特徴とする請求項24に記載の光電変換装置。
【請求項27】
請求項1に記載の光電変換装置と、
前記光電変換装置から出力される信号を処理する信号処理部とを有することを特徴とする光電変換システム。
【請求項28】
請求項1に記載の光電変換装置を有する移動体であって、
前記移動体の移動を制御する制御装置を備えることを特徴とする移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光電変換装置、光電変換装置を備える光電変換システムおよび移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の半導体部品が積層され、この複数の半導体部品の間に配置された複数の導電体部が接合された光電変換装置が知られている。特許文献1には、光電変換素子が設けられる受光基板と、受光基板に接合され、光電変換素子から出力される電圧変化を検出するアドレスイベント検出回路を有する回路基板を備える固体撮像素子が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、入射光の明度に対応する信号を生成する画素と、イベント信号を生成する画素の両方が設けられた光電変換装置における、電気的経路の好適な形態に関する検討が為されていない。
【0005】
本開示の技術は、入射光の明度に対応する信号を生成する画素と、イベント信号を生成する画素の両方が設けられた光電変換装置における、電気的経路の好適な形態を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の態様は、光の入射面である第1面および前記第1面に対向する第2面を有する第1半導体層と、第1配線構造体を含む第1半導体部品と、第3面および前記第3面に対向する第4面を有する第2半導体層と、前記第1配線構造体と前記第3面との間に配された第2配線構造体を含む第2半導体部品と、を備える光電変換装置であって、前記第1半導体層は、それぞれが入射光の光量による明度に対応する信号を生成する複数の第1画素と、それぞれが入射光からイベント信号を生成する複数の第2画素とが配された画素アレイ部を有し、前記第1半導体層とは別の半導体層にそれぞれ設けられた、第1素子および第2素子とを有し、前記第1配線構造体は、凹部を備える第1絶縁膜を有し、前記第2配線構造体は、凹部を備える第2絶縁膜を有し、前記第1絶縁膜の前記凹部の内部には第1金属部が設けられ、前記第2絶縁膜の前記凹部の内部には第2金属部が設けられ、前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜は接合面にて接合され、前記第1金属部と前記第2金属部は前記接合面にて接合され、前記第1画素と前記第1素子は、前記第1金属部を介する第1電気的経路によって接続されており、前記第2画素と前記第2素子は、前記第2金属部を介する第2電気的経路によって接続されており、前記第1電気的経路に含まれ、前記第1面と前記第4面との間の所定の層に位置する第1導電体と、前記第2電気的経路に含まれ、前記所定の層に位置する第2導電体とがあり、前記第1面に対する平面視において、前記第1導電体と前記第2導電体の寸法が異なることを特徴とする光電変換装置である。
【発明の効果】
【0007】
本開示の技術により、入射光の明度に対応する信号を生成する画素と、イベント信号を生成する画素の両方が設けられた光電変換装置における、電気的経路の好適な形態を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら各実施例を説明する。
【0010】
以下に述べる各実施形態では、光電変換装置の一例として、撮像装置を中心に説明する。ただし、各実施形態は、撮像装置に限られるものではなく、光電変換装置の他の例にも適用可能である。例えば、測距装置(焦点検出やTOF(Time Of Flight)を用いた距離測定等の装置)、測光装置(入射光量の測定等の装置)などがある。
【0011】
なお、以下に述べる実施形態に記載されるトランジスタの導電型は一例のものであって、実施例中に記載された導電型のみに限定されるものでは無い。実施形態中に記載された導電型に対し、導電型は適宜変更できるし、この変更に伴って、トランジスタのゲート、ソース、ドレインの電位は適宜変更される。
【0012】
例えば、スイッチとして動作させるトランジスタであれば、ゲートに供給する電位のローレベルとハイレベルとを、導電型の変更に伴って、実施例中の説明に対し逆転させるようにすればよい。また、以下に述べる実施例中に記載される半導体領域の導電型についても一例のものであって、実施例中に記載された導電型のみに限定されるものでは無い。実施例中に記載された導電型に対し、導電型は適宜変更できるし、この変更に伴って、半導体領域の電位は適宜変更される。
【0013】
また、以下の実施形態では、回路の素子同士の接続を述べることがある。この場合、注目する素子同士の間に別の素子が介在する場合であっても、特に断りのない限り、注目する素子同士は電気的に接続されているとして扱う。例えば、複数のノードを持つ容量素子Cの一方のノードに素子Aが接続され、他方のノードに素子Bが接続されているとする。このような場合であっても、素子A、素子Bは、特に断りのない限り、電気的に接続されているものとして扱う。また、他の素子を介さずに素子同士が接続されている場合には、直接的に接続されていると表記することがある。上記の例では、素子Aと容量素子Cの間に他の素子が設けられていない場合には、素子Aと容量素子Cは直接的に接続されている、と言える。
【0014】
本明細書に記載される配線、パッドなどの金属部材は、ある1つの元素の金属単体から構成されていても良いし、混合物(合金)であってもよい。例えば、銅配線として説明される配線は、銅の単体によって構成されていても良いし、銅を主に含み、他の成分をさらに含んだ構成であっても良い。また、例えば、外部の端子と接続されるパッドは、アルミニウムの単体から構成されていても良いし、アルミニウムを主に含み、他の成分(例えば銅)をさらに含んだ構成であっても良い。ここに示した銅配線およびアルミニウムのパッドは一例であり、種々の金属に変更することができる。
【0015】
また、ここで示した配線およびパッドは光電変換装置において使用される金属部材の一例であり、他の金属部材にも適用されうる。
【0016】
以下、図面を参照しながら各実施形態を説明する。
【0017】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る光電変換装置のブロック図である。
【0018】
光電変換装置800は、画素アレイ部801、読み出し部802、制御部803を有する。画素アレイ部801は、それぞれが入射光の明度に対応する信号を生成する第1画素である、R画素810、G画素811、B画素812を有する。R画素は、赤色に対応するカラーフィルタを透過した光が入射する第1画素である。また、G画素は、緑色に対応するカラーフィルタを透過した光が入射する第1画素である。また、B画素は、青色に対応するカラーフィルタを要化した光が入射する第1画素である。以下、この明度に対応する信号を生成する画素を明度画素と表記することがある。
【0019】
また、画素アレイ部801は、イベント信号を生成する第2画素である、イベント検出画素813を有する。第1画素と第2画素は、2行および2列のアレイにおいて、3つの第1画素(R画素810、G画素811、B画素812)と、1つの第2画素を含んで構成されている。画素アレイ部801は、2行および2列のアレイが周期的に配された構成を有する。なお、画素アレイ部801には遮光された画素が設けられていないが、遮光された画素を有するようにしても良い。この遮光された画素は、R画素810、G画素811、B画素812のそれぞれと同じ画素構成とし、それぞれが備える光電変換部を遮光した構成とすることができる。また、イベント検出画素813と同じ画素構成を備え、イベント検出画素813の光電変換部を遮光した遮光画素を含んでも良い。また、カラーフィルタが設けられていない画素(ホワイト画素)をさらに設けていても良い。また、R、G、Bのカラーフィルタは一例であり、捕色のカラーフィルタとしても良い。つまり、シアン、マゼンタ、イエローのカラーフィルタ配置としてもよい。
【0020】
読み出し部802は、画素アレイ部801から出力される信号に対し、各種の処理を行う。この各種の処理とは、アナログデジタル変換処理、相関二重サンプリング処理、複数の画素の信号同士の加算処理、信号の補正処理などがある。
【0021】
制御部803は、画素アレイ部801の画素の読み出しを制御する。制御部803は、画素行ごとに第1画素の制御を行うことで、対応する第1画素から信号を読み出す垂直走査を行う。また、制御部803は調停回路を備え、この調停回路は複数の第2画素のうち、イベントが検出された第2画素を順次選択する。これにより、複数の第2画素から順次、イベント信号が読み出し部802に読み出される。つまり、調停回路は、イベントが検出された複数の第2画素からの読み出し順序を調停する制御を行う回路である。
【0022】
図2は、本実施形態の光電変換装置の構成を示した図である。本実施形態の光電変換装置は、半導体部品1と半導体部品2が積層された積層センサの構造を有する。半導体部品1には、
図1で説明した読み出し部802、制御部803が設けられている。半導体部品2には、
図1で説明した画素アレイ部801が設けられている。なお、ここでは2つの半導体部品が積層された構造を示しているが、さらに別の半導体部品が積層された構造であっても良い。その場合には、読み出し部802の一部が1つの半導体部品に配され、別の一部が、別の半導体部品に配されるようにしても良い。この場合には、読み出し部802の一部として、複数の第1画素の信号(明度に対応する信号)を処理する回路が1つの半導体部品に配される。そして、読み出し部802の別の一部として、複数の第2画素の信号(イベント検出信号)を処理する回路が別の1つの半導体部品に配されるようにしても良い。
【0023】
図3は、
図2に示した光電変換装置のうち、
図2に示したA-B線のうちの一部の部分に対応する断面図である。
【0024】
半導体部品1は、半導体層100、配線構造体10(第2配線構造体)を有する。半導体層100には、読み出し部802あるいは制御部803が備える素子であるMOSトランジスタM1、M2と、素子分離部101が設けられている。半導体層100は、典型的には半導体基板である。この半導体基板は典型的には、単結晶シリコンで形成され、100~800μmの厚みを有する。MOSトランジスタM1は半導体層100が備える第1素子であり、MOSトランジスタM2は半導体層100が備える第2素子である。なお、半導体層100は、GaAs基板などの化合物半導体基板であっても良い。
【0025】
配線構造体10は、層間絶縁膜103、106、109と絶縁膜112を有する。層間絶縁膜103、106、109の層に対応して、配線層105、107、111が設けられている。層間絶縁膜103、106、109のそれぞれは、典型的には、シリコン酸化膜(SiO2膜)と、炭化ケイ素膜(SiC膜)を有する。なお、この材料に限定されるものではなく、シリコン窒化膜(Si3N4膜)や、シリコン酸窒化膜(SixOyNz膜、x、y、zは任意の値)を含んだ膜としても良い。配線層105、107のそれぞれが含む配線は銅配線としている。一方で、配線層111が含む配線はアルミニウム配線としている。層間絶縁膜103、106、109の内部には、コンタクトプラグ104と、各配線層同士を接続するビアプラグ108100が設けられている。コンタクトプラグ104はタングステンで形成されている。ビアプラグ108は銅で形成されている。なお、配線層107の配線とビアプラグ108は、デュアルダマシンプロセスによって一体的に形成される。ビアプラグ110は、タングステンで形成されている。
【0026】
絶縁膜112(第2絶縁膜)の内部には、さらにビア312、接合部材311が設けられている。接合部材311は、絶縁膜112の内部に形成された凹部の内部に設けられている。ビア312および接合部材311はともに銅を含む。また、接合部材311とビア312はデュアルダマシンプロセスにより、一体的に形成される。なお、図示を省略しているが、配線層105、107の銅配線、ビアプラグ108、ビア312、接合部材311のそれぞれに対し、それぞれの外周にバリアメタルが設けられていても良い。バリアメタルは、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タンタル(Ta)、窒化タンタル、タングステン(W)のそれぞれ、あるいは複数を組み合わせた合金で形成することができる。これにより、配線層105、107の銅配線、ビアプラグ108、ビア312、接合部材411からの銅の拡散を抑制できる。なお、絶縁膜112の内部には、ビアに接続されない接合部材411がさらに配されている。接合部材411は電気的にフローティングとしてもよい。
【0027】
半導体部品2は、半導体層200、配線構造体20(第1配線構造体)を有する。
【0028】
半導体層200には、第2画素の1つであるイベント検出画素813が有するフォトダイオード230、半導体領域231、ゲート電極232が設けられている。半導体領域231は、第2画素が備える第2素子であるMOSトランジスタのソース、ドレインの一方である。なお、図示しているゲート電極232、半導体領域231を有するMOSトランジスタは、R画素810が有する信号出力トランジスタであり、転送トランジスタには限られない。
【0029】
また、半導体層200には、第1画素の1つであるR画素810を有するフォトダイオード220、半導体領域221、ゲート電極222が設けられている。半導体領域221は、第1画素が有する第1素子であるMOSトランジスタのソース、ドレインの一方である。なお、図示しているゲート電極222、半導体領域221を有するMOSトランジスタは、R画素810が有する信号出力トランジスタであり、転送トランジスタには限られない。
【0030】
フォトダイオード220、230のそれぞれには光学部材を介して光が入射する。この光学部材は、マイクロレンズ515、カラーフィルタ層514を有する。カラーフィルタ層514には、
図1で示したように画素によって異なる色に対応するカラーフィルタが設けられる。カラーフィルタ層514と半導体層200との間には、金属酸化膜511、反射防止膜512、絶縁膜513が設けられている。金属酸化膜511は、負の固定電荷を有する固定電荷膜(ピニング膜)とすることができる。例えば、酸化アルミニウム(Al
2O
3膜)とすることができる。金属酸化膜511を設けることで、半導体層200における暗電流成分を低減することができる。反射防止膜512は、例えば酸化タンタル膜とすることができる。絶縁膜513は、例えばシリコン酸化膜とすることができるし、さらに別の材料の膜(シリコン窒化膜、シリコンさん窒化膜等)を含んでも良い。
【0031】
半導体層200は、光が入射する入射面である第1面F1と、この第1面F1に対して対向する面である第2面F2を有する。第2面F2には、トランジスタのゲート電極が設けられる。
【0032】
半導体層100は、第3面F3と、第3面に対向する第4面F4を有する。第3面F3と第2面F2の間に、配線構造体10、配線構造体20が設けられている。配線構造体10と第3面F3との間に、配線構造体20が設けられている。
【0033】
また、半導体層200には、素子分離部201が設けられている。素子分離部201はSTI(Shallow Torench Isolation)の構造で形成されている。ただし、この例に限定されるものではなく、DTI(Deep Trench Isolation)の構造や、LOCOS(LOCal Oxidation of Silicon)の構造であってもよい。半導体層200は、典型的には半導体基板である。半導体基板は、典型的には単結晶シリコンで形成され、1~10μmの厚みを有する。なお、半導体層200は、GaAs基板などの化合物半導体基板であっても良い。また、半導体層200は、単結晶シリコンで形成された層の入射面の上にゲルマニウムなどの単結晶をさらに配置するようにしても良い。この構成とすることで、赤外光に対する感度をさらに向上させることができる。なお、ゲルマニウムは真性半導体として用いてもよいが、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)などの不純物をドープした不純物半導体であってもよい。また、ゲルマニウムは一例であって、シリコンとバンドギャップの異なる材料を用いることができる。例えばInGaAs(インジウムガリウムヒ素)やGeSn(ゲルマニウムすず)などであってもよい。
【0034】
配線構造体20は、層間絶縁膜203、206、209と絶縁膜212を有する。層間絶縁膜203、206、209の各層に対応して、配線層205、207、211が設けられている。層間絶縁膜203、206、209のそれぞれは、典型的には、シリコン酸化膜(SiO2膜)と、炭化ケイ素膜(SiC膜)を有する。なお、この材料に限定されるものではなく、シリコン窒化膜(Si3N4膜)や、シリコン酸窒化膜(SixOyNz膜、x、y、zは任意の値)を含んだ膜としても良い。配線層205、207、211のそれぞれが含む配線は銅配線としている。層間絶縁膜203、206、209の内部には、コンタクトプラグ204と、各配線層同士を接続するビアプラグ208、210が設けられている。コンタクトプラグ204はタングステンで形成されている。ビアプラグ208、210は銅で形成されている。なお、配線層207の配線とビアプラグ208は、デュアルダマシンプロセスによって一体的に形成される。また、配線層211の配線とビアプラグ210もまた、デュアルダマシンプロセスによって一体的に形成される。
【0035】
絶縁膜212(第1絶縁膜)の内部には、さらにビア322、接合部材321が設けられている。接合部材321は、絶縁膜212の内部に形成された凹部の内部に設けられている。ビア322および接合部材321はともに銅を含む。また、接合部材321とビア322はデュアルダマシンプロセスにより、一体的に形成される。なお、図示を省略しているが、配線層205、207、211の銅配線、ビアプラグ208、ビア322、接合部材321のそれぞれに対し、それぞれの外周にバリアメタルが設けられていても良い。バリアメタルは、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タンタル(Ta)、窒化タンタル、タングステン(W)のそれぞれ、あるいは複数を組み合わせた合金で形成することができる。これにより、配線層205、207、211の銅配線、ビアプラグ208、ビア322、接合部材421からの銅の拡散を抑制できる。なお、絶縁膜212の内部には、ビアに接続されない接合部材421がさらに配されている。接合部材421は電気的にフローティングとしてもよい。また、接合部411と接合部421の一方のみにビアを接続して、所定の電位が与えられるようにしてもよい。なお、この場合には他方の接合部にはビアは接続されていない。
【0036】
半導体部品1、半導体部品2は接合面400にて接合される。この接合面400の接合は、絶縁膜112と絶縁膜212による絶縁膜同士の接合がなされる。そして。接続部材411と接続部材421、および接合部材311と接合部材321による金属部材同士の接合がなされる。このような絶縁膜同士の接合と、金属部材同士の接合が同一面においてなされる接合は、ハイブリッド接合とも呼ばれる。この金属部材同士の接合は、第1画素が出力する信号を伝送する接合部MB1、第2画素が出力する信号を伝送する接合部MB2がある。第1画素の1つであるR画素810と、半導体層100に備わる第1素子であるMOSトランジスタM1とは第1金属部である接合部MB1を介する第1電気的経路によって接続されている。この第1電気的経路は、配線層105、107、111、205、207、211および各配線層を接続するビアプラグを含む。第2画素の1つであるイベント検出画素813と、半導体層100に備わる第2素子であるMOSトランジスタM2とは第2金属部である接合部MB2を介する第2電気的経路によって接続されている。この第2電気的経路は、配線層105、107、111、205、207、211および各配線層を接続するビアプラグを含む。
【0037】
図3の構成では、第1画素の信号を伝送する接合部MB2の幅S2よりも、第2画素の信号を伝送する接合部MB1の幅S1を大きくしている。
【0038】
図4は、光入射面である第1面F1の上面から見た平面視における、接合部材311の構造を示した図である。
図4に示す符号のうち、
図3においても示されている符号は対応する関係にある。
【0039】
図4(a)では、
図3で示した接合部MB1が含む接合部材311と、接合部MB2が含む接合部材311は平面視における構造を示した平面図である。
図4(a)に示している幅S1、幅S2は、
図3に示している幅S1、幅S2と対応している。幅S1、幅S2はそれぞれ、第1方向である、
図4(a)におけるX方向に沿った長さである。接合部MB1の接合部材311と、接合部MB2の接合部材311は、半導体層200の第2面F2から所定の深さ位置に位置する所定の層にともに配されている。
【0040】
また、接合部MB1が含む接合部材311は、第2方向である、
図4(a)におけるY方向に沿った長さである幅T1の長さを有する。また、接合部MB2が含む接合部材311は、第2方向である、
図4(a)におけるY方向に沿った長さである幅T2の長さを有する。幅T1は幅T2よりも長い。つまり、S2<S1、T2<T1の関係となる。また、S1=T1、S2=T2の関係としても良いし、S1≠T1、S2≠T2の関係としても良い。つまり、接合部MB1の接合部材311と接合部MB2の接合部材311とで、長さと幅の少なくとも一方が異なっていればよい。接合部材311の寸法とは、長さ、幅を含む。また、寸法はさらに厚さを含んでもよい。この場合には、接合部MB1の接合部材311と接合部MB2の接合部材311の長さと幅は同じとしつつ、厚さを異ならせるようにしてもよい。なお、長さと幅に限った寸法を示す場合には、平面寸法と称することもある。また、接合部MB2の接合部材311および、接合部MB1の接合部材311のそれぞれの面積では、S2×T2<S1×T1の関係である。この関係とすることにより、接合部MB2の抵抗を接合部MB1の抵抗よりも小さくすることができる。
【0041】
また、
図4(a)では、接合部MB1、MB2ともに、接合部材311に対して4つのビア312が接続されている形態としている。一方で、
図4(b)では、接合部MB1において、接合部材311に接続されるビア312の数を2つに減らしている。この構成とすることにより、接合部MB2のサイズをより小さくすることができる。なお、
図4(a)、(b)では、接合部材311、ビア312に関する構造を記載したが、接合部材321、ビア322についても、接合部材311、ビア312と同じ構造とすることができる。
【0042】
図5は、
図3に示した接合部MB1、MB2付近を拡大した断面図である。ビア322の長さW1は、ビア312の長さW2よりも短い構成としている。一方で、接合部MB1と接合部MB2のそれぞれでビア312の長さは長さW1で同じである。また、接合部MB1と接合部MB2のそれぞれでビア322の長さは長さW2で同じである。この構造とすることにより、接合部MB1、接合部MB2の形成を同時に行うことが可能である。一方で、別の見方をすれば、製造の容易さの観点で見れば、接合部MB1、接合部MB2でビア312、ビア322の長さを異ならせることは、製造プロセスの工程の増加に繋がり得る。よって、接合部MB1、MB2で抵抗を異ならせるには、ビアの長さで異ならせるよりも、接合部材311、321の寸法あるいは平面寸法を異ならせることが好ましい。
【0043】
別の接合部の形態を
図6に示す。
図5では接合部材311、321のそれぞれに対してビアが接続されていた。
図6の形態では、接合部材311、321のそれぞれに対して、補助接合部ZB1、ZB2を有する構造としている。
【0044】
図7は、
図6に示した接合部MB1、MB2に関する、入射面である第1面F1に対する平面視における構造を示した平面図である。
【0045】
図6、
図7の構造では接合部材311は円形状である。接合部MB1、MB2のそれぞれの接合部材311の幅S1、幅S2は、それぞれ接合部材311の直径である。また、この場合の接合部材311の寸法は、接合部MB1、接合部MB2のそれぞれの接合図愛311の直径である。また、寸法は、上述したように、接合部材311の厚さを寸法に含んでもよい。なお、接合部材311の面積は、接合部MB1ではS1×S1×(1/4)×π、接合部MB2ではS2×S2×(1/4)×πとして与えられる。なお、ここでは接合部材311が正円であるとして扱っているが、楕円の形状であってもよい。この場合には、接合部材の寸法は長径と短径を含む。つまり、接合部MB1の接合部材と、接合部MB2の接合部材で、長径と短径の少なくとも一方を異ならせるようにしてもよい。また、接合部材が楕円形状の場合には、長径×短径×πで接合部材311の面積を得ることができる。接合部材311が正円、楕円のいずれの形状であっても、接合部MB1、接合部MB2で寸法あるいは平面寸法を異ならせればよい。また、接合部材311の面積に関して、接合部MB1<接合部MB2とすれば良い。
【0046】
また、本実施形態では、明度に対応する信号を出力する明度画素の1つであるR画素810に接続される電気的経路に関する構造を説明したがG画素、B画素のそれぞれに接続される電気的経路に関する構造も同様とすることができる。なお、以降の本明細書の記載はR画素810に着もした説明を主に行うが、この構成は、G画素811、B画素812にも適用できるものである。
【0047】
一方で、補助接合部ZB1、ZB2は矩形状としている。この構造とすることで接合部MB1、MB2のそれぞれの接合面に適切な力を変えることができ、より精度の高い接合を形成することができる。
【0048】
なお、
図3、
図5に示した形態では、配線層111の配線をアルミニウム配線としていたが、この例に限定されるものではなく、銅配線としてもよい。
【0049】
図8は、本実施形態の光電変換装置の回路ブロック図の一例である。
図1に示した画素アレイ部のうち、1列の画素に関する構成を記載している。それぞれが明度画素である複数のR画素810に対して、信号線VL1が接続されている。また、複数のイベント検出画素813に対して、信号線VL2が接続されている。信号線VL1は、接合部MB1を介して、読み出し部802が有する読み出し回路8020に接続される。また、信号線VL2は接合部MB2を介して、読み出し部802が備える読み出し回路8021に接続される。この構成の場合、接合部MB2の寸法を接合部MB1の寸法よりも小さくすることで、接合部MB2に付随する寄生容量成分が少なくなり、信号線VL2の信号変化を高速にすることができる。よって、イベント検出画素813の信号読出しを高速に行うことができ、イベント検出をより高速に行うことができる。また、この構成により、イベント検出画素813の出力信号の最大振幅を、明度画素の出力信号の最大振幅よりも小さくすることが好適に行える。接合部MB2の寸法を小さくして寄生容量成分を小さくすることによって、出力信号の減衰、応答遅延を小さくすることができるため、最大振幅を小さくすることができる。これにより、イベント検出画素813の消費電力を小さくすることができる。
【0050】
ただし、この形態は一例である。例えば、接合部MB1の寸法が接合部MB2の寸法よりも大きいことで、抵抗値が小さくなり、信号線VL1の信号変化が高速となる場合も生じうる。このような構成では、明度画素の信号を高速に読み出すことができる効果が得られる。
【0051】
読み出し回路8020は、明度画素が出力する信号に対する相関二重サンプリング処理、増幅処理、アナログデジタル変換処理等を行うことができる。
【0052】
読み出し回路8021は、イベント検出回路として機能することができる。このイベント検出回路は、所定の時刻におけるイベント検出画素813の画素値と、所定の時刻よりも前のイベント検出画素813の画素値とを比較し、イベントの発生の有無を検知する機能を有する。
【0053】
別の回路ブロック図の一例を、
図9に示す。
図9の構成は、イベント検出画素813のそれぞれに対して接合部MB2が1つずつ接続される形態である。そして、複数の接合部MB2のそれぞれに対して、読み出し回路8021a、8021bが接続されている形態である。この読み出し回路8021a、8021bのそれぞれは、イベント検出回路として機能することができる。
【0054】
この
図9に示した形態は、1列の画素列に対応して配されている接合部において、イベント検出画素813に対応する接合部MB2の方が、明度画素に対応する接合部MB1よりも多く設けられている形態である。イベント検出画素813が接続される接合部MB2の面積を小さくすることによって、接合部MB」1の配置の自由度を向上させることができる。また、別の見方をすれば、接合部MB2の面積を接合部MB1の面積と同じとした場合に比べて、接合部MB2をより多くの個数、設けることができる。よって、イベント検出画素813の信号をより多くの並列数で読み出すことができる。つまり、複数のイベント検出画素813に対応する信号を高速に読み出すことができる。
【0055】
なお、
図9に示した構成は1つのイベント検出画素813に対して1つの接合部MB2が設けられていたが、この配置には限定されない。例えば、同じ列に位置する複数のイベント検出画素813で1つの接合部MB2を共有しても良い。また、同じ行に位置する複数のイベント検出画素813で1つの接合部MB2を共有しても良い。また、複数行および複数列に位置する複数のイベント検出画素813で1つの接合部MB2を共有しても良い。
【0056】
また、イベント検出画素813に接続される接合部MB2を、入射面である第1面F1に対する平面視において、
図2に示した画素アレイ部801の内側の領域に配置することが容易となる。配置の例を
図10に示す。
図10では、入射面である第1面F1に対する平面視において接合部MB2を画素アレイ部801の内部に配置している。特に、
図9に示した回路ブロック図の形態では、イベント検出画素813のそれぞれに対応して接合部MB2が設けられるため、画素アレイ部801の内側の領域に配置することが好適である。しかし、画素アレイ部801の内側の領域に配置する場合には、画素のピッチによって、接合部MB2を配列するピッチが制約される。本実施形態の場合、イベント検出画素に接続される接合部MB2の面積を小さくしているため、画素のピッチが狭まったとしても、好適に接合部MB2を配置することができる。一方で、接合部MB1は、
図10に示すように画素アレイ部801の領域の外部に配されていても良い。また、半導体部品1あるいは半導体部品2に、光電変換装置の外部に接続するためのパッドが設けられることがある。このパッドは、光電変換装置の信号を出力するパッドや、光電変換装置に電源電圧(VDD、GNDなど)を供給するパッドや、クロック信号、制御信号などの信号を光電変換装置に入力するパッドで有り得る。このようなパッドは、半導体部品1もしくは半導体部品の外周部に設けられる。
図10では、このパッドPADが半導体部品2に設けられている例を示しているが、半導体部品1に設けられても良い。半導体部品1に設けられる場合には、典型的には、半導体部品2には半導体部品1にあるパッドと導通を取るためのパッド開口部が設けられる。パッドが半導体部品1、半導体部品2のいずれに設けられるにせよ、接合部MB1は、第1面F1に対する平面視において、パッドと画素アレイ部801の外周との間に配される形態となる。
図10では、半導体部品2に設けられたパッドPADと、画素アレイ部801の外周との間に接合部MB1が設けられている。このように配置することで、イベント検出画素に接続される接合部MB2の配置レイアウトの自由度を向上させることができる。なお、ここで説明したパッドPADは、アルミニウムを主に含んで構成することができる。典型的には、アルミニウムを主として含み、銅を少量含むパッドとすることができる。なお、画素アレイ部801の外周の一例は、光が入射する開口領域の外部に設けられた遮光画素が配された領域を備えることがあるが、この場合には遮光された画素が配された領域の端部を外周とすることができる。なお、パッドは、
図3に示した第1面F1に設けられてもよいし、第1面F1よりもマイクロレンズ515側の領域に設けられていてもよい。また、パッドは、
図3に示した第4面F4側から半導体層100の内部に設けられた溝の内部に設けられていてもよい。
【0057】
また、
図10に示した接合部MB1の配置は、入射光が入射する開口領域の外周と、パッドPADとの間に接合部MB1が設けられているとも言える。この開口領域は、
図10に示した画素アレイ部801の全体とすることもできるし、画素アレイ部801の一部分を開口領域とし、他の部分を遮光された画素が設けられた領域とすることができる。
【0058】
なお、1列の明度画素に対して1つの信号線が配されている例を示しているが、さらに多くの信号線を有していても良い。
【0059】
本実施形態では、イベント検出画素813に接続される電気的経路に含まれる接合部の面積を、明度に対応する信号を生成する明度画素810~812に接続される電気的経路に含まれる接合部の面積よりも小さくしている。これにより、上述したように、イベント検出画素813の信号を高速に読み出すことができる効果を有する。
【0060】
また、本実施形態では、接合部MB1、MB2が、第1画素、第2画素が出力する信号を伝送する例を説明した。
【0061】
しかし、この例に限定されるものではなく、接合部MB1、MB2が、第1画素、第2画素を制御する信号を伝送するようにしても良い。この第1画素、第2画素を制御する信号とは、光電変換部や信号出力を行う出力トランジスタの入力ノードのリセット動作や、画素行ごとに信号を出力させる選択動作等を指す。この場合においても、第2画素に対する制御を高速に行うことができる効果がある。
【0062】
なお、本実施形態では接合部MB1、MB2のそれぞれの接合部材311の寸法あるいは平面寸法を比較したが、接合部材321同士の寸法あるいは平面寸法で比較するようにしても良い。
【0063】
(第2実施形態)
本実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。本実施形態では、明度画素に接続される接合部MB1の面積を、イベント検出画素に接続される接合部MB2の面積よりも小さくした形態である。
【0064】
光電変換装置の構成は、第1実施形態にて説明した
図1、
図2と同じとすることができる。
【0065】
図11は、本実施形態の光電変換装置の断面図である。
図3に示した部材と同じ機能を有する部材については、
図3で付した符号と同じ符号を
図4でも付している。
【0066】
本実施形態では、明度画素であるR画素810に接続される接合部MB1の接合部材311の幅S1を、イベント検出画素813に接続される接合部MB2の接合部材311の幅S2よりも小さくしている。その他の構造は、第1実施形態の
図3で示した構造と同様である。
【0067】
なお、第1実施形態で説明した
図4、
図5、
図6、
図7のそれぞれの構造は、本実施形態にも適用することができる。この適用にあたっては、第1実施形態では接合部MB1<MB2として説明していたが、逆の関係として適用すれば良い。
図4(b)の構造を持つ接合部は、第1実施形態では接合部MB2であったが、本実施形態では接合部MB1とすればよい。
【0068】
また、本実施形態では、第1実施形態で説明した
図8,
図9のそれぞれの回路ブロックの構成を適用できる。
【0069】
本実施形態では、明度画素に接続される接合部MB2の面積を、イベント検出画素に接続される接合部MB1の面積よりも小さくしている。これにより、明度画素の信号をより高速に読み出すことができる。これにより、明度画素の信号を用いた画像の高解像度化、高フレームレート化の一方あるいは両方を実現することができる。
【0070】
(第3実施形態)
本実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0071】
本実施形態の光電変換装置の回路ブロック図を
図12に示す。本実施形態では、半導体部品2に、AD変換回路1101を有する。AD変換回路1101は、明度画素が出力する信号に対してアナログデジタル変換を行う。
【0072】
図13は本実施形態の光電変換装置の断面図である。
図3に示した部材と同じ機能を有する部材については、
図3で付した符号と同じ符号を
図13でも付している。
【0073】
図13に示した構成では、
図12に示したAD変換回路1101が有するトランジスタ群MG1を示している。トランジスタ群MG1は、典型的には複数のトランジスタを有する。
【0074】
接合部MB1は、トランジスタ群MG1が出力するデジタル信号を、接合部MB1を介して、半導体層100に設けられているトランジスタM2に出力する。なお、接合部MB1、接合部MB2はともに同じ幅S3を有する。なお、奥行き方向の長さは不図示であるが、本実施形態では接合部MB1、接合部MB2の備える接合部材321同士、接合部材311同士は互いに同じ面積としている。
【0075】
本実施形態では、接合部MB1、接合部MB2に接続されるMOSトランジスタの平面寸法(ゲート長、ゲート幅)を異ならせる。つまりゲート長、ゲート幅の少なくとも一方を異ならせる形態である。また、ゲート長、ゲート幅の両方を異ならせてもよい。
【0076】
図14では、接合部MB1に接続されるMOSトランジスタの平面視における構造を示している。トランジスタMT1、MT2が設けられた構成を示している。ここでは、論理回路の一部であるトランジスタとして、NOTゲート回路を形成するトランジスタMT1、MT2が設けられている例を示している。トランジスタMT1、MT2は共通のゲート電極601に接続されている。ただし、ここで示しているNOTゲート回路は論理回路の一例であり、そのほかの論理回路であっても本実施形態を適用することができる。
【0077】
トランジスタMT1は、P型のウエル領域に設けられている。また、トランジスタMT1はN型トランジスタであり、そのソース、ドレインはN型の半導体領域となっている。トランジスタMT1のソース、ドレインの一方は、グラウンド電位(GND電位)を供給する電源配線603に、コンタクトを介して接続されている。また、トランジスタMT1のソース、ドレインの他方は、出力配線604に、コンタクトを介して接続されている。
【0078】
トランジスタMT2はNウエル領域NWL領域に設けられている。トランジスタMT2はP型トランジスタであり、そのソース、ドレインのそれぞれはP型の半導体領域となっている。トランジスタMT2のソース、ドレインの一方は、電源電圧VDDが供給される電源配線602にコンタクトを介して接続されている。また、トランジスタMT2のソース、ドレインの他方は、出力配線604に、コンタクトを介して接続されている。
【0079】
図10に示したトランジスタM1、M2およびトランジスタ群MG1が含むトランジスタ、イベント検出画素813が有するトランジスタは、
図14に示したトランジスタMT1、MT2のいずれかとして当てはめることが可能である。ここではトランジスタMT1に当てはめて説明する。トランジスタMT1のゲート幅は幅GWである。また、トランジスタMT1のゲート長は長さGLである。トランジスタのサイズは、ゲート幅×ゲート長として考えることができ、ここではGW×GLとして扱うことができる。
【0080】
本実施形態では、以下の表1に示す形態のいずれかとすることができる。表1のうち、(1)、(2)の列に対応する枠内に示す数字は、トランジスタのゲート幅を示しており、数字が大きくなるほどトランジスタのゲート幅が大きくなる。表1のうち、(3)、(4)の列に対応する枠内に示すアルファベットは、トランジスタのゲート幅を示しており、アルファベット順でZに近づくほどトランジスタのゲート幅が大きくなる。以下の組合せのNo.1~6で実施することができる。トランジスタのゲート幅が大きくなるほど、トランジスタの駆動力は大きくなる。
【0081】
【0082】
なお、ここでは各トランジスタのゲート幅を異ならせる関係にて説明した。一方で、各トランジスタのゲート長を異ならせる関係としてもよい。つまり、上記の表1において、1)、(2)の列に対応する枠内に示す数字を、トランジスタのゲート長の関係とする。この場合、数字が大きくなるほどトランジスタのゲート長が小さくなる。そして、表1のうち、(3)、(4)の列に対応する枠内に示すアルファベットを、トランジスタのゲート長の関係とする。この場合、アルファベット順でZに近づくほどトランジスタのゲート長が小さくなる。このような関係にて上述の組合せのNo.1~6を実施することができる。ゲート長が小さくなるほど、トランジスタの駆動力は大きくなる。
【0083】
本実施形態では、第1電気的経路に含まれ、第1面と前記第4面との間の所定の層に位置する第1導電体と、第2電気的経路に含まれ、所定の層に位置する第2導電体とがあり、第1面に対する平面視において、第1導電体と第2導電体の平面寸法を異ならせる。
【0084】
上記の表1のうち、No.3、No.4、No.5、No.6では、
図13に示した第1面F1と第4面F4との間の所定の層である半導体層100に設けられたトランジスタM1、M2の一方が第1導電体であり、他方が第2導電体である。
【0085】
上記の表1のうち、No.1、No.2、No.5、No.6を説明する。
図13に示した第1面F1と第4面F4との間の所定の層である半導体層200に設けられた、トランジスタ群MG1のうちのトランジスタと、イベント検出画素813が含むトランジスタの一方が第1導電体であり、他方が第2導電体である。
【0086】
上記の表1のうち、No.1、No.3、No.5は、イベント検出画素813の出力信号に係るトランジスタのゲート幅を、R画素810の出力信号に係るトランジスタのゲート幅よりも大きくする形態である。この構成とすることにより、イベント検出画素813の出力信号を、高速に読み出すことができる。一方、上記の表1のうち、No.2、No.4、No.6は、R画素810の出力信号に係るトランジスタのゲート幅を、イベント検出画素813の出力信号に係るトランジスタのゲート幅よりも大きくする形態である。この構成とすることにより、R画素810の出力信号を、高速に読み出すことができる。なお、ゲート長を異ならせる形態とした場合には、No.1、No.3、No.5は、イベント検出画素813の出力信号に係るトランジスタのゲート長を、R画素810の出力信号に係るトランジスタのゲート長よりも小さくする形態である。この構成とすることにより、イベント検出画素813の出力信号を、高速に読み出すことができる。No.2、No.4、No.6は、R画素810の出力信号に係るトランジスタのゲート長を、イベント検出画素813の出力信号に係るトランジスタのゲート長よりも小さくする形態である。この構成とすることにより、R画素810の出力信号を、高速に読み出すことができる。
【0087】
また、ゲート長とゲート幅の両方を、R画素810の出力信号に係るトランジスタと、イベント検出画素813の出力信号に係るトランジスタとで異ならせてもよい。この場合には、例えば、R画素810の出力信号に係るトランジスタの駆動力を、イベント検出画素813の出力信号に係るトランジスタの駆動力よりも高く設定する。これにより、R画素810の出力信号を、高速に読み出すことができる。また、R画素810の出力信号に係るトランジスタの駆動力よりも、イベント検出画素813の出力信号に係るトランジスタの駆動力を高く設定する。これにより、イベント検出画素813の出力信号を、高速に読み出すことができる。
【0088】
このように、本実施形態の光電変換装置は、イベント検出画素813の出力信号に係るトランジスタと、明度画素の出力信号に係るトランジスタの平面寸法を異ならせることにより、好適な信号読出しを実現することができる。
【0089】
(第4実施形態)
本実施形態の光電変換装置について説明する。本実施形態は、イベント検出画素813がアバランシェフォトダイオード(APD)を含む画素とした形態である。
【0090】
図15において、APD1201を有する光電変換素子1102(
図1に示したイベント検出画素813に対応)は、半導体部品2に設けられており、その他の部材は、半導体部品1に設けられている。
【0091】
APD1201は、光電変換により入射光に応じた電荷対を生成する。APD1201のアノードには、電圧VL(第1電圧)が供給される。また、APD1201のカソードには、アノードに供給される電圧VLよりも高い電圧VH(第2電圧)が供給される。アノードとカソードには、APD1201がアバランシェ増倍動作をするような逆バイアス電圧が供給される。このような電圧を供給した状態とすることで、入射光によって生じた電荷がアバランシェ増倍を起こし、アバランシェ電流が発生する。
【0092】
尚、逆バイアスの電圧が供給される場合において、アノードおよびカソードの電位差が降伏電圧より大きいな電位差で動作させるガイガーモードと、アノードおよびカソードの電位差が降伏電圧近傍、もしくはそれ以下の電圧差で動作させるリニアモードがある。
【0093】
ガイガーモードで動作させるAPDをSPADと呼ぶ。例えば、電圧VL(第1電圧)は、-30V、電圧VH(第2電圧)は、1Vである。APD1201は、リニアモードで動作させてもよいし、ガイガーモードで動作させてもよい。SPADの場合はリニアモードのAPDに比べて電位差が大きくなり耐圧の効果が顕著となるため、SPADであることが好ましい。
【0094】
クエンチ素子1202は、電圧VHを供給する電源とAPD1201に接続される。クエンチ素子1202は、アバランシェ増倍による信号増倍時に負荷回路(クエンチ回路)として機能し、APD1201に供給する電圧を抑制して、アバランシェ増倍を抑制する働きを持つ(クエンチ動作)。また、クエンチ素子1202は、クエンチ動作で電圧降下した分の電流を流すことにより、APD1201に供給する電圧を電圧VHへと戻す働きを持つ(リチャージ動作)。
【0095】
信号処理部1103は、波形整形部1210、カウンタ回路1211、選択回路1212を有する。本明細書において、信号処理部1103は、波形整形部1210、カウンタ回路1211、選択回路1212のいずれかを有していればよい。
【0096】
波形整形部1210は、光子検出時に得られるAPD1201のカソードの電位変化を整形して、パルス信号を出力する。波形整形部1210としては、例えば、インバータ回路が用いられる。
図15では、波形整形部1210としてインバータを一つ用いた例を示したが、複数のインバータを直列接続した回路を用いてもよいし、波形整形効果があるその他の回路を用いてもよい。
【0097】
カウンタ回路1211は、波形整形部1210から出力されたパルス信号をカウントし、カウント値を保持する。また、駆動線1213を介して制御パルスpRESが供給されたとき、カウンタ回路1211に保持された信号がリセットされる。このカウント値の変化を用いて、イベントの検出を行うことができる。つまり、以前の保持していたカウント値から所定の値分、カウント値が変化したことを検出することで、イベントが生じたことを検出することができる。
【0098】
選択回路1212には、
図1に示した制御部803から
図15の駆動線1214を介して制御パルスpSELが供給され、カウンタ回路1211と信号線1113との電気的な接続、非接続を切り替える。選択回路1212には、例えば、信号を出力するためのバッファ回路などを含む。
【0099】
クエンチ素子1202とAPD1201との間や、光電変換素子1102と信号処理部1103との間にトランジスタ等のスイッチを配して、電気的な接続を切り替えてもよい。同様に、光電変換素子1102に供給される電圧VHまたは電圧VLの供給をトランジスタ等のスイッチを用いて電気的に切り替えてもよい。
【0100】
本実施形態では、カウンタ回路1211を用いる構成を示した。しかし、カウンタ回路1211の代わりに、時間・デジタル変換回路(Time to Digital Converter:以下、TDC)、メモリを用いて、パルス検出タイミングを取得する光電変換装置としてもよい。このとき、波形整形部1210から出力されたパルス信号の発生タイミングは、TDCによってデジタル信号に変換される。TDCには、パルス信号のタイミングの測定に、
図1の制御部803から駆動線を介して、制御パルスpREF(参照信号)が供給される。TDCは、制御パルスpREFを基準として、波形整形部1210を介して各画素から出力された信号の入力タイミングを相対的な時間としたときの信号をデジタル信号として取得する。
【0101】
図16は、APDの動作と出力信号との関係を模式的に示した図である。
【0102】
図16(a)は、
図15のAPD1201、クエンチ素子1202、波形整形部1210を抜粋した図である。ここで、波形整形部1210の入力側をnodeA、出力側をnodeBとする。
図16(b)は、
図16(a)のnodeAの波形変化を、
図16(c)は、
図16(a)のnodeBの波形変化をそれぞれ示す。
【0103】
時刻t0から時刻t1の間において、
図16(a)のAPD1201には、VH-VLの電位差が印加されている。時刻t1において光子がAPD1201に入射すると、APD1201でアバランシェ増倍が生じ、クエンチ素子1202にアバランシェ増倍電流が流れ、nodeAの電圧は降下する。電圧降下量がさらに大きくなり、APD1201に印加される電位差が小さくなると、時刻t2のようにAPD1201のアバランシェ増倍が停止し、nodeAの電圧レベルはある一定値以上降下しなくなる。その後、時刻t2から時刻t3の間において、nodeAには電圧VLから電圧降下分を補う電流が流れ、時刻t3においてnodeAは元の電位レベルに静定する。このとき、nodeAにおいて出力波形がある閾値を越えた部分は、波形整形部1210で波形整形され、nodeBで信号として出力される。
【0104】
このように、イベント検出画素813としてAPD1201を有する画素を使用することができる。
【0105】
また、明度画素810~812とイベント検出画素813の画素構成は本実施形態のみならず、すべての実施形態において同じとしてもよい。本実施形態で言えば、明度画素810~812についても、本実施形態で説明した光電変換素子1102の形態としても良い。明度画素810~812とイベント検出画素813の画素構成を同じとすることで、画素アレイ部801に対する、明度画素とイベント検出画素の割り振りを動的に変更することができる。つまり、あるフレームでは明度画素として動作した画素が、別のフレームではイベント検出画素として動作する。この割り振り方は、第1実施形態のように、イベント検出画素の高速読出しを優先するか、第2実施形態のように明度画素の信号読み出しを優先するかに応じて切り替えることが可能である。
【0106】
(第5実施形態)
本実施形態では、複数の半導体部品を備える積層センサにおける実施形態を説明する。
【0107】
図17は、第1実施形態~第4実施形態に対応する機能ブロック図である。
図17では、イベント検出画素が備える、半導体部品2に設けられた受光部703による出力が、半導体部品1に備わるイベント検出回路部704に入力される。また、明度画素が備える、半導体部品2に設けられた受光部701による出力が、半導体部品1に設けられた画像処理部702に入力される。上述した接合部MB1は、受光部701から画像処理部702への第1電気的経路に設けられている。また、上述した接合部MB2は、受光部701からイベント検出回路部704への第2電気的経路に設けられている。
【0108】
図18は、
図17とは別の形態を示した機能ブロック図である。
図18の構成では、半導体部品2にイベント検出回路部704が設けられている。また、半導体部品1にはニューラルネットワーク部が設けられている。イベント検出回路部704が、入射光量の変化に対応するデジタル信号を出力する場合には、ニューラルネットワーク部はConvolutional Neural Network(CNN)の処理を行う。このデジタル信号は、複数のビットを有するデジタル信号とすることができる。一方で、イベント検出回路部704が入射光量の変化に対応してスパイク状の波形の信号を出力する場合には、ニューラルネットワーク部は、Spiking Neural Network(SNN)の処理を行う。スパイク状の波形の信号は、スパイク波が生成しているか否かを示す1ビットのデジタル信号として捉えることもできる。なお、ニューラルネットワーク部による処理はCNN、SNNに限られない。例えば、Recurrent Neural Network(RNN)、Long Short Term Memory(LSTM)による処理など、種々の処理が適用できる。また、ニューラルネットワーク部の代わりに、パターン認識処理機能を有する回路を備えるようにしてもよい。
【0109】
この
図18の形態の場合には、上述した接合部MB1は、受光部701から画像処理部702への第1電気的経路に設けられている。また、上述した接合部MB2は、イベント検出回路部704からニューラルネットワーク部705が備える素子(トランジスタ)への第2電気的経路に設けられている。
【0110】
図19は、
図17、
図18とは異なり、3つの半導体部品が積層された3層積層センサの形態である。第1半導体部品1には、イベント検出回路部704が設けられている。第2半導体部品2には、イベント検出画素の受光部703と、明度画素の受光部701が設けられている。第3半導体部品3には、画像処理部702が設けられている。第1半導体部品1、第2半導体部品2、第3半導体部品3はそれぞれ順に、第1半導体層、第2半導体層、第3半導体層を備える。この第1半導体層、第2半導体層、第3半導体層のそれぞれは、典型的には半導体基板である。半導体基板は、典型的には単結晶シリコンで形成されるが、GaAs基板などの化合物半導体基板であっても良い。
【0111】
この形態の場合には、典型的には、半導体部品1と半導体部品2との接合は、上述したハイブリッド接合によって行われる。一方で、半導体部品2と半導体部品3との接合は、ハイブリッド接合ではなく、絶縁膜同士のみでの接合によって行われる。半導体部品1が備える半導体層(典型的にはシリコン基板)を貫通する貫通電極を用いる。この貫通電極を設けるプロセスは、そして、Through Silicon Via(TSV)とも呼ばれる。この貫通電極により、半導体部品1と半導体部品3との電気的な接続が行われる。この形態の場合においても、受光部701と画像処理部702の間の電気的経路には、半導体部品1と半導体部品2のハイブリッド接合による接合部MB1が設けられる。そして、この接合部MB1と接続される半導体部品2が有する配線に対して、TSVで用いられる貫通電極が接続され、この貫通電極を介して半導体部品3に設けられている画像処理部702に信号が送られる。この形態においても、上述した接合部MB1は、受光部701から画像処理部702への第1電気的経路に設けられているといえる。また、上述した接合部MB2は、受光部701からイベント検出回路部704への第2電気的経路に設けられている。
【0112】
よって、上述した各実施形態は
図17~
図19のいずれの形態であっても好適に実施することができる。
【0113】
(第6実施形態)
本実施形態による光電変換システムについて、
図20を用いて説明する。
図20は、本実施形態による光電変換システムの概略構成を示すブロック図である。
【0114】
上記第1~第5実施形態で述べた光電変換装置(撮像装置)は、種々の光電変換システムに適用可能である。適用可能な光電変換システムの例としては、デジタルスチルカメラ、デジタルカムコーダ、監視カメラ、複写機、ファックス、携帯電話、車載カメラ、観測衛星などが挙げられる。また、レンズなどの光学系と撮像装置とを備えるカメラモジュールも、光電変換システムに含まれる。
図20には、これらのうちの一例として、デジタルスチルカメラのブロック図を例示している。
【0115】
図20に例示した光電変換システムは、光電変換装置の一例である撮像装置1004、被写体の光学像を撮像装置1004に結像させるレンズ1002を有する。さらに光電変換システムは、レンズ1002を通過する光量を可変にするための絞り1003、レンズ1002の保護のためのバリア1001を有する。レンズ1002及び絞り1003は、撮像装置1004に光を集光する光学系である。撮像装置1004は、上記のいずれかの実施形態の光電変換装置(撮像装置)であって、レンズ1002により結像された光学像を電気信号に変換する。
【0116】
光電変換システムは、また、撮像装置1004より出力される出力信号の処理を行うことで画像を生成する画像生成部である信号処理部1007を有する。信号処理部1007は、必要に応じて各種の補正、圧縮を行って画像データを出力する動作を行う。信号処理部1007は、撮像装置1004が設けられた半導体基板に形成されていてもよいし、撮像装置1004とは別の半導体基板に形成されていてもよい。また、撮像装置1004と信号処理部1007とが同一の半導体基板に形成されていてもよい。
【0117】
光電変換システムは、更に、画像データを一時的に記憶するためのメモリ部1010、外部コンピュータ等と通信するための外部インターフェース部(外部I/F部)1013を有する。更に光電変換システムは、撮像データの記録又は読み出しを行うための半導体メモリ等の記録媒体1012、記録媒体1012に記録又は読み出しを行うための記録媒体制御インターフェース部(記録媒体制御I/F部)1011を有する。なお、記録媒体1012は、光電変換システムに内蔵されていてもよく、着脱可能であってもよい。
【0118】
更に光電変換システムは、各種演算とデジタルスチルカメラ全体を制御する全体制御・演算部1009、撮像装置1004と信号処理部1007に各種タイミング信号を出力するタイミング発生部1008を有する。ここで、タイミング信号などは外部から入力されてもよく、光電変換システムは少なくとも撮像装置1004と、撮像装置1004から出力された出力信号を処理する信号処理部1007とを有すればよい。
【0119】
撮像装置1004は、撮像信号を信号処理部1007に出力する。信号処理部1007は、撮像装置1004から出力される撮像信号に対して所定の信号処理を実施し、画像データを出力する。信号処理部1007は、撮像信号を用いて、画像を生成する。
【0120】
このように、本実施形態によれば、上記のいずれかの実施形態の光電変換装置(撮像装置)を適用した光電変換システムを実現することができる。
【0121】
(第7実施形態)
本実施形態の光電変換システム及び移動体について、
図21を用いて説明する。
図21は、本実施形態の光電変換システム及び移動体の構成を示す図である。
【0122】
図21(a)は、車載カメラに関する光電変換システムの一例を示したものである。光電変換システム1300は、撮像装置1310を有する。撮像装置1310は、上記のいずれかの実施形態に記載の光電変換装置(撮像装置)である。光電変換システム1300は、撮像装置1310により取得された複数の画像データに対し、画像処理を行う画像処理部1312と、光電変換システム1300により取得された複数の画像データから視差(視差画像の位相差)の算出を行う視差取得部1314を有する。また、光電変換システム1300は、算出された視差に基づいて対象物までの距離を算出する距離取得部1316と、算出された距離に基づいて衝突可能性があるか否かを判定する衝突判定部1318と、を有する。ここで、視差取得部1314や距離取得部1316は、対象物までの距離情報を取得する距離情報取得手段の一例である。すなわち、距離情報とは、視差、デフォーカス量、対象物までの距離等に関する情報である。衝突判定部1318はこれらの距離情報のいずれかを用いて、衝突可能性を判定してもよい。距離情報取得手段は、専用に設計されたハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアモジュールによって実現されてもよい。また、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって実現されてもよいし、これらの組合せによって実現されてもよい。
【0123】
光電変換システム1300は車両情報取得装置1320と接続されており、車速、ヨーレート、舵角などの車両情報を取得することができる。また、光電変換システム1300は、衝突判定部1318での判定結果に基づいて、車両に対して制動力を発生させる制御信号を出力する制御装置である制御ECU1330が接続されている。また、光電変換システム1300は、衝突判定部1318での判定結果に基づいて、ドライバーへ警報を発する警報装置1340とも接続されている。例えば、衝突判定部1318の判定結果として衝突可能性が高い場合、制御ECU1330はブレーキをかける、アクセルを戻す、エンジン出力を抑制するなどして衝突を回避、被害を軽減する車両制御を行う。警報装置1340は音等の警報を鳴らす、カーナビゲーションシステムなどの画面に警報情報を表示する、シートベルトやステアリングに振動を与えるなどしてユーザに警告を行う。
【0124】
本実施形態では、車両の周囲、例えば前方又は後方を光電変換システム1300で撮像する。
図21(b)に、車両前方(撮像範囲1350)を撮像する場合の光電変換システムを示した。車両情報取得装置1320が、光電変換システム1300ないしは撮像装置1310に指示を送る。このような構成により、測距の精度をより向上させることができる。
【0125】
上記では、他の車両と衝突しないように制御する例を説明したが、他の車両に追従して自動運転する制御や、車線からはみ出さないように自動運転する制御などにも適用可能である。更に、光電変換システムは、自車両等の車両に限らず、例えば、船舶、航空機あるいは産業用ロボットなどの移動体(移動装置)に適用することができる。この移動体は、主に当該移動体の移動に利用される駆動力を生成する駆動力生成部と、主に当該移動体の移動に利用される回転体の一方もしくは両方を含む。駆動力生成部は、エンジン、モーターなどで有り得る。回転体は、タイヤ、車輪、船舶のスクリュー、飛行体のプロペラなどで有り得る。加えて、移動体に限らず、高度道路交通システム(ITS)等、広く物体認識を利用する機器に適用することができる。
【0126】
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0127】
例えば、いずれかの実施形態の一部の構成を他の実施形態に追加した例や、他の実施形態の一部の構成と置換した例も、本発明の実施形態に含まれる。
【0128】
また、上記第6実施形態、第7実施形態に示した光電変換システムは、光電変換装置を適用しうる光電変換システム例を示したものであって、本発明の光電変換装置を適用可能な光電変換システムは
図13及び
図14に示した構成に限定されるものではない。
【0129】
なお、上記実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0130】
以上、説明した実施形態は、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更が可能である。なお、本明細書の開示内容は、本明細書に記載したことのみならず、本明細書および本明細書に添付した図面から把握可能な全ての事項を含む。また本明細書の開示内容は、本明細書に記載した概念の補集合を含んでいる。すなわち、本明細書に例えば「AはBよりも大きい」旨の記載があれば、「AはBよりも大きくない」旨の記載を省略しても、本明細書は「AはBよりも大きくない」旨を開示していると云える。なぜなら、「AはBよりも大きい」旨を記載している場合には、「AはBよりも大きくない」場合を考慮していることが前提だからである。
【0131】
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
【0132】
(構成1)
光の入射面である第1面および前記第1面に対向する第2面を有する第1半導体層と、第1配線構造体を含む第1半導体部品と、
第3面および前記第3面に対向する第4面を有する第2半導体層と、前記第1配線構造体と前記第3面との間に配された第2配線構造体を含む第2半導体部品と、
を備える光電変換装置であって、
前記第1半導体層は、それぞれが入射光の光量による明度に対応する信号を生成する複数の第1画素と、それぞれが入射光からイベント信号を生成する複数の第2画素とが配された画素アレイ部を有し、
前記第1半導体層とは別の半導体層にそれぞれ設けられた、第1素子および第2素子とを有し、
前記第1配線構造体は、凹部を備える第1絶縁膜を有し、前記第2配線構造体は、凹部を備える第2絶縁膜を有し、
前記第1絶縁膜の前記凹部の内部には第1金属部が設けられ、前記第2絶縁膜の前記凹部の内部には第2金属部が設けられ、
前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜は接合面にて接合され、前記第1金属部と前記第2金属部は前記接合面にて接合され、
前記第1画素と前記第1素子は、前記第1金属部を介する第1電気的経路によって接続されており、
前記第2画素と前記第2素子は、前記第2金属部を介する第2電気的経路によって接続されており、
前記第1電気的経路に含まれ、前記第1面と前記第4面との間の所定の層に位置する第1導電体と、前記第2電気的経路に含まれ、前記所定の層に位置する第2導電体とがあり、
前記第1導電体と前記第2導電体の寸法が異なることを特徴とする光電変換装置。
【0133】
(構成2)
各々が前記第2金属部である複数の第2金属部を有し、
前記複数の第2金属部の1つが前記第1導電体であり、前記複数の第2金属部の別の1つが前記第2導電体であることを特徴とする構成1に記載の光電変換装置。
【0134】
(構成3)
各々が前記第1金属部である複数の第1金属部を有し、
前記複数の第1金属部の1つが前記第1導電体であり、前記複数の第1金属部の別の1つが前記第2導電体であることを特徴とする構成1に記載の光電変換装置。
【0135】
(構成4)
各々が前記第1金属部である複数の第1金属部を有し、
前記複数の第1金属部のうち、前記第1導電体である前記第2金属部と接合する1つの第1金属部と、前記第2導電体である前記第2金属部と接合する別の1つの第1金属部の、寸法が異なることを特徴とする構成2に記載の光電変換装置。
【0136】
(構成5)
前記複数の第1金属部のうち、前記第1導電体である前記第2金属部と接合する1つの第1金属部と、前記第2導電体である前記第2金属部と接合する別の1つの第1金属部の、寸法が異なることを特徴とする構成4に記載の香典変換装置。
【0137】
(構成6)
前記第1素子と前記第2素子はそれぞれがゲート電極を備えるMOSトランジスタであり、
前記第1素子であるMOSトランジスタの前記ゲート電極が前記第1導電体であり、
前記第2素子であるMOSトランジスタの前記ゲート電極が前記第2導電体であることを特徴とする構成1に記載の光電変換装置。
【0138】
(構成7)
前記第1導電体よりも前記第2導電体の方が、前記第1面に対する平面視において面積が小さいことを特徴とする構成1乃至構成6のいずれか1つに記載の光電変換装置。
【0139】
(構成8)
前記第1導電体よりも前記第2導電体の方が、前記第1面に対する平面視において面積が小さく、前記1つの第1金属部よりも、前記別の1つの第1金属部の方が、前記第1面に対する平面視における面積が小さいことを特徴とする構成4または5に記載の光電変換装置。
【0140】
(構成9)
各々が前記第1金属部である複数の第1金属部と、
前記光電変換装置の外部に接続されるパッドを有し、
前記複数の第1金属部は、前記第1面に対する平面視において前記画素アレイ部の外周と前記パッドとの間の領域に配されていることを特徴とする構成2乃至8のいずれか1つに記載の光電変換装置。
【0141】
(構成10)
各々が前記第1金属部である複数の第1金属部と、
前記光電変換装置の外部に接続されるパッドを有し、
前記画素アレイ部は、光が入射する開口領域を有し、
前記複数の第1金属部は、前記第1面に対する平面視において前記開口領域の外周と前記パッドとの間の領域に配されていることを特徴とする構成2乃至8のいずれか1つに記載の光電変換装置。
【0142】
(構成11)
前記複数の第2金属部は、前記第1面に対する平面視において前記画素アレイ部と重なる位置に配されていることを特徴とする構成2乃至10のいずれか1つに記載の光電変換装置。
【0143】
(構成12)
前記第1金属部は、前記第1画素が出力する信号を伝送し、前記第2金属部は前記第2画素が出力する信号を伝送することを特徴とする構成2乃至11のいずれか1つに記載の光電変換装置。
【0144】
(構成13)
前記第1金属部は、前記第1画素に入力する信号を伝送し、前記第2金属部は前記第2画素に入力する信号を伝送することを特徴とする構成2乃至11のいずれか1つに記載の光電変換装置。
【0145】
(構成14)
前記第1半導体部品は前記複数の第1画素の信号をデジタル信号に変換するAD変換回路を有し、
前記第1金属部が前記AD変換回路に接続されていることを特徴とする構成3に記載の光電変換装置。
【0146】
(構成15)
前記複数の第2画素のそれぞれは、入射光の光量の変化に基づいて前記イベント信号を生成することを特徴とする構成1乃至14のいずれか1つに記載の光電変換装置。
【0147】
(構成16)
前記複数の第2画素のそれぞれは、前記イベント信号として複数のビットのデジタル信号を生成することを特徴とする構成15に記載の光電変換装置。
【0148】
(構成17)
ニューラルネットワークを用いた信号処理を行うニューラルネットワーク部を備え、
前記イベント信号が前記ニューラルネットワーク部に入力されることを特徴とする構成15に記載の光電変換装置。
【0149】
(構成18)
前記ニューラルネットワーク部に入力される前記イベント信号がスパイク状の信号であることを特徴とする構成17に記載の光電変換装置。
【0150】
(構成19)
前記第1素子および前記第2素子が前記第2半導体層に設けられていることを特徴とする構成1乃至18のいずれか1つに記載の光電変換装置。
【0151】
(構成20)
さらに第3半導体層を備える第3半導体部品を有し、
前記第2半導体部品は、前記第1半導体部品と前記第3半導体部品の間に配されており、
前記第2素子が前記第2半導体層に設けられており、前記第1素子が前記第3半導体層に設けられていることを特徴とする構成1乃至18のいずれか1つに記載の光電変換装置。
【0152】
(構成21)
前記第1半導体層および前記第2半導体層のそれぞれが半導体基板であることを特徴とする構成1乃至20のいずれか1つに記載の光電変換装置。
【0153】
(構成22)
前記第1半導体層、前記第2半導体層、前記第3半導体層のそれぞれが半導体基板であることを特徴とする構成20に記載の光電変換装置。
【0154】
(構成23)
構成1乃至22のいずれか1つに記載の光電変換装置と、
前記光電変換装置から出力される信号を処理する信号処理部とを有することを特徴とする光電変換システム。
【0155】
(構成24)
構成1乃至22のいずれか1つに記載の光電変換装置を有する移動体であって、
前記移動体の移動を制御する制御装置を備えることを特徴とする移動体。
【符号の説明】
【0156】
1 半導体部品
2 半導体部品
100 半導体層
200 半導体層
MB1、MB2 接合部
311、321、411、421 接合部材